JP2009529657A - アフィニティ領域 - Google Patents
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Abstract
Description
我々は、ミスフォールドタンパク質の出現を感知し、ミスフォールドタンパク質の分解およびクリアランスをもたらす、クロスベータ経路と称される生物学的メカニズムについて以前に開示した(特許WO2004/004698)。我々は、クロスベータ構造またはクロスベータ構造前駆体を含んでなるタンパク質と共通した構造的特徴の、ミスフォールドタンパク質を認識する、tPAおよび密接関連タンパク質因子XII、肝細胞成長因子アクチベーター(HGFA)およびフィブロネクチンを含めた、いくつかのタンパク質を実験で同定した。我々は、文献の解析に基づき、細胞表面レセプターを含めたいくつかの追加タンパク質が、ミスフォールドタンパク質のクリアランスを含めた、ミスフォールドタンパク質への体の応答に関与し、そのためクロスベータ経路の一部であることも開示した。我々は、これらタンパク質のいくつか、例えばtPAおよびその関連物が、ミスフォールドタンパク質を直接認識しうることを開示した。上記のタンパク質は、3D構造および/またはアミノ酸配列の点で関連性がないと思われる、多数のリガンドと結合することが知られていた。これらのタンパク質リガンドは多くが疾患と関連しているが、認識の共通構造または配列様式の存在は当初特定されていなかった。包括的に、ミスフォールドタンパク質を認識するtPA、その関連物および他のタンパク質はそのため、ミスフォールドタンパク質のクリアランスを促進するメカニズム、即ちクロスベータ経路の一部である。クロスベータ経路が関与する生理学的プロセスの例は、長期増強、先天性免疫、適応免疫、血管形成、血液凝固、血栓形成およびフィブリン溶解である。クロスベータ経路の機能不全は、例えばクロスベータコンホメーションの凝集物またはフィブリルのような、アミロイドで通常みられる構造的特徴を伴うまたは伴わない、危険なミスフォールドタンパク質を形成するタンパク質をもたらす。上記と以前に特許出願WO2004/004698で述べられているように、ミスフォールドタンパク質は、一部がタンパク質ミスフォールディングと既に関連づけられた様々な健康問題および疾患と、そのようには未だ関連づけられていないその他について、根源に存在している。これらの健康問題および疾患には、ハンチントン病、局在性アミロイドーシス、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、出血、血栓症、癌、敗血症、炎症疾患、リウマチ様関節炎(RA)、多発性硬化症(MS)、他の自己免疫疾患、記憶の喪失を伴う疾患、例えばアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病および他の神経疾患、例えば癲癇、脳症、脳炎、白内障、全身性アミロイドーシス、伝染性海綿状脳症、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病、および腎不全に罹患した患者で透析に関連したアミロイドーシスがある。
このように、クロスベータ経路の調節はタンパク質ミスフォールディング疾患の治療機会をもたらす。
上記のように、タンパク質ミスフォールディング疾患、ミスフォールドタンパク質疾患、タンパク質ミスフォールディング障害、コンホメーション疾患、ミスフォールドタンパク質関連および/または関係疾患またはタンパク質フォールディング障害と称されるタンパク質ミスフォールディングと関連した疾患にはアミロイドーシス(amyloidoses)を含み、タンパク質ミスフォールディングは必ずしもアミロイドーシスまたはタンパク質ミスフォールディング障害という用語で規定されない多くの他の疾患および健康問題および生理学的プロセスとも関連しており、そのうちいくつかは前記されている。
‐本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物を、ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質と接触させ;
‐IgIV分子および/または単離、合成および/または組換え分子に結合されたミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質を含んでなる複合体を食細胞と接触させ;および
‐該ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の食細胞による食作用を誘導または増強しうるIgIV分子および/または単離、合成および/または組換え分子を集める。
‐タンパク質を含んでなる該医薬組成物またはその成分のいずれかを本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物と接触させ;
‐該IgIV分子のコレクションおよび/または組成物への該ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の結合を行わせ;および
‐タンパク質を含んでなる医薬組成物またはその成分のいずれかから、結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質を分離する。
‐該サンプルを本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物と接触させて、結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質を得、および
‐結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質を同定する。該結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質は、好ましくは、当業界で知られているいずれかの方法を用いて、該ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはタンパク質のアミノ酸配列の少なくとも一部を解析することにより同定される。該サンプルは好ましくは水溶液、更に好ましくは体液を含んでなる。1つの好ましい態様において、健康な個体(好ましくはヒト)からの体液とミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造の存在と関連および/または関係する疾患に罹患したまたは罹患していると疑われる個体からの体液が、健康状態を病状(または疾患のリスクが高められた状態)と比較するために用いられる。
‐該水溶液を本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物と接触させ、および
‐結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質および/またはペプチドが存在しているかどうかを検出する。該タンパク質および/またはペプチドは、好ましくは、該水溶液を本発明のコレクションおよび/または組成物と接触させ、結合ペプチドおよび/またはタンパク質を検出することにより、水溶液で検出される。このように、タンパク質を含んでなる水溶液でミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質および/またはペプチドを検出するための方法が提供され、該方法では、該水溶液を本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物と接触させて、結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質および/またはペプチドを得、結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質および/またはペプチドを検出する。本発明の該コレクションおよび/または組成物とミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造との結合は、好ましくは、例えば蛍光染色または酵素もしくは比色検出によるような視覚化反応で、または熟練者に利用されるいずれか他の視覚化系で検出される。
‐本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物を用いてリファレンスサンプルでタンパク質のクロスβ構造含有率を調べ;
‐該タンパク質のクロスβ構造含有率に影響を有すると予想される処理に該タンパク質を付し、こうして試験サンプルを得;
‐本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物を用いて、得られた試験サンプル中における該タンパク質のクロスβ構造含有率を調べ;および
‐該リファレンスサンプル中該タンパク質のクロスβ構造含有率が該試験サンプル中該タンパク質のクロスβ構造含有率と有意に異なるかどうかを調べる。
材料
‘静脈注射Ig’(‘IVIg’または‘IgIV’)、‘ガンマグロブリン’、‘静脈注射用免疫グロブリン’、‘静脈注射イムノグロブリン’またはその他と称されるヒト広域免疫グロブリンG(IgG)抗体を地元のUniversity Medical Center Utrecht調剤部から得た。OctapharmaからのOctagam(Octapharma International Services N.V.,Brussel,Belgium;50mL中用量2.5g,ロット4270568431,期限05‐2006,以下IgIV‘製造業者I’、IgIV(I)またはIgIV‐Iと称される)およびBaxterからのHyland Immuno Gammagard S/D IVIg(Baxter B.V.,Utrecht,オランダ;96mL再調製溶液で用量5g,ロットLE08E044AL,期限04‐2007,以下IgIV‘製造業者II’、IgIV(II)またはIgIV‐IIと称される)を用いた。96mL給水を加え、室温でローラー装置上に該溶液を30分間置くことにより、Gammagardを無菌条件下で再調製した(最終IgG濃度52mg/mL)。透明溶液を泡形成なしで得た。再調製溶液を等分し、−20℃で保存した。再調製後、Gammagard溶液は0.06g低温殺菌ヒトアルブミン、0.45gグリシン、0.175g NaCl、0.43gグルコース一水和物および0.04gポリエチレングリコール3,350を含有している。Octagamは、50mg/mL IgIVを含んでなる即使用溶液として供給されている。他の成分は100mg/mLマルトースおよび5μg/mL未満Triton X‐100および1μg/mL未満トリ‐n‐ブチルホスフェートである。それは4℃で保存する。製造業者によると、Octagamは主IgG(≧95%)と副IgAフラクション(≦0.4%)からなる。4種のIgGイソタイプの分布は:IgG1,62.6%;IgG2,30.1%;IgG3,6.1%;IgG4,1.2%である。GammagardおよびOctagamは室温で用いる。溶液を使用前に少なくとも30分間室温で保った。Gammagardの凍結アリコートを最初に約0℃へ急速解凍し、次いで室温で置いた。第三のヒト免疫グロブリン源はUniversity Medical Center Utrechtで調製された、外見上健康なドナー約40例の正常プール加クエン酸血漿であった。この血漿を採血後に直接混ぜ、直接等分し、−80℃で凍結した。使用前、アリコートを37℃水浴中で10分間解凍し、室温で30分間保った。ピペットで攪拌および/または再懸濁することにより血漿を混ぜた;用いられたIgIV調製物およびその他すべてのタンパク質溶液で行われていたため、ボルテックスは避けた。
タンパク質のグリケーション
アルブミンおよびHbのグリケーション(glycation)を次のように行った。BSA‐AGEの調製の場合、100mg/mLのアルブミンを、1MのD‐グルコース‐6‐リン酸二ナトリウム塩水和物(無水)(g6p,ICN,Aurora,Ohio,USA)および0.05%m/v NaN3を含有するリン酸緩衝液(PBS,140mM塩化ナトリウム,2.7mM塩化カリウム,10mMリン酸水素二ナトリウム,1.8mMリン酸二水素カリウム,pH7.3)と暗所中37℃でインキュベートした。溶液を70週間にわたりグリケート化させた。10mg/mLのヒトHbを、1Mのg6pおよび0.05%m/v NaN3を含有するPBSと37℃で75週間インキュベートした。インキュベート後、アルブミンおよびHb溶液を蒸留水に対して徹底透析し、その後で等分し、−20℃で保存した。タンパク質濃度をAdvancedタンパク質アッセイ試薬ADV01(Cytoskeleton,Denver,CO,USA)で調べた。
熱変性ミスフォールドタンパク質を次のように調製した。67mM NaPi緩衝液pH7.0、100mM NaCl中1mg/mLのエンドスタチン(組換え産生コラーゲンXVIIIフラグメント,EntreMed,Inc.,Rockville,MD;溶液)、BSA(Sigma-Aldrich;凍結乾燥,カタログ番号A7906)、ネズミ血清アルブミン(MSA,Calbiochem,EMD Biosciences,Inc.,San Diego,CA;凍結乾燥,カタログ番号126674)、ニワトリ卵白リゾチーム(ICN,Irvine,CA,USA;凍結乾燥,カタログ番号100831)、ヒトグルカゴン(Glucagon,Novo Nordisk,Copenhagen,Denmark;凍結乾燥,カタログ番号PW60126)、精製ニワトリオボアルミブン(OVA,Sigma;カタログ番号A7641,ロット071k7094)またはヒトβ2‐糖タンパク質I(β2gpi,インハウス精製,新鮮血漿から,ref.(Horbach et al.,1996))をPTC‐200サーマルサイクラー(MJ Research,Inc.,Waltham,MA,USA)でPCRカップ中5サイクルにわたり加熱した。各サイクルにおいて、タンパク質を30から85℃へ5℃/minの割合で加熱した。加えて、エンドスタチン、MSA、オボアルミブンおよびリゾチームを、1回のみの熱インキュベートサイクルを用いて、同様に1mg/mLで熱変性させた。7.9mg/mLのエンドスタチンをH2Oで1mg/mLに希釈し、MSAおよびオボアルミブンをPBS pH7.4で1mg/mLとし、リゾチームを10μM HCl添加のPBSに1mg/mL濃度で溶解させた。コントロールタンパク質は熱サイクリング操作に付されない。アミロイド様構造へのタンパク質のミスフォールディングを確認するために、チオフラビンT(ThT)の増強を熱処理タンパク質およびコントロールタンパク質で評価した。ThT‐アミロイド様タンパク質/ペプチド付加物の蛍光を次のように測定した。25μg/mLのタンパク質またはペプチド調製物の溶液を25μM ThT含有の50mMグリシン緩衝液pH9.0で調製した。蛍光を435nmで励起時に485nmで測定した。緩衝液、ThT含有緩衝液および無ThTのタンパク質/ペプチド溶液のバックグラウンドシグナルを、ThTとインキュベートされたタンパク質溶液での対応測定値から差し引いた。規定どおりに、Aβの蛍光を陽性コントロールとして用い、合成ヒトフィブリンフラグメントFP10(148‐KRLEVDIDIK‐157(配列番号4);Peptide Facility,Dutch Cancer Institute,Amsterdam,オランダ)、非アミロイドフィブリンフラグメント(Kranenburg et al.,2002)および緩衝液の蛍光を陰性コントロールとして用いた。蛍光をHitachi F‐4500蛍光分光光度計(Hitachi,Ltd.,Tokyo,Japan)で三重に測定した。一方、コンゴーレッド蛍光も同様に解析した。今回は、励起および発光波長は550および590nmであった。再び、25μg/mLの試験タンパク質を25μMコンゴーレッド溶液で解析した。
酵母プリオンタンパク質のペプチドフラグメントNH2‐GNNQQNY‐COOH(配列番号5)をthe Peptide Facility of the Netherlands Cancer Institute(H.Hilkmann,NKI-Amsterdam,オランダ;ロット5LKB1‐2081)から購入した。該ペプチドの純度は逆相HPLCを行い解析したところ、〜90%であった。該ペプチドをH2Oで1および10mg/mLの最終濃度まで溶解させた。透明溶液をローラーバンクにて4℃で72時間または無運動下室温で5時間インキュベートした。コンゴーレッド蛍光の増強をアミロイド様コンホメーションの存在に関する尺度として調べた(前記参照)。加えて、このバッチのペプチドでクロスベータ構造の形成が、H2O中10mg/mLの溶液を用いてX線線維回折解析で確認された(パーソナルコミュニケーション,L.Kroon-Batenburg,Bijvoet Center for Biomolecular Research,Dept.of Crystal & Structural Chemistry,University of Utrecht,The Netherlands)(ここではデータ示さず)。
CuSO4への溶液中タンパク質の長期暴露を用いてタンパク質の酸化を行った。用いられたタンパク質は、外見上健康者のヒト正常プール加クエン酸血漿、調合エンドスタチン(EntreMed,Inc.,Rockville,MD;7.9mg/mL溶液)、ニワトリ卵白リゾチーム(ICN,カタログ番号100831,ロット98032)、ヒトヘモグロビン(Sigma-Aldrich;カタログ番号H7379,ロット039H7605)、ヒトグルカゴン(Novo Nordisk Farma B.V.のGlucagen,ロットRW60038)、ウシアルブミン(Sigma-Aldrich,A7906,ロット81K1813)、ヒトγ‐グロブリン(Sigma-Aldrich,G4386,ロット21K7600)、ニワトリ卵白オボアルミブン(Sigma-Aldrich,A7641,ロット071K7094)であった。凍結乾燥タンパク質をPBSに2mg/mLで溶解し、血漿を40倍希釈し、エンドスタチンをPBSで2mg/mLに希釈した。2%m/vのNaN3ストック溶液を0.02%の最終濃度まで加えた。H2O中1MのCuSO4ストック溶液を10mMの最終濃度まで加えた。コントロールタンパク質溶液では、H2OをCuSO4の代わりに加えた。すべてのタンパク質溶液を攪拌により混ぜ、ボルテックスは避けた。溶液をローラーバンクにて4℃で72時間保った。ThTの増強を測定した(前記参照)。
マルチマー分子から構成される表面への暴露でミスフォールドタンパク質を調製するために、21.4μg/mLでCpG‐ODN(Coley Pharmaceutical Group,MA,USA)または600μg/mLでリポ多糖(LPS,Escherichia coli血清型011:B4から,#L2630,ロット104K4109,Sigma-Aldrich)を1mg/mLのニワトリ卵白リゾチーム(凍結乾燥,Fluka,Sigma-Aldrich;カタログ番号62971)、BSA、エンドスタチンおよびオボアルミブンと混ぜ、ローラーバンクにて4℃でo/nインキュベートまたは室温で1時間インキュベートした。この目的のために、凍結乾燥タンパク質をHEPES緩衝液(HBS,10mM HEPES,4mM KCl,137mM NaCl,pH7.2)に2mg/mLの最終濃度まで溶解させ、7.9mg/mLのエンドスタチンをHBSで2mg/mLに希釈した。タンパク質をローラーバンクにて室温で10分間、37℃および室温で10分間かけて穏やかに溶解させた。2mg/mLのタンパク質溶液を次いで使用前に100,000*gで1時間超遠心し、その後で42.9μg/mL CpG‐ODNまたは1200μg/mL LPS含有のHBSで1:1希釈した。アミロイド様クロスベータ構造の形成を、変性表面が省かれたコントロールタンパク質溶液に対するチオフラビンT蛍光の増強を測定することにより評価した。この目的のために、タンパク質を25μg/mLに希釈し、アッセイ用緩衝液またはアッセイ用緩衝液中25μMチオフラビンTとインキュベートした(アッセイ詳細に関しては前記参照)。
正常プール血漿中IgIVまたは免疫グロブリンの結合性を酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)セットアップを用いて調べた。この目的のためには50μL/ウェルのポテンシャルリガンドを指示濃度で、またはコントロールおよびバックグラウンド測定目的には被覆用緩衝液のみを、50mM NaHCO3 pH9.6中運動下4℃で一夜被覆した。グリケート化アルブミンおよびHb(BSA‐AGEおよびHb‐AGE)、コントロールBSAおよびコントロールHbは5μg/mLで被覆した。AβおよびFP13は25μg/mLで被覆した。ピペッティングに続いてローラーバンクにて室温で30分間にわたる再懸濁で、PBSに1mg/mLで凍結乾燥タンパク質を溶解させることにより、BSAおよびHbコントロールを新たに調製した。タンパク質溶液を16,000*gで10分間遠心し、被覆用緩衝液で希釈した。被覆コントロールは抗グリケート化タンパク質抗体、抗アルブミン抗体、抗Hb抗体および抗Aβ抗体で行った。FP13はポリクローナル抗フィブリノーゲン抗体で認識されなかった。IgIVを被覆し、それらを二次抗体で覆うことにより、アルカリ性ホスファターゼ複合化抗ヒトIg抗体を制御した。被覆後、プレートを50mM Tris‐HCl pH7.3、150mM NaCl、0.1%v/v Tween20で2回洗浄し、運動下室温で1時間かけて175μL/ウェル遮蔽試薬(Roche Diagnostics,Almere,オランダ;カタログ番号111125890001)で遮蔽した。プレートを2回洗浄し、結合用緩衝液;PBS/0.1%v/v Tween20中50μL/ウェルで推定インヒビターの不在または存在下、指定の抗体希釈シリーズ、血漿希釈シリーズまたは結合用緩衝液のみを含むコントロールと三重に室温で1時間一定運動下にてインキュベートした。4洗浄サイクル後に、二次抗体を運動下室温で45分間かけて50μL/ウェルでウェルへ加えた。RAMPOおよびSWARPOを2000倍希釈で用い、ヤギ抗ヒトIgG抗体を3000倍で希釈し、ヤギ抗ヒトIgM抗体を1000倍で希釈した。洗浄緩衝液で5回洗浄、次いでPBSで2回洗浄後、抗体の結合性を評価した。アルカリ性ホスファターゼ複合化二次抗体の場合、DEA緩衝液pH9.8(HClでpH調整された、240μM MgCl2・6H2O含有の、H2O中10%v/vジエタノールアミン)中p‐ニトロフェニルホスフェート(600μg/mL)を100μL/ウェルで〜5分間用いた。50μL/ウェルのH2O中2.4M NaOHを加えることにより反応を止めた。5分間後、吸光度を405nmで読んだ。ペルオキシダーゼ複合化RAMPOおよびSWARPOの場合は、50mMクエン酸/100mM Na2HPO4/0.06%v/v H2O2 pH5中OPD(1.3mg/mL)を100μL/ウェルで〜5分間用いた。50μL/ウェルのH2O中2M H2SO4を加えることにより反応を止めた。5分間後、吸光度を490nmで読んだ。各実験を少なくとも2回行った。アミロイド様クロスベータ構造結合化合物およびコントロール(ref.(Bouma et al.,2003)および特許出願P57716EP00)がクロスベータ構造リガンドと結合するIgIVを妨げるかどうかを試験するために、ポテンシャルインヒビターの濃度シリーズを準最適IgIV濃度の存在下で試験した。この目的のために、tPA、K2P tPA、コンゴーレッド、チオフラビンS(ThS)およびチオフラビンT(ThT)の用いられたストック溶液は各々3.7mg/mL、1.1mg/mL、10mM、10mMおよび10mMであった。リシン‐およびアルギニン残基へのtPAおよびK2P tPAのクリングル2ドメインの結合を避けるために、tPAおよびK2P tPAの影響を10mM ε‐アミノカプロン酸の存在下で試験した(アミロイド様構造へのtPA結合は、トランケートK2P tPAで欠くそのフィンガードメインにより媒介される;クリングル2ドメインはリシンおよびアルギニンの露出側鎖と結合する)。結合用緩衝液およびK2P tPAはこれらの阻害研究でネガティブコントロールとして働く。別に、同様の阻害研究を固定AβまたはBSA‐AGE、準最適濃度のtPA(ref.(Bouma et al.,2003;Kranenburg et al.,2002))および濃度シリーズのコンゴーレッドまたはThTで行った。データ処理は次のように行った。三重データを平均化し、標準偏差を計算した。緩衝液被覆ウェルで得られたバックグラウンドシグナル(空ウェルへの一次抗体の結合)、および一次抗体が省かれたウェルで得られたバックグラウンドシグナル(被覆リガンドへの二次抗体の結合)を差し引いた。
免疫化をABC-Hybridoma facility(P.van Kooten & M.Smits,Utrecht University,オランダ)で行った。マウス(Balb/c)を100μL H2Oおよび100μL完全フロイントアジュバント中100μg Aβで免疫した。3週間後、H2O-Specol(ID‐DLO,Lelystad,オランダ)中50μg Aβの一次ブースト、一次ブースト後30日目に二次ブーストを行った。二次ブースト後36および37日目に、マウスをPBS中50μg Aβで2回(静脈内)追加ブーストした。Aβで免疫化の開始後約44週〜48週目に、マウスは病気になったが、回復した。49週後、マウスをH2O-Specol中50μg組換えニワトリ血清アミロイドAで免疫した。この抗原はDr.H.Toussaint(Dept.of Veterinary Medicine,University of Utrecht,The Netherlands)の贈与であった。4週間後、マウスを50μg Hb‐AGEで免疫した。最後に、31および32日後、マウスをPBS中50μg FP6(配列番号6)で2回静脈内ブーストした。最終ブースト後3日目に、マウスを屠殺し、ハイブリドーマを作製するために脾臓を用いた。融合用培地をPEG4000(Merck,カタログ番号9727)で富化させた。脾臓は比較的高い存在量の浸潤線維芽細胞と共に例外的に高い数の細胞、即ち7*108細胞からなっていた。2*108細胞を融合用の4*107Sp2/0形質細胞腫細胞と混ぜた。融合後、10%Fetalclone1(Hyclone)、4μMアミノプテリンおよび1%Glutamax I含有のOptiMEM Iからなる選択ハイブリドーマ培地を用いた。脾臓B細胞と形質細胞腫細胞との融合を可能にするインキュベート時間後、Accudropソフトウェア装備のFacsVantage装置を用いて、細胞を1細胞/ウェルで96ウェルプレートに移した。約2週間後、ハイブリドーマを抗クロスβ構造抗体の推定産生についてスクリーニングした。最初に、96ウェルプレート中768クローンを免疫化FP13K157Gアミロイドおよびアミロイドγ‐グロブリンと結合する抗体の存在についてスクリーニングした。この目的のために、FP13K157Gおよびアミロイドγ‐グロブリンをH2O中で一緒に各ポリペプチド5μg/mLに希釈した。Microlon高結合性ELISAプレート(Greiner,Bio-One GmbH,Frickenhausen,Germany)をこの溶液50μLで満たし、37℃で一夜風乾した。プレートを遮蔽試薬(カタログ#11112589001,Roche Applied Science,Basel,Switzerland)で遮蔽し、水道水で洗浄した。10%v/v胎児ウシ血清を含有する100μLのハイブリドーマ細胞培養上澄を被覆プレートへ移し、振盪しながら室温(RT)で1時間インキュベートした。プレートを0.1%Tween‐20(洗浄緩衝液)含有のTris緩衝液pH7.3(TBS,50mM Tris‐HCl,150mM NaCl)で洗浄し、その後で振盪しながらRTで30分間にわたりPBS/0.1%Tween‐20中2000×希釈ペルオキシダーゼ複合化ウサギ抗マウス免疫グロブリン(RAMPO,#P0260,DAKO,Denmark)で覆った。徹底洗浄後、結合RAMPOをテトラメチルベンジジン(TMB,#45.01.20/#45.014.01,Biosource,Nivelles,Belgium)で視覚化した。反応を5分後にH2O中1%H2SO4で止めた。プレートを450nmで読んだ。シグナルが少なくとも1.5×バックグラウンドレベルに達したとき、クローンを更なるスクリーニング試験に含めた。再び、推定抗クロスβ構造抗体の存在を免疫化FP13K157Gおよびアミロイドγ‐グロブリンで解析した。そのとき、35クローンが陽性であった。それらのクローンを細胞培養フラスコへ移し、更なる解析に付した。この目的のため、再び、今回は別々にFP13K157Gおよびアミロイドγ‐グロブリンと、AβおよびHb‐AGEをELISAプレートに固定した。加えて、新鮮溶解Aβ、FP13K157G、Hbおよびγ‐グロブリンをImmobilizerプレート(Exiqon,Vedbaek,Denmark)に被覆した。これらの新鮮溶解コントロールを振盪しながらRTで1時間かけてPBS中20、12.5、50および50μg/mLで各々被覆した。存在しうる不溶性凝集物を除去するために、各々20、12.5、50および50μg/mLのAβ、FP13K157G、Hbおよびγ‐グロブリンストック溶液を最初に238*103×gで30分間遠心した。緩衝液を追加陰性コントロールとしてGreiner(H2O)およびExiqon(PBS)プレートに被覆した。Greinerプレートは768クローンで初回スクリーン時に遮蔽しなかった。細胞培地中10%FCSがELISAプレートで細胞上澄のインキュベート時における効果的遮蔽剤である。細胞上澄を加える前に、10μLのPBS/1%Tween‐20をExiqonプレートのウェルに加えた。濃度0.1%のTween‐20がImmobilizerプレート用の効果的即席遮蔽剤である。100μLのハイブリドーマ上澄をプレートへ移した。培地を陰性コントロールとして用いた。シグナルは、10%FCS含有の新鮮培地が様々な固定抗原およびコントロールでインキュベートされたときに得られたシグナルの倍数として計算した。シグナルは、新鮮培地で得られたバックグラウンド値×2.0を超えたときに、陽性とみなした。その後で35クローン中21のスクリーニングを上記のように調製されたGreinerプレートで行った。プレートを今回は最初に遮蔽試薬で遮蔽し、洗浄した。50μLの各ハイブリドーマクローン上澄を配列非依存性だが構造特異的な抗体の存在について二重に試験し、新鮮培地をコントロールとして四重に試験した。モノクローナルハイブリドーマを得るために、原21クローンから6つを更なる単一細胞サブクローニング用に選択した。6クローンを1細胞/96ウェル培養プレートのウェルに接種し、10%v/vFCSで富化された培地で培養した。クローンを2種の被覆アミロイドとの結合性についてすべて試験した。6クローンの各々について、後に25cm2培養フラスコで培養するために、2種のアミロイドと結合した5サブクローンを特定した。蛍光標識されたイソタイプ特異的抗体を用いる30サブクローンのイソタイプ分類は製造業者(Luminex,Austin,TX,USA)の推奨に従いABC-Hybridoma facility(M.Smits)により行われた。通常のクロマトグラフィー精製技術を用いて抗体を細胞培地から精製した。Econoカラム(Biorad,Veenendaal,The Neterlands)にAFFI‐Tゲルマトリックス(KemEnTEC,Biozym,Landgraaf,The Neterlands)を用いて、サンプルを親チオ性クロマトグラフィーに付した。精製抗体をPBS中−20℃で保存した。
アミロイド様クロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドグリケート化Hbの凝集物により誘導された血小板凝集に及ぼすIgIVの影響を凝集測定アッセイにおいて洗浄血小板で試験した。凝固を避けるために、新鮮採取ヒトアスピリンフリー血液をクエン酸緩衝液と穏やかに混ぜた。血液を20℃にて150*gで15分間スピンさせ、上澄を集めた;多血小板血漿(PRP)。2.5%クエン酸三ナトリウム、1.5%クエン酸および2%グルコース含有のpH6.5緩衝液を1:10(緩衝液‐PRP)の最終容量比まで加えた。20℃にて330*gで15分間の遠心で血小板を沈降させた後、ペレットをHEPES-Tyrode緩衝液pH6.5に再懸濁した。プロスタサイクリンを10ng/mLの最終濃度まで加え、溶液をソフトブレーキ下20℃にて330*gで15分間遠心した。最終血小板数が200,000〜250,000血小板/μLに調整されるように、ペレットをHEPES-Tyrode緩衝液pH7.2に再懸濁した。血小板が静止状態にあるよう保証するために、アッセイで使用前、それらを37℃で少なくとも30分間保った。ドナー5例の血小板を異なる3日間(2,2,1)で別々に単離した。
IgIV中Igのサブセットがミスフォールドタンパク質と結合するかどうかを更に調べられるように、我々はミスフォールドタンパク質結合のアフィニティマトリックスを調製した。この目的のために、我々は製造業者の推奨に従いCNBr-セファロース(GE Healthcare-Amersham,Roosendaal,The Neterlands)へグリケート化Hbをカップリングさせた。ローラーバンクにて4℃で一夜カップリングのために、250μgのHCl洗浄およびカップリング用緩衝液洗浄された吸引ビーズ(乾燥重量)を125μLカップリング用緩衝液のみ(コントロールビーズ)(100mM NaHCO3,pH8.3,500mM NaCl)または3.33mg/mL Hb‐AGE含有のカップリング用緩衝液とインキュベートした。徹底洗浄後、我々はHb‐AGEがセファロースとカップリングされたかどうかと、調製されたアフィニティマトリックスがクロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドタンパク質に親和性を有するタンパク質を実際に捕捉しうるかどうかを調べた。Hb‐AGE出発物質の濃度をカップリング反応後のHb‐AGE上澄と比較することにより、カップリング効率を調べた。希釈シリーズをADV01タンパク質染色剤(Cytoskelton)で調製し、吸光度を590nmで読んだ。吸光シグナルの比較から、Hb‐AGEの50%が250μgビーズ(乾燥重量)でセファロース、即ち約200μg Hb‐AGEと結合していることがわかった。
散発性CJDまたは新変種CJDの故クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者の脳切片の免疫組織化学染色のために、パラフィン切片を作製した(Dept.of Pathology,University Medical Center Utrecht,The Netherlands)。切片を次のステップからなる標準染色操作に適用した:1.固定切片を遮蔽緩衝液で遮蔽し、2.クロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドタンパク質に親和性をもつIgIVまたはモノクローナル抗体とインキュベートし、結合用緩衝液で希釈し、3.洗浄し、4.抗ヒトIgG抗体および抗ネズミIgG/IgM抗体と各々インキュベートし、5.洗浄し、6.Powervisionとインキュベートし、7.洗浄し、8.DABで染色し、および9.封入およびマウントし、顕微鏡検査およびスコアリング前に酸処理で除染した。UMC Utrecht(オランダ)に所在の、TSE汚染物質の作業用に整備された公認カテゴリーIII研究所で、有資格者により操作が行われた。コントロールとして、切片をtPA、ネズミモノクローナル抗tPA抗体およびPowervisionと連続インキュベートし、次いでDAB染色した。染色操作用のコントロールとして、故アルツハイマー病患者の脳切片もIgIVまたはtPAとインキュベートし、次いで同操作を上記のように行った。
実施例1:IgIV(ヒト免疫グロブリンIgG抗体)はクロスベータ構造コンホメーションを含んでなるミスフォールドタンパク質と結合する
炭水化物によるタンパク質の非酵素修飾、グリケーションと称されるプロセスは、アミロイドクロスベータ構造の形成に伴いタンパク質ミスフォールディングを誘導する(Bouma et al.,2003)。固定グリケート化タンパク質Hb‐AGEおよびBSA‐AGEと非グリケート化HbおよびBSAへのIgIVの結合性を、ELISAセットアップを用いて確かめた(図1A〜C)。アルカリ性ホスファターゼ標識抗ヒトIgGまたはIgM抗体を用いてIgIVの結合を検出した。IgIV(I)およびIgIV(II)は双方ともクロスベータ構造を含んでなるグリケート化タンパク質と高親和性で結合したが、一方それらは固定天然アルブミンおよび天然ヘモグロビンとは弱く結合した(図1A〜C)。固定タンパク質へのIgIV(I)の親和性はIgIV(II)より高かった。Hb‐AGEへのIgIV(I)の親和性はBSA‐AGEの場合より高かった。アルブミンまたはヘモグロビン調製物に応じて、おそらくミスフォールドタンパク質に親和性をもつIgIV抗体に結合部位を曝す非天然コンホメーションの分子の量が様々であるため、やや変動量のIgIVがこれらの‘天然’タンパク質と結合したのであろう。
外見上健康なヒトボランティアの新鮮採取加クエン酸血液から単離された血小板は、Hb‐AGEで異なる個体3例(ドナー‘A’、‘B’、‘C’)からの血小板について示されているように、ミスフォールドグリケート化タンパク質へ曝されたとき直ちに凝集する(図2)。ミスフォールドタンパク質Hb‐AGEまたはBSA‐AGEを、IgIV(I)(図2A,C)またはクロスベータ構造コンホメーションを含んでなるミスフォールドタンパク質に親和性をもつ5種モノクローナル抗体の混合物(2E2B3D12、7H2H2、7H1C6A7、7H9B9、8F2G7H7)(図2E,F)とプレインキュベートしたとき、血小板凝集が阻害される。コラーゲンまたはTRAPによる血小板凝集の誘導はIgIV(I)または混合モノクローナル抗体によりほとんど影響されず(図2B,D)、このことはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質により媒介される効果をモノクローナル抗体が特異的に阻害することを示している。
2種のアミロイド特異的色素、チオフラビンTおよびチオフラビンSは比較的低い色素濃度でIgIV‐グリケート化タンパク質相互作用をある程度阻害し、一方比較的高い色素濃度では両色素は固定ミスフォールドタンパク質へのIgIVの結合を促進するようである(図4B,C)。これは、ミスフォールドタンパク質へのアミロイド特異的色素の結合がミスフォールドタンパク質への結合に親和性をもつタンパク質のそれに続く結合を促進している、という事実により説明される。チオフラビンTおよびチオフラビンS結合は、IgIVとの結合部位を表象するクロスベータ構造コンホメーションの周辺分子または分子の一部を比較的固定された状態で安定化させる。低色素濃度のとき、これらの力は、クロスベータ構造を曝すより均一なIgIV結合部位への固定化を引き起こすにはまだ弱すぎる。今回は、色素結合がIgIV結合部位と直接競合する。高色素濃度では、結合色素分子は協同して周辺クロスベータ構造へそれらの安定化力を発揮し、それによりIgIVへの易アクセス性結合部位を生み出している。固定BSA‐AGEまたはAβへの準最適濃度のtPAの結合が考えられるとき、コンゴーレッドおよびチオフラビンTの類似効果がみられる(図4D〜G)。ある条件下でクロスベータ構造へのアミロイド特異的分子の結合がミスフォールドタンパク質に特異的のある他の分子の結合を促進するという観察は、抗体のような薬物の効力を改善し、アミロイドーシスのようなタンパク質ミスフォールディング疾患を治療するために用いられる。
CNBr‐セファロースマトリックスへの徹底グルコース‐6‐リン酸グリケート化ヘモグロビン、Hb‐AGEの固定化は、溶液からtPAを捕捉するために効率的なアフィニティマトリックスをもたらした(図5)。tPAはミスフォールドタンパク質アフィニティマトリックスと特異的に結合することが示されている(図5A)。tPAインキュベートHb‐AGEミスフォールドタンパク質親和性セファロースマトリックスまたはカップリングタンパク質のないtPAインキュベートコントロールマトリックスとの洗浄緩衝液のインキュベート後に洗浄緩衝液のtPA含有率を解析することにより、これは更に解明される(図5B)。tPAセリンプロテアーゼ活性はHb‐AGE セファロース洗浄後に洗浄緩衝液でほとんど回収されず、少しのtPA活性がtPAインキュベートコントロールビーズ洗浄後に洗浄緩衝液でみられる。溶出用緩衝液とのtPAインキュベートアフィニティマトリックスとコントロールマトリックスのインキュベート後、溶出用緩衝液中tPA活性の回収の解析ではHb‐AGE セファロースがtPAの効率的および選択的アフィニティマトリックスであることを示している(図5C)。
IgIV中のIgG分子とネズミモノクローナルIgG1/IgM/IgG2a抗体がクロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドタンパク質と結合するという発見に基づき、Fcレセプターとの相互作用でクリアランスしやすい能力と組み合わされた、ミスフォールドタンパク質に更に高い特異性および/または親和性を有する新規分子がデザインされる。この目的のために、クロスベータ構造に親和性をもつフィンガードメイン(F)またはいずれか他のタンパク質ドメイン、例えば前進性グリケーション終末産物のレセプターのIgドメイン、低密度リポタンパク質レセプター関連タンパク質(のクラスターII、クラスターIV)のドメイン、スカベンジャーレセプターA、‐B‐IまたはCD36のドメインが、Ig分子のFc部分とDNAレベルまたはアミノ酸レベルで融合される。事実、ミスフォールドタンパク質に親和性を有するタンパク質はいずれも、Fcドメインをもつ複合体構築物にクロスベータ構造親和性を導入する上で適したドメインを供する(表4、5)。tPA、因子XII、肝細胞成長因子アクチベーターおよびフィブロネクチンのフィンガードメインはすべてクロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドタンパク質と結合し、したがってキメラ構築物のデザインにすべて用いられる。フィンガードメインのいずれかの組合せまたはマルチフィンガードメインのストレッチまたはフィンガードメインおよび他のミスフォールドタンパク質結合ドメインの組合せも、Fcドメインのあるキメラ構築物の開発に適用される。キメラ遺伝子は融合および合成され、例えば酵母細胞、植物細胞、細菌、真核細胞、例えばヒト胚腎臓細胞、ベビーハムスター腎臓細胞へ発現目的に適した発現ベクターでクローニングされる。例えば組換えF‐Fcキメラタンパク質の精製後、それはIgIVが用いられてきた疾患のいずれかで治療剤として適用される。一方、クロスベータ構造またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質に親和性をもつアフィニティ領域または合成分子またはタンパク質(の一部)が、タンパク質(フラグメント)の(非)共有結合について当業者に知られたいずれかの方法で、例えばFc領域に融合される。更に、クロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなる分子に親和をもつ非タンパク質分子(表3)も、同様にFc領域へ融合される。
IgIV、アフィニティ精製富化IgIVまたはミスフォールドタンパク質結合タンパク質または分子とFcドメインとのキメラ構造物を投与する防御および/または有益効果を試験するためのモデル
IgIV、ミスフォールドタンパク質カップリングマトリックスでアフィニティ精製後の富化IgIVフラクション、(ヒト化)抗ミスフォールドタンパク質抗体、または例えばフィンガードメインとIgG分子のFcドメインとのキメラ構造物の有益効果を試験するために、病状のいくつかのインビトロ細胞ベースモデルおよびインビボ動物またはヒトモデルが、このようなモダリティが全IgIVの投与よりまたは現標準療法より顕著な有益効果を有するかどうかを調べるために適用される。
(自己)免疫は、樹状細胞のような抗原提示細胞による(自己)抗原の提示に依存する。培養ネズミ樹状細胞(DC)がそのため(自己)免疫原性のモデルとして適用される。この目的のため、DCを例えば8〜12週齢Black-6マウスの後肢から単離する。骨を摘出し、70%エタノールでリンスし、25mM HEPES、10%胎児ウシ血清、ペニシリンおよびストレプトマイシン含有のRPMI‐1640培地でリンスする。次いで骨をこの緩衝液で両方向にフラッシングする。(地元のUMC Utrecht Pharmacy Dept.から得られた,カタログ番号97932329)赤血球特異的溶解用緩衝液を加えることにより、赤血球から溶出物を回収する。溶出物を細胞培養プレートで培養することにより、それらを生存細胞について解析する。この段階で、培地を10ng/mL GM‐CSFで富化させる。DCをマクロファージ細胞の懸濁液または層で増殖させる。FACSおよび特異的抗体を用いて、DCが存在して活性化されるかどうか調べる。好ましくは、いわゆる補助刺激分子、例えばB7.1、B7.2、MHCクラスII、CD40、CD80、CD86のレベルを、好ましくはCD11c陽性細胞で調べる。一方、NF‐κBの活性化および/またはサイトカインの発現を、免疫原に関与する細胞、例えばAPCおよびDCの活性化の指標として用いる。好ましくは、次のサイトカインを定量する:TNFα、IL‐1、IL‐2、IL‐6および/またはIFNγ。好ましくは、サイトカインレベルをELISAで定量する。一方、mRNAレベルを定量する。当業者であれば、APCおよびDCの機能も試験されることが明らかである。
クロスベータ構造を含んでなるグリケート化タンパク質は、糖尿病性ネフロパシーを含めたある疾患の発病に関与すると考えられている、炎症応答を誘導する。一般的に、ミスフォールドタンパク質は炎症シグナルの高発現または活性化で細胞機能障害を誘導する。内皮細胞機能(障害)に及ぼすミスフォールドタンパク質の効果は、例えばミスフォールドタンパク質に応答した反応性酸素種のレベルを調べることにより測定される。標準プロトコールに従い単離および培養されたヒト臍静脈内皮細胞、または他の内皮細胞、例えばbEnd.3内皮細胞を用いる。反応性酸素種(ROS)のレベルはCM‐H2DCF‐DAのような蛍光プローブを用いてモニターする。一方、細胞生存はMTTアッセイによりモニターする。培養一次細胞は、ある病状のモデル系として研究界で受け入れられたインビトロ細胞アッセイを行う機会を提供する。再度、IgIV、その単離フラクション、機能的相当物または我々の抗クロスベータ抗体の能力がこれらの系に適用される。
クロスベータ構造は汎発性血管内凝固(DIC)を誘導する。DICのモデルとして、雌性C57B1/6マウスで全身性シュワルツマン反応を誘発させる。この目的のため、マウスを0日目に足蹠で5μgリポ多糖(LPS)およびt=24hで静脈内に300μgLPSで注射する。経時的に、タンパク質、例えばサイトカインのいくつかの血漿レベルと一緒に、生存をモニターする。
抗ミスフォールドタンパク質抗体が多発性硬化症(MS)再発時に有益効果を発揮するかどうかを試験するために、MSのインビボマウスモデル、実験的自己免疫(またはアレルギー)脳脊髄炎(EAE)モデルを用いる。この目的のため、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)またはミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35‐55(MOG35‐55)をマイコバクテリア含有の不完全フロイントアジュバント(IFA)で乳化させる。チオフラビンTおよびコンゴーレッド蛍光アッセイ並びにtPA結合および活性化アッセイを用いて、ミスフォールドタンパク質の存在を調べる。乳化MBPまたはMOG35‐55へのIgIVまたはアフィニティ精製後IgIVの富化フラクションの結合性を評価する。マウスまたはラットでEAEを誘導するために、乳化MBPまたはMOG35‐55を例えば後足蹠に注射する。マウスでは、皮下注射量のMOG35‐55に好ましくはBordetella pertussis毒素の腹腔内注射を付随させ、これを48時間後に繰り返す。例えば、Lewis雌性ラットまたは雌性Balb/cマウスを用いる。臨床疾患の尺度は例えば次のようにスコアリングする:0,正常;1,だらんとした尾;2,立直り反射の障害;3,後肢の不全麻痺;4,後肢の完全麻痺;5,死亡。EAE誘導後に1以上の時点で薬物を投与することにより、あらゆる(キメラ)抗体調製物の効果を解析する。試験される調製物の1つは、固定変性/ミスフォールドMBPまたはMOG35‐55含有のアフィニティマトリックスでアフィニティ精製されたIgIVであり、それに応じて2種のタンパク質が疾患を誘導するために用いられる。
インビボコラーゲン誘導関節炎モデルでは、酢酸に溶解されてIFAで乳化されたII型(ウシ)コラーゲンでラットの尾の付け根および各肢の裏側に皮下注射する。腫脹および紅斑をモニターすることにより、徴候についてラットを毎日検査する。試験される調製物の1つは、IFA中固定変性/ミスフォールドコラーゲン含有のアフィニティマトリックスでアフィニティ精製されたIgIVである。
敗血症はクロスベータ構造により媒介される。IgIV、モノクローナル抗体または関連薬物の効果を試験するために適用されるインビボマウス敗血症モデルの1つは、‘盲腸結紮および穿刺’モデルである。この目的のために、雌性Balb/cマウスを麻酔してから、盲腸を腹部外に取り出すために腹部切開を行う。盲腸を穿刺した後、ある量の管腔内容物を穿孔から外に移してから、盲腸を腹部に戻し、開口部を閉じる。体温を測定し、マウスの動きをスコアリングすることにより、感染の進行をモニターする。マウスが低体温(T<33℃)であるとき、およびマウスが自ら立直りできないときは、マウスを致死的に感染したとみなす。クロスベータ構造コンホメーションのミスフォールドタンパク質に親和性の抗体を投与する効果は、盲腸の穿刺後に、未処置マウスのグループと(富化)IgIV、モノクローナル抗体またはキメラ構築物を受けたマウスのグループをモニターすることにより評価する。
マウス敗血症モデルの代わりとして、ラット敗血症モデルを用いる。例えば、15mg/kg Escherichia coli内毒素の静脈内注射により、約150gのFischerラットで内毒素ショックを誘導する。疾患進行の尺度として、ELISAで血中組織壊死因子およびインターロイキン‐1のレベルをモニターする。アンフォールドタンパク質に親和性をもつIgIVまたは抗体またはキメラ構築物のいずれかの調製物による治療の効果をこうして評価する。
再活性化Streptococcus細胞壁誘導関節炎のインビボマウスモデルでは、Streptococcus pyogenes T12生物の細胞壁の膝関節における関節内注射で、C57BL/6マウスを誘導する。注射は1週間隔で5回繰り返す。疾患進行は、例えば注射膝関節の腫脹を測定することで、約40日間追跡する。マウスを殺した後、膝関節から皮膚を切除した後で、関節炎の程度を肉眼でスコアリングする。抗クロスベータ構造抗体またはキメラを投与した効果は、治療を受けなかったコントロール、および緩衝液で注射されたコントロールマウスと比較する。
実験的コラーゲン誘導リウマチ様関節炎のインビボマウスモデルにおいて、例えばDBA/1株の雄性マウスおよび/またはC57BL/6株の雄性マウスを天然ウシコラーゲンII型で侵襲する。Mycobacterium tuberculosis含有の完全フロイントアジュバントで乳化されたコラーゲンを尾の付け根で皮下注射することにより、関節炎を誘導する。IFAで乳化されたコラーゲンで21日目にマウスをブーストする。マウスを関節炎の徴候についてモニターし、標準スコアリング操作を用いて疾患の程度をスコアリングする。関節炎のコントロールマウスおよび緩衝液のみで2回注射されたコントロースマウスを関節炎誘導後のIgIV/モノクローナル抗体/キメラ構築物処置マウスと比較することにより、抗体ベース療法の効果を評価する。
クロスベータ構造を含んでなるグリケート化タンパク質は、糖尿病性ネフロパシーを含めたある疾患の発病に関与する、炎症応答を誘導する。一般的に、ミスフォールドタンパク質は炎症シグナルの高発現または活性化で細胞機能障害を誘導する。ミスフォールドタンパク質の炎症効果および抗クロスベータ構造試薬、例えばIgIV、そのフラクション、または機能相当炎症をマウスおよびヒトで研究する。クロスベータ構造を含んでなるタンパク質を静脈内投与により注入する。異なる時間間隔で、急性期タンパク質、例えばC反応性タンパク質、血清アミロイドA(SAA)、血清アミロイドP成分(SAP)または補体因子3(C3)のレベルに及ぼす効果を測定する。一方、炎症の他のマーカー、例えばIL‐6、IL‐8、D‐ダイマーまたはプロトロンビンF1+2レベルに及ぼす効果を調べる。最後に、(自己)抗体形成のレベルをELISAで調べる。
クロスベータ構造コンホメーションのタンパク質による免疫系の細胞の活性化がクロスベータ構造結合化合物、例えばIgIV、モノクローナル抗クロスベータ構造抗体、キメラ構築物を用いて遮蔽されるかどうかを評価する1手法は、‘全血’アッセイの使用による。この目的のため、1日目に新鮮採血ヒトEDTA‐血液を37℃で予熱されたRPMI‐1640培地(HEPES緩衝化,L‐グルタミン,Gibco,Invitrogen,Breda,オランダ)へ1:1比で加える。その後で、クロスベータ構造コンホメーションを含んでなるタンパク質を、クロスベータ構造結合化合物と共にまたはそれなしで加える。好ましくは、陽性コントロール、好ましくはLPSを含める。LPSに用いられるインヒビターは、5μg/mL最終濃度のポリミキシンBである。試験される標準クロスベータ構造コンホメーションリッチポリペプチドは、Aβ、アミロイドγ‐グロブリン、グリケート化タンパク質、FP13、熱変性OVA、熱変性BSA、熱変性MSA、熱変性リゾチームおよびカルジオリピンに曝されたβ2gpiである。陰性コントロールは、天然γ‐グロブリン、天然アルブミン、天然Hb、新鮮溶解AβまたはFP13、天然OVA、他の天然タンパク質である。コントロールとして、推定内毒素汚染のせいでみられる効果を排除するために、すべてのタンパク質サンプルを5μg/mLポリミキシンBの不在または存在下で試験する。加えて、単独のまたは変性アジュバント、例えばLPSおよびCpG‐ODN、または他の変性化合物または変性条件(例えば、Cu2+酸化)に事前暴露された天然タンパク質を、免疫原活性について試験する。すべての前記試験化合物を炎症または免疫原性応答のポテンシャルインヒビター、例えばIgIV、モノクローナル抗クロスベータ抗体の濃度シリーズの不在および存在下で試験する。血液‐培地混合物へ加えられるアクチベーター、コントロールおよびポテンシャルインヒビターの最終容量は全容量の約1/200である。より高濃度のアクチベーターおよび推定インヒビターは、前希釈ステップに濃縮RPMI‐1640培地(RPMI‐1640 Medium粉末,Gibco,Invitrogen;カタログ番号51800‐035)を用いることで得られる。血液および培地を慎重に混ぜ、CO2の取込みを行う蓋付きのCO2インキュベータで一夜インキュベートする。2日目に培地を室温にて1000*gで10分間のスピニング後に集める。細胞ペレットを凍結保存する。培地を再び室温にて2000*gで20分間スピンさせる。免疫応答のマーカー、例えば組織壊死因子‐α(TNFα)、サイトカイン、ケモカインの濃度に関してはELISAを用いて上澄を解析する。例えば、市販TNFアルファ/TNFSF1A ELISA(R&D Systems,Minneapolis,MN,USA;Human TNFアルファ Quantikine HS PharmPak)を用いることにより、試験化合物への全血の暴露後におけるTNFαレベルを評価する。陽性および陰性コントロールと信頼しうる滴定曲線が確立されたら、免疫原性のマーカーの濃度に及ぼすクロスベータ構造負荷に関していずれの溶液も試験する。更に、免疫応答の推定インヒビターを試験する。例えば、IgIVおよびモノクローナル抗クロスベータ抗体はミスフォールドタンパク質溶液への添加で免疫応答を妨げる。
クロスβ構造含有タンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチドと細胞または細胞粒子の取込み、並びにIgIVまたはその機能相当物の効果を、培養細胞、好ましくは単球、樹状細胞、マクロファージまたは類似細胞、例えばU937またはTHP‐1細胞を用いてインビトロで研究する。好ましくは、クロスβ構造含有分子を、好ましくは125Iまたは蛍光標識、好ましくはリンカー分子、好ましくはULS(universal Linkage system)または類似カップリング方法で分子に共有結合されたFITCで標識する。細胞は、好ましくはメパクリンまたは他の蛍光標識、例えばローダミンで標識する。食細胞を標識クロスβ構造含有分子の存在下で、または細胞をクロスβ構造結合化合物、例えばIgIVまたはその機能相当物の存在または不在下でインキュベートする。インキュベート後、好ましくは数時間中に、好ましくはシンチレーションカウンター(125Iの場合)を用いてまたはFACS解析(蛍光プローブで)または免疫蛍光顕微鏡検査により、標識分子または細胞の取込みを測定する。細胞の取込みは、細胞の目視染色により光学顕微鏡下でもカウントされる。
実施例6〜20の一般的物質および方法
クロスベータ構造をもつミスフォールドタンパク質の調製
ヒトIgIVのミスフォールディング
IgIV Gammmagard RF(IgIV RF)
リウマトイド因子(RF)の抗原を調製するために用いられた操作に従い、IgIV Gammmagard(天然IgIV)をミスフォールドさせた。IgIV Gammmagardを無菌条件下でグリシン緩衝液(100mMグリシン,17mM NaCl pH8.2)中1mg/mLに溶解させた。それを65℃で5分間加熱し、−80℃で保存した。
IgIV Gammmagardを無菌条件下20mMリン酸ナトリウムpH5.0で5mg/mLに溶解し、25℃から指示温度まで5℃/minの温度ステップで熱変性させた。最終温度は65℃、69℃、76℃、80℃、83℃および86℃であった。熱変性後、タンパク質を−80℃で直ちに保存し、下記のような様々なアッセイを用いてそれらの構造を解析した。天然コントロールとして、新鮮溶解IgIV Gammmagardを20mMリン酸ナトリウムpH5.0中5mg/mLの濃度で室温にて10分間保ち、−80℃で保存した。
IgIV Gammmagardを無菌条件下1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐2‐プロパノール(HFIP)およびトリフルオロ酢酸(TFA)の1:1(v/v)混合液で5mg/mLに溶解した。その後で、それをボルテックスにて室温で5分間よく混ぜた。有機溶媒をN2ガス下で蒸発させ、乾燥物質をH2Oで1mg/mLに溶解し、37℃で7日間インキュベートし、−20℃で保存した。
IgIV GammmagardをPBSで5mg/mLに溶解し、ローラー装置にて室温で10分間インキュベートした。次いで、pHをH2O中15%HClストックのある容量の添加によりpH2へ下げ(酸変性)、またはH2O中5M NaOHストックのある容量でpH11へ上げ(塩基変性)、37℃で30分間インキュベートした。次いで、pHを各々5M NaOHまたは15%HClの添加でその初期生理的値に調整し、−80℃で保存した。
Octagam IgIV(Octapharma,Brussel,Belgium,ロット5024018434,期限12/2006)を用いた。IgIV中の内毒素濃度は低く、即ち標準化Limulus Amebocyte Lysate(LAL)アッセイ(Cambrex)を用いて調べると50mg/mL Octagamストック中0.13E.U./mLであった。IgIVを10mM NaPi緩衝液(pH8.1)で1、2.5、5、10および20mg/mLに希釈し、25℃から65℃へ段階的に加熱し(0.5℃/min)、室温で1時間40分保ち、その後で−80℃で保存した。一方、IgIVを10mM HCl pH2.0で希釈し、65℃で6時間インキュベートした。このインキュベート後に、pHをNaOHで7.3に調整した。
マウスIgG(mγ‐グロブリン,cohn画分II,III約99%から,Sigma,ロット090k7680)をPBSで1mg/mLに溶解し、ローラー装置にて室温で20分間インキュベートした。IgIV酸およびIgIV塩基に関して前記された方法に従いIgGをミスフォールドさせた。ミスフォールドmγ‐グロブリンはdmIgGまたはdmγ‐グロブリンと称される。
マウスIgG組成物をPBSで1mg/mLに溶解し、ローラー装置にて室温で20分間インキュベートした。次いで、それを25℃から85℃へ5℃/minのステップで加熱し、その後で−80℃で保存した。
ヒトIgG(γ‐グロブリン,Sigma,G4386)をHEPES緩衝液(20mM HEPES,137mM NaCl,4mM KCl,3mM CaCl2)で5mg/mLに溶解した。次いで、pHを5M NaOHストックからある容量を加えることにより上げ、37℃で40分間保った。次いでpHをその初期値へ調整するために5M HClストックから等量を加え、−80℃で保存した。大凝集物を色素で観察した。
10mM NH4HCO3および100mMまで加えられたHCl中アポリポタンパク質A‐I(ApoA‐I,2.15mg/mL,ヒト血漿から,Sigma,A0722,ロット116K1408)を37℃、75℃または100℃で30分間加熱することにより変性させた。その後で、pHを初期値へ変えるために相当量のNaOH(100mM最終濃度)を加えた。
再び、今回は100mMまで加えられたNaOH含有の10mM NH4HCO3中2.15mg/mLアポリポタンパク質A‐Iを37℃、75℃または100℃で30分間加熱することにより変性させた。その後で、pHを初期値へ変えるために相当量のHCl(100mM最終濃度)を加えた。
10mM NH4HCO3中2.15mg/mLアポリポタンパク質A‐I(ApoA‐I)ストックを75℃または100℃で30分間かけて熱変性させた。
オボアルブミン(OVA,ニワトリ卵白から,Sigma,A5503グレード,ロット07147094)を1mg/mLの濃度でPBSに溶解し、PCRマシンにおいて5℃/minの温度ステップで30℃から85℃へ5サイクル加熱した。このミスフォールドOVAはdOVAまたはdOVA標準(std)と称される。
凍結乾燥合成ヒトアミロイド‐β(1‐42)ペプチド(DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA;NKI Amsterdam,オランダ;配列番号9)(Aβ1‐42)を最初にHFIP中1mMで溶解することによりモノマー化し、無菌ミクロ遠心管に等分した。HFIPを窒素ガスで除去し、ペプチドフィルムを5mMの濃度まで乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO,Pierce,20684)に再懸濁し、液体窒素でスナップ凍結させ、−80℃で保存した(モノマー化Aβ1‐42ストック)。DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐42ストックを400μg/mLの最終濃度で10mM HClに溶解し、37℃で24時間インキュベートし、その後で−80℃で保存した。
DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐42ストックをフィルター滅菌(0.22μm)されたPBSで100μMの濃度に溶解し、−80℃で保存した。
DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐42ストックをHBS(HEPES緩衝液,137mM NaCl,4mM KCl,10mM HEPES,pH7.3)で100μMの濃度に溶解した。緩衝液は使用前に0.22μmシリンジフィルターで濾過する。サンプルを調製後−80℃で保存した。
Aβ1‐42と同様に、モノマー化合成ヒトAβ1‐40ペプチド(DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVV,NKI Amsterdam,オランダ)のストックを調製し、−80℃で保存した。DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐40をPBSで100μMの濃度に溶解し、室温で168時間インキュベートし、その後で−80℃で保存した。
DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐40をPBSで100μMの濃度に溶解し、直接−80℃で保存した。
DMSO中解凍モノマー化Aβ1‐40を10mM HClで100μMの濃度に溶解し、37℃で24時間インキュベートした。その後で、それを過剰PBS1(140mM NaCl,10mM Na2HPO4,1.8mM KH2PO4,pH7.4;PBS1は使用前に0.22μmシリンジフィルターを用いて濾過する)で中和し、−80℃で保存した。
1、2.5、5、10および20mg/mL、(5M HClストックからある容量で下げた)pH2のHSAを65℃で6時間加熱し、次いで5M NaOHストックからある容量で中和し、その後−80℃で保存した。
Jeol 1200 EX透過型電子顕微鏡(Jeol Ltd.,Tokyo,Japan)を用いて80kVの励起電圧でTEM像を集めた。各サンプルについて、formvarと100メッシュ銅またはニッケルグリッドの炭素被覆サイドを5μL滴のタンパク質溶液に5分間置いた。その後で、それを100μL滴のPBSに2分間置き、次いで100μL滴の蒸留水と2分間インキュベートを3回行った。グリッドを次いで0.4%酢酸ウラニルpH4含有の2%(m/v)メチルセルロースの100μL滴で2分間染色した。グリッドのサイドを濾紙にストリークすることにより過剰の流体を除去し、グリッドをその後ランプ下で乾燥させた。サンプルを10Kの倍率で解析した。
コンゴーレッド蛍光の増強は、クロスベータコンホメーションのタンパク質に共通した構造的特徴を含んでなる、ミスフォールドタンパク質の特性である。コンゴーレッド(CR)(Aldrich Chemical Company Inc.,Milwaukee,WI,USA,86,095‐6)の蛍光をブラック96ウェルプレートにおいてThermo Fluoroskan Ascent 2.5マイクロプレート蛍光光度計(Vantaa,Finland)で590nmの発光波長および544nmの励起波長にてデュプロ(in duplo)測定した。タンパク質およびペプチドストックをPBS中25μM CRでdOVAおよびIgIVサンプルの場合100μg/mLに、Aβサンプルの場合40μg/mLに希釈し、室温で5分間インキュベートした。CRなしの緩衝液およびタンパク質溶液と緩衝液中CRからのバックグラウンド蛍光を、CRとインキュベートされたタンパク質溶液の対応測定値から差し引いた。測定の陽性コントロールは100μg/mL dOVAであった(dOVA std)。
ThT蛍光の増強は、クロスベータコンホメーションのミスフォールドタンパク質に共通した構造的特徴を含んでなる、ミスフォールドタンパク質の特性である。チオフラビンT(ThT(Sigma,St.Louis,MO,USA,T‐3516)の蛍光をCRに関して記載された操作と同様に測定した。発光波長は今回485nmおよび励起波長は435nmであった。タンパク質およびペプチドストックを50mMグリシン緩衝液pH9.0中25μM ThTで希釈した。
疎水性アミノ‐アシル残基のクラスターへ結合されたとき、ANS蛍光は高められる。タンパク質の溶媒暴露疎水性領域への結合で、発光波長(λEM)は380nmの波長(λEX)で励起されたとき514nmから460nmにシフトし、蛍光強度の劇的増強を伴う。ANS(Sigma,A1028)の蛍光を460nmの発光波長および380nmの励起波長で測定した。様々な試験タンパク質およびペプチドストック溶液をPBS中40μM ANSに溶解し、室温で5分間インキュベートした。ANSなしの緩衝液およびタンパク質溶液からのおよび緩衝液中ANSのバックグラウンド蛍光を、ANSとインキュベートされたタンパク質溶液の対応測定値から差し引いた。測定の陽性コントロールは100μg/mL dOVA(dOVA std)であった。
CR、ThTおよびANSと同様に、Bis‐ANS(Sigma)蛍光の増強を測定した。発光波長は485nmおよび励起波長は435nmであった。タンパク質およびペプチドストックをPBS中25μM Bis‐ANSで希釈した。
ThS蛍光の増強は、クロスベータコンホメーションのタンパク質に共通した構造的特徴を含んでなる、ミスフォールドタンパク質の特性である。ThS(Sigma,033k1076)の蛍光をCRおよびThTに関して記載された操作に従い測定した。発光波長は542nmおよび励起波長は435nmであった。タンパク質およびペプチドストックをPBS中25μM ThSで希釈した。
内在トリプトファン(Trp)蛍光測定を、ブラック96ウェルプレート中の100μLサンプルについて、283nmの励起波長で、Softmax pro v5.01ソフトウェアを用いてGemini Spectramax XPS(Molecular Devices)で行った。発光スペクトルを360〜850nm範囲で室温にて集めた。天然フォールドタンパク質は、そのミスフォールド対応物と比較して、増加または減少した蛍光を示す。TrP蛍光強度の絶対値はさほど情報性のあるものではない。しかしながら、大きさの変化はタンパク質フォールドの摂動をモニターするためのプロービングパラメーターとして働く。蛍光発光波長のシフトは、Trp発蛍光団の環境中における局所変化の良い指標である。溶媒暴露Trp残基は340〜350nmで最大蛍光を示し、一方全体的に埋蔵された残基は約330nmで蛍光を発する。
ミスフォールドタンパク質への2種セリンプロテアーゼの暴露によるtPA/プラスミノーゲン活性化の増強を、標準化クロモゲンアッセイ(例えば、特許出願WO2006101387、パラグラフ〔0195〕およびKranenburg et al.,2002,Curr.Biology 12(22),pp.1833参照)を用いて調べた。tPAおよびプラスミノーゲンは双方ともクロスベータ経路で作用する(表4参照)。クロスベータ結合プロテアーゼの活性の増強は、クロスベータ構造を含んでなるミスフォールドタンパク質の存在に関する尺度である。
今回はC末端FLAG‐タグおよびHis‐タグ付きの、組換えヒトフィブロネクチンフィンガードメイン4‐5(Fn F4‐5)のクローニング、発現および精製の記載に関して、特許出願WO2006101387(パラグラフ〔0137〕‐〔0165〕および〔0192‐0194〕)参照。ヒト胚腎臓細胞のタンパク質発現および精製をABC-Expression Facility(University of Utrecht,オランダ)の助けで行った。5%グリセロールを含有するPBS中288μg/mLの精製Fn F4‐5を−80℃で保存する。
様々なヒト血漿ApoA‐I調製物へのFn F4‐5およびtPAの結合性の解析のために、標準ELISAを上記のように適用した。tPA結合性の解析では、10mM ε‐アミノカプロン酸を結合用緩衝液(PBS/0.1%Tween20)に含有させた。Fn F4‐5‐FLAG‐Hisの結合性は抗FLAG抗体(マウス抗体,M2,ペルオキシダーゼ複合体;Sigma,A‐8592)を用いて調べた。
dOVA標準のTEM解析
指定のアッセイで標準ミスフォールドタンパク質として用いられる熱変性オボアルブミン(dOVA std)のTEM解析では、ミスフォールドタンパク質が非フィブリルマルチマーに凝集することを示している(示さず)。上記の全蛍光増強アッセイおよびtPA/プラスミノーゲン活性化アッセイで、最大蛍光増強または最大tPA/プラスミノーゲン活性化を各々呈するdOVA std濃度が特定された。蛍光増強アッセイでは、この濃度が100μg/mLに設定された。tPA/プラスミノーゲン活性化アッセイでは、40μg/mL dOVA stdがリファレンスとして用いられる。適宜に、dOVA stdにより誘導される蛍光増強およびtPA/プラスミノーゲン活性化が、比較目的のため任意に100%に設定された。
図6は、グリケーションによるBSAおよびヘモグロビンのミスフォールディングが非フィブリル無定形凝集物を誘導することを示している。
図7は、Octagram(オクタグラム) IgIVの変性がクロスベータ構造を誘導することを示している。様々なミスフォールディング条件がTEMおよびチオフラビンT特性の変化したミスフォールドタンパク質をもたらすことがわかる。フィブリルは観察されない。ミスフォールディングに際して比較的高いIgIV濃度のときIgIV分子のアセンブリーのサイズが増加する、と結論づけられる。これはThT蛍光と相関しない。
チオフラビンT、コンゴーレッド、ANS、Bis‐ANSおよびチオフラビンSの蛍光増強が、天然IgIVと比較して、様々なミスフォールドIgIV Gammagard(ガンマガード)サンプルで観察された(図8A〜E)。一般的に、様々な蛍光色素での蛍光の増加が変性に際する温度の増加に比例して観察される。Trp蛍光が測定されるときに類似の特性が観察された(図8F)。天然IgIV Gammagardと比較したとき、蛍光の上昇が塩基および酸変性IgIV Gammagardでも観察される。IgGでRFのエピトープを作製するための条件は、クロスベータマーカーで比較的小さな増加を導くことがわかった。hIgG‐塩基‐37℃で、ThT、CRおよびTrp蛍光を測定した。天然IgIVおよび別な処理でミスフォールドされたIgGと比較して、ThT蛍光の増加は中度であるが、CRおよびTrp蛍光の増加は高い。
様々なAβ42およびAβ40調製物が高いThT、CRおよびANS蛍光レベルを示す(図10)。Aβ42HClおよびAβ40PBS1はTEM像でフィブリル凝集物として出現する(図11C,F)。Aβ40t=0、Aβ42t=0、Aβ40HClおよびAβ42PBSは無定形凝集物として出現する(図11A,B,D,E)。注目すべきことに、Aβ40PBS1フィブリルはAβ40HClおよびAβ40t=0と比較したときに類似のThT蛍光レベルを呈し、一方Aβ42HClはThTおよびCR蛍光を強く増加させている。
図12Aでみられるように、変性HSAは20mg/mLの濃度のときThT蛍光を強く高め、一方他の濃度では天然HSAと比較して増加がみられない。天然HSAまたは1mg/mLで変性されたHSAのTEM解析によると凝集物は観察されなかった(図12B,C)。サイズ約500nmの無定形凝集物が2.5、5および10mg/mLのとき変性HSAで観察された(図12D〜F)。凝集物サイズおよび凝集物の相対数は、HSAが20mg/mLで変性されたとき大きく増加する(図12G)。
天然マウスIgGと比較して、様々な方法を用いてミスフォールドされたマウスIgG調製物でThTおよびCRの蛍光増強が観察された(図13)。チオフラビンTおよびコンゴーレッド蛍光が次の順序で高められている:
ThT: 天然IgG<IgG塩基<IgG酸≒IgG85℃
コンゴーレッド:天然IgG<<IgG塩基<IgG酸<IgG85℃
ThTシグナルに関してIgG85℃と比較したIgG塩基およびIgG酸との差異は、コンゴーレッド蛍光シグナルより顕著である。全部で3つのミスフォールディング方法がクロスベータ構造の形成を伴うIgGのミスフォールディングをもたらした、と結論づけられる。
100mM NaOH含有の緩衝液中100℃で熱変性されたApoA‐Iは、天然ApoA‐Iと比較したとき、ThT蛍光シグナルおよびCR蛍光シグナルでやや減少を呈した(図14AおよびB)。ThTおよびCR蛍光で観察される減少は、A280nmで測定したところ、タンパク質の喪失のせいではなかった(図14C)。図14Bは、100mM NaOH含有の緩衝液(高pH)中37℃変性ApoA‐IのCR蛍光が天然ApoA‐Iと比較してやや増加したことを示している。明確に知覚しうる差異はThTまたはCR蛍光強度で観察されないが、tPA媒介プラスミノーゲン活性化アッセイでtPA/プラスミノーゲンを活性化しうるミスフォールドApoA‐I調製物の効力には有意差が観察される。37℃または75℃で加熱されたApoA‐I調製物は、tPA/プラスミノーゲンの比較的中度〜強度アクチベーターである(図14D)。100℃のミスフォールドApoA‐IはtPA/プラスミノーゲンの非常に強度なアクチベーターである。図14EおよびFでは、ヒト血漿ApoA‐Iの様々な調製物におけるクロスベータ構造および/またはクロスベータ誘導コンホメーションの存在の測定に関するELISA研究の結果が示されている。天然ApoA‐Iと、100mM NaOHを天然ApoA‐Iストックへ加えて37℃、75℃または100℃に30分間加熱したApoA‐Iが、研究に含まれている。Fn F4‐5の半最大結合へは、110μg/mL(天然ApoA‐I)、73μg/mL(75℃ミスフォールドApoA‐I)、48μg/mL(100℃ミスフォールドApoA‐I)および5.2μg/mL(HbAGE)で達した。37℃ミスフォールドApoA‐Iの場合、飽和結合が計算されなかった。これらの数値および曲線は、ApoA‐Iのミスフォールディングにより、結合部位の総数(Mmax)の増加と共に、Fn F4‐5結合への親和性が75または100℃でミスフォールドされたApoA‐Iで増加することを示している。加えて、ApoA‐I調製物へのtPAの結合性を評価する。tPAへの結合部位の最高数(Mmax)が、ミスフォールドApoA‐I調製物と比較して、天然ApoA‐Iに存在する。tPAは高pHで100℃に加熱されたApoA‐Iとほとんど結合しない(飽和結合検出せず)。天然ApoA‐I、37℃ミスフォールドApoA‐I、75℃ミスフォールドApoA‐IおよびHbAGEの場合、半最大結合へは各々4.3、3.1、1.6および3.5nMのtPA濃度で達し、このことは天然ApoA‐Iと比較してtPAが高親和性で相互作用するtPA結合部位の露出を塩基性条件下37または75℃のミスフォールディングがもたらしていることを示している。tPAが比較的高い親和性で天然ApoA‐Iと結合するという観察は、HbAGEでも匹敵する測定がみられることから、クロスベータ構造および/またはクロスベータ誘導コンホメーションの分子が天然ApoA‐Iで既に存在していることを示している。この発見は、天然ApoA‐Iが高いコンゴーレッド蛍光およびチオフラビンT蛍光を示すという観察で更に確証される。
実施例6〜20で記載された実験に用いられた様々な溶液中の内毒素レベルをLimulus Amebocyte Lysate(LAL)キット(Cammmbrex,QCL‐1000)で調べた。キットは製造業者のプロトコールに従い用いたが、但し今回の測定は記載されたアッセイ容量の半分を用いて行った。リファレンスとして、リポ多糖(LPS,Sigma,2.5mg/mL L‐2630クローン011:B4)を数回の測定に含めた。LPS標準曲線で得られたシグナルから、質量/容量で内毒素含有量の概算値を未知サンプルで得られた内毒素単位(EU)のシグナルで計算した。表6では、EUの内毒素レベルがストック溶液について掲載されている。
‘クロス富化’:クロスベータタンパク質‘A’への高親和性に向けたヒトIgIVの富化はクロスベータタンパク質‘B’、‘C’、‘D’、…にも高親和性の富化IgIVをもたらす
BSA‐AGEマトリックスで富化されたOctagam IgIVもAβ40、Hb‐AGEおよびdOVAのような他のミスフォールドタンパク質に高親和性を有することを、我々は先に示した(実施例4参照)。今回、我々はAβ40/Aβ42フィブリル‐マトリックス、BSA‐AGEマトリックス、dIgIV‐マトリックスまたはdHSA‐マトリックスでIgIVを富化させ、様々なミスフォールドクロスベータタンパク質への富化IgIVの結合性を試験することにより、この実験を拡張させた。ミスフォールドタンパク質をNHS‐セファロースへ固定させた。アフィニティマトリックスの各々からの溶出IgIVの富化ファクターを、ELISAでAβ40/Aβ42フィブリル、Aβ凝集物、HSA、dHSA、BSA‐AGE、dOVA、mγ‐グロブリンおよびdmγ‐グロブリンとの結合性について特に調べた。
NHS‐セファロース(GE-Healthcare)で固定前に、HSA(Cealb,Sanquin,オランダ,ロット05C29H120A)およびIgIV(Octagam,Octapharma,ロット50244018432)を1、2.5、5、10または20mg/mLでミスフォールドさせた。HSAは、pH2(HCl)にて65℃で6時間加熱し、次いでNaOHで中和することによりミスフォールドさせた。IgIVは、10mM NaPi緩衝液(pH8.1)中で25℃から65℃へ段階的に加熱(0.5℃/min)することによりミスフォールドさせた。NHS‐セファロースを使用前にAmiconフィルターカップ(Millipore,UFC30SV00)中1mM HClで12回洗浄した。固定化目的で、5種のミスフォールドHSA調製物またはIgIV調製物を混ぜ(5:4:3:2:1(V:V:V:V:V)の比率で1:2.5:5:10:20mg/mL)、固定用緩衝液(0.5M NaCl;0.2M NaHCO3)で3×希釈した。BSA‐AGE(10.25mg/mL)およびAβ40/Aβ42フィブリル(0.28mg/mL)を同様に固定させた。フィブリルは物質セクションで記載されているように作製した。簡単に言えば、Aβ40を37℃で186時間インキュベートし、Aβ42をHCl中で24時間インキュベートした。これらのフィブリルを固定用緩衝液中1:1で混ぜた。マトリックスを固定用緩衝液中で一夜インキュベートし、0.1M Tris pH8.5で遮蔽した。マトリックスを0.1M Tris pH8.5で3回および0.1M NaOAc;0.5M NaClで3回洗浄した。これらの洗浄ステップを4回繰り返した。マトリックスをOctagam IgIV(50mg/mL)と4時間または一夜インキュベートした。IgIVフロースルー(‘FT’)を集め、マトリックスを溶出(1.140M NaCl,10mM HEPES,45mM CaCl2,0.005%Tween20,pH7.4で2×1時間;‘溶出物’)前にHBS(HEPES緩衝液,140mM NaCl,10mM HEPES,45mM CaCl2,0.005%Tween20,pH7.4)で12回洗浄した。更なる解析前に溶出物をHBSに対して透析した。
図15は、ミスフォールドクロスベータタンパク質アフィニティマトリックスを用いたIgIV富化実験の典型的結果を示している。以下で記載され、表7で要約されているように、ミスフォールドタンパク質Xおよび固定タンパク質Y、Z、…含有のマトリックスを用いて、富化IgIVの別な組合せについて類似データを得た。実例では、Aβフィブリルアフィニティマトリックスを用いて選択されたアフィニティ領域が、異なるアミノ酸配列および配列長さの様々な他のミスフォールドタンパク質、例えばBSA‐AGEと結合することが示されている(図15)。加えて、BSA‐AGE‐マトリックスで富化されたIgIVは、出発物質(Octagam IgIV)と比較して、Aβ40/Aβ42フィブリルとの結合性に関して約6の富化ファクターを有している。2つの類似実験で、我々はAβ40/Aβ42フィブリルへのBSA‐AGEマトリックス富化IgIVの結合性に関してより高い富化ファクター(25および53)を得た。Aβ40/Aβ42フィブリルマトリックスで富化されたIgIVは、Aβ40/Aβ42フィブリルとの結合性に関して3の富化ファクターを有している。BSA‐AGEマトリックスでは、Aβ40/Aβ42フィブリルマトリックスで観察される富化と比較し、IgIVはAβ40/Aβ42との結合性に関して効率的に富化されている。
様々なミスフォールドクロスベータタンパク質のアフィニティマトリックスを用いたミスフォールドクロスベータタンパク質に親和性のIgIVの特異的かつ飽和性富化
実施例4では、Octagam IgIVからミスフォールドクロスベータタンパク質に親和性をもつ免疫グロブリン(Ig)のサブ集団の単離にHbAGE‐マトリックスを用いた。我々は、様々なクロスベータタンパク質との結合性に関して、富化Octagam IgIVおよび‘フロースルー’(FT)と称される枯渇残留物の結合性について試験した。我々は、アフィニティマトリックスから溶出されたIgIVがHbAGEとの結合性に関して実際に富化され(600の富化ファクター)、FTがHbAGEとの結合性に関して枯渇されている(0.5の富化ファクターまたはそれとは別に2.0の枯渇ファクター)ことを観察した。マトリックスにではなく、ミスフォールドクロスベータタンパク質(前記実施例ではHbAGE)に特異的親和性をもつIg分子のサブ集団についてIgIVがミスフォールドクロスベータタンパク質‐セファロースで特異的に富化されるかどうかを試験するために、本実験ではIgIVとBSA‐AGEマトリックスとのインキュベート後におけるFTをBSA‐AGEマトリックスの新たな部分と再び接触させ、これを3連続ステップで繰り返した。BSA‐AGEマトリックスへのIgIVの結合性が非特異的であれば、IgIVは各連続ステップで飽和せずに枯渇され、最終的にはもはやFT中にIgが存在せずに終わる。結合性が特異的であれば、FTと新たな量のBSA‐AGEマトリックスとのインキュベートでますます非富化されたIgIVが得られる。
BSA‐AGEの被覆前に、10mL NHS‐セファロースマトリックスを10mL 1mM HClで12回洗浄した。2.5mL固定用溶液(5.1mg/mL BSA‐AGE,0.2M NaHCO3,0.5M NaCl,pH8.3)を加えてローラー装置にて4℃で一夜、次いで0.1M Tris pH8.5で4時間の遮蔽ステップにより被覆を行った。未被覆タンパク質を除去するために、数回の洗浄ステップを0.1M Tris pH8.5で3回、次いで酸性緩衝液(0.1M酢酸,0.5M NaCl,pH4.2)で3回行った。これらの洗浄ステップを4回繰り返した。0.1%アジ化ナトリウムで補充されたHBS中でビーズを保存した。Octagam(チャージ5024018434)の結合前に、アジドを除去するためにマトリックスをHBSで6回洗浄した。2200μLビーズの一部へ、1100μL Octagam IgIV(50mg/mL)を加えた。ビーズをOctagamと1時間インキュベートし、FTフラクション(FT1)を集めた。このFTの200μLを保管し、残留容量をBSA‐AGEマトリックスの新鮮部分へ適用した。アフィニティマトリックスの量をFTの残留容量に調整したが、新鮮マトリックスの量は今回1800μLであった。再び、第二FTフラクション(FT2)を集めるための遠心前にマトリックスをFT1と1時間インキュベートした。これを4回繰返し、4つのFTフラクション(FT1‐FT4)を得た。連続FTとインキュベートされた全マトリックスサンプルを洗浄し、結合Igを高塩(1.14M NaCl,10mM HEPES,4.5mM CaCl2,0.005%Tween20,pH7.4)とインキュベートして1時間に2回溶出させ、4つの溶出フラクション(E1‐E4)を得た。AβおよびdOVAも上記と同様にNHS‐セファロースマトリックスへカップリングさせた。Dutch型突然変異E22QのAβ1‐40を1mg/mLの濃度にPBSで溶解させ、ホイルで光から防御しながらローラー装置にて室温で2時間インキュベートした。Aβ1‐40 E22Qを固定用溶液中0.66mg/mLの濃度でマトリックスとインキュベートさせた。dOVA‐セファロースアフィニティマトリックスの調製では、オボアルブミンをPBS中5mg/mLの濃度で100℃にて1時間かけて変性させ、固定用緩衝液中3.5mg/mLの濃度でNHS‐セファロースに固定させた。チオフラビンTおよびコンゴーレッド測定から、100℃で加熱時のミスフォールドdOVAサンプルにおけるクロスベータ構造の形成を確認した。4FTフラクションおよび4溶出物の富化ファクターを前記(実施例4)のようにELISAで調べた。固定されたミスフォールドクロスベータタンパク質はdOVA、Hb‐AGE、BSA‐AGEおよびAβ40であった。
NHS‐セファロースマトリックスへの徹底グルコース‐6‐リン酸グリケート化ウシ血清アルブミン、ミスフォールドクロスベータBSA‐AGEの固定化で、OctagamからBSA‐AGE結合IgIVを捕捉するための効率的アフィニティマトリックスを得た(図16AおよびB)。Octagam IgIVのフラクションはBSA‐AGE‐セファロースと特異的に結合することが示されている。FT1はBSA‐AGEに親和性をもつIg分子について85%まで枯渇されている(富化ファクター0.15)。この数値は後のフラクションFT2‐4で94.6%(富化ファクター0.054)から95%(富化ファクター0.050)および96.2%(富化ファクター0.038)に増加している。BSA‐AGEに親和性をもつ分子についてIgIVの効率的枯渇がIgIVとBSA‐AGE‐セファロースとの初回接触後に達成されていることを、データは示している。Ig分子がマトリックスでBSA‐AGEと特異的に結合したかどうかを更に試験するために、溶出物(E1‐4)をBSA‐AGEとの結合性に関してELISAで試験し、富化ファクターを調べた。E1は予想通りにBSA‐AGEとの結合性に関して最高の親和性を示している。後のFTがBSA‐AGEマトリックスと再び接触された後の結合ステップにおいて、富化ファクターはE1の41.3からE2の13.7およびE3の11.8、E4の8.7へと減少している。これは、BSA‐AGEに親和性をもつFT中Ig分子の量が、アフィニティマトリックスとの初回接触後、既に劇的に減少していることを明らかに示している。これはFTフラクションが新たなアフィニティマトリックスへ6回適用された類似実験で更に一層明らかになった。この実験では、FTの富化ファクターが0.031もの低さになり、そのため基本的にBSA‐AGE結合性は残されていなかった(示さず)。溶出物E1‐4中におけるIgIVの絶対および相対量は、各々89μg(0.16%)、36μg(0.23%)、18μg(0.28%)および17μg(0.53%)であった。
フィブリン、Aβ凝集物およびミスフォールドオボアルブミンへの、Octagam IgIVおよびHbAGEアフィニティマトリックスを用いることで得られた富化IgIVの結合性
材料および方法
クロスベータ構造を含んでなるポリマーであるフィブリンに親和性のIg分子をOctagam IgIVが含んでなるかどうかを試験するために(特許出願US2007003552、パラグラフ〔187,188〕参照)、ELISAプレートのウェルでフィブリノーゲンをトロンビン/因子IIaとインキュベートすることによりフィブリンがその場で形成されるELISAを行う。加えて、比較のために、クロスベータ構造のタンパク質の特性をもつ固定ミスフォールドオボアルブミン(dOVA)(物質セクション参照)およびアミロイド‐β凝集物とのIgIVの結合性を評価する。
1. 標準因子IIa/トロンビンストック(ヒト血漿,高活性,Calbiochem,Germany,製品番号605195)からH2O中2U/mL因子IIaストックを調製する。
2. 使用前に16,000*gで10分間遠心されたストック溶液からPBS中50μg/mLフィブリノーゲン溶液(20mMクエン酸ナトリウム‐HCl pH7.0中Fib3L 2170L,Kordia,オランダ)を調製する。
3. 5μLの因子IIa溶液をウェルへピペッティングし、100μLのフィブリノーゲン溶液を加え、または100μL PBSをコントロールウェルへ加える。最終濃度:〔因子IIa〕≒0.1U/mL、〔フィブリノーゲン〕≒47.5μg/mL
4. 穏やかに攪拌しながら室温で2時間インキュベートする。抗ヒトフィブリノーゲン抗体(DAKO-Cytomation,P0455)を用いて被覆コントロールを行う。
5. 空のウェルをTBS/0.1%Tween20 TBS:150mM NaCl、50mM Tris‐HCl含有のTris緩衝液pH7.3で2回洗浄する。
クロスベータ特異的色素コンゴーレッドおよびチオフラビンTの結合性とtPAおよびプラスミノーゲンの活性化のようなアミロイド様性質をもつタンパク質を連想させる特徴をフィブリンポリマーが示すことを、我々は以前に調べた。我々は、Octagam IgIVがクロスベータ構造のタンパク質に親和性を示すIgのサブ集団を含んでなることも調べた。我々はしたがって、IgIVがELISAでフィブリンと結合するかどうかを取り扱った。図17では、確かにIgIVが先に評価されたように陽性コントロールHbAGE(例えば図1参照)並びにdOVA、Aβ40およびAβ42調製物と結合することが示されている。HbAGEへの親和性は比較的高く、一方後の3種ミスフォールドタンパク質への親和性は類似してやや低い。フィブリンが考えられたとき、tPAおよびIgIVは双方とも飽和状態で結合する。フィブリンとのIgIVの半最大結合性は200μg/mL(約1.3μM)で達し、この値はdOVAおよびAβ調製物で得られた値に匹敵する。これらの発見は、Octagam IgIVがクロスベータ構造を含んでなる常用タンパク質、即ちHbAGE、dOVA、Aβとだけではなく、最近同定されたフィブリン中クロスベータ含有分子とも結合することを示している。
ミスフォールドヒト血漿アポリポタンパク質A‐IへのIgIVアフィニティ領域の結合性
背景
膝関節の半月板におけるアミロイドは局在性アミロイドーシスで最も一般的な形の1つであり、特に老人で次第に増えてくる。アミロイド沈着は、最後には外科処置を要する関節問題になることがある。アポリポタンパク質A‐I(ApoA‐I)は膝関節で検出され、アミロイドを形成し、関節問題を含めたいくつかの疾患および健康問題に関与している。ApoA‐Iは高密度リポタンパク質の主タンパク質成分である。アミロイドApoA‐Iはアテローム性動脈硬化症患者のアテローム硬化斑と動脈でもみられる。そのため体内の循環またはその他からミスフォールドApoA‐Iの除去は、アミロイドApoA‐I関連の疾患に罹患した患者にとり有益である。我々は、アフィニティ領域がミスフォールドApoA‐Iと結合しうるかどうか、および開示された手段および方法がApoA‐Iと結合するそれらのアフィニティ領域について富化されたアフィニティ領域を選択しうるかどうかを試験した。以下で示された結果は、確かにアフィニティ領域がApoA‐Iを認識し、開示された方法および手段がApoA‐Iと結合しうるアフィニティ領域の単離に適していることを示している。ApoA‐Iはここでは、アフィニティ領域が単離された疾患関連タンパク質の別な例として働いている。
ヒト血漿ApoA‐Iに向けた、Octagam IgIVとインキュベートされたHbAGE‐セファロースを用いるアフィニティ領域の選択で得られた富化IgIVの結合性の解析のために、直接ELISAを固定ApoA‐I調製物で行う。研究には天然ApoA‐Iと、37℃、75℃または100℃で30分間加熱されて5M NaOHで生理的pHにpH調整された100mM NaOH中ApoA‐Iを含める。図14でみられるように、選択クロスベータマーカー、即ちコンゴーレッド蛍光の増強、ThT蛍光の増強、tPA/プラスミノーゲンの活性化、フィブロネクチンフィンガー4‐5の結合性およびtPAの結合性に関する相対的陽性度について、下記順序が観察される:
コンゴーレッド: 100℃<天然<37℃<75℃
ThT: 100℃<天然<75℃<37℃
tPA/Plg活性化: バックグラウンド=天然<37℃<75℃<<100℃
Fn F4/5結合性: 天然=37℃<75℃<100℃
tPA結合性: バックグラウンド=100℃<天然≒37℃≒75℃
図18では、天然ApoA‐Iおよび3種の熱/塩基ミスフォールド調製物への富化IgIVの結合性に関する結合曲線が示されている。富化IgIVが考えられたとき、kDは増加順にApoA‐I 75℃、ApoA‐I 37℃、天然ApoA‐IおよびApoA‐I 100℃で各々1.3、1.6、2.0および2.8μg/mLである。結合部位の数は天然ApoA‐IとApoA‐I 75℃で類似し、ApoA‐I 37℃でやや多く、ApoA‐I 100℃でかなり少ない。A280測定から、4種調製物中のタンパク質含有率は類似していると結論づけられた。結合部位の最大数に関する差異は被覆効率の差異で反映される。しかしながら、Fn F4/5に最大結合部位を曝しているのはApoA‐I 100℃である(図14E)。4種ApoA‐I調製物への富化IgIVの親和性が、富化IgIVが選択されたOctagam IgIVの親和性と比較されたとき、Octagam IgIVで得られたkDを富化IgIVで得られたkDで割ることにより計算された富化ファクターは天然ApoA‐IおよびApoA‐I 75℃の双方で4.8であり、一方ApoA‐I 37℃の場合は富化ファクターが12.8である。ApoA‐I 100℃では富化ファクターが調べられず、Octagam IgIVの無結合性と富化IgIVのわずかな結合性が検出された。しかしながら、ApoA‐I 100℃との結合性に関する富化は、図18Cで示されているような結合特性で反映されている。
ミスフォールドIgG分子は、リウマチ様関節炎患者の70〜80%に存在する自己抗体、リウマトイド因子の標的エピトープを含んでなる
材料&方法
IgGミスフォールディングおよび構造解析
我々は、リウマチ様関節炎(RA)患者の70〜80%に存在する自己抗体、ヒトリウマトイド因子(RF)が、IgG自己抗原におけるクロスベータまたはクロスベータ誘導タンパク質コンホメーションと結合する、とする我々の仮説を試験した。65℃で熱変性時にIgGの凝集が要件であることは、おそらく主にその標的自己抗原のFcドメインへの、(IgGおよびIgA RFも生じるが)主にIgMサブクラスのものであるRFによるIgG結合の検出にとり常識である、と我々は理解している。我々は実施例6〜20の一般的物質および方法セクションで記載された操作に従い精製ヒトIgG(Octagam IgIV)を65℃に加温し、コンゴーレッド蛍光、チオフラビンT蛍光、ANS蛍光とtPAの結合性および活性化の解析により構造を解析した。コンゴーレッドおよびチオフラビンT蛍光の増強を100μg/mLに希釈されたIgIV溶液で調べた。その後で、(特許出願WO2006101387、パラグラフ〔0195〕で記載されているような)標準化クロモゲンアッセイを用いてtPA/プラスミノーゲン活性の増強を調べた。ミスフォールドIgIVへの10mM ε‐アミノカプロン酸の存在下におけるtPAの結合性を、前記のような標準ELISAにおいて、tPA結合性の陽性コントロールとして固定Aβ40t=0で評価した。
変性IgGによるコンゴーレッドおよびチオフラビンT蛍光の増強
コンゴーレッド蛍光およびチオフラビンT蛍光の増強を熱変性ミスフォールドIgIVで測定した。コントロールIgIVと比較した相対シグナルに基づき、クロスベータコンホメーションをもつミスフォールドタンパク質の添付ホールマークで加熱IgIVがミスフォールドされている(図19A,B)。
我々は、クロスベータ経路の成分であるtPAがdIgIVと結合することを観察した(図19E)。この観察は、クロスベータ経路の成分が新たに導入された構造的特徴を認識するように、dIgIVがミスフォールドされていることを更に証明している。
我々はdIgIVとのtPAの結合性を観察したことから、dIgIVがtPA/プラスミノーゲンクロモゲンアッセイでtPA/プラスミノーゲンを活性化するかどうかを我々は試験した。天然IgIVはtPA媒介プラスミノーゲン活性化を誘導しない(図19D)。しかしながら、熱変性ミスフォールドIgIVサンプル、即ちpH2の緩衝液中65℃で変性されたIgIV(示さず)およびNaPi緩衝液中で熱変性されたIgIVの双方はtPA/プラスミノーゲンを活性化する。
IgGにクロスベータ構造でミスフォールディングの導入はRFの自己抗原でエピトープを露呈させる
65℃に加熱されたヒトIgGは、クロスベータ構造のアミロイド様ミスフォールドタンパク質で通常見られる一連の構造的特性を示す。適用温度は、以前に他の研究者により記載された示差走査熱量測定によるとコンホメーション変化が誘導される、61℃の温度よりやや高い。ミスフォールドIgGはコンゴーレッドおよびチオフラビンT蛍光を増強させ、tPAと結合し、tPA/プラスミノーゲンを活性化する。我々の知る限りでは、RFに対するミスフォールドIgG自己抗原が、クロスベータコンホメーションのアミロイドを連想させる構造性を含んでなるネオ‐エピトープを露出すると報告したのは、我々が最初である。我々の観察と一致するように、クロスベータ構造を含んでなるタンパク質と結合して活性化される2種のセリンプロテアーゼ、tPAおよび因子XIIのプロテアーゼ活性がRA患者で増すと報告された事実が、ここでやっと解明されている。
アフィニティ領域の様々な調製物における免疫グロブリンサブクラスおよびIgGイソタイプの相対的出現率の測定
方法
HbAGEアフィニティマトリックスからの溶出物として得られた富化IgIVに存在するIgGイソタイプIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の相対含有率を調べるために、我々はNanosep 10k遠心装置(Pall life science)を用いて550μLのサンプルを濃縮した。濃縮富化IgIVの最終濃度は、PBS中Octagam IgIV希釈物で調べられた標準曲線と280nmの吸光度を比較することで調べてみると、890μg/mLであった。Igサブクラスのイソタイプ分類および相対的存在量をLaboratory for Medical Immunology(UMC Utrecht,オランダ)の標準方法を用いてImage Immunochemistry比濁計(Beckman,Coulter)で調べた。比較のために、富化IgIVが抽出されたOctagam IgIVもIgGイソタイプの相対的存在量について解析した。加えて、Igサブクラスの出現を調べた。濃縮富化IgIVサンプルとは別に、PBS中103μg/mLの非濃縮物質もイソタイプ分類およびサブクラス決定に付した。製造業者によると、3500例に及ぶヒトドナーのIgフラクションから調製されたOctagam IgIVは、IgG(≧95%)と、少量のIgAフラクション(≦0.4%)および微量の≦0.2%IgMからなる。4種IgGイソタイプの分布は:IgG1,62.6%;IgG2,30.1%;IgG3,6.1%;IgG4,1.2%である。製造業者によると、IgIVではIg分子の≦3%が凝集し、90%超の分子がモノマーおよびダイマーである。
Octagam IgIVに関して、IgGのサブクラス決定およびイソタイプ分類で全7回の測定が表8に掲載されている。Octagam IgIVでは、確かにIgの大部分がIgGサブクラスのもので、即ち約99.5%であることが確認された。4種IgGイソタイプの分布は(方法セクションで記載されたような)Octagam IgIVデータシートで報告されているものにまさしく近い。非濃縮富化IgIVでは、サブクラス分布がImage Immunochemistry比濁計の検出下限のせいで調べられなかった。IgG2の相対的存在の測定も検出限界のせいで阻まれた。IgG1、IgG3およびIgG4の濃度は調べられた(表8)。富化IgIV中の全Ig濃度は、BCAタンパク質濃度測定技術を用いたところ、103μg/mLであることがわかった。比濁計では、全Ig濃度が108μg/mLであると計算された。濃縮富化IgIVでは、全4種IgGイソタイプの濃度と全IgG含有量が調べられた。IgAおよびIgMレベルは検出限界より低かった。富化IgIVフラクションでは、IgG3の相対的存在量が、リファレンスとしてIgG1と比較すると、富化IgIVがHbAGEアフィニティマトリックスで選択されたOctagam IgIV出発物質と比べて約2倍に増えている。IgG2およびIgG4の相対的存在量は、IgG1の量と比較したとき、富化でほとんど変化していない。そのため、結論として、IgG3のサブ集団は他のイソタイプよりHbAGE‐セファロースに比較的高い親和性を有している。
ミスフォールド低密度リポタンパク質(oxLDL)により誘導される血小板凝集に及ぼすIgIVアフィニティ領域の影響の解析、およびoxLDLへの、HbAGEアフィニティマトリックスを適用することでOctagam IgIVから得られた富化IgIVの結合性の解析
例えば酸化によるミスフォールドLDL(oxLDL)は、例えばアテローム性動脈硬化症のような破壊的な疾患および健康問題で重要な役割を果たす。酸化で、アミロイドクロスベータコンホメーションを連想させる構造的特徴が、LDLのタンパク質部分、即ちApoB‐100に導入されることを、我々は最近証明した(特許出願WO2003NL00501参照)。ヒトoxLDL、更に一層好ましくはApoB‐100のクロスベータコンホメーションまたはクロスベータ誘導コンホメーションに対するアフィニティ領域をIgIVが含んでなる可能性を、我々は今回取り扱った。この研究では、固定ミスフォールドタンパク質と特異的に結合するOctagamヒトIgIVからのアフィニティ領域をHbAGE‐セファロースで抽出することにより得られた富化IgIVが用いられる(実施例6,7参照)。加えて、Octagam IgIVが研究に含まれる。
oxLDLまたはTRAP(トロンビンレセプター活性化ペプチド,アミノ酸:SFLLRN)によるヒト血小板の活性化に及ぼすOctagam IgIVの影響を評価した。ヒト血液から精製されたLDLをFeSO4含有の緩衝液とインキュベートすることによりoxLDLを調製した(詳細に関しては実施例2の物質&方法セクション参照)。ジエン含有率を測定することで酸化度56%とわかった。以前に調べたように(特許出願WO2003NL00501)、酸化でoxLDLはチオフラビンT蛍光を増強する(データ示さず,例えば特許出願US2007003552参照)。血小板凝集を37℃にて900rpmで15分間にわたり凝集計(Chrono-Log Corporation,Havertown,PA,USA)で経時的に追跡した。ある容量の270μL血小板懸濁物(200,000/μL)を指示濃度で解析のためにサンプル含有の30μL溶液とインキュベートした。IgIVでの阻害実験のために、270μL血小板懸濁物を0.3mg/mLフィブリノーゲン(プラスミノーゲン、フィブロネクチンおよびフォンビルブラント因子枯渇,Enzyme Research Laboratories,Lafayette,IN,USA)、25μL酸化LDL、天然LDL(nLDL)またはTRAP溶液およびIgIV含有の5μL溶液とインキュベートした。インヒビターとの実験では、oxLDL、nLDLまたはTRAPを22℃で10分間にわたり漸増濃度のIgIVとプレインキュベートした。最大凝集は、任意に100%に設定された、8μM TRAPにより誘導される応答のパーセンテージとして表示した。
図20Aでは、Octagam IgIVがoxLDL誘導血小板活性化および凝集を用量依存的に阻害することがわかる。IgIVは、TRAPでの活性化に際して、血小板の凝集に影響を与えない。天然LDLへの血小板の暴露時にみられる低レベルの凝集は、天然LDLが濃度シリーズのIgIVとプレインキュベートされたときに変化しない。
マウス尾切除実験で出血時におけるクロスベータ構造結合化合物 静脈注射用免疫グロブリンおよび肝細胞成長因子アクチベーターフィンガードメインの役割
材料および方法
インビボ凝固および/または血小板凝集に及ぼすクロスベータ構造結合化合物の影響の解析のために、マウス尾切除アッセイを行いて出血時間を調べた。このアプローチのために、11〜13週齢雄性black six C57BL/6JOlaHsdマウス50匹を動物実験について地元の倫理委員会(Utrecht University,オランダ)により承認されたプロトコールに従い用いた。マウスに100μL緩衝液(PBS,コントロール群,n=14)または試験化合物もしくはヘパリン(陽性コントロール,出血を延ばすことが知られている)含有の緩衝液を尾静脈で静脈内(i.v.)注射した。5〜20分間後、マウスをチャンバーで5% Isofluran(誘導)で麻酔し、次いで実験の過程でマスクを用いて2〜2.5% Isofluran(維持)で麻酔した。尾をテーブルに垂れ下げさせてマウスを加温ブランケット(37℃)で保った。ハサミで尾から5mmの箇所を切り、血をカップに集めた。注射と尾切除との時間間隔と出血の開始と出血の停止との時間間隔を記録した。出血の終点を抑えて、出血時間を20分間以上に延ばし、創傷を焼灼により閉じることで能動的に止めたところ、速い出血のせいで200μLを超える出血容量に達した。20分間を超える長時間出血と比較的過剰な出血は、双方とも20分間の出血時間へ任意に設定した。予想される長時間出血の陽性コントロールとして、我々は100μL0.9%NaCl(n=8)中10I.E./マウスヘパリン(Leo Pharmaceutical Products B.V.,5000 IE/mL)i.v.を用いた。肝細胞成長因子アクチベーター(HGFA)フィンガー/フィブロネクチンI型ドメインを4.7mg/mLで用いた。2mL/マウスの推定血液容量に基づくとほぼ234μg/mLの最終濃度となる100μLをi.v.注射した(n=14)。製造業者により供給される50mg/mLストックからのヒト静脈注射用免疫グロブリン(IgIV,Octagam,OctaPharma)を20倍希釈で用いた(n=14)。
緩衝液処置、HGFA F処置およびIgIV処置のマウス14匹の、尾の約0.5cmの箇所を切った後における尾創傷からの出血の平均時間を調べた(図21)。出血時間は5人の異なる人々によりランダムにスコアリングした。長い出血時間を誘導するための陽性コントロールは、用量10 IE/マウスのヘパリンであった(n=8)。リファレンス群ではPBSを注射した(n=14)。平均出血時間はPBS注射コントロールマウスで368秒間、ヘパリン注射コントロールマウスで1056秒間である。HGFA FおよびIgIVは出血時間を平均で706および765秒間に延ばした。両側P値の不対t検定によると、HGFA F注射マウスおよびIgIV注射マウスの出血時間はPBS注射マウスで観察された出血時間と有意に異なる(図21参照)。P値は、PBS注射コントロール群と比較したとき、各々HGFA Fで0.013およびIgIVで0.0045である。これらの観察は、血小板栓の凝固および形成をもたらす、カスケードにおけるクロスベータ構造のミスフォールドタンパク質の役割について実証している。以前に我々により示されたように(例えば、特許出願WO2003NL00501参照)、フィブリン重合にはクロスベータ構造形成を要し、tPAおよびプラスミノーゲンによるフィブリン塊溶解がクロスベータ構造結合化合物により阻害されている。更に、血小板はクロスベータ構造のミスフォールドタンパク質により活性化され、活性化された血小板自体がクロスベータ構造を露出させる。実施例2および12において、我々はIgIVがクロスベータ誘導血小板凝集を妨げることを示している。実施例8において、IgIV富化に用いられた出発物質と比較して、HbAGE‐セファロースで富化されたIgIVがフィブリンとより強く特異的に結合することを、我々は証明している。尾切除出血アッセイにおいてHGFA FおよびIgIVで今回得られたデータは、これらのクロスベータ結合分子が、クロスベータ構造結合化合物に基づく、または凝固および血小板活性化に際してクロスベータ構造と結合することで凝固および/または血栓形成を促す分子と結合する化合物に基づく、抗凝固剤療法の開発に有益な出発点であることを示している。示唆された療法の一態様では、凝固および血小板凝集に関与するクロスベータ構造のタンパク質に特異性をもつアフィニティ領域が選択され、それにより凝固および/または血栓形成の基礎をなすクロスベータ構造のタンパク質へより特異的に治療作用を向けられるようになる。
ミスフォールドタンパク質へのアフィニティ領域をもつマトリックスを用いた、全身性アミロイドーシス患者の血漿とRA患者の血清および滑液からのタンパク質の単離および同定
クロスベータ構造およびクロスベータ構造を含んでなるタンパク質は本発明によるIgIV分子のコレクションおよび/または本発明による組成物へ効果的に結合されるため、それらはサンプルおよび/または動物またはヒトの体から効果的に分離および/または単離され、その後で同定される。クロスベータアフィニティマトリックスを用いた富化後のIgIVを、クロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質および/またはタンパク質中のクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質を単離するために用いた。タンパク質中のクロスベータ構造および/またはクロスベータ誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質は、クロスベータ構造および/またはクロスベータ誘導コンホメーションのタンパク質と不飽和状態で結合されているときに、富化IgIVマトリックスがクロスベータおよび/またはクロスベータ誘導コンホメーションのタンパク質の遊離結合部位と結合し、それによりクロスベータ構造および/またはクロスベータ誘導コンホメーションへ結合されたクロスベータ構造またはクロスベータ誘導コンホメーションと結合するタンパク質と間接的に結合する、という事実により同定される。健康な個体のクロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質および/またはタンパク質中のクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質の存在および/または同一性を、クロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質および/またはタンパク質中のクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質と関連および/または関係する疾患または健康問題のある個体、例えば原発性ALアミロイドーシスまたはリウマチ様関節炎(RA)の個体からのクロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質および/またはタンパク質中のクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質の存在および/または同一性と比較した。アフィニティ領域のマトリックスで単離されたタンパク質の同一性を質量スペクトル分析により特定した。健康な個体からのサンプルと患者からのサンプルとの結果を比較した。更に、富化IgIV‐マトリックスと接触させた患者または健康な個体からのサンプルで得られた結果を、固定アフィニティ領域なしで同サンプルをコントロールマトリックスと接触させた後に得られた結果と比較した。こうして、特定の病状時にミスフォールドするおよびクロスベータ構造コンホメーションを取る傾向があるタンパク質の同一性および/または感受性に関する、およびそれらのミスフォールドタンパク質と優先的に結合するタンパク質に関する情報を得た。これは、例えば病状をモニターする、療法の有効性をモニターする、疾患の発生をモニターするための、疾患特異的な診断ツールの開発のために重要な情報を提供し、好ましくは例示の障害に特異的なクロスベータ構造および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質および/またはタンパク質中のクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと特異的に結合しうるタンパク質を標的とした療法の開発のために有益な手がかりを提供する。該療法は例えばその場でミスフォールドタンパク質を除去するか、または透析時に例えばアフィニティマトリックスを用いて体外にミスフォールドタンパク質を除去する。
Octagam IgIV(Octapharma,ロット5024018434)を、この出願の他の箇所で記載されたように、Aβ‐セファロース、HbAGE‐セファロースおよびdIgIV‐セファロースで富化させた。これらマトリックスの溶出物をPBS(2h,1:2000,4℃)に対して透析し、プールし、CNBr‐セファロース(GE-Healthcare,Amersham Biosciences)に被覆した。富化IgIVの固定化を本質的にNHS‐セファロースに関してこの出願の他の箇所で記載されたように行った。CNBr‐マトリックスを1mM HClに200mg/mLで溶解し、NHS‐マトリックスと同様に処理したが、但しこの緩衝液で洗浄前にローラー装置にて1mM HCl中で5分間の活性化ステップを加えた。プールされた富化フラクションを固定用緩衝液(50mM NaClおよび40mM NaHCO3)で15μg/mLの濃度に希釈した。コントロールマトリックスは固定用緩衝液のみに曝した。一夜後に固定マトリックスをTrisで遮蔽し、洗浄した。
A1正常プール血漿
C1正常プール血漿
A2ALアミロイドーシス患者I
C2ALアミロイドーシス患者I
A3ALアミロイドーシス患者II
C3ALアミロイドーシス患者II
A4RA(RF力価682)をもつ患者IIIの血清
C4RA(RF力価682)をもつ患者IIIの血清
A5コントロール血清
C5コントロール血清
A6RA(RF力価23)をもつ患者IVの滑液
C6RA(RF力価23)をもつ患者IVの滑液
A‐シリーズ:富化IgIV‐セファロースのアフィニティマトリックス
C‐シリーズ:コントロールマトリックス(活性化/不活化セファロース)
表9では、異なるサンプルについて結果が示されている。アミロイドーシス患者では、ヒトプール血漿をコントロールとして用いた。RA患者では、健康な対象者からの血清をコントロールとして用いた。コントロール血清および正常プール血漿に関する結果は、患者サンプルで得られたペプチド組成物で特有に存在するペプチドの同定に用いられる。示されるタンパク質は、コントロール血清または血漿と比較して、患者血清または血漿からの特異的に結合したタンパク質またはタンパク質フラグメントである。健康な対象者からの滑液が利用できなかったため、コントロール‐マトリックスのみがRA患者からの滑液用の陰性コントロールとして用いられた。前記のように、タンパク質同定はIPIhumanデータベースをサーチすることにより行った。IPIは’International Protein Index’の略であり、Swiss-Prot、TrEMBLおよびPIRのような異なるデータベース(これらのデータベースはすべてUniProtでつながれている)でタンパク質、タンパク質前駆体およびタンパク質フラグメントを同定するために用いられる。UniProtで掲載された(未だされていない)予想タンパク質配列には多数あるが、ゲノム配列が完全に調べられた限定数の高等真核生物種については、IPIタンパク質セットが作られている。IPIはUniProtと予想を含んでなるソースからもデータをとっており、各種についてそれらを非リダンダントに包括的プロテオームセットに組み合わせている。この情報はすべて、www.ebi.au.ukからアクセスしうるEuropean Bioinformatics Institute(EBI)のウェブサイトからアクセスした。
患者は原発性ALアミロイドーシスに罹患しているため、同定された軽鎖はおそらく疾患の病理に関与するミスフォールド免疫グロブリン軽鎖である。
アフィニティ領域によるミスフォールドタンパク質と細胞との相互作用の調節
クロスベータ構造を含んでなるミスフォールドタンパク質は細胞と結合して、炎症応答および細胞成長またはアポトーシスの変化に限定されないが、それらを含めた細胞応答を誘起しうる。我々は、アフィニティ領域がこのようなミスフォールドタンパク質と細胞との相互作用を調節しうるかどうかについて取り扱った。我々は臍静脈から単離されたヒト一次内皮細胞(HUVEC)を用いた。
ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)の単離、培養および解析
単離および培養
HUVECは、当業者に公知の汎用標準操作に従い、0.1%コラゲナーゼ(Sigma,C0130,100mg,10%FCS(Gibco 10106‐169)およびペニシリン‐ストレプトマイシン(P/S,Gibco,15140‐122)で補充された100mL M199培地に溶解)を用いて臍帯から単離された一次内皮細胞(EC)である。HUVECはECの典型的特徴、例えば丸石形態およびWeibel-Palade体中フォンビルブラント因子貯蔵を有している。HUVECは継代5まで規則的に培養できる;継代5を超えるとHUVECは典型的ECマーカーを放出する。単離法はここでは簡単に記載されている。臍帯をエタノールに続きPBSで3分以内に洗浄する。血管をカニューレへつなぎ、10mL PBSでフラッシングし、次いで0.1%コラゲナーゼ溶液で負荷する。37℃で15分間インキュベート後、後でコラゲナーゼ溶液に加えられる10mL培地で血管をフラッシングすることにより、離れた内皮細胞懸濁物を回収する。EC懸濁物を室温にて低g力で5分間遠心する。上澄を捨て、細胞ペレットを5mL‘富培地’(EGM‐2;内皮基礎培地(EBM‐2,Cambrex,CC‐3156)および内皮細胞用サプリメント含有のSinglequot(Cambrex,CC‐4176))に再懸濁する。細胞(継代0,P0)を0.5%ゼラチン(Sigma,G1393)で被覆された培養フラスコに接種する。内皮細胞の接着を促すため、ヒトフィブロネクチンを2μg/mLの最終濃度で細胞培養物へ加える。ECを5%CO2下37℃で培養する。細胞培地を密集的になるまで2〜3日毎に入れ替える。次いで、トリプシン‐EDTAの添加で、細胞をフラスコから離し、低g力で遠心し、富培地に再懸濁し、大きな0.5%ゼラチン前被覆細胞培養フラスコに接種する。
組換えヒトsRAGEクローニング、発現および精製の記載に関しては、特許出願WO2006101387(パラグラフ〔0303〕)参照。精製sRAGE‐FLAG‐HisストックはPBS中284μg/mLであり、−80℃で保存した。
96ウェルプレート(Immulon 1B Thermo Labsystems 3355)に、タンパク質、即ちBSA‐AGE(5μg/mL)、10μg/mL天然IVIg(Octagamチャージ#5024018434)、10μg/mL富化IVIg(Octagam IgIVをHb‐AGE‐セファロースと接触させることで富化〔記載に関しては本出願の他の箇所参照〕)またはゼラチン(Sigma,G1393,H2OまたはPBS中2%溶液,ECへの接着に関する陽性コントロール)を100μL溶液で被覆させた。37℃で2時間インキュベート後、溶液を捨て、ウェルをフィルター(0.22μm)滅菌されたPBS中0.5%ポリビニルピロリドン(PVP,Sigma P5288)の100μL/ウェルで37℃にて1時間かけて遮蔽した。PVPは細胞接着をサポートしない不活性ポリマーである。その後で、PVP含有溶液を捨てた。次いで、プレートを40μL RPMI1640培地(Gibco52400)および10μLのポテンシャルインヒビター、例えばアフィニティ領域とインキュベートした。HUVECをトリプシン処理により得た。遠心後、細胞をP/S含有のRPMI1640培地に再懸濁し、80,000〜100,000細胞/mLに希釈した。各ウェルを100μLの細胞懸濁物で接種した。細胞を37℃で1時間かけて接着させた。プレートをP/S含有のRPMI1640培地で穏やかに洗浄した。ウェルの壁に沿うピペッティングにより培地を除去した。ブランクウェルがほとんど細胞を含有しなくなるまで、即ち1〜3回プレートを洗浄した。その後で、50μL RPMI培地を各ウェルへ加え、次いで5μL/ウェルのPBS中10%Triton‐X100を加え、37℃で10分間インキュベートした。次いで、50μLのラクトデヒドロゲナーゼ(LDH,Roche Applied Science,11644793001)溶液を製造業者の指示に従い加えた。プレートを暗所中室温で0.5〜3時間インキュベートした。490nmの吸光度をVersamaxマイクロプレートリーダーにより様々な時点で測定した。
これらの実験のために、HUVECをトリプシン処理により単離した。トリプシン処理後、細胞をP/Sおよび10%FCS含有のRPMI1640で集め、遠心した。遠心後、細胞を250,000細胞/250μLの濃度で無FCSのRPMI1640に再懸濁した。250μL細胞懸濁物を含有する個別4mLチューブ(ポリプロピレン,Greiner)を作製した。各チューブに、緩衝液(PBS)のみ含有のサンプル75μL、25μL oxLDL(1mg/mg)含有の50μL緩衝液または1μL BSA‐AGE(25mg/mg)含有の74μL緩衝液を加えた。その後で、細胞を4℃で約3.5時間にわたりサンプルとインキュベートした。次いで細胞を遠心によりペレット化し、上澄を捨てた。細胞をその後4℃にてFACS緩衝液(PBS/0.5%BSA/0.05%m/v NaN3)で洗浄し、後の解析のために約1×105細胞/100μLでFACS緩衝液に再懸濁した。3μL 7‐アミノアクチノマイシンD(7AAD)溶液(標準操作に従い調製)を加えることにより細胞死を調べた。サンプルBSA‐AGE(調製の詳細に関しては本出願の他の箇所参照)の結合性を抗AGEモノクローナル抗体4B5(10μg/mL)、洗浄後にヤギ抗マウスPE二次抗体(Jackson Immunoresearch,West Grove,USA)で調べた。BSA‐AGEの結合性はPEチャンネルでBSA‐AGEの固有蛍光を用いることでも評価した。酸化LDL(oxLDL,FeSO4でインキュベート後に56%酸化;チオフラビンT蛍光の特異的増強)の結合性を、160μg/mLの濃度で、抗ApoB100ポリクローナル抗体(Data Behring,Newark,DE,USA,ロット153670)含有の、細胞を洗浄した後、FITC標識ヤギ抗ウサギ抗体(1:200,Jackson)含有のウサギ血清により調べた。
ミスフォールドタンパク質への細胞の接着
HUVECがミスフォールドタンパク質と、即ちここで示されているように、ゼラチンよりもやや大きい程度、約125%でBSA‐AGEと接着することがわかった(図22A,バー1 vs.3)。漸増濃度のアフィニティ領域、即ちIgIVがBSA‐AGEへのECの接着を阻害した(バー7〜9 vs.バー3)。これらのデータは、アフィニティ領域がミスフォールドタンパク質と細胞との相互作用を妨げることを示している。
2方法を用いて、BSA‐AGEは13.9の平均蛍光強度(MFI)でECの96%と効率的に結合することがわかった。oxLDLはインキュベートされたECの18%と結合し、1.6のMFIを示した。BSA‐AGEと懸濁状態でインキュベートされたECで得られた結合特性は、BSA‐AGEで被覆された細胞培養プレートのウェルとECが効率的に結合するという観察と一致する(図22参照)。
富化IgIVを用いたミスフォールドタンパク質から溶液の枯渇
我々は、クロスベータ構造を含んでなる固定ミスフォールドタンパク質のマトリックスと結合するアフィニティ領域の選択後に得られた富化IgIVが、クロスベータ構造から溶液を枯渇させるための適しているかどうかを解析した。簡単に言えば、ELISAアプローチにおいて、実施例6で記載されたようにAβフィブリル‐セファロース、dIgIV‐セファロース、dHSA‐セファロースおよびBSA‐AGE‐セファロースを用いて富化されたIgIVの混合物を固定し、ミスフォールドHbAGEおよびdOVAのスパイク溶液へ曝し、その後で富化IgIVへのミスフォールドタンパク質の結合性を評価した。
実施例6で記載されたように、Aβフィブリル‐セファロース、dIgIV‐セファロース、dHSA‐セファロースおよびBSA‐AGE‐セファロースを用いることによりOctagam IgIV(ロット5024018434)を富化させた。Ig濃度は約30μg/mLであった。本実験では、アフィニティマトリックスからの4溶出物を容量ベースで1:1:1:1混合し、運動下室温で1時間かけてGreiner Microlon高結合性プレートに5μg/mLの濃度で被覆した。陰性コントロールとして、コントロール緩衝液のみまたは天然HSA(CEALB,Sanquin,オランダ)を被覆した。ELISAを本質的に前記のように行った。富化IgIVまたはHSAまたは被覆用緩衝液で被覆された遮蔽(Roche遮蔽試薬)ウェルを0、1、10または100μg/mLのdOVAまたはHbAGEで二重に覆った。dOVAの結合性はモノクローナル抗ニワトリ卵アルブミン(Sigma,A6075,1:10,000)およびRAMPO(Dako Cytomation,P0260,1:3000)を用いて評価した。HbAGEはグルコース‐6‐リン酸グリケート化ヒトフィブロネクチンに対するAGE特異的マウスハイブリドーマIgG4B5およびRAMPOを用いて検出した。後にタンパク質溶液で覆われる緩衝液被覆ウェルで得られたバックグラウンドシグナル(下記参照)を、被覆富化IgIVまたはHSAのウェルで得られたシグナルから差し引いた。加えて、dOVAまたはHbAGEが加えられなかったウェルとの一次および二次抗体インキュベートで得られたバックグラウンドシグナル(結合の緩衝液コントロール)を1、10および100μg/mLミスフォールドタンパク質で得られたシグナルから差し引いた。
図23は、dOVAが固定富化IgIVにより溶液から抽出され、一方HSAへの付着がほとんど生じなかったことを示す。同様に、HbAGEも富化IgIVにより特異的に抽出された。これらの結果は、適切な固体支持体に固定されたクロスベータ構造を含んでなるミスフォールドタンパク質に増加した親和性をもつ富化IgIVが、クロスベータ構造を含んでなるミスフォールドタンパク質、例えばdOVAおよびHbAGEから溶液の枯渇に適用される上で適していることを示す。
富化アフィニティ領域によるミスフォールドタンパク質への細胞応答の免疫調節
ミスフォールドタンパク質から体を浄化するために、免疫細胞が様々な手法でミスフォールドタンパク質に応答する。応答には、ミスフォールドタンパク質のオプソニン化、免疫系の他の細胞を活性化および誘起するためのサイトカインおよびケモカインの産生、および他の細胞を活性化するための細胞表面マーカーの発現がある。特に、ミスフォールドタンパク質と特異的に結合しうるアフィニティ領域のような抗体は、このような免疫細胞を活性化するために、免疫細胞と相互作用する。我々は、グリケート化BSAのようなミスフォールドタンパク質を認識する抗体で富化されたアフィニティ領域が、ミスフォールドタンパク質への応答を高められたかどうかについて試験した。我々は健康なボランティアの末梢血から単離された一次ヒト樹状細胞(DC)を用いた。我々はサイトカインインターロイキン‐6(IL‐6)およびケモカインIL‐8の産生、細胞表面マーカー(CD80、CD83、CD86およびCD40)の発現と、細胞生存率および残存率(7AADの結合)を調べた。
末梢血ヒト単球由来樹状細胞のインビトロ作製および活性化の解析
本質的に公表された方法(Sallustro and Lanzavecchia[1994], J.Exp.Med.179, 1109-1118)により、末梢血単核細胞(PBMC)から選択された非増殖前駆体からヒトDCを作製する。CD1a、CD32、CD36、CD40、CD54、CD86、HLA‐DRおよびCD206の相対的に豊富な存在量とCD14陽性、CD16陽性、CD64陽性、CD80陽性、CD83陽性およびCD163陽性細胞の比較的低い含有量が、未成熟DCの品質尺度として働く。GM‐CSFおよびIL‐4の刺激で未成熟DCを得た後、1mLの細胞懸濁物を、50μLの下記化合物(最終濃度)、i)PBS、ii)50μg/mLポリ‐ICと100ng/mL TNFα、iii)50μg/mL BSA‐AGE、iv)BSA‐AGE+4.4μg/mL富化IgIV、v)iv)と同様だが、細胞が飽和濃度の遮蔽抗CD32a抗体とプレインキュベートされたもの、vi)BSA‐AGE+660μg/mL Octagam IgIV、vii) vi)と同様だが、細胞が飽和濃度の遮蔽抗CD32a抗体とプレインキュベートされたものと、22時間インキュベートする。Octagam IgIVをHbAGE‐セファロースと接触させ、その後でミスフォールドタンパク質‐マトリックスと結合したアフィニティ領域を単離することにより、富化IgIVを得る。
表10は解析からの結果を示している。DCはコントロール刺激(TNFアルファの存在下ポリI‐C)に強く応答していることがわかる。データは、富化IgIVがBSA‐AGEの存在下でDCを刺激しうることを証明している。対照的に、非富化IgIVは150倍高濃度のときでもDCをほとんど増強できない。例えば、IL‐6(4433pg/mL)およびIL‐8(19316pg/mL)の発現は富化IgIVにより強く刺激されるが、非富化IgIVでは限定的にすぎない(各々191pg/mLおよび4682pg/mL)。加えて、富化IgIVはCD80、CD83、CD86およびCD40のような補助刺激分子の発現も刺激する。応答はFcγRIIaに対する抗体(抗CD32a)により阻害され、このことは効果がこのFcレセプターにより媒介されていることを示す。
富化IgIVアフィニティ領域と、HbAGE‐セファロースミスフォールドタンパク質アフィニティマトリックスを用いて富化IgIVが選択されたIgIVにおける、抗環式シトルリン化ペプチド抗体の存在に関する解析
実施例1および3〜9において、アフィニティ領域、即ちヒトIgIVの様々な調製物がクロスベータ構造のミスフォールドタンパク質と特異的に結合しうることを我々は証明した。実施例10では、IgG分子のFcドメインに対する自己抗体、リウマトイド因子(RF)力価の解析に関するアッセイで使用のヒトIgGの調製のために65℃で加熱することにより凝集させる広く許容された方法が、IgG分子でクロスベータ構造を誘導することを我々は証明した。RF力価は全リウマチ様関節炎患者の70〜80%でみられる。加えて、外見上健康な集団の約5%もRFに陽性である。我々は、クロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導タンパク質コンホメーションと特異的に結合しうるIgIV中のIgサブ集団が、環式シトルリン化ペプチド(CCP)に親和性を有する可能性について、今回は取り扱った。
下記アフィニティ領域調製物を抗CCP抗体力価の出現について解析した:
1. Octagam IgIV(Octapharma,チャージ番号:5024018434,50mg/mL)
2. 10mg/mL ヒトγ‐グロブリン(Sigma G4386,ロット21k7600)。PBSに溶解し、ローラー装置にて室温で10分間、その後37℃で10分間、および再びローラー装置にて室温で10分間インキュベートする。
3. Gammagard IgIV(Baxter Hyland Immuno Gammagard S/D5g,ロットLE08E044AL,52mg/mL,供給溶液に溶解し、等分し、−20℃で保存する)
4. PBS中103μg/mL 富化IgIV。実施例6、7で記載されているように、HbAGE‐セファロースを用いてOctagam IgIV(チャージ番号:5024018434)から富化する。
様々なアフィニティ領域調製物における抗CCP抗体力価を、EliAシステムを用いて地元のLaboratory for Medical Immunology(UMC Utrecht,オランダ)で測定した。測定された力価に関しては表11参照。IgIVおよびγ‐グロブリン調製物で得られた値は、疾患を診断する目的に照らし陰性として血清中抗CCP力価を判断する限界範囲、即ち<7U/mLに属する。実際に、測定された力価は外見上健康な個体の血清で規則的にみられる。富化IgIVでは、得られた力価2.7U/mLが、富化IgIVが単離されたOctagam IgIVで測定されたものに匹敵する。富化IgIVの濃度はしかしながら485倍低く、このことは抗CCP抗体に関して富化IgIVアフィニティ領域調製物の437倍富化を示唆している。このことから、ミスフォールドHbへのそれらの親和性に基づき選択されたアフィニティ領域もシトルリン化ペプチドに親和性を示す、と我々は結論づけている。
ミスフォールドマウスγ‐グロブリンに特異性をもつヒト富化IgIVアフィニティ領域
背景
リウマトイド因子(RF)は、熱への暴露によるIgGのミスフォールディングで露出される自己IgG分子のFcドメインにおけるエピトープに対するIgA、IgG、IgM自己抗体の組成物である。RFはリウマチ様関節炎(RA)患者の70〜80%で生じ、比較的高いRF力価が重度の疾患進行と相関している。実施例10において、我々は、クロスベータ構造が形成されるように、RFエピトープを暴露させる方法が実際にIgGをミスフォールドさせ、こうしてRFがIgGでクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションに親和性をもつアフィニティ領域であるという結論に至ることを証明している。我々は、クロスベータ構造をもつ4種の異なるタンパク質、即ち合成ヒトAβ1‐40、ニワトリ血清アミロイドA、グリケート化ヒトヘモグロビンおよびヒトフィブリンα‐鎖の合成フラグメントでのマウスの免疫化が免疫応答を誘起し、クロスベータ構造を含んでなるミスフォールドヒトIgGに特異性をもつハイブリドーマIgMクローンをもたらすことをみつけた。無関係のアミノ酸配列をもつが、クロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションの存在が共通する、4種のタンパク質抗原のうち1種以上は、ミスフォールドヒトIgGのクロスベータ特徴を偶然にも近密に連想させるクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導構造的特徴を含んでなる。別な説明は、4種抗原のうち1種以上における構造的クロスベータ特徴が、マウス自己Ig分子におけるクロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションと似ていることである。交差反応性は、B細胞によるIgの過剰産生を伴う、免疫系の高活性時に生じたのかもしれない。マウス免疫系の異常反応性は、多数の浸潤線維芽細胞を伴う、極めて大きな脾臓(細胞数7倍増加)から結論づけられる。更に、マウスは免疫化試験時にしばらく重症であった。これらの観察は、ミスフォールドヒトIgGへのハイブリドーマIgMの親和性観察で反映される、自己IgGに対する自己免疫応答の帰結かもしれない。第三のもっともな説明は、マウスがレパートリーでRFと共通した性質の一般的クロスベータ結合IgMクローンをまさに有し、それがクロスベータアフィニティマトリックスを適用することでヒトIgIVから選択されるIgGと似ていることである。我々は、HbAGE‐マトリックスで選択時にミスフォールドタンパク質に親和性をもつアフィニティ領域について富化されたヒトIgIVが、ミスフォールドマウスIgGに親和性をもつアフィニティ領域を含んでなるかどうかについて今回は評価した。これは、一般的にミスフォールドタンパク質に親和性をもつ自己免疫グロブリンの集団の存在に関する我々の知識を更に確証させることになる。
クロスベータ構造と結合するアフィニティ領域の選択のためのプールとして用いられるOctagam IgIV出発物質と富化ヒトIgIVが、クロスベータ構造のミスフォールドマウスIgGに親和性をもつアフィニティ領域の集団を含んでなるかどうかについて試験するために、我々はマウスIgGの様々なミスフォールド形へのOctagam IgIVおよび富化IgIVの結合性を解析し、天然マウスIgGとの結合性の結果と比較した。天然マウスIgG、高pHに曝されたマウスIgG(dmIgG塩基)、低pHに曝されたマウスIgG(dmIgG酸)およびPBS中85℃に加熱されたマウスIgG(dmIgG85℃)でThT蛍光およびコンゴーレッド蛍光を測定すると、クロスベータ構造が様々なミスフォールディング方法で誘導されることを明らかにした。ELSAを2つの異なる手法で行った。1アプローチでは、マウスIgGをウェルに直接被覆し、富化IgIVの濃度シリーズで覆った。それとは別に、第一のウサギ抗マウス免疫グロブリン(RAMPO,Dako Cytomation,Denmark)をウェルに被覆した。ウェルを(Roche遮蔽試薬)遮蔽し、その後でマウスIgG調製物を固定抗体へ結合させてから、OctagamヒトIgIVの濃度シリーズを三重にウェルへ適用した。
図24では、2つの別なELISAアプローチの結果がまとめられている。両実験アプローチにおいて、ヒトアフィニティ領域はマウスIgGの様々なミスフォールド形と優先的に結合する。天然マウスIgGへの富化IgIVの結合はほとんど検出されず、Octagam IgIVは天然マウスIgGと全く結合しなかった。Octagam IgIVおよび富化IgIVは双方とも、各々約200μg/mLおよび4.4μg/mL IgIVの半最大結合性を示す濃度で、dmIgG塩基と最高親和性で結合した。富化IgIVで天然マウスIgGへの一部結合性がみられ、一方結合性がOctagam IgIVで検出されなかったという事実は、富化IgIVが高親和性を有するマウスIgG組成物中におけるミスフォールドIgG分子のあるフラクションの存在を示している。これらの数値から、富化IgIVはミスフォールドマウスIgGとの結合性に関して約50倍富化されている、と導かれる。
リウマトイド因子を連想させる結合性のハイブリドーマIgM
背景
実施例1〜5の物質および方法セクションで前記されたように、マウスハイブリドーマIgM 7H2H2はヒト免疫グロブリンの一部ミスフォールド形と特異的に結合する。我々はしたがって7H2H2をリウマトイド因子様抗体と命名した。マウスを合成ヒトAβ1‐40、ニワトリ血清アミロイドA、グリケート化ヒトヘモグロビンおよびヒトフィブリンα‐鎖の合成ペプチドで連続免疫してから、脾臓をハイブリドーマの調製用に摘出した。注目すべきことに、脾臓が摘出されたとき、それは例外的に多数の細胞、7*108を含んでいた(正常数は1*108細胞である)。加えて、脾臓は例外的に多数の浸潤線維芽細胞を含んでいた。これらの観察は、マウス免疫系の高活性に起因する、高活性脾臓を示している。注目すべきことに、Aβで初回免疫化後約40週目に、第二、第三または第四ミスフォールド抗原で免疫化前に、マウスは病気になったが、数週間以内で、第二抗原、即ちニワトリSAAで免疫化前に回復した。7H2H2がγ‐免疫グロブリンおよびミスフォールドIgIVを認識し、一方無関係のアミノ酸配列を含んでなる4種の抗原が免疫化に用いられ、(外来)免疫グロブリンが抗原として用いられていないという事実は、免疫化操作に際するある時点の高活性化免疫系とマウスの病気の観察と合わせると、マウスが自己抗体に対する自己免疫応答を起こしたと我々に結論づけさせた。7H2H2へエピトープを曝すためのヒトIgGの構造的要件を更に解析する上で、我々は異なる方法で得られたミスフォールド抗体を含んでなる一連のヒトIgG調製物で結合実験を行った。
ヒトIgGの様々な構造外形へのハイブリドーマクローン7H2H2 IgMの結合性の解析のために、希釈シリーズの精製7H2H2(PBS中2.5mg/mL;P.van Kooten,ABC-Hybridoma facility,University of Utrecht/UMC Utrecht,オランダ)または固定濃度の12.5μg/mL IgMを固定ヒトIgGでELISAに用いた。陰性コントロールとして、ハイブリドーマIgM 2G10を用いた。解析に用いられたヒトIgGのミスフォールド形および天然コントロールが図25で示されており、1)IgIV65℃で5分間(‘RF’法)、2)IgIV65℃、3)IgIV69、4)IgIV76、5)IgIV80、6)IgIV83、7)IgIV86、8)IgIV酸/塩基コントロール、9)IgIV酸、10)IgIV塩基、11)天然Gammagard IgIV、12)IgIV HFIP/TFA、13)IgIV NaPi5mg/mL、14)IgIV NaPi20mg/mL、および15)IgG塩基変性,37℃である。構造詳細に関しては、クロスベータ標準の調製および構造決定で‘実施例6〜20の一般的物質および方法’セクション参照。図8および9では、15形のヒトIgGの構造的特徴が示されている。NaOHを加えた後37℃で30分間加温されたヒトγ‐グロブリン(hIgG‐塩基‐37℃)は、懸濁状態で大きな微粒子として現れ(図9L)、天然IgIVと比較したときTrp蛍光の増加を示し(図8F)、調製物はThTおよびCR蛍光を増強させる(図8A,B)。
図25Aにおいて、12.5μg/mLのマウスハイブリドーマIgM 7H2H2はヒトIgG調製物1、2、3、9、10、11、13および14と全くまたはほとんど結合せず、調製物4および5と少ない程度で結合し、6、7、8および12と中程度に結合し、ヒトIgG調製物15(γ‐グロブリン,塩基性条件,37℃で30分間処理、次いでHClで生理的pHへ逆にpH調整)と最も良く結合することが示されている。精製7H2H2の結合性が調製物1、6、11、14および15で解析されたとき、天然Octagam IgIV、1)IgIV65℃で5分間(‘RF’法)、11)天然Gammagard IgIVまたは14)IgIV NaPi20mg/mLとの結合性は検出されない(図25B)。同様に、高親和性結合がヒトIgG調製物6)20mMリン酸ナトリウムpH5.0中5mg/mLで83℃に加熱されたGammagard IgIV、および15)37℃で5mg/mLのIgG塩基変性,37℃でみられる。結合部位の数(Bmaxは各々0.65および0.59a.u.である)と、結合部位の半分が占有される濃度7H2H2、即ち3.3μg/mL 7H2H2は双方とも、両固定ミスフォールドIgG調製物について匹敵している。調製物15)は、IgIV塩基(サンプル10)およびIgIV HFIP/TFA(サンプル12)と類似した凝集物構造として、TEM像で現れた。固定ヒトIgGとのIgM結合性に関する陰性コントロール、ハイブリドーマIgM 2G10は、ヒトIgG調製物といかなる親和性も示さなかった(データ示さず)。調製物6)の場合、すべての蛍光プローブが、他の全調製物と比較して、比較的高程度に、コンゴーレッドおよびチオフラビンSの場合は最高程度に結合することが、図9からわかる。しかしながら、サンプル6)はtPA/プラスミノーゲン活性化を中度に高め、一方9)および12)はプロテアーゼ活性を強く増強する(図9M)。TEM像の解析では、色素の蛍光増加がマルチマーサイズの増加とある程度正相関することを示した。6つの蛍光データポイント(CR、ThT、ThS、Trp、ビスANSおよびANS)は一緒にすると7H2H2の予想結合性に関する予測力を強化する、と結論づけられる。各IgG調製物に関するシグナルを掛け合わせてみると、サンプル6)がハイブリドーマクローンに最適のリガンドとして顕在化することを確かに予測している。tPA/プラスミノーゲン活性化も考慮すると、サンプル9)および12)への7H2H2のやや高い結合性が予想される。結論として、クロスベータ構造に親和性をもつ一連の蛍光色素、即ちCR、ThTおよびThSの結合性の大きさ増加、またはタンパク質構造、即ちビスANSおよびANS中における疎水性パッチのプローブ溶媒暴露、および蛍光強度の増加として示されるTrp残基の局所環境下における変化は、ハイブリドーマIgMクローン7H2H2が高親和性で結合するかどうかを予測しうるらしい。これらの結果は明らかに、マウスがある時点で、先天性免疫応答としてまたは免疫化に用いられる4種外来クロスベータ抗原の1種以上への暴露時における適応応答として、天然フォールドIgGに隠されたまたは存在しないエピトープ、即ち露出クロスベータ構造またはクロスベータ構造誘導コンホメーションに対して免疫応答を起こしたことを証明している。要約すると、我々の結果は、あるミスフォールドタンパク質または一連のミスフォールドタンパク質を選択することにより、特定のミスフォールドタンパク質に明白な特異性をもつアフィニティ領域をもたらし、クロスベータ構造またはクロスベータ媒介暴露コンホメーションのある外形と優先的に結合するように、免疫応答がマウスで誘導されることを示している。
富化IgIVから得られる組換え/合成アフィニティ領域の作製
本発明は、タンパク質ミスフォールディングおよびタンパク質ミスフォールディング疾患の診断および治療向けでミスフォールドタンパク質に特異的なアフィニティ領域の選択のための方法および手段について開示している。アフィニティ領域は、例えば天然ヒト免疫グロブリン(即ちヒトIVIgまたはIgIV)のような、アフィニティ領域のコンビナトリアルライブラリーから選択される。こうして得られたものに相似するアフィニティ領域は、例えば、タンパク質配列解析、DNAクローニングおよび発現技術を含めた、当業者に知られている標準技術を適用することにより、組換えまたは合成で作製される。この実施例は一態様を記載している。続くステップでは、(1)少なくとも重および軽両鎖の可変領域からまたは少なくとも相補性決定領域1‐3(CDR)からまたは少なくとも個別単離アフィニティ領域の重鎖(HC)のCDR3からのアミノ酸配列を、タンパク質配列解析により得る。(2)特定アミノ酸配列をコードするDNA配列を合成で作製する。タンパク質解析により決定された正確な配列の代わりとして、変化した親和性、好ましくは増加したおよび/またはより特異的な親和性をもつアフィニティ領域を作製するために、好ましくはCDR3、更に好ましくは重鎖(HC)のCDR3に1以上の突然変異が導入された配列も用いうる。(3)DNAを適切な発現ベクターへクローニングする。このようなベクターは、例えばIgG1、IgG2a、IgG2b、IgM、IgA、IgEなどを得るために、好ましくは所望型の免疫グロブリンの定常領域をコードする配列を既に含有している。(4)ベクターを選択の発現系、好ましくは哺乳動物細胞へ何らかの手法で導入する。(5)アフィニティ領域を発現する細胞を選択する。(6)組換え産生アフィニティ領域を細胞または細胞由来培養上澄から精製する。親和性を最適化するために突然変異が原アフィニティ領域配列へ導入されると、新たに作製されたアフィニティ領域が開示された方法および手段を用いて再選択されうる。好ましくは相補性決定領域、好ましくはCDR3、更に一層好ましくはHCのCDR3における、アフィニティ領域のレパートリーが更に増加した、半合成アフィニティ領域のこのような作製が、好ましくは半合成ライブラリー、例えばファージディスプレイライブラリーの作製により行われる(下記参照)。
血液から得られるIVIgのようなヒト免疫グロブリンのコレクションのほかに、コンビナトリアルライブラリーもいずれか他の一連のアフィニティ領域、好ましくは一連の組換えアフィニティ領域、例えばファージディスプレイライブラリーに存在するものから得られる(Winter et al.1994;Hoogenboom,1992,1997,2000,2002,2005)。好ましくは、このようなライブラリーは哺乳動物アフィニティ領域、好ましくはヒトアフィニティ領域、例えば免疫グロブリンに関連した配列から構成されている。好ましくは、アフィニティ領域のコレクションを含んでなるこのようなファージディスプレイライブラリーは次のように作製される(Winter et al.1994,de Kruif et al,1995a,1995b)。最初に、B細胞またはB細胞を含んでなる組織からRNAを抽出する。その後で、cDNAを作製する。次いで、可変領域をコードするcDNAを増幅させ、適切なプラスミドベクターへクローニングし、例えばEscherichia coliの株のような適切な宿主へトランスフォームする。こうしてアフィニティ領域が発現され、即ち繊維状バクテリオファージの表面で融合タンパク質としてファージにより呈示される。ファージディスプレイライブラリーは、例えば、健康な哺乳動物、好ましくはヒト、マウス、ラットまたはラマから、または代わりにミスフォールドタンパク質で免疫された哺乳動物から得られるB細胞から作製する。一態様において、ファージディスプレイライブラリーは、特定の疾患、好ましくはミスフォールディング疾患、例えばRAに罹患した哺乳動物、好ましくはヒトのB細胞から作製する。こうして、アフィニティ領域のコレクションが、ミスフォールドタンパク質に特異的なアフィニティ領域を含むように、特別な目的で作製される。例えば、マウスを(この実施例20の場合のように)ミスフォールドタンパク質の1種またはセレクションで1回または数回免疫し、B細胞を脾臓から単離して、ファージディスプレイライブラリーを作製するために用いる。他の例では、B細胞を特定の疾患、例えば(リウマチ様)関節炎のヒトから単離する。これらのB細胞から作製されたcDNAを次いで、ファージディスプレイライブラリーを作製するために用いる。こうして、ファージディスプレイライブラリーが選択ミスフォールディング疾患に関与するミスフォールドタンパク質に特異的なアフィニティ領域を含むように作製される。例えば、IgのFcドメインに関するアフィニティ領域、即ちリウマトイド因子(RF)のようなアフィニティ領域を含むライブラリーが作製される(van Esch et al.2003,Clin Exp.Immunol)。上記手法で、当業者であれば、特定の疾患または適用例に力点を置いたアフィニティ領域のコレクションを含むファージディスプレイライブラリーをデザインおよび作製することができる。
ヒトで使用の場合は、非ヒト配列が可能であればどこでもヒト配列と置き換えられ、アフィニティ領域の結合性が好ましくは過度に影響されないように、他の種から得られたアフィニティ領域を好ましくは修飾する。好ましくはマウスまたはラットを用いる、更に一層好ましくはヒト免疫グロブリンをコードするトランスジェニックマウスを用いる、古典的免疫化戦略に際してもアフィニティ領域が作製される。免疫化後、モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞系が、標準操作により、または上記のファージディスプレイ技術を適用することにより作製される。ミスフォールドタンパク質と特異的に相互作用しうるモノクローナル抗体が選択される。このようなアフィニティ領域の“キメラ”または“ヒト化”バージョンは、正常マウスまたはラットを用いて作製されるとき、例えば非ヒト定常領域および関連非ヒト可変領域を関連ヒト相同性領域で置き換えることにより作製される(Morrison et al 1984;Jones et al.1986)。更に、所望であれば異なる定常領域が導入される。
好ましくはミスフォールドタンパク質または一連のミスフォールドタンパク質と関連する特定の疾患または健康問題に特異的な、1種または一連のミスフォールドタンパク質に関して富化されたアフィニティ領域を選択するための操作
実施例1〜9において、我々は、ミスフォールドタンパク質および/またはクロスベータ構造を含んでなるミスフォールドタンパク質を含有したアフィニティマトリックスの使用で、ミスフォールドタンパク質および/またはクロスベータ構造を含んでなるタンパク質と優先的、選択的にかつ高親和性で結合しうる、選択に用いられる一連のアフィニティ領域に必ずしも含まれていなかったアフィニティ領域が、アフィニティ領域のいずれかの組成物から選択されることを証明した。クロスベータ構造を含んでなる選択ミスフォールドタンパク質が固定された固体支持体の使用で、我々が事実上いかなるミスフォールドタンパク質とも親和性を有するアフィニティ領域をアフィニティ領域のコレクションから単離しうることを、実施例は証明した。HbAGE‐、dHSA‐、Aβフィブリル‐およびdIgIV‐マトリックスで、我々はdHSA、Aβフィブリル、Aβ非フィブリル凝集物、dOVA、BSA‐AGE、Hb‐AGE、ミスフォールドマウスIgG、シトルリン化ペプチド/タンパク質、ApoA‐IおよびoxLDLと結合するアフィニティ領域を選択した。富化IgIV組成物に関するリガンドのこのリストの多数メンバーが、例えばAβ(アルツハイマー病)、oxLDLおよびApoA‐I(アテローム性動脈硬化症、アミロイドーシス)、グリケート化タンパク質(アミロイドーシス、最終段階腎臓疾患、糖尿病、RA)、ミスフォールドIgG、シトルリン化タンパク質(ALアミロイドーシス、RA)のようなタンパク質ミスフォールディング疾患の病理に関与している。
Claims (66)
- ミスフォールドタンパク質のエピトープおよび/またはクロスβ構造のエピトープおよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと相互作用しうるアフィニティ領域を含んでなる少なくとも1種のIgIV分子を、IgIV分子のコレクションから選択するための方法であって、
IgIV分子のコレクションを、ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質と接触させ、上記エピトープと相互作用するアフィニティ領域を含んでなる少なくとも1種のIgIV分子を集めることを含んでなる、方法。 - エピトープがタンパク質のクロスβ構造の少なくとも一部である、請求項1に記載の方法。
- エピトープが、クロスβ構造を含んでなるタンパク質で露出されている、請求項1に記載の方法。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質が、固体支持体に結合されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造のエピトープおよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと、相互作用しうるアフィニティ領域を含んでなるIgIV分子で富化された、IgIV分子のコレクション。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により選択された、請求項5に記載のIgIV分子のコレクション。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造のエピトープおよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと相互作用しうるアフィニティ領域を含んでなる、少なくとも5種、好ましくは少なくとも8種、更に好ましくは少なくとも10種の単離、合成および/または組換え分子を含んでなる組成物。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造のエピトープおよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと相互作用しうるアフィニティ領域を含んでなる少なくとも1種のIgIV分子の機能性部分、誘導体および/またはアナログを含んでなる、請求項7に記載の組成物。
- 分子の少なくとも1種がクロスβ構造結合分子を更に含んでなる、請求項7または8に記載の組成物。
- 分子の少なくとも1種がエフェクター分子を更に含んでなる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- エフェクター分子がプロテアーゼまたはそのクロスβ構造結合部分である、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子が免疫増強化合物、好ましくはサイトカインである、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子が補体活性化因子である、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子がクリアランスシグナル、好ましくはFcドメインの少なくとも一部である、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子が炎症抑制化合物、好ましくは補体阻害因子である、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子がクロスβ構造結合増強因子である、請求項10に記載の組成物。
- エフェクター分子がオプソニン化化合物である、請求項10に記載の組成物。
- 単離、合成および/または組換え分子がオプソニン化化合物である、請求項7〜17のいずれか一項に記載の組成物。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造のエピトープおよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと相互作用しうる少なくとも1種のIgIV分子のアフィニティ領域のアミノ酸配列を決定し、該アミノ酸配列を含んでなる単離、合成および/または組換え分子を作製することを含んでなる、請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を作製するための方法。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションまたは請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物から、ミスフォールドタンパク質またはクロスβ構造のエピトープと相互作用する際におよび/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質のエピトープと相互作用する際に、食細胞により該クロスβ構造および/またはタンパク質のオプソニン化を誘導しうるアフィニティ領域を含んでなる分子を選択するための方法であって:
‐請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションまたは請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を、ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質と接触させ;
‐IgIV分子および/または単離、合成および/または組換え分子に結合されたミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質を含んでなる複合体を食細胞と接触させ;および
‐該ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の食細胞による食作用を誘導または増強しうるIgIV分子および/または単離、合成および/または組換え分子を集める;
ことを含んでなる、方法。 - 薬剤として用いるための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクション、および/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物。
- ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造関連および/または関係疾患、血液凝固障害、敗血症および/または微生物/病原体/細菌/寄生虫/ウイルス感染症の少なくとも部分的な予防および/または治療のための薬剤の製造のための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- 微生物/病原体/細菌/寄生虫/ウイルス感染症がHIV関連日和見感染症を含んでなる、請求項22に記載の使用。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を個体に投与することを含んでなる、個体で細胞外タンパク質分解および/またはタンパク質クリアランスを増強させるための方法。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の有効量を個体へ投与することを含んでなる、個体でミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造媒介効果を少なくとも一部阻害するための方法。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を個体へ投与することを含んでなる、個体におけるミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造関連および/または関係疾患、血液凝固障害、敗血症および/または微生物/病原体/細菌/寄生虫/ウイルス感染症の少なくとも部分的な予防および/または治療のための方法。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を個体へ投与することを含んでなる、個体でHIV関連日和見感染症の少なくとも部分的な予防および/または治療のための方法。
- ‐請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクション、および/または
‐請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物、および
‐適切なキャリア、希釈物および/または賦形剤
を含んでなる組成物。 - クロスβ構造結合化合物を更に含んでなる、請求項28に記載の組成物。
- クロスβ構造結合増強化合物を更に含んでなる、請求項28または29に記載の組成物。
- 補体活性化化合物を更に含んでなる、請求項28〜30のいずれか一項に記載の組成物。
- 免疫増強化合物、炎症抑制化合物および/または補体阻害化合物を更に含んでなる、請求項28〜30のいずれか一項に記載の組成物。
- タンパク質誘導血小板凝集を阻害するための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる分子への組織型プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の結合と競合させるための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- サンプルからミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質を少なくとも一部除去するための方法であって、
サンプルを請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物と接触させ、IgIV分子および/または単離、合成および/または組換え分子に結合されたミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の複合体を該サンプルから除去することを含んでなる方法。 - サンプルが流体サンプルである、請求項35に記載の方法。
- 流体が体液を含んでなる、請求項36に記載の方法。
- 流体が製薬またはその成分のいずれかを含んでなる、請求項35または36に記載の方法。
- 流体が食品物質を含んでなる、請求項35または36に記載の方法。
- IgIV分子のコレクションおよび/または組成物が固体支持体へ結合されている、請求項35〜39のいずれか一項に記載の方法。
- ‐ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質と相互作用しうる、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションの少なくとも1種のアフィニティ領域、および/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の少なくとも1種のアフィニティ領域、および
‐該ミスフォールドタンパク質および/または該クロスβ構造および/または該タンパク質と該アフィニティ領域との相互作用の視覚化の手段、
を含んでなる診断キット。 - ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造が疾患関連ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなる、請求項41に記載の診断キット。
- ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質および/またはペプチドが、タンパク質を含んでなる水溶液中に存在しているかどうかを調べるための方法であって:
‐該水溶液を請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物と接触させ、および
‐結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質および/またはペプチドが存在しているかどうかを検出する、
ことを含んでなる方法。 - 水溶液が、洗剤、食物製品、食物サプリメント、細胞培地、リサーチ目的に用いられる市販タンパク質溶液、血液、血液製剤、脳脊髄液、滑液、リンパ液、化粧品、細胞、タンパク質を含んでなる医薬組成物またはその成分のいずれか、またはこれらのいずれかの組合せを含んでなる、請求項43に記載の方法。
- タンパク質を含んでなる医薬組成物またはその成分のいずれかからミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質を除去するための方法であって:
‐タンパク質を含んでなる該医薬組成物またはその成分のいずれかを請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物と接触させ;
‐該IgIV分子のコレクションおよび/または組成物への該ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質および/またはペプチドの結合を行わせ;および
‐タンパク質を含んでなる該医薬組成物またはその成分のいずれかから、クロスβ構造を含んでなる結合タンパク質および/またはペプチドを分離する;
ことを含んでなる、方法。 - 医薬組成物の望ましくない副作用を減少させるおよび/または防止するおよび/またはタンパク質グラム当たりの比活性を増加させるための方法であって、
請求項45に記載の方法を用いて、該医薬組成物またはその成分のいずれかから、アンフォールドタンパク質、アンフォールドペプチド、ミスフォールドタンパク質、変性タンパク質、凝集タンパク質、凝集ペプチド、マルチマー化タンパク質および/またはマルチマー化ペプチド、および/またはクロスβ構造を含んでなるペプチドを除去することを含んでなる、方法。 - 請求項45または46に記載の方法により得られる、タンパク質を含んでなる医薬組成物またはその成分。
- ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の蓄積を減少させるための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造がコンホメーション疾患に関与している、請求項48に記載の使用。
- 疾患が、アミロイドーシス型疾患、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、出血、血栓症、癌、敗血症および他の炎症疾患、リウマチ様関節炎、伝染性海綿状脳症、多発性硬化症、自己免疫疾患、記憶の喪失を伴う疾患またはパーキンソン病および他の神経疾患(癲癇)、脳症および/または関節炎および/またはリウマチ様関節炎である、請求項49に記載の使用。
- 好ましくはコンホメーション疾患に関与する、蓄積沈着ミスフォールドタンパク質またはクロスβ構造のタンパク質の存在を調べるための、請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- 請求項35〜40または45〜46のいずれか一項に記載の方法を実施するための分離装置であって、
(循環)流体を輸送するためのシステムを含んでなり、該システムがフロー流体、好ましくは個体の循環へ接続するための、該システムへの流体のエントリーと該システムから好ましくは個体の循環への流体のリターンのための手段を備え、該システムが更に固相を含んでなり、該固相が請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜19のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる装置。 - 透析装置である、請求項52に記載の分離装置。
- 請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を血液へ供することを含んでなる、血液の凝固を妨げるための方法。
- 組成物中、好ましくは薬剤および/またはワクチン中におけるミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造の量を調べるための方法であって:
‐該組成物を請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物と接触させ、および
‐結合ミスフォールドタンパク質および/またはクロスβ構造の量を該組成物中に存在するクロスβ構造の量と関連づける、
ことを含んでなる、方法。 - タンパク質のクロスβ構造含有率に影響を有すると予想される処理に試験サンプルが付されていた、試験サンプル中タンパク質のクロスβ構造含有率と比較したリファレンスサンプル中タンパク質のクロスβ構造含有率との差異を調べるための方法であって:
‐請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を用いてリファレンスサンプルでタンパク質のクロスβ構造含有率を調べ;
‐該タンパク質のクロスβ構造含有率に影響を有すると予想される処理に該タンパク質を付し、こうして試験サンプルを得;
‐請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物を用いて、得られた試験サンプル中における該タンパク質のクロスβ構造含有率を調べ;および
‐該リファレンスサンプル中該タンパク質のクロスβ構造含有率が該試験サンプル中該タンパク質のクロスβ構造含有率と有意に異なるかどうかを調べる
ことを含んでなる、方法。 - タンパク質を含んでなるサンプルでミスフォールドタンパク質、クロスβ構造またはクロスβ構造を含んでなるタンパク質の同一性の決定のための方法であって:
‐該サンプルを請求項5または6に記載のIgIV分子のコレクションおよび/または請求項7〜18のいずれか一項に記載の組成物と接触させて、結合ミスフォールドタンパク質、クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質を得、および
‐結合ミスフォールドタンパク質、結合クロスβ構造および/またはクロスβ構造を含んでなる結合タンパク質を同定する、
ことを含んでなる、方法。 - サンプルが、水溶液、好ましくは体液を含んでなる、請求項57に記載の方法。
- 健康な個体からの体液とクロスβ構造の存在と関連および/または関係する疾患に罹患したまたは罹患していると疑われる個体からの体液が用いられる、請求項57または58に記載の方法。
- ALアミロイドーシスおよび/または関節炎に罹患しているまたは罹患するリスクのある個体からのサンプルが用いられる、請求項57〜59のいずれか一項に記載の方法。
- 薬剤として、表9で示された化合物と特異的に結合しうる、および/または表9で示された化合物の量および/または活性を減少させうる、化合物。
- ミスフォールドタンパク質関連および/または関係疾患、血液凝固障害、敗血症および/または微生物/病原体/細菌/寄生虫/ウイルス感染症に対する薬剤の製造のための、表9で示された化合物と特異的に結合しうる、および/または表9で示された化合物の量および/または活性を減少させうる化合物の使用。
- 疾患がALアミロイドーシスおよび/または関節炎を含んでなる、請求項51または62に記載の使用。
- 表9で示された化合物と特異的に結合しうる、および/または表9で示された化合物の量および/または活性を減少させうる化合物を個体へ投与することを含んでなる、ミスフォールドタンパク質関連および/または関係疾患、血液凝固障害、敗血症および/または微生物/病原体/細菌/寄生虫/ウイルス感染症に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象者を治療するための方法。
- 疾患がALアミロイドーシスおよび/または関節炎を含んでなる、請求項64に記載の方法。
- エフェクター分子がミスフォールディングのインヒビターである、請求項10に記載の組成物。
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