JP2009529329A - 鼻腔上皮細胞の遺伝子発現プロファイルを用いた、肺疾患のための診断および予後診断の方法 - Google Patents

鼻腔上皮細胞の遺伝子発現プロファイルを用いた、肺疾患のための診断および予後診断の方法 Download PDF

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Abstract

本発明は遺伝子発現の解析を利用して、鼻腔上皮細胞の情報から肺疾患を診断する方法に関する。さらに具体的には、本発明は鼻腔上皮細胞のサンプルから被験動物、好ましくはヒトの被験体における肺疾患、特に肺癌、を検出するための診断および予後診断の方法に関する。本発明はまた、鼻腔上皮細胞サンプルから肺疾患を解析するために、その発現が利用できる遺伝子をも提供する。一つの実施形態において、本発明は肺疾患の診断や予後診断、あるいは疾患の進行や治療効果の追跡調査のための、鼻腔上皮細胞の遺伝子発現解析を利用した方法を提供する。

Description

(政府機関からの援助)
本発明は一部、米国医薬品食品衛生研究所のグラント番号No.HL077498の支援により行われ、米国政府は本発明に対してある程度の権利を保有する。
(関連出願への相互参照)
本出願では、合衆国法典第35巻、特許法第119(e)条の下で、2006年3月9日に米国に出願された米国仮特許出願番号60/780,552の利益を主張し、当該出願の内容は参照によりその全体がここに組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は遺伝子発現の解析を利用して、鼻腔上皮細胞の情報から肺疾患を診断する方法に関する。さらに具体的には、本発明は鼻腔上皮細胞のサンプルから被験動物、好ましくはヒトの被験体における肺疾患、特に肺癌、を検出するための診断および予後診断の方法に関する。本発明はまた、鼻腔上皮細胞サンプルから肺疾患を解析するために、その発現が利用できる遺伝子をも提供する。
(発明の背景)
肺疾患は、現代社会における深刻な健康問題を代表するものである。例えば、肺癌は、米国で毎年15万人の命を奪い、これは乳癌、前立腺癌および結腸直腸癌の死亡数を合わせたよりも多い。喫煙は、肺癌の最も主要な原因である。現在、米国人口の25%が喫煙するが、ヘビースモーカーの10−15%が肺癌を発症するにすぎない。また喫煙に関連する、肺気腫のような他の疾患もある。また、例えば二次的喫煙のような喫煙者に曝露される人々からも健康上の問題が提起されつつある。元喫煙者には、癌を含むそのような疾患を発症する危険性が残り、今や、新たな肺癌患者が生じる大きな予備軍となっている。喫煙に加えて、アスベストやスモッグのようなその他の大気汚染物質への曝露は、それらの物質に晒された人々にとっての重篤な肺疾患発症の危険を引き起こす。
全肺癌患者のほぼ85%が診断後3年以内に死亡する。遺憾ながら、生存率はこの数十年間、変化していない。この理由は主として、肺癌発症の危険が最も大きい喫煙者を見つける効果的な方法がないことや、早期診断のための有効な手段がないことによる。
肺癌を診断するために現在、使われている方法には、胸部X線解析、気管支鏡検査、痰の細胞学的分析、胸部コンピューター画像診断解析、およびポジトロン電子線画像診断解析(PET)などが含まれる。しかしながら、これらのいずれの方法も、最適な診断用検査に必要とされる感度と特異性を合わせ持たない。
本発明者らは、これまでに気管支上皮細胞から得られた生物学的サンプルの遺伝子グループの発現パターン解析が、肺癌のような肺疾患発症の正確な診断や予後診断をもたらすことを発見している(PCT/US2006/014132)。
しかしながら、気管支組織から上皮細胞を採取する方法は、他の多くの方法に比較して侵襲性が少ないにもかかわらず、幾つかの欠点がある。例えば、患者は、検査前の6−12時間、飲食物の摂取ができない可能性がある。また、操作に硬い気管支鏡が使われれば、患者はある程度の危険を伴う全身麻酔を必要とすることになる。柔軟性のある気管支鏡が使用される場合は、操作は局所麻酔下に行われる。患者のうちの数人は、そのような操作中に、窒息感のような不快な感覚を覚え、再度の操作を受けることに、かなりの抵抗感を示す。また、気管支鏡の操作を受けた後は、数日間、咽喉に不快感が残ることがある。
遺伝子発現解析のために口腔上皮細胞からRNAが分離され得る(U.S.S.N. 10/579,376)ことはすでに報告されているが、そのようなサンプルが、正確な診断や予後診断の方法に使用できる気管支のサンプルと同じ遺伝子発現の変化を常に反映できるかどうかについては明らかにされていない。
従って、原発性の肺悪性疾感を含めて、肺癌や肺癌発症の危険性といった肺疾患を個々の患者において評価するための、簡単で侵襲性の少ないスクリーニングの方法の開発には、多大の興味と必要性がある。もしそのような方法が、例えば、疾病の多様な進行過程において発現が変化するマーカー遺伝子を見つける事により、伝統的な胸部X線撮影、あるいはPET解析や細胞学的解析よりも更に正確であれば、より好ましい。
従って、非侵襲性の検査は非常に有用となる。
(発明の概要)
本発明は、鼻腔上皮細胞における遺伝子発現の解析に基づく、肺癌のような肺疾患の診断のための、非常に侵襲性の少ない方法を提供する。
本発明者らは、驚いた事に、鼻腔上皮細胞の遺伝子発現の変化が肺上皮細胞の遺伝子発現の変化を密接に反映することを発見した。従って、本発明は肺疾患の診断や予後診断、あるいは疾患の進行や治療効果の追跡調査のための、鼻腔上皮細胞の遺伝子発現解析を利用した方法を提供する。
また、本発明者らは、気管支上皮細胞と鼻腔上皮細胞の遺伝子発現パターンは非常に相関性が高いことを発見した。このことは、これまでに研究した他のどの組織の上皮細胞における遺伝子発現パターンとも対照的である。肺と鼻腔において、発現が特に高い相関を示す遺伝子について、表8、9および10に示す。
本発明の方法は、例えば、肺疾患の発症の危険性がある被験体、特に、タバコや葉巻の煙、またはアスベストや他の既知の汚染物質に曝露されたことがあるために特に肺癌の発症の危険性がある被験体、においての悪性疾患を指摘する変化をスクリーニングするための最適な手段を提供する。本発明の方法は、気管支鏡操作について訓練された専門家を必要としない、また気管支鏡検査に必要な複雑な装置を必要としないので、年1回の定期的検診でのスクリーニングを可能にする。
本発明者らは、気管支組織と鼻腔道の上皮細胞の遺伝子発現に有意な相関があることを発見した。これは、癌患者のサンプルの解析と同時に、喫煙者と非喫煙者からのサンプルの解析を行うことで発見された。
本発明者らは、類肉腫症のある被験体をそれのない被験体から区別する遺伝子を解析した際に、気管支組織と鼻腔の上皮細胞における遺伝子発現プロファイルに高い相関性を発見した。
本発明者らはまた、喫煙者と喫煙の経験がない被験体との間で、遺伝子発現パターンを比較した際に、同様な事実を発見した。
従って、本発明者らは、診断、予後診断または追跡調査のための、気管支組織からではなく、鼻腔道からの上皮細胞を採取する侵襲性が非常に少ない方法を発見し、また喫煙家と非喫煙家における肺癌のような肺疾患の効果的な予測因子であると実証された同じ遺伝子が、鼻腔道の上皮細胞の解析に利用できることを発見した。
遺伝子発現解析は、表8、9および10に記載された、また例えばPCT/US2006/014132に説明された遺伝子や遺伝子グループを使って行うことができる。当然ながら、もし発見されれば、他の診断用遺伝子もまた利用することができる。
従って、本発明は、鼻腔上皮細胞からのサンプルを使った、肺疾患の診断、予後診断および追跡調査のための、実質的に侵襲性の少ない方法を提供する。より改良された解析を提供するために、遺伝子発現解析が好んで使われる。
肺癌のような肺疾患の高度の診断に、個々の、あるいはグループとしてのまたはサブセットの遺伝子の発現解析を用いることができる。
同様に、本技術が病因となる因子、すなわち汚染物質、あるいは微生物や他の気道刺激物質による場の影響を受けるような肺疾患に関連した遺伝子発現の変化についての発見が進むにつれて、本発明に説明される解析や発見によって、それらの遺伝子発現の変化が鼻腔の上皮細胞を用いて、解析可能であることが結論づけられ、従って、一般的な肺疾患のための侵襲性がより少なく、より正確な診断法を提供することになる。例えば、上記のような方法を使って、以下の疾患が含まれるがそれらに限定されるものではない、検出可能な遺伝子発現の変化をもたらす全ての肺疾患の診断ができる。それらの疾患には、急性肺好酸球増多症(レフレル症候群)、CMV(サイトメガロウィルス)肺炎、慢性肺コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、播種性結核(感染性)、慢性肺ヒストプラズマ症、慢性肺放線菌症、肺アスペルギルス菌症(菌腫)、肺アスペルギルス菌症(侵襲型)、肺組織球腫X (好酸球性肉芽腫)、 肺ノカルジア症、肺結核や類肉芽腫があげられる。事実、その一例としては、被験体が類肉芽腫を発症すると、その発現が変化する遺伝子グループが示される。
鼻腔上皮細胞を使った本発明の診断/予後診断検査に有用な遺伝子転写産物グループの一例を表6に示す。本発明者らは、表6に記載された遺伝子の少なくとも20遺伝子からなるグループを用いると、単なる可能性というよりも、遥かに優れた診断能が提供されることを発見した。
これらの遺伝子産物の20よりも多くの数を使うことが好ましく、例えば、約20−100およびその間の全ての組み合わせ、例えば、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30等を使うことが好ましい。本発明者らにとって好ましいグループとしては、361(表8)、107(表9)、70(表10)、96(表1)、84(表2)、50(表3)、36(表4)、80(表5)、535(表6)、および20(表7)が挙げられる。
本発明者らは、ある場合には、これらの特異的なグループのいずれかに、幾つかの遺伝子を追加することで、診断の正確度を高めることができることを発見した。これらのグループが使用される場合、グループに含まれる遺伝子が対照あるいは対照群に比較される。対照群としては、非喫煙者のように、特定の大気汚染物質に曝露されたことのない被験体や、喫煙者、あるいは、元喫煙者、または気道において、“場の影響”を起こし肺疾患を発症する危険性をもたらすウィルスや他の物質に曝露されていない被験体であったりできる。典型的には、もしある疾患を診断しようとすれば、対照のサンプルはその疾患に罹患していない個人からのものとし、また、同様な、または異なる肺疾患に罹患している複数の個人からの一つ以上のサンプルを含めてもよい。そのようにして、サンプルを、サンプル中の発現パターンが最も密接に似通っている発現パターンをもつ対照の疾患として診断できる。好ましくは、ある個人の生物学的サンプル中の遺伝子転写産物または発現産物を、肺気腫や肺癌のような肺疾患を持たないこと以外は、類似した被験体からなるグループと比較する。例えば、喫煙者からの生物学的サンプルを、肺癌に罹患していない喫煙者グループに対して比較できる。特定の遺伝子を目当てに、前述の表に記載されている、遺伝子転写産物や発現物を、対照に対する発現の増加あるいは減少で比較する場合、調べる全ての遺伝子の増減がみられる訳ではない。しかしながら、調べる遺伝子の少なくとも50%が供述されたパターンを必ず示すと考えられる。割合が100%に近づくにつれて、信頼度が高まる。従って、態様の一つにおいては、調べる遺伝子の少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、あるいは99%が、以下の表に示すように、肺癌のような肺疾患を指摘する変化したパターンを示すことが望まれる。
態様の一つにおいては、大気汚染物質や大気中に存在し吸入される微生物のような、その他の気道の刺激物質への曝露のために、肺癌のような肺疾患を発症する危険がある被験体において変化が見られる一群の遺伝子について、鼻腔上皮細胞のサンプルが解析される。これは、大気汚染物質を発見したからである。本発明の方法は、また、大気中に存在する微生物やウィルスを含めたそのような大気汚染物質への曝露のために、肺疾患を発症する危険性のある被験体において、グループとして一貫して変化がみられる遺伝子のグループについての鼻腔上皮細胞のサンプルの解析にも利用できる。
肺癌のような肺疾患や肺癌のタイプさえも診断するために使用できる発現パターンやプロファイルを示す遺伝子グループを使った、本発明の方法により、60%を越える、好ましくは65%を越える、さらにより好ましくは少なくとも約70%を越える、さらにより好ましくは約75%の、あるいはさらにより好ましくは約80%−95%の精度で、肺癌のような肺疾患をスクリーニングされる被験体の気道から採取されたサンプルを用いて、鼻腔上皮細胞を解析できる。
態様の一つにおいては、本発明は、鼻腔上皮細胞と、本発明に説明される遺伝子グループの遺伝子発現パターンとの組み合わせを用いて、肺癌のような肺疾患を診断する方法を提供する。
従って、本発明は、肺癌の診断と予後診断に直接利用できる遺伝子発現パターンがみられる鼻腔上皮細胞の遺伝子グループを解析するための方法を提供する。 特に、本発明は、大気汚染物質に晒された被験体において、肺疾患を決定するための診断および予後診断検査を提供する発現プロファイルを示す、鼻腔上皮細胞の遺伝子グループの解析を提供する。例えば、本発明は、鼻腔上皮細肪を使った解析と、肺癌患者と肺癌患者でない被験体から区別できる発現プロファイルを示す遺伝子のグループを提供する。
態様の一つにおいては、本発明は開示された遺伝子発現プロファイルについての鼻腔上皮細胞の解析を使って、肺癌初期の無症候疾患をスクリーニングするシステムを提供する。このようなスクリーニングは、例えば、結腸癌のスクリーニングのための大腸内視鏡検査を行う年齢グループと同じ年齢グループに遂行されることができる。肺癌において、早期検出は、効果的な治療に必須であるので、本発明の遺伝子発現解析システムは、腫瘍細胞を検出するための改善された方法を提供する。従って、本解析はスクリーニングを目的として、一年に1回あるいは二年に1回といった多様な時間間隔で行うことが出来る。あるいは、もし治療に対する反応としての疾患の進行や退行をモニターしたければ、さらに頻回のサンプル採取も可能である。例えば、同じ患者のサンプルを週に1回、月に1−2回、3、4、5、または6ヶ月に1回、採取することもできる。
本発明の遺伝子グループの発現を測定するためのプローブは、本発明で同定された個々の遺伝子/転写産物にハイブリッド形成のできる核酸プローブであっても良いし、あるいは、本発明の個々の遺伝子グループの遺伝子産物によりコードされた蛋白質に対する抗体であってもよい。プローブは、被験体においての肺疾患の診断や予後診断ができるように、遺伝子あるいは蛋白質チップのように、固体表面に固定化されていることが好ましい。
好ましい態様の一つにおいては、本発明は鼻腔上皮細胞を使った肺疾患の診断に使用できる遺伝子のグループを提供する。これらの遺伝子を使って、同定された。
態様の一つにおいては、本発明は肺疾患の個々の予測因子として使用できる遺伝子のグループを提供する。これらの遺伝子はt−検定による確率を使って同定され、喫煙者において、非喫煙者とは異なる発現パターンを示すものである。遺伝子グループは、以下のGenBank配列識別番号(ID 番号)(各遺伝子のID番号は「;」を間に挟んで区別し、代替のGenBank ID番号 は「///」を挟んで区別してある)によって同定される遺伝子からなるグループから選択される1から96、およびその間の全ての組み合わせの数の、例えば5、10、15、20、25、30、例えば少なくとも36、例えば少なくとも約40、45、50、60、70、80、90、または96の遺伝子転写産物からなり:
とNM_14884であり、その発現 プロファイルが例えば肺癌のような肺疾患を、肺癌を発症していない、あるいはその危険性がない喫煙者の同じ遺伝子グループの発現パターンと比較することによって、喫煙者からの肺細胞サンプルにおいて診断するために使用できる遺伝子である。
別の態様においては、遺伝子/転写産物の解析は、約10−20、20−30、30−40、40−50、50−60、60−70、70−80、80、80−90、90−100、100−120、120−140、140−150、150−160、160−170、170−180、180−190、190−200、200−210、210−220、220−230、230−240、240−250、250−260、260−270、270−280、280−290、290−300、300−310、310−320、320−330、330−340、340−350、350−360、360−370、370−380、380−390、390−400、400−410、410−420、420−430、430−440、440−450、450−460、460−470、470−480、480−490、490−500、500−510、510−520、520−530、そして約535個までの、表6に示された遺伝子または転写産物から成るグループから選択される遺伝子のグループから成る。
態様の一つにおいては、遺伝子は、表5に示された遺伝子また転写産物から成るグループから選択される。
また別の態様においては、遺伝子は表7に示された遺伝子または転写産物から成るグループから選択される。
態様の一つにおいては、転写産物解析用遺伝子グループは、単独で、あるいはグループで、その発現の変化が肺疾患を予測する個々の遺伝子のグループ、そして以下の遺伝子から成るグループから選択される遺伝子転写産物である:
態様の一つにおいては、遺伝子グループは、少なくとも36の遺伝子産物の全てに特異的にハイブリッド形成が可能な一組のプローブを含む。遺伝子産物は、オリゴヌクレオチドまたは修飾されたオロゴヌクレオチドのプローブによって認識されることができるmRNA、あるいは、プローブが、例えばその蛋白質またはその抗原エピトープに特異的な抗体であっても良い蛋白質であっても良い。
さらにまた別の態様においては、本発明は、遺伝子グループの発現パターンが肺疾患の診断をもたらす遺伝子グループを提供する。該遺伝子グループは、以下のGenBank ID 番号によって同定される遺伝子からなるグループから選択される、少なくとも例えば、5、10、15、20、25、30、好ましくは少なくとも36、さらにより好ましくは40、さらにより好ましくは45、そしてさらにより好ましくは46、47、48、49の遺伝子、または50遺伝子全てから成るグループである:
好ましい態様の一つにおいては個々の予測遺伝子と重複する36のうち少なくとも20の遺伝子および、例えば、重複しない5−9遺伝子を、そしてそれらの組み合わせを使っても良い。
また別の態様においては、本発明は約30−180、好ましくは36−150、さらにより好ましくは36−100、さらにより好ましくは36−50の、喫煙者において肺癌が診断できる発現プロファイルを示す遺伝子のグループを提供する。
態様の一つにおいては、本発明はその発現が、肺癌を罹患する被験体においては減少する遺伝子のグループを提供する。態様の一つにおいては、遺伝子のグループは、以下に示す遺伝子からなるグループから選択される、少なくとも5−10、10−15、15−20、20−25の遺伝子を含む:
これらの遺伝子に一つ以上の他の遺伝子を解析混合物に加えても良い。
別の態様では、遺伝子グループは以下の遺伝子からなるグループから選択される遺伝子から成る:NM_014182.1; NM_001281.1; NM_024006.1; AF135421.1; L76200.1;
また別の態様では、遺伝子グループは以下の遺伝子のグループから選択される遺伝子のグループから成る:

態様の一つにおいては、本発明は肺癌を罹患している被験体おいてその発現が増大する遺伝子のグループを提供する。ある態様では、遺伝子のグループは以下の遺伝子からなるグループから選択される遺伝子からなる:
ある態様では、遺伝子グループは以下の遺伝子のグループから選択される遺伝子からなる:
ある態様では、遺伝子グループは以下の遺伝子からなるグループから選択される遺伝子からなる:BF218804; AK022494.1; AA114843; BE467941; NM_003541.1; R83000;
さらに別の態様では、本発明は、大気汚染物質に曝露された被験体の肺、気道または口腔から採取された核酸サンプルを入手し、サンプル中の、本発明によって提供される一つ以上の遺伝子グループの遺伝子転写産物のレベルを解析し、サンプル中の遺伝子グループの発現パターンを、同様な大気汚染物質に曝露されながら肺癌や肺気腫のような肺疾患を持たない個人においての同じ遺伝子グループの発現パターンと比較することを含む肺疾患の診断方法であって、ここで発現のパターンの相違は被験体が肺疾患を発症しているか、あるいはその危険性が高いことを予測する方法を提供する。対照と比較して、一つ以上の遺伝子の、好ましくは表1−4に「減少」として記載されている遺伝子を含めた全ての遺伝子の発現の減少、そして/または同様な大気汚染物質に暴露されながら肺疾患を持たない個人に比較して、一つ以上の遺伝子の、好ましくは表1−4に「増加」と記載されている全ての遺伝子の発現の増加は、被験体が肺疾患というよりむしろ肺癌を発症しているか、近い将来に発症する危険性が高く、早期治療のために頻回の追跡検査をする必要があることを指摘する。
好ましい態様に一つにおいては、肺疾患は肺癌である。ある態様では、大気汚染物質はタバコまたはタバコの煙である。
あるいは、本診断は鼻腔上皮細胞においての本発明の遺伝子グループの発現パターンを解析することで、喫煙者群から肺癌のような肺疾患を発症する危険性の少ない個人を区別することができ、そのような個人を侵襲性で頻回の追跡検査から除外する方法を提供する。
従って、態様の一つでは、本発明は、喫煙者から採取された鼻腔上皮細胞サンプルを入手し、本発明の遺伝子グループの発現プロファイルを解析することを含む肺疾患の予後診断、診断および治療のデザインを提供するがここで、該遺伝子発現パターンが、健常な、年齢、人種、および性別がマッチした喫煙者のそれから相違することは肺疾患を発症する危険性の増加を指摘する。表1−4は、同様な大気汚染物質にさらされながら肺疾患をもたない個人を対照として比較した、発現パターンが、減少あるいは増加による相違を示す。
本発明はまた、非喫煙者から採取された鼻腔上皮細胞サンプルを入手し、本発明の遺伝子グループの発現プロファイルを解析することを含む予後診断、診断および治療のデザインのための方法を提供するがここで、該遺伝子グループの発現が正常な年齢、人種、性別のマッチした喫煙者のそれとは相違することは肺疾患を発症する危険性が増加することを指摘する。
態様の一つにおいては、本発明の解析は生物学的サンプル中の核酸、好ましくはRNA を使って実施される。
態様の一つにおいては、該解析は、サンプル中の、本発明の遺伝子グループの遺伝子にコードされた蛋白質量の解析によって行われる。
態様の一つにおいては、該解析は本発明の遺伝子グループの遺伝子発現調節領域について、単一核酸多型またはSNPのような核酸の多型を利用して、DNAの解析を行うことによって遂行されるが、ここで、増加あるいは減少する発現と関連づけられることがわかっている単一核酸多型を使って、被験体における増加あるいは減少した遺伝子発現を指摘する。例えば、これらの遺伝子の調節領域のメチル化のパターンを解析することができる。
態様の一つにおいては、本発明は、例えばアレイに基づく遺伝子発現プロファイリングによって、該遺伝子グループの発現プロファイルが解析できる、鼻腔上皮細胞RNA を得るのに侵襲性が最小限なサンプル調達方法を提供する。これらの方法は。肺癌のような肺疾患に既に冒されている被験体や、大気汚染物質に曝露された結果として、肺癌のような肺疾患を発症する危険性の高い被験体を診断するために使用できる。これらの方法はまた、例えば癌や肺気腫のような肺障害/疾患を診断できる遺伝子発現パターンをさらに発見し、肺疾患を発症する危険性のある被験体を見つけることにも使用できる。
本発明はさらに、本発明によって提供される遺伝子グループの一つ以上から成る、とりわけ肺疾患の診断や予測、あるいは肺疾患に対する個人の罹病性の決定を意図した遺伝子グループマイクロアレイを使って鼻腔上皮細胞を解析する方法を提供する。
態様の一つにおいては、本発明は、診断を受ける被験体から、核酸や蛋白質のサンプルを鼻腔上皮細胞から取得すること、および該サンプル中の同定された遺伝子グループの発現を測ることを含む肺疾患または肺障害の診断方法に関連し、被験体と同様なライフスタイルと環境にある健常者の同じ遺伝子の発現パターンに比較した、それらの遺伝子の発現の変化は、被験体が肺疾患に冒されていることを指摘する。
態様の一つにおいては、本発明は、診断を受ける被験体から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいはそれより多くの回数の間隔をおいて少なくとも2個の鼻腔上皮細胞サンプルを、サンプルは核酸あるいは蛋白質のサンプルであるが、採取すること、および該サンプル中の同定された遺伝子グループの発現を決定することを含む肺の疾患または障害を診断する方法に関連し、ある時間の経過後に採取されたサンプル中に、それよりも以前に採取されたサンプルに比較して、少なくとも例えば5、10、15、20、25、30、好ましくは少なくとも約36、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、または180のそのような遺伝子の発現の変化は肺疾患のあることを指摘する。
態様の一つにおいては、肺の疾患は、喘息、慢性気管支炎、肺気腫、原発性肺高血圧症、急性呼吸窮迫症候群、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、持続性真菌感染症、肺線維症、全身性硬化症、特発性肺血鉄素症、肺胞蛋白症、そして腺癌や扁平上皮癌、小細胞肺癌、大細胞肺癌のような肺癌、および肺の良性新生物(例えば、気管支線腫や肺過誤腫)からなるグループから選択される。
特定の態様においては、核酸サンプルはRNAである。
態様の一つにおいては、診断を受ける被験体とは、タバコの煙に曝露された人、喫煙の経験のある人、または現在喫煙している人である。
本発明はまた、例えば、タバコの煙のような大気汚染物質に曝露され、肺疾患の発症や発症の危険性がある気道に、同様な大気汚染物質に曝露された人やそのような大気汚染物質に晒されていない気道に比較して、発現が異なる該遺伝子グループの遺伝子に特異的にハイブリッド形成する複数のオリゴヌクレオチドを固定化した肺疾患の診断用のマイクロアレイのようなアレイを使った鼻腔上皮細胞の解析を提供する。態様の一つにおいては、該オリゴヌクレオチドは肺疾患において発現パターンの異なる一つ以上の遺伝子の対立遺伝子の一つの型に特異的にハイブリッド形成する。特定の態様の一つにおいては、発現パターンの異なる該遺伝子は、表1−4に示された遺伝子のグループから、好ましくは表3の遺伝子のグループから選択される。好ましい態様の一つにおいては、該遺伝子グループは、表3から選択される少なくとも20の遺伝子のグループと、さらに表1と2から選択される5−10の追加の遺伝子を含む。好ましい態様の一つにおいては、少なくとも、10の遺伝子が表4から選択される。
(発明の詳細な説明)
本発明は肺疾患の診断、予後診断および追跡調査のための新規な方法について説明する。該方法は、本発明者らによって発見された肺における遺伝子発現の変化を密接に反映する鼻腔上皮細胞の遺伝子発現の変化を検出することに基づく。
具体的には、本発明者らは、二つのモデル系において、肺上皮細胞における変化に比較して、鼻腔上皮細胞において同様な遺伝子発現の変化がみられることを発見した。実験の一つにおいて、本発明者らは、喫煙に反応した宿主の遺伝子発現は、肺上皮細胞において測定しても、鼻腔上皮細胞において測定しても同様であることを示した(図3)。従って、本発明者らは、気管支上皮細胞で得られる結果とデータが信頼できることを発見した。この相関度は、たとえ同一ではなくとも、類似しており、典型的には75%よりも高い。従って、気管支上皮細胞で診断そして/または予後診断に使える同じ遺伝子グループを調べることで、それらのグループはまた鼻腔上皮細胞での診断そして/または予後診断に使用できる。本発明者らはまた、類肉腫のような肺疾患に冒された被験体と、冒されていない被験体とを区別する遺伝子発現の変化を示した。
従って、本発明は、鼻腔上皮細胞から採取されたサンプルの遺伝子発現の解析を使って肺疾患の診断、予後診断および追跡調査のための、実質的により侵襲性の低い方法を提供する。
被験体から鼻腔上皮細胞をブラシや綿棒を使って採取できる。発明の分野での熟練者に知られているどの方法によっても鼻腔上皮細胞を採取できる。例えば、鼻腔のブラッシングを用いることができる。例えば、鼻甲介下そして/または隣接する鼻側壁のブラッシングをすることで鼻腔上皮細胞を採取できる。例えば、2%リドカイン溶液で麻酔後、CYTOBRUSH(登録商標)(MedScand Medical社、マルモ、スウェーデン)あるいは同様なデバイスを明視化のために鼻鏡を使いながら、外鼻孔、例えば右の外鼻孔、の鼻甲介の下に挿入する。上皮細胞を採取するために、ブラシを2回、例えば、1、2、3、4、5回、回転させる。
細胞サンプルから核酸を分離するには、細胞を直ちに核酸の分解を防ぐ溶液中に入れる。例えば、もし細胞がCYTOBRUSHを使って採取されたなら、そしてRNA の分離を希望するなら、該ブラシを直ちにRNALATER(登録商標)(Ambion社)のようなRNAの安定化溶液に入れる。
またDNA を分離することも出来る。ブラッシングの後、該デバイスをDNA分離のためにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のような緩衝液に入れてもよい。
続いて、該核酸を遺伝子発現解析に供する。該核酸は分離精製されていることが好ましい。しかしながら、もしマイクロ流体デバイスのような技術を使うのであれば、そのようなデバイスに、精製しないで細胞全体を乗せてもよい。
好ましい態様の一つにおいては、遺伝子/転写産物のグループと、これらの遺伝子/転写産物のグループの発現プロファイルを肺疾患の診断と予後診断に用いる方法を使って、鼻腔上皮細胞の遺伝子発現を解析する。
本発明者らは、気管支サンプルの解析をするよりも、非常に侵襲性の少ない方法を提供する。ここに提供される該方法は、肺癌のような肺疾患の診断の精度を有意に高めるだけでなく、また解析の侵襲性を顕著に少なくし、従って、患者と医師にとって非常に実施しやすい方法である。本発明の遺伝子発現解析と気管支内視鏡を合わせると、肺癌の診断は、現時点で利用できるどの方法よりも早期の癌の検出ができ、他のどの方法よりも、はるかに少ない誤った陰性結果そして/または誤った陽性結果を提供することにより、際立って優れたものとなる。
態様の一つにおいては、遺伝子発現解析を使って、肺癌のような肺疾患のより強化された診断のために、個別に、そしてグループで、あるいは部分集合として使用できる遺伝子転写産物のグループについて鼻腔上皮細胞を解析する。
態様の一つにおいて、本発明は表8、9、そして/または10に記載されるように、鼻腔上皮細胞サンプルを用いた肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供する。
態様の一つにおいては、表8に記載された遺伝子の少なくとも1、そして361以下の遺伝子を使って鼻腔上皮細胞を、解析しようとする。例えば、表8に記載される遺伝子の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10−15、15−20、20−30、30−40、40−50、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくともまたは最大で170、少なくともまたは最大で180、少なくともまたは最大で190、少なくともまたは200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、あるいは少なくとも361または最大361遺伝子を解析してもよい。
態様の一つにおいては、本発明は遺伝子を提供する
本発明の診断/予後診断検査の検査に有益な遺伝子転写産物グループの一例を表6に記載する。本発明者らは、表6の遺伝子の少なくとも20を含むどのグループをとっても偶然の機会よりもはるかに優れた診断能力を提供し、これらの変化は鼻腔上皮細胞において、PCT/ US2006/014132に記載された気管支サンプルにおける変化と実質的に同じであることを発見した。
好ましくは、鼻腔上皮細胞を、例えば、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30等の、20よりも多いこれらの遺伝子転写産物を、例えば、約20−100そしてその間の全ての組み合わせを使って解析しようとする。好ましいグループは、96(表1)、84(表2)、50(表3)、36(表4)、80(表5)、535(表6)、そして20(表7)からなるグループである。ある実例においては、本発明者らはこれらの特異的なグループのいづれかに追加の遺伝子を加えることにより、診断の精度を高め得ることを見つけた。
当然のことながら、本発明の教示に従って、表1−7に表示された遺伝子そして/または転写産物の一つ以上を多種癌のスクリーニングキットのためのキットまたはシステムに含めることもできる。例えば、表7に記載されたものから一つ以上のいずれかの遺伝子そしてまたは転写産物を加えて、遺伝子発現解析のための肺癌マーカーとしてもよい。
前記のグループが用いられる場合、該グループの該遺伝子は対照または対照群と比較される。対照群は、非喫煙者、喫煙者、あるいは元喫煙者であってもよい。好ましくは、被験体の鼻腔上皮細胞のサンプルにおける遺伝子転写産物または発現産物が、対照群に含まれる個人が肺気腫や肺癌のような肺疾患に冒されていないこと以外は類似したグループと比較される。例えば、喫煙者の鼻腔上皮細胞サンプルに対して肺癌を持たない喫煙者の対照群が比較される。対照に対して、前記の表に記載されるような特定の遺伝子によって、転写産物や発現産物の発現の増加あるいは減少を比較する−調べられる遺伝子の全てに増加や減少がみられるわけではない。しかしながら、少なくとも調べられる遺伝子の50%が記載されたパターンを示す必要がある。もしその割合が100%に達すれば、信頼性はより高まる。従って、態様の一つにおいては、調べられる遺伝子の少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%が下記の表に記載したような、肺癌のような肺疾患を指摘する変化したパターンを示すことを期待する。
ここで記載される本発明の遺伝子発現プロファイルはまた、肺癌に罹患しやすい被験体のスクリーニングにも使用できる。例えば、ある年齢を超えた、例えば40歳を越えた、例えばある年数にかけて、喫煙したことのある喫煙者は肺癌のスクリーニングを受けたいと希望するかもしれない。本発明で説明される鼻腔上皮細胞の遺伝子発現解析は肺癌の非常に早期の正確な診断を提供できる。これは、癌の検出が早いほど生存率が高いことから、肺癌の診断に特に有益である。
例えば、本発明者らが遺伝子発現結果を解析した際、もし、より低ストリンジェントな閾値条件を適用すれば、表5に記載される80遺伝子からなるグループは、1000回の統計学的試験の全体にわたって最も頻回に選択された遺伝子に含まれることを見つけた(統計学的試験の詳細については実施例を参照)。任意のデータを使って、本発明者らは1000回のうち67回より多く、選択される任意の遺伝子はないことを発見した。そのような切捨て条件下で、本発明者らのデータでは表6の535遺伝子が1000回のうち67回よりも多く選択される。表5の80遺伝子の全てが該535遺伝子の一部に含まれる。表7は上位20遺伝子が該535遺伝子リストの部分をしめることを示す。発現の変化の方向については、信号対雑音比を使って示される。 表5、6、と7におけるマイナスの数はこの遺伝子または転写産物の発現が肺癌サンプルにおいて増加していることを意味する。表5、6、と7のプラスの数はこの遺伝子または転写産物の発現が肺癌において下降していることを意味する。
従って、表6の遺伝子そして/または転写産物の全ての組み合わせを使用することができる。態様の一つにおいては、表6に示す遺伝子または転写産物からなるグループから選択される少なくとも5−10、10−20、20−30、30−40、40−50、50−60、60−70、70−80、80−90、90−100、100−120、120−140、140−150、150−160、160−170、170−180、180−190、190−200、200−210、210−220、220−230、230−240、240−250、250−260、260−270、270−280、280−290、290−300、300−310、310−320、320−330、330−340、340−350、350−360、360−370、370−380、380−390、390−400、400−410、410−420、420−430、430−440、440−450、450−460、460−470、470−480、480−490、490−500、500−510、510−520、520−530、のいずれの組み合わせも使用でき、そして約535までの遺伝子が使用できる。
表7は、癌を持たない被験体のサンプルに比較して、肺癌に最も頻回に変わりやすく発現される20遺伝子を提供する。従って、態様の一つにおいては、表7の遺伝子そして/または転写産物の約3−5、5−10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20全部のすべての組み合わせ、あるいはそれらの次位組み合わせの全てが使用される。
態様の一つにおいては、本発明は遺伝子グループに肺疾患を診断するのに有益で、以下の96遺伝子配列のの1から96、そしてその間のすべての組み合わせ、例えば5、10、15、20、25、30、35、少なくとも36、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70まで、少なくとも80まで、少なくとも90まで、あるいは96全て、にわたってハイブリッド形成するプローブを含む鼻腔上皮細胞の発現プロファイルを提供する:
態様の一つにおいては、本発明は、以下の84遺伝子配列の少なくとも、例えば5、10、15、20、25、30、35、少なくとも36、少なくとも40まで、少なくとも50まで、少なくとも60まで、少なくとも70まで、少なくとも80まで、あるいは84全て、にわたってハイブリッド形成するプローブを含む鼻腔上皮細胞の発現プロファイルが肺疾患を診断するのに有益な遺伝子グループを提供する:
態様の一つにおいては、本発明は、以下の50遺伝子配列の少なくとも、例えば5、10、15、20、25、30、35、好ましくは少なくとも36さらにより好ましくは少なくとも40まで、さにより好ましくは少なくとも45、さらにより好ましくは50全てにわたって、例えば20、21、22、そして36を含めて36までのいずれかの、そして全てのメンバーを含むことが可能であるが、ハイブリッド形成するプローブを含む肺疾患を診断するのに有益な鼻腔上皮細胞の発現プロファイルを示す遺伝子グループを提供する:
そしてAF198444.1。好ましい態様の一つにおいては、t−検定を使った解析で同定された個々の予測遺伝子と重複する50遺伝子の少なくとも20−30、30−40、および例えば、t−検定解析を使って個々の予測遺伝子と同定された重複しない遺伝子の5−9およびそれらの組み合わせを使うことができる。
態様の一つにおいては、本発明は、、以下の36遺伝子配列の少なくとも例えば5、10、15、20、好ましくは少なくともは約25、さらにより好ましくは少なくとも30、さらにより好ましくは36全てにわたってハイブリッド形成するプローブを含む、肺疾患を診断するのに有益な鼻腔上皮細胞の発現プロファイルを示す遺伝子グループを提供する:
そしてAF198444.1。好ましい態様の一つにおいては、個々の予測遺伝子と重複する36遺伝子の少なくとも20と、重複しない5−9遺伝子、そしてそれらの組み合わせを使うことが出来る。
個々のサンプルにおける遺伝子グループの発現は、前記グループの遺伝子メンバーによってコードされる核酸配列または蛋白質産物配列に特異的なプローブのいずれをつかっても解析が可能である。例えば、態様のひとつにおいては、本発明の方法において有用なプローブセットは、Affymetrix 社のHuman Genome U133の遺伝子チップに含まれ、プローブID番号が以下のように同定された核酸プローブの10−15、15−20、20−180、好ましくは30−180、さらにより好ましくは36−96、さらにより好ましくは36−84、さらにより好ましくは36−50から選択される:
個々の予測遺伝子と重複する180遺伝子の少なくとも、例えば10−20、20−30、30−40 、40−50、50−60、60−70、70−80、80−90、90−100、110、120、130、140、150、160.または170と、重複しない5−9遺伝子そしてそれらの組み合わせを使うことが出来る。
Affymetrix社のプローブの配列はAffymetrix 社から入手できる。関心のある遺伝子を認識するその他のプローブや配列は、例えば、合成オリゴヌクレオチドや組み換えオリゴヌクレオチドを使って簡単に調製できる。これらの配列は、そのHUGO ID、GenBank 識別番号、あるいはUnigene 識別番号によって指摘される遺伝子について公表されている配列情報に基づいて該遺伝子のいずれかの、好ましくはユニークな配列部分から選択することが出来る。
どの肺疾患についても、該発現データを解析して、それに関連する発現パターンを同定することができる。例えば、タバコの煙、アスベストあるいは他のすべての汚染物質のような大気汚染物質への曝露により惹き起こされる疾患を解析することができる。例えば、該解析は次のような実施することができる。まず、試験グループサンプルにハイブリッド形成されたプローブを有する遺伝子チップまたはビーズをスキャンする。例えば、肺疾患のない被験体と肺疾患のある被験体の間で発現パターンの相違する遺伝子グループを見つけるには、非喫煙者と喫煙者、アスベストに曝露されていない被験体とアスベストに曝露された被験体、スモッグに曝露されていない被験体とスモッグに曝露された被験体、肺疾患のない喫煙者と肺疾患のある喫煙者からのサンプルを使う。当然、可変事項として単一の大気汚染物質が選択される適切なグループを選ぶ必要がある。そこで、例えば、アスベストに曝露されたがスモッグには曝露されていない非喫煙者とアスベストにもスモッグにも曝露されていない非喫煙者を比較できる。
マイクロアレイやマイクロビーズによる未処理のデータから得られる発現解析はシグナルの強度と検出のためのp−値からなる。データを標準化あるいは一定の基準を決めて測り、良質でないチップ/ビーズのセットを発現データのイメージ、対象プローブ、そしてヒストグラムに基づいて、除外する。また非上皮細胞の混在する試料をふりわけ除外する。最後に、検出p−値を使って、関心のある遺伝子をふりわける。これによって、正常な気道に存在する転写産物(正常な気道のトランスクリプトーム)の同定がなされる。変数重回帰分析を使うことができる。これによって、気道上皮細胞の転写における喫煙の影響も同定される。この分析にはT−検定とピアソン相関解析が利用できる。また、肺癌のような肺疾患のあるサンプルと癌のないサンプルとの間で発現が異なる転写産物のグループまたは組を同定することができる。この解析はクラス予測モデルを使っておこなわれる。
該データの解析には、例えば加重多数決法を使うことができる。加重多数決法は二クラス間の遺伝子発現の信号対雑音比によって、全ての遺伝子をランク付けし、「P」 の加重を与える:P=平均(クラス1)−平均(クラス2)/標準偏差(クラス1)=標準偏差(クラス2)。上位にランクされた多様なサイズの遺伝子メンバーを試験サンプルの評価に用いるが、p−値により意味のある遺伝子は、より大きな加重を課せられる。試験サンプル中の各メンバー遺伝子は、その遺伝子発現がクラス1の平均またはクラス2の平均にどれだけ近いかに基づいていずれかのクラスに投票する。V(遺伝子A)=P(遺伝子A)すなわち、試験サンプル中の発現レベルは2クラスの平均発現レベルよりも小さい。 各クラスへの投票を集計し、勝ったクラスが予測強度をPS=V勝ち−V負け/V勝ち+V負けとして決定される。最後に、精度が交差検定+/−独立サンプルによって検証される。。
表1は、癌のある喫煙者と癌のない喫煙者を区別するグループとして同定された96遺伝子を示す。発現の違いは右側のカラムに、その特定の転写産物が癌のない喫煙者に比べて、癌のある喫煙者において低いことを意味する“下降”と、その特定の転写産物の発現が癌のない喫煙者に比べて、癌のある喫煙者において高いことを意味する“上昇”のいづれかで示される。態様のひとつにおいては、“人ゲノムU133 チップにおいてのAffymetrix社のID番号”とされるカラムに示された典型的なプローブの使用が可能である。
表2は、癌のない喫煙者から癌のある喫煙者を区別するグループと同定された好ましい84遺伝子のグループを示す。発現の相違については、右側のカラムに、その特定の転写産物の発現が、癌のない喫煙者に比較して、癌のある喫煙者においてより低いことを意味する“下降”と、その特定の遺伝子の転写産物の発現が癌のない喫煙者に比較して、癌のある喫煙者においてより高いことを意味する“上昇”で示した。これらの遺伝子は従来のスチューデントt−検定によって同定された。
態様のひとつにおいては、発現解析に、“人のゲノムU133チップにおけるAffymetrix ID”のカラムに示された具体例としてのプローブが使用できる。
表3は癌のない喫煙者から癌のある喫煙者を区別するグループとして同定された50遺伝子の好ましいグループのひとつを示す。発現の相違については、右側のカラムに、癌のない喫煙者に比べて癌のある喫煙者においてその特定の転写産物の発現がより低いことを意味する“下降”か、癌のない喫煙者に比べてその特定の転写産物が癌のある喫煙者においてより高いことを意味する“上昇”によって表示される。
この遺伝子グループはBroad Instituteから入手した加重多数決アルゴリズムを含むGenePattemサーバーを使って同定された。デフォールトの設定、すなわち信号対雑音比および遺伝子のふるいわけなし、が用いられた。
態様のひとつにおいては、“人のゲノムU133チップにおいてのAffymetrix ID”のカラムに示された具体例としてのプローブを、該発現解析に使うことができる。
表4は癌のない喫煙者から癌のある喫煙者を区別するグループとして同定された好ましい36遺伝子のグループのひとつである。発現の相違については、右側のカラムに、癌のない喫煙者に比べて癌のある喫煙者においてその特定の転写産物の発現がより低いことを意味する“下降”か、癌のない喫煙者に比べてその特定の転写産物が癌のある喫煙者においてより高いことを意味する“上昇”によって表示される。
態様のひとつにおいては、「人のゲノムU133チップにおいてのAffymetrix社のID」のカラムに示される具体例としてのプローブを発現解析に使ってもよい。
態様のひとつにおいては、本発明の遺伝子グループは表1−4に記載された遺伝子の少なくとも、例えば5、10、15、20、25、30、より好ましくはすくなくとも36、さらにより好ましくは少なくとも約40、さらにより好ましくは少なくとも約50、さらにより好ましくは少なくとも約60、さらにより好ましくは少なくとも約70、さらにより好ましくは少なくとも約80、さらにより好ましくは少なくとも約86、さらにより好ましくは約90、さらにより好ましくは少なくとも約96の遺伝子を含む。
好ましい態様の一つにおいては、遺伝子グループは表1−4に記載された遺伝子からなるグループから選択された36−180遺伝子を含む。
態様の一つにおいては、本発明は、癌のある被験体においてその発現がより低い遺伝子のグループを提供する。
従って、態様の一つにおいては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して低く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表1に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−30、さらにより好ましくは少なくとも約30−40、さらにより好ましくは少なくとも約40−50、さらにより好ましくは少なくとも約50−60、さらにより好ましくは少なくとも約60−70、さらにより好ましくは約72遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
また別の態様においては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して低く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表2に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−30、さらにより好ましくは少なくとも約30−40、さらにより好ましくは少なくとも約40−50、さらにより好ましくは少なくとも約50−60、さらにより好ましくは約63遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
また別の態様においては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して低く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表3に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−25、さらにより好ましくは約25遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
また別の態様においては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して高く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表1に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−25、さらにより好ましくは約25遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
また別の態様においては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して高く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表2に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−23、さらにより好ましくは約23遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
そしてBC028912.1。
また別の態様においては、本発明は肺疾患の診断に有用な遺伝子のグループを提供し、該遺伝子グループの発現は、大気汚染物質に曝露され癌の発症がある被験体において、同じ大気汚染物質に曝露されて癌の発症がない被験体に比較して高く、該グループは以下の転写産物(転写産物はGenBank ID またはUnigene ID番号を使って同定でき、対応する遺伝子名は表3に記載されている)の少なくとも5、好ましくは少なくとも約5−10、さらにより好ましくは少なくとも約10−20、さらにより好ましくは少なくとも約20−25、さらにより好ましくは約25遺伝子にハイブリッド形成するプローブを含むグループである:
態様の一つにおいては、本発明は、肺疾患に罹っているか、または肺疾患に罹る高い危険性が疑いのある個人(すなわち被験体)における遺伝子グループの発現プロファイルを測定する工程と、該発現プロファイルを被験体と同様な大気汚染物質に曝露されながら肺疾患のない個人(すなわち対照被験体)の発現プロファイル(すなわち対照プロファイル)に比較する工程を有する肺疾患を診断する方法で、上記被験体および対照被験体間の遺伝子発現の相違が少なくとも10、より好ましくは少なくとも20、さらにより好ましくは少なくとも30、さらにより好ましくは少なくとも36、さらにより好ましくは36−180の間、さらにより好ましくは36−96の間、さらにより好ましくは36−84の間、されにより好ましくは36−50の間の遺伝子にあれば被験体が肺疾患に罹患していることが指摘される。表4に示される約36の遺伝子、表3に示される約50の遺伝子、表2に示される約84の遺伝子、表1に示される約96の遺伝子からなるグループが好ましい。異なる遺伝子グループはまた組み合わせてもよく、そうすることによって被験体を、表1−4に示される全ての、3つの、2つのまたはただ1つの遺伝子グループについてスクリーニングすることが出来る。
例えば、タバコの煙に曝露された被験体の遺伝子プロファイルが表3に示される50遺伝子の発現プロファイルについて表3に記載される遺伝子チップ上に設定されたAffymetrix社のプローブを使って比較される場合、該発現プロファイルが図10に示す癌患者のそれと類似すれば、被験体が癌を罹患していることを指摘する。あるいは、該発現プロファイルが、図10に示される癌のない個人のそれに類似すれば被験体に癌がないであろうことを指摘する。
加重多数決アルゴリズムを含むBroad Institute のGenePatternサーバーを使って50遺伝子のグループが同定された。デフォールトの設定、すなわち信号対雑音比、および遺伝子をふるいわけしないという設定が使用された。GenePatternはウェブサイトのbroad.mit.edu/cancer/software/genepatternからアクセスできる。このプログラムは、個々の遺伝子についてよりも遺伝子のグループとしてのデータ分析を可能にする。従って、好ましい態様の一つにおいては、表3の50遺伝子の実質的に全てが同時に解析される。以下の遺伝子から成るグループから選択された遺伝子の正常な発現よりも低い発現プロファイルを得た場合:BF218804; AK022494.1; AA114843; BE467941; NM_003541.1; R83000;
および以下の遺伝子から成るグループから選択された遺伝子の発現プロファイルが正常な発現プロファイルよりも高い場合には:
該被験体が肺癌のような肺疾患に罹患しているか発症する危険性が高いことを指摘する。好ましい態様の一つにおいては表3の全ての遺伝子の発現パターンが解析される。態様の一つにおいては、表3の予測遺伝子の他に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10−15、15−20、20−30またはそれよりも多くのt−検定によって同定された個々の予測遺伝子が解析される。例えば、予測遺伝子グループの5−10またはそれ以上の遺伝子と、5−10またはそれ以上の個々の遺伝子のどんな組み合わせを使っても良い。
本発明の“発現プロファイル”という用語はサンプル中の解析された個々の遺伝子のそれぞれの遺伝子産物の量を意味する。該“発現プロファイル”は図10において個々に対してY軸上に示されるように、個人に特有の発現マップを意味する
本発明の “肺疾患” という用語は、喘息、慢性気管支炎、肺気腫、気管支拡張症、原発性肺高血圧症、および呼吸窮迫症候群を含むがこれらに限定されない疾患を意味する。本発明において、説明される方法はまた過敏性肺実質炎、好酸球性肺炎、持続性真菌感染症、肺線維症、全身性硬化症、特発性肺血鉄素症、肺胞蛋白症のような免疫系の関与する肺疾患、腺癌、扁平上皮癌、小細胞あるいは大細胞癌のような肺癌、そして気管支腺腫や過誤腫を含む肺の良性新生物を含む肺疾患の診断また治療に使用されても良い。好ましい態様の一つにおいて、前記肺疾患は肺癌である。
本発明の“大気汚染物質”という用語は、タバコの煙、葉巻の煙、スモッグ、アスベスト、そしてその他の肺疾患との関連が疑われるかまたは実証された大気汚染物質のような大気汚染物質または環境による気道のストレス誘導因子を意味する。
本発明の “被験体”という用語は、好ましくは人を意味する。しかしながら、該方法は人に限定されず、その分野の熟練者は本発明の診断/予後診断のための遺伝子のグループを例えば、実験動物、好ましくはサル、マウスやラットを含むがそれらに限定されないネズミ、犬、羊、豚、モルモット、そして他のモデル動物のような有肺動物、に使用しても良い。そのような実験は、例えば、肺疾患を治療または予防する目的の薬物の前臨床動物試験において実施されてもよい。
本発明の“変化した発現”という表現は、癌のある、喫煙者のように大気汚染物質に曝露された被験体において、同じような大気汚染物質に曝露されながら癌のない被験体から得られた肺細胞の発現パターンに比較して、増加あるいは減少した発現を意味する。表1と2は、本発明の好ましい、発現パターンの変化を示す。表中の“上昇”および“下降”は癌のある喫煙者においての発現量の、癌のない喫煙者の発現量との比較を意味する。同様な発現パターンの変化は、おそらく他の大気汚染物質に曝露された被験体における発癌に関連する可能性がある。。
態様の一つにおいては、その発現が肺癌の診断そして/または予後診断のために解析される遺伝子のグループが表5に記載される80遺伝子のグループから選択される。該80遺伝子から遺伝子のどんな組み合わせを選択してもよい。態様の一つにおいては、表7に示される20遺伝子の組み合わせが選択される。ある態様においては、表6の遺伝子の組み合わせが選択される。
* 1000回の試験的測定において、癌サンプルの発現に相違があると指摘された測定回数。
** 負の数値は肺癌において発現が増大することを意味し、正の数値は肺癌において発現が減少することを意味する。
上記の表を、転写産物の発現、および遺伝子産物すなわち蛋白質の発現との比較あるいは相関をみるために使用してもよい。該表において示されるように、転写産物の発現増加は遺伝子産物の発現増加に一致する。同様に、表に示されるように、転写産物の発現減少は遺伝子産物の発現減少に一致する。
好ましい態様の一つにおいては、表8、9、そして/または10に記載された遺伝子のうちの好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいはそれ以上の遺伝子を使用してもよい。態様の一つにおいては、表 8−10に記載された遺伝子のうちの少なくとも5、6、7, 8、9、10−20、20−30、30−40、40−50、50−60、60−70、1−70の遺伝子を含む最大数500、400、300、200、100、または50の遺伝子を使用してもよい。
さらに、表9に記載された遺伝子のいずれかを、あるいはいずれかの組み合わせを使ってもよい。
本発明の遺伝子グループまたはサブグループの一つ以上の遺伝子そして/または転写産物の発現の解析は、その分野の熟練者に知られているどの遺伝子発現法を使って行っても良い。そのような方法には、核酸チップ(例えば、Affymetrix チップ)や、例えば、転写産物のリアルタイム検出を使った定量的なRT−PCR法などが含まれるが、それらに限定されるものではない。本発明による転写産物のレベルの解析は、手始めの材料としては、本発明の診断用の遺伝子グループにおいて同定される遺伝子の全RNA または、メッセンジャーRNA、あるいは該当する遺伝子にコードされる蛋白質を測ることで、実施できる。好ましい態様においては、該分析は、表1−7に示される遺伝子そして/または転写産物によってコードされる蛋白質の少なくとも約10−20、20−30、好ましくは、少なくとも36、少なくとも約36−50、50、約50−60、60−70、70−80、80−90、96、100−180、180−200、200−250、250−300、300−350、350−400、400−450、450−500、500−535を含む蛋白質に対する抗体を使った免疫組織化学的分析である。
被験体における該遺伝子グループの転写産物の解析法には、ノーザンブロット法、リボヌクレアーゼプロテクション法、そして逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)に基づく方法が含まれる。非常に感度が高く、そのために、診断検査には望ましい、少量のサンプルしか必要としないので、種々のRT−PCRに基づく方法が本発明の診断を目的とする最適な定量法である。多数の定量的RT−PCRに基づく方法が報告され、それらは本発明による転写産物の定量には有益である。これらの方法には、PCRと相補的DNA(cDNA)アレイを使ったRNA定量法(Shalonら、Genome Research 6 (7) : 639−45 1996;Bernardら、Nucleic Acids Research 24(8):1435−42, 1996)、MALDI−TOF質量分析機にもとづく方法を使ったリアルコンペティティブPCR法 (Dingら、PNAS 100:3059−64, 2003)、プライマー伸長反応に基づく固相ミニ配列決定法(米国特許第6,013,431号公報、Suomalainenら、Mol. Biotechnol. Jun;15 (2):123−31 2000)、イオンペア高性能液体クロマトグラフィー(Dorisら、J. Chromatogr. A May 8、806 (1):47−60, 1998)そして5’ヌクレアーゼアッセイ法またはリアルタイムRT−PCR法(Hollandら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276−7280, 1991)が含まれる。
RT−PCRと、望ましい標的とする配列をさけたエンドヌクレアーゼ制限酵素切断部位と長さの異なる内部標準とを使って、標的核酸と内部標準をゲル電気泳動によって分離し、標的核酸をデンシトメーターを用いて定量する方法も開発され、本発明による転写産物の検出に使用できる(例えば、米国特許第5, 876,978、5, 643,765、および5, 639,606号公報を参照)。
該サンプルは、例えば、気管支ファイバースコピーと連結させた内視鏡細胞ブラシを使って気管支道から採取されるのが好ましい。態様の一つにおいては、例えば、擦り取った頬側粘膜のような被験体の口腔内から得られる頬側の細胞を用いる。
好ましい態様の一つにおいては、本発明は肺疾患を発症する危険性の検定のための、ディップスティック細胞診のような予後診断そして/または診断のための免疫組織化学的検索方法を提供する。本発明の遺伝子グループによってコードされた蛋白質やその抗原エピトープに対する抗体は、市販品を用いたり、その分野の熟練者にはよく知られた方法を使って調製することができる。
本発明は、全ての、診断に重要な遺伝子産物を検出できる一回のディップスティック細胞採取、または本発明の診断用の蛋白質のより少数のサブグループを検出できる一連のディップスティック細胞採取を意図する。
抗体は技術分野では旧知の方法によって調製が可能である。“抗体”という用語には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体や、希望する抗原と選択的に反応する組み換え型核酸技術によって調製された抗体が含まれる。本発明の診断用遺伝子グループのいずれかの遺伝子によってコードされた蛋白質に対する抗体は、技術分野に知られる方法で、容易に作成できる。World Wide Webのbiocompare.comのabmatrixのようなサイトを通して、技術分野の熟練者に、Biocompareは、本発明により提供される全ての蛋白質に対する既存の抗体の入手先を知るための有用な手段をもたらす。
本発明による診断用の蛋白質に対する抗体は、診断のための気道プロテオームの蛋白質発現量の定量のためのウェスターンブロット法や免疫組織化学的手法のような標準的技術に用いることが出来る。これは遺伝子転写産物の発現量の定量と一致し、すなわち、転写産物発現の増加は、遺伝子産物、すなわち蛋白質の発現の増加に一致する。同様に、転写産物の発現の減少は遺伝子産物または蛋白質の発現の減少に一致する。肺疾患、特に肺癌、における抜擢された転写産物発現の増加あるいは減少についての詳細は本発明の表に記載されている。例えば、表5と6は肺癌において発現が変化する遺伝子のグループが記載されている。
免疫組織化学的な適用法には例えば、唾液や痰のサンプルから蛋白質の増加が検定できるアッセイが含まれる。
本発明による免疫組織化学的アッセイは、固体の支持相を使った方法によっても遂行できる。固体の支持相は、ディップスティック、膜、吸着パッド、ビーズ、マイクロタイターウェル、試験管等を含む免疫アッセイに用いられるどんな固相であってもよい。好ましくは、そのための訓練を全く受けていない、あるいは最小限にしか受けていない被験体または患者によって簡便に使用可能な検査用デバイスがよい。そのような好ましい検査用デバイスには、米国特許第4,632,901号公報に記載されるようなディップスティック、膜アッセイ系が含まれる。そのような従来の検査系の調製と使用は、特許、医学的、および科学的文献に十分に記載がある。もしも、スティックを使用する場合、抗蛋白質抗体は、先端の抗体が蛋白質の検出のために下記に記載されるように、検査溶液に浸せるように、スティックの一端に結合されている。あるいは、該サンプルをピペットまたは点滴器具によって抗体でコートされたディップスティックや膜上に滴下してもよい。
該診断用気道のトランクリプトームによってコードされる蛋白質(該“蛋白質”)に対する該抗体は、IgA、IgG、またはIgMのようなどんなアイソタイプでもよく、またFab分画等でもよい。該抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよく、例えば、参照により本発明に組み込まれたHarlow とLane によるAntibodies(抗体)、A Laboratory Manual (実験室操作の手引き)、Cold Spring Harbor Laboratory、1988にみられるように、一般的に記載された方法によって作成しても良い。該抗体は、直接的あるいは間接的な方法で固体の支持相に結合させることができる。間接的な結合は、抗体の蛋白質結合部位自体が支持体への結合に関与していないので、そのアッセイ溶液への露出を最大限とすることができる。ポリクローナル抗体は該蛋白質の種々のエピトープを識別でき、アッセイの感度を高められるのでポリクローナル抗体を使うことが好ましい。
固体の支持相は、抗体を支持体に結合させた後に非特異的なブロック操作を行うことが好ましい。抗体部位の周囲の非特異的なブロック操作には、牛の全血清アルブミンまたは誘導体化された牛の血清アルブミン、あるいは他の動物のアルブミン、動物全血清、カゼイン、脱脂ミルク等を使うことができる。
サンプルは、該蛋白質が前記の抗体を解して支持体に結合できるように、その蛋白質に特異的な抗体を結合させた固体の支持相に適用する。サンプル中の過剰な、結合しなかった成分は除去し、抗体‐抗原複合体が支持体に保持されるように、支持体を洗浄することが好ましい。支持体は、Tween−20やTween−80のような界面活性剤、あるいはドデシル硫酸ナトリウムを含む洗浄液で洗うことができる。
該蛋白質を支持相に結合させた後に、蛋白質と反応する二次抗体を適用する。二次抗体は、好ましくは視覚的標識で、標識することができる。標識は可溶性でも微粒子でもよく、染色された免疫グロブリン結合物質、単純な染色剤、または染色剤ポリマー、染色されたラテックスビーズ、染色剤を含んだリポゾーム、染色された細胞または有機体、あるいは金属性、有機性、無機性物質または固体の染色剤を含むことができる。標識は、技術分野でよく知られた多様な方法によって抗体蛋白質に結合させることができる。本発明のある態様においては、標識はシグナル発生系に結合させた酵素であってもよい。視覚的標識の例には、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、やビオチンが含まれる。多くの酵素−クロモゲン、または酵素−基質−クロモゲンの組み合わせが知られていて、酵素結合アッセイに使用される。染色剤標識にはまた、放射性標識や蛍光染色剤も含まれる。
サンプルと同時に、既知量の該蛋白質についても同じステップの操作を加えることができ、そのようなステップはアッセイの標準として使用できる。タバコの煙のような、同様な大気汚染物質に曝露された健常人からのサンプルは、診断用の遺伝子グループによってコードされるいずれかの、あるいは全ての該蛋白質についての標準として使用することができる。
固体の支持体は、未結合の標識抗体を除去するために、再び洗浄され、標識抗体は視覚化され定量される。標識の蓄積は一般的に、視覚的な検定が可能である。この視覚的検出は、用いる標識によって例えば、赤色、黄色、茶色、または緑色のような種々の色による検出を可能にする。蓄積される標識はまた、反射光光度計やビデオ画像分析機のような光学的検出機器によっても検出可能である。蓄積された標識の可視分光強度は、サンプル中の蛋白質濃度に相関する。蓄積された標識の可視分光強度と蛋白質量の相関は、一連の基準となる標準物質についての可視分光高度との比較によって達成できる。標準物質は未知サンプルと同じようにアッセイすることが好ましく、また同じ支持体あるいは別の支持体上において、サンプルと同時にアッセイすることがさらに好ましい。
使用する標準物質の濃度は蛋白質約1mg/Lから蛋白質約50mg/Lの範囲とする。好ましくは、発色強度の比較による未知量の定量がより正確になるように、気道の遺伝子グループにコードされた蛋白質の2種類以上の濃度を使用する。
例えば、本発明は、タバコの煙に曝露された被験体における肺癌発症の危険性を検出するための、被験体の生物学的サンプル中における本発明の一つ以上の遺伝子グループにコードされる蛋白質を含む鼻腔上皮細胞サンプルの転写プロファイルを測定することを含む方法を提供する。好ましくは、被験体の生物学的サンプル中の、少なくとも約30、さらにより好ましくは少なくとも約、36、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、あるいは約180の、気道のトランスクリプト−ムにコードされた蛋白質が解析される。本発明の方法は、該遺伝子グループによってコードされた各蛋白質(該“蛋白質”)に対する抗体を、ディップスティック、および膜から成るグループから選択される固体の支持相に結合させる工程と、該支持体を分析するサンプルを抗体−抗原複合体が形成される条件下で反応させる工程、該支持体をシグナルを生成する検出化合物と複合体を形成させた、抗蛋白質抗体と反応させる工程、前記シグナルが前記サンプル中の蛋白質量に比例する、前記シグナルを視覚的に検出する工程、同じグループの蛋白質の前記標準に比較した、そして前期サンプル中の該蛋白質量の違いが肺癌の診断あるいは肺癌を発症する危険性の増大を指摘する、前記サンプル中のシグナルを標準物質と比較する工程を有する。タバコの煙に曝露されながら、癌のない気道においての発現レベルを示すために、標準的レベルが測定される。
アッセイ試薬、ピペット/滴下器具、および試験管は、キットとして提供されてもよい。従って、本発明はさらに、該気道遺伝子グループによってコードされた蛋白質の視覚的検出の検査キットであって、対照被験体のパターンとは異なるレベルの検出が、該被験体においての肺疾患発症の危険性の増大を指摘すると考えられる検査キットを提供する。該検査キットは、標準液としての既知濃度の気道の該トランスクリプトームによりコードされた一つ以上の蛋白質(該“蛋白質”)を含む一つ以上の溶液、酵素に結合させた抗蛋白質抗体溶液、酵素活性によって色調や色合いの明暗が変化するクロモゲン、その表面に該蛋白質に対する抗体を保持するディップスティックや膜から成るグループから選択される固体の支持相を有する。表1および2によって提供されるグループの各遺伝子の上昇あるいは下降の動向を含めた使用説明書が該キットに含まれる。
本発明の実施は、特に指摘のない限り、通常の技術の範囲の、有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組み換え技術を含めて)、細胞生物学、生化学、そして免疫学の従来の技術と説明を利用する。そのような従来の技術には、ポリマーアレイ合成、ハイブリッド形成、ライゲーション、および標識を使ったハイブリッド形成の検出が含まれる。適切な技術の具体的な例証については以下の実施例を参照することで得られる。しかしながら、当然、他の同等な従来手段も使用が可能である。そのような従来の技術と説明は、Genome Analysis(ゲノム解析):A Laboratory Manual Series (Vols. I−IV) (実験操作の手引きシリーズ、第I−IV卷)、Using Antibodies (抗体の使用):A Laboratory Manual(実験操作の手引き)、Cells(細胞):A Laboratory Manual (実験操作の手引き)、PCR Primer (PCRプライマー):A Laboratory Manual (実験操作の手引き)、そしてMolecular Cloning(分子クローニング):A Laboratory Manual (実験操作の手引き)(全て、Cold Spring Harbor Laboratory Press出版)、Stryer, L. (1995) Biochemistry (4th Ed) (生化学、第4版)Freeman, ニューヨーク, Gait, “Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”(オリゴヌクレオチド合成:“実践的取り組み”)1984、IRL Press, ロンドン, Nelson and Cox (2000)、Lehninger, Principles of Biochemistry 3rd Ed.(生化学原理、第3版), W.H. Freeman Pub., ニューヨーク、NY、及び、Bergら (2002)、Biochemistry 、5th、Ed.(生化学、第5版)、W.H. Freeman Pub., ニューヨーク、NY, のような標準的な実験操作の手引き書に見られ、これらは全て、あらゆる目的で、参照によりその全体を本発明に組み込まれる。
本発明の方法は、いくつかの好ましい態様におけるアレイを含め、固体の基板を利用できる。 ポリマー(蛋白質を含めて)アレイ合成に利用できる方法や技術は、米国特許出願第09/536,841号、国際公開番号WO 00/58516号および、以下の
(国際公開番号WO 99/36760)やPCT/US01/04285にみられ、それらは全て、あらゆる目的で、参照により、本発明に組み込まれる。
具体的な態様において合成技術について説明のある特許には、米国特許第5,412,087、6,147,205、6,262,216、6,310, 189、5,889,165、および5,959,098が含まれる。核酸アレイは、上記特許の多くに説明されるが、同じ技術がポリペプチドと蛋白質アレイに応用される。
本発明に有用な核酸アレイには、Affymetrix社(サンタクララ、カリフォルニア州)からGeneChip7の商標名で、市販されているアレイが含まれるが、それに限定されるものではない。アレイの例は、affymetrix.comのウェブサイトに示されている。
遺伝子発現のモニタリングの実施例、および本発明の方法に有用なプロファイル作成法は、米国特許第5,800,992、6,013,449、6,020,135、6,033,860、6,040,138、6,177,248および6,309,822号に示される。その他の使用の実施例は、米国特許第5,871,928、5,902,723、6,045,996、5,541,061、および6,197,506号に組み入れられている。
本発明はまた、幾つかの好ましい態様において、サンプルの調製法についても熟慮する。発現解析に先立つか、あるいはそれと同時に、核酸サンプルは、PCR を利用してもよいが、多様なメカニズムによる増幅を行ってもよい。例えば、PCR Technology(PCR技術):Principles and Applications for DNA Amplification(DNA増幅の原理と応用)(H.A.Erlich編、Freeman Press、ニューヨーク、ニューヨーク州、1992)、PCR Protocols(PCRのプロトコール):A Guide to Methods and Applications(方法と応用のガイド)(Innisら編、Academic Press、サン・ディエゴ、カリフォルニア州、1990)、Mattilaら、Nucleic Acids Res. 19 4967 (1991)、Eckertら、PCR Methods and Applications(PCR法と応用)1, 17 (1991)、PCR (McPhersonら編、IRL Press, オックスフォード);および米国特許第4,683,202、4,683,195、4,800,159、4,965,188そして5,333,675号広報を参照するとよく、これらは、それぞれ、すべての目的でこの参照によりその全体が組み込まれる。サンプルはアレイ上で増幅されてもよい。例えば、米国特許第6,300,070号公報、および米国特許出願第09/513,300号を参照すればよく、これらはこの参照により組み込まれる。
その他の適切な増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、WuとWallace, Genomics 4, 560 (1989) 、Landegrenら、Science 241, 1077(1988)およびBarringer ら、Gene 89: 177 (1990) )、転写増幅(Kwoh ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 1173 (1989) および国際公開番号第WO88/10315号)、自己維持配列複製(Guatelliら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 87、1874 (1990) および国際公開番号第WO90/06995号)、標的ポリヌクレオチドの選択的増幅(米国特許第6,410, 276号公報)、共通配列プライマーによるPCR(CP−PCR)(米国特許第4,437, 975号公報)、任意のプライマーによるPCR(AP−PCR)(米国特許第5,413,909 および5,861,245) 号公報)そして核酸にもとづく配列増幅(NABSA)(米国特許第5,409,818、5,554, 517および6,063,603号公報)が含まれる。その他の利用できる増幅方法は、米国特許第5,242,794、5,494,810、4,988,617号公報および米国特許出願第09/854,317号に説明があり、これらのそれぞれは、この参照により組み込まれる。
サンプル調製および核酸サンプルの複雑さを軽減する技術のための追加の方法は、例えば、Dongら、Genome Research、11, 1418 (2001)、米国特許第6,361,947、と6,391,592号公報、米国特許出願第09/916,135、09/920,491、09/910,292 および10/013,598号に説明がある。
ポリヌクレオチドハイブリッド形成アッセイを行う方法は技術分野においてよく開発されている。ハイブリッド形成アッセイの操作と条件は応用によって異なり、以下の参照とされる方法を含めて、旧知の一般的な結合方法に従って選択される:Maniatisら Molecular Cloning(分子クローニング): A Laboratory Manual (実験室操作の手引き)(2nd Ed. 第二版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1989);BergerとKimmel Methods in Enzymology (酵素研究法)、Vol. 152、第152巻、Guide to Molecular Cloning Techniques (分子クローニング技術のガイド) (Academic Press, Inc.、サン・ディエゴ、カリフォルニア州、1987);Young とDavism、P.N.A.S.、80: 1194(1983)。繰りかえしのそして制御されたハイブリッド形成反応を行う方法と器具については、例えば、米国特許第5,871,928、5,874,219、6,045,996、6,386,749および6,391,623号公報に説明され、そのそれぞれは、この参照により組み込まれる。
本発明はまた、幾つかの態様において、サンプルとプローブ間のハイブリッド形成の信号検出についても熟考する。例えば、米国特許第5,143,854、5,578,832、5,631,734、5,834,758、5,936,324、5,981,956、6,025,601、6,141,096、6,185,030、6,201,639、6,218,803、および6,225,625、そして米国仮出願第60/364,731号とPCT出願第PCT/US99/06097号(国際公開番号WO99/47964として公開)を参照のこと。
シグナルの検出と強度のデータ処理の方法と機器の実施例については、例えば、米国特許第5,143,854、5,547,839、5,578,832、5,631,734、5,800,992、5,834,758、5,856,092、5,902,723、5,936,324、5,981,956、6,025,601、6,090,555、6,141,096、6,185,030、6,201,639、6,218,803、および6,225,625号公報、そして米国特許出願第60/364,731号、とPCT出願第PCT/US99/06097号(国際公開番号WO99/47964として公開)に開示がある。
本発明の実践にはまた従来の生物学的方法、ソフトウェア、やシステムを使用してもよい。本発明のコンピューターソフトウェア製品には典型的には、本発明の方法のロジックなステップを遂行するコンピューターにより実行可能な指示のあるコンピューターで判読可能な媒体が含まれる。適切なコンピューター判読可能な媒体には、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM/DVD/DVD−ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリー、ROM/RAM、磁気テープ等が含まれる。コンピューター実行可能な指示は、適切なコンピューター言語または数種類の言語の組み合わせで書かれていてもよい。基礎的な生命情報科学の方法については、例えば、Setubal and Meidanisら、Introduction to Computational Biology Methods(生命情報科学入門)(PWS Publishing Company, ボストン、1997);Salzberg, Seales, Kasif(Ed.)(編)、Computational Methods in Molecular Biology(分子生物学における情報科学的方法)(Elsevier, アムステルダム、1998)、RashidiとBuehler、Bioinformatics Basics(バイオインフォーマティクスの基礎);Application in Biological Science and Medicine(生物科学と医学への応用)(CRC Press、ロンドン、2000)そしてOuelette とBzevanis、Bioinformatics(バイオインフォーマティクス);A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins(遺伝子と蛋白質の解析のために実践的ガイド)(Wiley & Sons, Inc.、2nd Ed.、第二版、2001) に記載されている。
本発明はまた、プローブデザイン、データ管理、解析、そして機器の運転操作のような多様な目的のために種々のコンピュータープログラム製品やソフトウェアを利用する。例えば、米国特許第5,593,839、5,795,716、5,733,729、5,974,164、6,066,454、6,090,555、6,185,561、6,188,783、6,223,127、6,229,911、そして6,308,170号公報を参照のこと。
さらに、本発明は、例えば米国特許出願第10/063,559、60/349,546、60/376,003、60/394,574、と60/403,381号に示されるようにインターネットのようなネットワークを通して、遺伝子発現プロファイルの情報を提供する方法を含めた態様があっても良い。
本明細書を通して、本発明の多様な側面が範囲フォーマットによって表示される。範囲フォーマットにおいての記載は、単に簡便さと簡潔さのためであることを理解するべきであり、本発明の範囲に固定した限界を定めるものと解釈するべきではない。従って、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値と同様に、可能な全ての下位範囲を具体的に開示するものとみなされるべきである。例えば、10−20のような範囲の記載は、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、そして20のようなその範囲の個々の数と同じく、10−13、10−14、10−15、11−14、11−16等の下位範囲を具体的に開示したものと考えるべきである。これは、範囲の幅に関わらず適用される。さらに、端数の範囲もまた記載された例示数に含まれる。従って、例えば、1−3の範囲には、1.1、1.2、1.3、1.4, 1.5、1.6等の端数が含まれる。これは特に、いずれの特定の遺伝子または転写産物の増加あるいは減少量についても適用される。
本発明には多くの好ましい態様があり、その技術分野の専門家には旧知の詳細について、多くの特許、応用例やその他の参照を信頼するものである。従って、例えば、本明細書に特許出願のような参照文献が引用される場合、それは参照により、その全体が、再引用の提案と同時に、すべての目的でここに組み込まれることを理解すべきである。
(実施例1)
本研究において、本発明者らは鼻腔上皮細胞から核酸サンプル(RNA/DNA)を入手した。本発明者らはまた、対照の一つとして、血液からも核酸を入手した。本発明者らの発見は、PCT/US2006/014132に開示された気管支上皮細胞の遺伝子発現プロファイルを、この実施例において発見された鼻腔上皮細胞からの遺伝子発現パターンと比較するために、PCT/US2006/014132において使用した。
本発明者らは、吸引された毒性物質が、気道全体に及ぶ上皮細胞の“傷害の場”を形成するという概念について探索した。本発明者らによる最近の高密度遺伝子発現アレイを使って測定された結果、この “傷害の場” が毒性物質への気道の曝露の程度とその毒性物質に対する被験体の反応についての情報を提供するという仮説をたてた。ほとんどの吸入される毒性物質は気道の上皮細胞の遺伝子発現に変化をもたらすと思われるが、本発明者らの研究は肺癌とCOPDの主要な原因であるタバコの煙に焦点をあてるものである。
本発明者らは、まず、診断のための気管支内視鏡検査の際に気道からブラシで採取した気管支上皮細胞における対立遺伝子欠失について調べた。他者によっても示されたように、本発明者らは喫煙者の肺内気道全体にわたって癌病巣の反対側にも、癌病巣の側にも対立遺伝子欠失がおこることを発見した。程度はより少ないが、癌のない喫煙者の気道上皮細胞でも対立遺伝子の欠失はみられる(Clinical Cancer Research 5:2025, 1999)。本発明者らはこれらの研究を発展させ、喫煙者と非喫煙者からの腺癌について調べ、喫煙者の癌のない組織においては“傷害の場”がみられるが、非喫煙者においてはみられないことを報告した(Lung Cancer、39:23, 2003,Am J. Respir. Cell. Mol. Biol. 29:157, 2003)。
本発明者らは、さらに進めて、高密度のアレイを使って喫煙者と非喫煙者の中枢気道において生じる遺伝子発現のパターンを検索した。本発明者らは、タバコの煙によって誘導される遺伝子のタイプ、喫煙量との関係、被験体のタバコの煙に対する反応の人種差(ATS)、喫煙を中止する被験体においての可逆的、および非可逆的な変化(PNAS. 101:10143−10148, 2004)について明らかにした。さらに、本発明者らは、肺癌を発症する喫煙者に起こる変化(投稿済み、およびAACR)、そしてCOPD を発症する喫煙者に起こる変化(Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.31:601,2004)について、最近、発表した。これらの研究の全ては本発明者らの研究室で進行中であり、これらは全て、疫学的調査においての多数住民の調査には向かない採取過程である気管支内視鏡による中枢気道上皮細胞の採取に依存するものである。
多数の喫煙者において、気管支内視鏡を使わないで、気道上皮細胞の遺伝子発現を検定することができる手段を開発するために、本発明者らは、口腔粘膜の上皮細胞を使う可能性について探索し始めた。本発明者らは、口腔上皮細胞からRNA を得る方法を開発し、喫煙者の気管支上皮において変化した幾つかの遺伝子の発現レベルを測定することができたが、口腔から得られたRNAの量と質については問題点があることからこの方法の広範囲な適用は制限された(Biotechniques 36:484−87 2004)。
本発明者らは、この発明において鼻腔粘膜のブラッシングによって得られた上皮細胞が肺疾患の診断や予後診断の手段として使用できることを示した。予備的な検査結果は、鼻腔から簡単に(プロトコールを下記に示す)、十分量の高品質のRNAやDNA を得られること、このRNA と高密度マイクロアレイを使って遺伝子発現が測定できること、そして気管支上皮細胞において喫煙によって変化する遺伝子の多くが、鼻腔でもまた変化することを示した(図1を参照)。本発明者らはさらに、鼻腔の上皮細胞の遺伝子発現を、類肉腫症が臨床的には肺を含まない場合でさえも、類肉腫症の患者における、潜在的な遺伝子発現の診断および臨床的ステージの特異的なパターンを決定するために、使用できることを示した(図2を参照)。本発明者らはまた、これらの同じ試料から、遺伝子発現の変化を説明する、遺伝子のメチル化のパターンや遺伝的多型性の評価を可能にするDNAを得ることができる。
これらの研究は、非侵襲性の方法で得られた鼻腔上皮細胞における遺伝子発現がタバコの煙のような多様な吸入毒性物質に対する被験体の反応を示し、肺に関わる多様な疾患についての診断や、おそらく予後診断および病理学的情報をも提供できることを示す。
従って、本発明者らの研究に基づき、ここに、個々の被験体や被験体集団の多様な環境毒性物質に対する反応を評価する技術やスクリーニングの手段として、また肺癌を含む種々の肺疾患の診断/予後診断のための手段として、鼻腔上皮細胞を解析する方法を開発した。初期の研究は“発見に基づく”ゲノム全体の発現プロファイリングを利用したが、初期の研究が究極的には、より簡単で安価で、また技術分野で使用可能な“限定された遺伝子”のプラットフォームへ導くと考える。
鼻腔上皮細胞RNA およびDNA分離のための非侵襲性のプロトコール:
2%リドカイン溶液局所麻酔を行い、鼻鏡を使って見ながらCytosoftブラッシを外鼻孔の鼻甲介の下方に挿入する。ブラシを3回、回転させて上皮細胞を採取し、直ちにRNA Later溶液に入れる。ブラッシングを繰り返し、2度目のブラッシはDNA分離のためにPBS液に入れる。
気道の“傷害の場”の口腔と鼻腔への拡大
本発明者らは、現行の、累積的な、そして過去のタバコへの曝露に関与する気管支上皮においての遺伝子発現における相違を示したが、比較的侵襲性のある気管支内視鏡の使用は、大規模な住民調査や、疾患を発症する危険性が低い被験体の調査のためには、サンプル採取が困難になる。タバコによる傷害の場は気道全体の上皮細胞に及ぶであろうという本発明者らの仮説に基づいて、鼻腔や口腔の頬側の上皮細胞はタバコの煙に曝露され、非侵襲性の方法で採取できることから、本発明者らは、タバコへの曝露に反応おける気管支、口腔および鼻腔間の関係を探索するためのパイロット調査を行った。このパイロット調査においては、研究方法とデザインの項目に記載されるように、15の鼻腔上皮細胞サンプル(8非喫煙者と7現喫煙者)を右鼻甲介下のブラッシングによって採取した。さらに、以前に記述した[38](付録を参照)、こすり取り用の器具を使って頬側の口腔上皮細胞を10人の被験体(5非喫煙者、5現喫煙者)から採取した。全てのサンプルをAffymetrix HG−U133Aアレイを用いて測定した。口腔から採取されたRNAサンプルが少量で(1−2μg)、一部分解がみられたために、サンプルは各被験体から毎月一回連続的に採取したものを集めて十分量のRNAを得た(6−8μg)。おそらくは口腔サンプル中において完全長のmRNA量が少ない結果として、口腔サンプルからは低い転写検出率が得られた。
3種類全ての組織においてのタバコにより誘導された遺伝子発現パターン間の関連性については、まず、Gene Set Enrichment Analysis (遺伝子集合濃縮解析) (GSEA; [39] )により同定が行われ、気管支において発現に相違のみられた遺伝子は口腔および鼻腔においても変化がみられた(GSEA p<0.01)。本発明者らは次に、二元配置の2−way ANOVA法により、p<0.001で、喫煙により3組織の全てに発現の相違がみられた365遺伝子を同定した。これら365遺伝子について、各組織内で標準化された全てのサンプルのPCAを図5に示す。
最後に、この鼻腔および口腔のパイロット調査は遺伝子群のクラス予測には十分ではないが、本発明者らは、タバコへの曝露に関するバイオマーカーの同定にこれらの組織を使う可能性について探索した。喫煙者と非喫煙者の間で、信号対雑音比が最も高い20遺伝子と最も低い20遺伝子が、鼻腔と口腔の両方で同定された。次にクラシファイヤ(分類機)を気管支上皮細胞サンプル(15現喫煙者、15非喫煙者)においてこれらの遺伝子を使って調整を行い、別個の41サンプルからなるテスト群に応用した。口腔と鼻腔から選別された遺伝子は、現喫煙者と非喫煙者からの気管支上皮サンプルを高い精度で類別する:
このパイロット調査は、DNAマイクロアレイ研究のために適切な良質のRNA の有意量を鼻腔粘膜のブラッシングによって採取することの実行可能性を示し、すでに決定されていた気管支道においての喫煙に関連した変化と、鼻腔上皮において起こる変化の間にみられる関連性を示した。頬側の口腔粘膜から採取されたRNAの量と質は、U133Aプラットフォームでの解析を複雑化するが、サンプルを貯めることによって行われた調査結果は、タバコへの曝露による遺伝子発現は気管支道のそれに関連していることを示唆する。これらの結果は、上気道における遺伝子発現プロファイルが曝露にたいする宿主の反応を反映するという中心仮説を支持する。本発明者らは、一部に分解のあるRNAにおいて遺伝子発現が測定できる可能性のある新規なアレイプラットフォームを使って、鼻腔および口腔からのサンプルを用いて、タバコへの曝露によるバイオマーカーを決定する能力についてさらに十分の探索を行うことを提案する。
(実施例2)
口腔、鼻腔および気道上皮における喫煙に対するゲノムの反応の比較
世界中でほぼ13億人が喫煙し、年間、約500万人の予防可能な死亡者がでる(1)。喫煙は、米国において癌による死亡の主要な原因である肺癌や、全ての死因のうちのトップから4番目にあたる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重要な発症危険因子である。ほぼ90%の肺癌は喫煙が原因であるが、喫煙者の10−15%のみに、この疾患が発症する (2) 。肺癌とCOPD における病因としての喫煙の役割については、旧知であるが、少数の喫煙者のみが発症する理由の分子疫学的説明についてはほとんど解明されていない。
喫煙が、細胞異型 (3、4) 、異常な遺伝子発現、異型接合性の欠失(3、5)、やプロモーターのメチル化過剰を含めた多くの変化を、上位および下位の気道上皮に誘導することは明確にされている。著者の何人かは、喫煙者の組織学的には正常な部分を含めて気道上皮全体に、LOHのような分子的で遺伝子的な変化、あるいは、マイクロサテライトの変化があることを報告している(4、6)。本発明者らはこれまでに、健常人の気道上皮のトランスクリプトームに対する喫煙の影響について調べ、喫煙は炎症や腫瘍抑制に関与する遺伝子の発現を抑える一方、酸化剤によるストレス、異物代謝、および発癌に関連する気道遺伝子の発現を誘導することを発見した(7)。この気管支内視鏡による研究は、喫煙に関連する肺障害のバイオマーカー候補の可能性のある遺伝子の幾つかを明らかにしたが、現在、喫煙に関連する肺障害の研究のための代替となる、侵襲性の低い方法による臨床サンプルを得ようという強い趨勢がある。
口腔および鼻腔粘膜は、高濃度の吸入発癌物質に曝露されることや、喫煙に関連する疾患に明らかに結びつけられるので、バイオマーカーの探策にとって魅力的な候補サンプルである (8) 。本発明者らは、これまでに、唾液や鼻腔分泌物中の高濃度のRNA分解酵素の存在(11、12)にもかかわらず、鼻腔(9)および頬粘膜の両方から、遺伝子発現解析のための十分なRNA の獲得が実行可能であることを示した(10)。これらのいずれの組織についても、全体的は遺伝子発現について調べた研究はほとんどなく、喫煙によって起こる、上位および下位気道での遺伝子発現の変化を結びつけようとする努力は払われなかった。Smith らによるパイロット研究は、cDNAマイクロアレイに用いるRNA を得るために、喫煙者と非喫煙者から頬粘膜をブラッシにより採取した生検材料として使用し、調整用で試験用のセットにおいて2群を区別することのできるほぼ100の遺伝子を発見した。この研究は、これらの多くの遺伝子が未決定のESTではあっても、喫煙に伴い頬粘膜の遺伝子発現が変化するという励ましとなる証拠を提供したが、上位と下位の気道における遺伝子の反応の間の潜在的な関連性については何も言及されなかった。Spivakらは、肺癌の検査を受ける11患者においての、それぞれの頬粘膜とレーザー切除による肺上皮細胞について、9つの発癌あるいは酸化剤代謝遺伝子(13)についてPCR(すなわち、検出の有無)を使って、定性的な関連性があることを見つけた。しかしながら、これらの遺伝子の頬粘膜における定量的なリアルタイムPCRによって、肺癌群と対照群の間に信頼できる予測をつけることが出来なかった。鼻腔のブラッシングによる全体的な遺伝子発現プロファイリングが最近、喘息(14)と嚢胞性線維症 (15) を持つ子供において調べられたが、喫煙が鼻腔上皮の遺伝子発現に及ぼす影響についての研究については、これまでに見あたらない。
この研究においては、本発明者らは、ここで“正常な頬側の口腔および鼻腔のトランスクリプトーム”と言及される、正常者の頬粘膜の最初のゲノム全体の発現アッセイについて報告する。本発明者らは、次にこれらのトランスクリプトームに与える喫煙の影響を評価し、過去に得られた気管支上皮の遺伝子発現のデータセットと比較する。口腔、鼻腔 および気管支における喫煙により誘導される変化を比較することにより、タバコの煙に対する上気道と下気道の遺伝子反応の間の関連性を確立し、さらに、全体的な遺伝子発現レベルでの、喫煙により誘導される“場の損傷”の概念を推進させる。最後に、頬粘膜から得られる少量の分解したRNAを使って、多様な遺伝子発現研究のための実行可能な方法として、質量分析の使用について検証する。
試験集団
マイクロアレイ解析は、合計25被験体において実施され、質量分析による検証は追加の14被験体において実施された。マイクロアレイおよび質量分析による検証に用いられた被験体グループの人口統計学的なデータを表11に示す。
正常な組織サンプルのマイクロアレイ解析は、Gene Expression Omnibus(遺伝子発現オムニバス、GEO)から収集したこれまでに公開されたデータセットについて実施された。この研究から取られた非喫煙者の鼻腔および頬粘膜上皮の12サンプルを含めて、10種類の組織タイプにわたる92サンプルが同時に解析された。別の研究から集められた鼻腔組織における遺伝子発現パターンの再現性を決めるために、さらに正常な鼻腔上皮サンプルからの追加のマイクロアレイデータも加えられた。解析に使われた組織のそれぞれの詳細と各組織タイプのサンプル数については表12に示す。
正常な気道上皮細胞間の関連性
10組織タイプ(n=92 サンプルの合計数)にわたる正常な組織サンプルの主成分分析(PCA)は、これまでに特色づけられた(Spiraら、2004、PNAS)正常な気道のトランスクリプトームを含めた2382遺伝子にわたって実施された。図7は、これらの2382遺伝子の発現に基づく気管支および鼻腔上皮サンプルが同じグループに明瞭にグループ分けされたことを示す。
2382の正常な気道のトランスクリプトーム遺伝子のなかで、機能遺伝子(“機能セット”)のカテゴリーに大きな比率を占めるセットがEASE解析によって決定された。表13に、正常な気道トランスクリプトームのなかで、有意に大きな比率を占める16の機能セットを記載する。平均して、機能クラスターあたりほぼ109のプローブセットがあった。10組織タイプにわたり、もっとも異なっている機能セットを決定するために変動性測定基準が使われた。アルデヒド脱水素酵素、抗原のプロセシングと提示、微小管と細胞骨格複合体は、もっとも変動の大きい機能セットであった。最も変動の少ないセットには、リボソームサブユニットや核および蛋白質輸送が含まれる。各セットの全ての遺伝子にわたってどの組織が似通った発現パターンを示したかを決定するために、これらの16の各機能セットに二次元の階層クラスタリングも行われた。上記のうち、最も変動性の高い3機能セットにおいて、気管支および鼻腔の上皮細胞サンプルは常に同じグループに入った(データは示していない)。
気管支上皮組織と他の組織との関連性を更に調べるために、気道上皮に通例、発現される遺伝子を、正常な気道のトランスクリプトームから選択した。それらの遺伝子アノテーション(遺伝子注釈)に基づいて、正常な気道のトランスクリプトームにおける2382遺伝子から、ムチン、ダイニン、微小管、ケラチン、グルタチオン、チトクロームP450 、およびアルデヒド脱水素酵素の機能グループの遺伝子が選択された。これらの機能グループからの59遺伝子は正常な気道のトランスクリプトームに存在し、図8に示すように、スーパーバイズド階層クラスタリングを使って、解析された。その多くはこれらの2組織においてより高いレベルの発現を示した、これら59遺伝子の発現に基づいて、気管支および鼻腔上皮サンプルが一緒にクラスターされた。気管支および鼻腔上皮に発現の高い遺伝子は一般に、前記5つの機能グループに、等しく分布されていた。幾つかのダイニン、チトクロームP450 ,そしてアルデヒド脱水素酵素の遺伝子は、他の組織に比較して、気管支および鼻腔上皮に発現が高かった。頬粘膜のサンプルは主として、特異的なケラチン遺伝子の高い発現を伴い、肺組織のサンプルとともにクラスターされた。ある種のケラチンは皮膚と食道の上皮に特異的な発現がみられたが、KRT7 、KRT8 、KRT18 、やKRT19のような他のケラチンは、主として気管支および鼻腔上皮に発現が見られた。同じパターンがムチンの遺伝子にもみられ、MUC4、MUC5AC、そしてMUC16は、主として気管支および鼻腔上皮に発現されたがMUC1 は他の上皮組織に発現された。グルタチオン遺伝子はその他の組織においてと同様に、気管支および鼻腔上皮に高い発現がみられた。微小管遺伝子の発現は、全ての組織にわたって、かなり均等な分布がみられた。
気管支および鼻腔上皮間の似通った発現パターンを探索するために、気管支および鼻腔サンプル間で発現の相関性の高いサブセットの遺伝子を、機能的に関係のある59の正常なトランスクリプトーム遺伝子のうちから選択して、メタ遺伝子(遺伝子の集約)を作成した。機能的にその区分の大きな比率を占めるセットを決定するために、該メタ遺伝子に相関性の高い全ての遺伝子が(R> .6、p< .001)が選択され、EASEを使って、解析された。メタ遺伝子の発現パターンと最も相関性が高い遺伝子のうちで、微小管と細胞骨格複合体の機能セットの、有意な強化がみられた。
同じマイクロアレイプラットフォームによる、正常な鼻腔上皮サンプルの別のセット (16) が気管支と鼻腔上皮間の遺伝子発現における関連性の再現性を決定するために、本発明者らの鼻腔上皮のデータセットの代わりに使われた。この別個の鼻腔上皮データセットは、Affymetrix HG133Aマイクロアレイによって測定された11の正常な上皮サンプルから成る。これらのサンプルは、まず過去の解析からの92の正常な組織サンプルと共に検討された。組織タイプ内の各サンプルセットと、他の組織タイプからのサンプルとの平均的なピアソンの相関を決定するために相関マトリックスが作成された。二つの鼻腔上皮のデータセットは、相互に最も高い相関を示し、次に高い相関は、鼻腔と気管支上皮サンプル間にみられた。これら11の鼻腔上皮サンプルは、また正常なトランスクリプトームの全体にわたって、気管支上皮サンプルおよび、もとの8鼻腔上皮サンプルの代わりに使われた場合には、トランスクリプトームからの59の機能的に関連のある遺伝子のサブセットとクラスターを形成した。
気道上皮に与える喫煙の影響
タバコの煙が気道の上皮細胞に与える影響を調べるために、現喫煙者および非喫煙者の頬および鼻腔上皮細胞サンプルを、これまでに発表された現喫煙者と非喫煙者の気管支上皮からのサンプル(Spira ら、2004、PNAS)とともに解析した。これら3種類の組織タイプから合計82サンプル(57気管支、10頬上皮、15鼻腔)が使われた。タバコの煙に対する反応のこれら3組織間の関係を決定するために、これまでに気管支上皮細胞において喫煙者と非喫煙者を区別すると報告された361遺伝子の発現(Spira ら、2004、PNAS)について、気管支、鼻腔および頬上皮からの82サンプルの全てにわたって検索した。
現喫煙者と非喫煙者間で、発現が最も異なる、表8に示された361遺伝子は、頬上皮サンプル間の幾つかの例外以外は概して、気管支、鼻腔および頬上皮サンプルを、主成分分析により、喫煙状態に基づき、区別することが可能であった(図3)。この発見は、タバコの煙に反応した気管支と上気道の上皮細胞における遺伝子発現プロファイル間に関連性のあることを示唆する。さらに、この関連性を気道全体の上皮細胞に確立するために、喫煙状況によって気管支上皮において発現の相違が最大である遺伝子が、鼻腔および頬上皮において、喫煙によって変化する遺伝子のなかで、大きな割合を占めるかどうかを決定するために、遺伝子集合濃縮分析(GSEA)を実施した。本発明者らは、喫煙によって誘導される気道の遺伝子は、頬粘膜において、喫煙によって、“最先端のサブセット”(p< .001)を構成する101遺伝子を含む、最も影響を受ける遺伝子群に有意に濃縮されることを示した。最先端のサブセットは、頬粘膜サンプルにおいて気道遺伝子の濃縮に最も貢献する遺伝子から成る。図6は、同様に、喫煙者の気管支上皮全体で、最も相違のある遺伝子はまた、最先端のサブセットを構成する107遺伝子を含めて、鼻腔上皮細胞サンプルにおいて喫煙によって最も影響を受けた遺伝子の中に有意に濃縮されることを示す(p<.001)。最先端遺伝子のPCAは、それらの遺伝子が、喫煙状況によって、頬粘膜サンプルと鼻腔上皮サンプル(図7)を区別できることを示し、このことは、喫煙に反応した気道上皮細胞全体に遺伝子発現について広域にわたる関連性があることを示唆する。図5の最先端遺伝子セットのEASE分析は、これらの遺伝子リストの大半を占める機能区分には、酸化還元酵素活性、金属イオン結合、そして電子輸送活性が含まれることを明らかにした (表13を参照)。
試験集団
本発明者らは、頬サンプルのマイクロアレイ調査 (n=11)、鼻腔サンプルのマイクロアレイ調査(n=15)、そしてそれに続く、期待される頬上皮細胞サンプルの質量分析による検証(n=14)のためにボストンメディカルセンターから、現喫煙者と比喫煙者のボランティアを募集した。各グループの現喫煙者は、少なくとも累積的な10パック・イヤー(1日1箱を10年間喫煙に相当)の喫煙歴を持ち、前月に少なくとも1日10本のタバコを喫煙していた。かなりの量の環境的なタバコへの曝露のある、呼吸器系に症状がある、呼吸器系、鼻、または口腔の疾患が知られている、あるいは吸入による医薬品を常用している非喫煙のボランティアは除外された。各被験体について、パック・イヤーの数、一日あたりのパック数、喫煙を始めた年齢、環境的なタバコへの曝露を含めた喫煙歴の詳細を入手した。現喫煙者と非喫煙者は、年齢、人種、性別において、一致させた。この調査は、ボストンメディカルセンターの治験審査委員会によって承認され、全ての被験体から書面による同意書の提出を受けた。
頬上皮細胞の採取
頬上皮細胞が、これまでに報告されたように (Spiraら、2004、Biotechniques) 25 被験体から(頬サンプルのマイクロアレイ検査のために11、質量分析による検証のために14)採取された。簡単に説明すると、本発明者らは、鋸の歯状の縁をもったプラスチックの弓形の道具を使って、口腔から少量のRNAを採取する非侵襲性の方法を開発した。簡単に説明すると、穏やかな圧力を加えて、左側の頬の内側の頬粘膜に、歯状の縁を5回擦り付けて、直ちに1mLのRNA Later 溶液(Qiagen、ヴァレンシア、カリフォルニア州)に浸した。この操作を右頬の内側で繰り返し、細胞試料は1本の試験管に合わせた。24時間までの室温での保管の後に、全RNAを細胞沈渣から、TRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州)を使って、製造会社のプロトコールに従って、分離した。このRNAに損傷がないことは、RNA変性用ゲル上で確認された。上皮細胞の内容物は、細胞沈渣をを700xg(Cytospin,ThermoShandon,ピッツバーグ、ペンシルベニア州)で細胞遠心させて、細胞骨格に対する抗体(Signet、デッドハム、マサチューセッツ州)で染色して定量した。このプロトコールを使って、本発明者らは、サンプル採取あたり、平均して1823 ng +/− 1243 ngの全RNAを入手できた。頬上皮細胞は、被験体あたり最小限8 μgのRNAを得るために、6週間にわたって連続的に採取した。質量分析による検証に含まれた14被験体については、一回の採取で十分であった。
鼻腔上皮細胞の採取
鼻腔上皮細胞は、まず右外鼻孔を1ccの1%リドカインで麻酔して採取した。鼻鏡(Bionix、トレド、オハイオ州)を使って、外鼻孔を広げ、標準的な細胞学的ブラッシ(Cytosoft Brush、Medical Packaging Corporation、キャマリロ、カリフォルニア州)を鼻甲介下に挿入した。ブラッシをその場所で一度回転させ、取り出して、直ちに1mLのRNA Later溶液(Qiagen、ヴァレンシア、カリファルニア州)に浸した。4°Cで一夜保管した後に、RNAをQiagen RNEASY(登録商標)ミニキットを使って、製造会社のプロトコールに従って分離した。上記のように、RNAに損傷がないことはRNA変性用ゲル上で確認し、上皮細胞の内容物は細胞遠心によって定量した。
気管支上皮細胞の採取
気管支上皮細胞もまた質量分析による検証研究の患者のサブセットから(N=6、合計14)気管支ファイバースコープ検査中に、3つの内視鏡細胞ブラッシを使ったブラッシング(Cellebrity Endoscopic Cytobrush、Boston Scientific、ボストン)で右側主気道から採取した。ブラッシを取り出して、直ちにTRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen)に浸し、RNAを分離する時まで−80°Cで保存した。TRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州)を使って、製造会社のプロトコールに従って、ブラッシからRNAを分離し、患者あたり平均収量8−15μgのRNAを得た。RNA に損傷がないことは、RNA変性用ゲルを使って確認し、上皮細胞の内容物は細胞遠心と細胞骨格の染色によって定量した。
マイクロアレイデータ収集と前処理
頬上皮細胞(N=11)と鼻腔上皮細胞(N=15)から8μgの全RNAを処理し、標識し、これまでに報告されたように(Spiraら、2004、PNAS)22,215プローブセットを持ったAffymetrix HG−U133A GeneChipsにハイブリッド形成させた。各遺伝子についての一つの加重平均発現レベルは、MICROARRAY SUITE 5.0(MAS 5.0)のソフトウェア(Affymetrix、サンタ・クララ、カリフォルニア州)を使って得られた。MAS 5.0のソフトウェアはまた、転写産物が信頼の置ける検出によるものかどうかを示す一側のWilcoxonの符号順位検定を使った検出P値[P(検出)]をも算出した。検出された遺伝子の割合が、頬粘膜マイクロアレイサンプル全体にわたって検出された平均の割合から両側の標準偏差よりも低いために、それ以上の解析から除外され、残された10サンプルについてさらに解析を進めた。15鼻腔上皮細胞マイクロアレイサンプルの全ては、同じ判定基準において検出された遺伝子の割合が十分に高かったので、全てのサンプルについてさらに解析を続けた。57気管支上皮細胞サンプルのマイクロアレイデータは、これまでに発表されたデータから得られた(Spiraら、2004、PNAS)。
さらに正常な人の組織の7つのマイクロアレイデータがGene Expression Omnibus (GEO) のデータセットから追加された。該サンプルは、少なくとも組織タイプあたり5サンプルからなる正常な、疾患のない組織から選択された。全てのサンプルは、Affymetrix HGU 133AあるいはHGU 133 Plus 2.0 マイクロアレイによって測定された。以下の7組織からの正常な組織サンプルからアレイデータを使用した(GEO アクセス番号を含める):肺(GSE1650)、 皮膚(GSE5667)、食道(GSE1420)、 腎臓(GSE3526)、骨髄(GSE3526)、 心臓(GSE2240)、 そして脳(GSE5389)。これらの組織のアレイデータの詳細な内訳は表12に示される。
上記の8データセットから得られた正常組織サンプルと同様に、頬粘膜、鼻腔上皮、および気管支上皮細胞サンプルはそれぞれ、MAS 5.0 を使って標準化され、その場合、各アレイ(上位および下位2%の遺伝子は除外された)の平均強度は、チップ上の全てのプローブの平均強度を100と設定するために縮尺因子を使って補正された。HGU133 Plus 2.0アレイで測定された組織サンプルについては、HGU133Aアレイに共通するプローブセットのみを選択し、MATLAB Student Version 7.1 (The Mathworks, Inc.)を使って標準化し、その場合、選択されたプローブの(上位および下位2%の遺伝子は除外された)平均強度を縮尺因子を使って補正し、残りのプローブの平均強度が100となるようにした。
マイクロアレイデータ解析
臨床情報、アレイデータ、そして遺伝子アノテーションは相互作用可能なPERL(37)においてコードされたMYSQL データベースに保存されている。以下に説明されるデータベース内の全ての統計学的解析はR.v.2.2.0 ソフトウェア(38)を使って実施された。各プローブセットのために使用された遺伝子アノテーションはDecember 2004 NetAffx HG−U133Aのアノテーションファイルから得られた。
主成分分析 (PCA) をSpotfire DecisionSite ソフトウェアパッケージ(39)を使って、以下の非喫煙者10種類の組織タイプから得られた正常な組織サンプルについて実施した:気管支(n = 23)、鼻腔(n= 8)、頬粘膜(n = 5)、肺(n =14)、皮膚(n =5)、食道(n = 8)、腎臓(n = 8)、骨髄(n = 5)、心臓(n = 5)、そして脳(n =11)。PCA 分析は、これまでに報告された(Spiraら、2004、PNAS)正常な気道のトランスクリプトーム全体にわたって、これらの組織タイプの遺伝子発現における関連性を決定するために使用された。
機能アノテーションのクラスタリングは、正常な気道のトランスクリプトームのなかで、大きな割合を占める機能グループ(“機能セット”)のセットを決定するために、EASEソフトウェアパッケージ(40)を使って実施された。クラスター内の各機能グループは、Fisher−Exact(フィッシャーの正確確率検定)テストによって決定されたp−値を与えられた。該機能グループの有意性は、次にクラスター内の各機能グループのp−値の幾何平均をとって決定された。EASEによって戻される機能セットの数を制限するために、第五階層ノード以下のGene Ontology(GO) のデータベースからの機能グループのみを使用した。
10種類の組織タイプにわたる機能セットの変動性を決定するために、以下の式を使った:
V = X−(1...i)[COV(X−Gl...X−Gk)]
ここでGkは組織タイプkにおける全てのサンプルにわたる遺伝子Gの発現を意味し、iは機能クラスターにおいての遺伝子の合計数であり、COVは全ての組織タイプにわたる遺伝子Gの平均発現の変動係数 (標準偏差を平均で割ったもの) である。これによって、各機能クラスターについて一つの変動基準(V)が作成された。各機能クラスターの全ての遺伝子は次に、ピアソンの相関性を考慮した(非中心型)類似度評価基準を使った対数変換z値により標準化されたデータと、CLUSTERおよびTREEVIEWソフトウェアを使った平均リンケージクラスター形成を用いた2D階層クラスター形成を使って解析された(41)。
気道上皮とその他の組織タイプの関係をさらに解析するために、気道上皮細胞に共通して発現される機能カテゴリーに含まれる正常な軌道のトランスクリプトームからの遺伝子について検索した。検索された機能区分は、ムチン、ダイニン、微小管、チトクロームP450、グルタチオン、アルデヒド脱水素酵素、およびケラチンであった。これらのカテゴリーの遺伝子は、遺伝子アノテーションに基づいてこれらの機能グループのいずれかに含まれた全ての遺伝子を正常な気道のトランスクリプトームから選択することで、決定された。興味のある機能カテゴリーにもわたる正常な気道のトランスクリプトームから59遺伝子を、スーパーバイズド階層クラスター形成法を使って、10の組織タイプにわたってさらに解析した。
正常な気道のトランスクリプトーム以外の遺伝子が同様なレベルで気管支と鼻腔上皮に発現されるかどうかについて評価するために、本発明者らは、それらの遺伝子のピアソンの相関性を考慮した類似度評価基準に基づいて気管支および鼻腔上皮サンプルに発現の高い特定の機能カテゴリーに及ぶ正常な気道のトランスクリプトームから59遺伝子のサブセットをとって、メタ遺伝子を作成した。つぎに、気管支と鼻腔上皮に類似の発現パターンをもった遺伝子を決定するために、10の組織全部にわたるメタ遺伝子の平均発現と10組織の全部にわたるHGU133Aアレイ(計22215プローブセット)上の各プローブセット間に相関行列が作成された(この解析の詳細については、付録の項に記載されている)。
他の組織に比較して鼻腔上皮に見られた発現パターンの再現性を決定するために、二つめの鼻腔上皮のデータセット(Wrightら、2006、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.) を含めてさらに解析を行った。遺伝子発現パターンと鼻腔上皮および他の組織の間での関連性の再現性を決定するために、本発明者らによる元の8鼻腔上皮サンプルの代わりに使われたこの二番めのデータセット(GSE2395)には全部で11の鼻腔上皮サンプルが含まれた。
気管支、頬、および鼻腔上皮細胞のタバコの煙に対する反応における関連性を決定するために、これまでの研究で決定された(Spiraら、2004、PNAS)気管支上皮細胞において、喫煙者と非喫煙者間に発現の相違があった361遺伝子(p<.001)を使って喫煙者と非喫煙者からの82サンプル(57気管支、10頬、15鼻腔)の全体にわたってPCA分析を実施した。つぎに、遺伝子セット濃縮分析(GSEA)(42)を使って、タバコの煙への反応における、これらの3種類の組織タイプからの遺伝子発現プロファイル間の全体的な関連性を確立した。本発明者らが目的とするのは、喫煙によって気管支上皮細胞に最も異なる発現を示した遺伝子が、信号対雑音比に基づいて、頬および鼻腔上皮細胞において喫煙により誘導された上位の遺伝子に、有意に濃縮されるかどうかを決定することである。有意な濃縮を決定するために、等級づけられた遺伝子ラベルの並べ替えと経験によるp値の設定によってGSEAによってp値が設定された。最先端のサブセットが鼻腔と頬上皮のデータセットにおいて、喫煙状況によってサンプルを区別できるかどうかを決定するために、鼻腔上皮および頬粘膜サンプルの上位のリストに最も有意に濃縮された気道遺伝子(最先端サブセット)はさらにPCAを使って分析された。
下記の表11は、患者の人口統計学的データを示す。マイクロアレイ分析(n=10)と質量分析(n=14)に用いられた患者サンプルの人口統計学的データ。*P−値はFisherの正確度検定によって計算された。
下記の表12は本発明で解析された全てのマイクロアレイデータセットの詳細を示す。
下記の表13は、
下記の表14は、GSEA分析から“最先端のサブセット”のうちで共通して、大きな割合を占めて発現される機能カテゴリーを示す。GSEA分析から最先端の遺伝子の共通するEASE分子機能。P−値はEASEソフトウェアを使って計算された。
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ここに、および本明細書の全体にわたって参照される参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
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図1は、鼻腔上皮細胞において喫煙により発現レベルが変化する60の遺伝子の発現による、現喫煙者(縞のボックス)と非喫煙者(白いボックス)からの気管支気道上皮細胞から採取されたサンプルの階層的クラスタリングを示す。気道サンプルは。適切なクラスとグループを形成する傾向がある。濃いグレイはより高いレベルの発現を意味し、薄いグレイはより低いレベルの発現を意味する。 図2は、類肉腫(縞のボックス) のある患者と健常者(白いボックス)の鼻腔上皮細胞サンプルの、2グループ間で、t−検定により発現が最も異なる20の遺伝子(P<.00005)による階層的クラスタリングを示す。ほとんど例外なく、サンプルは適切なクラスにグループを形成する。 薄いグレイ=低い発現レベル、黒=平均的な発現レベル、濃いグレイ=高い発現レベル。 図3は、口腔、鼻腔および気管支における喫煙に関連する遺伝子を示す。主成分分析(PCA)は現喫煙者(濃いグレイ)と非喫煙者(黒)におけるタバコへの曝露によって影響を受ける遺伝子の発現の変動を示す。気道上皮細胞のタイプは符号の形により示される:気管支(円)、鼻腔(三角形)、口腔(正方形)。口腔からのサンプル以外は、サンプルは第一主成分の全域にわたって、喫煙状態により大まかに分離する。これは、気管支上皮細胞と鼻腔上皮細胞の両方にみられる、共通した宿主反応としての遺伝子発現であることを指摘する。 図4は、癌サンプルのスーパーバイズド階層的クラスタ解析を示す。類肉腫を有する個人と有しない個人から肺組織と鼻腔組織を採取した。遺伝子発現解析は、37遺伝子の発現が、気管支あるいは鼻腔からの癌サンプルを癌でないサンプルから区別するために使用できることを示した。クラスタ解析の薄いグレイは低いレベルの発現を意味し、濃いグレイは高いレベルの発現を意味する。円の隣の星印は、これらのサンプルが、0−1期の類肉腫患者から採取されたことを意味する。円の隣の点は、これらのサンプルが4期の類肉腫患者から採取されたことを意味する。 図5は、表9に示された最先端の107遺伝子を含めて、気道サンプルのt−検定遺伝子を鼻腔のデータに投影させたものを示す。喫煙に反応して鼻腔上皮細胞で顕著に変化した遺伝子のなかで、気道上皮細胞で発現の異なった遺伝子の強化。GSEA解析の結果は、発現の異なる主要な最先端の気管支上皮細胞の361遺伝子組が、喫煙に反応して鼻腔上皮細胞の発現の異なる遺伝子のリストの上位に大きな比率を占めることを示す。”主要な最先端の遺伝子サブセット”(P<0.001)を構成する107遺伝子がある。 図6は、気道においての107の主要な最先端遺伝子を示す − 鼻腔のサンプルのPCA による。円の隣の星印は現喫煙者を意味する。濃いグレイの円は非喫煙者からのサンプルであることを意味する。気管支上皮細胞からの107の”最先端”遺伝子の主成分分析は鼻腔上皮細胞の遺伝子発現プロファイルにおいて濃縮されることを示した。鼻腔上皮細胞の発現プロファイルに濃縮された。気管支上皮細胞に特徴的な107の“最先端”遺伝子の二次元PCA. 図7は、10の組織からの気管支への投影を示す。この図から、気管支上皮細胞(点のある正方形)のサンプルと鼻腔上皮細胞(交差線のある正方形)からのサンプルが密接に重複し、口腔を含めて他の組織からのサンプルから明瞭に区別されることがわかる。10組織の全体にわたる正常な気道のトランスクリプトームからの2382遺伝子の主成分分析。異なる10の組織タイプの全体にわたる正常な気道のトランスクリプトームからの2382遺伝子の主成分分析(PCA)。トランスクリプトーム遺伝子の発現に基づいて、サンプルの分離がみられる。 図8は、上皮細胞の機能カテゴリーにわたる51遺伝子の階層的クラスタリングを示す。ムチン、ダイニン/微小管、チトクローム P450、グルタチオン、およびケラチンの機能的遺伝子のカテゴリーにわたる51遺伝子のスーパーバイズド階層的クラスタ解析。該51遺伝子は、各機能グループとは別に、10の組織の全体にわたって、クラスターを形成した。

Claims (27)

  1. 被験体における肺癌を診断する方法であって、
    a)該被験体から採取された鼻腔上皮組織を含む生物学的サンプルの、表6に記載される少なくとも20の遺伝子転写産物の発現について測定する工程および、
    b)前記の少なくとも20の遺伝子産物発現を、癌のない被験体から採取された前記転写産物の対照サンプルに比較する工程、
    を含む方法であって、表6の最後のカラムに負の数値で表示される該遺伝子転写産物の発現の増加そして/または表6の最後のカラムに正の数値で表示される該遺伝子産物の発現減少は該被験体が肺癌に罹患していることを指摘する方法。
  2. 少なくとも40の遺伝子転写産物が測定される請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも60の遺伝子転写産物が測定される請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも70の遺伝子転写産物が測定される請求項1に記載の方法。
  5. 測定される前記遺伝子転写産物が表5に表示される、請求項1に記載の方法。
  6. 測定される前記遺伝子転写産物が表7に表示される、請求項1に記載の方法。
  7. 測定される前記遺伝子転写産物が表1に表示される請求項1に記載の方法において、該被験体が肺癌に罹患しているかどうかを決定するために、前記対照に比較した前期遺伝子産物の肺癌における発現の増減を表示した表1の3番目のカラムを用いる方法。
  8. 測定される前記遺伝子産物が少なくとも表3に記載される請求項7に記載の方法。
  9. 使用される前記転写産物が少なくとも表4に表示される転写産物である請求項7に記載の方法。
  10. 大気汚染物質に曝露された被験体において肺疾患を診断する方法であって、
    a)被験体から採取された鼻腔上皮サンプルにおける遺伝子グループの発現プロファイルを測定する工程、および
    b)該被験体発現プロファイルを、類似の大気汚染物質に曝露され、前記肺疾患に罹患していない一次対照被験体の発現プロファイル、および類似の大気汚染物質に曝露され、前記肺疾患に罹患する二次対照の発現プロファイルに比較する工程を有する方法であって、
    該被験体の前記発現プロファイルが、前記二次対照の発現プロファイルよりも前記一次対照の発現プロファイルに類似すれば、該被験体が肺疾患に罹患していないことを指摘し、該被験体の前記発現プロファイルが、前記一次対照の発現プロファイルよりも、前記二次対照の発現プロファイルに類似すれば、該被験体が前記肺疾患に罹患しているか、前記肺疾患を発症する危険性が高いことを指摘する方法。
  11. 前記遺伝子グループがGenBank識別番号のNM_003335; NM_000918;

    NM_020706; AI523613;そしてNM_014884から成るグループから選択された少なくとも30遺伝子を含む、請求項7に記載の方法。
  12. 前記遺伝子グループが、GenBank 識別番号のNM_007062.1; NM_001281.1;


    そしてAF198444.1から成るグループから選択された遺伝子配列を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記遺伝子グループがGenBank 識別番号のNM_007062.1; NM_001281.1;

    NM_014128.1; AA133341; そしてAF198444.1から成る遺伝子グループから選択された遺伝子配列を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記グループがGenBankあるいはUnigene識別番号のNM_030757.1; R83000;

    そしてBC028912.1の遺伝子から成る遺伝子グループから選択された遺伝子の配列を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記グループがGenBankあるいはUnigene識別番号のNM_003335; NM_001319;

    AI523613; そしてNM_014884から成るグループから選択される遺伝子の配列を含むグループである、請求項1に記載の方法において、これらの遺伝子のうちの少なくとも5つの遺伝子の発現減少は、該被験体が肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  16. 前記グループがGenBank あるいはUnigene識別番号のNM_030757.1; R83000;

    そしてAF257099.1の遺伝子から成るグループから選択された遺伝子の配列を含む、請求項1に記載の方法において、これらの遺伝子のうちの少なくとも5つの遺伝子の発現減少は、該被験体が肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  17. 請求項1に記載の方法において、前記グループは以下のGenBank あるいはUnigene識別番号の遺伝子から成るグループから選択される遺伝子の配列を含むグループであってそれらの遺伝子識別番号とはBF218804; AK022494.1;

    AK025651.1; AA133341; そしてAF198444.1であり、これらの遺伝子のうちの少なくとも5遺伝子の発現減少は該被験体が前記肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  18. 請求項1に記載の方法において、前記グループが以下のGenBankあるいはUnigene識別番号からなるグループから選択される遺伝子の配列を含むグループであって、それらの識別番号とはすなわち、NM−000918; NM_006430.1;

    そしてNM_018509であり、これらの遺伝子のうちの少なくとも5遺伝子の発現増加は該被験体が前記肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  19. 請求項1に記載の方法において、前記グループが以下のGenBankあるいはUnigene識別番号の遺伝子から成るグループから選択された遺伝子の配列を含むグループであって、それらの識別番号とは、NM−014182.1;

    そしてBC028912.1であり、これらの遺伝子のうちの少なくとも5遺伝子の発現増加は、該被験体が前記肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  20. 請求項4−7に記載の方法において、前記グループが以下のGenBank あるいはUnigene識別番号の遺伝子から成るグループから選択される遺伝子の配列を含むがそれらの識別番号とは、NM_007062.1;

    そしてAB014576.1であり、これらの遺伝子のうちの少なくとも5遺伝子の発現増加は、該被験体が肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  21. 請求項1に記載の方法であって、前記グループがグループ1とグループ2から選択される遺伝子の配列の5−9個を含む方法であって、グループ1はGenBank またはUnigene識別番号が


    そしてNM_0148884の遺伝子からなり、グループ2がGenBankあるいはUnigeneの識別番号がNM_000918; NM_006430.1; NM_00416.1; NM_004090;

    そしてNM_018509の遺伝子から成り、そしてグループ3とグループ4から選択された少なくとも20個の遺伝子のグループを含み、グループ3はGenBankあるいはUnigene 識別番号がBF218804;

    とAF198444.1の遺伝子からなり、グループ4はGenBankあるいはUnigene識別番号がNM_007062.1;

    の遺伝子からなる方法。
  22. 請求項20に記載の方法において、グループ1のいずれか一つの遺伝子の発現減少、グループ2のいずれか一つの遺伝子の発現増加、グループ3の遺伝子の発現減少そしてグループ4の遺伝子の発現増加は該被験体が肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  23. 請求項1に記載の方法において、前記グループがグループ5とグループ6から選択される遺伝子の5−9個の配列を含み、グループ5はGenBankまたはUnigeneの識別番号がNM_030757.1; R83000; AK021571.1; NM_17932.1; U85430.1; AI683552; BC002642.1;


    (Unigene ID); AF365931.1; そしてAF257099.1の遺伝子から成り、グループ6はGenBank あるいはUnigene識別番号がNM_014182.1; NM_001281.1; NM_024006.1; AF135421.1; L76200.1;

    BC048096;とBC028912.1の遺伝子から成り、そして、グループ3とグループ4から選択される少なくとも20個の遺伝子を含み、グループ3はGenBankまたはUnigene識別番号のBF218804; AK022494.1;

    AK025651.1; AA133341; とAF198444.1 の遺伝子から成り、グループ4はGenBankあるいはUnigeneの識別番号がNM_007062.1; NM_001281.1; BC000120.1; NM_014155.1;

    とAB014576.1の遺伝子から成り、グループ5の遺伝子発現減少とグループ6の遺伝子の発現増加、そしてグループ3の遺伝子の減少とグループ4の遺伝子の増加は該被験体が肺疾患に罹患していることを指摘する方法。
  24. 請求項1に記載の方法において、前記転写産物が、CYP1B1; AKR1B10; CYP1B1;CYP1A1; CYP1B1; CEACAM5;


    である方法。
  25. 請求項1に記載の方法において、前記転写産物が次の転写産物からから成るグループから選択される方法:
  26. 請求項1に記載の方法であって、前記転写産物が次の転写産物から成るグループから選択される方法:
  27. 請求項1に記載の方法であって、前記転写産物が次の転写産物から成るグループから選択される方法:

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