JP2009527541A - 腸管αグルコシダーゼ阻害剤ならびにその単離方法およびその使用 - Google Patents

腸管αグルコシダーゼ阻害剤ならびにその単離方法およびその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、インド産薬用植物ソリザヤノキから単離されたαグルコシダーゼ阻害剤を提供する。特に、本発明は、ソリザヤノキのヘキサンおよびアセトン画分を提供し、ヘキサン画分は、オロキシリンA、クリシンおよびバイカレインというαグルコシダーゼ活性化合物を含み、アセトン画分は、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルという化合物を含む。本発明はまた、ソリザヤノキの前記へキサンおよびアセトン画分から、αグルコシダーゼ阻害活性化合物を単離する方法にも関する。本発明はまた、強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤の、食後高血糖、糖尿病における高血糖および関連疾患、肥満、ならびに、高血糖抑制およびαグルコシダーゼ活性の阻害を必要とする病状の予防および治療のための抗高血糖剤として、医薬品、食品、健康食品および特定保健用食品に使用することのできる有効成分としての、強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤の使用も提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インド産薬用植物ソリザヤノキ(Oroxylum indicum)(モクコチョウ)から単離されたαグルコシダーゼ阻害剤に関するものである。特に、本発明は、ソリザヤノキのヘキサンおよびアセトン画分に関するものであり、ヘキサン画分はオロキシリンA、クリシンおよびバイカレインというαグルコシダーゼ活性化合物を含み、アセトン画分はオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルという化合物を含む。本発明はまた、ソリザヤノキの前記へキサンおよびアセトン画分から、αグルコシダーゼ阻害活性化合物を単離する方法にも関するものである。
本発明はまた、これらの強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤の、食後高血糖、糖尿病における高血糖および関連疾患、肥満、ならびに、高血糖抑制およびαグルコシダーゼ活性の阻害を必要とする病状の予防および治療のための抗高血糖剤として、医薬品、食品、健康食品および特定保健用食品に使用することのできる有効成分としての使用にも関するものである。
世界的に人口あたりの糖尿病、肥満および高脂血症の発生率は高く、増加し続けている。西洋の習慣や生活様式の取り入れと共に世界経済の繁栄が、これらの疾患を世界的まん延に向かわせている。糖尿病は、高齢化および肥満人口の増加と共に拡大している最も重篤な慢性疾患の一つである。糖尿病症候群の治療用に開発された薬剤はあるが、今日でも糖尿病患者への対応において最も難しい目標は、血中グルコース濃度をできるかぎり正常に近づけることである。さらに、食後高血糖または高インスリン血症は、糖尿病の大血管性合併症発生の独立危険因子である。この炭水化物代謝依存性疾患、特に、食後高血糖を抑制するための合理的な方法は、炭水化物の消化を緩慢にすることにより、炭水化物の消化によって放出されるグルコースの吸収を遅らせることである。この課題を達成するための最も実行可能かつ合理的な方法は、炭水化物加水分解酵素、より具体的には、腸管αグルコシダーゼの活性を制限することである。腸管αグルコシダーゼは、炭水化物の消化、従ってグルコースの吸収に重要な役割を果たしている。そのため、腸管αグルコシダーゼを阻害することで、食後高血糖負荷を抑制する、潜在的且つ有効な機会が提供される。アカルボース、ミグリトールおよびボグリボースのような薬剤は、主に炭水化物消化酵素αグルコシダーゼを阻害することによってグルコースの吸収を遅らせることにより食後高血糖を低下させることが知られており(ムーラルディアンAD(Moorardian AD)およびサーマンJE(Thurman JE)、Drugs 57、1999、p.19-29(非特許文献1))、現在、糖尿病および肥満患者のための医薬品として臨床的に使用されている。さらに、腸管αグルコシダーゼ阻害剤は、体重管理、体重増加の予防、減量、ならびに、肥満および関連疾患の治療および予防にも推奨されている(ロスナー・ハーベイ(Rosner Harvey)、米国特許第2004122054号(特許文献1))。
前記αグルコシダーゼ阻害剤は診療に使用されているが、腹痛、鼓腸、下痢などの結腸における副作用があるため、その用途には限界がある(Rウチダ(Uchida, R)、Aナス(Nasu, A)ら、Chem..Pharm.Bull 47、1999、p.187-193(非特許文献2))。
米国特許第2004122054号明細書 ムーラルディアンADおよびサーマンJE、Drugs 57、1999、p.19-29. Rウチダ、Aナスら、Chem..Pharm.Bull 47、1999、p.187-193.
よって、このような限界があるため、天然源、特に、薬用植物から得られる植物化学物質による療法を模索したり、増え続ける患者たちが将来現行の治療法に耐性を生じる可能性があるためそれらの備蓄を増加したりする緊急の必要性があると思われる。
天然源を篩い分けることにより、人類は、前記疾患の治療のみならず予防においても大きな役割を果たす多くの臨床的に有用な薬剤を発見してきた。したがって、糖尿病、肥満および関連心血管系障害の蔓延ならびに薬物耐性の臨床的重要性が増すことにより、学界にさらなる責務が課されることによって、相当な量の活性化合物を含有する新規の天然資源を同定し、それらを薬剤として開発することが緊急の課題となっている。前記の点を踏まえ、食後高血糖および糖尿病における高血糖状態の抑制ならびに体重増加の予防、減量の促進、肥満および関連疾患の予防および治療における体重の抑制のための腸管αグルコシダーゼ阻害剤を探し求めた結果、強力な哺乳類腸管αグルコシダーゼ阻害剤を相当な収量で含むソリザヤノキを初めて同定するに至った。
ソリザヤノキ(Oroxylum indicum Vent)は、インドの伝統的な医療において、数種類の疾患に対して推奨されてきた。インドの民間伝承医学では、その粉末茎皮が、赤痢、下痢、咽喉炎、咳、骨折の治療に使用される(カウシクP(Kausik,P)およびダーマンA.K.(Dhaman A.K.)著、「インドの薬用植物および生薬(The medicinal plants and crude drugs of India)」、2000、p.398)。
本発明は、強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤を含む混合物の同定およびソリザヤノキの活性抽出物からの強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤分子の単離に関するものであり、これらは、食後高血糖や糖尿病症候群における高血糖状態の抑制、肥満におけるその他の合併症と共に体重管理および減量のための予防および治療に応用され、さらにまた、αグルコシダーゼ阻害が本明細書に記載されていない疾患の予防および治療に重要な役割を果たす障害において使用してもよい。
本発明において、我々は、強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤を有するインド産薬用植物ソリザヤノキを同定する。ソリザヤノキの乾燥茎皮のヘキサン抽出物は、オロキシリンA、クリシン、バイカレインと同定された三大有効成分の95%を構成し、アセトン抽出物は、五大有効成分を含有し、これはオロキシリンA、クリシン、バイカレインのほかに、相当な収量で、さらに二つの化合物、すなわち新腸管αグルコシダーゼ阻害剤であるオロキシロシドメチルエステルおよびメトキシクリシンを含有する。これらの混合物および分子は、食後高血糖、糖尿病における高血糖状態および肥満、ならびにαグルコシダーゼ酵素の阻害を必要とする障害および疾患を抑制する際に、予防および治療に応用される。
[適用、投与、処方:−]
これらの腸管αグルコシダーゼ阻害剤は、食後高血糖の抑制、糖尿病における高血糖状態の治療、肥満および本発明に記載されていない疾患の予防および治療のためにαグルコシダーゼの阻害を必要とする病状における体重およびその他の危険因子の抑制および低減のための薬務において一般的な任意の適切な従来法によって適用または投与し得る。
ヒト、動物および/または獣医学的に適用するには、場合によって、腸管αグルコシダーゼ阻害性混合物または分子は、αグルコシダーゼ酵素のその基質である炭水化物に対する作用を阻害し、作用機序を増強し、それによってより優れた治療効果を得るために、各食事または軽食に先立ってまたは約半時間前に経口摂取するのが好ましい。
本発明の腸管αグルコシダーゼ阻害性混合物または混合物中に存在する化合物は、ヒトへの適用に適した、薬学的に許容できる適切な添加剤、担体、賦形剤、食品製剤などのいずれと共に処方してもよい。これらの材料は、前記混合物または化合物の効能および特性を妨げないように選択すべきであるが、その活性を増強または改善することのできる材料が好ましく、従来技術および処方集において入手できる技量により決定してもよい。
[有効量:−]
有効量レベルおよび投薬期間は、対象疾患の治療パラメータを管理下におくために、当業者が決定してもよい。実際の適用速度、適用量および投与時間は、病状および重症度によって変えてもよく、本発明の実施例において説明されるように濃度および期間と無関係であってもよい。
[本発明の目的]
本発明の主要目的は、強力な腸管αグルコシダーゼ阻害特性を有する活性抽出物を提供することである。
本発明の別の目的は、有望な抽出物、すなわちヘキサン抽出物およびアセトン抽出物から得られる有効成分を腸管αグルコシダーゼ阻害剤として提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ソリザヤノキの活性ヘキサン/アセトン抽出物から、腸管αグルコシダーゼ阻害剤として有効成分を、オロキシリンA、バイカレイン、クリシン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルとして単離する方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、腸管αグルコシダーゼ阻害剤としての新規活性を、植物ソリザヤノキのアセトン抽出物またはヘキサン抽出物から単離した化合物であるオロキシリンA、クリシン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルに帰属させることである。
本発明のさらに別の目的は、食後高血糖および糖尿病におけるグルコース濃度上昇の抑制ならびに肥満における体重管理のための腸管αグルコシダーゼ阻害剤としての、ソリザヤノキのヘキサンおよび/またはアセトン抽出物ならびにこれらの抽出物から単離された化合物の治療用途を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、αグルコシダーゼ酵素の阻害を伴う疾患の予防および治療のためのαグルコシダーゼ阻害剤として、ソリザヤノキからの活性抽出物および分子を治療上の使用に供することである。
[本発明の要旨]
したがって、本発明は、植物ソリザヤノキから得られるαグルコシダーゼ阻害活性画分を提供する。
本発明の一実施形態において、前記αグルコシダーゼ阻害活性画分は、植物ソリザヤノキのヘキサンおよびアセトン抽出物から選択される。
さらに別の実施形態において、植物ソリザヤノキのヘキサン抽出物は、活性化合物であるオロキシリンA、クリシンおよびバイカレインならびに未同定化合物を、約60:10:25:5.0(重量%)の割合で含む。
さらに別の実施形態において、アセトン抽出物は、活性化合物であるオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシン、オロキシロシドメチルエステルならびに未同定化合物を約6.7:8.3:50:16.7:13.3:5.0(重量%)の割合で含む。
さらに別の実施形態において、ソリザヤノキのヘキサン/アセトン抽出物のインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、84〜125μg/mLの範囲にある。
さらに別の実施形態において、植物ソリザヤノキのヘキサン画分は、約85μg/mLのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50を示す。
さらに別の実施形態において、植物ソリザヤノキのアセトン抽出物は、約124μg/mLのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50を示す。
本発明はさらに、植物ソリザヤノキのヘキサンおよび/またはアセトン抽出物からαグルコシダーゼ阻害活性化合物を単離する方法を提供するものであって、この方法は、ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンおよび/またはアセトンで抽出し、得られたヘキサンまたはアセトン抽出物をろ過してその残渣を得、続いてこの得られた残渣をクロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中1〜5%メタノールで溶出し、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルという所望のαグルコシダーゼ阻害活性化合物を得ることを含む。
本発明の一実施形態において、植物ソリザヤノキのヘキサン抽出物からのαグルコシダーゼ阻害活性化合物の単離は、次の工程を含む。
a)ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンで抽出し、得られたヘキサン抽出物の濃縮およびろ過により、残渣を得る工程
b)工程(a)で得た残渣を、クロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中約1%メタノールで溶出し、オロキシラムAおよび残渣を得る工程
c)工程(b)で得た残渣を、クロロホルム中2%メタノールで溶出し、クリシンを得る工程、ならびに
d)この残留残渣を、さらにクロロホルム中3%メタノールで溶出し、バイカレインを得る工程。
さらに別の実施形態において、植物ソリザヤノキのアセトン抽出物からのαグルコシダーゼ阻害活性化合物の単離は、次の工程を含む。
a)ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンおよびアセトンでそれぞれ連続して抽出し、得られたアセトン抽出物を蒸発させて、暗褐色残渣を得る工程
b)工程(a)で得た残渣を、クロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中約1%メタノールで溶出し、オロキシラムAおよび残渣を得る工程
c)工程(b)で得た残渣を、クロロホルム中2%メタノールで溶出し、クリシンおよび残渣を得る工程
d)工程(c)で得た残渣を、クロロホルム中3%メタノールで溶出し、バイカレインを得る工程
e)工程(d)で得た残渣を、クロロホルム中4%メタノールで溶出し、メトキシクリシンを得る工程、ならびに
f)この残留残渣を、クロロホルム中5%メタノールで溶出し、オロキシロシドメチルエステルを得る工程。
さらに別の実施形態において、得られたオロキシリンAの収率は、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約60%である。
さらに別の実施形態において、得られたクリシンの収率は、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約10%である。
さらに別の実施形態において、得られたメトキシクリシンの収率は、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約13.3%である。
さらに別の実施形態において、得られたオロキシロシドメチルエステルの収率は、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約16.7%である。
さらに別の実施形態において、得られたαグルコシダーゼ阻害活性化合物の純度は、約95%である。
さらに別の実施形態において、オロキシリンAのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、25.90μg/mLである。
さらに別の実施形態において、クリシンのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、57.59μg/mLである。
さらに別の実施形態において、バイカレインのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、38.71μg/mLである。
さらに別の実施形態において、メトキシクリシンのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、95.39.71μg/mLである。
さらに別の実施形態において、オロキシロシドメチルエステルのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50は、97.31μg/mLである。
本発明はさらに、ソリザヤノキのヘキサンおよび/もしくはアセトン画分またはオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシン、オロキシロシドメチルエステルおよびそれらの混合物から選択されるαグルコシダーゼ阻害活性化合物を、任意に、薬学的に許容できる担体、アジュバントおよび/または希釈剤とともに含む薬学的組成物を提供する。
ソリザヤノキのヘキサンおよび/もしくはアセトン抽出物をそのまま、または、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルから選択される前記抽出物から単離された活性化合物を、任意に、薬学的に許容できる担体、アジュバントおよび/または希釈剤とともに、食後高血糖、高血糖、糖尿病、肥満および高血糖抑制を必要とする病状の治療のために投与することを含む、対象者におけるアルファグルコシダーゼ阻害化合物の使用。
本発明はさらに、ソリザヤノキのヘキサンおよび/もしくはアセトン抽出物をそのまま、またはオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルから選択される前記抽出物から単離された活性化合物を、任意に、薬学的に許容できる担体、アジュバントおよび/または希釈剤とともに、食後高血糖、高血糖、糖尿病、肥満および高血糖抑制を必要とする病状の治療のために投与することを含む、対象者におけるアルファグルコシダーゼ阻害化合物の使用を提供する。
本発明は、アセトン抽出物もしくはヘキサン抽出物から選択される腸管αグルコシダーゼ阻害剤を取り入れた薬学的組成物か、またはそれらの抽出物をそのまま投与することによって、対象者に腸管αグルコシダーゼ阻害を提供する方法を提供する。本発明は、腸管αグルコシダーゼ阻害剤として初めてソリザヤノキから単離されたオロキシリンAおよびクリシンについての新たな活性に関するものである。
[図面の簡単な説明]
本発明を添付図面によって説明する。図中、
図1は、オロキシリンA[5,7−ジヒドロキシ−6−メトキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。
図2は、クリシン[5,7−ジヒドロキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。
図3は、バイカレイン[5,6,7−トリヒドロキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。
図4は、メトキシクリシン[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。
図5は、オロキシロシドメチルエステル[3,4,5−トリヒドロキシ−6−(6−メトキシ−4−オキソ−2−フェニル−4−H−クロメン−7−イオロキシ)テトラヒドロピラン−2−カルボン酸メチルエステル]の式を示す。
[本発明の詳細な説明]
本発明の目的に従い、本発明は、新たな供給源、すなわち、相当な量の腸管αグルコシダーゼ阻害活性成分を有するソリザヤノキ乾燥茎皮を同定した。
発明はさらに、腸管αグルコシダーゼ阻害剤を豊富に含有するソリザヤノキの茎のアセトン抽出物およびへキサン抽出物を同定する。
発明はさらに、食後高血糖、糖尿病における高血糖および関連病状の抑制のために適用および/または投与することのできる腸管αグルコシダーゼ阻害剤としての前記抽出物の使用を特定する。
本発明はさらに、肥満における体重の増加を抑制し低下を促進するための前記腸管αグルコシダーゼ阻害剤の使用を特定する。本発明は、ソリザヤノキのヘキサン抽出物から相当の収率(1.0%)で得られる混合物を同定し、この強力な腸管αグルコシダーゼ阻害性混合物が、オロキシリンA(収率60%)、クリシン(収率10%)およびバイカレイン(収率25%)として単離された有効成分の約95%を構成することを特定する。さらに本発明は、別の抽出物、すなわち、オロキシリンA(収率6.7%)、クリシン(収率8.3%)、バイカレイン(収率50%)とともに、ソリザヤノキから初めて単離された、オロキシロシドメチルエステル(収率13.3%)という新たな天然腸管αグルコシダーゼ阻害剤および収率16.7%の7−メトキシクリシンと同定された別の腸管αグルコシダーゼ阻害剤を含有する強力な腸管αグルコシダーゼ阻害剤を有するアセトン抽出物(収率1.5%)も同定する。さらに。
本発明は、これらのαグルコシダーゼ阻害剤の、本発明に記載された病状に限定されない疾患過程の予防および治療に、この酵素の阻害が重要な役割を果たす病状における使用を特定する。さらにまた、本発明の目的に従い、本発明は、腸管αグルコシダーゼ阻害性を有するヘキサン抽出物における主要活性分子としてオロキシリンA、クリシンおよびバイカレインを同定した。
発明はさらに、オロキシリンAを、腸管αグルコシダーゼ阻害剤としてのヘキサン抽出物中の主要有効成分であるバイカレイン、クリシン、オロキシリンAよりも優れた腸管αグルコシダーゼ阻害剤として同定する。
本発明の目的に従い、本発明はさらに、腸管αグルコシダーゼ阻害活性として存在するソリザヤノキ乾燥茎皮のアセトン抽出物も同定する。
本発明は、アセトン抽出物において腸管αグルコシダーゼ阻害性を示す主要活性分子としてオロキシリンA、バイカレイン、クリシン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルの存在を特定する。
本発明はまた、ソリザヤノキのアセトン抽出物から得られる新しい天然化合物としてオロキシロシドメチルエステルを初めて同定する。
本発明の一特徴において、化合物メトキシクリシンは、ソリザヤノキのアセトン抽出物から初めて単離される。
本発明の別の特徴において、オロキシロシドメチルエステルは、腸管αグルコシダーゼ阻害力を有する。
本発明のさらに別の特徴において、化合物メトキシクリシンは、腸管αグルコシダーゼ阻害性を有する。
本発明のさらに別の特徴において、オロキシリンA、クリシンおよびバイカレインも腸管αグルコシダーゼ阻害性を有する。
本発明は、ソリザヤノキから得られる腸管αグルコシダーゼ阻害剤としてオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルを単離する方法を提供し、この方法は次の工程(1)を含む。
a)ソリザヤノキの乾燥茎皮のヘキサンによる抽出
b)抽出物をろ過し、固体を分離させた。
c)この残渣のクロロホルム中1%メタノールによる第一の溶出によりオロキシラムAを得ること
d)この残渣(工程c)のクロロホルム中2%メタノールによる第二の溶出によりクリシンを得ること
e)この残渣(工程d)のクロロホルム中3%メタノールによる第三の溶出によりバイカレインを得ること。
本発明のさらなる目的は、これらの三つの化合物、すなわち、オロキシリンA、クリシンおよびバイカレインをソリザヤノキのヘキサン抽出物から単離することに関する。
さらにまた、ソリザヤノキから単離したこれらの化合物すべてが、腸管αグルコシダーゼ阻害を初めて示す。
さらにまた、ソリザヤノキの乾燥茎皮のアセトンによる抽出、ならびに、オロキシンA、クリシンおよびバイカレインとともに化合物メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルを単離する方法であり、この方法は次の工程を比較する。
a)前記抽出物から残渣を得る工程
b)この残渣のクロロホルム中1%メタノールによる第一の溶出によりオロキシラムAを得る工程
c)この残渣(工程b)のクロロホルム中2%メタノールによる第二の溶出によりクリシンを得る工程
d)この残渣(工程c)のクロロホルム中3%メタノールによる第三の溶出によりバイカレインを得る工程
e)この残渣(工程d)のクロロホルム中4%メタノールによる第四の溶出によりメトキシクリシンを得る工程
f)この残渣(工程e)のクロロホルム中5%メタノールによる第五の溶出によりオロキシロシドメチルエステルを得る工程。
本発明のさらなる目的は、これら五つの化合物、すなわち、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルの、腸管αグルコシダーゼ阻害を示すアセトン抽出物からの初めての単離に関する。さらに発明は、化合物メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルの、全く新規な供給源であるソリザヤノキからの単離に関する。
本発明のさらに別の目的は、第五の化合物、すなわち、7−O−β−D−グルクロノピラノシド誘導体であるオロキシロシドメチルエステルの、全く新規な化合物としてのソリザヤノキからの単離に関する。
さらにまた、ソリザヤノキから得られるこれらすべての化合物は、初めて腸管αグルコシダーゼ阻害を示す。
本発明はまた、αグルコシダーゼ阻害の治療活性に関連した、食後高血糖および糖尿病における高血糖状態の抑制、ならびに、糖尿病および肥満の原因および経過の予防および治療に使用する前記抽出物および化合物に帰属する新しい活性も提供する。
本発明はさらに、αグルコシダーゼ酵素の阻害が、αグルコシダーゼ酵素の阻害を伴う疾患予防および治療に有益な効果を与える病状における、前記αグルコシダーゼ阻害剤としての使用に道を開く。
本発明はまた、初めて、新規な供給源、すなわち、ソリザヤノキからの、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルの相当な収率での単離も提供する。
本発明の別の特徴において、ソリザヤノキから得られたオロキシラムAは、以下の分光化学的および物理的性質を有する。
MP:231〜232℃。IR(KBr)vmax3435、2825、1622、1016cm-11H NMR(200MHz、CDCl3+MeOH−d4)(δ)7.82−7.86(2H、m、H−2’、6’)、7.42−7.56(3H、m、H−3’、4’、5’)、6.62(1H、s、H−8)、6.58(1H、s、H−3)、3.96(3H、s、Ar−OMe)。13C NMR(50MHz、DMSOd6)δ163.37(C−2)、104.46(C−3)、182.31(C−4)、152.64(C−5)、130.80(C−6)、157.62(C−7)、94.49(C−8)、152.79(C−9)、104.71(C−10)、131.60(C−1’)、126.42(C−2’)、129.20(C−3’)、132.06(C−4’)、60.06(OMe)。EIMS:284(M+、100)。
本発明の別の実施形態において、ソリザヤノキから得られたクリシンは、以下の分光化学的および物理的性質を有する。
MP:285〜286℃。IR(KBr)vmax3450、2925、1626、1024cm-11H NMR(400MHz、CDCl3+MeOH−d4)(δ)7.82−7.92(2H、m、H−2’、6’)、7.44−7.58(3H、m、H−3’、4’、5’)、6.64(1H、s、H−8)、6.44(1H、s、H−3)、6.24(1H、s、H−6)。13C NMR(50MHz、DMSOd6)δ163.0(C−2)、105.0(C−3)、181.6(C−4)、161.5(C−5)、99.0(C−6)、164.3(C−7)、94.0(C−8)、157.3(C−9)、104.0(C−10)、138.7(C−1’)、126.1(C−2’)、128.8(C−3’)、131.6(C−4’)、128.8(C−5’)、126.1(C−6’)。EIMS:M+254。
本発明の別の実施形態において、ソリザヤノキから得られたバイカレインは、以下の分光化学的および物理的性質を有する。
MP:223〜226℃。IR(KBr)vmax3450、2920、1622、1024cm-11H NMR(400MHz、CDCl3+CDCl3)(δ)7.82−7.98(2H、m、H−2’、6’)、7.44−7.60(3H、m、H−3’、4’、5’)、6.62(1H、s、H−8)、6.58(1H、s、H−3)。13C NMR(50MHz、DMSOd6)δ162.9(C−2)、104.5(C−3)、182.1(C−4)、147.0(C−5)、129.3(C−6)、153.7(C−7)、94.0(C−8)、149.9(C−9)、104.3(C−10)、131.0(C−1’)、126.2(C−2’)、129.0(C−3’)、131.7(C−4’)、129.0(C−5’)、126.2(C−6)。EIMS:270(M+、100)。
本発明の別の実施形態において、ソリザヤノキから得られたメトキシクリシンは、以下の分光化学的および物理的性質を有する。
MP:164℃。(KBr)vmax3450、2925、1654、1621、1016cm-11H NMR(200MHz、CDCl3)(δ)13.0(1H、s、OH−5)、7.82−7.96(2H、m、H−2’、6’)、7.44−7.60(3H、m、H−3’、4’、5’)、6.62(1H、s、H−8)、6.60(1H、s、H−3)、6.58(1H、s、H−6)、3.96(3H、s、OMe)。13C NMR(300MHz、CDCl3)(δ)164.08(C−2)、105.04(C−3)、182.88(C−4)、164.08(C−5)、93.97(C−6)、153.31(C−7)、93.97(C−8)、153.31(C−9)、105.50(C−10)、130.96(C−1’)、126.24(C−2’)、128.88(C−3’)、131.26(C−4’)、128.88(C−5’)、126.24(C−6’)、60.63(Ar−OMe)。EIMS:192(M+、100)。
本発明の別の実施形態において、ソリザヤノキから得られたオロキシロシドメチルエステルは、以下の分光化学的および物理的性質を有する。
MP:201℃。UVλmax(MeOH)345、285nm。IR(KBr)vmax3395、2924、1735(エステル−C=O)、1618(−C=O)、1461、1359、1224、1076cm-11H NMR(200MHz、DMSO−d6)(δ)
12.78(1H、s、OH−5)、7.90−8.0(2H、m、H−2’、6’)、7.48−7.60(3H、m、H−3’、4’、5’)、6.84(1H、s、H−8)、6.80(1H、s、H−3)、3.4−5.50(m、糖プロトン)、3.78(3H、s、OMe)、3.82(3H、s、Ar−OMe)。13C NMR(300MHz、DMSO−d6)(δ)163.72(C−2)、104.95(C−3)、182.37(C−4)、152.52(C−5)、132.04(C−6)、156.08(C−7)、94.07(C−8)、152.17(C−9)、106.12(C−10)、130.59(C−1’)、126.35(C−2’、6’)、129.03(C−3’、5’)、132.06(C−4’)、99.49(C−1’’)、75.60(C−2’’)、75.25(C−3’’)、72.77(C−4’’)、71.18(C−5’’)、168.96(C−6’’)、60.21(Ar−OMe)、51.81(OMe)。EIMS:475(M++1、100)。
以下の実施例は、例として提示されるものであり、したがって本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
[実験プロトコール:オロキシリンA、クリシンおよびバイカレインの単離方法]
乾燥粉末茎皮(200g)を、まずガソリンを用いてソックスレー装置で脱脂した。そのヘキサン抽出物をろ過したところ、淡黄色の粉末固体が得られた。この固体(2g)を、シリカゲル(60〜120メッシュ)を60cmの高さまで充填した直径3.5cmのカラム上クロマトグラフィにかけた。
続いてこのカラムを、クロロホルム中1%メタノールで溶出し、オロキシリンAを得た。
オロキシリンAの収量は、約1.2gである。
前記カラムをクロロホルム中2%メタノールでさらに溶出し、クリシンを得た。
クリシンの収量は、約0.2gである。
前記カラムを、クロロホルム中3%メタノールでさらに溶出し、バイカレインを得た。
バイカレインの収量は、約0.5gである。
ヘキサン画分中の未同定化合物と共に三つの活性化合物について、オロキシリンA、クリシン、バイカレインおよび未同定化合物などの割合は、60:10:25:5.0である。
[メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルの単離方法:]
前記乾燥粉末茎皮(200g)を、ヘキサンおよびアセトンで連続して抽出した。アセトン抽出物を蒸発させることにより、暗褐色残渣(3g)を得た。この残渣を、シリカゲル(60〜120メッシュ)を60cmの高さまで充填した直径3.5cmのカラム上クロマトグラフィにかけた。オロキシリンA、クリシンおよびバイカレインのほかに、さらに二つの化合物、すなわち、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルが、以下のように単離された。
続いて、前記カラムを、クロロホルム中1%メタノールで溶出し、オロキシリンAを得た。
オロキシリンAの収量は、約0.2gである。
前記カラムをクロロホルム中2%メタノールでさらに溶出し、クリシンを得た。
クリシンの収量は、約0.25gである。
前記カラムをクロロホルム中3%メタノールでさらに溶出し得た。
バイカレインの収量は、約1.5gである。
前記溶出を引き続いてクロロホルム中4%メタノールでさらに溶出し、メトキシクリシンを得る。
メトキシクリシンの収量は、約0.5gである。
カラムをクロロホルム中5%メタノールでさらに溶出し、オロキシロシドメチルエステルを得る。オロキシロシドメチルエステルの収量は、約0.4gである。
前記化合物はすべて、純度95%で単離された。
アセトン画分中の未同定化合物と共に五つの活性化合物について、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシン、オロキシロシドメチルエステルおよび未同定化合物の割合は、6.7:8.3:50:16.7:13.3:5.0.fである。
前記化合物すべての石油化学的および物理的性質は、前述している。
[腸管αグルコシダーゼ阻害の測定法:]
生理食塩水中、100:1(w/v)の割合のラット腸管アセトン粉末(シグマケミカルズ(sigma chemicals)、米国)を適切に超音波処理した。25℃で3000rpm×30分の遠心分離後得られた上清を、哺乳動物腸管αグルコシダーゼの原材料とした。抽出物または分子(DMSO中5mg/ml)から調製した10μLのテストサンプルを、100μLの100mMリン酸緩衝液(pH6.8)中、50μLの粗酵素とともに5分間インキュベートした。その後、50μLの基質(5mM、前記緩衝液中調製したp−ニトロフェニルα−D−グルコピラノシド)を添加した。5分間のインキュベーション後、放出されたp−ニトロフェノールを405nmで分光光度法により判定した。コントロールおよびブランクの判定を行うために、テストサンプルの代わりに10μLのDMSO、基質の代わりに50μLの緩衝液を添加した。着色化合物による干渉を補償するために、それらの個別のブランクを調製し、それによって分光光度による判定を評価した。阻害率を次式で算出し、

{1−(テストサンプルの吸光度/コントロールサンプルの吸光度)}×100

テストサンプルの50%阻害濃度(IC50)を、テストサンプル濃度の段階希釈液によって得られたデータから適切な回帰分析を適用することによって算出した。各テストサンプルおよび他のコントロールサンプルは、1サンプル3点方式で行った。
Figure 2009527541
図1は、オロキシリンA[5,7−ジヒドロキシ−6−メトキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。 図2は、クリシン[5,7−ジヒドロキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。 図3は、バイカレイン[5,6,7−トリヒドロキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。 図4は、メトキシクリシン[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−フェニル−クロメン−4−オン]の式を示す。 図5は、オロキシロシドメチルエステル[3,4,5−トリヒドロキシ−6−(6−メトキシ−4−オキソ−2−フェニル−4−H−クロメン−7−イオロキシ)テトラヒドロピラン−2−カルボン酸メチルエステル]の式を示す。

Claims (22)

  1. 植物ソリザヤノキから得られるαグルコシダーゼ阻害活性画分。
  2. 植物ソリザヤノキのヘキサンおよびアセトン抽出物から選択される、請求項1に記載のαグルコシダーゼ阻害活性画分。
  3. 植物ソリザヤノキの前記ヘキサン抽出物が、活性化合物であるオロキシリンA、クリシンおよびバイカレインならびに未同定化合物を、約60:10:25:5.0(重量%)の割合で含む、請求項1および2に記載のαグルコシダーゼ阻害活性画分。
  4. 前記アセトン抽出物が、活性化合物であるオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシン、オロキシロシドメチルエステルおよび未同定化合物を約6.7:8.3:50:16.7:13.3:5.0(重量%)の割合で含む、請求項1および2に記載のαグルコシダーゼ阻害活性画分。
  5. ソリザヤノキの前記ヘキサン/アセトン抽出物のインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、84〜125μg/mLの範囲にある、請求項1に記載の生理活性画分。
  6. 植物ソリザヤノキの前記ヘキサン画分が、約85μg/mLのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50を示す、請求項1に記載の生理活性画分。
  7. 植物ソリザヤノキの前記アセトン抽出物が、約124μg/mLのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50を示す、請求項1に記載の生理活性画分。
  8. 植物ソリザヤノキのヘキサンおよび/またはアセトン抽出物からαグルコシダーゼ阻害活性化合物を単離する方法であって、ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンおよび/またはアセトンで抽出し、得られたヘキサンまたはアセトン抽出物をろ過してその残渣を得、続いてこの得られた残渣をクロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中1〜5%メタノールで溶出し、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルという所望のαグルコシダーゼ阻害活性化合物を得ることを含む方法。
  9. 植物ソリザヤノキのヘキサン抽出物からのαグルコシダーゼ阻害活性化合物の単離が、
    a)ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンで抽出し、得られたヘキサン抽出物の濃縮およびろ過により、残渣を得る工程
    b)工程(a)で得た残渣を、クロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中約1%メタノールで溶出し、オロキシラムAおよび残渣を得る工程
    c)工程(b)で得た残渣を、クロロホルム中2%メタノールで溶出し、クリシンを得る工程、ならびに
    d)この残留残渣を、さらにクロロホルム中3%メタノールで溶出し、バイカレインを得る工程
    を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 植物ソリザヤノキのアセトン抽出物からのαグルコシダーゼ阻害活性化合物の単離が、
    a)ソリザヤノキの乾燥茎皮をガソリンで脱脂後、ヘキサンおよびアセトンでそれぞれ連続して抽出し、得られたアセトン抽出物を蒸発させて、暗褐色残渣を得る工程
    b)工程(a)で得た残渣を、クロマトグラフィーカラムにおいてクロロホルム中約1%メタノールで溶出し、オロキシラムAおよび残渣を得る工程
    c)工程(b)で得た残渣を、クロロホルム中2%メタノールで溶出し、クリシンおよび残渣を得る工程
    d)工程(c)で得た残渣を、クロロホルム中3%メタノールで溶出し、バイカレインを得る工程
    e)工程(d)で得た残渣を、クロロホルム中4%メタノールで溶出し、メトキシクリシンを得る工程、ならびに
    f)前記残留残渣を、クロロホルム中5%メタノールで溶出し、オロキシロシドメチルエステルを得る工程
    を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 得られたオロキシリンAの収率が、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約60%である、請求項8に記載の方法。
  12. 得られたクリシンの収率が、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約10%である、請求項8に記載の方法。
  13. 得られたメトキシクリシンの収率が、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約13.3%である、請求項8に記載の方法。
  14. 得られたオロキシロシドメチルエステルの収率が、ヘキサン抽出物の場合、乾燥茎皮に対して約16.7%である、請求項8に記載の方法。
  15. 得られたαグルコシダーゼ阻害活性化合物の純度が、約95%である、請求項8に記載の方法。
  16. オロキシリンAのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、25.90μg/mLである、請求項8に記載の方法。
  17. クリシンのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、57.59μg/mLである、請求項8に記載の方法。
  18. バイカレインのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、38.71μg/mLである、請求項8に記載の方法。
  19. メトキシクリシンのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、95.39.71μg/mLである、請求項8に記載の方法。
  20. オロキシロシドメチルエステルのインビトロαグルコシダーゼ阻害活性IC50が、97.31μg/mLである、請求項8に記載の方法。
  21. ソリザヤノキのヘキサンおよび/もしくはアセトン画分またはオロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシン、オロキシロシドメチルエステルおよびそれらの混合物から選択されるαグルコシダーゼ阻害活性化合物を、任意に、薬学的に許容できる担体、アジュバントおよび/または希釈剤とともに含む薬学的組成物。
  22. ソリザヤノキのヘキサンおよび/もしくはアセトン抽出物をそのまま、または、オロキシリンA、クリシン、バイカレイン、メトキシクリシンおよびオロキシロシドメチルエステルから選択される前記抽出物から単離された活性化合物を、任意に、薬学的に許容できる担体、アジュバントおよび/または希釈剤とともに、食後高血糖、高血糖、糖尿病、肥満および高血糖抑制を必要とする病状の治療のために投与することを含む、対象者におけるアルファグルコシダーゼ阻害化合物の使用。
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