JP2009525289A - 免疫調節特性を有する薬草抽出物 - Google Patents

免疫調節特性を有する薬草抽出物 Download PDF

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Abstract

本発明は、好ましくは高周波数のパルス電磁場による処理を含む、バラ属、セイヨウイラクサおよび/またはタンジーから薬草抽出物を調製する方法に関する。随意的にセレンおよび/または尿素を含む薬草抽出物は、たとえばHIV感染およびAIDSなどの免疫系の障害に関連する症状の治療に有用である。

Description

本発明は、好ましくはパルス電磁場による処理を含む、バラ属(Rosa sp.)、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)および/またはタンジー(Tanacetum vulgare)から薬草抽出物を調製するための方法に関する。本発明はさらに、随意的にセレンおよび/または尿素を含む、前記方法によって調製された薬草抽出物、および、免疫系障害に関連する疾患、好ましくはHIV感染およびAIDSの治療におけるその薬草抽出物の使用に関する。本発明はまた、医薬組成物およびキットに関する。
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる慢性の重篤な疾患である。このレトロウイルスはさらに特定することができ、HIV−1は西半球および欧州でのAIDSの原因であり、一方HIV−2はアフリカおよび東南アジアでのAIDSの主原因である。
より詳細には、AIDSはHIV感染の後期に発現する一連の症状によって特徴づけられる。治療無しでは、潜伏期間、すなわちHIV感染からAIDSの臨床的発現までの期間は、約10年間である。HIV感染は免疫系の進行性障害を引き起こし、最後には免疫不全を結果として生じる。結果的に、AIDSの最も重要な臨床症状は、日和見感染および、さらに、カポジ肉腫、HIV脳炎およびHIV消耗症候群などの特徴的な悪性病変である。免疫不全は、細胞性および体液性免疫の両方に必須であるCD4+T細胞の喪失に基づく。循環血中のCD4+Tリンパ球の定量分析は、流行の開始以来、HIV感染およびAIDSを検出および評価するための不可欠な方法である。疾患の重症度の決定、予後診断および治療的観察のためには、CD4+Tリンパ球の割合およびその経時的変化(傾き)が有用なパラメーターとして働く。
AIDSの最初の症例は、前世紀の80年代初頭に報告された。その間に、AIDSは世界に蔓延し、さらには、一部の地域、特に発展途上国の一部で流行している。今日、約4000万人がHIVに感染しており、うち約220万人が子どもである。2004年には、約500万件の新規感染が記録され、約310万人がAIDSで死亡し、うち51万人が子どもであった(世界保健機関WHOによる)。
1995年以来、AIDSの治療のための薬剤の数は3倍になっている。現在、効率の向上および副作用の減少をもたらす併用療法が一般に用いられている。新規の有効物質または医薬、および治療概念の開発は、疾患の進行の遅延、疾患後期の症状の逆行、および感染した母親から生まれる乳児の感染予防に成功した。3種類以上の薬剤を含む併用療法である、いわゆる「高活性抗レトロウイルス療法」(HAART)が標準治療となっている。HAARTはAIDSの進行を遅らせ、死亡率を低下させることが示された。通常、HAARTに含まれる薬剤のうち2種類は逆転写酵素を標的とし、1種類の薬剤はウイルスプロテアーゼを標的とする。確立された逆転写酵素阻害剤は、ジドブジン(AZT、Retrovir(登録商標))、ラミブジン(Epivir(登録商標))、およびジダノシン(Videx(登録商標))などのヌクレオシド類似体である。これらの転写酵素阻害剤は成長DNA鎖に組み込まれ、その結果、以降のDNA合成が阻まれる。たとえば、Viramune(登録商標)のように、別の機構によって酵素を阻害する、他の逆転写酵素阻害剤が知られている。プロテアーゼ阻害剤はウイルスプロテアーゼを遮断し、そのため新しいウイルスの組み立てに必要なタンパク質を大きいタンパク質前駆体から開裂させることができない。この種の薬剤の例として、インジナビル(Crixivan(登録商標))、サキナビル(Invirase(登録商標))、リトナビル(Norvir(登録商標))、およびメシル酸ネルフィナビル(Viracept(登録商標))が挙げられる。治療的介入に有用な他の薬剤は、たとえばエンフビルチド(Fuzeon(登録商標))などの融合阻害剤、およびインテグラーゼ阻害剤である。
HIV感染およびAIDSの治療における大きな進歩にもかかわらず、未だにいくつかの欠点および不利益が存在する。現在使用されている薬剤は非常に高価であり、したがって、それらは裕福な国々の資源を枯渇させるだけでなく、流行が猛威を振るう多数の貧しい国々ではまったく利用することができない。それらは多数の不快な副作用(たとえば吐き気、下痢)を有するが、それらはまた、重度の副作用(たとえば、時に致命的結果を伴う肝臓および膵臓障害)を示すこともある。それらは、たとえば一日に一ダース以上の錠剤(随伴する日和見感染に対応するのに必要なものを含めずに)といった非常に複雑な投薬計画を必要とする。最後に、患者に薬剤耐性ビリオンが発現することにより、それらはしばしば選択された効力を失う。
このため、AIDS症状の改善、AIDS発現の遅延および/またはHIV感染における介入を提供する、別の、改善された、または優れた医薬的手段が必要とされている。さらには、より費用効率的な医薬的手段が必要とされている。
したがって、ウイルス感染および関連する徴候および症状、好ましくはHIV感染およびAIDSの治療に有効な医薬活性組成物を提供することが本発明の目的である。
本発明の目的は、
(a)バラ属、および/またはセイヨウイラクサおよび/またはタンジーに由来する植物材料を提供し、
(b)前記植物材料を乾燥し、
(c)有機溶媒を加え、
(d)前記植物材料および前記有機溶媒の混合物をインキュベートし、
(e)薬草抽出物を得る、
各工程を有してなる、薬草抽出物の調製方法によって解決される。
ある実施の形態では、植物材料はバラ属、セイヨウイラクサおよびタンジーに由来する。
ある実施の形態では、バラ属に由来する植物材料は、カニナバラ(Rosa canina)に由来する。
ある実施の形態では、バラ属に由来する植物材料は果実である。
ある実施の形態では、セイヨウイラクサおよび/またはタンジーに由来する植物材料は葉および/または小茎である。
ある実施の形態では、工程(b)の乾燥は、約20〜50℃の、好ましくは約37〜45℃の、非常に好ましくは約42℃の温度にて実施される。
ある実施の形態では、工程(b)の乾燥は約3〜4日間、実施される。
ある実施の形態では、有機溶媒は、好ましくは約60〜96重量%の、より好ましくは約80〜96容積%の、非常に好ましくは約96容積%のエタノールである。
ある実施の形態では、工程(d)のインキュベートは、約20〜40日間、好ましくは約22〜38日間、非常に好ましくは約25〜35日間、実施される。
ある実施の形態では、工程(d)のインキュベートは、約20〜50℃の、好ましくは約37〜45℃の、非常に好ましくは約42℃の温度にて実施される。
ある実施の形態では、方法はさらに下記の工程を含む:
(f)セレンおよび/またはその有機または無機塩を加える。
ある実施の形態では、セレンは約1〜100mg/lの、好ましくは約5〜50mg/lの、非常に好ましくは約10〜20mg/lの遊離セレン濃度となるように加えられる。
ある実施の形態では、方法はさらに下記の工程を含む:
(g)尿素を加える。
ある実施の形態では、方法はさらに下記の工程を含む:
(h)薬草抽出物をパルス電磁場に曝露する。
ある実施の形態では、電磁場パルスは正弦波、方形および/または確率的形状を有する。
ある実施の形態では、パルス電磁場は、約5〜750kHzの、好ましくは約50〜350MHzの、非常に好ましくは約250MHzの範囲の周波数を有する。
ある実施の形態では、パルス電磁場は約10〜200ワットの、好ましくは約20〜100ワットの、非常に好ましくは約45ワットの範囲の出力を有する。
ある実施の形態では、パルス電磁場は、100〜150μテスラの範囲の磁場強度を有する。
ある実施の形態では、工程(h)の曝露は、約2〜5分間、実施される。
ある実施の形態では、工程(h)の曝露は、反復され、好ましくは3回実施される。
本発明の目的は、さらに、本発明に記載の方法で調製された薬草抽出物によって解決される。
本発明の目的は、対象の免疫系を刺激することを目的とした、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物の使用によってさらに解決される。
本発明の目的は、さらに、対象における免疫系障害に関連する疾患の治療用を目的とした、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物の使用によって解決される。
本発明の目的は、さらに、対象における免疫系障害に関連する疾患の治療用の医薬組成物の製造を目的とした、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物の使用によって解決される。
ある実施の形態では、疾患はHIV感染および/またはAIDSである。
前記使用についてのある実施の形態では、対象は脊椎動物、好ましくは哺乳動物、非常に好ましくはヒトである。
ある実施の形態では、対象は妊娠していない。
本発明の目的は、対象におけるウイルス感染の治療を目的とした、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物の使用によって解決される。
本発明の目的は、対象におけるウイルス感染の治療用の医薬組成物の製造を目的とした、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物の使用によって解決される。
ある実施の形態では、疾患はRNAウイルス感染、好ましくはレトロウイルス感染、非常に好ましくはHIV感染である。
前記使用についてのある実施の形態では、対象は脊椎動物、好ましくは哺乳動物、非常に好ましくはヒトである。
前記使用についてのある実施の形態では、対象は妊娠していない。
本発明の目的は、さらに、本発明に記載の方法で調製された、本発明に記載の薬草抽出物を含む医薬組成物によって解決される。
ある実施の形態では、医薬組成物は、医薬品として許容される担体をさらに含む。
ある実施の形態では、医薬組成物は、経口投与用に調製される。
本発明の目的は、さらに、本発明に記載の医薬組成物を含むキットによって解決される。
「確率的形状」の語は、電磁場パルスがノイズの形状であるという意味を含む。好ましくは、電磁場パルスは方形であり、内部の正弦波と組み合わされている。パルス電磁場の「出力」(ワット)は、たとえば有効電力を意味する。パルス電磁場の「磁場強度」(テスラ)の値はたとえばピークからピークまでを示す。
「免疫系の刺激」の効果および「免疫系障害」の症状は、本分野で公知の方法およびパラメーターを用いて測定することができる。これらの測定の標的は、Tリンパ球(CD4および/またはCD8Tリンパ球)、Bリンパ球、抗体および補体系の成分など、細胞性および体液性(antibody-mediated)免疫系の任意の成分でありうる。測定方法の一例は、FACS(蛍光標識細胞分取)分析である。CD4Tリンパ球は、細胞数または百分率で、非常に好ましくは時間依存的方法で測定されることが好ましい。
本明細書では「AIDS」の語は、HIV感染の後期に関連する特徴的徴候を有する臨床症状をいう。
本明細書では「RNAウイルス感染」の語は、RNAウイルス、好ましくはレトロウイルスによる感染をいう。本発明によって考慮されるRNAウイルスの例は、ポリオ、コクサッキー、カリシ、A型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、エンテロ、ライノ、風疹、CEE(中央ヨーロッパ脳炎)、インフルエンザ、RS(呼吸器合胞体)、パラインフルエンザ、麻疹、ムンプス、コロナ、アレナ、ラッサ、ブニヤ、ハンタ、ラブド、フィロ、ボルナ、HTLV(ヒトT細胞白血病)、およびロタウイルスである。
本明細書では「医薬組成物」の語は、本発明の薬草抽出物を含むことが意図されている。本発明の薬草抽出物の少なくとも1つの医薬活性成分および/または前記活性成分の少なくとも1つの誘導体または類似体およびその対応する塩を含む医薬組成物もまた考慮されている。
医薬組成物は、たとえば、液剤、シロップ、エリキシル、乳剤、および懸濁剤などの液体、または、カプセル、カプレット、錠剤、丸剤、粉剤、および坐剤などの固形状でありうる。顆粒または半固形状およびジェルキャップもまた考慮される。医薬組成物が液体または粉末である場合は、用量単位は、随意的に、たとえばスプーン一杯という用量単位で測定する。薬草抽出物または医薬活性成分に加えて、医薬組成物は、たとえば、香料、甘味料、色素、保存料、安定剤、着色料、賦形剤、懸濁剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤を含んでもよい。錠剤はたとえばコーティングされて差し支えない。注射用液体は無菌でなければならない。経皮送達系およびリポソーム系もまた考慮される。記載されるすべての製剤は、即時放出、遅延放出、および持続放出を対象としてもよい。
本明細書では「医薬品として許容される」の語は、少なくとも無毒性であることを意味する。本開示が意味する「医薬品として許容される担体」は、所望の投与経路に応じてさまざまな形態を取りうる。その用語は、水またはエタノールなどの従来の医薬希釈剤、およびコーンスターチ、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸一水素カルシウムまたはガムなどの従来の錠剤成分を含む。
本発明の医薬組成物の投与は、経口、舌下、非経口、経静脈、腹腔内、経鼻、経膣、直腸、皮下、皮内、筋肉内および局所など、さまざまな経路を使用して差し支えない。用量単位は、日、週、または月に1回または数回投与して構わない。送達もまた、たとえば注入または経皮徐放系を介して持続的に行なわれて差し支えない。
このように、本発明は、電磁場照射で処理された、バラ属、セイヨウイラクサおよび/またはタンジー由来の薬草抽出物の組合せを提供する。臨床データは、AIDSの治療における本抽出物の有益な効果を示した。in vitroおよび実験動物モデルの両方で実施された試験は、本抽出物が毒性、変異原性、または発がん性を示さないことを明らかにした。しかしながら、妊娠には禁忌である。
本発明を例示することを意図する下記の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、実施例は、請求項の対象または保護の範囲を限定する効果を有しないことが意図される。
実施例1:薬草粗抽出物の調製
セイヨウイラクサ(Urtica dioica)およびタンジー(Tanacetum vulgare)の葉および小茎を野外で採集する。有用部分を分離し、最初の洗浄後、材料を木製ざる上で、暗所にて3〜4日間、好ましくは42℃にて乾燥する。乾燥条件では、植物材料は変色無く緑色となり、葉および茎は脆くなる。抽出には、密閉ガラス容器を使用する。乾燥した植物材料を破砕して小片(2〜5cm)とし、ガラス容器に隙間が残らないように入れる。充填(圧縮)後、EtOH(96%;ここではエタノール溶液の%は容積%をいう))を、容器が完全に満たされるまで入れる。容器をインキュベーター(37〜45℃、好ましくは42℃)に20〜40日間、暗緑色の溶液が現れるまで入れる。
野バラ(カニナバラ)の抽出には、乾燥果実を使用する。別の実施形態では、バラ属の別種を代わりにまたは追加で使用してもよい。果実を密閉容器に半分まで入れ、EtOHを加える。容器をインキュベーター(37〜45℃、好ましくは42℃)で20〜40日間、橙赤色の抽出物が現れるまで保存する。
インキュベート期間後、植物材料が無色になったら、布フィルターを用いて植物材料から分離し、抽出物を回収する。
実施例2:電磁処理
カニナバラの抽出物を電磁場に3分間曝露する。次いで、照射したカニナバラ 抽出物50〜70mlを、2Lのセイヨウイラクサおよびタンジーの各抽出物にそれぞれ加える。合わせたセイヨウイラクサ/カニナバラおよびタンジー/カニナバラ抽出物それぞれ1L当たり、16mgのセレンおよび150mgの尿素を加える。別の実施形態では、セレンまたは尿素のどちらかを加える。次いで容器を再び密閉し、インキュベーターに24時間42℃にて保存する。インキュベート後、容器を電磁場に3分間ずつ4回曝露し、一緒に保管する。結果として得られる抽出物をそれぞれ5、0.45および0.22μmのフィルターに順に通し、滅菌バイアルに分注する。ラベル付けおよび包装後、薬草抽出物は使用できる状態である。
粗抽出物を曝露する電磁場は、パルス状で、強力であり、磁気インパルス発生機(Magnetic Impulse Generator)(MIG)装置で発生する電流の方向が変化しないという点で単極性である。パルス磁場は5kHz〜750kHzの範囲の非常に高い周波数を有する。この実施例では、方形のパルスが使用された。とはいえ、別の実施形態では、正弦波または確率的形状も同様に考慮される。パルスは方形であり、内部で正弦波と組み合わされることが好ましい。いずれの理論にも拘束さることを意図しないが、生じた特殊なパルスが、分子内の原子の物理的配列および/または分子の配列に何らかの変化を引き起こし、それによって化学的性質の変化をもたらすという仮説が立てられる。
薬草抽出物の調製では、高周波数の電磁パルスの照射を3〜4回、各2〜5分間、用いられる。パルスの電気出力(たとえば有効電力)は約20〜100ワットであり、最良の効果は45ワットにて得られる。
実施例3:前臨床試験
前臨床試験では、本発明の薬草抽出物を急性毒性および慢性毒性について試験した。薬物急性毒性を試験するために、BALB/cマウスおよびウィスターラットに単回筋肉内(i.m.)注射を行った。薬物慢性毒性を、ウィスターラットで3ヶ月間、イヌで1ヶ月間試験した。薬草抽出物の潜在的変異原性、胎児毒性、催奇形性、アレルゲン性、および免疫毒性、ならびに薬草抽出物の生殖機能に対する作用を調べた。
実施した実験の結果として、BALB/cマウスおよびウィスターラットへの単回i.m.注射後、本発明の薬草抽出物が低毒性薬物であることが明らかになった。急性毒性実験条件下では、生理食塩水で1:5に希釈して腹腔内(i.p.)投与された抽出物のLD50は、ラットで51〜54ml/kg、マウスで56〜59ml/kgであった。
BALB/cマウスまたはウィスターラットに薬草抽出物をi.m.またはi.p.注射した際、抽出物の毒性作用に対する被験動物の感度に特異的な差または性差は見られなかった。LD50に相当する用量でのBALB/cマウスおよびウィスターラットの中毒パターンは、エチルアルコール中毒のパターンと同様であった;エタノールは薬草抽出物調製において高濃度にて溶媒として使用された。ラットには、用量0.07および0.21ml/kg用量(ヒトの日用量より10および30倍多い)を1日1回、3ヶ月間、およびイヌには、0.07ml/kg用量(ヒトの日用量より10倍多い)を1日1回、1ヶ月間、i.m.投与後の薬草抽出物の慢性毒性を試験し、動物体の基本臓器および系には有害な作用は見られなかった。
本発明の薬草抽出物は明らかに変異原性を有せず、動物の生殖機能にも影響を及ぼさなかった。妊娠中のラット(妊娠1日目から出産まで)に薬草抽出物を0.21ml/kg用量で1日1回、i.m.投与した場合には、薬物は胎児毒性および催奇形性を示した。したがって、薬物は妊娠時禁忌である。
さらには、モルモットに0.07および0.14ml/kg用量を1日おきに10日間投与したが、薬草抽出物はアレルゲン性または免疫毒性を示さなかった。
結論として、毒性学的実験の結果、本発明の薬草抽出物が、妊娠時禁忌を考慮すれば、体系的な臨床試験に使用できることを示唆した。
3.1.急性毒性
試験は、128匹のBALB/cマウス(雄および雌、体重18〜20g)および47匹のウィスターラット(雄および雌、体重180〜220g)で、薬草抽出物のi.m.注射をマウスに、およびi.p.注射をマウスおよびラットに用いて行なわれた。薬草抽出物を滅菌生理食塩水で1:10および1:5に希釈し、次いでこれらの希釈液をさまざまな容量で被験動物に適用した。次いで14日間、調製物の考えうる毒性作用について実験動物を観察した。
被験動物への単回注射後の薬草抽出物の毒性は、2段階方式で決定された:最初に、概算LD50をDeihmanおよびLeblancの方法によって確立し、次いでLD16、LD50±SDおよびLD84の正確な指数をLitchfieldおよびWilcoxonに従ったプロビット分析によって決定した。
行なわれた実験により、BALB/cマウスに生理食塩水で1:10希釈した薬草抽出物を25〜50ml/kg用量で単回i.m.注射によっては動物の中毒および死亡を生じないことが明らかになった。用量を75〜100ml/kgに増加した場合は、運動活性の低下が見られたが、動物の死亡は見られなかった。生理食塩水で1:5希釈した薬草抽出物を25〜50ml/kg用量で注射した後は、疼痛、重篤な沈鬱状態および最終的に数時間後の動物死亡が生じた。マウスにおける薬草抽出物の中毒プロファイルは、薬草抽出物中に溶媒として高濃度で存在するエチルアルコール(37.3ml/kg)による中毒のプロファイルと同様であった。ウィスターラットの結果は、BALB/cマウスで観察されたものと同様であった。
Figure 2009525289
上記の表1に示すデータは、たとえば毒性定量評価のパラメーターに従った薬草抽出物の毒性が、i.m.およびi.p.注射で有意差がないことを示す。
3.2.慢性毒性
3.2.1.ラットでの試験
3ヶ月間、ウィスターラットに調製物をi.m.注射することにより、本発明の薬草抽出物に関する毒性試験を実施した。これらの実験は、90匹のウィスターラット(雄および雌、体重180〜200g)を30匹ずつ(雄15匹および雌15匹)3群に分けて実施した。第1群は対照(生理食塩水)とし、第2群には薬草抽出物0.07ml/kgを投与し、第3群には薬草抽出物0.21ml/kgを投与した。薬草抽出物の試験用量は、ヒトに推奨される治療の日用量(薬草抽出物0.5mlを生理食塩水5mlで希釈したもの、または調製物0.007ml/kg)より、それぞれ10倍および30倍多い。
結果は、0.07および0.21ml/kg用量の薬草抽出物のi.m.注射がラットの一般状態および行動に影響を与えないことを示す。慢性毒性実験中、薬草抽出物各0.07および0.21ml/kgを投与されている動物には、対照と比較して赤血球、白血球、血小板の量、およびヘモグロビン濃度に統計的有意差は見られなかった(表2および3)。
Figure 2009525289
Figure 2009525289
ラットでの慢性毒性実験条件下、すなわち0.07ml/kgおよび0.21ml/kg用量の調製物のi.m.注射では、血清総タンパク質濃度に有意差は見られなかった。ラットに0.07および0.21ml/kg用量の薬草抽出物を長期投与しても有害な作用がないことは、慢性毒性実験の3ヶ月の間、アスパラギン酸およびアラニンアミノトランスフェラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、およびアルカリホスファターゼなどの肝酵素の活性が安定していたことによって裏付けられる。薬草抽出物のラットへの長期投与は、実験動物の血清中のビリルビン、コレステロール、トリグリセリド、尿素、クレアチニン、およびグルコースの濃度に影響を与えなかった。
生理食塩水で1:10希釈された調製物の、0.07および0.21ml/kgでの、動物の腿部筋肉への長期注射は、局所刺激作用を有しなかった。
肉眼的観察は、この群の動物に対する薬草抽出物の毒性作用または毒性アレルギー性作用を示さなかった。
0.21ml/kg用量での薬草抽出物のi.m.注射後の3ヶ月間にこの群の動物には、内臓(脳、下垂体、胸腺、気管、肺、心臓、食道、脾臓、肝臓、膵臓、副腎、腎臓、胃、および雌および雄の生殖器)の病理的変化は見られなかった。
3.2.2.イヌでの試験
実験は8匹(雄、当初体重12〜14.5kg)のイヌを各4匹の2群に分けて実施した:第1群−対照、第2群−薬草抽出物0.07ml/kg。調製物の投与量は、ヒトでの最高治療日用量より10倍多い。0.07ml/kg用量で試験した調製物を、滅菌生理食塩水で1:10に希釈し、1日1回、1ヶ月間、イヌの大腿筋に注射した。
イヌでの実験の開始前および0.07ml/kg用量を用いた治療開始の1ヶ月後に実施した心電図(ECG)試験は、心拍数の増加またはECGパラメーターの変化を示さなかった。対照動物と比較して、被験動物におけるすべてのECGパラメーターは、実験の前後で変化しなかった(表4)。
Figure 2009525289
結果は、毎日、1ヶ月間、0.07ml/kg用量(ヒトの日用量より10倍多い)での薬草抽出物のi.m.注射によるイヌへの投与が、動物の一般状態および行動に影響しないこと、および、この投与が動物体の主要臓器および系の機能を変化させないことを示した。
組織学的検査の我々のデータによると、イヌにおける0.07ml/kg用量の1ヶ月のi.m.注射の間に、薬草抽出物の毒性作用または局所刺激作用は示されなかった。
3.3.変異原性
3.3.1.微生物における遺伝子変異(エームス試験)
薬草抽出物の変異原活性の評価は、in vitroでの代謝活性化系で、また、そのような系無しで、指標微生物の遺伝子変異を誘導する物質の能力の方法によって実施された。変異を同定するプレート法を使用した。この方法はAmesらによって提供され、我々は、3種類のヒスチジン栄養要求性株、すなわちネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)TA98、TA100およびTA1537を指標微生物として使用した。
エームス試験を実施するために、薬草抽出物の希釈液を下記の方法で得た:調製物の原液を測定および秤量し、蒸留水で10mg/mlの濃度に希釈した。さらなる希釈液を蒸留水で調製し、ペトリ皿に加えた。0.1〜1000μg/枚の調製物濃度について調べた。陰性対照として蒸留水を使用した。
Figure 2009525289
Figure 2009525289
Figure 2009525289
上記のデータから、0.1〜1000μg/枚の濃度における薬草抽出物が、ネズミチフス菌株TA98、TA100、TA1537において復帰変異株数の増加を生じないと結論づけることができる。したがって、薬草抽出物はエームス試験による変異原性を有しない。
3.3.2.マウス生殖細胞における優性致死変異
マウスハイブリッドF1(CBA×C57BI6)における優性致死変異の研究を目的とした実験において、薬草抽出物の潜在的変異原性を評価するために実験を行った。
生理食塩水で希釈した薬草抽出物を、雄マウスに0.7ml/kg用量でi.m.投与した。この用量は、ヒトの推奨日用量(0.007ml/kg)の100倍も多かった。
Figure 2009525289
表8に見られるように、700μl/kg用量での薬草抽出物の単回i.m.注射の作用を受けている動物における着床後損失の水準は、対照動物における水準を上回らない。
3.3.3.マウス骨髄細胞における染色体異常
この方法の本質は、化学物質および物理的要因の作用に感受性である骨髄細胞の遺伝系に対する、動物の体内に導入された被験物質の作用の評価にある。薬草抽出物の投与後に、「新規薬理物質の実験(前臨床)研究のための指示書(Instructions for experimental (pre−clinical) study of new pharmacologic substances)」に開示される方式に従って、染色体異常を分析した。
Figure 2009525289
実験データから分かるように、試験用量の薬草抽出物の作用を受けているマウスの骨髄では、対照と比較して、染色体異常の程度に統計的有意差は見られなかった。したがって、骨髄細胞中の染色体異常の試験によると、薬草抽出物は変異原活性を有しない。
3.3.4.SOS−染色体試験(chromotest)におけるDNA損傷作用
DNA損傷の試験の1つは、被験物質の作用に対する細菌細胞のSOS応答の誘発を測定する試験、いわゆるSOS−染色体試験である。その試験は、DNA損傷に対するSOS応答の知識に基づいている。試験の基礎となるのは、β−ガラクトシダーゼ酵素の合成を担うLacZを、SOS系の一般的なリプレッサーによって調節される遺伝子sfiAと融合させることによって構築された、大腸菌PQ37株である。sfiA発現はSOS応答の一部としてDNA損傷後に誘発される。この試験では、SOS発現は、発色反応によって測定可能な、β−ガラクトシダーゼの酵素活性の定性的測定によって測定される。この株の細胞増殖のマーカーはアルカリホスファターゼであり、その活性もまた発色反応によって測定することができる。分析の結果として、被験物質濃度に対するβ−ガラクトシダーゼ合成の依存曲線、およびこのような条件下での細菌増殖の変化を特徴づける曲線が得られる。これらの指標に従って、SOS誘発能が計算される。この能力は、当該物質がsfiA遺伝子発現を誘発する能力を示す。
得られた結果は、薬草抽出物が、大腸菌PQ 37株では、試験したいずれの濃度でも、DNA修復系の活性化を誘発しなかったことを示す。したがって、薬草抽出物はDNA損傷作用を有しない。
3.4.胎児毒性および催奇形性
実験は妊娠ウィスターラット36匹を各18匹の2群に分けて実施した:第1群−対照、第2群−薬草抽出物(ヒトの最大日用量より30倍多い、0.21ml/kg用量で)。調製物を生理食塩水で希釈し、妊娠の全期間にわたって(第1日から出産まで)、ラットに1日1回、i.m.投与した。対照動物は、適当な量の生理食塩水を、毎日、妊娠第1日から出産まで投与された。妊娠第20日に、その後の胎仔の骨格および内臓の検査、ならびに着床前および着床後死亡の指標測定のため、妊娠ラットの70%を頸椎脱臼によって屠殺した。
Figure 2009525289
表10にまとめたように、0.21ml/kg用量の薬草抽出物の妊娠雌へのi.m.注射は、妊娠全期間にわたって、対照群と比較して、妊娠雌の体重の増加に影響しなかった。
生存胎仔数、着床部位数、黄体数、および胎仔体重といった妊娠期間中の薬草抽出物の胎児毒性の評価基準は、調製物を投与されたラットの群で低かった。実験群での着床前死亡の指数は、対照の指数よりも有意に高かったが、着床後死亡レベルでは低かった。0.21ml/kg用量で調製物を投与された妊娠ラットの胎仔の頭尾長は、対照群におけるおおよその長さと、統計的有意差が無かった(表11)。
Figure 2009525289
出生前期間に0.21ml/kg用量で薬草抽出物の作用を受けた胎仔の目視および微小解剖検査(Wilson-Dibanに従った標準切開)では、事例の6.7%で胎仔が発育不全であることが明らかになった。妊娠中に薬草抽出物を投与されたラット群での水腎症および心嚢血腫などの病理の頻度は、対照群の頻度を上回った。
出生前期間に0.21ml/kg用量で薬草抽出物の作用を受けたラット胎仔における骨格系の発達を試験する目的で、アリザリン染色した胎仔の全身調製物を分析した際には、骨格の発達上の欠陥は見られなかった。しかしながら、調査した骨中心(foci of bone)の大部分で、骨化の阻害が観察された。
結論として、0.21ml/kg用量(この用量はヒトの最大治療量より30倍多い)での薬草抽出物の、妊娠ラットへの妊娠第1日から第20日までのi.m.投与は、妊娠ラットの体重の変化、および妊娠期間に対して悪影響を与えたことに注目しなければならない。生存胎仔数、胎仔体重、着床部位数、および黄体数、着床前および後の死亡のパラメーター、および骨中心の骨化の阻害といった胎児毒性の指標に対する調製物の作用を観察した。
幼若ラットの生後発達中に、身体的発達の有意な遅滞が見られた。実験群では、胎仔の6.7%に発育不全がみられた。この発育不全は、胎仔の発育欠陥とみなすことができる。
このように、0.21ml/kg用量での薬草抽出物の胎児毒性および催奇形性が明らかになった。これに関連して、調製物の投与について妊娠は禁忌と考えなければならない。
3.5.生殖機能に対する作用
ウィスターラット(雄および雌;初期体重180〜200g)で試験を実施した。60匹から成る雌の1群を、2つの下位群に分けた:対照群(40匹)および実験群(20匹)。2週間(性周期3〜4回)の期間中毎日、実験群の雌に薬草抽出物0.21ml/kgをi.m.注射した。注射前に、調製物を生理食塩水で希釈した。
雄および雌ラットへの薬草抽出物0.21ml/kgの筋肉内注射は、黄体、着床、生存胎仔、および再吸収の量といったラットの生殖機能の指標を変化させなかった。着床前および着床後の死亡の値は、対照値とあまり差が無かった;これは、調製物を投与された雌について、および調製物を注射された雄が妊娠させた雌についての両方に当てはまった。
本試験は、薬草抽出物0.21ml/kg(ヒトに推奨される最大日用量より30倍多い)のi.m.注射が、性活動、生殖指標(生存胎仔数、その体重、黄体量、頭尾比、着床位置、再吸収)、またはラットの新生仔発育のいずれにも影響しないことを確立する助けとなった。このように、性的に健常な成熟ラットの生殖機能に対して、被験調製物の影響は示されなかった。
3.6.免疫関連作用
3.6.1.アレルゲン性およびアナフィラキシー性作用
この試験は、“Methodical instructions for evaluating allergenic properties of pharmacological substances”(Experimental study guide of new pharmacological substances.Moscow,2000,pp.25-32)に準拠して実施された。
試験は、15匹のモルモット(雄、体重は270〜320g相当)を3群に分けて実施した。各群は5匹で構成された:第1群−対照(生理食塩水)、第2群−薬草抽出物0.07ml/kg、第3群−薬草抽出物0.14ml/kg。使用した調製物の用量は、ヒトについて推奨される日用量より10および20倍多い量に相当した。試験は、薬草抽出物0.14ml/kg(ヒトの治療日用量より20倍多い)が、感作第14日および第21日目におけるi.m.注射の際にアナフィラキシーショックを起こさないことを示した。
3.6.2.遅延型過敏反応
白色皮膚のモルモット15匹(雄、体重は260〜310g相当)の皮膚で試験を実施した。モルモットを3群各5匹に分けた:第1群−対照、第2群−薬草抽出物0.007ml/kg、第3群−薬草抽出物0.035ml/kg。上記の薬草抽出物の用量を滅菌生理食塩水で希釈し、次いでフロイント完全アジュバントと1:1の比で混合し、動物に注射した。前記試験の結果によると、上記薬草抽出物用量における遅延型の過敏反応は、モルモットについて陰性であった。
49匹のハイブリッドマウスF1(CBA*C57B16)(雄、体重は18〜20g相当)を7群に分け、各群7匹とした。RCR(用量:マウス1匹に2×108細胞)の肩胛骨間領域への皮下(s.c.)注射でマウスを免疫した。質量の差が、浮腫の程度および遅延型過敏反応の強度を特徴づけた。反応の指数を下記の式に従って計算した:
U=(P0−P対照/P対照)×100
ここでPは実験足の質量であり、およびP対照は対照足の質量である。
データ分析は、薬草抽出物の試験用量、すなわち0.18および0.07ml/kgが、マウスについての遅延型の過敏反応または細胞性免疫の形成に影響しないことを証明した。したがって、実験の結果は、薬草抽出物が免疫毒性を有しないことを示した。
3.6.3.マウスにおける膝窩リンパ節の質量および細胞数に対する作用
薬草抽出物のアレルゲン性を評価するために、抗原性刺激物質に対する応答として、ラットの膝窩リンパ節重量および質量変化の方法、いわゆる「膝窩リンパ節測定法」、PLNAを使用した。10匹のハイブリッドマウスF1(CBA*C57B16)(雄、体重は18〜20g相当)に、滅菌生理食塩水50μl(対照)、および薬草抽出物0.07ml/kgをそれぞれ注射した。
7日後、マウスの右および左膝窩リンパ節の重量および細胞数(cellularity)を測定した。左リンパ節指数を右リンパ節の同様の指数で割ることによって、相対指数を算出した。実験群および対照群の両方について、リンパ節の重量および細胞数の相対指数は0.95および0.98に等しい。このように、リンパ節の重量および細胞数に対する薬草抽出物の影響を評価し、調製物がアレルゲン性を有しないことが確立された。
3.6.4.免疫毒性作用
薬草抽出物のさまざまな免疫毒性についての試験をWHOの勧告に準拠して実施した。体液性免疫応答に対する薬草抽出物の影響の試験を、Erneに従って脾臓中の抗体形成細胞の数によって測定した。細胞性免疫に対する薬草抽出物の影響を、マウスについての遅延型の過敏反応によって測定した。Arlingtonでの作業部会の勧告に従って、バックグラウンド抗原性刺激に対する、脾臓細胞数に及ぼす調製物の影響が定義された。
3.6.5.抗体形成マウス脾臓細胞量に対する作用
マウスの脾臓中の抗体形成細胞の量に対する薬草抽出物の影響を試験するため、局所溶血の直接法を用いた。それは、高い溶血活性を有する免疫グロブリンM抗体を形成する細胞を定義するのに役立つ。49匹のハイブリッドマウスF1(CBA*C57B16)を選択した(雄、体重18〜20g相当)。マウスは7群に分けられ、各群は7匹で構成された。マウスをヒツジ赤血球(SRBC)のi.v.注射で免疫した。免疫後4日目に、マウス脾臓中の抗体形成コロニー(AFC)の数をJerneの方法に従って決定した。得られた結果から、我々は、薬草抽出物が、上記の用量および方式を用いてSRBCによって免疫されたマウス脾臓中のAFCの量に影響せず、同様にも、一時免疫応答に影響しなかったことが分かった。
3.6.6.マウス脾臓有核細胞数に対する影響
F1マウス49匹(CBA*C57B16;雄、体重18〜20g相当)について試験を実施した。動物は7群に分けられ、各群は7匹で構成された。1匹当たり5×108細胞のSRBCのi.v.注射でマウスを免疫した。データは、0.18、0.07ml/kgに等しい用量の調製物を、免疫の日前、当日、およびその日後に投与した場合に、マウスへの薬草抽出物の単回i.m.注射が脾臓の細胞数に影響しなかったことを証明した。
3.7.結論
免疫調節薬と考えられる薬草抽出物についての毒性試験の結果をまとめると、調製物は実験動物への薬草抽出物の単回i.m.注射にて無毒性であり、また、ウィスターラットおよびイヌによって、i.m.注射で良好に吸収されたといえる。
実施した試験は、マウス(BALB/cマウス)1匹当たり0.5〜1.0ml用量の、生理食塩水で1:10希釈した薬草抽出物の単回i.m.注射が、動物の中毒および死亡を起こさなかったことを示した。調製物の用量を増加させると(生理食塩水で1:10希釈し、マウス1匹当たり1.5〜2.0ml用量、75〜100ml/kg)、運動活性の低下および抑うつ症状を生じたが、動物の死亡は見られなかった。
1:5生理溶液で溶解した薬草抽出物のBALB/cマウスへの筋肉内およびi.p.注射は、動物の重度の抑うつ症状、昏睡および睡眠を伴った。LD50濃度での薬草抽出物の動物の中毒は、エチルアルコールによる中毒と同様であり、エチルアルコールは調製物の成分であった。
LD50指数に従って、薬草抽出物は、生理溶液で1:5溶解後に調製物質の51〜66ml/kgのi.m.注射を行う場合、安全な調製物群に属すると分類することができる。同時に、0.07および0.21ml/kgの調製物のi.m.注射によって3ヶ月間毎日処理されたウィスターラット、および、薬草抽出物0.07ml/kgのi.m.注射によって1ヶ月間毎日処理されたイヌにおける、慢性実験の条件下での感受性に有意な特異的差異および性差は見られなかった。調製物の記載用量は、注射前に滅菌生理食塩水で1:10に希釈された。慢性実験でマウスおよびイヌに試験された薬草抽出物の用量は、ヒトの治療日用量を上回った(0.5ml/人または0.007ml/kg;10または30倍)。
試験の結果は、マウスにおける3ヶ月間慢性実験での薬草抽出物の0.07および0.21ml/kg用量、およびイヌにおける1ヶ月間慢性実験での0.07ml/kg用量は、動物に良く吸収され、また、被験動物の血液学的指標または主要臓器の機能状態に影響しなかったことを示した(使用した生化学検査およびECGのデータに基づく)。薬草抽出物の作用に関係する、内臓における毒性障害、全身および局所毒性アレルギー性反応が無いことは、慢性実験の終了後に実施された病理形態学的試験の結果によって確認された。0.07および0.21ml/kg用量を滅菌生理食塩水で1:10に希釈し、長期間にわたるi.m.注射したマウスおよびイヌにおける慢性実験では、調製物の局所刺激作用は見られなかった。保健省(Ministry of Public Health)の薬理委員会(Pharmacological State Committee)の要請に従って、薬草抽出物の変異原性の試験を実施した。
さらに、我々は、エームス試験において、調製物がネズミチフス菌の望ましい培養液で遺伝子変異を生じる能力、ハイブリッドF1(CBA*C57B16)マウス骨髄細胞において染色体異常を刺激する能力、胚マウス細胞において優性致死変異の量に影響を与える能力、およびSOS−染色体試験において大腸菌PQ37株のDNA修復系に影響を与える能力を試験した。
実施した試験の間に、薬草抽出物は変異原性を有しないことが確立された。
0.21ml/kg(ヒトについて推奨される日用量より30倍多い)に等しい用量では、薬草抽出物は、妊娠第1日から第20日までのi.m.注射に際し、妊娠ラットの体重の増加を低下させ、また妊娠期間、生存胎仔数、着床部位数、黄体数および胎仔体重を低下させた。同時に、着床前死亡の指数は、妊娠中に薬草抽出物0.21ml/kgを投与されたマウスで、対照マウスよりもはるかに低く、着床後死亡の指数は第1群のほうが低かった。
出生前期間に薬草抽出物0.21ml/kgの作用を受けた胎仔の標準切片(Wilson- Dibanに従った)の目視検査および顕微鏡検査では、全事例の6.7%で胎仔の発育不全を示唆しえた。その作用は胎仔の発育欠陥と評価することができる。
出生前期間に薬草抽出物0.21ml/kgに曝露されたラット胎仔における骨格系の発達を試験するために必要とされた、アリザリンで染色した調製物の分析は、骨格の発育欠陥を示さなかった。しかしながら、同時に、石灰化点の大部分で、骨化の遅滞が見られた。
妊娠第1日から第20日までの薬草抽出物0.21ml/kgのi.m.注射の影響下で、対照と比較してラット新生仔の減少および死産ラットの増加が記録された。出生前期間に薬草抽出物に曝露されたラットの体重は、対照の指数よりも低かった。子孫の発育に関する実験の結果は、この種類の動物の正常な身体発育に典型的な時間の制約から逸脱しなかった。
したがって、実験により、妊娠第1日から第20日までの薬草抽出物0.21ml/kg(ヒトの最高用量の30倍)のi.m.注射が、薬草抽出物に曝露された動物における胎児毒性および催奇形性作用を有することが確立された。したがって、妊娠は、薬草抽出物の処方について禁忌とみなすことができる。
雄ラットに10週間および雌ラットに2週間の薬草抽出物0.21ml/kgの毎日のi.m.注射では、動物の生殖機能に対する調製物の影響は確立されなかった。
モルモットに対する薬草抽出物のアレルゲン性の試験では、感作用量0.07および0.14ml/kgでの薬草抽出物の5倍i.m.注射および感作後第14日および第21日の薬草抽出物の決定因子用量(determinant dose)0.14ml/kgのi.p.注射にて、調製物はアナフィラキシーショックを生じなかったことを示した。
試験用量および感作スケジュールでの薬草抽出物は、モルモットで、またマウスにおける膝窩リンパ節反応で、遅延型過敏反応のアレルゲン性作用を有しなかった。
0.07ml/kgおよび0.18ml/kgの用量では、薬草抽出物は、脾臓において抗体形成細胞および有核細胞の数に影響せず、またマウスにおける過敏性反応に影響しなかった。データは、体液性および細胞性免疫において薬草抽出物の悪影響がなく、したがって調製物の免疫毒性がないことの証拠である。
最後に、実施したすべての実験および得られた結果に基づき、薬草抽出物は、妊娠のみを禁忌とした臨床試験に推奨される。
実施例4:薬草抽出物の薬理作用
患者における薬草抽出物の潜在能力を測定することを目的として、試験を実施した。
最初の試験は2000年に行われた。この試験は臨床試験用に設計された。この計画の第一の目的は、HIV患者における薬草抽出物の毒性または副作用の測定であり、次の目的は、HIV感染者における疾患の経過および体液性、細胞性および非特異的免疫に対する薬草抽出物の見込まれる有効性の測定であった。
一般検査でAIDSを発症する危険性の高い16〜40歳のHIV陽性患者が、試験のために選択された。患者は薬草抽出物を80日間使用した。このプロジェクトでは、生理食塩水で4mlに希釈された薬草抽出物0.4mlを毎日i.m.およびi.v.注射した。この期間中、患者は毎日検査され、治療の作用が記録された。3ヶ月間の治療期間後、患者は追跡され、患者の前臨床因子が研究された。Tリンパ球CD4の百分率は試験の初日に21±1%、薬草抽出物での治療30日後に23±1.5%、治療60日後に32±0.8%、治療80日後に32±0.7%、治療期間の終了後3ヶ月では39±1.6%と測定された。これらのデータは、薬草抽出物で治療中のCD4Tリンパ球の量の増加を示している。患者におけるCD8リンパ球の百分率は、試験の初日に25±1.5%、薬草抽出物での30日間の治療後に24±1.5%、60日間の治療後に22±0.8%であり、80日間の治療後に23±0.8%であった。治療の終了後3ヶ月の追跡調査では20±2%であった。
CD95を含むTリンパ球の百分率は、試験の初日に40±9.2%、薬草抽出物での30日間の治療後に47±2%、60日間の治療後に25±1.4%、80日間の治療後に30±1.3%であった。治療の終了後3ヶ月の追跡調査では25±1.5%であった。初日および薬草抽出物での治療80日後の統計的比較では、患者中のCD4、CD8およびCD95に明らかな差があった(P<0.01)。
次の試験は、AIDS患者およびHIV感染者における薬草抽出物の早発性および遅発性の副作用を検討するために実施された。このプロジェクトでは、HIV陽性であるボランティア6名が選択された。選択基準は、重度真菌または他の日和見感染、10%を越える体重減少、二次性帯状疱疹、1ヶ月を越える発熱を伴うHIV陽性であった。患者の選択およびプロジェクトへの参加後、前臨床パラメーターを最初に測定し、その後、毎週、測定を繰り返した。
薬草抽出物0.4mlを5mlシリンジに取り、温生理食塩水3.5mlで希釈し、i.m.で2日間、次いでi.v.でさらに2日間注射した。注射の完了後、薬物副作用およびAIDS関連臨床徴候および症状の発現について患者を検査した。データを表12に示す。
Figure 2009525289
次の試験は、AIDS患者での免疫因子の回復において、薬草抽出物の有効性および早発性の副作用を、通常のHAART治療と比較するために実施された。この試験では、ボランティア27名を試験した。患者は薬草抽出物またはHARRTのどちらかで治療される2つの治療群に無作為に割り付けられた(無作為化ブロックの4ブロックの選択で)。患者2名がHAARTに耐容性を示さず、したがって、彼らは薬草抽出物群に移された。患者の参加および終了基準は:HIV陽性、現在または過去の真菌または日和見感染による重度の疾患、10%を越える体重減少、二次性帯状疱疹、1ヶ月を越える発熱および軽度の日和見症であった。これらの患者は、抗AIDS薬または免疫系の増強薬を使用したことがなかった。しかしながら、AIDSの影響を除去するための抗生物質または他の薬剤は禁じられなかった。患者の選択およびプロジェクトへの参加後に、血球数、トリグリセリド、コレステロール、尿酸、クレアチニン、血中尿素窒素、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アラニントランスアミナーゼ、空腹時血糖、RNAウイルス量、CD4(Th1、Th2)、CD4/CD8、CD8、尿分析/尿培養といった前臨床因子を治療前ならびに治療後1、2、および3ヶ月に測定した。
薬草抽出物群では、薬草抽出物0.4mlを5mlシリンジに取り、温生理食塩水3.5mlで希釈し、その混合物を1日1回、90日間i.m.またはi.v.注射した。HAART治療は標準的な投与計画に従って実施した。治療は、ネルフィナビルのカプレット250mg9錠を90日間、ジドブジン300mg2カプセル90日間、およびラミブジン150mg2錠を90日間併用した。すべての患者を薬剤の副作用およびAIDS関連臨床徴候および症状の発現について検査した。データは、関連する質問について記録した。薬草抽出物群の患者16名およびHAART群の患者11名を調べた。2群間の特徴の比較を表13に示す。
Figure 2009525289
表14の結果は、CD4の数が両群で増加していることを示すが、群間に有意差は無い。
Figure 2009525289
表15は薬草抽出物を投与された患者の群におけるさまざまなパラメーターを示す。CD4の百分率の増加は明らかであり、疑いの余地はない。
Figure 2009525289
実施例5:薬草抽出物の最大耐容量の決定
この試験は、HIV感染患者における薬草抽出物の最大耐容量(MTD)、および用量制限を生じる可能性のある、起こりうる副作用および毒性(用量規制毒性、DLT)を決定することを目的として実施された。
試験のプロトコルは用量増加法に基づいた。患者のウイルス量およびCD4の数に対する薬草抽出物の作用を、副産物として評価した。患者の4コホート(それぞれ患者3名)を選択し、抽出物の増加用量で28日間(4週間)治療した。抽出物の基本用量は、以前の動物実験でのLD10(致死量の10%)に従って決定されている。プロトコルに従った身体検査および臨床検査によって、副作用および毒性の徴候および症状について患者を注意深く観察した。
すべての患者は年齢28〜60歳(平均値:41.6歳)の男性であった。第1コホートでは、28日間、温生理食塩水100ml中の抽出物2mlの日用量を、0.5〜1時間かけて点滴静注した。患者2名における発汗および体重減少を除いて、毒性または重大な副作用は見られなかった。第2コホートでは、別の患者3名が日用量4mlを投与された。この群では、重大な副作用および毒性は無かった。第3コホートでは、最初は患者4名であったが、1名が不遵守および毎日の定期参加不能により除外され、日用量6.7mlが投与された。この群では、重大な用量規制毒性および副作用が無かっただけでなく、軽度のものも無かった。第4コホートでは、別の患者3名が日用量10mlを投与され、この群でも重大な副作用および毒性は無かった。
要約すると、患者計12名が試験に組み入れられ、薬草抽出物の増加用量で4週間治療された。すべてのコホートで毒性または副作用は無かった。

Claims (34)

  1. 薬草抽出物を調製するための方法であって、
    (a)バラ属、セイヨウイラクサおよび/またはタンジーに由来する植物材料を提供し、
    (b)前記植物材料を乾燥し、
    (c)有機溶媒を加え、
    (d)前記植物材料および前記有機溶媒の混合物をインキュベートし、
    (e)薬草抽出物を得る、
    各工程を有してなる方法。
  2. 前記バラ属に由来する植物材料が果実であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記セイヨウイラクサおよび/またはタンジーに由来する植物材料が、葉および/または小茎であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(b)の乾燥が、約20〜50℃の範囲の温度にて実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(b)の乾燥が、約3〜4日間、実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記有機溶媒が、約60から96%(v/v)のエタノールであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(d)のインキュベートが、約20〜40日間、実施されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(d)のインキュベートが、約20〜50℃の温度にて実施されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. (f)セレンおよび/またはその有機または無機塩を加える、
    工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 遊離セレン濃度が約1〜100mg/lになるように、セレンを加えることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. (g)尿素を加える、
    工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. (h)薬草抽出物をパルス電磁場に曝露する、
    工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記電磁場のパルスが、正弦波、方形および/または確率的形状を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 前記パルス電磁場が、約5〜750kHzの周波数を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記パルス電磁場が、約10〜200ワットの出力を有することを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記パルス電磁場が、100〜150μテスラの磁場強度を有することを特徴とする、請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 工程(h)の曝露が、約2〜5分間、実施されることを特徴とする、請求項12から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 工程(h)の曝露を反復することを特徴とする、請求項12から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載の方法によって調製された薬草抽出物。
  20. 対象の免疫系を刺激することを目的とした、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物の使用方法。
  21. 対象における免疫系障害に関連する疾患の治療を目的とした、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物の使用方法。
  22. 対象における免疫系障害に関連する疾患の治療用の医薬組成物の製造を目的とした、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物の使用方法。
  23. 前記疾患がHIV感染および/またはAIDSであることを特徴とする、請求項21または22に記載の使用方法。
  24. 前記対象が脊椎動物であることを特徴とする、請求項20から23のいずれか1項に記載の使用方法。
  25. 前記対象が妊娠していないことを特徴とする、請求項20から24のいずれか1項に記載の使用方法。
  26. 対象におけるウイルス感染の治療を目的とした、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物の使用方法。
  27. 対象におけるウイルス感染の治療用の医薬組成物の製造を目的とした、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物の使用方法。
  28. 前記疾患がRNAウイルス感染であることを特徴とする、請求項26または27に記載の使用方法。
  29. 前記対象が脊椎動物であることを特徴とする、請求項26から28のいずれか1項に記載の使用方法。
  30. 前記対象が妊娠していないことを特徴とする、請求項26から29のいずれか1項に記載の使用方法。
  31. 請求項1から18のいずれか1項に記載の方法で調製された、請求項19に記載の薬草抽出物を含む医薬組成物。
  32. 医薬品として許容される担体をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の医薬組成物。
  33. 経口投与用に調製された、請求項31または32に記載の医薬組成物。
  34. 請求項31から33のいずれか1項に記載の医薬組成物を含むキット。
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