JP2009524648A - アリルメルカプトカプトプリル(cpssa)及び関連非対称ジスルフィドを調製するための方法 - Google Patents

アリルメルカプトカプトプリル(cpssa)及び関連非対称ジスルフィドを調製するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アリル含有非対称ジスルフィド、特にアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)のような治療的に活性なアリル含有非対称ジスルフィドを調製する新規な方法を提供する。
【解決手段】 この方法は反応性基を持つアリルをチオール含有化合物と、チオ硫酸塩の存在下に、反応させ、それによりアリル含有非対称ジスルフィドを得ることを含む。

Description

本発明は、化学合成の分野、特にアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)のような非対称ジスフィドを調製する新規な方法に関する。
カプトプリル(D−3−メルカプト−2−メチルプロパノイル−L−プロリン)、並びにその関連アゼチジン及びプロリン誘導体は、アンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの変換を遮断するアンギオテンシン変換酵素(ACE)の競争的阻害剤である。従って、カプトプリル及びその誘導体は、多数の形態の高血圧を治療するための治療剤として利用されてきた[例えば、米国特許第4046889号、Ondettiら、Science 196:441−444(1977);Thind G.S.,Cardiovase Drugs Ther.4:199−206(1990);Cushmanら、Hypertension 17:589−592(1991);Migdalofら、Drug Metab Rev 15:841−869(1984);及びMatersonら、Arch Intern Med 1544:513−523(1994)参照]。
カプトプリル及びその誘導体は活性チオール(−SH)基を含み、それがACE活性部位の亜鉛イオンに結合し、かくしてその阻害効果を増大する。
しかし、カプトプリルは水溶液中では実質的に安定であるが、哺乳動物(人間を含む)の血液または血漿中ではカプトプリルの活性−SH基は容易に酸化を受け、チオール−ジスルフィド交換反応に加わる。この特徴はカプトプリルによるACE阻害の比較的短い期間の要因となる。
カプトプリルはさらに、システイン及びグルタチオンとのチオール−スルフィド交換反応を介して、共有結合的(可逆的ではあるが)に血漿タンパク質に結合することが見出された[Migdalofら(1984)上記]。この反応はACE活性部位とのカプトプリル反応と競争し、このようにしてACEを阻害するために利用可能に残る投与されたカプトプリルの実際量を減らす。従って、典型的には比較的大量のカプトプリルがACE阻害のためには必要である。
最近、カプトプリルコンジュゲートの新規なファミリーが開示された[例えばWO 02/096871及びMironらのAmer.J.Hypertension,2004,17,71−73参照、両者はここにあたかも完全に記載されたかのように参考として組込まれる]。このファミリーの代表的メンバーは、カプトプリルとアリシンとの反応生成物であるアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)である。
WO 02/096871及びMironら(上記)の教示によれば、CPSSAは、以下のスキーム1に示されるようにアリシンとカプトプリルの反応を介して調製される。
Figure 2009524648
さらに、WO 02/096871及びMironら(上記)の教示によれば、CPSSAは、未変性カプトプリルと比べると改善された血圧降下性を示す。
CPSSAの調製に使用されるアリシンは、にんにくから誘導される生物活性化合物である。それは酵素アリイナーゼ(アリインリアーゼEC4.4.1.4)とその基質、アリイン(S−アリル−L−システインスルホキシド)の相互作用から天然に生成される[A.Stoll及びE.Seebeck,Adv.Enzymol.11(1951)377−400]。
最近数年間で、種々の研究が、高血圧[Elkayamら、Am.J.of Hypertension 14(2000)377−381]及び心臓血管危険因子[Abramovitzら、Coron.Artery.Dis.10(1999)515−9]への効果を含むアリシンの多くの健康上の恩恵を証明している。
アリシンは、その反応性のため遊離チオール基と迅速に反応することができかつ容易に生体膜に浸透することができる不安定な短命分子である[Rabinkovら、Biochim,.Biophys.Acta 1379(1998)233−244;Mironら、Biochim.Biophys.Acta 1463(2000)20−30]。従って、アリシンは、異なる代謝経路に影響を及ぼすことに高い能力があると考えられる[K.C.Agarwal,Med.Res.Rev.16(1996)111−124]。
しかし、アリシンの高い不安定性は、生体外で、人間の血液中で[Freeman及びKodera,J.Agricultural and Food Chem.43(1995)2332−2338]、ラットで証明されたように生体内で[Lachmannetら、Arzneimittelforschung 44(1994)734−743]ともにアリシンが血液中でその投与後数分で崩壊するという欠点を持つ。従って、アリシンの治療効果は消化管に接近した標的に制限される。
カプトプリルとアリシンの両者は高血圧に対し効果的な薬剤であるが、各薬剤は異なる機構により作用する。
上に検討したように、カプトプリル及びアリシンの単独の使用は高反応性、不安定性、及び/または競争的反応により制限される。
対照的に、WO 02/096871及びMironら(上記)で教示されたCPSSA及びその誘導体は、ACE−阻害カプトプリルの利点とアリシンの薬効とを兼ね備え、一方でこれらの成分のそれぞれと関連する制限を回避する。WO 02/096871及びMironら(上記)でさらに教示されたように、CPSSA並びにその誘導体及び類似体は、チオール基が殆どジスルフィド形である血清タンパク質と非常にゆるやかに反応する。従って、これらの化合物は哺乳動物の血液または血漿中で安定であり、効果的な血圧降下活性を達成するための高投与の要求が回避される。例えば、WO 02/096871は、CPSSAの投与が実行された直後に、CPSSAが血圧を有意に下げ、ラット中のトリグリセリド及びインシュリンの血清レベルを正常レベル近くに減らしたことを示す。同様な効果はカプトプリル自体のほぼ2倍の投与で観察された。
CPSSAは(上記スキーム1で示されたように)カプトプリルとアリシンの反応により比較的良好な収率(約90%)で得られるが、WO 02/096871で開示された方法は出発物質としてアリシンの使用により制限される。上に検討したように、アリシンは高度に不安定であり、従って得ること及び取扱うことが困難である。加えて、アリシンはにんにくの刺激臭を招く化合物であるので、アリシンを利用する方法を実行することは不便と不愉快を伴なうかもしれない。
CPSSAのような非対称ジスルフィドは、好都合な条件下での対称ジスルフィドへの不均化反応傾向のために調節ホルモン、薬剤及び酵素活性剤または阻害剤としての種々の生化学的な方法におけるそれらの重要な役割のために一般的に知られている。例えば、アルキル2−イミダゾリルジスルフィド化合物は抗癌剤として作用することが知られている[Hashashら、J.Pharm.Sci.91:1686−1692,2002]。別の例では、米国特許第4049665号は、ピリジン−1−オキサイドの非対称ジスルフィド及びその酸付加塩は抗菌剤として有用であったことを教示する。同様に、米国特許第4487780号は、ペニシラミンとシステインの反応により生成された非対称ジスルフィドが慢性関節リウマチの治療で首尾よく使用されることを述べている。
幾つかの合成法が非対称ジスルフィドを調製するために文献中に発表されている。これらは、例えばアゾジカルボン酸ジエチル[Mukayamaら、Tetrahedron Letters,1968,5907]、チオイミド[Boustanyら、Tetrahedron Letters,1970,3547]、チオニトリル[Streetら、J.Chem.Soc.Chem,Commun.1977,407]、アルキルチオサルフェート[Swan,Nature,1957,180,143]、チオアルコキシトリアルキルホスホニウム塩[Ohmoriら、Chem.Pharm.Bull.,1987,35,4473]、ジチオペルオキシエステル[Leriverendら、Synthesis、1994,761]、アルキルチオジアルキルスルホニウム塩[Dubsら、Helv.Chim.Acta,1976,59,1307]、トシルチオレート[Fieldら、J.Org.Chem.1968,33,3865]及びスルフェニルチオカーボネート[Broisら、J.Amer,Chem.Soc.,1970,92,7629]のような出発物質の使用を含む。
しかし、これらの方法は、許容可能な収率で生成物を得るために、例えばアリルチオサルフェートのような反応中間物の単離及び精製を必要とする。さらに、大規模な量でこれらの方法を実施することは非常に困難である。さらにより重要なことに、これらの方法は有機溶媒に可溶なスルフィドのために開発され、水溶性チオールと共に使用するためには適していない。
一方では一般的に非対称ジスルフィドの有望な治療性、特にCPSSAの優れた血圧降下性を、かつ他方で非対称ジスルフィドを調製するための既知の方法の欠点、特にアリシンを使用する欠点があることから、一般的に非対称ジスルフィド、特にCPSSAの調製のための上記の制限のない改善された方法に対して広く認められた要求があり、かつそれを持つことは非常に有利であるであろう。
本発明者らは、有望な非対称ジスルフィドCPSSAを調製するための新規な方法を設計しかつ首尾よく実行し、そこでは出発物質としてアリシンを使用し、中間体を単離することは回避され、さらに生成物は高収率かつ高純度で得られる。この方法は有利にはワンポット法として実行され、他の関連非対称ジスルフィドを調製するために容易に使用されることができる。
本発明の一態様によれば、アリル含有非対称ジスルフィドを調製する方法が提供され、この方法は反応性基を持つアリルをチオール含有化合物と、チオ硫酸塩の存在下に、反応させ、それによりアリル含有非対称ジスルフィドを得ることを含む。
以下に述べられる本発明の好適な実施態様でのさらなる特徴によれば、この方法はワンポット法である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、この方法は:
反応性基を持つアリル及びチオ硫酸塩を含む第一混合物を準備すること;
続いてチオール含有化合物を含む第二混合物を第一混合物に添加すること;及び
第一混合物と第二混合物を混合すること;
を含む。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、第一混合物を準備することは、反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩を1時間から20時間の範囲の時間の間、混合することにより実現される。好ましくは、その時間は10時間から20時間の範囲である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応は塩基性条件下に実施される。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応は約−50℃から約50℃の範囲の温度で実行される。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応は水性媒体中で実行される。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応性基を持つアリルとチオール含有化合物との間のモル比は約10:1から約1:10の範囲である。好ましくはこの比は約5:1から約1:5の範囲である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩との間のモル比は約5:1から約1:5の範囲である。好ましくは、この比は約1:1である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応性基はハロゲン化物、トシレート及びスルホニルクロライドからなる群から選ばれる。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応性基はハロゲン化物である。好ましくは、ハロゲン化物は臭化物である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、第一混合物中の反応性基を持つアリルの濃度は約0.1Mから約10Mの範囲である。好ましくは、この濃度は約1Mから約5Mの範囲である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、第一混合物中のチオ硫酸塩の濃度は約0.1Mから約10Mの範囲である。好ましくは、この濃度は約1Mから約5Mの範囲に及ぶ。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、チオール含有化合物はアンギオテンシン変換酵素(ACE)−阻害プロリン誘導体である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、チオール含有化合物はカプトプリル、その誘導体または類似体である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、チオ硫酸塩はチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、及びチオ硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、この方法はさらに、アリル含有非対称ジスルフィドを精製することを含む。好ましくは、この精製はカラムクロマトグラフィー、再結晶及び/またはそれらの組合せにより実現される。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、反応性基を持つアリルは臭化アリルであり、チオール含有化合物はカプトプリルであり、アリル含有非対称ジスルフィドはCPSSAである。
本発明の別の態様によれば、ここに述べられた方法により得られたアリル含有非対称ジスルフィドが提供される。
本発明のなお別の態様によれば、
一般式:
A−S−S−B
を持つアリル含有非対称ジスルフィドを調製する方法が提供され、ここで:
Aはチオール含有化合物の残基であり;
Bはアリル残基であり、そして
AとBは異なっており、
この方法は一般式B−Xを持つ化合物(ここでXは反応性基である)をチオ硫酸塩の存在下に、一般式A−SHを持つチオール含有化合物と反応させ、それにより非対称ジスルフィドを得ることを含む。
以下に述べられる本発明の好適な実施態様でのさらなる特徴によれば、この方法は:
一般式B−Xを持つ化合物とチオ硫酸塩を含む第一混合物を準備すること;
続いて一般式A−SHを持つ化合物を含む第二混合物を第一混合物に添加すること;及び
第一混合物と第二混合物を混合すること;
を含む。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、一般式B−Xを持つ化合物とチオ硫酸塩との間のモル比は約5:1から約1:5の範囲である。好ましくは、この比は約1:1である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、Xはハロゲン化物である。好ましくは、ハロゲン化物は臭化物である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、一般式B−Xを持つ化合物の濃度は約0.1Mから約10Mの範囲である。好ましくは、この濃度は約1Mから約5Mの範囲である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、一般式A−SHを持つ化合物はアンギオテンシン変換酵素(ACE)−阻害プロリン誘導体である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、一般式A−SHを持つ化合物はカプトプリル、その誘導体または類似体である。
本発明のなお別の態様によれば、ここに述べられた方法により得られたアリル含有非対称ジスルフィドが提供される。
本発明の追加の態様によれば、95%より大きい純度を持つアリル含有非対称ジスルフィドが提供される。好ましくは、99%より大きい純度を持つ。
以下に述べられる本発明の好適な実施態様でのさらなる特徴によれば、ここに述べられたアリル含有非対称ジスルフィドはアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)である。
述べられた好適な実施態様でのなおさらなる特徴によれば、B−Xは臭化アリルであり、A−SHはカプトプリルであり、アリル含有非対称ジスルフィドはCPSSAである。
本発明は、CPSSAのような非対称ジスルフィドを調製するための効率的なかつ実施するのが簡単な方法を提供することにより現在知られた構成の欠点に首尾よく対処する。
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を持つ。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書中で使用される用語「方法」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、単数形態(“a”、“an”および“the”)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲にある/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
本発明は、アリル含有非対称ジスルフィド、特にアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)、その類似体及び誘導体を調製する新規な方法である。この方法は、取扱うのが便利な出発物質を利用し、かつ中間体を単離する必要を回避しながら、ワンポット法として効率的に実施されることができる。
本発明の少なくとも1つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部または実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の実施態様が可能であり、または様々な方法で実施することができ、または様々な方法で実施される。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、従って限定として見なされるべきではないことを理解しなければならない。
上に検討したように、アリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)及びその誘導体及び類似体のようなアリル含有非対称ジスルフィド化合物は優れた血圧降下性を持つことが示されている[WO 02/096871及びMironら、(2004)(上記)]。これらの高活性アリル含有非対称ジスルフィド化合物(例えばCPSSA)は、高血圧及び心臓血管危険因子への効果を含む多くの健康上の利益を持つアリシン(にんにくから誘導された生物学的に活性な化合物)のコンジュゲート、及びカプトプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)−阻害プロリン誘導体化合物のコンジュゲートである。
CPSSA、並びにその誘導体及び類似体は、哺乳動物の血液または血漿中で安定であることが示されており、従ってそれらの使用は、カプトプリルのような非コンジュゲートACE−阻害プロリン誘導体化合物による場合に多い血圧降下効果を生成するための高投与を使用する必要を回避する。
上に検討したように、これらの新規なコンジュゲート、すなわちCPSSA及びその類似体及び誘導体はACE−阻害プロリン誘導体化合物のチオール基をアリシンと反応することにより調製されている。アリシンとカプトプリルの反応によりCPSSAを調製するための例示的方法は上のスキーム1に示されている。
この方法は、比較的高収率(90%より高い)をもたらすけれども、不安定な短命分子であるアリシンの高反応性により大きく影響を受ける。しかし、アリシンの反応性は逆にこの物質を得ること及び取扱うことを困難とし、従って上記方法の実行を複雑にする。加えて、アリシンはにんにくの刺激臭の原因となる化合物であるので、それを用いることは非常に不快なかつ不愉快なことが多い。
上に検討したように、アリル含有非対称ジスルフィドは有望な治療特性を持つ。しかし、上にさらに検討したように、一般的に非対称ジスルフィド、特にアリル含有非対称ジスルフィドを調製するための現在知られた方法は、使用するのが不便な出発物質及び中間体の面倒で高価なかつ時間のかかる単離及び精製工程を含む多くの欠点を持つ。これらの工程の幾つかはさらに、水溶性チオールで水性媒体中で実行されるためには適していない。
CPSSAのようなアリル含有非対称ジスルフィドを調製するための新規かつ改良された方法のための調査において、本発明者らはアリシン以外のチオール含有アリル種をチオール含有化合物に導入し、それによりアリル含有非対称ジスルフィドを得ることは、出発物質としてのアリシンの使用を回避しながら、このファミリーの化合物の調製のための代替方法として役立ちうることを想起した。本発明者らはさらに、かかる種を現場で調製することは反応中間体を分離しかつ精製する面倒な仕事を回避することができることを想起した。さらに、かかる方法は水性媒体中で実施されることができ、かつ水溶性チオールによる実行のために適していることを想起した。
この目的のために、本発明者らは、チオール含有化合物と反応し、それによりアリル含有非対称ジスルフィドを得るためのアリルチオ硫酸塩の水性媒体中での現場調製に基づく新規な方法を設計しかつ首尾よく実行した。
以下の実施例の欄において示されるように、有望な治療用途を持つ例示的アリル含有非対称ジスルフィドとしてのCPSSAは、例外的に高純度形態でこの方法により首尾よく調製された。以下の実施例の欄においてさらに示されるように、この方法は、反応中間体を単離することなくワンポット法として首尾よく実施され、さらに水性媒体中で首尾よく有利に実施された。
従って、ここに述べられた新規な方法はアリル含有非対称ジスルフィドを調製するための新規な方法として有利に利用されることができ、そこでは入手可能で取扱いが容易な出発物質が使用され、反応中間体を単離する必要性が回避される。従って、この方法は、高純度生成物を提供しながら効率的に規模を拡大されかつ工業的規模で利用されることができる。
従って、本発明の一態様によれば、アリル含有非対称ジスルフィドを調製する方法が提供される。この方法は、反応性基を持つアリル化合物をチオ硫酸塩の存在下にチオール含有化合物と反応させることにより成し遂げられる。
ここで使用されるように、用語「アリル」(「allyl」また「allylic」)は、記号Bとしても示され、−CHCH=CH基を含む化学種を意味する。この種は、化合物の一部を形成することができ、または安定なまたは準安定なアリルラジカルとしてまたは例えば式CHCH=CHのアリルカチオンのような荷電種として存在することができる。表現「アリル含有」は、少なくとも一つのアリル基を含む化合物を指す。用語「アリル位置」は、アリル基のC=C二重結合に隣接した位置を指す。例えば、アリル炭素は、C=C結合に隣接して位置した炭素原子である。
ここで使用される用語「ジスルフィド」は、二つの硫黄ラジカル間の強い共有結合であるジスルフィド架橋としても業界で言及されるジスルフィド結合(−S−S−結合)を含む化合物を意味する。ジスルフィド化合物中のジスルフィド結合は典型的には二つの残基を結合し、それぞれがジスルフィド結合中の硫黄ラジカルの一つに結合され、従ってジスルフィド化合物は式R′−S−S−R″を持つ。
ここで使用されるように、用語「非対称ジスルフィド」は硫黄−硫黄結合を分割したときにそれ自身の鏡像でない硫黄−硫黄結合を持ついずれかの化合物を指す。この用語は特に、一般式R′−S−S−R″を持つジスルフィド並びにR′−S−S−Y−S−S−R″の一般式を持つ(ビス)ジスルフィドを含み、ここでR′,R″及びY(もし存在するなら)は、R′とR″が異なる残基または基であるという条件で、例えばアルキル、シクロアルキル、アリル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ヒドロキシ等を含むジスルフィド結合(単数または複数)中の硫黄ラジカルに結合されることができるいずれかの残基または基である。
従って、用語「非対称ジスルフィド」は、ジスルフィド結合の両側の基が異なっていることを意味し、従って上の式中のR′とR″は互いに異なる。
さらに、ここで使用される用語「非対称ジスルフィド」はまた、参照されている特別な非対称ジスルフィドの全ての生化学的均等物、すなわち塩、プロドラッグ、前駆体等を包含する。
表現「アリル含有非対称ジスルフィド」はそれゆえ、ここに定義された少なくとも一つのアリル基を含むここに定義された非対称ジスルフィドを意味する。
アリル含有非対称ジスルフィドはさらに、ここでは一般式Iにより表わされる:
A−S−S−B
式I
式中、Aはここに定義されている用語であるチオール含有化合物の残基であり;そしてBはここに定義されている用語であるアリル残基またはアリル含有残基であり、さらにAとBは同じではない。
好ましくは、本実施態様の方法により得られたアリル含有非対称ジスルフィドはACE−阻害プロリン化合物のアリル誘導体である。
本発明の現在最も好ましい実施態様によれば、アリル含有非対称ジスルフィドはアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)、その類似体、塩及び化学誘導体を含む。
ここに全体を通して使用される用語「類似体」は、主題とする分子(例えばCPSSA)に構造的に関連し、従って同じ生物学的活性を発揮する化合物を指す。
用語「誘導体」は、化学的に変性されているがその主要部分を変化していないままである主題とする分子(例えばCPSSA)を指す。その限定されない例は追加のまたは異なる置換基により置換されている主題の分子、主題の分子の一部が酸化または加水分解された主題の分子等を含む。
ここでさらにXとして示されている用語「反応性基」は、ここでは「反応性基を持つアリル」の文脈で使用される。ここで使用されるこの用語は、典型的には結合形成を導く化学反応を受けることができる化学基を意味する。結合は共有結合、イオン結合、水素結合等であることができ、好ましくは共有結合である。結合形成を導く化学反応は、例えば求核及び求電子置換、求核及び求電子付加反応、脱離反応、付加環化反応、転位反応、芳香族相互作用、疎水性相互作用、静電相互作用及び二つ以上の成分間の相互作用をもたらすいずれかの他の既知の反応を含む。
ここで述べられた方法に含まれた反応の性質は主として求核的であるから、本発明の文脈内で使用するのに適した例示的反応性基は脱離基である。
ここで使用される表現「脱離基」は、化学反応時に有機分子からの脱離を容易に受ける不安定原子、基または化学部分を意味し、一方脱離はその後の脱離原子、基または部分の相対的安定性により容易にされる。典型的には、強酸の共役塩基であるいずれかの基が良好な脱離基として作用することができる。従って、本実施態様による好適な脱離基の代表的例は、アセテート、トシレート、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル、アミン、アジ化物、シアネート、チオシアネート、ニトロ及びシアノを含むが、これらに限定されない。
好ましくは、脱離基はハロゲン化物である。
用語「ハロゲン化物」または「ハロ」はフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物を意味する。
より好ましくは、ハロゲン化物は臭化物である。
以下の実施例の欄に見ることができるように、臭化アリルにより反応を実行することは、塩化アリルによる同じ反応に比べて、より良い結果(より高い収率及び未反応カプトプリルのより低い百分率割合)を与えた(臭化アリルによる実施例1〜4対塩化アリルによる実施例5〜6参照)。
ここで使用される用語「チオ硫酸塩」は、チオ硫酸基を含む化合物を意味する。「チオ硫酸基」は、式−(S−S(=O)−O)2−により表わされることができるS 2−基を意味する。それゆえ、チオ硫酸塩は、陰イオン及び陽イオンであるチオ硫酸基を含むことができ、従ってチオ硫酸基の塩である。チオ硫酸塩の例は、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、及びチオ硫酸アンモニウムを含むが、それらに限定されない。チオ硫酸塩は無水またはその水和物の形のいずれかであることができる。
用語「水和物」は化合物(例えばチオ硫酸塩)と水との間に形成される可変化学量論的複合体(例えばジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−等)を指す。典型的には、水分子は非共有分子間力により化合物に結合される。
ここで使用されるように、用語「チオール」は、業界で知られかつ「チオヒドロキシ」としてここで互換的に「チオヒドロキシ」と呼ばれるが、−SH基を意味する。
表現「チオール含有化合物」は、ここでA−SHとして示されるが、少なくとも一つの−SH基を含む化合物を指す。この点で、Aは前記チオール含有化合物の残基として定義される。
本発明の現在最も好ましい実施態様によれば、ここで述べられた方法により調製された得られた非対称ジスルフィドはCPSSAであるから、本実施態様による好適なチオール含有化合物はカプトプリル(CPSH)、その誘導体及び類似体、並びに他のチオール含有ACE−阻害プロリン誘導体を含む。
チオール含有化合物が一つ以上の非対称官能基を含む場合、全ての立体異性体(例えば鏡像体、ジアステレオマー)及びそれらのラセミ形が本実施態様により包含されることに注意すべきである。
従って、ここで与えられた新規な方法は新規な方法に基づいており、そこではアリル含有非対称ジスルフィドはアリル化合物とチオ硫酸塩からのアリルチオ硫酸塩の現場調製、及び続いての現場で得られたアリルチオ硫酸塩のチオール含有化合物との反応を通して得られる。
この方法は、ジスルフィド結合を介して共有結合されたチオール含有化合物と希望のアリル残基コンジュゲートであるアリル含有非対称ジスルフィドを調製するために役立ちうる。上に検討したように、例示的なかかるコンジュゲートはCPSSAであり、そこではアリシンの残基が残基カプトプリルに結合される。CPSSAの有益な治療効果は化合物中のこれらの二つの残基の存在に原因がある。
従って、現場で調製されたアリルチオ硫酸塩を構成するアリル化合物とチオ硫酸塩、及びチオール含有化合物を適切に選ぶことにより、いずれの希望のアリル含有非対称ジスルフィドもこの方法を用いて調製されることができる。
以下の実施例の欄において詳述されるように、CPSSAは、この方法に従って臭化アリルとチオ硫酸ナトリウムからのアリルチオ硫酸塩の現場調製、及び続いての現場で得られたアリルチオ硫酸塩とカプトプリルの反応により、調製された。
本実施態様によるCPSSAの調製に使用されたアリルチオ硫酸塩は、最終生成物中でカプトプリル残基に結合されたアリル残基がカプトプリルとアリシンを反応することにより得られた残基と同じであるように選ばれる。従って、CPSSAは、得ることと取扱うことの両者が困難でありかつ不快なかつ不愉快な臭いを持つアリシン自体の使用を回避しながら、この方法により合成的に調製されることができる。
上にさらに検討したように、一般的に非対称ジスルフィド、特にアリル含有非対称ジスルフィドを調製する現在知られた方法は、その方法で得られた中間生成物の分離、単離または精製を必要とする欠点を持つ。これらの中間生成物は例えばアリルチオ硫酸塩を含む。
本発明者らは、今や驚くべきことに、ここに述べられた方法を使用することにより、中間生成物(単数または複数)を単離及び精製する必要性を回避しながらアリル含有非対称ジスルフィドがワンポット法で都合良く調製されることができ、それにより、アリル含有非対称ジスルフィドは以下に詳述するように非常に高純度で得られることを発見した。
ワンポット法としてこの方法を実施することは非常に有利である。なぜなら、中間体を単離しかつ精製する必要性を回避することにより、この方法は単純化され、費用効果的であり、従って容易に規模拡大されることができるからである。
ここで使用される表現「ワンポット法」は、方法に含まれる全ての反応及び/または手順がいずれの中間生成物の如何なる分離、単離または精製手順の必要なしに、同時にまたは連続的に実施される方法を意味する。種々の反応及び/または手順は結果的に同時にまたは間隔をおいてのいずれかで実行されることができる。如何なる疑問も明らかにするために、この表現は文字どおりに単一ポット内で実施される方法を必ずしも指さないことは注意されるべきである。従って、例えばろ過またはデカンテーションのような物理的手段による特定の機械的不純物の除去を含む方法もまた、この用語により包含される。
本発明の好適な実施態様によれば、ここで述べられた方法は、ここに定義された反応性基を持つアリル、及びチオ硫酸塩を含む第一混合物を準備することにより実現される。この第一混合物に、チオール含有化合物を含む第二混合物が添加され、二つの混合物が混合され、それにより必要な生成物を得る。
さらに、本発明の好適な実施態様によれば、第一混合物は、反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩を単に混合することにより(例えば撹拌により)得られる。いずれかの特別な機構に拘束されることなしに、アリル化合物とチオ硫酸塩は現場で反応性種のアリルチオ硫酸塩を形成し、それがその後、最終希望生成物を提供するように、添加されたチオール含有化合物と反応することが考えられる。
さらに、本発明の好適な実施態様によれば、第二混合物はチオール含有化合物を水性溶媒中で単に溶解することにより得られる。
ここで述べられた方法を実施するための最適条件のための調査において、本発明者らは、最終生成物の収率及び純度に関して工程効率の種々のパラメーターの影響を試験しながら、この方法を繰返し実施した。
以下の実施例の欄において示されるように、幾つかのパラメーターが工程効率に影響を及ぼすことを見出した。これらは、反応の時間の長さ、pH条件、反応性基を持つアリル及びチオ硫酸塩の濃度、及び反応性基を持つアリルとチオール含有化合物との間のモル比を含む。
従って、例えば、前記反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩の混合は好ましくは、約1時間から約20時間の範囲の時間の間に実現されるべきであることが見出された。以下の実施例の欄において見られることができるように(例えば実施例1〜6参照)、満足すべき結果は、前記反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩の混合が3,5,10(一夜)及び15時間の間で実現されたときに得られ、最良の結果はこの混合が10時間(一夜)及び15時間の間で実施されたときに得られた。
以下で使用される「約」は±10%を指す。
従って、第一混合物を得るために前記反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩を混合することは、好ましくは約1時間から約20時間、より好ましくは約5時間から約20時間、さらに好ましくは約10時間から約20時間の範囲の時間の間で実現される。
さらに、反応は好ましくは塩基性条件下に実施されるべきであることが見出された。用語「塩基性条件」は、7より高い反応混合物のpHを指す。かかるpHを維持することは、好ましくは緩衝剤の存在下にこの方法を実施することにより達成される。本発明のこの文脈で使用するための好適な緩衝剤は、例えば水素オルトリン酸二ナトリウム緩衝剤のようなリン酸塩緩衝剤を含む。
従って、本発明の好適な実施態様によれば、この方法は塩基性条件下に実施される。本発明のさらなる実施態様によれば、この方法はここで述べたように緩衝剤の存在下で実施される。
明細書、実施例及び請求項を通して現れる濃度は全て、母溶液、すなわち溶液を反応溶液に混合する前のその溶液中の各反応物の濃度に関する。従って、以下で言及されるアリル及びチオ硫酸塩濃度は第一混合物中のこれらの反応物の濃度に関する。同様に、以下で言及されるチオール含有化合物の濃度は第二混合物中のこの反応物の濃度(すなわち、それが他の反応物と混合される前のもの)に関する。
上記を考慮すると、この方法は反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩の両者の濃度がそれぞれ好ましくは約0.1Mから約10Mの範囲の溶液を使用して実現されることができることが示された。より好ましくは、これらの反応物のそれぞれの濃度は約1Mから約5Mの範囲である。
本発明の方法によるCPSSAの調製を示す以下の図2に見られるように、反応性基を持つアリルとチオール含有化合物の化学量論比は1:1モル比である。しかし、本発明を実施に移している間に、反応は好ましくは約10:1から約1:10、より好ましくは約5:1から約1:5の範囲のモル比で実現されることができることが見出された。特に、さらにより好ましくは、反応性基を持つアリルはチオール含有化合物に比べて過剰に保たれるべきであることが見出された。
以下の実施例の欄において示されるように、反応をアリル系試薬の大過剰で実行することは、得られたCPSSA生成物の極めて高い純度(99%より高い)及び比較的高い収率(60%より高い)をもたらした。例えば、4:1のアリル:CPSHのモル比は99.5%の純度により特徴付けられた生成物をもたらし、71%収率で得られ(実施例1参照)、2.6:1のアリル:CPSHのモル比は98.7%の純度により特徴付けられた生成物をもたらし、60%収率で得られ(実施例1参照)、そして1.4:1のアリル:CPSHのモル比は96%純度により特徴付けられた生成物をもたらし、59%収率で得られた(実施例2参照)。
この方法は約−50℃から約50℃の範囲の温度で実現されることができる。好ましくは、第一と第二混合物を混合することは−10℃から+30℃の間の周囲温度で実行される。本発明の好適な実施態様では、混合は周囲温度(例えば室温(rt)、15〜30℃)で実行され、その後、生成物の沈殿を容易にするために好ましくは約0℃までの冷却段階を行なう。
この方法はさらに、溶媒の存在下に実現されることができる。いずれの溶媒も使用されることができるけれども、反応物の水中での溶解性を考えると、反応を水性媒体中で実行するのが望ましい。従って、本発明の好適な実施態様では、この方法は、好ましくは水である水性溶媒中で実現される。
水性媒体中でこの方法を実施することは、安全で、費用効果的で、環境に優しく、従って大規模方法のために非常に適している。背景技術の欄で詳細に検討したように、非対称ジスルフィドの調製のための現在知られた方法は、有機媒体中の反応に焦点を当てることにより、チオールのような水溶性試薬と共に使用するためには適していない。
さらに、本発明の好適な実施態様によれば、反応性基を持つアリルとチオ硫酸塩を反応させるモル比は約5:1から約1:5の範囲であることができる。好ましくは、この比は化学量論的に1:1モル比である。
アリル含有非対称ジスルフィドの調製後に、得られた生成物の精製を行なう。従って、本発明の好適な実施態様では、上に述べられた方法で得られた生成物は一つ以上の精製工程を受ける。好ましくは、アリル含有非対称ジスルフィドを精製することは、一つ以上の抽出、カラムクロマトグラフィー、及び再結晶により実現される。
以下の実施例の欄において詳述されるように、この方法により得られたアリル含有非対称ジスルフィドは高い純度により特徴付けられる。以下の実施例1〜4に示されるように、本発明の方法に従うことにより、95%以上の純度(96%及び97%)を持つ化合物が得られることができる。事実、99%を越える純度が上記方法を用いて容易に得られた。
従って、本発明のなお別の態様によれば、95%より高い純度を持つアリル含有非対称ジスルフィドが提供される。好ましくは、アリル含有非対称ジスルフィドは97%より高い、より好ましくは99%より高い純度を持つ。
かかる極めて高い純度は、高純度レベルの試薬を使用することが必要である医薬及び分析的用途において最も有利である。
本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は、下記実施例を考察すれば、当業技術者には明らかになるであろう。なお、これらの実施例は本発明を限定するものではない。さらに、先に詳述されかつ本願の特許請求の範囲の項に特許請求されている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例の実験によって支持されている。
上記説明とともに、以下の実施例を参照して本発明を例示する。なお、これらの実施例によって本発明は限定されない。
材料及び分析方法
カプトプリルはTeva,Isreelから得られた。全ての他の化学薬品はSigma,Aldrich及びMerckから得られた。
生成物分離は、LiChrosorb RP−18(7mm)カラム、及び移動相として0.05%のトリフルオロ酢酸を含む水中の60%メタノールの混合物を用いて、HPLC上で実行された。流速は1.0ml/分に保たれた。
生成物識別及び分離は、LiChrosphere 100 RP−18(5mm)カラム、及び移動相として0.05%のトリフルオロ酢酸を含む水中の60%メタノールの混合物を用いて、HPLCにより実行され、流速は1.0ml/分に保たれ、検出器は220nmで操作された。滞留時間はカプトプリルに対しては3.1分、CPSSAに対しては9.7分であった。
生成物の純度はH−NMR,IR,UV−可視及び融点測定を用いて確認された。
H−NMRスペクトルはCDCl溶液を用いてBruker Avance 250 DPX装置上で記録され;化学シフトは内部標準としてのMeSiからのダウンフィールドのppmで表わされる。
IRスペクトルはKBrペレットを用いてNicolet Protege 460 FTIR装置上に記録された。
UVスペクトルは1:1 MeOH:HO混合物の2ml中の0.15mgCPSSAの溶液に対し、HP8452AダイオードアレイUV−可視分光計上に記録された。
融点はStuart Scientific SMP 10装置を用いて2℃/分の温度勾配により決定された。
化学合成
本発明の好適な実施態様によるアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)を調製するための一般的な方法は、以下のスキーム2に示されている。この方法は、以下の実施例1〜6に示されるように、その効率に対する種々のパラメーターの影響を試験しながら実施された。
Figure 2009524648
実施例1
臭化アリル(48ml、0.556モル)を水(189.6ml)中の無水チオ硫酸ナトリウム(88.2グラム、0.558モル)の溶液に添加すると、その後約1分で溶液が黄色に変わった。次いで得られた混合物を室温で一夜撹拌し、貯蔵のため冷温室(約4℃)内に保持した。溶液は、使用前に機械的不純物を除去するためにろ過された。次いで、この溶液の一部(197ml、0.4モル)を別のフラスコに移動し、0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(34ml)と混合した。
別個のフラスコ中で、0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(170ml)中にカプトプリル(21.7グラム、0.1モル)を溶解することにより均一なカプトプリル(CPSH)溶液を調製した。この間、混合物を窒素雰囲気下に水浴中で加熱した。カプトプリル溶液を、先に調製されたチオ硫酸アリル溶液を含むフラスコに添加し、撹拌を、窒素雰囲気下に2時間室温で続け、その後氷浴中で(約5℃に)冷却した。混合物を約3の最終pHに酸性化するように4M HCl(15.9ml)を、冷却された混合物に添加すると、白い固体の沈殿が観察された。この混合物を次いで冷温室(約4℃)内に5日間置き、毎日HPCLにより監視した。5日後、沈殿物を水で洗浄し、粗生成物を二度水中でスラリー化し、ろ過した。その後、沈殿物を空気中で乾燥した。続いてデシケーター中で減圧下P上で追加的に乾燥した。生成物を次いでヘキサン中でスラリー化し、ろ過した。デシケーター中での乾燥後、純粋なアリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)を得た(20.87グラム、0.086モル、72%収率)。
HPLCにより決定された最終生成物の純度は99.46%であった。
Figure 2009524648
同じ実験を、チオ硫酸アリル溶液の128ml(0.26モル)を使用して繰返し、高純度生成物(98.74%純度、17.33グラム、0.071モル、60%収率)を得た。
実施例2
臭化アリル(17.3ml、0.2モル)を水(50ml)中のチオ硫酸ナトリウム5水和物(49.6グラム、0.2モル)の溶液に添加し、得られた混合物を、最初の二相が消え、反応混合物が均一になるまで、室温で15時間撹拌した。水素オルトリン酸二ナトリウム(約8.0のpHを持つ0.5M水溶液の50ml)を添加し、得られたチオ硫酸アリル溶液を氷浴中で冷却した。カプトプリル(CPSH)溶液を、窒素雰囲気下で0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(250ml)中にカプトプリル(32グラム、0.147モル)を溶解することにより調製した。このカプトプリル溶液を、反応混合物のpHを約8.0に維持しながら、撹拌及び窒素の泡立ち下にチオ硫酸アリル溶液に添加した。撹拌を1時間0℃で続け、別の1時間室温で続けた。反応混合物をその後再び氷浴中で冷却し、混合物を2〜3の範囲の最終pHに酸性化するように、窒素雰囲気下に、4M HCl(35ml)を添加した。混合物を次いで、白色固体の沈殿が観察されるまで、冷蔵庫(+4℃)内に4日間置いた。沈殿物をろ過し、注意深く水で洗浄し、かつ減圧下に乾燥した。粗生成物(23グラム)をn−ヘキサン(100ml)で1時間処理し、白色固体をその後ろ過し、減圧乾燥し、純粋なCPSSA(21グラム、0.086モル、59%収率)を与えた。
HPLCにより決定された最終生成物の純度は96%であった。
Figure 2009524648
実施例3
臭化アリル(17.3ml、0.2モル)を水(50ml)中のチオ硫酸ナトリウム5水和物(49.6グラム、0.2モル)の溶液に添加し、その混合物を、最初の二相が消え、反応混合物が均一になるまで、室温で5時間撹拌した。反応混合物を次いで氷浴中で冷却し、撹拌した。カプトプリル(CPSH)溶液を、窒素雰囲気下で0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(300ml)中にカプトプリル(32グラム、0.147モル)を溶解することにより調製した。このカプトプリル溶液を、反応混合物のpHを約8.0に維持しかつ反応の進行をHPLCにより監視しながら、撹拌及び窒素の泡立ち下に反応混合物に添加した。撹拌を30分間0℃で続け、温度を次いで室温に上昇した。混合物を2〜3の範囲の最終pHに酸性化するように、窒素雰囲気下に、4M HCl(35ml)を添加した。混合物をその後酢酸エチル(各150mlの3アリコート)で抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発しかつ減圧下に乾燥し、HPLCにより決定された75%のCPSSAと22%のカプトプリルを含む油(26グラム)として粗生成物を与えた。CPSSAは次のようにカラムクロマトグラフィーにより精製された:粗CPSSA(5グラム)を酢酸エチル中に溶解し、この溶液をヘキサンにより予備平衡されたシリカゲル60で充填されたカラム(10×100cm)上に装填した。カラムをまず600mlの60:40の酢酸エチル:ヘキサン混合物により溶出し、次いで5:35:60のメタノール:酢酸エチル:ヘキサン混合物により溶出し、HPLCにより決定された92%の純度を持つ固体(15グラム、0.052モル、36%収率)として半純粋のCPSSAを与えた。ジエチルエーテル−ヘキサン混合物(1:1)からの半純粋の固体の再結晶は高純度CPSSAの11グラム(0.045モル、31%収率)を与えた。
HPLCにより決定された最終生成物の純度は97%であった。
Figure 2009524648
実施例4
臭化アリル(0.173ml、2ミリモル)を水(5ml)中のチオ硫酸ナトリウム5水和物(500ミリグラム、2ミリモル)の溶液に添加し、得られた混合物を、最初の二相が消え、反応混合物が均一になるまで、室温で15時間撹拌した。反応混合物を次いで氷浴中で冷却し、撹拌した。カプトプリル(CPSH)溶液を、窒素雰囲気下で0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液の3ml中にカプトプリル(432ミリグラム、2ミリモル)を溶解することにより調製した。このカプトプリル溶液を、混合物のpHを約8.0に維持しながら、撹拌及び窒素の泡立ち下にチオ硫酸アリル混合物に添加した。撹拌はHPLCにより反応の進行を監視しながら続けられた。0℃で30分の撹拌後、反応混合物はHPLCにより決定された70%のCPSSAと15%の未反応カプトプリルを含んでいた。
実施例5
塩化アリル(0.144ml、2ミリモル)を5mlの水中のチオ硫酸ナトリウム5水和物(500ミリグラム、2ミリモル)に添加し、その混合物を、最初の二相が消え、反応混合物が均一になるまで、室温で3時間撹拌した。反応混合物を次いで氷浴中で冷却し、撹拌した。カプトプリル(CPSH)溶液を、窒素雰囲気下で0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(3ml)中にカプトプリル(432ミリグラム、2ミリモル)を溶解することにより調製した。このカプトプリル溶液を、反応混合物のpHを約8.0に維持しながら、撹拌及び窒素の泡立ち下に反応混合物に添加した。撹拌はHPLCにより反応の進行を監視しながら続けられた。0℃で40分の撹拌後、反応混合物はHPLCにより決定された30%のCPSSAと20%の未反応カプトプリル並びに他の生成物を含んでいた。
実施例6
塩化アリル(0.720ml、10ミリモル)を水(15ml)中のチオ硫酸ナトリウム5水和物(2.48グラム、10ミリモル)の溶液に添加し、得られた混合物を、最初の二相が消え、反応混合物が均一になるまで、室温で15時間撹拌した。その後、水を減圧下に蒸発し、沈殿した白色固体(1.76グラム)をエチルアルコールで洗浄し、乾燥し、0.5Mの水素オルトリン酸二ナトリウム緩衝液(10ml)中に再溶解した。混合物を氷浴中で冷却し、撹拌した。カプトプリル(CPSH)溶液を、窒素雰囲気下で0.5M水素オルトリン酸二ナトリウム溶液(3ml)中にカプトプリル(920ミリグラム、4.2ミリモル)を溶解することにより調製した。このカプトプリル溶液を、反応混合物のpHを約8.0に維持しながら、撹拌及び窒素の泡立ち下にチオ硫酸アリル混合物に添加した。撹拌はHPLCにより反応の進行を監視しながら続けられた。0℃で30分の撹拌後、反応混合物はHPLCにより決定された38%のCPSSAと43%の未反応カプトプリルを含んでいた。
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。

Claims (54)

  1. アリル含有非対称ジスルフィドを調製する方法であって、反応性基を持つアリルをチオール含有化合物と、チオ硫酸塩の存在下に、反応させ、それによりアリル含有非対称ジスルフィドを得ることを含むことを特徴とする方法。
  2. ワンポット法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応性基を持つ前記アリル及び前記チオ硫酸塩を含む第一混合物を準備すること;
    続いて前記チオール含有化合物を含む第二混合物を前記第一混合物に添加すること;及び
    前記第一混合物と前記第二混合物を混合すること;
    を含むことを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記第一混合物を準備することが、前記反応性基を持つ前記アリルと前記チオ硫酸塩を1時間から20時間の範囲の時間の間、混合することにより実現されることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  5. 前記時間が10時間から20時間の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応が塩基性条件下に実施されることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  7. 前記反応が約−50℃から約50℃の範囲の温度で実行されることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  8. 前記反応が水性媒体中で実行されることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  9. 前記反応性基を持つアリルと前記チオール含有化合物との間のモル比が約10:1から約1:10の範囲であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  10. 前記比が約5:1から約1:5の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記反応性基を持つアリルと前記チオ硫酸塩との間のモル比が約5:1から約1:5の範囲であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  12. 前記比が約1:1であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記反応性基がハロゲン化物、トシレート及びスルホニルクロライドからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  14. 前記反応性基がハロゲン化物であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  15. 前記反応性基が臭化物であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記第一混合物中の前記反応性基を持つアリルの濃度が約0.1Mから約10Mの範囲であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  17. 前記濃度が約1Mから約5Mの範囲であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記第一混合物中の前記チオ硫酸塩の濃度が約0.1Mから約10Mの範囲であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  19. 前記濃度が約1Mから約5Mの範囲であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記チオール含有化合物がアンギオテンシン変換酵素(ACE)−阻害プロリン誘導体であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  21. 前記チオール含有化合物がカプトプリル、その誘導体または類似体であることを特徴とする請求項1,2及び20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記チオ硫酸塩がチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、及びチオ硫酸アンモニウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  23. アリル含有非対称ジスルフィドを精製することをさらに含むことを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
  24. 前記精製がカラムクロマトグラフィー、再結晶及び/またはそれらの組合せにより実現されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記反応性基を持つアリルが臭化アリルであり、前記チオール含有化合物がカプトプリルであり、前記アリル含有非対称ジスルフィドがCPSSAであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  26. 請求項1の方法により得られたアリル含有非対称ジスルフィド。
  27. 一般式:
    A−S−S−B
    を持つアリル含有非対称ジスルフィドを調製する方法であって、ここで:
    Aはチオール含有化合物の残基であり;
    Bはアリル残基であり;そして
    AとBは異なっており、
    この方法は一般式B−Xを持つ化合物、ここでXは反応性基である、をチオ硫酸塩の存在下に、一般式A−SHを持つチオール含有化合物と反応させ、それにより非対称ジスルフィドを得ることを含むことを特徴とする方法。
  28. ワンポット法であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 前記一般式B−Xを持つ化合物と前記チオ硫酸塩を含む第一混合物を準備すること;
    続いて前記一般式A−SHを持つ化合物を含む第二混合物を前記第一混合物に添加すること;及び
    前記第一混合物と前記第二混合物を混合すること;
    を含むことを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記第一混合物を準備することが、前記一般式B−Xを持つ化合物と前記チオ硫酸塩を1時間から20時間の範囲の時間の間、混合することにより実現されることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  31. 前記時間が10時間から20時間の範囲であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 前記反応が塩基性条件下に実施されることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  33. 前記反応が約−50℃から約50℃の範囲の温度で実行されることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  34. 前記反応が水性媒体中で実行されることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  35. 前記一般式B−Xを持つ化合物と、前記一般式A−SHを持つ化合物との間のモル比が約10:1から約1:10の範囲であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  36. 前記比が約5:1から約1:5の範囲であることを特徴とする請求項35に記載の方法。
  37. 前記一般式B−Xを持つ化合物と前記チオ硫酸塩との間のモル比が約5:1から約1:5の範囲であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  38. 前記比が約1:1であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
  39. Xがハロゲン化物であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  40. 前記ハロゲン化物が臭化物であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記一般式B−Xを持つ化合物の濃度が約0.1Mから約10Mの範囲であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  42. 前記濃度が約1Mから約5Mの範囲であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 前記チオ硫酸塩の濃度が約0.1Mから約10Mの範囲であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  44. 前記濃度が約1Mから約5Mの範囲であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
  45. 前記一般式A−SHを持つ化合物がアンギオテンシン変換酵素(ACE)−阻害プロリン誘導体であることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  46. 前記一般式A−SHを持つ化合物がカプトプリル、その誘導体または類似体であることを特徴とする請求項27,28及び45のいずれかに記載の方法。
  47. 前記チオ硫酸塩がチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、及びチオ硫酸アンモニウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  48. アリル含有非対称ジスルフィドを精製することをさらに含むことを特徴とする請求項27及び28のいずれかに記載の方法。
  49. 前記精製がカラムクロマトグラフィー、再結晶及び/またはそれらの組合せにより実現されることを特徴とする請求項48に記載の方法。
  50. 請求項27の方法により得られたことを特徴とするアリル含有非対称ジスルフィド。
  51. 95%より高い純度を持つことを特徴とするアリル含有非対称ジスルフィド。
  52. 99%より高い純度を持つことを特徴とする請求項51に記載のアリル含有非対称ジスルフィド。
  53. アリルメルカプトカプトプリル(CPSSA)であることを特徴とする請求項51及び52のいずれかに記載のアリル含有非対称ジスルフィド。
  54. 前記B−Xが臭化アリルであり、前記A−SHがカプトプリルであり、前記アリル含有非対称ジスルフィドがCPSSAであることを特徴とする請求項27〜53のいずれかに記載の方法。
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