JP2009524021A - 凍結標本の分配システム、方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
帰を有する突き出しピンを備える。前記突き出しピンは、前記針の内径よりも小さい及
び実質的に同一の断面直径を有する。
生物学的保存には、多数の凍結された生物学的組織及び液体試料が含まれる。前記生物学的組織及び液体試料は、他の研究分野と同様に、生体指標、栄養学、機能的ゲノム学の研究を支持するものとして科学者が利用可能なものである。例えば、血液バンクは将来的に利用するため2万から4万ユニットの血液を保存すると同時に、年間約1500万ユニットの血液を集めている。注文を受けた標本のセットを配送するのに、現在の生物学的保存施設は、非常に長いリードタイムをかけている。例えば、看護師健康調査(NHS)によると、分割操作において、研究助手は週に150の標本を処理する。また標準的な研究には約1000の標本が必要となる。したがって、研究助手が一つの研究のための標本処理を完了させるために、データ管理に要する1〜2週間に加えて、6週間以上の期間が必要となる。
凍結された生物学的試料より1mmの直径のコアを抽出するように設計することが必要とされる。前記試料は、約−90度、−80度、或いは−70度、−40度、或いは−20度の温度、或いはそれ以下の温度で保たれている。実施例は、凍結試料が脆性材料の性質を示すことを表している。試料の劣化、また発熱の様々な状態が予想される方法が本発明において分析される。回転コアリング方法は、生物学的試料へ伝わるビット内の高い座屈応力及びねじり応力を有するため、要求を満たすものではないことがわかった。
圧電スタックを有する超音波ドリルシステムを、線形運動により駆動する超低周波システムと比較した。発熱の量は、周波数及びストロークの長さに直接比例することがわかった。また、超音波を用いた方法は、計算及び分析を経て、可能性を有する解決策として考慮されなかった。
次にリニアモータを分析した。試験した最初のモデルはLinMot社の設計のもので、設計の構想に必要な動きをもたらすために選ばれた。試験は多様なビットの形状を用いて行われ、最適なドリルビットの形態が見出された。正弦波、周波数50Hzの音波、及び2mmのストロークが、破砕を開始するのに必要な力を標本内にもたらすものであることを突き止めた。図3はビットを備えたLinMotリニアモータの図である。
本発明における装置及び方法の目的は、凍結した生物学的試料より標本を抽出することである。この目的は、凍結試料の破砕システム及びシステムの温度制約に起因する重要な課題に対するものである。例において、データは凍結した生理食塩水が実際の生物学的試料の代表であること、また脆弱な性質を示すものである。調査を通じて、標本抽出時の脆弱な破砕方法は、結果として氷片を形成することがわかった。氷片を容易に除去すること、及びさらに深いコアのために、振動運動が考慮される。この種の装置の分析は、摩擦による発熱は周波数及びストロークの長さに比例することを突き止めた。したがって、実施例のさらなる目的は振動運動を突き止めることである。前記振動運動は、低い周波数及びストロークの長さを有し、破砕を起こすのに必要な力を標本内にもたらす。この運動は本発明において、これらの目的を満たす独特なビットの形態と組み合わせられる。
前記装置の特性について以下の点が述べられる。すなわち、部分標本間に保存される体積の均一性、効果的な状況において利用される保存量、無駄な標本を最小限にすること、及び従来技術の方法と比較して時間及び使用者の必要量が最低限で済むことである。
臨床試験の基準に基づいた部分標本の必須条件及び工業的効率性の必須条件については以下のことが述べられる。すなわち、少なくとも約10μL、50μL、100μL、或いは約500μLが分析の成功のために必要となる。あるケースにおいて、工業の標準規格は、保存量の効率的な利用のため部分標本を約120μL以下に制限している。1.8μL入る典型的なクライオチューブは、工業の効率的な標準規格を満たすため約10の部分標本を有する。周辺の試料への周囲の損傷は最低限にされるべきである。そうすればさらなる標本を同じクライオチューブより抽出することが可能となる。
回転運動を用いビットを駆動させ物質内へ入っていく回転ドリルは、米国特許出願第2002/0129975号(Barth他)に示されている。この氷用オーガシステムは、湖や川などの凍結した水から固体のコアを切り取るのに用いられる。その目的は、氷の削り屑を削減する一方、氷に穴を開け、筒状の氷のコアを大きなひびを入れずに取り出すことである。前記システムは細長いシャフトの上端部に接続されているモータ装置を使用して回転する。前記システムは、少なくとも1つの氷に係合するビットを用いて芯をくり抜く。また前記システムは継続的切断用のフライティングを利用する。このシステムは、一定の正確な量を正確に抽出するため、或いは内部のコア及び周囲の氷の完全性を維持するものとして設計されていない。このシステムは基本的な回転運動を用い、固体のコアを切り取るのに用いられる。
超音波コアラー/ドリラ装置は、米国特許第6,689,087号(Pal他)に示されている。このシステムはハンマ作用を生み出す。前記ハンマ作用は超音波及び亜音速の振動を用いることにより生じ、効果的なドリリング及びコアリングを生み出す。超音波ドリラ及びコアラーは惑星探査、地質学的調査、軍事、及び医療手術において用いられる。また前記超音波ドリラ及びコアラーは、一定の正確な量を正確に抽出するため、或いは内部のコア及び周囲の氷の完全性を維持するためのものとして設計されていない。このシステムは基本的な回転運動を用い、固体のコアを切り取るのに用いられる。
マイクロアレイ技術は、さらに小さな針という不利な点を有する。前記針は、径が縮小されたためより簡単に曲がり易く、例えば癌の生検等の組織標本をほとんど解明することができない。大きさが長さ3mmから4mmで、約−20度で凍結されたドナーブロックから取り出された標本が抽出される。
いくつかの実施形態において、ダイヤモンド結晶は、極めて高い温度、また成分を切断する極めて大きい応力のもとに結合している。これは米国特許第5,437,343号(クーリー他)に示されている。耐熱性多結晶ダイヤモンド切削要素は、回転ドラッグビットを使用するために置かれる。前記回転ドラッグビットは、せん断運動で地下層に穴を開けるのに用いられる。窒化ホウ素及び窒化ケイ素もまた超硬物質であり、同様に切削要素に結合することが可能である。スパッタコーティングダイヤモンド或いは熱処理エナメル加工超硬物質を針先形状の先端部に用いることによって不具合が生じるまでのサイクルが増加し、針先の初期の接触応力を低く維持することになる。
本発明において、「ビット」、「ドリルビット」、或いは「針」という用語は、線形振動モータに取り付けられた中空管を指す。前記線形振動モータは凍結された生物学的試料に衝撃を与えドリルで穴を開け、そして凍結標本を取り出すものである。
前記ビット(針)の形状は、ドリルで穴を開ける間、放射状の亀裂を抑制するよう最小化される。そうすることにより、各クライオチューブから最大数の標本を取り出すことができる。放射状亀裂の伝播に影響する要因として、衝撃速度、衝撃力、ビット表面積、及び第一の歯部を備えた抽出部のピッチが含まれる。
前記ビットの先端部にかかる応力を低減することは一つの特徴である。そして前記ビットにかかる応力は最小化されるので、前記ビットの疲労に起因する不具合を防ぐ。このことは、操作コスト及びシステムをより効率的にするので、各針が可能なコアの数を最大限にする。
凍結標本を貫通する際に針が結合することを最小限にするため、凍結氷片除去システムは、針の形態に組み入れられている。このシステムは不要な圧縮された凍結氷片の除去を容易にする。衝撃を受ける場所から圧縮されていない氷片を除去すると、針の衝撃面と凍結標本間の摩擦が低減される。
針の材料の選択は以下の要因により影響を受ける。その要因とはすなわち、強度、周囲及び凍結標本の周囲の温度サイクルに耐える能力、低価格、及び製品化の容易さである。
凍結組織マイクロアレイヤの初期の形態は、中空ドリリング装置(TechnoDiamant社のダイヤモンドコアドリルビット)に基づいたものであった。前記装置は垂直方向の力および回転の組み合わせにより切断する。この切断方法の組み合わせは、垂直方向の力のみを利用した場合と比べて、前記針の応力レベルを低減する。また、この垂直方向の力のみを利用することは、すでに現在の市販の装置にて用いられている。力がより小さければ針の寿命が長持ちし、また組織の構造にかかるコアリングの衝撃を低減する。図1に示される前記針は、小さな凍結組織アレイを作製する間に20の標本を切断することができる。
このドリリング装置はx−yミリングテーブルに組み入れられる。前記x−yミリングテーブルは、x−y−zポジションのコンピュータ制御、及び一定であるが、選択可能な回転スピードのドリルビットのオン/オフ制御をもたらす。前記x−yミリングテーブル或いはミニミルは、反復性を持つ0.003175mmのステップ分解能を有する。該ステップ分解能は0.0127mmよりもよい反復性を有するので、この発明にとって適切なものである。標本はTechnodiamant社の針およびミニミルを用いて、−70度の凍結食塩水および組織から抽出された。
凍結組織試料は組織カセット内に保存される。前記組織カセットはホルダに挿入され、そしてフライス盤上にある冷却液タンク内に配される。前記冷却液タンクはドライアイスアルコールスラリを収容する。前記ドライアイスアルコールスラリは組織を凍結状態に保持する。またある実施形態において、空気冷却材ループが、組織ブロック上方の冷たい空気の流れをもたらすものとして盛り込まれている。この空気循環は前記ブロック上部が温まらないようにし、ブロックに霜が降りることを防ぐ。この組立部は、前記ブロックを−70度或いはさらに低い温度で、少なくとも8時間維持するのに適していることがわかった。
凍結標本は突き出しピンを用いて針から取り除かれる。前記突き出しピンは、ドリリングの針の内径に非常にぴったり嵌合するもので、前記針から完全に及びすっかりと凍結標本を取り除く。前記ピンはさらにばね復帰を有する。そして前記ピンはテフロン(登録商標)シールを有してもよい。前記テフロン(登録商標)シールは前記プロセスの反復の前の針からのサンプル回収を最大限にする。ドリリングの針の遠位端にあるテフロン(登録商標)部品及び前記針の内径をぴったりとはめることは保持力を最小化する。また外部の要素は洗浄ステーション及び以下のステップを用いることにより取り除かれる。すなわち、ドリリングの針はブラシの床に挿入されている。ブラシは10%濃度の漂白剤に入っていて、その中にコアリングの針が挿入されている。一度挿入すると、前記針はブラシの剛毛の周りを、軌道を描くよう動く。一方で前記針は回転し、前記突き出しピンは上下運動する。そしてテフロン(登録商標)部品は、その周囲も同様に洗浄されるように部分的に露出している。次の工程において、前記方法は、漂白が食塩溶液により行われること以外、ここに述べたものと同じである。そして、前記ステーションを乾燥し、残存食塩溶液を取り除く。そして冷却ステーションは前記針を所望の温度の範囲にする。
クリーニングアッセイは以下を用いて行われた。洗浄手順と共に本明細書中で得られた凍結したヒト組織10個、及び洗浄手順を除いた対照群10個をQuantiBlot Human DNA Quantitation Kit(Applied Biosystems社)、及びD17Z1の遺伝子座の霊長類種アルファサテライトDNA配列を用いて試験した。
凍結試料用の凍結組織アレイヤカセットは、例えば一つ、或いは多数に分割されたアルミニウムから機械加工されたものである。そのため、前記カセットは凍結、保存、或いは後に続くアレイ構成の間機能する。さらに、同じセットがドナー凍結試料及びレシピエントブロックに利用することも可能である。
凍結試料から標本を獲得するプロセス及びこれらの試料をレシピエントブロックに正確に配置するプロセスにおいて、従来技術における方法は、不要な力を細胞及び/又は組織へ適用するものである。ドリリングはせん断力(組織を通るコアリングビットの回転)及び圧縮力(コアリングの針が組織内へ押し込まれる時)を適用する。これらのコアリングの力は組織を「ねじる」可能性、及び組織を圧縮する可能性を有する。コアをレシピエントブロックに挿入する間、二つの力が適用される。一つは突き出し針からの力で、組織表面に対し均一に適用されるものである。もう一つは摩擦力で、コアリングの針の内径とレシピエントブロックの空洞の内径との交点において生じるものである。これら配置時の力には組織を圧縮する可能性があり、コアの周囲及び中心間の相対運動を引き起こす。
目的は、ドリリング及び配置時の力を最適化することである。この結果、組織の形態の変化が検出されない点にまで最適化される。これらの力に衝撃を与える本発明の制御に用いられる設計変数は以下を含む。ドリリングの針の形状、ドリリング間の回転速度、ドリリング間に前記針が前進する速度、ドリル外径及びレシピエントブロックの空洞の内径間の差、針の表面処理、ドリリングの針がレシピエントブロックの空洞上に配される正確さが含まれる。配置の正確さはコンピュータで制御されており、−70度に維持された組織温度の生化学的忠実性を保つ。
アレイヤに組み込まれた圧電気力及びトルクセンサ(PCB Piezotronics社、圧電気力:PCB 1102-05A及びトルクセンサ:PCB 2308-02A)は、ドリリングのプロセスの間、適用した力のデータ及びトルクのデータ(力及びトルク対時間)を測定する。データは病理学的評価(例を参照)とともに分析され、最適な形態状態を特定する。変数の長所を評価するのに用いられる測定基準は以下のことを含む。すなわち、単一の組織切片の機能としての標本の形態はドリリングのプロセスの衝撃を査定するため評価される。評価を行うため、標本を様々な異なる組織の種類から採取し、また切片をドナー組織及び凍結組織アレイから採取する。そしてこの二つを一組にする。二重盲検評価は病理学者により行われる。
ドナー組織及び凍結アレイより採取した切片を切り、ここに同定される三つの重要な分析を進め、盲検評価をする。免疫組織科学(IHC)/免疫蛍光(IF)は、特定の抗体を用いて細胞中の特定のたんぱく質及び抗原の存在を査定するのに用いられる技術である。前記抗体は前記たんぱく質及び抗原に結合することにより、視覚化及び顕微鏡での試験が可能となる。IHCに対するIFの長所として、様々な異なる蛍光性のクロモゲンが利用可能である。そしてこのようにして、同時に様々な抗原に異なる標識化をすることが可能であり、また視覚化することも可能である。
(蛍光)in-situハイブリダイゼーション法は、特定のDNA/RNA配列(例:遺伝子)を検出する技術である。前記技術は、形態学的に保存された染色体、細胞或いは組織切片中の標識化された相補的なDNA/RNAのプローブを用いる。これは微小の位相的な情報を、DNA或いはmRNAレベルでの遺伝子活性にもたらす。同様に、ISHに対するFISHの長所として、様々な異なる蛍光色素が利用可能である。そしてこのようにして、同時に様々なDNA/RNA配列に異なる標識化をすることが可能であり、また視覚化することも可能である。
一般的な目的は、このプロセスの結果起こる発熱を最小化することである。凍結生理食塩水分析を用いた実験シミュレーションで、約−90度、約−80度、或いは約−70度に維持された標本に破砕を生み出すのに必要な力は、所望のビット形態を用い約30N及び90N,特に43から72Nの間で変動する。この変動は、実験データに基づいた実験的凍結標本の破壊靭性において観測されたばらつきから生じたものである。
いくつかの形態の代わりとなるものが研究された。その中には回転運動或いは線形振動運動を有するドリルも含まれている。
コアリングの回転運動方法は、回転運動(例えばボール盤)を用いてコアリングビットを駆動することにより達成される。この方法は、標本を貫通するのにコアビットの高い軸方向の荷重と高いねじり荷重両方を必要とする。凍結した生物学的試料の回転ドリリングへの試みはいくつかの限定的な成功を見せたが、解析データにより決定されるような成功した標本を生み出すことはなかった。前記線形振動運動の分析から得られた追加的なデータをここに示す。
ここにもたらされる線形振動超音波ドリリングシステムは、圧電スタックを備える。該圧電スタックはホーンを共振周波数にする。典型的な超音波システムは振動数20KHz以上、変位は30μmまでで操作する。ここに示す市販の超音波ポリッシャを使用するサンプリングの実施例は、計算により確認された過剰な熱量を発見した。超音波ポリッシャ装置はドリリングビットを備え、凍結した標本へ導入された。前記装置は凍結試料を完全に溶かした。動きの変数に対する適応能力や調整もまた制限された。
したがって、ここで研究された線形振動システムの種類の他の例は、デジタル処理により線形モータシステムを制御した。この種類のモータは前記システムを亜音速のスピードで駆動させるのに用い、また必要な運動データをもたらすことができた。前記方法に適切なこの種類の例示的なモータはLin Mot社が製造している。(Delevan, WI53115)また前記モータは、円筒状固定子を用い管状線形モータをもたらし、ネオジム磁石を含む中空スライダを駆動させる。このモータの利点は、運動のパラメータを制御することに対し付加される。
例えばLinMot社製のリニアモータは音速、線形、振動運動をサンプリング用に生み出す。固定子及びスライダ部品はサーボ制御装置により操作される。前記サーボ制御装置はその提供されたソフトウェアを備えたいずれのパーソナルコンピュータのCOMポートを通じて通信したりプログラムされたりする。目的の最適適合性を決定するため解析調査が行われた。最初の計算は、前記システムでの発熱の量を決定するのに用いられた。前記システムでの発熱の起こりうる状態に、破砕、摩擦、及び粉砕が含まれる。ごくわずかな発熱量は摩擦から生じる。これは材料のもろい性質のためである。摩擦からの熱は、周波数及びストロークの長さに直接比例するよう計算された。計算によると、コアリングの超音波の方法は、LinMot社のシステムよりも27倍以上の摩擦からの熱を生じた。標本分子の機械的粉砕から粉砕が生じる。前記機械的粉砕はビットコアが凍結標本内に入る時に起こりうる。粉砕により生じる熱はリッティンガー方程式を用いて計算される。前記リッティンガー方程式において、エネルギー法は、最初と最後の先端部の表面積を発熱量と関連させるのに利用される。リッティンガー法が実験的に発展すると、このシステムにおける粉砕による発熱を定量化することが難しい。発熱に加え、先端部の移動による熱伝導は周知のシステムの境界条件を用いて計算される。前記境界条件には先端部の大きさ及び先端部の移動速度が含まれる。粉砕から生じた熱を用いると、試験を通じ先端部熱伝導は最適に決定される。
−79度における最初の破砕に必要な限界力は、以下の等式により決定される。
氷の破壊靱性値の範囲により、必要な力の範囲は43Nから72Nの間であると決定された。これを支持するため、ANSYSを用いた有限要素解析が計算された。上記の限界力計算から導いた下限値43Nは、氷の無限板に適用された。そしてその結果生じた主応力が計算された。このANSYS分析は60MPaの圧縮応力を生み出した。一軸圧縮における氷の破壊の経験的観測は4から30MPaの必要な応力を示す。この値は43Nの力より生じる60MPaよりも小さい。限界力計算及びANSYS分析の組み合わせは、LinMot社の駆動システムの適合性を示した。
自由落下の力の手段は、凍結した生理食塩水を破砕するのに必要な力を決定する追加的な手段として実施された。エネルギーの定理及びエネルギー保存を用い、実験が73Nの力を凍結した生理食塩水に伝えることを予想した。ビットの約2倍の径のくぼみとともに、破砕が発生し、氷片が生じた。この試験はさらに理論解析の根拠をもたらした。
LinMot社の駆動システムの形態コンセプトの長所は動きの制御であると結論付けられた。前記制御はシステムのソフトウェアの操作を通じて達成されたものである。LinMot社のシステムは最小の発熱を持つ振動運動の一例である。加えて、LinMotは中空スライダ形態を備えている。前記中空スライダ形態は凍結標本を得た後に取り除くことを可能にする。
LinMot社或いはその同等のシステムのサーボメモリはアップグレードされ、より多くのデータ点を有することができる。LinMot社の制御装置は、4000のデータ点を有する運動軌跡を制御する。データ点における増加は、供給量をもたらす一方で、前記システムをより大きな範囲の周波数、振幅、及び力で動作させることができる。
他の有益な改善点は、ビットの材料にチタンを使用することにより、前記ビットの硬度を45%増加させることである。ビットの形状の追加的な修正は、前記ビットが標本を採取する一方で、その標本から切片を取り除くことを可能にする。
その他の改良点は、例えばテフロン(登録商標)などのビットへの疎水性コーティングを施すことである。これは摩擦を低減し、前記ビットからより簡単に標本回収を行うことができる。
LinMot社の超音波インパクトドリラを用い、前記システムは静止位置に取り付けられるので、LinMot社のスライダは唯一の可動部になる。LinMot社のソフトウェアは電流の力フィードバック及び前記システムの駆動力レベルを含む。
いくつかの単独の衝撃分析が行われ、最小の放射状亀裂でもって氷表面を破砕するのに必要な応力が決定された。試験の仕組みは多様な平均速度でのいくつかの操作を含んでいて、前記平均速度は1.22から240mm/秒の範囲であった。316ステンレス鋼製の30度のコニカルスタッド(円錐状のスタッド針)は、LinMot社のスライダに螺入される。氷表面上の圧力の増加を測定するため、スタッド針の先端部は平面になるよう細かく研磨され、衝突時に氷と接触する表面積を増加させる。平均の衝突速度は128mm/秒である。接触点の駆動力は、ソフトウェアの換算率及び出力の電流スパイクを用いることにより決定された。氷表面の電流は1.47Aであることがわかった。駆動力は29.48Nであると決定された。スライダの質量もまた、運動量を通して衝撃エネルギーの一因となるものとして考慮された。前記スライダの質量は0.5kgである。前記運動量は0.064kg*m/秒で、これは駆動力及びスライダの質量を用いて計算された。計算で求めた衝突時間は0.006秒であった。前記システムの衝撃力及び衝撃応力は、運動量を衝突時間長さで割って決定された。
最高慣性力は、スライダが固定子から最も遠いところに延出されている時、氷表面付近で発生する。最適な氷表面破砕データは120mm/秒の時であった。最大衝突部分は2.374mm2になるよう試験され決定される。また前記最大衝突部分は衝撃力40.153N、合成応力10MPaになった。
実験の要因計画は、表1に示すビットの形状の重要な要素がビットの応力にどのように影響したかを決定するため行われた。6つの独立因子が選択された。すなわち、A:外径、B:衝突角度、C:フィレット半径、D:歯の高さ、E:衝突幅、及びF:歯の角度である。
2水準一部実施実験が用いられた。各因子に高水準及び低水準が割り当てられた。この結果、6つの因子に基づいた全因子計画の64の組み合わせが半分に低減された。32の組み合わせはANSYSで最大ミーゼス応力を解くため分析された。
外径及び衝撃角度は応力出力に大きな影響を持たないことがわかった。応力は衝撃幅が増加すると減少する。残りの因子は、因子の水準が増加すると応力も増加することを示した。歯の高さは歯の角度より影響を持たないが、フィレット半径よりは影響を持つ。衝突時に氷を破砕する最大表面積に伴うこれらの結果は、ビット形状を最適化するのに用いられた。
ドリリングビットの形態は分析され、製造可能性の簡便さは以下を利用することにより最適化された。すなわち、利用可能な標準な管の大きさ、許容範囲の調整、及び一般的な寸法を用いたビットの形態である。
ビット形態は厚い壁及び薄い壁の形態を比較するのに開発された。これらの形態は2つ或いは3つの寸法においてのみ変化する。均一な測定はリードタイムを制限することによって製造化を簡便にする。ビット間の多様性は装置の動作に影響する寸法に限定される。本発明により好適な特徴が試験によって決定される。
前記ビットは既成の標準外科用管でできている。利用可能な材料として、すなわちチタン、インコネル625、またステンレス鋼304、ステンレス鋼304L、ステンレス鋼316、ステンレス鋼316Lのそれぞれが含まれる。表3は室温における4つの材料の材料特性を示している。本発明で用いられるドリリングビットは低い温度を条件とする。300系オーステナイトステンレス鋼(高延性、低降伏応力、及び高伸張強度の性質を持つ)が重要であるのは、室温靭性の大部分を−252度の温度で保持するからである。
前記ビットの形態は、様々な基準を満たす先端部の形状を含む。前記基準とは、半径方向の亀裂を最小化する一方、凍結試料に向かって縦方向の亀裂伝播を最大化すること、ビットの寿命、及び材料特性を最適化することである。また、前記材料特性とは、ダイヤモンドコーティングのオプション、及び要求に有益な他の追加物を含む。
主たる目的は、試料の110μL(100mm3)±10と同等の標本を得ることである。標準の長さ60mmのクライオチューブを用い、ドリリング機能に必要な針の径は約1.9mmである。前記径はニードルシリンダの体積を用いて計算される。60mmのクライオチューブに利用可能な凍結材料の長さは、約35mmである。
さらなるビット形態はここで用いられるのと同じID及びODを利用した。前記形態は、針との連結を促進するよう押圧されたねじ山を有する真鍮の金属片と、先が75度になるよう研磨された先端部を有する。この二重先端部の形態はここに述べた形態と比較して、使用の簡便さにおいて向上した能力を示した。また採取した凍結標本は約15.875mmと、長さにおいても向上した能力を示している。
二重先端部の形態の改良は以下を含む。すなわち、前記ビットの応力を低減することによりビットの寿命を長くすること、システムの切断有効性を向上させサンプリング時間を短縮すること、そして不要な凍結切片を衝突部分から取り除く氷片除去システムを組み込むことである。ここにおける実施形態はさらに、これらの問題についても取り組んでいる。
本実施例におけるドリリングビットは、外形(OD)2.5mmかつ内径(ID)1.80mmの壁と90°切断による変形可能な4つの先端部を有する。この先端部は、無限小の値ではなく、約0.3mmの厚さの衝撃平面を有する。この特徴により、衝撃時において、ビットにかかる最大応力を低減させることが可能となる。応力低減に加えて、切断部に0.25mmのフィレットが見つかった。
本形状は、354MPaのミーゼス応力の最大値をもたらす。この最大値は、従来の先端部が2つある形態と比して82%に低減されている。本形状の最大ずれは0.0026mmで、従来の針の形態と比して99%に低減されている。明らかなことだが、最大応力は、ビットの衝撃表面上に生じる。
このビットにおけるミーゼス応力の最大値を用いることで、針に不具合が生じるサイクル数の下界(Nf)を導出する。従来の針の最大応力は、179,281サイクルに相当し、このサイクルではビットに不具合が生じる。60ヘルツにて平均時間の150秒かけて標本を入手することで、サンプルごとに9000サイクルに達し、19.92のコアに不具合が生じる。分析により、354MPaの最大応力をもたらした。ビットは単独で緊張状態ではなく、圧縮状態である。従って、交互応力は最大応力の半分となる。ビットの交互応力から、バスキンの式を用い、ビットに不具合が生じるサイクルを決定した。分析の結果、ビットのNfは2,003,197サイクルに達すると、ビットに不具合が生じることが判明した。本形態(標本ごとに50ヘルツで150秒)の場合、標本ごとに7500サイクルに達する。このサイクルは、ビットに不具合が生じるまで267標本に相当する。この結果は、従来の形態に比して1335%改善されたことを意味する。
本形態における方法及び装置は、アクチュエータ及びモータ回路スイッチ(MCS)を介してZ軸の動きを制御することに関する。ロードセルは装置に組み込まれ、衝撃地点の近くにおける、力測定結果を蓄積する。制御システムはMCSを備え、MCSは両方のアクチュエータを作動させるとともに、ロードセルからのアウトプットを処理する。
ドリル作業中における力データは、コアシャフトに沿った摩擦力の情報を備える。蓄積されたデータは、最大衝撃力測定結果に基づき、ビット形状を調整することが可能である。LinMot社のアクチュエータの動作周波数は50Hzであるため、ロードセルは50HZの振動に耐えなければならない。200Hzよりも大きい速度で力測定を行い、衝撃についての十分な情報を提供しなければならない。スライダとコアリングビットのエネルギー運動量が結合される際、本システムによって生成される最大力は120Nである。荷重によるわずかな変形により、衝撃は分離され、ロードセルのずれを避けることが可能となる。
TMAs(組織マイクロアレイ)はここ数年間世界中で使われている。1ブロック内に数百のコアサンプルを設置することで、コホートの大規模試験を行なうことにおける、さらなる有効性が実証された。ヘマトキシリン・エオシン染色は、TMAの塊の上に準備されたスライドを染色する。このヘマトキシリン・エオシン染色は、数百の患者の診断情報を明確にするのに用いられる。加えて、TMAは臨床的研究以外の領域においても、よく知られている。例えば、3000人の患者の大コホートの遺伝子、抗体及びタンパク質の研究において、TMAは生理食塩水から組織型や診断特徴を観察するのに用いられる方法である。逆に、ある特定の抗体を観察するためだけに、3000人のスライドを染色することは、旧式の方法であるだけでなく、技術作業の人件費及び試薬にかかる費用が高額になる。TMAは研究分野において重要な地位を獲得している。また、本方法は、臨床検査室が求める高生産性及び正確性を満たすため、TMAは臨床分野においても有用である。
タンパク質リン酸化反応は細胞内シグナル伝達において、重要なメカニズムである。リン酸化タンパク質を決定する従来の方法は、しばしば信憑性がない結果を示す。細胞内のホスファターゼ及びホルマリン固定により、これらのタンパク質は数ミリ秒の血流不全の間に脱リン酸化する。なお、この血流不全は、細胞あるいは組織が採取される際に生じるものである。ホスファターゼ阻害剤を追加することで、脱リン酸化は進行しない。リン酸化状態を維持する1つの方法は、組織あるいは細胞株を採取し、ホスファターゼ阻害剤を加え、標本を氷上に置き、凍結させ、即座に温度を下げる方法である。
ヘプシンの発現は、前立腺癌の場合、過剰に発現される生体指標であるが、このヘプシンを観察することは、前立腺癌の診断に非常に役立つ。PSAは前立腺癌の通常のスクリーニング試験に現在用いられているが、必ずしも適切な指示薬だとは限らない。従って、前立腺癌の診断のための非侵襲的方法を開発する必要性がある。従って、ヘプシン特定のペプチドは生体内画像で識別されている。
Claims (26)
- 凍結した生物学的試料から凍結標本を摂取するための装置であって、
容器内の試料に接触するドリルを備え、該ドリルは先端部が中空ビットコアリング針を作動させるモータを備え、
また前記装置はさらに、前記試料を掴むグリップを備え、該グリップは容器の開口端を前記針の近位に有し、
前記モータは前記針を容器内の試料に突き刺し、
前記凍結標本はコンテナ内の試料が解凍していない場合、試料から取り除かれることを特徴とする装置。 - 前記容器の終端部を浸水させる冷却タンクをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記容器がクライオチューブ、アレイ或いはプラットホームより少なくとも一つ選択されることを特徴とする請求項1もしくは2いずれかに記載の装置。
- 前記モータが線形振動運動をもたらすことを特徴とする請求項1もしくは2いずれかに記載の装置。
- 前記モータが回転運動をもたらすことを特徴とする請求項1もしくは2いずれかに記載の装置。
- コンピュータと通信するサーボ制御装置をさらに備え、前記コンピュータ及びソフトウェアを用いてプログラム可能であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の装置。
- 前記装置は手動制御されることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の装置。
- 前記モータが前記ビットへ力をもたらし、これにより前記ビットは約30N〜約90N、約35N〜約80N,或いは約40N〜約75N等の力で凍結試料に衝突する力をもたらし、
前記モータが前記ビットへ約40MPa〜約80MPa、或いは約50MPa〜約70MPa等の力の圧縮応力をもたらし、
前記試料は約マイナス90度からマイナス10度或いは同程度の温度で保存されていることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の装置。 - 前記試料は約0.5mL〜約5mL、或いは約1.5mL〜約15mL、或いは約5mL〜約50mL等の体積を有することを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の装置。
- 前記ドリルビットの針はさらに研磨された先端部及び歯部が賦された抽出部を有する遠位端を備えることを特徴とする請求項1から9いずれかに記載の装置。
- ドリルビットの針が金属或いはセラミックであることを特徴とする請求項1から10いずれかに記載の装置。
- 前記金属により組立式の標準の外科用管であって、該管は少なくともチタン、インコネル625、ステンレス鋼304、ステンレス鋼316、ステンレス鋼316Lの群より少なくとも一つの金属を備えることを特徴とする請求項11記載の装置。
- 前記標本の受入装置をさらに備えることを特徴とする請求項1から12いずれかに記載の装置。
- 前記受入装置がマイクロアレイであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
- 前記マイクロアレイがレシピエントブロックであって、該レシピエントブロックが型どられた空洞を有することを特徴とする請求項14記載の装置。
- ばね復帰或いはその他のタイプの自動復帰を有する突き出しピンをさらに備え、該突き出しピンは、前記針の内径よりも小さい及びほぼ同一の断面直径を有することを特徴とする請求項1から15いずれかに記載の装置。
- 前記装置はさらに筐体を備え、該筐体は、湿度制御、冷凍、血液により運ばれる病原菌に対する使用者への安全性、及び滅菌の群より選択される少なくとも一つの用途に用いられることを特徴とする請求項1から16いずれかに記載の装置。
- 凍結した生物学的試料から凍結標本を採取及び試料を凍結した状態で維持するための方法であって、
中空ビットコアリング針を作動させるモータを有するドリル及び試料を掴むグリップと、容器内の試料に接触する段階を備え、
前記グリップは容器の開口端に位置し前記容器は針の側に位置し、
前記モータは前記針を試料に突き刺すよう動作させ、
前記方法はさらに、凍結標本を含んだ針を抜く段階と、
前記凍結標本を針から受入装置へ押し出す段階を備え、前記凍結標本は前記凍結された生物学的標本から得られ、前記標本は凍結状態で維持されていることを特徴とする方法。 - 容器の終端部を浸水させる冷却タンクをさらに備えることを特徴とする請求項18記載の方法。
- 容器がクライオチューブ、アレイ或いはプラットホームより少なくとも一つ選択されることを特徴とする請求項18もしくは19いずれかに記載の方法。
- 前記方法が少なくとも約マイナス90度から約マイナス10度等の気温の局所環境にて行われることを特徴とする請求項18記載の方法。
- 標本の複製分割量を得るための前記段階を反復する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
- 少なくとも一つの付け加えた試料より標本を得るため前記段階を反復する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
- 中空ビットコアリング針を作動させる前記モータが線形振動運動を与えて前記標本の表面を破砕することを特徴とする請求項18から23いずれかに記載の方法。
- 前記凍結標本を針から受入装置へ押し出す段階が突き出しピンを作動させる段階を備えることを特徴とする請求項18から24いずれかに記載の方法。
- 前記受入装置は分析管、クライオチューブ、病理学、組織学及び/又はマイクロアレイ分析用の平面、及びマルチウェルディッシュのくぼみからなる群より選択されることを特徴とする請求項18から25いずれかに記載の方法。
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