JP2009523427A - グリホサート耐性を付与するepspシンターゼ酵素ドメイン - Google Patents

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Abstract

細菌、植物、植物細胞、組織及び種子において、グリホサートに対する耐性を付与するための組成物及び方法が提供される。組成物としては、新規なEPSPシンターゼ酵素及び核酸分子が挙げられ、その核酸分子はかかる酵素、それらの核酸分子を含むベクター及び前記ベクターを含む宿主細胞をコードする。新規なタンパク質は、本明細書において提供されるドメインから選択される少なくとも1つの配列ドメインを含む。これらの配列ドメインは、グリホサート抵抗性活性を有するEPSPシンターゼを同定するために使用することができる。

Description

本発明は植物分子生物学に関し、特に除草剤グリホサートに対する抵抗性を付与する新規EPSPシンターゼに関する。
一般にグリホサートと称されるN−ホスホノメチルグリシンは、重要な農学的化学物質である。グリホサートは、ホスホエノールピルビン酸(PEP)及び3−ホスホシキミ酸(S3P)を5−エノールピルビル−3−ホスホシキミ酸に変換する酵素を阻害する。この酵素(5−エノールピルビルシキミ酸−3−ホスフェートシンターゼ;本明細書において「EPSPシンターゼ」又は「EPSPS」と称される)の阻害は、シキミ酸経路を遮断し、それにより芳香族アミノ酸生合成を阻害することによって植物細胞を死滅させる。
グリホサート類の除草剤は、芳香族アミノ酸の生合成を阻害することから、植物細胞を死滅させるだけでなく細菌細胞にも毒性がある。グリホサートは、多くの細菌EPSPシンターゼを阻害し、従ってこれらの細菌に有毒である。しかし、特定の細菌EPSPシンターゼはグリホサートに高い耐性を有する。
グリホサートの毒性に抵抗性のある植物細胞は、植物細胞を形質転換してグリホサート抵抗性細菌EPSPシンターゼを発現することによって作製される。特に、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株CP4に由来する細菌遺伝子は、植物における発現後に植物細胞に除草剤抵抗性を付与するために使用されてきた。サルモネラチフィムリウム(Salmonella typhimurium)株CT7に由来する突然変異したEPSPシンターゼは、細菌細胞においてグリホサート抵抗性を付与し、且つ植物細胞においてグリホサート抵抗性を付与する(特許文献1;特許文献2;及び特許文献3)。
特許文献4においては、102位でのスレオニンのイソロイシンへの置換と、106位でのプロリンのセリンへの置換とを有する突然変異体トウモロコシEPSPシンターゼ酵素が報告される(「TIPS」突然変異)。かかる改変によって、トウモロコシ酵素にグリホサート抵抗性が付与される。サルモネラチフィムリウム株CT7に由来する突然変異したEPSPシンターゼは、細菌細胞においてグリホサート抵抗性を付与し、且つ植物細胞においてグリホサート抵抗性を付与することを報告された。(特許文献1;特許文献2;及び特許文献3)。He et al.((2001)Biochim et Biophysica Acta 1568:1−6)は、大腸菌とサルモネラチフィムリウムEPSPシンターゼ遺伝子との間の突然変異誘発及び組換えによってグリホサート耐性が増大したEPSPシンターゼを開発し、そして認められた抵抗性には42位(T42M)及び230位(Q230K)での突然変異が関わっていることを示唆している。次の研究(He et al.(2003)Biosci. Biotech. Biochem. 67:1405−1409)によって、T42M突然変異(スレオニンがメチオニンに)は大腸菌酵素及びサルモネラチフィムリウム酵素の両方の耐性を改善するのに十分であることが示される。
米国特許第4,535,060号明細書 米国特許第4,769,061号明細書 米国特許第5,094,945号明細書 米国特許第6,040,497号明細書
除草剤抵抗性植物によって提供される多くの利点のため、グリホサート抵抗性活性を有する除草剤抵抗性遺伝子を同定する方法は望ましい。
細菌、植物、植物細胞、組織及び種子において、グリホサートに対する抵抗性又は耐性を付与するための組成物及び方法が提供される。組成物としては、極性が増大したQループ領域を有するEPSPシンターゼ酵素及び核酸分子が挙げられ、その核酸分子はかかる酵素、それらの核酸分子を含むベクター及び前記ベクターを含む宿主細胞をコードする。本発明のEPSPシンターゼ酵素は、以下のドメイン:
D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
W−C−E−D−A−G(配列番号32)、から選択される少なくとも1つの配列ドメインを含む。
本発明のヌクレオチド配列は、微生物や植物が包含される生物における形質転換及び発現のためのDNA構築体又は発現カセットに使用することができる。また、組成物は、生物のゲノム内に本発明の組成物を導入することによってグリホサートに抵抗性となる形質転換された細菌、植物、植物細胞、組織及び種子を含む。生物が植物である場合、前記配列の導入によって、植物に加えてグリホサート感受性雑草又は他の非形質転換植物を選択的に死滅させるが、形質転換された生物は死滅させないための除草剤を含有するグリホサートが可能になる。
グリホサート抵抗性活性を有するEPSPシンターゼを同定する方法が更に提供される。前記方法は、EPSPシンターゼ用アミノ酸配列を得ること、及びQループ領域の極性増大を解析することを含む。
更に、前記アミノ酸配列を解析して、前記アミノ酸配列が本発明の少なくとも1つの配列ドメインを含むかどうかを判定することができる。
1.組成物
生物において、除草剤抵抗性又は耐性、特にグリホサート抵抗性又は耐性を付与するための組成物及び方法が提供される。前記方法は、グリホサート耐性遺伝子をコードするヌクレオチド配列で生物を形質転換することを含み、ここで該遺伝子は、極性が増大したアミノ酸配列を含むQループを有するポリペプチドをコードする。Qループの領域は、アミノ酸配列を、配列番号22の90〜105位に相当するアミノ酸領域において保存されたアルギニンとアラインメントすることによって同定され得る。本明細書で用いられる「相当している」又は「相当する」というフレーズは、アミノ酸(又はヌクレオチド)の位置番号を参照する際、1つ以上のアミノ酸(又はヌクレオチド)配列が参照配列内の特定の位置番号において参照配列と並ぶことを意味する。例えば、配列番号22のアミノ酸90〜105に相当するアミノ酸配列内のQループ領域を同定することを目的とするならば、本明細書の他の箇所で考察されるアラインメント方法を用いて当該のアミノ酸配列を配列番号22のアミノ酸配列とアラインメントし、次いで配列番号22のアミノ酸残基90〜105と並ぶ当該のアミノ酸配列の領域を同定することができる。前記アミノ酸番号においてはQループの両側で約20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1個のアミノ酸の増減があり得ことが認識される。前記領域は基質PEPの認識に関与するものと考えられる。特に、本発明は、グリホサート抵抗性又は耐性を付与する酵素の種類、及びかかる酵素をコードするヌクレオチド配列を認識するものである。または、かかる酵素は、本発明の少なくとも1つの配列ドメインを有することによって同定することもできる。「本発明の配列ドメイン」によって、以下の:
D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
W−C−E−D−A−G(配列番号32)、から選択される少なくとも1つのドメインが意味される。
別の実施形態において、本発明の配列ドメインは、配列番号22の残基98に相当するアミノ酸位でのセリン又はスレオニンを更に含む。「Qループ領域の極性増大」とは、Qループ内のアミノ酸の1個以上が有する極性が、本発明の配列ドメインを含まないEPSPシンターゼの同じ領域に比べて増大していることを意図する。前記配列によって、除草剤のグリホサートに対する抵抗性の増大を示す植物の調製における使用がなされる。従って、形質転換された細菌、植物、植物細胞、植物組織及び種子が提供される。
A.EPSPシンターゼ
本発明において、グリホサート抵抗性を付与する酵素の種類はEPSPシンターゼである。本明細書で使用される「EPSPシンターゼ」という用語は、天然のEPSPシンターゼ或いはその変異体又はフラグメントの双方を意味する。EPSPシンターゼは、芳香族アミノ酸と、テトラヒドロ葉酸塩やユビキノンやビタミンK等の多くの2次代謝産物との生合成のためのシキミ酸経路における最後から2番目の工程に関与する(Gruys et al.(1999)Inhibitors of Tryptophan, Phenyalanine, and Tyrosine Biosynthesis as Herbicides (Dekker, New York))。EPSPシンターゼは、ホスホエノールピルビン酸(PEP)及び3−ホスホシキミ酸(S3P)を5−エノールピルビル−3−ホスホシキミ酸に変換する(Amrhein et al.(1980)Plant Physiol. 66:830−834)。単量体EPSPシンターゼは、エノールピルビルトランスフェラーゼの種類における2種の酵素の内の1種である。ポリペプチドのこの種類は、インバースα/βバレル構造の類を形成するβシート及びαヘリックスから構成される2つの球状ドメインを含む固有の構造を共有する。前記2つのドメインは、活性部位内の基質を挟んで、蝶番のように作用することで上下のドメインをまとめる2つの鎖によって接続される。リガンド結合によって、前記酵素は、誘導適合機構のパターン後に開口状態から密集した閉口状態に変換される(Schonbrunn et al.(2001)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 1376−1380, Stauffer et al.(2001)Biochemistry 40:3951−3957)。
EPSPシンターゼは植物、細菌及び菌類から単離され、その菌類としては、大腸菌(Duncan et al.(1984)FEBS Lett. 170:59−63)、黄色ブドウ球菌(Horsburgh et al.(1996)Microbiology 142(Part 10):2943−2950)、肺炎連鎖球菌(Du et al.(2000)Eur. J. Biochem. 267(l):222−227)及びチフス菌(Chatfield et al.(1990)Nucleic Acids Res. 18(20):6133)が挙げられる。EPSPシンターゼアミノ酸コード配列の改変の結果としてグリホサート耐性となる野生型EPSPシンターゼ酵素の変異体が単離された(Kishore and Shah(1988)Annu. Rev. Biochem. 57:627−63;Wang et al.(2003)J. Plant Res. 116:455−60;Eschenburg et al.(2002)Planta 216:129−35)。
EPSPシンターゼ配列の特徴が記述され、そしてポリペプチドのこの種類において保存されることが多い残基が同定されている。例えば、Lys−22、Arg−124、Asp−313、Arg−344、Arg−386及びLys−411は、大腸菌由来のEPSPシンターゼの保存残基である(Schonbrunn et al.(2001)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98:1376−1380)。また、EPSPシンターゼ活性に影響を与える更なる残基としては、Arg−100、Asp−242及びAsp−384も挙げられる(Selvapandiyan et al.(1995)FEBS Letters 374:253−256)。Arg−27はS3Pと結合することが示されている(Shuttleworth et al.(1999)Biochemistry 38:296−302)。
B.グリホサート抵抗性EPSPシンターゼ
EPSPシンターゼは、広域スペクトル除草剤グリホサートの標的である。「グリホサート」とは、グリホサートアニオンの産生をもたらすN−ホスホノメチルグリシン(その任意の塩を含む)及びその活性誘導体の任意の除草剤の形態を意図する。グリホサートによるEPSPシンターゼの阻害は、EPSPシンターゼ−S3P−グリホサートの3元複合体の形成中に進行することが示されており、そして前記結合は、EPSPシンターゼ−S3Pの2元複合体の形成後においてのみ前記酵素に結合するグリホサートによって引き起こされる。EPSPシンターゼへのグリホサートの結合は、PEPと競合し、S3Pに対して競合しないことが示されている(Kishore et al.(1988)Annu. Rev. Biochem. 57:627−663)。EPSPシンターゼへの結合によってグリホサートはシキミ酸経路を遮断し、それによって芳香族アミノ酸生合成の喪失並びに植物の死滅又は重度の成長減退を引き起こす。
グリホサート抵抗性EPSPシンターゼポリペプチドが同定され、そして植物におけるグリホサート耐性を増大させるために使用されてきた。「グリホサート抵抗性ポリペプチド」又は「グリホサート耐性ポリペプチド」には、ポリペプチドを発現しない細胞より高い濃度のグリホサートへの耐性を有する能力、又はポリペプチドを発現しない細胞より長い期間特定の濃度のグリホサートへの耐性を有する能力を細胞に付与するポリペプチドが包含される。「耐性がある」又は「耐性」とは、生存するか、若しくは未投与の細胞とは容易に識別できない方法でタンパク質合成や呼吸等の必須の細胞機能を行うかのいずれかを意図する。天然由来のグリホサート抵抗性EPSPシンターゼの例としては、植物における発現後に植物細胞に除草剤抵抗性を付与するために使用されてきたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciyans)株CP4由来の細菌遺伝子が挙げられる。突然変異したEPSPシンターゼポリペプチドは、ランダムな突然変異誘発と除草剤抵抗性についての選択とによって同定されてきたものであって、細菌細胞においてグリホサート抵抗性を付与したり植物細胞にグリホサート抵抗性を付与したりするサルモネラチフィムリウム(Salmonella typhimurium)株CT7由来の突然変異するEPSPシンターゼを包含する(米国特許第4,535,060号;同第4,769,061号;及び同第5,094,945号並びに米国特許出願第60/669,686号及び同第20040177399号)。これらの酵素は、PEPやS3Pによる結合に影響を及ぼすことなくグリホサートの結合を阻止するそれらの活性部位内のアミノ酸置換を含む。EPSPシンターゼの2つの球状ドメインの間のヒンジ領域で生じる突然変異は、PEPではなく、グリホサートの結合アフィニティーを変更することが示されている(He et al.(2003)Biosci. Biotechnol. Biochem. 67(6):1405−1409)。それ故、かかる酵素は、グリホサートの存在下であっても高い触媒活性を有する。
本発明のEPSPシンターゼ酵素は、Qループ領域の極性増大を有することを特徴とする。更に、前記酵素は、下記でリストを示されるドメイン:
D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
W−C−E−D−A−G(配列番号32)、から選択される少なくとも1つのドメインを有することを特徴とし得る。
C.EPSPシンターゼの活性
種々の方法を用いてEPSPシンターゼ活性を測定することができる。例えば、Lewendon et al.((1983)Biochem J. 213:187−191)は、検出可能な産物を産生した他の酵素との反応をEPSPシンターゼに起こさせる2つのアッセイを記載する。前方方向において、EPSPシンターゼは、EPSPをコリスマートに変換するシキミ酸経路における酵素であるコリスミ酸シンターゼに結合することができ;EPSPシンターゼがEPSPを産生する場合、コリスミ酸シンターゼは、EPSPを、275nmで検出され得るコリスマートに変換することができる。また、EPSPシンターゼは後方方向にも進行し得ることから、活性は、ピルベートの分解においてNADHを酸化させるピルビン酸キナーゼ及び乳酸デヒドロゲナーゼへの結合ともアッセイされ得、それによってEPSPシンターゼによるピルベートの発生に相当する340nmでのNADHの減失の検出が可能になる。また、EPSPシンターゼの活性は、グリホサート抵抗性EPSPシンターゼが存在する場合のグリホサートに対する植物の抵抗性の増大を測定することによって、或いはグリホサート感受性EPSPシンターゼ及び/又はグリホサート耐性EPSPシンターゼが発現する場合の植物収量の増加を測定することによってアッセイすることもできる。
D.単離されたポリヌクレオチド並びにその変異体及びフラグメント
幾つかの態様において、本発明は、Qループ領域の極性増大を有するポリペプチドをコードする配列番号1、3、5、11、13、38又は40のポリヌクレオチド以外の単離又は精製されたポリヌクレオチド(或いは例えば配列番号46〜52の本発明のドメインの内の1つ以上を含むポリペプチドをコードする任意の他の既知の又は公表されたポリヌクレオチド配列)を含む。更なる実施形態は、上記のドメインの内の1つ以上を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。「単離された」又は「精製された」ポリヌクレオチド又はポリペプチド或いはその生物学的に活性な部分は、実質的に他の細胞形質成分や、組換法によって作製する場合は培養培地を含まず、或いは化学的に合成される場合は実質的に化学的前駆体や他の化学物質を含まない。「生物学的に活性」とは、天然のポリペプチドの所望の生物学的活性を有すること、即ち除草剤抵抗性または耐性活性を保持することを意図する。「単離された」ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが誘導される生物のゲノムDNA内の核酸を天然にフランクする配列(例えばタンパク質コード配列)(即ち核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を含まなくてもよい。本発明のために、「単離された」は、ポリヌクレオチドについて言及する場合、遊離染色体(isolated chromosome)を含まない。例えば、各種実施形態において、単離グリホサート抵抗性コードポリヌクレオチド(isolated glyphosate resistance−encoding polynucleotide)は、ポリヌクレオチドが誘導される細胞のゲノムDNA内のポリヌクレオチドを天然にフランクするヌクレオチド配列の約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb又は0.1kb未満を含み得る。
本発明のポリヌクレオチドとしては、Qループの極性増大又は本発明の少なくとも1つのドメインを有することを特徴とするポリペプチドをコードするものが挙げられる。これらのドメインを同定する際に使用される情報としては、本明細書の別の箇所で記載されるEPSPシンターゼ酵素の配列アラインメントが挙げられる。配列アラインメントは、配列間の相同領域を同定するため、及びこれらのEPSPシンターゼ酵素に特徴的なドメインを同定するために使用される。幾つかの実施形態において、本発明のドメインは、グリホサートに抵抗性のあるEPSPシンターゼ酵素を同定するために使用される。
本発明は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの変異体及びフラグメントを更に考察する。ポリヌクレオチドの「フラグメント」はポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードすることができ、或いはそれは、本明細書の他の箇所に開示された方法を用いてハイブリダイゼーションプローブ又はPCRプライマーとして使用され得るフラグメントであり得る。ポリヌクレオチドのフラグメントであるポリヌクレオチドは、用途によって、少なくとも約15、20、50、75、100、200、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950個の連続したヌクレオチド、或いは本明細書に開示される完全長のポリヌクレオチドに存在するヌクレオチドの数までを含む。「連続した」ヌクレオチドとは、互いにすぐ近くに隣接するヌクレオチド残基を意図する。
本発明のポリヌクレオチドのフラグメントは、完全長のグリホサート抵抗性タンパク質の生物学的活性、即ち除草剤抵抗性活性を保持するポリペプチドフラグメントを一般にコードする。「除草剤抵抗性活性を保持する」とは、前記フラグメントが、配列番号1として本明細書に開示される完全長のグリホサート抵抗性タンパク質の除草剤抵抗性活性の少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%又は少なくとも約80%を有することを意図する。除草剤抵抗性活性の測定方法は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第4.535,060号及び同第5,188,642号を参照。それらはそれぞれ、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれている。
本発明のポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードするポリヌクレオチドのフラグメントは、少なくとも約15、25、30、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400個の連続したアミノ酸、或いは本発明の完全長のポリペプチドにおけるアミノ酸の総数までコードするものである。
本発明はまた、変異体ポリヌクレオチドを包含する。ポリヌクレオチドの「変異体」は、十分に同一な配列だけでなく、本明細書に開示されるポリペプチドをコードするものの遺伝暗号の縮重のために保存的に異なる配列も含む。「十分に同一」という用語は、標準的パラメーターを使用するアラインメントプログラムの内の1つを使用して、参照配列と比較して少なくとも約60%又は65%の配列同一性、約70%又は75%の配列同一性、約80%又は85%の配列同一性、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列を意図する。当業者は、これらの値を適当に調整して、コドンの縮重、アミノ酸の類似性、リーディングフレームの位置決定等を考慮することによって2つのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの相当する同一性を決定することができることを認識するであろう。
2つのポリヌクレオチドの2つのアミノ酸配列の同一性のパーセントを決定するために、前記配列は最適に比較する目的のためにアラインメントされる。2つの配列間の同一性のパーセントは、配列によって共有される同一の位置の数の関数である(即ち、同一性のパーセント=同一の位置の数/位置の総数(例えば重複位置)×100)。一実施形態において、2つの配列は同じ長さである。2つの配列間の同一性のパーセントは、ギャップを許容する又は許容しない前記と同様の技法を用いて決定することができる。同一性のパーセントを算出する場合、通常は完全一致が計算される。
2つの配列間の同一性のパーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。2つの配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの非限定的な例としては、Karlin and Altschul(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264のアルゴリズムがあり、これはKarlin and Altschul(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−5877の通りに改良される。かかるアルゴリズムは、Altschul et al.(1990)J. Mol. Biol. 215:403のBLASTN及びBLASTXプログラムに組み込まれる。本発明の方法で使用される除草剤抵抗性コードポリヌクレオチドに相同なポリヌクレオチドを得るために、BLASTNプログラム(スコア=100、語長=12)でBLASTヌクレオチド検索を行うことができる。本発明の方法を使用して発現したポリペプチド分子に相同なアミノ酸配列を得るために、BLASTXプログラム(スコア=50、語長=3)でBLASTポリペプチド検索を行うことができる。比較のためにギャップのあるアラインメントを得るためには、Altschul et al.(1997)Nucleic Acids Res. 25:3389に記載の通りにGapped BLASTを用いることができる。或いは、分子間の距離関係を検出する反復検索を行うために、PSI―Blastを使用することができる(Altschul et al.(1997)supra. 参照)。BLAST、Gapped BLAST及びPSI−Blastプログラムを使用する場合には、それぞれのプログラム(例えば、BLASTXやBLASTN)のデフォールトパラメーターを用いることができる。www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。配列の比較のための数学的アルゴリズムの別の非限定的な例としては、ClustalWアルゴリズム(Higgins et al.(1994)Nucleic Acids Res. 22:4673−4680)がある。ClustalWは、配列を比較し、アミノ酸又はDNA配列の全体をアラインメントするものであって、従って全てのアミノ酸配列の配列保存に関するデータを提供することができる。ClustalWアルゴリズムは、幾つかの商業的に入手可能なDNA/アミノ酸解析ソフトウェアパッケージ(例えば、Vector NTI Program Suite(Invitrogen Corporation, Carlsbad, CA)のALIGNXモジュール)において使用することができる。ClustalWによるアミノ酸配列のアラインメント後、アミノ酸同一性のパーセントを評価することができる。ClustalWアラインメントの解析に有用なソフトウエアプログラムの非限定的な例としては、GeneDoc(登録商標)。Genedoc(登録商標)(Karl Nicholas)によって、複数のポリペプチド間のアミノ酸(又はDNA)の類似性及び同一性の評価が可能になる。配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの別の非限定的な例としては、Myers and Miller(1988)CABIOS 4:11−17のアルゴリズムがある。かかるアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを使用する場合には、PAM120重量残基テーブル(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティー及び4のギャップペナルティーを使用することができる。
特に明記しない限り、Needleman and Wunsch(1970)supraのアルゴリズムを使用するGAPバージョン10は、以下のパラメーターを使用する配列同一性又は類似性を決定するために用いられる:ヌクレオチド配列についての同一性の%及び類似性の%にはギャップ加重(GAP Weight)として50及び長さ加重(Length Weight)として3、並びにnwsgapdna.cmpスコアリング行列を使用し;アミノ酸配列についての同一性の%又は類似性の%にはギャップ加重(GAP Weight)として8及び長さ加重(Length Weight)として2、並びにBLOSUM62スコアリングプログラムを使用する。また、同等のプログラムも使用され得る。「同等のプログラム」とは、当該の任意の2つの配列について、GAPバージョン10によって生成される相当するアラインメントと比較した場合に、ヌクレオチド残基の一致が同一で且つ配列同一性のパーセントが同一であるアラインメントを生成する任意の配列比較プログラムを意図する。
天然の対立遺伝子変異体は、下記で概説される通りのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法やハイブリダイゼーション法等のよく知られた分子生物学的技法を用いて同定することができる。また、変異体ポリヌクレオチドとしては、例えば部位特異的変異誘発を用いて作製されてきたが、所望の生物学的活性を有するポリペプチドを更にコードする、合成的に誘導されたポリヌクレオチドが挙げられる。
突然変異によって本発明のポリヌクレオチド内に変更が導入することができ、それによってポリペプチドの生物学的活性を改変することなくコードされたポリペプチドのアミノ酸配列における変化が生じることは、当業者によって更に認められるであろう。従って、変異体単離ポリヌクレオチドは、1つ以上のアミノ酸置換、付加又は欠失がコードされたポリペプチド内に導入されるように、本明細書に開示される相当するポリヌクレオチド内に1つ以上のヌクレオチド置換、付加又は欠失を導入することによって作製することができる。突然変異は、部位特異的変異誘発やPCR媒介突然変異誘発や遺伝子シャフリング法等の標準的な技法によって導入され得る。かかる変異体ポリヌクレオチドもまた本発明に包含される。
変異体ポリヌクレオチドは、飽和突然変異誘発による等、コード配列の全部又は一部に沿ってランダムに突然変異を導入することによって作製することができ、そしてその結果生じる突然変異体を、除草剤抵抗性活性を付与する能力についてスクリーニングして、活性を保持する突然変異体を同定することができる。突然変異誘発の後、コードされたポリペプチドは組み換えによって発現され得、そしてポリペプチドの活性は標準的アッセイ法を用いて決定され得る。
本明細書に記載されるものと同様の機能を果たすポリペプチド(例えばグリホサート抵抗性を付与するポリペプチド)をコードする更なるポリヌクレオチドを同定するために、遺伝子シャフリング又は性的(sexual)PCR法(例えば、Smith(1994) Nature 370:324−325;米国特許第5,837,458号;同第5,830,721号;同第5,811,238号及び同第5,733,731号、それらはそれぞれ本明細書に参照により組み込まれている)を用いることができる。遺伝子シャフリングは、幾つかの突然変異体DNAのランダムなフラグメンテーションを行い、その後PCRによってそれらを完全長分子に再構築することを含む。各種の遺伝子シャフリング法の例としては、DNアーゼ処理後の構築、付着伸長プロセス(STEP)及びランダムプライミングin vitro組換え等が挙げられるが、それに制限されるわけではない。DNアーゼが媒介する方法において、陽性の突然変異体の集合から単離されたDNA断片は、DNアーゼIによってランダムなフラグメントに切断され、次いで付加プライマーなしでPCRの複数のラウンドに供される。ランダムなフラグメントの長さは、PCRサイクルが進むにつれて切断されない断片の長さに近づき、それによって、その結果生じる配列の一部において混合及び蓄積する種々のクローン内に突然変異が生じる。選択及びシャフリングの複数のサイクルは、幾つかの酵素の機能的強化につながった(Stemmer(1994)Nature 370:389−391;Stemmer(1994)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747−10751;Crameri et al.(1996)Nat. Biotechnol. 14:315−319;Zhang et al.(1997)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504−4509;及びCrameri et al.(1997)Nat. Biotechnol. 15:436−438)。かかる方法を、例えば、Qループ領域の極性増大を有するEPSPシンターゼ酵素をコードするポリヌクレオチド或いは本発明のドメインを含むポリペプチドに実施して、グリホサート抵抗性を付与するポリペプチドを産生することができた。
PCR、ハイブリダイゼーション等の方法を使用して、相当する除草剤抵抗性配列は、本発明の保存されたドメインを探すことによって同定され得る。例えば、Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)並びにInnis et al.(1990)PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications(Academic Press, NY)を参照されたい。
ハイブリダイゼーション法においては、除草剤抵抗性ポリヌクレオチド配列の全部又は一部或いは本発明のドメインをコードする配列を使用してcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることができる。かかるcDNA及びゲノムライブラリーの作製のための方法は一般に当該技術分野で知られており、Sambrook and Russell,2001,supraにおいて開示される。いわゆるハイブリダイゼーションプローブは、ゲノムDNAフラグメント、cDNAフラグメント、RNAフラグメント又は他のオリゴヌクレオチドであり得、そして32P等の検出可能な群、或いは他の放射性同位体、蛍光化合物、酵素又は酵素のコファクター等の他の検出可能なマーカーによって標識され得る。ハイブリダイゼーションのためのプローブは、本明細書において開示される既知の除草剤抵抗性コードヌクレオチド配列に基づく合成オリゴヌクレオチドを標識することによって作製され得る。ヌクレオチド配列又はコードされたアミノ酸配列における保存されたヌクレオチド又はアミノ酸残基に基づいて設計される縮重プライマーが更に使用され得る。通常は前記プローブには、本発明の除草剤抵抗性コードポリヌクレオチド或いはそのフラグメント又は変異体の少なくとも約12、少なくとも約25、少なくとも約50、75、100、125、150、175、200,250、300、350、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、または1800個の連続したヌクレオチドに、ストリンジェントな条件下でハイブリッド形成するヌクレオチド配列の領域が含まれている。ハイブリダイゼーションのためのプローブの調製方法は、一般に当該技術分野で知られており、Sambrook and Russell(2001)supra,並びにSambrook et al.(1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)において開示され、それらの両方とも本明細書に参照により組み込まれている。
かかる配列のハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件下で実施することができる。「ストリンジェントな条件」又は「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」によって、プローブがその標的配列に対してハイブリッド形成する検出可能な程度が他の配列に対するものよりも大きくなる(例えばバックグランドより少なくとも2倍)条件が意味される。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、状況が異なれば異なるものである。ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件のストリンジェンシーを制御することによって、前記プローブに対して100%相補的である標的配列が同定され得る(相同的なプロービング)。或いは、より低い類似性が検出されるように、配列における多少のミスマッチが許容されるようにストリンジェンシーの条件が調整され得る(異種的なプロービング)。一般に、プローブは、約1000個未満のヌクレオチドの長さ、或いは約500個未満のヌクレオチドの長さである。
ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0〜8.3で約1.5M未満のNaイオン又は約0.01〜1.0MのNaイオンの濃度(又は他の塩)であること、且つ温度が短いプローブ(例えば10〜50個のヌクレオチド)については少なくとも約30℃、長いプローブ(例えば50個超のヌクレオチド)については少なくとも約60℃であることである。また、ストリンジェントな条件は、ホルムアミド等の不安定化剤を添加することでも達成され得る。例示的な低いストリンジェンシーの条件としては、30〜35%のホルムアミドの緩衝液によるハイブリダイゼーション、1MのNaCl、37℃の1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、及び50〜55℃での1×〜2×SSC(20×SSC=3.0M NaCl/0.3Mクエン酸3ナトリウム)における洗浄が挙げられる。例示的な中程度のストリンジェンシーの条件としては、40〜45%のホルムアミドによるハイブリダイゼーション、1.0MのNaCl、37℃の1%SDS、及び55〜60℃での0.5×〜1×SSCにおける洗浄が挙げられる。例示的な高いストリンジェンシーの条件としては、50%ホルムアミドにおけるハイブリダイゼーション、1MのNaCl、37℃の1%SDS、及び60〜65℃での0.1×SSCにおける洗浄が挙げられる。任意には、洗浄緩衝液は約0.1%〜約1%のSDSを含むことができる。ハイブリダイゼーションの期間は一般に約24時間未満、通常は約4〜約12時間である。
特異性は、通常は、ハイブリダイゼーション後の洗浄の関数であり、決定的な要因は、最終洗浄溶液のイオン強度および温度である。DNA−DNAハイブリッドについては、Tmが、Meinkoth and Wahl(1984)Anal. Biochem. 138:267−284の式:Tm=81.5℃+16.6(logM)+0.41(%GC)−0.61(%form)−500/L、から概算され得;ここでMは、1価カチオンのモル濃度であり、%GCは、ポリヌクレオチド配列中のグアノシンヌクレオチドおよびシトシンヌクレオチドのパーセンテージであり、%formは、ハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパーセンテージであり、そしてLは、塩基対中のハイブリッドの長さである。Tmは、相補的な標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリッド形成する温度(規定されたイオン強度及びpHで)である。Tmは、1%のミスマッチにつき約1℃低下する;従って、Tm、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件は、所望の同一性の配列にハイブリッド形成するために調整され得る。例えば、90%以上の同一性を有する配列が求められる場合、Tmは、10℃低下し得る。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度及びpHでの特定の配列及びその相補物に対する熱融点(Tm)よりも約5℃低く選択される。しかし、厳しいストリンジェントな条件は、熱融点(Tm)よりも1、2、3又は4℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用し得;中程度のストリンジェントな条件は、熱融点(Tm)よりも6、7、8、9又は10℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用し得;低いストリンジェントな条件は、熱融点(Tm)よりも11、12、13、14、15又は20℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用し得る。この式、ハイブリダイゼーション及び洗浄条件、並びに所望のTmを使用して、当業者は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄溶液のストリンジェンシーにおける変化が固有に記載されることを理解する。所望のミスマッチの程度が45℃(水溶液)又は32℃(ホルムアミド溶液)よりも低いTmを生じる場合、より高い温度が使用され得るようにSSC濃度を増加させ得る。核酸のハイブリダイゼーションについての広範なガイドは、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes, Part I, Chapter 2(Elsevier, New York);及びAusubel et al., eds.(1995)Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 2(Greene Publishing and Wiley−Interscience, New York)に見出される。Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)を参照されたい。
E.単離されたタンパク質並びにその変異体及びフラグメント
幾つかの実施形態において、本発明は、配列番号2、4、7、12、14、39及び41以外の単離又は精製された除草剤抵抗性ポリペプチド(或いは例えば配列番号46〜52等の本発明のドメインの内の1つ以上を含む任意の他の既知の又は公表されたポリペプチド)を含む。細胞形質成分を実質的に含まない「単離された」又は「精製された」除草剤抵抗性ポリペプチドは、非除草剤抵抗性ポリペプチドの約30%、20%、10%又は5%未満(乾燥重量で)を有するポリペプチドの調製物(また、本明細書において「混在タンパク質」とも称される)を含む。本発明において、「除草剤抵抗性タンパク質」は、Qループ領域の極性増大を有する、或いは本発明のドメインの内の少なくとも1つを有するEPSPシンターゼ酵素を意味する。また、フラグメント、生物学的に活性な部分及びその変異体も提供され、それらを用いて本発明の方法を実施することができる。
「フラグメント」又は「生物学的に活性な部分」としては、除草剤抵抗性タンパク質をコードするアミノ酸配列の一部を含み、且つ除草剤抵抗性活性を保持するポリペプチドフラグメントが挙げられる。除草剤抵抗性タンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば長さが10、25、50、100個以上のアミノ酸であるポリペプチドであり得る。かかる生物学的に活性な部分は、組換え法によって調製され得、そして除草剤抵抗性活性について評価され得る。
「変異体」によって、Qループ領域の極性増大を有するEPSPシンターゼポリペプチド或いは本発明のドメインを有するEPSPシンターゼポリペプチドと、少なくとも約60%、65%、約70%、75%、約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%。96%、97%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又はポリペプチドが意味される。当業者は、これらの値を適当に調整して、コドン縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレームの位置決定等を考慮することによって2つのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの相当する同一性を決定することができることを認識する。
例えば、保存的アミノ酸置換は1つ以上の非必須アミノ酸残基で作製され得る。「非必須」アミノ酸残基は、結果として生じるペプチドの生物学的活性を実質的に改変することなくポリペプチドの野生型配列から改変され得る残基であるが、一方で「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性に実質的に影響を及ぼすことなく置換されない残基である。「保存的アミノ酸置換」は、類似の側鎖を有するアミノ酸残基によってアミノ酸残基が置換されるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。アミノ酸置換は、機能を保持する非保存領域において作製され得る。一般に、かかる置換は、保存されたアミノ酸残基についても、保存されたモチーフ内のアミノ酸残基についても、かかる残基がポリペプチド活性に必須である場合には作製されるものではない。しかし、当業者であれば、機能的な変異体が、保存された残基内に微量保存された又は保存されない改変を有し得ることを理解するであろう。
PEP及びグリホサートのためのEPSPシンターゼ結合ポケット(本明細書において「Qループ」と称される)の極性及び/又は嵩高生を増大させるアミノ酸置換もまた、本発明に包含される。このループは、PEP及びグリホサートのための結合ポケットの一部を形成し、そしてPEPのホスフェートに直接に水素結合することが知られている不変のアルギニンを含有する(Shuttleworth et al.(1999)Biochemistry 38:296−302)。本発明の目的のために、この領域の極性の増加は、本発明のドメインを有さないEPSPシンターゼ酵素の例である大腸菌AroA(配列番号22)のこの領域内のポリペプチド配列と比較した、所定のポリペプチド配列における極性アミノ酸及び/又は荷電アミノ酸の数及び/又は相対的組成物パーセントの増加を指す。例えば、(Qループ領域の一例としての配列に相当する)配列番号33及び34の1位のフェニルアラニン残基についてのアスパラギン酸残基の置換は、いかなる作用機序によっても結合されない場合、前記ループとグリホサートの負に荷電したホスホナート残基との間に電荷斥力をもたらす。特定のアミノ酸組成物の総電荷及び/又は総極性を推定する方法及びアルゴリズムは、当該技術分野で知られている。
このループ内のバルクの増加(例えば、他のEPSPシンターゼ内に存在するより嵩高くないフェニルアラニン残基及びグリシン残基の代わりに、配列番号31のそれぞれ1位及び3位のより嵩高いリジン残基の置換による)は、いかなる作用機序によっても結合されない場合、結合ポケット内へのこのループの更なる下流への変位をもたらす立体効果をもたらし、これによって活性部位ポケットのサイズが低下する。Qループにおけるバルクの増加がより嵩高い残基のためのQループにおける1つ以上の残基の置換によって導入されたポリペプチド(並びにそれらをコードするポリヌクレオチド)は、本発明に包含される。
本発明の別の一実施形態において、本明細書において同定されるドメインは、例えば大腸菌aroA遺伝子のクラスI EPSPシンターゼモチーフを、極性が増大したQループを有するポリペプチド又は本発明のドメインを含むポリペプチドで置換することによって、他の酵素のアミノ酸配列と設計又は組み換えることができる。或いは、これらのポリペプチドの内の1つ以上は、極性が増大したQループ領域も、改良した性質を含む又はもたらす可能性がある又はない本発明のドメインを含むポリペプチドを有するQループ領域も含まないポリペプチドを置換して挿入され得る。
変異体としてもまた、ストリンジェントな条件下で、増大した極性又は本発明のドメインを有するQループ領域を有する酵素をコードするポリヌクレオチド或いはその補体をハイブリッド形成するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが挙げられる。変異体としては、突然変異誘発のためにアミノ酸配列において異なるポリペプチドが挙げられる。本発明によって包含される変異体タンパク質は生物学的に活性であって、即ちそれらは天然タンパク質の所望の生物学的活性を備え続けるものであって、即ち除草剤抵抗性活性を保持するものである。除草剤抵抗性活性を測定する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第4,535,060号及び同第5,188,642号を参照されたい。それらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
細菌遺伝子は、ほとんどの場合、オープンリーディングフレームの開始点の近くに複数のメチオニンの開始コドンを有する。多くの場合、これらの開始コドンの内の1つ以上における翻訳開始は機能タンパク質の産生を引き起こす。これらの開始コドンには、ATGコドンが包含され得る。しかし、バシラス属(Bacillus sp.)等の細菌もまたコドンGTGを開始コドンとして認め、そしてGTGコドンで翻訳を開始するタンパク質は最初のアミノ酸にメチオニンを含む。更に、これらのコドンの内のいずれがバクテリアにおいて自然に使用されることは、多くの場合a prioriに決定されない。従って、代替のメチオニンコドンの内の1つの使用によって、除草剤抵抗性を付与する変異体の産生が引き起こされ得るものと理解される。これらの除草剤抵抗性タンパク質は、本発明に包含され、そして本発明の方法に使用され得る。
本発明のポリペプチド或いはその変異体又はフラグメントに対する抗体もまた包含される。抗体を作製する方法は当該技術分野で周知である(例えば、Harlow and Lane(1988)Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY;米国特許第4,196,265号参照)。
F.ポリヌクレオチド構築体
本発明の方法及び組成物において使用されるポリヌクレオチドを修飾して、植物細胞の発現を得るか若しくは高めることができる。本発明のドメインをコードするポリヌクレオチドは、関連する植物の発現のための発現カセットにおいて提供され得る。「植物発現カセット」は、植物細胞内のポリヌクレオチドの発現を引き起こし得るDNA構築体を含む。前記カセットは、転写の5’−3’方向において、関連する1つ以上のポリヌクレオチドに操作可能に結合する転写開始領域(即ちプロモーター)、及び植物において機能的な翻訳及び転写終了領域(即ち終了領域)を含み得る。前記カセットは、選択可能なマーカー遺伝子等の生物内に導入される少なくとも1つの更なるポリヌクレオチドを更に含み得る。或いは、前記更なるポリヌクレオチドは、複数の発現カセットにおいて提供され得る。かかる発現カセットは、調節領域の転写調節を受けるポリヌクレオチドの挿入のための複数の制限部位を有する。
「異種」は、細胞に内在性でないか、若しくはそれが存在する天然ゲノム内の部位に内在性でないポリヌクレオチド又はポリペプチドであって、感染、トランスフェクション、微量注入、エレクトロポレーション、顕微鏡的映写等によって細胞に付加されてきたポリヌクレオチド又はポリペプチドを一般に指す。「操作可能に結合」によって、2つポリヌクレオチド間の機能的結合が意味される。例えば、DNA配列にプロモーターが操作可能に結合する場合、プロモーター配列はDNA配列の転写を開始及び媒介する。操作可能に結合するポリヌクレオチドは、連続し得る又は連続し得ないものであって、2つのポリペプチドコード領域の結合を参照するために用いられる場合、前記ポリペプチドは同一のリーディングフレーム内に発現することが認められる。
プロモーターは、選択された植物細胞、植物部分又は植物における転写活性を示す任意のポリヌクレオチド配列であり得る。プロモーターは、植物宿主に及び/又は本発明のDNA配列に固有又は相同であってよく、若しくは異種又は異種であってよい。プロモーターが植物宿主に「固有」又は「相同」である場合、プロモーターが導入される固有の植物においてプロモーターが認められることが意図される。プロモーターが本発明のDNA配列に「異種」又は「異種」である場合、プロモーターが、本発明の操作可能に結合されたDNA配列のための固有のプロモーターでも天然のプロモーターでもないことが意図される。前記プロモーターは誘導性又は構成的であり得る。それは、天然由来であり得、各種の天然由来のプロモーターの部分で構成され得、或いは部分的又は全体的に合成であり得る。プロモーターの設計のための案内は、Harley and Reynolds(1987)Nucleic Acids Res. 15:2343−2361のもの等のプロモーター構造の研究によって与えられる。また、転写開始点に対するプロモーターの位置は最適化され得る。例えば、Roberts et al.(1979)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:760−764を参照されたい。植物に使用される多くの適切なプロモーターは当該技術分野で周知である。
例えば、植物に用いる適切な構成的プロモーターとしては:ピーナッツ萎黄病線条カリモウイルス(peanut chlorotic streak caulimovirus)(PClSV)プロモーター(米国特許第5,850,019号)等の植物ウイルス由来のプロモーター;カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の35Sプロモーター(Odell et al.(1985)Nature 313:810−812);クロレラウィルスメチルトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーター(米国特許第5,563,328号)及びゴマノハグサモザイク病ウイルス(figwort mosaic virus)(FMV)由来の完全長転写物プロモーター(米国特許第5,378,619号);ライスアクチン等の遺伝子に由来するプロモーター(McElroy et al.(1990)Plant Cell 2:163−171);ユビキチン(Christensen et al.(1989)Plant Mol. Biol. 12:619−632及びChristensen et al.(1992)Plant Mol. Biol. 18:675−689);pEMU(Last et al.(1991)Theor. Appl. Genet. 81:581−588);MAS(Velten et al.(1984) EMBO J. 3:2723−2730);トウモロコシH3ヒストン(Lepetit et al.(1992)Mol. Gen. Genet. 231:276−285及びAtanassova et al.(1992)Plant J. 2(3):291−300);セイヨウアブラナALS3(PCT出願WO97/41228);及び各種のアグロバクテリウム(Agrobacterium)遺伝子のプロモーター(米国特許第4,771,002号;同第5,102,796号;同第5,182,200号;及び同第5,428,147号参照)が挙げられる。
植物に用いられる適切な誘導性プロモーターとしては:銅に反応するACE1系由来のプロモーター(Mett et al.(1993)PNAS 90:4567−4571);ベンゼンスルホンアミド除草剤保護剤に反応するトウモロコシIn2遺伝子のプロモーター(Hershey et al.(1991)Mol. Gen. Genetics 227:229−237及びGatz et al.(1994)Mol. Gen. Genetics 243:32−38);及びTn10に由来するTetリプレッサーのプロモーター(Gatz et al.(1991)Mol. Gen. Genet. 227:229−237)が挙げられる。植物に用いられる別の誘導性プロモーターとしては、植物が通常は反応しない誘発剤に反応するものがある。この種類の例示的な誘導性プロモーターとしては、ステロイドホルモン遺伝子に由来する誘導性プロモーターがあり、その転写活性は、糖質コルチコステロイドホルモンによって誘導されるか(Schena et al.(1991)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10421)、若しくはエストラジオールによって活性化されるエストロゲンレセプターに基づいた誘導性植物発現系に用いられるキメラ転写アクティベーター(XVE)の最近の応用によって誘導される(Zuo et al.(2000)Plant J., 24:265−273)。植物に用いられる他の誘導性プロモーターは、欧州特許第332104号、PCT WO93/21334号及びPCT WO97/06269号に記載され、それらはその全体が本明細書に参照により組み込まれている。他のプロモーター並びに部分的又は全体的に合成のプロモーターの部分から構成されるプロモーターもまた使用することができる。例えば、植物に使用するためのかかるプロモーターについて記載するNi et al.(1995)Plant J. 7:661−676及びPCT WO95/14098号を参照されたい。
前記プロモーターは、1つ以上のエンハンサーエレメントを含むことができるか、若しくは含むために修飾される。幾つかの実施形態において、前記プロモーターは複数のエンハンサーエレメントを含むことができる。エンハンサーエレメントを含むプロモーターは、含まないプロモーターよりも高い転写レベルをもたらす。植物に用いられる適切なエンハンサーエレメントとしては、PClSVエンハンサーエレメント(米国特許第5,850,019号)、CaMV 35Sエンハンサーエレメント(米国特許第5,106,739号及び同第5,164,316号)及びFMVエンハンサーエレメント(Maiti et al.(1997)Transgenic Res. 6:143−156)が挙げられる。また、PCT WO96/723898号も参照されたい。
多くの場合、かかる構築体は5’及び3’非翻訳領域を含むことができる。かかる構築体は、特定の細胞内構造(例えば葉緑体(又は他のプラスチド)、小胞体又はゴルジ装置)への関連するペプチドの共翻訳輸送又は翻訳後輸送を容易にするために、或いは分泌のために「シグナル配列」又は「リーダー配列」を含むことができる。例えば、前記構築体は、小胞体へのペプチドの移送を容易にするためのシグナルペプチドを含むように設計され得る。「シグナル配列」とは、細胞膜を通してペプチドの共翻訳輸送又は翻訳後輸送を引き起こすことが知られている又は考えられる配列を意図する。これは、真核生物においては、結果として生じる多少のグリコシル化と共に、通常はゴルジ装置内への分泌を伴う。「リーダー配列」とは、翻訳される際、細胞内小器官へのペプチド鎖の共翻訳輸送を誘発するのに十分なアミノ酸配列をもたらす任意の配列を意図する。従って、これには、小胞体内への通過、液胞、葉緑体を含むプラスチド、ミトコンドリア等への通過による輸送及び/又はグリコシル化を標的とするリーダー配列が包含される。イントロンのmRNAプロセッシングが発現に必要とされるように、イントロンを含むように植物発現カセットを設計することも好ましくあり得る。
「3’非翻訳領域」とは、コード配列の下流に位置するポリヌクレオチドを意図する。mRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル酸の領域の付加に影響を及ぼし得るポリアデニル化シグナル配列及び調節シグナルをコードする他の配列は、3’非翻訳領域である。「5’非翻訳領域」とは、コード配列の上流に位置するポリヌクレオチドを意図する。
他の上流又は下流の非翻訳エレメントとしては、エンハンサーが挙げられる。エンハンサーは、プロモーター領域の発現を増大させるように作用するポリヌクレオチドである。エンハンサーは、当該技術分野でよく知られており、SV40エンハンサー領域及び35Sエンハンサーエレメントを包含するが、これらに限定されるものではない。
終了領域は、転写開始領域に固有であり得、本発明の配列に固有であり得、或いは別の供与源に由来し得る。好都合な終了領域は、オクトピンシンターゼ終了領域やノパリンシンターゼ終了領域等の、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A. tumefaciens)のTiプラスミドから入手可能である。また、Guerineau et al.(1991)Mol. Gen. Genet. 262:141−144;Proudfoot(1991) Cell 64:671−674;Sanfacon et al.(1991)Genes Dev. 5: 141−149;Mogen et al.(1990)Plant Cell 2:1261−1272;Munroe et al.(1990)Gene 91:151−158;Ballas et al.(1989)Nucleic Acids Res. 17:7891−7903;及びJoshi et al.(1987)Nucleic Acid Res. 15:9627−9639も参照されたい。
必要に応じて、本発明のポリペプチドドメインをコードするポリヌクレオチドは、形質転換された宿主細胞における発現の増加について最適化され得る。即ち、配列は、発現の改善のための宿主細胞優先コドンを使用して合成され得るか、若しくは宿主優先コドン利用頻度でコドンを使用して合成され得る。一般にポリヌクレオチドのGC含量は増加する。例えば、宿主優先コドン利用の考察については、Campbell and Gowri(1990)Plant Physiol. 92:1−11を参照されたい。宿主優先ポリヌクレオチドを合成する方法は、当該技術分野で知られている。例えば、米国特許第6,320,100号;同第6,075、185号;同第5,380,831号;及び同第5,436,391号、米国特許出願第20040005600号及び同第20010003849号、並びにMurray et al.(1989)Nucleic Acids Res. 17:477−498を参照。これらは本明細書に参照により組み込まれる。
一実施形態において、関連するポリヌクレオチドは発現のための葉緑体を標的とする。このように、関連するポリヌクレオチドが葉緑体内に直接挿入されない場合、発現カセットは、関連するヌクレオチドを葉緑体に導くためのトランジットペプチドをコードするポリヌクレオチドを更に含むことになる。かかるトランジットペプチドは当該技術分野で知られている。例えば、Von Heijne et al.(1991)Plant Mol. Biol. Rep. 9:104−126;Clark et al.(1989)J. Biol. Chem. 264:17544−17550;Della−Cioppa et al.(1987)Plant Phystol. 84:965−968;Romer et al.(1993)Biochem. Biophys. Res. Commun. 196:1414−1421;及びShah et al.(1986)Science 233:478−481を参照されたい。
葉緑体を標的とする関連するポリヌクレオチドは、葉緑体における発現について最適化され、植物核とこの細胞小器官との間のコドン利用の差の原因となり得る。このように、関連するポリヌクレオチドは、葉緑体優先コドンを使用して合成され得る。例えば、米国特許第5,380,831号を参照。これは本明細書に参照により組み込まれる。
この植物発現カセットは植物形質転換ベクター内に挿入され得る。「形質転換ベクター」とは、細胞の形質転換の原因となるDNA分子を意図する。かかる分子は、1つ以上の発現カセットからなり得、そして1つ以上のベクターDNA分子内に構成され得る。例えば、バイナリーベクターは、植物細胞の形質転換のための全ての必要なシス及びトランス作用性機能をコードするための2つの非隣接DNAベクターを利用する植物形質転換ベクターである(Hellens and Mullineaux(2000)Trends in Plant Science 5:446−451)。「ベクター」とは、異なる宿主細胞の間の移送のために設計されるポリヌクレオチド構築体をいう。「発現ベクター」とは、異種細胞内に異種のDNA配列又はフラグメントを組み込む、一体化させる、及び発現する能力を有するベクターをいう。
植物形質転換ベクターは、植物形質転換を達成するための1つ以上のDNAベクターである。例えば、1つ以上の連続したDNAセグメントを含む植物形質転換ベクターを利用することは、当該技術分野において一般的な方法である。これらのベクターは、当該技術分野において多くの場合、バイナリーベクターと称される。効率的な形質転換の達成に必要なDNAセグメントのサイズ及び複雑度が非常に大きい場合、ヘルパープラスミドを有するベクターと同様にバイナリーベクターは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介の形質転換によく用いられ、そして別々のDNA分子に機能を分離することが有利である。バイナリーベクターは、T−DNA移送(例えば左境界及び右境界)に必要なシス活性配列を含むプラスミドベクター、植物細胞における発現が可能になるように設計される選択可能なマーカー、及び「関連するポリヌクレオチド」(トランスジェニック植物の作製が望まれる植物細胞における発現を可能にするように設計されるポリヌクレオチド)を通常は含む。また、このプラスミドベクターには、細菌の複製に必要な配列も存在する。シス活性配列は、植物細胞内への効率的な移送及びその中における発現を可能とするように配列される。例えば、選択可能なマーカー配列及び関連する配列は左境界と右境界との間に位置する。多くの場合、第2のプラスミドベクターは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)から植物細胞へのT−DNA移送を媒介するトランス作用因子を含む。このプラスミドは、当該技術分野で理解されているように、アグロバクテリウム(Agrobacterium)による植物細胞の感染、並びに境界配列の切断によるDNAの移送及びvir媒介DNA移送を引き起こし得る有毒性の機能(Vir遺伝子)を多くの場合含む(Hellens and Mullineaux(2000)Trends in Plant Science, 5:446−451)。幾つかの種類のアグロバクテリウム(Agrobacterium)株(例えばLBA4404、GV3101、EHA101、EHA105等)は植物の形質転換に使用され得る。第2のプラスミドベクターは、他の方法(例えば顕微鏡的映写、微量注入、エレクトロポレーション、ポリエチレングリコール等)による植物内へのポリヌクレオチドの導入に必要ではない。
G.植物及び植物部分
「植物」とは、全植物、植物器官(例えば葉、茎、根等)、種子、植物細胞、繁殖体、胚及びその後代を意図する。植物細胞は分化又は未分化であり得る(例えばカルス、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉細胞、根細胞、師部細胞、花粉)。本発明は、単子葉植物及び双子葉植物を含む任意の植物種内にポリヌクレオチドを導入するために使用され得るがこれらに限定されない。関連する植物の例としては、トウモロコシ(corn(maize))、モロコシ、小麦、ヒマワリ、トマト、十字花科植物、トウガラシ、ジャガイモ、綿、米、大豆、テンサイ、砂糖きび、タバコ、オオムギ及びアブラナ(アブラナ(Bassica)属)、ムラサキウマゴヤシ、ライ麦、キビ、ベニバナ、ピーナッツ、サツマイモ、カッサバ、コーヒー、ココナッツ、パイナップル、柑橘類の木、ココア、お茶、バナナ、アボカド、イチジク、グァバ、マンゴー、オリーブ、パパイア、カシュー、マカダミヤ、アーモンド、オート麦、野菜、観賞植物及び球果植物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
野菜としては、トマト、レタス、グリーンビーンズ、アオイマメ、エンドウ及びCurcumis属のメンバー(例えばキュウリ、カンタロープ及びマスクメロンなど)が挙げられるが、これらに限定されない。観賞植物としては、アザレア、アジサイ、ハイビスカス、バラ、チューリップ、スイセン、ツクバネアサガオ、カーネーション、ポインセチア及びキクが挙げられるが、これらに限定されるものではない。作物もまた関連するものであって、例えば、トウモロコシ、モロコシ、小麦、ヒマワリ、トマト、十字花科植物、トウガラシ、ジャガイモ、綿、米、大豆、テンサイ、砂糖きび、タバコ、オオムギ、アブラナ等が挙げられる。
本発明は単子葉植物のファミリーの任意のメンバーに適切であって、それには、トウモロコシ、米、オオムギ、オート麦、小麦、モロコシ、ライ麦、砂糖きび、パイナップル、ヤムイモ、タマネギ、バナナ、ココナッツ及びナツメヤシが包含されるが、これらに限定されない。
II方法
A.植物形質転換
本発明の方法は、配列番号1、13及び38以外の1つ以上のポリヌクレオチド(或いは、例えば配列番号46〜52の本発明のドメインの内の1つ以上を含むポリペプチドをコードする任意の他の既知の又は公表されたポリヌクレオチド配列)を植物内に導入することを含む。「導入」とは、ポリヌクレオチドが植物の細胞の内部に接近するように、植物にポリヌクレオチドを供与することを意図する。本発明の方法は、ポリヌクレオチドを植物に導入する特定の方法を用いることを必要とせず、ただポリヌクレオチドが植物の少なくとも1つの細胞の内部に接近することだけを必要とする。
植物細胞へのポリヌクレオチドの導入は、当該技術分野で知られている幾つかの技法の内の1つによって達成され、それらにはエレクトロポレーション又は化学転換が包含されるが、これらに限定されない(例えばAusubel, ed.(1994)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons, Inc., Indianapolis, IN)参照)。毒性物質に対する抵抗性を付与するマーカーは、形質転換細胞(試験ポリヌクレオチド配列を取り出して発現する)を、非形質転換細胞(試験ポリヌクレオチド配列を含まないか、若しくは発現しないもの)から同定する際に有用である。本発明の一態様において、遺伝子は、植物細胞内へのDNAの導入を評価するマーカーとして有用である。「トランスジェニック植物」又は「形質転換された植物」或いは「安定して形質転換された」植物、細胞、組織又は種子は、植物細胞内に組み込まれた又は一体化された外来性のポリヌクレオチドを有する植物を指す。「安定した形質転換」とは、植物内に導入されるポリヌクレオチド構築体が植物のゲノム内に一体化し、その後代に遺伝し得ることを意図する。
一般に、植物形質転換方法は、標的植物細胞(例えば未成熟胚又は成熟胚、懸濁培養、未分化カルス、プロトプラスト等)内に異種のDNAを移送し、その後、最大閾値レベルの適当な選択(選択可能なマーカー遺伝子による)を適用して非形質転換細胞集団の一群から形質転換された植物細胞を回収することを含む。外植片は、同じ培地の新しい供給物に通常は移され、次いでルーチン的に培養される。その後、形質転換細胞は、最大閾値レベルの選択剤(即ち温度及び/又は除草剤)が補充された再生培地上に置床された後、苗条に分化する。次いで、前記苗条は、発根した苗条又は苗木を回収するための選択的な発根培地に移される。次いで、トランスジェニック苗木は、成熟植物体に成長し、繁殖可能な種子を生じる(例えば、Hiei et al.(1994)Plant J. 6:271−282;Ishida et al.(1996)Nat. Biotechnol. 14:745−750)。トランスジェニック植物を作製する技法及び方法の一般的な説明は、Ayres and Park(1994)CRC Crit. Rev. Plant Sci. 13:219−239並びにBommineni and Jauhar(1997)Maydica 42:107−120で明らかにされる。形質転換された材料が多くの細胞を含有することから、形質転換された細胞及び形質転換されない細胞のどちらもが、細胞の供される標的カルス又は組織又は群の任意の部分に存在する。非形質転換細胞を死滅させ、形質転換細胞が増殖するのを可能にする能力によって、形質転換された植物培養物がもたらされる。多くの場合、非形質転換細胞を除去する能力は、形質転換された植物細胞の迅速な回収並びにトランスジェニック植物の作製の成功に対して限定である。トランスジェニック植物のゲノム内の関連の一体化したポリヌクレオチドの存在を確認するために、分子学的及び生化学方法を用いることができる。
トランスジェニック植物の作製は幾つかの方法の内の1つによって実施され得、その方法としては、トランスファーDNAへの、アグロバクテリウム(Agrobacterium)による植物細胞内への異種のDNAの導入(アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換)、粒子に接着する異種の外来性DNAによる植物細胞へのボンバードメント、及び各種の他の非粒子直接媒介方法(例えばHiei et al.(1994)Plant J. 6:271−282;Ishida et al.(1996)Nat. Biotechnol. 14:745−750;Ayres and Park(1994)CRC Crit. Rev. Plant Sci. 13:219−239;Bommineni and Jauhar(1997)Maydica 42:107−120)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)で植物細胞を形質転換する3つの一般的な方法がある。第1の方法は、培養され、単離されたプロトプラストによるアグロバクテリウム(Agrobacterium)の共存培養である。この方法は、プロトプラストの培養並びに培養されたプロトプラストからの植物再生を可能にする確立された培養システムを必要とする。第2の方法は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)による細胞又は組織の形質転換である。この方法は、(a)植物細胞又は組織がアグロバクテリウム(Agrobacterium)によって形質転換され得ること、及び(b)形質転換された細胞又は組織が誘導されて全植物に再生し得ることを必要とする。第3の方法は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)による種子、頂部又は分裂組織の形質転換である。この方法はマイクロプロパゲーションを必要とする。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)による形質転換の効率性は、当該技術分野で知られている多くの方法を用いて高めることができる。例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)培養物にアセトシリンゴン(AS)等の天然の傷害反応分子を包含させることによって、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による形質転換率が高まることが示されている(Shahla et al.(1987)Plant Molec. Biol. 8:291−298)。或いは、形質転換率は、標的組織を損傷して形質転換させることによって高めることができる。植物組織の損傷は、例えば、穴抜き、浸軟、微小粒子のボンバードメント等によって達成され得る。例えばBidney et al.(1992)Plant Molec. Biol. 18:301−313を参照されたい。
なお更なる実施形態において、植物細胞は、粒子ボンバードメントによって(即ち遺伝子銃で)ベクターでトランスフェクトされる。粒子媒介遺伝子移入方法は、当該技術分野で知られており、商業的に入手可能であり、米国特許第5,584,807号(その全体の内容は本明細書に参照により組み込まれている)に記載されるガス駆動遺伝子送達機器を包含するが、これに限定されるものではない。この方法は、重金属粒子上に関連するポリヌクレオチド配列をコーティングし、そして標的組織に送達するための圧縮ガスの圧力下でコーティングされた粒子を加速することを含む。
他の粒子ボンバードメント方法もまた、異種のポリヌクレオチド配列を植物細胞内に導入するために利用可能である。一般に、これらの方法は、関連するポリヌクレオチド配列を、金やプラチナやタングステン等の材料の小さく、稠密な粒子の表面上に堆積させることを含む。次いで、コーティングされた粒子自体が、剛体面上(例えば金属板)又は脆弱材料(例えばマイラー)で作製される支持シート上のいずれかにコーティングされる。次いで、コーティングされたシートは標的生物組織の方へ加速される。フラットシートの使用により、同一の条件下で粒子を受ける細胞の数を最大にする加速粒子の広がりが均一になり、それによって標的組織内にポリヌクレオチド試料が導入される。
また、関連するポリペプチドをコードする配列のより効率的な翻訳を達成するために、特異的な開始シグナルを用いることもできる。かかるシグナルとしては、ATG開始コドン及び隣接する配列が挙げられる。関連するポリペプチドをコードする配列、その開始コドン、及び上流配列が適当な発現ベクター内に挿入される場合、更なる転写調節シグナルも翻訳調節シグナルも必要とされ得ない。しかし、コード配列又はその一部だけが挿入される場合は、ATG開始コドンを含む外来性の翻訳調節シグナルを提供しなければならない。更にまた、開始コドンは、全ての挿入の翻訳を確実にするために、正確なリーディングフレーム内になければならない。外来性の翻訳エレメント及び開始コドンは、天然及び合成の両方の各種由来のものであってよい。発現の効率は、文献(Scharf et al.(1994)Results Probl. Cell Differ. 20:125)に記載されるもの等の、使用される特定の細胞システムに適当なエンハンサーの包含によって高めることができる。
本発明のポリペプチドドメインをコードする配列番号1、13及び38以外のポリヌクレオチド(又は、例えば配列番号46〜52の本発明のドメインの内の1つ以上を含むポリペプチドをコードする任意の他の既知の又は公表されたポリヌクレオチド)で形質転換された細胞は、従来の方法に従って植物に成長させることができる。例えば、McCormick et al.(1986)Plant Cell Rep. 5:81−84を参照されたい。次いで、これらの植物は、成長させることができ、そして同一の形質転換された株又は異なる株のいずれか、及びその結果生じる、同定される所望の表現型の特徴の構成的発現を有するハイブリッドで授粉させることができる。所望の表現型の特徴の発現が安定して維持及び遺伝され、次いで所望の表現型の特徴の発現を確認するために収集される種子が実現したことを確認するために、2世代以上を成長させることができる。このように、本発明は、例えば安定してそれらのゲノム内に組み込まれる本発明の発現カセット等の本発明のポリペプチドドメインをコードするポリヌクレオチドを有する形質転換された種子(「トランスジェニック種子」とも称される)を提供するものである。
B.植物形質転換の評価
植物細胞内へのDNAの導入後、植物ゲノムへのポリヌクレオチドの形質転換又は組込みは、各種の方法、例えば一体化した配列と会合したポリヌクレオチド、ポリペプチド及び代謝物の分析によって確認される。
PCR分析は、土壌への移植前の初期段階における組み込まれた遺伝子の存在についての細胞、組織又は苗条をスクリーニングするための迅速方法である(Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY))。PCRは、関連するヌクレオチド又はアグロバクテリウム(Agrobacterium)ベクターバックグランド等に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して実施される。
DNAの導入は、ゲノムDNAのサザンブロット分析によって確認され得る(Sambrook and Russell(2001)supra)。一般に、全体のDNAは、細胞又は生物から抽出され、適当な制限酵素によって消化され、アガロースゲルにおいて分別され、そしてニトロセルロース膜又はナイロン膜に移される。次いで、前記膜又は「ブロット」は、標準的技法に従って植物ゲノム内への導入されたDNAの組込みを確認するために、例えば放射性標識32P標的DNAフラグメントでプローブされる(Sambrook and Russell(2001)supra)。
ノーザン分析において、RNAは、細胞又は生物の特異的な組織から単離され、ホルムアルデヒドアガロースゲルにおいて分別され、そして当該技術分野においてルーチン的に用いられる標準的方法に従ってナイロンフィルター上にブロットされる(Sambrook and Russell(2001)supra)。次いで、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるRNAの発現は、当該技術分野で知られている方法によって、関連する配列に由来する放射性プローブに前記フィルターをハイブリッド形成することによってテストされる(Sambrook and Russell(2001)supra)。
除草剤抵抗性ポリペプチドに存在する1つ以上のエピトープと結合する抗体を使用して、標準的方法(Sambrook and Russell(2001)supra)によって関連するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの存在を決定するために、ウエスタンブロット、生化学的アッセイ等をトランスジェニック植物に対して実施することができる。
C.作物圃場の雑草を選択的に制御する方法
植物を含む圃場における雑草を選択的に制御する方法もまた提供される。一実施形態において、植物種子又は植物は、極性が増大したQループドメインを有するポリペプチドをコードする配列番号1、13及び38以外のポリヌクレオチド(或いは、例えば配列番号46〜52の本発明のドメインの内の1つ以上を含むポリペプチドをコードする任意の他の既知の又は公表されたポリヌクレオチド配列)、或いは植物種子又は植物内に挿入される本発明のEPSPシンターゼドメインを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの結果として、グリホサート抵抗性である。特異的な方法において、除草剤の使用によって雑草又は他の非形質転換植物の選択的な制御がもたらされる場合、植物は有効濃度の除草剤で処理される。「有効濃度」とは、グリホサート抵抗性植物又は植物種子に著しく影響を及ぼすことなく雑草又は他の非形質転換植物の成長又は広がりを制御する濃度を意図する。関連する除草剤のためのかかる有効濃度は、一般に当該技術分野で知られている。除草剤は、除草剤に対して抵抗性とされた植物又は植物種子を含む圃場への除草剤の使用のための通常の技法に従って、出芽前又は出芽後に使用され得る。
D.配列からのタンパク質機能の予測
本発明の方法及び同定されたドメインの方法を使用して、グリホサート耐性を付与する更なるポリペプチド(例えば、配列番号8及び10)が同定され得る。これらの更なるポリペプチドは、EPSPシンターゼ配列を含む配列データベースを検索することによって、及び/又は本明細書の別の箇所に記載される方法を使用して本発明のドメインの存在を検索するためのポリペプチド配列のアラインメントによって同定され得る。これらのポリペプチドとしては、新しく同定されたポリペプチドだけでなく、既知のポリペプチドも挙げられる。これらのドメインの多少の修飾は、これらのドメインのグリホサート抵抗性付与の性質を途絶させることなく実際に許容され、そしてそれ故に本明細書においてリストが示されるドメインに相当するものと判断される。
一般に、4つのレベルのタンパク質構造:アミノ酸の線状鎖又はポリペプチド配列からなる1次構造;タンパク質が折り畳まれるαヘリックス、β鎖及びターンによって与えられる2次構造;コンパクトな球状ドメインを形成するように結合される単純なモチーフから構成される3次構造;及び幾つかのアミノ酸鎖又はサブユニットを含み得る4次構造がある。配列から機能を予測する場合は、機能的に重要なモチーフ又はパターンを同定することが重要である。類似の折り畳みを有するタンパク質ドメインは、多くの場合同じ分子機能を共有する(Hegyi and Gerstein(1999)J. Mol. Biol. 288:147−164;Moult and Melamud(2000)Curr. Opin. Struct. Biol. 10:384−389;Shakhnovich et al.(2003)J. Mol. Biol. 326:1−9)。タンパク質機能にとって重要なドメインの同定は、例えば、本明細書の別の箇所に記載したアラインメントプログラムを使用する多重配列アラインメントによって行うことができる。
3次元構造は、相同性モデリングによって、即ち実験的に決定された3D構造を有する配列ホモログ(25%超の配列同一性)を用いることによって予測され得る。例えば大腸菌EPSPシンターゼ(AroA)の3次元構造は周知である(Shonbrunn et al.(2001)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98:1375−1380)。この構造は、グリホサート及びシキミ酸3−ホスフェートを有するAroAの結晶化に基づく。
以下の実施例は例証として提供されるものであって、限定して提供されるものではない。
(実施例1) グリホサート抵抗性EPSPシンターゼの同定
GRG1は、細菌及び植物にグリホサート抵抗性を付与するEPSPシンターゼである。GRG1アミノ酸配列(配列番号2)を他のグリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素のアミノ酸配列と比較することによって、GRG1が、配列番号2のアミノ酸90〜105に相当する領域におけるこれらの酵素とは著しく異なることが示唆される。この領域は、基質PEPの認識に関与することが知られている(Schonbrunn et al.(2001)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:1376−1380、Stauffer et al.(2001)Biochemistry 40:3951−3957)。特にGRG1は、他の既知のグリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素とは異なるこの領域におけるDCxESのモチーフ及びPIのモチーフを有する。DNAコード配列(配列番号1)及びgrglオープンリーディングフレームのアミノ酸配列(配列番号2)は、2003年12月18日に出願の米国特許出願第10/739,610号において提供される。
このQループ領域における他のEPSPシンターゼ酵素によるGRG1のアラインメント及びアミノ酸のアラインメントの分析によって、この関連する領域のGRG1に対する著しい相同性を共有するEPSPシンターゼ酵素のわずかなサブセットが同定される。特に、ウェルシュ菌、クロストリジウム・アセトブチリクム、Fusobacterium nucleatum及びMethanopyrus kandleri(Methanopyrus kandleri)(それぞれ配列番号4、6、8及び10)に由来するEPSPシンターゼ酵素は、この領域内のGRG1に相同である。これらのタンパク質のアラインメントは図1において提供される。
この新規なドメインの有用性をテストしてグリホサート抵抗性を予測するために、そして新規なグリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素を同定するために、GRG1のこの領域内のアミノ酸配列の比較を、大きな1組の公表されたEPSPシンターゼアミノ酸配列に対して実施し、そしてGRG1に類似のこの領域内のアミノ酸組成を有する幾つかの他の公表されたEPSPシンターゼ酵素を同定した。
(実施例2) 「Qループ領域」内のGRG1に対する相同性を有するEPSPシンターゼのグリホサート抵抗性
以下のプライマー:CAGGGATCCGCCATGAATTGTGTTAAAATAAATCCATG(上流側)(配列番号42)及びCAGGGCGCGCCTTATTCCCCCAAACTCCACTC(下流側)(配列番号43)を用いて、Genbank受入れ番号NC_003030において同定されるクロストリジウム・アセトブチリクムEPSPシンターゼ遺伝子(配列番号5)のコード配列をPCRで増幅した。上流側のプライマーは、天然で生じる通りに開始コドンをTTGからATGに変化させた。結果として生じる1.3kb産物を、BamHI及びAscIで消化させ、pUC18の修飾バージョンの同一部位に連結し、そして大腸菌株DH5αに形質転換させた。EPSPシンターゼ挿入物を含む陽性のクローンを、制限消化によって同定し、そしてpAX714と名づけた。pAX714のコロニーを、IPTG、カルベニシリン及び0、20、50又は100mMのグリホサートを含有する最小M63培地上に付け、次いで前記プレートを37℃でインキュベーションした。pAX714含有細胞は、テストされたグリホサートの全ての濃度でよく成長し、このことによって、コードされたEPSPシンターゼが少なくとも100mMまではグリホサート抵抗性であったことが示された。コードされたEPSPシンターゼ(配列番号6)は、grg10と名づけられた。
(実施例3) Sulfolobus solfataricus(Sulfolobus solfataricus)由来のEPSPシンターゼ遺伝子のクローンの作製
以下のプライマー:CAGGGATCCGCCATGATTGTAAAGATTTATCCATC(上流側)(配列番号44)及びCAGGGCGCGCCGGTCTCATTCAATAGAAATCTTCGC(下流側)(配列番号45)を用いて、Sulfolobus solfataricus(ATCC35092D及び配列番号11)のゲノムDNAからEPSPシンターゼコード配列をPCRで増幅した。上流側のプライマーは、開始コドンをTTGからATGに変化させ、大腸菌の翻訳を容易にした。結果として生じる1.3kb PCR産物を、BamHI及びAscIで消化させ、BamHI及びAscIで消化された修飾pUC18(pAX700主鎖)に連結し、次いでDH5α細胞に形質転換させた。EPSPシンターゼ挿入物を含む陽性のクローンを、制限消化及びDNA塩基配列決定によって同定し、そしてpAX716と名づけた。コードされたEPSPシンターゼは、grg20と名づけられた(配列番号12)。
(実施例4) グリホサートに対する抵抗性についてのgrg10及びgrg20の試験
grg10及びgrg20をそれぞれ含むプラスミドpAX714及びpAX716を大腸菌細胞内に形質転換し、次いでIPTG、カルベニシリン、及びグリホサートの各種濃縮物を含むM63寒天培地上へ画線した。pAX701(野生型大腸菌aroA遺伝子を含む)のコロニーをグリホサート感受性対照として使用した。結果は下表に示され、そしてgrg10又はgrg20の発現によって高レベルのグリホサートに対する抵抗性が付与されることを示している。
Figure 2009523427
(実施例5) グリホサート抵抗性EPSPシンターゼの分子モデリング
グリホサート抵抗性を予測する主要なドメインを更に同定するために、大腸菌EPSPシンターゼの公表された結晶構造に基づいて分子モデリングデータを分析した。最初に、GRG1のアミノ酸配列を、グリホサート及びシキミ酸3−ホスフェート(Shonbrunn et al.(2001)PNAS98:1375−1380;タンパク質データバンクコード(pdb)1G6T)に基づくその結晶大腸菌EPSPシンターゼ(AroA)の3次元構造に組み込んだ。グリホサート結合への効果のための本発明のドメインの各々の改変の結果、或いは基質結合ポケットの改変の結果を分析した。この分析によって、PEPのための結合ポケットの一部及びその阻害剤グリホサートを形成し、且つ直接PEPのホスフェートと水素結合することが知られている不変のアルギニンを含むループ内の関連する領域が明らかにされた。この領域には、極性が増大するアミノ酸配列、及び:
D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
W−C−E−D−A−G(配列番号32)、からなる群から選択される少なくとも1つの配列ドメインを含む。
幾つかの態様において、ドメインの残基であるアスパラギン酸、システイン、グルタミン酸及びセリンは、各々、このQループ領域の極性を増大させる効果を有する。いかなる作用機序によっても結合されない場合、EPSPシンターゼ酵素の他の種類と比較したこれらのドメインを含むEPSPシンターゼの領域内の極性の変化は、グリホサートのループと負に荷電したホスホナート残基との間の電荷斥力を増加させ得る。同様に、幾つかの実施例において、この領域の残基は、このループのバルクを増加させるように思われ、更なる結合ポケット内へのこのループの下流への変位をもたらす立体効果をもたらし、これによって活性部位ポケットのサイズが低下する。この効果は、本発明の1つ以上のドメインを有するEPSPシンターゼ酵素において認められるグリホサートへの親和性の一因となり得る。例えば、GRG20(配列番号12)は、このループ内の2つのリジン残基の置換を含む。この置換は、極性の純増をもたらし、そしてまたリジン残基の長い側鎖のためにバルクの増加ももたらす。
関連する他の領域は、分子モデリングデータを使用して同定された。これらの領域としてはPX(配列番号35)が挙げられ、ここでXはイソロイシン又はロイシンである。
この領域は、本発明の1つ以上のドメインを有するEPSPシンターゼの多くに存在する。Qループ領域のαヘリックスの上部におけるプロリンの挿入によって、部分的にαヘリックスが巻き戻される。この挿入は、結合ポケットと比較してループの下流への変位又は他の移動をもたらし、それによりPEPと比較したグリホサートの結合に影響を及ぼす。D−A−X−X−C−P−D−X−X−P(配列番号36)、但し、Xはセリン又はスレオニンであり、Xはグルタミン又はアスパラギン酸であり、Xはアラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン又はバリンであり、及びXはフェニルアラニン、アラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン又はバリンであり、並びにDは全てのEPSPシンターゼ酵素内で高度に保存された残基である。
GRG1及びGRG10の両方は、EPSPシンターゼの主要なアスパラギン酸残基の近くでアミノ酸の保存されたブロックを有する。大腸菌構造上へのこれらの残基の置換によって、これらの残基がグリホサートのカルボニル末端とのこの主要なアスパラギン酸残基の遠方の相互作用に影響を及ぼし得ることが示唆される。
約169のEPSPシンターゼ酵素のアミノ酸配列に対するこのドメインの比較によって、配列番号36の6位に相当するプロリン残基がEPSPシンターゼ配列内に多くの場合認められる一方で、配列番号36の5位に相当するシステイン残基はプロリンと共にGRG1、GRG10及びウェルシュ菌EPSPシンターゼに固有であることが示唆される。従って、このドメインの存在もまたグリホサート抵抗性と関連すると思われる。
LK(配列番号37)
本発明のドメインの極性が増加したQループ領域を含む幾つかのグリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素(例えば、GRG1、GRG10並びにウェルシュ菌及びFusobacterium nucleatum由来のEPSPシンターゼを包含する)もまた、保存されたLKドメインを含む。大腸菌結晶構造に組み込むことによるこの配列の位置の分析によって、この配列が分子の外面に曝露されることが示される。この配列は、EPSPシンターゼの任意の既知の主要な領域の近くに存在せず、PEP、グリホサート又はシキミ酸3−ホスフェートの結合に直接関与すると思われないことから、グリホサート抵抗性に対するこの配列の寄与についてはまだ知られていない。更に、このドメインが、本発明のドメインを含むもの以外の多くのEPSPシンターゼ酵素において認められることから、この配列は、ここで記載されるドメインの極性が増加したQループ領域の非存在下でグリホサート抵抗性にほとんど又は全く影響を及ぼし得ない。しかし、それはタンパク質の他の性質に影響を及ぼし得る。
(実施例6) 本発明のドメインを含む更なるグリホサート抵抗性酵素の予測
これらの主要なドメインが発見されたものとして、我々は幾つかのグリホサート抵抗性EPSPシンターゼ酵素の存在を予測することができた。
Fusobacterium nucleatum及びMethanopyrus kandleriに由来するEPSPシンターゼは、Qループ領域内のGRG1及びGRG10に高度に相同であり、従って細胞にグリホサート抵抗性を付与することが予測された。
(実施例7) Fusobacterium nucleatumの亜種のヌクレアタムに由来するEPSPシンターゼ遺伝子のクローンの作製
Fusobacterium nucleatumEPSPシンターゼ(配列番号7)の公表されたアミノ酸配列を、GENBANK(登録商標)から入手し、次いで逆翻訳により合成的に設計し、次いでDNA2.0を用いてin vitroで合成した。結果として生じるDNA配列を、サブクローニングを容易にするためにフランキングBamHI及びAscI部位を含むように設計した。合成遺伝子を、BamHI及びAscIを使用してDNA2.0のドナーベクターから切除し、ゲル精製し、BamHI及びAscIで消化された修飾pUC18の同じ部位内に連結し、次いでDH5α細胞内に形質転換した。EPSPシンターゼ挿入物を含む陽性のクローンを、制限消化及びDNA塩基配列決定によって同定し、pAX723(synFusoΠ)と名づけた。コードされたEPSPシンターゼを、grg21(配列番号8)と名づけた。
(実施例8) Methanopyrus kandleri由来のEPSPシンターゼ遺伝子のクローンの作製
Methanopyrus kandleriEPSPシンターゼの公表されたアミノ酸配列をGENBANK(登録商標)から入手し、逆翻訳によって合成的に設計し、次いでDNA2.0を用いてin vitroで合成した。結果として生じるDNA配列(配列番号9)を、サブクローニングを容易にするためにフランキングBamHI及びAscI部位を含むように設計した。合成遺伝子を、BamHI及びAscIを使用してDNA2.0のドナーベクターから切除し、ゲル精製し、BamHI及びAscIで消化された修飾pUC18の同じ部位内に連結し、次いでDH5α細胞内に形質転換した。EPSPシンターゼ挿入物を含む陽性のクローンを、制限消化及びDNA塩基配列決定によって同定し、pAX724(synMethII)と名づけた。コードされたEPSPシンターゼを、grg22(配列番号10)と名づけた。
(実施例9) グリホサートに対する抵抗性についてのgrg21及びgrg22の試験
grg21及びgrg22をそれぞれ含むプラスミドpAX723及びpAX724を大腸菌細胞内に形質転換し、次いでIPTG、カルベニシリン、及びグリホサートの各種濃縮物を含むM63寒天培地上へ画線した。pAX701(野生型大腸菌aroA遺伝子を含む)のコロニーをグリホサート感受性対照として使用した。結果は下表に示される。grg21又はgrg22の発現によって高レベルのグリホサートに対する抵抗性が付与される。
Figure 2009523427
(実施例10) グリホサート抵抗性EPSPシンターゼドメインを含むGRG23
強いグリホサート抵抗性を示す菌株からGRG23(2005年12月1日に出願された米国特許出願第60/741,166、配列番号14)を単離した。GRG23は、本発明のドメインを含まないEPSPシンターゼ酵素よりもQループ領域内の極性が増大した本発明のEPSPシンターゼドメインを含む。この酵素は、GRG23を発現する発現構築体で形質転換された生物にグリホサート耐性を付与する。
(実施例11) ドメインの併用によるタンパク質への可能性
本明細書において提供されるドメインは、既に定義されたクラスII(米国特許第5,627,061号)又はクラスIII(2005年6月29日に出願の米国特許出願第60/695,193号)のEPSPシンターゼドメインに対して重複しない。従って、本発明のドメインの及びクラスII又はクラスIIIのドメインの両方の全て又は一部のエレメントを含むと考えられるタンパク質が実際に存在し得ると考えられる(例えば、破傷風菌に由来するEPSPシンターゼ(Swissprot受入れ番号Q894D2及び配列番号28)はクラスII及び本発明のドメインの両方を含む)。
本発明の幾つかの実施形態において、EPSPシンターゼ酵素の本発明のドメインの存在によって、グリホサート抵抗性が予測される。更なる実施形態において、そのドメインの全部又は一部の存在は、酵素活性又は機能の増加又は増大と関連する。別の一実施形態において、本明細書において同定されるドメインは、極性が増大した、或いは本発明のドメインの全部又は一部を有するQループ領域を有するポリペプチドで大腸菌aroA遺伝子のクラスI EPSPシンターゼモチーフを置換することによって、他の酵素のアミノ酸配列と設計又は組み換えられ得る。或いは、本発明の1つ以上のドメインは、改良された性質を含む又はもたらすことができる又はできない本発明のドメインを含まないポリペプチド(クラスI及びクラスII EPSPシンターゼポリペプチドが包含される)を置換して挿入される。
(実施例12) 更なる新規なEPSPシンターゼ酵素の同定
本発明の方法を使用して、EPSPシンターゼ酵素を含むデータベースを検索することによって、及び/又はEPSPシンターゼ酵素のアミノ酸配列のアラインメント及びQループ領域の極性増大又は本発明のドメインを含むタンパク質についての分析によって、グリホサート抵抗性EPSPシンターゼを更に同定することができる。このQループ領域又はこれらのドメインの多少の修飾は、これらのドメインのグリホサート抵抗性付与の性質を途絶させることなく実際に許容され、そしてそれ故に本明細書においてリストが示されるドメインに相当するものと判断される。それ故、本発明のドメインに対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%。約99%以上の相同性を有する酵素であればグリホサート耐性を付与し得るものと認められる。
本発明によれば、本明細書に記載される特定のドメインの残基に類似する1次アミノ酸を産生しない幾つかの例において、グリホサート抵抗性を付与するQループ領域内の改変を有する更なるEPSPシンターゼ酵素を産生することが今や可能である。例えば、一般に、Qループ領域の極性を増大及び/又はこの領域の残基の嵩高性を増大させることが可能であり、そして類似のグリホサート抵抗性EPSPシンターゼを実現することが可能である。本発明を用いて作製されるこれらの改変の一部は、その結果生じるタンパク質のグリホサート耐性を改善すると考えられ、そして本明細書に組み込まれる。従って、本発明は、極性、嵩高性を増大させるための、若しくは本発明のドメインを含むためのEPSPシンターゼアミノ酸配列の修飾を包含する。
本発明の別の一実施形態において、本明細書において同定されるドメインは、他のEPSPシンターゼ酵素のアミノ酸配列と設計又は組み換えられる。例えば、本明細書に記載されるドメイン配列の内の1つ以上は、本発明のドメインを含まないEPSPシンターゼ配列内に挿入され得る。その結果生じるタンパク質は、改変並びに改善された性質を有し得る。
(実施例13) 粒子ボンバードメントによる植物形質転換
トウモロコシの穂先は、受粉の8〜12日後に最も採集される。胚は穂先から単離され、そして形質転換における使用には、0.8〜1.5mmの大きさの胚が好ましい。胚を、DN62A5S培地(3.98g/LのN6塩;(1000×のストックの)1mL/LのN6ビタミン;800mg/LのL型アスパラギン;100mg/Lのミオイノシトール;1.4g/LのL−プロリン;100mg/Lのカザミノ酸;50g/Lのスクロース;(1mg/mLのストックの)1mL/Lの2,4−D)等の適切なインキュベーション培地上に胚盤側を上にして平板培養する。しかし、DN62A5S以外の培地及び塩が適切であって、当該技術分野で知られている。胚を、25℃の暗所で終夜インキュベーションする。しかし、胚を終夜インキュベーションすることは、それ自体が必要なことではない。
結果として生じる外植片を、メッシュの正方形(1プレート当たりの30〜40個)に移し、約30〜45分間浸透圧培地に移し、次いでビーミングプレート(beaming plate)に移した(例えばPCT公開番号WO/0138514及び米国特許第5,240,842号参照)。
植物細胞において極性が増大したQループを有するか、若しくはまたは本発明のドメインを含むEPSPシンターゼ配列を発現するように設計されたDNA構築体を、本質的にPCT公開番号WO/0138514に記載される通りの条件を用いて、エアゾールビームアクセラレータを使用して植物組織内に加速する。ビーミング後、胚を、浸透圧培地上で約30分間インキュベーションし、25℃の暗所でインキュベーション培地上に終夜置床する。ビーミングされた外植片を、過度に損傷することを回避するために、回復培地への移送前に少なくとも24時間インキュベーションする。次いで胚を、25℃の暗所で約5日間、回復期培地上に散布し、次いで選択培地に移す。外植片を、使用される特定の選択の性質及び特徴に応じて、最高で8週間まで選択培地中でインキュベーションする。選択期間後、結果として生じるカルスを、成熟体細胞胚の形成が認められるまで胚成熟培地に移す。次いで、その結果生じる成熟体細胞胚を弱光下で置床し、そして当該技術分野で知られている方法によって再生のプロセスを開始する。その結果生じる苗条を発根培地上で発根させ、そして結果として生じる植物を苗容器に移し、トランスジェニック植物として増殖させる。グリホサートに対する抵抗性の改善について前記植物をアッセイする。
Figure 2009523427
溶液のpHを1N KOH/1N KClでpH5.8に調整し、Gelrite(Sigma)を3g/Lに添加し、次いで加圧滅菌する。50℃まで冷却後、2mL/LのSilver Nitrate(Phytotechnology Labs)の5mg/mLストック溶液を添加する。配合表により約20プレート作製する。
(実施例14) アグロバクテリウム媒介形質転換による植物細胞の形質転換
穂先は、受粉の8〜12日後に最も採集される。胚は穂先から単離され、そして形質転換における使用には、0.8〜1.5mmの大きさの胚が好ましい。胚を、適切なインキュベーション培地上に胚盤側を上にして平板培養し、25℃の暗所で終夜インキュベーションする。しかし、胚を終夜インキュベーションすることは、それ自体が必要なことではない。約5〜10分間、Tiプラスミドによって媒介される移送のために、Qループ領域の極性増大又は本発明のドメインを有するEPSPシンターゼ酵素を有する適当なベクターを含むアグロバクテリウム株を胚に接触させ、次いで約3日間(25℃の暗所で)、共存培養培地上に胚を平板培養する。共存培養後、約5日間(25℃の暗所で)、回復期培地へ外植片を移す。外植片を、使用される特定の選択の性質及び特徴に応じて、最高で8週間まで選択培地中でインキュベーションする。選択期間後、結果として生じるカルスを、成熟体細胞胚の形成が認められるまで胚成熟培地に移す。次いで、その結果生じる成熟体細胞胚を弱光下で置床し、そして当該技術分野で知られている通りに再生のプロセスを開始する。その結果生じる苗条を発根培地上で発根させ、そして結果として生じる植物を苗容器に移し、トランスジェニック植物として増殖させる。
本明細書において言及される全ての公報及び特許出願は、本発明が関係する当業者の熟練度を示す。全ての公報及び特許出願は、あたかも個々の刊行物又は特許出願書が具体的且つ個別に示されているかのように、本明細書において同程度に参照により組み込まれている。
明確な理解のために図と例とを挙げていくらか詳細に前述の本発明を記載したが、特定の変更と改変が添付の特許請求の範囲内で実施し得ることは明らかであろう。
図1は、本明細書において記載されるQループ領域に相当するアミノ酸領域のアラインメントを示す。前記アラインメントは、GRG1(配列番号2のアミノ酸残基80〜100);ウェルシュ菌EPSPS(配列番号3のアミノ酸残基80〜100);GRG10(配列番号6のアミノ酸残基80〜100);GRG21(配列番号8のアミノ酸残基80〜100);GRG22(配列番号10のアミノ酸残基80〜100);GRG20(配列番号12のアミノ酸残基80〜100);GRG23(配列番号14のアミノ酸残基80〜100);GRG15(配列番号15のアミノ酸残基80〜100);GRG5(配列番号16のアミノ酸残基80〜100);GRG12(配列番号17のアミノ酸残基80〜100);GRG6(配列番号18のアミノ酸残基80〜100);GRG7(配列番号19のアミノ酸残基80〜100);GRG8(配列番号20のアミノ酸残基80〜100);GRG9(配列番号21のアミノ酸残基80〜100);大腸菌AroA(配列番号22のアミノ酸残基85〜106);サルモネラチフィムリウムEPSPS(配列番号23のアミノ酸残基85〜106);トウモロコシEPSPS(配列番号24のアミノ酸残基85〜106);アグロバクテリウム・ツメファシエンス株CP4 EPSPS(配列番号25のアミノ酸残基85〜106);枯草菌AroA(配列番号26のアミノ酸残基85〜106);及び肺炎桿菌EPSPS(配列番号27のアミノ酸残基85〜106)を示す。

Claims (21)

  1. Qループを有するEPSPシンターゼポリペプチドをコードする、配列番号1、3、5、11、13、38、40のポリヌクレオチド以外の単離されたポリヌクレオチド及び配列番号2、8、10、46、47、48、49、50、51又は52をコードするポリヌクレオチドであって、該Qループは極性が増大したアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドはグリホサートに抵抗性である、ポリヌクレオチド。
  2. 前記Qループが、
    a)D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    b)D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    c)K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
    d)W−C−E−D−A−G(配列番号32)、からなる群から選択される少なくとも1つの配列ドメインを有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 前記Qループが、配列番号22のアミノ酸残基98に相当する少なくともセリン又はスレオニンを有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記ポリヌクレオチドが、アミノ末端葉緑体トランジットペプチド(amino−terminal chloroplast transit peptide)及びEPSPシンターゼ酵素を含む融合ポリペプチドをコードする、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  5. グリホサート除草剤に対して耐性がある遺伝的に形質転換した植物を作製する方法であって、
    a)Qループを有するポリペプチドをコードする、配列番号1、13、38のポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチド又は配列番号2、46、47、48、49、50、51又は52をコードするポリヌクレオチドを、植物細胞のゲノム内に挿入する工程であって、該Qループは極性が増加したアミノ酸配列を含む、工程;
    b)形質転換された植物細胞を得る工程;及び
    c)グリホサート除草剤に対する増大した耐性を有する遺伝的に形質転換された植物を、該形質転換された植物細胞から再生する工程、
    を含む、方法。
  6. 前記Qループが、
    a)D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    b)D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    c)K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
    d)W−C−E−D−A−G(配列番号32)、からなる群から選択される少なくとも1つの配列ドメインを有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記Qループが配列番号22のアミノ酸残基98に相当する少なくともセリン又はスレオニンを有する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記ポリヌクレオチドがアミノ末端葉緑体トランジットペプチド及びEPSPシンターゼ酵素を含む融合ポリペプチドをコードする、請求項5に記載の方法。
  9. Qループを有するEPSPシンターゼポリペプチドをコードする、配列番号1、13、38のポリヌクレオチド以外の異種のポリヌクレオチド又は配列番号2、46、47、48、49、50、51又は52をコードするポリヌクレオチドを含むグリホサート耐性植物細胞であって、該Qループは極性が増大したアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドはグリホサートに抵抗性である、グリホサート耐性植物細胞。
  10. 前記Qループが、
    a)D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    b)D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    c)K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
    d)W−C−E−D−A−G(配列番号32)、からなる群から選択される少なくとも1つの配列ドメインを有する、請求項9に記載のグリホサート耐性植物細胞。
  11. 前記Qループが配列番号22のアミノ酸残基98に相当する少なくともセリン又はスレオニンを有する、請求項9に記載のグリホサート耐性植物細胞。
  12. 前記ポリヌクレオチドがアミノ末端葉緑体トランジットペプチド及びEPSPシンターゼ酵素を含む融合ポリペプチドをコードする、請求項9に記載のグリホサート耐性植物細胞。
  13. トウモロコシ、小麦、米、オオムギ、大豆、綿、テンサイ、アブラナ、カノーラ、亜麻、ヒマワリ、ジャガイモ、タバコ、トマト、ムラサキウマゴヤシ、ポプラ、松、ユーカリノキ、リンゴ、レタス、エンドウ、レンズマメ、ブドウ及び芝草からなる群から選択される請求項9に記載のグリホサート耐性植物細胞。
  14. 請求項9に記載の植物細胞を含むグリホサート耐性植物。
  15. 請求項14に記載の植物の形質転換された種子。
  16. トウモロコシ、小麦、米、オオムギ、大豆、綿、テンサイ、アブラナ、カノーラ、亜麻、ヒマワリ、ジャガイモ、タバコ、トマト、ムラサキウマゴヤシ、ポプラ、松、ユーカリノキ、リンゴ、レタス、エンドウ、レンズマメ、ブドウ及び芝草からなる群から選択される請求項14に記載のグリホサート耐性植物。
  17. 作付けされた種子または植物(plant)を有する植物(plant)を含む圃場内における雑草を選択的に制御するための方法であって、
    a)該種子又は該植物内に挿入される配列番号1、13、38のポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチド又は配列番号2、8、10、46、47、48、49、50、51又は52をコードするポリヌクレオチドの結果としてグリホサート耐性である該種子又は該植物を作付けする工程であって、該ポリヌクレオチドがQループを有し、該Qループが極性が増大したアミノ酸配列を含む、工程;及び
    b)該植物に著しく影響を及ぼすことなく雑草を制御するために有効な濃度のグリホサート除草剤を、圃場内の該植物及び雑草に加える工程、
    を含む、方法。
  18. 前記Qループが、
    a)D−C−X−X−S−G(配列番号29)、但しXはグリシン、セリン、アラニン又はアスパラギンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    b)D−A−X−X−S−G(配列番号30)、但しXはアラニン又はアルギニンを示し、及びXはアスパラギン又はグルタミン酸を示す;
    c)K−L−K−X−S−A(配列番号31)、但しXはグリシン、アスパラギン又はグルタミン酸を示す;又は、
    d)W−C−E−D−A−G(配列番号32)、からなる群から選択される少なくとも1つの配列ドメインを有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記Qループが配列番号22のアミノ酸残基98に相当する少なくともセリン又はスレオニンを有する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記ポリヌクレオチドがアミノ末端葉緑体トランジットペプチド及びEPSPシンターゼ酵素を含む融合ポリペプチドをコードする、請求項17に記載の方法。
  21. 配列番号7及び9を含む単離されたポリヌクレオチド配列。
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