JP2009522475A - 家具用ヒンジ - Google Patents

Abstract

既存の制動および／またはブレーキ制御装置に代わる、揺動部の１つから制動要素へと運動を伝達するための手段が有する剛性、および同時に弾力性が向上したために、ドアまたは他の家具部材が閉じるまたは開く間において改善された効率性を保証する制動および／またはブレーキ制御装置を有する家具用ヒンジ。また、このヒンジの改善された効率性は、ヒンジの適切な領域に存在する粘性媒体を有する摩擦表面を増大させることによって、および、粘性媒体と接触するブレーキ要素として働く円形要素、例えばディスクの角速度を一定にすることを可能とすることによって得られる。

Description

本発明は家具用ヒンジ、より詳しくは、ドアのための、または一般的には適切に動くことが可能である家具の部材のための、スプリングを有するヒンジ、すなわちドアが開くおよび／または閉じるときに作動する制動装置が設けられているヒンジに関する。

閉じられた領域にドアまたはウィング（ｗｉｎｇ）が設けられ、それが水平または垂直の軸の周りを回転することで開く家具には、様々なタイプのヒンジが用いられている。今日、最も広く用いられているのは、ドアが閉まるとき、閉鎖位置にあるドアを支持するヒンジが家具の外側から見えないタイプのものである。

このタイプのヒンジは、数々の利点を有することから、今日では家具業界において一般的に使用されており、市場においても広く用いられている。既存のヒンジの幾つかの実施形態においては、ドアがぴったりと閉まる間にドアに戻る力を生み出すための、またはドアが開く間にドアに押す力を生み出すための様々なタイプのスプリングが設けられている。そうすることで、ドアを精密に閉めるまたは開くことができるようになる。

しかしながら、スプリングの弾性反応によって引き起こされたドアの動きの制動および／またはブレーキ制御装置は、それらのヒンジにとって望ましいものである。それらの装置の目的は、ドアを閉めるときにドアが家具の枠に勢いよく衝突して大きな音が生じるのを防ぐことである。

現在、家具用ヒンジと一体化された、様々な種類の制動およびブレーキ制御装置が知られている。しかし、それらの装置には幾つかの欠点がある。

特には、幾つかのヒンジにおいては、実質的には四角形状をしたスライダを使用した制動装置からなる制動要素へと揺動部の１つによって動きが伝えられる。このスライダは、２つの相反する特性を両立させなければならない。すなわち、一方では、スライダの下部表面が制動要素の溝で変形しないで可能なだけ該溝とかみ合うように、スライダは硬くなければいけない。他方では、戻る動きをしている間、前記制動要素が回転することがないよう、そういった溝の端部を越えるために曲げられることが可能なほど、スライダは十分に弾力性がなければならない。もし、構成要素の動作および結合許容範囲が十分に精密なものでなければ、スライダの不規則な振る舞い、または起こりうる空動作のために、制動装置がうまく働かなくなる。

したがって、前記課題を克服することができる制動装置が設けられたヒンジを提供することが求められている。

本発明の主となる目的は、既存のヒンジに代わって、制動およびブレーキ制御装置を有する家具用ヒンジを提供することであり、それは、揺動部の１つから制動要素へと運動を伝達するための手段が有する剛性、同時に弾力性といった特性を向上させることによって、ドアまたは他の家具部材が閉じる／開くときにおいて改善された効率性をもたらすことを保証する。

さらなる目的は、標準的なヒンジの全体寸法を変えないことによる、装置の単純化である。

したがって、本発明は、請求項１に記載の制動装置を有する家具用ヒンジによって、上記の問題を解決することを目的としており、本発明のヒンジは、家具の要素に固定するための第１の部材と、前記家具の要素であるドアに固定するためのボックスからなる第２の部材と、からなり、前記第１の部材は、第１の連結ピンと、前記ボックスと、制動力を生むために粘性媒体に浸漬された制動要素から構成されている前記回転運動を制動するための制動手段に前記第１の部材を結合するための結合手段の周囲を相対的に回転運動して移動するのに適しており、前記結合手段は、前記第１の連結ピンと平行の軸を有する第２の連結ピンの周囲を回転するのに適したフック要素と、前記フック要素が制動要素に圧力を加えるよう前記フック要素に押す力を与えるのに適した弾性手段とからなり、および、前記フック要素は、複数の曲がった溝中の１つの曲がった溝とかみ合うのに適しており、該曲がった溝は、第１の回転ピンの周囲における第１の部材の回転運動を、ヒンジの回転と対応している自らの中央部の周囲における前記制動要素の回転運動へと変換させるために、制動要素の第１の面上に設けられていることを特徴とする。

有利なことに、本発明のヒンジは、四角形状のスライダを用いない、より簡単な制動装置からなる。四角形状のヒンジの場合においては揺動部の間で運動を伝達するための、ピンが１つしかないヒンジの場合においては固定アームの間で運動を伝達するための要素と制動要素は、有利なことに、前記揺動部または固定アームに固定されたカム連結要素に保持されているピンの周囲を回転するフック上に作られる。

この回転フック、およびねじりスプリングといった弾性要素の存在は、既存の制動装置のスライダでは常に満たされることがなかった、剛性と弾力性というそれぞれの要求を最適に満足させる。

また、本発明のヒンジの改善された効率性は、ヒンジの適切な領域に存在する粘性媒体との摩擦表面が増大することによって、および粘性媒体と接触する際にブレーキ制御要素として働くディスクの角速度が一定であることによって得られる。

もう１つの利点は、本発明のヒンジの制動装置が、標準タイプのボックス要素または単なるボックスの基部上に、非常に簡単に、あらかじめ組み立てられている状態で取り付けられることが可能な分離要素であるということである。事実、本発明のヒンジにおいてボックス要素は制動装置から分離されているので、それは制動作用には寄与しておらず、例えば単にプレス成形によって標準的な材料から作られたものでよく、プレス成形に適切な特殊でより高価な材料を使用する必要もない。製造という観点からすると、それら全てのことは、第１の生産ラインで標準タイプのヒンジを製造し続けることが可能であることを意味しており、必要に応じて前記ヒンジに制動装置が組み付けられるとき、それは第２の独立ラインで別個に実行される。結果、制動装置全体を有するヒンジの製造には、完全に専用のラインを用意する必要がない。

さらに、従来技術のヒンジの組立では、ボックス要素に対する諸要素の取り付けや制動装置の形成が連続的に一度になされることが求められるが、本発明のヒンジにおいては、すでに組み立てられている前記装置が、たった１つの簡単で迅速な操作でヒンジのボックスの基部に取り付けられる。したがって、ボックス要素は、制動装置の要素を取り付けるときに支持要素として働かない。

有利な実施形態において、前記装置のボックスへの固定は、接合した四角形状タイプのヒンジの場合にはヒンジ揺動部をボックスへと結合する際に使用したのと同じ２つのピンを使用することによってなされ、ピンが１つしかないヒンジの場合には固定アームをボックスへと結合する際に使用した１つのピンを使用することによってなされる。

標準的なボックス要素は、有利なことに、その基部に開口部が設けられており、それは制動装置を迅速に組み付けるのに適した形状をしている。さらに、制動装置が設けられたヒンジを作るためには、２つの揺動部の１つまたは固定アームが、ボックス要素の基部にある開口部を通して、制動装置のブレーキディスクと相互に関係することが可能な連結要素に、第１の生産ラインで直接設けられる。例えば、この連結要素は、同じ揺動部の一端によって、または同じ固定アームによって、または別個の要素によって形成されているが、しかしそれは揺動部または固定アームに結合しているか、そこに挿入されており、および、各々のピンの周囲を回転している。

最後に、さらなる利点として、そのコンパクト性およびボックス要素の基部へ取り付けられていることによって、前記制動装置の大きさは家具のドアの厚さ以下であるので、ドアが開くとき外から見えず、また見かけも審美的に向上している。

従属項には、本発明の好ましい実施形態が記載されている。

本発明のさらなる特徴および利点は、付属の図面の助けによって、非限定的な例で説明されている制動装置を有する家具用ヒンジの、好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な記述によってより明らかになるであろう。

図１ａには、全体を参照番号１８で示されているヒンジが記載されている。前記ヒンジは、固定要素またはヒンジアーム１からなり、それは家具の側部パネルまたは他の適切な要素からなる壁部と一体化するよう順に固定されている基部またはプレート上に固定可能である。ヒンジには、２つの揺動部２および３が設けられており、それらは、アーム１の側壁にある穴に保持されている２つの対応するピン４、５の周囲を回転する第１の端部をそれぞれ有している。アーム１はボックス要素６に結合されており、該ボックス要素は、家具のドアまたはウィングの、または家具の他の適切な回転要素の内側壁部につくられたキャビディに固定されている。揺動部２および３が有するそれぞれの第２の端部は、第１の２つのピン４、５に平行である軸を有する他の２つのピン７、８に回転が可能なように保持されている。４つのピン４、５、７、８は連結された四角形をなしている。

アーム１に揺動部３を結合する連結ピン５の周囲には、弾性要素またはスプリング９が設けられている。前記弾性要素のアーム１０の一方は、ヒンジアーム１上に固定されており、一方で他方のアーム１１は揺動部２に影響を及ぼしている。

弾性要素９が図１に示されている位置まで揺動部２に押す力を与えることで、弾性要素９のアーム１０、１１は閉じられる。ドアがこの開放角度、すなわち約１５°から２０°を越えると、アームによってごくわずかな圧縮力を弾性要素９に与えるだけで、弾性力の影響がなくても自由にドアの回転運動の残りの部分が実行される。

他方、ドアが閉まる段階においては、最終角度、すなわち約１５°から２０°といったところでドアが精密および自然に閉まることができるように、弾性要素はドアが閉じる方向に戻る力を作り出す。

ブッシュ１２は弾性要素９とピン５の間に適切に挟んで配置されることが可能である。別法では、要素９はピン５から取り外され、既知の方法でヒンジアーム１に取り付けられることも可能である。

ボックス要素６の基部には、ドアが開くおよび／または閉じるときに実行されるドアの開放を減少させるのに適した制動および／またはブレーキ制御装置１３が設置されており、それは雑音を減少させ、それらの段階が快適および滑らかに実行されることを可能とする。

図２に示されるように、装置１３は、ボックス要素６、および底部または基部１６に固定することが可能なように適切に成形されたケーシング１４から形成されたハウジングからなる。前記ハウジングの内部には、グリスなどの粘性の高い媒体に浸漬された、実質的に平らな形状をしたブレーキディスク２３が挿入されている。また有利なことに、制動装置１３およびボックス要素６の組立は、同じピン手段７、８によってなされており、そして、各々は揺動部２および３の第２の端部の周囲を回転することができ、また、前記２つのピンは、ケーシング１４の穴７０、７１と、底部２６の穴９０、９１と、ボックス要素６の穴８０、８１とに対応して通過している。

ケーシング１４の基部には、実質的には四角形または正方形の形状をした穴または開口部１５が設けられており、それによって、ブレーキディスク２３の表面にある螺旋状の溝３０にフック２７の手段によって係合するために、カム連結要素１６を、ボックス要素にある連結部であるピン８の周囲を回転する、または前記揺動部全体を形成している揺動部３の下方端部に固定することができる。有利なことに、フック２７は、同じカム要素１６に保持されているさらなるピン１９の周囲を順に回転する。

本発明のヒンジの好ましい実施形態においては、図７および８によりよく示されているように、カム連結要素１６は、連結ピン８の手段によって揺動部３に設置されており、そして中央キャビティ１８の範囲を定め、上に通し穴１７を有する外側突出部２２からなっている。

穴１７を通り抜けるピン１９の周りにある中央キャビティ１８には、回転フック２７とねじりスプリング２０とが保持されており、該スプリングは、一端がカム要素１６に、他端がフック２７に留められている。

フック２７が揺動部３の背面で隣り合っている隣接部２８に留まるように、ねじりスプリング２０はフック２７に力を加えている。ピン１９に関して隣接部２８とは正反対の位置において、フック２７には、その一方の端部に側部歯２９が設けられており、該側部歯は、一度ヒンジおよびそれと関連する制動装置が組み立てられたら、図３に示すように、ディスク２３の螺旋状の溝３０にタペット要素としてかみ合わされる。

有利なことに、上記の要素の構成とすることで、互いが分離した金属もしくはプラスチックまたは他の適切な材料から作られる、ねじりスプリング２０と剛性によって、そしてフック２７によって、単一の要素において以前の非効率的に結合されていた、各々の弾力性の特性を上手く利用することが可能となる。

ヒンジが閉まる動きをしている間、揺動部３は、図３に示してあるように、矢印３３の方向に回転し、その閉じる動きの最後の部分では、揺動部３の背面にある隣接部２８に固定されているフック２７の歯２９は、垂直端部３１を押しているディスク２３の螺旋状の溝３０の１つとかみ合う。

図４に示されているのは、ディスク２３の平面図であり、そこでは、図３と対応するフック２７およびそれと関係する側部歯２９の位置が実線で記されている。ヒンジを閉じる動きを続けていくと、フック２７および歯２９は、点線で記されている位置２７’および２９’へ垂直の螺旋状端部３１に沿って滑るように移動し、点線４０、４１によって示されている円形区間と対応する角度だけ反時計周りにディスク２３を回転させる。例えば、図４において、この角度は４０°であり、ディスク２３には９つの螺旋状の溝３０が設けられている。また、溝の平面形状は幾何的には螺旋状ではなく、溝はフックの動きである線形の動きが、ディスク２３の中心の周囲を回転するような回転運動に変化することが可能なように設けられている。

代わりに、ヒンジが開く動きをしている間は、図５に示されているように、揺動部３は矢印３４の方向に回転し、フック２７の歯２９の背面は螺旋状の溝３０の端部３２に留まる。ここで、前記端部３２は、スプリング２０の力に抗してフック２７が回転できるように傾斜している。そのように回転することによって、ディスク２３を回転させることなく、溝３０からフック２７を外すことができる。

図６に示されているのは、ディスク２３の平面図であり、そこでは、図５と対応するフック２７およびそれと関係する側部歯２９の位置が実線で記されている。歯２９が外される溝の次の溝の垂直端部３１’が、図４における垂直端部３１の位置に対応する位置にあることがわかる。このようにして、前記連続する溝は、ドアの一連の閉じる動きにおいて、歯２９を受け入れ、ディスク２３の回転を減速させていくことができる。

有利な方法として、すでに穴９０、９１がピン７および８の通路として設けられているが、さらに底部２６の側部壁にスロットまたは穴５０を設けるやり方もある。前記穴５０は、ヒンジにあらかじめ組み付けられる制動装置をより簡単にあらかじめ設置するために、図には示されていないが、ボックス要素６に設けられた対応する突出部と結合するのに適切なものとなっている。

本発明の第２の実施形態では、図１ｂに示してあるように、１つの連結ピン８’を有するヒンジ１８’に、前述したものと同じ制動装置を適用している。

前述したような連結した四角形状タイプのヒンジ１８と異なり、１つしかピンがないヒンジには、実質的にはＬ字型をした固定アーム１’が設けられており、該アームは、ヒンジ１８のアーム１および揺動部３が一体となるように構成されており、ボックス要素６’に設けられた連結ピン８’の周囲を回転するのに適している。したがって、揺動部２および３、および他の連結ピン４、７、５は設けられていない。図１ｂには、さらなる横断ピン１０４の周囲に巻き付けられているねじりスプリング１０３が示されており、該ねじりスプリングには、ヒンジに閉まるための推力を与えるために、カムとして作動する連結要素１６’の端部に固定されているアーム１００が設けられている。より適切には、一組の鏡像関係にある隣接したスプリング１０３が設けられ、中央のアーム１００は、ヒンジ１８’の固定アーム１’の屈曲部分１０２にある中央キャビティ１０１を通る。

ヒンジの第２の実施形態は、図３および図５において参照番号３で示されている、固定アーム１’のＬ字型の一部または端部である要素に関する。

第２の実施形態において、固定アーム１’の端部または屈曲部分１０２に固定されている、または前記端部の全体そのものであるカム連結要素１６’は、フック２７’の側部歯２９’の手段によって、高粘性媒体に漬けられたブレーキディスク２３’の表面に作られた対応する溝３０’とかみ合う。フック２７’は、第１の実施形態で記述されたのと同じ方法で連結要素１６’に保持されている。また、この実施形態においては、ねじりスプリング２０’が有利なことに設けられており、それはまた、一方の端部はカム要素１６’で他方の端部はフック２７’に固定している前記スプリング２０’を有する連結要素１６’の中央キャビティに保持されている。固定アーム１’の屈曲部分１０２の背面に隣接部２８’が留まり続けるように、ねじりスプリング２０’はフック２７’に力を加えている。また、図２に示されているのと同じように、第２の実施形態においても、ボックス要素に制動装置１３を固定するピン８’の通路として、ケーシング１４’、底部２６’およびボックス要素６’の各々に設けられた穴に加えて、スロットまたは穴を前記底部２６’の側壁に設けることができる。

したがって、本発明のヒンジの両方の実施形態では、回転フックの構成および好ましくはねじりスプリングといった弾性要素の存在によって、既存の制動装置のスライダでは満たすことのできなかった剛性と弾力性の要求を最適に満足する。

有利なことに、ブレーキディスクと、この場合においても粘性媒体に漬けられている底部または基部と、の両者が向かい合う面は、２つの実施形態において、一続きの相補的な環状同心溝４０’、４０およびリブ４１’、４１からなっており、それは図１ａおよび図１ｂで示すように対で用いられる。さらに、リブの頂部の平坦な部分および溝の基部は、例えば高粘性グリスといった粘性媒体による直接の接着性を促進するために、粗く仕上げられている。有利なことに、この実施形態では、グリスが半径方向に移動することをより難しくすることが可能であり、そうすることで、ヒンジの底部とボックス要素との間にガスケットを使用する必要がなくなる。そのうえ、制動装置の作動時に起こりうる欠陥をなくすことで、本発明のヒンジは、装置１３を明らかに静かにすることができ、および、粘性媒体を有する対にされた摩擦力のある表面領域が広がることで、より効果的に制動力を働かせることが可能となる。事実、既存の装置で同じ制動力を得るには、グリスの量をより少なくすることが求められる、あるいは、制動力を増大させるには、本実施形態と同じ量のグリスを用いることが求められる。

有利なことに、両方のヒンジの実施形態において、ボックス要素には、
−フック２７、２７’の歯２９、２９’の手段によって、ブレーキディスク１６、１６’と連結要素１６、１６’が相互に関係することを可能とするための、基部または下部表面に設けられた開口部６０と、
−肩部６２の上部表面に設けられ、ケーシング１４、１４’の対応する突出部６３を保持するのに適した空間を規定している円形王冠（ｃｒｏｗｎ）部分を有する、前記肩部６２の側部表面に設けられたノッチまたはへこみ６１と、
が設けられている。

また、本発明のヒンジは、標準的なヒンジの全体寸法に変化を加えることなく、効果的な動作を行うことが可能である。

有利なことに、本発明の製作費用はかなり低い。事実、これまで記載されてきたヒンジは本体とは分離しており、したがって、すでに別に組み立てられた状態で、ボックス要素に取り付けられることが可能な制動装置からなるので、構造的な観点からして大きな利点を有している。

ボックス要素は、標準的なヒンジを作るために通常使用されるタイプのものであってもよい。例えば、プレス成形によって作られたものでもよいし、場合によっては、制動および／またはブレーキ制御装置が設けられていないヒンジを通常のように用いるときに使用される突起部が設けられたものでもよい。すでに組み立てられているこの装置は、ヒンジの最終組立段階において選択されたボックス要素に組み付けられ、有利なことには、ピン７、８またはピン８’のみがそこへの固定のために使用される基本的な要素となる。したがって、本発明のヒンジの製作においては、標準的なヒンジの組立に対して特別な作業を必要とすることなく、ヒンジに制動装置を設けることが可能である。事実、１つの固定作業で、ヒンジのボックス要素と制動装置とが一緒に保持されることが求められる。さらに、その後者は完全にドアの厚さ以内に収まっており、外部からは見えないという利点を有している。

ここで記載された製造の特殊な方法は、本出願の内容を制限するものではなく、請求項によって規定された本発明の実施形態の全てを保護する。

半分だけ開いた位置にある本発明のヒンジの断面図を示す。 半分だけ開いた位置にある本発明のヒンジの異なる実施形態の断面図を示す。 図１に示したヒンジの１つの構成要素の立体分解図を示す。 図１のヒンジの細部の断面図を示す。 図３の位置に対応するヒンジの細部の内部平面図を示す。 図１のヒンジの細部の断面図を示す。 図５の位置に対応するヒンジの細部の内部平面図を示す。 図１のヒンジの第２の組立構成要素の斜視図を示す。 図７の第２の構成要素の立体分解図を示す。

符号の説明

１、１’ ヒンジアーム
２、３ 揺動部
４、５ ピン
６、６’ ボックス要素
７、８、８’ ピン
９ 弾性要素またはスプリング
１０ 弾性要素のアーム
１１ 弾性要素の他方のアーム
１２ ブッシュ
１３ 制動および／またはブレーキ制御装置
１４、１４’ ケーシング
１５ 穴または開口部
１６、１６’ カム連結要素
１７ 通し穴
１８、１８’ ヒンジ／中央キャビティ
１９ ピン
２０ ねじりスプリング
２３、２３’ ブレーキディスク
２６、２６’ 底部または基部
２７、２７’ フック
２８、２８’ 隣接部
２９、２９’ 側部歯
３０、３０’ 螺旋状の溝
３１、３１’ 垂直端部
３２ 螺旋状の溝の端部
４０、４０’ 環状同心溝
４１、４１’ リブ
５０ スロットまたは穴
６０ 開口部
６１ ノッチまたはへこみ
６２ 肩部
６３ 突出部
９０、９１ 穴
１０１ 中央キャビティ
１０２ 屈曲部分
１０３ ねじりスプリング
１０４ 横断ピン

Claims (10)

1. 家具の要素に固定するための第１の部材と、前記家具の要素であるドアに固定するためのボックス（６、６’）よりなる第２の部材と、からなり、前記第１の部材は、第１の連結ピン（８、８’）と、前記ボックス（６、６’）と、制動力を生むために粘性媒体に浸漬された制動要素（２３、２３’）から構成されている前記回転運動を制動するための制動手段（１３）に前記第１の部材を結合するための結合手段（１６、１６’）の周囲を相対的に回転運動して移動するのに適しており、前記結合手段（１６、１６’）は、前記第１の連結ピン（８、８’）と平行の軸を有する第２の連結ピン（１９）の周囲を回転するのに適したフック要素（２７、２７’）と、前記フック要素が制動要素（２３、２３’）に圧力を加えるよう前記フック要素（２７、２７’）に押す力を与えるのに適した弾性手段（２０、２０’）とからなり、および、前記フック要素（２７、２７’）は、複数の曲がった溝（３０、３０’）中の１つの曲がった溝とかみ合うのに適しており、該曲がった溝は、第１の回転ピンの周囲における第１の部材の回転運動を、ヒンジの回転と対応している自らの中央部の周囲における前記制動要素（２３、２３’）の回転運動へと変換させるために、制動要素（２３、２３’）の第１の面上に設けられていることを特徴とする家具用ヒンジ。
2. 制動要素（２３、２３’）は、実質的には平坦な形状を有していることを特徴とする請求項１に記載のヒンジ。
3. 前記フック要素（２７、２７’）には、第１の部材の回転運動の少なくとも一部分の間において、溝の内側の形状に従うのに適したタペット要素（２９、２９’）が設けられていることを特徴とする請求項２に記載のヒンジ。
4. 溝のカーブは、螺旋形状をしていることを特徴とする請求項３に記載のヒンジ。
5. 溝のカーブは、円弧形状をしていることを特徴とする請求項３に記載のヒンジ。
6. 前記制動手段は、前記ボックス（６、６’）から分離されているハウジングからなっており、そして前記ハウジングは、前記ディスクを囲むケーシングと底部とから順になっており、前記制動手段が一回の取り付け操作で前記ボックスの１つの端部に固定されるのに適した１つの要素を形成するようなやり方でハウジングが組み立てられるのに前記ディスクが適することが可能なような、迅速連結手段が前記ハウジングには設けられていることを特徴とする前記の諸請求項のいずれか１項に記載のヒンジ。
7. 前記制動手段は、前記ボックス（６、６’）に設けられていることを特徴とする請求項１から５に記載のヒンジ。
8. 前記第１の部材は２つの要素からなっており、前記要素の第１のものは、家具の前記要素に固定するための固定アーム（１）であり、前記要素の第２のものは、前記ボックス（６）にある第１の連結ピン（８）の周囲および前記固定アーム（１）にある第２の連結ピン（５）の周囲を回転するのに適した第１の揺動部（３）であり、および、前記ボックス（６）にある各々の第１の連結ピン（７）の周囲および前記固定アーム（１）にある各々の第２の連結ピン（４）の周囲を回転するのに適した第２の揺動部（２）が設けられていることを特徴とする前記の諸請求項のいずれか１項に記載のヒンジ。
9. 前記迅速連結手段は、ハウジング（１４、２６）の第１の穴（７０、７１、９０、９１）およびボックス（６）の第２の穴（８０、８１）と係合するのに適した連結ピン（７、８）と、あらかじめ取り付けるためのオプションスロット（５０）とからなることを特徴とする請求項８に記載のヒンジ。
10. 底部（２６、２６’）には、ディスク（２３、２３’）の第２の表面に設けられた対応する溝（４０’）およびリブ（４１’）と相互補完的な関係にあるリブ（４１）および溝（４０）が設けられていることを特徴とする請求項６から９のいずれかに記載のヒンジ。

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