JP2009520856A - ポリビニルブチラールの変性方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリマー溶融物中でのエポキシ化合物との反応によるアセタール化ポリビニルアルコールの変性方法、及びその生成物の使用、例えばセラミック用途における使用などに関する。

Description

本発明は、エポキシ化合物との反応によるアセタール化ポリビニルアルコールの変性方法に関する。
アセタール化ポリビニルアルコール、例えばポリビニルブチラール(PVB)は、分子量の増加とともに、溶液粘度および/または溶融粘度の上昇を示す。しかし、バインダーとしての用途、例えば印刷用インクまたは塗料などの用途においては、溶液粘度および/または溶融粘度の低い高分子量のアセタール化ポリビニルアルコールの使用が望ましい。この点に関する適切な方策は、ヒドロキシル基間の水素架橋結合および/または一般的な相互作用の効果を最小限にするか低減させるように、ポリマーの残存ヒドロキシル基を側鎖で変性することである。
EP1403289A1は、押出法においてエチレンビニルアルコール共重合体をグリシジルエステルと反応させる上記のような方法を記載している。この反応の結果、エポキシ化合物がヒドロキシル基に付加されて、対応する側鎖が生じる。これらのポリマーは、エチレン単位を5〜55モル%含有し、残りの繰り返し単位は、酢酸ビニル基およびビニルアルコール基である。ビニルアルコール基はアセタール化されておらず、これらのポリマーの加水分解度は90%を超えているので、その結果、多数の遊離ヒドロキシル基が存在する。したがって、これらのエポキシ化合物を使用して、反応によって高いレベルの変換率および/または置換度が比較的容易に達成できる。
エチレン単位を有しないアセタール化ポリビニルアルコール、すなわち遊離ヒドロキシル基の数がかなり少ない化合物の使用は、この公報には記載されていない。
DE4201941A1は、ポリビニルブチラールを、エポキシ化合物としてのグリシジルエーテルと、有機溶媒中で反応させることによる塗装系の製造を開示している。同様の方法が、ポリビニルアセタールを芳香族エポキシ化合物と反応させるJP2001−210426に開示されている。この場合も、反応は、有機溶媒中で行われる。
ポリマーの変性のための溶媒の使用は、望ましくないことが多い。なぜなら、第一に、出発原料を複雑な方法でエネルギーを使って、とりわけ時間をかけて溶解させる必要があるからである。反応後には、エネルギーと時間を費やして溶媒を除去する必要があり、ここでも非常な努力が必要になる。最終生成物に溶媒残留物が残っていると、これらのポリマーは、例えば食品の包装に使用することができない。さらに、反応温度は、通常、溶媒の沸点までに限定される。
ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールとの化学反応においては、アセタールの脱離による分解反応を、一般に危惧しなくてはならない。これらの反応は酸によって触媒され、高温では加速度的に起こる。
したがって、本発明の目的は、現行の技術水準の上記の欠点がない変性されたアセタール化ポリビニルアルコールの製造方法を提供することにある。
驚くべきことに、ポリビニルアセタールを、溶融物中で、すなわち高温で、エポキシ化合物と反応させることができることがわかった。
本発明の主題は、したがって、変性されたアセタール化ポリビニルアルコールの製造方法であって、アセタール化ポリビニルアルコールの溶融物を、一般式I:
Figure 2009520856
(式中、RはH、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環式基、芳香族基または脂肪族−芳香族基もしくはCHO(CO)CCHであり、RはHまたは炭素数1〜10の脂肪族基である)で表される少なくとも1つのエポキシ化合物と反応させる、方法から成る。
以下において、アセタール化ポリビニルアルコールの変性とは、そのヒドロキシル基にエポキシ化合物を形式的に付加することを意味するものと理解されるべきものである。
照射によって化学的に架橋され得る変性されたアセタール化ポリビニルアルコールを得るためには、一般式II:
Figure 2009520856
(式中、R2はHまたは炭素数1〜10の脂肪族基を意味し、特にR2は−CHまたは−Cである)で表されるエポキシ化合物を使用することができる。
このようにして、置換されたアセタール化ポリビニルアルコールが得られ、該ポリビニルアルコールは、新たに挿入された側鎖に反応性の二重結合を有する。これらの二重結合は、照射によって、好ましくは紫外線照射を用いて、熱的または化学的に架橋され得る。
好ましくは、アセタール化ポリビニルアルコールとして、炭素数1〜10の少なくとも1つの脂肪族アルデヒドを用いたもの、特にブチルアルデヒドを用いたものが使用される。これらの化合物は、酢酸ビニル基をさらに含んでいてもよい。すなわち、これらは完全または部分的にケン化された形態で存在してもよい。1つまたはいくつかのアルデヒドでのアセタール化は、当業者には既知である通り、溶液中で酸に触媒される形で、好ましくは酸触媒作用を用いて水性媒体中で起こる。依然としてビニルアルコール基を含有するこうして得られたポリビニルアセタールは、本発明に従って少なくとも1つのエポキシ化合物と反応させられ、ビニルアルコール基の少なくとも一部が反応する。特にポリビニルブチラールが、アセタール化ポリビニルアルコールとして使用される。
本発明による方法に使用されるアセタール化ポリビニルアルコールは、好ましくは、セタール化度が40〜90重量%、好ましくは65〜88重量%である。アセタール基とは別に、これらのポリマーは、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.5〜8重量%、そして特には1〜6重量%の割合の残存アセテート基、および対応する割合の遊離アルコール基を有していてよい。
本発明に従って使用されるアセタール化ポリビニルアルコールの残存ポリビニルアルコール含有量は、好ましくは10〜30重量%、特には、14〜18重量%もしくは19〜27重量%である。これらのポリマーは、Mowitalの商品名でKuraray Specialities Europe GmbHから入手可能である。
好ましくは、アセタール化ポリビニルアルコールは、顆粒の形態、特に、例えばWO2005/019312A1に従って押し出しによって製造される顆粒の形態で使用される。顆粒状物は、好都合なことに、水分量が少なく、体積当たりの固形分が多い、および/または嵩密度が高い。
本発明による方法は、好ましくは、アセタール化ポリビニルアルコールの溶融物中で連続的に実施される。これにより、変性されたポリビニルアセタールを経済的に製造することができる。150〜270℃、特に170〜250℃、または190〜250℃の溶融温度が好適であることがわかっている。好ましくは、反応は、管型反応装置、攪拌槽または押出機中で行われる。本発明による方法では、反応時間は、30秒〜5分間、特には30秒〜2分間であってよい。
さらに、反応を(ポリマーに対して)1〜100重量%、好ましくは1〜30重量%の可塑剤の存在下で行うことができる。このような場合には、アセタール化ポリマーと可塑剤との混合物の溶融物が、エポキシ化合物との反応に使用される。
ポリビニルアセタール、特にポリビニルブチラールとの相溶性の詳細を含む市販の可塑剤の一覧が、例えば、印刷文書Modern Plastics Encyclopaedia 1981/1982、710〜719ページに掲載されている。好ましい可塑剤は、脂肪族ジオール、特に脂肪族ポリエーテルジオールおよび/またはポリエーテルポリオールと脂肪族カルボン酸のジエステル、好ましくはポリアルキレンオキサイド、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールと脂肪族(C6−C10)カルボン酸、好ましくは2−エチル酪酸およびn−ヘプタン酸のジエステル、または脂肪族または芳香族(C2−C18)ジカルボン酸、好ましくはアジピン酸、セバシン酸およびフタル酸と脂肪族(C4−C12)アルコールのジエステル、好ましくはアジピン酸ジヘキシル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、特にトリエチレングリコール−ビス−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールエチルヘキサノエート(3G8)、芳香族カルボン酸エステル、特にジベンゾエートおよび/またはヒドロキシカルボン酸エステルである。
本発明による方法は、好ましくは、金属塩、例えばZn塩、Fe塩および/またはSn塩の存在下で、および/または該塩の触媒作用を伴って実施される。EP1403289A1による触媒系Zn(acac)/CFSOH/DMEの添加は、特に好適であることがわかっている。
代わりに、反応は、塩基、特に立体障害のある窒素塩基、例えば一般式III〜V:
Figure 2009520856
(式中、RはH、CHまたはCである)で表される塩基の存在下で行うこともできる。
この変換は、有機溶媒または水の非存在下で起こることが好ましい。例えば触媒の添加時に必要となるような少量の溶媒は、何らの負の影響も及ぼさず、ポリマーの量に対して5重量%の添加に至るまでは溶媒とはみなされない。少量の添加剤、例えばポリマーの量に対して合計量で1〜25重量%、好ましくは5〜15重量%の紫外線安定剤や酸化防止剤の存在は、決定的な意味を持たない。
本発明による方法によると、アセタール化ポリビニルアルコールの残存アルコール基の全部または少なくとも一部を、置換することができる。
好ましくは、最初にアセタール化ポリビニルアルコール中に存在していた残存アルコール基の25〜95%、特には30〜75%または5〜25%が、置換される。
本発明による方法によると、未変性の出発物質の分子量はほとんど変化しないが、粘度は低下する。これは、反応が、好ましくはポリマー鎖の架橋を来たさずに起こるためである。反応は、好ましくは、使用するアセタール化ポリビニルアルコールに対して、本発明に従って製造されるポリマーの粘度低下が少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特には少なくとも30%得られるまで行われる。粘度の測定は、へプラーによる粘度計を使用して、DIN53015に従って20℃で行われる(エタノール:水95:5重量%中、10重量%)。
未変性の出発物質と比較して粘度が低下する結果として、本発明に従って製造されたポリマーは、例えばテープキャスト法によって、セラミックス、セラミックフィルムの製造のための、またはセラミック用途におけるグリーンフィルムの製造のための、粉体塗料や液体塗料などのコーティング材料の成分として使用することができる。
本発明に従って製造されたポリマーは、さらに、改善された分散挙動を示し、その結果、印刷用インク、スクリーン印刷用ペーストまたは金属顔料ペーストに使用することができる。例えば自動車の製造において、特に金属部品を接着するための接着剤における使用も可能である。
a)アセテート基の割合(ポリ酢酸ビニル含有量)の測定
ポリ酢酸ビニル含有量は、1gの物質をケン化するのに必要な量の消費から得られるアセチル基の割合(パーセント表示)を意味するものと理解されるべきものである。
測定方法(EN ISO 3681に基づく):
約2gの被験物質を、1mgの精度で500mlの丸底フラスコに量り入れ、エタノール90mlとベンジルアルコール10mlに還流下で溶解させる。冷却後、溶液をフェノールフタレインを用いて0.01NのNaOHで中性に調節する。次いで、0.1NのKOHを25.0ml添加し、還流下、1.5時間加熱する。フラスコを閉じた状態で冷却し、過剰のアルカリを、指示薬としてのフェノールフタレインを用いて0.1Nの塩酸で、不変に脱色するまで滴定する。対照試料を同様に処理する。ポリ酢酸ビニル含有量を、以下のように計算する:
ポリ酢酸ビニル含有量(%)=(b−a)×86/E(aは試料に対する0.1NのKOHの消費量をmlで示し、bは対照試験に対する0.1NのKOHの消費量をmlで示し、Eは量り入れた被験物質の乾燥状態における量をgで示す)。
b)未変性のポリビニルアセタール中のビニルアルコール基の割合(ポリビニルアルコール含有量)の測定
ポリビニルアルコール含有量は、その後の無水酢酸でのアセチル化によって検出可能な、パーセント表示によるヒドロキシル基の割合である。
測定方法(DIN53240に基づく)
Mowital約1gを、1mgの精度で300mlの三角フラスコに量り入れ、無水酢酸−ピリジン混合物(23:77v/v)を10.0ml添加し、15〜20時間にわたって50℃まで加熱する。冷却後、ジクロロエタンを17ml添加し、フラスコを少しの間回転させる。次いで、8mlの水を攪拌しながら添加し、フラスコを栓で閉じて10分間攪拌する。フラスコの首の部分と栓を50mlの脱イオン水ですすぎ、5mlのn−ブタノールの層を導入し、遊離の酢酸を、フェノールフタレインを用いて1Nの苛性ソーダ溶液で滴定する。対照試料を同様に処理する。ポリビニルアルコール含有量を、以下のように計算する:
ポリビニルアルコール含有量(%)=(b−a)×440/E(aは試料に対する1NのNaOHの消費量をmlで示し、bは対照試料に対する1NのNaOHの消費量をmlで示し、Eは量り入れた被験物質の乾燥状態における量をgで示す)。
エポキシ化合物と反応したポリビニルアセタールのビニルアルコール基の割合を測定するために、反応前後に方法a)を用いてアセテート基の割合を測定する。反応の結果、アセテート基の割合は、エポキシ化合物と反応したヒドロキシル基の数だけ増加する。最初に存在したヒドロキシル基の数を、方法b)に従って、原料について測定する。これらの値間の相違は、エポキシ化合物と反応したポリビニルアセタール中のビニルアルコール基の割合に相当する。
以下の構造およびパラメータを有する2軸スクリュー押出機を、以下の実施例に使用した:
L/D=72
加熱ゾーン数:18
押出量:20kg/h
温度:200℃
ポリビニルアセタール(KSEからのMowital)の量り入れを、供給部で行い、触媒および/または試薬系の量り入れを、加熱部4で行う。触媒(Zn(acac)TfO)を、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)の(DME、ジメトキシエタン中)0.1M溶液を用いて、亜鉛アセチルアセトネート(Zn(acac))のDME中0.1M溶液との等モル変換によって、系中で事前に製造する。この触媒系に関するさらなる詳細は、EP1403289A1に記載されている。
反応の評価(変性度)を、NMR分光法を用いて、ヒドロキシプロピル基のメチル基のシグナルを、アセタール基のメチル基のシグナルとの関連において定量的評価を用いて行う。
以下の表は、得られた結果を示す。本発明によるアセタール化ポリビニルアルコールは、出発ポリマーと比較して、著しく低下した粘度を示すことがわかる。
Figure 2009520856
本発明に従って製造されたポリマーの、セラミック用途における使用例
比較例4
使用したバインダー:Mowital B45H(Kuraray Specialities Europe GmbH)=V2
実施例9
使用したバインダー:実施例6に沿ってエポキシプロパンで変性したB45H
使用したその他の材料
Figure 2009520856
製造
キャスティングスリップの製造を、当業者に既知の様式で行う。
・溶媒および分散剤(魚油)を量り入れる
・粉末の添加(解凝集)
・バインダーと可塑剤の添加(均質化、脱気)
懸濁液の特性の評価
a)バインダー溶液のレオロジー挙動
測定方法:レオロジー特性の測定のため、当該ポリマーの10質量%の溶液を、エタノール/トルエンの共沸溶媒混合物中で製造し、24時間にわたってタンブルミキサー中で均質化した。
レオロジー特性化は、Anton Paar(オーストリア)からの回転式レオメータUDS200を使用して、円錐平板の測定原理(円錐の直径:50mm、開口角:2°)に従って行った。回転円錐の制御はせん断応力の影響を受け、測定温度は20℃であった。粘度を、せん断応力に対してプロットした。
結果および評価:図1は、20Pa×sのせん断応力の際の当該バインダー溶液の平均粘度を示し、該バインダー溶液は、測定範囲全体にわたって一定の粘度を示す(ニュートン挙動)。B45H(比較例4)を使用した溶液は、0.07〜0.08Pa×sの範囲の粘度を示した。実施例9に沿って本発明に従って変性されたPVBの溶液は、0.045Pa×sの溶液粘度を示し、したがって、Mowital B45Hを使用した溶液の値よりも大幅に低い。
b)PVB Al 懸濁液のレオロジー
測定方法:バインダーの分散効果を評価するため、さまざまなAl懸濁液(エタノール/トルエンの共沸混合物40重量%、Al60重量%)を調製した。当該バインダーおよび/または分散剤を、徐々にその中に添加し、数時間にわたって均質化した。フィルムの調製の間に、分散剤(この場合、PVB)を溶媒中に予備溶解させ、その後、粉末を添加した。当該懸濁液を、回転式粘度計によって解析した。せん断速度100(1/s)での懸濁液の粘度を、基準値として使用した。
結果および評価:図2は、さまざまな懸濁液の粘度を、懸濁液の固形分の関数として示す。
本発明に従って製造されたPVBバインダーを使用した懸濁液は、分散剤としてしばしば使用される魚油と比較して、粘度が低下している。さらに、Mowital B45Hの場合と比較して、本発明に従って製造されたポリマーの場合に、分散効果の改善がみられる。これは、本発明に従って製造された懸濁液の粘度値が、Mowital B45Hを使用して製造された懸濁液の粘度値よりも低いからである。
調査した分散剤の分散特性の比較を、図3に示す。当該Al懸濁液の粘度は、分散効果が強いほど一層低くなる。B45Hまたは魚油ではなく、本発明に従ったエポキシプロパンで変性したPVB系を使用した場合に、明らかに流動性が高く、結果的に良好に分散した懸濁液が達成される。
グリーンフィルムの製造
上記のようにして製造した懸濁液(キャスティングスリップ)を脱気し、長さ4mのフィルムキャスト設備で、固定ダブルチャンバー式キャスト装置を使用して、ドクターブレード法に従ってキャストした。シリコン処理PETフィルム(厚み100μm)をキャスト基材として使用した。キャスト後、フィルムを48時間にわたって空気中で乾燥させ(温度=22℃;大気湿度=65%)、続いて引き剥がした。
得られたフィルムは、厚みが200μmであり、光学評価において割れ、気泡および傷は何ら見られなかった。Alのキャストフィルムの密度を、アルキメデスの比重計法に従って測定した。グリーンフィルム密度はすべて、フィルムキャスティングの通常の理論密度の60〜70%の範囲内に収まっていた。
いわゆる「犬骨」の形の適切な引張試験片を、当該グリーンフィルムから打ち抜いた。素地の考えられる異方性挙動を測定することができるように、フィルムの種類ごとに、横方向に10枚の引張試験片を打ち抜き、キャスト方向に平行に10枚の試験片を打ち抜いた。試験機として、繊維引張試験機(Fafegraph ME、Textechno)を使用した。測定の最大範囲は100N、応力速度は10mm/分であった。測定は、室温で周囲空気中で行った。
バインダーとしてB45H(比較例2)を使用したグリーンフィルムは、現行の技術水準によるグリーンフィルムに典型的な展開を示し、試験片は、応力4.98±0.04MPaおよび伸び5.9±0.71%(図4で比較)で破断する。一方、実施例9に沿って本発明に従って変性されたポリビニルアルコールをバインダーとして使用したフィルムは、これより明らかに低い引張強度1.4±0.02MPaを示す。測定全体を通して、引張応力は1.5MPaに達しなかった。16.25±0.65%の伸びの後に、試験片は最終的に破断する。本発明に従って製造された生成物は、現行の技術水準によるフィルムと比較して、明らかに可塑性の部分を示す。
この調査によって、本発明に従って変性されたポリビニルアルコールが、バインダーとして使用した場合に、明らかな可塑化特性を有することが示された。この特徴に基づいて、キャスティングスリップに混合する可塑剤の割合を低減することや、可塑剤を全く使用しないこと、そしてこのようにして現行の技術水準によるフィルムと同様の機械的特性を達成することが考えられ、この場合には、フィルム中の有機添加剤の割合は低減される。
図5に、比較例4および実施例9のバインダーならびにそれを使用して製造したグリーンフィルムの焼失挙動を示す。当該バインダーの質量減少を、空気中での温度の関数として、熱分析(種類:STA409、Netzsch)を用いて測定した。使用した加熱速度は5K/分であった。この場合、本発明によるバインダーおよび/またはそれを使用して製造したグリーンフィルムは、現行の技術水準によるバインダーと比較して、明らかにより均質な焼失を示すことがわかる。
このように、本発明に従って製造された、変性されたアセタール化ポリビニルアルコールは、セラミックグリーンフィルムの製造に好適である。好都合なことに、本発明に従って製造された、変性されたアセタール化ポリビニルアルコールを使用した懸濁液の製造によって、分散効果の改善および固形分の割合の増加が達成され、その結果、大幅な応用工学上の利益が達成される。
20Pa×sのせん断応力の際の各バインダー溶液の平均粘度を示したものである。 各懸濁液の粘度を示したものである。 各分散剤の分散特性の比較を示したものである。 各バインダーを使用したフィルムの引張応力ならびに破断伸びを示したものである。 各バインダーならびにそれを使用して製造したグリーンフィルムの焼失挙動を示したものである。

Claims (11)

  1. 変性されたアセタール化ポリビニルアルコールの製造方法であって、アセタール化ポリビニルアルコールの溶融物を、一般式I:
    Figure 2009520856
    (式中、R1はH、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環式基、芳香族基または脂肪族−芳香族基もしくはCHO(CO)CCHであり、R2はHまたは炭素数1〜10の脂肪族基である)
    で表される少なくとも1つのエポキシ化合物と反応させる方法。
  2. エポキシ化合物として、一般式II:
    Figure 2009520856
    (式中、R2はHまたは炭素数1〜10の脂肪族基を意味する)
    で表される化合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. アセタール化ポリビニルアルコールの残存ポリビニルアルコール含有量が、10〜30重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 反応が、有機溶媒または水の非存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 反応が、Zn塩、Fe塩および/またはSn塩の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 反応が、塩基の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 反応が、150〜270℃の溶融温度で行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 反応が、使用するアセタール化ポリビニルアルコールに対して、少なくとも10%の粘度低下が得られるまで行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. アセタール化ポリビニルアルコールのヒドロキシル基の25〜95%が、エポキシ化合物と反応することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 反応が、(ポリマーに対して)1〜100重量%の可塑剤の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに従って製造された、変性されたアセタール化ポリビニルアルコールの、コーティング材料、粉体塗料、液体塗料、印刷用インク、スクリーン印刷用ペースト、金属顔料ペーストまたは接着剤の成分としての使用であって、
    特に、金属部品の接着、セラミックスあるいはセラミックフィルムの製造、またはセラミック用途におけるグリーンフィルムの製造のための使用。
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