JP2009519193A - 速い成長速度で製造される単結晶cvdダイヤモンドに基づく新たなダイヤモンドの利用/用途 - Google Patents

速い成長速度で製造される単結晶cvdダイヤモンドに基づく新たなダイヤモンドの利用/用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、速い成長速度で製造される無色の単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途を対象とする。本発明はまた、速い成長速度で様々な色の単結晶ダイヤモンドを製造する方法、ならびにこのような着色した単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途も対象とする。

Description

政府の権益の陳述
本発明は、国立科学財団(National Science Foundation)により授与された補助金EAR−0421020号の下、政府支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有している。
コンパクトディスクで提出する資料の参照による組込み
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配列表
該当なし
本発明は、ダイヤモンドの利用および用途に関する。特に、本発明は、蒸着チャンバ内でマイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)を用いて速い成長速度で製造される単結晶ダイヤモンドの用途および利用に関する。
合成ダイヤモンドの大規模生産が、長い間研究および産業両方の目的とされてきた。ダイヤモンドは、その宝石特性に加えて、既知の材料の中で最も硬く、既知の熱伝導率の中では最も高い熱伝導率を有し、様々な電磁放射に対して透明である。単結晶ダイヤモンドは特に、低い熱膨張係数、既知の熱伝導率の中では最も高い熱伝導率、化学的不活性、耐磨耗性、少ない摩擦、および紫外線(UV)〜遠赤外(IR)の光透過性を含めた様々な重要な特性を有する。したがって、ダイヤモンドは、その宝石としての価値に加えて、多くの産業および研究用途におけるその幅広い用途のため貴重である。
少なくとも過去20年間は、化学気相成長(CVD)によって少量のダイヤモンドを製造するプロセスが利用可能であった。B.V.Spitsynらによって「Vapor Growth of Diamond on Diamond and Other Surfaces」、Journal of Crystal Growth、第52巻、219〜226頁に報告されているように、このプロセスは、減圧下800〜1200℃の温度でメタンまたは別の単純な炭化水素ガスと水素ガスとの組合せを用いることによる基板上でのダイヤモンドのCVDを含む。水素ガスを含むことにより、ダイヤモンドが核形成し成長するときに黒鉛の形成が防止される。この技術では最大1μm/時間の成長速度が報告されている。
その後の研究、たとえば、「Diamond Synthesis from Gas Phase in Microwave Plasma」、Journal of Crystal Growth、第62巻、642〜644頁に報告されているようなKamoらの研究により、マイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)を使用すると、2.45GHzの周波数で300〜700Wのマイクロ波出力により800〜1000℃の温度1〜8kPaの圧力でダイヤモンドが製造されることが実証された。Kamoらのプロセスでは、1〜3%の濃度のメタンガスが使用された。このMPCVDプロセスを用いることで、3μm/時間の最大成長速度が報告されている。上述のプロセスにおいては、また多くの他の報告されているプロセスにおいては、成長速度が1時間当たりほんの数マイクロメートルに限られている。
単結晶化学気相成長(SC−CVD)ダイヤモンドの成長速度を向上させる方法が最近報告されている[1、2、3、4、5]。しかしながら、これまでに報告されたSC−CVDダイヤモンドは比較的小さく、変色し、かつ/または傷がある。大きく(たとえば、3カラットを超える、市販の高圧高温(HPHT)合成Ib型の黄色いダイヤモンドのような)、無色で、傷のない合成ダイヤモンドは、成長の遅さおよび他の技術的な困難性のために、未だ課題である[7、8、9]。HPHTアニーリングなしのSC−CVDダイヤモンドの色は、淡褐色から暗褐色に及ぶことがあり、したがって、宝石としての、光学における、科学研究における、またダイヤモンドをベースとする電子工学におけるそれらダイヤモンドの適用性は制限されてしまう[6、7、8]。SC−CVDダイヤモンドは、IIa型として、すなわち、10ppm未満の窒素を有することで特徴付けられており、様々な欠陥および/または不純物から生じる着色および他の光学的特性を有する。
10カラットのダイヤモンド結晶は、市販のHPHTダイヤモンドおよび引用文献[7、8、9、10]に報告されているSC−CVDダイヤモンドの約5倍である。質量がより大きい(100カラットを超える)単結晶ダイヤモンドが、高圧研究用のアンビルとして必要とされ、側方寸法(lateral dimensions)が大きい(2.5cmを超える)結晶が、ダイヤモンドをベースとする電子デバイス用のレーザ窓や基板などの用途に必要とされる。高い光学的品質(紫外〜可視〜赤外の透過)および化学的純度が、上記用途のすべてに必要とされる。これまでに製造された大きいSC−CVDには、茶色がかった色のために問題が生じる。
多結晶CVDダイヤモンドの成長において酸素を添加する試みが行われている。これらの効果には、ダイヤモンド形成の領域が拡張されること[12]、シリコンおよび水素の不純物レベルが低減されること[13]、非ダイヤモンド炭素が優先的にエッチングされること[11、14]、および不純物がないためにダイヤモンドの亀裂を防止しようとすること[13]が含まれる。これらの試みは、主に多結晶ダイヤモンドのエッチングおよび合成を対象としているが、SC−CVDダイヤモンドの製造は対象としていない。
形成した単結晶ダイヤモンドの色を意図的に変える試みも行われている。たとえば、見かけがHPHT合成によるIaまたはIb型ダイヤモンドに類似した黄色いダイヤモンドが製造されている[6]。
Hemleyらの米国特許第6858078号は、ダイヤモンド製造のための装置および方法を対象としている。開示されている装置および方法により、淡褐色を有するダイヤモンドが製造されることがある。
参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる2005年5月25日に出願した米国特許仮出願第60/684,168号は、蒸着チャンバ内でマイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)を用いて速い成長速度で無色の単結晶ダイヤモンドを製造することを対象としている。
これまで、MPCVDによって製造される単結晶ダイヤモンドを使用する製品を開発しようとする試みは少ししか行われていない。さらに、不純物が添加されていない単結晶ダイヤモンドの利用および用途を開発する試みも少ししか行われていない。
したがって、速い成長速度で製造される無色の単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途を開発する必要性がまだ残っている。また、速い成長速度で成長させる様々な色の単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途を開発する必要性もまだ残っている。
したがって、本発明は、速い成長速度で製造される無色の単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途を対象とする。本発明はまた、速い成長速度で様々な色の単結晶ダイヤモンドを製造する方法、ならびにこのような着色した単結晶ダイヤモンドの新たな利用および用途も対象とする。
本発明の追加の特徴および利点を以下の説明に記載するが、一部は説明から明らかとなる、または本発明の実施により習得することができる。本発明の目的および他の利点は、明細書および特許請求の範囲、ならびに添付図面に特に示す構造によって実現され達成される。
本発明のこれらの利点および他の利点を実現するために、また本発明の目的に従って、具体化し広く記載するように、本発明の一実施形態には、高圧水噴射加工に使用されるノズルなど、単結晶ダイヤモンドを含むノズルが含まれる。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4(from about 8% to in excess of about 30% CH4 per unit of H2)を含み150torrを超える雰囲気(atmosphere)を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長(microwave plasma chemical vapor deposition)によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造された。一実施形態では、ダイヤモンドを製造するために使用するヒートシンクホルダがモリブデンを含む。別の実施形態では、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配がすべて約30℃未満である。別の実施形態では、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配がすべて約20℃未満である。別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドが、蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される。
前段落に記載した特徴を有する単結晶ダイヤモンドには追加の用途があり、これら追加の用途には以下が含まれるが、これらに限定されない。
a.)耐磨耗材料−水/流体ジェットノズル、切断器具(たとえば、かみそり、ナイフ)、外科手術器具(たとえば、外科手術ブレード、外科手術器具用切断ブレード)、ミクロトーン(microtone)、硬度圧子(hardness indenor)、グラフィカルツール、彫刻刀(stichel)、石版片(lithographic pieces)の修理で使用する器具、ミサイルのレードーム(missile radomes)、超高速機械で使用する軸受けを含めた軸受け、ダイヤモンド−生体分子デバイス、ミクロトームおよび硬度圧子が含まれるが、これらに限定されない。
b.)光学部品−光学窓、反射器、屈折器、レンズ、回折格子、エタロン(etalons)、α粒子検出器およびプリズムが含まれるが、これらに限定されない。
c.)電子部品−マイクロチャネル冷却アセンブリ、半導体部品用高純度SC−CVDダイヤモンド、半導体部品用不純物添加SC−CVDが含まれるが、これらに限定されない。
d.)高圧装置におけるアンビル−複数の光学センサ、電気センサ、磁気センサおよび音響センサと共に使用することができる「Khvostantsev」または「Paris−Edinburgh」トロイド状アンビル(toroid shaped anvil)、比較的大きく、可変の高さを有し、優角を有するブリッジマンアンビル(Bridgman anvils)[15]、マルチアンビル(Multianviles)、Drickamerセル、ベルト装置、ピストンシリンダ装置、レーザまたは磁気衝撃波の研究用の予圧試料、水素および他の用途向けの無色で平滑なコーティング、レーザまたは磁気衝撃用の試料を予圧するための装置が含まれるが、これらに限定されない。
e.)容器−6つの縁部{100}がめっきされたダイヤモンドを互いに接続して容器を形成することができること、CVDダイヤモンドコーティングをさらに使用して真空気密容器を形成することができることが含まれるが、これらに限定されない。
f.)レーザ源−安定したH3中心(窒素凝集体、N−V中心、Si中心または他のドーパントを形成するアニーリングSC−CVDダイヤモンドが含まれるが、これらに限定されない。
g.)超伝導体および導電性ダイヤモンド−H、Li、N、Mg、または大きさが炭素の大きさに近い別の低原子量元素などの不純物と共に成長させたHPHTアニーリングSC−CVDダイヤモンドが含まれるが、これらに限定されない。
h.)他のCVDダイヤモンド成長用の基板−CVD成長用の基板としてCVD用の板を使用すると、大きい寸法でまた靱性の点で天然またはHPT基板より有利である(成長時の亀裂を回避するため)。
一実施形態では、たとえば、本発明は単結晶ダイヤモンドを含む切断エッジを備える外科手術器具用切断ブレードを対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含む切断エッジを備える切断器具を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドを含む伸線ダイス(wire drawing die)を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含む軸受け(bearing)を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含むダイヤモンドアンビル(diamond anvil)を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含むエタロン(etalon)を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含む光学窓を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
別の実施形態では、本発明は単結晶ダイヤモンドを含むα粒子検出器を対象とする。この単結晶ダイヤモンドは、成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、モリブデンを含むがこれに限定されない材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に(たとえば、約20℃未満に)抑えるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させることを含む方法によって製造した。
上記概要も以下の詳細な説明も共に例示的で説明のためのものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明をさらに説明するためのものであることを理解されたい。
本発明をさらに理解するために含まれ、また本明細書の一部に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の諸実施形態を説明し、またその説明と共に本発明の原理を説明する働きをする。
ここで、本発明の用途で使用するダイヤモンドを製造する方法について詳細に言及する。図1は、蒸着装置102を断面で示す、本発明の一実施形態によるダイヤモンド製造システム100の図である。このダイヤモンド製造システム100は、蒸着装置102ならびに反応物およびプラズマの制御機器106を含むマイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)システム104を備える。たとえば、MPCVDシステム104は、日本の東京にあるSeki Technotron Corp.製のSEKI AX6550でよい。このシステムは、2.45GHzの周波数で6キロワットの出力を生成することが可能である。別の例として、MPCVDシステム104は、Seki Technotron Corp.製のSEKI AX5250であってもよい。このシステムは、2.45GHzの周波数で5キロワットの出力を生成することが可能である。別の例として、MPCVDシステム104は、Wavemat,Inc.製のWAVEMAT MPDR 330 313 EHPであってもよい。このようなMPCVDシステムは、2.45GHzの周波数で6キロワットの出力を生成することが可能で、約5,000立方センチメートルのチャンバ容積を有する。しかしながら、これらのMPCVDシステムの仕様は、蒸着領域の寸法および/または蒸着速度の点で蒸着プロセスの規模によって異なることがある。
MPCVDシステム104は、ベルジャー(bell jar)108によって少なくとも一部が画定されるチャンバを蒸着装置102内に備える。このベルジャー108は、チャンバを密閉する際に使用する。MPCVD実施の前に、チャンバ内の空気を抜き出す。たとえば、第1の機械式真空ポンプを使用してチャンバを排気し、次いでターボポンプやクライオポンプ(cryopump)など第2の高真空式真空ポンプにより、チャンバ内の空気をさらに引き出す。チャンバ内に間隔を置いて配置された一組のプラズマ電極によって、チャンバ内にプラズマを発生させる。これらのポンプもプラズマも図1には示されていない。
蒸着装置102は、MPCVDシステム104のチャンバ内に設置された試料ホルダアセンブリ120も備える。通常、試料ホルダアセンブリは、図1に示すように、蒸着装置102の蒸着チャンバ床面122の中心に位置する。図1に示す試料ホルダアセンブリ120は、断面で示してある。試料ホルダアセンブリ120は、蒸着装置102の床面に設置されたステージ124を含むことができる。
図1に示すように、ステージ120は、ボルト126aおよび126cを用いて蒸着チャンバ床面122に取り付けることができる。ステージ124は、モリブデンであっても、または高い熱伝導率および高い融点を有する任意の他のタイプの材料であってもよい。加えて、ステージ124内の冷却剤用パイプ128を通過する冷却剤によって、ダイヤモンドを成長させるプロセス中にステージ124を冷却することができる。この冷却剤は、水であっても、冷媒であっても、またはステージを冷却するのに十分な熱輸送能力を有する他のタイプの流体であってもよい。ステージ124を通り抜けるU字型の経路を有するものとして冷却剤用パイプが図1には示されているが、冷却剤用パイプ128は、より効率的にステージ124を冷却するために、らせん状の経路または他のタイプの経路をステージ124内で有することができる。
試料ホルダアセンブリ120のステージ124上に位置するのは、図1に示すように、ダイヤモンド136を保持するシース(sheath)134の周りにコレット(collets)132aおよび132bを締めつけるための、ねじ131aおよび131cなどねじ一式を有するリング一式130である。シース134はホルダであり、ダイヤモンド136の上面の縁部に隣接するダイヤモンド136の側面と熱接触する。コレット132aおよび132bがねじ131によってシース134上に締めつけられているため、シース134はダイヤモンド136を静止位置で保持し、ダイヤモンド136の成長表面の縁部に沿った双晶または多結晶ダイヤモンド(twins or polycrystalline diamond)の形成を防止するためのヒートシンクとして働く。
ダイヤモンド136は、種ダイヤモンド部分138および成長ダイヤモンド部分140を含むことができる。種ダイヤモンド部分138は、製造ダイヤモンドであっても、または天然ダイヤモンドであってもよい。一実施形態では、この種が、無色の天然Ia型ダイヤモンド、無色のIIa型ダイヤモンド、黄色いHPHT合成Ib型ダイヤモンドおよびSC−CVDダイヤモンドからなる群の一員である。別の実施形態では、この種がSC−CVDダイヤモンドである。別の実施形態では、この種が{100}面を有するSC−CVDダイヤモンドである。別の実施形態では、この種が6つの{100}面を有するSC−CVDダイヤモンドである。別の実施形態では、この種のすべての{100}上面が約1〜約100mm2の面積を有する。
図1に示すように、ダイヤモンド136の上面または成長表面は、蒸着チャンバ床面122の上高さHで共振出力(resonant power)を有するプラズマ141の領域内に位置している。この共振出力は、プラズマ141内の最大共振出力またはその程度でよい。ダイヤモンド136の上面または成長表面が最初種ダイヤモンド部分138で、その後ダイヤモンドが成長するにつれて成長ダイヤモンド部分140となる。
図1に示すように、シース134の上縁部は、ダイヤモンド136の上面または上縁部のすぐ下距離Dにある。この距離Dは、ダイヤモンド136の成長表面の縁部をプラズマ141にさらすために十分に大きくあるべきである。しかしながら、距離Dは、ダイヤモンド136の成長表面の縁部に沿った双晶または多結晶ダイヤモンドの形成を防止するシース134のヒートシンク効果を阻止するほど大きくなることはできない。したがって、Dは、0〜1.5mmなど指定の距離範囲内にあるべきである。図1に示す距離Dおよび高さHは、ダイヤモンド136をシース内に位置決めし、シースをコレット132aおよび132b内に位置決めし、その後ねじ131を締めつけることによって、リング一式130のねじ131を用いて手動で設定する。
図2は、図1に示す蒸着装置の斜視図である。図2の蒸着チャンバ床面122の中央には、中央に陥凹部(recess)125を有する円形ステージ124がある。図2に示すように、ステージ124は、ボルト126a〜126dによって適位置に保持されている。ステージ124は、モリブデンで、または高い熱伝導率および高い融点を有する他の材料で形成することができる。4つのねじ131a〜131bを有するリング一式130は、コレット132a〜132bと共にステージ124の陥凹部125内に位置している。あるいは、ステージとリング一式との間の熱伝導を増大させるために、リング一式130をボルトでステージ124に固定することもできる。
図2aに示すように、長さの短い矩形の管であっても、矩形に折り畳んだシートであってもよい矩形のシース134が、コレット132aおよび132b内に位置し、その中にはダイヤモンド136がある。ステージ124は、モリブデンであっても、または高い熱伝導率および高い融点を有する任意の他のタイプの材料であってもよい。ねじ131a〜131dは、シース134がダイヤモンド136の4つの側面上でヒートシンクとして作用するようにシース134がダイヤモンド136上で締めつけられるよう、コレット132a〜132b上に締めつけられている。図1に示すように、シース134は、ステージ124とも熱接触する。コレット132a〜132bはステージ124と熱接触し、シース134からステージ124内へと熱を伝えるためのサーマルマスとして働く。ダイヤモンド136上でシース134を締めつけることにより、ダイヤモンドとシースとの間の熱接触の品質が向上する。図1に示すように、シース134はステージ124とも熱接触することができる。シースについてもダイヤモンドについても図2aでは矩形の形状が示されているが、シースおよびダイヤモンドは、楕円形、円形、多角形など任意の幾何学的形状を有することができる。シースまたはホルダの形状は、ダイヤモンドと実質的に同じであるべきである。
図1および図2aに示す本発明の例示的な実施形態において、ステージ124は、約10.1cmの直径を有することができ、シース134の幅は約2.5cmでよい。ステージおよびシース134について選択した寸法にかかわらず、ステージ122、シース124およびコレット132のサーマルマス(thermal mass)を、ダイヤモンド136に最適なヒートシンクを提供するように調整することができる。加えて、特に大きいダイヤモンドを製造しようとする場合は特に、より優れた冷却効果を得るために冷却剤用パイプ128の経路および範囲を変更することができる。さらに、冷媒または他の低温流体を冷却剤として使用することができる。
モリブデンは、ステージ124、リング一式130、コレット132、シース134および他の構成要素で使用される、熱伝導率が高く融点が高い唯一の潜在的材料である。モリブデンは、2617℃の高い融点と、298.2Kで1.38W/cmKの高い熱伝導率を有するため、これらの構成要素に適している。加えて、大量の黒鉛の堆積がモリブデン上に形成される傾向もない。モリブデン−タングステン合金や工業用セラミックスなど、プロセス温度を上回る高い融点と、モリブデンの熱伝導率に匹敵する熱伝導率とを有する他の材料を、モリブデンの代わりに使用することもできる。上記高融点および高熱伝導率を有し、本発明の方法および装置で使用することができる追加の材料には、クロム、イリジウム、ニオブ、白金、レニウム、ロジウム、ルテニウム、シリコン、タンタル、タングステンおよびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
図1に戻ると、ダイヤモンド製造システム100の別の構成要素は、ダイヤモンド136と接触することなく成長プロセス中に種ダイヤモンド138の、また後に成長ダイヤモンド140の温度を監視するために使用する、赤外線高温計142などの非接触測定装置である。赤外線高温計142は、たとえば、ニュージャージー州オークランドのMikron Instruments,Inc.製のMMRON M77/88二色赤外線高温計でよい。標的領域の大きさは2mmで、赤外線高温計142の焦点を種ダイヤモンド138に、また後に成長ダイヤモンド140に合わせる。赤外線高温計142を用いることによって、ダイヤモンド136の成長表面の温度を1℃以内まで測定する。
図1のダイヤモンド製造システム100は、MPCVDプロセスコントローラ144も備えている。MPCVDプロセスコントローラ144は通常、MPCVDシステム104の一構成要素として設けられる。当技術分野では周知のように、MPCVDプロセスコントローラ144は、反応物およびプラズマの制御機器106を用いることによって、プロセス温度、ガス質量流量、プラズマパラメータおよび反応物流量を含むがこれらに限定されない多くのMPCVDパラメータのフィードバック制御を行う。MPCVDプロセスコントローラ144は、主要プロセスコントローラ146と協働して作動する。主要プロセスコントローラ146は、MPCVDプロセスコントローラ144、赤外線高温計142からの、またダイヤモンド製造システム100における他の構成要素の他の測定装置からの入力を取り込み、プロセスのエグゼクティブレベル(executive-level)の制御を行う。たとえば、主要プロセスコントローラ146は、冷却剤コントローラ148を用いる段階において、冷却剤温度および/または冷却剤の流量を測定し制御することができる。
主要プロセスコントローラ146は、汎用コンピュータ、ASICなどの専用コンピュータシステム、またはMPCVDプロセスを制御するための任意の他の公知のタイプのコンピュータシステムでよい。主要プロセスコントローラ146のタイプによっては、MPCVDプロセスコントローラ144を主要プロセスコントローラに、これら2つの構成要素の機能を統合するために組み込むことができる。たとえば、主要プロセスコントローラ146は、テキサス州オースティンのNational Instruments,Inc.製のLab VIEWプログラミング言語と、Lab VIEWプログラムとを備えた汎用コンピュータでよく、したがってこの汎用コンピュータはプロセスパラメータのすべてを制御し、記録し、また報告する態勢が整っている。
図1における主要プロセスコントローラ146は、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配がすべて20℃以下となるように成長表面の温度を制御する。成長表面温度および成長表面温度勾配を精密に制御すると、多結晶ダイヤモンドまたは双晶の形成が阻止され、大きな単結晶ダイヤモンドを成長させることができるようになる。ダイヤモンド136の成長表面の温度勾配すべてを制御する能力は、ステージ124のヒートシンク性能、プラズマ141内でのダイヤモンド上面の位置決め、ダイヤモンドの成長表面をさらすプラズマ141の均一性、ダイヤモンドの縁部からホルダまたはシース134を介したステージ124への熱移動の質、マイクロ波出力の可制御性(controllability)、冷却剤流量、冷却剤温度、ガス流量、反応物流量、および赤外線高温計142の検出能力を含めたいくつかの要因の影響を受ける。高温計142による温度測定値に基づき、主要プロセスコントローラ146は、プラズマ141へのマイクロ波出力、冷却剤流量、冷却剤温度、ガス流量および反応物流量のうち少なくとも1つを調整することによって、成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるように成長表面の温度を制御する。
図2bは、図1に示すダイヤモンド136の斜視図であり、ダイヤモンド136の成長表面137に沿った模範的な点P1、P2、P3およびP4を示している。図2bはまた、ダイヤモンド136の成長表面137または上縁部139とシース134の縁部135との間の距離Dも示す。通常、ダイヤモンドの成長表面の縁部と中央部との間には、成長表面の温度差の点で大きな温度変化が生じる。たとえば、点P1と点P2との間には、点P1と点P3との間よりも大きな温度勾配が生じる。別の例では、点P4と点P2との間には、点P4と点P3との間よりも大きな温度勾配が生じる。したがって、成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御するには、成長表面137の中央部と縁部139との間の温度測定を少なくとも考慮に入れるべきである。たとえば、主要コントローラ146は、点P1と点P2との間の温度勾配が20℃未満となるように成長表面の温度を制御することができる。
赤外線高温計のスポットサイズは、ダイヤモンドの上面の温度勾配を、したがってダイヤモンドの成長速度を監視する能力に影響を与えることがある。たとえば、ダイヤモンドの寸法が赤外線高温計のスポットサイズと比較して大きい場合、ダイヤモンドの成長表面の各縁部の温度は赤外線高温計の視野外となることがある。したがって、成長領域が大きいダイヤモンドには、複数の赤外線高温計を使用すべきである。複数の高温計のそれぞれの焦点を、ダイヤモンド表面についての異なる縁部、好ましくは隅部がある場合には隅部近くの異なる縁部に合わせるべきである。したがって、主要プロセスコントローラ146は、図1に示すように、複数の高温計による重複する視野を一体化してダイヤモンド表面全体にわたる温度の隣接「マップ」を作成するように、または重複していない視野間を補間してダイヤモンド成長表面全体にわたる温度の解釈「マップ」を作成するようにプログラムされるべきである。あるいは、成長表面の中央部に対する単一の縁部または隅点の温度勾配を、ダイヤモンドの成長表面全体にわたって存在する最大温度勾配を示す指標として監視することもできる。
温度制御のための赤外線高温計142に加えて、他のプロセス制御計装をダイヤモンド製造システム100に含ませることができる。追加のプロセス制御計装は、成長プロセスの進行中にダイヤモンド136のタイプおよび品質を決定するための機器を含むことができる。このような機器の例には、可視、赤外およびラマン分光計が含まれ、これらの分光計は本質的に光学系で、焦点を赤外線高温計142と同じ点に合わせて成長進行中にダイヤモンドの構造および品質についてのデータを得ることができる。追加の機器を設ける場合には、主要プロセスコントローラ146が計装を制御し、分析法の結果を他の状況情報と共に提示するように、機器を主要プロセスコントローラ146に接続することができる。追加のプロセス制御計装は、実験の設定において、すなわちより大きなダイヤモンドを製造するためにプロセスを「拡大する(scaling up)」に当たって、また既存のダイヤモンド製造システム100および対応するプロセスのための品質管理の取り組みにおいて特に有用となることがある。
ダイヤモンド136が成長するにつれて、距離Dおよび高さHが共に増大する。距離Dが増大するにつれて、ダイヤモンド136の成長表面の上縁部139についてのシース134のヒートシンク性能が低下する。加えて、温度および/または稠度などプラズマの特性が、ダイヤモンド136の成長表面がプラズマ141に入り込むため変化する。ダイヤモンド製造システム100においては、成長プロセスを定期的に中断させ、ダイヤモンド136の位置をシース134に対して下方に調整して距離Dを減少させることができ、またダイヤモンド136とシース134とを共に蒸着チャンバ床面122に対して下方に調整して高さHを減少させることができる。この再位置決めにより、ダイヤモンド136の成長表面上でのダイヤモンド成長は、プラズマ141内の共振出力の所望の領域内で生じることが可能となり、赤外線高温計142および任意の追加の機器は、ダイヤモンド136の成長表面に焦点を合わせたままであることが可能となり、またこの再位置決めは、ダイヤモンド136の成長表面の縁部からの熱のヒートシンクのために効率的な熱接触を維持する効果がある。
図3は、ダイヤモンド成長プロセス中にダイヤモンド136を移動させるための試料ホルダアセンブリ320を有する蒸着装置304の断面を示す、本発明の一実施形態によるダイヤモンド製造装置300の図である。ダイヤモンド製造装置300の構成要素の一部は、ダイヤモンド製造システム100の構成要素と実質的に同じであるため、図1に関する上記議論は、図3において同様に番号付けした構成要素を説明するのに十分であろう。たとえば、図3における高温計142、蒸着チャンバ床面122、冷却剤用パイプ128およびベルジャー108は、図1に示すものと実質的に同じである。
図3に示すように、ダイヤモンド136は、試料ホルダアセンブリ320のシース134内のダイヤモンドアクチュエータ部材360に取り付けられている。ダイヤモンド136は、成長表面と実質的に垂直な軸に沿って並進するダイヤモンドアクチュエータ部材360上のシース134内に摺動可能に取り付けられている。ダイヤモンドアクチュエータ部材360はステージ324を通って突出し、図3には冷却剤およびダイヤモンド/ホルダ制御機器329の一部として示してあるダイヤモンド制御機器で、ステージ324の下から制御される。ダイヤモンドアクチュエータ部材360は、ダイヤモンド136の成長表面と蒸着チャンバ床面122との間の高さHを設定するためのものである。図3のダイヤモンドアクチュエータ部材360はねじ棒として示してあるが、このダイヤモンドアクチュエータ部材は、蒸着チャンバ床面よりも上の高さまたは位置でダイヤモンド136の位置決めを可能にする任意の幾何学的形状であってよい。ダイヤモンドアクチュエータ部材360などベルジャー内に設置する構成要素は、所望の雰囲気を維持する際の問題を回避するために真空に適合すべきであることが当業者には理解されよう。
ダイヤモンドアクチュエータ部材360用のアクチュエータ(図示せず)は、モータ(図示せず)である。しかしながら、このアクチュエータは、成長させようとするダイヤモンドの寸法、成長速度および必要とされる移動精度のレベルに応じて、多くの公知のタイプのアクチュエータのうちの任意の1つでよい。たとえば、ダイヤモンド136の寸法が小さい場合には、圧電アクチュエータを使用することができる。ダイヤモンド136が比較的大きいまたは比較的大きく成長させることができる場合には、電動のコンピュータ制御可能なアクチュエータが好ましい。使用する特定のアクチュエータにかかわらず、主要プロセスコントローラ346は、ダイヤモンドの成長が進むにつれてダイヤモンド136を自動的に下方へ移動させることができるように、ダイヤモンドアクチュエータ部材360の動きを制御する。
加えて、ホルダアクチュエータ部材362がステージ324を通って突出し、図3には冷却剤およびダイヤモンド/ホルダ制御機器329の一部として示してあるホルダ制御機器で、ステージ324の下から制御される。ホルダアクチュエータ部材362は成長表面と実質的に垂直な軸に沿って並進し、ダイヤモンド136の成長表面の縁部とホルダまたはシース134の上縁部との間の距離Dを維持するためのものである。ダイヤモンド製造システムは、ダイヤモンドアクチュエータ部材、ホルダアクチュエータ部材または両者の組合せを有することができる。
図3中のホルダアクチュエータ部材362はステージ324に螺入され(threaded)、ダイヤモンドアクチュエータ部材360はホルダアクチュエータ部材362に螺入されている。この配置によって、図3に示す冷却剤およびダイヤモンド/ホルダ制御機器329のダイヤモンドおよびホルダ制御機器は、ダイヤモンド136、シース134、あるいはシース134およびダイヤモンド136の両方を移動させることができる。図3のホルダアクチュエータ部材362は、内部にダイヤモンドアクチュエータ部材360用のねじ山を有するねじシリンダとして示され、ステージ324への螺入用に外部にねじ山を有するが、このホルダアクチュエータ部材は、ダイヤモンド136の成長表面の縁部とホルダまたはシース134の上縁部との間の指定の距離範囲を維持することを可能にする任意の幾何学的形状であってよい。ホルダアクチュエータ部材362やホルダアクチュエータ部材およびダイヤモンドアクチュエータ部材の両者の組合せなど、ベルジャー内に設置する構成要素は、所望の雰囲気を維持する際の問題を回避するために真空に適合すべきであることが当業者には理解されよう。
図3に示すように、ステージ324の陥凹部内にはサーマルマス364が位置する。ホルダまたはシース134は、シース134からステージ324へと熱エネルギーが移動するようにサーマルマス364内に摺動可能に位置する。サーマルマス364の上面は、サーマルマス364のプラズマ341への電気的影響を最小限に抑えながらシース134から熱を移動させることができるように曲面成形されている。図4a〜図4cそれぞれのサーマルマス466a、466bおよび466cは、断面形状が異なる他の曲面成形サーマルマスの例であり、図3に示すサーマルマス364の代わりに使用することができる。サーマルマスはモリブデンで作製することができる。モリブデン−タングステン合金や工業用セラミックスなど、プロセス温度を上回る高い融点と、モリブデンの熱伝導率に匹敵する熱伝導率とを有する他の材料を、ダイヤモンドの側面からステージに熱を移動させるためのサーマルマスとして使用することができる。
プラズマ341へのサーマルマス364の電気的影響を最小限に抑えることによって、ダイヤモンドを成長させるプラズマ341内の領域がより均一になる。加えて、ダイヤモンドを成長させる際により高い圧力を使用することができ、これにより単結晶ダイヤモンドの成長速度が増大することになる。たとえば、圧力は約100torrから約400torrまで変化することができ、単結晶成長速度は1時間当たり50〜300ミクロンとすることができる。プラズマ341の均一性、形状および/または位置は、ダイヤモンドの成長表面の縁部から熱を除去するために曲面成形されプラズマ341へのサーマルマス364の電気的影響を最小限に抑えるサーマルマス364の影響を容易には受けないため、より高い圧力(400torrを上回る)を使用することが可能である。加えて、プラズマ341を維持するために、1〜2kWなどより少ないマイクロ波出力が必要とされるだけである。そうでなければ、プラズマ341の均一性、形状および/または位置を維持するために、より低い圧力および/または高いマイクロ波出力を使用しなければならないはずである。
ダイヤモンド136が成長するにつれて、距離Dおよび高さHが共に増大する。距離Dが増大するにつれて、ダイヤモンド136の成長表面の上縁部についてのシース134のヒートシンク性能が低下する。加えて、温度などプラズマの特性が、ダイヤモンド136の成長表面がプラズマ341に入り込むため変化する。ダイヤモンド製造システム300においては、ダイヤモンド成長プロセス時にホルダアクチュエータ部材362およびダイヤモンドアクチュエータ部材360を用いて、冷却剤およびダイヤモンド/ホルダ制御機器329を介して主要プロセスコントローラ346によって距離Dおよび高さHを制御することができるため、ダイヤモンド136が所定の厚さに達したら成長プロセスを中断させる。コントローラ144の制御の下、手動でまたは自動的にこのように再位置決めすることにより、ダイヤモンド136の成長表面上でのダイヤモンド成長は、プラズマ341内の共振出力の所望の領域内で生じることが可能となる。さらに、再位置決めすることにより、赤外線高温計142および任意の追加の機器は、ダイヤモンド136の成長表面に焦点を合わせたままであることが可能となり、またこの再位置決めは、ダイヤモンド136の成長表面の縁部からの熱の効率的なヒートシンクを維持することができる。
図5は、ダイヤモンド成長プロセス中にダイヤモンド136を移動させるための試料ホルダアセンブリ520を有する蒸着装置504の断面を示す、本発明の一実施形態によるダイヤモンド製造装置500の図である。ダイヤモンド製造装置500の構成要素の一部は、ダイヤモンド製造システム100および300の構成要素と実質的に同じであるため、図1および図3に関する上記議論は、図5において同様に番号付けした構成要素を説明するのに十分であろう。たとえば、図5における高温計142、蒸着チャンバ床面122、冷却剤用パイプ128およびベルジャー108は、図1に示すものと実質的に同じである。別の例では、図5における冷却剤およびダイヤモンド/ホルダコントローラ329およびダイヤモンドアクチュエータ部材360は、図3と実質的に同じである。
図5に示すように、ダイヤモンド136はダイヤモンドアクチュエータ部材360に取り付けられ、ホルダとして働く曲面成形(contoured)サーマルマス566内に取り付けられる。曲面成形サーマルマス566内に直接ダイヤモンド136を設置することによって、ダイヤモンド136のヒートシンクについての熱効率が増大する。しかしながら、図3には冷却剤およびダイヤモンド/ホルダ制御機器329の一部として示してあるダイヤモンドホルダ制御機器を伴うステージ524内のホルダアクチュエータ562によって曲面成形サーマルマス全体を移動させるため、プラズマ541はより容易に影響を受けることがある。したがって、主要プロセスコントローラ546は、成長プロセスのプラズマおよび/または他のパラメータを適切に制御するためにこのような要因を考慮すべきである。あるいは、図3に示す凸状サーマルマス364、図4bの側面に傾斜のあるサーマルマス466b、図4cの側面に傾斜のある/先端部が円筒形のサーマルマス466c、または他の幾何学的形状を、図5における凹状サーマルマス566の代わりに使用することができる。
図6は、図1に示す試料ホルダアセンブリと共に使用することができる、本発明の諸実施形態によるプロセス600を示す流れ図である。このプロセス600は、適切な種ダイヤモンドまたは成長過程にあるダイヤモンドをホルダ内に位置決めするステップS670で始まる。たとえば、図1の試料ホルダアセンブリ120では、種ダイヤモンド部分138をシース134内に設置し、オペレータがねじ131a〜131dを締めつける。シースおよびダイヤモンドを共に適位置に維持するために、ばね仕掛けのコレットなど他の機構を使用することもでき、ホルダまたはシースに対して力を及ぼす際には、油圧または他の機構を使用することができる。
ステップS672に言及しているように、ダイヤモンド、すなわち種ダイヤモンドまたは成長ダイヤモンドの成長表面の温度を測定する。たとえば、図1の高温計142が、成長ダイヤモンド部分140の上面である成長表面の測定を行い、測定値を主要プロセスコントローラ146に提供する。ダイヤモンド136の成長表面の温度勾配を主要プロセスコントローラによって決定することができるように、または少なくともダイヤモンドの成長表面の縁部の温度が主要プロセスコントローラに入力されるように測定を行う。
図6のS674に言及しているように、成長表面の温度を制御する際には、図1に示す主要プロセスコントローラ146などの主要プロセスコントローラを使用する。この主要プロセスコントローラは、成長表面の温度勾配を20℃未満に維持することによって温度を制御する。成長表面の温度を制御しながら、図6のステップS675に示すように、ダイヤモンドをホルダ内に再位置決めすべきかどうか判断を下す。主要コントローラが、プラズマ、ガスフローおよび冷却剤フローを制御することによって成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御することができない場合には、成長プロセスを一時中断し、ダイヤモンドのより良いヒートシンクおよび/またはプラズマ内でのダイヤモンドのより良い位置決めのために、図6のステップS678に示すようにダイヤモンドをホルダ内に再位置決めすることができるようにする。主要コントローラが、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配をすべて20℃未満となるように維持することができる場合には、図6のステップS676に示すように成長表面上にダイヤモンドを成長させる。
図6に示すように、ダイヤモンドを再位置決めすべきであると判断されるまで、ダイヤモンドの成長表面の温度を測定し、成長表面の温度を制御し、成長表面上にダイヤモンドを成長させることを行う。測定、制御、成長および判断する行為はステップとして示し説明しているが、必ずしも順次行われるとは限らず、互いに同時に行うこともできる。たとえば、成長表面上にダイヤモンドを成長させるステップは、ダイヤモンドの成長表面の温度を測定し、成長表面の温度を制御しながら行うこともできる。
ステップS678で言及しているようなダイヤモンドの再位置決めは、手動で、またはロボット機構により行うことができる。加えて、図6のステップS673に示すように、ダイヤモンドが所定のまたは所望の厚さを有するかどうかの判断を下すことができる。この判断は、機械的または光学的装置による実際の測定に基づいて下すことができる。別の例では、プロセスの既知の成長速度を考慮して加工時間の長さに基づいて判断を下すことができる。ダイヤモンドが所定の厚さに達している場合には、図6のステップ680で言及しているように、成長プロセスは完了である。ダイヤモンドが所定の厚さに達していない場合には、図6に示すように、成長プロセスを再度開始し、ダイヤモンドを再位置決めする必要があると判断されるまで、ダイヤモンドの成長表面の温度を測定し、成長表面の温度を制御し、成長表面上にダイヤモンドを成長させることを継続する。
図7は、図3および図5に示す試料ホルダアセンブリと共に使用することができる、本発明の諸実施形態によるプロセス700を示す流れ図である。このプロセス700は、成長ダイヤモンド、製造ダイヤモンド、天然ダイヤモンドまたはこれらの組合せであってもよい適切な種ダイヤモンドをホルダ内に位置決めするステップS770で始まる。図3の試料ホルダアセンブリ320では、たとえば、種ダイヤモンド部分138を、図3に示すように、ダイヤモンドアクチュエータ部材360上のシース134内に設置する。試料ホルダアセンブリの別の例では、種ダイヤモンド部分138を、図5に示すように、ダイヤモンドアクチュエータ360上の曲面成形サーマルマス566内に設置する。
ステップS772に言及しているように、ダイヤモンド、すなわち種ダイヤモンドまたは種ダイヤモンド上に新しく成長させたダイヤモンド部分の成長表面の温度を測定する。たとえば、図3の高温計142が、成長ダイヤモンド部分140の上面である成長表面の測定を行い、測定値を主要プロセスコントローラ346に提供する。別の例では、図5の高温計142が、種ダイヤモンド部分138の上面である成長表面の測定を行い、測定値を主要プロセスコントローラ546に提供する。ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を主要プロセスコントローラによって決定することができるように、または少なくとも成長表面の縁部および中央部の温度が主要プロセスコントローラに入力されるように測定を行う。
図7のS774に言及しているように、成長表面の温度を制御する際には、主要プロセスコントローラ346または546などの主要プロセスコントローラを使用する。この主要プロセスコントローラは、成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるようにダイヤモンドの成長表面の温度を制御する。成長表面の温度を制御しながら、図7のステップS775に示すように、ダイヤモンドをホルダ内に再位置決めする必要があるかどうか判断を下す。主要コントローラが、プラズマ、ガスフローおよび冷却剤フローを制御することによって成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるようにダイヤモンドの成長表面の温度を維持することができない場合には、ダイヤモンドを再位置決めし、一方でダイヤモンドが図7に示すようにステップS775からステップS776およびS778の両ステップへの「YES」経路により成長している。ダイヤモンドをホルダ内に再位置決めすることによって、成長表面の縁部のヒートシンクが改善される。加えて、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配をすべて20℃未満となるように維持するための稠度を有するプラズマの最適な領域内に成長表面を位置決めすることができる。主要コントローラが、ダイヤモンドの成長表面の温度勾配がすべて20℃未満となるように維持することができる場合には、図7のステップS775からステップS776への「NO」経路に示すように、再位置決めなしで成長表面上にダイヤモンドを成長させる。
ダイヤモンドが所定の厚さに達したと判断されるまで、ダイヤモンドの成長表面の温度を測定し、成長表面の温度を制御し、成長表面上にダイヤモンドを成長させ、ダイヤモンドをホルダ内に再位置決めすることを行う。図7のステップS773に言及しているように、ダイヤモンドが所定のまたは所望の厚さに達しているかどうかの判断を下す。この判断は、機械的または光学的装置による実際の測定に基づいて下すことができる。たとえば、成長プロセス中に再位置決めしなければならなかった深さまたは距離の量を記録する追跡プログラムである。別の例では、成長プロセスの既知の成長速度を考慮して加工時間の長さに基づいて判断を下すことができる。ダイヤモンドが所定の厚さに達している場合には、図7のステップ780で言及しているように、成長プロセスは完了である。ダイヤモンドが所定の厚さに達していない場合には、図7のS774内のS773からの「NO」経路に示すように、ダイヤモンドを再位置決めする必要があると判断されるまで、ダイヤモンドの成長表面の温度を測定し、成長表面の温度を制御し、成長表面上にダイヤモンドを成長させ、ダイヤモンドをホルダ内に再位置決めすることで成長プロセスを継続する。
プロセス600および700を実施する際、ダイヤモンド成長は、「ステップ成長(step growth)」条件を維持することができるのであれば通常継続される。一般に、「ステップ成長」条件とは、孤立した露頭(outcropping)または双晶がなくダイヤモンド136が実際に平滑になるようにダイヤモンド136の成長表面上にダイヤモンドを成長させる成長を指す。この「ステップ成長」条件は、視覚的に検証することができる。あるいは、レーザを使用してダイヤモンド136の成長表面を走査することもできる。レーザ反射率の変化が、「露頭」または双晶の形成を示すはずである。このようなレーザ反射率を、成長プロセスを停止させる条件として主要プロセスコントローラにプログラミングすることができる。たとえば、ダイヤモンドが所定の厚さであるかどうかの判断に加えて、レーザ反射率が受信されているかどうかの判断を下すこともできる。
一般に、本発明の例示的な諸実施形態による方法は、{100}成長速度の上昇を伴って、大きくて無色の高品質ダイヤモンドを作り出すように設計されるが、この成長は3次元に沿っている。本発明の一実施形態では、単位CH4当たり約1〜50%のO2の割合で、酸素をガス混合物中で使用する。本発明の別の実施形態では、単位CH4当たり約5〜25%のO2の割合で、酸素をガス混合物中で使用する。理論によって束縛されることを望んでいるわけではないが、蒸着チャンバの混合ガス中に酸素が存在すると、ダイヤモンドへの不純物の混入を削減するために役立ち、したがってダイヤモンドが実質的に無色になると考えられている。成長プロセス時には、メタンの濃度は約6〜12%の範囲内ある。炭化水素濃度が約15%を超えると、MPCVDチャンバ内で過剰な黒鉛の蒸着が生じることがある。
プロセス温度は、望まれる単結晶ダイヤモンドの特定のタイプまたは酸素を使用するかどうかに応じて約700〜1500℃の範囲から選択することができる。より高温では多結晶ダイヤモンドを製造することができ、より低温ではダイヤモンド状炭素(diamond-like carbon)を製造することができる。本発明の一実施形態では、プロセス温度は約700〜1100℃の範囲から選択することができる。本発明の別の実施形態では、プロセス温度は約900〜1100℃の範囲から選択することができる。成長プロセス時には、約100〜400torrの圧力を使用する。一実施形態では、約100〜300torrの圧力を使用する。別の実施形態では、約160〜220torrの圧力を使用する。
本発明の一実施形態では、単結晶ダイヤモンドの成長速度が約10μm/時間を超える。別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドの成長速度が約50μm/時間を超える。別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドの成長速度が約100μm/時間を超える。
本発明の一実施形態では、単結晶ダイヤモンドが成長して厚さが1.2cmを超える。本発明の別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドが成長して重量が5カラットを超える。本発明の別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドが成長して10カラットを超える。本発明の別の実施形態では、単結晶ダイヤモンドが成長して300カラットを超える。
一実施形態では、SC−CVD種ダイヤモンドの最大6つの{100}面上にダイヤモンドを成長させる。別の実施形態では、SC−CVD種ダイヤモンドの最大6つの{100}面上に成長させたダイヤモンドが、約300カラットを超えている。別の実施形態では、より長い方の表面の1つを研磨し、次いでその表面上で第2の直行方向にダイヤモンド結晶を成長させることによって、ダイヤモンドの成長を実質的に2次元にして側方寸法が大きい結晶(たとえば、少なくとも約1インチの正方形の板)を製造することができる。別の実施形態では、ダイヤモンドの成長を3次元にすることができる。別の実施形態では、ダイヤモンドの成長は実質的に立方晶系である。別の実施形態では、3次元に沿って成長させた実質的に立方晶系のダイヤモンドの、各寸法が少なくとも1インチである。
ガス混合物はN2を含むこともできる。N2を使用する場合には、単位CH4当たり約0.2〜3%のN2の割合でガス混合物に添加する。N2をこの濃度でガス混合物に添加することにより、成長速度が上昇し、{100}面の成長が促進される。
図8は、HPHTのIIa型ダイヤモンド、本発明の方法に従って、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造したSC−CVDダイヤモンド、および蒸着チャンバ雰囲気の一成分として存在するN2ガスを用いて製造したSC−CVDダイヤモンドについての紫外可視スペクトルである。N2ガスを用いて製造したSC−CVDダイヤモンドは、見かけが軽く茶色がかっていて、270nm前後に広範な帯域を示した。このことは、ダイヤモンド中の非ダイヤモンド炭素、窒素および空孔の存在と関係している。N2ガスを用いて製造した見かけがより暗い褐色のSC−CVDダイヤモンドは、500nmより下で吸収の増加を示し、また520nmに中心がある広範なフィーチャを示す。このことは、天然ダイヤモンドまたはHPHT成長の合成ダイヤモンドでは見られない。これらの茶色がかった色および広範な帯域のフィーチャは、HPHT処理、たとえば、アニーリングによって取り除くことができる。本発明の方法によって、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造したダイヤモンドのスペクトルは、270nmの広範な帯域も520nmの広範な帯域も示さなかった上に、HPHTのIIa型人工ダイヤモンドに匹敵するものでる。理論によって束縛されることを望んでいるわけではないが、添加した酸素により水素不純物のレベルおよび非ダイヤモンド炭素の量が低減されると出願人は考えている。
図9は、本発明の方法によって、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造した無色のSC−CVDダイヤモンドを左に、また蒸着チャンバ内でO2ではなくN2を用いて製造した茶色がかったSC−CVDダイヤモンドを右に示す。単結晶ダイヤモンドは共に、寸法が約5×5×1mmである。
図10は、以下に示す4×4×1.5mmの結晶などHPHTのIb型基板の6つの{100}面上に蒸着によって形成したSC−CVDダイヤモンドブロックを示す。これは、ダイヤモンド結晶の寸法をさらに増大させようとする試みであり、本発明の方法に従って基板の6つの{100}面上に順次宝石並のCVDダイヤモンドを成長させる。この方法によって、無色の単結晶ダイヤモンドの3次元成長は重量約300カラット、各寸法が約1インチのダイヤモンドをもたらすことができる。
図11は、本発明の方法に従って、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造した無色のSC−CVDダイヤモンド、および蒸着チャンバ雰囲気の一成分として存在するN2ガスを用いて製造した茶色いSC−CVDダイヤモンドについての赤外吸収スペクトル(2500〜8000cm-1)である。N2ガスを用いて製造した茶色いSC−CVDダイヤモンドについてのスペクトルは、2931、3124、6427、6857、7234および7358cm-1にピークを有していた。それらのピークは、O2ガスが存在する本発明の方法に従って製造した無色のダイヤモンドについてのスペクトルには見られない。したがって、これらのデータは、O2ガスが存在する本発明の方法に従って製造した無色のダイヤモンド中の水素による近赤外または中赤外の不純物はないことを示している。このことはさらに、本発明の方法により非常に純度の高い大きい単結晶ダイヤモンドが速い成長速度で製造されることを実証している。
この無色の単結晶CVDダイヤモンド材料は、電子工学にける利用、光学における利用および無色の宝石としての利用を含むがこれらに限定されない様々な産業上の用途および他の用途向けに調製することができる。
以下の実施例から本発明の他の態様をより詳細に理解することができる。
上述した図1のMPCVDチャンバ内でダイヤモンド成長プロセスを実施した。まず、市販の3.5×3.5×1.6mm3の高圧高温(HPHT)合成型Ib型種ダイヤモンドを、蒸着チャンバ内に位置決めした。この種ダイヤモンドは、アセトンで超音波洗浄した平滑な研磨表面を有する。蒸着面は、種ダイヤモンドの{100}表面から2度の範囲内にあった。
次いで、蒸着チャンバを10-3torrの基準圧まで排気した。赤外線高温計142の焦点を、石英窓を通して65度の入射角でダイヤモンドの成長表面に合わせ、最小2mm2の直径スポットサイズとした。O2/CH4が15%、CH4/H2が12%のガス濃度を用いて160torrの圧力でダイヤモンド成長を行った。プロセス温度は1020℃、ガス流量はH2が500sccm、CH4が60sccm、O2が1.8sccmであった。蒸着を12時間継続させた。
得られたダイヤモンドは、4.2×4.2×2.3mm3で研磨されておらず、1時間当たり58ミクロンの成長速度で成長させた種結晶について約0.7mmの成長を示した。成長形態(growth morphology)は、<100>面の成長速度が<111>隅部の成長速度よりも速いことを示していた。成長パラメータαは、2.5〜3.0と推定した。
蒸着させたダイヤモンドを、光学顕微鏡法、X線回折(XRD)、ラマン分光法およびフォトルミネセンス(PL)分光法を用いて特徴付けた。得られたダイヤモンドの光学顕微鏡法およびX線回折による調査で、得られたダイヤモンドが単結晶であることが確認された。種ダイヤモンドから分離されたMPCVD成長ダイヤモンドの紫外可視/近赤外透過スペクトルは、N2ガスの存在下で成長させたMPCVDダイヤモンドとは異なり、純粋な(IIa型)ダイヤモンドに匹敵する。
上述のプロセス温度を変えながら実施例1の指針に従って、多くのMPCVDダイヤモンドを製造した。これらの実験により、本発明の諸実施形態による成長プロセスにおいて様々な型のダイヤモンドを製造するためのプロセス温度範囲が実証される。
上記方法および装置によって製造されるダイヤモンドは、たとえば、高出力レーザまたはシンクロトロン用途における窓として、高圧装置におけるアンビルとして、切断器具として、伸線ダイスとして、電子機器用構成部品(ヒートシンク、電子デバイス用基板)として、または宝石として有用となるように、十分に大きく、欠陥がなく、半透明である。上記方法および装置によって作製されるダイヤモンドの利用または用途の他の例には、以下が含まれる。
a.)耐磨耗材料−水/流体ジェットノズル、切断器具(たとえば、かみそり、ナイフ)、外科手術器具(たとえば、外科手術ブレード、外科手術器具用切断ブレード)、ミクロトーン(microtone)、硬度圧子(hardness indenor)、グラフィカルツール、stichel、石版片の修理で使用する器具、ミサイルのレードーム、超高速機械で使用する軸受けを含めた軸受け、ダイヤモンド−生体分子デバイス、ミクロトームおよび硬度圧子が含まれるが、これらに限定されない。
b.)光学部品−光学窓、反射器、屈折器、レンズ、回折格子、エタロン、α粒子検出器およびプリズムが含まれるが、これらに限定されない。
c.)電子部品−マイクロチャネル冷却アセンブリ、半導体部品用高純度SC−CVDダイヤモンド、半導体部品用不純物添加SC−CVDが含まれるが、これらに限定されない。
d.)高圧装置におけるアンビル−複数の光学センサ、電気センサ、磁気センサおよび音響センサと共に使用することができる「Khvostantsev」または「Paris−Edinburgh」トロイド状アンビル、比較的大きく、可変の高さを有し、優角を有するブリッジマンアンビル[15]、マルチアンビル(Multianvile)、Drickamerセル、ベルト装置、ピストンシリンダ装置、レーザまたは磁気衝撃波の研究用の予圧試料、水素および他の用途向けの無色で平滑なコーティング、レーザまたは磁気衝撃用の試料を予圧するための装置が含まれるが、これらに限定されない。
e.)容器−6つの縁部{100}がめっきされたダイヤモンドを互いに接続して容器を形成することができること、CVDダイヤモンドコーティングをさらに使用して真空気密容器を形成することができることが含まれるが、これらに限定されない。
f.)レーザ源−安定したH3中心(窒素凝集体、N−V中心、Si中心または他のドーパントを形成するアニーリングSC−CVDダイヤモンドが含まれるが、これらに限定されない。
g.)超伝導体および導電性ダイヤモンド−H、Li、N、Mg、または大きさが炭素の大きさに近い別の低原子量元素などの不純物と共に成長させたHPHTアニーリングSC−CVDダイヤモンドが含まれるが、これらに限定されない。
h.)他のCVDダイヤモンド成長用の基板−CVD成長用の基板としてCVD用の板を使用すると、大きい寸法でまた靱性の点で天然またはHPT基板より有利である(成長時の亀裂を回避するため)。
一実施形態では、本発明は高圧装置におけるアンビルを対象とし、これらのアンビルはCVDダイヤモンド、好ましくは単結晶CVDダイヤモンドを含む。単結晶CVDダイヤモンドを含むアンビルは、炭化タングステンなど他の材料で作製されたアンビルよりも高い圧力で使用することができる。さらに、単結晶CVDダイヤモンドを含むアンビルは、より多くのより良い試験結果を容易にする際にも有益である。というのは、このダイヤモンドは、中性子、X線および他の電磁放射に対して透明であるからである。単結晶CVDダイヤモンドを含むことができるアンビル設計の例には、比較的大きく、可変の高さを有し、優角を有するブリッジマンアンビルを含むがこれらに限定されないブリッジマンアンビル、および[15]に議論されているアンビルを含むがこれらに限定されないParis−Edinburghトロイド状アンビルが含まれる。
別の実施形態では、本発明は、識別マーク(たとえば、名称、日付、番号)をレーザ彫り込みした単結晶CVDダイヤモンド、およびこのようなダイヤモンドを調製する方法を対象としている。識別マークは、たとえば、線、文字、図または記号の形をとることができ、単結晶ダイヤモンドを調製するためにCVDプロセスを開始する前に、ダイヤモンド基板上にレーザ彫り込みすることができる。マークは、このプロセスにより単結晶ダイヤモンドに転写される。
単結晶ダイヤモンドのレーザ彫り込みには、ダイヤモンドの保証および起源を含むがこれらに限定されない多くの用途がある。レーザ彫り込みを使用して、「デザイナー」宝石、すなわち、文字や記号など顧客が要求するマークが埋め込まれた個人別の宝石を作り出すこともできる。ダイヤモンドに彫り込まれたマークは、研磨して取り除くことはできない。というのは、1つにはこれらのマークがダイヤモンドの奥深くに埋め込まれているからである。
レーザ彫り込み技術の他の用途は、レーザ彫り込みを使用して「黒鉛化された(graphitized)」導電性パスをダイヤモンドに作り出す、埋め込み回路および電気接点の製造を含むことができる。このような局所的レーザ切断は、合成段階時に結晶性の悪いCVDダイヤモンドの不要な領域を取り除く(たとえば、歯医者が虫歯を一掃するのとほぼ同様にして)ためにも役に立つことができる。この後者の用途は、問題のある成長領域を発生することがある非常に大きなダイヤモンドの長時間の合成時に特に重要となることがある。これらの用途は、既にこの分野で見事な成果を上げている。
紫外線(たとえば、エキシマ)レーザ、赤外線レーザ、高出力可視レーザまたは集束X線レーザを含むがこれらに限定されない様々なレーザを使用して、レーザ彫り込みを行うことができる。本発明の好ましい諸実施形態では、ベルギーのBettonville NVによって製造された近赤外線(Nd−YAG)レーザを使用して、単結晶ダイヤモンドにマークを彫り込んだ。
上述の用途の変形形態である別の実施形態は、集束イオンまたは電子ビームの使用である。イオンを注入して導電特性を変化させ、ダイヤモンド表面近くに特定の欠陥を導入することができる。たとえば、大変興味深い1つの分野は、量子計算のために窒素欠陥を導入することである。上記の方法を使用して、特定の要素(たとえば、選択的イオン注入)によるまたは電子ビーム(たとえば、制御された欠陥パターニング)による、ダイヤモンドの後に続くオーバーグロース(overgrowth)を用いたウエハまたはブロック内への「書込み」によって、単結晶ダイヤモンド中に独特の化学的性質の領域を作り出すことができる。
上述の方法によって形成したダイヤモンドの色は、アニーリングによって変えることができる。たとえば、黄色または茶色のダイヤモンドをアニールして緑色のダイヤモンドにすることができる。
他の色の単結晶CVDダイヤモンドを調製することもできる。アンビルで使用するこのようなダイヤモンドの例には以下、
1.)白色を作り出すための、アンビル内部の赤色、緑色および青色のCVD層の混合、
2.)鮮明な青色を作り出すための、テーブル上の薄いCVDホウ素層のコーティング、ならびに
3.)レインボー効果をもたらすための、黄色い種による部分的な青色および緑色のCVDの使用
が含まれる。
図12は、水噴射切断装置の断面図を示す。宝石が高圧(たとえば、約55,000psi)の水をせき止めて、粘度が高い水の噴流を形成する。次いで、この水の噴流が、研磨剤が導入されるベンチュリ(venturi)に入る。次いで、研磨剤、水および空気の混合物が混合管内で混ざって、鋼またはほぼ任意の他の材料を切断することができる噴流を形成する。予想外ではないが、宝石および混合管は莫大な圧力下に置かれ、したがって水の急流を受ける。このことは、研磨剤が存在するため混合管に特に当てはまる。一実施形態では、混合管および宝石が、前述の方法によって製造された単結晶CVDダイヤモンドを含む。別の実施形態では、この水噴射の他の構成要素が単結晶CVDダイヤモンドを含む。
図13は、単結晶CVDダイヤモンドを備える立方容器の構成を示す。このような容器は、たとえば、上述のCVD技法を用いて3つの別々の{100}面を6つ有する板をCVDダイヤモンドでコーティングすることによって製造することができる。コーティング前の面板は、CVDダイヤモンド、単結晶CVDダイヤモンド、HPHTダイヤモンドまたは天然ダイヤモンドでよい。これらの面板は基本的に、CVDダイヤモンドがコーティングされる種として働く。次いで、面積がより小さく薄い板を、レーザによって作り出したほぼ正方形の孔を含む面積がより大きくより厚い板の上に設置することができる。次いで、この組立体全体を蒸着チャンバに戻し、そこで{100}面すべてに沿った追加のCVDダイヤモンドコーティングによりこれらの部品を互いに密封することができる。
図14は、共に階段状に設置した2枚の板上にCVDダイヤモンド成長させる別の容器デザインを示す。最終的には、より小さい板の段階的なモザイク的融合により、より大きな板を作製する。これらの板のすべてが3つの{100}面を有し、同じ方向に整列している(すなわち、互いに10度以内に整列している)場合には、これらの板は上面で互いにうまく融合することになる。この方法を用いて作製したより大きい板は、たとえば、さらなるCVDダイヤモンド成長のための種として使用することができる。
図15a)は、結合リングで支持されているダイヤモンドアンビルセルおよびガスケットを示す。
図15b)は、斜めに切断した(beveled)ダイヤモンドアンビルを示す。太い線は、性能を最大限に発揮するように機械加工されるアンビル表面の形状を示す。これは、以前は炭化タングステンで作製されていたトロイド型のデザインである。
本発明は、その精神または基本的な特徴から逸脱することなく、いくつかの形で具体化することができるが、上述の諸実施形態は特に定めのない限り上記説明の詳細のいずれによっても限定されず、正しくは添付の特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲内で広く解釈されるべきであり、したがって特許請求の範囲の要素および範囲内にある変形形態および変更形態、あるいはこのような要素および範囲の均等物はすべて、添付の特許請求の範囲に包含されるものであることも理解されたい。
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ダイヤモンド成長プロセス中にダイヤモンドを固定するための試料ホルダアセンブリを有する蒸着装置の断面を示す、本発明の一実施形態によるダイヤモンド製造装置の図である。 図2a:図1に示す蒸着装置の斜視図である。図2b:図1に示すダイヤモンドおよびシースの斜視図である。 ダイヤモンド成長プロセス中にダイヤモンドを移動させるための試料ホルダアセンブリを有する蒸着装置の断面を示す、本発明の一実施形態によるダイヤモンド製造装置の図である。 本発明に従って使用することができるホルダまたはサーマルマスの断面図である。 ダイヤモンド成長プロセス中にダイヤモンドを移動させるための試料ホルダアセンブリを有する蒸着装置の断面を示す、本発明の別の実施形態によるダイヤモンド製造装置の図である。 図1に示す試料ホルダアセンブリと共に使用することができる、本発明の諸実施形態によるプロセス600を示す流れ図である。 図3に示す試料ホルダアセンブリと共に、または図5に示す試料ホルダアセンブリと共に使用することができる、本発明の諸実施形態によるプロセス700を示す流れ図である。 HPHTのIIa型ダイヤモンド、本発明の方法に従って、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造したSC−CVDダイヤモンド、および蒸着チャンバ雰囲気の一成分として存在するN2ガスを用いて製造したSC−CVDダイヤモンドについての紫外可視スペクトルを示す図である。 本発明の方法に従って、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で成長させた実質的に無色のSC−CVD結晶、および蒸着チャンバ雰囲気の一成分として存在するN2ガスを用いて成長させたSC−CVD結晶の写真である。 HPHTのIb型基板の6つの{100}面上に蒸着によって形成したSC−CVDダイヤモンドブロックを示す図である。 本発明の方法に従って、たとえば、単位CH4当たり約5%〜約25%のO2を含む蒸着チャンバ雰囲気で製造したSC−CVDダイヤモンド、および蒸着チャンバ雰囲気の一成分として存在するN2ガスを用いて製造したSC−CVDダイヤモンドについての赤外吸収スペクトル(2500〜8000cm-1)を示す図である。 水噴射切断装置の断面を示す図である。 CVDダイヤモンドで構成される立体容器の構成を示す図である。 共に階段状に設置した2枚の板上に成長させたCVDダイヤモンドを示す図である。 図15a:結合リングで支持されているダイヤモンドアンビルセルおよびガスケットを示す図である。図15b:斜めに切断したダイヤモンドアンビルを示す図である。
符号の説明
100 ダイヤモンド製造システム
102 蒸着装置
104 マイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)システム
106 反応物およびプラズマの制御機器
108 ベルジャー
120 試料ホルダアセンブリ
122 蒸着チャンバ床面
124 ステージ
126 ボルト
128 冷却剤用パイプ
130 リング一式
131 ねじ
132 コレット
134 シース
136 ダイヤモンド
138 種ダイヤモンド部分
140 成長ダイヤモンド部分
141 プラズマ
142 赤外線高温計
144 MPCVDプロセスコントローラ
146 主要プロセスコントローラ
148 冷却剤コントローラ

Claims (42)

  1. 単結晶ダイヤモンドを含むノズルであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造される、ノズル。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  2. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項1に記載のノズル。
  3. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項1に記載のノズル。
  4. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項3に記載のノズル。
  5. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項1に記載のノズル。
  6. 高圧水噴射切断装置で使用される、請求項1に記載のノズル。
  7. 単結晶ダイヤモンドを含む切断エッジを備える外科手術器具用切断ブレードであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、切断ブレード。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  8. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項7に記載の切断ブレード。
  9. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項7に記載の切断ブレード。
  10. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項9に記載の切断ブレード。
  11. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項7に記載の切断ブレード。
  12. 単結晶ダイヤモンドを含む切断エッジを備える切断器具であって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、切断器具。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  13. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項12に記載の切断器具。
  14. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項12に記載の切断器具。
  15. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項14に記載の切断器具。
  16. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項12に記載の切断器具。
  17. 単結晶ダイヤモンドを含む伸線ダイスであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、伸線ダイス。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  18. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項17に記載の伸線ダイス。
  19. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項17に記載の伸線ダイス。
  20. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項19に記載の伸線ダイス。
  21. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項17に記載の伸線ダイス。
  22. 単結晶ダイヤモンドを含む軸受けであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、軸受け。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  23. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項22に記載の軸受け。
  24. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項22に記載の軸受けダイス。
  25. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項24に記載の軸受け。
  26. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項22に記載の軸受け。
  27. 単結晶ダイヤモンドを含むダイヤモンドアンビルであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、ダイヤモンドアンビル。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  28. 前記ヒートシンクホルダがモリブデンを含む、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  29. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約30℃未満である、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  30. 前記ダイヤモンドの前記成長表面に亘る温度勾配がすべて約20℃未満である、請求項29に記載のダイヤモンドアンビル。
  31. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  32. 前記単結晶ダイヤモンドが実質的には無色である、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  33. ブリッジマンアンビルである、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  34. Paris−Edinburghトロイド状アンビルである、請求項27に記載のダイヤモンドアンビル。
  35. 単結晶ダイヤモンドを含むエタロンであって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、エタロン。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  36. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項35に記載のエタロン。
  37. 単結晶ダイヤモンドを含む光学窓であって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、光学窓。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  38. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項37に記載の光学窓。
  39. 単結晶ダイヤモンドを含むα粒子検出器であって、前記単結晶ダイヤモンドが以下を含む方法によって製造された、α粒子検出器。
    i)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    ii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内で、ダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  40. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項39に記載のα粒子検出器。
  41. 以下を含む方法によって製造されるレーザ彫り込み単結晶ダイヤモンド。
    i)単結晶ダイヤモンドを作製するためにCVDプロセスを開始する前に、ダイヤモンド基板上にマークをレーザ彫り込みすること、
    ii)成長ダイヤモンド結晶の温度が900〜1400℃の範囲内にあるように、また高融点および高熱伝導率を有する材料で作製されたヒートシンクホルダ内にダイヤモンドを取り付けて、前記ダイヤモンドの成長表面の温度勾配を最小限に抑えるように、前記ダイヤモンドの前記成長表面の温度を制御すること、および
    iii)単位H2当たり約8%から約30%を超えるCH4を含み150torrを超える雰囲気を有する蒸着チャンバ内でダイヤモンドの前記成長表面上にマイクロ波プラズマ化学気相成長によって単結晶ダイヤモンドを成長させること
  42. 前記単結晶ダイヤモンドが、前記蒸着チャンバ雰囲気中で単位CH4当たり約5〜約25%のO2を使用することをさらに含む方法によって製造される、請求項41に記載のレーザ彫り込み単結晶ダイヤモンド。
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