JP2009517632A - 改善された標的リガンドの検出 - Google Patents
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Abstract
本発明は、結合アッセイの感度および選択性の上昇に適する組成物、デバイスおよび方法を提供し、これにより真の陽性の検出における減少がほとんど無いか、または無く疑陽性の結果が減少する。本発明は本発明のデバイスの内容において、酸化剤が真の陽性反応の減少がほとんど無いか、または全く無く疑陽性の結果に減少をもたらす。本発明のデバイス、組成物および方法は、例えば性的に伝播する疾患および他の疾患で病原となることが知られている生物を含め、内因性の尿抗体を生じる病原体を検出するために使用することができる。本発明のデバイスおよび方法は、種々の診断手法にも有用である。
Description
発明の分野
本発明は、免疫化学的および生化学的分析に関し、標的リガンドの検出において上昇した感度に適するデバイスおよび方法を提供する。特に本発明のデバイスおよび方法は、内因性の尿抗体、特にHIVウイルスコートタンパク質に対する抗体の迅速な検出に適している。内因性尿抗体を生じる他の病原体、したがって本発明を使用して検出可能なものには、性的に伝播する疾患ならびに他の疾患の病原になることが知られているそのような生物を含む。
本発明は、免疫化学的および生化学的分析に関し、標的リガンドの検出において上昇した感度に適するデバイスおよび方法を提供する。特に本発明のデバイスおよび方法は、内因性の尿抗体、特にHIVウイルスコートタンパク質に対する抗体の迅速な検出に適している。内因性尿抗体を生じる他の病原体、したがって本発明を使用して検出可能なものには、性的に伝播する疾患ならびに他の疾患の病原になることが知られているそのような生物を含む。
発明の背景
標的抗原に対して特異的な結合剤を利用する多くのアッセイは、不十分な感度および選択性に悩まされている。この従来技術の限界は、結合剤および標的リガンドを利用する特定の種類のアッセイに限定されないが、この限界を例示するアッセイの種類の1つは、尿、口腔液または血液のような体液中の種々の物質の存在を検出するために使用される横流型アッセイ(lateral flow assay)である。これらのアッセイには典型的には抗原−抗体反応、酵素的、蛍光的または視覚的に観察可能なタグを含んでなる合成の結合、および特別に設計された反応器が関与する。これらのほとんどのアッセイでは、選択した抗原に特異的な受容体(例えば抗体)、および抗原−抗体反応産物の存在および/または量を検出するための手段が存在する。最新の試験は定量的測定を行うために設計されているが、多くの状況で必要とされるのはすべて陽性/陰性の表示である。そのような定性的アッセイの例には、疾患の検出、血液型の判別、妊娠試験および多くの種類の尿分析を含む。これらの試験には、凝集反応の存在または色の変化のような視覚的に観察できる表示が好ましい。
標的抗原に対して特異的な結合剤を利用する多くのアッセイは、不十分な感度および選択性に悩まされている。この従来技術の限界は、結合剤および標的リガンドを利用する特定の種類のアッセイに限定されないが、この限界を例示するアッセイの種類の1つは、尿、口腔液または血液のような体液中の種々の物質の存在を検出するために使用される横流型アッセイ(lateral flow assay)である。これらのアッセイには典型的には抗原−抗体反応、酵素的、蛍光的または視覚的に観察可能なタグを含んでなる合成の結合、および特別に設計された反応器が関与する。これらのほとんどのアッセイでは、選択した抗原に特異的な受容体(例えば抗体)、および抗原−抗体反応産物の存在および/または量を検出するための手段が存在する。最新の試験は定量的測定を行うために設計されているが、多くの状況で必要とされるのはすべて陽性/陰性の表示である。そのような定性的アッセイの例には、疾患の検出、血液型の判別、妊娠試験および多くの種類の尿分析を含む。これらの試験には、凝集反応の存在または色の変化のような視覚的に観察できる表示が好ましい。
陽性/陰性のアッセイは、試験流体中に目的のリガンドの濃度が低いことが多いので、大変感受性でなければならない。疑陽性は特に凝集およびディップスティックおよび変色試験のような他の迅速な検出法を用いる場合に問題となる恐れがある。これらの問題から、サンドイッチアッセイおよび他の感度のある検出法(これは金属ゾルまたは他の種類の着色粒子を使用する)が開発されてきた。しかしながらそれらは製造に経費がかかり、技術がない人が使用することは困難で、しかも許容できないレベルの疑陽性の結果を有するので、これらの技法はこのような迅速な検出法で遭遇するすべての問題を解決しない。
したがって今でも一般に結合剤を介する標的リガンドの検出に感度および選択性の両方がある検出法の必要性が存在する。また特に体液中、低濃度で存在する標的被検体の検出に感度および選択性の両方がある検出法が必要である。また製造が比較的廉価で、使用し易く、しかも真の陽性結果をほとんど低下させないか、または全く低下させずに疑陽性の結果が生じる問題を減少するようなアッセイも必要である。
発明の要約
本発明は、従来技術のデバイスおよび方法よりも感度があり、しかも選択的な標識化結合剤により標的リガンドを検出するデバイスおよび方法を提供する。本発明者は、酸化された環境で標的リガンドおよび結合剤が関与するアッセイを操作することにより、現在利用できるアッセイよりもさらに一層感度があり、しかも選択的なアッセイが行えることを見いだした。例えば本発明は内因性の体液(例えば尿)抗体、特に、限定するわけではないがHIVウイルスコートタンパク質に対する抗体の迅速な検出に適する改善されたデバイスおよび方法を提供する。したがって一態様では、本発明は例えば尿中の標的抗体の検出のための横流型デバイスを提供し、このデバイスは標的抗体に特異的に結合する抗原、およびサンプル流体との接触で活性化される酸化剤を含んでなる。一態様では、酸化剤は例えば、約0.04〜0.4%の範囲の過酸化水素、約3%のスズ酸カリウムで安定化された約0.1〜0.5%の範囲の過酸化尿素、約0.1〜0.4%の範囲のヨウ素酸カリウム、約0.4〜0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含むシュクロース(約1%)、約0.4%のカリウムスーパーオキシド、約0.4〜0.6%の範囲のチメロサール、約0.045〜0.18%の範囲の臭素酸カルシウムおよび約0.4%の範囲の過マンガン酸カリウムからなる群から選択される1もしくは複数の試薬を含んでなる。
本発明は、従来技術のデバイスおよび方法よりも感度があり、しかも選択的な標識化結合剤により標的リガンドを検出するデバイスおよび方法を提供する。本発明者は、酸化された環境で標的リガンドおよび結合剤が関与するアッセイを操作することにより、現在利用できるアッセイよりもさらに一層感度があり、しかも選択的なアッセイが行えることを見いだした。例えば本発明は内因性の体液(例えば尿)抗体、特に、限定するわけではないがHIVウイルスコートタンパク質に対する抗体の迅速な検出に適する改善されたデバイスおよび方法を提供する。したがって一態様では、本発明は例えば尿中の標的抗体の検出のための横流型デバイスを提供し、このデバイスは標的抗体に特異的に結合する抗原、およびサンプル流体との接触で活性化される酸化剤を含んでなる。一態様では、酸化剤は例えば、約0.04〜0.4%の範囲の過酸化水素、約3%のスズ酸カリウムで安定化された約0.1〜0.5%の範囲の過酸化尿素、約0.1〜0.4%の範囲のヨウ素酸カリウム、約0.4〜0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含むシュクロース(約1%)、約0.4%のカリウムスーパーオキシド、約0.4〜0.6%の範囲のチメロサール、約0.045〜0.18%の範囲の臭素酸カルシウムおよび約0.4%の範囲の過マンガン酸カリウムからなる群から選択される1もしくは複数の試薬を含んでなる。
当業者には、本発明のデバイスおよび方法の両方が多くの種類のアッセイに有用であることは明白である。これらの態様は本発明の一部であり、そして以下の本発明の詳細な説明でさらに詳しく記載する。
本発明は、本発明の内容において使用するデバイスの性質に限定されない。一つの一般的態様では、本発明は任意の結合アッセイが本発明のデバイスおよび方法と適合性があることを企図している。例えば標的リガンドまたは結合剤は、タンパク質、脂質、炭水化物、糖タンパク質、リポタンパク質等であることができる。横流型デバイス、ペトリ皿(マルチ−ウェルプレート[例えばオクタロニープレート]を含む)、クロマトグラフィーカラム、アッセイ管(エッペンドルフ(商標)試験管を含む)等を含め、任意の検出デバイスを本発明に使用することができる。一つの態様では、デバイスは横流型デバイスを含んでなり、ここでサンプルはデバイスのサンプル適用領域(サンプルゾーン)に直接適用される。別の態様では、デバイスは分析する(結果の検出)デバイスと連合して使用されるサンプルデバイスを含んでなる。本態様の一つの観点では、サンプルデバイスはサンプルデバイスのサンプル収集ゾーンでサンプルを集め、そしてサンプルを分析するデバイスのサンプル受容ゾーンに適用するために使用される。この態様の別の観点では、分析するデバイスは横流型デバイスである。さらに他の態様では、本発明は結合剤が標的リガンドに結合するアッセイが行われる任意のデバイスで、本発明の方法を使用することを企図している。
また本発明のデバイスおよび方法は、それらが本発明のイムノアッセイでプロテインA、プロテインGまたはレクチンのような非特異的抗体結合タンパク質のような低コスト試薬を最大限に使用しているので、費用に対しても効果が高い。
本発明の幾つかのアッセイデバイスは、デバイスの操作中に個々のゾーン内で起こる試薬および/または反応により定められる一連の種類が異なる(distinct)ゾーンを含んでなる。このゾーンは単一の連続マトリックスの一部でよく、あるいは特許請求するデバイス中で流体連絡する(fluid communication)ようになる2以上の別個のパットに包含されてもよい。詳しくは以下の本発明の詳細な説明で検討する。
発明の詳細な説明
一つの観点では、本発明は酸化的環境においてアッセイを操作することにより、アッセイの感度を上げる組成物および方法に関する。いかなる理論にも限定されないが、酸化的環境は結合剤/標的リガンドの相互作用を上げ、これによりアッセイが酸化的環境で操作されない場合で可能となるよりも少量の標的リガンドの検出を可能にすると考えられる。例えば一つの態様では、本発明はサンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出するための方法を企図し、この方法は標的リガンドに結合する能力を特徴とする標識化結合剤;標識化結合剤を、標的リガンドを標識化結合剤に結合するために適切な条件下で標的リガンドを含有すると思われるサンプルと接触させ、ここで標識化結合剤とサンプルとの接触は酸化剤の存在下で起こり、次いで標的リガンドの標識化結合剤への結合を評価し、これによりサンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出することを含んでなる。
一つの観点では、本発明は酸化的環境においてアッセイを操作することにより、アッセイの感度を上げる組成物および方法に関する。いかなる理論にも限定されないが、酸化的環境は結合剤/標的リガンドの相互作用を上げ、これによりアッセイが酸化的環境で操作されない場合で可能となるよりも少量の標的リガンドの検出を可能にすると考えられる。例えば一つの態様では、本発明はサンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出するための方法を企図し、この方法は標的リガンドに結合する能力を特徴とする標識化結合剤;標識化結合剤を、標的リガンドを標識化結合剤に結合するために適切な条件下で標的リガンドを含有すると思われるサンプルと接触させ、ここで標識化結合剤とサンプルとの接触は酸化剤の存在下で起こり、次いで標的リガンドの標識化結合剤への結合を評価し、これによりサンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出することを含んでなる。
別の観点では、サンプルまたは標的リガンドは任意のサンプルであるか、または任意のサンプル中に見いだされることができ、それには限定するわけではないが、生物学的(例えばタンパク質、脂質、炭水化物)、化学物質、合成物質等を含む。好適な態様では、標的リガンドまたはサンプルは生物学的物質である。例は組織、生検検体および体液である。本発明のデバイス、組成物および方法が適合する体液の例は、尿、血液(血漿を含む)、脊髄液、口腔液、精液、リンパ液等である。
上で挙げた標的リガンドは、タンパク質、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、炭水化物、核酸等でよい。標的リガンドがタンパク質である場合、任意のタンパク質が本発明の組成物および方法に適切な標的リガンドと企図される。好適な態様では、標的リガンドは抗体、抗原またはホルモンである。一つの態様では、標的リガンドは妊娠を表示するホルモンである。さらに好適な態様では、標的リガンドはHIV抗原に対する抗体である。
別の態様では、標的リガンドは非タンパク質である。非タンパク質の標的リガンドの例は、細胞膜(例えば脂肪酸、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイド、トリグリセリドおよびコレステロール)、または他の生物学系に見いだされるもののような脂質である。好適な態様では、本発明は本発明の組成物および方法がステロイド、ホルモンおよびコレステロールの検出に有用であることを意図している。非タンパク質標的リガンドへの結合剤は当該技術分野では知られており、そして抗体、酵素(および他の天然または合成の相互作用分子)等を含むことができる。他の観点では、非タンパク質標的リガンドは炭水化物(例えばグルコース、二糖、多糖等)である。一つの態様では、本発明は本発明の組成物および方法が糖尿病の診断および監視に有用となることを企図している。
本発明の幾つかの観点では、アッセイは溶液(例えば可溶性の標的リガンドの結合に関して)中で起こる。本発明の幾つかの観点では、アッセイは標的リガンドの標識化結合剤への結合に適する固体支持体上で起こる。幾つかの場合では、標的リガンドは標識化結合剤による検出前に固体支持体に結合される。他の場合では、標識化結合剤は、標的リガンドを結合する前に固体支持体に結合される。別の観点では、標識化結合剤または標識化リガンドは、例えば流体が固体支持体上または中を通過する時に、それが固体支持体に沿って移動することができるように移動可能に支持体に結合されている。以下に記載するように、固体支持体は標的リガンドおよび/または標識化結合剤の移動を可能とするために、孔を有することができる。一つの態様では、標的リガンドおよび/または標識化結合剤の移動性を可能とする固体支持体は、クロマトグラフィー片である。他の種類の固体支持体も本発明で企図し、そして以下に詳細に記載し、それらには限定するわけではないが濾紙、ニトロセルロースおよび様々な他のクロマトグラフィー媒体(ビーズ、紙および合成物質を含む)を含む。
別の態様では、本発明は内因性の尿抗体、特にHIVウイルスコートタンパク質に対する抗体の迅速な検出に適するデバイスおよび方法を提供する。内因性尿抗体を生じる他の病原体、したがって本発明を使用して検出可能なものには、例えば性的に伝播するもの、および感染性疾患の病原となることが知られているそれら生物を含む。本発明を使用して検出可能な例となる病原体および疾患状態には、クラミジア、ヘルペスウイルス、淋病、梅毒、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、A、CおよびH型肝炎ウイルス、EBV、CMV、HSV、マラリア、インフルエンザ、西ナイルウイルス、風疹、デング熱、ライム病、シャーガス、結核、トキソプラズマ症、エボラ等を含む。デバイスは、横流型デバイスで酸化的環境を開始し、かつ/または維持することができる作用物質を利用する。発明者は、酸化的環境でこのアッセイを行うことにより、本発明の標識により提示される視覚的シグナルが非酸化的環境で提示されるシグナルよりも実質的に強化されるので、本発明の感受性および特異性が従来技術のデバイスおよび方法よりも劇的に上昇することを見いだした。以下に詳細に検討するアッセイは横流型形式で行われるが、当業者はそのようなアッセイに関する酸化的環境の樹立が選択する特定のアッセイ形式にかかわらず検出を改善することを認識している。
本発明の用語の理解をさらに容易にするために、以下の定義を提供する:
I.定義
「分析ゾーン」は、試験する尿サンプルに対して内因性の標的抗体に特異的に結合する固定化された抗原を含む流路の一領域である。抗原による標的抗体の特異的結合は、標的抗体およびそれに付随する任意の分子を分析ゾーンに保持する。
「分析ゾーン」は、試験する尿サンプルに対して内因性の標的抗体に特異的に結合する固定化された抗原を含む流路の一領域である。抗原による標的抗体の特異的結合は、標的抗体およびそれに付随する任意の分子を分析ゾーンに保持する。
「サンプルゾーン」は、分析されるサンプルが置かれる分析するデバイスの流路の一領域である。本発明の内容では、サンプルゾーンには酸化剤を含むことができる。サンプルデバイスの「サンプル収集ゾーン」は、分析するデバイスのサンプルゾーンにサンプルを適用する目的で集めることができるサンプルデバイスの一領域である。
「連結ゾーン」は、サンプル中に含まれる抗体に結合するために適する標識化剤を含んでなる流路の一領域である。そのような作用物質(agent)の例を以下に記載する。
「対照ゾーン」は、試験する尿サンプルに対して内因性の標的抗体に特異的に結合する固定化された抗原を含む流路の一領域である。抗原による標的抗体の特異的結合は、標的抗体およびそれに付随する任意の分子を対照ゾーンに保持する。対照ゾーンは、分析ゾーンが試験される状態を示す抗原に特異的であるのに対し、対照ゾーンは任意の特定の抗体には特異的ではなく、そしてサンプルが抗体を含み、そしてデバイスが正しく作動することを示すためにのみ役立つ点で分析ゾーンとは異なる。
「捕捉剤」は標的抗体に特異的に結合する任意の分子である。本発明の捕捉剤は、好ましくは定めたパーン、典型的には流路に対して垂直の線でマトリックスに固定化されている。好適な捕捉試薬は抗標的抗体、プロテインAおよびプロテインGである。
「マトリックス」は流体流を支持することができる不溶性材料を指す。マトリックス材料は天然および/または合成起源の、吸収性または非吸収性の繊維状または粒状であることができる。本発明のマトリックスは、同じマトリックスの連続片として、または共通する片に沿って一貫して(consistently)、または片の異なる領域に異なる物理的または化学的特性を有するゾーンを形成するように一貫せずに(inconsistently)形成されることができる。あるいは一連の別個のパッドを、各パッドに加えられるアッセイ用の試薬を含む同じか、または異なるマトリックス材料から形成することができる。次いでこのパッドは互いに流体で連絡するように配置して、連続する流路を形成することができる。本発明のマトリックスを構築するために使用する材料は不活性であるか、または本発明の1もしくは複数の試薬と反応することができるが、ただし材料は本明細書に記載するように本発明の実施中に不溶性のままである。
「下流」とは、液体の適用点から離れて、マトリックスを通る液体の指向的流路を指す。
「上流」とは、液体の適用点に向かって、マトリックスを通る液体の指向的流路を指す。
「流路」とは、尿サンプルがマトリックスを通って進む時、尿サンプルにより取られる経路を指す。流路は好ましくは単一経路であるが、幾つかの経路を含んでもよく、この場合、各経路は他の経路に対して液体流を同時に、順次に、または独立して支持することができる。
II.はじめに
上で要約したように、本発明のデバイスは例えば患者サンプルから標的リガンドの存在を検出するために設計されている。本発明は標的リガンドの性質に限定されない。例えば標的リガンドはタンパク質(例えば抗体または抗原)、脂質(例えばコレステロール、ステロイド)、炭水化物(例えばグルコース)またはホルモン(例えばエストロゲン)であることができる。一つの例では、本発明のデバイスは例えば患者の尿サンプルに対して内因性の標的抗体の存在を検出するために設計される。本発明のデバイスにより好ましく認識される標的リガンドは、HIVタンパク質に特異的に結合するそれら抗体である。幾つかの態様ではHIVはHIV−1であり、別の態様ではHIVはHIV−2である。さらに別の態様では、1より多くの抗原が、HIV−1および/またはHIV−2に由来する多数の抗原を用いて利用される。この態様の特定の観点では、タンパク質抗原は組換えで生産される。好適な態様では、HIVタンパク質はエンベロープタンパク質である。別の好適な態様では、タンパク質はHIV−1由来のgp120もしくはgp41またはHIV−2由来のgp36の非天然ペプチド(すなわち合成)である。さらに他の態様には、上に提示したペプチドのありとあらゆる組み合わせを含む多くのHIVタンパク質を含む。幾つかの態様では、抗原はビオチン化され、そしてストレプトアビジン−ビオチンまたはアビジン−ビオチンリンカーを介してデバイスのマトリックスに連結される。
上で要約したように、本発明のデバイスは例えば患者サンプルから標的リガンドの存在を検出するために設計されている。本発明は標的リガンドの性質に限定されない。例えば標的リガンドはタンパク質(例えば抗体または抗原)、脂質(例えばコレステロール、ステロイド)、炭水化物(例えばグルコース)またはホルモン(例えばエストロゲン)であることができる。一つの例では、本発明のデバイスは例えば患者の尿サンプルに対して内因性の標的抗体の存在を検出するために設計される。本発明のデバイスにより好ましく認識される標的リガンドは、HIVタンパク質に特異的に結合するそれら抗体である。幾つかの態様ではHIVはHIV−1であり、別の態様ではHIVはHIV−2である。さらに別の態様では、1より多くの抗原が、HIV−1および/またはHIV−2に由来する多数の抗原を用いて利用される。この態様の特定の観点では、タンパク質抗原は組換えで生産される。好適な態様では、HIVタンパク質はエンベロープタンパク質である。別の好適な態様では、タンパク質はHIV−1由来のgp120もしくはgp41またはHIV−2由来のgp36の非天然ペプチド(すなわち合成)である。さらに他の態様には、上に提示したペプチドのありとあらゆる組み合わせを含む多くのHIVタンパク質を含む。幾つかの態様では、抗原はビオチン化され、そしてストレプトアビジン−ビオチンまたはアビジン−ビオチンリンカーを介してデバイスのマトリックスに連結される。
別の態様では本発明の横流型デバイスは、例えばサンプルゾーンに加えて:(a)プロテインA/コロイド状金結合を含んでなる連結ゾーン、および(b)捕捉剤を含んでなる対照ゾーンを含んでなり、ここで捕捉剤は、プロテインA/コロイド状金結合に結合するヒト尿抗体に対するプロテインAの親和性よりも高いプロテインA/コロイド状金結合に結合するヒト尿抗体に対する親和性を有する。この態様は、抗ヒトIgG抗体、そして好ましくはヤギ抗ヒトIgG抗体である捕捉剤を有することができる。本発明の別の態様は、標的抗体に特異的に結合する抗原を含んでなるサンプルゾーンの付加である。本態様の幾つかの観点は、さらに血清(例えばウシ、ブタ、鳥類の血清[好ましくはニワトリ]または他の血清)を含んでなるサンプルゾーンも有する。本発明は理論に拘束されないが、血清はブロッキング剤として機能すると考えられる。
一つの一般的態様では、本発明は本発明の横流型デバイスと連合して使用される免疫化学的サンプリングデバイスを提供し、該サンプリングデバイスは孔質層によりその近位末端の一端で囲まれている延長した支持体(芯棒)を、場合により不浸透性の保護層を有して含んでなり、ここで該孔質層はサンプルデバイスが孔質担体を含んでなる分析器デバイスと接触した時、液体サンプルにより活性化され、そして制御された様式で固定化された標識化された特異的結合試薬を含んでなる。
別の観点では、孔質層は標識化特異的結合試薬を含んでなり、そして孔質の材料の反応性基が試験する液体と反応すること、続いて少なくとも1つの特異的結合試薬を含んでなる分析器の孔質担体との接触を生じることを防ぐブロッキング溶液ですでに処理されている。サンプリングデバイスを試験する液体と接触させ、続いてドットまたはゾーンとして固定化された少なくとも1つの特異的結合試薬を含んでなる分析器デバイスの孔質担体と接触させるようにすることができる。
別の観点では、サンプリングデバイスの延長した支持体(芯棒)は木またはプラスチックで作られた延長した棒である。例えばポリプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC)を使用することができる。サンプリングデバイスはその近位末端で孔質層、およびサンプリングデバイスから分析器デバイスへの標識化結合試薬の流れを調整するための1もしくは複数の、そして好ましくは1から約5層のテープ(または類似物)を含んでなる不浸透性層により囲まれる。サンプリングデバイスの孔質層も1もしくは複数の層、好ましくは1から約5層の孔質材料を含んでなる。孔質材料は例えば、紙、グラスファイバー、ナイロン、ポリエステルまたはセルロースおよびその誘導体からなる材料の群から選択することができる。
別の観点では、サンプリングデバイスの孔質層は少なくとも1つの特異的な標識化結合試薬を含んでなる。標識化結合剤(1もしくは複数)は、サンプリングデバイスの孔質材料の一部または全部のいずれかに含浸される。
別の観点では、分析器デバイスの孔質担体はドットまたはゾーン(試験線)として直接的または間接的に固定化された少なくとも1つの特異的結合試薬を含んでなる。さらに孔質担体上の1もしくは複数のドットまたはゾーンは、対照ゾーンとして作用することができる。サンプリングデバイスは分析するデバイスと連絡して使用することができ、分析するデバイスで孔質担体はサンプル溶液が貫通できる、検出ゾーン(1もしくは複数)を含む1つの孔質通路を含んでなるが、また分析器デバイスと連絡して使用することもでき、分析デバイスでは孔質担体がドットまたはゾーンとして固定化された水路あたり少なくとも1つの特異的結合試薬を含んでなる、適切な方法により任意に作成された2以上の水路を含んでなる。分析器デバイスの孔質材料は、例えばニトロセルロース、紙、グラスファイバー、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホネートまたはセルロースおよびその誘導体からなる材料群から選択される。
分析器デバイスは種々の形態であることができる。例えばデバイスは、数種の被検体を同時に試験できるようにするために1もしくは複数の水路を含んでなることができる。異なる被検体に対して特異的なマーカーを一緒にグループ化することができ、例えば同じ分析器デバイスで異なる診断試験を形成することができる。多数の水路の分析器デバイスは、試験するサンプルが移動できる水路のネットワークを生じるために、撥水処理するか、またはそうではなく処理した孔質担体を含んでなる。異なる特異的結合試薬を各水路に結合することができる。
サンプリングデバイスおよび/または分析器デバイスの特異的結合試薬には、限定するわけではないが抗体、抗体フラグメント、組換え抗体、組換え抗体フラグメント、抗原、レクチン、受容体および/またはリガンドを含む。サンプリングデバイスおよび/または分析器デバイスに有用な標識の種類は、特異的結合剤で被覆された有色ラテックス、金、金属、色素、蛍光性物質、超磁性粒子を含む。発色物質、特に蛍光色素原および酵素的標識は、マーカーとしても使用できる。
孔質材料を不活性にするブロッキング材料は、例えばアルブミン(BSA、ウシ血清アルブミン)、およびカゼイン、またはPEG(ポリエチレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)およびPVP(ポリビニルピロリドン)のような天然または合成のポリマー、HEXA(ヘキサンスルホン酸)およびTRITON−X−100、SDS BRIJのような非イオン性界面活性剤、および糖(例えばグルコース、シュクロースおよびトレハロースまたはその誘導体)のような保存剤を含んでなる混合物である。
一つの態様では、サンプリングデバイスは約8%以下の水分含量に乾燥され、そして密閉、そして別個に包装されるか、あるいは該分析器デバイスと組み合わせて包装される。
液体サンプル中の被検体の検出は、サンプルデバイスを液体サンプルと接触させ、次いで分析器デバイスと接触させることにより達成される。液体サンプルは標識化された特異的結合試薬と一緒に、診断用サンプリングデバイスから分析するデバイスの孔質担体へ移動または流れることができるようにされ、これから陽性または陰性の結果を直接的に読み取ることができる。結果は視覚的に直接(目により)、または結果を記録できる適切な装置により読むことができる。
本発明はさらに、例えば免疫化学的サンプリングデバイスを含んでなる検出系を提供し、ここでデバイスは分析器デバイスのサンプルゾーンと接触しているか、または接触した状態におかれる。液体サンプルおよび標識化した特異的結合試薬、またはそれらから形成された反応生成物(複合体)は、サンプリングデバイスから分析器デバイスの孔質担体へ移動できるようにされる。分析器デバイスは孔質担体上に特異的結合試薬を含んでなることもできる。通常、サンプリングデバイスからの液体は分析器デバイスの孔質担体を通って拡散および/または毛細管作用により移動する。
一つの態様では、液体サンプルは尿、血液、血清、血漿、精液、口腔液またはサンプルバッファー溶液であることができる。粘稠なサンプルの場合、適切なバッファーを用いた希釈工程が企図される。特に好適な態様では、液体サンプルは尿である。
試験結果の増大した正確性に加えて、本発明のサンプリングデバイス/分析器デバイスシステムの組み合わせの他の利点は、小さい形式のサンプリングデバイスおよび分析器デバイスであり、これは物質の節約、少ない廃棄物、および低減した輸送コスト、すなわち環境に優しい製品を導く。このデバイスは冷蔵を必要としないが、冷蔵してもよい。さらに試験システムは使用し易いので、家での使用が可能となる。分析器デバイスは液体サンプルと直接接触しないので、流出は回避され、そして試験の信頼性の増大が得られる。さらにデバイスは乾燥され、そしてそれらは密閉して保存することが可能であるので、本発明のサンプリングデバイスおよび分析器デバイスは保存し易い。また上記の免疫化学的サンプリングデバイスは、分析器デバイス上でサンプルおよび/または標識化された特異的結合試薬の制御された適用を可能とする。
別の態様では、本発明のデバイスおよび方法により検出される被検体は、例えばIgG、IgMおよびIgAを含む疾患に特異的な抗体、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、A型肝、HIV1,2、呼吸疾患等に対する抗体である。尿に排出される抗原には、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)およびヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、または例えばバクテリア、ウイルス、真菌および寄生生物またはその成分および産物の抗原またはそれに対する抗体を含む。本発明のデバイスおよび方法は、妊娠、閉経、受精能、甲状腺刺激ホルモン、トキソプラスマ症、癌抗原、呼吸障害、アレルギー、心筋梗塞、薬物試験、性的に伝播する疾患等を含む広い様々な異なる試験に使用することができる。
本発明のすべての態様はキットの状態で提供することができ、そして本明細書に記載するか、または当該技術分野で知られている1もしくは複数の付属品と一緒に包装することができる。
本発明の別の態様は、患者に由来する尿サンプル中の抗体を検出する方法であり、この方法はサンプルを分析器デバイスのサンプルゾーンと接触させることを含んでなり、ここでサンプルゾーンは酸化剤を含んでなる。この方法の態様の様々な観点では、前の態様と同じ種々のバッファーおよび抗原を利用する。
本発明のさらに別の態様は、患者に由来する尿サンプル中の抗体を検出する方法であり、この方法はサンプルを分析器デバイスのサンプルゾーンと接触させることを含んでなり、ここで横流型デバイスはさらにプロテインA/コロイド状金結合を含んでなる連結ゾーン、分析ゾーン、および捕捉剤を含んでなる対照ゾーンを含んでなり、ここで捕捉剤はプロテインA/コロイド状金結合に結合するヒト尿抗体に対するプロテインAの親和性よりも高いプロテインA/コロイド状金結合に結合するヒト尿抗体に対する親和性を有する。ここでもこの態様は抗体、抗原およびバッファーに関して前の態様と同じ種々の観点を共有する。
本発明のデバイスは一連のゾーンを含んでなり、各々は化学試薬、各々のゾーンで起こる反応および/または相互作用により識別される。最少で、各デバイスは少なくとも3つのゾーン:サンプルゾーン;連結ゾーン;および分析ゾーンを含んでなる。また本発明のデバイスは、サンプル中の抗体の存在、およびデバイスが正しい操作で行われ、そして妥当な結果を提供していることを示す対照ゾーンを含むことができる。またデバイスは場合により流路中の最後のゾーンを越えた廃棄領域を含むことができ、ここで過剰なサンプルを蓄積することができる。廃棄領域は必要に応じてさらにサンプル容量をデバイスに加える能力を提供する。典型的には廃棄領域は吸収材料を含み、これはデバイスのマトリックスのありとあらゆるゾーンを形成する材料と同じでよい。
また本発明のデバイスは、サンプリングデバイスを含んでなることもできる。サンプリングデバイスは検体サンプルを集め、そしてそれを分析するデバイスに適用するために使用される。サンプリングデバイスは酸化剤および例えば生物学的検体を修飾するために使用するバッファーを含む。サンプリングデバイスの使用により、例えばサンプルを分析するデバイスにさらに制御して適用できるようになる。サンプリングデバイスの使用は、サンプルを子供、老人、衰弱している人から集めるために、あるいは例えばサンプルの分析するデバイスへの正確な適用が精密な試験結果を確実にするために重要となる場合に好適となり得る。分析するデバイスは上記のようにサンプル、連結、分析ゾーンおよび任意に対照ゾーンおよび廃棄領域を含んでなる。
以下の章では本発明のデバイスで見いだされるゾーンの詳細な説明、およびこれらのゾーンを流路に沿ってどのように配置して妥当な診断結果を作成するかを提供する。この記載により、デバイスの操作法が明らかになる。
III.分析するデバイスの構造
一般に、本発明のデバイスは尿サンプルの連続流が、デバイスの各ゾーンを含んでなる流路に沿って可能となるように設計されている。すなわち、サンプルゾーンに適用された尿サンプルは続く各ゾーン中の試薬に連続的に遭遇し、これにより予め定めた一連の反応がサンプル成分と各ゾーンに存在する試薬との間で起こることが可能となる。デバイスを通る液体流は、以下に記載する多数の機能を行うマトリックス材料により制御される。マトリックス材料は、以下に検討するように任意に囲いの中に配置することができる。マトリックスおよび囲いを検討した後、各デバイスに包含されるゾーンを個別に、尿サンプルがデバイスの流路を移動する(traverse)時に尿サンプルにより遭遇する順序で記載する。
一般に、本発明のデバイスは尿サンプルの連続流が、デバイスの各ゾーンを含んでなる流路に沿って可能となるように設計されている。すなわち、サンプルゾーンに適用された尿サンプルは続く各ゾーン中の試薬に連続的に遭遇し、これにより予め定めた一連の反応がサンプル成分と各ゾーンに存在する試薬との間で起こることが可能となる。デバイスを通る液体流は、以下に記載する多数の機能を行うマトリックス材料により制御される。マトリックス材料は、以下に検討するように任意に囲いの中に配置することができる。マトリックスおよび囲いを検討した後、各デバイスに包含されるゾーンを個別に、尿サンプルがデバイスの流路を移動する(traverse)時に尿サンプルにより遭遇する順序で記載する。
A.マトリックス
本発明の分析するデバイスに使用するために適するマトリックスは、流体流を支持することができる不溶性材料である。マトリックス材料は天然および/または合成起源でよく、孔質の吸収性または非吸収性の、繊維状または粒状である。それらは同じ材料の連続片として、共通する片に沿って一貫して分配される異なる材料の混合体として、または片の異なる領域に物理的または化学的特性を有する領域を形成する一貫せずに分配される混合体として形成されることができる。あるいはマトリックスは2以上のマトリックス材料のパッドから形成することができる。次いでこのパッドは互いに流体で連絡するように配置されて、デバイスの流路を形成することができる。一連のパッドから流路を構築することは、デバイスが複数のゾーンを必要とする時に特に有用となり、各々が異なる組の試薬を含んでなるか、または本発明の幾つかの態様の場合のように互いに排他的な方法を使用して調製される。本発明のマトリックスを構築するために使用する材料は不活性であるか、または本発明の1もしくは複数の試薬と反応することができるが、ただしマトリックスを形成する材料は本明細書に記載するように本発明の実施中に不溶性のままである。
本発明の分析するデバイスに使用するために適するマトリックスは、流体流を支持することができる不溶性材料である。マトリックス材料は天然および/または合成起源でよく、孔質の吸収性または非吸収性の、繊維状または粒状である。それらは同じ材料の連続片として、共通する片に沿って一貫して分配される異なる材料の混合体として、または片の異なる領域に物理的または化学的特性を有する領域を形成する一貫せずに分配される混合体として形成されることができる。あるいはマトリックスは2以上のマトリックス材料のパッドから形成することができる。次いでこのパッドは互いに流体で連絡するように配置されて、デバイスの流路を形成することができる。一連のパッドから流路を構築することは、デバイスが複数のゾーンを必要とする時に特に有用となり、各々が異なる組の試薬を含んでなるか、または本発明の幾つかの態様の場合のように互いに排他的な方法を使用して調製される。本発明のマトリックスを構築するために使用する材料は不活性であるか、または本発明の1もしくは複数の試薬と反応することができるが、ただしマトリックスを形成する材料は本明細書に記載するように本発明の実施中に不溶性のままである。
適切なマトリックス材料は一般に疎水性であるか、または親水性にすることができ、そしてシリカおよびアルミナのような有機粉末;グラスファイバー濾紙;天然のポリマー性物質、特に濾紙のようなセルロースに基づく材料、クロマトグラフィーペーパー等が特に好適であり;ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、架橋結合デキストラン、アガロース等のような合成または修飾された天然に存在するポリマー;を単独または他の材料と組み合わせて使用することができる。またマトリックス材料は官能基を含んでもよく、または本発明の試薬または抗原の共有結合を可能とするように官能化することができる。
マトリックス材料は好ましくはデバイスの操作中にサンプルがたどる流路を定め、したがってデバイスのアッセイに使用するための試薬は、以下に記載するように典型的にはマトリックス材料に粉末または溶液として直接加えられる。
1.酸化試薬
本発明の態様は、サンプル流が酸化的環境で起こる(分析するデバイス中、場合によってはサンプルデバイス中)。これに関して、作用物質を分析するデバイス、および場合により特定の分析するデバイスにより検出されるサンプル原(sample agent)に酸化的環境を作るサンプルデバイスに加える。本発明のこの目的に有用な作用物質には、限定するわけではないが過酸化水素、約3%のスズ酸カリウムで安定化された過酸化尿素、ヨウ素酸カリウム、約0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含むシュクロース(例えば約1%で)、チメロサール、カリウムスーパーオキシド、過塩素酸カリウムおよび過マンガン酸カリウムからなる群から選択される1もしくは複数の試薬である。
本発明の態様は、サンプル流が酸化的環境で起こる(分析するデバイス中、場合によってはサンプルデバイス中)。これに関して、作用物質を分析するデバイス、および場合により特定の分析するデバイスにより検出されるサンプル原(sample agent)に酸化的環境を作るサンプルデバイスに加える。本発明のこの目的に有用な作用物質には、限定するわけではないが過酸化水素、約3%のスズ酸カリウムで安定化された過酸化尿素、ヨウ素酸カリウム、約0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含むシュクロース(例えば約1%で)、チメロサール、カリウムスーパーオキシド、過塩素酸カリウムおよび過マンガン酸カリウムからなる群から選択される1もしくは複数の試薬である。
一つの態様では、酸化剤(1もしくは複数)は分析するデバイス、および場合によりデバイスの構築後のサンプルデバイスに加えられる。次いで酸化剤(1もしくは複数)は、デバイスに沿って約8%以下の水分含量に乾燥される。次いで酸化剤(1もしくは複数)は、サンプルとの接触で溶解する。
別の態様では、本発明で使用する酸化剤(1もしくは複数)は好ましくはデバイスの操作前に本発明のデバイスのマトリックスに適用される。酸化剤(1もしくは複数)は、マトリックスがサンプルと接触した時に酸化剤(1もしくは複数)が効果を有する溶液の形成を可能とする任意の様式で適用することができる。例えば酸化剤(1もしくは複数)は乾燥粉末としてマトリックスに適用されるか、または好ましくは溶液として適用され、これは続いてマトリックス中で乾燥または凍結乾燥される。
2.ブロッキング剤
本来吸収性の材料を本発明のマトリックス材料として使用することができるが、本発明のデバイスを通る流体流は好ましくは実際、非吸収性である。
本来吸収性の材料を本発明のマトリックス材料として使用することができるが、本発明のデバイスを通る流体流は好ましくは実際、非吸収性である。
吸収性材料は、ブロッキング剤の適用により非吸収性の流れの特徴を現す材料に転換することができる。これらの作用物質は、吸収特性を生じる相互作用力を隠す(obscure)ことができる界面活性剤、糖またはタンパク質でよい。例示的なタンパク質ブロッキング剤にはウシ血清アルブミン(そのままで、またはメチル化もしくはスクシニル化した状態で)、ウマ血清もしくはウシ胎児血清のような動物の全血清、および他の血液タンパク質を含む。好適なブロッキング剤は、ガチョウまたは七面鳥の血清のような鳥類の血清、最も好ましくはニワトリの血清である。タンパク質ブロッキング剤の他の例には、カゼインおよび脱脂粉乳を含む。界面活性剤に基づくブロッキング剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両イオン性形態から選択され、その選択はブロッキングされるマトリックスの性質に基づく。Tween20は膜のブロッキングに特に有用な界面活性剤である。ブロッキング剤として有用な糖の例にはシュクロースおよびフルクトースを含む。
ブロッキング剤の吸収性マトリックスへの適用は、表面の望ましくない反応物を処理するために効果的な濃度でブロッキング剤の溶液を用いてマトリックスを処理することにより行うことができる。一般にこの処理は、およそ室温で数分から数時間の間、1〜20mg/mlタンパク質のタンパク質溶液のようなブロッキング溶液を用いて行われる。次いで生じた被覆された材料は風乾、凍結乾燥、または他の乾燥法により表面に永久的に吸着される。
本来吸収性であるが、非吸収性の流れ特性に転換可能なマトリックスの使用は、抗原および捕捉試薬を固定化するために特に有用である。例えば捕捉試薬をブロッキング剤の適用前にマトリックスに適用し、そしてその場に固定化させることができる。いったん捕捉剤がマトリックスに固定化されれば、次いでブロッキング剤を適用することができる。
B.囲い
本発明の分析するデバイスのマトリックスは、保護的および機能的である囲いの中に配置することができる。一つの好適な態様では、囲いは尿サンプルを受けるための少なくとも1つの口を有し、そしてサンプルの流体流をサンプルゾーンと接触することを導くことに適合している。またこの囲いは、選択した流路の部分、好ましくは分析ゾーンおよび/または対照ゾーンへの接近を可能とする窓を有することができる。この種の囲いを有する態様は、「カセットデバイス」と呼ばれている。
本発明の分析するデバイスのマトリックスは、保護的および機能的である囲いの中に配置することができる。一つの好適な態様では、囲いは尿サンプルを受けるための少なくとも1つの口を有し、そしてサンプルの流体流をサンプルゾーンと接触することを導くことに適合している。またこの囲いは、選択した流路の部分、好ましくは分析ゾーンおよび/または対照ゾーンへの接近を可能とする窓を有することができる。この種の囲いを有する態様は、「カセットデバイス」と呼ばれている。
あるいはマトリックスは支持されずに、または好ましくは不浸透性であり、そしてマトリックスの物理的完全性を維持する耐久性材料から形成された裏材により支持されて提供され得る。この種の構造を有する態様は、「ディップスティック」と呼ばれる。
第3のデバイスの態様には、カセットデバイスに類似する保護的囲いを含むが、囲いから外に延びるサンプルゾーンを、尿サンプルに浸すことができるウィックを形成する。これらの主題に関する他の変形も企図し、そして当業者には容易に確認され、そして想定される。
囲いは当業者に知られている任意の適切な材料から構築され得る。流路と接触している流体中の囲いの成分は、流路に沿った流体流を妨害すべきではなく、したがって疎水的すぎることはできないと容易に考えられる。逆に流路と接触している囲いの材料は、親水性すぎることもできず、すなわちサンプルはハウジングの壁に沿って流路を仕切り、そして移動するだけである。
C.デバイスゾーン
本発明のデバイスは、デバイスに適用された尿サンプルに内因性の抗体と相互作用することができる試薬を含む少なくとも3つのゾーンを有する。サンプルゾーンは最初に尿サンプルを受ける。尿の例えばサンプルゾーンへの適用は、尿流を適用(stream application)することにより、あるいは尿の事前の採取に続いてサンプルをサンプルゾーンへ、尿サンプルの含浸、ピペッティングまたは注ぐことによる接触により、あるいはサンプルデバイスからサンプルの適用を介して達成することができる。尿サンプルは好ましくは希釈されずに、そして患者から集めた直後に適用される。必要ならば、本発明を使用して分析される尿サンプルは室温で限定された期間(例えば最高1週間)、または冷蔵もしくは凍結してさらに長い期間、保存することができる。好ましくはサンプルゾーンはデバイスの操作中に酸化的環境を樹立するために十分な作用物質(1もしくは複数)を含む。酸化剤(1もしくは複数)は、上記のようにデバイスの操作を通して望ましい酸化的特性を提供するために十分な量でサンプルにより容易に可溶化されるべきである。
本発明のデバイスは、デバイスに適用された尿サンプルに内因性の抗体と相互作用することができる試薬を含む少なくとも3つのゾーンを有する。サンプルゾーンは最初に尿サンプルを受ける。尿の例えばサンプルゾーンへの適用は、尿流を適用(stream application)することにより、あるいは尿の事前の採取に続いてサンプルをサンプルゾーンへ、尿サンプルの含浸、ピペッティングまたは注ぐことによる接触により、あるいはサンプルデバイスからサンプルの適用を介して達成することができる。尿サンプルは好ましくは希釈されずに、そして患者から集めた直後に適用される。必要ならば、本発明を使用して分析される尿サンプルは室温で限定された期間(例えば最高1週間)、または冷蔵もしくは凍結してさらに長い期間、保存することができる。好ましくはサンプルゾーンはデバイスの操作中に酸化的環境を樹立するために十分な作用物質(1もしくは複数)を含む。酸化剤(1もしくは複数)は、上記のようにデバイスの操作を通して望ましい酸化的特性を提供するために十分な量でサンプルにより容易に可溶化されるべきである。
サンプルゾーンに適用されるサンプルは、最初に連結ゾーンに移動し、ここで以下に記載するように尿サンプルに内因性の抗体が標識にカップリングされた標識化試薬と相互作用する。この相互作用は標識化抗体結合を形成する。
次いで標識化抗体結合は分析ゾーンに移動し、ここで標的抗体に特異的に結合する抗原がマトリックスに固定化される。標識化抗体結合の抗体が標的抗体であるならば、固定化抗原は標的抗体に特異的に結合し、標識化抗体結合をマトリックスに固定化する。この様式では標識が分析ゾーンに蓄積し、ここでそれを検出することができ、尿サンプル中の標的抗体の存在を表示する。標識化抗体結合が標的抗体を含まないならば、これは流路に沿って続き、そして標識は分析ゾーンに蓄積しない。
本発明のデバイスは任意に対照ゾーンを含むことができる。対照ゾーン内では、捕捉試薬がマトリックスに固定化される。捕捉試薬は対照ゾーン内に対照線を形成するように沈積され、そして複合体に付随する抗体の性質にかかわらず標識化抗体結合に結合する。これにより標識化抗体結合が対照線に沿って蓄積できるようにし、対照ゾーン中に標識が蓄積し、これはデバイスが正しく作動していることを示す。存在する場合には対照ゾーンは連結ゾーンから下流、好ましくは分析ゾーンから下流にある。
またデバイスは任意に上に記載したゾーンのすべてから下流に廃棄領域を含むことができる。廃棄領域は上で検討したマトリックス材料の単に延長部でよいが、好ましくはデバイスに適用できる尿サンプルの量を最大にすることを援助する吸収性材料から構築される。
本発明をさらに良く説明するために、この章で述べた各ゾーンを以下でさらに完全に検討する。
1.サンプルゾーン
サンプルゾーンはサンプル(例えば尿)を本発明の操作者から受ける。サンプルゾーンは典型的には低い標的抗体保持を現す材料から構築される。したがって本発明のブロッキング剤は、本発明の操作中に標的抗体とマトリックス材料との相互作用を防止するために十分な量でサンプルゾーンに適用される。サンプルゾーンでの使用に特に有利なブロッキング剤は、鳥類の血清、より好ましくはニワトリの血清である。好適な態様では、サンプルゾーンは、ポリビニルピロリドン、ウシ血清アルブミン、鳥類血清、硼酸および/または炭酸バッファー(〜0.5M)、およびtriton X−100またはtween−20界面活性剤を含有する溶液に含浸したガラスファイバーパッドから調製される。このパッドは過剰なバッファーを除去するために絞られ、そしてパッドは30℃で一晩乾燥させる。この取り組みの利点は、サンプルゾーンの増大する湿潤性および運搬作用(wicking action)である。幾つかの態様では、サンプルゾーンは機械的フィルターとしても機能することができ、望ましくない粒子を封入する。
サンプルゾーンはサンプル(例えば尿)を本発明の操作者から受ける。サンプルゾーンは典型的には低い標的抗体保持を現す材料から構築される。したがって本発明のブロッキング剤は、本発明の操作中に標的抗体とマトリックス材料との相互作用を防止するために十分な量でサンプルゾーンに適用される。サンプルゾーンでの使用に特に有利なブロッキング剤は、鳥類の血清、より好ましくはニワトリの血清である。好適な態様では、サンプルゾーンは、ポリビニルピロリドン、ウシ血清アルブミン、鳥類血清、硼酸および/または炭酸バッファー(〜0.5M)、およびtriton X−100またはtween−20界面活性剤を含有する溶液に含浸したガラスファイバーパッドから調製される。このパッドは過剰なバッファーを除去するために絞られ、そしてパッドは30℃で一晩乾燥させる。この取り組みの利点は、サンプルゾーンの増大する湿潤性および運搬作用(wicking action)である。幾つかの態様では、サンプルゾーンは機械的フィルターとしても機能することができ、望ましくない粒子を封入する。
さらに、そして最少で、サンプルゾーンは上記のような1もしくは複数の酸化剤を含んでなる。別の態様では、ありとあらゆる他のゾーン(連結、分析および対照)は、上記のような1もしくは複数の酸化剤を含んでよい。実際に、全マトリックスが上記のような1もしくは複数の酸化剤を含んでよい。サンプルがサンプルゾーンを通って流れる時、酸化剤(1もしくは複数)は可溶化され、そしてデバイスを通って流体流に加わる。
2.連結ゾーン
連結ゾーンはサンプルゾーンから下流にあり、そして標識に直接的または間接的にカップリングされる標識化剤を含んでなる標識部分を含む。本明細書に記載するような標識化剤および標識をカップリングする方法は、当業者には周知である。
連結ゾーンはサンプルゾーンから下流にあり、そして標識に直接的または間接的にカップリングされる標識化剤を含んでなる標識部分を含む。本明細書に記載するような標識化剤および標識をカップリングする方法は、当業者には周知である。
標識部分は、尿サンプルのような液体サンプルとの接触で標識部分が流体流中で容易に可動性となることを可能にする様式で、連結ゾーンのマトリックス中に沈積される。これを達成するために、連結ゾーンのマトリックスは、例えばスピン結合したポリエステルから形成され、そしてそれを例えばポリビニルピロリドン、ニワトリの血清、ウシ血清アルビミン、炭酸および/または硼酸バッファーを含有するバッファーに含浸ことによりブロッッキンする。次いで連結ゾーンは50℃および強制空気加熱で50分間、乾燥させる。標識部分は、例えば接触チップまたはエーロゾルチップのいずれかを使用して、パット上にストライプされる(striped)。過酸化尿素または他の酸化剤は、ストリッピング前に標識部分に加えられる。ストライピング前に、結合は好ましくは安定化される。例えば標識部分を単純または複雑な糖溶液中(例えば20重量:容量%のシュクロースおよび5重量:容量%のトレハロース.10%デキストリン)に置くことができる。
サンプルが連結ゾーンを通って流れる時、標識部分は可溶化され、そしてデバイスを通る流体流と一緒になる。適切な標識化剤および標識の両方をさらに以下で検討する。
a)標識化剤
本発明の標識化剤は、尿素サンプルに内因性の抗体に特異的に結合することが好ましい。尿サンプルに内因性の抗体に結合することができる適切な標識化剤には、プロテインGおよびプロテインAのようなバクテリアのタンパク質、および特定の抗体型を認識する抗体を含む。例えばヤギ抗−ヒトIgGは、例えばヒト患者からの尿サンプルに内因性の任意のIgG抗体に結合するために使用することができる。
本発明の標識化剤は、尿素サンプルに内因性の抗体に特異的に結合することが好ましい。尿サンプルに内因性の抗体に結合することができる適切な標識化剤には、プロテインGおよびプロテインAのようなバクテリアのタンパク質、および特定の抗体型を認識する抗体を含む。例えばヤギ抗−ヒトIgGは、例えばヒト患者からの尿サンプルに内因性の任意のIgG抗体に結合するために使用することができる。
使用する標識化試薬にかかわらず、尿サンプル中に標的抗体が不存在であっても、標識化抗体結合は常に連結ゾーンから生じる。標識化剤が標的抗体の不存在下にある場合、尿サンプルは検出可能な標識化抗体結合を形成するのに十分な内因性抗体を含むことが知られているので、標識化抗体結合は尿サンプルに一般に内因性の抗体を含む。
b)標識
本発明の使用に適する標識は、可視または可視でなくてもよいが、分析ゾーンに蓄積すれば検出することができる。本発明の使用に適する標識には、限定するわけではないが粒子部分および酵素を含む。可視標識は、十分な量で存在する場合に可視の色素または着色されたポリマーでよい。好ましい標識は、着色されたラテックスビーズ、リポソームまたは金属性、有機性、無機性もしくは色素溶液、蛍光粒子、着色したまたは有色細胞もしくは生物、赤血球等のような粒子である。金属ゾル粒子、着色した、または蛍光標識したミクロ粒子は裸眼で見ることができるか、または適切な装置(分光計、蛍光リーダー等)で読むことができるべきである。あるいは放射性同位元素を使用してもよい。
本発明の使用に適する標識は、可視または可視でなくてもよいが、分析ゾーンに蓄積すれば検出することができる。本発明の使用に適する標識には、限定するわけではないが粒子部分および酵素を含む。可視標識は、十分な量で存在する場合に可視の色素または着色されたポリマーでよい。好ましい標識は、着色されたラテックスビーズ、リポソームまたは金属性、有機性、無機性もしくは色素溶液、蛍光粒子、着色したまたは有色細胞もしくは生物、赤血球等のような粒子である。金属ゾル粒子、着色した、または蛍光標識したミクロ粒子は裸眼で見ることができるか、または適切な装置(分光計、蛍光リーダー等)で読むことができるべきである。あるいは放射性同位元素を使用してもよい。
本発明の好適な標識は、好ましくは10nmより大きく、より好ましくは約20〜100nmの範囲、そして最も好ましくは20〜40nmの範囲のコロイド状金粒子である。本発明に従い使用する金ゾル粒子は、周知の方法により調製することができる:例えばG.Frens,Nature,241,20−22(1973)。金の金属ゾルに加えて、粒子は白金、金、銀、セレンまたは銅、あるいは特徴的な色を現す任意の数の金属化合物から作ることができる。カップリング金属、金属化合物および金属もしくは金属化合物で被覆されたポリマー核は当該技術分野で知られ、そして米国特許第4,313,734号明細書に記載されている。当該技術分野で既知の他の方法を使用して、被検体を金粒子に付けることができる。この方法には限定するわけではないが、電子対を共有するカップリングおよび疎水結合を含む。
3.分析ゾーン
分析ゾーンは連結ゾーンから下流の流路にある。分析ゾーンは標的抗体と特異的に結合する固定化された抗原を含み、そしてそうすることで標識化抗体結合をマトリックスに固定化する。固定化された抗原は、標的抗体と特異的に結合する任意の抗原でよいが、好ましくはHIVタンパク質、好ましくはHIVエンベロープタンパク質、より好ましくはHIV−1のgp120またはgp41あるいはHIV−2のgp36由来の1もしくは複数のペプチドである。
分析ゾーンは連結ゾーンから下流の流路にある。分析ゾーンは標的抗体と特異的に結合する固定化された抗原を含み、そしてそうすることで標識化抗体結合をマトリックスに固定化する。固定化された抗原は、標的抗体と特異的に結合する任意の抗原でよいが、好ましくはHIVタンパク質、好ましくはHIVエンベロープタンパク質、より好ましくはHIV−1のgp120またはgp41あるいはHIV−2のgp36由来の1もしくは複数のペプチドである。
本発明に使用するために適する抗原は、当業者に周知な方法を使用して天然、化学合成または組換え生産を含む任意の供給源から得ることができる。例えばペプチドは固相ペプチド合成技術を使用して化学的に合成されるか、あるいは所望するペプチドをコードする核酸を発現ベクターに操作可能に連結し、そして核酸を適切な宿主で発現することにより組換え的に生産される。いったん単離されれば、ペプチドは既知の技術を使用してビオチン化することができる。
適切な抗原は、抗原の標的抗体に対する特異的結合を破壊しない当業者に知られている任意の方法を使用してマトリックスに固定化することができる。好ましくは抗原はマトリックスに、ビオチン/ストレプトアビジンリンカーを使用して固定化され、最も好ましくは抗原はビオチンにカップリングされ、そしてストレプトアビジンと複合化された後にストレプトアビジンがマトリックスにカップリングされる。複合体のストレプトアビジンのマトリックスへのカップリングは、典型的にはブロッキング前、例えば吸収性マトリックスを当業者に周知な技術を使用してブロッキングする前に行われる。好ましくはカップリングは、各ビオチン部分に相当する少なくとも2:1の比率のストレプトアビジン結合部位を含有する溶液中で達成されるが、とりわけ0.5:1、1:1、3:1、4:1および5:1のような他の比率、およびすべての中間(分数)比率も、本発明の一部であることを企図している。吸収性のマトリックスについて、最終的な複合体をマトリックス材料に単に適用し、そして乾燥に続いて適切なブロッキング剤によりブロッキングすることができる。
抗原のマトリックスへの固定化は、好ましくは固定化された抗原に特異的に結合する標識化抗体結合を濃縮するために役立つ様式で成される。標識化抗体結合を濃縮することにより、標識により生成されるシグナルは強化され、感度が向上し、そして誤り易い結果を得る可能性を最少にする。
典型的には標識のシグナルは尿サンプルがサンプルゾーンに適用された後、15から60分の間、より好ましくは15から45分の間、そして最も好ましくは15から30分の間に観察され得る。上記のような有色標識により生成されるシグナルは、一般にさらに処理せずにデバイスから直接検出することができる。蛍光標識は検出するために蛍光計が必要となるかもしれない。金属ゾル標識により生成されるシグナルは、当業者に周知な方法により銀塩溶液を使用して強化することができる。同様に、酵素を使用する場合、標識は検出可能な生成物を生成する酵素標識の基質と接触させなければならない。すなわちこれらの強化された方法は、有色粒状標識を用いて行う日常的な単工程アッセイから逸脱し、そしてマトリックスとしてのゾルを標識が検出される前に発色溶液(銀塩または基質溶液)と接触させなければならない。
4.対照ゾーン
本発明のデバイスは、任意に対照ゾーンを含む。対照ゾーンは、存在するならば、連結ゾーンから下流の流路であり、好ましくは分析ゾーンの下流である。
本発明のデバイスは、任意に対照ゾーンを含む。対照ゾーンは、存在するならば、連結ゾーンから下流の流路であり、好ましくは分析ゾーンの下流である。
対照ゾーンはサンプル(例えば尿)に内因性の抗体に特異的に結合する捕捉試薬を含み、そして好ましくは対照ゾーン内に固定化されて、捕捉試薬により結合された任意の標識化抗体結合を濃縮する対照線を形成する。捕捉試薬はプロテインAまたはGのような1クラスの抗体に対する親和性を有するタンパク質でよいが、これら抗体結合分子は、発明の標識化試薬として使用されない場合、本発明の捕捉試薬としてのみに使用することができる。好適な捕捉試薬は、本発明の操作条件下でプロテインAよりも大きい内因性のサンプル抗体に対する親和性を有する。好適な捕捉試薬には、上記のようにサンプルに貢献するもの以外の種に由来する抗−IgG抗体を含む。
本発明の使用に適する捕捉試薬は、固定化抗原について上に記載したようなものを含め、既知の技術を使用してマトリックスに固定化される。捕捉試薬は好ましくはビオチン/ストレプトアビジンリンカーを使用してマトリックスに固定化される。最も好ましくは、上記のように捕捉試薬はビオチンにカップリングされ、そしてストレプトアビジンと複合化された後、ストレプトアビジンがマトリックスにカップリングされる。吸収性マトリックスに関しては、マトリックス材料は再度、例えば0.25%BSAおよび0.025%tween−20を含む0.01Mのリン酸カリウム溶液を含む溶液を使用してブロッキングされなければならない。次いで膜は50℃で一晩乾燥される。
正しく操作する場合、捕捉試薬は非結合の標識化抗体結合が消費されるか、あるいは捕捉試薬が飽和となるまですべての標識化抗体結合に結合し続ける。健康な哺乳動物からの尿サンプルは内因性のIgGを含み、そして標識にカップリングする標識化剤のモル量は、好ましくは固定化される抗原のモル量を越えるので、標識化抗体結合は常に捕捉試薬に結合できるべきであり、対照線にシグナルを生じる。したがって対照線でシグナルを検出できないことは通常、欠陥のあるデバイスまたはデバイスの操作が悪いことを示すが、サンプル中にIgGが不存在であることを示す可能性もある。
IV.サンプルデバイスの構造
本発明のサンプリングデバイスは、延長した支持体(芯棒)を含んでなる。サンプリングデバイスの延長した支持体(芯棒)は、木またはプラスチック(例えばポリプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC))から作られている延長した棒である。サンプリングデバイスは、その近位末端で孔質層、およびサンプリングデバイスから分析器デバイスへの標識化結合試薬の流れを調整するための1もしくは複数の、そして好ましくは1から5層のテープ(または類似物)を含んでなる不浸透性層により囲まれる。サンプリングデバイスの孔質層も1もしくは複数の層、好ましくは1から5層の孔質材料を含んでなる。孔質材料は例えば、紙、グラスファイバー、ナイロン、ポリエステルまたはセルロースおよびその誘導体からなる材料の群から選択することができる。
本発明のサンプリングデバイスは、延長した支持体(芯棒)を含んでなる。サンプリングデバイスの延長した支持体(芯棒)は、木またはプラスチック(例えばポリプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC))から作られている延長した棒である。サンプリングデバイスは、その近位末端で孔質層、およびサンプリングデバイスから分析器デバイスへの標識化結合試薬の流れを調整するための1もしくは複数の、そして好ましくは1から5層のテープ(または類似物)を含んでなる不浸透性層により囲まれる。サンプリングデバイスの孔質層も1もしくは複数の層、好ましくは1から5層の孔質材料を含んでなる。孔質材料は例えば、紙、グラスファイバー、ナイロン、ポリエステルまたはセルロースおよびその誘導体からなる材料の群から選択することができる。
孔質層は棒の一末端の回りに適用される。孔質層はブロッキング剤(例えばBSA、カゼイン、血清等)で処理された標識化特異的結合試薬を含んでなり、これにより孔質材料の反応性基が試験する液体と反応することを防ぐ。サンプリングデバイスは試験する液体と接触させることができ、そして続いて少なくとも1つの特異的な固定化された結合試薬を含んでなる分析器デバイスの孔質担体と接触させることができる。
別の態様では、サンプリングデバイスの孔質層は少なくとも1つの特異的な標識化結合試薬を含んでなる。標識化結合剤(1もしくは複数)は、サンプリングデバイスの孔質材料の一部または全部のいずれかに含浸される。
V.キット
また本発明は、上記の1もしくは複数のデバイスを含むキットも提供する。各キットは任意に同封するデバイス(1もしくは複数)の使用説明を提供する包装インサート、デバイス(1もしくは複数)の品質試験用の陽性および陰性対照溶液を含むバイアル、本発明のアッセイが完了した時を決定するために使用できるタイマー、採尿器(例えば尿サンプル容器または他の採集デバイス)、1もしくは複数の移動ピペットおよび/またはバイオハザードの使い捨て容器を含む。
また本発明は、上記の1もしくは複数のデバイスを含むキットも提供する。各キットは任意に同封するデバイス(1もしくは複数)の使用説明を提供する包装インサート、デバイス(1もしくは複数)の品質試験用の陽性および陰性対照溶液を含むバイアル、本発明のアッセイが完了した時を決定するために使用できるタイマー、採尿器(例えば尿サンプル容器または他の採集デバイス)、1もしくは複数の移動ピペットおよび/またはバイオハザードの使い捨て容器を含む。
前述の本発明は、明確さおよび理解のために具体的説明および例により幾分詳細に記載されたが、当業者は本発明の教示に照らして、特定の変更および修飾が添付する特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱せずにそれらについて行うことができることは容易に明らかである。
実験
上に提供した開示から想定されるように、本発明は広範な応用を有する。しだかって以下の実施例は具体的説明を目的とするために提供され、そして本発明をどのようにも限定するものとは解釈されない。当業者は本質的に類似の結果を生じるために、変更または修飾することができる種々の非臨界的パラメーターを容易に認識する。
上に提供した開示から想定されるように、本発明は広範な応用を有する。しだかって以下の実施例は具体的説明を目的とするために提供され、そして本発明をどのようにも限定するものとは解釈されない。当業者は本質的に類似の結果を生じるために、変更または修飾することができる種々の非臨界的パラメーターを容易に認識する。
実施例1
酸化試薬を使用して、HIV−1尿抗体試験における疑陽性の反応性における低減について、本発明の方法および作用物質の効果を証明するために。
酸化試薬を使用して、HIV−1尿抗体試験における疑陽性の反応性における低減について、本発明の方法および作用物質の効果を証明するために。
この実施例は本発明のイムノアッセイデバイスが、従来技術の方法よりも低減した疑陽性の率を有することを証明する。
本発明のイムノアッセイデバイスは、以下の成分から構築された:
パッドを、リン酸カリウムバッファー中の40%ニワトリ血清(熱不活性化し、そして濾過した)、0.2%tectronicT−904を含有する溶液に含浸することによりバッファーでブロッキングおよび装填したガラスファイバーサンプルゾーンパッド。酸化剤が分析するデバイスに加えられる例では、バッファーは1mM スズ酸カリウムおよび0.2%過酸化尿素も含んでなった。パッドを絞って過剰な液体を除去し、そして30℃で一晩乾燥した。
パッドを、リン酸カリウムバッファー中の40%ニワトリ血清(熱不活性化し、そして濾過した)、0.2%tectronicT−904を含有する溶液に含浸することによりバッファーでブロッキングおよび装填したガラスファイバーサンプルゾーンパッド。酸化剤が分析するデバイスに加えられる例では、バッファーは1mM スズ酸カリウムおよび0.2%過酸化尿素も含んでなった。パッドを絞って過剰な液体を除去し、そして30℃で一晩乾燥した。
分析ゾーンのパッドは、ストレプトアビジン/ビオチン連結を使用してスピンポリエステル膜にカップリングしたHIV抗原を含んだ。簡単に説明すると、アビジンを100mg/ml溶液で調製した。HIV−1およびHIV−2ペプチドは、各々10mg/mlで調製した。アビジンおよびHIVペプチドは、1個のビオチン部分あたり2.1個のアビジン結合部位の比率で一緒に混合した。反応は室温(25℃)で5分間行った。溶液はDI水/5%イソプロピルアルコール溶液を使用してそれらの最終容量とした。次いでこれらの溶液は、ライナーストライパーを使用して膜にストライプした。膜は50℃で4時間乾燥させ、そしてブロッキング溶液(0.25%のBSAおよび0.025%のtween−20を含む0.01Mリン酸カリウム溶液)中で一晩ブロッキングした。
連結ゾーンのパッドは、エーロゾルチップを使用してパッドに標識部分をストライピングすることにより、スピン結合したポリエステル膜から調製した。ストライピングする前に、標識部分は20重量/容量%のシュクロースおよび5重量/容量%のトレハロース(トレハロースは安定化剤および増粘剤として使用される二糖である)を使用して安定化した。次いでパッドはポリビニルピロリドン、ニワトリ血清、ウシ血清アルブミンおよび炭酸バッファーを含むバッファーに浸し、そして50℃で強制空気を使用して50分間乾燥した。
デバイスの対照ゾーンの対照線は、ヒト抗体のFcフラグメントに特異的なヤギ抗体のF(AB)フラグメントを水で希釈することにより調製した。次いで生じた溶液は、エーロゾルチップを使用してニトロセルロース上に噴霧した。この膜を50℃で4時間乾燥させ、そしてブロッキング溶液(0.25%のBSAおよび0.025%のtween−20を含む0.01Mリン酸カリウム溶液)中で50℃にて一晩ブロッキングした。
次いで得られた膜は、互いに連結ゾーンの上流のサンプルゾーンと;分析ゾーンの上流の連結ゾーンと;そして対照ゾーンの上流の分析ゾーンと、という関係で流体連絡するように配置された。
デバイスは4滴(50〜100μl)の尿(または特定の試験では、酸化剤を含んでなる尿)をサンプルゾーンに加えることにより操作した。結果は室温で20および45分後にデバイスから読んだ。対照線に現れた陽性シグナル(例えば着色した線)は、試験が正しく機能していることを意味した。対照線に陽性のシグナルが現れない稀な出来事では、サンプルが抗体を含んでいないかもしれないし、あるいはデバイスに欠陥があり、捨て、そしてイムノアッセイを新しいデバイスで再度行った。
抗原に対応する分析ゾーンの陽性シグナルは、抗原に対する尿サンプル中の抗体の存在を示す。本分析では、この結果が尿サンプルのドナーがHIVに感染していることを示した。陽性シグナルが分析ゾーンに現れなければ、この結果は尿サンプル中の抗原に対する抗体の不存在を意味し、すなわち尿サンプルのドナーがHIVに感染していないことを示した。
この実施例は、Cal2003−108HIV−1迅速尿抗体試験(カリプト バイオメディカル社(Calypte Biomedical Corp)、プリーサントン、カリフォルニア州)を用いて試験した時、疑陽性反応を示す尿検体を使用した。酸化剤は保存溶液からの尿サンプルに加えたか、または酸化剤は上記のようにパッドに加えたかのいずれかであった。
1組の試験では、ディップステック型の分析するデバイスは、横流型デバイスのサンプルゾーンが尿検体/酸化試薬溶液と十分長く接して、サンプルゾーンが湿るように、酸化試薬の保存溶液の希釈物を含んでなる250μlの尿検体と接触させられる。酸化試薬のすべての保存溶液は10%(以下に異なって注記しない限り)であり、そして1、5および10μlの250μlの検体への添加を生じ、これはそれぞれ0.04%、0.2%および0.4%の最終濃度をもたらした。20および45分で、試験片は分析および対照ゾーンでの反応性について解読された。対照ゾーンでの反応性の存在が、有効な試験結果に必要である。分析ゾーンでの反応性の不存在は陰性結果を示すが、対照および分析ゾーンでの2つのバンドの存在は、陽性結果を示す。酸化試薬が尿検体に加えられない対照を実施した。
使用した酸化試薬は、10%過酸化水素、10mg/mlのグルコースオキシダーゼを含む50%シュクロース、10%過塩素酸カリウムおよび10%過マンガン酸カリウム、10%臭素酸カリウム、10%ヨウ素酸カリウムおよび、10%硝酸カリウム、10%亜硝酸カリウム、10%過酸化尿素、10%カリウムスーパーオキシド0.45%硼酸カリウムおよび10%チメロサールから選択された。
酸化試薬である過酸化水素、過酸化尿素および3%スズ酸カリウムで安定化された0.2%過酸化尿素、0.1%ヨウ素酸カリウム、0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含む1%シュクロース、0.4%カリウムスーパーオキシドおよび0.4%過マンガン酸カリウムは、変えた(上に示したように)すべての濃度で真の陽性反応を保持しながら、疑陽性の減少に効果的であった。
さらなる実験の組では、酸化剤を分析するデバイスのサンプルパッドに加える(上記のように)効果を試験した。酸化試薬である過酸化水素、過酸化尿素および3%スズ酸カリウムで安定化された0.2%過酸化尿素、0.12%過ヨウ素酸カリウム、0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含む1%シュクロース、0.4%カリウムスーパーオキシドおよび0.4%過マンガン酸カリウムは、濃度を変えて(上に示したように)、真の陽性反応を保持しながら疑陽性の減少に効果的であった。
さらなる実験の組では、酸化剤を分析するデバイスのサンプルパッドに加える(上記のように)効果を試験した。酸化試薬である過酸化水素、過酸化尿素および3%スズ酸カリウムで安定化された0.2%過酸化尿素、0.12%過ヨウ素酸カリウム、0.8mg/mlのグルコースオキシダーゼを含む1%シュクロースおよび0.4%カリウムスーパーオキシドは、真の陽性反応を保持しながら疑陽性の減少に効果的であった。表1〜3を参照にされたい。
本発明が、疑陽性を減少させ、そして真の陽性の減少が最小かまたは全く無い、流体中の抗体の検出のためのデバイスおよび方法を提供することは前記から明らかである。
Claims (50)
- サンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出する方法であって:
a.標的リガンドに結合する能力を特徴とする標識化結合剤を準備し;
b.工程a)の標識化結合剤を、標的リガンドを含有すると思われるサンプルと、標的リガンドが標識化結合剤に結合するために適する条件下で接触させ、ここで標識化結合剤とサンプルとの接触は酸化剤の存在下で起こり;そして
c.標的リガンドの標識化結合剤への結合を評価し、これによりサンプル中の標的リガンドの存在または不存在を検出する、
ことを含んでなる上記方法。 - サンプルが生物学的サンプルである請求項1に記載の方法。
- 生物学的サンプルが、尿、血液および口腔液からなる群から選択される生物学的流体を含んでなる請求項2に記載の方法。
- 標的リガンドがタンパク質である請求項1に記載の方法。
- タンパク質が抗体である請求項4に記載の方法。
- タンパク質がホルモンである請求項4に記載の方法。
- 標的リガンドが非タンパク質である請求項1に記載の方法。
- 非タンパク質が脂質である請求項7に記載の方法。
- 非タンパク質が炭水化物である請求項7に記載の方法。
- 標的リガンドがHIV抗原に対する抗体である請求項1に記載の方法。
- 標識化結合剤が、標的リガンドを固体支持体上の標識化結合剤に結合させるために適する該固体支持体に付いている、請求項1に記載の方法。
- 標識化結合剤が表面上で移動可能に支持されている請求項1に記載の方法。
- クロマトグラフィー試験片が上記表面を含んでなる、請求項12に記載の方法。
- 免疫化学的サンプリングデバイスが上記表面を含んでなる請求項12に記載の方法。
- 横流型デバイスがクロマトグラフィー片を含んでなる請求項13に記載の方法。
- サンプルがサンプル部位のクロマトグラフィー試験片に適用され、そして連結部位で標識化結合剤とサンプルとの接触前に該片に沿って吸着または毛細管作用により輸送される請求項13に記載の方法。
- 酸化剤が過酸化水素、過酸化尿素、塩素酸カリウム、チメロサール、ヨウ素酸カリウム、カリウムスーパーオキシド、過マンガン酸カリウム、グルコースオキシダーゼを含有するシュクロース、臭素酸カルシウム、クロム酸カリウム、硝酸カリウム、過塩素酸カリウムおよび過マンガン酸カリウムからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 酸化剤が過酸化水素であり、そして過酸化水素供給源が過酸化尿素である請求項17に記載の方法。
- 標識化結合剤とサンプルとの接触が安定化剤の存在下でさらに起こる請求項1に記載の方法。
- 安定化剤がスズ酸カリウムを含んでなる請求項19に記載の方法。
- 標識化結合剤がコロイド状金結合を含んでなる請求項1に記載の方法。
- 標識化結合剤がプロテインA結合を含んでなる請求項1に記載の方法。
- 酸化剤が試験片上で乾燥された固体から可溶化される請求項1に記載の方法。
- 酸化剤が上記サンプルを適用する前に、連結部位の試験片上で乾燥される請求項23に記載の方法。
- 酸化剤が、上記サンプルを適用する前にサンプル部位の試験片上で乾燥される請求項23に記載の方法。
- 生物学的サンプル中の標的リガンドの検出を可能とする免疫化学的サンプリングデバイスであって、該デバイスがクロマトグラフィー試験片を含んでなり、クロマトグラフィー試験片が:
a.サンプル適用ゾーン;
b.移動可能に支持された、目的の標的リガンドに結合する標識化第1結合剤を含んでなる結合ゾーン;
c.目的の標的リガンドに特異的に結合する、中に固定化された第2結合剤を含んでなる分析ゾーン;および
d.任意の対照ゾーン;
を含んでなり、ここで該サンプル適用ゾーン、結合ゾーン、分析ゾーンおよび対照ゾーンがサンプルの流路を定め、そしてクロマトグラフィー試験片が、標識化第1結合剤とサンプルとの接触が酸化剤の存在下で起こるように試験片上に移動可能に支持された酸化剤またはその酸化剤供給源を含んでなる、上記免疫化学的サンプリングデバイス。 - 生物学的サンプルが、尿、血液および口腔液からなる群から選択される生物学的流体を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 標的リガンドがHIV抗原に対する抗体である請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 横流型デバイスがクロマトグラフィー片を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 酸化剤が過酸化水素、塩素酸カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム、カリウムスーパーオキシド、過マンガン酸カリウム、グルコースオキシダーゼ、臭素酸カルシウム、クロム酸カリウム、硝酸カリウム、過塩素酸カリウムおよび過マンガン酸カリウムからなる群から選択される請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 酸化剤が過酸化水素であり、そして過酸化水素供給源が過酸化尿素である請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- さらに酸化剤がクロマトグラフィー試験片上で乾燥される請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 酸化剤がさらに安定化剤を含んでなる請求項30に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 安定化剤がスズ酸カリウムを含んでなる請求項33に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 標識化第1結合剤がコロイド状金結合を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 標識化第1結合剤がプロテインA結合を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- サンプル適用ゾーンが、試験片上で乾燥された酸化剤またはその酸化剤供給源を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 結合ゾーンが、試験片上で乾燥された酸化剤またはその酸化剤供給源を含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 標的リガンドがタンパク質である請求項26に記載の方法。
- タンパク質が抗体である請求項39に記載の方法。
- タンパク質がホルモンである請求項39に記載の方法。
- 標的リガンドが非タンパク質である請求項26に記載の方法。
- 非タンパク質が脂質である請求項42に記載の方法。
- 非タンパク質が炭水化物である請求項42に記載の方法。
- 試験ゾーンがHIV−1gp41合成ペプチドを含んでなる請求項28に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 試験ゾーンがHIV−1gp41組換えタンパク質を含んでなる請求項28に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 試験ゾーンがHIV−2gp36合成ペプチドを含んでなる請求項28に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 試験ゾーンがHIV−2gp36組換えタンパク質を含んでなる請求項28に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 対照ゾーンがプロテインAを含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
- 対照ゾーンがヤギ抗−ヒトIgGを含んでなる請求項26に記載の免疫化学的サンプリングデバイス。
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