JP2009517506A - 気相流動床反応器中の不適合重合触媒間の交換方法 - Google Patents

気相流動床反応器中の不適合重合触媒間の交換方法 Download PDF

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Abstract

第1触媒を使用する重合から、気相反応器中で第1触媒と不適合な第2触媒に交換する方法であって、当該方法は、a) 第1触媒を使用する重合反応を停止させること、
b) 揮発性成分と不揮発性成分とを0.1〜1000の重量比で含む少なくとも1種の失活剤を用いて、重合条件下で反応器をフラッシュさせること、c) 反応器に第2触媒を導入すること、及びd) 第2触媒を使用して重合を継続することの各工程を含む前記方法。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、第1触媒から当該第1触媒と不適合である第2触媒に交換する方法に関する。
気相重合法は、C−C−α−オレフィン類の重合にとり経済的な方法である。このような気相重合法は、特に、気相流動床方法として行うことができ、当該方法では、得られたポリマー粒子を適切なガス流により懸濁させる。このタイプの方法は、例えば、EP−A−0475603号、EP−A−0089691号及びEP−A−0571826号明細書に記載されている(当該明細書の内容を参照として本明細書に完全に含める)。
種々のポリマー品質の製造では、第1触媒から第2触媒に交換することがしばしば必要となる。これは、第1触媒と第2触媒が互いに適合性があるときには問題はない。しかし、第1触媒から当該第1触媒と不適合性である第2触媒への交換は相当問題が存在し、したがって、多くの努力の主題となる。
まず、失活剤により第1触媒を使用する重合を停止させ、反応器を空にし、洗浄し、次いで、新しい触媒を使用する重合を再度開始することは長い間知られてきた。したがって、WO 00/58377号明細書は第1触媒から第二非適合性触媒に交換する停止方法を開示し、当該方法では、第1触媒を使用する重合を停止し、得られたポリマーを反応器から取り出し、反応器を窒素でフラッシュし、反応器中に新しい粒子床を導入し、第2触媒を使用して重合を継続する。しかし、反応器を開けることにより壁上に付着物をもたらし、当該付着物は反応器の新たな運転開始に悪影響を与える。
EP−A−751965号明細書は、第1触媒から、当該第1触媒と非適合性の第2触媒への連続交換方法を記載し、当該方法では、第1触媒の導入を中断し、可逆性触媒毒及び場合により不可逆性触媒毒を過剰に加え、反応器をフラッシュし、次いで、第2触媒を反応器に導入する。水及び空気を用いて反応器の汚染をこのようにして回避できるが、新旧生成物の明細の範囲内にあるのはまれな場合でしかない混合ポリマーは、長い移動時間(平均滞留時間の倍数)で反応器を去る。さらに、第1触媒は、等量の触媒毒で滴定されなければならず、少なすぎる触媒毒は第1触媒の十分な失活をもたらさず、多すぎる量は新しい触媒も失活させる。最後に、操作中に壁上に形成された付着物は、連続移動において反応器を開けないと取り除くことができない。その結果、特に、反応器を、反応性メタロセン触媒を再度使用するまで運転開始するとき、壁上により早い付着物の形成のリスクがあり、究極的にガス分配板又は排出システムに妨害をもたらし得る。
WO 2004/060931号明細書は、チグラー・ナッタ触媒から当該第1触媒と非適合性のMAO系シングルサイト触媒へ交換する方法において、反応条件下で133Pa未満の蒸気圧を示す相対的に不揮発性の失活剤の使用を開示する。WO 2004/060930号明細書も、メタロセン触媒から、当該触媒と非適合性の触媒に交換する方法において、メタロセン触媒との反応を停止するために、酸素、空気、CO、CO、HO、オレイン酸及びNHの中から選択される失活剤の使用を提供する。しかし、停止方法は、反応器の運転開始が、多くの開始後にのみ反応器中で安定な条件をもたらすか、あるいは非常に時間がかかるかのいずれかの欠点を有する。時間がかからずしかも満足な結果をもたらす方法は、他方で、特定の触媒交換に合わせる非常に特異的であり、その結果、異なる装置や試薬を使用する種々の切り替え方法が手元に維持されなければならない。
したがって、本発明の目的は従来技術の上記欠点を克服し、信頼性があり、短時間で簡便な触媒交換を可能にし、しかも事実上普遍的に適用できる方法を提供することにある。
この目的は、気相反応器中で第1触媒を使用する重合から、当該第1触媒と非適合性の第2触媒を使用する重合に交換する方法による本発明により達成され、当該方法は、
a) 第1触媒を使用する重合反応を停止させること、
b) 揮発性成分及び不揮発性成分を0.1〜1000の重量比で含む失活剤を用いて重合条件下で反応器をフラッシュさせること、
c) 反応器中に第2触媒を導入すること、そして
d) 第2触媒を使用して重合を継続すること
の各工程からなる。
本発明は、異なる非適合性触媒を使用するときに信頼性がありしかも簡便に触媒交換を行うことができる。
本発明の目的のための、非適合性触媒は少なくとも下記の条件を満たすものである。すなわち、
i) 一方の触媒の反応性を、他方の触媒の存在下で少なくとも50%まで減少させる触媒、
ii) 同じ反応条件下で、他の触媒と比較して少なくとも2倍の平均モル質量を有するポリマーを生成させる触媒、
iii) 同じ反応条件下で、反応速度又はコモノマー配合において少なくとも30%の差異を示す触媒
である。
最初に、第1触媒を使用する重合反応を工程a)で停止する。これは、種々の方法、例えば、触媒の導入を単に停止することにより、失活剤を導入することにより又は反応器中の温度、圧力もしくはモノマー濃度を減少させることにより行うことができる。これらの方法を組み合わせて反応を停止させることもできる。第1触媒としてチグラー/ナッタ又はメタロセン触媒を使用するとき、好ましくは、COにより反応を停止する。フィリップス触媒を使用するとき、好ましくは、酸素又は希薄空気(すなわち、酸素の割合を減少させた空気)を使用して反応を停止する。
続いて、工程b)で、重合条件下で揮発性成分及び不揮発性成分を含む失活剤を用いて反応器をフラッシュする。これは、反応器中に存在する粒子床を保持しながら、あるいは空にし新しい粒子床を充填した後のいずれかで行うことができるが、後者が好適である。したがって、本発明の好適な実施態様では、工程a’)において完全に空にされ、工程b)を行うために新たな粒子床(フラッシュ用床)で充填される反応器が提供される。
本発明の目的のため、失活剤の揮発性成分は、再循環ガス系における条件下、1000Paを超える蒸気圧を有する物質又は混合物である。蒸気圧は再循環ガス系中に存在する触媒の完全失活を確実にするに足る高さであることが重要である。20℃で1500Paを超え、好ましくは、2000Paを超える蒸気圧であるのが好適である。重合条件下で気相流動床反応器中における温度より低い沸点の揮発性成分であり、その結果、反応器中で完全に蒸発するものが好適である。
本発明の目的のため、失活剤の不揮発性成分は、重合条件下で、気相中に入らないか、せいぜい入っても少量でしか気相中に入らない物質又は混合物であり、したがって、それ自身反応器中でのみで本質的に作用する。それは20℃で1000Pa未満の蒸気圧、好ましくは、100Pa未満の蒸気圧を示すのが好適である。加えて、不揮発性成分は、反応器中で完全に失活するばかりでなく、反応器表面に薄膜も残し、再新運転開始を助ける。
揮発性成分(V)及び不揮発性成分(N)は、0.1〜1000のV/N重量比で失活剤中に存在する。0.5〜400、より好ましくは、1〜300のV/N重量比を使用するのが好適である。過剰重量の揮発性成分、好ましくは、5〜200の比、より好ましくは、10〜200、特に好ましくは、20〜100を使用するのが特に好適である。失活剤の揮発性成分及び不揮発性成分は別として、失活作用を示す別の物質も反応器中で使用できる。加えて、帯電防止剤、スカベンジャー等のような別の補助剤の使用も可能である。秤量性を改良するために、失活剤は不活性溶媒、例えば、ヘキサンのような飽和炭化水素を含むことができる。
使用する失活剤の量は反応器の寸法及び構造(geometry)に依存し、その結果、状況に応じて適合させなければならない。例えば、少量から始め、完全な失活が起こるまで増量させることができる。通例、失活剤は20〜2000g/時の量で使用できる。100〜1000g/時、特に好ましくは、200〜500g/時の量が好適である。
本発明では、失活剤の揮発性成分(V)及び不揮発性成分(N)は、少なくとも一種の触媒成分と反応でき、したがって、触媒を不活性にできる物質又は混合物を含む。触媒を不可逆的に不活性にする成分(V)又は(N)が好適であり、すなわち、触媒の再活性化が、失活剤を除いたときでも観察されることがない。
適切な揮発性成分(V)は、例えば、低分子量アルコール類及びそれらのエーテル類、低分子量エステル類及びアミン類であり、これらは、通常の重合条件下、及び、特に、再循環ガス系中の条件下でも充分な量でガス状であり得るのに足る蒸気圧を有する。C−C−アルコール類であるメタノール(b.p.:65℃、128hPa)、エタノール(78℃、60hPa)、1−プロパノール(97.4℃、18.7hPa)、2−プロパノール(82℃、43hPa)、1−ブタノール(117℃、6.7hPa)、2−ブタノール(99℃、17hPa)、tert−ブタノール(82.2℃、41.3hPa)が好適であり、括弧内に記載した値はそれぞれの沸点と20℃における蒸気圧である。C−C−エーテル類も好適である。特に、2−プロパノールが好適である。
適切な不揮発性成分(N)は、例えば、微細に分割した多孔性カーボンブラック類、多価アルコール類及びそのエーテル類、例えば、ソルビトール、ポリアルコール類、ポリアルコールエーテル類、ポリビニルアルコール類、ポリエチレングリコール類及びそのエーテル類(脂肪族アルコールとの)アニオン活性物質、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のC12−C22−脂肪酸石鹸、一般式ROSOM(Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属)若しくは(RR’)CHOSOMの高級第一級アルコール若しくは第2級アルコールのアルキルサルフェートの塩、高級脂肪酸及び硫酸を有する多官能性アルコール類の混合エステルの塩、一般式RSOMのC12−C22−スルホン酸若しくはその塩、アルキルアリールスルホン酸類又はその塩類、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、燐酸誘導体、例えば、一般式[RO(CHCHO)POOM若しくはフィチン酸誘導体(例えば、EP−A−453116号明細書に開示)、カチオン−活性失活剤、例えば、一般式RNX(式中、Xはハロゲン原子であり、R〜Rはアルキル基であり好ましくは少なくとも8個の炭素原子を有するものである)の第四級アンモニウム塩である。さらに適切なものは、例えば、WO 93/24562号明細書に開示されているシアノフタロシアン類のような金属錯体である。
特に適切な不揮発性成分(N)は、不揮発性窒素−含有化合物、例えば、アミン類若しくはアミド類若しくはそれらの塩、特に、オリゴマー若しくはポリマーアミン類及びアミド類である。挙げることのできる例は、一般式RN[(RO)R][(RO)H]及びRCON[(RO)R][(RO)H](式中、R〜Rはアルキル基であり、Rの場合、好ましくは、少なくとも8個の炭素原子、より好ましくは、少なくとも12個の炭素原子を有するものであり、n、mは1に等しいか若しくはそれよりも大きい)のポリエトキシアルキルアミン類及びポリエトキシアルキルアミド類である(DE−A3108843号明細書に記載)。これらは、市販帯電防止剤(例えば、Uniqema供給のAtmer163)でもある。メディアラニック酸(Medialanic acid)のカルシウム塩類及びN−ステアリルアントラニック酸のクロム塩の塩混合物(DE−A3543360号明細書に記載されており、その内容は参照として本明細書に全て含める)、メディアラニック酸の金属塩、アントラニル酸の金属塩及びポリアミンの混合物(EP−A636636号明細書に記載)を使用することも可能である。
さらに、特に適切な不揮発性成分(N)は、ポリアミン類又はポリアミンコポリマー又はこれらの化合物とさらに、特にポリマー化合物との混合物である。ポリビニルアミンのような単純ポリアミン類は別として、適切な不揮発性ポリアミン類は、n−オクチルアミン若しくはn−ドデシルアミン又はN−n−ヘキサデシル1,3−プロパンジアミンのようなN−アルキル−置換脂肪族ジアミンような脂肪族一級モノアミン類とエピクロロヒドリンとの反応により有利に得られる。これらのポリアミノポリオールはアミノ基に加えてヒドロキシル基を有する。このようなポリアミンコポリマーの概観は米国特許第3,917,466号明細書に与えられる。ポリアミン類又はポリアミンコポリマー類と共に使用するのに適しているポリマー類はポリスルホンコポリマー類である。ポリスルホンコポリマー類は、好ましくは、大部分は分岐していなく、オレフィン及びSO単位が1:1のモル比で構成される。挙げることのできる例は1−デセンポリスルホンである。適切なポリスルホンコポリマー類の概観も米国特許第3,917,466号明細書に与えられる(本明細書の内容を本明細書中に参照として全て含む)。
さらに、本発明では、帯電防止作用を示す少なくとも一種の揮発性又は不揮発性成分が好ましい。不揮発性成分として使用できる上記化合物は、特に、通常、失活作用に加えて顕著な帯電防止作用を示す。
揮発性成分としてC−C−アルコール並びに不揮発性成分としてポリエトキシアルキルアミン、ポリアミノポリオール及びアルキルアリールスルホン酸の混合物を含む混合物を使用するのが特に好適である。
工程b)は20〜150℃の温度、好ましくは、50℃を超える温度、より好ましくは、70℃を超える温度、そして特に好ましくは90℃を超える温度で行う。流動床を使用するとき、工程b)は、好ましくは、10〜1℃以下、特に好ましくは、5〜1℃以下の温度で行い起こり、これはポリマーの焼結温度である。
本発明では、反応器中に第2触媒を導入する。すなわち、第2触媒の計量添加を後続の工程c)で行う。ここで、第1触媒のための秤量用器具をフラッシュ後に使用でき、あるいは、別の秤量用器具を使用できる。反応器中に依然として存在する、金属アルキル類、特にアルミニウムアルキル類のようなスカベンジャー(これは、水分と反応する)、酸素及びその他の触媒毒は、普通、第2触媒を使用する新たな運転開始の前に導入する。
最後に、第2触媒を使用する重合は、工程d)で継続する。工程c)及びd)は一般に当業者に公知である。
上述した工程は上記した順序で行わなければならず、さらに、中間工程は本方法の個々の工程間で行うことができる。
本発明の方法は、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へブテン及び1−オクテンのようなα−オレフィン類の重合又は共重合用の気相反応器における触媒を交換するために使用する。エチレン及びプロピレン、特に、エチレンは、特によくホモポリマー化又はコポリマー化できる。可能性のあるコモノマー類は、特に、3〜8個の炭素原子を有するα−オレフィン類、特に、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテンであり、さらに、これらα−オレフィンの混合物であることもできる。
重合は、例えば、気相流動床中又は攪拌下気相中のような種々の気相方法にしたがって行うことができる。このような気相方法はそれ自身公知であり、例えば、Ullmann’s Encyclopedia おf Industrial Chemistry、Vol. A21, 4th Edition, 1992, p. 511ffに記載されており、当該文献を参照として本明細書に完全に含める。気相流動床反応器中の重合が好適である。
重合は、30〜150℃、好ましくは、80〜120℃の温度で行う。圧力は、5〜80バール、好ましくは、10〜60バールの範囲である。本発明の一実施態様では、重合は、式I
Figure 2009517506
により与えられる上限、及び式II
Figure 2009517506
により与えられる下限により境界を定められる範囲の温度で行う。式中の変数は下記の意味を有する。すなわち、
RMAXは、最高反応温度(℃)
RMINは、最低反応温度(℃)
d’ は、製造しようとするポリマーの密度dの絶対値である。
この定義では、与えられた密度dを有するポリマーの反応温度は式Iにより定められる値を超えてはならず、式IIにより定められる値未満であったはならず、そうではなくて、これらの限界値の間でなければならない。操作モードの詳細に関して、EP−B−571826号又はEP−A−1040128号各明細書により参照でき、当該特許文献を参照として本明細書に全部含める(ただし、対応する触媒の使用に限定を与えない)。
得られた(コ)ポリマーの密度及び上記のように有利に選択した反応器温度は、本発明の方法では、使用した出発物質の比率、特に、エチレン対C−C−α−オレフィン類の比率により本質的に決定される。
さらに、反応器は、例えば、EP−A−089691号又はEP−A−696293号各明細書に記載されているような存在する濃縮物質の割合で操作もできる。
本発明の方法は、基本的にいずれかの重合触媒から、他のいずれかの不適合性触媒へ交換するのに適する。第一及び第二双方の触媒は、したがって、これら双方が不適合性である限り、本発明にしたがって自由に選択される。当該方法は、特に、シングルサイト、チグラー又はハイブリッド触媒からクロム触媒へあるいはチグラー触媒からシングルサイト若しくはハイブリッド触媒へ交換に適している(但し、プロセスは僅かな適合性から離れて、交換されることがない)。
チグラー・ナッタ型の触媒系は長期間知られてきた。これらの触媒系は、特に、C−C10−アルキ−1−エン類の重合に使用され、とりわけ、多価チタン、アルミニウムハライド、及び/又はアルミニウムアルキル類の化合物並びに適当な担体材料を含む。さらに、チグラー・ナッタに関する詳細は、例えば、特許出願EP−A−1184395号、EP−A−1456249号又はWO 03099882号明細書に見出すことができる。
フィリップ型のクロム触媒は、同様に、長期間知られてきた。これらの触媒は不活性無機担体、好ましくは、シリカゲルを含み、適切な場合、クロム化合物、及びさらにチタンやジルコニウムのような遷移金属に施用する。次いで、担体を、通常、300〜950℃の温度にか焼する。
本発明の目的のため、シングルサイト触媒は、フィリップスやチグラー/ナッタ触媒と異なり、少なくとも一種の確定した有機遷移金属化合物及び、通常、少なくとも一種の別の活性化化合物及び適切な場合、担体及び別の添加剤や補助剤を含む。
可能なシングルサイト触媒用有機遷移金属化合物は、原則として、周期律表の3〜12族又はランタニド類の遷移金属全ての化合物であり、有機基を含み、好ましくは、活性剤及び担体との反応後、オレフィン重合用の活性な触媒を形成する。それらは、通常、少なくとも一種の単座リガンド又は多座リガンドがシグマ若しくはパイ結合を介して中心原子に結合する化合物である。可能性のあるリガンドには、シクロペンタジエニル基を含むもの及びシクロペンタジエニル基を含まないものの双方がある。オレフィン重合に適す多くのこのような化合物A)は、Chem. Rev. 2000, Vol. 100, No.4に記載されている。さらに、多核シクロペンタジエニル錯体も、オレフィン重合に適する。
適切な有機遷移金属化合物は、特に、少なくとも1個のシクロペンタジエニル型のリガンドを有するものであり、2個のシクロペンタジエニル型リガンドを有するものは、一般に、メタロセン錯体と呼ばれる。少なくとも1個のシクロペンタジエニル型リガンドを持つ特に有用な遷移金属化合物(A)は、一般式(I)
Figure 2009517506
の化合物である。ここで、置換基及び記号は下記の意味を有する。
1A はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン若しくはタングステン、又は周期表の3族の元素及びランタニド系元素であり、
基は は同一又は異なり、各々、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C−C10−アルキル、C−C10アルケニル、C−C15−アリール、C−C40−アルキルアリール、C−C40−アリールアルキル、−OR6A、若しくは−NR6A7Aであり、又は2個のX基が互いに結合して、置換若しくは非置換ジエンリガンド、特に、1,3−ジエンリガンドを形成し、又はビアリールオキシ基であり、ここで、
6A及びR7Aは 各々、C−C10−アルキル、C−C15−アリール、C−C40−アリールアルキル、C−C40−アルキルアリール、フルオロアルキル若しくはフルオロアリールであり、各々1〜16個の炭素原子をアルキル基中にそして6〜21個の炭素原子をアリール基中に有し、
は1、2又は3であり、Mの価数に依存し、一般式(I)のメタロセン錯体が未電荷であるようなものであり、
1A〜R5A は各々、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、5−〜7−員環シクロアルキル又はシクロアルケニル(これらは、順次、置換基としてC−C10−アルキル基を有してもよい)、C−C22−アルケニル、C−C22−アリール、C−C40−アリールアルキル、C−C40−アルキルアリール、−NR8A 、−N(SiR8A 、−OR8A,−OSiR8A 、−SiR8A (ここで、R1A〜R5Aはハロゲンにより置換されてていてもよく及び/又は2個のR1A〜R5A、特に隣接した基は、それらを結合する原子と共に結合して好ましくは5−、6−若しくは7−員環又は好ましくはN、P、O若しくはSからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含む5−、6−若しくは7−員環のヘテロ環を形成してもよく、ここで、
8A基 は同一又は異なり、各々、C−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C15−アリール、C−C−アルコキシ又はC−C10−アリールオキシ及び
はXについて定義した通り又は
Figure 2009517506
ここで、
9A〜R13A は各々、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、5−〜7−員環シクロアルキル若しくはシクロアルケニル(これらは順に置換基としてC1−C10−アルキル基を有する)、C−C22−アルケニル、C−C22−アリール、C−C40−アリールアルキル、C−C40−アルキルアリール、−NR14A 、−N(SiR14A 、−OR14A、−OSiR14A 、−SiR14A であり、ここで、R1A〜R5Aはハロゲンによって置換されていてもよく及び/又は二つのR1A〜R5A、特に隣接する基は、これらを結合する原子と共に好ましくは5−、6−若しくは7−員環又は好ましくは、5−、6−若しくは7−員環ヘテロ環を形成しても良く、当該ヘテロ環はN、P、O若しくはSからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含み、ここで、
14A基 は、同一又は異なり、各々、C−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C15−アリール、C−C−アルコキシ又C−C10−アリールオキシであることができ、
又は、R4A及びZは一緒にR15A−AA−基を形成し、ここで、R15A
Figure 2009517506
であり、ここで、
16A、R17A及びR18A は同一又は異なり、各々、水素原子、ハロゲン原子、トリメチルシリル基、C−C10−アルキル基、C−C10−フルオロアルキル基、C−C10−フルオロアリール基、C−C10−アリール基、C−C10−アルコキシ基、C−C15−アルキルアリール基、C−C10−アルケニル基、C−C40−アリールアルキル基、C−C40−アリールアルケニル基であり、2つの隣接基はそれらを結合する原子と一緒に4〜15個の炭素原子を有する飽和又は不飽和環を形成し、そして
2A は珪素、ゲルマニウム又はスズであり、好ましくは、珪素であり、
は、-O-, -S-, -NR19A-, -PR19A-, -O-R19A, -NR19A 2, -PR19A 2又は非置換、置換若しくは縮合、ヘテロ環系であり、ここで、
19A基 各々、互いに独立して、C−C10−アルキル、C−C15−アリール基、C−C10−シクロアルキル、C−C18−アルキルアリール若しくは−Si(R20Aであり、
20A は水素、C−C10−アルキル、C−C15−アリール(順に、置換基として、C−C−アルキル基を有する)又はC−C10−シクロアルキルであり、
は1又はAが非置換、置換若しくは縮合、ヘテロ環系のとき1若しくは0であり、
又はR4A基及びR12A基が一緒で−R15A−基を形成する。
一般式(I)においてX基は同一であり、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、C−C−アルキル若しくはアリールアルキル、特に、塩素、メチル若しくはベンジルが好適である。
一般式(I)の有機遷移金属化合物中、
Figure 2009517506
Figure 2009517506
が好適である。
式(1a)の化合物中、
1A がチタン又はクロムであり、
が塩素、C−C−アルキル、フェニル、アルコキシ又はアリールオキシであり、
が1又は2であり、そして
1A〜R5A が、各々、水素若しくはC−C−アルキルであり、又は2つの隣接するR1A〜R5Aがそれらを連結する原子と一緒になって置換若しくは非置換不飽和6員環を形成する
ものが好適である。
式(1b)のメタロセン中、
1A がチタン、ジルコニウム、ハフニウム又はクロムであり、
が塩素、C−C−アルキル若しくはベンジルであり、又は、2つの基Xは置換若しくは非置換ブタジエンリガンドを形成し、
が1又は2であり、好ましくは、2であり、又はM1Aがクロムの時、0であり、
1A〜R5A が、各々、水素、C−C−アルキル、C−C10−アリール、−NR8A 、−OSiR8A 、−SiR8A 又は−Si(R8Aであり、そして
9A〜R13A が、各々、水素、C−C−アルキル、C−C10−アリール、−NR8A 、−OSiR8A 又は−Si(R8Aであり、
又は2つのR1A〜R5A及び/又はR9A〜R13Aがシクロペンタジエニル環と一緒になってインデニル又は置換インデニル系を形成する
ものが好適である。
シクロペンタジエニル基が同一である式(1b)の化合物は特に有用である。
式(1c)の特に有用なメタロセンは、
1A及びR9A が同一又は異なり、各々、水素又はC−C10−アルキル基であり、
5A及びR13A が同一又は異なり、各々、水素又はメチル、エチル、イソプロピル若しくはtert−ブチル基であり、
3A及びR4A は、各々、C−C−アルキルであり、
2A及びR10A が各々水素であるか、
又は
2つの隣接するR2A及びR3A及び/又はR10A及びR11Aは一緒になって4〜44個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和環状基を形成し、
15A は−M2A16A17A−若しくは−CR16A17A−CR16A17A−若しくは−BR16A−若しくは−BNR16A17A−であり、
1A はチタン、ジルコニウム又はハフニウムであり、そして
基 は同一又は異なり、各々、塩素、C−C−アルキル、ベンジル、フェニル、又はC−C15−アルキルアリールオキシである
ものである。
特に有用な式(1c)の化合物は、式(1c’)
Figure 2009517506
ここで、
R’基は同一又は異なり、各々、水素、C−C10−アルキル又はC−C10−シクロアルキルであり、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル若しくはシクロヘキシルであり、C−C20−アリール、好ましくは、フェニル、ナフチル若しくはメシチルであり、C−C40−アリールアルキル、C−C40−アルキルアリール、好ましくは、4−tert−ブチルフェニル若しくは3,5−ジ−tert−ブチルフェニルであり、又はC−C40−アリールアルケニルであり、
5A及びR13A、は同一又は異なり、各々、水素、C−C−アルキル、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル若しくはtert−ブチルであり、
環S及びTは、同一又は異なり、飽和されているか、不飽和であるか又は部分的に飽和されている
ものである。
式(1c’)のメタロセンのインデニル又はテトラヒドロインデニルリガンドは、好ましくは、2位、2,4位、4,7位、2,4,7位、2,6位、2,4,6位、2,5,6位、2,4,5,6位若しくは2,4,5,6,7位、特に、2,4位、に置換されており、下記のように置換基の位置に番号付けを適用する。すなわち、
Figure 2009517506
錯体(1c’)として、ラセミ若しくは擬ラセミ体の橋架けビスインデニル錯体を使用するのが好適である。用語「擬ラセミ体(pseudo-rac form)」は、2つのインデニルリガンドが、錯体の全ての他の置換を無視したときに互いに対してラセミ配列である錯体を指す。
一般式(1d)の特に有用な化合物は、
1A はチタン又はジルコニウムであり、特にチタンであり、そして
は塩素、C−C−アルキル又はフェニルであり、2つのX基は置換若しくは非置換ブタジエンリガンドであり、
15A は−SiR16A17A−若しくは−CR16A17A−CR16A17A−及び
は、−O−、−S−,若しくは−NR19A−であり、
1A〜R3A及びR15A は、各々、水素、C−C10−アルキル、好ましくは、メチルであり、C−C10−シクロアルキル、C−C15−アリール若しくは−Si(R8Aであり、又は2つの隣接基が4〜12個の炭素原子を有する環状基を形成し、好ましくはR1A〜R3A及びR5Aがメチルであるのが好適である
ものである。
さらに適切な有機遷移金属化合物A)には、シクロペンタジエニル又はヘテロシクロペンタジエニル基(ヘテロ環上に縮合した)から誘導される少なくとも1つのリガンドを有するメタロセン類があり、ヘテロ環中に少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(好ましくは、周期律表の15又は16から選択される)により、特に、窒素又は硫黄により置き換えられる。このような化合物は、例えば、WO 98/22486号明細書に記載されている。これらは、特に、ジメチルシランジイル−(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2,5−ジメチル−N−フェニル−4−アザペンタレン)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド及びジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドである。
本発明の目的のために適する別の有機遷移金属化合物は一般式(IIa)〜(IIe)の少なくとも1つのリガンドを持つ遷移金属錯体である。
Figure 2009517506
ここで、遷移金属は、Ti、Zr、Hf、Sc、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Pd、Ptの各元素及び希土類金属の元素である。ニッケル、鉄、コバルト又はパラジウムが中心金属として好適である。
は元素の周期律表の15族の元素であり、好ましくは、N又はPであり、特に、Nが好適である。分子中の2又は3個の原子Eは同一又は異なることができる。
18又はR19Bは、式(IIa)〜(IIe)のうちの1つのリガンド系内で同一又は異なることができ、下記の
1B及びR4B は、各々、互いに独立して、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、好ましくは、炭化水素基であり、ここで、Eに隣接する炭素原子は少なくとも2つの炭素原子に結合し、
2B及びR3B は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、ここで、R2B及びR3Bは一緒に1つ以上のヘテロ原子が存在できる環系を形成してもよく、
6B及びR8B は、各々、互いに独立して、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、
5B及びR9B は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、
ここで、R6B及びR5B及び/又はR8B及びR9Bは互いに環系を形成することができ、
7B基 は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、2つのR7B基は一緒に環系を形成することもでき、
10B及びR14B は、各々、互いに独立して、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、
11B、R12B、R12B’及びR13B は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、2つ以上のジェミナル又はビシナル基のR11B、R12B、R12B’及びR13Bは一緒に環系も形成でき、
15B及びR18B は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、
16B及びR17B は、各々、互いに独立して、水素、炭化水素基又は置換炭化水素基であり、
19B は5−〜7−員環の置換されたもの又は非置換のものであり、特に、非置換若しくは芳香族ヘテロ環状環系を形成する有機基であり、特に、Eと一緒にピリジン系であり、
1B は0又は1であり、n1Bが0のとき、式(IIc)は負に荷電しており、そして
2B は1〜4の整数、好ましくは、2又は3である。
一般式(IIa)〜(IId)のリガンドとの特に適切な遷移金属錯体は、例えば、式(IIa)のリガンドとの遷移金属Fe、Co、Ni、Pd又はPtとの錯体である。
特に適切な化合物(IIe)は、J. Am. Chem. Soc. 120, p. 4049 ff. (1998)、 J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1998, 849に記載されている化合物である。リガンド(IIe)との好適な錯体は、遷移金属Fe、Co、Ni、Pd又はPt、特にFeの2,6−ビス(イミノ)ピリジル錯体である。
イミノフェノキシド錯体も、有機遷移金属化合物として使用できる。これらの錯体のリガンドは、例えば、置換若しくは非置換サリシルアルデヒド類及び一級アミン、特に置換若しくは非置換アリールアミンから製造する。π系中に1種以上のヘテロ原子を含むπリガンド、例えば、ボラタベンゼンリガンド、ピローリルアニオン若しくはホスホリルアニオンとの遷移金属錯体も有機遷移金属化合物A)として使用できる。
本発明の目的のために適切な別の遷移金属化合物は、クロム、モリブデン若しくはタングステンの置換モノシクロペンタジエニル、モノインデニル、モノフルオレニル若しくはヘテロシクロペンタジエニル錯体であり、シクロペンタジエニル環の少なくとも1個の置換基はsp−混成炭素若しくは珪素原子のみにより結合されていない剛性ドナー因子(rigid donor function)を有する。この場合で、当該ドナー因子に対する最も直接的なリンクは、少なくとも1個のsp−若しくはsp−混成炭素原子、好ましくは、1〜3個のsp−混成炭素原子を含む。直接リンクは、好ましくは、不飽和二重結合を含み、芳香族又はドナーと一緒で、部分不飽和若しくは芳香族ヘテロ環式系を形成する。
これらの遷移金属化合物では、シクロペンタジエニル環はヘテロシクロペンタジエニルリガンドであることもでき、すなわち、少なくとも1個の炭素原子が、15又は16族のヘテロ原子により置換されることができる。この場合で、リンによりC環中の炭素原子が置換されているものが好適である。特に、シクロペンタジエニル環は、テトラヒドロインデニル、インデニル、ベンゾインデニル若しくはフルオレニルのような5−若しくは6−員環を形成できる別のアルキル基により置換される。
可能なドナーは周期表の15又は16族の元素を含む非電荷官能基、例えば、アミン、イミン、カルボキサミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、ケトン(オキソ)、エーテル、チオケトン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、スルホニル、スルホンアミド若しくは非置換、置換若しくは縮合、部分不飽和ヘテロ環若しくはヘテロ芳香環系である。
式(III)
Figure 2009517506
の置換モノシクロペンタジエニル、モノインデニル、モノフルオレニル又はヘテロシクロペンタジエニル錯体を使用するのが好適である。上式中、
はクロム、モリブデン又はタングステンであり、
は下記の一般式(IIIa)
Figure 2009517506
を有し、ここで、
1C−E5C は、各々、炭素原子又は2個以上のE1C−E5C原子はリン若しくは窒素であり、
は、−NR5C6C、−PR5C6C、−OR5C、−SR5C又は非置換、置換若しくは縮合、部分不飽和ヘテロ環若しくはヘテロ芳香族環系であり、
は下記の基の1種
Figure 2009517506
であるか又はAが非置換、置換若しくは縮合のとき、部分的不飽和ヘテロ環若しくはヘテロ芳香族環系が
Figure 2009517506
であることもでき、ここで、
1C、L2C は、各々珪素又は炭素であり、
は1であるか、又はA1Cが非置換、置換若しくは縮合のとき、部分的不飽和ヘテロ環若しくはヘテロ芳香族環系も0であることができ、
基 は、各々、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルケニル、C−C20−アリール、C−C40−アルキルアリール、−NR15C16C、−OR15C、−SR15C、−SO15C、−OC(O)R15C、−CN、−SCN、β−ジケトネート、−CO、BF 、PF 又は嵩高非配位アニオンであり、
1C−R16C は、各々、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20−アリール、C−C40−アルキルアリール、アルキル基中に1〜10個の炭素原子及びアリール基中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、SiR17C 、ここで、R1B−R16B有機基はハロゲン及び2個のジェミナル若しくはビシナル基により置換されていてもよく、R1C−R16C有機基は結合して5−又は6員環を形成してもよく、
17C基 は、各々、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20−アリール、C−C40−アルキルアリール、又は2つのジェミナルR17C基は結合して5−又は6員環を形成してもよく、
は1、2又は3であり、
は1、2又は3である。
特に、遷移金属Mはクロムである。
本発明の目的に適切な別の遷移金属化合物は一般式(IV)のイミドクロム化合物
Figure 2009517506
であり、ここで、可変基は下記の意味を有する。すなわち、
は、R1DC=NR2D、R1DC=O、R1DC=O(OR2D)、R1DC=S、(R1DP=O、(OR1DO=O、SO1D、R1D2DC=N、NR1D2D又はBR1D2D、C−C20−アルキル、C−C20−シクロアルキル、C−C20−アルケニル、C−C20−アリール、C−C40−アルキルアリール、Rが炭素原子に結合されている場合、水素であり、ここで、R1D及びR2D有機基は不活性置換基を有してもよく、
基 は、各々互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−NR3D4D、−NP(R3D、−OR3D、−OSi(R3D、−SO3D、−OC(O)R3D、β−ジケトネート、BF 、PF 又は嵩高弱配位アニオン若しくは非配位アニオンであり、
1D−R4D は、各々互いに独立して、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20−アリール、C−C40−アルキルアリールであり、それが炭素原子に結合されている場合、水素であり、ここで、R1D−R4D有機基は不活性置換基を有してもよく、
は、1又は2であり、
は、1、2又は3であり、Crの価数に依存して、一般式(IV)のメタロセン錯体は非電荷であり、
は、非電荷供与体であり、そして
は、0〜3である。
このような化合物は、例えば、WO 01/09148号明細書に記載されている。
上記タイプの混合物として該有機遷移金属化合物を使用するのも好適である。
いくつかの有機遷移金属化合物はそれら自身で僅かな重合活性を示し、したがって、良好な重合活性を示すことができるように活性性化合物と接触状態になる。この理由のため、触媒系は、場合により、助触媒として1種以上の活性性化合物を含む。
適切な助触媒は、例えば、アルミノオキサンのような化合物類、強力な非荷電ルイス酸、ルイス酸カチオンを有するイオン性化合物又はカチオンとしてブレンステッド酸を有するイオン性化合物である。アルミノオキサン類が好適である。特に有用なアルミノキサンはメチルアルミノキサン(MAO)である。
使用される活性性化合物の量は活性剤の種類に依存する。一般に、金属錯体対活性性化合物C)の比は、1:0.1〜1:10000、好ましくは、1:1〜1:2000であることができる。
強力な非荷電ルイス酸として、下記一般式(VI)の化合物が好適である。
Figure 2009517506
ここで、
2D は元素の周期律表の13族の元素、特に、B、Al又はGa、好ましくは、Bであり、
1D、X2D及びX3D は、各々、水素、C−C10−アルキル、C−C15−アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロアルキル又はハロアリールであり、各々、アルキル基中に1〜10個の炭素原子、アリール基中に6〜20個の炭素原子又はフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素を有し、特に、ハロアリール類、好ましくは、ペンタフルオロフェニルである。
強力な非荷電ルイス酸の別の例はWO 00/31090号明細書に与えられている。
ルイス酸カチオンを有する適切なイオン性化合物は、下記一般式のカチオン化合物である。
Figure 2009517506
ここで、
3D は元素の周期律表の1〜16族の元素であり、
〜Q は、単負電荷基、例えば、C−C20−アルキル、C−C15−アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロアルキル、ハロアリール(各々、アリール基中に6〜20個の炭素原子及びアルキル基中に1〜28個の炭素原子を有する)、置換基としてC−C10−アルキルを有しても良いC−C10−シクロアルキル、ハロゲン、C−C28−アルコキシ、C−C15−アリールオキシ、シリル又はメルカプチル基等であり、
a は1〜6の整数であり、そして
z は0〜5の整数であり、
d は異なるa−zに対応するがdは1以上である。
カチオンとしてブレンステッド酸を有するイオン性化合物は、好ましくは、同様に、非配位性対イオンを有する。ブレンステッド酸として、プロトン化アミン又はアニリン誘導体が特に好適である。好適なカチオンは、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウム及びN,N−ジメチルベンジルアンモニウムであり、そして後者2つの誘導体でも良い。さらに、活性化合物はWO 00/31090号明細書に記載されている。
適切な活性化合物C)は、ホウ素−アルミニウム化合物、例えば、ジ[ビス(ペンタフルオロフェニル)ボロキシ]メチララン等も含む。このようなホウ素−アルミニウム化合物はWO 99/06414号明細書に記載されているような化合物である。
上記活性化合物C)の全ての混合物を使用することもできる。好適な混合物は、アルミノオキサン類、特に、メチルアルミノオキサン、及びイオン性化合物、特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを含むもの、及び/又は強力な非電荷ルイス酸、特に、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン若しくはボロキシンを含む。
有機遷移金属化合物及び、適切な場合、気相流動床反応器における重合プロセスに使用できる活性化合物について、固体形態で使用しようとするそれらのため、すなわち、固体担体に施用されるそれらのため、本発明の目的のため、しばしば有利で好適である。この方法は、例えば、反応器の付着物を抑制し、さらには回避し、ポリマー形態を制御できる。
このような担持触媒系を得るために、非担持触媒系を担体と反応させることができる。担体、有機遷移金属錯体及び活性化合物を合わせる順序は原則として重要でない。有機遷移金属錯体及び活性化合物は、互いに独立して、すなわち、順に若しくは同時に固定化することができる。したがって、担体を、先ず、活性化合物(単体若しくは混合物)と接触させる、あるいは、担体を、先ず、有機遷移金属錯体と接触させることもできる。担体と混合する前に、有機遷移金属錯体と1種以上の活性化合物との予備反応も可能である。一つの可能な実施態様では、有機遷移金属錯体を担体の存在下で調製することもできる。
好適に使用される担体は、10〜1000m/gの範囲の比表面積、0.1〜5ml/gの範囲の孔容積及び1〜500μmの平均粒子径を有する。50〜700m/gの比表面積、0.4〜3.5ml/gの範囲の孔容積及び5〜350μmの平均粒子径の担体が好適である。200〜550m/gの比表面積、0.5〜3.0ml/gの範囲の孔容積及び10〜150、特に30〜120μmの平均粒子径の担体が特に好適である。
無機担体材料として、シリカゲル、塩化マグネシウム、酸化アルミニウム、メソ多孔性材料、アルミノシリケート及びヒドロタルサイトを使用するのが好適である。寸法及び構造がオレフィン重合のための担体として適し得る粒子がシリカゲル材料から製造できるので、シリカゲルが特に好適である。より小さな顆粒粒子(すなわち、一次粒子)の球状凝集物を含むスプレードライシリカゲルが特に有用であることが見出された。シリカゲルは使用前に乾燥及び/又はか焼することができる。
適切な有機担体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリスチレンであり、これらから、好ましくは、使用前に適切な精製及び乾燥操作により付着水、残留溶媒やその他の不純物をさらに除く。例えば、アンモニウム若しくはヒドロキシ基のような少なくとも1種の触媒成分を固定化できる官能基により官能化した極性ポリマー担体、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンに基づく担体を使用できる。ここで、エチレンと、アクリル酸エステル、アクロレイン若しくは酢酸ビニルとのコポリマーを特に挙げることができる。
本発明の目的のため、ハイブリッド触媒は種々の触媒、特に2種以上のシングルサイト触媒の混合物である。これらは1種の担体上に存在でき、又は別々の担体上で使用できる。
第1及び第2触媒は、原則として、どのような方法でも反応器中に量り込むことができる。量り込みによる添加は、好ましくは、EP−A−226935号明細書及びDE−A−10317533号明細書に記載されているようにして実施される。
実施例を使用することにより本発明を例証するが、本発明を減縮する意図ではない。
コポリマーとしてエチレンとヘキセンとの重合を、生産高50kg/時の気相流動床反応器中で行った。重合は、下記の触媒を使用して下記の条件下で行った。
触媒1
酸化クロムに基づくフィリップス触媒(SiO上に0.3%のCr;680℃で5時間活性化)を触媒として使用した。
最初に装填したポリマー粒子として、フィリップス触媒を使用して調製し、MFR(190℃/21.6kg)が13、密度が0.938g/cm及び嵩密度が490g/lのポリマー125kgを使用した。反応器の運転開始は、下記の条件下で各場合で行った。
Figure 2009517506
約26時間の運転開始相後、下記の条件を設定した。
Figure 2009517506
触媒2
ハフノセン及び鉄−ビスミン錯体に基づくハイブリッド触媒(DE10 2005 035477号明細書に記載)を触媒として使用した。
最初に装填したポリマー粒子として、メタロセン触媒を使用して調製し、MFR(190℃/21.6kg)が13、及び密度が0.927g/cmのポリマー120kgを使用した。反応器の運転開始は、下記の条件下で各場合で行った。
Figure 2009517506
約26時間の運転開始相後、下記の条件を設定した。
Figure 2009517506
触媒3
触媒として、市販担持ビス(インデニル)ZrClメタロセン触媒を使用した。
最初に装填したポリマー粒子として、メタロセン触媒を使用して調製し、MFR(190℃/21.6kg)が5、及び密度が0.918g/cmのポリマー120kgを使用した。反応器の運転開始は、下記の条件下で各場合で行った。
Figure 2009517506
約26時間の運転開始相後、下記の条件を設定した。
Figure 2009517506
触媒4
触媒としてチグラー触媒(Avant Z230M, Basell)を使用した。
最初に装填したポリマー粒子として、メタロセン触媒を使用して調製し、MFR(190℃/21.6kg)が1.1、及び密度が0.918g/cmのポリマー125kgを使用した。反応器の運転開始は、下記の条件下で各場合で行った。
Figure 2009517506
約26時間の運転開始相後、下記の条件を設定した。
Figure 2009517506
(実施例1)
下記の手順で触媒1〜4を含む触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、第1触媒がクロム系フィリップス触媒のときには酸素により、そしてその他の全ての触媒の場合には二酸化炭素により停止した。新たな流動床装填を行い、窒素と27gのCostelan(登録商標)AS 100(Costenoble GmbHの市販品、成分:ポリエトキシアルキラミン、ポリアミノポリオール及びアルキルアリールスルホン酸)、27gのAtmer(登録商標)(Uniqema製、Ciba Spezizalitaetenchemie GmbH、ドイツにより販売)、4リットルの2−プロパノール、及び2リットルのヘキサンを含む溶液とを、500g/時の量、110℃の温度及び2.0MPa(20バール)により12時間にわたって流動化させた。
次いで、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。反応器を閉じ、約12〜16時間にわたって水分及び酸素無しで運転した。
続いて、新たな流動床装填を行った。個々の触媒について規定されている反応条件を設定し、上述したようにして重合を行った。種々の触媒交換の結果を下記の表に示す。
触媒交換の総時間は約33〜37時間だった。
第2触媒を使用して得られた生成物をインフレーション機(film blowing machine)で処理してフィルムを製造した。得られたフィルムについて、斑点として知られている不均一性を目視試験を行った。
Figure 2009517506
(実施例2)
下記の手順で触媒1〜4を含む触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、第1触媒がクロム系フィリップス触媒のときには酸素により、そしてその他の全ての触媒の場合には二酸化炭素により停止した。新たな流動床装填を行い、窒素と27gのCostelan(登録商標)AS 100(Costenoble GmbHの市販品)、27gのAtmer(登録商標)(Uniqema製、Ciba Spezizalitaetenchemie GmbH、ドイツにより販売)、4リットルの2−プロパノール、及び2リットルのヘキサンを含む溶液とを、300g/時の量、110℃の温度(焼結温度よりも1℃低い)及び2.0MPa(20バール)により6時間にわたって流動化させた。
次いで、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。反応器を閉じ、約8時間にわたって水分及び酸素無しで運転した。
続いて、新たな流動床装填を行った。個々の触媒について規定されている反応条件を設定し、上述したようにして重合を行った。種々の触媒交換の結果を下記の表に示す。
触媒交換の総時間は約16時間だった。
第2触媒を使用して得られた生成物をインフレーション機(film blowing machine)で処理してフィルムを製造した。得られたフィルムについて、斑点として知られている不均一性を目視試験を行った。
Figure 2009517506
(比較例3:水を用いる)
下記の手順で種々の触媒を含む触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、第1触媒がクロム系フィリップス触媒のときには揮発性失活剤として酸素により、そしてその他の全ての触媒の場合には二酸化炭素により停止した。続いて、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。別の揮発性失活剤として水を使用して8時間にわたって反応器を洗浄した。次いで、全ての口を開き約12時間にわたって乾燥した。反応器を閉じ、約48時間にわたって水分及び酸素無しで運転をした。
続いて、新たな流動床装填を行った。
個々の触媒について規定されている反応条件を設定し、上述したようにして重合を行った。種々の触媒交換の結果を下記の表に示す。
触媒交換の総時間は約71時間だった。
第2触媒を使用して得られた生成物をインフレーション機(film blowing machine)で処理してフィルムを製造した。得られたフィルムについて、斑点として知られている不均一性を目視試験を行った。
Figure 2009517506
(比較例4)
下記の手順で種々の触媒を含む触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、第1触媒がクロム系フィリップス触媒のときには揮発性失活剤として酸素により、そしてその他の全ての触媒の場合には二酸化炭素により停止した。続いて、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。反応器を閉じ、約12〜16時間にわたって水分及び酸素無しで運転をした。
続いて、新たな流動床装填を行った。
個々の触媒について規定されている反応条件を設定し、上述したようにして重合を行った。種々の触媒交換の結果を下記の表に示す。
触媒交換の総時間は(全て成功裡に行うことができた場合)、40時間から数日までに及んだ。
第2触媒を使用して得られた生成物をインフレーション機(film blowing machine)で処理してフィルムを製造した。得られたフィルムについて、斑点として知られている不均一性を目視試験を行った。
Figure 2009517506
(比較例5)
下記の手順で触媒1から触媒2へ触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、揮発性失活剤として酸素により停止した。続いて、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。揮発性失活剤としてイソプロパノールを使用して約8時間にわたって反応器を洗浄した。反応器を閉じ、約12〜16時間にわたって水分及び酸素無しで運転をした。
続いて、新たな流動床装填を行った。個々の触媒について規定されている反応条件を設定し、重合を行った。
触媒交換の総時間は70時間だった。乾燥反応器中で荷電する静電気が僅かに増加するのが観察された。生成物は、粒子サイズが<125μmの微細粒子の割合が増加した。
第2触媒を使用して得られた生成物をインフレーション機(film blowing machine)で処理してフィルムを製造した。得られたフィルムについて、斑点として知られている不均一性を目視試験を行った。製品中、相対的に小さな凝集物が見出された。
(比較例6)
下記の手順で触媒1から触媒2へ触媒交換を行った。
第1触媒を使用する重合を、揮発性失活剤として酸素により停止した。続いて、流動床を排出し、反応器を減圧し開けた。反応器中に残っているポリマー粒子を取り出した。新たな流動床装填を行い、窒素と4リットルのヘキサン中の、27gのCostelan(登録商標)AS 100(Costenoble GmbHの市販品)、27gのAtmer(登録商標)(Uniqema製、Ciba Spezizalitaetenchemie GmbH、ドイツにより販売)とを、500g/時の量、110℃の温度及び2.0MPa(20バール)により12時間にわたって流動化させた。
続いて、新たな流動床装填を行った。触媒2について規定されている反応条件を設定し、上述したようにして重合を行った。
触媒交換の総時間は35時間だった。反応器に付着が形成した。重合過程は非常に不安定だった。詰まった排出ラインのために10時間後反応器の運転停止を余儀なくされた。

Claims (12)

  1. 第1触媒を使用する重合から、気相反応器中で第1触媒と不適合な第2触媒に交換する方法であって、当該方法は、
    a) 第1触媒を使用する重合反応を停止させること、
    b) 揮発性成分と不揮発性成分とを0.1〜1000の重量比で含む少なくとも1種の失活剤を用いて、重合条件下で反応器をフラッシュさせること、
    c) 反応器に第2触媒を導入すること、及び
    d) 第2触媒を使用して重合を継続すること
    の各工程を含む前記方法。
  2. 気相反応器が流動床反応器である、請求項1に記載の方法。
  3. 揮発性成分又は不揮発性成分の内の少なくとも1種が帯電防止作用を示す、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 反応器が完全に空であり、工程b)及び/又は工程c)前の工程a’)又はb’)において新たなポリマー粉末を充填する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 揮発性成分の沸点が、重合条件下の反応器の温度よりも低い、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 揮発性成分の蒸気圧が、20℃で1000Paを超え、好ましくは、2000Paを超える、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 揮発性成分が、−OR、−NR、−SR、=O、=S(ここで、Rは水素又はC−C−アルキルである)の中から選択される少なくとも1個の官能基を含む有機化合物又はその混合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 揮発性成分として、C−C−アルコール、C−C−エーテル又はその混合物を使用する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 不揮発性成分の沸点が、重合条件下の反応器の温度よりも高い、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 不揮発性成分の蒸気圧が、20℃で1000Pa未満、好ましくは、100Pa未満である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 不揮発性成分として、少なくとも1種のポリエトキシアルキルアミン及び/又はポリエトキシアルキルアミドを使用する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 不揮発性成分として、少なくとも1種のポリアミノポリオール及び/又はアルキルアリールスルホン酸を使用する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
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