JP2009516705A - 塩の形態 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩、ならびに、その組成物、製造および医薬使用を対象とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩、ならびに、その組成物、製造および医薬としての使用を対象とする。
抗精神病薬開発の目的は、高い有効性、および従来の抗精神病薬の投薬に通常関連する副作用がより少ないなどの安全性を有する薬剤を開発することであった。米国特許第4,879,288号(参照により本明細書に組み込まれる)において、フマル酸クエチアピンが記載されている。フマル酸クエチアピンは、精神病の陽性(幻覚、妄想)と陰性症状(感情的引きこもり、感情鈍麻、無感動)の両方を治療することができ、神経学的な副作用および内分泌関連の副作用がそれまでの薬物と比較して少ないことに関連する。またフマル酸クエチアピンは、敵意や攻撃性の減少にも関連している。フマル酸クエチアピンは、EPS、急性ジストニア、急性ジスキネジア、および、遅発性ジスキネジアのような関連する副作用がより少ない。またフマル酸クエチアピンは、常習性を減らしつつ、治療に対する患者のコンプライアンス、能力が機能すること、および、全体的な生活の質を、高めることにも役立つ。P.Weiden等,Atypical antipsychotic drugs and long−term outcome in schizophrenia,11 J.Clin.Psychiatry,53〜60,57(1996)。フマル酸クエチアピンの高められた忍容性のプロファイルのために、フマル酸クエチアピンの使用は、抗精神病薬の副作用に過敏な患者(例えば高齢の患者)の治療に特に有利である。
E.Warawa等,Behavioral approach to nondyskinetic dopamine antagonists:identification of Seroquel,44,J.Med.Chem.,372〜389(2001)において、11−(ピペラジン−1−イル)ジベンゾ[b,f][1,4]−チアゼピンの誘導体、および、関連する化合物(例えばクエチアピンの代謝産物)が製造され、評価されている。C.L.Devane等,Clin.Pharmacokinet.,40(7),509〜522(2001)では、クエチアピンの代謝が報告されており、その図1において11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの構造(以下の式Iを参照)が示されている。この化合物は、米国特許第3,539,573号でSchmutz等によって報告されている。またこの化合物は、米国特許第4,879,288号で報告されているようにクエチアピンの製造方法でも用いられている。今般思い出されたことは、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、ヒトにおいて、クエチアピンの血中代謝産物ということである。
Figure 2009516705
例えば既存の形態を上回る改善された特性を有する医薬活性を有する化合物および組成物はこれまでずっと探求されており、従って、既存の薬物分子の改善された形態、および、それらの活性な血中代謝産物の必要性が引き続き存在する。本明細書で開示される11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩は、この目的に向けられている。
本発明は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の形態を提供する。いくつかの実施態様において、上記塩の形態は、結晶である。
本発明はさらに、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の形態を含む組成物を提供する。いくつかの実施態様において、本組成物は、製薬上許容できるキャリアーを含む。さらなる実施態様において、本組成物は、少なくとも1種のベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害剤、または、気分安定剤を含む。
本発明はさらに、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の形態の製造方法を提供する。
本発明はさらに、本明細書で説明される方法によって製造された11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の形態を提供する。
本発明はさらに、これらに限定されないが:1)統合失調症、およびその他の精神病性障害、例えば、これらに限定されないが、精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、および、一般身体疾患による精神病性障害;2)認知症、およびその他の認識障害;3)不安障害、例えば、これらに限定されないが、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、および、一般身体疾患による全般性不安障害;4)気分障害、例えば、これらに限定されないが、a)抑うつ障害、例えば、これらに限定されないが、大うつ病性障害、および、気分変調性障害、および、b)双極性うつ病、および/または、双極性躁病、例えば、これらに限定されないが、双極性I型障害、例えば、これらに限定されないが、躁病、うつ病または混合エピソードを伴う双極性I型障害、および、双極性II型障害、c)気分循環性障害、d)一般身体疾患による気分障害;5)睡眠障害;6)通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害、例えば、これらに限定されないが、精神遅滞、学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害、注意欠陥および破壊的行動障害、幼児期または小児期早期の哺育、摂食障害、チック障害、および、排泄障害;7)物質関連障害、例えば、これらに限定されないが、物質依存、物質乱用、物質中毒、物質離脱、アルコール関連障害、アンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害、カフェイン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤関連障害、吸入剤関連障害、ニコチン関連障害、オピオイド関連障害、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害、および、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害;8)注意欠陥および破壊的行動障害;9)摂食障害;10)人格障害、例えば、これらに限定されないが、強迫性人格障害;および、11 )衝動制御障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の塩の形態を投与することを含む。
本発明はさらに、本明細書で示された症状または状態の治療に使用するための、本発明の塩を提供する。
本発明はさらに、本明細書で示された症状または状態を治療するための薬剤の製造に使用するための、本発明の塩を提供する。
式Iで示される化合物は、抗ドーパミン作動活性を示すジベンゾチアゼピンである。これは、広範囲の神経伝達物質の受容体と相互作用することが示されているが、脳内のドーパミン(D2)受容体に比べて高いセロトニン(5−HT2)受容体への親和性を有する。霊長類の被検体の予備的な陽電子放射断層撮影法(PET)スキャンによれば、式Iで示される化合物は脳に到達して、D1、D2、5−HT2Aおよび5−HT1A受容体、ならびに5−HT輸送体を占有することが示された。しかしながら、式Iで示される化合物は、マウスの標準的なアポモルヒネを用いた水泳試験(経口)、および、ラットのD−アンフェタミンを用いた自発運動活性(皮下)において有効性が示されなかった。
また式Iで示される化合物は、5−HT1A部分アゴニスト活性を有することも示されており、さらにマウスおよびラットのうつ病モデルにおいて、インビボでの有効性も示されている。式Iで示される化合物は、抗精神病薬で典型的に観察されるような急性ジストニア、急性ジスキネジア、加えて、遅発性ジスキネジアのような副作用を引き起こす可能性が低い抗精神病薬として使用することができる。さらにアルファ受容体結合データから得られた結果によれば、式Iで示される化合物は、クエチアピンの忍容性よりも改善された忍容性を有することが示唆されており、さらに、観察される低血圧の発生率が低くなる可能性も示唆されている。さらに式Iで示される化合物を用いてあらゆる年齢の患者を治療することができ、なかでも高齢の患者の治療において有利である。
本発明は特に、医薬化合物である11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の形態を提供し、これは例えば、抗精神病薬として有用である。本発明の典型的な塩の形態としては、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンと以下(a)〜(cc)の酸との塩が挙げられる:
a)L−酒石酸;
b)フマル酸;
c)メタンスルホン酸;
d)硫酸;
e)リン酸;
f)酢酸;
g)L−アスコルビン酸;
h)安息香酸;
i)ベンゼンスルホン酸;
j)2−(ベンゾイルアミノ)酢酸;
k)(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸;
l)クエン酸;
m)1,2−エタンジスルホン酸;
n)エタンスルホン酸;
o)ギ酸;
p)グルコン酸;
q)乳酸;
r)マレイン酸;
s)L−リンゴ酸;
t)DL−マンデル酸;
u)ナフタレン−1,5−ジスルホン酸;
v)ナフタレン−2−スルホン酸;
w)硝酸;
x)オクタデカン酸;
y)p−トルエンスルホン酸;
z)プロパン二酸;
aa)コハク酸;
bb)ウンデカ−10−エン酸;または
cc)p−キシレン−2−スルホン酸。
これらの塩の利点は多数あり、例えば、上記薬物の製造、精製、調合および投与を容易にする扱いやすい固体(結晶質固体など)を形成するそれらの性質が挙げられる。
本発明の塩は、どのような固体の形態をとってもよく、例えば、無定形または結晶形が挙げられ、および、それらの混合物が挙げられる。いくつかの実施態様において、上記塩は、結晶である。さらに上記塩中に、水和物および/または溶媒和物を形成する水または溶媒分子が含まれていてもよい。あるいは、上記塩は、無水の形態でもよいし、または、溶媒和以外の形態でもよい。本発明の塩はさらに、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの分子1個あたり1個またはそれ以上の酸分子を有することを特徴とする。いくつかの実施態様において、上記塩は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの分子1個毎に約1個の酸分子を含む(一酸)。さらなる実施態様において、上記塩は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの分子1個毎に1個より多くの酸分子を含む。さらにその他の実施態様において、上記塩は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの分子1個毎に約2個の酸分子を含む(二酸)。
塩を特徴付ける方法は、当技術分野において型どおりであり、例えば、粉末X線回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、ラマン散乱、および、固体状態の核磁気共鳴(NMR)のような多数の固体状態に関する方法が挙げられる。水和または溶媒和(またはそれらが存在しないこと)の検出方法としては、熱質量分析(TGA)、動的ベーパーソープション(Dynamic Vapor Sorption)(DVS)、カールフィッシャー滴定、元素分析などが挙げられる。
本発明の塩の形態は、当技術分野における型どおりの方法に従って任意の適切な方法で製造が可能である。例えば、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを、溶媒中で適切な酸(例えば、L−酒石酸、フマル酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸など)と一緒に混合し、続いて溶媒から生じた塩を沈殿させてもよい。遊離塩基の酸に対するモル比は様々であってもよく、例えば、約5:1〜約1:5、約3:1〜約1:3、約1:1〜約1:3、または、約1:1〜約1:2であり得る。いくつかの実施態様において、遊離塩基の酸に対するモル比は、約1:1である。いくつかの実施態様において、遊離塩基の酸に対するモル比は、約1:2である。いくつかの実施態様において、上記酸は、遊離塩基に対して過剰のモルで提供される。適切な溶媒としては、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを少なくとも部分的に溶解させることができるあらゆる溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、極性有機溶媒、例えばアセトニトリル、アセトン、メタノール、酢酸エチル、それらの混合物などが挙げられる。その他の適切な溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジクロロエタン、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。水和した塩の形態の製造に適した溶媒としてはさらに、水、または、水/有機溶媒の混合物が挙げられる。いくつかの実施態様において、このような溶媒は、アセトニトリル、メタノール、アセトン、酢酸エチル、または、それらの混合物である。
本発明の塩の形態の沈殿は、型どおりの方法に従って任意の適切な方法で行うことが可能である。例えば、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩の溶液は、蒸発させ、冷却し、アンチソルベント(antisolvent)またはそれらの組み合わせで処理してもよい。アンチソルベントでの処理は、層形成(layering)、または、蒸気拡散技術によって行うことができる。適切なアンチソルベントとしては、結晶化溶媒と混和性を有する弱極性有機溶媒、例えばエーテル(例えば、ジエチルエーテル、THF、メチル−t−ブチルエーテルなど)、および、炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなど)が挙げられる。
本発明の塩の形態は、少なくとも1種のその他の物質と共に、上記塩の形態を(あらゆる検出可能な量で)含む組成物の形態で提供することができる。例えば、組成物は、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約96、少なくとも約97、少なくとも約98、少なくとも約99質量%の本発明の塩の形態を含んでいてもよい。
いくつかの実施態様において、本組成物は、本発明の塩を製薬上許容できるキャリアーと組み合わせて含む医薬組成物である。いくつかの実施態様において、本医薬組成物は、本発明の塩を、約750mg以下の量で含み、具体的には約75mg〜約750mgの量で含む。その他の実施態様において、本医薬組成物は、約1mg〜約600mgの本発明の塩を含む。さらなる実施態様において、本医薬組成物は、約100mg〜約400mgの本発明の塩を含む。
さらなる実施態様において、本医薬組成物は、本発明の塩を、製薬上許容できるキャリアー、および、少なくとも1種の追加の活性成分と組み合わせて含む。追加の活性成分の例としては、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、または、セロトニン再取り込み阻害剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、従って、従来の手法により従来の医薬品添加剤を用いて得ることができる。本発明の組成物の製造において、上記活性成分は、典型的には、添加剤と混合してもよいし、添加剤で希釈してもよいし、または、例えばカプセル、サシェ、紙、またはその他の容器の形態のこのようなキャリアー内に封入してもよい。添加剤が賦形剤として利用される場合、添加剤は、固体、半固体または液状の物質が可能であり、これらは活性成分のためのビヒクル、キャリアーまたは媒体としての働きをする。従って、本組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体として、または、液状媒体中で)、例えば10質量%以下の上記活性な化合物を含む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射用液剤、および、滅菌パッケージ化散剤の形態が可能である。経口での使用を目的とする医薬組成物はさらに、例えば、1種またはそれ以上の着色剤、甘味料、着香料、および/または、保存剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、例えば経口、筋肉内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、クモ膜下、脳室内の、および、関節への注射によるなどのあらゆる経路で投与することができる。
単一剤形を生産するための1種またはそれ以上の添加剤と組み合わされる活性成分の量は、必然的に、治療されるホストおよび具体的な投与経路に応じて様々であると予想される。治療または予防目的のための上記活性な化合物の用量の規模は、当然ながら、症状または状態の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路によって、よく知られた医療の原則に従い様々であると予想される。
本発明はさらに、統合失調症、およびその他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病);認知症、およびその他の認識障害、不安障害(例えば、全般性不安障害);気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害;双極性障害、例えば双極I型およびII型、双極性躁病、双極性うつ病);睡眠障害;通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害(例えば、注意欠陥障害、および、破壊的行動障害);および、神経変性障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、医薬的に有効な量の本発明の塩の形態、または、それらの1種またはそれ以上を含む組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、上記症状および状態としては、これらに限定されないが、一般的に精神病および神経変性障害に伴う不安、動揺、敵意、パニック、摂食障害、感情的な症状、気分症状、精神病の陰性および陽性症状が挙げられる。いくつかの実施態様において、上記症状および状態は、精神病、統合失調症、双極I型および不安のいずれかである。
いくつかの実施態様において、本発明はさらに、これらに限定されないが:1)統合失調症、およびその他の精神病性障害、例えば、これらに限定されないが、精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、および、一般身体疾患による精神病性障害;2)認知症、およびその他の認識障害;3)不安障害、例えば、これらに限定されないが、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、および、一般身体疾患による全般性不安障害;4)気分障害、例えば、これらに限定されないが、a)抑うつ障害、例えば、これらに限定されないが、大うつ病性障害、および、気分変調性障害、および、b)双極性うつ病および/または双極性躁病、例えば、これらに限定されないが、双極性I型障害、例えば、これらに限定されないが、躁病エピソード、うつ病エピソードまたは混合性エピソードを伴う双極性I型障害、および、双極性II型障害、c)気分循環性障害、d)一般身体疾患による気分障害;5)睡眠障害;6)通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害、例えば、これらに限定されないが、精神遅滞、学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害、注意欠陥および破壊的行動障害、幼児期または小児期早期の哺育、摂食障害、チック障害、および、排泄障害;7)物質関連障害、例えば、これらに限定されないが、物質依存、物質乱用、物質中毒、物質離脱、アルコール関連障害、アンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害、カフェイン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤関連障害、吸入剤関連障害、ニコチン関連障害、オピオイド関連障害、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害、および、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害;8)注意欠陥および破壊的行動障害;9)摂食障害;10)人格障害、例えば、これらに限定されないが、強迫性人格障害;および、11)衝動制御障害に関連する少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供する。
上記の状態および障害は、例えば、米国精神医学会(American Psychiatric Association):Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第四版,テキスト改訂版,ワシントンDC,米国精神医学会,2000で定義される。また物質乱用および物質依存、ならびに関連する障害も同書で定義される。またこのマニュアルは、物質の使用、乱用および依存性に関連する症状および診断上の特徴に関するさらなる詳細についても参照することができる。物質乱用および物質依存を引き起こす典型的な物質としては、アンフェタミン、大麻、コカイン、クラック、幻覚薬、吸入剤、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、および、アルコールのような薬物が挙げられる。またニコチンも、物質依存を引き起こす可能性がある。
本発明はさらに、本明細書で開示される少なくとも1種の症状または状態の治療方法を提供し、本方法は、哺乳動物に、医薬的に有効な量の本発明の塩、または、それらの1種またはそれ以上と、治療有効量の少なくとも1種のその他の治療活性を有する物質とを含む組成物を投与することによってなされ、ここにおいて上記その他の治療活性を有する物質は、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害剤、および、気分安定剤から選択される。
典型的なベンゾジアゼピンとしては、これらに限定されないが、アジナゾラム、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロナゼパム、クロラゼプ酸塩、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、バレゼパム(balezepam)、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、および、それらと等価なものが挙げられる。
典型的な5−HT1A、および/または、5−HT1Bリガンドとしては、これらに限定されないが、ブスピロン、アルネスピロン、エルザソナン、イプサピロン、ゲピロン、ゾピクロン、および、それらと等価なものが挙げられる。
典型的なmGluR2アゴニストとしては(1S,3R)−1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸(2S,3S,4S)アルファ−(カルボキシシクロプロピル)グリシン、および、3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンが挙げられる。
典型的な抗うつ薬としては、これらに限定されないが、マプロチリン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、SSRIおよびSNRI、例えばフルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、ベンラファキシン、フルオキサミン、ならびに、レボキセチンが挙げられる。
典型的な抗精神病薬としては、これらに限定されないが、クロザピン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アミスルプリド、スルピリド、ゾテピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ジプラシドン、および、セルチンドールが挙げられる。
典型的な気分安定剤としては、これらに限定されないが、バルプロ酸(バルプロ酸塩)およびその誘導体(例えば、ジバルプロエックス(divalproex))、ラモトリギン、リチウム、ベラパミル、カルバマゼピン、ならびに、ガバペンチンが挙げられる。
2種またはそれ以上の活性物質の投与は、併用療法の利点が得られるように設計された適切な投与計画の一環として、例えば、同じ製剤の一部として組み合わせて行ってもよいし、または、別々に(例えば、連続的に、または、逐次的に)行ってもよい。適切な投与計画、投与される活性物質の各投与量、および、各活性物質の投与間の特定のインターバルは、治療される対象、投与される具体的な活性物質、および、治療される特定の障害または状態の性質および重症度に依存すると予想される。
一般的に、本発明の塩は、単一の活性物質として用いられるか、または、その他の活性物質と組み合わせて用いられるかのいずれかにおいて、哺乳動物に、単回投与で、または、反復投与で、1日あたり約750mg以下の量で、特に1日あたり約75mg〜約750mgの量で投与されると予想される。本発明のその他の形態において、上記塩の量は、1日あたり約1mg〜約600mgで投与してもよい。本発明のその他の形態において、上記塩は、1日あたり約100mg〜約400mgの量で投与してもよい。このような化合物は、1日あたり6回以下、好ましくは1日あたり1〜4回の処方計画で投与してもよい。治療される哺乳動物、および、治療に対する個体の反応、ならびに選択された医薬製剤のタイプ、および、このような投与が行われる期間およびインターバルに応じて、バリエーションが生じ得る。場合によっては、前述の範囲の下限より低い用量レベルで十分な可能性があり、一方でその他のケースにおいては、上限よりも高い用量を用いて所望の効果を達成する可能性もあるが、ただしこのような高い用量を用いる場合、まずは一日投与量を数回の少ない用量に分割する。
いくつかの実施態様において、哺乳動物には、予め決められた用量を含む塩の形態が1日1回〜4回で投与され、ここにおいて上記予め決められた用量は、約1mg〜約600mgである。
本発明はまた、本明細書で示された症状または状態の治療方法を提供し、該方法は、初期の予め決められた用量の上記塩の形態を患者(ヒト)に1日2回日投与する工程を含み、ここにおいて上記予め決められた用量は1mg〜30mgであり、2日目および3日目には、許容される程度に1〜50mgずつ増加させて1日2回投与される。それに続いて、さらなる用量の調節は、2日のインターバル、またはそれより長いインターバルで行うことができる。
臨床医は、当技術分野既知の多数の方法を用いることによって有効量を決定することができる。本発明に関して、用語「治療(すること)」は、すでに存在する疾患状態、急性もしくは慢性、または、再発性の症状もしくは状態のいずれかを軽減するために、有効量の本明細書で説明される塩を投与することを含む。この定義はまた、再発性の状態を予防するための予防的治療、および、慢性障害のための継続的な治療も包含する。
本発明に関して、用語「治療(すること)」は、すでに存在する疾患の状態、急性もしくは慢性、または、再発性の症状もしくは状態のいずれかを軽減または抑制するために、治療有効量の本発明の結晶形投与を包含することを意味する。また、再発性の状態を予防するための予防的治療、および、慢性障害のための継続的な治療も包含される。
用語「哺乳動物」は、あらゆる温血動物を意味し、好ましくはヒトである。いくつかの実施態様において、哺乳動物は、上述の症状、疾患または障害の1種またはそれ以上に罹っているか、または、それらを発症する傾向があるため、治療が必要である。
本明細書で説明される塩の形態のいずれか、または全部は、それらのあらゆる組み合わせも含めて、これらは本明細書で開示される疾患、障害または状態のいずれかを治療するための薬剤の製造において用いることができる。
本明細書において開示された発明をより効率的に理解できるようにするために、以下の実施例を提供する。当然ながらこれらの実施例は単に説明のためであるが、どのような形でも本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンL−酒石酸塩一水和物
アセトニトリル5mL中に、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン500mg(1.693mmol)を溶解した。アセトニトリル5mL中に、L−酒石酸254mg(1.693mmol)を加熱しながら溶解した。この溶液を合わせたところ、即座にわずかにゴム様の固体が沈殿した。この混合物を、追加のアセトニトリル5mLで希釈した。この固体は溶解しなかったが、摩砕して流動しやすい固体にした。この混合物は、一晩変化を起こさなかった。この固体を集め、アセトニトリル(5mL)で洗浄し、真空下で40℃で乾燥させ、結晶性固体707mg(93.8%)を得た。mp:170〜175℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6)は、表題の塩と一致した。
偏光顕微鏡により、この固体は、不規則な形状の結晶性粒子で構成されていることが解明された。DSCによれば、118.3および175.1℃において2つの幅広な吸熱が解明された(図1)。より低い温度での吸熱性の事象は、水の損失に起因する可能性があり、より高い温度での吸熱性の事象は、溶融、それに続く分解に起因する可能性がある。TGAにより、2つの質量減少段階が解明された(図1)。より低い温度での質量減少の段階は、より低い温度でのDSC事象と一致し、約1モル当量の水に相当すると測定された。より高い質量減少の段階は、より高いDSC事象と一致した。動的ベーパーソープション(DVS)の研究から、上記塩は吸湿性であることが示された(図2)。水分増加は、ヒステリシスを全く伴わない可逆性を示し、その増加量は、90%のRHで、上記塩中にすでに含まれる水分に加えて約1モル当量であった。
実施例2:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンフマル酸塩
アセトニトリル5mL中で、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン500mg(1.693mmol)を溶解した。アセトニトリル5mL中に、フマル酸197mg(1.693mmol)を加熱しながら溶解した。この溶液を合わせたところ、沈殿が生じた。この固体を加熱して再溶解し、続いて冷却しながら比較的ゆっくり結晶化させたところ、流動しやすい固体が生成した。この混合物は、一晩変化を起こさなかった。この固体を集め、アセトニトリル(5mL)で洗浄し、真空下で40℃で乾燥させ、結晶性固体574mg(82.3%)を得た。mp:159〜163℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6)は、表題の塩と一致した。
偏光顕微鏡により、棒形の結晶性粒子であることが解明された。DSCにより、153.3℃において、最後に起こるより高い温度での分解前の溶融が起こる事象とみられる1つの吸熱があることが解明された(図3)。TGAにより、水/溶媒の温度領域において1.4%の質量減少が解明された(図3)。DVSから、上記塩は吸湿性であり、水和物形成に特徴的な等温線を示すことが示された(図4)。各サイクルの収着の等温線は異なっており、これは、形態の変化の可能性を示す。50〜80%RHの第一サイクルのプラトー(ひし形)は、1モル当量の水にほぼ等しかった。同じ領域における第二サイクルのプラトー(三角形)は、0%RHにおける第二サイクルの開始点で増加した約2.5モル当量に等しかった。第二サイクルが、第一サイクルよりも低い質量で停止したという観察は、恐らく、サイクリング前のサンプルの不完全な乾燥に起因すると考えられる。
実施例3:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンメタンスルホン酸塩
アセトニトリル5mL中に、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン500mg(1.693mmol)を溶解した。メタンスルホン酸を、室温でアセトニトリル5mLに溶解した。この溶液を合わせたところ、透明な溶液が生じた。数時間後、室温で固体は沈殿しなかった。一晩そのままにしたところ、結晶が形成した。この固体を崩壊させ、集め、アセトニトリル(5mL)で洗浄し、真空下で40℃で乾燥させ、結晶性の物質471mg(71%)を得て、そのmpは251〜253℃(シャープ)であった。1H NMR(DMSO−d6)は、表題の塩と一致した。
偏光顕微鏡により、この物質は、不規則な形状の結晶性粒子で構成されていることが解明された。DSCにより、259.5℃において1つの明確な吸熱性の事象が解明された(図5)。TGAから、水/溶媒領域において0.5%のわずかな質量減少が示された(図5)。DVSから、上記塩は、可逆的な水分の収着を示し、ヒステリシスを示さない中程度の吸湿性を示すことが明らかになった(図6)。形態の変化を示す証拠は観察されなかった。
実施例4:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン硫酸塩
アセトニトリル5mL中に、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(500mg,1.693mmol)を溶解した。アセトニトリル5mL中に、室温でH2SO4(166mg,1.693mmol)を溶解した。この溶液を合わせたところ、即座にゴム様の固体の沈殿が生じた。この固体は、再加熱しても再溶解しなかったが、流動しやすい固体に摩砕した。この固体は、一晩でゴム様の塊に崩壊し、これをメタノール(50mL)に再溶解させ、顆粒状の固体にして取り出し、これをアセトン(20mL)下で摩砕し、ろ過し、真空下で40℃で乾燥させ、660mg(99%)を得た。mp:100〜105℃(シャープ)。1H NMR(DMSO−d6)は、表題の塩と一致した。
偏光顕微鏡により、この物質は、極めて小さい結晶性粒子の凝集体で構成されていることが解明された。DSCにより、2つの大きい吸熱事象と、3つの小さい吸熱現象があることが解明された(図7)。その2つの大きい事象のうち、低い温度のほうの事象は、水/溶媒の損失に相当し、高い温度のほうの事象は、溶融/分解に相当する可能性がある。3つの小さい現象は、形態の変化に相当する可能性がある。DVSから、この物質は、弱い多水和物に特徴的な等温線を有する吸湿性を示すことが明らかになった(図8)。第二サイクルの収着相がほぼ終わったところで実験を止めた。第一サイクルからのデータから、水分は、脱着相中に失われ、最初の乾燥相中には失われなかったことが示された。第一サイクルでは約2.5モル当量の水が増加したが、第二サイクル中にはほぼ4モル当量が増加した。
実施例5:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンリン酸塩
アセトニトリル5mL中で、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン500mg(1.693mmol)を溶解させた。アセトニトリル5mL中に、室温で、H3PO4(85%分析;163mg,1.693mmol)を溶解させた。この溶液を合わせたところ、即座にわずかにゴム様の固体の沈殿が生じた。この固体は再加熱しても再溶解しなかったが、流動しやすい固体に摩砕した。一晩そのままにしても変化はなかった。この固体を集め、アセトニトリル(5mL)で洗浄し、真空下で40℃で乾燥させ、結晶性固体588mg(88.7%)を得た。mp:227〜233℃(分解)。1N NMR(DMSO−d6)は、表題の塩と一致した。
偏光顕微鏡により、この物質は、棒状の結晶性粒子で構成されていることが解明された。DSCにより、より高い温度での一連の吸熱事象は、溶融および分解に相当する可能性があることが解明された(図9を参照)。またTGAからも、105℃において0.5%のわずかな水分を消失することが示された(図9を参照)。DVSから、この物質は、わずかに吸湿性であることが明らかになった(図10を参照)。水分増加は、第一サイクルにおいて可逆的であり、ある程度のヒステリシスを示した(チャンネル水和物(channel hydrate)の特徴)。このサイクルは十分にオーバーラップしており、形態の変化を示す証拠はなかった。
実施例6:11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩のスクリーニング
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを、以下の表1に列挙した30種の酸を用いて塩の形成が起こる可能性に関してスクリーニングした。表題の酸それぞれのストック溶液(0.05M)をメタノールで製造した。また無定形11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(遊離塩基)のストック溶液(0.05M)も製造した。ガラス製96ウェルプレートの個々のウェル中で、遊離塩基溶液の150μLアリコートを、それぞれの酸溶液の150μLのアリコートと混合した。それぞれの組み合わせを二連で製造した。室温(rt)または50℃のいずれかでメタノールを蒸発させた。次に、各ウェルを、まずは40倍の倍率で直交ポーラー下で顕微鏡観察し、形成された全ての固形材料の性質(結晶性または非晶性)を決定した。
その他の溶媒(アセトン、アセトニトリル、または、酢酸エチルのいずれか)の300μLのアリコートを、各ウェルに添加した。次に、このプレートを超音波処理して、この固形材料を再溶解させ、それに続いて室温または50℃で貯蔵することで、溶媒を蒸発させた。次に、各ウェルを、まずは40倍の倍率で直交ポーラー下で顕微鏡観察し、形成された全ての固形材料の性質(結晶性または非晶性)を決定した。表1に、結果を示す。記号「A」は、固形の無定形粒子/フィルムの形成を示す。記号「B」は、無定形ケークの形成を示す。記号「C」は、結晶性粒子の形成を示す。記号「P」は、混合後に沈殿し、結晶状粒子が形成されたことを示す。
Figure 2009516705
本明細書において説明されたことがらに加えて、本発明の様々な改変が、当業者であれば前述の説明から十分理解できるものと予想される。またこのような改変も、添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。本願で引用された各参考文献(例えば、これらに限定されないが、ジャーナルの論文、米国特許、および、米国以外の特許、公開特許公報、国際公開特許公報、遺伝子バンクの登録番号など)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
L−酒石酸塩のTGA/DSCサーモグラムを示す。 L−酒石酸塩に関するDVS分析を示す。 フマル酸塩のTGA/DSCサーモグラムを示す。 フマル酸塩に関するDVS分析を示す。 メタンスルホン酸塩のTGA/DSCサーモグラムを示す。 メタンスルホン酸塩に関するDVS分析を示す。 硫酸塩のTGA/DSCサーモグラムを示す。 硫酸塩に関するDVS分析を示す。 リン酸塩のTGA/DSCサーモグラムを示す。 リン酸塩に関するDVS分析を示す。

Claims (10)

  1. 以下の塩:
    a)L−酒石酸塩;
    b)フマル酸塩;
    c)メタンスルホン酸塩;
    d)硫酸塩;
    e)リン酸塩;
    f)酢酸塩;
    g)L−アスコルビン酸塩;
    h)安息香酸塩;
    i)ベンゼンスルホン酸塩;
    j)2−(ベンゾイルアミノ)酢酸塩;
    k)(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸塩;
    l)クエン酸塩;
    m)1,2−エタンジスルホン酸塩;
    n)エタンスルホン酸塩;
    o)ギ酸塩;
    p)グルコン酸塩;
    q)乳酸塩;
    r)マレイン酸塩;
    s)L−リンゴ酸塩;
    t)DL−マンデル酸塩;
    u)ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩;
    v)ナフタレン−2−スルホン酸塩;
    w)硝酸塩;
    x)オクタデカン酸塩;
    y)p−トルエンスルホン酸塩;
    z)プロパン二酸塩;
    aa)コハク酸塩;
    bb)ウンデカ−10−エン酸塩;または
    cc)p−キシレン−2−スルホン酸塩、
    である、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩。
  2. 塩が結晶である、請求項1に記載の塩。
  3. 請求項1に記載の塩を含む組成物。
  4. 製薬上許容できるキャリアーをさらに含む、請求項3に記載の組成物。
  5. 少なくとも1種のベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、またはセロトニン再取り込み阻害剤をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1に記載の塩のいずれか一種の製造方法であって、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンと、
    a)L−酒石酸;
    b)フマル酸;
    c)メタンスルホン酸;
    d)硫酸;
    e)リン酸;
    f)酢酸;
    g)L−アスコルビン酸;
    h)安息香酸;
    i)ベンゼンスルホン酸
    j)2−(ベンゾイルアミノ)酢酸;
    k)(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸;
    l)クエン酸;
    m)1,2−エタンジスルホン酸;
    n)エタンスルホン酸;
    o)ギ酸;
    p)グルコン酸;
    q)乳酸;
    r)マレイン酸;
    s)L−リンゴ酸;
    t)DL−マンデル酸;
    u)ナフタレン−1,5−ジスルホン酸;
    v)ナフタレン−2−スルホン酸;
    w)硝酸;
    x)オクタデカン酸;
    y)p−トルエンスルホン酸;
    z)プロパン二酸;
    aa)コハク酸;
    bb)ウンデカ−10−エン酸;または
    cc)p−キシレン−2−スルホン酸
    とを一緒に溶媒中で混合することおよび該溶媒から上記塩を沈殿させることを含む上記方法。
  7. 11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンおよび酸は約5:1〜約1:5のモル比で組み合される、請求項6に記載の方法。
  8. 11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンおよび酸は約1:1〜約1:2のモル比で組み合される、請求項6に記載の方法。
  9. 溶媒は、アセトニトリル、メタノール、アセトン、酢酸エチルまたはその混合物を含む、請求項6に記載の方法。
  10. 請求項6に記載の方法によって製造された11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの塩。
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