JP2009514543A - オリゴ糖の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ガラクトシダーゼを生産する細菌を用いた、ラクトースからのガラクトオリゴ糖のプレバイオティック混合物の製造方法であって、前記細菌細胞が、産物の収量を損なうことなく、合成反応に再利用可能な方法。

Description

本発明は、ガラクトオリゴ糖のプレバイオティック混合物の製造方法に関する。
プレバイオティック(prebiotic)とは、大腸内の一種または限られた種類の細菌の増殖及び/又は活性を選択的に刺激することで哺乳動物宿主に有益な作用を及ぼし、それによって該宿主の健康を向上させる、非消化性食品成分として定義される。
ガラクトオリゴ糖は、哺乳動物の胃腸消化酵素に対する耐性を有するが、特定の大腸内の細菌により発酵される、非消化性の糖質である。これらは、大腸の近位及び横行部において非常に良好なプレバイオティック活性を示すことが実証されている。
英国特許第2 412 380号には、ラクトースを、Gal (α1-6)-Gal、Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glc、Gal (β1- 3)-Gal (β1-4)-Glc、Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glc及びGal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glcを含む新規なガラクトオリゴ糖混合物へと変換するガラクトシダーゼ酵素活性を生み出すことができるビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)の新株が記載されている。この株は、2003年3月31日に、受託番号NCIMB 41171として、アバディーン市のNational Collection of Industrial and Marine Bacteriaに寄託された。
このようなビフィドバクテリウム・ビフィダムの寄託株又はその生物学的機能等価物は、本発明の方法において、上記に定義されるガラクトオリゴ糖混合物の生産に用いることができる。「生物学的機能等価物」という表現は、ラクトースを上記に定義するガラクトオリゴ糖混合物へと変換するガラクトシダーゼ酵素活性を生じるビフィドバクテリウム・ビフィダム株を意味するものとして解釈される。
上記に定義するガラクトオリゴ糖混合物を生産するために、ラクトース又はラクトース含有基質を、上記に定義するビフィドバクテリウム・ビフィダム株で処理する。
適切なラクトース含有基質は、市販のラクトース、全乳、低脂肪乳(semi-skimmed milk)、スキムミルク、乳清及び脂肪置換乳(fat-filled milk)から選択してもよい。このような乳製品は、ウシ、水牛、ヒツジ又はヤギから得てもよい。脂肪置換乳は、脱脂して乳脂を取り除き、次いで添加した植物性脂肪又は植物油で前記乳脂を置き換えた全乳として定義される。
前記ビフィドバクテリウム・ビフィダムの寄託株によって作られるガラクトシダーゼは大部分が細胞結合性のものであるため、ガラクトオリゴ糖混合物の合成に細胞全体を用いることが可能であることが見出された。また、細菌細胞(バイオマス)は遠心により回収でき、バイオマスの著しい損失又は反応時間の変化を伴うことなく同量のオリゴ糖産物を生産しながら、連続して最大8回の合成反応に再利用できることが見出されたが、これは予測不能なものであった。
本発明によれば、Gal (α1-6)-Galの二糖、Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glc、Gal (β1-3)-Gal (β1-4)-Glcから選択される少なくとも1の三糖、Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glcの四糖及びGal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glcの五糖を含むガラクトオリゴ糖混合物の合成方法であって、ここでGalはガラクトース残基を表し、Glcはグルコース残基を表し、ビフィドバクテリウム・ビフィダム細胞の培養物がラクトース又はラクトース含有基質に添加され、該細菌細胞は、ガラクトオリゴ糖混合物の収量を損なうことなく最大8回の連続合成反応に再利用される、方法が提供される。
8回の合成反応の後には、生産されるオリゴ糖に僅かな減少が生じ、この減少は12回の再利用後では最初の反応で生じる全産物の10%に相当する。
本発明は、以下の実施例を参照することで更に説明される。
(実施例)
材料及び方法
本研究を通して用いる全ての化学薬品及び培地試料は、Sigma (ドーセット、英国)、VWR (ドーセット、英国)、及びOxoid (ベージングストーク、英国) 製である。
微生物の増殖及び酵素の生産
ビフィドバクテリウム・ビフィダムNCIMB 41171はヒトの糞便試料から単離された。使用する培養物は、15 g/lのトリプトン、2.5 g/lのLab Lemco (通常の肉エキス)、7.5 g/lの酵母抽出物、4.5 g/lのK2HPO4、0.05 g/lのシステイン-HCl、2.5 g/lのラクトース、7.5 g/lのグルコース及び1 ml/lのTween 80を含有するブロス培地で増殖させた。増殖培地のpHは、オートクレーブする前に6.7に調整し、37℃の嫌気性条件下(H2:CO2:N2=10:10:80)でインキュベーションを行った。
B. ビフィダム(ビフィドバクテリウム・ビフィダム)酵素生産のための発酵は、7及び150Lの発酵用容器を用いて、無菌操作を確実に行うための全ての必要な措置をとりながら行った。最大の酵素生産に用いた培養培地は、7.5 g/lのトリプトン、7.5 g/lのLab Lemco (通常の肉エキス)、7.5 g/lの酵母抽出物、2 g/lのK2HPO4、0.5 g/lのシステイン-HCl、4 g/lのラクトース、6 g/lのグルコース 及び0.5 ml/lのTween 80を含んでいた。発酵槽内の無酸素状態は、滅菌後の冷却時間中に酸素不含の窒素を培養培地に流し、そして増殖中に培養物上に窒素ブランケット(nitrogen blanket)を作り出すことで、実現した。種菌濃度は5%(v v-1)であり、温度を37℃に維持し、100 rpmで撹拌し、水酸化ナトリウム溶液(2M)を用いてpHを6.7に調整した。
B.ビフィダムNCIMB 41171が作り出すガラクトシダーゼ活性の3分の2より高い割合が、この微生物の細胞壁に結合したものであり、残りの活性は培養上清中に分泌されたものであることが観察された。この理由及び遠心(7,000 x g)によりバイオマスの回収が容易であるため、微生物細胞に結合したガラクトシダーゼ酵素を回収し、GOS(ガラクトオリゴ糖)合成用の酵素調製物として用いた。バイオマスの回収を補助するため、培養物のpH(指数増殖期の大部分において6.7に調整されていた)を、増殖の定常期に細胞凝集を引き起こす5ないし5.5の値に低下させた。
回収した細胞ペレットを0.1 Mのリン酸バッファー(pH 6.8)中に再懸濁し、2回洗浄し、次いでトルエンで処理した。Onishi, Yamashiro and Yokozeki, Appl. & Env. Microbiol (1995), 61 (11), 4002-4025に従って行われたB.ビフィダムのバイオマスのトルエン処理により細胞透過性が増大し、従って観察されたガラクトシダーゼ活性も増大した。この処理は、1lの培養物から回収した細胞を80 mlの0.1 M リン酸バッファー(pH 6.8)中に再懸濁し、この懸濁液に0.16 mlのトルエンを添加することによって行った。この調製物を、20℃の振とうウォーターバスに 1時間置いた。次いで、細胞をバッファーで3回洗浄し、凍結させて凍結乾燥した。この凍結乾燥されたバイオマス調製物を、GOS合成に用いた。
発酵中のバイオマスのモニターは、脱イオン水での洗浄及び105℃での4時間の乾燥の後に0.2 μmフィルター上に残った細胞の重さに基づいて行った。細菌数は、Wilkins-Chalgreen嫌気性菌用アガー上に播くことでモニターした。
α-及びβ-ガラクトシダーゼ活性の測定、至適pH及び温度の決定
B.ビフィダムバイオマス中に含まれるβ-ガラクトシダーゼ活性の測定は、4-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシドを基質として用いて、40℃の0.1 Mのリン酸バッファー溶液 (pH 6.8)中で行った。四ホウ酸二ナトリウム(0.2 M)を用いて酵素反応を停止させて呈色させた。酵素活性は、420 nm吸光度により測定した遊離したO-ニトロフェノールの関数として測定した。基質とバイオマスの干渉についての補正を考慮に入れた。1ユニットのβ-ガラクトシダーゼは、上記に特定される条件において1分間に1マイクロモルのO-ニトロフェノールを遊離する酵素量として定義した。
B.ビフィダム細胞中のβ-ガラクトシダーゼ活性に至適なpHは、標準バイオマス調製物の(上記に記載する)酵素活性測定を、種々のpH値(4〜8の間)において行い決定した。10 mMの2-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド溶液は、所望のpHに調製した0.1 M のリン酸バッファーとクエン酸-リン酸バッファーを用いて調製した。
B.ビフィダム細胞に含まれるβ-ガラクトシダーゼ活性に至適な温度は、標準バイオマス調製物の(上記に記載する)酵素活性測定を、30〜55℃の間の種々の温度において行い決定した。
α-ガラクトシダーゼ活性はβ-ガラクトシダーゼと同様に測定して定義したが、基質には4-ニトロフェニル-α-D-ガラクトピラノシドを用いた。
GOS合成及び副生成物阻害
GOSの合成は、純粋ラクトースと乳清の限外濾過透過溶液とを用いて行った。
純粋ラクトースを基質(450、500 mg/ml)として用いる場合、合成は、0.1 Mのリン酸 (pH 6.8) バッファー溶液及び0.1 Mのクエン酸/クエン酸ナトリウム (6.2) バッファー溶液中で100 rpmで撹拌しながら40±5℃にて行った。ラクトースを溶解させて温度を40℃で平衡化した後、100 mlの合成混合物につき2.5 gの凍結乾燥した酵素(344 U g-1)を添加した。反応を、24時間にわたり経過観察した。サンプルを10分間煮て酵素を不活化させ、続いてその糖質含有量を分析した。温度が40℃にまで低下した場合にはラクトースの結晶化が観察されたので、高いラクトース合成濃度を適用することが出来なかった。
上記のGOS合成条件(450 mg/mlの基質濃度)下では、6時間経過した時点でオリゴ糖の至適濃度が観察された。繰り返しの合成反応に同じバイオマスを再利用できる可能性をテストするため、7,000 rpmの遠心により回収した同じバイオマスを用いて、繰り返し450 mg/mlで合成反応を行うことにより実験を行った。6日間かけて一連の12回にわたる6時間の合成反応を、反応間の期間は2-4℃で保存されたバイオマスを用いて連続して行った。バイオマス濃度の低下を回避するため、糖質解析用のサンプルは遠心後に回収した。
乳清の限外濾過透過物の(粉末形態の)濃縮物は、厚意によりVolac International Ltd (リバプール、英国) から提供された。提供された試料には、0-0.5 % (w/w)の脂質、4.5-7.5 %のタンパク質、8-10%の灰分、82 %のラクトースが含まれ、水で希釈した場合のpHは5ないし5.5であった。合成に先立ち、乳清の全試料を95℃に加熱して結晶化したラクトースを溶解させ、7,000 rpmで10分間遠心することにより、存在するペプチドの熱変性の結果として観察された沈殿物を取り除いた。この沈殿物は、その除去に用いた条件下で、全溶液重量の2.6 % (w/w)を占めていた。遠心によってB.ビフィダムバイオマスを回収可能とし、これをその後の合成反応に再利用可能にするためには、上記タンパク質沈殿物の除去が必要であると考えた。合成条件と酵素濃度は、純粋ラクトースを用いた合成反応について記載した通りである。
GOS生産に対するグルコースとガラクトースの効果をテストするため、基質としてのラクトース (400 mg/ml)と同時に、異なる濃度のグルコース及びガラクトース (100又は150 mg/ml)を最初に反応混合物に添加して、一連の実験を行った。これらの実験は、pH 6.8 (0.1 M リン酸バッファー)、40±0.5℃で100 rpmで撹拌しながら行い、100 ml の合成混合物に対して2.5 gの凍結乾燥したバイオマス(344 U/g)を添加した。
上記の全てのGOS合成反応は、2回反復で行った。
GOS混合物からの単糖の選択的除去
酵母の発酵により、混合物内で生成した単糖から上記で生産したオリゴ糖の選択的精製を試みた。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株は、種々の糖質に対して選択的な発酵特性を示すため、これを用いた。グルコースとガラクトースは、GOS合成中の単糖副生成物であり、ラクトースの加水分解及び転移ガラクトシル化(trans-galactosylation)のアクセプターとして作用する水分子へのガラクトース転移により形成される。
本試験中に製造したオリゴ糖及び市販のオリゴ糖混合物(Vivinal GOS、Borculo Domo Ingredients製、ズウォレ、オランダ;57% (w w-1) のGOS、23%のラクトース、22%のグルコース及び0.8%のガラクトース)の精製を行った。酵母の代謝に適切なpHを維持するため、450 mg/mlの糖濃度を有する糖質混合物の溶液を、0.1 Mのリン酸バッファー(pH 6.8)で調製し、フィルター滅菌した。発酵は、100 mlの溶液に1 gの凍結乾燥酵母(29 x 109 cfu(コロニー形成単位) g-1)を添加して、30℃の振とうフラスコ中で行った。続いて、発酵を32時間にわたって経過観察し、サンプルの糖質、エタノール及びタンパク質の含有量について分析した。酵母細胞の計数は、CM129 トリプトンソーヤアガープレート上で行った。全てのGOS精製発酵は、2回反復で行った。
サンプルの糖質及びアルコール含有量についての分析
合成サンプルと酵母発酵サンプルは、Bio-Rad Laboratories Ltd (ハートフォードシャー、英国)製のAminex HPX-87C Ca+2樹脂系カラム(300 x 7.7 mm)及び屈折率検出器と連結したHPLCアナライザーを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析した。カラムを85℃に維持し、HPLCグレード水を、0.6 ml/分の流速で移動相として用いた。これらの条件下では、オリゴ糖は、2本の分離が不十分なピークとして溶出され、二糖(単ピーク)と単糖とがこれに続くが、単糖はグルコースとガラクトースが別々のピークとして現われた。エタノールは、単独で溶出されたので、標準検量線によるエタノールの測定は、このカラムを用いて可能であった。
オリゴ糖(重合度(DP)≧3)、二糖及び単糖の定量測定は、それぞれマルトトリオース、ラクトース、グルコース及びガラクトースの標準検量線を用いて行った。
HPLC分析によって示された二糖の結合したピークに含まれる転移ガラクトシル化二糖(transgalactosylated disaccharides)の量を定量するため、合成サンプルを更にパルスアンペロメトリック検出と連結した高速陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC-PAD)によって分析した。Dionex Chromatography (サリー、英国)製の薄膜陰イオン交換樹脂系カラムCarboPac PA-Iを用いた。糖質は、20±0.5℃の水酸化ナトリウムと酢酸ナトリウム溶液の濃度勾配移動相を用いて1 ml/分の流速で溶出した。この場合、ラクトースは、分離したピークとして溶出されるので、HPLCデータと併用することで転移ガラクトシル化二糖の定量測定を可能にする標準検量線を用いて、溶出したラクトースの定量が可能となった。
選択したサンプルは、ピリジン中で塩酸ヒドロキシルアミンを用いて糖オキシムへと誘導体化し、そしてヘキサメチルジシラザン及びトリフルオロ酢酸を用いて過シリル化(persilylation)した後に、更にガスクロマトグラフィー質量分析によって分析した。前記分析で用いたカラムは、J&W Scientific (米国) 製のDB-17MS (長さ30 m、内径0.25 mm、フィルム0.25 μm)であった。
結果と考察
B.ビフィダムNCIMB 41171ガラクトシダーゼの生産のための発酵
B.ビフィダムNCIMB 41171の生産のための発酵中、7-8時間の指数増殖期が観察され、細菌数は13x106から43x108 cfu ml-1へと増加した。定常期の初めに、2.68 g L-1の凍結乾燥バイオマス含有量が測定された。最大のガラクトシダーゼ活性は、培養が十分に定常期となった時点で観察され、1 mlの培養物(上清と細胞とを合わせ)当たり1 Uのβ-ガラクトシダーゼ活性が示された。これは結果として、1 gの凍結乾燥バイオマス当たり205.5 Uの活性を生じることになる。この試料のα-ガラクトシダーゼ活性は、3.05 U g-1と測定された。7 Lでの発酵とパイロットプラント(150 L)での発酵との相互間の再現性は非常に良く、このバイオマスをトルエン処理し、凍結させ、凍結乾燥させ、次いで全ての合成反応に用いた。B.ビフィダムNCIMB 41171バイオマスの凍結及び凍結乾燥は、ガラクトシダーゼ活性に影響しなかったが、意図した用途に関係のないことではあるが、細菌の生存率に影響した。B.ビフィダム細胞の凍結乾燥前のトルエン処理により細胞透過性が増大し、その結果、α-及びβ-ガラクトシダーゼ活性が増大し、それぞれ5.04 U g-1及び344 U g-1の活性が観察された。
GOSの合成
GOSの合成は、B.ビフィダムNCIMB 41171の細胞結合酵素を用いて行った。B.ビフィダム株には複数のガラクトシダーゼが存在し、本研究で生産されたオリゴ糖は、それらを組み合わせた活性による産物であると考えられた。図1は、HPLCで分析した、サンプルによるGOS生産中の典型的な経時変化を示す。オリゴ糖濃度は、初めに最大にまで増加し、その後、転移ガラクトシル化活性が加水分解活性よりも弱くなると減少した。ラクトースの加水分解により、相当な量のグルコースとガラクトースが形成された。
合成溶液の水分活性が、基質濃度の増加に従って減少することにより、水分子へのガラクトース転移反応が起こりにくくなるため、オリゴ糖濃度は、ラクトース濃度の上昇に伴って増加した。表1は、乳清濾過粉末(whey permeate powder)をラクトース供給源として用いた合成反応においてpH 6.8、6.2の最大可能基質濃度での合成反応による糖質組成を示す。表から分かるように、混合物内に存在する転移ガラクトシル化二糖(ラクトース以外の二糖)の量は、生産された重合度のより高い(DP≧3)オリゴ糖の濃度と非常に近似していた。合成のpHが6.8から6.2へ、さらに乳清濾過粉末を基質として用いた場合には5.4へと低下するに伴って、加水分解産物量の増大が観察された。乳清濾過基質の反応pHをより高い値に固定した場合、高くしたpHではペプチドとアミノ酸の存在により大規模なメイラード褐色反応(Maillard browning)が生じるため、好ましくないことが判明した。
最大オリゴ糖濃度でのラクトース変換率は、HPAEC-PADにより測定した実際のラクトース濃度を用いて決定され(表1)、最高のオリゴ糖濃度は、およそ80ないし85 %のラクトース変換率で観察された。合成に用いたラクトース濃度が増大するにつれて、最大オリゴ糖濃度が観察された点での基質変換率値も増大した。オリゴ糖の収量は、純粋ラクトースを基質として用いた場合には39%から43%の間で変化し、乳清濾過物をラクトース供給源として用いた場合には36%から38%の間で変化した。最初の基質濃度の違いによっては、収量の有意差は観察されなかった。
図2に、生産したオリゴ糖混合物の代表的なHPAEC-PADクロマトグラムを示す。種々のGOSが生産されているが、糖質の分子量が増大するに従って、その生産量が減少する。重要な発見は、スタンダードのα(1-6)ガラクトビオースと同じ保持時間で溶出した二糖であった。この結果の確認を行うため、サンプルを、その糖オキシムへ誘導体化した後に、ガスクロマトグラフィー質量分析により分析した。前記特定した分析条件下における、保持時間27.7及び29.0分での十分に分解された2本のピークの存在により、α結合した二糖の存在が再度確認された。各ピークのメインスペクトル比を対比したところ、スタンダードと合成サンプル間には、殆ど差異がなく、上記糖質の存在が再度確認された。連続する合成反応にB.ビフィダムバイオマスを再利用する可能性を検討した実験では、同量のバイオマスを8回の続いて行う450mg/ml (ラクトース) 合成反応に良好に再利用でき、同様の反応時間で同量のオリゴ糖産物が得られた(表1に示す)。
上記の時点から後では、生産されるオリゴ糖に僅かな減少が観察され、12回の再利用の後では、最初の反応で形成された産物全体の10%に相当した。
Figure 2009514543
pH 6.8、500 mg ml-1のラクトースにおけるB.ビフィダムNCIMB 41171合成反応(HPLC分析データ)を示す。

Claims (4)

  1. Gal (α1-6)-Galの二糖、Gal (β1-6)-Gal (β1-4)- Glc、Gal (β1-3)-Gal (β1-4)-Glcから選択される少なくとも1の三糖、Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glcの四糖及びGal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-6)-Gal (β1-4)-Glcの五糖を含むガラクトオリゴ糖混合物の合成方法であって、ここでGalはガラクトース残基を表し、Glcはグルコース残基を表し、ビフィドバクテリウム・ビフィダム細胞の培養物がラクトース又はラクトース含有基質に添加され、前記細胞が、前記ガラクトオリゴ糖混合物の収量を損なうことなく最大8回の連続合成反応に再利用されることを特徴とする方法。
  2. B.ビフィダムの前記培養物が、2003年3月31日に英国アバディーン市のNational Collection of Industrial and Marine Bacteriaに寄託されたNCIMB 41171株、又はここに定義される生物学的機能等価物の培養物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ラクトース含有基質が、全乳、低脂肪乳、スキムミルク、乳清及び脂肪置換乳から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記乳(ミルク)が、ウシ、水牛、ヒツジ又はヤギから得られる、請求項3に記載の方法。
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