JP2009512696A - 標的化イムノリポソームの調製法 - Google Patents

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Abstract

標的化された治療用リポソーム組成物の調製に使用するための標的化リガンドが結合したアビジン−脂質小胞の調製法が開示される。各小胞は、小胞がさらにビオチン化された標的化リガンドと連結するために使用できるように、多くの遊離部位のビオチン−結合部位を保持するポリマーに結合したビオチンに連結されたアビジン分子を含んでなる。

Description

発明の分野
本発明は、標的化した脂質にカプセル化された薬剤の送達系の調製法、およびその方法により調製された生成物に関する。さらに本発明は、標的化された薬剤を封入したリポソーム製剤の調製法に関する。
発明の背景
リポソーム技術におけるSTEALTH(商標)銘柄のような長期循環型リポソームは、感染、炎症および腫瘍の部位へ標的化された薬剤の適切な送達系であることが証明された。これらのPEG化され、立体的に安定化されたリポソームは、網−内皮系により迅速に取り込まれる裸のリポソーム薬剤粒子よりも、ヒトにおけるそれらの血液循環半減期に実質的な改善を示した(非特許文献1;非特許文献2)。ポリエチレングリコール(PEG)ポリマーのリン脂質の極性ヘッドへのコンジュゲーション(conjugation)は、それらの裸の対応物よりも水性環境中でさらに溶解性のPEG化リポソームを生じる。リポソーム表面を囲む親水性PEG分子は、構造を立体的に安定とし、そして免疫原性を低くし、リポソームがマクロファージに取り込まれることを防ぎ、したがってその循環時間を延ばす。
薬剤の部位特異的送達は、治療的効果を上げ、そして毒性を下げることができる。抗体または抗体フラグメント、炭水化物、酵素および他のリガンドを用いた標的化リポソームの多くの例が報告されてきた。これらの取り組みは、薬剤の脳、肺、腫瘍または免疫系の細胞への送達を含む応用に、進歩した部位特異的リポソーム薬剤担体技術を有する。抗体を結合したリポソーム(イムノリポソーム)は、標的化がモノクローナル抗体の高い結合親和性ならびにその特異的抗原に対する高い選択性により媒介されるので、特にこの目的によく適している。また標的化リポソームの全体的な治療効力は、標的組織を貫通するか、またはそうではなく所望の標的細胞に到達し、そしてリポソームの積載物を送達するための送達媒体(vector)の能力に依存する。イムノリポソームによる特異的細胞への薬剤送達は、ガンおよび他の疾患の処置および標的化作用物質のさらなる探査に有望な取り組みとなることが証明され、ならびにこれらの試薬の製造法における改善が保証される。
イムノリポソームは、全抗体、抗体フラグメント(例えばFab)または再工作された結合ドメイン(例えばscFv)に結合されたリポソームである。リポソームと抗体との間のリンカーとして、立体的に安定化されたリポソームのPEG鎖を使用することは、PEGが抗体をリポソームの脂質層から遮蔽することにより立体障害が減少するので、強化された抗体−抗原結合を生じることが観察された。PEGポリマーをタンパク質(PEG化)および他の生体分子へ付ける方法は、当該技術分野では周知である。
抗体をPEG−被覆リポソームに、抗体のPEGの遊離末端への共有結合を介して付ける方法が記載された(非特許文献3;非特許文献4)。1つの方法では、リポソーム−PEG−抗体結合体(conjugate)がリポソーム形成時に脂質組成物に含まれる。この取り組みは、抗体リガンドの幾つかがリポソームの内部水性区分に面し、意図する標的との相互作用に利用できないという不利益を有する。別の取り組みでは、抗体がPEG化され、結合体が精製され、そして続いて前形成されたリポソームに挿入される。代替的な手順では、リポソームが例えばPEG−マレイミドをその表面に包含することにより前活性化される。次いで活性化されたリポソームは、結合すべき標的化リガンドに接触させられ、次いで未反応ヘッド基がクエンチされなければならず、そして生じた混合物は未反応リポソームおよび非結合タンパク質から精製されなければならない。これらの取り組みでは、各標的化リガンドに特異的な多段階工程が考案され、そして至適化されなければならない。
目的の標的化リガンドに容易に付けることができる汎用的なPEG修飾化リポソーム組成物を開発する取り組みがなされてきた。そのような汎用的薬剤輸送媒体を調製することの1つの提案は、リポソームに標的化リガンドを連結するための基本として、ビオチン−アビジン結合の高い親和性を使用することであった。特許文献1および非特許文献5を参照にされたい。しかしこれらの方法は、処理法における特定の制限、またはリポソーム組成物または標的化リガンドのいずれかの選択に課される制限のいずれかを受ける。したがって、ストレプトアビジン−ビオチンを連結したリポソームの作成に関して改善された方法が必要である。
参考文献
米国特許第5,171,578号明細書 Allen,M.Biochim.Biophys.Acta 1066(1),29−36,1991 Maruyama,K.et al.Biochim.Biophys.Acta 1128(1),44−49,1992 Allen,T.M.,et al.,Biochim.Biophys.Acta 1237:99−108,1995 Blume,G.et al.,Biochim.Biophys.Acta 1149:180−184,1993 Schnyder et al.Biochem J 377:61−67,2004
発明の要約
本発明の1つの観点は:ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞の懸濁液を調製し;そしてビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞懸濁液を、過剰なアビジンまたはその改変体と接触させてビオチン−結合部位を提示するアビジンを連結した脂質構造を形成することを含んでなる、アビジンを連結した脂質小胞の調製法である。
本発明の別の観点は、本発明の方法により調製されるアビジンを連結した脂質小胞であり、ここで小胞はその表面上に結合したアビジンを提示し、この表面上に結合したアビジンは、該脂質構造に非共有的に付いており、そしてさらにビオチンまたはビオチン化化合物へ結合する能力を保持している。
本発明のさらに別の観点は、封入された薬剤に応答する状態に罹患している個体を処置するための、本発明の方法により調製されるリガンドを標的化するアビジンを連結した脂質小胞の使用法である。
発明の詳細な説明
限定するわけではないが本明細書に引用する特許および特許出願を含むすべての公報は参照により全部、説明のように本明細書に編入する。
本明細書で使用する「抗体」という用語は広い概念を意味し、そしてポリクローナル抗体、マウス、ヒト、ヒト化およびキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体および抗体フラグメントを含む免疫グロブリンまたは抗体分子を含む。
本明細書で使用する「アビジン」とは、ビオチン分子に対して複数の大変高い親和性結合部位を含んでなる多量体アビジン化合物を意味し、そしてピアスバイオテクノロジー(Pierce Biotechnology)社(ロックフォード、イリノイ州)からNeutrAvidin(商標)という銘柄で販売されているビオチン結合タンパク質、および重要な立体配置およびアビジンとのアミノ酸の類似性、ならびにビオチンに対して高い親和性を有するストレプトミセス アビジニー(Streptomyces avidinii)により生産されるタンパク質であるストレプトアビジンを含む。ストレプトアビジンはグリコシル化されてはおらず、そして組織に対して低い非特異的結合を現すと報告されている。
「ビオチン化合物」とは「ビオチン」(ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾリン−4−吉草酸)を指し:分子量244g/モル、B−複合ビタミンとしても知られ、そしてそのアビジン−結合類似体を含む。
「結合された(conjugated)」とは、共有的に付いている(attached)ことを意味する(例えば、架橋結合剤を介して)。
「連結された(coupled)」または「結合された(bound)」とは、結合対のメンバーが複数の荷電した相互作用(イオン結合)、および結合したメンバーが別個の分子実体を維持するようなファンデルワールス力を含む非イオン的または疎水的相互作用を介するような非共有的に会合している(associated)ことを意味する。
「脂質小胞」とは、極性のヘッド基に付き、1もしくは2個の疎水性アシル炭化水素鎖を含む小胞を形成する両新媒性脂質を含んでなる任意の安定なミセルまたはリポソーム組成物を指し、そしてその極性のヘッド基にアミン、酸、エステル、アルデヒドまたはアルコールのような化学的に反応性の基を含むことができる。
「前形成されたリポソーム」とは、完全な、前以て形成された単ラメラ小胞(SUV)、大きな単ラメラ小胞(LUV)または多重層ラメラ小胞(MLV)の脂質小胞を指す。
「治療用リポソーム組成物」とは、リポソームの水性空間またはリポソームの脂質二重層に封入された治療薬を含むリポソームを指す。
本発明は、ストレプトアビジンを提示する立体的に安定化された薬剤物質を含有する小さい単ラメラ小胞(SUV)、大きな単ラメラ小胞(LUV)または多重層ラメラ小胞(MLV)を調製するために、ミセル転移法と組み合わせた非共有(アビジン−ビオチン)連結法に関する。この方法は標的化された脂質小胞の調製を提供し、そしてさらに複数の標的化分子を立体的に安定なリポソームに簡単に連結するための試薬を提供する。ペプチド、Fabフラグメント、F(ab’)、抗体または酵素のような標的化リガンドはこの媒体に、ビオチン化およびさらにビオチン結合することができる前形成されたストレプトアビジンを連結した脂質小胞との会合を介して容易に結合することができる。このように1つの態様では、ペイロードとして様々な活性基(active)を持つ前形成された立体的に安定化されたリポソームを、部位特異的治療を行うため所望するように標的化することができる。
アビジンを連結した脂質小胞は、ミセルまたは単ラメラ小胞(SUV)の状態で、前形成されたリポソームと混合され、そしてアビジンを連結した脂質がこれによりリポソームの脂質層または小葉(leaflet)に取り込まれる。アビジンを連結したリポソームの標的化は、直接的であり、しかも再生可能である。
ストレプトアビジンはストレプトアビジンがアビジンの塩基性のpI10に比べて、pI5〜6の一層低い等電点を有するので、アビジンを連結した脂質を形成するために有用である。さらにストレプトアビジンは糖タンパク質ではく、これは細胞上のマンノース受容体のような炭水化物の受容体への非特異的結合の可能性を下げる。
連結法および本発明の方法を実施するために有用な成分を含むキットの成分、および本発明の方法により形成された生成物をこれから以下に詳細に記載する。
標的化複合体の調製
本発明は、標的化された治療用リポソーム組成物の調製に使用するため標的化リガンドが結合したアビジン−脂質複合体の丈夫な(robust)調製法を提供する。各複合体は(i)極性のヘッド基および疎水性のテイルを有する脂質、(ii)近位末端および遠位末端を有する親水性ポリマー、このポリマーはその近位末端で脂質のヘッド基に付く、(iii)ポリマーの遠位末端に付いたビオチン、(iv)ポリマーを結合したビオチンに連結するアビジン分子、および(v)ビオチン化され、該アビジン上の遊離部位(この遊離部位は該ポリマーに結合したビオチンには結合しないと定義される)へのビオチン基の親和性結合によりアビジン分子に連結される標的化リガンドから構成される。
本発明の1つの態様では、ビオチン化されたPEG(2000)−DSPEのような脂質化ポリマーに結合したビオチンが、アビジンをリポソームにつなぐ捕捉試薬として使用される。アビジンを連結した脂質は、アビジンあたり2〜3個のビオチン分子のビオチン結合能を有する。ビオチン化されたPEG−DSPEは、リポソームに取り込まれることがこれまでに証明された(Schnyder,A.et al.,Biochem.J.377:61−67(2004);Kullberg,E.B.et al.,Bioconjugate Chem.13:737−743(2002))。
本発明のアビジンを連結した脂質は、アビジン分子を脂質化ポリマーを結合したビオチンと、ミセルの状態で、または前形成された治療用リポソームに前以て挿入された状態で、生じるアビジンを連結したミセルが複数のビオチン−結合部位をそれらの外側の親水性表面に保持するように、ビオチンに対してモル過剰なアビジンとを接触させることにより調製される。本発明の一態様では、ミセル内またはリポソーム内に包埋されたビオチン分子に対するアビジンのモル比は、4:1である。
結合体に有用な脂質の例には、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイル−ホスファチジルコリン、モノガラクトシルジアシルグリセロールまたはジガラクトシルジアシルグリセロールがある。
結合体中の親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアスパルタミドおよび親水性ペプチド配列からなる群から選択される。
結合体の標的化リガンドは、標的部位に特異性を有する任意の分子であることができ、この部位は治療に関連する膜、細胞、組織または臓器または個体であり、そしてさらに本明細書中の以下に記載する。
別の態様では、標的化結合体の選択には、標的化リガンドが、標的細胞上に発現される細胞表面の受容体に結合する能力を測定することを含む。
別の態様では、標的化結合体の選択は(i)標的化リガンドが、特異的な細胞型である標的部位上に発現される細胞表面の受容体に結合する能力、および(ii)標的細胞が、標的細胞と標的化リガンドとの間を結合することにより標的細胞に結合したリポソームをインターナライズする能力に基づく。
別の態様では、各々が標的に対して独自の結合特異性または親和性を有する複数の標的化結合体は、付く標的化リガンドに複数の特異性または親和性を有するストレプトアビジンを結合したリポソームの調製物を形成するための使用に選択される。
このように、汎用的な薬剤輸送媒体としてストレプトアビジンを結合したリポソームの新規設計により、リポソームに基づく送達系を洗練するための用途の多いプラットフォームを提供する。
標的化リガンド
「標的」は、ビオチン化化合物が結合することが望まれるインビボの部位を意味する。実際の結合部位は、臓器、組織、細胞または膜上であることができる。例示的な標的は充実性腫瘍(例えば脳またはCNS(グリア芽腫)、肺(小細胞および非小細胞(non−small cell))、卵巣、前立腺、胸および結腸の癌腫、ならびに他の癌腫および肉腫)、あるいはリンパ腫(例えば非ホジキンリンパ腫)、白血病(例えば急性リンパ性白血病)および骨髄腫(例えば多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病)のような液性腫瘍、ならびに既知または未知の原発性腫瘍から生じる二次的または転移性腫瘍であり、含まれるのは宿主生物の肺、脳および骨に生じる二次的または転移性腫瘍である。別の例示的標的は、感染の部位(例えばバクテリア、ウイルス(例えばHIV、ヘルペス、肝炎)、および病原性真菌(カンジダ種:Candida sp.)であり、含まれる感染性生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)である)である。
標的化リガンドは、所望する標的と会合する結合パートナーに関するリガンドである。一つの態様では、標的化リガンドは増殖因子受容体の細胞外ドメインに特異的に結合する。そのような受容体は、HER2/neu癌遺伝子のc−erbB−2タンパク質産物、上皮成長因子受容体、塩基性繊維芽細胞増殖因子受容体および血管内皮増殖因子受容体から選択される。別の態様では、標的化リガンドはトランスフェリン受容体、CD19、CD20、CD22、CD37またはCD40のようなB−細胞受容体;CD4のようなT細胞受容体、E−セレクチン受容体;L−セレクチン受容体;P−セレクチン受容体;葉酸受容体;インテグリンを含むアルファV−サブユニットのようなαβ型インテグリン受容体;およびCCR2受容体のようなケモカイン受容体から選択される受容体に結合する。
標的化リガンドは、タンパク質、あるいは葉酸、ピリドキサールリン酸、ビタミンB12、シアリルルイス、トランスフェリン、上皮成長因子(EGF)またはその断片、塩基性繊維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子(VEGF)、VCAM−1、ICAM−1、PECAM−1、RGDペプチド、NGRペプチドまたはCCL2のようなケモカインのような低分子リガンドであることができる。
例示的リガンドは、抗体または抗体フラグメントであり、それらには増殖因子受容体の細胞外ドメインに高い特異性および親和性で結合するものを含む。例示的受容体には、HER2/neu癌遺伝子のc−erbB−2タンパク質産物、上皮成長因子(EGF)受容体、塩基性繊維芽細胞増殖因子(塩基性FGF)受容体および血管内皮増殖因子受容体,E−、L−およびP−セレクチン受容体、葉酸受容体、CD4受容体、CD19受容体、α/βインテグリン受容体およびケモカイン受容体がある。
別の態様では、リポソームは標的化リガンドの1より多くの特異性を提示することができる。多標的型リポソームの一観点では、同じかまたは異なる細胞型上に、または成長もしくは分化の1より多くの段階であることができる細胞上に提示され得る多くの結合部位に、脂質にカプセル化された薬剤を向けることが望まれることに基づき標的化剤が選択される。例えば脂質にカプセル化された薬剤は、EGFR(ERBB1)およびHer2(ERBB2)に向けた標的化リガンドを含んでなることができ、すなわちHer2−陽性およびHer2−陰性の両方の乳癌細胞を標的とする。
抗体
本出願で記載する抗体は、限定するわけではないがヒト、マウス、ウサギ、ラット、齧歯類、霊長類またはその任意の組み合わせのような任意の哺乳動物を含むか、またはそれに由来することができ、そして単離されたヒト、霊長類、齧歯類、哺乳類、キメラ、ヒト化および/またはCDR移植化またはCDR適合化抗体、免疫グロブリン、その分解産物および部分および改変体を含む。
本発明の態様に有用な抗体は、当該技術分野で周知な幾つかの方法で誘導化することができる。一つの観点では、抗体は当該技術分野で周知なハイブリドーマ技術(例えばAusubel,et al.、編集、分子生物学における現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、ジョン ウィリー & サンズ(John Wiley & Sons)社、ニューヨーク、ニューヨーク州(1987−2001);Sambrook et al.、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(1989);Harlow and Lane、抗体、ア ラボラトリー マニュアル(Antibodies,A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(1989):Colligan,et al.、編集、免疫学における現在のプロトコール(Current Protocols in Immunology)、ジョン ウィリー & サンズ社、ニューヨーク州(1994−2001);Colligan et al.、タンパク質科学における現在のプロトコール(Current Protocols in Protein Science)、ジョン ウィリー & サンズ、ニューヨーク、ニューヨーク州(1997−2001)を参照にされたい)を使用して得ることができる。
また抗体はそのようなドメインまたは成分のライブラリー、例えばファージライブラリーを選択することから得ることもできる。ファージライブラリーは無作為なオリゴヌクレオチドのライブラリー、または免疫感作した動物またはヒトのB細胞に由来するような目的配列を含むポリヌクレオチドのライブラリーを挿入することにより作成することができる(Smith,G.P.1985.Science 228:1315−1317)。抗体ファージライブラリーは、重(H)および軽(L)鎖可変領域対を1つのファージに含み、単鎖FvフラグメントまたはFabフラグメントの発現を可能とする(Hoogenboom,et al.2000,Immunol Today 21(8)371−8)。ファジェミドライブラリーの多様性は、さらに望ましいヒトモノクローナル抗体を生産し、そして続いて同定するために、ライブラリーのモノクローナル抗体の免疫特異性を上げ、かつ/または改変するように操作することができる。例えば重(H)鎖および軽(L)鎖免疫グロブリン分子をコードする遺伝子を無作為に混合して(シャッフル)、新たなHL対を集成した免疫グロブリン分子に作成することができる。さらにHおよびL鎖のいずれかまたは両方をコードする遺伝子を、免疫グロブリンポリペプチドの可変領域の相補性決定領域(CDR)で変異させ、そして続いて所望する親和性および中和能力についてスクリーニングすることができる。また抗体ライブラリーは、1もしくは複数のヒトの骨格配列を選択し、そしてヒト抗体のレパートリーに由来するCDRカセットの集合を導入するか、あるいは設計した変異を介して合成的に作成することもできる(Kretzschmar and von Ruden 2000,Current Opinion in Biotechnology,13:598−602)。多様性の位置はCDRに限定されず、そして可変領域の骨格セグメントを含むことができ、またはペプチドのような他の抗体可変領域以外を含んでもよい。
抗体の可変領域以外で含むことができる他の標的結合成分は、リボソームディスプレイ、酵母ディスプレイおよびバクテリアディスプレイである。リボソームディスプレイは、タンパク質をRNAに付けたままmRNAをそれらのコグネイトタンパク質に翻訳する方法である。核酸のコード配列は、RT−PCRにより回収される(Mattheakis,L.C.et al.1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,9022)。酵母ディスプレイは、膜に会合したアルファ−アグルチニン酵母接着受容体、aga1およびaga2、交配系の一部の融合タンパク質の構築に基づく(Broder,et al.1997,Nature Biotechnology,15:553−7)。バクテリアディスプレイは、細胞膜または細胞壁と会合する輸送されたバクテリアタンパク質に対する標的の融合に基づく(Chen and Georgiou 2002,Biotechnol Bioeng,79:496−503)。
ハイブリドーマ技術との比較では、ファージおよび他の抗体ディスプレイ法は、インビトロの抗原標的に対する選択を操作する好機を可能とし、そして宿主が抗原に、またはその逆に及ぼす影響の可能性に限定されない。
標的化リガンドのビオチン化
標的化リガンドが抗体またはそのフラグメントのようなタンパク質である場合、ビオチンはタンパク質中に存在するアミノ残基に、リシン残基のイプシロン−アミノ基として、またはアミノ末端のアルファ位に当該技術分野で知られている方法により都合よく結合される。カルボジイミド、ジマレイミド、ジチオ−ビス−ニトロ安息香酸(DTNB)、N−シクシンイミジル−S−アセチル−チオアセテート(SATA)およびN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、6−ヒドラジノニコチンアミド(HYNIC)、N3SおよびN2S2のような種々の連結または架橋結合剤を周知の手順で使用して、ビオチンアミド類似体またはビオチン化合物を合成することができる。例えばビオチンはDTPAを介して、Hnatowich et al.Int.J Appl Radiat Isotop 33:327(1982)の二環式無水物法(bicyclic anhydride method)使用して結合することができる。モノ−ビオチン化された標的化リガンドを主に生成するために、標的化リガンドに対するビオチンの比は小さいべきであり、典型的には2:1である。
ビオチンを標的化リガンドに付けるために有用な他の化合物には、「ビオシチン(biocytin)」、ビオチンのリシン結合体、またはカダベリン−ビオチン(N−(5−アミノペンチル)ビオチンアミド);ビオチンエチレンジアミン;あるいはスルホスクシンイミジル6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート(NHS−LC−ビオチン(これはピアスケミカル社、ロックフォード、イリノイ州から購入することができる)、および(6−((ビオチノイル)アミノ)ヘキサン酸スクシンイミジルエステル)、N−(5−(6−((ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ)ペンチルマレイミド);およびビオチウム(Biotium)、ヘイワード、カリフォルニア州から入手可能な他のもののようなビオチンの活性化試薬形を含む。
ビオチン化された標的化リガンドを調製するための別の方法は、ビオチンを認識ドメイン中の特異的なリシン残基、MKMモチーフに酵素的に付加することができるビオチンリガーゼ(大腸菌のBirAタンパク質、EC6.3.4.10)用の認識ドメインを含有する融合ポリペプチドを組換え的に工作することによる。この認識ドメインは高度に保存されているので、様々な種に由来するビオチン化タンパク質から誘導化することができる(Cronan Jr.,JE.1990.J.Biol Chem 265:10327−10333:US4839293)。
合成されたビオチン化された標的化剤は、SDS−PAGE、HPLC、MALDI−TOF−MSのような標準法を使用して特性決定することができる。いったん調製すれば、候補のビオチン誘導体は、アビジンに結合する能力についてスクリーニングすることができる。さらに安定性は、化合物を個体に投与し、様々な時点での血液サンプルを得(例えば30分、1時間、24時間)、そして血液サンプルをビオチン化合物および/または代謝産物について分析することにより試験することができる。
治療薬を含有する脂質小胞
リポソームならびに他のミセル状脂質小胞は、薬剤送達媒体として作用するために、標的化リガンドを包含するための本発明の方法に含まれる。リポソームの調製法および薬剤装填手順およびその他は、当該技術分野では周知である。リポソームは非極性および極性化合物の両方を、生物適合性および生分解性脂質二重層との相互作用を介して、または水性の芯内にそれぞれ蓄えることができる。
本発明の組成物における使用に適する脂質には、小胞形成脂質を含む。そのような小胞形成脂質は、(a)ジグリセリドおよびリン脂質により例示されるような、水中で単ラメラまたは二重層小胞を自然に形成することができるもの、あるいは(b)単ラメラ、二重層化、またはラフトを含む脂質構造に安定に取り込まれるものである。
この種の小胞形成脂質は典型的には2つの炭化水素鎖、通常はアシル鎖および極性もしくは非極性のいずれかのヘッド基を有する。様々な合成の小胞形成脂質および自然に存在する小胞形成脂質があり、それらにはホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、およびスフィンゴミエリンのようなリン脂質を含み、ここで2つの炭化水素鎖は典型的には約14〜22個の間の炭素原子長であり、そして異なる程度の不飽和度を有する。アシル鎖が異なる程度の飽和度を有する上記の脂質およびリン脂質は市販されているか、または公開されている方法に従い調製することができる。他の適切な脂質には糖脂質、セレブロシドおよびコレステロールのようなステロールがある。
またカチオン性脂質も本発明のリポソームでの使用に適しており、ここでカチオン性脂質は脂質組成物のわずかな成分として含まれるか、あるいは主要な、もしくは唯一の成分として含まれることができる。そのようなカチオン性脂質は典型的にはステロール、アシルまたはジアシル鎖のような脂肪親和性リガンドを有し、そしてここで脂質は全体として正味の正電荷を有する。典型的には脂質のヘッド基は正の荷電を持つ。カチオン性脂質の例には、1,2−ジオレイルオキシ−3−(トリメチルアミノ)プロパン(DOTAP);N−[1−(2,3−ジテトラデシルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE);N−[1−(2,3,−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE);N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム−クロライド(DOTMA);3[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol);およびジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)を含む。
カチオン性の小胞形成脂質は、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)のような中性脂質、またはポリリシンまたは他のポリアミン脂質のようなカチオン性脂質で誘導化されたリン脂質のような両親媒性脂質でもよい。例えば中性脂質(DOPE)はポリリシンで誘導化されて、カチオン性脂質を形成することができる。
別の態様では、小胞形成脂質は血清中でのリポソームの安定性を制御するために、記載するような標的化結合体の挿入に効果的な条件を制御するために、そしてリポソームに封入された作用物質の放出速度を制御するために、特定の流動性または堅さ(rigidity)の程度を達成するために選択される。
より堅い脂質二重層、または液体結晶の二重層を有するリポソームは、比較的堅い脂質、例えば比較的高い相転移温度、例えば最高60℃を有する脂質の包含により達成される。堅さ、すなわち飽和の脂質は、脂質二重層において膜のより高い堅さに貢献する。コレステロールのような他の脂質成分も、脂質二重層構造の膜の堅さに貢献することが知られている。
一方、脂質の流動性は比較的流動性の脂質、典型的には比較的低い液体から液体−結晶への相転移温度、例えば室温以下を持つ脂質相を有するものの包含により達成される。
本発明の方法の一つの態様では、本発明の標的化された治療用リポソーム組成物が前形成されたリポソームおよび標的化複合体を使用して調製され、これは結合体のリポソーム二重層への挿入を達成するために効果的な条件下で一緒にインキュベーションされる。さらに具体的には、2つの成分は標的化リガンドがリポソーム表面から外側に向き、したがってそのコグネイト受容体と相互作用できるように結合体の挿入を達成する条件下で一緒にインキュベーションされる。
約2℃〜80℃の相転移温度を有する小胞形成脂質が、本組成物の前形成リポソーム成分での使用に適している。例えば脂質であるジステアリルホスファチジルコリン(DSPC)は62℃の相転移温度を有し、そして脂質が水素化されたダイズのホスファチジルコリン(HSPC)は、58℃の相転移温度を有する。多くの脂質の相転移温度は、アバンティの極性脂質(Avanti Polar Lipids)のカタログおよび脂質の温度屈性相転移データベース(Lipid Thermotropic Phase Transition Database)(LIPIDAT、NISTスタンダード レファレンス データベース34)のような様々な出典の表にまとめられている。
本発明の一つの態様では、約30〜70℃の間の相転移温度を有する小胞形成脂質が使用される。別の態様では、リポソームの形成に使用する脂質は、20℃、10℃、または最も典型的には5℃の範囲内の相転移温度を有するものであり、この温度に標的化リガンドアビジン−脂質複合体のリガンドがその結合活性に影響することなく加熱され得る。
標的化複合体のリポソームへの挿入を達成するために効果的な条件は、幾つかの変数に基づき決定されると考えられ、それらには望ましい挿入速度(ここで、より高いインキュベーション温度がより速い挿入速度を達成できる)、リガンドがその活性に影響を及ぼされずに無事に加熱され得る温度、および脂質および脂質組成物のより程度が低い相転移温度を含む。挿入は、ポリエチレングリコールおよびエタノールのような両親媒性溶媒のような溶媒、または界面活性剤の存在により変動し得るとも考え知れる。
本発明の一態様では、前形成されたリポソームは親水性ポリマーで誘導化された小胞形成脂質も含む。例えば米国特許第5,013,556号明細書に記載されたように、そのような誘導化脂質をリポソームに含めることは、リポソームの周囲に親水性のポリマー鎖の表面コーティングを形成する。親水性ポリマー鎖の表面コーティングは、そのようなコーティングが無いリポソームと比べた時、非免疫原性の外面の提示により、リポソームのインビボでの血液循環半減期を上げるために効果的である。またそのようなリポソームは構造的に安定化され、そして立体的にも安定化されたリポソームとして知られている。
親水性ポリマーでの誘導化に適切な小胞形成脂質には、上に列挙した任意の脂質、そして特にジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)のようなリン脂質を含む。
小胞形成脂質を用いた誘導化に適切な親水性ポリマーには、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアスパルタミドおよび親水性ペプチド配列を含む。ポリマーはホモポリマーとして、またはブロックもしくはランダムコポリマーとして使用することができる。
例示的な親水性ポリマー鎖は、500〜10,000ダルトンの間、より典型的には1,000〜5,000ダルトンの間の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)である。PEGのメトキシまたはエトキシ−キャップ化類似体も有用な親水性ポリマーであり、様々なポリマーサイズ、例えば120〜20,000ダルトンで市販されている。
親水性ポリマーで誘導化された小胞形成脂質の調製は、例えば米国特許第5,395,619号明細書に記載された。そのような誘導化脂質を含むリポソームの調製も記載され、ここで典型的には1〜20モルパーセントのそのような誘導化脂質がリポソーム製剤に含まれる。
別の態様では、リポソームはジステアリルホスファチジルコリン(DSPC):コレステロール(52:45のモル比)からなり、そしてさらに全脂質に対して3モル%のPEG(2000)−DSPEを含む。リポソームは、記載されているように(Huwyler,et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14164−14169)、凍結−解凍サイクルおよび押出しにより調製される。本質的に脂質は最初にクロロホルムまたはクロロホルム/メタノール2:1容量/容量に溶解される。脂質フィルムは、Rotavapor(ブッキ(Buchi)、スイス)を使用した真空蒸発により調製される。乾燥した脂質フィルムは10mMの最終脂質濃度が達成されるように、40℃で0.01MのPBSまたは65oで0.3Mのクエン塩(pH4.0)中で脱水される。脂質は5回の凍結−解凍サイクル、続いて押出し機(アバンティポーラーリピッド、アラバスター、アリゾナ州)を使用した20℃で100nmの孔サイズのポリカーボネート膜を通す押し出し(5回)にかけられる。押出しは50nmのポリカーボネート膜を使用して9回繰り返される。この手順で、150nmの小胞直径のPEG誘導化リポソームが生成する。以前に示されたように(Schnyder,et al(2004)Biochem J 377:61−67)、ビオチン化された装填リポソームは、PEG−DSPEの一部をリンカー脂質(ビオチン−PEG−DSPE)に置き換え、そして水和工程でカルボキシ−フルオロスクシン(fluorosccin)を加えることにより調製することができる。
ストレプトアビシンを連結した脂質ミセルのリポソームへの挿入は、ストレプトアビシンを連結した脂質ミセルを前形成されたリポソームと、時間(1、2または4時間)および温度(37℃、50℃または60℃)を変えて混合することにより開始される。転移は加熱ブロック中で行われる。PEF−DSPEミセルをリポソームに転移する手順は、以前に報告された(Kullberg,E.B.,et al.,Bioconjugate Chem.13:737−743(2002))。
治療薬
「治療薬」は宿主に対して生物学的効果を有することができる作用物質である。例として治療薬は腫瘍または感染の樹立または増殖(全身的もしくは局所的)を防止することができる。例には抗生物質、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、抗菌・カビ剤、毒素(例えばリシン)、放射性核種(例えばI−131、Y−90、Sm−153)、ホルモンアンタゴニスト(例えばタモキシフェン)、白金錯体(例えばシスプラチン)、オリゴヌクレオチド(例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはサイレンシング(siRNA)オリゴヌクレオチド配列)、化学療法用ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体(例えばカペシタビン、ジェムシタビン)、ホウ素含有化合物(例えばカルボラン)、光力学的剤(例えばローダミン123)、エンジイン(例えばカリケアミシン)、およびカンプトテシン(例えばCPT−11、SN−38、C9)およびチロシンキナーゼインヒビター(例えばイマチニブメシレート)を含む。腫瘍の樹立または増殖を処置または防止するための態様において、治療薬はドキソルビシン、タキサンまたはシスプラチンである。バクテリア感染の樹立または増殖を処置または防止するための別の例示的態様において、治療薬はキナロン(例えばレボフロキサシン)、マクロライド(例えばアジスロマイシン)、またはセファロスポリン(例えばセフロキシム)抗生物質である。ウイルス感染の樹立または増殖を処置または防止するための例示的態様において、治療薬は逆転写酵素インヒビターである。菌・カビの感染の樹立または増殖を処置または防止するための例示的態様において、治療薬はアンホテリシンBまたはナイスタチンである。
新生物障害を有する個体を処置する目的で、一つの態様では封入された治療薬は細胞傷害剤である。細胞傷害剤は新生物疾患の兆候を標的とするリポソームに封入された作用物質として特に有用である。薬剤はドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンおよびイダルビシンおよびその類似体から選択されるアントラサイクリン系抗生物質であることができる。細胞傷害剤はジェムシタビン、カペシタビンおよびリバビリンから選択されるヌクレオシド類似体であることができる。また細胞傷害剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オルマプラチンおよびオキサリプラチンから選択される白金化合物であることができる。細胞傷害剤は、トポテカン、イリノテカン、SN−38、9−アミノカンプトテシンおよび9−ニトロカンプトテシンからなる群から選択されるトポイソメラーゼインヒビターであることができる。細胞傷害剤は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンレウロシン(vinleurosine)、ビンロジシン(vinrodisine)、ビノレルビンおよびビンデシンからなる群から選択されるビンカアルカロイドであることができる。
別の態様では、封入された作用物質は核酸である。核酸は、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイム、または標的細胞によりインターナライズされた時、治療用遺伝子の発現が治療用遺伝子産物の生成を達成する治療用遺伝子を含むプラスミドであることができる。
別の態様では、封入された作用物質はHIV感染を処置し、そしてHIVの複製を阻害するために有用である。封入された作用物質はヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、非−ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、HIVインテグラーゼインヒビター、HIV融合インヒビター、免疫調節物質、CCR5アンタゴニストから選択され、そして抗感染剤が特許請求される。ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターは、アバカビル、アシクロビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、ジドブジン、スタブジン、アタザナビルおよびテノホビルから選択され得る。非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターは、エファビレンズ、ネビラピンおよびカラノライド(calanolide)であることができる。HIVプロテアーゼインヒビターはアンプレナビル、ネルフィナビル、ロピナビル、サキナビル、アタザナビル、インジナビル、チプラナビルおよびフォサムプレナビルカルシウムであることができる。HIV融合インヒビターはエンフルビルチド、T−1249およびAMD−3100であることができる。CCR5アンタゴニストはTAK−779、SC−351125、SCH−D、UK−427857、PRO−140およびGW−873140であることができる。
HIVプロテアーゼインヒビターであるインジナビルを含有する抗HLA−DR被覆化リポソームが開示された(Gagne et al.(2002)Biochim.Biophys.Acta 1558:198−210)。
本発明の一つの観点では、第一線の治療として使用されるか、または特に新生物疾患およびHIV感染の処置のための他の種類または治療的処置と一緒に(事前に、同時に、または後に)与えられるか、あるいは免疫抑制剤であることができる免疫系のモジュレーターが提供される。免疫モジュレーターは、IFNアルファ、INFベータまたはIFNガンマ−型のインターフェロンを含むインターフェロン(IFN);顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、TNFアルファおよびIL−2から選択することができる。本発明の免疫抑制剤は、シクロスポリン、シロリムスおよびマイコフェノール酸モフェチルから選択することができる。
キット
本発明のビオチンを結合するアビジン−脂質構造は、標的化脂質小胞、特に標的化された立体的に安定化されたリポソームを調製するキットの成分として都合よく使用される。標的化脂質構造は、ビオチン化された標的化分子をリポソームのようなビオチンを結合するアビジン−脂質構造と混合することにより形成される。本発明の態様では、リポソームは立体的に安定化されたリポソームであり、そして標的化剤は標的化細胞型の表面上の受容体に向けられた抗体フラグメントである。
選択法
治療用の標的化リポソーム組成物は、以下の成分から調製される。特定の状態、例えば肺の充実性腫瘍、バクテリア感染またはウイルス感染に罹患している個体に特異的な組成物は、調製した結合体の選択からビオチン化された標的化リガンドを選択することにより調製される。標的化結合体は、リガンド−受容体の結合対に関する当業者の知識、あるいは適切な患者のサンプル、例えば流体サンプル、生検等を得ることによるいずれかに従い、選択される。サンプルは種々の受容体の発現について当該技術分野で知られている手段により試験して、適切な標的化リガンドを決定する。
前形成された治療薬が封入されたリポソーム組成物は、特定の状態の処置に適する治療薬に関する当業者の知識に基づき選択される。あるいは治療用リポソーム組成物は化学的感受性試験を行った後に選択して、封入された薬剤が患者の生検または流体サンプルから得た問題の細胞に及ぼす効果を決定する。
標的化結合体および前形成されたリポソーム組成物の選択後、その個体用の標的−細胞を感作する治療用リポソーム組成物は、2つの成分を合わせることにより調製される。記載のように、成分はビオチンを結合した標的化リガンドの、両親媒性脂質化ポリマー結合したビオチンへ連結したアビジンの遊離部位への親和性結合を行うための条件下で合わせられ、これがリポソーム二重層に挿入されて標的化細胞を感作するリポソームを作成する。連結が完成した後、組成物が患者に投与される。
本発明の治療用リポソームは、静脈内(i.v.)注入により、皮下(s.c.)注射により、局所的適用により患者に投与され、経口摂取され得る。
本発明をこれから以下の具体的な非限定的実施例を参照にして説明する。
実施例1
アビジンを連結したミセルの調製
ビオチン−PEG(2000)−DSPE、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ビオチニル(ポリエチレングリコール)2000](アバンティ ポーラー リピッド社、アラバスター、アラバマ州)の5マイクロモルを、1mlのエタノール/dHO(50:50、容量/容量)に溶解した。ストレプトアビジン(ピアス バイオテクノロジー、ロックフォード、イリノイ州)を20mMのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.2に1mg/ml(20uM)の濃度で再構成した。ストレプトアビジンをビオチン−PEG(2000)−DSPEと4:1のモル比で混合した(図1に関して)。25℃で1時間、穏やかに振盪しながらインキュベーションした後、反応混合物をGF−250ゲル濾過クロマトグラフィーにより2ml/分の流速で精製し、そして214nmでUV検出した。画分を集め、そして280nmでのUVの吸収測定およびSELDI−MS光度計により分析した。
比較には、3種のサンプル;脂質(ビオチン−PEG(2000)−DSPE)、ストレプトアビジンおよびストレプトアビジンを結合したビオチン−PEG(2000)−DSPEを調製し、そしてGF−250調製カラムを使用してゲル濾過クロマトグラフィーにより分析した。結果は、ビオチン−PEG(2000)−DSPEのみに関する保持時間が約22分(図2A)であることを示した。ストレプトアビジンの保持時間は約24分(図2B)であった。ストレプトアビジンを結合した脂質は、15分で溶出した(図2C)。これらの溶出プロファイルは、ストレプトアビジンを結合した脂質がリン脂質単独および非結合ストレプトアビジンタンパク質からゲル濾過クロマトグラフィーにより分離できることを明らかにした。ストレプトアビジンを結合した脂質から集めて生じた画分は、280nmでのUV吸収を測定すことにより、およびSELDI−MSにより分析した(データは示さず)。
実施例2
アビジンを連結したミセルから治療用リポソームの形成
アルザ コーポレーション(ALZA Corporation)(マウンテンビュー、カリフォルニア州)により提供されるDOXIL(商標)は、ポリエチレングリコールをコーティングしたリポソームにカプセル化されたドキソルビシンの製剤である(Marina,N.M.,et al.,Clinical Cancer research,8:413−418(2002))。ストレプトアビジンを連結した脂質ミセルの前形成されたリポソームへの挿入は、ストレプトアビジンを連結した脂質ミセルのアリコートとDoxilリポソームとを、50℃で2時間混合することにより開始した。反応物中の全脂質濃度は10mMであった。全脂質に対して3モル%のストレプトアビジンを結合した脂質を、リポソームへの包含に適用した。転移は加熱ブロックで行った。PEG−DSPEミセルをリポソームに転移するこの手順は、すでに報告されている(Kullberg,E.B.,et al.,Bioconjugate Chem.13:737−743(20002))。転移反応後、ストレプトアビジンを連結したリポソームは、SepharoseCL−4Bゲル(アマシャム:Amersham)を含む小さいカラム(PD−10)でゲル濾過により精製し、0.1M HEPESバッファー(pH7.4)で溶出した。ストレプトアビジンを連結したリポソーム画分は、溶出した画分(各0.5ml)について280nmでのUV吸収を測定することにより決定した。リポソームに封入されたドキソルビシンの各画分について、ドキソルビシン濃度は495nm(ε=12,500)の最大吸収でUV測定により定量した(Banerjee,R.,et al.,Int.J.Cancer,112:693−700(2004))。
ストレプトアビジンを結合したDOXIL(商標)リポソームの安定性を試験するために、細胞傷害アッセイを2種の腫瘍細胞、MD−MBA231(乳癌細胞)およびA431(類表皮癌細胞)を使用して行った。対数成長期の腫瘍細胞は、0.05%のトリプシン−EDTA(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州)を使用して回収した。1×10細胞/mlの細胞懸濁液を作成した。0.1ml中に1万個の細胞を96ウェルプレートに加えた。接着のために一晩インキュベーションした後(約18時間)、培養基を回収し、そして細胞を遊離のドキソルビシン(DOX)またはストレプトアビジンを結合したDoxilリポソームのいずれかとインキュベーションした。両試薬を成長培地で1:5の順次濃度、18、3.6、0.73、0.144、0.0288、0.00576および0μg/ml[DOX]に希釈した。各濃度について0.1mlを細胞が接着したウェルに3連で加えた。細胞を試験物質と37℃で1時間、インキュベーションした。インキュベーションの終わりに、細胞を3回、200μlの成長培地で洗浄し、次いで100μlの新鮮な培地と72時間インキュベーションした。72時間のインキュベーション後、生きている細胞の量をATPlite(商標)ルミネッセンスアッセイ系(パーキンエルマーライフ アンド アナリティカル サイエンス(PerkinElmer Life and Analytical Science)、シェルトン、コネチカット州)を使用して測定した。アッセイは製造元のプロトコールに従い行った。細胞傷害性のデータでは、1時間の処理時間の後に遊離のドキソルビシンによる細胞生存能に及ぼす濃度効果が示されたが、ストレプトアビジンを結合したDoxilリポソームで処理した細胞の細胞傷害効果は示されなかった(図3Aおよび3B)。これらの結果は、腫瘍細胞との1時間のインキュベーション後、ストレプトアビジンを結合したリポソームからカプセル化されたドキソルビシンの漏出がないことを示唆している。したがって、安定化された結合体が形成された。
実施例3
ストレプトアビジンを連結した脂質リンカーの静的光散乱法による特性決定
ビオチン−PEG(2000)−DSPEおよびストレプトアビジンを連結した脂質リンカーは、溶液分子量測定のために静的光散乱法(SLS)に連結されたサイズ排除カラム(SEC)により特性決定された。種々の量で装填したビオチン−PEG(2000)−DSPEのサンプル(3μg〜200μgの範囲)は、Agilent1100ポンプを使用してPBSで前平衡化されたsuperpose−12カラムに注入された。溶出ピークは280nmでUV検出器(アギレント:Agilent);690nmでOptilab−REX屈折率(RI)検出器(ワイアット:Wyatt);およびDAWN−EOS光散乱検出器(ワイアット)により監視した。25μgおよび50μgのストレプトアビジンを含有するストレプトアビジンを連結した脂質−リンカー(バイオ−PEG−DSPEミセル)を上記のように分析した。
溶出したビオチン−PEG(2000)−DSPEピークは、アストラ(Astra)ソフトウェア(ワイアット)、屈折率シグナルおよび0.145ml/gのdn/dc値を使用することにより処理した。ビオチン−PEG(2000)−DSPEは280nmで最少吸収を有し、そしてMW決定には使用されなかった。すべてのビオチン−PEG(2000)−DSPE注入物は類似の保持時間、そして〜238kDaのMWに単一ピークで溶出した。図4はこのカラムでのビオチン−PEG(2000)−DSPEの1回の注入の結果を示す。脂質単独の保持時間は約39分であり、そしてそのピークは屈折率により検出することができる。光散乱から算出された238kDaのMWは、〜79単量体単位(脂質単量体あたり3016.81Da)からなるミセル形成と合致する。
ストレプトアビジンを連結したリンカー脂質ミセルは、静的光散乱に連結されたSECにより、アストラソフトウェアをUV280nmおよびRIシグナル、ストレプトアビジンに関する0.185ml/g、ストレプトアビジンを連結した脂質に関する0.165ml/gのdn/dc値、およびストレプトアビジンに関して1.71ml/mg,cmの吸光係数と一緒に使用して分析した。図3は、SECからの25μg(下の第1ピークの追跡)および50μg(上の第1ピークの追跡)のピークの溶出プロファイルを示し、算出された分子量が重なった。サンプルは主に1つの主要ピーク(r.t.=23分)からなるが、第2のより小さいピーク(r.t.=28分)も存在する。この溶出ピークはUV280および屈折率の両方により検出することができる。第1および第2ピークについて予想される分子量は、大変大きいと思われる。25μgおよび50μgの装填量を比較すると、各装填量で見かけの分子量が上がり、25μgでは飽和に達しないことが示唆される。正確な分子量は構造的確認無しには評価できない。これらの結果は、ストレプトアビジンを会合した脂質複合体が形成され、ストレプトアビジンを連結した脂質−リンカー、そしてビオチン−PEG−DSPE脂質ミセル(r.t.=40分)から分離できることを証明した。
実施例4
連結したストレプトアビジン−脂質
ストレプトアビジンを連結した脂質(SA−脂質)が、特異的な細胞表面受容体結合をすることができるビオチン化リガンドを運ぶことができるのかどうかを評価するために、ビオチン化されたマウス表皮増殖因子(b−mEGF)を標的化リガンドとして選択した。53個のアミノ酸を含むマウスEGFは、ペプロテック(PeproTech)(ロッキーヒル、ニュージャージー州)から購入した。250μgのEGFを300μlのPBSバッファー、pH7.4に溶解した。ビオチン化直前に、2.2mgのスルホ−NHS−LC−ビオチン(ピアス、ロックフォード、イリノイ州)を400μlの超純水に溶解した。モノ−ビオチン化mEGFを得るために、2倍モル過剰のビオチンをmEGFと室温で30分間インキュベーションした。30μlの1M Tris、pH8.0を標識混合物に加えてこの反応をクエンチした。ビオチン化mEGFは質量分析により特性決定され、そして最終産物は主にモノ−ビオチン化mEGFを有するが、幾らかの未反応および大変少量のジ−ビオチン化mEGFが存在することが示された(図5A〜B)。ビオチン化マウス−EGFペプチドを持つSA−脂質は、高レベルでヒトEGF受容体を細胞表面上に発現する2種類のヒト腫瘍細胞、MDA−MB231(乳癌細胞)およびA431(類表皮癌細胞)を使用して試験した。
ヒトEGFRと交差反応性のビオチン化mEGFは、SA−脂質と1:1のモル比で室温にて2時間インキュベーションした。次いでサンプル混合物または裸のSA−脂質を、MDA−MB231またはA431腫瘍細胞と4℃で1時間インキュベーションした。標的化した脂質粒子の結合を評価するために、次いで腫瘍細胞はMDA−MB231の場合にはFITCに結合したヤギ抗−ストレプトアビジン(ベクターラボラトリー(Vector Laboratory)、ベーリンガム、カリフォルニア州)、またはヤギ抗−mEGF(ペプロテック社、ロッキーヒル、ニュージャージー州)と、続いてPEに結合したロバ抗ヤギIgG(H+L)(ジャクソンイムノリサーチ(Jackson Immunoresearch)、ウエストグローブ、ペンシルバニア州)と4℃で45分間インキュベーションし;あるいはA431腫瘍細胞の場合には、ウサギ抗−mEGF(RDL、フランダース、ニュージャージー州)、続いてAPCに結合したロバ抗−ウサギIgG(ジャクソンイムノリサーチ、ウエストグローブ、ペンシルバニア州)と4℃で45分間インキュベーションした。インキュベーション後、腫瘍細胞を2回、フローステイニング(flow staining)バッファー(1%BSA、0.09%アジ化ナトリウムを含むdPBS)で洗浄した。最後に腫瘍細胞はFACSCalibur(BD、フランクリンレイク、ニュージャージー州)により得て、表面に結合したストレプトアビジンまたは腫瘍細胞上のmEGFを検出した。
図4はストレプトアビジンおよびmEGFペプチドの両方が細胞表面上で特異的抗体により検出されたことを証明する。さらにこれらの結果は、ビオチン化mEGFがSA−脂質により捕捉でき、そしてこの複合体が恐らくEGF受容体結合を介してMDA−MB231細胞表面上に結合できることを示す。さらにA431腫瘍細胞が評価された。図5はストレプトアビジンおよびmEGFペプチドがmEGF/SA−脂質処理細胞上で特異的抗体を使用して検出されたが(図5A)、裸のSA−脂質で処理した細胞では検出されなかったことを示す(図5B)。しかし約3〜5%のA431細胞群が、ウサギ抗mEGF、続いてロバ抗−ウサギIgG−APCで陽性に染色された(図5Bおよび5C)。この観察はA431細胞がEGFを内的に発現できることを示唆している。まとめると、腫瘍細胞結合データはSA−脂質がリガンド送達媒体であり、そして細胞表面受容体を標的とすることができることを証明する。
本発明は今、完全に記載され、当業者にはそれに対する多くの変更および修飾が添付する特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることは明白である。
方法を概略的に表しており:工程i)では、両親媒性ビオチン−ポリマー−脂質が自己会合(self−associate)してミセルを形成するか、あるいはさらに封入する薬剤を含むことができる前形成されたリポソームの脂質層に事前に包含されており;工程ii)では、非共有結合を介して多数のビオチン結合部位を持つアビジンを、ビオチン化脂質小胞と接触させてストレプトアビジンを会合した脂質小胞を形成し、これは遊離のビオチン結合部位を保持し;これにより工程iii)でビオチン化された標的化リガンドを結合させて標的化リガンドが連結されたアビジン−脂質小胞を形成することができる。 図2A〜Cは、ビオチン−PEG−リン脂質単独および非結合ストレプトアビジンタンパク質からゲル濾過クロマトグラフィーにより分離されたストレプトアビジンを結合した脂質の溶出プロファイルを表すクロマトグラフィーの追跡であり:ビオチン−PEG(2000)−DSPEの溶出プロファイル(2A)、ストレプトアビジンの溶出プロファイル(2B)、および混合物中、4:1のモル比で脂質に結合したストレプトアビジン(2C)である。 図3A〜Bは、同じ試薬で処理したMD−MBA231ヒト胸部腫瘍細胞(A)およびA431ヒト類表皮腫細胞(B)に及ぼす遊離ドキソルビシンおよびストレプトアビジンを結合したDOXIL(商標)銘柄のリポソームに関する細胞傷害性アッセイのグラフによる結果である。 SEC(Superose−12/PBS)で同じ条件下、25μg(下の第1ピークの追跡)および50μg(上の第1ピークの追跡)のストレプトアビジンを使用して形成したストレプトアビジン−リポソームの溶出プロファイル(屈折率シグナル)、および重なっているのは、単独で注入した125μgのビオチン−PEG(2000)−DSPEの溶出ピークであり、静的光散乱法により算出されたMWを示す。 図5A〜Bは、ビオチン化マウスEGFの質量分析からの追跡を示す;ビオチン化前のマウスEGF(A)およびビオチン化mEGF(B)。 図6A〜Bは、MDA−MB231腫瘍細胞に結合したストレプトアビジン−リポソームで捕捉されたビオチン化mEGF(b−mEGF/SA−脂質複合体)のフローサイトメトリー分析について使用したヒストグラムであり:FITCに結合したヤギ抗−ストレプトアビジンを使用して検出した(A)か;またはヤギ−抗EGF、続いてPEに結合したロバ抗−ヤギIgG(H+L)により検出した(B)。 図7A〜Dは、A431腫瘍細胞に結合したb−mEGF/SA−脂質複合体のフローサイトメトリー分析からの散乱図であり:A431腫瘍細胞はA)b−mEGF/SA−脂質;B)裸のSA−リポソームで処理され;C)ウサギ抗−mEGFおよび抗−ウサギIgG−APCで染色された未処理細胞;およびD)ヤギ抗−ストレプトアビジン−FITCで染色された未処理細胞である。

Claims (23)

  1. アビジンを連結した脂質小胞の調製法であって:
    (i)ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞の懸濁液を調製し;そして
    (ii)ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞懸濁液を、過剰なアビジンまたはその改変体と接触させて、ビオチン−結合部位を提示するアビジンを連結した脂質小胞を形成する、
    ことを含んでなる上記方法。
  2. さらに(iii)アビジンを連結した脂質小胞を、ビオチン化された標的化リガンドと接触させる工程を含んでなる請求項1に記載の方法。
  3. ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞がビオチン化ポリ(エチレングリコール)−リン脂質である、請求項1に記載の方法。
  4. ビオチン化ポリ(エチレングリコール)−リン脂質が、ビオチン−PEG(2000)−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)である請求項3に記載の方法。
  5. ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞懸濁液がミセル懸濁液である請求項1に記載の方法。
  6. ビオチン−ポリマーを結合した脂質小胞懸濁液がリポソーム懸濁液である請求項1に記載の方法。
  7. リポソームが薬剤を封入したリポソームである請求項1または6に記載の方法。
  8. リポソームがドキソルビシンを封入したリポソームである請求項7に記載の方法。
  9. アビジンが、非グリコシル化アビジンである請求項1に記載の方法。
  10. ビオチンに対して過剰なアビジンがモル基準で4:1である請求項1に記載の方法。
  11. 脂質小胞がその表面に結合したアビジンを提示し、表面に結合したアビジンが該脂質小胞に非共有的に付いており、そしてさらにビオチンまたはビオチン化化合物に結合する能力を保持している、請求項1に記載の方法により調製されるアビジンを連結した脂質小胞。
  12. アビジンが、脂質小胞と一体化して結合しているビオチンに非共有的に結合している、請求項11に記載のアビジンを連結した脂質小胞。
  13. ビオチン−PEG(2000)−(DSPE)を含んでなる請求項12に記載のアビジンを連結した脂質小胞。
  14. 結合したビオチンがリポソームの構造と一体化している請求項13に記載のアビジンを連結した脂質小胞。
  15. 結合したビオチンが封入された薬剤を含んでなるリポソームの構造と一体化している、請求項14に記載のアビジンを連結した脂質小胞。
  16. アビジンがさらにビオチン化された標的化リガンドに連結されている、請求項14または15に記載のアビジンを連結した脂質小胞。
  17. ビオチン化された標的化リガンドがEGFRに結合する請求項16に記載のリガンドを標的化したアビジンを連結した脂質小胞。
  18. 請求項11に記載の調製された脂質小胞、および標的化されるリポソーム小胞を調製するためのビオチン化された標的化リガンドを含んでなるキット。
  19. 個体に投与する治療用リポソームを調製するための請求項18に記載のキットの使用法。
  20. 標的リポソーム薬剤の治療的効力を調査する目的の実験用組成物を調製するための請求項18に記載のキットの使用法。
  21. 個体に投与する治療用リポソームを調製するための請求項18に記載のキットの使用法であって、ビオチン化された結合体が、該個体に由来する生検検体上の受容体の存在または不存在を調査した結果に基づき選択される上記方法。
  22. 個体に投与する治療用リポソームを調製するための請求項18に記載のキットの使用法であって、ビオチン化結合体が生検検体上の受容体の存在または不存在を調査した結果に基づき選択され、そして該リポソーム中に封入された治療用の作用物質が、封入された作用物質に対する標的部位の細胞の感度に基づき選択される上記使用。
  23. 封入された薬剤に応答する状態に罹患している個体を処置するための、請求項11に記載のリガンドを標的化したアビジンを連結した脂質小胞の使用法。
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