JP2011184406A - 量子ドット複合体、量子ドット複合体含有ベシクル及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体ナノ粒子からなるコア部12と該コア部12の表面にポリマーが結合してなるシェル部14とを備え、かつ表面に反応活性基を備える量子ドット10と、該量子ドット10の表面の反応活性基に結合された生体関連分子20とを備える量子ドット複合体1よりなる。さらに、リン脂質二重層で構成されるベシクルの層内及び表面の双方またはいずれかに量子ドット複合体1を含有することよりなる。
【選択図】図1
Description
加えて、蛍光色素化合物に代えて量子ドットで蛍光ラベル化しようとしても、ベシクルのリン脂質二重層に量子ドットを取り込むのが困難であった。
さらに、ベシクルをドラックデリバリーやバイオチップシステムに利用する場合には、内包する薬剤を生体分子に対して、高効率に作用させる機構が要求される。
前記生体関連分子は、リン脂質であることが好ましい。
前記のカプセル状に形成された脂質二重層で化学物質が内包されていてもよく、前記脂質二重層は、その表面にポリエーテル鎖を備えることが好ましく、前記ポリエーテル鎖は、末端に生体分子と結合可能な官能基を備えることがより好ましい。
前記第二の工程は、さらに化学物質を添加してもよく、前記第二の工程は、さらに末端に生体分子と結合可能な官能基を備えるポリエーテル鎖が導入されたリン脂質を添加して分散液とすることが好ましい。
本発明の量子ドット複合体の一例について、以下に図面を参照しながら説明する。図1に示すように、量子ドット複合体1は、量子ドット10と、量子ドット10の表面に結合された生体関連分子20とを備えるものである。
量子ドット10は、半導体ナノ粒子からなるコア部12と、該コア部12の表面にポリマーが結合してなるシェル部14とを備え、かつ表面に反応活性基を備えるものである。
コア部12である半導体ナノ粒子は、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果を有する発光材料である。半導体ナノ粒子としては、金属元素と、非金属元素又は遷移金属元素を組み合わせたものが挙げられ、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)等のIIB−VIB族のもの、インジウムリン(InP)、ガリウムリン(GaP)等のIIIB−VB族のもの等が挙げられる。
コア部12の半導体ナノ粒子は、溶液中で凝集しやすく取り扱いが困難であると共に、人体への健康被害や環境に対する毒性が懸念されるものである。量子ドット10は、生体親和性の高いポリマーで構成されるシェル部14を備えることで、無害化され、医療、バイオテクノロジー分野等で汎用的に用いることができる。
加えて、量子ドット10は、シェル部14の表面に、カルボキシル基等の反応活性基が導入されていることで、生体関連分子20を量子ドット10表面に直接化学結合させた、量子ドット複合体1を作製することができる。
生体関連分子20は、生体中に存在する分子及びその誘導体である。生体関連分子20としては、例えば、リン脂質、一本鎖もしくは二本鎖DNA又はRNA等の核酸、ポリペプチド、オリゴペプチド、糖等が挙げられ、中でも、リン脂質が好ましい。
本発明の量子ドット複合体の製造方法は、量子ドットの表面、即ちシェル部の反応活性基に、生体関連分子の反応活性基を結合するものであり、公知の脱水縮合反応による結合方法が挙げられる。例えば、生体関連分子としてリン脂質を用い、量子ドット複合体を得る場合には、量子ドットと、リン脂質とを1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)触媒下で脱水縮合する製造方法が挙げられる。この際。量子ドット/リン脂質で表される質量比は、特に限定されず、量子ドット又はリン脂質の種類等を勘案して決定できる。
本発明の量子ドット複合体含有ベシクルは、リン脂質二重層がカプセル状に形成されたベシクルと本発明の量子ドット複合体とを備え、量子ドット複合体が、リン脂質二重層の層内及び表面の双方又はいずれか一方に含有されてなるものである。
本発明の量子ドット複合体含有ベシクルについて、以下に図面を参照しながら説明する。図2(a)は、本発明の量子ドット複合体含有ベシクルの一実施形態にかかる断面図であり、図2(b)は、符号Xの領域の拡大図である。
図2(a)に示すとおり、量子ドット複合体含有ベシクル100は、内孔120を有するカプセル状のベシクル110と、量子ドット複合体1とを備え、前記内孔120内には液体が保持されている。図2(b)に示すように、ベシクル110は、リン脂質112の二分子層であるリン脂質二重層からなり、量子ドット複合体1は、リン脂質二重層の層内及び表面の双方又はいずれか一方に含有されている。
ベシクル110を構成するリン脂質112は、その疎水部のアシル鎖長、アシル鎖内の二重結合の有無、さらにその二重結合の部位と数は特に限定されない。ベシクル110を構成するリン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールホスフェイト(PIP)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール(PG)、スフィンゴ脂質等が挙げられる。これらリン脂質は、1種類のみを使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
内孔120内には、化学物質が内包されていてもよい。
図3は、量子ドット複合体含有ベシクル200の断面図であり、ベシクル110の内孔120には、化学物質210が内包されている。
化学物質210は、対象とする生体物質と、化学結合の形成、吸着等の何らかの相互作用を生じる特異結合物質が存在するもの、即ち、例えば、ある種のタンパク質を特異的に認識したり、タンパク質を活性化したりする生理活性物質等が挙げられ、具体的には、各種アミノ酸、ATP、イオン、糖類、タンパク質、ペプチド、低分子有機化合物等が挙げられる。
本発明の量子ドット複合体含有ベシクルは、さらにその表面にポリエーテル鎖を備えることができる。ベシクルは、柔軟で、流体のような特性をもつため、長時間放置するとベシクル同士の融合が生じる可能性がある。この問題を克服するため、ベシクル表面へポリエーテル鎖を導入し、ベシクル融合を防止することが好ましい。ポリエーテル鎖を備えることで、ベシクル表面にあるポリエーテル鎖の排除体積効果(立体障害)により、溶液中でベシクルを単体に保ち、ベシクル構造を長時間安定化させることができる。
ポリエーテル鎖としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)鎖、ポリプロピレングリコール鎖等が挙げられ、中でも、ポリエチレングリコール鎖が好ましい。
このような官能基を備えるポリエーテル(機能性ポリエーテル)としては、例えば、下記(IV)式で表される1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファエタノールアミン−N−[ビオチニル(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(DSPE−PEG2000−Biotin)等のビオチン−PEG化リン脂質分子、下記(V)式で表される1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファエタノールアミン−N−[マレイミド(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(DSPE−PEG2000−Maleimide)等のマレイミド−PEG化リン脂質分子等が挙げられる。
本発明の量子ドット複合体含有ベシクルの製造方法は、量子ドットの表面に、生体関連分子を結合して量子ドット複合体を得る第一の工程と、得られた量子ドット複合体とリン脂質とを分散媒に分散した後、分散液中で前記リン脂質をカプセル化する第二の工程とを有するものである。
分散操作は、分散媒に量子ドット複合体及びベシクル用リン脂質を分散するものである。
分散媒は、クロロホルム等の有機溶剤が挙げられる。
分散液中の、量子ドット複合体の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.001〜1g/Lが好ましい。
また、分散液中のベシクル用リン脂質濃度は、特に限定されないが、例えば、0.1〜10g/Lが好ましい。
カプセル化操作は、分散媒である有機溶剤を除去・乾燥して、ベシクル用リン脂質からなるリン脂質二重層を形成し、このリン脂質二重層を水や緩衝液中でカプセル状に形成させベシクルを作製するものである。ベシクルの作製の手法としては、静置水和法やエレクトロスウェリング法(電界形成法)等が挙げられ、中でも巨大ベシクルが作製しやすく、また反応時間や反応プロセスの簡易性から、電界形成法を採用することが好ましい。電界形成法は、例えば、P.Girardら、「バイオフィジカルジャーナル(Biophysical Journal)」、第87巻、2004年、第419−429頁に記載の公知の電解形成法が挙げられる。電界形成法は、酸化インジウムスズ(ITO)等の電極上に分散液を塗布し、分散媒を除去・乾燥してリン脂質を薄膜化した後、この薄膜にベシクル化水溶液を添加し、交流電場をかけて水溶液中に巨大ベシクルを膨潤させる手法である。分散媒の除去方法は、特に限定されず、例えば、減圧乾燥等が挙げられる。ベシクル化水溶液としては、水又はリン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等の緩衝液が用いられる。サイズのそろったベシクルを得るためには、ITO基板上に厚さ10nm〜100μmの均一なリン脂質の薄膜を形成することが好ましい。また、印加する交流電場は、周波数が10Hz程度、振幅が100mV〜2V程度の条件が好ましい。より低い振幅では、ベシクルの収量が低く、より高い振幅では、ベシクルの構造破壊や水の電気分解が生じ、ベシクルが製造できない可能性がある。
以上の工程により、量子ドット複合体含有ベシクルが分散したベシクル分散液を得られる。
加えて、量子ドットの表面に生体関連分子を結合するという簡便な方法により、本発明の量子ドット複合体を得ることができる。
カルボキシル基修飾量子ドット525(量子ドット525(発光波長525nm)、Qdot▲R▼ITKTM Carboxyl Quantum Dots,Invitorogen Corp.,Carlsbad,CA,USA)8μmolを含む水溶液、ならびにDOPEを2.5mg/mL含むクロロホルム分散液、ならびに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を20mg/mL含む水溶液、ならびにホウ酸バッファー溶液(10mmol H3BO3、pH7.4)をそれぞれ調製した。反応容器のガラス瓶内に、クロロホルム1.1mLを加え、続いてDOPEクロロホルム分散液286μL(960nmol)を添加した。撹拌子で緩やかに撹拌しながら、ホウ酸バッファー溶液700μL、量子ドット525水溶液100μL(0.8nmol)、EDC水溶液276μL(28.8μmol)を添加し、反応溶液を均一系にするためにメタノール2.5mLを滴下した。この反応溶液を室温で終夜撹拌すると、ガラス容器壁面に沈着する黄色の生成物を得た。反応溶液を完全に除去した後、クロロホルムを添加すると、生成物はクロロホルムに均一に分散した。このクロロホルム分散液に純水を加え、遠心分離(10,000回転/分、10分、10℃)、上澄み水相除去の操作を繰り返し行い、生成物が溶解するクロロホルム相のみを抽出することで、未反応の量子ドット525及び過剰なEDCを除去した。その後、クロロホルムを完全に除去し、目的とする量子ドット複合体を得た。この生成物は、量子ドットの表面が、リン脂質分子で化学修飾されているため、クロロホルムに再分散可能であった。
カルボキシル基修飾量子ドット525の表面に化学修飾するリン脂質を、DOPEに換えてDPPEとした以外は、実施例1と同様にして量子ドット複合体を作製した。
実施例1又は2で得られた量子ドット複合体を、それぞれ50μg/mLとなるようにクロロホルムに分散して、量子ドット複合体のクロロホルム分散液(複合体−クロロホルム分散液)を調製した。この複合体―クロロホルム分散液の吸収スペクトル(波長300−700nm)を測定した。また、参考として、出発物質である量子ドット525の水分散液についても同様の測定を行った。
なお、図6のグラフに示す吸光度は、各溶液について測定された吸光度を508nmのピークトップで規格化した値である。
実施例1又は2で得られた量子ドット複合体を、それぞれ50μg/mLとなるようにクロロホルムに分散して、複合体−クロロホルム分散液を調製した。この複合体−クロロホルム分散液の蛍光スペクトル(励起波長400nm、測定波長410−700nm)を測定した。また、参考として、出発物質である量子ドット525の水分散液についても同様の測定を行った。結果を図7に示す。
なお、図7のグラフに示す蛍光強度は、各溶液について測定された蛍光強度を、525nmのピークトップで規格化した値である。
実施例1で得られた量子ドット複合体を、50μg/mLとなるようにクロロホルムに分散して、複合体−クロロホルム分散液を調製した。この複合体−クロロホルム分散液の動的光散乱測定を行い、量子ドット複合体の粒径分布を観測した。また、参考として、出発物質である量子ドット525の水分散液についても同様の測定を行った。結果を図8に示す。
図8(a)に示すように、実施例1の量子ドット複合体では、平均粒径が16.7nmの及び71.8nmを示す2つのピークが観測された。このピーク強度比から、実施例1の量子ドット複合体には、粒径71.8nmの粒子が、粒径16.7nmの粒子の3.5倍量存在することが示唆された。一方、図8(b)に示すように、出発物質である量子ドット525の水分散液においても、平均粒径が16.3nm及び143nmを示す2つのピークが観測された。このピーク強度比から、量子ドット525には、粒径16.3nmの粒子が、粒径143nmの粒子の6.8倍量存在することが示唆された。これらの結果から、量子ドット525の粒径は、約16〜17nm程度であることが推定された。一般に、ナノ粒子は溶液中で凝集しやすい性質があるが、実施例1の量子ドット複合体において巨大粒子の存在比が多い理由として、リン脂質分子の化学修飾過程、又は生成物の精製過程において、量子ドット粒子同士が凝集した可能性が考えられる。
実施例1で得られた量子ドット複合体を、100μg/mLとなるようにクロロホルムに分散して、複合体−クロロホルム分散液を調製した。この複合体−クロロホルム分散液を、へき開したマイカ基板上に10μL滴下した後、大気中で乾燥した試料について、室温、大気中でAFM測定を行った。また、参考として、出発物質である量子ドット525の水分散液を、マイカ基板上に滴下して、乾燥した試料についても同様の測定を行った。結果を図9〜10に示す。
図9(a)に示すように、実施例1では、複数の粒子A、Bが観測された。図9(b)、(c)に示すように、粒子A及び粒子Bの粒径測定の結果から、図9(a)で観測された粒子は、高さ20〜40nmであった。しかしながら、いずれもXY平面方向の距離が100nm以上に及ぶことから、これらは量子ドット複合体の単体ではなく、測定用試料の乾燥過程において、量子ドット複合体同士が2次元的、3次元的に凝集したものと推定される。
図10(a)に示すように、出発物質である量子ドット525についても、複数の粒子C、Dが観測された。図10(b)、(c)に示すように、粒子C及び粒子Dの粒径測定の結果から、図10(a)で観測された粒子は、高さ20〜60nmにわたり、XY平面方向の距離が100nm以上に及んでいた。このことから、水分散液中では、量子ドット525同士が凝集している可能性が示唆された。また、図10(a)では、粒子表面にポリマー層に由来するひも状の構造体Fが観測された。試料乾燥後、ポリマー鎖は粒子間を架橋して複雑に絡み合い、相互にネットワーク構造を形成している様子が観測された。
量子ドット525に換えて、カルボキシル基修飾量子ドット625(量子ドット625(発光波長625nm)、Qdot▲R▼ITKTM Carboxyl Quantum Dots,Invitorogen Corp.,Carlsbad,CA,USA)とした以外は、実施例1と同様にして量子ドット複合体を作製した。
得られた量子ドット複合体について、実施例1と同様にして、吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定したところ、量子ドット625の水分散液と同等の吸光スペクトルと蛍光スペクトルを示した。
量子ドット625の表面に化学修飾するリン脂質分子を、DOPEに換えて、DPPEとした以外は、実施例3と同様にして量子ドット複合体を作製した。
得られた量子ドット複合体について、実施例1と同様にして、吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定したところ、量子ドット625の水分散液と同等の吸光スペクトルと蛍光スペクトルを示した。
卵黄由来フォスファチジルコリン(L−α−PC)0.2mg、ならびに実施例1で得られた量子ドット525の量子ドット複合体を10.5μg(5質量%)含む複合体−クロロホルム分散液200μLを調製した。続いて、ITO基板(SiO2上に膜厚100nmのITOが薄膜化された基板、サイズ40×40nm、50〜100Ω・cm)上に、L−α−PCと複合体−クロロホルム分散液を均一に塗布した。この基板を、室温で2時間、減圧乾燥して、クロロホルム分散液を完全に除去することで、均一なリン脂質薄膜をITO基板上に形成した。このリン脂質薄膜上に、窓部を有するシリコーンゴム(外寸30×30mm、厚さ1mmのシリコーンゴムを20×20mmのサイズでくり貫いた窓部を有する)を密着して配置し、窓部に200mmolのスクロース水溶液400μLを滴下した。さらに、その上部にITO基板を配置し、シリコーンゴム窓部にある溶液をITO基板で挟み込んで密閉した。続いて、ITO基板にクリップ電極を接合し、60℃のホットプレート上で、交流電場(正弦波、1V、10Hz)を2時間印加することで、電界形成法により、量子ドット複合体含有ベシクルがスクロース水溶液に分散したベシクル−スクロース分散液を得た。このベシクルの内孔には、化学物質としてスクロース水溶液を含む。
シリコーンコートされた撥水性のスライドガラス表面に、200mmolのグルコース溶液を300μL滴下し、液滴を形成させた。その液滴中に、実施例5で得られたベシクル−スクロース分散液10μLを添加した。ベシクル内部にあるスクロース溶液と、ベシクル外液のグルコース溶液の比重の差を利用し、ベシクルをスライドガラス表面近傍に沈降させるため、5分間静置した。その後、この試料を共焦点レーザー蛍光顕微鏡(励起:488nmアルゴンレーザー、観測:505〜525nm領域観測用の蛍光フィルター、40倍対物レンズ)を用いて観察した。その結果を図11に示す。
へき開したマイカ基板上に、実施例5で得られたベシクル−スクロース分散液3μLと、200mmolのグルコース溶液50μLとを滴下した後、15分間静置した。静置後、量子ドット複合体含有ベシクルをマイカ基板上に沈降させた後、5mmolの塩化カルシウム水溶液20μLを液滴に添加し、さらに15分間静置した。この処理により、量子ドット複合体含有ベシクルを破壊し、マイカ上に膜化させた。この試料に関し、室温、溶液中でAMF測定を行った。その結果を図12に示す。
図12(a)、図13(a)において符号Jは、ベシクルを崩壊させて生じた膜を示す。図12(a)に示すように、膜Jには、複数のドット構造I、ドット構造Hが観察された。加えて、図12(b)に示すように、膜Jは、ベシクルのリン脂質二重層に由来するもので、仮想線Gにおける断面の膜厚5nmであった。さらに図12(c)に示すように、膜Jの内部に存在するドット構造Hは、量子ドット複合体に由来する、高さ9nmのものであった。量子ドットが膜J中に埋包されている可能性を考慮すると、量子ドット複合体の粒径は14nm程度(膜内5nmと膜外9nmの高さの和を加味した粒径)であると推定され、ドット構造Hの高さは、動的光散乱測定で観測された実施例1の量子ドット複合体の粒径とほぼ一致する。
加えて、図13(a)に示すように膜Jには、複数のドット構造K、ドット構造Lが確認された。図13(b)に示すように、膜Jの内部に存在するドット構造Lは、量子ドット複合体に由来する高さ9nmのものであった。量子ドットが膜J中に埋包されている可能性を考慮すると、量子ドット複合体の粒径は14nm程度であると推定され、ドット構造Lの高さは、動的光散乱測定で観測された実施例1の量子ドット複合体の粒径とほぼ一致する。
以上の結果から、量子ドット複合体がベシクルに導入された、量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることを確認した。
ベシクル内に導入する量子ドット複合体を、実施例2で得られた量子ドット複合体とした以外は、実施例5と同様にして量子ドット複合体含有ベシクルを作製した。
得られた量子ドット複合体含有ベシクルについて、実施例5と同様にして、共焦点レーザー蛍光顕微鏡測定及びAFM測定を行ったところ、量子ドット複合体がベシクルに導入された量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることが確認できた。
ベシクル内に導入する量子ドット複合体を、実施例3で得られた量子ドット複合体とした以外は、実施例5と同様にして量子ドット複合体含有ベシクルを作製した。
得られた量子ドット複合体含有ベシクルについて、実施例5と同様にして、共焦点レーザー蛍光顕微鏡測定及びAFM測定を行ったところ、量子ドット複合体がベシクルに導入された量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることが確認できた。
ベシクル内に導入する量子ドット複合体を、実施例4で得られた量子ドット複合体とした以外は、実施例5と同様にして量子ドット複合体含有ベシクルを作製した。
得られた量子ドット複合体含有ベシクルについて、実施例5と同様にして、共焦点レーザー蛍光顕微鏡測定及びAFM測定を行ったところ、量子ドット複合体がベシクルに導入された量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることが確認できた。
卵黄由来フォスファチジルコリン(L−α―PC)0.2mg、ならびに実施例1で得られた量子ドット複合体10.5μg(5質量%)、ならびにDSPE−PEG(2000)−Biotin0.6μg(0.3質量%)を含むクロロホルム分散液200μLを調製した。以下、実施例5に記載した手法と同様にして、ITO基板上での電界形成法により、ベシクル表面がビオチン−PEG分子で修飾され、ベシクルのリン脂質二重層の層内及び表面の双方又はいずれかに量子ドット複合体が導入され、ベシクル内孔にスクロース溶液を含む量子ドット複合体含有ベシクルを作製した。
得られた量子ドット複合体含有ベシクルについて、実施例5と同様にして、共焦点レーザー蛍光顕微鏡測定及びAFM測定を行ったところ、量子ドット複合体がベシクルに導入された量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることが確認できた。
ベシクル表面を機能化する分子として、DSPE−PEG(2000)−Biotinに換えてDSPE−PEG(2000)−Maleimideを用いた以外は、実施例9と同様にして量子ドット複合体含有ベシクルを作製した。
得られた量子ドット複合体含有ベシクルについて、実施例5と同様にして、共焦点レーザー蛍光顕微鏡測定及びAFM測定を行ったところ、量子ドット複合体がベシクルに導入された量子ドット複合体含有ベシクルが作製されていることが確認できた。
10 量子ドット
12 コア部
14 シェル部
20 生体関連分子
100、200、300、400 量子ドット複合体含有ベシクル
110 ベシクル
112 リン脂質
120 内孔
210 化学物質
314 ポリエチレングリコール鎖
312 ビオチン
412 マレイミド
Claims (10)
- 半導体ナノ粒子からなるコア部と該コア部の表面にポリマーが結合してなるシェル部とを備え、かつ表面に反応活性基を備える量子ドットと、
該量子ドットの表面の反応活性基に結合された生体関連分子とを備える量子ドット複合体。 - 前記生体関連分子は、リン脂質である、請求項1に記載の量子ドット複合体。
- 請求項1又は2に記載の量子ドット複合体の製造方法であって、
前記量子ドットの表面の反応活性基に、前記生体関連分子の反応活性基を結合する量子ドット複合体の製造方法。 - リン脂質からなる脂質二重層がカプセル状に形成され、
請求項1又は2に記載の量子ドット複合体が、前記脂質二重層の層内及び表面の双方又はいずれか一方に含有されてなる量子ドット複合体含有ベシクル。 - 前記のカプセル状に形成された脂質二重層で化学物質が内包されてなる、請求項4に記載の量子ドット複合体含有ベシクル。
- 前記脂質二重層は、その表面にポリエーテル鎖を備える、請求項4又は5に記載の量子ドット複合体含有ベシクル。
- 前記ポリエーテル鎖は、末端に生体分子と結合可能な官能基を備える、請求項6に記載の量子ドット複合体含有ベシクル。
- 半導体ナノ粒子からなるコア部と該コア部の表面にポリマーが結合してなるシェル部とを備え、かつ表面に反応活性基を備える量子ドットと、生体関連分子とを、前記量子ドットの表面の反応活性基と前記生体関連分子の反応活性基との化学結合により結合させ量子ドット複合体を得る第一の工程と、
得られた量子ドット複合体とリン脂質とを分散媒に分散させ、前記分散媒を除去して量子ドット複合体を含むリン脂質を薄膜化した後、水溶液中でリン脂質をカプセル化する第二の工程とを有する量子ドット複合体含有ベシクルの製造方法。 - 前記第二の工程は、さらに化学物質を添加する、請求項8に記載の量子ドット複合体含有ベシクルの製造方法。
- 前記第二の工程は、さらに末端に生体分子と結合可能な官能基を備えるポリエーテル鎖が導入されたリン脂質を添加して分散液とする、請求項8又は9に記載の量子ドット複合体含有ベシクルの製造方法。
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