JP2009510274A - 記録用支持体 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、1種以上の湿潤強度剤を含む紙基材と、前記紙基材の少なくとも表側に1種以上の不溶化剤を含む顔料被覆と、を含む顔料被覆紙基材が提供される。この顔料被覆紙基材は裏側にポリマー樹脂被覆を有してもよく、広範なインクジェット印刷用途での使用に適する。更に、本発明は、広範な記録媒体用支持体としての使用に適した、表側及び必要に応じて裏側にポリマー樹脂被覆を備える顔料被覆紙基材に関する。

Description

本発明は、記録用途に使用される支持体材料に関する。より詳しくは、本発明の支持体材料は、表側(すなわち印刷される側)及び必要に応じて更に裏側に樹脂被覆を施した顔料で被覆された紙基材(顔料被覆紙基材)に関する。更に、本発明は、必要に応じて裏側に樹脂被覆を施した顔料被覆紙基材を含む印刷用紙に関する。
一般に、記録媒体に使用される支持体材料は、少なくとも1層の樹脂層が付与された基材を含む。この樹脂層の上に、使用される記録方式に応じて、例えば(従来の)写真用乳剤層、又はインクジェット用インク受容層、あるいは熱式又は電子写真用紙用の層などの受像媒体を塗布してもよい。
これらの記録媒体の支持体は異なる構成を必要としてもよいが、製造業者が単一の紙基材を製造し、これをさまざまの記録処理に使用することができれば、極めて効率的である。こうすることで、頻繁に製造工程を中断・再開したり、製造工程中に処方を調節する必要なく、紙基材を単一の製造ステップで製造することができる。支持体が物理的性質の面で高品質であり、原料価格が低いことは前提条件である。重要な特性の1つとして、支持体の滑らかさが挙げられる。顔料で被覆されていない紙基材をカレンダー加工又はスーパーカレンダー加工することでもかなり滑らかな紙基材面を得ることができるが、滑らかで且つ光沢のある面を得る最良の方法は、紙基材の少なくとも表側を顔料で被覆し、必要に応じて被覆された後の材料をカレンダー加工することである。防水紙を得たい場合は、顔料被覆紙基材の表側及び裏側の両方に、通常は酸化チタン充填ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート樹脂などのポリマー樹脂を付与してもよい。ポリマー樹脂層の付与は、溶融(共)押出法により行うのが一般的である。
写真用及び印刷用支持体の重要な側面は、支持体が既存の処理システムに関係する状況の多くに対して耐性を有している必要がある点である。現像液や水のエッジ(縁部)からの浸透への耐性に関する特性、及び/又は現像工程や印刷工程における耐擦過性など搬送性に関連する特性を十分に考慮する必要がある。
近年、本発明者らは周知のミニラボなどの自動画像処理装置における耐性に関する問題を観察した。
特に、顔料で被覆された紙基材を含む、樹脂で被覆された写真用支持体の搬送性が不十分であり、更に詳細には、これらの製品を数種のミニラボで処理した後、それらのエッジが激しく損傷していることが観察された。
従来技術では、記録媒体用支持体としての顔料被覆紙基材の使用を記載した数例がある。欧州特許公開第1126081号は、付着性と表面性質を高めるために特定の粒径を有する顔料で被覆した紙に関する。米国特許公開第2005/0032644号及び第2005/0031805号は、滑らかさと安定性を高めるために特定のバインダ及び顔料を用いた顔料被覆紙基材について記載している。しかし、上記文献には、エッジの損傷に関する記載はない。
本発明の目的は、広範な記録媒体用支持体としての使用に適する支持体を提供することにある。
本発明の別の目的は、記録用途において滑らかさに優れ、高光沢の記録媒体用支持体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、処理装置による処理後のエッジ損傷特性が許容し得るものである記録媒体用支持体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、処理装置による処理後の浸透特性が許容し得るものである記録媒体用支持体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、広範な印刷用途における使用に適した多目的な顔料被覆紙基材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、処理時の走行性に優れた顔料被覆紙基材を提供することにある。
上記目的は、少なくとも表側に顔料被覆を有する紙基材を含む顔料被覆紙基材であって、該紙基材は1種以上の湿潤強度剤を含み、前記顔料被覆は不溶化剤を含む顔料被覆紙基材を提供することにより、少なくとも部分的に達成されることがわかった。こうすることにより、以下のうち少なくとも1つを達成することが可能である。
−自動写真印刷工程において処理中のエッジ損傷を回避すること
−インクジェット紙として使用したときの耐擦過性を改善すること
−印刷後の印刷物上のダスト堆積を減少させること
本発明によれば、1種以上の湿潤強度剤を含む紙基材と、該紙基材の少なくとも表側に1種以上の不溶化剤を含む顔料被覆とを含む、顔料被覆紙基材が提供される。必要に応じて、表側の顔料被覆と同一もしくは異なる組成としてよい顔料被覆を紙基材の裏側に設けてもよい。従って、本発明の具体的実施形態は、上から下にかけてP−B及びP−B−Pを含む。「P」は顔料被覆層を、「B」は紙基材を指す。
本発明による顔料被覆紙基材は、それ自体を印刷用紙として使用できる。本発明による顔料被覆紙は、裏側に1層以上のポリマー樹脂被覆を有してもよく、印刷用紙としても使用できる。従って、本発明の別の具体的実施形態は、上から下にかけてP−B−R及びP−B−P−Rを含む。「P」及び「B」は上記と同じ定義であり、「R」は樹脂層を指す。
更に、顔料被覆紙基材は、その表側が(顔料被覆層の上側、すなわち顔料被覆層の上側)ポリマー樹脂層で被覆されていてもよい。表側の樹脂ポリマー被覆は、裏側の樹脂ポリマー被覆とともに、あるいはそれなしに、顔料被覆紙基材上に付与されてよい。表側と裏側の樹脂ポリマー層は同一のポリマーからなっても異なるポリマーからなってもよい。表側、及び必要に応じて裏側に1層以上のポリマー樹脂層を有する顔料被覆紙基材は、他の記録用途、特に乳剤ベースの写真記録用支持体として使用できる。従って、本発明の更に別の具体的実施形態は、上から下にかけてR−P−B、R−P−B−P、R−P−B−R、R−P−B−P−Rを含み、「P」、「B」及び「R」は上記と同じ定義である。
高品質な多目的記録媒体用支持体を追求する中で、本発明者らは、紙基材上に顔料被覆層を有さない支持体は、紙パルプの上に顔料被覆層を有する支持体とは異なる動作をするという問題に直面した。この問題は、特に、写真産業でよく知られているいわゆるミニラボなどの、現像及び処理に先だって印刷物がカットされる自動写真処理装置の場合に当てはまる。容認できないエッジ損傷が顔料被覆紙基材の顔料被覆層において視認されることがあり、この問題は顔料被覆層を有さない紙基材には生じないことがわかった。理論により拘束されることを望まないが、このいわゆるフロントエッジ損傷は、切り口のエッジに処理液が浸透することにより顔料被覆層が脆弱化し、続いて搬送用ガイドに押し込まれることでエッジが損なわれるものと考えられる。
湿潤強度剤を含む基材紙に、不溶化剤を含む顔料被覆の付与と組み合わせた顔料被覆紙基材を含む樹脂被覆支持体により、驚くべき利点が得られることがわかった。
写真用途では、湿潤強度剤と不溶化剤を組み合わせて使用することで、ミニラボにおける処理の際のエッジ損傷が改善された支持体が得られる。
印刷用途では、湿潤強度剤と不溶化剤を組み合わせて用いることで、走行性が著しく改善され、印刷機内の搬送が容易となる。本発明による顔料被覆紙基材を用いた場合、印刷後の印刷物の擦過傷及びダスト堆積は少なかった。理論により拘束されることを望まないが、この現象は、紙基材中の湿潤強度剤と顔料被覆中の不溶化剤を組み合わせて用いることで、顔料層から紙にインクが吸収されることにより生じる膨潤が低減し、これによってプリンタの給紙部における押し込みが少なくなるためと考えられる。
本発明によると、湿潤強度剤は紙基材製造工程のいずれの段階においても組み込むことが可能である。湿潤強度剤は、製紙産業において周知の添加物である。湿潤強度剤は、湿潤状態における紙の強度を高めるものであり、本発明においては一般に熱硬化性樹脂、アミノプラスト樹脂、金属ベースの化合物、及びこれらの組合せを含む、広範なクラスの成分から選択できる。より詳しくは、湿潤強度剤は、例えばポリ(アミド−アミン)−エピクロルヒドリン(PAE)樹脂(ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン(PPE)樹脂とも呼ばれる)などのエポキシ化ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン−エピクロルヒドリン(PAPAE)樹脂、又はアミン−ポリマー−エピクロルヒドリン(APE)樹脂、あるいはこれらの組合せから選択できる。選択可能な他の湿潤強度剤として、ジルコニウムベースの化合物(アンモニウムジルコニウム炭酸塩、カリウムジルコニウム炭酸塩、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウム酢酸塩、ジルコニウム炭酸塩、硫酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ジルコニウムリン酸ナトリウム、及びナトリウムジルコニウム酒石酸塩など)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレアホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドデンプン(DAS)、グリオキサール及びグリオキサール化ポリアクリルアミド(PAM)、及びポリエチレンイミン(PEI)樹脂が挙げられる。
これらの湿潤強度剤は、紙基材の乾燥パルプ重量に対し0.1〜2.0重量%の範囲で適用でき、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。本発明の好ましい実施形態では、湿潤強度剤はPAE樹脂類からなる群より選択される。PAE樹脂類の合成は、通常、第二又は第三アミンの機能性を含むプレポリマーを形成し、次いで水溶液中で該プレポリマーをエピクロルヒドリンと反応させることを含む。PAE樹脂類を得るための反応条件及び変形は、米国特許第2926116号及び第2926154号に記載されている。
プレポリマーの合成は、通常は無溶剤、中程度の温度下(150℃〜170℃)で行われるジカルボン酸とポリアミンとの重縮合反応である。反応は、水の添加及び冷却によって中止できる。各種の材料を成分として使用できる。第二アミンの機能性は、例えばジエチレントリアミンを用いて導入できる。ジカルボン酸としては、溶解性の理由による実際的な限界から、炭素原子8個までの鎖長を有する脂肪族ジカルボン酸が好ましく用いられる。好ましいジカルボン酸としては、アジピン酸が挙げられる。
紙基材製造過程においては、湿潤強度剤の使用に加え、基材製造過程のいずれかの段階においてサイズ剤を組み込んでもよい。
サイズ剤の例として、エポキシド脂肪酸アミド(EFA)及びアルキルケテンダイマー(AKD)が挙げられるが、これらに限定されない。上記サイズ剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
脂肪酸とポリアミンの縮合体などのEFAの具体例は、例えば特公昭第38−20601号、特公昭第39−4507号、米国特許公開第3692092号に記載されており、アルケニルコハク酸及びポリアミンの反応生成物が特公昭第51−1705号に記載されている。上記脂肪酸のうち本発明において好ましいものは、炭素数8〜30、特に12〜25の脂肪族モノカルボン酸及びポリカルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体例としてステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、トールオイル脂肪酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸などが挙げられる。特にベヘン酸が好適である。
ポリアミンとしては、特に2つあるいは3つのアミノ基を有するポリアルキレンポリアミンが好適である。ポリアミンの具体例としてジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、アミノエチルエタノールアミンなどが挙げられる。脂肪族カルボン酸のポリアミンとの反応生成物を水溶性又は水に分散可能とするため、該反応生成物を無機酸又は有機酸と反応させて塩に変換するか、ハロゲン化アルキル、塩化ベンジル、エチレンクロロヒドリン、エピクロルヒドリン、エチレンオキシドなどを用いて、該反応生成物を第四塩の形態に変性させることが好ましい。特に、該反応生成物をエピクロルヒドリンと反応させ、第四塩に変換することが、得られるサイジング結果が大きいことから好ましい。エポキシ化高級脂肪酸アミドは、完全に乾燥したパルプに対する比率が2.0重量%以下、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%の範囲内で、適量を添加する。
実際上のアルキルケテンダイマー類(AKD)の例として、アルキル鎖の長さが異なるアルキルケテンダイマー(「混合」アルキルケテンダイマー)を使用することができる。例えば、Research Disclosure(1978年11月)のレポート第17516号に記載されているように、アルキル残基は12〜18の炭素を含んでいてもよい。通常、アルキル残基の炭素数が16〜18のアルキルケテンダイマーが使用される。更に、8〜30の炭素原子を含む高級脂肪酸由来のアルキルケテンダイマー、および米国特許第4820582号に記載されているものも非常に好適である。特に、ベヘン酸由来のアルキルケテンダイマーは有利に利用できる。アルキルケテンダイマーの適切な割合は、完全に乾燥したパルプに対し0.05〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%である。AKDの量はできるだけ少ないことが好ましい。AKDは紙面へ移動して、製造工程においてしみを形成する傾向があることがわかった。しかし、AKDの量が少なすぎると、ハロゲン化銀写真処理において処理後に現像液がエッジからセルロースファイバに入り込むことによるエッジの着色として視認される、エッジ浸透の問題が生じる。従って、本発明の好ましい実施形態では、AKDの量は完全乾燥パルプに対して0.3〜0.7重量%の範囲に抑えられる。
更に、EFAとAKDの両方が使用される場合、EFA/AKDの比率は10/90〜60/40が許容可能なエッジ浸透特性を得るのに役立つので好ましい。
本発明の製紙工程中、湿潤強度やサイズ剤の他にも、紙基材製造において従来使用されている材料が使用される。一般に、紙は自然木パルプベースであり、所望により滑石、炭酸カルシウム、TiO2、BaSO4などの充填材が使用される。一般に、紙基材は、染料などの着色剤、蛍光増白剤などを更に含有してもよい。更に、紙基材は、ポリアクリルアミド又はデンプンなどの乾燥強度剤を含有してもよい。
紙基材中の更なる添加物として、硫酸アルミニウム、デンプン、カチオン性ポリマーなどの安定剤が挙げられる。特に良質な紙基材を得るために、天然パルプの中では短繊維が通常使用される。
上記のようにして製造された未加工の紙基材は、サイズプレス、タブサイズ、ゲートロールコーターなどによって各種水溶性添加物を含む溶液に含浸され、あるいはこれらで被覆されてもよい。水溶性添加物の具体例として、デンプン、ポリビニルアルコール、ラテックス、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、セルロース硫酸塩、ゼラチン、カゼインなどの高分子化合物類、及び塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの金属塩類が挙げられる。
上記水溶性添加物を含有する溶液に、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの吸湿性化合物、染料などの着色剤又は増白剤、蛍光増白剤など、及び/又は、水酸化ナトリウム、アンモニア水、塩酸、硫酸、炭酸ナトリウムなどのpH調整剤を更に添加してもよい。更に、所望により、上述した顔料や湿潤強度剤及びサイズ剤もまた上記溶液に添加してもよい。
このように未加工の紙基材を含浸させることを、当業者にはよく知られているように表面サイジングと呼ぶ。
未加工の紙基材の種類及び厚さは特に制限されないが、通常は基材の重量は50〜300g/m2であることが望ましい。
紙基材は通常、既知の機械を使用して、従来の方法により上記成分から製造される。処方量のセルロースファイバを脱水ウェブに塗布した後、乾燥し、紙シートを形成する。紙シートは大きなロールに巻き付けられる。
上記紙基材に顔料被覆層を塗布し、支持体としての顔料被覆紙基材を得る。顔料被覆は液体(特に水)に基づき、必要に応じて1種以上の顔料、1種以上のバインダ、1種以上の不溶化剤、及び紙基材上への塗布に適した安定した顔料の分散状態を得るのに適した他の成分を含む。顔料被覆は、上記液体と上記顔料とを含む溶液又は分散液を塗布することにより、紙基材に付与される。被覆ステップの後、被覆層が形成されるように、液体を蒸発させる。
本発明で使用される顔料被覆中の不溶化剤(いわゆる架橋剤)は、一般に顔料被覆を耐水性にする広範なクラスの成分から選択でき、熱硬化性樹脂、アミノプラスト樹脂、金属ベースの化合物及びこれらの組合せを含む。より詳細には、不溶化剤は、例えばエポキシ化ポリアミド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドデンプン(DAS)、グリオキサール及びグリオキサール化ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリグリシジルエーテル、及びアザリジン樹脂、及びこれらの組合せから選択できる。好ましくは、不溶化剤は、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテル、又はアンモニウムジルコニウム炭酸塩、カリウムジルコニウム炭酸塩、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウム酢酸塩、ジルコニウム炭酸塩、硫酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ジルコニウムリン酸ナトリウム、ナトリウムジルコニウム酒石酸塩などのジルコニウムベースの化合物、及びこれらの組合せから選択される。これらの不溶化剤は、通常、乾燥バインダに対し0.1〜30重量%である有効量で適用され、単独もしくは2種以上の組合せとして使用できる。特に、ポリグリシジルエーテル類からなる群の場合、極めて少量の不溶化剤で十分有効である。ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルが使用される場合、その最小量は約0.1重量%、好ましくは0.3重量%以上である。ジルコニウムベースの材料が使用される場合であって、アンモニウムジルコニウム炭酸塩を使用するときの有効となる最小量は約3.0重量%、好適には約5%から最大10%である。一般に、不溶化剤の量が大きく、例えば20重量%〜30重量%であると、エッジ損傷がさらに改善されることはなく、経済的理由からも一般に望ましくない。
顔料は、カオリン、粘土、二酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、サテンホワイト、合成シリカ、チャイナクレー、炭酸マグネシウム、アルミナ、滑石、イライト、薄層粘土、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、亜鉛華、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、他の金属酸化物又は塩類など、並びにプラスチック顔料などの有機顔料から適切に選択できる。上記顔料は単独もしくは組み合わせて使用できる。
バインダは、ポリビニルアルコール、デンプン(酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどを含む)、カゼイン、大豆蛋白質、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含むセルロース誘導体、スチレンアクリルラテックス、イソブチレン−マレイン無水物ラテックス、アクリルラテックス、酢酸ビニルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、ポリエステルラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス、メタクリル酸メチルブタジエンラテックス、ポリアクリレートラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックスなどから選択できる。これらのバインダは、単独もしくは2種以上を混合して使用できる。
特に、スチレンアクリルラテックスは、様々な光強度に対し経時的に色彩安定性を示すことから、本発明では好適である。
不溶化剤を含有しない顔料被覆層の実施形態において、バインダの顔料に対する比率が40/100を超えるとエッジ損傷特性は改善されるが、経済的理由や色彩安定性上の理由からはバインダ量をできるだけ少なくすることが好ましい。従って、本発明の特定の実施形態では、バインダ対顔料比は10/100〜40/100の範囲である。
一般に、顔料被覆組成物は、無機顔料のための分散剤を更に含有する。含有量としては、顔料の重量に対し0.02重量%〜1重量%であることが好ましい。所望により、本発明の効果が損なわれない限りにおいて、消泡剤、pH調整剤及び1種以上の他の従来用いられる添加物を顔料被覆用塗布液に添加できる。
顔料は親水性であることが好ましい。本発明の支持体においては、水性の顔料被覆分散液を各種方法で付与することにより、親水性の被覆を得ることができる。
1つの方法として、脱水ステップの後に顔料被覆を施すことが挙げられる。被覆は当業者によく知られている方法で施すことができる。被覆を施した後、紙を更に乾燥させ、抄紙機に巻き付ける。
顔料分散物は、ロールに巻き付けた後の紙を引き出して、顔料被覆を塗布、乾燥し、再度巻き付けることによっても付与できる。水性の顔料被覆は100℃より低い温度、好ましくは20℃〜80℃で付与される。両方の方法を組み合わせて使用してもよい。
被覆の付与は、ダブルロールサイズプレスコーター、又はゲートロールコーター、ブレード測定サイズプレスコーター、ロッド測定サイズプレスコーター、シムサイザー又は他のフィルム転送ロールコーター、浸水(flooded)ニップ/ブレードコーター、ジェット噴水(jet−fountain)/ブレードコーター、及び短ドエル時間(short−dowel time)塗布コーター、ブレードの代わりに溝付きロッド又は溝なしロッドを使用するロッド測定コーター、カーテンコーター、ダイコータ、その他の従来の方法により行うことができる。
使用される顔料又は顔料混合物の合計量は特に制限されない。顔料被覆量が0.5〜40g/m2、好ましくは1〜30g/m2であるとき、良好な結果が得られる。顔料の粒径は原則的に制限されないが、粒径分布が小さければ付着性又は光沢付与の面で有利である。少なくとも70%の粒子のサイズが1μm未満であり、そのうち40%のサイズが0.35μmと0.80μmの間である顔料の使用が有利である。
紙のカレンダー加工は滑らかで光沢のある面を得るのに非常に有益である。カレンダー加工は、顔料被覆紙基材の製作中の様々な段階で実施できる。カレンダー加工は、例えば顔料被覆の付与前、あるいは顔料被覆の付与後に行うことができる。いずれの場合でも、表面粗度RAが1.0未満の顔料被覆紙基材を得ることができる。表面粗度パラメータは広く利用され、当業者に知られている。表面粗度パラメータは、以下のように設定されたUBM装置を使用することによって好適に測定される。
(1)点密度:500P/mm
(2)面積:5.6×4.0mm
(3)遮断波長:0.80mm
(4)速度:0.5mm/秒
(DIN4776基準、ソフトウェア・パッケージバージョン:1.62)
好ましくは、表面粗度パラメータRAは1.0未満である。更に好ましい表面粗度は0.8μm未満である。極めて滑らかで高光沢の顔料被覆紙基材を得たい場合は、表面粗度を0.5μm未満にすることが有利である。表面粗度を低下させることは、機械カレンダー加工、ソフトカレンダー加工、及びスーパーカレンダー加工など、利用可能などのようなカレンダー加工によっても行うことができる。製紙中のカレンダー加工ステップにおいて、紙はローラ間で押圧される。これにより、ファイバ間の空隙が小さくなり、表面がより滑らかとなる。欠点としては、カレンダーロールの圧力が大きすぎると、紙の厚さ及び剛性に悪影響を生じることが挙げられる。低グレードの紙基材を使用する場合は、スーパーカレンダー加工により厚さ及び剛性の品質が許容レベルを下回ることがある。しかし、十分なかさ密度を有する上質な紙基材を本発明に従って顔料被覆した場合、上記値の表面粗度を得ることは可能である。これらのタイプの紙を使用すると、厚さ及び剛性における品質は、高レベルのカレンダー加工を行った場合でも許容レベル内となり、0.5μm以下という非常に低い表面粗度を得ることができる。本発明の技術を用いれば、様々な紙質の紙を使用し、上記方法によってこれらの紙の品質を向上させることが可能である。
上記顔料被覆紙基材は、Giclee印刷、カラーコピー、スクリーン印刷、ゼログラフィー、グラビア、染料昇華、フレキソ印刷、又はインクジェットなどの印刷用途に用いる印刷用紙としての使用に非常に適している。従来技術と比較して、本発明の紙は、インクジェットに適用した場合の耐擦過性が改善され、ダスト形成が少ない。印刷用途によっては、ポリマー樹脂で顔料被覆紙基材の裏側を被覆することが有利である。
写真用途では、上記顔料紙基材は、通常は表側と裏側をポリマー樹脂で被覆される。
表側及び/又は裏側へのポリマー樹脂の付与は、通常、溶融押出被覆(MEC)技術を用いて行われる。必要に応じて、好適な実施形態では、さまざまな組成のポリマー層を顔料被覆紙基材に同時に被覆することが可能な共押出技術が用いられる。この処理は、従来、200m/分、好ましくは300m/分以上のライン速度で行われる。このような高速のライン速度では、クレータ欠陥やピンホールが表側の樹脂層に発生しやすく、マットな外観を呈することになる。
欧州特許公開第0952483号には、溶融押出被覆中のクレータ欠陥発生を防止するためには顔料被覆紙基材の表面粗度RAが1μmを下回ることが必要であると記載されている。推測どおり、本発明による顔料被覆紙基材は、極めて高い滑らかさ及び光沢度が得られる一方で、押出被覆の際にクレータ欠陥を殆ど生じない。MECは、200m/分を上回る、好ましくは300m/分を上回るライン速度で、且つ280℃〜340℃の高温で、ポリマー薄層を同時に塗布することにより行われる。表側の層は、単一のポリマー層を段階的に押し出すことにより、あるいは好ましくは共押出MECシステムにより付与できる。必要であれば、顔料被覆紙基材の上面、及び更に裏面は、MECの後及び/又は前に活性化処理される。処理はコロナ処理及び/又は火炎処理及び/又はオゾン処理及び/又はプラズマ処理あるいはこれらの処理の組合せを含んでもよい。
ポリマー樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、及びポリアクリレート樹脂など、および、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンブチレンコポリマー、エチレンオクテンコポリマー及びこれらの混合などの2種以上のオレフィンのコポリマーなどから選択できる。押出被覆方法により形成された樹脂被覆が白色顔料、有色顔料あるいは光沢剤をその中に保持できるのであれば、上記ポリマーの分子量は特に制限されない。但し、通常は分子量が20,000〜200,000の範囲にある樹脂が使用される。特定の望ましいポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレン及びこれらの組合せである。樹脂層が複数の層からなる場合、各層中の樹脂の化学構造及び/又は溶接インデックスなどの物理的特性は、相互に異なってもよい。
ポリマー樹脂層は、一般に白色顔料(金属酸化物)、染料、有色顔料、付着促進剤、蛍光増白剤、ビスフェノール、チオビスフェノール、アミン、ベンゾフェノン、サリチル酸塩、ベンゾトリアゾール及び有機金属化合物などの安定化剤などの添加物を含む。表側のポリマー樹脂層は白色顔料、有色の顔料あるいは染料を含むことが好ましい。
ポリマー樹脂層用顔料は、カオリン、粘土、二酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、サテンホワイト、合成シリカ、チャイナクレー、炭酸マグネシウム、アルミナ、滑石、イライト、薄層粘土、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、亜鉛華、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、他の金属酸化物あるいは塩類など、又はこれらの組合せからなる群から選択できる。
ポリオレフィン樹脂被覆のm2あたり被覆量や厚さは、特に制限されない。ポリマー樹脂の重量は最大60g/m2(プロフェッショナル向けの紙等級の場合)とすることができるが、好適な樹脂範囲は具体的な市場製品(例えばプロフェッショナル向けか一般消費者向けか)に依存する。従来、消費者向け製品の樹脂重量は30g/m2〜35g/m2であるが、消費者向け製品などの用途では、表側の樹脂の重量を30g/m2未満、ひいては15g/m2〜25g/m2にすることもある。MECの際に顔料被覆紙基材を使用するため、従来の顔料で被覆されていない紙基材と比較して、塗布されるポリマー量を低減しても、滑らかで光沢のある製品を得ることができる。カーリングに対する優れた挙動を得るために、5〜60g/m2、好ましくは10〜50g/m2の樹脂が含まれるように裏側のポリマー樹脂層を調節してもよい。
ポリマー樹脂層の厚さは、主に塗布されるポリマー樹脂量によって決定され、一般には5μm〜60μmの範囲で異なっていてもよい。
ポリマー樹脂が付与された顔料被覆紙基材の総厚みは、例えば60μm〜360μmの間で異なっていてもよい。
裏側ポリマー樹脂被覆を省略し、例えばゼラチン被覆を付与するなどのカールを相殺するための他の手段を用いてもよい。表側のみにポリマー樹脂を有する顔料被覆紙基材は、高品質印刷が必要とされる多くの記録用途に用いられる支持体として非常に好適である。しかしながら、現像液が裏側から自由に浸透でき、得られる画像を汚染する写真処理においては、このような紙基材が全くもしくはあまり適切でないことは明らかである。
本発明のポリマー樹脂被覆は既知の手段、例えば通常のポリオレフィン用押出成形装置及びラミネート装置を利用して顔料被覆紙基材に付与することができる。
本発明の樹脂被覆支持体は、Giclee印刷、カラーコピー、ゼログラフィー、スクリーン印刷、グラビア、染料昇華、フレキソ印刷、インクジェット、及び写真などの、様々な記録用途に用いられる支持体として極めて好適である。ハロゲン化銀乳剤が付与された場合は、写真用途において極めて好適に使用される。主にゼラチン及び他の水溶性ポリマーからなる膨潤可能な層を有する場合は、インクジェット又は染料昇華式の用途での使用に極めて好適である。ミクロ多孔質層を有する場合は、インクジェット及び染料昇華式などの用途での仕様に極めて好適である。
本発明は更に、少なくとも1種の湿潤強度剤を含む紙基材を含む顔料被覆紙基材の製造であって、前記紙基材の表側に水性顔料被覆を付与し、必要に応じて前記顔料被覆紙基材の裏側に樹脂被覆をMECにより塗布することによって印刷用紙を得る製造に関する。
更に、本発明は、少なくとも1種の湿潤強度材を有する顔料被覆紙基材を含む、表側又は表側と裏側の両方がMECによって樹脂被覆された支持体を製造する方法であって、水性顔料被覆を該紙基材の該上面に塗布し、これを乾燥させ、必要に応じてカレンダー加工を行って、記録用支持体を製造する方法に関する。
更に、本発明は、上記の樹脂被覆支持体と該支持体に付与された写真用乳剤とを含む写真用紙、上記の樹脂被覆支持体と該支持体に付与されたインク受容層を含むインクジェット紙、及び、必要に応じて裏側に樹脂被覆を有する上記の顔料被覆紙基材を含むインクジェット紙に関する。
更に、本発明は、上記の写真用紙及びインクジェット紙の写真用途及びインクジェット用途におけるそれぞれの使用に関する。
以下の実施例をもとに、本発明を更に説明する。
実施例
紙基材の製造:比較例29
100%の硬材クラフト紙さらしパルプを含む高品質紙基材を用いた。原料調製において、精製後、以下の薬剤をウェットエンドに添加した。OBを添加し、乾燥強度剤としてデンプン、サイズ剤としてAKD、及び湿潤強度剤としてPAEを添加した。乾燥後、デンプン及びNaClを含む表面サイズ溶液をサイズプレスにて付与し、再度乾燥した。得られた紙の坪量は150g/m2であった。続いて、かさ密度が0.95g/cm3〜1.00g/cm3、平均表面粗度RAが1.2μmとなるまで紙基材をカレンダー処理した。
紙基材の製造:本発明の実施例1〜17/比較例19〜27
ウェットエンドケミストリーにおいて、サイズ剤としてのAKD又はAKD/EFA混合物、及び湿潤強度剤としてのPAEを異なる量(完全乾燥パルプに対する重量%)で使用した以外は上記と同一の手順を、本発明の例1〜17及び比較例19〜27の紙基材製造において実施した。
紙基材の製造:本発明の実施例18/比較例28
本発明の実施例14及び比較例24については、ウェットエンドの中にではなく表面サイズ処理において、紙の表側及び裏側の両方に湿潤強度剤PAEを付与した。
顔料被覆紙基材の製造:本発明のサンプル1〜18/比較例19〜28
顔料として炭酸カルシウム(CaCO3の85重量%の平均直径が1〜2μm、15重量%の平均直径が1.0μm未満)を使用し、本発明の例1〜18及び比較例19〜28の紙の裏面(ワイヤーサイド)に、被覆量が20g/m2となるように顔料被覆を付与した。CaCO3100重量部当たり、スチレンアクリル酸塩ラテックス又はポリビニルアルコール(PVOH)及び/又は天然デンプンをバインダとしてそれぞれの重量部で使用した。更に、CaCO3100重量部当たり、不溶化剤1及び2(それぞれアンモニウムジルコニウム炭酸塩、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル)をそれぞれの重量部で顔料被覆に使用した。乾燥及びカレンダー処理後の平均表面粗度RAは0.8μmであった。
比較例29は顔料被覆層を有さない例である。
使用したEFAは、ベヘン酸ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びエピクロルヒドリンの縮合体であった。
使用したAKDは、ベヘン酸から誘導されたAKDであった。
使用したPEAは、Kymene(TM)557H(ヘラクレス社)であった。
実験1
顔料被覆紙基材例1〜28及び非顔料被覆例29に対してブラック、シアン、マゼンタ、イエローのバーを含む標準画像をインクジェットにより印刷した後、擦過評価を視覚的に実施した。上記画像は室内条件(温度23℃、相対湿度48%)で印刷され、乾燥させるためにこの条件下で少なくとも1時間保持した。HP(登録商標)photosmart7960プリンタを用いて以下の設定で印刷した。
1)印刷品質:最高
2)他のパラメータは工場設定に従う
実施例1〜29の擦過評価を表1に示す。擦過による損傷は以下のように評価した。
xxxx:多数の擦過、許容範囲外
xxx:中程度の擦過、許容限度
xx:優れた外観;少数の擦過
x:極めて優れた外観、視認可能な擦過なし
比較例29(顔料で被覆されていない紙基材)は擦過を生じていなかったが、滑らかさとフェザーリングに関する結果は許容範囲外であった。
実験2
実験1で作製された実施例1〜18(本発明)及び比較例19〜28については顔料被覆の表側に、顔料で被覆されていない例29については紙の上に、下記構成の層を溶融共押出により被覆した。
1)最外層(画像側)、1g/m2、LDPE/LLDPEを比率50/50で含有
2)第二層、12.5g/m2、LDPEを含有、25%のアナターゼ型TiO2顔料、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、キナクリドン、及びビスベンズオキサールで置換されたスチルベン型蛍光増白剤
3)第三層(顔料被覆紙に最も近い)、16.5g/m2、LDPE含有、5%のアナターゼ型TiO2顔料、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、キナクリドン。
ライン速度350m/分にて実施例1〜29を得た。
溶融温度は320℃であり、光沢冷却ロールのニップロール圧力は4.0N/m2である。紙基材の裏側は、20g/m2のLDPE/HDPEが50/50の比率で押出被覆される。ポリエチレン層の押出しを行う前に、紙の表面とポリエチレン溶融体との間の付着性を改善するために紙の表面をコロナ処理により活性化する。
実施例1〜29を通常の写真乳剤で被覆し、通常の条件においてミニラボ(Frontier(TM)350、富士写真フイルム社)で処理した。
エッジ損傷を視覚的に評価し、以下のようにスコアリングした。
xxxxx:極めて大きい損傷、許容範囲外
xxxx:大きい損傷、許容範囲外
xxx:中程度の損傷、許容限度
xx:良好、損傷小
x:非常に良好、ほぼ損傷なし
表1に、紙基材の組成、及び顔料被覆/非被覆の紙基材の表側及び裏側に樹脂被覆を付与し、表側に感光層を付与し、次いでFrontier(TM)350で処理した後のエッジ損傷結果を示す。比較例29では、エッジ損傷については良好な結果を得たが、顔料被覆を有しておらず、滑らかさと光沢に関して許容可能な挙動を示していない。
Figure 2009510274

Claims (35)

  1. 表側及び裏側を有し、1種以上の湿潤強度剤を含む紙基材と、前記紙基材の少なくとも表側に施される1種以上の不溶化剤を含む顔料被覆と、を含む顔料被覆紙基材。
  2. 前記湿潤強度剤が前記紙基材の乾燥パルプ重量に対し0.1〜2.0重量%の量で存在する、請求項1記載の顔料被覆紙基材。
  3. 前記湿潤強度剤がエポキシ化ポリアミド樹脂、ジルコニウムベースの化合物、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレアホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドデンプン、グリオキサール、グリオキサレーテッドポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンイミン(PEI)樹脂、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1又は2記載の顔料被覆紙基材。
  4. 前記エポキシ化ポリアミド樹脂がポリ(アミド−アミン)−エピクロルヒドリン(PAE)樹脂である、請求項3記載の顔料被覆紙基材。
  5. 前記紙基材がアルキルケテンダイマー(AKD)、エポキシ化脂肪酸アミド(EFA)及びこれらの組合せから選択される1種以上を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  6. EFA及びAKDを、EFA/AKD重量比が10/90〜60/40となるように含む、請求項5に記載の顔料被覆紙基材。
  7. 前記EFAがステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、トールオイル脂肪酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、ポリアミン、エピクロルヒドリン及びこれらの組合せの縮合体からなる群より選択される、請求項5又は請求項6記載の顔料被覆紙基材。
  8. 前記AKDが炭素数8〜30のアルキル鎖を含む、請求項5〜請求項7のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  9. 前記EFAがベヘン酸を含む縮合体である、及び/又は前記AKDがベヘン酸由来である、請求項5〜請求項8のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  10. 前記EFAがベヘン酸、ジエチレントリアミン及び/又はトリエチレンテトラミン、並びにエピクロルヒドリンを含む縮合体である、請求項5〜請求項9のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  11. 平均表面粗度RAが1.0μm未満、好ましくは0.8μm未満である、請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  12. 前記紙基材が50g/m2〜300g/m2の量で存在する、請求項1〜請求項11のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  13. 前記不溶化剤がエポキシ化ポリアミド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドデンプン、グリオキサール、グリオキサール化ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンイミン(PEI)樹脂及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  14. 前記不溶化剤がポリグリシジルエーテル、アジリジン樹脂、又はジルコニウムベースの化合物からなる群より選択される、請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  15. 前記不溶化剤が前記顔料被覆中のバインダの乾重量に対し0.1〜30重量%で存在する、請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  16. 前記不溶化剤が前記顔料被覆中のバインダの乾重量に対し3.0〜20重量%で存在する、請求項1〜請求項15のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  17. 前記顔料被覆の前記顔料がCaCO3、TiO2、BaSO4、粘土、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、スチレン−アクリルコポリマー及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1〜請求項16のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  18. 前記顔料被覆のバインダがスチレン−アクリルラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス、メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス、ポリアクリレートラテックス、ポリビニルアルコール、多糖、デンプン及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1〜請求項17のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  19. 前記顔料被覆のバインダ/顔料重量比が10/100〜40/100である、請求項1〜請求項18のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  20. 前記顔料被覆が0.5〜40g/m2、好ましくは1〜20g/m2の量で存在する、請求項1〜請求項19のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  21. 更にポリマー樹脂層が前記顔料被覆紙基材の裏側に存在する、請求項1〜請求項20のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材。
  22. 請求項1〜請求項20のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材であって、ポリマー樹脂層が前記顔料被覆紙基材の表側(すなわち印刷される側)に存在する支持体。
  23. 更にポリマー樹脂層が前記顔料被覆紙基材の裏側(すなわち印刷される側の反対側)に存在する、請求項22記載の支持体。
  24. 前記顔料被覆紙基材の表側に存在する前記ポリマー樹脂層が少なくとも1種の更なる顔料を含む、請求項22又は請求項23記載の支持体。
  25. 前記更なる顔料がCaCO3、TiO2、BaSO4、粘土、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項24記載の支持体。
  26. 前記顔料被覆紙基材の表側及び/又は裏側の前記ポリマー樹脂層が5〜60g/m2の量で存在する、請求項21〜請求項24のいずれか1項記載の支持体又は顔料被覆紙基材。
  27. 厚さが60〜360マイクロメートルである請求項21〜請求項26のいずれか1項記載の支持体又は顔料被覆紙基材。
  28. 前記ポリマー樹脂がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリメチルメタクリレート樹脂、及びこれの組合せからなる群より選択される、請求項21〜請求項27のいずれか1項記載の支持体又は顔料被覆紙基材。
  29. 前記ポリマー樹脂が、溶融押出コーティング又は溶融共押出コーティングによって、200m/分以上、好ましくは300m/分を超える速度で表側及び/又は裏側に付与される、請求項21〜請求項28のいずれか1項記載の支持体又は顔料被覆紙基材。
  30. 1種以上の湿潤強度剤を用いて表側と裏側とを有する紙基材を得ることと、前記紙基材の少なくとも表側に1種以上の不溶化剤を含む顔料被覆を付与することと、を含む、顔料被覆紙基材の製造方法。
  31. 前記顔料被覆紙基材が、溶融押出コーティング又は溶融共押出コーティングにより付与される顔料含有ポリマー樹脂を表側に設けてなる、請求項30記載の方法。
  32. 前記顔料被覆紙基材が、溶融押出コーティング又は溶融共押出コーティングにより付与される顔料含有ポリマー樹脂を裏側に設けてなる、請求項30又は請求項31記載の工程。
  33. 前記ポリマー樹脂被覆が200m/分以上、好ましくは300m/分を超える紙速度で付与される請求項31又は請求項32記載の工程。
  34. 請求項22〜請求項29のいずれか1項記載の支持体の、記録用途における支持体としての使用。
  35. 請求項1〜請求項21のいずれか1項記載の顔料被覆紙基材の印刷用途における使用。
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