JP2009506108A - 好酸球増加症および関連障害の治療用組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、好酸球増加症または喘息などの関連障害にかかっている患者の治療、およびこれらの障害に対する環境的または遺伝的素因を有する患者における該障害の予防のためのホスファチジン酸を含む組成物およびその使用を開示する。
Description
本発明は、一般に、好酸球増加症および喘息などの関連障害の治療に関する。
好酸球は、粘膜下組織に優勢に存在し、アレルギー性疾患などの特定の免疫反応の部位に動員される最終分化した、最終段階の白血球である。好酸球は、主にそれらの数が、血液中よりも約100倍多い状態で該組織に落ち着く。
好酸球は、好酸球の主要な同定特徴である大きな特定の顆粒を含む。
宿主細胞およびに微生物標的に様々な生物学的効果を働かせるそれぞれ4つの別個のカチオン性タンパク質を含む:主要塩基性タンパク質(MBP)、好酸球カチオン性タンパク質(ECP)、好酸球由来ニューロトキシン(EDN)および好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)。
宿主細胞およびに微生物標的に様々な生物学的効果を働かせるそれぞれ4つの別個のカチオン性タンパク質を含む:主要塩基性タンパク質(MBP)、好酸球カチオン性タンパク質(ECP)、好酸球由来ニューロトキシン(EDN)および好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)。
これらのタンパク質は、好酸球関連炎症性およびアレルギー性疾患における組織の機能不全および損傷の一因となることにおいて主要な作用を有する。MBP酵素活性欠乏では、この高度にカチオン性のポリペプチドがその毒性作用を発揮することができる1つのメカニズムは、それらの異常をもたらす脂質膜との相互作用によるものである。MBPおよびEPOの両方が、M2ムスカリン受容体に結合するアゴニストの選択的アロステリックインヒビターとして働くことが明らかにされている。したがって、これらのタンパク質は、M2受容体機能不全の一因となり、迷走神経性媒介気管支収縮を増強させる。
ごく最近になって、好酸球が、好酸球に対する潜在的オートクリン増殖因子活性をもつもの、および急性および慢性炎症反応における潜在的役割をもつものなどのサイトカインを産生する能力をもつことが認識されている。3つのサイトカインは、好酸球に対する増殖因子活性を有する:顆粒球コロニー刺激因子(GM−CSF)、IL−3およびIL−5。急性および慢性炎症反応において活性を有するヒト好酸球によって産生される他のサイトカインとして、IL−1α、IL−6、IL−8、TNF−αおよび両方のトランスフォーミング増殖因子、TGF−αおよびTGF−βが挙げられる。
好酸球は、過敏反応、特に2つの脂質炎症性メディエーターであるロイコトリエンC4(LTC4)および血小板活性化因子(PAF)にも関与している。両方のメディエーターは、気道平滑筋を収縮させ、粘液の分泌を促進し、血管透過性を変化させ、好酸球と好中球浸潤を引き起こす。したがって、いったん刺激されると、好酸球は、特異的脂質メディエーターの局所的源としての機能を果たし、マスト細胞および好塩基球からのメディエーターの放出を誘発することができる。
他の白血球に関しては、特定の炎症の組織部位内での好酸球の蓄積を導くプロセスは、好酸球が内皮に付着し、内皮を介して遊出し、局所的化学遊走物質に応答することができるようにする多くの連続的相互作用を含む。好酸球の内皮への付着は、CD18−依存性経路、E−セレクチンとP−セレクチンとの間の相互作用および好酸球上に発現した最晩期抗原4(VLA−4)によるVCAMへの付着を含む。
アレルギー性疾患一般、そして特に喘息の罹患率は、西洋諸国において持続的に上昇している。アメリカ合衆国においては、およそ千五百万人が喘息を有し、該疾患はアメリカ合衆国において年間五千人以上の死亡の原因である。児童では、喘息は、緊急治療および入院の必要性から主として生じる主要な医療費を引き起こす最も蔓延している慢性疾患に相当する。さらに、アメリカ合衆国において、喘息は、学校および職場での長期欠席あるいは欠勤の最も一般的な原因である。
有効な免疫応答は、Th−1優勢を必要とするが、喘息の発生機序を説明することを試みている現在の免疫学的パラダイムは、1型/2型ヘルパーT細胞(Th−1/Th−2)において、後者に向かうバランスシフトが起こることである。このシフトについて、「衛生仮説」などの種々の説明も提案されている。
Th−1型のプロフィールは、主としてインターフェロンガンマ(IFNγ)およびインターロイキン2(IL−2)の分泌を特徴とするが、Th−2型細胞は、IgGからIgEへの切り替えを促進するIL−4、好酸球増加症を誘発するIL−5およびいくつかのIL−4機能と重複し、上皮下線維症および粘液栓形成を促進するIL−13などのサイトカインを分泌する。IL−10は、このバランスを調節し、したがって、Th−2型を支持してTh−1の応答を阻害する。最近、主として炎症抑制サイトカインIL−10およびトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)を分泌する、さらなるTh−サブタイプのグループが、同定され、Treg細胞と呼ばれている。この観察は、喘息の免疫学的機序の唯一の説明としてのひょっとしたら単純すぎるTh−1/Th−2パラダイムの是正を提唱することができた。
したがって、慢性のTh−2型が引き起こす炎症から離れて再びバランスを取ることに向かって免疫反応の方向を変えることによる免疫系の可能な「再プログラミング」は、これらの状態において有利である。ごく最近、IFNγの分泌の正常化が、ヒト喘息において有利であり、IFNG遺伝子における多型が、インド系集団において喘息の発生率の増加を伴いうることが明らかにされている。
いくつかのリン脂質(PLs)は、化学物質乱用嗜癖および老化過程において変更され、そのことによって細胞間シグナリングを妨げる脳細胞膜流動性を再構成することが明らかにされている。しかし、いくつかのリゾリン脂質(Ly−PL)が、ジャーカットT細胞系などのいくつかの細胞系列の活性化および増殖を誘発することが明らかにされているが、免疫細胞機能におけるPLsの特異的効果については、わずかしか明らかにされていない。
喘息などの好酸球増加症関連障害に対する現行の治療の選択肢は、疾患の気道炎症性要素をコントロールする薬物療法および気管支痙攣を阻止する急速緩和薬物療法を包含する。最も一般的な指定された薬物療法は、エピネフリン、イソプロテレノール、アルブテロールおよびサルメテロールなどのベータ2−アドレナリン受容体アゴニスト;カフェインおよびテオフィリンなどのキサンチン;クロモグリク酸ナトリウム(DSCG)、ネドクロミルナトリウムなどの抗炎症剤;ケトチフェンなどの抗ヒスタミン剤;およびプレドニゾロンなどのコルチコステロイドである。
これらの薬物を用いることにはいくつかの不利点がある。有効な持続性作用の潜在的欠如がある;これらの薬物、特にコルチコステロイドおよびベータ−アドレナリン作動薬の場合、その長期使用に伴う副作用がある;長期使用後の治療に対する感受性の進行性消失がある;喘息の重篤な症例におけるこれらの治療のいずれかの効力の制限がある;治療は、必ずしも選択的ではなく、したがって。肺だけでなく他の臓器に影響を及ぼし、そのことは、時には潜在的なリスクとみなされる。
したがって、毒性が少なく、より特異的であり、既知の抗喘息薬の不備がない、好酸球増加症および喘息などの関連する病気を治療するための薬物に対する長年にわたる要求がある。
(発明の要約)
本発明は、ホスファチジン酸(PA)が、組織中の好酸球濃度の低減化、したがって、好酸球増加症または喘息などの関連する健康状態の治療に影響を及ぼすことにおいて効率的であるという驚くべき発見に基づく。本発明はさらに、PA組成物が、喘息発作の発現の低減化において有効であるという発見に基づく。
本発明は、ホスファチジン酸(PA)が、組織中の好酸球濃度の低減化、したがって、好酸球増加症または喘息などの関連する健康状態の治療に影響を及ぼすことにおいて効率的であるという驚くべき発見に基づく。本発明はさらに、PA組成物が、喘息発作の発現の低減化において有効であるという発見に基づく。
したがって、本発明は一般に、喘息および好酸球濃度の増加にともなうその他の障害の治療および/または予防方法を提供し、さらに、このような疾患および障害の治療および予防に有用な組成物を提供する。
本発明の第1の態様において、本発明は、組織中の好酸球の増加にともなう該組織における疾患または障害の治療または予防のための医薬組成物を提供する。
該組成物は、有効量のホスファチジン酸(PA)および医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む。
該組成物は、有効量のホスファチジン酸(PA)および医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む。
1つの実施態様において、該疾患または障害は、好酸球増加症または関連する健康状態である。
もう1つの実施態様において、該疾患または障害は、気道に関するもの、好ましくは、喘息または好酸球性肺炎などの喘息に関連する健康状態である。
本明細書で用いる用語「組織」は、患者の身体の部分である組織の全部または一部(たとえば、気道の内張りである粘膜など)、該組織の周囲、臓器の一部または臓器全体(肺、腎臓、胃など)、血液および患者の身体の外側にある該組織の一部(インビトロまたはエクスビボ)を意味する。組織が、粘膜および肺などの気道の組織であるのが好ましい。
表現「組織の疾患または障害」は、好酸球の濃度の慢性的または急性的増加に伴う該臓器の異常な状態を意味する。
用語「喘息」は、一般に、気道の広範囲にわたる可逆的狭窄を特徴とする気道の状態(気管支収縮)および種々の刺激に対する気道の感受性亢進(過敏性)を意味する。本発明の範囲内において、この用語は、吸入アレルゲン、患者が感作されるようになる吸入低分子量作用剤、ウイルスまたはマイコプラズマ気道感染ならびにオゾンおよび酸化窒素などの酸化ガス、または気道炎症の誘発を伴うその他のいずれかの誘因などの種々の刺激によって誘発されるような疾患を意味する。
本明細書で用いる表現「喘息関連状態」は、高いIgE含量のアトピー性喘息性血清または外因性IgEに曝露された場合の、IgEに曝露されなかった気道組織と比較しての気道組織の収縮の増加および弛緩の減少を特徴とする、気道平滑筋細胞において観察される前(pro)喘息的表現型を意味する。これは、通常、慢性、気管支炎症を伴い、それが気道過敏性をもたらす。
用語「好酸球増加症」は、一般に、血液または身体組織のいずれかにおいて異常に多い量の好酸球が見出される状態を意味する。好酸球増加症は、広範囲の状態において起こる。世界的に最も多く見られるその原因は、寄生虫感染であるが、喘息および花粉症などのアレルギー性疾患、および好酸球性胃腸炎および食道炎などの関連状態、または一般的な皮膚疾患および薬物に対する反応との関連においても起こりうる。他の原因として、レフラー症候群などの肺疾患、チャーグ・ストラウス症候群などの血管炎(血管の炎症)、リンパ腫などのいくつかの腫瘍、肝硬変、いくつかの抗体欠乏、疱疹状皮膚炎などの皮膚疾患および好酸球増加症候群が挙げられる。
通常、好酸球は、末梢血白血球の1〜3%を構成し、350〜650個/mlの数である。好酸球増加症は、軽症(1500個以下の好酸球/立方ミリメートル)、中等症(1500〜5000個/立方ミリメートル)、重症(5000個以上/立方ミリメートル)に分類することができる。本発明が実証するように、PAの使用は、好酸球の蓄積を減少させ、したがって、好酸球増加症の重篤度を軽減することができる。
好酸球増加症は、原発性または続発性である。原発性好酸球増加症では、好酸球の産生の増加は、好酸球性白血病においてなどの造血幹細胞における異常によるものである。続発性好酸球増加症では、好酸球の産生の増加は、アレルギーの場合のようにサイトカインによって動かされる反応性過程である。
本明細書で用いる用語「疾患の治療」は、該疾患に伴う望ましくない症状を改善する、たとえば組織中の好酸球の蓄積を低減化または予防することによってこのような症状が起こる前に該症状の兆候を予防する、たとえばこのような好酸球濃度の低減化を引き起こすことによって喘息の発作の進行を遅延化する、寛解期の発現を増やすかまたは無喘息期を長期化させる、疾患の慢性進行期に起こる不可逆的損傷を遅延化させる、該進行期の発現を遅延化させる、該疾患またはそれに伴ういずれかの状態の重篤度を減らすかまたは治療する、急速な回復を引き起こす、あるいは、該疾患の発生を防止する、あるいは上記のいずれかの組み合わせに有効な治療量の本発明PA組成物を投与することを意味する。
用語“予防”は、(a)本明細書で言及した疾患および/または障害の事例の低減化;(b)治療集団における疾患および/または障害の罹患率の低減化および該疾患および/または障害の持続期間の低減化;(c)治療集団における慢性的無能力または再発の発生率の低減化を意味する。
本発明組成物は、典型的に、少なくとも約5%のPAを含む。
1つの実施態様において、本発明組成物は、約5%〜約75%を含む。本発明のもう1つの実施態様において、PA組成物は、約7%〜約50%のPAまたは0%〜約50%のPAを含む。
組成物が、約15%〜約30%のPAを含むのが好ましい。組成物が、約15%〜約25%のPAを含むのがより好ましい。組成物が、約16%、17%、18%、19%、20%、21%または22%のPAを含むのが最も好ましい。
PAに加えて、本発明組成物は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールおよび/またはトリグリセリドなどの他のリン脂質を含むこともできる。
該組成物は、医薬的に許容しうる担体およびたとえば、水酸化アルミニウムおよびマグネシウムの水性懸濁液といったような補助剤、ベータカロテンおよびビタミンEまたはCなどの抗酸化剤、ホスファチジルセリンなどの動物または植物由来の他のリン脂質、および喘息の治療において公知である他の作用剤などの他の成分を含むこともでき、よりよい抗喘息効果を達成するための組成物に包含されてもよい。
本発明のさらに別の態様において、組織中の好酸球の増加を伴う該組織における疾患または障害(すなわち、好酸球増加症または関連状態)の治療または予防用の医薬組成物の製造のためのPAまたはPA含有混合物の使用を提供する。疾患または障害が、気道に関連するのが好ましい。疾患または障害が、喘息または喘息関連状態であるのが最も好ましい。
1つの実施態様において、該組成物は、ヒト患者における喘息、喘息関連状態を治療するため、または喘息状態の誘発を予防するための組成物である。該喘息または喘息関連状態が、慢性気管支炎症であるのが好ましい。
本発明のさらにもう1つの態様において、必要とする患者に有効量の本発明組成物を投与することを含む、組織中の好酸球の増加を伴う該組織における疾患または障害の治療または予防方法を提供する。
1つの実施態様において、該患者が、好酸球増加症または関連状態にかかっているヒト患者であるのが好ましい。もう1つの実施態様において、該患者は、喘息または関連状態にかかっている。
本発明はまた、該患者に有効量の本発明組成物を投与することを含む、患者の組織中の好酸球の増加を予防する方法を提供する。
1つの実施態様において、該患者、好ましくはヒト患者は、好酸球増加症または関連状態を発現する遺伝的または環境的素因を有する。もう1つの実施態様において、該患者は、喘息または関連状態を発現する遺伝的または環境的素因を有する。
さらに、本発明は、好酸球増加症または関連状態にかかっている患者または好酸球増加症または関連状態を発現する遺伝的または環境的素因を有する患者の組織、好ましくは気道中の好酸球の蓄積を予防または最小化する方法であって、該患者に有効量の本発明組成物を投与することを含む方法を提供する。
組織が、粘膜および肺などの気道の組織であるのが好ましい。
本発明組成物は、典型的に、有効量のPAを含む単位用量剤形で投与される。本明細書の目的にとって、表現「有効量」は、当業界で公知の検討事項によって決定される。量は、前述したように、特に治療される状態のタイプおよび重篤度ならびに治療計画に応じて、たとえば、組織中の好酸球の濃度の低減化などの所望の治療効果を達成するのに有効でなければならない。有効量は、典型的に、適切に設計された臨床試験(用量範囲実験)において決定され、当業界に精通した者は、有効量を決定するための、このような試験を適切に行う方法を知っている。一般に知られているように、有効量は、体内でのPAの分配プロフィール、体内での半減期といったような種々の薬理学的パラメーターなどの種々の因子、あるとすれば副作用、年齢および性別などの因子に応じて変わる。
医薬的に許容しうる担体、たとえば、ビヒクル、補助剤、賦形剤または希釈剤は、当業者に周知であり、一般公衆に容易に利用可能である。医薬的に許容しうる担体が、活性化合物(PA)に対して化学的に不活性であるもの、および使用条件下で有害な副作用または毒性がないものが好ましい。担体の選択は、ひとつには、組成物を投与するのに用いる特定の方法によって決定される。したがって、本発明医薬組成物の多種多様の適当な製剤がある。以下の経口、エアロゾル、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、直腸および膣内投与用製剤は、単に例示的であり、限定では全くない。
経口投与に適した製剤は、(a)水、食塩水またはオレンジジュースなどの希釈剤に溶解した有効量のPAなどの溶液剤;(b)固体または顆粒の規定量の活性成分をそれぞれ含むカプセル剤、サシェ剤、錠剤、ロゼンジおよびトローチ剤;(c)散剤;(d)適当な液体中の懸濁剤;および(e)適当な乳剤からなる。カプセル剤型は、たとえば、界面活性剤、滑沢剤およびラクトース、スクロース、リン酸カルシウムおよびコーンスターチなどの不活性な充填剤を含む通常の硬または軟シェルゼラチン型とすることができる。錠剤型は、ラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギニン酸、微結晶セルロース、アラビアガム、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸およびその他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊補助剤、湿潤剤、保存剤、香味剤および医薬的に適合しうる担体の1種以上を含むことができる。ロゼンジ型は、通常はスクロースおよびアラビアガムなど香味剤中のPA、ならびに活性成分に加えて、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアガム、乳剤、ゲル剤などの不活性基剤中に活性成分を含む香錠を含むことができ、このような担体は当業界で公知である。
PAを単独または他の適当な成分と組み合わせて含む本発明組成物は、吸入で投与するためのエアロゾル製剤にすることができる。これらのエアロゾル製剤は、加圧された、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの許容しうる噴霧剤に入れることができる。それらを、非加圧製剤のための調合薬として製剤してもよい。
非経口投与に適した製剤として、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および製剤を意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質を含むことができる水性または非水性の等張滅菌注射液および懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および保存剤を含む水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。本発明組成物は、医薬的に許容しうる石鹸または洗浄剤などの界面活性剤、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースなどの懸濁化剤、あるいは乳化剤およびその他の医薬的補助剤を添加して、あるいは無添加で、水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、エタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコールなどのアルコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールなどのグリセロールケタール、ポリ(エチレングリコール)400などのエーテル、脂肪酸、脂肪酸エステルまたはグリセリドまたはアセチル化脂肪酸グリセリドなどの油といったような滅菌液または液の混合物などの医薬的担体中の生理学的に許容しうる希釈液で投与することができる。
非経口製剤に用いることができる油として、石油、動物、野菜または合成油が挙げられる。油の特定の例として、ピーナツ油、大豆油、ゴマ油、カノーラ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱物油が挙げられる。非経口製剤における使用に適当な脂肪酸として、オレイン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルが、適当な脂肪酸エステルの例である。非経口製剤における使用に適当な石鹸として、脂肪アルカリ金属塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩が挙げられ、適当な洗浄剤として、(a)たとえば、ジメチルジアルキルアンモニウムハライドおよびアルキルピリジニウムハライドなどのカチオン性洗浄剤、(b)たとえば、スルホン酸アルキル,アリールおよびオレフィン、硫酸およびスルホコハク酸アルキル,オレフィン,エーテルおよびモノグリセリドなどのアニオン性洗浄剤、(c)たとえば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリオキシ−エチレンポリプロピレンコポリマーなどの非イオン性洗浄剤、(d)たとえば、アルキル−β−アミノプロピオネートおよび2−アルキル−イミダゾリン第四級アンモニウム塩などの両性洗浄剤、および(3)それらの混合物が挙げられる。
適当な保存剤および緩衝剤をこのような製剤に用いることができる。注射部位における刺激を最小化あるいは無くするために、このような組成物は、約12〜約17の親水性−親油性バランス(HLB)を有する1種以上の非イオン性界面活性剤を含むことができる。このような製剤中の界面活性剤の量は、約5〜約15重量%である。適当な界面活性剤として、モノオレイン酸ソルビタンなどのポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび酸化プロピレンとプロピレングリコールとの縮合によって形成された酸化エチレンと疎水性塩基との高分子量アダクトが挙げられる。非経口製剤は、アンプルおよびバイアルなどの単位用量または複数回用量密封容器で提示することができ、たとえば、使用直前に注射用水などの滅菌液体担体の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保管することができる。前述した種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から即席の注射液および懸濁液を調製することができる。
注射用組成物用の有効な医薬的担体の要件は、当業者には周知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice、J.B.Lippincott Co.、Philadelphia、Pa.、Banker and Chalmers、eds.、pages 238−250(1982)およびASHP Handbook on Injectable Drugs、Toissel、4th ed.、pages 622−630(1986)を参照。
さらに、乳化基剤または水溶性基剤などの種々の基剤と混合することによって、本発明組成物を座剤として製剤してもよい。
口腔を介するか、または吸入による投与が好ましい。
ナノ粒子およびリポソームなどの他の可能な製剤もまた、本発明組成物のデリバリーに用いることができる。
口腔を介するか、または吸入による投与が好ましい。
ナノ粒子およびリポソームなどの他の可能な製剤もまた、本発明組成物のデリバリーに用いることができる。
例示的実施態様の詳細な説明
たとえば、化学合成または天然物抽出などの多くの異なる方法によって、ホスファチジン酸(PA)を製造することができる。1つの実施態様において、PAは、たとえば、ピーナッツ由来のホスホリパーゼ−Dを用いるなどのレシチンリン脂質の部分的加水分解の産物である。それは、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールおよびトリグリセリドなどの他のリン脂質からなるヘキサン可溶性物質の複合混合物である。本明細書において「一次PA混合物」と称する濃い混合物において、総PAは、40%〜50%である。%単位で表す濃度は、全組成物の100重量単位当たりの成分の重量単位の数(w/w)を意味するつもりである。
たとえば、化学合成または天然物抽出などの多くの異なる方法によって、ホスファチジン酸(PA)を製造することができる。1つの実施態様において、PAは、たとえば、ピーナッツ由来のホスホリパーゼ−Dを用いるなどのレシチンリン脂質の部分的加水分解の産物である。それは、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールおよびトリグリセリドなどの他のリン脂質からなるヘキサン可溶性物質の複合混合物である。本明細書において「一次PA混合物」と称する濃い混合物において、総PAは、40%〜50%である。%単位で表す濃度は、全組成物の100重量単位当たりの成分の重量単位の数(w/w)を意味するつもりである。
酵素ホスホリパーゼDを含む合成または天然源を用いる酵素処理によって、天然のリン脂質製剤から一次PA混合物を得るのが好ましい。1つのこのような製剤が、本発明の同じ発明者による米国特許No.6,051,564に開示されている。
PA混合物の調製に有用な天然のリン脂質製剤の典型的な例は、これらに限定されるものではないが、大豆レシチンおよび卵黄である。典型的には、ホスホリパーゼD源は、これらに限定されるものではないが、ピーナッツ、キャベツ、細菌またはそれらに由来する一部分である。
本発明組成物は、典型的に、高粘度または時にはペースト状の一次PA混合物を溶解する能力がある少なくとも1つの適当な可溶化剤と一次PA混合物を混合することによって調製される。該組成物は、これらに限定されるものではないが、ビタミン、抗酸化剤、保存剤、安定化剤などの他の成分を含むこともできる。本発明組成物中のPAの全体の濃度は、典型的に、少なくとも約7%〜少なくとも約75%の間である。たとえば、「少なくとも約7%」という表現において、本発明組成物中のPAの濃度に関して用いる用語「少なくとも約」は、平均7%のPA+/−2%を意味し、すなわち、5%を含む組成物もまた本発明の範囲に入る。
本明細書に開示する実施例では、ゼラチン製のカプセル(LB型、Gel Formula 3A)、サイズ22、楕円形、褐色(151A)を用いた。各カプセルは、全重量1000 mg中にPA混合物、油およびビタミンEを含む。数種の異なる製剤を用いた:
製剤1は、7%のPA:400 mgのカノーラ油、約50−80 mgのホスファチジン酸、ビタミンEおよび約440 mgの他のリン脂質を含む。
製剤2は、16%のPA:400 mgのカノーラ油、約160 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約436 mgの他のリン脂質を含む。
製剤3は、18%のPA:400−500mgのカノーラ油またはピーナッツ油、約180 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約300−407 mgの他のリン脂質を含む。
製剤4は、22%のPA:400−500mgのカノーラ油、約200−220 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約300−400 mgの他のリン脂質を含む。
製剤1は、7%のPA:400 mgのカノーラ油、約50−80 mgのホスファチジン酸、ビタミンEおよび約440 mgの他のリン脂質を含む。
製剤2は、16%のPA:400 mgのカノーラ油、約160 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約436 mgの他のリン脂質を含む。
製剤3は、18%のPA:400−500mgのカノーラ油またはピーナッツ油、約180 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約300−407 mgの他のリン脂質を含む。
製剤4は、22%のPA:400−500mgのカノーラ油、約200−220 mgのホスファチジン酸、3.5 mgのビタミンEおよび約300−400 mgの他のリン脂質を含む。
実施例1:二重盲検臨床試験
1日2回、3週間、18%のPAを含む組成物を投与された喫煙グループのボランティアから血液サンプルを得た。試験した血液サンプルからの結果から、第1表に示すように、イソペーク勾配においてヘパリン添加静脈血から単離した末梢血単核球からのサイトカインインターフェロンガンマ(IFNγ)の分泌が、コントロールグループと比較して、処置グループにおいて増加することが示された。IFNγはTh−1型反応の特質であると見なされるので、その増加は、PAがTh−1/Th−2バランスを前者に向かってシフトし、したがって、アレルギー状態が低減化されうることを明らかにする。この発見は、素因がある個体における喘息の進行を予防するPA組成物の能力を示す。
1日2回、3週間、18%のPAを含む組成物を投与された喫煙グループのボランティアから血液サンプルを得た。試験した血液サンプルからの結果から、第1表に示すように、イソペーク勾配においてヘパリン添加静脈血から単離した末梢血単核球からのサイトカインインターフェロンガンマ(IFNγ)の分泌が、コントロールグループと比較して、処置グループにおいて増加することが示された。IFNγはTh−1型反応の特質であると見なされるので、その増加は、PAがTh−1/Th−2バランスを前者に向かってシフトし、したがって、アレルギー状態が低減化されうることを明らかにする。この発見は、素因がある個体における喘息の進行を予防するPA組成物の能力を示す。
実施例2:サイトカイン分泌における、レシチンと比較してのPAを含む医薬組成物の効果
一連のインビトロ実験において、IFNγおよびIL−10などのサイトカインの増殖および分泌について、正常なコントロールと比較して、アレルギーおよび喘息の患者のPBMCを培養することによって、超音波処理した乳化製剤中にPAまたはレシチンを含む組成物の効果を試験した。PPDまたはマイトジェンなどの刺激物質を含むか、または含まない培地を満たした200 μlウエルのマイクロタイタープレートにおいて24時間細胞を培養した。標準的ELISAアッセイ(R&D)によって培養物の上清中のサイトカインを測定した。第2表に示すように、PA組成物の存在下でPPD(マイコバクテリアのタンパク質精製誘導体)刺激細胞によってIFNγの増殖が増強し、分泌が増加する傾向が示された。
一連のインビトロ実験において、IFNγおよびIL−10などのサイトカインの増殖および分泌について、正常なコントロールと比較して、アレルギーおよび喘息の患者のPBMCを培養することによって、超音波処理した乳化製剤中にPAまたはレシチンを含む組成物の効果を試験した。PPDまたはマイトジェンなどの刺激物質を含むか、または含まない培地を満たした200 μlウエルのマイクロタイタープレートにおいて24時間細胞を培養した。標準的ELISAアッセイ(R&D)によって培養物の上清中のサイトカインを測定した。第2表に示すように、PA組成物の存在下でPPD(マイコバクテリアのタンパク質精製誘導体)刺激細胞によってIFNγの増殖が増強し、分泌が増加する傾向が示された。
これらの結果から、大量のIFNγは、炎症促進性で有害なので、PA組成物が、治療上必要な特徴である、IFNγ分泌の中程度のエンハンサーであることが示唆される。マウス喘息モデルにおける最近の発見は、喘息のマウスもでるにおける非常に少量のIFNγの投与が、炎症性Th−2細胞の肺への帰還をブロックし、気管支炎症を下方制御することを明らかにすることによって、この仮説を確証している。(Flaishon L、Topilski I、Shoseyov Dら、Cutting edge:Anti−inflammatory properties of low levels of IFN gamma。J Immunol、2002、168:3707−11)。
これは、本発明PA組成物とともに培養した細胞によるIFNγ分泌における中程度の増加に一致する。
これは、本発明PA組成物とともに培養した細胞によるIFNγ分泌における中程度の増加に一致する。
第2表:サイトカイン分泌におけるPA組成物のインビトロ効果、超音波処理物。注)IL−10およびIFNγキットの最低検出カットオフレベルは、それぞれ<5および<30pg/mlであり、最高カットオフレベルは、両方のキットについて、>1000pg/mlであった。PPD−マイコバクテリアのタンパク質精製誘導体;PHA−フィトヘマグルチニン;LPS−リポ多糖。
実施例3:動物における急性アレルギー性炎症モデル
単回皮下注射によって、19匹のブラウンノルウェーラットをブタクサ(short ragweed)花粉に感作し、次いで、PA組成物またはカノーラ油の強制経口投与を2週間行い、次いで、単回エアロゾル化アレルゲンチャレンジを行った。このようなチャレンジは、2−3日以内にピークに達する好酸球炎症性浸潤をもたらした。一次的予後変数としてBAL細胞カウント(全および微分)を用い、チャレンジ後48時間で本発明組成物の有効性の評価を行った。
単回皮下注射によって、19匹のブラウンノルウェーラットをブタクサ(short ragweed)花粉に感作し、次いで、PA組成物またはカノーラ油の強制経口投与を2週間行い、次いで、単回エアロゾル化アレルゲンチャレンジを行った。このようなチャレンジは、2−3日以内にピークに達する好酸球炎症性浸潤をもたらした。一次的予後変数としてBAL細胞カウント(全および微分)を用い、チャレンジ後48時間で本発明組成物の有効性の評価を行った。
その目的のために設計されたデバイスを用いて、朝、1日1回、0.5 mlを経口強制投与することによって、本発明のPA組成物を投与した。100 mg/kg(200−250 gの体重の範囲のラットに対し、20−25 mg)の用量で、PA組成物を投与した。処置を7日間行った後、チャレンジさせ、その後も1日間処置を継続した。
処置中に異常な便が見られることなく、また、体重の変動もなく、ラットは強制投与に耐えた。7回目の投与の後、カノーラ油グループからの6匹のラットをPBSエアロゾルに20分間曝露し(C−PBSグループ)、カノーラ油グループからの6匹のラットを2%エアロゾル化ブタクサ花粉抽出物に20分間曝露し(C−RWグループ)、本発明PA組成物で処置した7匹のラットをブタクサ抽出物エアロゾルに曝露した(L−RWグループ)。チャレンジの後も、ラットをさらに強制経口投与処置に付した。
エアロゾルチャレンジの2日後、ラットを1.5 g/kgのウレタン静注で麻酔し、血液サンプルを得た後、腹部大動脈を切断することによって安楽死させた。気管カニューレを設置し、右主気管支をクランプで固定した後、右肺をPBSで5回洗浄した。
BAL細胞全白血球をカウントし、サイトスピンスライドを用意して、リンパ球、マクロファージ、好酸球および好中球の相対的%を決定する。血清を凍結し、左肺をホルマリンで固定し、さらなる実験の可能性のために、好ましい固定液中で保存する。
ブタクサチャレンジラットは、BAL白血球を増加した(リンパ球、好酸球および好中球が、PBSチャレンジラットと比べて有意に増加した)。しかし、PA処置グループでは、BAL白血球の総数(p=0.046、マン−ホイットニー)およびBAL好酸球の数(p=0.022、マン−ホイットニー)は、図1(各処置グループの個々のラットにおける肺気管支肺胞洗浄から回収された全白血球および好酸球(x106細胞)の数)に示すように、カノーラ油グループからのブタクサチャレンジラットと比べて有意に低かった。BALリンパ球、マクロファージおよび好中球の数は、PA処置によって変更されなかった。
実施例4:PA組成物の免疫調節能の調査
PBMCのいくつかの免疫パラメーターにおけるPA組成物のインビトロ効果を、約好ましくは、ハウスダストダニに敏感であり、ステロイドによる全身的処置をされていない30人の喘息/アレルギー患者ならびに病院職員からの15人の正常なコントロールにおいて測定する。
PBMCのいくつかの免疫パラメーターにおけるPA組成物のインビトロ効果を、約好ましくは、ハウスダストダニに敏感であり、ステロイドによる全身的処置をされていない30人の喘息/アレルギー患者ならびに病院職員からの15人の正常なコントロールにおいて測定する。
培養細胞を、種々の濃度のPA組成物およびコントロールリン脂質の存在または不在下で、PPD、精製ダニ抗原およびLPSで24−48時間刺激する。アッセイは、処置の前後のサイトカイン分泌の測定を包含する。慣例の感受性ELISAキット(R&D)を用いて、分泌されたサイトカインタンパク質を細胞上清中で測定する。測定されたサイトカインは、インターフェロン(IFNγ)、インターロイキン4、5、10、12、13(IL−4、IL−5、IL−10、IL−12、IL−13)および腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)などのアレルギー/喘息過程におけるTh−1/Th−2バランスの関連する炎症性因子および調節因子を表すとみなされるものを包含する。
中程度/重篤、非ステロイド依存性喘息に罹患している米国の約60人およびイスラエルの約20人の患者において、第I/II相二重盲検対照試験的実験を行う。患者が現在行っている抗喘息投薬を変更することなく、PA組成物を1か月間単回投与で経口投与する。合計で3回の現地訪問を第0、30、60日に予定する。各訪問時に血液サンプルを採取して、PA組成物の安全性プロフィールの再現を確認する。喘息症状スコアの終点において、併用薬およびPEF(最大呼気流量)またはFEV1(1秒間努力呼気容量)などの肺機能の必要性を決定する。
(原文に記載なし)
Claims (55)
- 有効量のホスファチジン酸(PA)および医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む、組織中の好酸球の増加にともなう該組織における疾患または障害の治療または予防のための医薬組成物。
- 疾患または障害が、好酸球増加症または関連状態である請求項1に記載の組成物。
- 疾患または障害が、気道の疾患または障害である請求項1に記載の組成物。
- 気道の疾患または障害が、喘息または関連状態である請求項3に記載の組成物。
- 組織が、気道の組織である請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
- 組織が、血液である請求項5に記載の組成物。
- 喘息関連状態が、慢性気管支炎症である請求項4に記載の組成物。
- 組成物が、少なくとも約5%のPAを含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
- 組成物が、約5%〜約75%のPAを含む請求項8に記載の組成物。
- 組成物が、約7%〜約50%のPAを含む請求項9に記載の組成物。
- 組成物が、10%〜約50%のPAを含む請求項10に記載の組成物。
- 組成物が、約15%〜約30%のPAを含む請求項11に記載の組成物。
- 組成物が、約15%〜約25%のPAを含む請求項12に記載の組成物。
- 少なくとも1つの他のリン脂質をさらに含む請求項1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
- 組織中の好酸球の増加を伴う該組織における疾患または障害(すなわち、好酸球増加症または関連状態)の治療または予防用の医薬組成物の製造のためのPAの使用。
- 疾患または障害が、好酸球増加症または関連状態である請求項15に記載の使用。
- 疾患または障害が、気道の疾患または障害である請求項15に記載の使用。
- 気道の疾患または障害が、喘息または関連状態である請求項17に記載の使用。
- 組織が、気道の組織である請求項15〜18のいずれか1つに記載の使用。
- 組織が、血液である請求項19に記載の使用。
- 喘息関連状態が、慢性気管支炎症である請求項18に記載の使用。
- 組成物が、少なくとも約5%のPAを含む請求項15〜21のいずれか1つに記載の使用。
- 組成物が、約5%〜約75%のPAを含む請求項22に記載の使用。
- 組成物が、約7%〜約50%のPAを含む請求項23に記載の使用。
- 組成物が、10%〜約50%のPAを含む請求項24に記載の使用。
- 組成物が、約15%〜約30%のPAを含む請求項25に記載の使用。
- 組成物が、約15%〜約25%のPAを含む請求項26に記載の使用。
- 少なくとも1つの他のリン脂質をさらに含む請求項15〜27のいずれか1つに記載の使用。
- 必要とする患者に有効量のホスファチジン酸(PA)を含む組成物を投与することを含む、患者の組織中の好酸球の増加を伴う該組織における疾患または障害の治療または予防方法。
- 疾患または障害が、好酸球増加症または関連状態である請求項29に記載の方法。
- 疾患または障害が、気道の疾患または障害である請求項29に記載の方法。
- 気道の疾患または障害が、喘息または関連状態である請求項31に記載の方法。
- 組織が、気道の組織である請求項29〜32のいずれか1つに記載の方法。
- 組織が、血液である請求項33に記載の方法。
- 喘息関連状態が、慢性気管支炎症である請求項34に記載の方法。
- 組成物が、少なくとも約5%のPAを含む請求項29〜35のいずれか1つに記載の方法。
- 組成物が、約5%〜約75%のPAを含む請求項36に記載の方法。
- 組成物が、約7%〜約50%のPAを含む請求項37に記載の方法。
- 組成物が、10%〜約50%のPAを含む請求項38に記載の方法。
- 組成物が、約15%〜約30%のPAを含む請求項39に記載の方法。
- 組成物が、約15%〜約25%のPAを含む請求項40に記載の方法。
- 41少なくとも1つの他のリン脂質をさらに含む請求項29〜41のいずれか1つに記載の方法。
- 必要とする患者に有効量のホスファチジン酸(PA)を含む組成物を投与することを含む、哺乳動物患者における喘息状態の予防方法。
- 患者に有効量のPAを含む組成物を投与することを含む、患者の組織における好酸球濃度の低減化方法。
- 患者が、好酸球増加症または関連状態にかかっている請求項44に記載の方法。
- 患者が、喘息または関連状態にかかっている請求項44に記載の方法。
- 患者が、ヒトである請求項44に記載の方法。
- 患者に有効量のPAを含む組成物を投与することを含む、患者の組織における好酸球の増加の予防方法。
- 患者が、好酸球増加症または関連状態を発現する環境的または遺伝的素因を有する請求項48に記載の方法。
- 患者が、喘息または関連状態を発現する環境的または遺伝的素因を有する請求項48に記載の方法。
- 該患者に有効量のPAを含む組成物を投与することを含む、好酸球増加症または関連状態にかかっている患者または好酸球増加症または関連状態を発現する環境的または遺伝的素因を有する患者の気道の組織中の好酸球の蓄積を低減化する方法。
- 組織が、肺である請求項51に記載の方法。
- 組織が、気道の粘膜である請求項51に記載の方法。
- 好酸球増加症または関連状態が、喘息である請求項51に記載の方法。
- 組成物を、経口投与する請求項29〜54のいずれか1つに記載の方法。
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