JP2009502884A - C型肝炎ウイルスの大環状阻害剤 - Google Patents

C型肝炎ウイルスの大環状阻害剤 Download PDF

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Abstract

式(I)
【化1】
Figure 2009502884

[式中、XはN、CHであり、そしてXが二重結合を有する場合にはそれはCであり、Rは−OR、−NH−SOであり、Rは水素であり、そしてXがCまたはCHである場合にはRはC1−6アルキルであることもでき、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、またはC3−7シクロアルキルであり、Rは場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニル−アミノ、アリール、およびHetから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいイソキノリニルであり、nは3、4、5、または6であり、各々の点線(により表示される)は場合により存在する二重結合を表わし、Rは水素、アリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、Rはアリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、各々のアリールは場合により1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、そして各々のHetは各々が窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しそして場合により1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよい5もしくは6員の飽和、部分的不飽和または完全不飽和の複素環式環である]
のHCV複製の阻害剤、並びにそれらのN−オキシド類、塩類および立体異性体;化合物(I)を含有する製薬学的組成物並びに化合物(I)の製造方法。式(I)のHCVの阻害剤とリトナビルとのバイオアベイラブルな組み合わせも提供される。

Description

本発明はC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に対する阻害活性を有する大環状化合物に関する。それはさらに活性成分としてこれらの化合物を含んでなる組成物並びにこれらの化合物および組成物の製造方法にも関する。
C型肝炎ウイルスは世界的に慢性肝臓疾病の主な原因でありそして重要な医学的研究の目標となってきた。HCVはヘパシウイルス(hepacivirus)属内のフラビビリダエ(Flaviviridae)科のウイルスの1員であり、そして人間の疾病に関わる多くのウイルス、例えばデング熱ウイルスおよび黄熱ウイルス、を包含するフラビウイルス(flavivirus)属並びに牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)を包含する動物ペスチウイルス(pestivirus)科と非常に関係がある。HCVは約9,600個の塩基のゲノムを有するポジティブ・センス(positive−sense)の一本鎖RNAウイルスである。ゲノムはRNA二次構造を選ぶ5’および3’の両方の未翻訳領域並びに約3,010−3,030個のアミノ酸の単一ポリ蛋白質をコードする中央開放読み取り枠を含んでなる。ポリ蛋白質は10種の遺伝子生成物をコードし、それらは前駆体ポリ蛋白質から調整された一連の宿主およびウイルスプロテアーゼの両者により介在される翻訳時および後の細胞内蛋白質分解により作成される。ウイルス性構造蛋白質は、芯ヌクレオカプシド蛋白質並びに2種の包装糖蛋白質であるE1およびE2を包含する。非−構造(NS)蛋白質はある種の必須ウイルス性酵素機能(ヘリケース、ポリメラーゼ、プロテアーゼ)並びに未知機能の蛋白質をコードする。ウイルス性ゲノムの複製は非−構造蛋白質5b(NS5B)によりコードされるRNA−依存性RNAポリメラーゼにより介在される。ポリメラーゼの他に、両者とも二官能性NS3蛋白質内でコードされるウイルス性ヘリケースおよびプロテアーゼ機能がHCV RNAの複製に必須であることが示された。NS3セリンプロテアーゼの他に、HCVはNS2領域内でメタロプロテイナーゼもコードする。
最初の急性感染後に、HCVは肝細胞内で優先的に複製するが直接的に細胞変性しないため感染者の大多数が慢性肝炎に進行する。特に、激しいT−リンパ球応答の不足およびウイルスが突然変異する高い傾向が高い割合の慢性感染症を促進させるようである。慢性肝炎は肝臓線維症に進行して、肝硬変、末期肝臓疾病、およびHCC(肝細胞癌)をもたらし、それが肝臓移植の主な原因となる。
6種の主なHCV表現型および50より多い亜型があり、それらは地理的に異なって分布される。1型HCVは欧州および米国において優勢な表現型である。HCVの広範囲にわたる遺伝的異種性は重要な診断および臨床的な意味を有しており、多分ワクチン開発における難しさおよび治療に対する無応答の理由であろう。
HCVの伝達は、例えば輸血および静脈内薬品使用後の、汚染された血液または血液製品との接触により生じうる。血液スクリーニングで使用される診断試験の導入が輸血後HCV発生における下方傾向をもたらしてきた。しかしながら、末期肝臓疾病へのゆっくりした進行を仮定すると、現存する感染数は数十年間にわたり重大な医学的および経済的な負荷となるであろう。
最近のHCV療法はリバビリン(ribavirin)と組み合わせた(ペグ化された)インターフェロン−アルファ(IFN−α)に基づく。この組み合わせ療法は表現型1ウイルスによる感染患者の40%より多く並びに表現型2および3による感染患者の約8
0%において持続するウイルス学的応答を生ずる。1型HCVに対する限定された効力の他に、この組み合わせ療法は有意な副作用を有しそして多くの患者における耐性は劣悪である。主な副作用はインフルエンザ類似徴候、血液学的異常、および神経精神医学的徴候を包含する。従って、より有効であり、簡便であり且つより良好な耐性のある処置に関する要望がある。
最近、2種のペプチド擬似HCVプロテアーゼ阻害剤、すなわち特許文献1に開示されたBILN−2061および特許文献2に開示されたVX−950、が臨床候補として注目を得ている、多くの同様なHCVプロテアーゼ阻害剤も学術および特許文献に開示されてきた。BILN−2061またはVX−950の持続投与がいわゆる薬品逃避突然変異体であるそれぞれの薬品に対して耐性の突然変異体を選択することはすでに明らかになってきた。これらの薬品逃避突然変異体はHCVプロテアーゼゲノムにおける特徴的な突然変異、特にD168V、D168Aおよび/またはA156S、を有する。従って、異なる耐性パターンを有する別の薬品が処置選択肢で失敗している患者に提供されることが求められており、そして複数薬品による組み合わせ療法は第一系統処置に関しても将来的に一般標準となるようである。
HIV薬品および特にHIVプロテアーゼ阻害剤を用いる経験が、次善の薬物動力学および複合薬用量処方が不注意によるコンプライアンス不足を急速にもたらすことをさらに強調した。これは一方では、HIV処方における各薬品に関する24時間トロフ(trough)濃度(最少血漿濃度)がしばしばその日の大部分にわたりIC90またはED90しきい値以下に低下することを意味する。少なくともIC50の基準、そしてより現実的には、IC90またはED90、の24時間トロフレベルが薬品逃避突然変異体の発生を遅らせるために必須であると考えられる。そのようなトロフレベルを可能にするために必要な薬物動力学および薬品代謝の達成が薬品設計に関する緊急の課題である。複数のペプチド結合を有する先行技術のHCVプロテアーゼ阻害剤の強いペプチド擬似性質が有効な薬用量処方に対する薬物動力学的障害となる。
最新のHCV療法の欠点、例えば副作用、限定される有効性、耐性の発生、およびコンプライアンス不足、を克服しうるHCV阻害剤に関する要望がある。
特許文献3はHCVの大環状イソキノリンペプチド阻害剤に関する。化合物を含んでなる組成物およびHCVを阻害するための化合物の使用方法も開示されている。
特許文献4はアザ−ペプチド大環状C型肝炎セリンプロテアーゼ阻害剤、HCV感染症に罹っている被験体に対する投与のための上記化合物を含んでなる製薬学的組成物、および本発明の化合物を含んでなる製薬学的組成物を投与することによる被験体におけるHCV感染症を処置する方法を開示している。
国際公開第00/59929号パンフレット 国際公開第03/87092号パンフレット 国際公開第04/094452号パンフレット 国際公開第05/010029号パンフレット
本発明は、以下の薬理学的に関連する性質、すなわち、効力、低下した細胞毒性、改良された薬物動力学、改良された耐性特徴、許容可能な薬用量および丸剤負担、の1つもしくはそれ以上において優れているHCV阻害剤に関する。
さらに、本発明の化合物は比較的低い分子量を有しそして市販されているかまたは当該技術で既知の合成工程により容易に入手可能である出発物質から出発して容易に合成される。
本発明は、式(I):
Figure 2009502884
[式中、
XはN、CHであり、そしてXが二重結合を有する場合にはそれはCであり、
は−OR、−NH−SOであり、
は水素であり、そしてXがCまたはCHである場合にはRはまたC1−6アルキルであることもでき、
は水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、またはC3−7シクロアルキルであり、
は場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニル−アミノ、アリール、およびHetから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいイソキノリニルであり、
nは3、4、5、または6であり、
ここで各々の点線(−−−−−により表示される)は場合により存在する二重結合を表わし、
は水素、アリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、
はアリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、
基または基の一部としての各々のアリールは場合によりハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニルピペラジニル、およびモルホリニルから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよく、
そして
基または基の一部としての各々のHetは各々が窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、場合により各々がハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキル−ピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニル、およびモルホリニルよりなる群から独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよくそしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5もしくは6員の飽和、部分的不飽和または完全不飽和の複素環式環である]
に表すことができるHCV複製の阻害剤、並びにそれらのN−オキシド類、塩類、および立体異性体に関する。
本発明はさらに、式(I)の化合物、それらのN−オキシド類、付加塩類、第四級アミン類、金属錯体、および立体化学的異性体形態の製造方法、それらの中間体、並びに式(I)の化合物の製造における中間体の使用にも関する。
本発明は、薬品としての使用のための式(I)の化合物自体、それらのN−オキシド類、付加塩類、第四級アミン類、金属錯体、および立体化学的異性体形態に関する。本発明はさらに、HCV感染症に罹っている被験体に対する投与のための上記化合物を含んでなる製薬学的組成物にも関する。製薬学的組成物は上記化合物と他の抗−HCV剤との組み合わせを含んでなりうる。
本発明はまた、HCV複製を阻害する薬品の製造のための式(I)の化合物、またはそのN−オキシド、付加塩、第四級アミン、金属錯体、もしくは立体化学的異性体形態の使用にも関する。或いは本発明は有効量の式(I)の化合物、またはそのN−オキシド、付加塩、第四級アミン、金属錯体、もしくは立体化学的異性体形態の投与を含んでなる温血動物においてHCV複製を阻害する方法にも関する。
以上および以下で使用される際には、断らない限り以下の定義が適用される。
ハロの用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを総称する。
用語「ポリハロC1−6アルキル」は、基または例えばポリハロC1−6アルコキシ中のように基の一部として、モノ−もしくはポリハロ置換されたC1−6アルキル、特に1、2、3、4、5、6個まで、もしくはそれ以上のハロ原子で置換されたC1−6アルキル、例えば1個もしくはそれ以上のフルオロ原子を有するメチルまたはエチル、例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、として定義される。トリフルオロメチルが好ましい。全ての水素原子がフルオロ原子により置換されているC1−6アルキル基であるペルフルオロC1−6アルキル基、例えばペンタフルオロエチル、も包含される。ポリハロC1−6アルキルの定義内で1個より多いハロゲン原子がアルキル基に結合される場合には、ハロゲン原子は同一もしくは相異なりうる。
ここで使用される「C1−4アルキル」は、基または基の一部として、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、を定義し、「C1−6アルキル」はC1−4アルキル基および炭素数5もしくは6のそれらの高級同族体、例えば、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メ
チル−1−ブチル、2−メチル−1−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、3−メチル−2−ペンチルなど、を包括する。C1−6アルキルの中ではC1−4アルキルが興味ある。
用語「C2−6アルケニル」は、基または基の一部として、飽和炭素−炭素結合および少なくとも1個の二重結合を有し且つ炭素数2〜6の直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基、例えば、エテニル(すなわちビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(すなわちアリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ペンテニルなど、を定義する。C2−6アルケニルの中ではC2−4アルケニルが興味ある。
用語「C2−6アルキニル」は、基または基の一部として、飽和炭素−炭素結合および少なくとも1個の三重結合を有し且つ炭素数2〜6の直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなど、を定義する。C2−6アルキニルの中ではC2−4アルキニルが興味ある。
3−7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを総称する。
1−6アルカンジイルは、炭素数1〜6の2価の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,2−プロパンジイル、2,3−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルなど、を定義する。C1−6アルカンジイルの中ではC1−4アルカンジイルが興味ある。
1−6アルコキシは、C1−6アルキルが以上で定義された通りであるC1−6アルキルオキシを意味する。
以上でここで使用されるように、用語(=O)またはオキソは炭素原子に結合される時にはカルボニル部分を、硫黄原子に結合される時にはスルホキシド部分をそして該用語の2つが硫黄原子に結合される時にはスルホニル部分を形成する。環または環系がオキソ基で置換される時には常に、オキソが結合される炭素原子は飽和炭素である。
基Hetはこの明細書および請求の範囲で特定される複素環である。Hetの例は、例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジノリル、イソチアジノリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルを包含する)、テトラゾリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニルなどを含んでなる。Het基の中では飽和されていないもの、特に芳香族特性を有するものが興味ある。1もしくは2個の窒素を有するHet基がさらに興味ある。
この章および以下の章で挙げられるHet基の各々は場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群の定義で挙げられた数および種類の置換基で置換されていてもよい。この章および以下の章で挙げられるHet基のあるものは1、2もしくは3個のヒドロキシ置換基で置換されていてもよい。そのようなヒドロキシ置換された環はケト基を有するそれらの互変異性形態として生じうる。例えば、3−ヒドロキシピリダジン部分はその互変異性体形態である2H−ピリダジン−3−オンで生じうる。Hetがピペラジニ
ルである場合には、それは好ましくは炭素原子を有する4−窒素素と結合された置換基、例えば4−C1−6アルキル、4−ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C3−7シクロアルキル、によりその4−位置で置換される。
興味あるHet基は、例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルを包含する)、テトラゾリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラゾリル、トリアジニル、またはベンゼン環と縮合したそのような複素環のいずれか、例えばインドリル、インダゾリル(特に1H−インダゾリル)、インドリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(特に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、キナゾリニル、フタラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、を含んでなる。
Het基であるピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、4−置換されたピペラジニルは、好ましくはそれらの窒素原子を介して結合される(すなわち、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4−チオモルホリニル、4−モルホリニル、1−ピペラジニル、4−置換された1−ピペラジニル)。
定義で使用されるいずれかの分子部分上の基の位置はそれが化学的に安定である限りそのような部分のいずれであってもよいことに注目すべきである。
変数の定義で使用される基は断らない限り全ての可能な異性体を包含する。例えば、ピリジルは2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルを包含し、ペンチルは1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルを包含する。
いずれかの変項がいずれかの構造において1回より多く生ずる時には、各定義は独立している。
以下で使用される時には、常に、用語「式(I)の化合物」または「本化合物」もしくは同様な用語は、式(I)の化合物、それらおよびいずれかの亜群の各々、それらのプロドラッグ類、N−オキシド類、付加塩類、第四級アミン類、金属錯体、および立体化学的異性体形態を包含することが意味される。1つの態様は、ここで特定される式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群、並びにそれらの可能な立体異性体形態としてのN−オキシド類、塩類を含んでなる。他の態様は、ここで特定される式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群、並びにそれらの可能な立体異性体形態としての塩類を含んでなる。
式(I)の化合物は数個のキラル中心を有しそして立体化学的異性体形態として存在する。ここで使用される用語「立体化学的異性体形態」は、ここでは同じ結合順序により結合された同じ原子から構成されるが交換可能でない異なる三次元構造を有する式(I)の化合物が有することができる可能な化合物を全て定義する。
(R)または(S)が置換基内のキラル原子の絶対的な立体配置を指示するために使用される場合に関すると、その指示は化合物全体を考慮してそして置換基だけを考慮せずに行われる。
断らない限り、化合物の化学的表示は該化合物が有することができる全ての可能な立体化学的異性体形態の混合物を包括する。該混合物は該化合物の基本的分子構造の全てのジアステレオマー類および/またはエナンチオマー類を含有しうる。純粋形態または互いに混合された両方の本発明の化合物の全ての立体化学的異性体形態が本発明の範囲内に包括されることが意図される。
ここで挙げられた化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、該化合物または中間体の同じ基本的分子構造の他のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として定義される。特に、用語「立体異性体的に純粋な」は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち、最低90%の1種の異性体および最高10%の他の可能な異性体)から100%までの立体異性体過剰率(すなわち100%の1種の異性体および0%の他のもの)を有する化合物または中間体、より特に、90%〜100%までの立体異性体過剰率を有する、さらにより特に、94%〜100%までの立体異性体過剰率を有する、そして最も特に97%〜100%までの立体異性体過剰率を有する化合物または中間体に関する。用語「エナンチオマー的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」は、同様な方法で理解できるが、当該混合物のそれぞれエナンチオマー過剰率およびジアステレオマー過剰率に関する。
本発明の化合物および中間体の純粋な立体化学的異性体形態は当該技術で既知の工程の適用により得られうる。例えば、エナンチオマー類は光学活性酸類または塩基類を用いるそれらのジアステレオマー塩類の選択的結晶化により互いに分離されうる。それらの例は酒石酸、ジベンゾイル−酒石酸、ジトルオイル酒石酸および樟脳スルホン酸である。或いは、エナンチオマー類はキラル静止相を用いるクロマトグラフィー技術により分離されうる。該純粋な立体化学的異性体形態は、反応が立体特異的に起きる限り、適当な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態からも誘導されうる。好ましくは、特異的な立体異性体が所望される場合には、該化合物は立体特異的な製造方法により合成されるであろう。これらの方法は有利にはエナンチオマー的に純粋な出発物質を使用するであろう。
式(I)の化合物のジアステレオマーラセミ体は普遍的な方法により別個に得られうる。有利に使用できる適当な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
式(I)の化合物、それらのN−オキシド類、塩類、溶媒和物、第四級アミン類、または金属錯体、およびそれらの製造において使用される中間体のあるものに関しては、絶対的な立体化学的立体配置が実験的に決められなかった。当業者は当該技術で既知の方法、例えば、X−線回折、を用いてそのような化合物の絶対的な立体配置を決めることができる。
本発明は本化合物に対して生ずる原子の全ての同位体を包含することも意図される。同位体は同じ原子番号を有するが異なる質量番号を有するものを包含する。限定するものでないが一般的な例として、水素の同位体はトリチウムおよびジューテリウムを包含する。炭素の同位体はC−13およびC−14を包含する。
この本文を通して使用される用語「プロドラッグ」は、誘導体の生ずるインビボ生転換生成物が式(I)の化合物で定義されるような活性薬品である生理学的に許容可能な誘導体、例えばエステル類、アミド類およびホスフェート類、を意味する。プロドラッグ類を記述するGoodmanおよびGilmanによる参考文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th ed,McGraw−Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation
of Drugs”,p 13−15)は引用することにより本発明の内容となる。プロドラッグ類は好ましくは優れた水溶性、増加したバイオアベイラビリティーを有し、そしてインビボで活性な阻害剤に代謝される。本発明の化合物のプロドラッグ類は化合物内に存在する官能基を、日常的な処理によりまたはインビボで、変換が分割されるようにして親化合物に変換することにより製造することができる。
インビボで加水分解可能でありそしてヒドロキシまたはカルボキシル基を有する式(I)の化合物から誘導される製薬学的に許容可能なエステルプロドラッグ類が好ましい。インビボで加水分解可能なエステルは、人間または動物の体内で加水分解されて親酸またはアルコールを製造するエステルである。カルボキシに適する製薬学的に許容可能なエステル類は、本発明の化合物内のいずれかのカルボキシ基において形成されうるC1−6アルコキシメチルエステル類、例えばメトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシメチルエステル類、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル類、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル類、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル類、例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル、およびC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル類、例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルを包含する。
ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物のインビボで加水分解可能なエステルは、エステルのインビボ加水分解の結果として分解して親ヒドロキシ基を与える無機エステル類、例えば燐酸エステル類およびα−アシルオキシアルキルエーテル類並びに関連化合物を包含する。α−アシルオキシアルキルエーテル類の例はアセトキシ−メトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシを包含する。ヒドロキシ用のインビボで加水分解可能なエステル形成基の選択肢は、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル並びに置換されたベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキル炭酸エステル類を与える)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバミン酸エステル類を与える)、ジアルキルアミノアセチル並びにカルボキシアセチルを包含する。ベンゾイル上の置換基の例は、環窒素原子からメチレン基を介してベンゾイル環の3−または4−位置に結合されるモルホリノおよびピペラジノを包含する。
治療使用のためには、式(I)の化合物の塩類は対イオンが製薬学的に許容可能なものである。しかしながら、製薬学的に許容可能でない酸および塩基の塩も、例えば、製薬学的に許容可能な化合物の製造または精製における用途を見出しうる。製薬学的に許容可能であるかまたはなくても全ての塩が本発明の範囲内に包含される。
上記の製薬学的に許容可能な酸および塩基付加塩は、式(I)の化合物が形成しうる治療的に活性な無毒の酸および塩基付加塩形態を含んでなることが意味される。製薬学的に許容可能な酸付加塩は簡便には塩基形態をそのような適当な酸で処理することにより得られうる。適する酸は、例えば、無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸および同様な酸、または有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタンジオン酸)、マロン酸、琥珀酸(すなわち、ブタンジオン酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわち、ヒドロキシブタンジオン酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および同様な酸、を含んでなる。
逆に、該塩形態を適当な塩基を用いる処理により遊離塩基形態に転化することができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物は適当な有機および無機塩基を用いる処理によりそれらの無毒な金属またはアミン付加塩形態にも転化されうる。適する塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩類、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、並びにアミノ酸、例えば、アルギニン、リシンなどとの塩を含んでなる。
以上で使用される付加塩の用語は、式(I)の化合物並びにそれらの塩が形成しうる溶媒和物も含んでなる。そのような溶媒和物は例えば水和物、アルコレートなどである。
以上で使用される用語「第四級アミン類」は、式(I)の化合物の塩基性窒素および適当な第四級化剤、例えば、場合により置換されていてもよいアルキルハライド、アリールハライドまたはアリールアルキルハライド、例えばヨウ化メチルまたはヨウ化ベンジル、の間の反応により式(I)の化合物が形成しうる第四級アンモニウム塩類を定義する。良好な脱離基を有する他の反応物、例えばアルキルトリフルオロメタンスルホン酸エステル、アルキルメタンスルホン酸エステル、およびアルキルp−トルエンスルホン酸エステルを使用することもできる。第四級アミンは正に荷電された窒素を有する。製薬学的に許容可能な対イオンはクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートを包含する。選択された対イオンはイオン交換樹脂を用いて導入されうる。
本化合物のN−オキシド形態は、1個もしくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化された式(I)の化合物を含んでなることが意味される。
式(I)の化合物が金属結合、キレート化、錯体形成性質を有することができそしてその結果として金属錯体または金属キレートとして存在しうることは認識されよう。式(I)の化合物のそのような金属化誘導体は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
式(I)の化合物のあるものはそれらの互変異性体形態でも存在しうる。以上の式で明白に示されていないがそのような形態は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
上記のように、式(I)の化合物は数個の非対称的中心を有する。これらの非対称的中心の各々をさらに有効に指示するために、以下の構造式で示されるような番号系統が使用されるであろう。
Figure 2009502884
非対称的中心は大員環の位置1、4および6並びに5−員環における炭素原子3’、R置換基がC1−6アルキルである時の炭素原子2’、およびXがCHである時の炭素原
子1’に存在する。これらの非対称的中心の各々はそれらのRまたはS立体配置で生じうる。
位置1における立体化学性は好ましくはL−アミノ酸立体配置のもの、すなわちL−プロリンのものに相当する。
XがCHである時には、シクロペンタン環の位置1’および5’で置換された2個のカルボニル基は好ましくはトランス立体配置にある。位置5’におけるカルボニル置換基はL−プロリン立体配置に相当する立体配置にある。位置1’および5’で置換されたカルボニル基は好ましくは下記の通り以下の式:
Figure 2009502884
の構造内にある。
式(I)の化合物は以下の構造断片:
Figure 2009502884
内に表示されるようにシクロプロピル基を包含し、ここでCは位置7における炭素を表わしそして位置4および6における炭素はシクロプロパン環の非対称性炭素原子である。
式(I)の化合物の他の部分における他の可能な非対称性中心にもかかわらず、これらの2個の非対称性中心の存在は化合物がジアステレオマー、例えば以下に示されているように位置7における炭素がカルボニルに対するsynまたはアミドに対するsynのいずれかで立体配置されている式(I)の化合物のジアステレオマーの混合物として存在しうることを意味する。
Figure 2009502884
1つの態様は位置7における炭素がカルボニルに対してsyn立体配置されている式(I)の化合物に関する。別の態様は位置4における炭素の立体配置がRである式(I)の化合物に関する。式(I)の化合物の具体的な亜群は位置7における炭素がカルボニルに対してsyn立体配置されておりそして位置4における炭素の立体配置がRであるものである。
式(I)の化合物はプロリン基(XがNである時)またはシクロペンチルもしくはシクロペンテニル基(XがCHまたはCである時)を包含しうる。1(または5’)位置における置換基および置換基−O−R(位置3’における)がトランス立体配置である式(I)の化合物が好ましい。位置1がL−プロリンに相当する立体配置を有しそして−O−R置換基が位置1に関してトランス立体配置である式(I)の化合物が特に興味ある。好ましくは、式(I)の化合物は以下の式(I−a)および(I−b):
Figure 2009502884
の構造に示されているような立体化学性を有する。
本発明の1つの態様は以下の条件:
(a)Rが水素である、
(b)Xが窒素である、
(c)二重結合が炭素原子7および8の間に存在する、
の1つもしくはそれ以上が適用される式(I)もしくは式(I−a)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群に関する。
本発明の1つの態様は以下の条件:
(a)Rが水素である、
(b)XがCHである、
(c)二重結合が炭素原子7および8の間に存在する、
の1つもしくはそれ以上が適用される式(I)もしくは式(I−a)、(I−b)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群に関する。
式(I)の化合物の特定の亜群は以下の構造式:
Figure 2009502884
により表わされるものである。
式(I−c)および(I−d)の化合物の中では、それぞれ式(I−a)および(I−b)の化合物の立体化学的立体配置を有するものが特に興味ある。
式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群における炭素原子7および8の間の二重結合はシスまたはトランス立体配置でありうる。好ましくは、式(I−c)および(I−d)に記載されているように炭素原子7および8の間の二重結合はシス立体配置である。
炭素原子1’および2’の間の二重結合は以下の式(I−e)に記載されているように式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群に存在しうる。
Figure 2009502884
式(I)の化合物のさらに別の特定の亜群は以下の構造式:
Figure 2009502884
により表わされるものである。
式(I−f)、(I−g)または(I−h)の化合物の中では、式(I−a)および(I−b)の化合物の立体化学的立体配置を有するものが特に興味ある。
(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)および(I−h)において、適用可能である場合には、X、n、R、R、R、およびRはここで特定された式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義において特定されている通りである。
(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)または(I−h)の化合物の以上で定義された亜群、並びにここで定義される他の亜群はそのような化合物のいずれかのプロドラッグ類、N−オキシド類、付加塩類、第四級アミン類、金属錯体および立体化学的異性体形態も含んでなることが意味されることを理解すべきである。
nが2である時には、「n」により括弧に入れられる部分−CH−は式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群におけるエタンジイルに相当する。nが3である時には、「n」により括弧に入れられる部分−CH−は式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群におけるプロパンジイルに相当する。nが4である時には、「n」により括弧に入れられる部分−CH−は式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群におけるブタンジイルに相当する。nが5である時には、「n」により括弧に入れられる部分−CH−は式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群におけるペンタンジイルに相当する。nが6である時には、「n」により括弧に入れられる部分−CH−は式(I)の化合物または式(I)の化合物のいずれかの亜群におけるヘキサンジイルに相当する。式(I)の化合物の特定の亜群はnが4または5である化合物である。
本発明の態様は、
(a)Rが−ORであり、特にここでRがC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、またはtert−ブチルでありそして最も好ましくはRが水素であり、或いは
(b)Rが−NHS(=O)であり、特にここでRがC1−6アルキル、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、またはアリールであり、例えばRがメチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、またはフェニルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の別の態様は、
(a)Rが水素であり、
(b)RがC1−6アルキル、好ましくはメチル、である、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、
(a)XがN、C(Xは二重結合を介して結合される)またはCH(Xは単結合を介して結合される)でありそしてRが水素であり、
(b)XがC(Xは二重結合を介して結合される)でありそしてRがC1−6アルキル、好ましくはメチル、である、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の化合物の別の態様は、
a)Rが水素であり、
b)RがC1−6アルキルであり、
c)RがC1−6アルコキシC1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルである、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の好ましい態様は、Rが水素、またはC1−6アルキル、より好ましくは水素またはメチル、である、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、Rが場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、アリール、Hetでモノ、ジ、もしくはトリ置換されていてもよいイソキノリン1−イルであり、アリールまたはHetが各々、独立して場合によりハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、C3−7シクロアルキル(特にシクロプロピル)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチル−ピペラジニル)またはモルホリニルで置換されていてもよい、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、Rが場合によりメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、ハロフェニル、ピリジル、C1−4アルキルピリジル、ピリミジニル、モルホリニル、ピペラジニル、C1−4アルキルピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリル、C1−4アルキルピラゾリル、チアゾリル、C1−4アルキルチアゾリル、シクロプロピルチアゾリル、またはモノ−もしくはジC1−4アルキルチアゾリルでモノ、ジ、もしくはトリ置換されていてもよいイソキノリン1−イルである、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、ここで基Rの態様を表示するこのおよび以下の構造式において、各々のR4a、R4b 、R4b’は独立して、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で特定されているように、Rの単環式または二環式環系上の可能な置換基として挙げられたものから選択される置換基のいずれかである、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
具体的には、R4aは水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アミノ、アリール、またはHetであることができ、該アリールまたはHetは各々、独立して、場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているHetまたはアリールの置換基のいずれかで置換されていてもよく、或いは具体的に該アリールまたはHetは各々、独立して
、場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ハロ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチル−ピペラジニル)で置換されていてもよく、そして
各々のR4bおよびR4b’は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アリール、またはHetであり、該アリールまたはHetは各々、独立して、場合により式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているHetまたはアリールの置換基のいずれかで置換されていてもよく、或いは具体的に該アリールまたはHetは各々、独立して、場合によりC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチル−ピペラジニル)で置換されていてもよい。
本発明の態様は、R4aが基
Figure 2009502884
であり、
或いは、特に、R1aが基
Figure 2009502884
よりなる群から選択され、
ここで、可能なら窒素はR4c置換基または分子の残部に対する結合を有することができ、
ここで各々のR4cは、互いに独立して、式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているHetの置換基のいずれかであり、
或いは具体的に各々のR4cは、互いに独立して、水素、ハロ、C1−6アルキル、アミノ、またはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(例えば4−メチル−ピペラジニル)であり、そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキルで置換されていてもよく、
より具体的には各々のR4cは、互いに独立して、水素、ハロ、C1−6アルキル、アミノ、またはモノ−もしくはジC1−6アルキルアミノであり、
そしてここでR4cは窒素上で置換されており、それは好ましくは炭素原子またはその炭素原子の1個を介して窒素に結合される炭素含有置換基であり、そしてここでこの場合にはR4cは好ましくはC1−6アルキルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が、独立して、以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アリール、またはHetであり、そして
4dおよびR4d’が独立して式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4dおよびR4d’が独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、またはハロである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の別の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が、独立して、以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アリールまたはHetであり、そして
4cが式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4cが水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、またはハロである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチルであり、好ましくはR4bがC1−6アルコキシ、より好ましくはメトキシ、であり、そして
4fが式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4fが水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチル−ピペラジニル)、またはモルホリニルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチルであり、好ましくはR4bがC1−6アルコキシ、より好ましくはメトキシ、ハロ、またはC1−3アルキル、であり、そしてR4gが式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4gが水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチル−ピペラジニル)、またはモルホリニルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチルであり、好ましくはR4bがC1−6アルコキシ、より好ましくはメトキシ、ハロ、またはC1−3アルキル、であり、そしてR4hが式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4hが水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチル−ピペラジニル)、またはモルホリニルであり、そしてここでR4hがピラゾール環の窒素原子の1個の上で置換されていてもよく、この場合にはそれは好ましくはC1−6アルキルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここで各々のR4bおよびR4b’が以上で定義された通りであり、或いは具体的に各々のR4bおよびR4b’が、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチルであり、好ましくはR4bがC1−6アルコキシ、最も好ましくはメトキシ、ハロ、またはC1−3アルキル、であり、そしてR4iが式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかの定義で挙げられているアリールの置換基のいずれかであり、或いは具体的にR4iが水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル(特に4−メチル−ピペラジニル)、またはモルホリニルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の好ましい態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここでR4aが式(I)の化合物の群または亜群のいずれかで定義された通りであり、そして
4bが水素、ハロ、またはトリフルオロメチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の別の好ましい態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここでR4aがメトキシ、エトキシまたはプロポキシであり、そして
4bが水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、またはトリフルオロメチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
本発明の別の態様は、R
Figure 2009502884
であり、
ここでR4bが水素、ハロ、またはトリフルオロメチルである、
式(I)の化合物または式(I)の化合物の亜群のいずれかである。
式(I)の化合物は3個の構成ブロックP1、P2、P3よりなる。構成ブロックP1
はP1’テールをさらに含有する。以下の化合物(I−c)において星印でマークが付けられたカルボニル基は構成ブロックP2または構成ブロックP3のいずれかの一部でありうる。化学性の理由のために、XがCである式(I)の化合物の構成ブロックP2は位置1’に結合されたカルボニルを組み入れている。
構成ブロックP1とP2、P2とP3、およびP1とP1’の結合(Rが−NH−SOである時)がアミド結合の形成に関係する。ブロックP1およびP3の結合は二重結合形成に関係する。化合物(I−i)または(I−j)を製造するための構成ブロックP1、P2およびP3の結合はいずれかの指定された順序で行うことができる。段階の1つはそれにより大員環が形成される環化に関係する。
炭素原子C7およびC8が二重結合により結合されている式(I)の化合物である式(I−i)の化合物、並びに炭素原子C7およびC8が単結合により結合されている式(I)の化合物である式(I−j)の化合物が以下に表示される。式(I−j)の化合物は対応する式(I−I)の化合物から大員環内の二重結合を還元することにより製造することができる。
Figure 2009502884
下記の合成工程は、ラセミ体、立体化学的に純粋な中間体もしくは最終生成物、またはいずれかの立体異性体形態にも適用可能であることが意味される。ラセミ体または立体化学的混合物は合成工程のいずれの段階においても立体異性体形態に分離することができる。1つの態様では、中間体および最終生成物は式(I−a)および(I−b)の化合物において以上で特定された立体化学性を有する。
1つの態様では、化合物(I−i)は同時に大員環に環化しながらP3およびP1の間で最初にアミド結合を形成しそして引き続き二重結合を形成することにより製造される。
好ましい態様では、以上で定義された式(I−i)の化合物であるCおよびCの間の結合が二重結合である化合物(I)は以下の反応スキームに概略記述されているようにして製造することができる:
Figure 2009502884
大員環の形成はオレフィンメタセシス反応により適当な金属触媒、例えばMiller,S.J.,Blackwell,H.E.,Grubbs,R.H.J.Am.Chem.Soc.118,(1996),9606−9614;Kingsbury,J.S.,Harrity,J.P.A.,Bonitatebus,P.J.,Hoveyda,A.H.,J.Am.Chem.Soc.121,(1999),791−799;およびHuang et al.,J.Am.Chem.Soc.121,(1999),2674−2678により報告されたRu−ベース触媒、例えばホベイダ−グラブス(Hoveyda−Grubbs)触媒、の存在下で行うことができる。
空気−安定性ルテニウム触媒、例えばビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−3−フェニル−1H−インデン−1−イリデンルテニウムクロリド(Neolyst M1(R))またはビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(IV)ジクロリド、を使用することができる。使用できる他の触媒はグラブス第一および第二世代触媒、すなわち、それぞれベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムおよび(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、である。それぞれジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)および1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウムであるホベイダ−グラブス第一および第二世代触媒が特に興味ある。他の遷移金属、例えばMo、を含有する他の触媒をこの反応に使用することもできる。
メタセシス反応は、適当な溶媒、例えばエーテル類、例えばTHF、ジオキサン、ハロゲン化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、CHCl、1,2−ジクロロエタンなど、炭化水素類、例えばトルエン、の中で行うことができる。好ましい態様では、メタセシス反応はトルエン中で行われる。これらの反応は高められた温度において窒素雰囲気下で行われる。
大員環内のC7およびC8の間の結合が単結合である式(I)の化合物、すなわち式(I−j)の化合物、は式(I−i)の化合物から式(I−i)の化合物内のC7−C8二重結合の還元により製造することができる。この還元は、貴金属触媒、例えば、Pt、Pd、Rh、Ruまたはラネーニッケル、の存在下における水素を用いる接触水素化により行うことができる。アルミナ上のRhが興味ある。水素化反応は好ましくは、溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、もしくはエーテル、例えばTHF、またはそれらの混合物、の中で行われる。水をこれらの溶媒または溶媒混合物に加えることも
できる。
前記のように、R基は合成のいずれかの段階で、すなわち環化の前もしくは後に、または環化および還元の前もしくは後に、P1構成ブロックに結合させうる。式(I−k−1)により表示されるRが−NHSOを表わす式(I)の化合物は、R基をP1に両方の部分の間にアミド結合を形成することにより結合させることにより製造することができる。同様に、Rが−ORを表わす式(I)の化合物、すなわち式(I−k−2)の化合物は、エステル結合を形成することによりR基をP1に結合させることにより製造することができる。1つの態様では、−OR基は以下の反応スキーム:
Figure 2009502884
に概略記述されているように化合物(I)の合成の最終段階で導入され、ここでGは基:
Figure 2009502884
を表わす。
中間体(2a)をアミン(2b)に、例えば下記のアミド結合の形成用の工程のいずれかの如きアミド形成反応により、結合させることができる。特に、(2a)を結合剤、例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、EEDQ、IIDQ、EDCIまたはヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(PyBOP(R)として市販されている)、を用いて、溶媒、例えばエーテル、例えばTHF、またはハロゲン化された炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、の中で処理し、そして好ましくは(2a)を結合剤と反応させた後に、所望するスルホンアミド(2b)と反応させる。(2a)と(2b)との反応は好ましくは塩基、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミン、または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、の存在下で行われる。中間体(2a)を活性化された形態、例えば一般式G−CO−Zの活性化された形態、に転化させることもでき、ここでZはハロ、または活
性エステルの残部を表わし、例えばZはアリールオキシ基、例えばフェノキシ、p.ニトロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、トリクロロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシなどであり、或いはZは混合無水物の残部でありうる。1つの態様では、G−CO−Zは酸塩化物(G−CO−Cl)または混合酸無水物(G−CO−O−CO−RまたはG−CO−O−CO−OR、後者におけるRは例えばC1−4アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、i.プロピル、ブチル、t.ブチル、i.ブチル、またはベンジルである)である。活性化された形態G−CO−Zをスルホンアミド(2b)と反応させる。
以上の反応で記載された(2a)におけるカルボン酸の活性化が式
Figure 2009502884
[式中、X、R、R、R、nは以上で指定された通りでありそしてステレオジェン中心は例えば(I−a)または(I−b)のように以上で指定された立体化学的立体配置を有することができる]
のアザラクトン中間体への内部環化反応をもたらしうる。中間体(2a−1)は反応混合物から普遍的な方法を用いて単離することができ、そして単離された中間体(2a−1)を次に(2b)と反応させ、或いは(2a−1)を含有する反応混合物を(2a−1)の単離なしに(2b)とさらに反応させうる。1つの態様では、結合剤との反応が水−非混和性溶媒の中で行われる場合には、(2a−1)を含有する反応混合物を水または微塩基性の水で洗浄して全ての水溶性副生物を除去することができる。このようにして得られる洗浄された溶液を次にさらなる精製段階なしに(2b)と反応させうる。他方で、中間体(2a−1)の単離は、単離された生成物が場合により行われるさらなる精製後に(2b)と反応してより少ない副生物およびより容易な反応処理を与える点で、ある種の利点を与えうる。
中間体(2a)をアルコール(2c)とエステル形成反応により結合させることができる。例えば、物理的に、例えば共沸的な水除去により、または化学的に脱水剤を用いることにより、水を除去しながら、(2a)および(2c)を一緒に反応させる。中間体(2a)を活性化された形態G−CO−Z、例えば上記の活性化された形態、に転化し、そして引き続きアルコール(2c)と反応させることもできる。エステル形成反応は好ましくは塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩もしくは炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、または第三級アミン、例えばアミド形成反応に関してここで挙げられたアミン類、特にトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、の存在下で行われる。エステル形成反応で使用できる溶媒はエーテル類、例えばTHF、ハロゲン化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、CHCl、炭化水素類、例えばトルエン、極性非プロトン性溶媒、例えばDMF、DMSO、DMA、並びに同様な溶媒を含んでなる。
(I−1)により表わされるRが水素である式(I)の化合物は以下の反応スキームのように対応する窒素−保護された中間体(3a)から保護基PGの除去により製造することもできる。保護基PGは特に以下で挙げられる窒素保護基のいずれかであり、そして
これも以下で挙げられる工程を用いて除去することができる。
Figure 2009502884
以上の反応における出発物質(3a)は、式(I)の化合物の製造工程に従うが基RがPGである中間体を用いて、製造することができる。
式(I)の化合物は以下の反応スキームに概略記述されているように中間体(4a)を中間体(4b)と反応させることによっても製造することができ、ここで種々の基は以上で指定された意味を有する:
Figure 2009502884
(4b)におけるYはヒドロキシまたは脱離基LG、例えばハライド、例えばブロミドもしくはクロリド、またはアリールスルホニル基、例えばメシレート、トリフラートもしくはトシレートなどを表わす。
1つの態様では、(4a)と(4b)の反応はO−アリール化反応でありそしてYは脱離基を表わす。この反応はE.M.Smith et al.(J.Med.Chem.(1988),31,875−885)により記載された工程に従い行うことができる。特に、この反応は塩基、好ましくは強塩基の存在下で、反応−不活性溶媒、例えばアミド結合の形成に関して挙げられた溶媒の1種の中で行われる。
特定の態様では、出発物質(4a)を、ヒドロキシ基から水素を除去するのに充分なほど強い塩基、例えばアルカリ金属水素化物、例えばLiHもしくは水素化ナトリウム、またはアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムもしくはカリウムメトキシドもしくはエトキシド、カリウムtert−ブトキシドのアルカリの存在下で、双極性非プロトン性
溶媒のような反応不活性溶媒、例えばDMA、DMFなどの中で、(4b)と反応させる。生じたアルコレートをアリール化剤(4b)と反応させ、ここでYは上記のような適当な脱離基である。このタイプのO−アリール化を用いる(4a)から(I)への転化はヒドロキシ基を有する炭素における立体化学的立体配置を変えない。
或いは、(4a)と(4b)の反応はミツノブ(Mitsunobu)反応(Mitsunobu,1981,Synthesis,January,1−28;Rano et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,22,3779−3792;Krchnak et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,5,6193−6196;Richter et al.,Tetrahedron Lett.,1994,35,27,4705−4706)により行うこともできる。この反応はトリフェニルホスフィンおよび活性化剤、例えばアゾカルボン酸ジアルキル、例えばアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)などの存在下における(4b)(ここでYはヒドロキシルである)を用いる中間体(4a)の処理を含んでなる。ミツノブ反応はヒドロキシ基を有する炭素における立体化学的立体配置を変える。
或いは、式(I)の化合物を製造するために、最初に構成ブロックP2およびP1の間のアミド結合が形成され、引き続きP1−P2におけるP1部分に対するP3構成ブロックの結合、並びに同時の閉環を伴うP2−P1−P3におけるP3およびP2部分の間のその後のカルバメートまたはエステル結合形成が行われる。
さらに別の合成方法は、構成ブロックP2およびP3の間のアミド結合の形成、その後のP3−P2におけるP3部分に対する構成ブロックP1の結合、並びに同時の閉環を伴うP1−P3−P2におけるP1およびP2の間の最後のアミド結合形成である。
構成ブロックP1およびP3はP1−P3配列に結合されうる。所望するなら、P1およびP3を結合させる二重結合は還元されうる。このようにして形成されたP1−P3配列を、還元されているかまたはされていない場合のいずれでも、構成ブロックP2に結合させ、そしてこのようにして配列P1−P3−P2を形成し、引き続きアミド結合を形成することにより環化することができる。
以上の方法のいずれかにおける構成ブロックP1およびP3は二重結合形成により、例えば下記のオレフィンメタセシス反応、またはウィティッヒタイプ反応により、結合させることができる。所望するなら、このようにして形成された二重結合を、(I−i)から(I−j)への転化に関して以上で記載された通りにして、還元することができる。二重結合はその後の段階で、すなわち第三の構成ブロックの添加後に、または大員環の生成後に、還元することもできる。構成ブロックP2およびP1はアミド結合形成により結合されそしてP3およびP2はカルバメートまたはエステル形成により結合される。
テールP1’をP1構成ブロックに対して、式(I)の化合物の合成のいずれかの段階で、例えば構成ブロックP2およびP1の結合の前もしくは後に、ブロック構成P3のP1への結合の前もしくは後に、または閉環の前もしくは後に、結合させることができる。
個別の構成ブロックを最初に製造しそして引き続き一緒にまたは別個に結合させることができ、構成ブロックの前駆体を一緒に結合しそしてその後の段階で改変して所望する分子組成にすることができる。
副反応を回避するために、構成ブロックの各々の中の官能基を保護することができる。
アミド結合の形成は標準的な工程、例えばペプチド合成においてアミノ酸類を結合するために使用されるものを用いて行うことができる。後者は、結合性アミド結合を形成するための一方の反応物のカルボキシル基と他方の反応物のアミノ基との誘導体結合を含む。アミド結合形成は、出発物質を結合剤の存在下で反応させることによりまたはカルボキシル官能基を活性形態、例えば活性エステル、混合無水物もしくはカルボン酸クロリドもしくはブロミド、に転化することにより、行うことができる。そのような結合反応およびそこで使用される試薬の一般的な記述は、ペプチド化学に関する一般書籍、例えば、M.Bodanszky,“Peptide Chemistry”,2 nd rev.ed.,Springer−Verlag,Berlin,Germany,(1993)に見ることができる。
アミド結合形成を伴う結合反応の例は、アジド方法、混合炭素−無水カルボン酸(クロロ蟻酸イソブチル)方法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、もしくは水溶性カルボジイミド、例えばN−エチル−N’−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド)方法、活性エステル方法(例えばp−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシ琥珀酸イミドおよび同様なエステル類)、ウッドワード(Woodward)試薬K−方法、1,2−カルボニルジイミダゾール(CDIもしくはN,N’−カルボニル−ジイミダゾール)方法、燐試薬または酸化−還元方法を包含する。これらの方法のあるものは、適当な触媒を加えることにより、例えばカルボジイミド方法では1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン)、または4−DMAPを加えることにより、促進させうる。別の結合剤は、それ自体でまたは1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールもしくは4−DMAPの存在下におけるいずれかのヘキサフルオロ燐酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム、或いはテトラフルオロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウム、またはヘキサフルオロ燐酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムである。これらの結合反応は溶液(液相)または固相のいずれかで行うことができる。
好ましいアミド結合形成は、N−エチルオキシカルボニル−2−エチルオキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)またはN−イソブチルオキシ−カルボニル−2−イソブチルオキシ−1,2−ジヒドロキノリン(IIDQ)を用いて行われる。古典的な無水物工程とは異なり、EEDQおよびIIDQは塩基や低い反応温度を必要としない。典型的には、この工程は等モル量のカルボニルおよびアミン成分を有機溶媒(広範囲の溶媒を使用することができる)の中で反応させることを包含する。次にEEDQまたはIIDQを過剰に加えそして混合物を室温において撹拌する。
結合反応は好ましくは、不活性溶媒、例えばハロゲン化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、クロロホルム、双極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、DMSO、HMPT、エーテル類、例えばテトラヒドロフラン(THF)の中で行われる。
多くの場合、結合反応は適当な塩基、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N−メチル−モルホリン、N−メチルピロリジン、4−DMAPまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)の存在下で行われる。反応温度は0℃〜50℃の間の範囲であることができそして反応時間は15分間〜24時間の間の範囲であることができる。
望まれざる結合の形成を回避するために、一緒に結合される構築ブロック内の官能基を
保護することができる。使用できる適当な保護基は例えばGreen,“Protective Groups in Organic Chemistry”,John Wiley & Sons,New York(1999)および”The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology”,Vol.3,Academic Press,New York(1987)に挙げられている。
カルボキシル基はエステルとして保護することができ、それを分解してカルボン酸を与えることができる。使用できる保護基は、1)アルキルエステル類、例えばメチル、トリメチルシリルおよびtert−ブチル、2)アリールアルキルエステル類、例えばベンジルおよび置換されたべンジル、または3)穏やかな塩基または穏やかな還元手段により分解されうるエステル、例えばトリクロロエチルおよびフェナシルエステルを包含する。
アミノ基は、種々のN−保護基、例えば:
1)アシル基、例えばホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp−トルエンスルホニル、
2)芳香族カルバメート基、例えばベンジルオキシカルボニル(CbzもしくはZ)および置換されたベンジルオキシカルボニル、並びに9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、
3)脂肪族カルバメート基、例えばtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシ−カルボニル、およびアリルオキシカルボニル、
4)環式アルキルカルバメート基、例えばシクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニル、
5)アルキル基、例えばトリフェニルメチル、ベンジルまたは置換されたベンジル、例えば4−メトキシベンジル、
6)トリアルキルシリル、例えばトリメチルシリルまたはt.Buジメチルシリル、並びに
7)チオール含有基、例えばフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイル、
により保護されうる。
興味ある保護基はBocおよびFmocである。
好ましくは、アミノ保護基は次の結合段階前に分解される。N−保護基の除去は当該技術で既知の工程に従い行うことができる。Boc基が使用される時には、選択される方法は未希釈のもしくはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサン中もしくは酢酸エチル中のHClである。生じたアンモニウム塩を次に結合前にまたはその場で塩基性溶液、例えば水性緩衝液、またはジクロロメタンもしくはアセトニトリルもしくはジメチルホルムアミド中の第三級アミン類、を用いて中和する。Fmoc基が使用される時には、選択される試薬はジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換されたピペリジンであるが、第二級アミンを使用することもできる。脱保護は0℃〜室温の間の温度において、普通は約15−25℃または20−22℃において行われる。
構築ブロックの結合反応において妨害しうる別の官能基も保護することができる。例えばヒドロキシル基はベンジルもしくは置換されたベンジルエーテル類、例えば4−メトキシベンジルエーテル、ベンゾイルもしくは置換されたベンゾイルエステル類、例えば4−ニトロベンゾイルエステル、またはトリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリルもしくはtert−ブチルジメチルシリル)として保護することができる。
選択的に分解されうる保護基により別のアミノ基を保護することができる。例えば、Bocがα−アミノ保護基として使用される時には、以下の側鎖保護基が適する:p−トル
エンスルホニル(トシル)部分を使用して別のアミノ基を保護することができ、ベンジル(Bn)エーテル類を使用してヒドロキシ基を保護することができ、そしてベンジルエステル類を使用して別のカルボキシル基を保護することができる。或いは、Fmocがα−アミノ保護用に使用される時には、一般的にtert−ブチルベースの保護基が許容可能である。例えば、Bocを別のアミノ基用に、tert−ブチルエーテルをヒドロキシル基用に、そしてtert−ブチルエステルを別のカルボキシル基用に使用することができる。
保護基は合成工程のいずれの段階において除去することができるが、好ましくは反応段階に関係ない官能基の保護基は大員環の形成の完了後に除去される。
保護基の除去は保護基の選択により指定されるいずれかの方法で行うことができ、それらの方法は当業者に既知である。
以下の反応スキームに概略記述されているように、式(1a−1)により表わされるXがNである式(1a)の中間体は中間体(5a)から出発して製造することができ、それらをカルボニル導入剤の存在下でアルケンアミン(5b)と反応させる。
Figure 2009502884
カルボニル(CO)導入剤は、ホスゲン、またはホスゲン誘導体、例えばカルボニルジイミダゾール(CDI)など、を包含する。1つの態様では、(5a)を上記のアミド形成反応において使用される塩基および溶媒でありうる適当な塩基および溶媒の存在下でCO導入剤と反応させる。特定の態様では、塩基は炭酸水素塩、例えばNaHCO、または第三級アミン、例えばトリエチルアミンなどであり、そして溶媒はエーテルまたはハロゲン化された炭化水素、例えばTHF、CHCl、CHClなどである。上記スキームにおけるように、その後にアミン(5b)を加え、それにより中間体(1a−1)を得る。同様な反応条件を用いる別の方式は、最初にCO導入剤をアルケンアミン(5b)と反応させそして次にこのようにして製造された中間体を(5a)と反応させることを含む。
或いは中間体(1a−1)は以下の通りにして製造することができる:
Figure 2009502884
PGはO−保護基であり、それはここに挙げられた基のいずれであってもよくそして特にベンゾイルまたは置換されたベンゾイル基、例えば4−ニトロベンゾイルである。後者の場合には、この基はアルカリ金属水酸化物(LiOH、NaOH、KOH)との、特にPGが4−ニトロベンゾイルである場合にはLiOHとの反応により、水及び水溶性有機溶媒、例えばアルカノール(メタノール、エタノール)およびTHFを含んでなる水性媒体、の中で除去することができる。
中間体(6a)をカルボニル導入剤の存在下で上記と同様にして(5b)と反応させ、そしてこの反応が中間体(6c)を生成する。これらは、特に上記の反応条件を用いて、脱保護される。生じたアルコール(6d)を(4a)と(4b)との反応に関して以上で記載された通りにして中間体(4b)と反応させそしてこの反応が中間体(1a−1)を生ずる。
式(1a−2)により表わされるXがCである式(Ia)の中間体は中間体(7a)から出発するアミド形成反応により製造することができ、それらを以下の反応スキームに示されているように上記のアミド製造用の反応条件を用いてアミン(5b)と反応させる。
Figure 2009502884
或いは中間体(1a−1)は以下の通りにして製造することができる:
Figure 2009502884
PGは上記のようなO−保護基である。上記と同じ反応条件である、上記のようなアミド形成、保護基の記述におけるようなPGの除去、および(4a)と試薬(4b)の反応におけるようなRの導入を使用することができる。
式(2a)の中間体は、以下の通りにして、最初に開放アミド(9a)を環化して大環状エステル(9b)にし、それを次に(2a)に転化させることにより製造することができる:
Figure 2009502884
PGはカルボキシル保護基、例えば上記のカルボキシル保護基の1つ、特にC1−4アルキルまたはベンジルエステル、例えばメチル、エチルもしくはt.ブチルエステルである。(9a)から(9b)への反応はメタセシス反応でありそして上記の通りにして行われる。基PGはこれも上記の工程に従い除去される。PGがC1−4アルキルエステルである場合には、それはアルカリ性加水分解により、例えばNaOHまたは好ましくはLiOHを用いて、水性溶媒、例えばC1−4アルカノール/水混合物、の中で除去される。ベンジル基は接触水素化により除去されうる。
別の合成では、中間体(2a)は以下の通りにして製造することができる:
Figure 2009502884
PG基はそれがPGに選択的に分解可能であるように選択される。PGは例えばメチルまたはエチルエステル類であり、それらはアルカリ金属水酸化物を用いる処理により水性媒体の中で除去することができ、その場合にはPGはt.ブチルまたはベンジルである。PGは例えば弱酸性条件下で除去可能なt.ブチルエステルであることができまたはPGは強酸でもしくは接触水素化により除去可能なベンジルエステルであること
ができ、後者の2つの場合にはPGは例えば安息香酸エステル、例えば4−ニトロ安息香酸エステルである。
最初に、中間体(10a)を環化して大環状エステル類(10b)にし、後者をPG基の除去により脱保護して(10c)にし、それを中間体(4b)と反応させ、引き続きカルボキシル保護基PGを除去する。環化、PGおよびPGの脱保護並びに(4b)との結合は上記の通りである。
基は合成のいずれかの段階で、上記のように最終段階で、またはそれより前に、大員環形成前に、導入することができる。以下のスキームでは、−NH−SOまたは−OR(これらは以上で特定されている通りである)である基Rが導入される:
Figure 2009502884
以上のスキームにおいて、PGは以上で定義された通りでありそしてLはP3基
Figure 2009502884
であり、ここでnおよびRは以上で定義された通りであり、そしてXがNである場合にはLは窒素−保護基(PG、以上で定義された通りである)であることもできそしてXがCである場合にはLは基−COORG2aであることもでき、ここで基G2aはPGと同様なカルボキシル保護基であるが、ここでPG2aはPGに選択的に分解可能である。1つの態様では、RG2aがt.ブチルでありそしてRGがメチルまたはエチルである。
が基(b)を表わす中間体(11c)および(11d)は中間体(1a)に相当しておりそして以上で特定されたようにさらに処理することができる。
P1およびP2構築ブロックの結合
上記の工程に従うアミド形成反応を用いてP1およびP2構築ブロックを結合させる。P1構築ブロックはカルボキシル保護基RGを有することができ((12b)内の通りである)、或いはすでにP1’基に結合されていてもよい((12c)内の通りである)。以上で特定されているように、LはN−保護基(PG)または基(b)である。以上で特定されているように、Lはヒドロキシ、−OPGまたは基−O−Rである。以下の反応スキームのいずれかにおいてLがヒドロキシである場合には、各反応段階前に、それを基−OPGとして保護しそして、所望するなら、引き続き脱保護して逆に遊離ヒドロキシ官能基にすることができる。上記と同様にして、ヒドロキシ官能基を基−O−Rに転化することができる。
Figure 2009502884
以上のスキームの工程において、上記の工程に従い、シクロプロピルアミノ酸(12b)または(12c)をP2構築ブロック(12a)の酸官能基に結合させてアミド結合を形成する。中間体(12d)または(12e)が得られる。後者においてLが基(b)である場合には、生ずる生成物は前の反応スキームにおける中間体(11c)または(11d)の一部を包含するP3−P2−P1配列である。使用される保護基に適する条件を用いる(12d)内の酸保護基の除去、その後の上記のようなアミンHN−SO(2b)またはHOR(2c)との結合も、−CORがアミドまたはエステル基である中間体(12e)を生成する。LがN−保護基である場合には、それを除去して中間体(5a)または(6a)を生成しうる。1つの態様では、この反応におけるPGがBOC基でありそしてPGがメチルまたはエチルである。さらにLがヒドロキシである場合には、出発物質(12a)はBoc−L−ヒドロキシプロリンである。特定の態様では、PGがBOCであり、PGがメチルまたはエチルでありそしてLがヒドロキシである。
1つの態様では、Lが基(b)でありそしてこれらの反応はP1をP2−P3に結合させることを含んでなり、それが上記の中間体(1a−1)または(1a)を生ずる。別の態様では、Lが以上で特定されたN−保護基であり、そして結合反応が中間体(12d−1)または(12e−1)を生じ、そこから上記の反応条件を用いて基PGを除去して、それぞれ中間体(12f)または(12g)を得、それらは以上で特定された中間体(5a)および(6a)を包含する:
Figure 2009502884
1つの態様では、以上のスキームにおいて基Lが基−O−PGを表わし、それはLがヒドロキシである出発物質(12a)に導入されうる。この場合には、PGはそれがPGである基Lに選択的に分解可能であるように選択される。
同様な方法で、シクロペンタンまたはシクロペンテン誘導体であるXがCであるP2構築ブロックを以下のスキームに概略記述されているようにP1構築ブロックに結合させることができ、そこでR、R、Lは以上で特定されている通りでありそしてPGおよびPG2aはカルボキシル保護基である。PG2aは典型的にはそれが基PGに選択的に分解可能であるように選択される。(13c)におけるPG2a基の除去が中間体(7a)または(8a)を生成し、それらは上記のように(5b)と反応できる。
Figure 2009502884
XがCであり、RがHであり、そしてXおよびRを有する炭素が単結合により結合される(P2がシクロペンタン部分である)特定の態様では、PG2aおよびLが一緒になって結合を形成しそしてP2構築ブロックが式:
Figure 2009502884
により表わされる。
二環式酸(14a)をそれぞれ(14b)および(14c)に関して記載されたものと同様にして(12b)または(12c)と反応させ、ここでラクトンが解放されて中間体(14c)および(14e)を与える。ラクトン類はエステル加水分解工程を用いて、例えば(9b)におけるPG基のアルカリ性除去に関して記載された反応条件を用いて、特に塩基性条件、例えばアルカリ金属水酸化物、例えばNaOH、KOH、特にLiOH、を用いて、開放することができる。
Figure 2009502884
中間体(14c)および(14e)は下記の通りにしてさらに処理されうる。
P3およびP2構築ブロックの結合
ピロリジン部分を有するP2構築ブロックに関しては、P3およびP2またはP3およびP2−P1構築ブロックを(5a)と(5b)の結合に関して以上で記載された工程に従うカルバメート形成反応を用いて結合させる。ピロリジン部分を有するP2ブロックを結合させる一般的な工程は以下の反応スキームに表わされており、ここでLは以上で特定された通りでありそしてLは基−O−PG、基
Figure 2009502884
である。
Figure 2009502884
1つの態様では、(15a)におけるLが基−OPGであり、PG基は除去することができそして生じた酸をシクロプロピルアミノ酸(12a)または(12b)と結合させて、Lが基(d)または(e)である中間体(12d)または(12e)を生成する。
P3ブロックをP2ブロックまたはP2−P1ブロックに結合させるための一般的な工程は以下のスキームに示されており、ここでP2はシクロペンタンまたはシクロペンテンである。LおよびLは以上で特定された通りである。
Figure 2009502884
特定の態様では、LおよびLが一緒になって(14a)におけるようにラクトン架橋を形成することができ、そしてP3ブロックとP2ブロックの結合は以下の通りである:
Figure 2009502884
二環式ラクトン(14a)をアミド形成反応において(5b)と反応させてアミド(16c)にし、そこではラクトン架橋が解放されて(16d)になる。アミド形成およびラクトン開放反応に関する反応条件は以上または以下に記載されている通りである。中間体
(16d)を引き続き上記のようにP1に結合させることもできる。
上記のように、以上のスキームにおける反応は(5a)、(7a)または(8a)と(5b)との反応、そして特に(5a)、(7a)または(8a)と(5b)との反応に相当するLが基(d)または(e)である上記反応に関して以上で記載されているのと同じ工程を用いて行われる。
式(I)の化合物の製造において使用される構築ブロックP1、P1’、P2およびP3は当該技術で既知の中間体から出発して製造することができる。多くのそのような合成は以下でさらに詳細に記載される。
個別の構築ブロックを最初に製造しそして引き続き一緒にまたは交互に結合させることができ、構築ブロックの前駆体をその後の段階で一緒に結合させそして改変して所望する分子組成にすることができる。
副反応を回避するために、各構築ブロック内の官能基を保護することができる。
P2構築ブロックの合成
P2構築ブロックは、ピロリジン、シクロペンタン、または基−O−Rで置換されたシクロペンタン部分のいずれかを含有する。
ピロリジン部分を含有するP2構築ブロックは、市販のヒドロキシプロリンから誘導されうる。
シクロペンタン環を含有するP2構築ブロックの製造は、以下のスキームに示されているようにして行うことができる。
Figure 2009502884
二環式酸(17b)は、例えば、3,4−ビス(メトキシカルボニル)−シクロペンタノン(17a)から、Rosenquist et al.によりActa Chem.Scand.46(1992)1127−1129に記載されている通りにして製造することができる。この工程における第一段階は、例えばメタノールの如き溶媒中でのホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用いるケト基の還元、その後のエステル類の加水分解お
よびラクトン形成工程を用いる、特に例えばピリジンの如き弱塩基の存在下で無水酢酸を用いることによる、最終的な二環式ラクトン(17b)への閉環を含む。(17b)におけるカルボン酸官能基を次に例えば基PGの如き以上で特定されている適当なカルボキシル保護基を導入することにより保護して、二環式エステル(17c)を与えることができる。基PGは特に酸−不安定性であり、例えばt.ブチル基であり、そして例えばルイス酸の存在下におけるイソブテンを用いるまたは塩基、例えばジメチルアミノピリジンもしくはトリエチルアミンのような第三級アミンの存在下におけるジクロロメタンのような溶媒中での二炭酸ジ−tert−ブチルを用いる処理により導入される。上記の反応条件を用いる、特に水酸化リチウムを用いる、(17c)のラクトン開放が酸(17d)を生成し、それはさらにP1構築ブロックとの結合反応で使用することができる。(17d)内の遊離酸は、好ましくはPGに選択的に分解可能である酸保護基PG2aで、保護することもでき、そしてヒドロキシ官能基を基−OPGにまたは基−O−Rに転化することができる。基PGの除去で得られる生成物は中間体(17g)および(17i)であり、それらは以上で特定された中間体(13a)または(16a)に相当する。
特定の立体化学性を有する中間体は、以上の反応順序で中間体を分割することにより、製造することができる。例えば、(17b)は当該技術で既知の工程に従い、例えば光学的に活性な塩基との塩形成作用によりまたはキラルクロマトグラフィーにより、分割することができ、そして生じた立体異性体を上記の通りにさらに処理することができる。(17d)内のOHおよびCOOH基はシス位置である。トランス同族体は、OH官能基を有する炭素のところで、立体化学性を逆転させるOPGまたはO−Rを導入する反応で特定の試薬を用いることにより立体化学性を逆転させることにより製造することができる。
1つの態様では、中間体(17d)をP1ブロック(12b)または(12c)に結合させることができ、この結合反応は同じ条件を用いる(13a)または(16a)と同じP1ブロックとの結合に相当する。その後の上記の通りの−O−R置換基の導入、それに続く酸保護基PGの除去が中間体(8a−1)を生成し、それらは中間体(7a)の亜群または中間体(16a)の一部である。PG除去の反応生成物をさらにP3構築ブロックに結合させることができる。1つの態様では、(17d)内のPGはt.ブチルであり、それは酸性条件下で、例えばトリフルオロ酢酸を用いて除去することができる。
Figure 2009502884
不飽和P2構築ブロック、すなわちシクロペンテン環は以下のスキームに説明されている通りにして製造することができる。
Figure 2009502884
Dolby et al.によりJ.Org.Chem.36(1971)1277−1285に記載されたような3,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロペンタノン(17a)の臭素化−排除反応、その後のホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用いるケト官能基の還元がシクロペンテノール(19a)を与える。例えば水酸化リチウムを用いるジオキサンおよび水の混合物のような溶媒中での選択的なエステル加水分解が、ヒドロキシ置換されたモノエステルシクロペンテノール(19b)を与える。
が水素以外でもありうる不飽和P2構築ブロックは以下のスキームに示されているようにして製造することができる。
Figure 2009502884
特にクロロ蟻酸ピリジニウムのような酸化剤による、市販の3−メチル−3−ブテン−1−オール(20a)の酸化が(20b)を生成し、それが例えばメタノール中での塩化アセチルを用いる処理により対応するメチルエステルに転化され、引き続き臭素を用いる臭素化反応がα−ブロモエステル(20c)を生成する。後者を次に(20d)からエステル形成反応により得られるアルケニルエステル(20e)と縮合させうる。(20e)内のエステルは好ましくはt.ブチルエステルであり、それは対応する市販の酸(20d)から、例えばジメチルアミノピリジンのような塩基の存在下における二炭酸ジ−tert−ブチルを用いる処理により製造することができる。中間体(20e)をテトラヒドロフランのような溶媒の中で例えばリチウムジイソプロピルアミドの如き塩基で処理し、そして(20c)と反応させてアルケニルジエステル(20f)を与える。上記の通りにして行われるオレフィンメタセシス反応による(20f)の環化が、シクロペンテン誘導体(20g)を与える。(20g)の立体選択的エポキシド化をヤコブセン(Jacobsen)非対称的エポキシド化方法を用いて行ってエポキシド(20h)を得ることができ
る。最後に、例えば塩基、特にDBN(1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]ノン−5−エン)、の添加による塩基性条件下でのエポキシド開放反応がアルコール(20i)を生成する。場合により、中間体(20i)内の二重結合を、例えば炭素上パラジウムのような触媒を用いる接触水素化により、還元して対応するシクロペンタン化合物を生成することができる。t.ブチルエステルを除去して対応する酸にすることができ、それを引き続きP1構築ブロックと結合させる。
−O−R基はピロリジン、シクロペンタンまたはシクロペンテン環に対して本発明に従う化合物の合成のいずれかの簡便な段階で導入することができる。1つの方法は、最初に−O−R基を該環に導入しそして引き続き他の所望する構築ブロック、すなわちP1(場合によりP1’テールを有する)およびP3、を加え、引き続き大員環を形成することである。別の方法は、−O−R置換基を含有しない構築ブロックP2をそれぞれP1およびP3と結合させそして大員環形成の前または後に−O−R基を加えることである。後者の工程では、P2部分はヒドロキシ基を有し、それはヒドロキシ保護基PGにより保護されうる。
(4a)から出発する(I)の合成に関して以上で記載されているものと同様にしてヒドロキシ置換された中間体(21a)または(21b)を中間体(4b)と反応させることにより、R基を構築ブロックP2に対して導入することができる。これらの反応は以下のスキームに表わされており、ここでLは以上で特定されている通りでありそしてLおよびL5aは互いに独立してヒドロキシ、カルボキシル保護基−OPGまたは−OPG2aを表わし、或いはLはP1基、例えば以上で特定された基(d)もしくは(e)、を表わすこともでき、或いはL5aはP3基、例えば以上で特定された基(b)、を表わすこともできる。基PGおよびPG2aは以上で特定されている通りである。基LおよびL5aがPGまたはPG2aである場合には、それらは各基が他方に選択的に分解可能であるように選択される。例えば、LおよびL5aの一方がメチルまたはエチル基でありそして他方がベンジルまたはt.ブチル基であることができる。
1つの態様では、(21a)においてLがPGであり且つLが−OPGであるか、または(21d)においてL5aが−OPGであり且つLが−OPGであり、そしてPG基が上記の通りにして除去される。
Figure 2009502884
別の態様では、基LがBOCであり、Lがヒドロキシでありそして出発物質(21a)が市販のBOC−ヒドロキシプロリン、またはそのいずれかの他の立体異性体形態、例えばBOC−L−ヒドロキシプロリン、特に後者のトランス異性体である。(21b)内のLがカルボキシル−保護基である場合には、それは(21c)に関して以上で記載されている工程に従い除去することができる。さらに別の態様では、(21b−1)内のPGはBocでありそしてPGは低級アルキルエステル、特にメチルまたはエチルエステルである。後者のエステルから酸への加水分解は、標準的な工程、例えばメタノール中の塩酸を用いるまたはアルカリ金属水酸化物、例えばNaOHを用いる、特にLiOHを用いる加水分解により行うことができる。別の態様では、ヒドロキシ置換されたシクロペンタンまたはシクロペンテン同族体(21d)が(21e)に転化され、それはLおよびL5aが−OPGまたは−OPG2aである場合には基PGの除去により対応する酸(21f)に転化されうる。(21e−1)内のPG2aの除去は同様な中間体をもたらす。
イソキノリン誘導体である中間体(4b)は当該技術で既知の工程を用いて製造することができる。例えば、米国特許第2005/0143316号明細書はR−OHまたはR−LG中間体としてのイソキノリン類の種々の合成方法を提供する。そのようなイソキノリン類の合成に関する方法はN.Briet et al.,Tetrahedro
n,2002,5761に記載されておりそして以下に示されており、ここでR4a、R4bおよびR4b’はR−基上の置換基に関してここで定義された意味を有するイソキノリン部分上の置換基である。
Figure 2009502884
桂皮酸誘導体(22b)を三段階方法で1−クロロイソキノリン類に転化させる。生じたクロロイソキノリン類(22e)は引き続きここに記載されているようにしてヒドロキシピロリジン、ヒドロキシシクロペンタンまたはヒドロキシシクロペンテン誘導体と結合されうる。第一段階で、桂皮酸(22b)内のカルボキシル基は、例えば塩基の存在下におけるクロロ蟻酸C1−6アルキル(特にメチルまたはエチル)エステルを用いる処理により活性化される。生じた混合無水物を次にナトリウムアジドで処理してアシルアジド類(22c)を生成する。数種の他の方法がカルボン酸類からのアシルアジド類の生成に利用可能であり、例えばカルボン酸を例えば塩化メチレンの如き非プロトン性溶媒中で塩基の存在下でジフェニルホスホリルアジド(DPPA)で処理することができる。次の段階で、アシルアジド類(22c)を、特にアシルアジド類を例えばジフェニルエーテルの如き高沸点溶媒の中で加熱することにより、対応するイソキノロン類(22d)に転化させる。出発桂皮酸類(22d)は市販されているか或いは対応するベンズアルデヒド類(22a)からマロン酸類もしくはそれらの誘導体との直接縮合によりまたはウィティッヒ反応を用いることにより得られうる。中間体であるイソキノロン類(22d)は例えばオキシ塩化燐の如きハロゲン化剤を用いる処理により対応する1−クロロ−イソキノリン類に転化されうる。
イソキノリン類であるR−基はK.Hirao,R.Tsuchiya,Y.Yano,H.Tsue,Heterocycles 42(1)1996,415−422に記載されているような工程に従い製造することもできる。
Figure 2009502884
イソキノリン環系の合成用の別の方法はポメランツ−フリッツ(Pomeranz−Fritsh)工程である。この方法はベンズアルデヒド誘導体(23a)からの官能化されたイミン(23b)への転化で始まり、それを次に高められた温度における酸を用いる処理によりイソキノリン環系に転化させる。この方法は、星印により示されるC8位置で置換されたイソキノリン中間体を製造するために特に有用である。中間体であるイソキノリン類(23c)は2段階方法で対応する1−クロロキノリン類(23e)に転化させうる。第一段階は、例えばジクロロメタンの如き適当な溶媒中での例えばメタ−クロロ過安息香酸の如き過酸化物を用いるイソキノリン(23c)の処理によるイソキノリンN−オキシド(23d)の生成を含んでなる。中間体(23d)を例えばオキシ塩化燐の如きハロゲン化剤を用いる処理により対応する1−クロロイソキノリンに転化させる。
イソキノリン環系の合成用の別の方法が以下のスキームに示される。
Figure 2009502884
この方法では、オルト−アルキルベンズアミド誘導体(24a)のアニオン形態が例えばTHFの如き溶媒中でのtert−ブチルリチウムの如き強塩基を用いる処理により得られ、そして引き続きニトリル誘導体と縮合されて、イソキノリン(24b)を生成する。後者は上記の方法により対応する1−クロロイソキノリンに転化されうる。(24a)内のR’およびR’’はアルキル基、特にC1−4アルキル基、例えばメチルまたはエチルである。
以下のスキームはイソキノリン類の合成用の別の方法を示す。
Figure 2009502884
中間体(24a)は上記のように強塩基を用いて脱プロトン化される。R’およびR’’は以上で特定されている。生じた中間体アニオンをエステル(25a)と縮合させて、ケトン中間体(25b)を得る。次の反応で、後者の中間体(25b)を高められた温度においてアンモニアまたはアンモニウム塩、例えば酢酸アンモニウム、と反応させて、イソキノロン(24b)の生成をもたらす。
一般構造(25a)を有する種々のカルボン酸類を上記の合成において使用することができる。これらの酸類は市販されているかまたは当該技術で既知の工程により製造することができる。Berdikhina et al.によりChem.Heterocycl.Compd.(Engl.Transl.),427−433に記載された工程に従う2−(置換された)アミノカルボキシ−アミノチアゾール誘導体(25a−1)の製造例が以下の反応スキームに示されており、それは2−カルボキシ−4−イソプロピル−チアゾール(25a−1)の製造を説明している:
Figure 2009502884
チオオキサミン酸エチル(26a)をβ−ブロモケトン(26b)と反応させてチアゾリルカルボン酸エステル(26c)を生成し、それを加水分解して対応する酸(25a−1)にする。これらの中間体内のエチルエステルは以上で定義されたような他のカルボキシル保護基PGにより置換されうる。以上のスキームにおいて、R4cは以上で定義された通りでありそして特にC1−4アルキル基、より特にi.プロピルである。
ブロモケトン(26b)は3−メチル−ブタン−2−オン(MIK)からシリル化剤(例えばTMSCI)を用いて適当な塩基(特にLiHMDS)および臭素の存在下で製造することができる。
別のカルボン酸(25a)、特に置換されたアミノチアゾールカルボン酸(25a−1)、の合成は以下で説明される:
Figure 2009502884
特にC1−6アルキルである種々の置換基R4aを有するチオウレア(27c)はジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下におけるジクロロメタンのような溶媒中での適当なアミン(27a)とイソシアン酸tert−ブチルとの反応、その後の酸性条件下でのtert−ブチル基の除去により製造することができる。チオウレア誘導体(27c)と3−ブロモピルビン酸とのその後の縮合がチアゾールカルボン酸(25a−2)を与える。
イソキノリン類のさらに別の製造方法は以下の反応スキームで説明される。
Figure 2009502884
この方法の第一段階で、オルト−アルキルアリールアミン誘導体(28a)を脱プロトン化条件(例えばsec−ブチルリチウム、THF)にかけそして生じたアニオンを活性化されたカルボン酸誘導体、例えばウェインレブ(Weinreb)アミド(28b)、と縮合させる。生じたケトイミン(28c)を高められた温度における酢酸アンモニウムとの縮合によりイソキノリン(28d)に転化させる。このようにして得られたイソキノリン類をここに記載された方法により対応する1−クロロイソキノリン類に転化させうる。
ここに記載されたイソキノリン類は、そのままでのまたは式(I)の化合物の中のもしくはここに挙げられた中間体のいずれかの中のヒドロキシ−ピロリジン、ヒドロキシシクロペンタンもしくはヒドロキシシクロペンタン部分に加えられてのいずれかで、さらに官能化されうる。そのような官能化の例を以下で説明する。
Figure 2009502884
以上のスキームは、そこからアルコキシドが誘導されるアルコール溶媒中のナトリウムまたはカリウムアルコキシドを用いる(29a)の処理による、1−クロロ−6−フルオロ−イソキノリンから対応する1−クロロ−6−C1−6アルコキシ−イソキノリン部分(29b)への転化を示す。以上のスキームにおけるLはハロまたは基
Figure 2009502884
を表わし、以上のスキームにおけるRはC1−6アルキルを表わしそしてLGは脱離基である。1つの態様では、LGはフルオロである。LおよびLはP2部分のこれらの位置で結合されうる種々の置換基、特に例えばOLの如き基、を表わし、或いはLはP1基であり且つLはP3基であることができ、或いはLおよびLは一緒になって式(I)の化合物の大環状環系の残部を形成しうる。
以下のスキームはスズキ(Suzuki)反応によるイソキノリン類の変換例を与える。環が適当なに活性化されるかまたは官能化される限り、例えばクロロを用いて、これらの結合を使用してイソキノリンを環系の各位置で官能化することができる。
Figure 2009502884
この工程は1−クロロイソキノリン(30a)で始まり、それを例えばメタクロロ過安息香酸の如き過酸化物を用いる処理で対応するN−オキシド(30b)に転化させる。後者の中間体をハロゲン化剤、例えばオキシ塩化燐を用いる処理により対応する1,3−ジクロロ−イソキノリン(30c)に転化させる。中間体(30c)を−O−R−基を導入するためのここに記載された方法を用いて中間体(30d)[ここで、Lは基PGであり、ここでXはNであり、またはLは基−COOPGであり、ここでXはCである]と結合させて、中間体(30e)を与えることができる。中間体(30e)をパラジウム触媒および塩基の存在下における、例えばTHF、トルエンまたは双極性非プロトン性溶媒、例えばDMFの如き溶媒中でのアリールボロン酸を用いるスズキ反応を使用して誘導化して、C3−アリールイソキノリン中間体(30f)を与える。ヘテロアリールボロン酸をこの結合方法で使用してC3−アリールイソキノリン類を与えることもできる。
アリールまたはヘテロアリール基を有するイソキノリン系統のスズキ結合を式(I)の化合物の製造におけるその後の合成段階で使用することもできる。他のパラジウム触媒反応、例えば米国特許第2005/1043316号明細書に示されているようなヘック(Heck)、ソノガシラ(Sonogashira)またはスティル(Stille)結合、を使用することによりイソキノリン環系を官能化することもできる。
P1構築ブロックの合成
P1断片の製造で使用されるシクロプロパンアミノ酸は市販されているかまたは当該技術で既知の工程を用いて製造することができる。
特に、アミノ−ビニル−シクロプロピルエチルエステル(12b)は国際公開第00/09543号パンフレットに記載された工程に従いまたは以下のスキームに説明されている通りにして得ることができ、ここでPGは以上で特定されたようなカルボキシル保護基である:
Figure 2009502884
塩基の存在下における1,4−ジハロ−ブテンを用いる市販のまたは容易に得られうるイミン(31a)の処理が(31b)を製造し、それが加水分解後に、カルボキシル基に対するsynにアリル置換基を有するシクロプロピルアミノ酸(12b)を生成する。エナンチオマー混合物(12b)の分割が(12b−1)を生ずる。分割は当該技術で既知の工程、例えば酵素分離、キラル酸を用いる結晶化、もしくは化学的誘導化を用いてまたはキラルカラムクロマトグラフィーにより行われる。中間体(12b)または(12b−1)を上記のように適当なP2誘導体に結合させることができる。
が−ORまたは−NH−SOである一般式(I)に従う化合物の製造用のP1構築ブロックはエステルまたはアミド形成用の標準的条件下でアミノ酸(32a)を
それぞれ適当なアルコールまたはアミンと反応させることにより製造することができる。PGが以上で特定されている通りである以下の反応スキームに概略記述されているように、シクロプロピルアミノ酸(32a)はN−保護基PGの導入およびPGの除去により製造され、そしてアミノ酸(32a)がアミン(12c−1)またはエステル(12c−2)に転化され、それらは中間体(12c)の亜群である。
Figure 2009502884
(32a)とアミン(2b)との反応はアミド形成工程である。(2c)との同様な反応はエステル形成反応である。両者とも上記の工程に従い製造することができる。この反応は中間体(32b)または(32c)を生成し、そこからアミノ保護基が例えば上記のような標準的方法により除去される。これは引き続き所望する中間体(12c−1)を生ずる。出発物質(32a)は上記の中間体(12b)から、最初のN−保護基PGの導入およびその後の基PGの除去により製造することができる。
1つの態様では、(32a)と(2b)の反応はTHFのような溶媒中での例えばN,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)などの如き結合剤を用いるアミノ酸の処理、その後の例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)の如き塩基の存在下における(2b)との反応により行われる。或いは、アミノ酸をジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下において(2b)で処理し、引き続き例えばヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(PyBOP(R)として市販されている)の如き結合剤で処理して、スルホンアミド基の導入を行うことができる。
中間体(12c−1)または(12c−2)を引き続き上記のように適当なプロリン、シクロペンタンまたはシクロペンテン誘導体に結合させうる。
P3構築ブロックの合成
P3構築ブロックは市販されているかまたは当業者に既知の方法に従い製造することができる。これらの方法の1つは以下のスキームに示されておりそしてモノアシル化されたアミン類、例えばトリフルオロアセトアミドまたはBoc−保護されたアミンを使用する。
Figure 2009502884
以上のスキームにおいて、RはCO基と一緒になったN−保護基を形成し、特にRはt−ブトキシ、トリフルオロメチルであり、Rおよびnは以上で定義されている通りでありそしてLGは脱離基、特にハロゲン、例えばクロロまたはブロモである。
モノアシル化されたアミン類(33a)を強塩基、例えば水素化ナトリウム、で処理しそして引き続き試薬LG−C5−8アルケニル(33b)、特にハロC5−8アルケニル、と反応させて、対応する保護されたアミン類(33c)を生成する。(33c)の脱保護が(5b)を与え、それが構築ブロックP3である。脱保護は官能基Rに依存するため、Rがt−ブトキシである場合には対応するBoc−保護されたアミンの脱保護は酸性処理、例えばトリフルオロ酢酸、を用いて行うことができる。或いは、Rが例えばトリフルオロメチルである時には、R基の除去は塩基、例えば水酸化ナトリウムを用いて行われる。
以下のスキームはP3構築ブロックのさらに別の製造方法、すなわち第一級C5−8アルケニルアミン類のガブリエル(Gabriel)合成を説明しており、それは以上で特定された塩基、例えばNaOHもしくはKOH、および(33b)を用いるフタルイミド(34a)の処理、その後の中間体N−アルケニルイミドの加水分解により行うことができ、第一級C5−8アルケニルアミン(5b−1)を生成する。
Figure 2009502884
以上のスキームにおいて、nは以上で定義された通りである。
式(I)の化合物は互いに当該技術で既知の官能基転換反応に従い転化させうる。例えば、アミノ基をN−アルキル化することができ、ニトロ基をアミノ基に還元することができ、ハロ原子を別のハロで交換することができる。
式(I)の化合物は3価窒素をそのN−オキシド形態に転化させるための当該技術で既知の工程に従い対応するN−オキシド形態に転化させうる。該N−酸化反応は一般的には、式(I)の出発物質を適当な有機または無機過酸化物と反応させることにより実施しうる。適する無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり、適する有機過酸化物はペルオキシ酸、例えば、ベンゼンカルボペルオキソ酸またはハロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロ過酸化物、例えばヒドロ過酸化tert−ブチルを含んでなる。適する溶媒は、例えば、水、低級アルコール類、例えばエタノール
など、炭化水素、例えばトルエン、ケトン類、例えば2−ブタノン、ハロゲン化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
式(I)の化合物の純粋な立体化学的異性体形態は当該技術で既知の工程の適用により得られうる。ジアステレオマーは物理的方法、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば、向流分布、液体クロマトグラフィーなどにより分離されうる。
式(I)の化合物は、当該技術で既知の分割工程に従い互いに分離できるエナンチオマーのラセミ混合物として得られうる。充分に塩基性または酸性である式(I)のラセミ化合物は、適当なキラル酸またはキラル塩基との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に転化することができる。該ジアステレオマー塩形態を引き続き、例えば、選択的または分別結晶化により分離し、そしてエナンチオマー類をそこからアルカリまたは酸により遊離する。式(I)の化合物のエナンチオマー形態の別の分離方法は、液体クロマトグラフィー、特にキラル静止相を使用する液体クロマトグラフィーを包含する。反応が立体特異的に起きる限り、該純粋な立体化学的異性体形態は適当な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘導することもできる。好ましくは、特異的な立体異性体が所望される場合には、該化合物は立体特異的な製造方法により合成することができる。これらの方法はエナンチオマー的に純粋な出発物質を使用することができる。
別の面で、本発明は治療的に有効な量のここで特定される式(I)の化合物またはここで特定される式(I)の化合物の亜群のいずれかの化合物、および製薬学的に許容可能な担体を含んでなる製薬学的組成物に関する。これに関する治療的に有効な量は、感染した被験体または感染する危険性のある被験体においてウイルス感染症、そして特にHCVウイルス感染症に対して予防的に作用し、安定化させまたは軽減させるのに充分な量である。さらに別の面で、本発明は製薬学的に許容可能な担体を治療的に有効な量のここで特定される式(I)の化合物またはここで特定される式(I)の化合物の亜群のいずれかの化合物を密に混合することを含んでなるここで特定される製薬学的組成物を製造する方法にも関する。
従って、本発明の化合物またはそれらの亜群は投与目的のために種々の製薬学的形態に調合することができる。適切な組成物として、全身投与薬品用に一般的に使用される全ての組成物が挙げられうる。本発明の製薬学的組成物を製造するためには、活性成分としての有効量の特定化合物を、場合により付加塩形態または金属錯体で、製薬学的に許容可能な担体と密に混合して一緒にし、この担体は投与に所望される調剤の形態によって広範囲の形態をとりうる。これらの製薬学的組成物は望ましくは、特に、経口的、直腸、皮下または非経口的注射による投与に適する単位薬用量形態である。例えば、組成物を経口薬用量形態で製造する際には、一般的な製薬学的媒体のいずれか、例えば懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および液剤の如き経口液体調剤の場合には例えば、水、グリコール類、油類など、または散剤、丸剤、カプセル剤、および錠剤の場合には固体担体、例えば澱粉類、糖類、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができる。それらの投与の容易さのために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口薬用量単位形態であり、この場合にはもちろん固体の製薬学的担体が使用される。非経口的組成物に関しては、担体は一般的に少なくとも大部分の殺菌水を含んでなるが、例えば、溶解を助けるための他の成分も包含されうる。例えば、担体が食塩水溶液、グルコース溶液または食塩水およびグルコース溶液の混合物を含んでなる注射液剤を製造することができる。注射懸濁剤を製造することもでき、この場合には適する液体の担体、懸濁化剤などを使用できる。使用直前に液体形態調剤に転化されることが意図される固体形態調剤も包含される。皮下投与に適する組成物では、担体は場合により浸透促進剤および/または適当な湿潤剤を、場合により少量のいずれかの性質の適当な添加剤と組み合わせて含んでなり、この添加剤は皮膚に有意な副作用をもたらさないものである。
本発明の化合物は経口的な吸入または通気を介してこの方法による投与のために当該技術で使用される方法および調剤により投与することもできる。それ故、一般的には本発明の化合物を肺に液剤、懸濁剤または乾燥散剤の形態で投与することができ、液剤が好ましい。経口的な吸入または通気を介する液剤、懸濁剤または乾燥散剤の分配用に開発されたいずれのシステムでも本化合物の投与に適する。
それ故、本発明は式(I)の化合物および製薬学的に許容可能な担体を含んでなる口を通る吸入または通気による投与に適する製薬学的組成物も提供する。好ましくは、本発明の化合物は噴霧化されたまたはエーロゾル化された服用量での液剤の吸入を介して投与される。
投与の容易さおよび薬用量の均一性のために上記の製薬学的組成物を単位薬用量形態に調合することが特に有利である。ここで使用される単位薬用量形態は単位薬用量として適する物理的に分離している単位をさし、各単位は必要な製薬学的担体と組み合わされて所望する治療効果を生ずるように計算された予め決められた量の活性成分を含有する。そのような単位薬用量形態の例は、錠剤(刻み目付きもしくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、坐剤、散剤パケット剤、ウエファー剤、注射液剤もしくは懸濁剤など、並びにそれらの分離された複数分である。
式(I)の化合物は抗ウイルス性質を示す。本発明の化合物および方法を用いて処置可能なウイルス感染症およびそれらに関連する疾病は、HCVおよび他の病原性フラビウイルス類によりもたらされる感染症、例えば黄熱、デング熱(1−4型)、セントルイス脳炎、日本脳炎、マーレー渓谷脳炎、西ナイルウイルスおよびクンジンウイルス、を包含する。HCVに関連する疾病は、進行性肝臓線維症、肝硬変をもたらす炎症および壊死、末期肝臓疾病、およびHCCを包含し、そして他の病原性フラビウイルスに関する疾病は黄熱、デング熱、出血熱および脳炎を包含する。多くの本発明の化合物はさらにHCVの突然変異菌株に対しても活性である。さらに、本発明の化合物の多くは好ましい薬物動力学的特徴を示しそして許容可能な半減期、AUC(曲線下面積)およびピーク値に関する魅力的な性質を有し且つ例えば不充分な急速開始や組織貯留の如き好ましくない現象がない。
式(I)の化合物のHCVに対するインビトロ抗ウイルス活性を、Lohmann et al.(1999)Science 285:110−113をベースとし、Krieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624により記載されたさらなる変更を行った細胞HCVレプリコンシステムの中で試験し、それは実施例部分でさらに例示されている。このモデルはHCVに関する完全な感染症モデルではないが、現在入手可能な自律性HCV RNA複製の最もしっかりしたそして有効なモデルである。この細胞モデルにおいて抗−HCV活性を示す化合物は哺乳動物におけるHCV感染症の処置におけるさらなる開発候補として考えられる。HCV機能を特異的に妨害する化合物とHCVレプリコンモデルにおいて細胞毒性または細胞静止効果を与えるものとを区別することが重要であり、そしてその結果としてHCV
RNAまたは結合されたレポーター酵素濃度における低下をもたらすことが認識されるであろう。例えばフルオロジェン性(fluorogenic)レドックス染料、例えばレサズリン(resazurin)、を用いるミトコンドリア酵素の活性に基づく細胞毒性の評価用の検定が当分野で既知である。さらに、結合されたレポーター遺伝子活性、例えばハエ・ルシフェラーゼ、の非選択的な阻害の評価に関する細胞対抗スクリーンも存在する。構造的に活性な遺伝子プロモーターにその発現が依存するルシフェラーゼレポーター遺伝子との安定なトランスフェクションにより適切な細胞タイプを用意することができ、そしてそのような細胞を非選択的阻害剤を排除するための対抗−スクリーンとして使用
することができる。
それらの抗ウイルス性質、特にそれらの抗−HCV性質のために、式(I)の化合物またはそれらの亜群、それらのプロドラッグ、N−オキシド、付加塩、第四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体形態はウイルス感染症、特にHCV感染症に罹った個体の処置においてそしてこれらの感染症の予防のために有用である。一般的に、本発明の化合物はウイルス、特に例えばHCVの如きフラビウイルスに感染した温血動物の処置において有用でありうる。
従って本発明の化合物またはそれらの亜群は薬品として使用することができる。薬品または処置方法としての該使用はウイルス感染した被験体またはウイルス感染の疑いのある被験体に対するウイルス感染症、特にHCV感染症に関連する症状を撲滅するために有効な量の全身的な投与を含んでなる。
本発明はまた、ウイルス感染症、特にHCV感染症の処置または予防のための薬品の製造における本発明の化合物またはそれらの亜群の使用にも関する。
本発明はさらに、抗−ウイルス有効量のここで特定される式(I)の化合物またはここで特定される式(I)の化合物の亜群のいずれかの投与を含んでなるウイルス、特にHCV、により感染されたかまたは感染の危険性のある温血動物の処置方法にも関する。
また、既知の抗−HCV化合物、例えば、インターフェロン−α(IFN−α)、ペグ化されたインターフェロン−αおよび/またはリバビリン(ribavirin)、並びに式(I)の化合物の組み合わせを組み合わせ療法における薬品として使用することができる。用語「組み合わせ療法」は、HCV感染症の処置における、特にHCVによる感染症の処置における、同時、別個または順次使用のための組み合わせ調剤としての(a)式(I)の化合物および(b)場合により他の抗−HCV化合物を必ず含有する製品に関する。
抗−HCV化合物はHCVポリメラーゼ阻害剤、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV寿命サイクル内の別の標的の阻害剤、および免疫調整剤、抗ウイルス剤、およびそれらの組み合わせから選択される剤を包含する。
HCVポリメラーゼ阻害剤はNM283(バロピシタビン(valopicitabine))、R803、JTK−109、JTK−003、HCV−371、HCV−086、HCV−796およびR−1479を包含するが、それらに限定されない。
HCVプロテアーゼ類の阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤)は国際公開第02/18369号パンフレット(例えば、273頁9−22行および274頁4行〜276頁11行参照)の化合物、BILS−2061、VX−950、GS−9132(ACH−806)、SCH−503034、およびSCH−6を包含するが、それらに限定されない。使用できる別の剤は、国際公開第98/17679号パンフレット、国際公開第00/056331号パンフレット(ベルテックス(Vertex))、国際公開第98/22496号パンフレット(ロシェ(Roche))、国際公開第99/07734号パンフレット(ベーリンゲル・インゲルハイム(Boehringer
Ingelheim))、国際公開第2005/073216号パンフレット、国際公開第2005073195号パンフレット(メジビル(Medivir))に開示されているものおよび構造的に同様な剤である。
HCV寿命サイクルにおけるNS3ヘリケースを包含する他の標的の阻害剤は、メタロ
プロテアーゼ阻害剤、アンチセンス・オリゴヌクレオチド阻害剤、例えばISIS−14803、AVI−4065など、siRNA類、例えばSIRPLEX−140−Nなど、ベクター−コードされた短いヘアピンRNA(shRNA)、DNAザイム類、HCV特異的リボザイム類、例えばヘプタザイム、RPI.13919など、侵入阻害剤、例えばHepeX−C、HuMax−HepCなど、アルファグルコシダーゼ阻害剤、例えばセルゴシビル(celgosivir)、UT−231Bなど、KPE−02003002、およびBIVN401である。
免疫調節剤は、α−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、ω−インターフェロンなどを包含する天然および組み換えインターフェロンイソ形態化合物、例えばIntron A(R)、Roferon−A(R)、Canferon−A300(R)、Advaferon(R)、Infergen(R)、Humoferon(R)、Sumiferon MP(R)、Alfaferone(R)、IFN−beta(R)、Feron(R)など、ポリエチレングリコール誘導化された(ペグ化された)インターフェロン化合物、例えばPEGインターフェロン−α−2a(Pegasys(R))、PEGインターフェロン−α−2b(PEG−Intron(R))、ペグ化されたIFN−α−con1など、インターフェロン化合物の長期作用性調剤および誘導体、例えばアルバミン−縮合インターフェロンアルブフェロンαなど、細胞内でインターフェロンの合成を刺激する化合物、例えばレシキモド(resiquimod)など、インターロイキン類、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増加させる化合物、例えばSCV−07など、TOLL−類似受容体作用物質、例えばCpG−10101(アクチロン(actilon))、イサトリビン(isatoribine)など、チモシンα−1、ANA−245、ANA−246、ヒスタミン塩酸塩、プロパゲルマニウム、テトラクロロデカオキシド、アムプリゲン(ampligen)、IMP−321、KRN−7000、抗生物質、例えばシバシル(civacir)、XTL−6865など、並びに予防用および治療用ワクチン類、例えばInno Vac C、HCV E1E2/MF59などを包含するが、それらに限定されない。
他の抗ウイルス酸はリバビリン(ribavirin)、アマンタジン(amantadine)、ビラミジン(viramidine)、ニタゾキサニド(nitazoxanide)、テルビブジン(telbivudine)、NOV−205、タリバビリン(taribavirin)、内部リボソーム侵入の阻害剤、広域ウイルス阻害剤、例えばIMPDH阻害剤(例えば米国特許第5,807,876号明細書、米国特許第6,498,178号明細書、米国特許第6,344,465号明細書、米国特許第6,054,472号明細書、国際公開第97/40028号パンフレット、国際公開第98/40381号パンフレット、国際公開第00/56331号パンフレットの化合物、並びにミコフェノール酸およびそれらの誘導体、そしてVX−950、メリメポジブ(merimepodib)(VX−497)、VX−148、および/またはVX−944を包含するが、それらに限定されない)、または上記のいずれかの組み合わせを包含するが、それらに限定されない。
それ故、HCV感染症を撲滅または処置するために、式(I)の化合物を、例えばインターフェロン−α(IFN−α)、ペグ化されたインターフェロン−αおよび/またはリバビリン、並びにHCVエピトープを標的にする抗生物質をベースとした療法、低干渉性RNA(SiRNA)、リボザイム類、DNAザイム類、アンチセンスRNA、例えばNS3プロテアーゼ、NS3ヘリケースおよびNS5Bポリメラーゼの小分子拮抗物質と組み合わせて同時投与することができる。
従って、本発明はHCVウイルスに感染した哺乳動物においてHCV活性を阻害するために有用な薬品の製造用の以上で定義された式(I)の化合物またはその亜群の使用に関
し、ここで該薬品は組み合わせ療法で使用され、該組み合わせ療法は好ましくは式(I)の化合物および別のHCV阻害化合物、例えば(ペグ化された)IFN−αおよび/またはリバビリンを含んでなる。
さらに別の面では、ここで特定される式(I)の化合物および抗−HIV化合物の組み合わせが提供される。後者は好ましくは、薬品代謝に対する陽性効果および/またはバイオアベイラビリティーを改良する薬物動力学を有するHIV阻害剤である。そのようなHIV阻害剤の例はリトナビルである。
そこで、本発明は(a)式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤またはその製薬学的に許容可能な塩、および(b)リトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩を含んでなる組み合わせをさらに提供する。
化合物リトナビルおよびその製薬学的に許容可能な塩、並びにその製造方法は国際公開第94/14436号パンフレットに記載されている。リトナビルの好ましい薬用量形態に関しては米国特許第6,037,157号明細書並びにそこに引用された文献である米国特許第5,484,801号明細書、米国特許第08/402,690号明細書並びに国際公開第95/07696号パンフレットおよび国際公開第95/09614号パンフレットを参照のこと。リトナビルは以下の式:
Figure 2009502884
を有する。
別の態様では、(a)式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤またはその製薬学的に許容可能な塩、および(b)リトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩を含んでなる組み合わせはここに記載された化合物から選択される追加の抗−HCV化合物をさらに含んでなる。
本発明の1つの態様では、(a)式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤またはその製薬学的に許容可能な塩、および(b)リトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩を組み合わせる段階を含んでなるここに記載された組み合わせの製造方法が提供される。本発明の別の態様は、組み合わせが1種もしくはそれ以上のここに記載された追加の剤を含んでなる方法を提供する。
本発明の組み合わせは薬品として使用することができる。薬品または処置方法としての該使用は、HCV−感染患者に対するHCV並びに他の病原性フラビ−およびペスチウイルス類に関係する症状を撲滅するのに有効な量の全身的投与を含んでなる。従って、本発明の組み合わせは哺乳動物におけるHCV感染症に関係する感染症または疾病を処置、予防または撲滅するために、特にHCV並びに他の病原性フラビ−およびペスチウイルス類に関係する症状を処置するために、有用な薬品の製造において使用することができる。
本発明の1つの態様では、ここに記載された態様のいずれかに従う組み合わせおよび製薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる製薬学的組成物が提供される。特に、本発明は(a)治療的に有効な量の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤またはその製薬学的に許容可能な塩、(b)治療的に有効な量のリトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩、および(c)製薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる製薬学的組成物が提供される。場合により、製薬学的組成物はHCVポリメラーゼ阻害剤、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV寿命サイクルにおける別の標的の阻害剤、および免疫調節剤、抗ウイルス剤、並びにそれらの組み合わせから選択される追加の剤をさらに含んでなりうる。
組成物は例えば上記の薬用量形態の如き適当な製薬学的薬用量形態に調合することができる。活性成分の各々を別個に調合することができ、そして調剤を同時に投与することができ、または両者および所望するなら別の活性成分を含有する1個の調剤を提供することができる。
ここで使用される用語「組成物」は、特定された成分を含んでなる製品、並びに特定された成分の組み合わせから直接的にまたは間接的に生ずるいずれかの製品を包括することが意図される。
1つの態様では、ここで提供される組成物はHIV療法における同時、別個または順次使用のための組み合わせ調剤として調合することもできる。そのような場合には、一般式(I)の化合物またはその亜群を他の製薬学的に許容可能な賦形剤を含有する製薬学的組成物の中で調合し、そしてリトナビルを他の製薬学的に許容可能な賦形剤を含有する製薬学的組成物の中で別個に製造する。簡便には、これらの2種の製薬学的組成物は同時、別個または順次使用のためのキットの一部でありうる。
それ故、本発明の組み合わせの個別成分は療法過程中の異なる時点で別個にまたは同時に分割されたまたは単一の組み合わせ形態で投与することができる。本発明は従って全てのそのような同時または交互処置の処方を包括すると理解すべきであり、そして用語「投与する」はそれに応じて解釈すべきである。好ましい態様では、別個の薬用量形態がほぼ同時に投与される。
1つの態様では、本発明の組み合わせは、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤のバイオアベイラビリティーを式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤が単独で投与される時のバイオアベイラビリティーと比べて臨床的に改良するのに充分な量のリトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩を含有する。
別の態様では、t1/2、Cmin、Cmax、Css、12時間におけるAUC、または24時間におけるAUCから選択される式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤の薬物動力学変数の少なくとも1つをHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤が単独で投与される時の少なくとも1つ変数と比べて増加させるのに充分な量のリトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩を含有する。
別の態様はHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤のバイオアベイラビリティーを改良する方法に関し、それはそのような改良を必要とする個体に対して治療的に有効な量の該組み合わせの各成分を含んでなるここで定義された組み合わせを投与することを含んでなる。
別の態様では、本発明はt1/2、Cmin、Cmax、Css、12時間におけるAUC、または24時間におけるAUCから選択される式(I)のHCV NS3/4aプ
ロテアーゼ阻害剤の薬物動力学変数の少なくとも1つの改良剤としてのリトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩の使用に関し、但し条件としてこの使用は人間または動物の体内では施行されない。
ここで使用される用語「個体」は、処置、観察または実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは人間、をさす。
バイオアベイラビリティーは全身的循環を達成する投与される服用量の一部であると定義される。t1/2は半減期、すなわち血漿濃度がその元の値の半分に低下するためにかかった時間、を表わす。Cssは定常状態濃度、すなわち薬品の流入速度が排出速度に等しい濃度、である。Cminは投薬間隔中に測定された最低(最少)濃度として定義される。Cmaxは投薬間隔中に測定された最高(最大)濃度として定義される。AUCは指定された期間に関する血漿濃度−時間曲線下の面積として定義される。
本発明の組み合わせは該組み合わせに含まれる各成分に特異的な薬用量範囲で人間に投与することができる。該組み合わせに含まれる成分は一緒にまたは別個に投与することができる。式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤またはそれらの亜群およびリトナビルまたはその製薬学的に許容可能な塩もしくはエステルは1日当たり0.02〜5.0グラム程度の薬用量レベルを有することができる。
式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤およびリトナビルが組み合わされて投与される時には、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤対リトナビルの重量比は適切には約40:1〜約1:15、または約30:1〜約1:15、または約15:1〜約1:15、典型的には約10:1〜約1:10、そしてより典型的には約8:1〜約1:8、の範囲内である。約6:1〜の約1:6、または約4:1〜約1:4、または約3:1〜約1:3、または約2:1〜約1:2、または約1.5:1〜約1:1.5の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤対リトナビルの重量比も有用である。一面で、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤の重量はリトナビルのものに等しいかまたはそれより多く、ここで式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤対リトナビルの重量比は適切には約1:1〜約15:1、典型的には約1:1〜約10:1、そしてより典型的には約1:1〜約8:1、の範囲内である。約1:1〜の約6:1、または約1:1〜約5:1、または約1:1〜約4:1、または約3:2〜約3:1、または約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1.5:1の式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤対リトナビルの重量比も有用である。
ここで使用される用語「治療的に有効な量」は研究者、獣医師、医師または他の臨床士により本発明に照らして求められる、処置する疾病の徴候の緩和を包含する、組織、系統、動物または人間における生物学的または医学的応答を引き出す活性化合物もしくは成分または製剤の量を意味する。本発明は2種もしくはそれ以上の剤を含んでなる組み合わせに関するため、「治療的に有効な量」は一緒になって所望する生物学的または医学的応答を引き出す剤の量である。例えば、(a)式(I)の化合物および(b)リトナビルを含んでなる組成物の治療的に有効な量は一緒になった時に治療効果である組み合わせ効果を有する式(I)の化合物およびリトナビルの量であろう。
一般的に、抗ウイルス有効1日量は0.01mg/kg〜500mg/kgの体重、より好ましくは0.1mg/kg〜50mg/kgの体重であろう。必要な服用量を1日にわたり適当な間隔で1回、2回、3回、4回またはそれ以上の回数の(分割−)服用量として投与することが適切でありうる。該(分割−)服用量は、例えば1単位薬用量形態当たり1〜1000mg、そして特に5〜200mgの活性成分を含有する単位薬用量形態として調合することができる。
正確な薬用量および投与の頻度は、当業者に既知であるように、使用する特定の式(I)の化合物、処置する特定の症状、処置する症状の重篤度、年令、体重、性別、疾病の程度、および特定患者の一般的な身体的状態、並びに個体が受けうる他の投薬に依存する。さらに、処置する被験体の応答によっておよび/または本発明の化合物を処方する医師の評価によって該有効1日量を増減しうることは明らかである。上記の有効1日量は従って単なる指針である。
1つの態様によると、式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤およびリトナビルは1日1回または2回、好ましくは経口的に、同時投与することができ、ここで1服用量当たりの式(I)の化合物の量は約1〜2500mgでありそして1服用量当たりのリトナビルの量は約1〜2500mgである。別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約50〜約1500mgの式(I)の化合物および約50〜約1500mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約100〜約1000mgの式(I)の化合物および約100〜約800mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約150〜約800mgの式(I)の化合物および約100〜約600mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約200〜約600mgの式(I)の化合物および約100〜約400mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約200〜約600mgの式(I)の化合物および約20〜約300mgのリトナビルである。さらに別の態様では、1日1回または2回の同時投与に関する1服用量当たりの量は約100〜約400mgの式(I)の化合物および約40〜約100mgのリトナビルである。
1日1回または2回の薬用量に関する式(I)の化合物(mg)/リトナビル(mg)の例示組み合わせは50/100、100/100、150/100、200/100、250/100、300/100、350/100、400/100、450/100、50/133、100/133、150/133、200/133、250/133、300/133、50/150、100/150、150/150、200/150、250/150、50/200、100/200、150/200、200/200、250/200、300/200、50/300、80/300、150/300、200/300、250/300、300/300、200/600、400/600、600/600、800/600、1000/600、200/666、400/666、600/666、800/666、1000/666、1200/666、200/800、400/800、600/800、800/800、1000/800、1200/800、200/1200、400/1200、600/1200、800/1200、1000/1200、および1200/1200を包含する。1日1回または2回の薬用量に関する式(I)の化合物(mg)/リトナビル(mg)の他の例示組み合わせは1200/400、800/400、600/400、400/200、600/200、600/100、500/100、400/50、300/50、および200/50を包含する。
本発明の1つの態様では、HCV感染症を処置するためまたはHCVのNS3プロテアーゼを阻害するために有効な組成物とC型肝炎ウイルスによる感染症を処置するための組成物の使用を指示するラベルを含んでなる包装材料とを含んでなる製造品が提供され、ここで組成物は式(I)の化合物もしくはその亜群またはここに記載された組み合わせを含んでなる。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物もしくはその亜群または式(I)のHCV NS3/4aプロテアーゼ阻害剤もしくはその製薬学的に許容可能な塩およびリトナビルも
しくはその製薬学的に許容可能な塩を組み合わせた本発明に従う組み合わせを、HCV NS3/4aプロテアーゼの成長を阻害する有効薬品の能力を測定するための試験もしくは検定または両者における標準または試薬としての使用のための有効量で含んでなるキットまたは容器に関する。
本発明の化合物および組成物は大量(high−throughput)標的−分析試料検定、例えばHCV処置における該組み合わせの効力を測定するためのものにおいて使用することができる。
以下の実施例は本発明を説明しそしてそれらに限定しないことを意図する。
実施例1:代表的な中間体の製造
1−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン(6)の合成
段階A
Figure 2009502884
3−メチル−2−ブタノン(27.0g、313ミリモル)のメタノール(150mL)中の撹拌された溶液に臭素(50g、313ミリモル)を加えた。反応を10℃より下で進行させた(脱色)。撹拌を次に室温において30分間にわたり続け、その後に水(100mL)を加えた。15分後に、混合物を水(300mL)で希釈しそしてEtOジエチルエーテルで4回抽出した。エーテル抽出物を連続的に10%NaCO溶液、水、食塩水で洗浄し、そして乾燥して(NaSO)42g(81%)の標的生成物を液体として与えた。
段階B
Figure 2009502884
チオオキサミド酸エチル(13.3g、100g、100ミリモル)のエタノール(100mL)中の沸騰溶液に1−ブロモ−3−メチルブタン−2−オン(17.6g、g、106ミリモル)を15分間にわたり滴下した。溶液を1時間にわたり還流した。溶液を250mLの氷冷水に加えそして濃アンモニア溶液で塩基性化した。この混合物をAcOEt酢酸エチルで2回抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)そして減圧下で蒸発させた。粗製生成物をジクロロメタンないし2%MeOHメタノールを含むジクロロメタンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して13.1g(65%)の標的生成物を与えた:H−NMR−CDCl:7.20(s,1H),4.49(m,2H),3.25(m,1H),1.42(t,3H),1.35(d,6H)。段階C
Figure 2009502884
N,N−ジエチル−4−メトキシ−2−メチルベンズアミド4(2.4g、11ミリモル)の無水THF(30mL)中溶液に−78℃において窒素下でn−BuLi(8.9mL、ヘキサン中2.5M溶液)を滴下した。溶液を−78℃にさらに30分間にわたり保った。次に、チアゾール3のTHF(5mL)中溶液を滴下した。2時間後に、反応物を氷冷水およびAcOEt酢酸エチルの間に分配させた。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチルAcOEt/Petroleum石油エーテル/CHCl、1:2:1)による精製が1.8g(43%)の標的生成物4を黄色がかった油として与えた:LCMSによる純度>95%。
段階D
Figure 2009502884
5(1.98g、5.29ミリモル)および酢酸アンモニウム(12.2g、159ミリモル)の混合物を密封管の中で1時間にわたり140℃に加熱し、次に、室温に冷却した。反応混合物を氷冷水およびCHClの間に分配させ、乾燥し(NaSO)そしてシリカ上で濾過して1.59g(78%)の標的生成物6を白色粉末として与えた m/z=301(M+H)
1−ヒドロキシ−3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン(7)の合成。
Figure 2009502884
メチルシクロプロピルケトンから1−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン6に関して報告された工程に従い標記生成物が得られた。
1,3−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン(12)の合成
段階A
Figure 2009502884
トリエチルアミン(80.5mL、578ミリモル)を0℃において窒素下で3−メトキシ桂皮酸(49.90g、280ミリモル)のアセトン(225mL)中懸濁液に加えた。0℃における10分後に、温度を0℃に保ちながらクロロ蟻酸エチル(46.50g、429ミリモル)を滴下した。0℃における1時間後に、ナトリウムアジド(27.56g、424ミリモル)の水(200mL)中溶液をゆっくり加え、次に反応混合物をRT室温まで暖めた。16時間後に、反応混合物を水(500mL)の中に注ぎそしてアセトンを蒸発させた。残渣をトルエンで抽出して8の溶液を与え、それをそのまま次の段階で使用した。
段階B
Figure 2009502884
前段階からの8のトルエン溶液をジフェニルメタン(340mL)およびトリブチルアミン(150mL)の加熱された溶液に190℃において滴下した。トルエンを直ちにディーン−スタークを介して蒸留除去した。添加完了後に、反応混合物を2時間にわたり210℃に高めた。冷却後に、沈澱した生成物を濾過により集め、ヘプタンで洗浄して49.1g(29%)の標的生成物9を白色粉末として与えた:m/z=176(M+H)H−NMR(CDCl):8.33(d,J=8.9Hz,1H),7.13(d,J=7.2Hz,1H),7.07(dd,J=8.9Hz,2.5Hz,1H),6.90(d,J=2.5Hz,1H),6.48(d,J=7.2Hz,1H),3.98(s,3H)。
段階C
Figure 2009502884
オキシ塩化燐(25mL)を9(10.0g、57ミリモル)にゆっくり加えそしてこの混合物を3時間にわたり穏やかに加熱還流した。反応の完了後に、オキシ塩化燐を蒸発させた。残渣を氷冷水(40mL)の中に注ぎそしてNaOHの水中溶液(50%)でpHを10に調節した。混合物をCHClで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して、8.42gの標的生成物10を黄色固体として与えた:m/z=194(
M+H)H−NMR(CDCl):8.21(d,J=9.3Hz,1H),8.18(d,J=5.7Hz,1H),7.47(d,J=5.6Hz,1H),7.28(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),7.06(d,J=2.5Hz,1H),3.98(s,3H)。
段階D
Figure 2009502884
メタクロロ過安息香酸(6.41g、28.6ミリモル)を小部分ずつ0℃において10(2.70g、13.9ミリモル)のCHCl(10mL)中溶液に加えた。0℃における30分後に、反応混合物を12時間にわたり室温に暖めた。次に、反応混合物を1N NaOHおよびCHClの間に分配させそして1N NaOHおよび食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させて1.89g(64%)の標的生成物11を橙色固体として与えた:m/z=209.9(M+H)
段階E
Figure 2009502884
11(1.86g、8.86ミリモル)のオキシ塩化燐(18mL)中溶液を3時間にわたり加熱還流した。次に、オキシ塩化燐を真空中で蒸発させた。残渣を氷冷水(50mL)の中に注ぎそして水中50%NaOHでpHを10に調節した。混合物をCHClで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して、350mg(17%)の標的生成物12を黄色固体として与えた:m/z=227.9(M+H)H−NMR(CDCl):8.16(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.98(d,J=2.5Hz,1H),3.98(s,3H)。
4−ブロモ−1−ヒドロキシ−6−メトキシイソキノリン(13)の合成
Figure 2009502884
N−ブロモスクシンイミド(2.33g、14.3ミリモル)を9(2.06g、11.8ミリモル)のDMF(40mL)中溶液に加えた。生じた混合物を室温において一晩
にわたり撹拌した。次に、DMFを蒸発させそしてCHClを残渣に加えた。この懸濁液を15分間にわたり45℃に加熱した。白色固体を濾別しそしてイソプロピルエーテルで洗浄して、2.07g(69%)の標的生成物13を与えた:m/z=253.7(M+H)H NMR(DMSO d):8.14(d,J=8.8Hz,1H),7.52(s,1H),7.17(dd,J=8.8Hz,2.5Hz,1H),7.11(d,J=2.4Hz,1H),3.83(s,3H)。
5−ブロモ−1−クロロ−6−メトキシイソキノリン(19)の合成
段階A
Figure 2009502884
p−メトキシベンズアルデヒド(10g、73.5ミリモル)およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(7.93g、75.4ミリモル)のトルエン(50mL)中の等モル量溶液を一晩にわたりディーン−スターク装置の中で還流した。次に、溶液を真空中で蒸発させて標的生成物14を与え、それを次の段階でさらなる精製なしに使用した:m/z=224(M+H)
段階B
Figure 2009502884
クロロ蟻酸エチル(8.02g、73.9ミリモル)を−10℃において激しい撹拌下で14(73.5ミリモル)の乾燥THF(50mL)中溶液に加えた。30分後に、反応混合物を室温に暖めそして亜燐酸トリメチル(10.6g、85.2ミリモル)を加えた。15時間後に、揮発分を真空下で蒸発させた。生じた油をトルエンと共に3回同時−蒸発させて標的生成物15を油として与えた:m/z=406(M+H)
段階C
Figure 2009502884
段階Bから得られた物質(15)をCHCl(200mL)の中に溶解させそして0℃に冷却した。次に四塩化チタン(86.0g、453ミリモル)を加えそして溶液を一晩にわたり還流した。反応混合物を室温に冷却した。次に、NaOH(73g)の水(500mL)中溶液を加えそして反応混合物を10分間にわたり振った。TiOの沈殿を濾別し、そして濾液を3N HClで抽出した。NaOHで水層のpHを10に調節した。生成物をCHClで抽出し、乾燥し(NaSO)そして蒸発させて5.32
g(45%)の標的生成物16を与え、それをさらなる精製なしに次の段階で使用した:m/z=160(M+H)
段階D
Figure 2009502884
6−メトキシイソキノリン16(5.32g、33.4ミリモル)を0℃において濃HSO(33.5mL)にゆっくり加えた。混合物を−25℃に冷却しそしてNBS(7.68g、43.2ミリモル)を反応温度が−25℃〜−22℃の間に保たれるような速度で加えた。混合物を−22℃において2時間にわたりそして−18℃において3時間にわたり撹拌し、次に砕氷の上に注いだ。濃水性NHを用いてpHを9に調節しそしてアルカリ性スラリーを次にジエチルエーテルで抽出した。一緒にした有機画分を1N NaOHおよび水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させて5.65g(71%)の標的生成物17を与えた:m/z=237.8(M+H)
段階E
Figure 2009502884
メタクロロ過安息香酸(6.73g、30ミリモル)を0℃において17(5.65g、24ミリモル)のCHCl(50mL)中溶液に加えた。0℃における30分後に、反応混合物を3.5時間にわたり室温に暖めた。次に、追加のCHCl(300mL)を加えそしてこの混合物を1N NaOHおよび食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させて6.03g(100%)の標的生成物18を与え、それをそのままで次の段階で使用した:m/z=253.9(M+H)。段階F:
Figure 2009502884
オキシ塩化燐(60mL)を冷却された18(6.03g、23.7ミリモル)にゆっくり加えそしてこの混合物を次に30分間にわたり穏やかに加熱還流した。反応の完了後に、オキシ塩化燐を蒸発させた。残渣を氷冷水(50mL)の中に注ぎそしてNaOHでpHを10に調節した。混合物をCHClで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製して1.15g(18%)の標記生成物を白色粉末として与えた
:m/z=271.7(M+H)H−NMR(CDCl):8.17(d,J=9.3Hz,1H),8.28(d,J=6.0Hz,1H),7.94(d,J=6.0Hz,1H),7.41(d,J=9.3Hz,1H)。
(ヘキシ−5−エニル)(メチル)アミン(21)の合成
Figure 2009502884
段階A
水素化ナトリウム(1.05当量)を0℃においてN−メチルトリフルオロアセトアミド(25g)のDMF(140mL)中溶液にゆっくり加えた。混合物を1時間にわたり室温において窒素下で撹拌した。次に、ブロモヘキセン(32.1g)のDMF(25mL)中溶液を滴下しそして混合物を12時間にわたり70℃に加熱した。反応混合物を水(200mL)の上に注ぎそしてジエチルエーテル(4×50mL)で抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させて35gの標的生成物20を黄色がかった油として与え、それをさらなる精製なしで次の段階で使用した。
段階B
水酸化カリウム(187.7g)の水(130mL)中溶液を20(35g)のメタノール(200mL)中溶液に滴下した。混合物を室温において12時間にわたり撹拌した。次に、反応混合物を水(100mL)の上に注ぎそしてジエチルエーテル(4×50mL)で抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過しそしてジエチルエーテルを大気圧下で蒸留した。生じた油を蒸留により真空下で(13mmHg圧、50℃)精製して7.4g(34%)の標記生成物21を無色油として与えた:H−NMR(CDCl):δ5.8(m,1H),5(ddd,J=17.2Hz,3.5Hz,1.8Hz,1H),4.95(m,1H),2.5(t,J=7.0Hz,2H),2.43(s,3H),2.08(q,J=7.0Hz,2H),1.4(m,4H),1.3(br s,1H)。
実施例2:17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(29)の製造。
段階A
Figure 2009502884
4mLのDMF中の3−オキソ−2−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸22(500mg、3.2ミリモル)を0℃においてDMF(3mL)中のヘキサフルオロ燐酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)(1.34g、3.52ミリモル)およびN−メチルヘキシ−5−エニルアミン(435mg、3.84ミリモル)を、引き続きN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を加えた。40分間にわたり0℃におい
て撹拌した後に、混合物を室温において5時間にわたり撹拌した。次に、溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc酢酸エチル(70mL)の中に溶解させそして飽和NaHCO(10mL)で洗浄した。水層を酢酸エチルEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機相を一緒にし、飽和NaCl(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルEtOAc/石油エーテル、2:1)による精製が550mg(68%)の標的生成物23を無色固体として与えた:m/z=252(M+H)
段階B
Figure 2009502884
LiOHの溶液(4mLの水中105mg)を0℃においてラクトンアミド23に加えた。1時間後に、転化が完了した(HPLC)。1N HClで混合物をpH2−3に酸性化し、酢酸エチルAcOEtで抽出し、乾燥し(MgSO)、蒸発させ、トルエンと数回同時−蒸発させ、そして高真空下で一晩にわたり乾燥して520mg(88%)の標的生成物24を与えた:m/z=270(M+H)
段階C
Figure 2009502884
1−(アミノ)−2−(ビニル)シクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩25(4.92g、31.7ミリモル)およびHATU(12.6g、33.2ミリモル)を24(8.14g、30.2ミリモル)に加えた。混合物を氷浴中でアルゴン下で冷却し、そして次にDMF(100mL)およびDIPEA(12.5mL、11.5ミリモル)を連続的に加えた。0℃における30分後に、溶液を室温においてさらに3時間にわたり撹拌した。次に、反応混合物をEtOAc酢酸エチルおよび水の間に分配させ、0.5N HCl(20mL)および飽和NaCl(2×20mL)で連続的に洗浄し、そして乾燥した(NaSO)。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルAcOEt/CHCl/p石油エーテル、1:1:1)による精製が7.41g(60%)の標的生成物26を無色油として与えた:m/z=407(M+H)
段階D
Figure 2009502884
DIAD(218μL、1.11ミリモル)を−20℃において窒素雰囲気下で26(300mg、0.738ミリモル)、イソキノリン7(308mg、1.03ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(271mg、1.03ミリモル)の乾燥THF(15mL)中溶液に加えた。次に、反応物を室温に暖めた。1.5時間後に、溶媒を蒸発させそして粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/CHCl/エーテルの勾配、3:1.5:0.5〜1:1:1)により精製して副生物で汚染された290mgの標的生成物(90%純度)を与えた。第二の精製(同じ溶離剤)が228mg(43%)の標的生成物27を与えた:m/z=687(M+H)H−NMR(CDCl):8.11−7.98(m,1H),7.98(s,1H),7.13−7.10(m,2H),6.89(s,1H),5.78−5.69(m,2H),5.30−5.25(m,1H),5.11−5.09(m,1H),4.99−4.87(m,2H),4.15−4.08(m,2H),3.92(s,3H),3.71−3.58(m,1H),3.48−3.15(m,4H),3.03(s,3H),2.90−2.85(m,2H),2.60−2.25(m,2H),2.11−1.82(m,6H),1.55−1.10(m,7H),0.98−0.96(m,4H)。
段階E
Figure 2009502884
27(220mg、0.32ミリモル)およびホベイダ−グラブス第一世代触媒(19mg、0.032ミリモル)の乾燥されそして脱気された1,2−ジクロロエタン(400mL)中溶液を窒素下で12時間にわたり70℃に加熱した。次に、溶媒を蒸発させそして残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(p石油エーテル/CHCl/EtOジエチルエーテル、3:1:1)により精製して180mg(85%)の標的生成物28を与えた:m/z=659(M+H)H−NMR(CDCl):8.11−8.0
8(m,1H),7.98(s,1H),7.10−7.19(m,2H),7.09(s,1H),6.88(s,1H),5.70−5.78(m,1H),5.61−5.69(m,1H),5.18−5.29(m,1H),4.63−4.69(m,1H),4.05−4.15(m,3H),3.92(s,3H),4.01−4.08(m,1H),3.28−3.36(m,1H),3.06(s,3H),2.88−3.05(m,2H),2.61−2.69(m,2H),2.10−2.41(m,3H),1.90−2.02(m,4H),1.71−1.90(m,3H),0.87−1.62(m,9H)。
段階F
Figure 2009502884
LiOH(327mg)の水(3mL)中溶液を28のTHF(15mL)およびMeOHメタノール(10mL)中の撹拌された溶液に加えた。48時間後に、溶媒を蒸発させそして残渣を水およびジエチルエーテルの間に分配させた。水層を酸性化し(pH=3)そしてAcOEt酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO)そして蒸発させた。残渣をジエチルエーテルから結晶化させて128mg(74%)の標的化合物29を与えた:m/z=631(M+H)H−NMR(CDCl):8.00−8.03(d,J=9.0Hz,1H),7.86(s,1H),7.12(s,1H),7.10(dd,J=9.0Hz,2.4Hz,1H),7.06(d,J=2.4Hz,1H),6.87(s,1H),5.64−5.71(m,1H),5.57−57.61(m,1H),5.16(t,J=9.5Hz,1H),4.57−4.64(m,1H),3.92(s,3H),3.52−3.60(m,1H),3.25−3.37(m,1H),2.42−2.68(m,4H),2.17−2.33(m,3H),2.08−2.17(m,2H),1.71−2.00(m,5H),1.33−1.62(m,5H),0.96−0.99(m,4H)。
実施例3:N−[17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(30)の製造。
Figure 2009502884
29(91mg、0.14ミリモル)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(47mg、0.29ミリモル)の乾燥THF(7mL)中混合物を2時間にわたり窒素下で加熱還流した。LCMS分析は中間体の1つのピークを示す(RT=5.37)。場合により、所望するなら、アザラクトン誘導体を単離することができる。反応混合物を室温に冷却しそしてシクロプロピルスルホンアミド(52mg、0.43ミリモル)を加えた。次に、DBU(50μL、0.33ミリモル)を加えそして反応混合物を室温において1時間にわたり撹拌し、そして次に24時間にわたり55℃に加熱した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をAcOEt酢酸エチルおよび酸性水(pH=3)の間に分配させた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルAcOEt/CHCl/p石油エーテル、1:1:1)により精製した。残渣をジエチルエーテル中で結晶化させ、濾過してシクロプロピルスルホンアミドで汚染された標的化合物を与えた。この物質を3mLの水の中で粉砕し、濾過し、水で洗浄しそして一晩にわたり高真空ポンプを用いて乾燥して60mg(57%)の標的化合物30を微黄色粉末として与えた:m/z=734(M+H)H−NMR(CDCl):10.94(s,1H),8.08(d,J=8.6Hz,1H),8.00(s,1H),7.12−7.15(m,2H),6.91(s,1H),6.35(s,1H),5.74−5.77(m,1H),5.63−5.69(m,1H),5.06(t,J=10.4Hz,1H),4.60(t,J=12.3Hz,1H),3.93(s,3H),3.35−3.42(m,2H),3.04(s,3H),2.89−2.96(m,2H),2.52−2.52(m,2H),2.37−2.45(m,2H),2.10−2.32(m,2H),1.61−1.93(m,4H),1.3−1.51(m,4H),0.90−1.30(m,8H)。
実施例4:17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(31)の製造。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン6から、17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸29(実施例2)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=734(M+H)H−NMR(CDCl):8.03(d,J=8.9Hz,1H),7.91(s,1H),7.20(s,1H),7.08−7.13(m,2H),6.93(s,1H),5.61−5.69(m,2H),5.17(t,J=9.5Hz,1H),4.57−4.64(m,1H),3.92(s,3H),3.55−3.63(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.11−3.20(m,1H),3.05(s,3H),2.72−2.83(m,1H),2.53−2.66(m,2H),2.40−2.51(m,1H),2.17−2.32(m,2H),1.89−1.93(m,2H),1.71−1.83(m,2H),1.43−1.60(m,2H),1.37(dd,J=6.9Hz,2.5Hz,6H),1.18−1.36(m,2H)。
実施例5:N−[17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(32)の製造。
Figure 2009502884
17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸31から、N−[17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド30(実施例3)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=736(M+H)H−NMR(CDCl):10.90(s,1H),8.02−8.09(m,2H),7.11−7.14(m,2H),6.96(s,1H),6.29(s,1H),5.78−5.83(m,1H),5.62−5.69(m,1H),5.06(t,J=10.5Hz,1H),4.56−4.64(m,1H),3.93(s,3H),3.37−3.42(m,2H),3.15−3.21(m,1H),3.04(s,3H),2.89−2.98(m,2H),2.52−2.61(m,2H),2.23−2.43(m,3H),1.64−1.93(m,4H),1.31−1.50(m,10H),1.18−1.30(m,2H),0.96−1.15(m,2H)。
実施例6:17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(33)の製造。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリンから、17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸29(実施例2)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=648(M+H)H−NMR(CDCl):8.03(d,J=9.0Hz,1H),7.69(s,1H),7.19(s,1H),7.04−7.11(m,3H),5.60−5.68(m,2H),5.20(t,J=9.2Hz,1H),4.54−4.61(m,1H),3.93(s,3H),3.54−3.70(m,2H),3.12−3.20(m,1H),2.83(s,3H),2.35−2.60(m,4H),2.11−2.30(m,2H),1.80−1.93(m,2H),1.69−1.79(m,2H),1.40−1.51(m,2H),1.30(d,J=13.1Hz,6H),1.10−1.21(m,2H)。
実施例7:N−[17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(34)の製造。
Figure 2009502884
17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸33から、N−[17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド30(実施例3)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=751(M+H)H−NMR(CDCl):10.90(s,1H),8.04(d,J=9.3Hz,1H),7.75(s,1H),7.04−7.07(m,3H),6.32(s,1H),5.80−5.84(m,1H),5.62−5.69(m,1H),5.06(t,J=10.3Hz,2H),4.58−4.65(m,1H),3.91(s,3H),3.71−3.79(m,1H),3.24−3.41(m,2H),3.03(s,3H),2.71−2.97(m,2H),2.57−2.60(m,2H),2.30−2.41(m,2H),2.15−2.30(m,1H),1.78−2.02(m,4H),0.87−1.58(m,14H)。
実施例8:17−[3−(ピラゾール−1−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(22)の製造。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−3−(ピラゾール−1−イル)−6−メトキシイソキノリン6から、17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸29(実施例2)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=573(M+H)H−NMR(CDCl):8.45(d,J=2.3Hz,1H),8.03(d,J=8.9Hz,1H),7.71(d,J=1.0Hz,1H),7.64(s,1H),7.22(s,1H),7.01−7.05(m,2H),6.43−6.45(m,1H),5.63−5.70(m,2H),5.18(dd,J=10.3Hz,2.0Hz,1H),4.53−4.42(m,1H),3.90(s,3H),3.58−3.67(m,1H),3.26−3.35(m,1H),3.02(s,3H),2.65−2.77(m,1H),2.59−2.68(m,1H),2.35−2.58(m,2H),2.15−2.30(m,2H),1.89−2.05(m,2H),1.70−1.75(m,2H),1.18−1.61(m,4H)。
実施例9:N−[17−[3−(ピラゾール−1−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル]−(シクロプロピル)スルホンアミド(36)の製造。
Figure 2009502884
17−[3−(ピラゾール−1−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸22から、N−[17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド30(実施例3)に関して報告された工程に従い、標記生成物が得られた:m/z=677(M+H)H−NMR(CDCl):8.49(d,J=2.4Hz,1H),8.06(d,J=9.7Hz,1H),7.74(d,J=6.4Hz,2H),7.04−7.08(m,2H),6.46−6.48(m,1H),6.37(br s,1H),5.71−5.82(m,1H),5.63−5.69(m,1H),5.06(t,J=10.5Hz,1H),4.58−4.65(m,2H),3.93(s,3H),3.36−3.44(m,2H),3.04(s,3H),2.80−2.95(m,2H),2.50−2.62(m,2H),2.33−2.45(m,2H),2.20−2.31(m,1H),1.80−2.00(m,4H),1.32−1.70(m,2H),1.17−1.30(m,2H),0.90−1.15(m,4H)。
実施例10:17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42)の合成
段階A
Figure 2009502884
Boc−ヒドロキシプロリン(760mg、3.29ミリモル)のDMSO(50mL)中溶液にカリウムtert−ブトキシド(1.11g、9.87ミリモル)を加えた。
生じた溶液を室温において1時間にわたり撹拌し、その後に1,3−ジクロロ−6−メトキシイソキノリン12(750mg、3.29ミリモル)を加えた。室温における窒素下での12時間後に、反応混合物を氷冷水でクエンチし、HClでpH4に酸性化し、そしてAcOEt酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させて1.39g(90%)の37を白色固体として与えた:m/z=423(M+H)H−NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.15(d,J=2.4Hz,1H),7.10(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.9(s,1H),5.80−5.67(br s,1H),4.45(t,J=7.9,1H),3.95(s,3H),3.80−3.90(br s,1H),3.70−3.80(m,1H),2.75−2.6(m,1H),2.35−2.45(m,1H),1.50(s,9H)。
段階B
Figure 2009502884
化合物37(1.25g、2.96ミリモル)、1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩25(526g、2.96ミリモル)、HATU(1.12g、2.96ミリモル)およびDIPEA(1.29mL、7.39ミリモル)のDMF(50mL)中溶液を室温において窒素雰囲気下で撹拌した。12時間後に、ジクロロメタンを加えそして溶液を水性NaHCOおよび水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)そして蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、95:5)により精製して1.5g(90%)の所望する生成物38を黄色フォームとして与えた:m/z=561(M+H)H−NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.5Hz,1H),6.98(d,J=2.4Hz,1H),5.80−5.67(m,1H),5.29(d,J=17.1Hz,1H),5.12(d,J=10.3Hz,1H),4.45−4.5(br s,1H),4.1−4.18(m,2H),3.95(s,3H),3.8−3.9(br s,1H),3.7−3.8(m,1H),3.25−3.35(m,2H),2.35−2.45(m,1H),2.1−2.2(m,1H),1.5−2(m,6H),1.5(s,9H)。
段階C
Figure 2009502884
38(3.0g、5.36ミリモル)のTFA−DCM1:2(3mL)中溶液をRT室温において60分間にわたり撹拌した。次に、トルエン(3mL)を加えそして生じた混合物を蒸発乾固して標的生成物39(HPLCによる純度>95%)を与え、それを次の段階でさらなる精製なしに使用した:m/z=460(M+H)
段階D
Figure 2009502884
炭酸水素ナトリウム(1.83g、21.7ミリモル)を39(1.0g、2.17ミリモル)のテトラヒドロフラン(25mL)中溶液に加えた。次に、ホスゲン(1.6mL、トルエン中1.9M、4.5当量)を加えた。反応混合物を室温において1時間にわたり撹拌し、次に濾過した。溶媒を蒸発させそして残渣をジクロロメタン(2.5mL)の中に溶解させた。次に、炭酸水素ナトリウム(1.83g、21.7ミリモル)を、引き続き(ヘキシ−5−エニル)(メチル)アミン21(1.2g、8.04ミリモル)を加えた。室温における12時間後に、反応混合物を濾過した。濾液を水およびジクロロメタンの間に分配させた。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、95:5)により精製して0.8g(69.3%)の標的生成物40を与えた:m/z=600(M+H)H−NMR(CDCl):8.10(d,J=9.3Hz,1H),7.50(s,1H),7.39(s,1H),7.25(dd,J=9.3Hz,2.4Hz,1H),6.98(d,J=2.4Hz,1H),5.81−5.62(m,2H),5.56(t,J=3.8Hz,1H),5.29(dd,J=1.3Hz,17.2Hz,1H),5.12(dd,J=1.5Hz,10.4Hz,1H),5.00−4.86(m,3H),4.35(t,J=7.5Hz,2H),3.98(s,3H),3.48−3.37(m,1H),3.10−3.00(m,1H),2.87(s,3H),2.77−2.67(m,2H),2.41−2.32(m,1H),2.10(dd,J=8.6Hz,17.4Hz,1H),1.98(dd,J=14.4Hz,7.1Hz,2H),1.88(dd,J=5.6Hz,8.1Hz,1H),1.57−
1.46(m,3H),1.35−1.18(m,5H)。
段階E
Figure 2009502884
ホベイダ−グラブス第一世代触媒(261mg、20モル%)を40(1.3g、2.17ミリモル)の脱気された乾燥ジクロロエタン(1L)中溶液に加えた。次に、反応混合物を20時間にわたり窒素下で70℃に暖めた。生じた混合物を室温に冷却しそして回転蒸発により濃縮した。生じた油をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc 90/10)により精製して720mg(58%)の標的生成物41をベージュ色固体として与えた:m/z=572(M+H)H−NMR(CDCl):7.95(d,J=9.1Hz,1H),7.55(s,1H),7.15(s,1H),7.10(dd,J=9.1Hz,2.4Hz,1H),6.91(d,J=2.4Hz,1H),5.85(br s,1H),5.65(dd,J=18.2Hz,8.0Hz,1H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),4.80(t,J=7.2Hz,1H),4.19−4.28(m,2H),4.05(dd,J=3.7Hz,J=11.3Hz,1H),3.90(s,3H),3.69(d,J=11.5Hz,1H),3.49−3.58(m,1H),3.00−3.10(m,1H),2.90(s,3H),2.45−2.55(m,2H),2.30−2.45(m,1H),2.10−2.20(m,1H),1.90−1.95(m,3H),1.50−1.70(m,2H),1.20−1.45(m,5H)。
段階F
Figure 2009502884
水(3mL)中の水酸化リチウム(150mg、3.6ミリモル)を41(100mg、0.18ミリモル)のテトラヒドロフラン(5mL)およびメタノール(2mL)中溶液に加えた。室温における48時間後に、水を加えそして1N HClで生じた溶液のp
Hを3に調節した。次に、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させた。残渣をジエチルエーテルと共に粉砕しそして濾過して85mg(89%)の標記生成物42を白色粉末として与えた:m/z=544(M+H)H−NMR(CDCl):7.95(d,J=9.1Hz,1H),7.55(s,1H),7.15(s,1H),7.10(dd,J=9.1Hz,2.4Hz,1H),6.90(d,J=2.4Hz,1H),5.85(br s,1H),5.65(dd,J=18.2Hz,8.0Hz,1H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),4.80(t,J=7.2Hz,1H),4.05(dd,J=11.3Hz,3.7Hz,1H),3.90(s,3H),3.70−3.80(m,1H),3.60(d,J=11.3Hz,1H),2.85(s,3H),2.80−2.85(m,1H),2.25−2.50(m,4H),1.95−2.00(m,1H),2.90(dd,J=8.6Hz,5.9Hz,1H),1.55−1.60(m,3H),1.30−1.50(m,3H)。
実施例11:N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43)の合成。
Figure 2009502884
17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42)(80mg、0.147ミリモル)およびカルボニルジイミダゾール(48mg、0.295ミリモル)の乾燥THF(25mL)中溶液を窒素下で3時間にわたり撹拌還流した。次に、反応混合物を室温に冷却しそしてシクロプロピルスルホンアミド(54mg、0.442ミリモル)およびDBU(52mg、0.34ミリモル)を加えた。生じた溶液を50℃において48時間にわたり撹拌した。次に、反応混合物をAcOEt酢酸エチルおよび水の間に分配させた。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、95:05)により精製してシクロプロピルスルホンアミドで汚染された標記生成物を与えた。この固体を10分間にわたり水中で粉砕しそして濾過し、水で洗浄し、高真空下で乾燥し、再びジエチルエーテル中で粉砕しそして濾過して37mg(39%)の標記生成物43を白色粉末として与えた:m/z=647(M+H)H−NMR(CDCl):10.40(br s,1H),7.95(d,J=9.1Hz,1H),7.55(s,1H),7.15(s,1H),7.10(dd,J=9.12Hz,2.4Hz,1H),6.90(d,J=2.4Hz,1H),5.85(br s,1H),5.65(dd,J=18.2Hz,8.0Hz,1H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),4.8(t,J=7.2Hz,1
H),4.10(dd,J=11.3Hz,3.8Hz,1H),3.9(s,3H),3.60−3.70(m,1H),3.6(d,J=11.3Hz,1H),3.10−3.20(m,1H),2.90−3.00(m,1H),2.85(s,3H),2.4−2.6(m,3H),1.90−2.20(m,3H),1.25−1.60(m,7H),0.90−1.10(m,2H)。
実施例12:17−(5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(50)の合成。
段階A
Figure 2009502884
ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、10.9ミリモル)をBoc−ヒドロキシ−プロリン(1.0g、4.4ミリモル)、シクロプロピルアミノ酸25(825mg、4.3ミリモル)、HATU(1.7g、4.48ミリモル)のDMF(10mL)中溶液に加えた。室温における2時間後に、ジクロロメタン(200mL)を加えた。溶液を飽和NaHCOおよび水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥しそして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、50:50)により精製して1.2g(76%)の標的生成物44を与えた:m/z=369(M+H)H−NMR(CDCl):5.80−5.67(m,1H),5.32−5.24(d,J=17.1Hz,1H),5.16−5.08(d,J=10.3Hz,1H),4.61−4.45(m,1H),4.45−4.29(bs,1H),4.23−4.03(m,2H),3.78−3.39(m,2H),2.14−1.97(m,1H),1.97−1.81(br s,1H),1.81−1.32(m,12H),1.22(t,J=7.1Hz,3H)。
段階B
Figure 2009502884
トリエチルアミン(3.2mL、22ミリモル)を0℃において44(5.42g、7.4ミリモル)のCHCl(100mL)中溶液に加えた。5分後に、パラ−塩化ニ
トロベンゾイル(3.26g、18ミリモル)のCHCl(50mL)中溶液を0℃において滴下した。次に、反応混合物を室温に暖めた。20時間後に、溶液を氷冷水の上に注ぎ、食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、そして蒸発させた。粗製残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、90:10)により精製して2.15g(56%)の標的生成物45を与えた:m/z=518(M+H)H−NMR(CDCl):8.30(d,J=8.8Hz,2H),8.16(d,J=8.8Hz,2H),5.82−5.70(m,1H),5.59−5.54(m,1H),5.31(dd,J=17.2Hz,1.5Hz,1H),5.14(d,J=10.1Hz,1H),4.56−4.40(br s,1H),4.26−4.15(m,2H),3.80−3.67(m,2H),2.16−2.06(m,1H),1.98−1.84(bs,1H),1.59−1.48(bs,1H),1.48−1.38(bs,12H),1.28−1.21(m,3H)。
段階C
Figure 2009502884
45(2.15g、4.15ミリモル)のTFA−DCM1:2(80mL)中溶液を室温において4時間にわたり保った。次に、トルエン(10mL)を加えそして溶液を蒸発乾固して標的化合物46(HPLCによる純度>95%)を与えた:m/z=418(M+H)
段階D
Figure 2009502884
ホスゲン(1.6mL、トルエン中1.9M、9.28g、4.5当量)を46(1.73g、4.14ミリモル)および炭酸水素ナトリウム(3.53g、42ミリモル)のTHF(35mL)中混合物に加えた。室温における1.5時間後に、反応混合物を濾過し、生じた濾液を蒸発させそして粗製物質をジクロロメタン(35mL)の中に再溶解させた。次に、炭酸水素ナトリウム(3.35g、42ミリモル)を、引き続き(ヘキシ−5−エニル)(メチル)アミン21(1.1g、9.67ミリモル)を加えた。室温にお
ける12時間後に、反応混合物を濾過した。次に、水を加えそして混合物をジクロロメタンで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、95:5)により精製して2.31g(79%)の標的生成物47を与えた:m/z=557(M+H)H−NMR(CDCl):8.28(d,J=8.9Hz,2H),8.13(d,J=8.9Hz,2H),7.39(s,1H),5.81−5.62(m,2H),5.56(t,J=3.8Hz,1H),5.29(dd,J=17.2Hz,1.3Hz,1H),5.12(dd,J=10.4Hz,1.52Hz,1H),5.00−4.86(m,3H),4.20−4.06(m,2H),3.79(dd,J=12.1Hz,3.5Hz,1H),3.57(dd,J=12.1Hz,1.8Hz,1H),3.48−3.37(m,1H),3.10−3.00(m,1H),2.87(s,3H),2.77−2.67(m,1H),2.41−2.32(m,1H),2.10(dd,J=8.6,17.4Hz,1H),1.98(dd,J=14.4Hz,7.1Hz,2H),1.88(dd,J=8.1Hz,5.6Hz,1H),1.57−1.46(m,3H),1.35−1.18(m,5H)。
段階E
Figure 2009502884
47(1.8g、3.28ミリモル)のホベイダ−グラブス第一世代(400mg、20モル%)の脱気された乾燥ジクロロエタン(2.0L)中混合物を窒素下で20時間にわたり70℃に暖めた。反応混合物を室温に冷却しそして回転蒸発により濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、90:10)により精製して888mg(51%)の所望する化合物をベージュ色固体として与えた:m/z=529(M+H)H−NMR(CDCl):8.28(d,J=8.8Hz,2H),8.16(d,J=8.8Hz,2H),7.47(s,1H),5.76−5.67(m,1H),5.62−5.57(t,J=3.5Hz,1H),5.29(dd,J=10.5Hz,7.8Hz,1H),4.82(dd,J=9.8Hz,7.1Hz,1H),4.18−4.07(m,2H),4.00−3.88(m,2H),3.55(d,J=11.6Hz,1H),3.07−2.97(m,1H),2.91(s,3H),2.64−2.54(m,1H),2.48−2.29(m,2H),2.16(dd,1H,J=17.4Hz,8.6Hz,1H),1.96−1.83(m,3H),1.80−1.61(m,2H),1.45−1.25(m,2H),1.22(t,J=7.1Hz,3H)。
段階F
Figure 2009502884
水酸化リチウム(71mg、1.66ミリモル)の水(5mL)中溶液を0℃において48(451mg、853ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に加えた。0℃における3時間後に、反応混合物を水(25mL)で希釈し、次に1N HClでpH3に酸性化した。生じた溶液をAcOEt酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、90:10)により精製して234mg(72%)の49を生成した:8.18(s,1H),7.66(s,1H),5.69(dd,J=18.0Hz,7.6Hz,1H),5.37(t,J=9.6Hz,1H),4.68(dd,J=9.6Hz,7.6Hz,1H),4.78−4.11(bs,1H),4.18−3.91(m,2H),3.79−3.61(m,2H),3.34(d,J=11.1Hz,1H),3.19−3.06(m,1H),2.85(s,3H),2.34−2.09(m,4H),2.00−1.89(m,2H),1.73(dd,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),1.69−1.52(m,2H),1.40−1.27(m,2H),1.20(t,J=7.1Hz,3H)。
段階G
Figure 2009502884
水素化ナトリウム(68.25mg、1.7ミリモル)を小部分ずつ0℃において49(260mg、0.683ミリモル)のDMF(8mL)中溶液に加えた。混合物を室温において2時間にわたり撹拌した。次に、イソキノリン19(241mg、0.887ミリモル)を窒素下で一部分で加えた。混合物を室温に暖めた。20時間後に、反応混合物を氷冷水(20mL)の中に注ぎそしてCHClで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 96/4)による精製、その後の前記の如きエステルの加水分解が、159mg(40%)の標的生成物50を白色粉末として与えた:m/z=588(M+H)H−NMR(
CDCl):8.13(d,J=9.1Hz,1H),7.97(d,J=6.2Hz,1H),7.54(d,J=6.2Hz,1H),7.39−7.30(bs,1H),7.22(d,J=9.2Hz,1H),5.90−5.83(bs,1H),5.71(dd,J=17.9Hz,8.1Hz,1H),5.18(t,J=10.1Hz,1H),4.79(dd,J=9.1Hz,7.3Hz,1H),4.10−3.97(m,4H),3.81−3.66(m,1H),3.62(d,1H,J=11.6Hz,1H),3.19−3.05(m,1H),2.85(s,3H),2.59−2.22(m,4H),2.01−1.90(m,1H),1.89(dd,J=8.6Hz,5.8Hz,1H),1.70(dd,J=9.8Hz,6.1Hz,1H),1.67−1.58(m,2H),1.43−1.28(m,2H)。
実施例13:N−[17−(5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(51)の合成。
Figure 2009502884
50(151mg、0.257ミリモル)およびカルボニルジイミダゾール(162mg、0.437ミリモル)の乾燥THF(10mL)中溶液を窒素下で2時間にわたり加熱還流した。場合により、所望するなら、アザラクトン誘導体を単離することができる。次に、反応混合物を室温に冷却しそしてシクロプロピルスルホンアミド(58mg、0.482ミリモル)およびDBU(76mg、0.502ミリモル)を加えた。生じた溶液を50℃において12時間にわたり撹拌し、次に室温に冷却した。反応混合物を水でクエンチしそしてAcOEt酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。粗製物質をカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、95:5)により精製した。得られた固体を水の中で粉砕し、濾過し、高真空下で乾燥し、ジエチルエーテルの中で粉砕しそして高真空下で再び乾燥して138mg(77%)の標記生成物51を白色粉末として与えた:m/z=691(M+H)H−NMR(CDCl):10.70(br s,1H),8.12(d,J=9.1Hz,1H),7.97(d,J=6.3Hz,1H),7.54(d,J=6.3Hz,1H),7.21(d,J=9.1Hz,1H),6.70(bs,1H),5.88(bs,1H),5.74(dd,J=17.3Hz,8.3Hz,1H),5.16(t,J=10.4Hz,1H),4.74(dd,J=9.4Hz,7.3Hz,1H),4.11−3.98(m,4H),3.69−3.55(m,2H),3.27−3.10(m,1H),3.02−2.89(m,1H),2.83(s,3H),2.58−2.35(m,3H),2.29−2.13(m,1H),2.11−1.92(m,2H),1.75−0.76(m,9H)。
実施例14:N−[17−[5−(4−メチル−3−ピリジル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(52)の合成。
Figure 2009502884
51(17.3mg、0.025ミリモル)、6−メチルピリジン−3−ボロン酸(5.9mg、0.028ミリモル)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(8.2mg、0.005ミリモル)および炭酸ナトリウム(5.8mg、0.005ミリモル)のDMF(2mL)中溶液を20時間にわたり90℃に暖めた。次に、反応混合物を室温に冷却しそして溶媒を蒸発させた。残渣をHPLCにより精製して3.7mg(21%)の標記生成物52を白色粉末として与えた。m/z=703(M+H)H−NMR(CDCl):10.6(bs,1H),8.8(s,1H),8.12(d,J=9.1Hz,1H),7.97(d,J=6.3Hz,1H),7.9(d,J=9.0Hz,1H),7.54(d,J=6.3Hz,1H),7.3(d,J=9.0Hz,1H),7.21(d,J=9.1Hz,1H),6.68(br s,1H),5.87(br s,1H),5.74(dd,J=17.3Hz,8.3Hz,1H),5.16(t,J=10.4Hz,1H),4.74(dd,J=9.4Hz,7.3Hz,1H),4.11−3.98(m,4H),3.69−3.55(m,2H),3.27−3.10(m,1H),3.02−2.89(m,1H),2.83(s,3H),2.58−2.35(m,3H),2.50(s,3H),2.29−2.13(m,1H),2.11−1.92(m,2H),0.75−1.76(m,9H)。
実施例15:N−[17−[5−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(53)の合成。
Figure 2009502884
N−[17−(5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(51、実施例13)および4−メトキシベンゼンボロン酸から、N−[17−[5−(4−メチル−3−ピリジル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(52、実施例14)に関して記載された工程に従い、標記生成物が製造された:m/z=718(M+H)
実施例16:N−[17−[5−フェニル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(54)の合成。
Figure 2009502884
N−[17−(5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(
51、実施例13)およびベンゼンボロン酸から、N−[17−[5−(4−メチル−3−ピリジル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(52、実施例14)に関して記載された工程に従い、標記生成物が製造された:m/z=688(M+H)
実施例17:17−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(55)の合成。
Figure 2009502884
1−クロロ−6−メトキシイソキノリン10から、17−(3−クロロ−6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42、実施例10)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物55が製造された:m/z=509(M+H)H−NMR(CDCl):7.98(d,J=9.2Hz,1H),7.9(d,J=6.1Hz,1H),7.2(s,1H),7.1(dd,J=9.2Hz,2.4Hz,1H),7.10(d,J=6.1Hz,1H),6.90(d,J=2.4Hz,1H),5.85(br s,1H),5.65(dd,J=18.2Hz,8.0Hz,1H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),4.80(t,J=7.2Hz,1H),4.05(dd,J=11.3Hz,3.7Hz,1H),3.90(s,3H),3.70−3.80(m,1H),3.60(d,J=11.3Hz,1H),2.85(s,3H),2.80−2.85(m,1H),2.25−2.50(m,4H),1.95−2.00(m,1H),2.90(dd,J=8.6Hz,5.9Hz,1H),1.55−1.60(m,3H),1.30−1.50(m,3H)。
実施例18:N−[17−(3−フェニル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(56)の合成。
Figure 2009502884
17−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(55)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物56が製造された:m/z=688(M+H)
実施例19:17−(3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(57)の合成。
Figure 2009502884
1−クロロ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−メトキシイソキノリンから、17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42、実施例10)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物57が製造された:m/z=669(M+H)H−NMR(CDCl):8.08(d,J=8.4Hz,2H),8.02(d,J=9.1Hz,1H),7.55(s,1H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),7.11(dd,J=9.1Hz,1.5,1H),7.05(d,J=1.5Hz,1H),6.07−5.95(bs,1H),5.71(dd,J=8.8Hz,J=17.4Hz,1H),5.24−5.09(m,1H),4.84−4.79(m,1H),4.14−4.03(m,1H),3.92(s,3H),3.77−3.58(m,3H),3.20−3.07(m,1H),2.86(s,3H),2.63−2.
38(m,3H),2.38−2.22(m,1H),2.01−1.84(m,2H),1.74−1.38(m,5H)。
実施例20:N−[17−(3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(58)の合成。
Figure 2009502884
17−(3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(57)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物58が製造された:m/z=772(M+H)H−NMR(CDCl):10.63−10.57(br s,1H),8.00(d,J=8.5Hz,2H),7.94(d,J=9.0Hz,1H),7.49(s,1H),7.26(d,J=8.5Hz,2H),7.01(dd,J=9.0Hz,2.4,1H),6.98(d,J=2.4Hz,1H),6.79−6.72(bs,1H),5.98−5.92(m,1H),5.67(dd,J=7.8Hz,J=18.9Hz,1H),5.09(t,J=10.4Hz,1H),4.71(t,J=8.1Hz,1H),4.03(dd,J=11.0Hz,4.0,1H),3.85(s,3H),3.64(d,J=11.0Hz,1H),3.61−3.53(m,1H),3.15−3.03(m,1H),2.93−2.82(m,1H),2.77(s,3H),2.54−2.38(m,3H),2.25−2.08(m,1H),2.04−1.87(m,2H),1.66−0.86(m,9H)。
実施例21:17−(4−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(65)の合成。
段階A
Figure 2009502884
DIAD(8.2g、41ミリモル)を0℃において窒素雰囲気下で44(10g、27ミリモル)、4−ニトロ安息香酸(6.8g、41ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(11g、41ミリモル)の乾燥THF(200mL)中溶液に加えた。次に、反応物を室温に暖めた。12時間後に、溶媒を蒸発させそして粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(AcOEt/CHClの勾配、95/5〜75/25)により精製して8.1g(58%)の標的生成物を与えた。m/z=407(M+H)H−NMR(CDCl):8.20(s,4H),5.65−5.80(m,1H),5.55(br s,1H),5.2(dd,J=17.0Hz,10.2Hz,1H),4.4−4.5(m,1H),3.9−4.1(m,2H),3.75−3.85(m,1H),3.6−3.7(m,1H),2.0−2.1(m,1H),1.80−1.90(m,1H),1.50−1.70(m,5),1.50(s,9H),1.10(t,J=7.1Hz,3H)。
段階B
Figure 2009502884
59(6.89g、13.3ミリモル)のTFA−DCM1:4(250mL)中溶液を室温において4時間にわたり保った。次に、トルエン(30mL)を加えそして溶液を蒸発乾固して標的化合物60(HPLCによる純度>97%)を与えた:m/z=418(M+H)
段階C
Figure 2009502884
ホスゲン(1.6mL、トルエン中1.9M、4.5当量)を60(5.56g、13.3ミリモル)および炭酸水素ナトリウム(11.5g、137ミリモル)のTHF(120mL)中混合物に加えた。室温における1.5時間後に、反応混合物を濾過し、生じた濾液を蒸発させそして粗製物質をジクロロメタン(35mL)の中に再溶解させた。次に、炭酸水素ナトリウム(11.55g、137ミリモル)を、引き続き(ヘキシ−5−エニル)(メチル)アミン21(2.65g、23.4ミリモル)を加えた。室温における12時間後に、反応混合物を濾過した。次に、水を加えそして混合物をジクロロメタンで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(CHCl/AcOEt、95:5)により精製して7.41g(58%)の標的生成物61を与えた:m/z=557(M+H)H−NMR(CDCl):8.28(d,J=8.9Hz,2H),8.13(d,J=8.9Hz,2H),7.39(s,1H),5.81−5.62(m,2H),5.56(t,J=3.8Hz,1H),5.29(dd,J=17.2Hz,1.3Hz,1H),5.12(dd,J=10.4Hz,1.52Hz,1H),5.00−4.86(m,3H),4.20−4.06(m,2H),3.79(dd,J=12.1Hz,3.5Hz,1H),3.57(dd,J=12.1Hz,1.8Hz,1H),3.48−3.37(m,1H),3.10−3.00(m,1H),2.87(s,3H),2.77−2.67(m,1H),2.41−2.32(m,1H),2.10(dd,J=8.6,17.4Hz,1H),1.98(dd,J=14.4Hz,7.1Hz,2H),1.88(dd,J=8.1Hz,5.6Hz,1H),1.57−1.46(m,3H),1.35−1.18(m,5H)。
段階D
Figure 2009502884
水酸化リチウム(632mg、14.8ミリモル)の水(40mL)中溶液を0℃において61(4.34g、6.39ミリモル)のTHF(180mL)中溶液に加えた。0℃における2時間後に、反応混合物を水(25mL)で希釈し、次に1N HClでpH
6に酸性化した。生じた溶液をAcOEt酢酸エチルで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、96:04)により精製して2.1g(80%)の62を与えた:m/z=408(M+H)H−NMR(CDCl):5.84−5.68(m,2H),5.29(dd,J=17.2Hz,1.3Hz,1H),5.12(dd,J=10.4Hz,1.52,1H),5.05−4.93(m,2H),4.78(dd,J=9.1Hz,1.77,1H),4.60(d,J=9.1,1H),4.46−4.37(m,1H),4.24−4.05(m,2H),3.66(d,J=10.4Hz,1H),3.43(dd,J=10.4Hz,4.55,1H),3.37−3.26(m,1H),3.17−3.07(m,1H),2.88(s,3H),2.29−2.02(m,5H)1.87(dd,J=8.3Hz,5.6,1H),1.67−1.52(m,3H),1.49(dd,J=9.8Hz,5.31,1H),1.44−1.38(m,2H),1.22(t,J=7.1Hz,3H)。
段階E
Figure 2009502884
DIAD(669mg、3.31ミリモル)を−25℃において窒素雰囲気下で62(900mg、2.208ミリモル)、イソキノリン13(673mg、2.65ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(810mg、3.1ミリモル)の乾燥THF(50mL)中溶液に加えた。次に、反応物を−10〜−15℃の間に3時間にわたり保った。混合物を氷冷水溶液の上に注ぎそして酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/CHClの勾配、90/10)により精製して1gの標的生成物63を与えた:m/z=644(M+H)
段階F
Figure 2009502884
63(1g、1.55ミリモル)およびホベイダ−グラブス触媒第一世代(186mg、310ミリモル)の脱気された乾燥ジクロロエタン(1.0L)中混合物を窒素下で20時間にわたり70℃に暖めた。反応混合物を室温に冷却しそして回転蒸発により濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、90:10)により精製して360mg(38%)の所望する化合物64をベージュ色固体として与えた:m/z=616(M+H)
段階G
Figure 2009502884
水(3mL)中の水酸化リチウム(375mg、8.77ミリモル)を64(360mg、0.585ミリモル)のテトラヒドロフラン(15mL)およびメタノール(5mL)中溶液に加えた。室温における48時間後に、水を加えそして1N HClで生じた溶液のpHを3に調節した。次に、反応混合物をEtOAc酢酸エチルで抽出し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させた。残渣をジエチルエーテルと共に粉砕しそして濾過して300mg(87%)の標記生成物65を白色粉末として与えた:m/z=588(M+H)H−NMR(CDCl):8.5(s,1H),8.2(d,J=9.1Hz,1H),7.35(br s,1H),7.3(d,J=2.5Hz,1H),7.17(dd,J=9.1Hz,2.5Hz,1H),5.8−5.85(br s,1H),5.7(dd,J=18.3Hz,7.8Hz,1H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),4.80(dd,J=9.2Hz,7,1H),4.05(dd,J=11.2Hz,4Hz,1H),3.95(s,3H),3.70−3.80(m,1H),3.60(d,J=11.2Hz,1H),3−3.1(m,1H),2.85(s,3H),2.40−2.50(m,3H),2.25−2.40(m,1H),1.85−1.95(m,3H),1.6−1.7(m,4H)。
実施例22:N−[17−(4−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(66)の合成。
Figure 2009502884
17−(4−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(65)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物66が製造された:m/z=691(M+H)H−NMR(CDCl):10.7(br s,1H),8.09(d,J=9.1Hz,1H),7.3(d,J=2.4Hz,1H),7.25(s,1H),7.15(dd,J=9.1Hz,2.4,1H),7(br s,1H),5.8(br s,1H),5.74(dd,J=18.2Hz,8,1H),5.16(t,J=10.3Hz,1H),4.74(dd,J=9.3Hz,7,1H),4.05(dd,J=11.1Hz,4,1H),3.95(s,3H),3.6(d,J=11.1Hz,1H),3.1−3.2(m,1H),2.9−3(m,1H),2.83(s,3H),2.4−2.5(m,3H),2.19−2(m,2H),2.5−2.7(m,4H),1.4−1(m,3H),1.2−1.35(m,2H),1.05−1.15(m,1H),0.95−1(m,1H)。
実施例23:17−(3−ピラゾール−1−イル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(67)の合成。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−6−メトキシ−3−(ピラゾール−1−イル)イソキノリンから、17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42、実施例10)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物67が製造された:m/z=575(M+H)
実施例24:N−[17−(3−ピラゾール−1−イル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(68)の合成。
Figure 2009502884
17−(3−ピラゾール−1−イル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(67)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物68が製造された:m/z=678(M+H)H−NMR(CDCl):10.5(br s,1H),8.4(dd,J=2.5Hz,0.5,1H),8(d,J=9.8Hz,1H),7.75(s,2H),7.00−7.10(m,2H),6.55(s,1H),6.45(dd,J=2.5Hz,0.5,1H),5.95(br s,1H),5.75(dd,J=18.1Hz,8Hz,1H),5.1(t,J=10.3Hz,1H),4.75(t,J=7.0Hz,1H),4.1(dd,J=11.0Hz,4.3,1H),3.90(s,3H),3.70(d,J=11.0Hz,1H),3.10−3.20(m,1H),2.90−3.01(m,1H),2.85(s,3H),2.50−2.62(m,3H),2.20−2.30(m,1H),1.90−2.00(m,2H),1.55−1.60(m,4H),1.30−1.50(m,6H)。
実施例25:17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(69)の合成。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン(6)から、17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42、実施例10)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物69が製造された:m/z=634(M+H)
実施例26:N−[17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(70)の合成。
Figure 2009502884
17−[3−(4−イソプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(69)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物70が製造された:m/z=737(M+H)
実施例27:17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(71)の合成。
Figure 2009502884
1−ヒドロキシ−3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリンから、17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42、実施例10)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物71が製造された:m/z=649(M+H)
実施例28:N−[17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(72)の合成。
Figure 2009502884
17−[3−(2−イソプロピルアミノチアゾール−4−イル)−6−メトキシイソキ
ノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(71)から、N−[17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(43、実施例11)の製造に関して記載された同じ工程に従い、標記生成物72が製造された:m/z=752(M+H)H NMR(CDCl):0.93−1.03(m,1H),1.05−1.15(m,1H),1.18−1.28(m,3H),1.32(d,J=6.6Hz,3H),1.34(d,J=6.6Hz,3H),1.36−1.67(m,4H),1.93−2.07(m,2H),2.22−2.36(m,1H),2.45−2.65(m,3H),2.85(s,3H),2.91−3.00(m,1H),3.05−3.17(m,1H),3.64−3.80(m,3H),3.89(s,3H),4.08(dd,J=3.8Hz,J=10.9Hz,1H),4.78(t,J=8.1Hz,1H),5.15(t,J=10.4Hz,1H),5.21−5.36(広いs,1H),5.73(dd,J=8.1Hz,J=18.4Hz,1H),5.94−6.02(m,1H),6.92−6.99(広いs,1H),7.00−7.07(m,2H),7.22(s,1H),7.74(s,1H),7.95(d,J=8.6Hz,1H),10.54−10.99(広いs,1H)。
実施例29:18−[5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−2,15−ジオキソ−3,14,16−トリアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデセ−7−エン−4−カルボン酸(74)の合成。
段階A
Figure 2009502884
Boc−ヒドロキシプロリン(1.15g、4.99ミリモル)のTHF(50mL)中溶液にNaH(鉱油中60%、500mg、12.5ミリモル)を加えた。生じた溶液を室温において1時間にわたり撹拌し、その後に5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン(1.36g、4.99ミリモル)を加えた。室温における窒素下での48時間後に、反応混合物を氷冷水でクエンチし、HClでpH4に酸性化し、そして酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(勾配EtOAc/CHCl、5:95〜50:50)により精製して751mg(32.2%)の73を白色固体として与えた:m/z=468(M+H)
18−[5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−2,15−ジオキソ−3,14,16−トリアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデセ−7−エン−4−カルボン酸(74)の合成。
段階B
Figure 2009502884
中間体73およびヘプト−8−エンアミンから、17−(3−クロロ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13,15−トリアザ−トリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボン酸(42)に関して報告された工程(段階B−F)に従い、標記化合物が製造された:m/z=468(M+H)
実施例30:N−[18−[5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−2,15−ジオキソ−3,14,16−トリアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(75)の合成。
Figure 2009502884
18−[5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−2,15−ジオキソ−3,14,16−トリアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデセ−7−エン−4−カルボン酸(74)から、N−[17−[3−(4−シクロプロピルチアゾール−2−イル)−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ]−13−メチル−2,14−ジオキソ−3,13−ジアザトリシクロ[13.3.0.04,6]オクタデセ−7−エン−4−カルボニル](シクロプロピル)スルホンアミド(30)の合成に関して報告された工程に従い、標記化合物が製造された:m/z=691(M+H)
実施例31:結晶性シクロペンタンの合成
3−オキソ−2−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(77)の合成
Figure 2009502884
DMAP(14mg、0.115ミリモル)およびBocC(252mg、1.44
ミリモル)を76(180mg、1.15ミリモル)の2mLのCHCl中の撹拌された溶液に不活性アルゴン雰囲気下で0℃において加えた。反応物を室温に暖めそして一晩にわたり撹拌した。反応混合物を濃縮しそして粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル勾配 15:1、9:1、6:1、4:1、2:1)により精製し、それが標記化合物(124mg、51%)を白色結晶として与えた。
H−NMR(300MHz,CDOD)δ1.45(s,9H),1.90(d,J=11.0Hz,1H),2.10−2.19(m,3H),2.76−2.83(m,1H),3.10(s,1H),4.99(s,1H);13C−NMR(75.5MHz,CDOD)δ27.1,33.0,37.7,40.8,46.1,81.1,81.6,172.0,177.7。
化合物77の別の製造方法
Figure 2009502884
化合物76(13.9g、89ミリモル)をジクロロメタン(200ml)の中に溶解させそして次に窒素下で約−10℃に冷却した。イソブチレンを次に溶液の中に合計量が約250mlに増加するまで泡立たせ、それが濁った溶液を与えた。BF.EtO(5.6ml、44.5ミリモル、0.5当量)を加えそして反応混合物を窒素下で約−10℃に保った。10分後に、透明な溶液が得られた。反応をTLC(数滴の酢酸で酸性化された酢酸エチル−tトルエン3:2およびヘキサン−EtOAc酢酸エチル4:1、塩基性過マンガン酸塩溶液で染色)により監視した。70分において、痕跡量だけの化合物76が残存しそして水性飽和NaHCO(200ml)を反応混合物に加え、それを次に10分間にわたり激しく撹拌した。有機層を飽和NaHCO(3×200ml)および食塩水(1×150ml)で洗浄し、次に亜硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして残渣を蒸発させて油状残渣とした。残渣に対するヘキサンの添加が透明な溶液を与え、そこから生成物が結晶化した。結晶を濾過により集めそしてヘキサン(室温)で洗浄し、次に72時間にわたり空気−乾燥して無色の針状結晶(12.45g、58.7ミリモル、66%)を与えた。
実施例32:式(I)の化合物の活性
レプリコン検定
式(I)の化合物を細胞検定においてHCV RNA複製の阻害における活性に関して試験した。検定は、式(I)の化合物が細胞培養物中のHCVレプリコン機能に対して活性を示したことを示した。細胞検定は、複数−標的スクリーニング方式でのKrieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624により記載されている変更を伴うLoamann et al.(1999)Science vol.285 pp.110−113に記載されているビシストロニック(bicistronic)発現構築体に基づく。基本的に、この方法は以下の通りであった。検定は安定的にトランスフェクトされた細胞系統Huh−7luc/nec(以下でHuh−Lucと称する)を使用した。この細胞系統はレポーター部分(FfL−ルシフェラーゼ)により先導された脳心筋炎ウイルス(EMCV)からの内部リボソーム侵入部位(IRES)および選択可能マーカー部分(neo、ネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼ)から翻訳された1b型HCVの野生型NS3−NS5Bを含んでなるビシストロニック発現構築体をコードするRNAを固定する。構築体は1b型HCVか
らの5’および3’NTR類(翻訳されていない領域)により隣接される。G418(neo)の存在下におけるレプリコン細胞の連続的な培養はHCV RNAの複製に依存する。自律的にそして高レベルまで複製するHCV RNAを発現してとりわけルシフェラーゼをコードする安定的にトランスフェクトされたレプリコン細胞が抗ウイルス化合物をスクリーニングするために使用された。
レプリコン細胞を384個のウエルプレートの中で種々の濃度で加えられた試験および対照化合物の存在下でプレート培養した。3日間のインキュベーション後に、(標準的なルシフェラーゼ検定基質試薬並びにパーキン・エルマー・ビューラックス(Perkin
Elmer ViewLux)TmウルトラHTSマイクロプレート・イメージャーを用いて)ルシフェラーゼ活性を評価することによりHCV複製を測定した。対照培養物中のレプリコン細胞は阻害剤の不存在下では高いルシフェラーゼ発現を有していた。ルシフェラーゼ活性に対する化合物の阻害活性はHuh−Luc細胞に関して監視され、各試験化合物に関する服用量−応答曲線を可能にした。EC50値を次に計算し、その値は検出されたルシフェラーゼ活性のレベルを50%ほど低下させるために必要な化合物の量、すなわちより具体的には、遺伝的に結合されたHCVレプリコンRNAが複製する能力、を表わす。
阻害検定
このインビトロ検定の目的は、本発明の化合物によるHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体の阻害を測定することであった。この検定は本発明の化合物がHCV NS3/4A蛋白質分解活性の阻害においてどのように有効であるかを示す。
全長C型肝炎NS3プロテアーゼ酵素の阻害は本質的にPoliakov,2002 Prot Expression & Purification 25 363 371に記載された通りにして測定された。簡単に述べると、デプシペプチド基質であるAc−DED(Edans)EEAbuψ[COO]ASK(Dabcyl)−NH(アナスペック(AnaSpec)、サンノゼ、米国)をペプチド補因子であるKKGSVVIVGRIVLSGK(エーケ・エングストレム(Åke Engstroem)、医学生化学および微生物部門、アップサラ(Uppsala)大学、スウェーデン)の存在下で分光蛍光法で測定した。[Landro,1997 #Biochem 36 9340−9348]。酵素(1nM)を50mMのへペス(HEPES)、pH7.5、10mMのDTT、40%のグリセロール、0.1%のn−オクチル−D−グルコシドの中で、25μMのNS4A補因子および阻害剤と共に、30℃において10分間にわたりインキュベートし、その時点で0.5μMの基質の添加により反応を開始した。阻害剤をDMSOの中に溶解させ、30分間にわたり超音波処理しそして撹拌した。測定中は溶液を−20℃において貯蔵した。
検定試料中のDMSOの最終濃度を3.3%に調節した。加水分解の速度を発表された工程に従い内部フィルター効果に関して補正した。[Liu,1999 Analytical Biochemistry 267 331−335]。競合阻害に関するモデルおよびKmに関する固定値(0.15μM)を用いる非−線状回帰分析(GraFit,Erithacus Software,Staines,MX,UK)によりKi値を推定した。全ての測定に関して最低2回の複製を行った。
以下の表1は、上記実施例のいずれかに従い製造された化合物を挙げる。試験した化合物の活性も記されている。
Figure 2009502884

Claims (14)


  1. Figure 2009502884
    [式中、
    XはN、CHであり、そしてXが二重結合を有する場合にはそれはCであり、
    は−OR、−NH−SOであり、
    は水素であり、そしてXがCまたはCHである場合にはRはまたC1−6アルキルであることもでき、
    は水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、またはC3−7シクロアルキルであり、
    は場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニル−アミノ、アリール、およびHetから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいイソキノリニルであり、
    nは3、4、5、または6であり、
    ここで各々の点線(−−−−−により表示される)は場合により存在する二重結合を表わし、
    は水素、アリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、
    はアリール、Het、場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいC3−7シクロアルキル、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリールもしくはHetで置換されていてもよいC1−6アルキルであり、
    基または基の一部としての各々のアリールは場合によりハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、シクロプロピル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキルピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニルピペラジニル、およびモルホリニルから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、そしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよく、
    そして
    基または基の一部としての各々のHetは各々が窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しそして場合により各々がハロ、ヒドロキシ、ニトロ
    、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキル−ピペラジニル、4−C1−6アルキルカルボニル−ピペラジニル、およびモルホリニルよりなる群から独立して選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていてもよくそしてここでモルホリニルおよびピペリジニル基は場合により1もしくは2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5もしくは6員の飽和、部分的不飽和または完全不飽和の複素環式環である]
    を有する化合物、そのN−オキシド、塩、または立体異性体。
  2. 化合物が式(I−c)、(I−d)、または(I−e):
    Figure 2009502884
    を有する請求項1に記載の化合物。

  3. Figure 2009502884
    であり、
    ここで各々のR4bおよびR4b’は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノ、モノ−もしくはジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アリール、またはHetであり、そして
    4dおよびR4d’は独立して水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、またはハロである、
    請求項1−2のいずれか1項に記載の化合物。

  4. Figure 2009502884
    であり、
    ここでR4aは以下の部分
    Figure 2009502884
    から選択され、
    ここでR4cは、各々独立して、水素、ハロ、C1−6アルキル、アミノ、またはモノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−C1−6アルキル−ピペラジニルであり、そして
    4bは水素、ハロ、またはトリフルオロメチルである、
    請求項1−2のいずれか1項に記載の化合物。
  5. a)Rが−ORであり、ここでRはC1−6アルキルまたは水素であり、或いは
    b)Rが−NHS(=O)であり、ここでRはメチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、またはフェニルである、
    請求項1−4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. が水素またはC1−6アルキルである請求項1−5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. nが4または5である請求項1−6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. N−オキシド、または塩以外である請求項1−7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. (a)請求項1−7のいずれか1項で定義された化合物またはその製薬学的に許容可能な塩、および
    (b)リトナビル(ritonavir)、またはその製薬学的に許容可能な塩
    を含んでなる組み合わせ。
  10. 担体、および活性成分としての抗−ウイルス的に有効な量の請求項1−7のいずれか1項で請求された化合物または請求項9に記載の組み合わせを含んでなる製薬学的組成物。
  11. 薬品としての使用のための、請求項1−7のいずれか1項に記載の化合物または請求項9に記載の組み合わせ。
  12. HCV複製を阻害する薬品の製造のための、請求項1−7のいずれか1項に記載の化合物または請求項9に記載の組み合わせの使用。
  13. 有効量の請求項1−7のいずれか1項に記載の化合物または有効量の請求項9に記載の組み合わせの各成分を投与することを含んでなる温血動物におけるHCV複製の阻害方法。
  14. (a)以下の反応スキーム:
    Figure 2009502884
    に概略記述されているように、大員環への環化と同時に、特にオレフィンメタセシス反応により、CおよびCの間に二重結合を形成せしめることにより、式(I−i)の化合物であるCおよびCの間の結合が二重結合である式(I)の化合物を製造し、
    (b)式(I−j)の化合物内のC7−C8二重結合の還元により、式(I−i)の化合物を大員環内のC7およびC8の間の結合が単結合である式(I)の化合物、すなわち(I−j)の化合物:
    Figure 2009502884
    に転化し、
    (c)Gが基
    Figure 2009502884
    を表す以下の反応スキーム:
    Figure 2009502884
    に概略記述されているように、中間体(2a)およびスルホニルアミン(2b)の間にアミド結合を形成せしめることにより式(I−k−1)により表示されるRが−NHSOを表わす式(I)の化合物を製造するか、或いは中間体(2a)およびアルコール(2c)の間にエステル結合を形成せしめることによりRが−ORを表わす式(I)の化合物、すなわち化合物(I−k−2)、を製造し、
    (d)PGが窒素保護基を表わす対応する窒素−保護された中間体(3a)から(I−1)により表示されるRが水素である式(I)の化合物を製造し:
    Figure 2009502884
    (e)以下の反応スキーム:
    Figure 2009502884
    に概略記述されているように、中間体(4a)を中間体(4b)と反応させ、ここで(4a)におけるYはヒドロキシまたは脱離基であり、この反応は特にYが脱離基であるO−アリール化反応またはYがヒドロキシであるミツノブ反応であり、
    (f)式(I)の化合物を官能基転換反応により互いに転化させ、或いは
    (g)式(I)の化合物の遊離形態を酸または塩基と反応させることにより塩形態を製造する
    ことを含んでなる請求項1−8のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
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