JP2009502450A - 高い機械的、熱的及び化学的な安定性を有するフィッシャー−トロプシュ触媒の調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
CO及びH2の間の反応は、好ましくは一般的には触媒の粒子からなる固形物を気流及び液流によって懸濁する気-液-固相の流動化反応器で行われる。前者は一般的に試薬種、すなわちCO及びH2からなり、後者は場合によっては少なくとも部分的にリサイクルされるフィッシャー-トロプシュ反応によって製造された炭化水素、又は該方法条件下の材料液体、又は関連する混合物からの炭化水素からなる。
気体及び任意にリサイクルされる液体は特別な分配器を用いてカラムの底部から供給され、該気体及び液体の流速はカラム内の乱流管理を保証するようなものである。
固体粒子はさらに、液体生成物から容易に分離するために十分大きい寸法を有するべきであるが、無視でき且つ容易に流動化される粒子内拡散制限(単位粒子効率)を考慮するように十分小さくあるべきである。
スラリー反応器で用いる固体粒子の平均直径は1〜200μmで変化させ、10μmより小さい寸法を有する粒子でも操作することができるが、液体生成物からの固形物の分離に関しては極端に煩わしい。
ケイ素の上記添加は、異なる合成手順で行うことができる:
1. アルミナ合成中に直接ケイ素を導入する、
2. 前形成されたアルミナに後処理することによってケイ素を沈着させる、
3. 手順1に従ってすでに安定化されているアルミナに後処理することによってケイ素を沈着させる、
4. 触媒(Al2O3+Co3O4+SiO2)にケイ素を沈着させる。
WO-9942214は、含浸中に該活性種(コバルト)の水相においてアルミナの表面の反応性を低下させるための同じ有機ケイ素化合物を用いる。
a)一般式(I)を有するものから選択されるケイ素化合物によるアルミナの処理工程、
Si(OR)4-nR'n (I)
式中、nは1〜3であり、
R'は1〜20個の炭素原子を有する第一級ヒドロカルビル基から選択され、R'は好ましくは第一級C1-C10アルキル基から選択され;
Rは1〜6個の炭素原子を有する第一級ヒドロカルビル基から選択され、Rは好ましくは第一級C1-C4アルキル基から選択される;
b)工程(a)の後に得られる修飾キャリアの乾燥とそれに続く焼成によってシラン化キャリアを得る工程;
c)工程(b)の後に得られるシラン化キャリア上におけるコバルトの沈着工程;
d)工程(c)の後に得られる担持されたコバルトの乾燥及びそれに続く焼成によって最終触媒前駆体を得る工程;を含み、
上記最終触媒前駆体が4.5〜10質量%、好ましくは6〜7質量%の一般式(I)を有する化合物由来のSiO2含有量を有する方法に関する。
一般式(I)を有する化合物の典型例は、同一でも異なっていてもよいR及びR'が、CH3、CH2CH3、(CH2)2CH3、イソC4H9、(CH2)5CH3、(CH2)7CH3、(CH2)9CH3、(CH2)11CH3、CHCH2、C6H5から選択されるものである。
好ましい実施態様では、R及びR'がCH3及びCH2CH3から選択される。さらに好ましくは、一般式(I)を有する化合物がメチル-トリ-メトキシ-シラン(R=R'、n=1)である。
最終工程(d)は、工程(b)に記載されている手順に従って行う。
以下の実験部分では、シラン化による水和現象、フィッシャー-トロプシュ法のための極端な条件を模擬する種々の水和試験、及びシラン化で得られる修飾後に得られた触媒の効率を説明するのに好適なフィッシャー-トロプシュ条件下における触媒試験に対して安定化されている触媒の製造方法が参照される。
テトラ-アルコキシシラン、例えばTEOS=テトラ-エチルオルトシリケートに対する一般式(I)を有する化合物の特定の効率が示される。
微細球状ベーマイトを、450℃で1時間行われる第一の焼成、それに続く空気流下のマッフルにおける900℃で4時間の焼成に付した。以下の特性を有するアルミナが得られた:
表面積 170m2g-1
細孔容積 0.45m3g-1
平均粒径 55μm
5質量%のSiO2を含有する微細球状ベーマイトを、450℃で1時間行われる第一の焼成、それに続く空気流下のマッフルにおける1,000℃で4時間の焼成に付した。以下の特性を有するアルミナが得られた:
表面積 170m2g-1
細孔容積 0.43m3g-1
平均粒径 55μm
50gのサンプルAを、湿気吸水方法を用いる単一工程において、50ccの硝酸コバルト水溶液で含浸した。この溶液は、43.55gのCo(NO3)2・6H2Oを上記体積に達するような量の水に溶解することによって得た。該材料をオーブンにおいて120℃の温度で16時間、空気流下で乾燥させ、続いて400℃の温度で4時間、再び空気流下で焼成した。焼成した最終生成物は、以下の化学的質量組成:19.4質量%のCo3O4を有し、Al2O3で100まで補った。
該触媒を下記の熱水処理及び触媒試験に付した。
120時間の熱水試験後、ベーマイトの割合は20質量%に等しかった。
50gのサンプルBを、湿気吸水方法を用いる単一工程において、50ccの硝酸コバルト水溶液で含浸した。この溶液は、43.55gのCo(NO3)2・6H2Oを上記体積に達するような量の水に溶解することによって得た。該材料をオーブンにおいて120℃の温度で16時間、空気流下で乾燥させ、続いて400℃の温度で4時間、再び空気流下で焼成した。焼成した最終生成物は、以下の化学的質量組成:19.4質量%のCo3O4、4.0質量%のSiO2を有し、Al2O3で100まで補った。
該触媒を下記のような熱水処理、及び触媒試験に付した。
336時間の熱水試験後、ベーマイトの割合は12質量%に等しかった。
300gのサンプルA、46.9gのMTEOS、300gの工業用エタノールを、2,000mLの容積を有するロータリーエバポレーター(rotavapour)フラスコに入れた;該反応混合物を攪拌しながら4時間75℃で保持した。該溶媒及び過剰なシランを真空下で蒸留した。固形物を4時間140℃で乾燥し、最後に400℃で16時間、空気流下で焼成した。
予めケイ化した50gのアルミナを、湿気吸水方法を用いる単一工程において、50ccの硝酸コバルト水溶液で含浸した。この溶液は、43.55gのCo(NO3)2・6H2Oを上記体積に達するような量の水に溶解することによって得た。該材料をオーブンにおいて120℃の温度で16時間、空気流下で乾燥させ、続いて400℃の温度で4時間、再び空気流下で焼成した。焼成した最終生成物は、以下の化学的質量組成:19.4質量%のCo3O4、4.0質量%のSiO2を有し、Al2O3で100まで補った。
該触媒を下記のような熱水処理、及び触媒試験に付した。
336時間の熱水試験後、ベーマイトの割合は10質量%に等しかった。
300gのサンプルA、77.5gのMTEOS、300gの工業用エタノールを、2,000mLの容積を有するロータリーエバポレーターフラスコに入れた;該反応混合物を攪拌しながら4時間75℃で保持した。該溶媒及び過剰なシランを真空下で蒸留した。固形物を4時間140℃で乾燥し、最後に400℃で16時間、空気流下で焼成した。
予めケイ化した50gのアルミナを、湿気吸水方法を用いる単一工程において、50ccの硝酸コバルト水溶液で含浸した。この溶液は、43.55gのCo(NO3)2・6H2Oを上記体積に達するような量の水に溶解することによって得た。該材料をオーブンにおいて120℃の温度で16時間、空気流下で乾燥させ、続いて400℃の温度で4時間、再び空気流下で焼成した。焼成した最終生成物は、以下の化学的質量組成:19.4質量%のCo3O4、6.5質量%のSiO2を有し、Al2O3で100まで補った。
該触媒を下記のような熱水処理、及び触媒試験に付した。
672時間の熱水試験後、ベーマイトの割合は0質量%に等しかった。
300gのサンプルA、90.4gのTEOS、300gの工業用エタノールを、2,000mLの容積を有するロータリーエバポレーターフラスコに入れた;該反応混合物を攪拌しながら4時間75℃で保持した。該溶媒及び過剰なシランを真空下で蒸留した。固形物を4時間140℃で乾燥し、最後に400℃で16時間、空気流下で焼成した。
予めケイ化した50gのアルミナを、湿気吸水方法を用いる単一工程において、50ccの硝酸コバルト水溶液で含浸した。この溶液は、43.55gのCo(NO3)2・6H2Oを上記体積に達するような量の水に溶解することによって得た。該材料をオーブンにおいて120℃の温度で16時間、空気流下で乾燥させ、続いて400℃の温度で4時間、再び空気流下で焼成した。焼成した最終生成物は、以下の化学的質量組成:19.4質量%のCo3O4、6.5質量%のSiO2を有し、Al2O3で100まで補った。
該触媒を下記のような熱水処理、及び触媒試験に付した。
672時間の熱水試験後、ベーマイトの割合は3.5質量%に等しかった。
上記手順で調製した種々の触媒の水和抵抗を比較するために、部分的な水圧に関して特に強いられるフィッシャー-トロプシュ条件を模擬するのに好適な熱水試験を行った。
6.60gのH2O(0.37mol、体積=6.6cm-3)、18.35gのn-C7H16(0.18mol、体積=26.8cm-3)及び13.20gのn-C5H12(0.18mol、体積=21.1cm-3)を、260.0cm-3の体積を有するステンレス鋼製のオートクレーブに充填した;2.00gのサンプルを得られた混合物に加えた。該オートクレーブを密閉し、回転式オーブンに200℃の温度で一定時間置いた。前もって設定した時間の終了後、オートクレーブを冷却し、固形物を溶媒から濾過によって分離し、アセトンで洗浄し、及び最後に60℃で4時間乾燥した。その後、該固形物を位相制御のためにXRD分析に付した。
試験操作条件下では全圧が32barであり、表1に示す液体/気体組成物を有する。これらの条件下では、サンプルがFT反応条件下でCO転化率>75%に対応する15.5barに等しい部分H2O圧力に付されることが判明する。
熱水条件下で最良の機械的安定性を示したサンプルを触媒試験に付し、フィッシャー-トロプシュ合成におけるそれらの活性を検証した。
触媒を前もって設定した量(20cc)で固定床管状反応器に充填した。該触媒の活性化は、水素(2Nl/時間/l触媒)及び窒素(1Nl/時間/l触媒)における還元により、320-450℃の温度及び1barの圧力で16時間にわたって現場で行った。終了後、反応器を窒素流下で冷却した。
表3. 活性化段階における供給条件
該実施例は、向上した熱水安定性を有するサンプル、すなわちF(MTEOSにより6.5%のSiO2)及びG(TEOSにより6.5%のSiO2)の触媒性能を比較し、固定床反応器における試験で評価した。当該サンプルに対する触媒活性試験のデータを表4に示し、同じ温度で重質生成物(C22+)に対する転化率及び生産力に関して比較した。
従って、MTEOSシランで調製され、4.5質量%〜10質量%の範囲内のSiO2含有量を有するサンプルが好ましい。
Claims (13)
a)一般式(I)を有するものから選択されるケイ素化合物によるアルミナの処理工程、
Si(OR)4-nR'n (I)
式中、nは1〜3であり、
R'は1〜20個の炭素原子を有する第一級ヒドロカルビル基から選択され;
Rは1〜6個の炭素原子を有する第一級ヒドロカルビル基から選択される;
b)工程(a)の後に得られる修飾キャリアの乾燥とそれに続く焼成によってシラン化キャリアを得る工程;
c)工程(b)の後に得られるシラン化キャリア上におけるコバルトの沈着工程;
d)工程(c)の後に得られる担持されたコバルトの乾燥及びそれに続く焼成によって最終触媒前駆体を得る工程;を含み、
上記最終触媒前駆体が4.5〜10質量%の一般式(I)を有する化合物由来のSiO2含有量を有する、方法。
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