JP2009502175A - 野生型krpによる活性サイクリン−cdk複合体阻害の、優性ネガティブ変異krpタンパク質の防御 - Google Patents

野生型krpによる活性サイクリン−cdk複合体阻害の、優性ネガティブ変異krpタンパク質の防御 Download PDF

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Abstract

野生型CKIタンパク質に対して優性ネガティブな拮抗活性を有する変異CDKインヒビター(CKI)ポリペプチド、並びに変異CKIポリペプチドをコードする核酸及びベクターを含む関連の組成物、そしてこのような核酸及びベクターを含む形質転換宿主細胞及びトランスジェニック植物が開示される。また、変異タンパク質を使用して、細胞、特に植物細胞において細胞分裂を調節するための関連の方法が開示される。

Description

関連出願
本出願は、本明細書中にその全体が参考として援用される、2005年7月29日に出願された米国特許出願第60/703,999号に優先権を主張する。
植物は、真核生物と同じ基本的な細胞周期を有する。驚くべきことではないが、これらはまた、細胞周期の異なる相間の移行を調節するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれる真核生物のキナーゼを共有する。Arabidopsis(アラビドプシス)は、細胞周期を研究するために使用されるモデル植物系であり、いくつかのCDK亜群を有する。CDKAは哺乳動物のcdc2(CDK1)に最も類似し、そして高度に保存されたPro Ser Thr Ala Ile Arg Glu(PSTAIRE)アミノ酸配列(配列番号1)を、それらのサイクリン対応物との相互作用を媒介する領域において含む。アラビドプシスはまた、高等動物において保存されない、CDKBと呼ばれるCDKの植物特異的な群を有する。しかし、植物は、G1 CDKs−CDK4及びCDK6に関して、哺乳動物対応物を欠く。CDKAは、G1 CDK(これは植物D型サイクリンにより活性化される)であると提唱されてきたが、CDKBは、S期以降において優先的に発現されることが実証され、それゆえ、G2/M特異的CDKであると同定された。
これらのCDKの活性化/不活性化は、細胞周期を通して細胞を駆動し、そしてまた細胞が細胞周期を抜け出るべき時期を指図する。アラビドプシスは10個のサブクラスに分類される多くとも49個のサイクリンを含む(非特許文献1を参照のこと)。A、B、Dクラスのみが、細胞周期における役割を果たし、そしてCDKを活性化するようである(非特許文献1)。CDKAは、D型サイクリンにより活性化され、一方CDKBは、A及びB型サイクリンにより活性化される。
動物において、CDKは、2つのファミリーのCDKインヒビター(CKI)によってネガティブに調節される。1つのクラスは、CDK4のインヒビター(INK4)と呼ばれ、4つのメンバー(p15、p16、p18、p19)から構成され、これはG1 CDK、すなわちCDK4及びCDK6に結合し、そしてサイクリンを結合することから阻害する。インヒビターの他の群は、キナーゼインヒビタータンパク質(KIP)又はCIP(CDK相互作用タンパク質)タンパク質と呼ばれ、そしてこれらは全ての動物において高度に保存される。CIP/KIPファミリーは、サイクリンAとE−CDK2キナーゼ活性を主に阻害する。植物において、推定のCKIが同定されており(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)、そして精製されたサイクリン/CDKキナーゼ活性をインビトロにおいて阻害することが示されている(非特許文献2;非特許文献6;非特許文献7)。植物CKIの発現は生長を低減することが示され、より小さな器官がより大きな細胞を含有する(非特許文献6;非特許文献8;非特許文献4;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11を参照のこと)。アラビドプシスにおいて、これらのCKIは、CDKのインヒビター(ICK)又はKIP関連性タンパク質(KRP)と呼ばれる。CKIのCIP/KIPファミリーを最も密接に類似する7つのICKファミリーメンバーが同定されている。これらのICK/KRPファミリーメンバーのそれぞれは、p27KIP1に高度なアミノ酸配列同一性を有するが、同一性は、最もC末端の30アミノ酸に制限される。今日までに、INK関連性CKIはいずれの植物においても同定されていない。
サイクリンの過剰発現又はCKIのノックアウトは、十分に均衡された細胞周期エンジンが哺乳動物において容易に混乱されることを説明する。この不均衡は、最終的に加速された細胞周期、増大された動物の大きさ、及び/又は腫瘍発生を導く。CKI「活性」の減少又は完全な消失は、増加されたサイクリン/CDKキナーゼ活性を生じる。この増加された活性は、細胞周期の進行に必要な下流標的のリン酸化を生じ、そして動物は最終的に細胞の過剰増殖を生じる(非特許文献12)。マウスにおけるp27KIP1遺伝子の欠失は、過剰な細胞増殖を導く過剰なサイクリン/cdk活性に起因して、より大きなマウスを生じる(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15)。
KRPファミリーの種々のメンバーの発現を抑制するための機構が存在する。植物における転写後遺伝子抑制(PTGS)は、動物におけるRNA干渉(RNAi)に類似するRNA分解機構である。RNAiは二重鎖RNA(dsRNA)の、短い21〜23塩基対のdsRNAフラグメントへの特異的な分解であり、これは最終的に相同的なRNAの集団の分解において役割を果たす。植物において、PTGSは、2〜3例を挙げるとトウモロコシ、ダイズ、カノーラ(Canola)のような作物を含む多くの植物種において、遺伝子発現を抑制するために逆位反復(IR)戦略を使用する。しかし、IR技術は、IR配列の性能、的外れな遺伝子調節(非特許文献16)、一過性の抑制、全体的なIR安定性などのようないくつかの不都合を有する。これらの不都合は同時に1つよりも多い遺伝子を抑制する必要性により、この場合においてより悪化される。
従来の植物育種は、過去75年にわたり、増加される作物収量について積極的に推進されてきた(非特許文献17)。より最近は、例えば害虫や除草剤に耐性を有するトランスジェニック作物が利用可能になった。しかし、これらのトランスジェニック植物は、収量の不利な条件を伴う(非特許文献18;非特許文献19)。今日までに、種子の大きさの増大又は作物の収量の増加を有する商業的に利用可能なトランスジェニック植物はなんら知られていない。
当該分野において、ある商業的に価値がある作物の特性を改善する、例えば、制限されないが、作物の収量を増加する、種子の大きさを増す、発芽の速度を増す、根の質量を増加するなどの方法が必要とされる。本明細書中に記載されるように、本発明はこれらの及び他の必要性を満たす。
Wangら、Plant Physiol. 135:1084〜1099、2004年 Wangら、Nature 386:451〜452、1997年 Wangら、Plant J. 15:501〜510、1998年 De Veylderら、Plant Cell 13:1653〜1667、2001年 Jasinskiら、Plant Physiol、130:1871〜1882、2002年 Wangら、Plant J. 24:613〜623、2000年 Luiら、Plant J. 21:379〜385、2000年 Jasinskiら、J.Cell Sci.115:973〜982、2001年 Zhouら、Plant Cell Rep.20:967〜975、2002年 Zhouら、Plant J.35:476〜489、2003年 Schnittgerら、Plant Cell 15:303〜315、2003年 Coatsら、Science 272:877〜880、1996年 Feroら、Cell 85:733〜744、1996年 Kiyokawaら、Cell 85:721〜732、1996年 Nakayamaら、Cell 85:707〜720、1996年 Jacksonら、Nature Biotech. 21:635〜637、2003年 J.Fernandez−Cornejo、Agriculture Information Bulletin NO.(AIB786)81頁、2004年2月 Elmoreら、Agron.J.93:408〜412、2001年 Elmoreら、Agron.J.93:404〜407、2001年
本発明は、野生型CKIポリペプチドに関して少なくとも1つの改変を有する、改変植物サイクリン依存性キナーゼインヒビター(CKI)ポリペプチドを提供する。ある実施態様において、サイクリンタンパク質についての結合親和性を実質的に維持しながら、野生型CKIタンパク質に比較して、CDKタンパク質についての改変された結合親和性を付与するように、改変はCDK結合領域内にある。本発明の改変CKIポリペプチドは、野生型CKI機能に対して優性ネガティブな拮抗活性を有する。改変体は、対応する野生型CKIタンパク質を発現する細胞内で、又は、対応する野生型タンパク質に異種であるが、とりわけサイクリン及びCDK結合に関して実質的に等価な野生型機能を有する野生型CKIを発現する細胞内で発現される場合、野生型CKIの生物学的活性が阻害され、細胞周期を通して加速される進行、及び増加される細胞増殖を導く。
別の局面において、本発明は、改変CKIポリペプチドをコードする組換え核酸、又は組換え核酸を含むベクターを提供する。改変CKIをコードする核酸又はベクターは、核酸の増幅又は発現のために宿主細胞に導入される。宿主細胞は、例えば、改変CKIポリペプチドを産生するための本発明の方法において、使用される。さらに、細胞における改変CKIポリペプチドの発現は、細胞分裂を調節するための本発明の方法において使用できる。例えば、細胞における改変CKIポリペプチドの発現は、細胞周期を通して加速される進行を導き得、そして増加される細胞増殖を導き得る。
なお、他の局面において、改変CKIポリペプチドをコードする導入遺伝子を含むトランスジェニック植物が提供される。トランスジェニック植物における改変CKIポリペプチドの発現は、例えば、植物の活力を増大するための、根の質量を増大するための、植物の大きさを増すための、又は早期の発芽を増すためなどの本発明の方法において使用できる。
定義
そうでないと定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的な用語や科学的な用語は、本発明が属する当該分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法と材料に類似する任意の方法と材料が、本発明の実施及び試験において使用できるが、例示的な方法と材料のみが記載される。本発明の目的のために、以下の用語が以下に定義される。
本明細書中で使用される用語「a」、「an」、「the」は、情況が明らかにそうでないと示さない限りは複数形の指示対象を含む。
本明細書中で使用されるように、用語「サイクリン依存性キナーゼインヒビター」(また本明細書中で「CDKインヒビター」又は「CKI」といわれる)は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)をネガティブに調節するタンパク質のクラスをいう。本発明に適するCKIは、サイクリン及びCDKを独立して結合し得る別々のポリペプチド領域を有するCKIである。このようなCKIとしては、例えば、植物CKIの同定されたファミリー(7個の同定されたアラビドプシスCKI)が挙げられ、動物におけるキナーゼインヒビタータンパク質(KIP)に相同性を有し、KIP関連性タンパク質(KRP)といわれる(「CDK」のインヒビター、又は「ICK」としてもまた知られる)。
用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、アミノ酸残基の重合体をいうために本明細書中で交換可能に使用される。
用語「核酸」は、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及び1本鎖又は2本鎖の形態のいずれかにおけるそれらの重合体をいう。特に制限されない限り、この用語は、参照核酸と類似の結合特性を有し、そして天然に存在するヌクレオチドに類似の様式において代謝される、天然のヌクレオチドの公知のアナログを含む核酸を含む。そうでないと示されない限り、特定の核酸配列は、その保存的に改変された改変体(例えば、縮重コドン置換)を暗に含む。具体的には、縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(又は全ての)コドンの第3位が、混合型塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換される配列を作製することにより達成できる(例えば、Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081、1991年;Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605〜2608、1985年;Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91〜98、1994年を参照のこと)。用語核酸は、遺伝子、cDNA、及び遺伝子によりコードされるmRNAと交換可能に使用される。
CKIポリペプチド及び核酸の情況において、用語「天然に存在する」は、天然において見出されるアミノ酸又はヌクレオチド配列、すなわち、天然の供給源(生物体)から単離でき、そして人為的介入により意図的に改変されていないアミノ酸又はヌクレオチド配列を有するポリペプチド又は核酸を意味する。本明細書中で使用されるように、伝統的な遺伝学に従って選択的に交配されたかもしれない植物の実験室株は、天然に存在する植物も考慮される。
本明細書中で使用されるように、「野生型CKI遺伝子」又は「野生型CKI核酸」は、生物体のゲノム中のCKI遺伝子配座に対応する核酸の配列をいい、これは遺伝子配座に対応する天然に存在するヌクレオチド配列によりコードされるCKIタンパク質の正常な機能を行う遺伝子産物をコードする。遺伝子配座は、個体の集団において1つよりも多い配列又は対立遺伝子を有し得、そして用語「野生型」は、正常な機能を行う遺伝子産物をコードする全てのこのような天然に存在する対立遺伝子を含む。また、「野生型」は、必ずしも天然に存在しないが、正常な機能を伴う遺伝子産物をなおコードする遺伝子配列(例えば、サイレント変異を有する又は保存的な置換を伴うタンパク質をコードする遺伝子)を含む。
用語「野生型CKIポリペプチド」又は「野生型CKIタンパク質」は、野生型遺伝子によりコードされるCKIポリペプチドをいう。遺伝子配座は、個体の集団において1つよりも多い配列又は対立遺伝子をも有し、そして用語「野生型」は、正常な機能を行う遺伝子産物をコードする全てのこのような天然に存在する対立遺伝子を含む。
用語「変異体」又は「改変体」は、本発明のCKIポリペプチド及び核酸の情況において、対応する野生型ポリペプチド又は核酸に比較して改変されるポリペプチド又は核酸を意味する。
用語「参照CKIポリペプチド」は、変異又は改変CKIポリペプチドを定義する目的のために本明細書中で使用される用語であり:この用語は、アミノ酸配列中の改変を定義する目的のために、変異CKIポリペプチドが比較されるCKIポリペプチドをいう。従って、「参照CKIポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するCKIアミノ酸配列を含む」変異CKIポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸改変を除いて、そのほかでは変異CKIポリペプチドが参照ポリペプチドのアミノ酸配列を含むことを意味する。本明細書中に記載されるように本発明を実施する際には、参照CKIポリペプチドは予め決定される。参照CKIポリペプチドは、例えば、野生型及び/又は天然に存在するCKIポリペプチド、又は意図的に改変されたCKIポリペプチドなどである。
用語「改変された結合」又は「変化された結合」は、その参照CKIポリペプチドがサイクリン/CDK複合体を結合する野生型遺伝子によりコードされる変異CKIポリペプチドをいう。用語「改変された結合」又は「変化された結合」は、本明細書中で、サイクリン/CDKキナーゼ複合体への変異CKIの結合をいう。用語「改変された結合」又は「変化された結合」は、参照CKIポリペプチドに比較した変異CKIポリペプチドの相対的な結合をいう。「改変された結合」又は「変化された結合」は、参照CKIポリペプチドに比較して、サイクリン/CDK複合体への等しい結合、減少された結合、又は等価な結合を有する変異CKIポリペプチドをいう。
本明細書中で使用されるように「組換え体」は、組換え方法により意図的に改変されたアミノ酸配列又はヌクレオチド配列をいう。本明細書中で用語「組換え核酸」により、概して、天然において通常見いだされない形態において、エンドヌクレアーゼによる核酸の操作によって、インビトロで元来形成される核酸配列が意味される。従って、線状の形態における、単離された変異若しくは改変CKI核酸、又は通常結合されないDNA配列を連結することによりインビトロで形成される発現ベクターはともに、本発明の目的のための組換え体と考慮される。一旦組換え核酸が作製され、そして宿主細胞又は生物体に再導入されると、これは非組換え的に、すなわち、インビトロでの操作ではなく宿主細胞のインビボでの細胞機構を使用して、複製されることが理解されるが;このような核酸は、一旦組換え的に産生されると、続いて非組換え的に複製されるが、なお本発明の目的のためには組換え体と考えられる。「組換えタンパク質」は、組換え技術を使用して、すなわち、上記のような組換え核酸の発現を介して、作製されるタンパク質である。組換えタンパク質は、少なくとも1つ以上の特徴により、天然に存在するタンパク質から区別される。
アミノ酸配列に関して、「非保存的」改変は、野生型残基と変異残基が、疎水性、帯電、大きさ、形状を含む1つ以上の物理的特性において有意に異なる改変を意味する。例えば、極性残基から非極性残基への、またその逆の改変、正に帯電される残基から負に帯電される残基への、またその逆の改変、及び大きな残基から小さな残基への、またその逆の改変は、非保存的な改変である。例えば、変化の領域におけるポリペプチド骨格の構造、例えばα−らせん若しくはβ−シート構造;標的部位での分子の帯電若しくは疎水性;又は側鎖の巨大さ、をより有意に影響する置換がなされ得る。概してポリペプチドの特性において最も大きな変化を生じることが予測される置換は、(a)親水性残基、例えば、セリル、スレオニルが、疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、若しくはアラニルに(若しくはそれにより)置換される;(b)システイン若しくはプロリンが、任意の他の残基に(若しくはそれにより)置換される;(c)電気的陽性の側鎖を有する残基、例えば、リジル、アルギニル、若しくはヒスチジルが、電気的陰性の側鎖、例えば、グルタミル若しくはアスパチルに(若しくはそれにより)置換される;(d)又は巨大な側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンが、側鎖を有しない残基、例えばグリシンに(若しくはそれにより)置換される、置換である。
保存的な改変は一般的に以下に示される改変であるが、当該分野において知られるように、他の置換も保存的とされる。
Ala:Ser
Arg:Lys
Asn:Gln、His
Asp:Glu
Cys:Ser
Gln:Asn
Glu:Asp
Gly:Pro
His:Asn、Gln
Ile:Leu、Val
Leu:Ile、Val
Lys:Arg、Gln、Glu
Met:Leu、Ile
Phe:Met、Leu、Tyr
Ser:Thr
Thr:Ser
Trp:Tyr
Tyr:Trp、Phe
Val:Ile、Leu
タンパク質の作用の機構又は遺伝子表現型の情況において、用語「優性ネガティブな」は、野生型機能を有する対応するタンパク質を、野生型の機能を行うことから実質的に妨げる、変異若しくは改変タンパク質、又は変異若しくは改変タンパク質をコードする遺伝子をいう。
本明細書中で使用されるように句「野生型CKIのアンタゴニスト」は、変異CKIポリペプチドが、アンタゴニストの不在下での野生型CKIポリペプチドによるキナーゼ活性に比較して、野生型CKIポリペプチドがCDK/サイクリン複合体のキナーゼ活性を阻害する能力を有意に減少(阻害する)ことを意味する。
核酸は、これが、別の核酸配列と機能的な関係に配置される場合、「作動可能に連結される」。例えば、プロモーター若しくはエンハンサーは、これが配列の転写を影響する場合、コード配列に作動可能に連結され;又はリボソーム結合部位は、これが翻訳を促進するように配置される場合、コード配列に作動可能に連結される。
用語「植物」は、全植物体、植物器官(例えば、葉、茎、花、根など)、及び植物細胞(組織培養細胞を含む)とその子孫を含む。本発明の方法において使用できる植物のクラスは、一般的に、裸子植物及び被子植物、単子葉植物及び双子葉植物の両方を含む形質転換技術に適する高等植物、並びに藻類のようなある下等植物の広範なクラスである。これは多様な倍数性レベルの植物を含み、倍数体、2倍体、半数体を含む。単子葉被子植物の例としては、例えば、アスパラガス、飼料用と甘味種のトウモロコシ、オオムギ、コムギ、イネ、モロコシ、サトウキビ、タマネギ、キビ、ライムギ、オートムギ、そして他の穀物が挙げられる。双子葉被子植物の例としては、トマト、タバコ、綿花、菜種(カノーラ)、カメリナ、飼料用マメ、ダイズ、ペパー、レタスなどが挙げられるが、これらに制限されない。樹木種の例としては、ポプラ、マツ、シーダー、オーク、モミなどが挙げられる。
「異種配列」は、異なる種に起源する配列であるか、又は同じ種起源である場合、その元来の形態から実質的に改変される。例えば、構造遺伝子に作動可能に連結される異種プロモーターは、構造遺伝子が由来する種とは異なる種に由来するか、又は同じ種に由来する場合、その元来の形態から実質的に改変される。
用語「ベクター」は、DNA、典型的に2本鎖の断片をいい、外来DNAの断片がこれに導入され得る。ベクター又はレプリコンは、例えば、プラスミド又はウイルス起源である。ベクターは、宿主細胞においてベクターの自律的な複製を促進する「レプリコン」ポリヌクレオチド配列を含む。本発明の開示の情況において、用語「レプリコン」は、宿主染色体へのベクター配列の組換えを標的する、又はそうでなければ促進するポリヌクレオチド配列領域を含む。さらに、外来DNAは例えば、DNAウイルスベクターに最初に挿入されるが、宿主細胞へのウイルスベクターDNAの形質転換は、ウイルスRNAベクター分子へのウイルスDNAの変換を生じる。外来DNAは異種DNAとして定義され、これは宿主細胞において天然には見出されないDNAであり、これは例えばベクター分子を複製し、選択可能な若しくはスクリーニング可能なマーカー又は導入遺伝子をコードする。ベクターは、外来又は異種DNAを適切な宿主細胞に輸送するために使用される。一旦宿主細胞に入ると、ベクターは、宿主染色体DNAから独立して又はこれと同時に複製でき、そしてベクター及びその挿入されたDNAのいくつかのコピーを生成できる。あるいは、ベクターは、宿主染色体への外来又は異種DNAの挿入を標的し得る。さらに、ベクターはまた、mRNA分子への、挿入されたDNAの転写を許容するか、又はそうでなければRNAの複数のコピーへの、挿入されたDNAの複製を引き起こす。いくつかの発現ベクターはさらに、挿入されたDNAに近接する配列エレメントを含み、これはタンパク質分子への、mRNAの翻訳を許容する。従って、挿入されるDNAによってコードされるmRNAの多くの分子及びポリペプチドは、迅速に合成できる。
用語「導入遺伝子ベクター」は、DNAの挿入されたセグメント、「導入遺伝子」を含み、これは宿主細胞内でmRNAに翻訳されるか、又はRNAとして複製される。用語「導入遺伝子」は、RNAに変換される挿入されたDNAの部分のみでなく、RNAの転写又は複製に必要であるベクターのそれらの部分もまたいう。さらに、導入遺伝子は、タンパク質を産生し得るオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチド配列を必ずしも含む必要はない。
用語「形質転換された宿主細胞」、「形質転換された」、「形質転換」は、細胞へのDNAの導入をいう。細胞は、「宿主細胞」と呼ばれ、そしてこれは真核生物又は原核生物の細胞である。典型的な原核生物宿主細胞としては、E.coliの種々の株が挙げられる。典型的な真核生物宿主細胞は、植物細胞(例えば、カノーラ、ダイズ、イネ、若しくはトウモロコシの細胞など)、酵母細胞、昆虫細胞、又は動物細胞である。導入されたDNA配列は通常、DNAの挿入された断片を含むベクターの形態にある。導入されたDNA配列は、宿主細胞と同じ種に由来し得るか、又は宿主細胞とは異なる種に由来し得るか、又はこれはいくつかの外来DNAと、宿主種に由来するいくつかのDNAとを含むハイブリッドDNA配列である。
CKIポリペプチド及び核酸の情況において、別の配列(例えば、領域、フラグメント、ヌクレオチド又はアミノ酸の位置など)に対する「対応」は、ヌクレオチド又はアミノ酸の位置番号に従い番号付けし、次いで各位置にて適合するヌクレオチド又はアミノ酸の数が最大になる様式において、すなわち、配列同一性のパーセンテージを最大にする様式において、配列をアラインする従来の方法に基づく。所与の「対応する領域」と、全ての位置が同一である必要はないので、対応する領域内の非適合部分は、「対応する位置」として考慮される。従って、本明細書中で使用されるように、「特定のCKIポリペプチドのアミノ酸位置Xに対応するアミノ酸位置」の照会は、他の認識されるCKIポリペプチドにおける及び、構造的相同体やファミリーにおける等価な位置のコレクションへの照会を表す。
KRPスーパーファミリーのCKIのポリペプチド及び核酸に関連される本発明の典型的な実施態様において、アミノ酸又はヌクレオチド位置の「対応」は典型的に、CDK結合領域内のアミノ酸、又はCDK結合領域をコードするヌクレオチドに関して決定される。一般的に、KRPポリペプチドの他の領域に比較して、KRP CKIのCDK結合領域は、実質的な配列同一性又は類似性を共有する。従って、KRP CKIポリペプチドのCDK結合領域を決定するための1つの適切な技術は、第2のKRP CKIの公知のCDK結合領域(例えば、Brassica napus(アブラナ科ナパス)Krp1(Bn Krp1)のアミノ酸の約145〜168位由来)に対して実質的な配列同一性又は類似性を共有するアミノ酸領域を同定することである。(例えば、いくつかのCKIファミリーメンバー及び、BnKrp1とのアミノ酸配列アラインメントを示す図1を参照のこと)。一旦、CDK結合領域に対応する配列が、配列アラインメントにより決定されると、対応するアミノ酸又はヌクレオチドの位置がしかるべく決定される。
本明細書中で使用されるように、「配列同一性のパーセンテージ」は、2つの至適にアラインされた配列を、比較ウインドウにわたって比較することによって決定され、ここで比較ウインドウにおける配列の部分は、2つの配列の至適なアラインメントについて、参照配列(これは付加又は欠失を含まない)に比較して付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含む。パーセンテージは、両方の配列中に同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が生じる位置の数を決定し、適合される位置の数を得、比較のウインドウにおける位置の総数で適合される位置の数を割り、そして結果に100を掛けることによって算定される。
用語「同一」又は「同一性」パーセントは、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の情況において、比較ウインドウ、若しくは設計される領域にわたって、以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定されるように、又は手動のアラインメント及び視覚的検討により、最大の対応について比較されアラインされる場合、同じであるか、又は同じであるヌクレオチド若しくはアミノ酸残基の特定のパーセンテージ(例えば、特定される領域にわたって60%の同一性、必要に応じて、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の同一性)を有する、2つ以上の配列をいう。配列は、それらが少なくとも約25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、又は少なくとも55%同一である場合、互いに「実質的に同一である」。これらの定義は、試験配列の相補体をいう。必要に応じて、同一性は、少なくとも約6アミノ酸残基長、少なくとも約15アミノ酸残基長、少なくとも約25アミノ酸残基長、少なくとも約35アミノ酸残基長、少なくとも約50アミノ酸残基長、若しくは少なくとも約100以上のアミノ酸残基長であるポリペプチド領域にわたって、又はこのようなポリペプチド領域をコードする核酸領域にわたって存在する。本発明のある好ましい局面において、比較のために設計される領域は、CKIポリペプチドのCDK結合領域、このようなCDK結合領域の1部分を含むポリペプチド領域、又はこのようなCDK結合領域を含むポリペプチド領域である。
用語「類似性」又は「類似性パーセント」は、2つ以上のポリペプチド配列の情況において、保存的なアミノ酸置換により定義されるように、比較ウインドウ、又は設計される領域にわたって、以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定されるように、又は手動のアラインメントや視覚的検討により、最大の対応について比較され、アラインされる場合、同じであるか、又は保存的なアミノ酸置換により定義されるように類似であるかのいずれかであるアミノ酸残基の特定のパーセンテージ(例えば、特定される領域にわたって60%の類似性、必要に応じて65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%の類似性)を有する2つ以上の配列又はサブ配列をいう。配列は、それらが互いに少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、又は少なくとも55%類似である場合、互いに「実質的に類似」である。必要に応じて、この類似性は、少なくとも約6アミノ酸残基長、少なくとも約15アミノ酸残基長、少なくとも約25アミノ酸残基長、少なくとも約35アミノ酸残基長、少なくとも約50アミノ酸残基長、又は少なくとも約100アミノ酸残基長である領域にわたって存在する。
本発明のある局面において、配列同一性又は類似性の決定のために、比較のために設計される領域は、CKIポリペプチドのCDK結合領域、このようなCDK結合領域の1部分を含むポリペプチド領域、又はこのようなCDK結合領域を含むポリペプチド領域である。
配列比較のために、典型的に、1つの配列は参照配列として作用し、これに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列は、コンピュータに入力され、必要であれば、配列座標が設計され、そして配列アルゴリズムパラメーターが設計される。規定値プログラムパラメーターが使用できるか、又は代替のパラメーターが設計される。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメーターに基づいて、参照配列に比較して試験配列についての配列同一性又は類似性のパーセントを算定する。
「比較ウインドウ」は、本明細書中で使用されるように、連続的なアミノ酸又はヌクレオチドの位置の区分に対する参照を含み、この中で配列は2つの配列が至適にアラインされた後、連続的な位置の同じ数の参照配列に比較される。本発明に従うCKIポリペプチドの比較に関して、比較ウインドウは典型的に、約6個〜約200個以上の連続的なアミノ酸であり、典型的に約6個〜約50個の、約6個〜約25個の、約15個〜約100個の、約15個〜約50個の、約15個〜約30個の、約20個〜約50個の、又は約25個〜約50個の、連続的なアミノ酸である。比較のための配列のアラインメントの方法は当該分野において周知である。比較のための配列の至適なアラインメントは、例えば、Smith及びWatermanの局所的な相同性アルゴリズム(Adv.Appl.Math.2:482、1970年)により、Needleman及びWunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J.Mol.Biol.48:443、1970年)により、Pearson及びLipmanの類似性についての検索法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444、1988年)により、これらのアルゴリズムのコンピュータ実行(例えば、Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.Madison、Wis.における、GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)により、又は手動のアラインメントと視覚的検討(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology(1995年増刊))により、行うことができる。
有用なアルゴリズムの1つの例は、PILEUPである。PILEUPは、漸進的な、一対のアラインメントを使用して、関連される配列の群から複数の配列アラインメントを作製して、関係及び配列同一性のパーセントを示す。これはまた、アラインメントを作製するために使用されるクラスタリング関係を示す系図又は系統図をプロットする。PILEUPは、Feng及びDoolittleの漸進的なアラインメント法(J.Mol.Evol. 35:351〜360、1987年)の簡素化法を使用する。使用される方法は、Higgins及びSharp(CABIOS 5:151〜153、1989年)によって記載される方法に類似する。プログラムは、300配列までアラインされ、それぞれ5,000個のヌクレオチド又はアミノ酸の最大長である。複数のアラインメント手順が、2つの最も類似する配列の一対のアラインメントを伴って開始され、2つのアラインされた配列のクラスターを生成する。次いで、このクラスターは、アラインされた配列の次に最も関連される配列又はクラスターに対してアラインされる。2つの配列のクラスターは、2つの個々の配列の一対のアラインメントの単純な伸長によりアラインされる。最終的なアラインメントは、一連の漸進的な、一対のアラインメントにより達成される。プログラムは、特異的な配列及びそれらのアミノ酸又はヌクレオチド座標を配列比較の領域について設計することにより、及びプログラムパラメーターを設計することにより、実行される。PILEUPを使用して、参照配列は他の試験配列に比較されて、以下のパラメーター:規定値ギャップ加重(3.00)、規定値ギャップ長加重(0.10)、及び加重エンドギャップを使用して配列同一性関係のパーセントを決定する。PILEUPは、GCG配列解析ソフトウェアパッケージ(例えば、第7.0版(Devereauxら、Nucl.Acids.Res.12:387〜395、1984年)から得ることができる。
配列同一性及び配列類似性のパーセントを決定するのに適切であるアルゴリズムの別の例は、BLAST及びBLAST2.0アルゴリズムであり、これはAltschulら(Nucl.Acids.Res.25:3389〜3402、1977年)、及びAltschulら(J.Mol.Biol.215:403〜410、1990年)において、それぞれ記載される。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)を介して公共的に利用可能である。このアルゴリズムは、照会配列中の長さWの短いワードを同定することにより高スコアの配列対(HSP)を先ず同定することを含み、これはデータ−ベース配列中の同じ長さのワードでアラインされる場合、いくつかのポジティブに評価される閾値スコアTを適合するか又は満たすかのいずれかである。Tは、近傍ワードスコア閾値といわれる(Altschulら、前出)。これらの最初の近傍ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見出すための検索を開始する種として作用する。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方の方向に伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列について、パラメーターM(適合する残基の対についての報酬スコア;常に0より大きい)及びN(適合しない残基についてのペナルティースコア;常に0より小さい)を使用して算定される。アミノ酸配列について、評点マトリクスが累積スコアを算定するために使用される。各方向におけるワードヒットの伸長は、累積アラインメントスコアがその最大の活性化値から量Xまで低下する場合;1つ以上のネガティブな評点残基アラインメントの集積に起因して、累積スコアがゼロ以下になる場合、又はいずれかの配列の末端が到達される場合、停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、Xは、アラインメントの感度と速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、規定値として、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、規定値として、ワード長3、及び期待値(E)10、及びBLOSUM62評点マトリクス(Henikoff及びHenikoff、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915〜10919、1992年を参照のこと)、アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、及び両鎖の比較を使用する。
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計的解析を行う(例えば、Karlin及びAltschul、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873〜5887、1993年を参照のこと)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの測度は、最小の合計確立(P(N))であり、これは2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の適合が偶然により生じる確立の指標を提供する。例えば、核酸は、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小の合計確立が約0.2未満、典型的に約0.01未満、及びより典型的に約0.001未満である場合、参照配列への類似が考慮される。
遺伝子ホモログ及びオルソログは、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のHomoloGeneリソースを使用して同定される。第1の遺伝子のホモログ又はオルソログは、第1の遺伝子によってコードされる遺伝子産物と同じ又は類似の機能を有する遺伝子産物をコードし得る。2つの核酸配列又はポリペプチドがオルソログである別の指標は、異種遺伝子が、真核生物細胞の発現系における内因性遺伝子のヌル対立遺伝子を相補(例えば、救済)できることである。
本発明は、植物細胞分裂を調節するための組成物及び方法を含む。特に、野生型CKIタンパク質機能を、優性ネガティブな機能を介して拮抗するポリペプチドのみならず、関連されるポリヌクレオチド、宿主細胞、トランスジェニック植物が提供され、及びそれらの使用のための方法が提供される。改変の、優性ネガティブなCKIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する、広範に多様なトランスジェニックベクターが本発明を実施するために使用できる。本発明のCKI導入遺伝子が植物に導入され、そして発現される場合、植物細胞分裂が調節される。細胞分裂の調節は、改変CKI導入遺伝子に作動可能に連結されるプロモーター配列のタイプに依存して、植物全体で、又は組織若しくは器官特異的な様式において生じる。特に、本明細書中で提供される組成物及び方法は、細胞周期を通り抜ける植物細胞の進行を加速するために使用され、細胞増殖の付随する増加を伴う。この様式において組成物及び方法を使用することは、例えば、任意の広範に多様な植物において、増加された作物収量及び/又は増大された種子の大きさの生成を許容する。作物収量の増加としては、例えば、増大された葉組織、増大された果実、増加された花生成、増大された根の質量などが挙げられる。
本発明の特定の実施形態において、改変CKIポリペプチドは、KRPファミリーメンバーである。本発明のこの局面は、KRPファミリーメンバーのCDK結合領域はサイクリン−CDK複合体の阻害を主に担うという発見に、少なくとも部分的に、基づく。従って、KRPファミリーメンバーにおいてCDK結合領域を標的することは(サイクリン結合領域とは対照的に)、野生型CKI機能の特に有効な優性ネガティブなアンタゴニストである変異タンパク質の生成を許容する。
変異CKIポリペプチド、核酸、ベクター
本発明のCKIポリペプチドは、天然に存在する又は野生型のCKIから区別可能な変異又は改変タンパク質である。改変CKIポリペプチドは、参照CKIポリペプチド(例えば、野生型CKIタンパク質)に比較して、タンパク質のCDK又はサイクリン結合領域中に、少なくとも1つの改変を含む。典型的な改変としては、対応する野生型配列に比較して、アミノ酸の置換、挿入、及び/又は欠失が挙げられる。特に適切な改変はアミノ酸置換である。ある実施形態において、改変CKIポリペプチドは少なくとも1つの非保存的な改変(例えば、置換)を含む。
本発明の変異CKIポリペプチドは、優性ネガティブなタンパク質である。優性ネガティブなアプローチは、CDKやサイクリンの結合に別々に関与される2つのポリペプチド領域を有するCKIポリペプチドに特に適する。本発明の優性ネガティブな変異体を作製するための一般的なアプローチは、「野生型」のCDK又はサイクリンの結合を改変するように個々のCDKやサイクリンの結合領域の1つを改変することを含む。この改変されたCDK又はサイクリンの結合領域は、野生型ポリペプチドに比較して、サイクリン又はCDKに対する、等価な、減少される、又は消失されるいずれかの結合を生じる。いずれの場合においても、変異は、CKIキナーゼ阻害活性を減少又は消失する。野生型タイプの機能を干渉する優性ネガティブなCKIポリペプチドを設計するために、変異ポリペプチドは、(1)サイクリン/CDK複合体に実質的に結合しなくてはならず;(2)高濃度であってもサイクリンCDK複合体を実質的に阻害してはならず、(3)サイクリン/CDK複合体への結合について野生型CKIポリペプチドと競合しなくてはならない。インビボで、これらの要件の全てを満たす変異CKIポリペプチドは、細胞中で上昇されたサイクリン/CDK活性を生じ、これは次いで、増加された細胞増殖及びより高い分裂指標を生じ、最終的に、増加された収量、より大きな種子、及び/又は植物の1つ以上の領域における上昇されたサイクリン/CDKキナーゼ活性と関連されるいくつかの他の特徴を伴う植物を導く。
KRPポリペプチドの特定の場合において、CDK結合領域は、CKIポリペプチドのこのファミリーにおいてサイクリン/CDKキナーゼ阻害を主に担い、改変のために標的化される。
特に適切な改変としては、アミノ酸の置換、挿入、又は欠失が挙げられる。例えば、アミノ酸置換は、結合を減少又は消失する改変として、CDK又はサイクリンの結合領域において作製される。同様に、アミノ酸置換は、CKI阻害活性を減少又は消失する改変として、CDK又はサイクリン結合領域において作製される。典型的な実施形態において、少なくとも1つの非保存的アミノ酸の置換、挿入又は欠失が、CDK又はサイクリンタンパク質に対するCKIポリペプチドの結合を破壊又は改変するために、CDK又はサイクリンの結合領域においてなされる。
実質的なCKIポリペプチド変異体は、参照CKIタンパク質配列において、同じ位置にて除去されるか、又はその場所において異なるアミノ酸が挿入される少なくとも1つのアミノ酸残基を有する変異体である。置換は、単一でよく、ここでは分子中でただ1つのアミノ酸が置換されており、又はそれらは複数であり、ここでは同じ分子中で2つ以上のアミノ酸が置換されている。本発明のCKIタンパク質分子の活性における実質的な変化は、側鎖が、帯電及び構造においてネイティブなアミノ酸のものとは有意に異なる別のアミノ酸、ネイティブなアミノ酸の帯電の逆帯電を伴うアミノ酸、又はネイティブなアミノ酸のもとのとは反対の親水性を伴うアミノ酸で置換することによって獲得される。これらの置換のタイプは、ポリペプチド骨格の構造、又は置換の領域における分子の帯電若しくは疎水性を影響することが予期される。本発明のある例示的な実施形態において、実質的なCKI変異体は、アラニンでの非アラニン残基の置換を含む。他の改変体において、実質的なCKIは、例えば、逆帯電されるアミノ酸残基、より大きな側鎖を伴うアミノ酸残基、反対の親水性を伴うアミノ酸、小さな非極性アミノ酸(例えば、Cys、Thr、Ser、Ala、若しくはGly)、又は極性アミノ酸(例えば、Pro、Glu、Asp、Asn、若しくはGln)での、アミノ酸残基の置換を含む。
CKIポリペプチドの挿入変異体は、参照CKIタンパク質分子における特定の位置でのアミノ酸に極めて近接して挿入される1つ以上のアミノ酸を伴う変異体である。アミノ酸に極めて近接するは、アミノ酸のα−カルボキシ官能基又はα−アミノ官能基のいずれかに連結されることを意味する。挿入は1つ以上のアミノ酸である。挿入は、例えば、1つ又は2つの保存的なアミノ酸からなる。挿入の部位に近接するアミノ酸に対して、帯電及び/又は構造において類似するアミノ酸は、保存的として定義される。あるいは、変異CKIは、挿入の部位に近接するアミノ酸とは実質的に異なる帯電及び/又は構造を伴うアミノ酸の挿入を含む。
CKIポリペプチドの欠失変異体は、参照CKIタンパク質分子において1つ以上のアミノ酸が除去されている変異体である。いくつかの実施形態において、欠失変異体は、CKIタンパク質分子の特定の領域において欠失された、1つ、2つ、又はそれ以上のアミノ酸を有する。欠失変異体は、例えば、アミノ末端又はカルボキシ末端の切除を有する変異体を含む。
本発明の方法は、個々の領域がCDK機能を阻害するための、CDKやサイクリンタンパク質の結合に関与する、CKIファミリーのタンパク質の任意の認識されたメンバーに適用される。1つの実施形態において、変異CKIタンパク質は、CKIのKRPファミリーに属するタンパク質の変異体又は改変体である。上記されるように、KRPファミリーメンバーのCDK結合領域は、キナーゼ阻害を主として担う。従って、CDK結合領域は、改変KRP CKIポリペプチドの設計における改変のために、好ましく標的される。KRPタンパク質のCDK結合領域は、一般的に、Brassica napus Krp1(BnKrp1)(配列番号17)のアミノ酸145〜168位に対応する。ある実施形態において、KRPファミリーメンバーのCDK結合領域の改変は、BnKrp1の145〜168位に対応する領域内での少なくとも1つのアミノ酸位置、2つのアミノ酸位置、又はそれ以上の改変を含む。(Arabidopsis thaliana(ミミナクレス・アラビドプシス) Krp1における対応する領域は、アミノ酸167〜190位を含む)。改変のために特に適切なアミノ酸位置は、Brassica napus Krp1(BnKrp1)のアミノ酸145、148、149、151、153、155、163、164、165、及び/又は167位に対応するそれらの位置を含む。他のCKIポリペプチドにおける対応するアミノ酸残基は、公知の方法を使用して、及び本明細書中にさらに使用されるように、配列アラインメントにより容易に決定される。
いずれの場合においても、上記のアミノ酸は、哺乳動物p27において保存され、そして全て、サイクリンA及びCDK2と複合体化されるp27の結晶構造においてCDKを接触する。1つの実施形態において、KRP CDK結合領域の改変は、BnKrp1のアミノ酸151位及び153位に対応するアミノ酸の改変(例えば、これらの各部位での、アラニン又は逆帯電されるアミノ酸へのアミノ酸置換)を含む。他の例示的な改変体において、BnKrp1の151位及び153位に対応するアミノ酸の改変に加えて、KRP CDK結合領域の改変はさらに、BnKrp1のアミノ酸149位、164位、及び/又は165位に対応する位置での改変(例えば、BnKrp1のアミノ酸149位に対応する位置でのさらなるアミノ酸置換;又はBnKrp1のアミノ酸164位及びアミノ酸165位の両方に対応する位置での2つのさらなるアミノ酸置換)を含む。KRP CKIポリペプチドに対するこのような改変は、CDKタンパク質についての結合親和性を改変するが、改変体タンパク質がサイクリンタンパク質を結合する能力は保存される。
特に目的のKrp CDK結合領域の改変は、以下のアミノ酸置換のいずれかに対応する改変を含むが、これらに制限されない。
BnKrp1 F145A;Y149A
BnKrp1 F145A;Y149A;F151A
BnKrp1 F145A;Y149A;F151A;F153A
BnKrp1 Y149A;F151A
BnKrp1 Y149A;F153A
BnKrp1 F151A;F153A
BnKrp1 F151A;F153A;Y149A
BnKrp1 F151A;F153A;E164A
BnKrp1 F151A;F153A;W165A
BnKrp1 F151A;F153A;E164A;W165A
BnKrp1 F151A;F153A;Y149A;E164A
BnKrp1 F151A;F153A;Y149A;W165A
BnKrp1 F151A;F153A;Y149A;E164A;W165A
BnKrp1 E164A;W165A
ある実施形態において、上述のように改変されるCKIポリペプチドはBnKrp1である。他の改変において、上述のように改変されるCKIはBnKrp1ではなく(例えば、Arabidopsis thaliana)、上記のそれらに対応する置換されたアミノ酸を伴う。
CDK又はサイクリンの結合を影響する他の改変(例えば、置換、挿入、欠失)は、KRPファミリーメンバーのさらなる改変を含み、構造アラインメント法、配列アラインメント法などを含む多様な技術を使用して同定される。変異又は改変タンパク質は、例えば、米国特許第6,188,965号;同第6,296,312号;及び同第6,403,312号において以前に記載されるPDA(商標)系;アラニン走査(米国特許第5,506,107号を参照のこと)、遺伝子シャッフリング(WO 01/25277)、部位飽和変異誘発、平均場、配列相同性、又は以下にさらに記載されるような、点変異の部位及びタイプの選択を導く、当業者に公知の、他の方法を使用することによって作製される。
本発明のCKIポリペプチド改変体は、例えば、部位特異的変異誘発と一般的にいわれる技術を使用することにより、対応する野生型CKI、又は改変体が由来する他の対応するCKIをコードするDNA配列を、変異することによって構築される。CKIタンパク質をコードする核酸分子は、当業者に周知の多様なポリメラーゼ連鎖反応技術(PCR)により変異される。(例えば、PCR戦略(PCR Strategies)(M.A. Innis、D.H.Gelfand、及びJ.J.Sninsky編、1995年、Academic Press、San Diego、CA)の第14章);PCRプロトコル(PCR Protocols):方法及び適用に対する指針(A Guide to Methods and Applications)(M.A.Innis、D.H.Gelfand、J.J.Sninsky、及びT.J.White編、Academic Press、NY、1990年を参照のこと)。さらに、周知の化学的変異誘発法及び/又は放射線変異誘発法は当該分野において周知であり、KRPファミリーメンバータンパク質のコード領域において変異を誘導するために使用できる。スクリーニングは、本発明の変異又は改変Krpをコードする所望のヌクレオチド配列を含むそれらの植物を位置付けるために行うことができる。植物は、CKIのアミノ酸配列における変化、キナーゼ活性における変化、又は表現型において予測される変化についてスクリーニングされ、次いで配列解析される。
制限されない例として、ClontechからのTransformer Site−Directed Mutagenesis kitを利用する2つのプライマー系が、CKIタンパク質をコードする遺伝子に部位特異的変異を導入するために用いられる。この系における標的プラスミドの変性後、2つのプライマーはプラスミドに同時にアニールされ;これらのプライマのうちの1つは、所望される部位特異的変異を含み、他方はプラスミドにおける別の点での、制限部位の消失を生じる変異を含む。次いで2本鎖合成が行われ、これらの2つの変異を密接に連鎖し、そして得られるプラスミドはE,coliのmutS株に形質転換される。プラスミドDNAは、形質転換された細菌から単離され、関連の制限酵素で制限処理され(それにより未変異のプラスミドは線状化される)、次いでE.coliに再形質転換される。この系は、サブクローニング又は1本鎖ファージミドの作製の必要性を伴わずに、発現プラスミド中に直接的な変異の作製を許容する。2つの変異の密接な連鎖、及びその後の未変異のプラスミドの鎖状化は、高い変異効率を生じ、そして最小のスクリーニングを許容する。最初の制限部位プライマーの合成後、この方法は、変異部位あたりただ一つの新しいプライマーの使用を必要とする。各位置の変異体を別々に調製するのではなく、「所望される縮重」オリゴヌクレオチドプライマーのセットが、所与の部位にて、所望される変異の全てを同時に導入するために合成できる。形質転換体は、変異誘発された領域を介してプラスミドDNAを配列決定することによりスクリーニングされ、変異クローンが同定され、分類される。次いで、各変異DNAは制限処理され、そして例えば、変異検出増強(Mutation Detection Enhancement)ゲル(J.T.Baker)上での電気泳動により解析されて、配列中に他の変化がなんら生じていないことを(変異誘発されていないコントロールに対するバンド移行比較により)確認する。あるいは、全DNA領域が配列決定され、標的領域の外側にさらなる変異事象がなんら生じていないことを確認する。
pET(又は他の)過剰発現ベクター中の確認された変異二重鎖は、変異タンパク質の高レベルな産生と、標準的なプロトコルによる精製のために、E.coli BL21(DE3)pLysSのようなE.coliに形質転換するために用いられる。FAB−MSマッピングの方法が、変異発現の忠実性を迅速に確認するために用いられる。この技術は、全タンパク質を通してセグメントを配列決定することを提供し、そして配列割り当てにおいて必要な信頼を提供する。このタイプのマッピング実験において、タンパク質はプロテアーゼ(その選択は、改変されるべき特定の領域に、このセグメントが非常に重要であり、そして残りのマップは変異誘発されていないタンパク質のマップに同一であるべきであるので、依存する)で消化される。切断フラグメントのセットは、例えば、マイクロボアHPLC(逆相又はイオン交換、ここでも改変されるべき特定の領域に依存する)により分画されて、各画分中にいくつかのペプチドを提供し、そしてペプチドの分子量が、FAB−MSのような標準的な方法により決定される。次いで各フラグメントの決定された質量は、予測される配列の消化から予期されるペプチドの分子量に比較され、そして配列の正確さが迅速に確認される。タンパク質改変に対するこの変異誘発アプローチは指向性であるので、変化されたペプチドの配列決定は、MSデータが予測と一致する場合、必要であるべきはない。帯電された残基を確認することが必要である場合、CAD−タンデム MS/MSが問題の混合物のペプチドを配列決定するために用いられるか、又は標的ペプチドは、サブトラクトEdman分解又はカルボキシペプチターゼY消化のために精製され、改変の位置に依存する。
特定の部位特異的変異誘発の設計において、非保存的置換を先ず作製し、及び(a)標的されるCDK又はサイクリン結合活性が損なわれたか否かを決定し、そして(b)その結果、任意の標的されない活性(例えば、CDK結合領域が標的される場合、サイクリン結合)が非常に損なわれるか否かを決定することが一般的に所望される。この手段により、残基が標的されない生物学的活性に重要であることが実証される場合、保存的な置換がなされる。
他の部位特異的変異誘発がまた、CKIヌクレオチド配列とともに用いられる。例えば、Sambrookら、分子クローニング;実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)(第2版、1989年 Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、NY)の第15.3節において概して記載されるように、DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化、その後のライゲーションが、CKIの欠失改変体を作製するために使用できる。類似の戦略が、上述のSambrookらの第15.3節において記載されるように、挿入改変体を構築するために使用できる。より最近になって、Zhuら(Proc.Natl.Acas.Sci.USA 96:8768〜8773、1999年)は、キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチドを使用して、インビボで植物遺伝子に変異を標的化する方法を考案した。
1つ以上の置換されたアミノ酸を伴う変異ポリペプチドは、いくつかの方法の1つにおいて作製される。アミノ酸がポリペプチド鎖中に共に密接に位置される場合、これらは所望されるアミノ酸置換の全てをコードする1つのオリゴヌクレオチドを使用して同時に変異される。しかし、アミノ酸が互いにいくらか離れて位置される(例えば、10よりも多いアミノ酸により隔てられる)場合、所望される変化の全てをコードする単一のオリゴヌクレオチドを作製することはより困難である。代わりに、2つの代替法のうちの1つが用いられる。第1の方法において、別々のオリゴヌクレオチドが、置換されるべき各アミノ酸について作製される。次いでオリゴヌクレオチドは、1本鎖鋳型DNAに同時にアニールされ、そして鋳型から合成される第2鎖のDNAは、所望されるアミノ酸置換の全てをコードする。代替の方法は、所望される変異体を生成するために2回以上の変異誘発を含む。第1回目は、単一変異体について記載されたようであり;野生型CKI DNAが鋳型として使用され、第1の所望されるアミノ酸置換をコードするオリゴヌクレオチドはこの鋳型にアニールされ、次いでヘテロ2本鎖DNA分子が作製される。変異誘発の第2回目は、鋳型として第1回目において生成された変異DNAを利用する。従って、この鋳型はすでに1つ以上の変異を含む。次いで、さらに所望されるアミノ酸置換をコードするオリゴヌクレオチドがこの鋳型にアニールされ、そして得られるDNAの鎖は今や、変異誘発の第1回目及び第2回目の両方からの変異をコードする。この得られるDNAは、変異誘発の第3回目の鋳型として使用され、以下同様である。
適切な改変の同定を導くための1つの特に適切な技術は、配列アラインメントによりCKIタンパク質をアニーリングすることを含む。使用できる、上述で考察された多くの配列アラインメント方法論がある。配列ベースのアラインメントプログラムとしては、例えば、Smith−Waterman検索、Needleman−Wunsch、Double Affine Smith−Waterman、フレーム検索、Gribskov/GCGプロフィール検索、Gribscov/GCGプロフィール走査、プロフィールフレーム検索、Bucherの一般化プロフィール、Hidden Markovモデル、Hframe、Double Frame、Blast、Psi−Blast、Clustal、及びGeneWiseが挙げられる。(例えば、Altschulら、J.Mol.Biol.215:403〜410、1990年;Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389〜3402、1997年を参照のこと、ともに参考として援用される)。
関連されるCKIポリペプチドのアミノ酸配列は、例えば、複数の配列アラインメント(MSA)にアラインされる(例えば、図1を参照のこと)。MSAはまた、いまだ同定されていないかもしれないさらなるCKIポリペプチドに対して(典型的に実質的な配列同一性を共有するCKIポリペプチドに対して)、1つ以上のCKIポリペプチドについての公知の構造的情報を供与するために使用できる。異なるCKI間の高い程度の構造相同性に起因して、MSAはアラインメント内の種々の位置での改変の効果の、信頼できる予測因子として使用できる。従って、KRPファミリーメンバーの場合において、例えば、図1において示されるCKIの配列と番号付けは、任意の他のKRPファミリーメンバーのタンパク質配列についてのMSA基準点として使用できる。以前に記載されたように、改変のために特に適切なアミノ酸位置としては、Brassica napus KRP1(BnKrp1)のアミノ酸145位、148位、149位、151位、153位、155位、163位、164位、165位、及び/又は167位に対応する位置が挙げられる。図1において示されるアラインメントを使用して、及び/又は本明細書中に記載されるプログラムのような当該分野で公知のアラインメントプログラムを使用して、アラインメントプログラムの番号付け系を基準点として使用でき、そしてCKIの他の認識されるメンバー、構造ホモログ、及びファミリーにおける等価な位置と、CKIポリペプチドの関連の位置とを相関し得る。類似の方法が、さらに配列決定されるべきCKIポリペプチドのアミノ酸配列をアラインメントするために使用できる。
ある場合において、CDK又はサイクリンタンパク質と相互作用するCKIポリペプチドにおけるアミノ酸が、CKI/CDK又はCKI/サイクリン複合体の三次元構造から直接的に同定される。等価な情報は、関連されるCKIポリペプチドのCKI/CDK又はCKI/サイクリン複合体の解析により得られる。従って、構造アラインメントは、本発明の改変CKIポリペプチドを作製するために使用できる。当該分野において知られる広範に多様な構造アラインメントプログラムがある。例えば、NCBIウェブサイトからのVAST;SSAP(Orengo及びTaylor、Methods Enzymol、266:617〜635、1996年);SARF2(Alexandrov、Protein Eng.9:727〜732、1996年)CE(Shinydyalov及びBourne、Protein Eng.11:739〜747、1998年);(Orengoら、Structure 5:1093〜108、1997年;Dali(Holmら、Nucl.Acid Res.26:316〜9、1998年を参照のこと、これらの全ては参考として援用される)。
従って、CKI/CDK又はCKI/サイクリン界面での有用な改変は、PDA(商標)技術(米国特許第6,188,965号;同第6,269,312号;及び同第6,403,312号を参照のこと、本明細書中に参考として援用される)のようなタンパク質設計又はモデリングアルゴリズムを使用して選択される。このクラスにおけるアルゴリズムは、一般的に、タンパク質の全体の3次構造及び4次構造と、アミノ酸配列との適合性を評価するために、原子レベル又はアミノ酸レベルの評点関数を使用する。従って、このクラスのアルゴリズムは、改変CKIタンパク質が、正確に折り畳む、及びタンパク質の改変されていない領域に対応する天然に存在する標的と相互作用する能力が実質的に混乱されていない、CDK又はサイクリンの結合の改変及び/又は破壊を選択するために使用できる。これらの技術は典型的に、標的タンパク質の高分解能の構造情報を入力として使用する。1つの実施形態において、適切なCKIタンパク質の実験的に決定された構造は、入力として使用される。代替の実施形態において、MSAは、3次元構造が結晶学的な方法又は関連の方法を使用して決定されたファミリーのサブセットに基づき、CKIメンバーについての原子レベルの相同性モデルの構築を導くために使用できる。なお別の実施形態において、哺乳動物p27/サイクリン界面の構造モデルが、植物CKIについての接触アミノ酸残基を予測するために使用できる。
改変された、例えば、CDK又はサイクリンタンパク質についての減少された結合を有する変異CKIポリペプチドは、広範に多様な他の方法により同定され、例えば、指向性進化(例えば、変異性PCR、DNAシャッフリングなど)、単一部位飽和変異誘発、及びアラニン走査変異誘発が挙げられる。KRP CKIの場合において、例えば、これらの及び/又は他の方法の使用は、CDK結合活性を減少する、及び本明細書中に記載されるCDK結合領域の外側に存在する、さらなる改変の同定を許容し得る。
また、分子動力学の算定が、変異配列のスコアを個々に算定し、そして表を蓄積することによって、配列をコンピュータによりスクリーニングするために使用できる。また、コンピュータによるスクリーニングの間、残基対ポテンシャルが配列をスコアするために使用できる(Miyazawaら、Macromolcules 18:534〜552、1985年、本明細書中に参考として援用される)。
あるいは、変異CKIタンパク質のライブラリーが試験のために作製される。例えば、変異CKIアミノ酸配列のライブラリーが、変異CKI配列をコードする核酸を設計するために使用され、次いでこの核酸は宿主細胞にクローン化され、発現され、そして解析される。コドン、適切な発現ベクター、及び適切な宿主細胞の選択は典型的に、多くの因子に依存して変化し、そして必要とされるように容易に至適化される。
本明細書中で概説されるように、優性ネガティブな拮抗活性及び/又は他の所望される活性について試験する変異体のライブラリーをスクリーニングするための1つの特に適切な方法において、プールされたオリゴヌクレオチドでの複数のPCR反応が行われる。完全長遺伝子に対応する重複するオリゴヌクレオチドが合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、改変の各位置又は各サブセットにて、異なるアミノ酸の全てを表現できる。これらのオリゴヌクレオチドは等しい割合でプールされ、そして複数のPCR反応が、ライブラリーによって規定される変異の組み合わせを含む完全長配列を作製するために行われる。さらに、これは変異性PCR法を使用して行うことができる。
典型的に、各重複するオリゴヌクレオチドは、変化されるべきただ1つの位置を含む。あるいは、このことを許容するには改変位置は互いに近すぎ、そしてオリゴヌクレオチド当たり複数の改変が、完全な組み合わせの全ての可能性を許容するために使用される(すなわち、各オリゴは、変異される単一の位置についての、又は変異される1つよりも多い位置についてのコドンを含む)。変異される複数の位置は好ましくは、オリゴヌクレオチド長が不正確になることを防ぐために、配列において近接する。オリゴヌクレオチド上の複数の位置を変異するために、変異の特定の組み合わせが、その組み合わせをコードするオリゴヌクレオチドを含むか又は排除することにより、ライブラリーにおいて含まれるか、又は排除される。例えば、本明細書中で考察されるように、可変領域間で相関され;すなわち、X位がある残基である場合、Y位は特定の残基であるべきである(又はあるべきではない)。可変位置のこれらのセットは、本明細書中で時折「クラスター」といわれる。クラスターは共に近接する残基からなり、従って1つのオリゴヌクレオチドプライマー上に存在し得る場合、クラスターは「良好な」相関に設定され、そしてライブラリーの有効性を減少し得る悪い組み合わせを排除する。しかし、クラスターの残基が配列中で非常に離れ、従って合成のために異なるオリゴヌクレオチド上に存在する場合、残基を「良好な」相関にセットするか、又は可変残基全体としてそれらを排除するかのいずれかが望ましい。あるいは、ライブラリーは、いくつかの工程において作製され、それによりクラスター変異が共にのみ出現する。この手順、すなわち、変異クラスターを同定し、そしてこれらを同じオリゴヌクレオチド上に配置するか、又はクラスターを保存するいくつかの工程において、ライブラリー又はライブラリー作製からそれらを排除するかのいずれかである手順は、正確に折り畳まれるタンパク質を伴うライブラリーをかなり富化し得る。クラスターの同定は、多くの方法により、例えば、公知のパターン認識法、変異の出現の頻度の比較を使用することにより、又は実験的に作製される配列のエネルギー解析を使用することにより(例えば、相互作用のエネルギーが高い場合、その位置は相関される)、行うことができる。これらの相関は位置相関(例えば、可変位置1及び2は常に共に変化するか、又は共には決して変化しない)、配列相関(例えば、位置1に残基Aがある場合、位置2には常に残基Bがある)である。(生体分子データにおけるパターンの発見:手段、技術、適用(Pattern Discovery in Biomolecular Data:Tools、Techniques、and Applications);(Jason T.L.Wang、Bruce A.Shapiro、Dennis Shasha編、New York、Oxford University、1999年);Andrews、パターン認識における数学的技術入門(Introduction to Mathematical Techniques in Pattern Recognition(New York、Wiley−Interscience、1972年);パターン認識の適用(Applications of Pattern Recognition)(K.S.Fu編、Boca Raton、FL、CRC Press、1982年);パターン認識における遺伝子アルゴリズム(Genetic Algorithms for Pattern Recognition)(Sankar K.Pal及びPaul P.Wang編、Boca Raton、FL、CRC Press、1996年);Pandya、C++におけるニューラルネットワークでのパターン認識(Pattern Recognition with Neural Networks in C++)(Boca Raton、FL、CRC Press、1996年;パターン認識及びコンピュータビジョンの手引き(Handbook of Pattern Recognition & Computer Vision)(C.H.Chen、L.F.Pau,及びP.S.PWang編、第2版、Singapore;River Edge、N.J.World Scientific、c1999年);Friedman、パターン認識入門;統計学的、構造学的、ニューラル的、及びファジー論理的なアプローチ(Introduction to Pattern Recognition:Statistial、Structural、Neural、and Fuzzy Logic Approaches)(River Edge、N.J.World Scientific、1999年、シリーズ名称:機械知覚及び人工知能におけるシリーズ(Series in machine perception and artificial itelligence)第32巻)を参照のこと;これらの全ては明らかに参考として援用される。さらにコンセンサスモチーフについて検索するために使用されるプログラムが同様に使用できる。
コドンの挿入又は欠失を伴うオリゴヌクレオチドが、異なる長さのタンパク質を発現するライブラリーを作製するために使用できる。特に、挿入又は欠失についての、コンピュータによる配列スクリーニングは、異なる長さのタンパク質を規定する第2のライブラリーを生じ得、これは異なる長さのプールされたオリゴヌクレオチドのライブラリーにより発現される。
別の実施形態において、本発明の変異CKIポリペプチドは、ファミリー(例えば、変異体のセット)をシャッフルすることにより作製される;すなわち、変異性PCRを用いるか又は用いずに、上位配列のいくつかのセットがシャッフル(序列表が使用される場合)される。この情況における「シャッフリング」は、一般的にランダムな様式における、関連される配列の組み合わせを意味する。これは、米国特許第5,830,721号;同第5,811,238号;同第5,605,793号;同第5,837,458号、及びPCT US/19256(これらの全ては本明細書中に参考として援用される)において規定及び例示されるような「シャッフリング」を含む。配列のこのセットはまた、人工的なセットであり得;例えば、確立テーブル(例えば、SCMFを使用して作製される)又はMonte Carloセット由来である。同様に、「ファミリー」は、上位10よび及び下位10の配列、上位100の配列などである。これはまた、変異性PCRを使用してなされる。
従って、in silicoシャッフリングは、本明細書中に使用されるコンピュータ法を使用して行うことができる(例えば、2つのライブラリー又は2つの配列で開始し、配列のランダムな組換えが作製され、そして評価される)。
変異性PCRは、変異CKIポリペプチドのライブラリーを作製するために行うことができる。米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号、同第5,830,721号を参照のこと、これらは本明細書中に参考として援用される。このことは、至適な配列に対して、又はライブラリー、又はいくつかの他の人工的なセット若しくはファミリーの上位メンバーに対して行うことができる。この方法において、1次ライブラリーのコンピュータスクリーニングにおいて見出される至適な配列についての遺伝子が合成できる。次いで、ライブラリーの改変位置での変異をコードするオリゴヌクレオチド(偏向オリゴヌクレオチド)の存在下、変異性PCRが、至適な配列の遺伝子に対して行われる。オリゴヌクレオチドの付加は、ライブラリーにおける変異の取り込みを有利にする偏向を作製する。あるいは、ある変異についてのオリゴヌクレオチドのみが、ライブラリーを偏向するために使用できる。
遺伝子シャッフリングは、CKIライブラリーにおいて見出される変異の割合を影響するDNA配列ライブラリーを作製するために、偏向オリゴヌクレオチドの存在下、変異性PCRを用いて、至適な配列の遺伝子に対して行うことができる。偏向オリゴヌクレオチドの選択は、多様な方法において行われ得;これらはそえらの頻度の偏向に対して選択され、例えば、高い変異頻度の位置をコードするオリゴヌクレオチドが使用できるか;あるいは、最も可変性の位置を含むオリゴヌクレオチドが使用され、その結果、多様性が増加され;2次ライブラリーが格付けされる場合、上位評点の位置のいくつかが、偏向オリゴヌクレオチドを作製するために使用され;ランダムな位置が選択され;いくつかの上位評点及びいくつかの下位評点のものが選択される。重要なことは、好ましい可変性の位置及び配列に基づいて新規な配列を作製することである。
別のバリエーションにおいて、野生型遺伝子又は他の遺伝子を用いるPCRが使用できる。この実施形態において、開始遺伝子が使用される(例えば、野生型遺伝子、全体的に至適化される配列、又は例えば、異なる生物体由来の相同配列をアラインすることから得られるコンセンサス配列をコードする遺伝子)。この実施形態において、改変位置に対応し、及びライブラリーの異なるアミノ酸を含むオリゴヌクレオチドが使用される。PCRは、末端でのPCRプライマーを使用して行われる。これは、2つの利点を提供する。第1に、これは一般的により少ないオリゴヌクレオチドを必要とし、そしてより少ない誤りを生じ得る。第2に、これは、野生型遺伝子が使用される場合、合成される必要がないという点で、実験的利点を有する。
変異CKIポリペプチドは、任意の数の生物体由来であり、植物由来のCKIポリペプチドは特に好ましい。適切な植物としては、例えば、単子葉植物と双子葉植物の両方を含む、形質転換技術に適する高等植物だけでなく、藻類のようなある下等のクラスも挙げることができる。これは多様な倍数性レベルの植物を含み、倍数体、2倍体、半数体を含む。特定の実施形態において、植物は、Brassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max(グリシンマックス)、トウモロコシ、イネ、コムギ、アルファルファ、綿花、又はポプラなどである。
上記のように、本発明の変異CKIポリペプチドは、野生型CKIポリペプチドの優性ネガティブなアンタゴニストである。ある実施形態において、変異CKIポリペプチドは、その対応するサイクリン又はCDKタンパク質(すなわち、CKI変異体が由来する種からの内因性の、天然に存在するCDK又はサイクリンタンパク質)の1つのみ、又は両方と物理学的に相互作用し、それにより変異CKIを含むCDK/サイクリン複合体は、野生型CKIタンパク質によるCDK/サイクリンキナーゼ阻害について防御される。
代替の、相互排他的でない実施形態において、変異CKIポリペプチドは、異種CDK又はサイクリンタンパク質(すなわち、CKI変異体が由来する種とは異なる種由来の、天然に存在するCDK又はサイクリンタンパク質)の1つのみ、又は両方と物理学的に相互作用し、それにより変異CKIを含む異種CDK/サイクリンの複合体は、複合体内のCDKやサイクリンタンパク質に対応する野生型CKIタンパク質による(すなわち、CDKやサイクリンタンパク質に対して内因性である野生型CKIタンパク質による)CDK/サイクリンキナーゼ阻害から、防御される。
いくつかの実施形態において、本発明の変異CKIポリペプチドは、対応する野生型CKIタンパク質について非常に特異的なアンタゴニストである。代替の実施形態において、本発明の変異体CKIポリペプチドは、1つよりも多い野生型ポリペプチドについて特異的なアンタゴニストである。例えば、変異アラビドプシスCKIポリペプチドは、野生型アラビドプシスCKIポリペプチドのみの特異的なアンタゴニストであるか、又は野生型のアラビドプシス、Brassica napus、Glycine max、トウモロコシ、コムギ、イネ、綿花、及び/又はポプラのCKIポリペプチドについて特異的である。また、変異アブラナCKIポリペプチドは野生型アブラナCKIポリペプチドのみの特異的なアンタゴニストであるか、又は野生型のアラビドプシス、Brassica napus、Glycine max、トウモロコシ、コムギ、イネ、綿花、及び/又はポプラについて特異的である。
変異CKIポリペプチドは、野生型CKIポリペプチドに比較して、実質的に減少された生物学的活性を表し、CDK又はサイクリンタンパク質のうちの1つに対する改変された結合、及びCDK/サイクリンキナーゼ複合体の減少された阻害を含む。このような減少された生物学的活性は、インビボ及び/又はインビトロのアッセイを使用して試験され、確認される。適切なアッセイとしては、CDK/サイクリンキナーゼ活性アッセイ;CDK又はサイクリン結合アッセイ;細胞増殖アッセイが挙げられるが、これらに制限されない。野生型CKIポリペプチドに比較して、生物学的活性における実質的な減少は、改変CKIポリペプチドの生物学的活性が対応する野生型CKIポリペプチドの生物学的活性の80%未満又は70%未満、典型的に60%未満又は50%未満、より典型的に40%未満又は30%未満、好ましくは20%未満又は10%未満である。
いくつかの実施形態において、変異CKIポリペプチドは、野生型CKIポリペプチドに比較して、本明細書中に概説される改変に加えて、ある改変を含む(すなわち、変異CKIタンパク質は、対応する野生型CKIタンパク質に比較して、優性ネガティブタンパク質を作製するために使用される改変以外のさらなる改変を含む)。例としては、E.coliにおいて可溶性発現を可能にするために導入されるアミノ酸置換、及び溶液挙動を至適化するために導入されるアミノ酸置換が挙げられるが、これらに制限されない。さらに、本明細書中で概説されるように、本明細書中に記載される任意の変異は、さらなる改変CKIポリペプチドを形成するためにいかようにも組み合わされる。さらに、変異CKIポリペプチドは、対応する野生型タンパク質よりも長い変異CKIポリペプチドが、例えば、エピトープ若しくは精製タグの付加、他の融合配列の付加などにより作製されるか、又は変異CKIポリペプチドはより短くよい。
変異CKIポリペプチドはまた、変異CKI核酸によりコードされるとして同定される。核酸の場合において、核酸配列の全体の配列同一性は、アミノ酸配列同一性と相応するが、遺伝子コードにおける縮重及び異なる生物体のコドン偏向を考慮する。従って、核酸配列同一性は、タンパク質配列の同一性よりも低いか又は高いかのいずれかであり、より低い配列同一性が典型的である。
当業者により理解されるように、遺伝子コードの縮重に起因して、極めて多数の核酸が作製され、その全ては本発明の変異CKIポリペプチドをコードする。従って、特定のアミノ酸配列を同定することが、変異タンパク質をコードする任意の数の異なる核酸を、変異CKIポリペプチドのアミノ酸配列を変化しない方法で1つ以上のコドンの配列を単に改変することによって、なされる。
本発明の変異CKIポリペプチド及び核酸は、好ましくは(合成的に作製されない限り)組換えである。上記されるように、変異体は典型的に、変異体をコードするDNAを生成するために、カセット若しくはPCR変異誘発、又は当該分野で周知の別の技術を使用し、その後組換え細胞培養物中でDNAを発現して、対応するCKIタンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的変異誘発により調製される。アミノ酸配列変異体は、変異の予め決定された性質、天然に存在する対立遺伝子又は変異CKIタンパク質アミノ酸配列の種間の多様性とは異なるそれらを設定する特徴により、特徴づけられる。上述で概説されるように、改変体は典型的に、CDK又はサイクリンタンパク質のいずれかの類似の結合を表す(従って、対応する野生型CKIタンパク質に比較して、変異体はその阻害活性における実質的な減少を表すが;さらなる改変特徴を有する改変体がまた選択される)。
アミノ酸配列変異を導入するための部位又は領域は予め決定されるが、変異自身は予め決定される必要はない。例えば、所与の部位での変異の性能を至適化するために、ランダムな変異誘発が標的コドン又は領域にて行われ、そして発現される改変CKIタンパク質は、所望される活性の至適な組み合わせについてスクリーニングされる。公知の配列を有するDNA中の予め決定された部位にて置換変異を作製するための技術、例えば、M13プライマー変異誘発及びPCR変異誘発が周知である。変異体のスクリーニングは、至適な特徴についての変異体CKIタンパク質活性のアッセイを使用して行われる。
いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は単一の残基である。他の実施形態において、複数のアミノ酸残基が置換される(例えば、2個、3個、4個、又はそれ以上のアミノ酸が置換される)。挿入は典型的に、アミノ酸について約1〜20個であるが、かなりのより大きな挿入が容認される。欠失は、約1〜約20残基、又は約1〜約30残基にわたるが、いくつかの場合において、欠失は非常により大きくよい。ある実施形態において、変異CKIポリペプチドは2つ以上の野生型CKIタンパク質に由来するキメラであり、本明細書中で概説されるように、CDK又はサイクリン結合領域において少なくとも1つの改変を伴う。
置換、欠失、挿入、又は任意のそれらの組み合わせが、最終的な変異体に到達するために使用される。一般的に、改変は、分子の変化を最小にするために比較的少ないアミノ酸に関して行われる。しかし、より大きな変化がある情況において容認される。
変異CKIポリペプチドをコードする本発明の核酸を使用して、多様なベクターが作製される。宿主細胞と適合性の種に由来するレプリコン又は制御配列を含む任意のベクターが、本発明の実施において使用できる。ベクターは、自己複製する染色体外ベクター又は宿主ゲノムに取り込まれるベクターのいずれかである。一般的に、発現ベクターは変異CKIポリペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結される転写調節核酸領域及び翻訳調節核酸領域を含む。用語「制御配列」は、作動可能に連結されるコード配列の、特定の宿主生物体における発現に必要なDNA配列をいう。原核生物に適切である制御配列としては、例えば、プロモーター、必要に応じてオペレーター配列、及びリボソーム結合部位が挙げられる。転写調節核酸領域及び翻訳調節核酸領域は一般的に、ポリペプチドを発現するために使用される宿主細胞に適合する。
ある実施形態において、CKI核酸は、コドンの至適化を使用して、宿主細胞における増強される遺伝子発現のために改変され、これはコドン配列を、DNA分子が発現される細胞の種において高度に使用される翻訳コドン(同じアミノ酸に対応する)で置き換えることを含む。トウモロコシにおける発現のために至適化されたBnKrp1変異コード配列(BnKrp1 F151A;F153A、及びY149A;F151A;F153A)の例が図3において示される。コドン至適化の手順は一般的に当該分野において周知であり、そして本発明に従う他の、コドンが至適化された変異体Krp1配列を得るために、当業者により使用できる。
多数のタイプの適切な発現ベクター、及び適切な調節配列が、多様な宿主細胞について当該分野において知られる。一般的に、転写調節配列及び翻訳調節配列としては、例えば、プロモーター、リボソーム結合部位、転写開始と停止配列、翻訳開始と停止配列、及びエンハンサー又はアクチベーター配列が挙げられる。典型的な実施形態において、調節配列は、プロモーター及び転写開始と停止配列を含む。ベクターはまた、典型的に、外来DNAの挿入のためのいくつかの制限部位を含むポリリンカー領域を含む。複製配列、調節配列、表現型選択遺伝子をコードするDNA、及び目的の改変CKI DNAを含む適切なベクターの構築は、標準的な組換えDNA手順を使用して調節される。単離されたプラスミド、ウイルスベクター、DNAフラグメントは、当該分野において周知であるように、切断され、調整され、そして所望されるベクターを作製するために特定の順序においてともに連結される(例えば、Maniatis、前出、及びSambrookら、前出を参照のこと)。
プロモーター配列は、構成的プロモーター又は誘導性プロモーターのいずれかをコードする。プロモーターは、天然に存在するプロモーター又はハイブリッドプロモーターのいずれかである。ハイブリッドプロモーターは、1つよりも多いプロモーターのエレメントを組み合わせ、当該分野においてまた公知であり、そして本発明において有用である。典型的な実施形態において、プロモーターは強力なプロモーターであり、細胞、特に植物細胞中での高発現を許容する。本発明に従う使用に特に適切であるプロモーターは、さらに以下に記載される。
さらに、発現ベクターは、さらなるエレメントを含む。例えば、発現ベクターは、2つの複製系を有し、従って、2つの生物体において、例えば、発現のために植物細胞又は昆虫細胞において、及びクローニング及び増殖のために原核生物宿主において、ベクターが維持されることを許容する。さらに、発現ベクターを取り込むために、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに対して少なくとも1つの配列相同性、及び好ましくは発現構築物に近接する2つの相同な配列を含む。組込まれるベクターは、ベクター中の封入のために適切な相同配列を選択することにより、宿主細胞の特定の遺伝子座に指向される。ベクターを組込むための構築物は、当該分野において周知である。
ある実施形態において、発現ベクターは形質転換された宿主細胞の選択を許容する選択可能なマーカー遺伝子を含む。選択遺伝子は当該分野において周知であり、そして使用される宿主細胞とともに変わる。適切な選択遺伝子としては、例えば、アンピシリン及び/又はテトラサイクリン耐性をコードする遺伝子が挙げられ、これはこれらのベクターで形質転換された細胞が、これらの抗体の存在下で増殖することを可能にする。
本発明の1つの局面において、変異CKI核酸は、単独で又はベクターと組み合わせてのいずれかで、細胞に導入される。「へ導入される」又は本明細書中の文法的に対応する言葉により、その後の核酸の組み込み、増殖、及び/又は発現に適切である様式で、核酸が細胞に入ることを意味する。導入の方法は、標的される細胞型により非常に影響される。例示的な方法としては、CaPO4沈降、リポソーム融合、リポフェクチン(登録商標)、エレクトロポレーション、ウイルス感染などが挙げられる。植物細胞への導入に特に適切な方法は当該分野において公知であり、そしてまた、以下に記載される(第II節「トランスジェニック植物」を参照のこと)。このような方法としては、例えば、DNAを含む微小発射体(マイクロプロジェクタイル)での細胞のボンバードメントが挙げられる。変異CKI核酸は、宿主細胞のゲノムに安定に取り込まれ得るか、又は細胞質中に、一過的に若しくは安定してのいずれかで存在し得る(例えば、伝統的なプラスミドの使用を通して、標準的な調節配列、選択マーカーなどを利用する)。
原核生物は、本発明の最初のクローニング工程のために宿主細胞として使用できる。これらは、大量のDNAの迅速な産生のために、部位特異的変異誘発のために使用される1本鎖DNA鋳型の産生のために、多くの変異体を同時にスクリーニングするために、又は作製される変異体のDNAを配列決定するために、特に有用である。適切な原核生物宿主細胞としては、E.coli K12株94(ATCC番号31,446)、E.coli株W3110(ATCC番号27,325)、E.coli X1776(ATCC番号31,537)、及びE.coli Bが挙げられるが;HB101、JM101、NM522、NM538、NM539のようなE.coliの多くの他の株、並びにBacillus subtilisのような桿菌を含む原核生物の多くの他の種及び属、Salmonella typhimurium又はSerratia marcesansのような他の腸内細菌、種々のシュードモナス(Pseudomonas)種が、全て宿主として使用される。原核生物宿主細胞又は硬い細胞壁を伴う他の宿主細胞は典型的に、Sambrookら、前出の第1.82節において記載されるように、塩化カルシウム法を使用して形質転換される。あるいは、エレクトロポレーションが、これらの細胞の形質転換のために使用できる。原核生物の形質転換技術は、例えば、Dower、遺伝子操作、原理及び方法(Genetic Engineering、Principles and Method)12:275〜296(Plenum Publishing Corp.、1990年);Hanahanら、Meth.Enymol.,204:63、1991年)において記載される。E.coliの形質転換のために典型的に使用されるプラスミドとしては、pBR322、pUCI8、pUCI9、pUCI18、pUC119、及びBluescript M13が挙げられ、これらの全ては、Sambrookら、前出の第1.12〜1.20節において記載される。しかし、多くの他の適切なベクターが同様に利用可能である。
本発明の変異CKIポリペプチドは典型的に、変異CKIポリペプチドの発現を誘導する、又は引き起こすのに適切な条件下で、変異CKIポリペプチドをコードする核酸を含むベクターで形質転換された宿主細胞を培養することにより、産生される。細胞分裂の調節のために、CKIタンパク質は、その通常の細胞内の形態において発現される。変異CKIポリペプチドの回収又は単離を含む本発明の適用のために、CKI変異体は、細胞内タンパク質として、あるいは宿主細胞から分泌される形態において発現される。細胞から通常分泌される多くの真核生物タンパク質は、アミノ酸配列の部分として内因性の分泌シグナル配列を含む。従って、細胞質中に通常見出されるタンパク質は、タンパク質にシグナル配列を連結することにより、分泌について容易に標的される。このことは、タンパク質をコードするDNAの5’末端にシグナル配列をコードするDNAを連結し、次いで適切な宿主細胞においてこの融合タンパク質を発現することにより、容易に達成される。シグナル配列をコードするDNAは、シグナル配列を伴うタンパク質をコードする任意の遺伝子から、制限フラグメントとして得ることができる。従って、原核生物、酵母、真核生物のシグナル配列が本明細書中で使用され、本発明を実施するために利用される宿主細胞のタイプに依存する。例えば、ヒト成長ホルモン、プロインスリン、プロアルブミンを含む、いくつかの真核生物遺伝子のシグナル配列部分をコードするDNA及びアミノ酸配列が知られ(Stryer、Biochemistry(W.H.Freeman及びCompany、New York、NY,1988年、769頁)を参照のこと)、そして適切な真核生物宿主細胞においてシグナル配列として使用できる。例えば、酸ホスファターゼ(Arimaら、Nuc.Acids.Res.11:1657、1983年)、α因子、アルカリホスファターゼ、インベルターゼのような酵母シグナル配列は、酵母宿主細胞からの分泌を指向するために使用できる。例えば、LamB又はOmpF(Wongら、Gene 68:193、1988年)、MalE、PhoA、又はβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子、及び他の遺伝子由来の原核生物のシグナル配列は、原核生物において発現されるタンパク質を、培養培地中へ標的するために使用できる。
変異CKIポリペプチド発現に適切な条件は、発現ベクターや宿主細胞の選択によって変わり、そして日常的な実験を通して当業者により容易に確認できる。例えば、発現ベクターにおける構成的プロモーターの使用は、宿主細胞の成長と増殖を至適化することが必要とされるのに対し、誘導性プロモーターの使用は、誘導のための適切な成長条件を必要とする。さらに、いくつかの実施形態において、回収の時期は重要である。例えば、昆虫細胞発現において使用されるバキュロウイルス系は、溶菌ウイルスであり、従って回収時期の選択が、産物の収量にとって重要である。
原核生物ベクターにおいて最も一般的に使用されるプロモーターとしては、p−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)やラクトースプロモーター系(Changら、Nature 375:615、1978年;Itakuraら、Science 198:1056、1977年;Goeddelら、Nature 281:544、1979年)及びトリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら、Nucl.Acids Res.8:4057、1980年;EPO Appl.Publ.第36巻、776)、並びにアルカリホスファターゼ系が挙げられる。これらは最も一般的に使用されるが、他の微生物プロモーターが利用されており、そしてそれらのヌクレオチド配列に関する詳細が公開されており、当業者がそれらをプラスミドベクターへ機能的に連結することを可能にする(Siebenlistら、Cell 20:269、1980年を参照のこと)。
本発明の実施において使用できる応答性プロモーター系の実例は、トウモロコシにおけるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)系である。GSTは、発芽前除草剤としてしばしば使用される多くの疎水性の求電子化合物を解毒し得る酵素のファミリーである(Weigandら、Plant Molecular Biology 7:235〜243、1986年)。研究は、GSTがこの増強された除草剤耐性を引き起こすことに直接的に関与することを示した。この作用は主に、特異的な1.1kb mRNA転写産物を介して媒介される。簡潔には、トウモロコシは、天然に存在する静止遺伝子を有し、外部刺激に応答し、そして遺伝子産物を産生するように誘導されることを既に示す。この遺伝子は、以前に同定及びクローン化されている。従って、本発明の1つの実施形態において、プロモーターはGST応答性遺伝子から取り出され、そして変異CKIコード配列に接続される。変異CKI遺伝子がゲノムDNA供給源に由来する場合、キメラ遺伝子の構築の間にネイティブなプロモーターを除去することが必要とされる。この操作された遺伝子は、外部の化学的な刺激に応答するプロモーターと、変異CKIタンパク質の首尾よい産生を担う遺伝子との組み合わせである。
誘導性プロモーターは、誘導因子に応答して1つ以上のDNA配列又は遺伝子の転写を直接的に又は間接的に活性化し得るプロモーターである。誘導因子の不在下で、DNA配列又は遺伝子は転写されない。典型的に、タンパク質因子は、転写を活性化するための誘導性プロモーターに特異的に結合し、不活性な形態で存在し、次いでこれは誘導因子により活性な形態に直接的に又は間接的に変換される。誘導因子は、タンパク質、代謝物質、成長調節因子、除草剤、若しくはフェノール化合物のような化学的因子、又は熱、低温、塩、若しくは毒性要素により直接的に、若しくはウイルスのような病原体又は疾病因子の作用を介して間接的に課せられる生理学的ストレスである。誘導性プロモーターを含む植物細胞は、噴霧、散水、加熱、又は類似の方法によるように、細胞又は植物に対して誘導因子を外的に適用することによって、誘導因子に曝露される。植物の発達の間の特定の時間に標的遺伝子の発現を活性化することが所望される場合、誘導因子はその時点でそのように適用される。
このような誘導性プロモーターの例としては、ショウジョウバエ(Drosphilia melanogaster)の誘導性70KD熱ショックプロモーター(Freelingら、Ann.Rev.of Genetics 19:297〜323)のような熱ショックプロモーター;アブラナ(B.napus)由来の低温誘導性プロモーター(Whiteら、Plant Physiol、106、1994年)のような低温誘導性プロモーター;エタノールにより誘導されるアルコールデヒドロゲナーゼプロモーター(Nagaoら、Surveys of Plant Molecular and Cell Biology 第3巻、384〜438頁(B.J.Miflin編、Oxford University Press、Oxford、1986年)が挙げられる。
構成的プロモーターは、トランスジェニック植物の全ての組織において、1つ以上のDNA配列又は遺伝子の転写を直接的に又は間接的に活性化し得るプロモーターである。典型的に、CaMCの35Sプロモーター(Odell、Nature 313:810〜812、1985年)のような構成的プロモーターが使用される。植物において有用な構成的プロモーターの他の例としては、イネアクチンプロモーター(Elroyら、Plant Cell 2:163〜171、1990年)、トウモロコシ HEヒストン(Lepetitら、Mol.Gen.Genet.231:276〜285、1992年)などが挙げられる。
本発明のCKI導入遺伝子は、BCEA(B.campestris胚)プロモーターのようなプロモーターを使用して発現され、これは非常に初期の種子発達において高レベルの発現を指向することが見出されている(すなわち、ナピン(napin)プロモーターの前に転写される)。これは、保存物質蓄積の前の期間であるが、アブラナ種子(Johnson−Flanaganら、J.Plant Physiol.136:180、1989年;Johnson−Flanaganら、Physiol.Plant 81:301、1991年に由来する)における迅速な色素生合成の期間である。種子保存タンパク質プロモーターはまた、種子特異的様式において高レベルの発現を指向することが示されている(Voelkerら、Plant Cell 1:95、1989年;Altenbachら、Plant Mol.Biol.13:513、1989年;Leeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:6181、1991年;Russellら、Transgenic Res.6:157〜68、1997年)。ナピンプロモーターは、トランスジェニックアブラナにおいてオレオシン(oleosin)遺伝子発現を指向することが示され、それにより全種子タンパク質のうちの約1%にオレオシンが蓄積される(Leeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:6181、1991年)。プロモーターを選択する際に、他の組織における発現を影響することなく、ある組織における抑制又は過剰発現を許容する組織特異的プロモーター又は発達調節性プロモーターを使用することが所望される。「組織特異的プロモーター」は、例えば、根、葉、茎、雌しべ、葯、花弁、種皮、種子珠心、又は表皮層のような特異的組織において主に遺伝子発現を指向するコード領域をいう。組織特異性を保持する高レベルの活性を伴うプロモーターを作製するために、転写刺激因子、エンハンサー、又は活性因子は、組織特異的プロモーター中に組込まれ得る。例えば、過剰発現において利用されるプロモーターは、好ましくは、組織特異的である。種子保存領域において過剰発現する試みにおいて、葉のような間違った組織における過剰発現は有害である。特に適切なプロモーターは、例えば、種子特異的、根特異的、葉特異的、果実特異的発現などを許容するプロモーターである。これは、種子、根、葉、果実は特に重要であるので、特に有用である。異なる組織のタイプに特異的であるいくつかのプロモーターはすでに利用可能であるか、又は十分に確立された技術により(例えば、米国特許第5,792,925号;同第5,783,393号;同第5,859,336号;同第5,866,793号;同第5,898,096号;及び同第5,929,302号を参照のこと)、及び以下にさらに記載されるように、単離できる。表1は、本発明を実施するために使用できる、他の胚特異的プロモーターを列挙する。
Figure 2009502175
特に、本発明の実施形態において、未成熟の種子の胚植物の発達の間に特に活性である種子特異的プロモーターは、非常に重要である。種子発達における初期の、本発明の優性ネガティブ変異体の発現が、種子発達における初期の細胞分裂を増加するように所望される。この段階でのより多くの細胞分裂は、より大きな胚を導く。胚組成は約33%が油であり、それゆえ、より大きな胚は、油含量の増加を導く。胚における本発明の発現に、及び他の植物組織におけるより低い発現又は未発現に適切であるプロモーターは、種子の油含量を増加するために重要である。特に重要であるのは、初期相特異的胚発達において発現を開始するそれらのプロモーター配列である。初期相特異的プロモーターは、アラビドプシスにおいて受粉(ナナフシ)後7日目の前に、又は別の植物種において等価な段階で、タンパク質の発現を開始するプロモーターである。特に重要なプロモーター配列の例としては、アミノ酸パーミアーゼ遺伝子(AAP1)についてのプロモーター(例えば、Arabidopsis thaliana由来のAAP1プロモーター)、オレイン酸12−ヒドロキシラーゼ:デサチュラーゼ遺伝子についてのプロモーター(例えば、Lesquerella fendleri由来のLFAH12に指定されるプロモーター、2S2アルブミン遺伝子についてのプロモーター(例えば、Arabidopsis thaliana由来の2S2プロモーター、脂肪酸エロンガーゼ遺伝子プロモーター(FAE1)(例えば、Arabidopsis thaliana由来のFAE1プロモーター)、及び葉の子葉遺伝子プロモーター(LEC2)(例えば、Arabidopsis thaliana由来のLEC2プロモーター)が挙げられる。AAP1、LEAH12、2S2、及びFAE1プロモーターは、胚発達の最も初期の段階で不活性である。これらは、発達の後期にて徐々に転写的に活性になり、AAP1から開始され、LFAH12、2S2、次いでFAEが続く。次いで全ての4つのプロモーターは、胚発達後期を通して活性なままである。LEC2プロモーターは、逆の発現プロフィールを有する。これは、非常に初期の胚発達において活性であり、次いでその活性は、後期を通して徐々に減退する。目的の他の胚特異的プロモーターとしては、以下の遺伝子由来のプロモーターが挙げられる:Seedstick(Pinvopichら、Nature 424:85〜88、2003年)、Fbp7及びFbp11(ペチュニアSeedstick)(Colomboら、Plant Cell.9:703〜715、1997年)、Banyuls(Devic、Plant J.、19:387〜398、1999年)、ABI3(Ngら、Plant.Mol.Biol.54:25〜38、2004年)、agl−15、Agl18(Lehti−Shiuら、Plant Mol.Biol.58:89〜107、2005年)、Phe1(Kohlerら、Genes Develop.17:1540〜1553、2003年)、emb175(Cushingら、Planta.221:424〜436、2005年)、L11(Kwongら、Plant Cell 15:5〜18、2003年)、Lec1(Lotan、Cell 93:1195〜1205、1998年)、Fusca3(Krojら、Development 130:6065〜6073、2003年)、TT12(Debeaujonら、Plant Cell 13:853〜871、2001年)、TT16(Nesiら、Plant Cell 14:2463〜2479、2002年)、A−RZf(Zou及びTaylor、Gene 196:291〜295、1997年)、TTG1(Walkerら、Plant Cell 11:1337〜1350、1999年)、TT1(Sagasserら、Genes Dev.16:138〜149、2002年)、TT8(Nesiら、Plant Cell 12:1863〜1878、2000年)、及びGea−8(ニンジン)(Linら、J.Exp.Botany 50:1139〜1147、1999年)のプロモーター。単子葉植物由来の胚特異的プロモーターとしては、グロブリン(Globulin)、Knox(イネ)(Postma−Haarsma、Plant Mol.Biol.39:257〜271、1999年)、オレオシン(Oleosin)(Plant、Plant Mol.Biol.25:193〜205、1994年)、Kedde、Plant Mol.Biol.24:327〜340、1994年)、ペルオキシレドキシン(Peroxiredoxin)(Per1)(Haslekasら、Plant Mol.Biol.36:833〜845、1998年)、Haslekasら、Plant Mol.Biol.53:313〜326、2003年)、HvGAMYB(Diazら、Plant J.29:453〜464、2002年)、及びオオムギ由来のSAD1(Isabel−LaMonedaら、Plant J. 33:329〜340、1999年)、並びに、トウモロコシ(Zea Maize)ハイブリッドプロリンリッチタンパク質プロモーター(Jose−Estanyolら、Plant Cell 4:413〜423、1992年;Jose−Estanyolら、Gene 356:146〜152、2005年)が挙げられる。
種子保存タンパク質は、多くの植物において全種子タンパク質の90%までも示すので、種子タンパク質のプロモーターはまた特に重要である。種子保存タンパク質は厳密に調節され、非常に組織特異的な及び段階特異的な様式において、種子中でほとんど排他的に発現される(Higginsら、Ann. Rev.Plant.Physiol.35:191〜221、1984年;Goldergら、Cell 56:149〜160、1989年)。さらに、異なる種子保存タンパク質が、種子発達の異なる段階にて発現される。種子特異的遺伝子の発現は、非常に詳細に研究されている(Goldbergら、前出、及びHigginsら、前出による概説を参照のこと)。種子特異的プロモーターの例としては、アラビドプシスや他の植物のLFAH12、及びThomasらに対する米国特許第5,977,436号(その全体が参考として援用される)において記載されるような、アラビドプシスオレオシン遺伝子の5’調節領域が挙げられ、これは異種遺伝子のコード配列又はネイティブな植物遺伝子に相補的な配列のいずれかに作動可能に連結される場合、植物種子において、異種遺伝子又は相補的な配列の発現を指向する。
双子葉植物についての適切な種子保存タンパク質のプロモーターとしては、例えば、マメ−β−ファセオリン、レクチン、及びフィトヘマグルチニンのプロモーター(Sengupta−Gopalanら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:3320〜3324、1985年;Hoffmanら、Plant Mol.Biol.11:717〜729、1988年:Voelerら、EMBO J.6:3571〜3577、1987年);ナタネ(カノーラ(Canola))ナピンプロモーター(Radkeら、Theor.Appl.Genet.75:685〜694、1988年);ダイズグリシニン及びコングリシニンのプロモーター(Chenら、EMBO J.7:297〜302、1988年;Nielsonら、Plant Cell 1:313〜328、1989年、Haradaら、Plant Cell 1:415〜425、1989年;Beachyら、EMBO J.4:3047〜3053、1985年);ダイズレクチンプロモーター(Okamuroら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8240〜8244、1986年);ダイズKunizトリプシンインヒビタープロモーター(Perez−Grauら、Plant Cell 1:1095〜1109、1989年;Jofukuら、Plant Cell 1:1079〜1093、1989年);ジャガイモパタチン(patatin)プロモーター(Rocha−Sosaら、EMBO J.8:23〜29、1989年);エンドウマメのコンビシリン、ビシリン、及びレグミンのプロモーター(Rerieら、Mol.Gen.Genet.259:148〜157、1991年;Newbiginら、Planta 180:461〜470、1990年;Higginsら、Plant Mol.Biol.11:683〜695、1988年;Shirsatら、Mol.Gen.Genetics 215:326〜331、1989年);並びにサツマイモスポラミンプロモーター(Hattoriら、Plant Mol.Biol.14:595〜604、1990年)が挙げられる。
単子葉植物について、本発明を実施する際に有用な種子保存タンパク質のプロモーターとしては、例えば、トウモロコシゼイン(zein)プロモーター(Schernthanerら、EMBO J.7:1249〜1255、1988年;Hoffmanら、EMBO J.6:3213〜3221、1987年(トウモロコシ 15kD ゼイン));トウモロコシ18kD オレオシンプロモーター(Leeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 888:6181〜6185、1991年);waxyプロモーター、shrunken−1プロモーター、グロブリン 1プロモーター;shrunken−2プロモーター;イネグルテリンプロモーター;オオムギホルデイン(hordein)プロモーター(Marrisら、Plant Mol.Biol. 10:359〜366、1988年);RP5(Suら、J.Plant physiol、158:247〜254、2001年);EBE1及び2トウモロコシプロモーター(Magnardら、Plant Mol.Biol. 53:821〜836、2003年)、並びにコムギグルテニン及びグリアジンプロモーター(米国特許第5,650,558号;Colotら、EMBO J.6:3559〜3564、1987年)が挙げられる。
また、本発明の実施に適切であるのは、アブラナ(B.napus)のイソクエン酸リアーゼ及びマレイン酸合成酵素(Comaiら、Plant Cell 1:293〜300、1989年);ベニバナ(Thompsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2578〜2582、1991年)、及びトウゴマ(Shanklinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2510〜2514、1991年)由来のδ−9不飽和化酵素;アラビドプシス(Post−Beittenmillerら、Nucl.Acid.Res.17:1777、1989)、アブラナ(B.napus)(Saffordら、Eur.J.Biochem.174:287〜295、1988年)、及びアブラナ(B.campestris)(Roseら、Nucl.Acids Res.15:7197、1987年)由来のアシルキャリアタンパク質(ACP);オオムギ由来のβ−ケトアシル−ACP合成酵素(Siggaard−Andersenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4114〜4118、1991);並びにトウモロコシ(Zea mays)(Leeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:6181〜6185、1991)、ダイズ(Genbankアクセス番号X60773)、及びアブラナ(B.napus)(Leeら、Plant Physiol.96:1395〜1397、1991)由来のオレオシンについての遺伝子のプロモーターである。
本発明の実施において有用な他のプロモーターは、当業者に公知である。さらに公知の方法が、本発明に従う使用に適切なさらなるプロモーターを単離するために使用できる。例えば、特異的スクリーニング技術が、果実発達のような特定の(発達の)時期に発現されるプロモーターを単離するために使用できる。
キメラ遺伝子において異種コード配列に作動可能に連結される種子特異的遺伝子のプロモーターは、トランスジェニック植物においてそれらの時間的な及び空間的な発現を維持する。このような例としては、アラビドプシスやアブラナ(B.napus)の種子においてエンケファリンペプチドを発現するためのArabidopsis thaliana 2S種子保存タンパク質遺伝子のプロモーター(Vandekerckhoveら、Bio/Technology 7:929:932、1989年)、マメレクチンプロモーターや、ルシフェラーゼを発現するためのマメβ−ファセオリン(β−phaseolin)プロモーター、さらにクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼを発現するためのコムギグルテニンプロモーター(Colotら、前出)の使用が挙げられる。
本発明の核酸フラグメントの発現の正確なレベルを獲得することは、異なるプロモーターを利用する、異なるキメラ遺伝子の使用に必要である。このようなキメラ遺伝子は、単一の発現ベクターにおいてともに、又は1つよりも多いベクターを使用して連続的にのいずれかで、宿主細胞に移入される。
さらに、エンハンサーがしばしば、本発明の遺伝子の発現を増大するために必要とされるか、又は役立つ。これらのエレメントが所望されるタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されること、及び調節エレメントが作動可能であることが必要とされる。エンハンサー又はエンハンサー様エレメントは、ネイティブ又はキメラのいずれかの核酸フラグメントである。これは、35Sプロモーターにおいて見出されるようなウイルスエンハンサー(Odellら、Plant Mol.Biol.10:263〜272、1988年)、オピン遺伝子由来のエンハンサー(Frommら、Plant Cell 1:977〜984、1989年)、又は本発明の核酸フラグメントに作動可能に連結されるプロモーターに配置される場合に増大された転写を生じる任意の他の供給源由来のエンハンサーを含む。例えば、構築物は、タバコEtchウイルス(TEV)5’非翻訳リーダーに連結される二重転写エンハンサーとともにCaMV 35Sプロモーターを含む。TEVリーダーは、生成されるタンパク質の増加するための翻訳エンハンサーとして作用する。
本明細書中で記載されるような、適切なプロモーターエレメントは、十分に確立された手順に従って、変異CKI核酸配列及び適切なターミネーター(ポリアデニル化領域)に融合される。
トランスジェニック植物
本発明の別の局面において、変異CKI導入遺伝子を含むトランスジェニック植物が提供される。変異CKIポリペプチドを発現するトランスジェニック植物は、例えば、変異ポリペプチドをコードするトランスジェニックベクター(例えば、プラスミド又はウイルスベクター)を植物に移入することにより獲得される。典型的に、ベクターがプラスミドである場合、ベクターは、例えば、カナマイシンに対する耐性をコードするネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(nptII)遺伝子のような選択可能なマーカー遺伝子を含む。植物形質転換の最も一般的な方法は、Hoeckemaら(Nature 303:179〜181、1983年)において記載されるように、標的導入遺伝子を植物形質転換ベクターにクローニングすることにより行われ、次いでこのベクターはヘルパーTiプラスミドを含有するアグロバクテリア(Agrobacterium tumifaciens)に形質転換される。導入遺伝子ベクターを含有するアグロバクテリア細胞は、Anら(Plant Physiology 81:301〜305、1986年)により記載されるように形質転換される植物の葉切片とともにインキュベートされる(Hooykaas、Plant.Mol.Biol. 13:327〜326、1989年もまた参照のこと)。培養された植物宿主細胞の形質転換は通常、上記のようにアグロバクテリア(Agrobacterium tumifaciens)を介して達成される。硬い細胞膜障壁を有しない宿主細胞の培養物は通常、Grahamら(Virology、52:546、1978年)により最初に記載されるようにリン酸カルシウム法を使用して形質転換され、そしてSambrookら、前出の第16.32〜16.37節において記載されるように改変される。しかし、ポリブレン(Polybrene)(Kawaiら、Mol.Cell.Biol 4:1172、1984年)、プロトプラスト融合(Schaffner、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2163、1980年)、エレクトロポレーション(Neumannら、1982 EMBO J.1:841、1982年)、及び核への直接的なマイクロインジェクション(Capecchi、Cell 22:479、1980年)のような、細胞にDNAを導入するため他の方法が使用される。形質転換された植物細胞は、例えば、カナマイシンを含むとともに、カルスとシュート誘導とのためのナフタレン酢酸や、ベンジルアデニンのような適切な量の植物ホルモンを含む、培地上で細胞を増殖することにより、選択可能なマーカーを介して選択される。次いで、植物細胞は再生され、そして得られる植物は、当業者に周知の技術を使用して土壌に移される。
上記の方法に加えて、クローン化DNAを、裸子植物、被子植物、単子葉植物、双子葉植物を含む、広範に多様な植物種に移入するための多数の方法が当該分野において公知である(例えば、植物分子生物学における方法(Methods in Plant Molecular Biology)(Glick及びThompson編、CRC Press、Boca Raton、FL、1993年);Vasil、Plant Mol. Biol.25:925〜937、1994年;及びKomariら、Current Opinions Plant Biol.1:161〜165、1998年(概説);Loopstraら、Plant Mol. Biol.15:1〜9、1990年;及びBrasileiroら、Plant Mol. Biol.17:441〜452、1991年(樹木の形質転換);Eimertら、Plant Mol. Biol.19:485〜490、1992年(アブラナの形質転換);Hieiら、Plant J.6:271〜282、1994年;Hieiら、Plant Mol. Biol.35:205〜218、1997年;Chanら、Plant Mol. Biol.22:491〜506、1993年;米国特許第5,516,668号及び同第5,824,857号(イネ形質転換);並びに米国特許第5,955,362号(コムギ形質転換);同第5,969,213号(単子葉植物形質転換);同第5,780,798号(トウモロコシ形質転換);同第5,959,179号、及び同第5,914,451号(ダイズ形質転換)を参照のこと)。代表的な例としては、プロトプラストによるエレクトロポレーションにより促進されるDNA取り込み(Rhodesら、Science 240:204〜207、1988年;Bates、Method Mol.Biol.111:359〜366、1999年;D’Halluinら、Method Mol.Biol.111:367〜373、1999年;米国特許第5,914,451号);ポリエチレングリコールでのプロトプラストの処理(Lyznikら、Plant Molecular Biology 13:151〜161、1989年;Dattaら、Methods Mol.Biol.111:335〜334、1999年);及びDNAを含む微小発射体での細胞のボンバードメント(Kleinら、Plant Physiol.91:440〜444、1989年;Boyntonら、Science 240:1534〜1538、1988年;Registerら、Plant Mol. Biol.25:951〜961、1994年;Barceloら、Plant J.5:583〜592、1994年;Vasilら、Method Mol.Biol.111:349〜358、1999年;Christou、Plant Mol.Biol.35:197〜203、1997年;Finerら、Curr.Top.Microbiol.Immunol.240:59〜80、1999年)が挙げられる。さらに、形質転換の戦略及び技術は、Brich、Ann Rev Plant Phys Plant Mol Biol.48:297、1997年;Foresterら、Exp.Agric.33:15〜33、1997年において概説される。微細な変化は、これらの技術を広範な植物種に適用可能にする。
単子葉植物形質転換の場合において、パーティクルボンバードメントは典型的な選択の方法である。しかし、トウモロコシのような単子葉植物はまた、Hieiらに対する米国特許第5,591,616号において記載されるようなアグロバクテリア形質転換法を使用することによって形質転換される。単子葉植物、例えば、トウモロコシの形質転換を達成するための別の方法は、胚発達浮遊培養物由来の細胞を、繊維の懸濁液(5% w/v、Silar SC−9 whiskers)及びプラスミドDNA(1μg/ul)と混合し、次いでこれが、Vortex Genie IIボルテックスミキサー(Scientific Industries、Inc.、Bohemia、NY、USA)上の複数のサンプルヘッドに直立して、又はMixomat歯科用アマルガムミキサー(Degussa Canada Ltd.、Burlington、Ontario、Canada)のホルダー中に水平にしてのいずれかで、置かれる。次いで形質転換は、60秒間、全速で混合することにより(例えば、Vortex Genie IIを用いる)、又は1秒間、定速で振とうすることにより(Mixomat)、行われる。このプロセスは、細胞集団の生成を生じ、そこから安定な形質転換体が選択される。植物は安定に形質転換されたカルスから再生され、そしてこれらの植物とそれらの子孫は、サザンハイブリダイゼーション解析によりトランスジェニックであることが示される。このアプローチの主な利点は、その単純さとコストの低さである。パーティクルボンバードメントとは異なり、高価な装置や補給品は必要とされない。植物細胞、特にトウモロコシの形質転換のためのウイスカーの使用は、例えば、Coffeeらに対する米国特許第5,464,765号において記載される。
Danらに対する米国特許第5,968,830号は、ダイズを形質転換し、そして再生する方法を記載する。Hallらに対する米国特許第5,969,215号は、テンサイのようなサトウダイコン(Beta vulgaris)の形質転換植物を生成するための形質転換技術を記載する。
上記の形質転換技術のそれぞれは、利点と欠点を有する。技術のそれぞれにおいて、プラスミド由来のDNAは、これが目的の遺伝子のみでなく、ま選択可能な、スクリーニング可能なマーカー遺伝子を含むように遺伝子操作される。選択可能なマーカー遺伝子は、取り込まれたプラスミド(目的の遺伝子並びに選択可能なマーカー及びスクリーニング可能な遺伝子が1つの単位として移入されるような構築)のコピーを有するそれらの細胞のみを選択するために使用される。スクリーニング可能な遺伝子は、目的の遺伝子を保有するそれらの細胞のみを首尾よく培養するための別の確認を提供する。
抗体耐性の選択可能なマーカーを伴う伝統的なアグロバクテリア形質転換は、このような植物が、動物やヒトに抗生物質耐性を伝播する過度の危険性を提示する一般市民の反対の声のために、問題がある。このような抗生物質マーカーは、Komariらに対する米国特許第5,731,179号において記載される技術に類似するアグロバクテリア技術を使用して植物を形質転換することにより、植物から排除される。抗生物質耐性の問題はまた、米国特許第5,712,135号において記載されるように、bar又はpatコード配列の使用により効果的に回避される。これらの好ましいマーカーDNAは、グルタミン合成酵素インヒビター除草剤ホスフィノトリシン(グルホシネート)及びグルホシネートアンモニウム塩(Basta、Ignite)の作用を阻害又は中和する第2のタンパク質又はポリペプチドをコードする。
これらの遺伝子の1つ以上を含有するプラスミドは、以前に記載される技術いずれかにより、植物のプロトプラスト又はカルス細胞のいずれかに導入される。マーカー遺伝子が選択可能な遺伝子である場合、組込まれたDNAパッケージを有するこれらの細胞のみが、適切な植物毒性剤での選択の下で生存する。一旦、適切な細胞が同定され、そして増殖されると、植物は再生される。形質転換された植物からの子孫は、DNAパッケージが植物ゲノムに首尾よく取り込まれたことを確実にするために試験されなくてはならない。
形質転換の成功を影響する多数の要素がある。外因性遺伝子構築物やその調節配列の設計と構築は、植物の核の染色体DNAへの外因性遺伝子の取り込み、及び細胞により発現される導入遺伝子の能力を影響する。非致死的な様式において、外因性遺伝子構築物を植物細胞核へ導入するための適切な方法が必要不可欠である。重要なことに、構築物が導入される細胞のタイプは、全植物体が再生される場合、適切な再生プロトコルを考慮して、再生に適するタイプでなくてはならない。
使用の方法
本発明の別の局面によれば、植物において細胞分裂が調節され、例えば、増加される。本明細書中に記載される方法を使用する細胞分裂の増加のような調節に適する植物細胞は、別々のサイクリンとCDK結合領域とを有する野生型CKIポリペプチドを発現する植物細胞である。一般的に、方法は、本明細書中で記載されるように変異CKIポリペプチドを植物細胞内で発現する工程、及び変異CKIポリペプチドが、植物細胞内で野生型CKIの生物学的活性を阻害することを許容する工程を含む。変異CKIポリペプチドは、変異タンパク質をコードする組換え核酸から発現される。さらに、ある実施形態において、方法は、変異CKIポリペプチドをコードする組換え核酸を植物細胞に導入する工程をさらに含む。変異CKIポリペプチドをコードする組換え核酸は、このような組換え分子の構築及びそれらの植物細胞への導入を含み、概して上記に記載され、そして以下の実施例においてさらに例示される。細胞分裂の調節は、トランスジェニック植物に関して上記されるように、インビボで、植物細胞において行うことができる。あるいは、方法は、インビトロで、植物細胞において行うことができる。
上記されるように、変異CKIポリペプチドは、参照CKIポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するCKIアミノ酸配列を含む。細胞分裂の調節のための方法に関して、参照CKIポリペプチドは、細胞分裂の調節が行われる植物細胞内で発現される野生型植物CKIポリペプチドである(典型的に、内因性野生型CKI)。あるいは、本明細書中に記載されるように変異CKIタンパク質の使用は、変異が由来する野生型CKIの構造的相同体又はファミリーメンバーに対する優性ネガティブな拮抗活性を許容し得るので、参照CKIポリペプチドは、植物細胞で発現される野生型CKIポリペプチドに異種の野生型CKIポリペプチドであり、これは実質的に等価な野生型機能を与える。従って、いくつかの場合において、変異体CKIタンパク質は、内因性CKIタンパク質に由来せず、内因性野生型CKI機能を阻害するために植物細胞内で発現される。例えば、Arabidopsis thalianaの野生型KRPタンパク質由来の変異CKIポリペプチドは、例えば、Brassica napus、Glycine max、トウモロコシの細胞などのような非相同の(non−heterologous)植物細胞において野生型KRP機能を阻害するために使用できる。Brassica napusのような他の植物由来の他の異種な変異CKIポリペプチドがまた使用できる。
さらに、方法のある実施形態において、複数の関連性CKIが、本発明の変異CKIを使用して、植物細胞において同時に阻害される。例えば、いくつかの実施形態において、ファミリー内の全ての内因性CKI(例えば、KRPファミリーメンバー)は、同時に阻害される。上記のように、本明細書中で記載される変異CKIタンパク質は、改変体が由来する野生型CKIの構造的相同体又はファミリーメンバー内の優性ネガティブな拮抗活性を許容し、それにより、複数の相同体又はファミリーメンバーのこのような同時の阻害を許容する。従って、典型的な実施形態において、標的にされるCDK又はサイクリンの結合領域内の実質的な配列同一性又は類似性を有する複数の(及び好ましくは全ての)CKIは、植物細胞内で阻害される。例えば、ある実施形態において、KRPファミリーメンバーは、CDK結合領域内に実質的な配列同一性を共有し、これは主にサイクリン−CDKキナーゼ活性の阻害を担うので、植物細胞内の複数の、及び好ましくは全ての内因性KRPファミリーメンバーは、細胞分裂を調節するように、変異体KRP CKIの発現を介して阻害される。
上記のように、サイクリン/CDK活性を阻害することから内因性CKIタンパク質を効果的にブロックすることにより、植物細胞内の細胞分裂は調節される。このような調節は、細胞周期を通した進行の加速、そして最終的に増加される細胞増殖を含む。従って、本明細書中に記載される方法をインビボで使用して(例えば、トランスジェニック植物、前出を参照のこと)、作物収量及び/又は種子の大きさにおける増加、増大される植物の活力、増加される根の質量、増大される果実の大きさなどが達成される。
増加される作物収量は、多様な形態においてそれ自身を示し、植物の細胞周期がサイクリン/CDK活性を阻害することから内因性CKIタンパク質をブロックすることにより調節されている特定の植物組織及び植物種に依存する。
トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ダイズ、カノーラのような種子作物において、増加された収量は、増加された種子の総数、増大された種子の大きさ、又は増加された種子数と増大された種子の大きさの両方の形態をとり得る。1つの実施形態において、増加された収量は、変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子を発現し、増加された細胞分裂と増加された総種子数、より大きな種子、又は増加された種子数と増大された種子の大きさの両方を生じることにより、任意の種子作物のトランスジェニック改変体において得られる。1つの実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、構成的なプロモーターにより制御される。別の例示的な実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、種子作物の農学的に重要な成分である種子に変異CKIタンパク質の効果を標的化する種子特異的プロモーターにより、制御される。
ダイズ、カノーラ、カメリナ、亜麻、トウモロコシ、ベニバナ、又はヒマワリなどのような油糧種子作物について、所望される産物が油である場合、増加される収量は、植物当たりのより優れた油収量の形態をとる。油は、種子中の胚に由来する。1つの実施形態において、増加される油収量は、変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子を発現し、増加される細胞分裂を引き起こし、増加される種子の総数、増大される胚の大きさ、又は増加される種子の数と増大される胚の大きさの両方を導くことにより、任意の油糧種子作物のトランスジェニック改変体において得られる。植物当たりの増加される種子の総数は、植物当たりの増加される油の総収量を生じる。増大される胚の大きさは、種子当たりのより優れた油含量、そして植物当たりの増加される油の総収量を生じる。好ましい実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、胚特異的プロモーターにより制御され、初期胚発達において増加される細胞分裂を与え、より大きな胚、種子当たりの増加される油の質量、そして植物当たりの油の総収量における対応する増加を生じる。
種子でないバイオマス生産は、アルファルファ、レタス、タバコ、ユーカリ、ポプラのような作物の主な収量成分である。このような作物における増加される収量は、植物の増大される全体の成長において見られ、バイオマスの増強される蓄積を生じる。1つの実施形態において、増加されるバイオマスは、変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子を発現し、増加される細胞分裂を引き起こし、増大される生長とバイオマスを導くことにより、任意のバイオマス植物のトランスジェニック改変体から得られる。1つの実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、植物の大部分の又は全ての組織において変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子の構成的な発現を与えるプロモーターにより、制御される。好ましい実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、標的組織におけるバイオマスの蓄積を増加するために、レタス若しくはタバコにおける葉、又はユーカリ若しくはポプラにおける幹のような、農学的に重要な植物の成分に、導入遺伝子の発現を標的化する組織特異的プロモーターにより制御される。
糖又はセルロースは、エタノールの生成のために栽培される作物の主な収量成分であり、サトウキビ、テンサイ、トウモロコシ、スイッチグラスが挙げられる。1つの実施形態において、増加される糖は、変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子を発現し、増加される細胞分裂、植物の糖を蓄積する組織の増大される生長、植物当たりの増大される糖の総含量を引き起こすことにより、サトウキビ又はテンサイのような糖を産生する任意の作物のトランスジェニック改変体において得られる。1つの実施形態において、糖を産生する植物における変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、植物の大部分の又は全ての組織において変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子の構成的な発現を与えるプロモーターにより、制御される。好ましい実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、導入遺伝子の発現を、サトウキビの茎まやはテンサイの根のような植物の糖を蓄積する組織に標的する組織特異的プロモーターにより制御され、それにより細胞増殖を増加し、かつ植物の糖保存や蓄積組織の生長を増加し、増加された糖の総含量を得る。別の実施形態において、増加されるセルロースが、変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子を発現し、増加される細胞分裂及び細胞壁合成を引き起こし、それにより細胞壁の成分であるセルロースの含量を増加することにより、トウモロコシ又はスイッチグラスのような任意のセルロース産生作物のトランスジェニック改変体において得られる。1つの実施形態において、変異CKIタンパク質の導入遺伝子の発現は、植物の大部分の又は全ての組織において変異CKIタンパク質をコードする導入遺伝子の構成的な発現を与えるプロモーターにより制御される。その後の細胞増殖における一般的な増加は、細胞壁の増加される堆積を、それゆえ植物のセルロースの増加される総含量を生じる。
[実施例]
以下の実施例は説明のために提供されるが、本発明を制限しない。
活性サイクリン:CDK複合体の産生/精製及びKrp分子の産生/精製
昆虫細胞及び培地
バキュロウイルス発現系は、異種遺伝子発現のための万能な真核生物系である。この系は、タンパク質の正確な折り畳み、ジスルフィド結合形成、及び他の重要な翻訳後修飾を提供する。全ての方法は、バキュロウイルス発現ベクター系:手順及び方法のマニュアル(Baculovirus expression vector system;Procedures and Methods manual)(BD、 Biosciences、Pharmingen、San Diego、CA、第6版)から採用した。報告される研究について、Sf9昆虫細胞を、TNM−FH昆虫細胞培地(BD Biosciences)中で27℃にて増殖した。代替の培地が当業者に周知であり、及びまた有用であることが注目されるべきである。同様に、SF21及びHigh Five TM細胞のような代替の昆虫細胞系統はまた、ウイルス産生及びタンパク質産生のために機能する。
ウェスタンブロット及び免疫沈降
昆虫細胞において発現される組換えタンパク質を、ウェスタンブロットによりモニターした。タンパク質抽出物(35μg)をLaemmli緩衝液の存在下で煮沸し、10%又は12%のSDS−PAGEゲル上で泳動し、そして水中トランスファー装置(BioRad)を使用してPVDFメンブレン上にトランスファーした。トランスファー後、メンブレンを、5%脱脂粉乳を含有するTBS−T(25mM、Tris pH7.5;75mM NaCl;0.05% Tween)中でブロックした。1次抗体を、TBS−Tブロッキング緩衝液中で、一晩、1:1000希釈にて使用した。ブロットを室温にて、15分間、3回洗浄した。セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合された適切な2次抗体を、TBS−Tブロッキング緩衝液中で、1:10,000希釈にて使用した。ブロットを1時間、2次抗体中でインキュベートし、次いで、TBS−T中で3回、それぞれ15分間洗浄した。次いで、ブロットをECL系プロトコル(Amersham Biosciences)において記載されるようにプロセスした。共通して使用した抗体は:抗−flag M2モノクローナル抗体(Sigma)、抗HAモノクローナル又はポリクローナル抗体(Babco)、抗PSTAIR抗体(Sigma−Aldrich)、抗mycモノクローナル又はポリクローナル(A−14)(Santa Cruz Biotechnology)であった。使用した2次抗体は、抗マウス IG−HRP、及び抗ウサギ IG−HRP(GE Healthcare)であった。
免疫沈降は、AtCyclinD2:1、AtCDKA、及びKrp分子間での複合体形成をモニターすることにより行われた。タンパク質抽出物(14μg)を、0.5ml結合緩衝液(100mM リン酸ナトリウム緩衝液pH7.0、150mM NaCl、1% Triton 100、及びプロテアーゼインヒビター)中に希釈した。タンパク質/抗体混合物を4℃にて約2時間、穏やかに揺り動かし、次いで適切な抗体を添加した。(2μgの抗flagM2抗体;5μlの抗HA抗体;5μlの抗mycポリクローナル)。Protein Aセファロースを添加して、10μlのベッド容量にした。免疫沈降物を、1時間、4℃にて穏やかに混合し、次いで1mlの結合緩衝液で3回洗浄した。次いで、Protein−Aセファロースビーズに結合したタンパク質複合体をLaemmli緩衝液の存在下で煮沸した。タンパク質混合物を、10%又は12%のSDS−PAGEゲル上で分離し、そしてPVDFメンブレン上にトランスファーした。メンブレンを上記のようにブロットした。
バキュロウイルスベクター構築
アラビドプシスサイクリンD2;1(AtcyclinD2;1)及びアラビドプシスCDKA (AtCDKA)のcDNA配列を、エピトープでタグし、そしてバキュロウイルス移入ベクター(BD Biosciences)にクローン化した。当業者に公知の他の移入ベクター系がまた使用できる。AtCyclinD2;1を、Met Asp Tyr Ala Phe Asp Asn Leu(MDYKAFDNL)アミノ酸配列(配列番号18)をPCRにより添加することによって、FLAGエピトープ(Sigma−Aldrich)でN末端上にタグし、次いでpAcHLT移入ベクター(BD Bioscences)にクローン化した。Baculodirect(Invitrogen)のような他のバキュロウイルス移入ベクター系がまた、この目的のために使用できる。ヘマグルチニン(HA)エピトープアミノ酸配列Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Ala(YPYDVPDYA;配列番号19)を、AtCDKAの5’末端でPCRによりインフレームに配置し、次いでpVL1393移入ベクター(AB Vector、CA)にクローン化した。サイクリン及びCDKをウェスタンブロットによる同定を可能にするために、及び免疫沈降実験のためにエピトープタグした。タグを欠損するサイクリン又はCDKがまた使用できる。他の適合性の移入ベクター系がまた使用できる。
組換えウイルスの産生
使用されたバキュロウイルスゲノムは、Baculogold Bright Baculovirus(BD Biosciences)である。代替のバキュロウイルスゲノムがまた使用できる。FlagでタグされたバージョンのAtcyclinD2;1を、相同組換えを使用してバキュロウイルスの非必須領域に導入した。サイクリンD2;1を含有する移入ベクターを、線状化BD Baculogold Bright Baculovirus DNAともにSf9昆虫細胞に同時トランスフェクトした場合に、相同組換えが生じた。Sf9細胞を、2×106細胞にて60mm皿上に播種し、そして製造業者(Roche Diagnostics)のプロトコルに従ってFugene6トランスフェクション試薬を使用して、2μgのサイクリンD2;1移入ベクター(pAcHLT−cyclinD2;1)及び0.5μgの線状化BD Baculogold Bright Baculovirus DNAで一過的に同時トランスフェクトした。トランスフェクションの4時間後、Fugene/DNA溶液を除去し、そして3mlのTNM−FH培地で置き換えた。(4)日後、上清を回収し、続いてウイルスの増殖のためにより多くの細胞を感染するために使用した。この適用を、ウイルス力価が少なくとも109ウイルス粒子/mlになるまで反復した。ウイルスを、1未満の感染の多重度(moi)でSf9細胞を感染することにより増殖した。ウイルス力価を、光学顕微鏡や蛍光顕微鏡を使用してモニターした。
AtCDKA1のHAタグバージョンを、相同組換えを使用してバキュロウイルスの非必須領域に導入した。サイクリンD2;1を含有する移入ベクターを線状化BD Baculogold Bright Baculovirus DNAともにSf9昆虫細胞に同時トランスフェクトした場合に、相同組換えが生じた。Sf9細胞を、2×106細胞にて60mm皿上に播種し、そして製造業者(Roche Diagnostics)のプロトコルに従ってFugene6トランスフェクション試薬を使用して、2μgのAtCDKA移入ベクター(pVL1393−AtCDKA)及び0.5μgの線状化BD Baculogold Bright Baculovirus DNAで一過的に同時トランスフェクトした。トランスフェクションの4時間後、Fugene/DNA溶液を除去し、そして3mlのTNM−FH培地で置き換えた。(4)日後、上清を回収し、続いてウイルスの増殖のためにより多くの細胞を感染するために使用した。この増殖を、ウイルス力価が少なくとも109ウイルス粒子/mlになるまで反復した。ウイルスを、1未満の感染の多重度(MOI)でSf9細胞を感染することにより増殖した。ウイルス力価を、光学顕微鏡及び蛍光顕微鏡を使用してモニターした。
昆虫細胞における組換えタンパク質の産生
Flagタグ化AtcyclinD2;1タンパク質の産生:タグ化AtcyclinD2;1を、AtcyclinD2;1バキュロウイルスでS.frugiperda Sf9細胞を感染することにより達成した。この目的のために、懸濁液中に2×106/mlにて増殖されたSf9細胞を、5よりも大きいMOIで(しかし、他のより高い又は僅かに低いMOIがまた機能する)、約4〜5日間、組換えバキュロウイルスで感染し、次いで採集した。細胞を4℃にて、3000rpmで遠心分離した。細胞ペレットを−80℃にて凍結するか又は即座に溶解した。溶解緩衝液は、10mlの溶解緩衝液当たり1錠で、20mM HEPES pH7.5、20mM NaCl、1mM EDTA、20% グリセロール、20mM MgCl2、プロテアーゼインヒビターからなった(Complete Mini、EDTA非含有、Boehringer Mannheim)。細胞溶解物を氷上で2回、15秒間、超音波処理した。次いでタンパク質溶解物を2時間、Beckman TLA 100.2ローターにおいて40,000rpmにて遠心分離した。タグ化AtCyclinD2;1を含有する上清を等分し、そして−20℃にて凍結した。発現を、抗−Flag M2モノクローナル抗体(Sigma−Aldrich)を使用してウェスタンブロットによりモニターした。
タグ化AtCDKAを、AtCDKAバキュロウイルスでの、S.frugiperda Sf9細胞の感染により達成し、そして上記と同じ様式においてプロセスした。発現を、抗−HAモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体(Babco)を使用してウェスタンブロットによりモニターした。発現はまた、抗−PSTAIR抗体(Sigma−Aldrich)を使用してウェスタンブロットによりモニターされる。
AtcyclinD2;1/AtCDKAの活性なキナーゼ複合体を、AtcyclinD2;1(MOI>5)及びAtCDKA(MOI>5)バキュロウイルスでS.frugiperda Sf9細胞を同時感染することにより調製した。この活性な複合体を上記のように精製した。タンパク質発現を、抗−Flag M2抗体又は抗−HA抗体を使用する昆虫細胞抽出物のウェスタンブロットによりモニターした。AtcyclinD2;1及びAtCDKAの相互作用を、以下に記載するように同時免疫沈降によりモニターした。
キナーゼアッセイ
種々のKRP/ICK分子がサイクリン/CDK複合体を阻害する能力を試験するために、インビトロアッセイを開発した。
個々のバキュロウイルスで感染された、又は2つのバキュロウイルスで同時感染された昆虫細胞からのタンパク質抽出物におけるキナーゼ活性を、標準的なキナーゼアッセイでモニターした。ヒストンHI(HHI)は、使用される主な基質であるが、組換えタバコ網膜芽腫タンパク質(Nt Rb)はまた、基質として使用された(Korolevaら、Plant Cell 16、2346〜79、2004年を参照のこと)。キナーゼアッセイを以下のように行った:7μgの昆虫細胞タンパク質抽出物を、最終容量30μlに、キナーゼ緩衝液のカクテル(KAB:50mM Tris pH8.0、10mM MgCl2、10μM ATP、及び0.5μCi/ml、32PγATP、2μgのHHI)へ添加した。反応物を、27℃にて30分間インキュベートした。キナーゼ反応を、等容量(30μl)の2×Laemmli緩衝液で停止した。[32P]リン酸取り込みを、12%ゲル上でのSDS−PAGE後に、オートラジオグラフィー及び/又はMolecular Dynamics PhosphorImagerによりモニターした。CDKキナーゼアッセイを行うための代替の緩衝液条件がまた使用できる。(例えば、Wang及びFowke、Nature 386:451〜452、1997年;Azziら、Eur.J.Biochem.203:353〜360、1992年;Firpoら、Mol.Cell.Biol.14:4889〜4901、1994年を参照のこと)。
結果:AtcyclinD2;1単独、又はAtCDKA単独で感染された昆虫細胞からのタンパク質抽出物は、HHIを基質として使用するキナーゼ活性を何ら示さなかった。AtcyclinD2;1ウイルス及びAtCDKAウイルスで同時感染された昆虫細胞は、強いキナーゼ活性を含んだ。活性CDK−様(cdc2−様)キナーゼはまた、植物タンパク質組織抽出物から、又は植物組織培養細胞抽出物から、p13suc1アガロースビーズ(Wang及びFowke、Nature 386:451〜452、1997;Azziら、Eur.J.Biochem.203:353〜360、1992を参照のこと)を使用することにより精製され、そして上記の類似のアッセイにおいて、及び実施例2〜8において以下に記載される競合実験において使用できる。
細菌発現ベクターへのKrp cDNAのクローニング
AtKrp1クローニング
AtKrp1cDNAを、以下のオリゴヌクレオチドを使用して、PCRによりアラビドプシスcDNAからクローン化した:
(開始)5’ATGGTGAGAAAATATAGAAAAGCT−3’(配列番号20);
(終止)5’−TCACTCTAACTTTACCCATTCGTA−3’(配列番号21)。
得られるPCRフラグメントを、pCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にサブクローニングした。得られるベクターAtKrp1番号359を配列決定し、GenBank番号U94772に対する正確な配列を確認した。
Brassica napus Krp1クローニングの5’RACE
AtKrp1 cdsに相同なアブラナの配列を見出すために、国立バイオテクノロジー情報センターウェブサイトにてBlastnを使用した。サーチは、2つのEST候補、CD820320とCD829052を生じ、これは同一の配列であることが判明した。CD820320をJorjaのblastxから入手し、ESTの翻訳されたヌクレオチド配列が、AtKRP1タンパク質配列に有意に適合することを確認した。
CD829052は、646bpであり、及びアブラナ(Brassica oleracea)KRP1配列の少なくとも106アミノ酸と321bpの3’UTRを含む。5’RACEプライマー(GSP1brasskrp1_5’RACE:5’−CTCTGATAATTTAACCCACTCGTAGCGTCCTTCTAATGGCTTCTC−3’;配列番号22)を、完全長Bn KRP1を得るために設計した。RACEプライマーは、CD820320のコード配列の少なくとも45ヌクレオチドを含んだ。
5’RACE−ready cDNAを、SMART RACE cDNA Amplification Kit(Clontech)を使用して、Brassica napusDH12075の葉から作製した。5’RACEを、Klentaqの代わりにpfu酵素及び緩衝液(Stratagene)を使用した以外は、キットの指示に従ってこのcDNAに対して行った。PCR条件は:94℃、5分間の最初の変性、続いて35サイクルの94℃、5秒間、68℃、10秒間、72℃3分間であった。得られるPCR産物は、約600bpの非常にぼやけたバンドであった。次いで、2.5μlのこのPCR産物を上述のPCR条件を使用して再増幅した。得られるPCR産物を、TOPO Bluntベクター(Invitrogen)にクローン化し、そしてαゴールド細胞(Bioline)に形質転換した。2つの形質転換体からのプラスミドDNAを回収し、そして挿入物を、M13正方向プライマーとM13逆方向プライマーで配列決定した。1つの候補挿入物の配列は、CD820320に同一であり、及びBn KRP1−IIと命名された(RACEからはさらなる新しい配列はもたらされなかった)。Bn KRP1−Iと命名された、他の候補挿入物の配列は、コード領域においてヌクレオチドレベルで、Bn KRP1−IIに94%同一であり、そして後半の106残基についてアミノ酸レベルで86%同一であった。RACEは、TOPO Blantベクター(pTG313)において、さらなる108bpの5’UTRとともに、Bn KRP1−Iの完全なコード配列を回収した。BnKrp1コード配列(配列番号23)は以下に示される:
Figure 2009502175
pET16b細菌発現ベクターは、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(Novagen)によるタンパク質精製を可能にするための、連続的に6つのヒスチジンをコードする配列(6XHis、又は(His)6あるいはhexaHis)を含む。このベクターは、6XHisコード配列のすぐ下流に、及びインフレームに、ポリ−Mycエピトープをまた含むように改変された(pET16b−5MYC)。完全長AtKrp1 cDNAを、完全なコード配列を隣接する2つのオリゴヌクレオチドを使用して、pTG番号359 TopoIIAtKrp1 cdsから増幅した。これらのオリゴヌクレオチドは、pET16B−5MYCベクターへのクローニングを容易にするために、制限酵素部位を含んだ(5’AtKrp1 BamHI/NdeI:ACGGATCCCATATGGTGAGAAAATATAG(配列番号24)及び3’AtKrp1 XhoI:ATCGCTCGAGTCACTCTAACTTTAC(配列番号25)。得られるPCRフラグメントを、pET16b−5mycのBamHIとXhoI部位にサブクローン化した。得られるベクターAtKrp番号385は、6XHis及びmycタグとインフレームにAnKrp1野生型cDNAを含んだ。
以下の2つのオリゴヌクレオチドを、BnKrp1の3’末端において5’ BamHI/NdeI部位及びXhoI部位制限酵素を付加するBnKrp1 cDNAを増幅するために使用した(5’BnKrp1 BamHI/NdeI:ACGGATCCCATATGGTGAGAAAATGC(配列番号26)及び3’BnKrp1 XhoI:ATCGCTCGAGTCACTCTGATAATTTAAC(配列番号27)。PCRフラグメントをpTG番号313(TopoII BnKrp1)から増幅し、そしてpET16b−5mycのBamHIとXhoI部位にサブクローン化し、そして配列決定した。得られるベクターBnKrp番号461は、6XHis及びmycタグとインフレームにBnKrp1野生型cDNAを含んだ。
組換えKrpタンパク質の細菌における発現及び精製
挿入物を保有する全ての細菌発現プラスミドpET16bとpET16b−5MYCとを、BL21 Star(DE3)(Invitrogen)に形質転換した。この新鮮な形質転換からの細菌コロニーを使用して、100μg/mLのアンピシリンを含有する400mlのLBを接種し、そして37℃にて増殖させた。培養物が0.6と0.8との間のOD600に達した場合、組換えタンパク質発現を、0.5mMイソプロピル−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した。次いで、細胞を30℃にて3時間増殖した。細胞を、JLA 10.500 Beckmanローターにおける遠心分離により回収した。細菌細胞ペレットを、−80℃にて保存するか、又は即座に溶解した。細菌を、プロテアーゼインヒビターを含有し、EDTAを欠く10mlのリン酸溶解緩衝液(100mM リン酸緩衝液 pH7.0、150mM NaCl、1%Triton X100)中で溶解した。再懸濁した細菌培養物を、4×20秒間、水を含む氷上で40%の出力にて超音波処理した。溶解した細胞をBeckman JA20.1ローターにおいて、15分間、4℃にて、14,000rpmで遠心分離した。細胞ペレットを、10mlのリン酸溶解緩衝液で洗浄し、そして細胞ペレットを再度遠心分離により回収した。タグ化KRP分子は主に不溶性であった。不溶性のタグ化KRPを、尿素緩衝液(8M尿素、100mM Tris pH7.5)中に可溶化した。再懸濁した細胞ペレットを、3×15秒間、水を含む氷上で40%の出力にて短く超音波処理した。尿素−不溶性タンパク質を、Beckman JA20.1ローターにおいて、15分間、4℃にて、14,000rpmでの遠心分離により排除した。タグ化KRPを、尿素緩衝液で平衡化したBD Talon CO2+金属アフィニティー樹脂を使用してバッチ中で精製した。バッチ精製物を、低速回転下で3時間から一晩、4℃にてインキュベートした。スラリーをカラム上に負荷し、そして樹脂を36ベッド容量の尿素緩衝液、続いて5mMイミダゾール pH7.5を含有する12ベッド容量の尿素緩衝液で洗浄した。結合されたタグ化KRPタンパク質を、300mM イミダゾール pH7.5を含有する尿素緩衝液を使用して溶出した。画分をSDS−Pageにより、及び/又はBradfordタンパク質アッセイ(BioRad)によりタグ化KRPについてモニターした。変性されたタグ化KRP1の再折り畳みを、段階的希釈透析を使用して行った。タグ化KRPタンパク質の大部分を含む画分を合わせ、そして1M尿素、100mM Tris pH7.5、150mM NaCl、及び5mM β−メルカプトエタノール、及び5mMベンズアミジン中で、20時間、4℃にて透析した。次いで、透析緩衝液を、0.5M尿素、100mM Tris pH7.5、150mM NaCl、及び5mM β−メルカプトエタノール、及び5mMベンズアミドに交換し、そしてさらに12時間継続した。組換えタンパク質を回収し、Bradfordアッセイにより定量し、そして4℃にて保存した。
Krpの変異誘発
AtKRPファミリーメンバーとBnKRPのファミリーメンバーの野生型バージョンを、配列決定及び変異誘発の目的のために、基本的なpCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にサブクローン化した。
操作された5’−BamHI部位と3’−XhoI部位を含む同じAtKRP1野生型cDNA PCRフラグメント(前出の「細菌発現ベクターへのKrp cDNAのクローニング」を参照のこと)を、変異誘発のためにpCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にサブクローン化した。得られるベクターTopo−AtKrp番号385Bは、AtKRP1野生型cDNAを含み、そして標準的な自動化配列決定を使用して、正確な配列について確認された。上述からの同じBnKRP1野生型cDNAフラグメントを、変異誘発のためにpCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にサブクローン化した。得られるベクターTopo−BnKrp番号539は、BnKRP1野生型cDNAを含み、そして標準的な自動化配列決定解析を使用して、正確な配列について確認した。
StratageneのQuickChange部位特異的変異誘発キットについてのプロトコルに従って、部位特異的変異誘発を行った。
推定のサイクリン結合領域において複数のアミノ酸置換(E129A、E130A、I131A、D132A)を伴うBnKrp1番号462を構築するために、センスBnKrp1DbleMut番号1(GGAGCAACCACCAACGGCAGTGGCTGCTGCTGCTTTTTTCGTG;配列番号28)及びアンチセンスBnKrp1DbleMut番号1b(CACGAAAAAAGCAGCAGCAGCCACTGCCGTTGGTGGTTGCTCC;配列番号29)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を所望される変異の存在を確認するために配列決定した。次いで変異産物を、pET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化して、最終的にBnKrp1番号462を得た。
CDK結合部位の高度に保存された残基において2つのアミノ酸置換(F151A、F153A)を伴うBnKrp1番号512を構築するために、センスBnKrp1DbleMut番号2オリゴヌクレオチド(CCTTCTAATGGCTTCTCCTTTTCAGCATCAGCGTTATACTTCTTCTTGAA;配列番号30)及びアンチセンスBnKrp1DbleMut番号2bオリゴヌクレオチド(TTCAAGAAGAAGTATAACGCTGATGCTGAAAAGGAGAAGCCATTAGAAGG;配列番号31)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を所望される変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。同じアミノ酸置換をまた、AtKrp1−Topo番号385Bを鋳型として用いて、以下のオリゴヌクレオチド「QC ICK1 cds F173A、F175A−coding」5’−TTCAAGAAGAAGTACAATGCCGATGCCGAGAAGGAGAAGCCATTA−3’;(配列番号32)及び「QC ICK1 cds F173A、F175A−noncod」5’−TTATGGCTTCTCCTTCTGGGCATCGGCATTGTACTTCTTCTTGAA−3’(配列番号33)を使用して、AtKRP1に導入した。
推定のサイクリン結合領域とCDK結合領域における非常に保存された残基のアミノ酸置換(E129A、E130A、I131A、D132A、+F151A、F153A)を伴うBnKrp1番号463のために、センスBnKrp1DbleMut番号2オリゴヌクレオチド(CCTTCTAATGGCTTCTCCTTTTCAGCATCAGCGTTATACTTCTTCTTGAA;配列番号30)及びアンチセンスBnKrp1DbleMut番号2bオリゴヌクレオチド(TTCAAGAAGAAGTATAACGCTGATGCTGAAAAGGAGAAGCCATTAGAAGG;配列番号32)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてBnKrp番号462とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において単一のアミノ酸置換(K148A)を伴うBnKrp1番号586を構築するために、センスBnKrp1K148Aオリゴヌクレオチド(GATAATTTCAAGAAGGCGTATAACTTTGATTTC;配列番号34)及びアンチセンスBnKrp1K148Aオリゴヌクレオチド(GAAATCAAAGTTATACGCCTTCTTGAAATTATC;配列番号35)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において単一のアミノ酸置換(Y149A)を伴うBnKrp1番号587を構築するために、センスBnKrp1Y149Aオリゴヌクレオチド(AATTTCAAGAAGAAGGCTAACTTTGATTTCGAA;配列番号36)及びアンチセンスBnKrp1Y149Aオリゴヌクレオチド(TTCGAAATCAAAGTTAGCCTTCTTCTTGAAATT;配列番号37)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において単一のアミノ酸置換(N150A)を伴うBnKrp1番号588を構築するために、センスBnKrp1N150Aオリゴヌクレオチド(TTCAAGAAGAAGTATGCCTTTGATTTCGAAAAG;配列番号38)及びアンチセンスBnKrp1N150Aオリゴヌクレオチド(CTTTTCGAAATCAAAGGCATACTTCTTCTTGAA;配列番号39)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において単一のアミノ酸置換(F151A)を伴うBnKrp1番号572を構築するために、センスBnKrp1F151Aオリゴヌクレオチド(AGAAGAAGTATAACGCTGATTTCGGAAAGGA;配列番号40)及びアンチセンスBnKrp1F151Aオリゴヌクレオチド(TCCTTTTCGAAATCAGCGTTATACTTCTTCT;配列番号41)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において単一のアミノ酸置換(F153A)を伴うBnKrp1番号573を構築するために、センスBnKrp1F153Aオリゴヌクレオチド(AGTATAACTTTGATGCCGAAAAGGAGAAGCC;配列番号42)及びアンチセンスBnKrp1F153Aオリゴヌクレオチド(GGCTTCTCCTTTTCGGCATCAAAGTTATACT;配列番号43)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において2つのアミノ酸置換(K157A;P158A)を伴うBnKrp1番号553を構築するために、センスBnKrp1KP→AAオリゴヌクレオチド(GATTTCGAAAAGGAGGCGGCATTAGAAGGACGCT;配列番号44)及びアンチセンスBnKrp1KP→AAオリゴヌクレオチド(AGCGTCCTTCTAATGCCGCCTCCTTTTCGAAATC)(配列番号45)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において2つのアミノ酸置換(R162A;Y163A)を伴うBnKrp1番号554を構築するために、センスBnKrp1RY→AAオリゴヌクレオチド(GCCATTAGAAGGAGCCGCCGAGTGGGTTAAATT;配列番号46)及びアンチセンスBnKrp1RY→AAオリゴヌクレオチド(AATTTAACCCACTCGGCGGCTCCTTCTAATGGC;配列番号47)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において2つのアミノ酸置換(E164A;W165A)を伴うBnKrp1番号555を構築するために、センスBnKrp1EW→AAオリゴヌクレオチド(AGAAGGACGCTACGCGGCGGTTAAATTATCAGA;配列番号48)及びアンチセンスBnKrp1EW→AAオリゴヌクレオチド(TCTGATAATTTAACCGCCGCGTAGCGTCCTTCT;配列番号49)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において2つのアミノ酸置換(K167A;L168A)を伴うBnKrp1番号556を構築するために、センスBnKrp1KL→AAオリゴヌクレオチド(CGCTACGAGTGGGTTGCAGCATCAGAGTGAGAGC;配列番号50)及びアンチセンスBnKrp1KL→AAオリゴヌクレオチド(GCTCTCACTCTGATGCTGCAACCCACTCGTAGCG;配列番号51)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号539とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において複数のアミノ酸置換(F151A;F153A;E164A、W165A)を伴うBnKrp1番号574を構築するために、BnKrp1F151A、F153Aオリゴヌクレオチド(CCTTCTAATGGCTTCTCCTTTTCAGCATCAGCGTTATACTTCTTCTTGAA;配列番号52)アンチセンスF151A、F153Aオリゴヌクレオチド(TTCAAGAAGAAGTATAACGCTGATGCTGAAAAGGAGAAGCCATTAGAAGG;配列番号53)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてBnKrp1番号555とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
CDK結合領域において複数のアミノ酸置換(Y149A;F151A;F153A)を伴うBnKrp1番号598を構築するために、センスBnKrp1Y149Aオリゴヌクレオチド(AATTTCAAGAAGAAGGCTAACGCTGATGCTGAA;配列番号54)及びアンチセンスBnKrp1Y149Aオリゴヌクレオチド(TTCAGCATCAGCGTTAGCCTTCTTCTTGAAATT;配列番号55)を、QuickChange部位特異的変異誘発について、鋳型としてTopoBnKrp番号512とともに使用した。変異誘発産物を、所望の変異の存在を確認するために配列決定し、次いでpET16b−5MYCのBamHI/XhoI部位にサブクローン化した。
BnKrp1番号547を構築するために、以下の2つのオリゴヌクレオチドを使用して、最もC末端の2つのアミノ酸、すなわち、SerとGluを欠損するBnKrp1 cDNAを増幅し、これは5’BamHI/NdeI部位及びBnKrp1の3’末端にXhoI制限部位を付加する(5’BnKrp1 BamHI/NdeI:ACGGATCCCATATGGTGAGAAAATGC(配列番号26)及び3’BnKrp1 SE>stop XhoI:CTCGAGTCAAGCAGCTAATTTAACCCACTCGTA(配列番号56)。PCRフラグメントをpTG番号313(TopoII BnKrp1)から増幅し、そしてpET16b−5mycのBamHI/XhoI部位にサブクローン化し、そして配列決定した。得られるベクターBnKrp番号547は、6XHis及びmycタグとインフレームにBnKrp1 cDNAを含んだ。
BnKrp1番号614を構築するために、以下の2つのオリゴヌクレオチドを使用して、全CDK結合ドメインを欠損するBnKrp1 cDNAを増幅した。5’BnKrp1 BamHI/NdeI:ACGGATCCCATATGGTGAGAAAATGC(配列番号26)及びXhoI部位を含む3’BnKrp1Δcdk:CTCGAGTCACTTCTTGAAATTATC(配列番号57)。PCRフラグメントをpTG番号420(TopoII BnKrp1)から増幅し、そしてTopoII(Invitrogen)にサブクローン化し、そして配列決定した。次いで、BamHI/XhoIフラグメントをpET16b−5mycにサブクローン化した。得られるベクターBnKrp番号614は、CDK結合領域についてのコード配列を欠損し、6XHis及びmycタグとインフレームにBnKrp1 cDNAを含んだ。
哺乳動物p27KIP1と植物KRPとの間のアミノ酸相同性
CKIのCIP1/KIP1ファミリーは、キナーゼ複合体を結合し、そして阻害するために2つの接触領域を利用する。結合と阻害のこの態様に基づいて、これらの2つの領域のうちの1つの結合能力を変化することは、複合体になお相互作用し得(無傷のドメインを介して)るが、キナーゼ活性をもはや阻害し得ず、そして野生型CKIを、活性なサイクリン/CDK複合体を阻害することから妨げられる、優性ネガティブなタンパク質を潜在的に生じた。例えば、サイクリン結合領域が非機能的にされる場合、変異タンパク質はなお、CDK結合領域を通じて、キナーゼ複合体と無傷のドメインを介して相互作用する。同様に、CDK結合領域が非機能的にされる場合、変異タンパク質は、なおサイクリン結合領域を通じて、キナーゼ複合体と相互作用する。
CKIのAtKrpファミリーは、全タンパク質を通して相同性を共有し、最も高い相同性は、最もC末端の40〜45アミノ酸に横たわる(Wangら、Nature 386:451〜452、1997年;Wangら、Plant J.15:501〜510、1998年;Luiら、Plant J.21:379〜385、2000年;De Veylderら、Plant Cell 13:1653〜1667、2001年;Jasinskiら、Plant Physiol.130:1871〜1882、2002年;Zhouら、Plant Cell Rep.20:967〜975、2002年;Zhouら、Plant J.35:476〜489、2003年を参照のこと)。しかし、Krpファミリーの最後の約23アミノ酸のみが、哺乳動物p27Kip1に相同性を示す(図1を参照のこと)。
インビトロでの結合実験を、代表的なKRP、すなわちBnKRP1と、AtcyclinD2;1及びAtCDKAとの間の結合相互作用を解明することを補助するために、行った。他のKRPファミリーメンバーの結合相互作用も、以下に記載される同じインビトロでの結合実験を使用して解明される。CDK結合領域において高度に保存されたアミノ酸のアミノ酸置換を含有するBnKrp1の変異バージョンを使用するインビトロでの結合実験は、この領域単独が、CDKに対する結合に必要であったことを示し、一方Atcyclinに対する結合はなお無傷のままであった。より重要なことに、無傷なCDK結合ドメインは、AtCyclinD2/CDKA複合体の阻害に絶対的に必要とされる。CDK結合領域の直ぐ上流に横たわるアミノ酸は、本発明者らがサイクリン結合領域であると提唱する領域において、KRPファミリーメンバー間で保存されたが(図1を参照のこと)、p27KIP1においては保存されなかった。この提唱されるサイクリン結合ドメイン内のいくつかの保存された残基の変異は、AtcyclinD2;1との相互作用を無効にするが、AtCDKAとの相互作用は無傷のままである。興味深いことに、この推定のサイクリン結合領域の変異体はなお、AtcyclinD2/CDKAキナーゼ複合体を、野生型KRP1ほど効果的にではなく阻害する。キナーゼ活性を50%まで減少する阻害濃度(IC50)は、野生型KRP1(BnKrp番号461)について0.035μgであるのに対し、サイクリン結合変異体(BnKrp番号462)は1.25μgであった。
類似の観察が、哺乳動物p27KIP1対応物でみられた(Vlachら、EMBO J.16:5334〜44、1997年を参照のこと)。p27KIP1サイクリン結合変異体のIC50は、野生型p27KIP1に比較して増加された。しかし、対照的に、高濃度のp27KIP1CDK結合変異体はなお、キナーゼ複合体を阻害し得た。このことは、植物Krpに不在である、哺乳動物p27KIP1における310へリックスの存在により説明される(説明については実施例3を参照のこと)。
これらのデータは、KRPにおける2つの領域が存在することを暗示し、これらは活性なキナーゼ複合体との相互作用を担う哺乳動物p27KIP1対応物に類似する。興味深いことに、サイクリンドメイン変異体はなお、キナーゼ複合体を阻害し、CDK結合領域は、サイクリン/CDKキナーゼ阻害を主に担ったことを示唆する。同様に、p27KIP1のサイクリン結合領域は、活性なCDK複合体の阻害において付加的な役割を果たす。さらにこれらの結果は、p27KIP1とは対照的に、KRP1のCDK結合領域は、キナーゼ阻害においてより有意な役割を果たすことを説明する。
それゆえ、CDK結合領域残基において、KRPファミリーとp27KIP1との間の高い相同性に焦点が絞られ、なお複合体を結合し、野生型BnKRP1を、キナーゼ複合体を阻害することから妨げ得、それでも複合体自身を妨げ得ない優性ネガティブなBnKrp1分子を最終的に作製するために変化される。
植物KRPにおいて保存されるCDKを接触する重要なアミノ酸を同定するために使用される、サイクリン/CDKとの複合した哺乳動物p27KIP1のタンパク質構造
野生型Krp機能を最終的に妨げる優性ネガティブなKrp分子の設計を容易にするために、サイクリン A−CDK2キナーゼ複合体と複合した哺乳動物p27KIP1の以前に公開された構造を使用した(Russoら、Nature 382:325〜331、1996年)。この構造情報と、アラインメント情報とを、アラニン又は他のアミノ酸残基に交換する場合に、優性ネガティブな特徴を伴うタンパク質を生じる重要なアミノ酸を同定するために組み合わせた。これらの優性な特徴は以下のようであった:1)変異Krpはサイクリン/CDK複合体に結合する、2)変異タンパク質は、高濃度であってもサイクリン/CDK複合体の形成を実質的に阻害しない、3)変異タンパク質は、サイクリン/CDK複合体に対する結合について、野生型KRP分子と実質的に競合するべきである。インビボで、これらの特徴を満たす変異体Krpは、細胞において上昇されたサイクリン/CDK活性を生じ、このことは最終的に、増加される細胞増殖及びより高い分裂指数を導く。
哺乳動物、サイクリンA/CDK2キナーゼ活性は、p27KIP1の結合により、完全に停止される。p27KIP1が、サイクリンA/CDK2キナーゼ複合体を阻害する機構は、複雑なプロセスであることが示されている(Russoら、前出)。p27KIP1は、活性なキナーゼ複合体を阻害するために2つの手段を利用する。阻害に対する第1の成分としては、p27KIP1310へリックスが挙げられ、これはCKIの植物KRPファミリーのいずれにおいても明らかに保存されていない。310へリックスは、キナーゼの触媒の裂隙にそれ自身を挿入して、ATP基質を模倣する。310へリックスによるこの裂隙領域の占有は、ATP結合及びキナーゼ活性を効果的にブロックする。しかし、310へリックスの不在下であっても、p27KIP1はなおキナーゼ複合体を阻害し得る(Polyakら、Cell 78:59〜66、1994年を参照のこと)。
サイクリンA/CDK2に結合されるp27KIP1とキナーゼ複合体単独との結晶構造の比較は、N−末端突出(lobe)が、p27KIP1を結合する際に有意な立体配座的変化を受けることを説明する(Russoら、前出を参照のこと)。事実、通常活性部位にATPを配置することを補助するキナーゼのN末端突出内の特異的なβシートは、p27KIP1の結合の際に失われる。p27KIP1の結合は、p27KIP1のβ−ヘアピン、β鎖残基、及び310へリックスと、CDK2のN末端突出のβシートアミノ酸とを含む再折り畳みを誘導し、これは再折り畳みを行い、分子間β−サンドイッチを形成する(同文献を参照のこと)。この構造の変化は単独で、サイクリンA/CDK2のキナーゼ活性を有意に阻害し得る。このβ−サンドイッチを形成するp27KIP1内の残基は、全ての哺乳動物p27KIP1ファミリーメンバーにおいて高度に保存され、及び全てのKRPファミリーメンバーにおいてもまた十分に保存される。実施例1において記載される結果、及び保存される310へリックスの欠損に基づいて、KRPファミリーメンバーにおいて保存されるCDK結合領域は、活性なキナーゼ複合体を結合し、そしてAtCDKAキナーゼのN末端突出における立体配座的変化を誘導することにより、キナーゼ活性を阻害する。しかし、KRPの別の領域は、310へリックス同様に触媒裂隙に挿入することにより、ATP結合を正確に模倣するので、除外されない。
KRPファミリーの最もカルボキシ末端の23アミノ酸は、哺乳動物p27KIP1に対して最も優れたアミノ酸同一性を示す(図1を参照のこと)。CKIとキナーゼ複合体との間でβサンドイッチを形成する際に役割を果たす、哺乳動物p27KIP1に対する配列同一性に基づいて、BnKRP1におけるいくつかの保存された領域を全体的に変化した。各変異体を、キナーゼ複合体を阻害するその能力について、野生型BnKRP1(BnKrp番号461)に比較した。いくつかの場合において、変異BnKrp1をまた、AtcyclinD2;1又はAtCDKAに対する結合についてモニターした。これらの実験についての結果は、以下の表2においてまとめられる。
変異を、実施例4「変異体KRP CKIポリペプチド」において詳細に記載されるように導入した。
CDK結合領域の最もN末端に、Lys Tyr Asn Phe Asp Phe(KYNFDF)モチーフ(配列番号58)がある。このモチーフは、アラビドプシス及びBrassica napus種由来のKRPファミリーメンバーにおいて高度に保存される。これらの残基は、p27KIP1において保存されるほとんどの部分である。p27KIP1において、これらはβ−ヘパリンターンの部分を形成し、これは最終的に、サイクリンA−CDK2複合体において、CDK2とともにβ−サンドイッチを形成する。これらの保存される残基のそれぞれをアラニンに交換し、そしてキナーゼ複合体を阻害するそれらの能力について試験した(表2を参照のこと)。多くの単一アミノ酸置換変異は、インビトロにおいてキナーゼ複合体を阻害する能力を影響しなかった。しかし、BnKrp1番号587及びBnKrp1番号572は、興味深い結果を示した。各場合において、キナーゼ阻害は野生型タンパク質に比較して軽減され、このKRP1の領域はキナーゼ阻害において役割を果たすことを示唆する。
p27KIP1におけるフェニルアラニン62と64の両方の側鎖は、CDK2を接触し、β−サンドイッチを形成する際に不可欠の役割を果たし、かつKPR1において保存される。(図1を参照のこと)。Krp1 F151A(BnKrp1番号572)の阻害活性は、部分的に損なわれるので、フェニルアラニン151と153の両方をアラニンに交換した。この二重変異体、BnKrp1番号512は、サイクリンD2;1を介してキナーゼ複合体をなお結合するその能力にかかわらず、キナーゼ複合体をもはや阻害しなかった。複合体のCDK部分に対するこの変異体のいくらかの残存する結合が、なおよい。
KRP1のチロシン149は、p27KIP1において保存されない;しかし、これはCDK2を接触しかつβ−サンドイッチの部分を形成するβ−ヘパリンのN末端部分に横たわる。チロシン149は、アラビドプシスとアブラナのKRPファミリーメンバーにおいて高度に保存される。チロシン残基をアラニンに交換した場合(BnKrp1番号587)、阻害活性は部分的に損なわれ、これが、CDKAの結合及び/又は阻害において重要な役割を果たすことを示唆する。それゆえ、この部分の変異(Y149A)は、2重変異Krp1 F151A;F153Aと組み合わされる。この3重変異体は、キナーゼ活性を阻害するその能力を喪失するが、キナーゼ複合体に対するその結合を保持することが予期される。
KRP1におけるKYNFDFモチーフ(配列番号58)に対してC末端の領域は、p27KIP1において保存されるいくつかのアミノ酸を含む。(図1を参照のこと)。これらの残基多くは、β−サンドイッチの一部分を形成するp27KIP1のβ鎖において保存される。これらの保存されるアミノ酸のいくつかを、対でアラニンに交換した(まとめについて表2を参照のこと)。1つ以外の全ての場合において、阻害機能は有意に損なわれなかった。例外は、Krp1番号545(E164A;W165A)変異体であり、これは野生型KRP1よりも非常に弱いインヒビターであった。トリプトファン165は、その側鎖をβ−サンドイッチ内に伸長する。フェニルアラニン151、153及びE164とW165を全てアラニンに交換した(Krp1番号574)。この複合変異体BnKrp1は、高濃度にて使用された場合であっても、キナーゼ複合体を阻害できなかった。
また、KRP1の完全なCDK結合領域の切除はキナーゼ複合体を阻害できなかった。このことは、CDKを結合することを担う全領域が欠失されたので驚くべきことではなかった。しかし、本発明者らは、このような切除は不安定なタンパク質を生じると考える。
変異KRP CKIポリペプチド。
転写後RNAレベルでの遺伝子発現を封じるために使用される以前の技術の改善として、植物におけるKRPファミリーメンバーの抑制が、優性ネガティブな戦略を使用して、タンパク質レベルで達成された。優性ネガティブな戦略の基本的な原理は、同じタンパク質の正常なコピーが、それらの機能を行うことを妨げる変異タンパク質を生成するように、遺伝子を操作することである。この場合において、正常なKRPタンパク質は、サイクリン/CDK複合体と複数のサブユニット複合体を形成して、キナーゼ活性を不活性化する。それゆえ、野生型KRP1の変異バージョンを発現することは、KRP1の正常なコピーが、サイクリン/CDKキナーゼ活性を阻害することを妨げる。それゆえ、アブラナの7つのKRPファミリーメンバー高程度の相同性を考慮して、変異Krp1は、他のファミリーメンバー又は潜在的に全てのファミリーメンバーに対して優性ネガティブとして挙動する。最後に、KRPのサイクリン及びCDK結合領域は、他の植物種において十分に保存される。それゆえ、この優性ネガティブKrp1は、例えば、トウモロコシ、コムギ、カノーラ(Canola)、ダイズ、イネ、綿花、ポプラなどのような他の植物における内因性KRPによる阻害から、サイクリン/CDKキナーゼ複合体を防御する。
前には、優性ネガティブ変異体は、種々のシグナル形質導入経路の解明を補助するために使用されてきた。特に、優性ネガティブなRas、GTPアーゼの一種は、今日までに最も一般的に使用される優性ネガティブなタンパク質であり、かつ他のGTPアーゼを研究するために使用される戦略において主要な役割を果たしてきた(Feig及びCooper、Mol.Cell.Biol.8:3235〜3243、1988年)。同様に、CDKの優性ネガティブなバージョンは、細胞周期の制御におけるCDKについての役割を同定するために使用された(van den Heuvel及びHarlow、Science 262:2050〜2054、1993年)。
KIP/CIPファミリーのCKIは、キナーゼ複合体を阻害するためにそれらが使用する機構において、INKファミリーのインヒビターとは異なる。INKファミリーは、CDKのみに結合するのに対し、CIP/KIPファミリーは、サイクリンやCDKに独立して結合する2つの保存された領域を有する。CIP/KIP1ファミリーのCKIやKRPファミリーのCKIが、複合体を結合するために2つの接触領域を利用するという事実は、それらを優性ネガティブな戦略のための理想的な候補にする。このことは、CDK結合領域が、サイクリンを結合するKRP1の領域を無傷で維持しながら、CDKとの相互作用を無効にする変異体について標的されるので、当てはまる。
本発明において、カノーラ(Canola)、Brassica napus(Bn)のKRP、Arabidopsis thaliana(At)のKRP分子がクローン化され、そしてサイクリン/CDK活性を阻害するそれらの能力が確認された。この目的のために、インビトロアッセイが、サイクリン/CDK複合体を阻害する、種々のKRPの能力を試験するために開発された。アラビドプシスサイクリンD2;1(AtcyclinD2;1)及びアラビドプシスCDKA(AtCDKA)をエピトープでタグ化し、そしてバキュロウイルス発現ベクター系(BD Biosciences)にクローン化した。AtcyclinD2;1を、N末端においてFLAGエピトープ(Sigma−Aldrich)でタグ化した。ヘマグルチニン(HA)エピトープをAtCDKAの5’末端とインフレームに配置した。AtcyclinD2;1タンパク質の産生を、AtcyclinD2;1バキュロウイルスでS.frugiperda Sf9細胞を感染することにより達成した。AtCDKAの産生を、CDKAバキュロウイルスでのS.frugiperda Sf9細胞の感染により達成した。サイクリンD2;1/CDKAの活性な複合体を、AtcyclinD2;1バキュロウイルス及びAtCDKAバキュロウイルスでのS.frugiperda Sf9細胞の同時感染により達成した。サイクリン、CDK、及び活性な複合体を精製し、そしてキナーゼ活性についてアッセイした。キナーゼ活性を、ヒストンHI(HHI)を基質として用いる標準的なキナーゼアッセイを使用して、又は組換えNtRbを使用することにより(Nakagamiら、Plant Cell 14:1847〜1857、2002年)、モニターした。サイクリンD2;1を感染された昆虫細胞は、活性な複合体をなんら産生しなかった。同様に、CDKAを感染された細胞は、活性なキナーゼをなんら産生しなかった。細胞が、AtcyclinD2;1と、AtCDKAとの両方で感染された場合、キナーゼ活性は容易に検出された。活性なサイクリンCDK複合体は、植物タンパク質組織抽出物から、又は植物組織培養細胞抽出物から、p13suclアガロースビーズ(Wangら、Plant J.15:501〜510、1998年)を使用することにより精製される。
krp cDNAを、pET16bベクター(Novagen)においてHISタグのコード配列とインフレームにサブクローニングすることにより、Krpを、N末端ポリヒスチジンエピトープタグ(Hisタグ)を含むように設計した。野生型Krpタンパク質と変異Krpタンパク質の発現を細菌中で誘導し、続いてNi−アガロースを使用して、HISタグ融合タンパク質として精製した。
試験した全ての野生型Brassica napus(Bn)Krp(BnKRP1、BnKRP4、BnKRP5)は、サイクリンD2;1/CDKA複合体を阻害するのに極めて効果的であった。また、全ての場合において、阻害は、用量依存性であった。いくつかの他のアラビドプシス AtKrp(AtKRP1、AtKRP2)はまた、効果的なインヒビターであった。
CIP1/KIP1ファミリーのCKIは、キナーゼ複合体を結合と阻害するために、2つの接触領域を利用する。結合と阻害のこの態様に基づいて、これらの結合と阻害のこの態様に基づいて、これらの2つの領域のうちの1つの結合能力を変化することは、優性ネガティブな特徴を伴う変異タンパク質を潜在的に生じる。例えば、サイクリン結合領域が非機能的にされると、変異タンパク質はなお、サイクリン結合領域を通じて、キナーゼ複合体と無傷のドメインを介して相互作用する。同様に、CDK結合領域が非機能的にされると、変異タンパク質は、なおサイクリン結合領域を通じて、キナーゼ複合体と相互作用する。
ICK/KRPファミリーメンバーは、哺乳動物p27KIP1ファミリーに対して、制限されるアミノ酸同一性を有する。この同一性は、最もC末端の24〜30アミノ酸に制限される。実際、哺乳動物p27KIP1のサイクリン/CDK結合ドメインの位置は、タンパク質のN末端に位置されるが、植物Krpにおける相同な領域は、タンパク質の最もC末端の部分にて見出される。(図1を参照のこと、p27KIP1及び種々のKrpファミリーメンバーのアラインメントを示す)。哺乳動物p27KIP1内のサイクリン結合領域は、植物KRPにおいて保存されない。しかし推定のCDK結合領域の直ぐ上流の領域は、全ての植物KRPにおいて保存される。p27KIP1に相同ではないがこの保存された領域は、サイクリンとの相互作用を担い得た。BnKRP1のこの提唱されるサイクリン結合領域(アミノ酸125〜138)におけるいくつかの残基のアミノ酸置換は、サイクリンへの結合を無効にするが、CDKに対する結合を影響しない。これらのデータは、KRPに存在する2つの領域が、活性なキナーゼ複合体との相互作用を媒介する哺乳動物p27KIP1対応物に類似することを示唆する。興味深いことに、サイクリン結合領域を変異することは、キナーゼ複合体の阻害を完全には無効にせず、CDK結合領域が主に、サイクリン/CDK阻害を担うことを示唆する。
植物のCDK結合領域と、哺乳動物CKIとの間の高い程度の相同性を考慮して、サイクリンA/CDK複合体に結合するp27KIP1の結晶構造は、サイクリンとCDKを結合するp27KIP1の接触残基の同定を補助するために使用された(Russoら、Nature 382:325〜331、1996年)。接触残基は、種々のKRP配列と比較されて、それらがp27KIP1に対して最も高い相同性を保有する領域において保存されるか否かを決定した。CDK結合領域の最もN末端にて、LysTyrPheAspPhe(KYNFDF)(配列番号588)モチーフが横たわる。これらの残基は、p27において保存されるほとんどの部分である。これらは、サイクリンA−CDK2複合体においてCDK2を接触するβ−シートを形成する。
これらの保存された残基のそれぞれをアラニンに交換し、そしてキナーゼ複合体を阻害するそれらの能力について試験した。興味深いことに、これらの単一アミノ酸置換変異の多くは、インビトロにおいてキナーゼ複合体を阻害する能力に影響しなかった。しかし、Krp1 F151A変異体とKrp1 Y149A変異体は、キナーゼ複合体への結合を影響することなく、CKI活性を減少した。
フェニルアラニン151と153の両方の側鎖はCDKに接触し、Krp1 F151A阻害活性は部分的に損なわれるので、フェニルアラニン151と153の両方がアラニンで置き換えられた。この二重変異BnKrp1(BnKrp1 F151A;F153A)は、サイクリンD2;1を介してキナーゼ複合体を結合するその能力にかかわらず、キナーゼ複合体をもはや阻害しない。複合体のCDK部分に対するこの変異体のいくらかの残存する結合が、なおあり得ることは除外されない。
Krp1のチロシン149は、p27KIP1において保存されないが;哺乳動物p27の構造モデルにおいて、類似のアミノ酸残基がCDK2を接触するβ−シートの位置に横たわる。アラニンに交換した場合(Krp1Y149A)、阻害活性は部分的に損なわれ、このアミノ酸が、CDKAの結合及び/又は阻害において重要な役割を果たすことを示唆する。それゆえ、2重変異Krp1 F151A;F153Aと組み合わされるこの部分の変異(Y149A)は、キナーゼ複合体をもはや阻害しない改変タンパク質を生成した。この3重変異体(BnKrp1 Y149A;F151A;F153A)は、キナーゼ活性を阻害できないが、キナーゼ複合体に対する結合をなお保持することが予期される。
上記のように、Y149AとF151Aの単一アミノ酸置換はともに、キナーゼ複合体を阻害する、変異BnKrp1ポリペプチドの能力を個々に減少した。BnKrp1 Y149AとF151Aの二重変異体は、キナーゼ複合体をもはや阻害しない変異タンパク質を生成することが予期される。
KRP1におけるKYNFDFモチーフ(配列番号58)に対してC末端の領域は、p27KIP1において保存されるいくつかのアミノ酸を含む。これらの保存されるアミノ酸のいくつかを、対でアラニンに交換した。1つ以外の全ての場合において、阻害機能は有意に損なわれなかった。例外は、Krp1 E164A;W165A変異体であり、これは野生型KRP1よりも非常に弱いインヒビターであった。別個の派生体タンパク質において、フェニルアラニン151、153とE164、W165を全てアラニンに置き換えた。BnKrp1のこの複合変異体はまた、キナーゼ複合体を阻害できなかった。
KRP1の完全なCDK結合領域の切除はまた、キナーゼ複合体を阻害し得なかった。このことは、CDKを結合することを担う全領域が欠失されたので驚くべきことではなかった。
生物学的活性についての種々のBnKrp1変異体の評価の結果は表2においてまとめられる。
Figure 2009502175
以前に記載されたように、サイクリン結合ドメインを破壊することは、いくらかの阻害活性をなお保持する変異Krp1タンパク質を生じた。それにもかかわらず、推定のサイクリン結合領域内(アミノ酸125〜138)に、至適な優性ネガティブな特徴を満たす変異タンパク質を作製するために変化される、他のアミノ酸が存在する。さらに、アラニンが、これらの特定の研究において全ての置換に使用されたが、同定されたアミノ酸残基を、1つ以上の物理的特性において有意に異なる別の非アラニンアミノ酸残基で置き換えること(他の非保存的置換)は、優性ネガティブなタンパク質を生じると予期される。特に、特定のアミノ酸残基を、逆帯電されるアミノ酸で、又は親水性残基を疎水性残基で、又はその逆などのように、実質的に異なる決定的な特徴を伴うアミノ酸で置き換えることは、さらにより良好な優性ネガティブな候補を生じると予期される。
理想的な優性ネガティブな候補は、キナーゼ活性を無効にするために必要とされる野生型インヒビターの最小量の10倍まで使用した場合であっても、キナーゼ活性を阻害しない。いくつかの変異体はこの要件を満たす(表2を参照のこと)。この特徴の重要性は、インビボで発現される場合、変異タンパク質のレベルが野生型タンパク質に比較して過剰なレベルにあり得るという事実にある。
本研究において同定された優性ネガティブなBnKrp1分子は、サイクリンD2;1/CDKA複合体を、野生型BnKRP1阻害から効果的に防御する。同じ優性ネガティブな派生体Krp1分子はまた、トウモロコシ、ダイズ、イネ、綿花、ポプラ、及びアルファルファのような他の種由来のKRP分子による阻害から、キナーゼ複合体を防御する(実施例7を参照のこと)。
変異BnKrp1タンパク質は、野生型CKIタンパク質がキナーゼ複合体を阻害することを競合的にブロックする。
特に有用である優性ネガティブな候補は、キナーゼ活性を無効にするために必要とされる野生型インヒビターの最小量の10倍まで使用した場合であっても、キナーゼ活性を阻害しない。いくつかの変異体はこの要件を満たす(表2、図1、実施例2を参照のこと)。この特徴の重要性は、インビボで発現される場合、変異タンパク質のレベルが野生型タンパク質に比較して過剰なレベルにあるという事実にあり、変異タンパク質は、事実上いかなる濃度であってもキナーゼ複合体を実質的に阻害しないことは重要である。
いくつかの優性ネガティブな候補を、サイクリンD2;1/CDKA複合体を野生型BnKRP1から防御するそれらの能力について試験した。競合実験は以下のように行われた。活性なサイクリンD2;1/CDKAキナーゼ複合体(7μg)を、候補の優性ネガティブなBnKrp1変異体(5μg又は10μg)とともに、20分間、1×キナーゼ緩衝液中で、予めインキュベートした。次いで、複合体を、HHIを基質として使用して、野生型BnKrp1の不在下での、又は野生型BnKrp1の添加後(0.5μg、1.0μg、又は2μg)の、そのキナーゼ活性について試験した。次いで、実施例1、「キナーゼアッセイ」において記載されるように、キナーゼ反応物をSDS PAGEにより分離した。結果をphosphorImager(Molecular Dynamics)により定量した。
BnKrp1 F151A;F153A(BnKrp1番号512)は、キナーゼ複合体を、野生型BnKrp1による阻害から防御し得た。5μgのBnKrp1 F151A;F153Aは、0.6μg野生型Krp1の存在下で、最大40%のキナーゼ活性を回復した。この優性ネガティブな効果は用量依存性であり、10μgのBnKrp1 F151A;F153Aが使用された場合、最大60%のキナーゼ活性が回復された。
変異BnKrp1番号555(E164A;W165A)は、反応当たり10μg使用された場合であってもキナーゼ活性を阻害でなかったので、これは有望な優性ネガティブな候補である。競合実験において、この変異体は、活性なキナーゼ複合体を野生型KRP1による阻害から防御したが、5μgが使用された場合14%まで、及び10μgが使用された場合15%まで活性を回復しただけであった。BnKrp1番号512及びBnKrp1番号555からの変異を、BnKrp1番号574(F151A、F153A、E164A、W165A)と呼ばれる1つの変異タンパク質に合わせた。この複合変異体は、5μgと10μgの量にて、それ自身でキナーゼ活性を阻害できなかった。この複合変異体は、キナーゼ複合体を、野生型BnKRP1による阻害から防御し得たが、せいぜい35%まで活性を回復し得ただけであった。変異BnKrp1番号598(Y149A;F151A;F153A)は、キナーゼ複合体を、野生型BnKRP1による阻害から防御し得た。5μgのBnKrp1 F151A;F153Aは、0.6μgの野生型KRP1の存在下、最大55%のキナーゼ活性を回復した。この優性ネガティブな効果は用量依存性であり、10μgのBnKrp1 Y149A;F151A;F153Aが使用された場合、最大80%のキナーゼ活性が回復された。
これらのデータは、優性ネガティブについて標的するための至適な領域は、β−ヘパリン領域であることを示唆する。しかしもちろん他の残基が変化される。いくつかの単一アミノ酸置換は、優性ネガティブなKrpを作製できなかった(実施例3を参照のこと)、しかし事実、保存された残基を余計に交換することは、優性ネガティブの大部分の要件を満たす変異体を生じるが、ただしこれは最終的に優性ネガティブとして挙動できない。AtKrp2は、BnKRP1とAtKRP1に最も密接に関連される。KYNFDFモチーフ(配列番号58)がKAAAAA(配列番号59)に交換された変異AtKrp2は、優性ネガティブなKrp分子の有望な特徴を有した。高濃度で、このBnKrp2変異体は、予期されたようにキナーゼ複合体を阻害できなかった。興味深いことに、この変異体は、野生型BnKrp1による阻害から、キナーゼを防御できなかった。
まとめると:BnKrp1 F151A;F153Aは、野生型KRPがキナーゼを阻害することをブロックする、Krp1 E164A;W165Aは、野生型KRPをブロックするのに良好ではないのに対して、BnKrp1(Y149A;F151A;F153A)は、インビトロでの競合アッセイにおいて最も良好な優性ネガティブな候補であった。二重変異BnKrp1(Y149A;F151A)は、キナーゼ複合体を阻害から防御し得る。
以前に記載されたように、サイクリン結合ドメインを破壊することは、いくらかの阻害活性を保持する変異Krp1タンパク質を生じる。それにもかかわらず、優性ネガティブな特徴の全てを満たす変異タンパク質を作製するために変化される他のアミノ酸が存在する。さらにアラニンは全ての置換について最適なアミノ酸であった。示される多くの変異体において、残基を非保存的なアミノ酸で置き換えることは、さらに良好な優性ネガティブな候補を生じ得た。
BnKrp1 F151A;F153A及びBnKrp1 Y149A;F151A;F153Aは、他のBrassica napus KRPファミリーメンバーに対して優性ネガティブとして挙動する。
優性ネガティブな戦略の全目的のうちの1つは、その野生型対応物に対してのみでなく、そのファミリーメンバーの全てに対して優性ネガティブとして挙動するKRPファミリーの単一メンバーに変異を導入することであった。Brassica napusにおける、及びアラビドプシスにおける、CKIのKRPファミリーのアラインメントは、タンパク質のC末端の最端にある高い配列同一性を説明する。データは上記に示されており、CDK結合ドメインに対して直ぐN末端の保存された領域が、サイクリンを結合することを担うことを実証する。さらに、いくつかのグループは、2−ハイブリッド配列決定データを示し、いくつかのKRP分子が、サイクリン結合について重複する特異性を有することを説明する。
BnKRP4は、β−ヘパリンにおいてBnKRP1とは異なる。Phe151は、BnKRP1とBnKRP4との間で保存されるが、BnKRP1 F153はBnKRP4においてはプロリンである。これは、必ずしも保存的なアミノ酸置換ではなく、そしてBnKRP4がBnKRP1とは異なってサイクリン/CDKA複合体と相互作用し得ることを示唆する。しかし、CDK結合ドメイン内のこの部位は、サイクリン/CDKA阻害において重要な役割を果たさないことが既に示されている(変異BnKrp1番号573、実施例1を参照のこと)。
BnKrp4を、5’BamHI/NdeI部位とXhoI制限部位をBnKrp4−1の3’末端上に付加するBnKrp4 cDNAを増幅するために、以下の2つのオリゴヌクレオチドを使用してクローン化した(5’BnKrp4−1 BamHI/NdeI:GGATCCCATATGGGAAAATACATAAAG(配列番号60)及び3’BnKrp4−1 XhoI:CTCGAGCTAATCATCTACCTTCTT(配列番号61)。PCRフラグメントをpTG番号315(TopoII BnKrp4−1)から増幅し、そしてpET16b−5mycのBamHI部位とXhoI部位にサブクローン化し、そして配列決定した。得られるベクターBnKrp番号605は、6XHis及びmycタグとインフレームにBnKRP4野生型cDNAを含んだ。実施例1において記載されるようにタンパク質を発現し、そして精製した。
BnKrp4はAtcyclinD2;1/CDKAキナーゼ複合体の強力なインヒビターであり、IC50は野生型BnKrp1のそれに非常に類似した。競合実験を実施例4において記載されるように行った。この場合において、BnKrp1番号512(F151A;F153A)とBnKrp1番号598(Y149A;F151A;F153A)はともに、キナーゼ複合体を、野生型BnKrp4による阻害から防御可能である。この観察に基づいて、BnKrp1番号512とBnKrp1番号598は、全てでないにしても、ほとんどのBnKRPファミリーメンバーに対して優性ネガティブとして挙動することが予期される。
BnKrp1 F151A;F153A及びBnKrp1 Y149A;F151A;F153Aは、他の植物種のKrpに対して優性ネガティブとして挙動する。
優性ネガティブな戦略の全目的は、その野生型対応物に対してのみでなく、異なる植物種にかかるKRPファミリーメンバーに対してもまた優性ネガティブとして挙動するKRPファミリーの単一メンバーに1つ以上の変異を導入することであった。本発明における目的の作物としては、ダイズ、カノーラ、トウモロコシ、コムギ、アルファルファ、イネ、トマトのような野菜作物、さらにポプラのような樹木さえ挙げられるが、これらに制限されない。
AtKRP1(GenBank番号U94772)のヌクレオチド配列を使用して、tBLASTnサーチを、トウモロコシ、ダイズ、タバコ、イネのKRP配列について行った。いくつかの短いESTは、サイクリン/CDK結合ドメインに制限される高い相同性を示した。これらの短い配列のいくつかをアラインし、そして種々の植物種にかかるこの領域の保存を説明する(図2を参照のこと)。
トウモロコシにおいて、1つの特に、GenBankアクセス番号AY986792は、573bpのオープンリーディングフレームを含み、いくつかのBn KRPファミリーメンバーと高い同一性を伴う完全長タンパク質をコードする。このタンパク質は、ZmKRP4と呼ばれたが、これは必ずしも、BnKrp4又はAtKRP4のトウモロコシ相同体ではない。BnKrp4のように、ZmKRP4は、β−ヘアピンにおいてBnKrp1とは異なる。Phe151はBnKRP1と、BnKRP4と、ZmKRP4との間で保存された。しかし、BnKRP1 F153は、BnKRP4及びZmKRP4の両方においてプロリンであった。ZmKRP4を、成熟トウモロコシの房から単離された全RNAから作製されたcDNAから増幅した。オリゴヌクレオチドの配列はGenBankアクセス番号AY986792から集められた。ZmKRP4 5’BamHI/NdeI:GGATCCCATATGGGCAAGTACATGCGC(配列番号62)及びZmKRP4 3’BamHI:GGATCCTCAGTCTAGCTTCACCCA(配列番号63)。PCR産物をTOPOII(Invitrogen)にサブクローン化し、そして配列決定した。ZmKRP4のタンパク質産物について、573bpのBamHIフラグメントをpET16b−5MycベクターのBamHI部位にクローン化し、そして挿入物の方向を、制限酵素マッピングにより決定した。組換えタンパク質を、実施例4において記載されるように産生した。
同様にダイズにおいて、1つの特定の、GenBankアクセス番号AY439104は、499bpのオープンリーディングフレームを含み、いくつかのBn KRPファミリーメンバーと高い同一性を伴う完全長タンパク質をコードする。GmKRP2−2と呼ばれるこのタンパク質は、β−ヘパリン内でBnKRP1に実質的に同一である。GmKRP2−2は、若い発達するダイズ小植物から単離された全RNAから作製されたcDNAから増幅された。オリゴヌクレオチドはGenBankアクセス番号AY439104の配列から設計された。GmKRP2−2 5’XhoI/NdeI:ctcgaggacatatggagatggctcaggttaaggca(配列番号62)及びGmKrp2−1 3’XhoI:ctcgagtcaactgaacccactcgtatcgtcc(配列番号65)。PCR産物をTOPOII(Invitrogen)にサブクローン化し、そして配列決定した。GmKRP2−2のタンパク質発現について、499bpのXhoIフラグメントをpET16b−5MycベクターのXhoI部位にクローン化し、そして挿入物の方向を、制限酵素マッピングにより決定した。組換えタンパク質を、実施例4において記載されるように産生した。
ZmKRP4及びGmKrp2−2の両方を、組換えサイクリンCD2;1/CDKAキナーゼ複合体を阻害するそれらの能力について試験した。ZmKRP4はキナーゼ複合体の強力なインヒビターであり、IC50は、野生型BnKRP、0.035μgのIC50に非常に類似した。同様に、GmKrp2−2はまた、キナーゼ複合体の強力なインヒビターであった。優性ネガティブなBnKrpI(BnKrp1番号512と番号598)の両方は、ZmKrp4とGmKrp2−2を、キナーゼ複合体を阻害することからブロックした。各場合において、防御は、BnKrp1番号512がBnKRP1阻害に対して与える防御に匹敵した。この結果は、本発明の優性ネガティブなKrpの異種間の効果を説明する。
実験はまた、BnKrp1番号512と番号598が、イネ、コムギ、ソルガム、サトウキビ、テンサイなどのような他の異種KRPファミリーメンバーに対して類似の効果を有することを示唆する。これらの植物由来のKRP分子は、他の分子と同様に、類似の研究においてクローン化され、組換えタンパク質として発現され、そして評価され、BnKrp1番号512と番号598がこれらのファミリーメンバーに対して類似の効果を有することが実証される。
他の植物種KRP分子における平行変異は優性ネガティブな分子を生じる。
優性ネガティブな効果を生じるようにBnKRP1において交換された残基は、カノーラ(Canola)、トウモロコシ、ダイズ、イネ、アルファルファ、ポプラ、タバコなどにおけるKRPのいくつかのファミリーメンバーにおいて保存される。アラニン残基への保存されたフェニルアラニンの置換は、これらの作物のいくつかのKRPにおいて行われ、そして優性ネガティブ分子として挙動するそれらの能力について試験される。
F151とF153は、カノーラ(Canola)、ダイズ、トウモロコシにおけるKRPの全てではないが、いくつかにおいて保存された。ダイズとトウモロコシのKRPにおけるこれらの保存された残基の変異は、類似の優性ネガティブなKrp分子を生じる。
Krp1(F151a;F153a)の胚特異的及び構成的な発現を付与するように設計された導入遺伝子構築物を発現するトランスジェニックカノーラ植物。
上述の実験において示されるインビトロでの結果に基づいて、培養植物細胞における又はトランスジェニック植物における本発明の発現は、内因性CDKキナーゼ活性を増加することが予測される。CDKキナーゼ活性における増加は、細胞周期に対してポジティブなdring incluenceを有する。本発明を、植物発現ベクターにクローン化した。植物発現ベクターは、上記の本発明に連結されるネイティブな又は非ネイティブなプロモーターを含む。プロモーターは、強力、弱い、誘導性、組織特異的、器官特異的、発達特異的に及ぶ。
BnKrp1(F151A;F153A)変異の等価物を、以下のオリゴヌクレオチドを使用して、AtKRP1に導入した:「QC AtKrp1 cds F173A;F175A−coding」5’−TTCAAGAAGAAGTACAATGCCGATGCCGAGAAGGAGAAGCCATTA−3’(配列番号66)及び「QC AtKrp1 cds F173A;F175A−noncod」5’−TTATGGCTTCTCCTTCTGGGCATCGGCATTGTACTTCTTCTTGAA−3’(配列番号67)。Stratagene Quikchange Site Directed Mutagenesis Kitを使用して、AtKrp1番号359を鋳型として用いた。AtKrp1 F173A;F175A(pTG356)を配列決定により確認した。LFAH12プロモーターを、pTG356において変異AtKrp1(F173A;F175A)の5’末端に2工程で挿入した。先ず、pCAMBIA 2381Z(pTG254)からのSalIとPstI LFAH12プロモーターを、pBluescriptII(Stratagene)に、SalIとPstIにおいてサブクローン化して、pTG357を得た。次いで、LFAH12プロモーターをPstIとBamHIを使用して、pTG357から切断し、そしてpTG356に挿入して、pTG361を得た。最後に、pTG361をKpnIとNotIで消化し、pLAY112をNotIとBglII(mas3’ utr成分)で消化し、pCGN 1547をKpnIとBamHIで消化し、そして3元ライゲーションを行った。これは、LFAH12−AtLCK1 cds DN−mas3’ utrカセット(pTG369)を生じた。
構成的なプロモーター35Sの制御下にBnKrp1(F151A;F153A)を含有する植物発現ベクターを、以下の方法において構築した。BnKrp1(F151A;F153A)cdsを含むBamHI/XhoIフラグメントを、同じ部位を使用してpTG271(35S/TOPO Blunt)にクローン化した。得られる構築物(pTG529)を、KpnIとXbaIで切断した。pLAY112を、XbaIとHindIIIで切断し、pCGN1547をKpnIとHindIIIで切断し、そして三元ライゲーションを行った。これは、35S−BnKrp1(F151A;F153A)−mas3 utrカセット(pTG533)を得た。
カノーラ(Brassica napus)形質転換
2倍体カノーラ品種DH12075を、Maloneyら(Maloneyら、Plant Cell Reports 8:238、1989年)に基づくアグロバクテリア媒介性形質転換法を使用して、LFAH−12 AtKrp1(F173A;F175A)及び35−S BnKrp1(F151A;F153A)導入遺伝子発現構築物(本実施例においてまた、「変異Krp1導入遺伝子発現構築物」とまとめて呼ばれる)で形質転換した。
15X60mmペトリ皿において、5日間、プレート当たり約40〜約60種子で、1%スクロールを含有する1/2MS(Murashige & Skoog)培地上で滅菌された種子を発芽した。各形質転換構築物について合計約1500個の種子を発芽させた。種子を発芽培地中に完全には埋没させなかった。発芽された芽生えを、組織培養室において、25℃にて16時間の明期/8時間の暗期の周期で生長させた。
子葉を頂端分裂組織の直ぐ上で、任意の分裂組織を得ることなく切断した。これは、頂端分列組織領域の直ぐ上の2つの葉柄を鉗子で穏やかにつかむことにより行われた。葉柄を鉗子で砕かないように注意を払った。鉗子の先端をガイドとして使用して、葉柄を、鋭いNO.12の刃を備える外科用メスを使用して切断した。子葉を共存培養培地の15mmX100mmプレート上に放出した。正確に切断された子葉は容易に分離した。そうでなかった場合、分裂組織が得られた可能性が非常に高く、このような子葉は使用しなかった。各プレートは、約20個の子葉を保持した。プロトコルのその後の段階においてネガティブな影響を有するしおれを回避するように調製されたいくつかのプレートごとに、子葉外殖片をアグロバクテリアで接種した。
変異Krp1導入遺伝子発現構築物を、アグロバクテリア(Agrobacterium tumefaciens)エレクトロポレーションに導入した。変異Krp1導入遺伝子発現構築物を保有するアグロバクテリアを、適切な抗生物質を含有するAB培地上で、2日間、28℃にて振とうして、増殖した。子葉外殖片を接種するために、小容量のアグロバクテリア培養物を10mm x 35mmペトリ皿に添加した。各外殖片の葉柄をアグロバクテリア培養物に浸し、そして切断端部をペトリ皿中の共存培養培地においた。プレートを密閉し、そして組織培養室に、25℃で、16時間の明期/8時間の暗期にて3日間置いた。
3日後、外殖片を、シュート誘導培地を含有する新鮮な25mm x 100mmペトリ皿に、10片を1セットとして移した。この培地は、選択剤(20mg/Lカナマイシン)及びホルモン(4.5mg/L BA)を含んだ。健常に見える外殖片のみを移した。外殖片を、シュート誘導培地上に、14〜21日間維持した。この時に、緑色カルスと潜在的ないくつかのシュートの発達、及びいくつかの非形質転換シュートが観察された。非形質転換シュートは、それらの白及び紫の色により容易に認識された。カナマイシン感受性シュートを、それらを切り取ることにより取り出し、そして全ての健常に見えるカルスを、シュート誘導培地の新鮮なプレートに移した。外殖片はこれらのプレート上にさらに14〜21日間維持された。
2〜3週間後、色が暗緑色であったシュートを、シュート伸長培地を含有するプレートに移した。この培地は、選択剤(20mg/Lカナマイシン)を含んだがホルモンは何ら含まなかった。5個のシュートを各プレートに移した。プレートを密閉し、そして組織培養室に戻した。ガラス質に見える形質転換されたシュートを、フロログルシノール(150mg/L)を含有するシュート伸長培地に移した。健常にかつ緑色になったシュートを、シュート伸長プレートに戻した。同じ培地の新鮮なプレートへの種々のシュートの反復される移動が、正常な見かけのシュートを得るために、いくつかの場合において必要とされた。
正常な形態学を伴うシュートを、0.5mg/Lインドール酪酸を含有する発根培地を含む4オンスのベビーフードの瓶に移した。瓶にシュートを移す場合に任意の過剰なカルスを切り出した。シュートはそれらを、6週間毎に0.2mg/Lインドール酪酸を含有する新鮮な瓶に移すことにより、瓶中に無期限に維持される。
一旦、良好な根系が形成されると、T0世代のシュートを瓶から取り出し、寒天を根から取り除き、そして小植物体を鉢植え用の土に移した。各独立したT0小植物体は、カノーラゲノムへの導入遺伝子の挿入の独立した発達を示し、1つの事象といわれる。透明なカップを小植物体上に数日間置き、植物を新しい環境に順応させた。一旦植物が慣れると、カップを取り除いた。次いで、T0トランスジェニック事象を、温室において成熟体に生長させ、そしてT1種子を回収した。
0事象の特徴づけ
導入遺伝子挿入部位の遺伝子座の数を、サザン解析により各事象において決定した。T0事象における変異Krp1導入遺伝子の発現を、ノーザン解析又は終点RT−PCRにより確認した。変異Krp1導入遺伝子の発現データを、胚発達、受粉から19日後(DAP)における単一の時点について得た。これらのデータから、この発達の時点で、LFAH12プロモーターは、高レベルのAtKrp1(F173A;F175A)mRNAを駆動したことを結論付けた。35S BnKrp1(F151A;F153A)導入遺伝子発現を、葉サンプルにおいてモニターした。これは多くの事象において中程度から高レベルの発現を有した。発現データは、両方のプロモーターがトランスジェニックカノーラ植物中で変異Krp1導入遺伝子の発現を駆動する際に機能的であることを実証した。
キナーゼ活性は、内因性サイクリン−CDKキナーゼ活性に対する変異Krp1タンパク質発現の効果を決定するために測定される。トランスジェニック植物又は非トランスジェニック植物の組織又は細胞からの等価な量のタンパク質抽出物を、p13Suc1樹脂(Upstate、Chicago,IL)を使用してCDKについて富化し、そしてヒストンキナーゼアッセイを実施例4において、又はWangら、Plant J.15:501〜510、1998年において記載されるように行う。キナーゼ反応はSDS−PAGE及びPhosporImagerにより定量されるHHIリン酸化により解明される。
0植物を、両方の変異Krp1導入遺伝子発現構築物について首尾よく再生した。試験した構築物は、(a)LFH12/AtKrp1(F173A;F175A);(b)35S BnKrp1(F151A:F153A)を含んだ。
インビボでの発現は生長/早期発芽を加速する。
トランスジェニック植物における本発明の変異タンパク質の発現は、サイクリン−CDKキナーゼ活性を上昇することにより、それらの効果を行使する。このことは、細胞周期に対してポジティブな駆動影響を有し、これは最終的に増大される器官の大きさを生じる。植物において、逆反復アプローチを使用して、胚における内因性Krp1遺伝子の発現を抑止することによる減少されたKrp1発現レベルは、増大された種子の大きさと、増加された作物の収量を生じる。収量に対する効果に加えて、増大される種子の大きさは、増大される活力又は種子を生じる。より大きな種子は、発芽と苗生長の間に利用されるより多くの量の保存タンパク質とデンプンの蓄積を含む。このことは、より早期の発芽とより迅速な早期の生長を生じる。早期の発芽と早期の迅速な生長は、これらがより迅速な作物の定着を導くので、農学的に価値がある形質である。このことは、定着の前に作物を障害又は破壊する厳しい環境条件などに対する脆弱性の時期を減少することにより、首尾よい作物の見込みを増加する。
生長と発達の増大される速度が、実施例9において記載されるAtKrp1(F173A;F175A)優性ネガティブな発現構築物(pTG369)で形質転換されたトランスジェニックカノーラ植物の温室発芽された苗において観察された。AtKrp1(F173A;F175A)優性ネガティブな発現構築物の、15体の独立した形質転換事象のそれぞれから、24個の種子を、トレイ中のJiffyピートペレットに植え、そして温室で発芽した。またLFAH12プロモーターの制御下、野生型KRP1遺伝子で形質転換された15体の独立した事象のそれぞれからの24個の種子を、平行して植えた。さらに、形質転換されていない親DH12075カノーラ品種、及び任意の9つの未関連の導入遺伝子構築物で形質転換された合計135体のトランスジェニック事象を、同時に植えた。
3週間の生長後、全ての苗を種子に育てるために、試験農場に植え替えた。各事象についての24個の苗の各セットを、個々のプロットとして植えた。植え替えの際、プロット間での苗の生長における差異が容易に観察された。全ての導入遺伝子構築物についての苗の全集団にわたり、大きさは1インチの高さから約4〜5インチの高さに異なった。発達の進行もまた変化し、子葉のみを有する数個の苗から、数枚の本葉を伴う苗に及んだ。形質転換されていない親品種のプロットはこの範囲の中間に収まった。トランスジェニックプロットにおける差異は、構築物特異的であった。最上位の大きさと発達の範囲に苗を含む、試験農場におけるプロットの大部分は、AtKrp1(F173A;F175A)優性ネガティブな発現構築物(pTG369)で形質転換された植物を含むプロットであった。他の構築物はこの特徴を示さず、ほとんどのプロットは形質転換されていない親品種に匹敵するか、又はそれよりも少ない生長及び発達を示す。これらの結果は、優性ネガティブな変異Krp導入遺伝子の発現は、増加される早期生長速度を付与し、かつ加速される発達ペースを付与することを示す。
モニターされるさらなる特性としては、例えば、発達前/発芽の持続時間、子葉の出現の時期、子葉の大きさ、最初の本葉が現れる時期、及び第二の本葉が現れる時期が挙げられる。ロゼット直径は、トランスジェニック植物や非トランスジェニック植物においてモニターされる。他の特徴はまた、トランスジェニック植物と非トランスジェニック植物との間でモニターされ、そして例えば、蕾の出現の時期、蕾束の大きさ、主な総状花序の最終的な大きさ、最初の花が出現する時期、最初の鞘が出現する時期などが挙げられる。
インビボでの発現は、良好な発根をもたらす。
カノーラ種子は非常に小さく、発芽のために比較的高い湿潤を必要とし、そして発芽力を最大にするために、土壌表面近くに植えられなくてはならない。小さな種子及び浅植えは、作物を、乾燥土壌や洪水のような非生物的ストレスへの被害に受けやすくする。種々のプロモーターの制御下での本発明の変異ポリペプチドの恒常的な発現又は根発達における初期の発現は、加速された根成長と発達をもたらす。根発達の間の増加される細胞分裂は、堅固な根基盤を確立し、かつ潜在的に非トランスジェニック植物コントロールよりも大きな根基盤を確立することにより、苗の活力に利益をもたらす。トランスジェニック植物の根系の大きさは、非トランスジェニック植物に比較される。
反復された試験農場実験において、カノーラ収率に対する、胚発達の間のAtKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子発現の効果の評価。
本実施例において、LFAH12胚特異的プロモーターの制御下のアラビドプシスKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子(pTG369)を含むトランスジェニックカノーラ植物を、農場実験において試験した。
トランスジェニックAtKrp1(F173A;F175A)事象の農場試験に対する進展
0事象を、導入遺伝子発現と、導入遺伝子挿入の遺伝子座数との組み合わせに基づいて、農場試験に対する進展のために選択した。検証された導入遺伝子発現及び行われるべき最も高い優先度を割り当てられた単一の導入遺伝子挿入の遺伝子座を伴う事象は、農場試験に送られた。いくつかの例において、複数の挿入遺伝子座を伴う事象は、複数遺伝子の存在が、遺伝子用量に依存して導入遺伝子の全体的に高い発現レベルを与える場合に選択された。
選択された事象からのT1種子を、農場プロットにおいて、分離するT1集団として生育させた。各事象を2列の、24体の植物プロットとして植えた。単一の導入遺伝子挿入遺伝子座を伴う事象について、24体のT1植物間での導入遺伝子の分離は、導入遺伝子を欠損する約6体のヌル植物、12体のヘテロ接合植物、6体のホモ接合植物の分布を生じた。各T1植物は、異系交配を防ぐために、開花前に個々に袋に入れた。24体のT1植物それぞれからのT2種子を別々に回収した。
2種子ストックを、24体の親T1植物のうちのどれがヌル、ヘテロ接合、又はホモ接合であるかを同定するために使用した。各T1植物からの約30個のT2種子を、カナマイシンのアナログの抗生物質G418を含有する溶液を含むペトリ皿中のフィルター紙上で発芽させた。植物は、選択可能なマーカーとしてnptII耐性遺伝子で同時形質転換したので、導入遺伝子を保有するこれらの種子のみが発芽し、そして生長を続けた。プレート上の全ての種子がG418に感受性であることを証明した場合、T1親をヌル系統として同定した。プレート上の全ての種子がG418に耐性であった場合、T1親をホモ接合系統として同定した。プレート上の約4分の1の種子が感受性であり、そして残りが耐性であった場合、T1親を異種接合系統として同定した。同じ形質転換事象からのホモ接合T1親からのT2種子をバルクして、農場試験のためのホモ接合種子ストックを生成した。同じ形質転換事象からのヌルT1親からのT2種子をバルクして、農場試験のためのヌル同胞種の種子ストックを生成した。
農場試験の設計
トランスジェニックカノーラ系統における収量特質に対するAtKrp1(F173A;F175A)の効果を、農場での大規模な反復される試験において、各トランスジェニック系統と、そのヌル同胞種とを直接的に比較することにより評価した。ヌル同胞種は、T1世代における導入遺伝子の分離から生じるので、ヌル及びホモ接合同胞種は、ほとんど遺伝的に同一である。唯一の有意な差異は、AtKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子の存在又は不在である。この近い遺伝的同一性は、ヌル同胞種を、AtKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子の効果の評価についての至適なコントロールにする。試験の主な目的は、そのヌル分離物に対する事象からのトランスジェニック系統の比較であり、分割法設計を選択した。この設計は、トランスジェニック亜集団と非トランスジェニック亜集団との間の相互作用に対する、事象間のトランスジェニックサブプロット間の差異(サブプロットとメインプロットとの相互作用)に対する高レベルの評価を与える一方、全体の事象又はメインプロット間の差異に対するより低いレベルの評価を与える。
農場試験を、カノーラが典型的に生育される環境条件の範囲の下での収量表現型を評価するために、草原地帯にわたり複数の位置にて行った。全ての位置にて、各トランスジェニック事象を、近接したプロットにおいて、そのヌル同胞種と物理的に一組にした。ホモ接合とヌル同胞種の各プロット対を、各試験位置にて4回複製した。各試験における4つの複製プロット対の位置は、各試験位置にてランダムに分布した。プロットは、1.6m×6mであり、そして平方メートルあたり142個の種子を植えた。植物を、カノーラの商業生産に典型的な標準の農作業を使用して成体に生育させた。
胚特異的プロモーターを使用して、胚発達の間にAtKrp1(F173A;F175A)を発現するトランスジェニックカノーラにおける増加された収量
各収量農場試験位置での全てのプロットを、コンバインで個別に採集した。種子総収量データを、種子総重量として集計し、各プロットからの湿潤含量に修正した。各試験におけるトランスジェニック事象ごとに、各ホモ接合系統の4つの複製プロットからの総収量の平均を、関連のヌル同胞種系統の4つの複製プロットからの総収量の平均に比較した。この比較は、種子総収量に対するAtKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子の効果を評価するために使用された。複数の試験位置のそれぞれからの結果を合わせて、種子総収量に対するAtKrp1(F173A;F175A)導入遺伝子の効果の試験解析を、試験にわたって与えた。各試験位置での分散の統計学的解析は、ホモ接合トランスジェニック系統とそれらのヌル同胞種との間の種子総収量における差異について、閾値の割り当てを有意(P=0.05)と認めた。
種子総収量において統計学的に有意な増加を示したトランスジェニックAtKrp1(F173A;F175A)カローナ系統は、表3においてまとめられる。これらの結果は、胚特異的プロモーター(LFAH12)を使用するAtKrp1(F173A;F175A)の過剰発現は、増加される種子収量を生じることを実証する。
Figure 2009502175
本明細書に記載される実施例及び実施形態は例示の目的のためのみであること、そしてそれらを考慮して種々の改変及び変更が当業者に示唆され、そして本願の精神及び範囲、並びに添付の請求の範囲の中に含まれることが理解される。本明細書中で引用される全ての文献、特許、及び特許出願は、全ての目的のために、それらの全体が本明細書中で参考として援用される。
アブラナKrpファミリーメンバーと、アラビドプシスKRPファミリーメンバーとのアミノ酸配列アラインメントを示す。アラビドプシスKRPは、公共のデータベースから得られた:AtKrp1(Genbank番号U94772)(配列番号2);AtKrp2(Genbank番号CAB76424)(配列番号3);AtKrp3(Genbank番号CAC41617)(配列番号4);AtKrp4(Genbank番号CAC41618)(配列番号5);AtKrp5(Genbank番号CAC41619)(配列番号6);AtKrp6(Genbank番号CAC41620)(配列番号7);及びAtKrp7(Genbank番号CAC41621)(配列番号8)。アブラナKrpについての配列(BnKrp1(配列番号68)、BnKrp3(配列番号69)、BnKrp4(配列番号70)、BnKrp5(配列番号71)、及びBnKrp6(配列番号72))は、以下の実施例1において記載されるように得られた。また、p27についてのアミノ酸配列(配列番号73)が示される。 アブラナKrpファミリーメンバーと、アラビドプシスKRPファミリーメンバーとのアミノ酸配列アラインメントを示す。アラビドプシスKRPは、公共のデータベースから得られた:AtKrp1(Genbank番号U94772)(配列番号2);AtKrp2(Genbank番号CAB76424)(配列番号3);AtKrp3(Genbank番号CAC41617)(配列番号4);AtKrp4(Genbank番号CAC41618)(配列番号5);AtKrp5(Genbank番号CAC41619)(配列番号6);AtKrp6(Genbank番号CAC41620)(配列番号7);及びAtKrp7(Genbank番号CAC41621)(配列番号8)。アブラナKrpについての配列(BnKrp1(配列番号68)、BnKrp3(配列番号69)、BnKrp4(配列番号70)、BnKrp5(配列番号71)、及びBnKrp6(配列番号72))は、以下の実施例1において記載されるように得られた。また、p27についてのアミノ酸配列(配列番号73)が示される。 トウモロコシ(配列番号9)、カノーラ、ダイズ(配列番号11)、ポプラ(配列番号12)、タバコ(配列番号13)、コムギ、イネ(配列番号15)、及びジャガイモ(配列番号16)のサイクリン及びCDK結合ドメインのアミノ酸配列アラインメントを示し、CDK結合ドメイン内の高度な配列同一性を説明する。 トウモロコシにおける発現について至適化されたコドンを有する変異BnKrp1核酸配列を示し、BnKrp1 F151A;153A(配列番号74)、又はBnKrp1 Y149A;F151A;F153A(配列番号75)のいずれかをコードする。

Claims (116)

  1. 単離された、変異植物CKIポリペプチドであって、
    (a)サイクリンについての結合親和性を付与するサイクリン結合領域、(b)CDKについての結合親和性を付与するCDK結合領域を揺する野生型植物のCKIポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するCKIアミノ酸配列を含み、
    該少なくとも1つの改変は、野生型CKIポリペプチドに比較して、CDKについての、変異CKIポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり;
    変異CKIポリペプチドは、野生型CKIポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持し;
    変異CKIポリペプチドは、CDK結合領域への結合について、該野生型CKIと競合し得る、変異植物CKIポリペプチド。
  2. 前記野生型植物CKIポリペプチドが、KIP関連性タンパク質(KRP)ファミリーのメンバーである請求項1に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  3. 前記KRPファミリーのメンバーが、Brassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max、トウモロコシ、コムギ、イネ、アルファルファ、綿花、又はポプラのCKIポリペプチドである請求項2に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  4. 前記KRPファミリーのメンバーが、Arabidopsis又はBrassicaKRP1ポリペプチドである請求項2に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  5. 前記少なくとも1つの改変が、BrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内にある請求項2に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  6. BrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内に少なくとも2つの改変を含む請求項5に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  7. 前記少なくとも1つの改変がアミノ酸置換を含む請求項5に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  8. アミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項7に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  9. アミノ酸置換は、非保存的な置換である請求項7に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  10. 請求項7に記載の変異植物CKIポリペプチドであって、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、各アミノ酸置換は、
    (a)BnKRP1のアミノ酸145位に対応する位置;
    (b)BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置;
    (c)BnKRP1のアミノ酸151位に対応する位置;
    (d)BnKRP1のアミノ酸153位に対応する位置;
    (e)BnKRP1のアミノ酸164位に対応する位置;
    (f)BnKRP1のアミノ酸165位に対応する位置、
    からなる群より独立して選択される位置にある、変異植物CKIポリペプチド。
  11. 少なくとも2つのアミノ酸置換のうちの1つ以上、必要に応じて全てが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項10に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  12. 少なくとも2つのアミノ酸置換のうちの1つ以上、必要に応じて全てが、非保存的な置換である請求項10に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  13. 前記少なくとも1つの改変が、KYNFDFモチーフ内にある請求項5に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  14. KYNFDFモチーフ内に少なくとも2つの改変を含む請求項13に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  15. KYNFDFモチーフ内の少なくとも2つの改変が、BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換を含む請求項14に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  16. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが非アラニンからアラニンへの置換である請求項15に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  17. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項16に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  18. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項15に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  19. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項18に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  20. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換をさらに含む請求項15〜19のいずれか1項に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  21. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項20に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  22. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非保存的な置換である請求項20に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  23. 請求項15〜22のいずれか1項に記載の変異植物CKIポリペプチドであって、
    (a)BnKRP1のアミノ酸164位に対応する位置;
    (b)BnKRP1のアミノ酸165位に対応する位置;
    の少なくとも1つでのアミノ酸置換をさらに含む、変異植物CKIポリペプチド。
  24. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項23に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  25. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非保存的置換である請求項23に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  26. (a)及び(b)のそれぞれでのアミノ酸置換を含む請求項23に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  27. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが非アラニンからアラニンへの置換である請求項26に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  28. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが非保存的置換である請求項26に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  29. 変異BnKRP1ポリペプチドである請求項4〜28のいずれか1項に記載の変異植物CKIポリペプチド。
  30. 請求項29に記載の変異BnKRP1ポリペプチドであって、これが
    (1)BnKRP1 F151A;F153A;
    (2)BnKRP1 Y149A;F151A;F153A
    (3)BnKRP1 E164A;W165A;又は
    (4)BnKRP1 F151A;F153A;E164A;W165A、
    である、変異BnKRP1ポリペプチド。
  31. 前記少なくとも1つの改変がCDK結合領域の切断を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の変異CKIポリペプチド。
  32. 変異BnKRP1ポリペプチドである請求項31に記載の変異CKIポリペプチド。
  33. 請求項1〜32のいずれか1項に記載の変異CKIポリペプチドをコードする組換え核酸。
  34. レプリコン及び請求項33に記載の組換え核酸を含むベクター。
  35. 組換え核酸に作動可能に連結されるプロモーター領域をさらに含む請求項34に記載のベクター。
  36. プロモーター領域が植物細胞において作動可能である請求項35に記載の発現ベクター。
  37. プロモーター領域がCaMV 35Sプロモーター又はLFAH12プロモーターを含む請求項36に記載の発現ベクター。
  38. プロモーター領域が、組織及び/又は器官特異的な様式において転写的に活性である請求項35に記載の発現ベクター。
  39. 請求項33に記載の組換え核酸を含む宿主細胞。
  40. 請求項34〜38のいずれか1項に記載のベクターを含む宿主細胞。
  41. 変異CKIポリペプチドを産生する方法であって、該方法は:
    変異CKIポリペプチドをコードする核酸の発現に適切な条件下で請求項39又は40に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
  42. 前記変異CKIポリペプチドを回収する工程をさらに含む請求項41に記載の方法。
  43. 変異CKIポリペプチドをコードする導入遺伝子を含むトランスジェニック植物であって、該トランスジェニック植物は野生型CKIポリペプチドを発現し、該野生型CKIポリペプチドは、(a)サイクリンについての結合親和性を付与するサイクリン結合領域と(b)CDKについての結合親和性を付与するCDK結合領域とを含み、該変異CKIポリペプチドは、参照CKIポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するCKIアミノ酸配列を含み、該参照CKIポリペプチドは、
    (1)トランスジェニック植物により発現される野生型植物CKIポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、トランスジェニック植物の細胞内で(1)の野生型CKI機能に実質的に等価な野生型CKI機能を提供し得る野生型CKIポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照CKIポリペプチドに比較して、CDKについての、変異CKIポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、さらに変異CKIポリペプチドは、参照CKIポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、トランスジェニック植物。
  44. 単子葉植物である請求項43に記載のトランスジェニック植物。
  45. 双子葉植物である請求項43に記載のトランスジェニック植物。
  46. 前記参照CKIポリペプチドが、KIP関連性タンパク質(KRP)ファミリーのメンバーである請求項43〜45のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  47. 前記KRPファミリーのメンバーがBrassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max、トウモロコシ、コムギ、イネ、アルファルファ、綿花、又はポプラのCKIポリペプチドである請求項46に記載のトランスジェニック植物。
  48. 前記KRPファミリーのメンバーがKRP1ポリペプチドである請求項46に記載のトランスジェニック植物。
  49. 前記少なくとも1つの改変がBrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内にある請求項46に記載のトランスジェニック植物。
  50. 前記変異CKIポリペプチドが、BrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内に少なくとも2つの改変を含む請求項49に記載のトランスジェニック植物。
  51. 前記少なくとも1つの改変がアミノ酸置換を含む請求項49に記載のトランスジェニック植物。
  52. アミノ酸置換が非アラニンからアラニンへの置換である請求項51に記載のトランスジェニック植物。
  53. アミノ酸置換が逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項51に記載のトランスジェニック植物。
  54. 前記少なくとも1つの改変が、KYNFDFモチーフ内にある請求項49に記載のトランスジェニック植物。
  55. 前記変異CKIポリペプチドが、KYNFDFモチーフ内に少なくとも2つの改変を含む請求項54に記載のトランスジェニック植物。
  56. KYNFDFモチーフ内の少なくとも2つの改変が、BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換を含む請求項54に記載のトランスジェニック植物。
  57. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項56に記載のトランスジェニック植物。
  58. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項57に記載のトランスジェニック植物。
  59. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項56に記載のトランスジェニック植物。
  60. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項59に記載のトランスジェニック植物。
  61. 変異CKIポリペプチドが、BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換をさらに含む請求項56〜60のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  62. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項61に記載のトランスジェニック植物。
  63. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非保存的な置換である請求項61に記載のトランスジェニック植物。
  64. 請求項56〜63のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物であって、変異CKIポリペプチドが、
    (a)BnKRP1のアミノ酸164位に対応する位置;
    (b)BnKRP1のアミノ酸165位に対応する位置;
    の少なくとも1つでのアミノ酸置換をさらに含む、トランスジェニック植物。
  65. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項64に記載のトランスジェニック植物。
  66. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非保存的置換である請求項64に記載のトランスジェニック植物。
  67. 変異CKIポリペプチドが(a)及び(b)のそれぞれでのアミノ酸置換を含む請求項64に記載のトランスジェニック植物。
  68. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項67に記載のトランスジェニック植物。
  69. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが、非保存的置換である請求項67に記載のトランスジェニック植物。
  70. 参照CKIポリペプチドが、BnKRP1ポリペプチドである請求項46〜69のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  71. 請求項70に記載のトランスジェニック植物であって、変異CKIポリペプチドが、
    (1)BnKRP1 F151A;F153A;
    (2)BnKRP1 Y149A;F151A;F153A
    (3)BnKRP1 E164A;W165A;又は
    (4)BnKRP1 F151A;F153A;E164A;W165A、
    である、トランスジェニック植物。
  72. 前記少なくとも1つの改変が、CDK結合領域の切断を含む請求項43〜49のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  73. 参照CKIポリペプチドがBnKRP1ポリペプチドである請求項72に記載のトランスジェニック植物。
  74. Brassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max、トウモロコシ、コムギ、イネ、アルファルファ、綿花、ポプラ、カメリナからなる群より選択される請求項43〜73のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物。
  75. Brassica napus、Glycine max、トウモロコシからなる群より選択される請求項74に記載のトランスジェニック植物。
  76. 参照CKIポリペプチドが、Arabidopsis(Arabidopsis thaliana)のCKIポリペプチドである請求項75に記載のトランスジェニック植物。
  77. 請求項43〜74のいずれか1項に記載のトランスジェニック植物を産生するための方法であって、変異CKIポリペプチドをコードする導入遺伝子を含むベクターを植物に導入する工程を含む、方法。
  78. 野生型CKIポリペプチドを発現する植物細胞において細胞分裂を調節する方法であって、該野生型CKIポリペプチドは、(a)サイクリンについての結合親和性を付与するサイクリン結合領域、(b)CDKについての結合親和性を付与するCDK結合領域を含み;方法は以下の工程:
    参照CKIポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するCKIアミノ酸配列を含む変異CKIポリペプチドを細胞内で発現する工程であって、該参照CKIポリペプチドは、
    (1)植物細胞内で発現される野生型植物CKIポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、植物細胞内で(1)の野生型CKI機能に実質的に等価な野生型CKI機能を提供し得る野生型CKIポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照CKIポリペプチドに比較して、CDKについての、変異CKIポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、そして変異CKIポリペプチドは、参照CKIポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、工程;並びに
    該変異CKIポリペプチドが、植物細胞内で野生型CKIの生物学的活性を阻害することを許容する工程、
    を含む、方法。
  79. 前記参照CKIポリペプチドがKIP関連性タンパク質(KRP)ファミリーのメンバーである請求項78に記載の方法。
  80. 変異CKIポリペプチドが、植物細胞内の複数の内因性KRPファミリーのメンバーを拮抗する請求項79に記載の方法。
  81. 前記KRPファミリーのメンバーが、Brassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max、又はトウモロコシのCKIポリペプチドである請求項79に記載の方法。
  82. 前記KRPファミリーのメンバーが、KRP1ポリペプチドである請求項79に記載の方法。
  83. 前記少なくとも1つの改変が、BrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内にある請求項79に記載の方法。
  84. 変異CKIポリペプチドが、BrassicaKRP1(BnKRP1)のアミノ酸145〜168位に対応する領域内に少なくとも2つの改変を含む請求項83に記載の方法。
  85. 前記少なくとも1つの改変がアミノ酸置換を含む請求項83に記載の方法。
  86. アミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項85に記載の方法。
  87. アミノ酸置換は、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項85に記載の方法。
  88. 前記少なくとも1つの改変が、KYNFDFモチーフ内にある請求項83に記載の方法。
  89. 変異CKIポリペプチドが、KYNFDFモチーフ内に少なくとも2つの改変を含む請求項88に記載の方法。
  90. KYNFDFモチーフ内の前記少なくとも2つの改変が、BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換を含む請求項89に記載の方法。
  91. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項90に記載の方法。
  92. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項91に記載の方法。
  93. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換の少なくとも1つが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項90に記載の方法。
  94. BnKRP1のアミノ酸151位と153位に対応する位置でのアミノ酸置換のそれぞれが、逆帯電されたアミノ酸でのアミノ酸の置換である請求項93に記載の方法。
  95. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置での変異CKIポリペプチドがアミノ酸置換をさらに含む請求項90〜94のいずれか1項に記載の方法。
  96. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項95に記載の方法。
  97. BnKRP1のアミノ酸149位に対応する位置でのアミノ酸置換は、非保存的な置換である請求項95に記載の方法。
  98. 請求項90〜97のいずれか1項に記載の方法であって、変異CKIポリペプチドが、以下
    (a)BnKRP1のアミノ酸164位に対応する位置;及び
    (b)BnKRP1のアミノ酸165位に対応する位置;
    の少なくとも1つでのアミノ酸置換をさらに含む、方法。
  99. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非アラニンからアラニンへの置換である請求項98に記載の方法。
  100. (a)及び(b)の少なくとも1つでのアミノ酸置換は、非保存的置換である請求項98に記載の方法。
  101. 変異CKIポリペプチドが、(a)及び(b)のそれぞれでのアミノ酸置換を含む請求項98に記載の方法。
  102. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが、非アラニンからアラニンへの置換である請求項101に記載の方法。
  103. (a)及び(b)でのアミノ酸置換のそれぞれが、非保存的置換である請求項101に記載の方法。
  104. 参照CKIポリペプチドが、BnKRP1ポリペプチドである請求項82〜103のいずれか1項に記載の方法。
  105. 請求項104に記載の方法であって、変異CKIポリペプチドが、
    (1)BnKRP1 F151A;F153A;
    (2)BnKRP1 Y149A;F151A;F153A
    (3)BnKRP1 E164A;W165A;又は
    (4)BnKRP1 F151A;F153A;E164A;W165A、
    からなる群より選択される、方法。
  106. 前記少なくとも1つの改変が、CDK結合領域の切断を含む請求項78〜83のいずれか1項に記載の方法。
  107. 参照CKIポリペプチドがBnKRP1ポリペプチドである請求項106に記載の方法。
  108. 変異CKIポリペプチドをコードする組換え核酸を植物細胞に導入する工程をさらに含む請求項78〜107のいずれか1項に記載の方法。
  109. 組換え核酸が発現ベクターである請求項108に記載の方法。
  110. 植物細胞が、Brassica napus、Arabidopsis thaliana、Glycine max、トウモロコシからなる群より選択される植物由来である請求項78〜109のいずれか1項に記載の方法。
  111. 植物が、Brassica napus、Glycine max、トウモロコシからなる群より選択される請求項110に記載の方法。
  112. 参照CKIポリペプチドがArabidopsis thalianaのCKIポリペプチドである請求項111に記載の方法。
  113. 植物の活力を増大するための方法であって、以下の工程:
    参照KRPポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するKRPアミノ酸配列を含む変異KRPポリペプチドを植物内で発現する工程であって、該参照KRPポリペプチドは、
    (1)植物内で発現される野生型KRPポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、植物の細胞内で(1)の野生型KRP機能に実質的に等価な野生型KRP機能を提供し得る野生型KRPポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照KRPポリペプチドに比較して、CDKについての、変異KRPポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、そして変異KRPポリペプチドは、参照KRPポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、工程;並びに
    該変異KRPポリペプチドが、植物の活力を増大するように植物内で野生型KRPの生物学的活性を阻害することを許容する工程、
    を含む、方法。
  114. 植物の根の質量を増大するための方法であって、以下の工程:
    参照KRPポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するKRPアミノ酸配列を含む変異KRPポリペプチドを植物内で発現する工程であって、該参照KRPポリペプチドは、
    (1)植物内で発現される野生型KRPポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、植物の細胞内で(1)の野生型KRP機能に実質的に等価な野生型KRP機能を提供し得る野生型KRPポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照KRPポリペプチドに比較して、CDKについての、変異KRPポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、そして変異KRPポリペプチドは、参照KRPポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、工程;並びに
    該変異KRPポリペプチドが、植物において根の質量を増大するように植物内で野生型KRPの生物学的活性を阻害することを許容する工程、
    を含む、方法。
  115. 植物の種子の大きさを増大するための方法であって、以下の工程:
    参照KRPポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するKRPアミノ酸配列を含む変異KRPポリペプチドを植物内で発現する工程であって、該参照KRPポリペプチドは、
    (1)植物内で発現される野生型KRPポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、植物の細胞内で(1)の野生型KRP機能に実質的に等価な野生型KRP機能を提供し得る野生型KRPポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照KRPポリペプチドに比較して、CDKについての、変異KRPポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、そして変異KRPポリペプチドは、参照KRPポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、工程;並びに
    該変異KRPポリペプチドが、植物の種子の大きさを増大するように植物内で野生型KRPの生物学的活性を阻害することを許容する工程、
    を含む、方法。
  116. 植物において早期の発芽を増すための方法であって、以下の工程:
    参照KRPポリペプチドに比較して少なくとも1つの改変を有するKRPアミノ酸配列を含む変異KRPポリペプチドを植物内で発現する工程であって、該参照KRPポリペプチドは、
    (1)植物内で発現される野生型KRPポリペプチド、
    (2)(1)に異種な、植物の細胞内で(1)の野生型KRP機能に実質的に等価な野生型KRP機能を提供し得る野生型KRPポリペプチドからなる群より選択され;
    該少なくとも1つの改変は、参照KRPポリペプチドに比較して、CDKについての、変異KRPポリペプチドの改変された結合親和性を付与するように、CDK結合領域内にあり、そして変異KRPポリペプチドは、参照KRPポリペプチドに比較して、サイクリンについての結合親和性を実質的に維持する、工程;並びに
    該変異KRPポリペプチドが、植物において早期の発芽を増すように植物内で野生型KRPの生物学的活性を阻害することを許容する工程、
    を含む、方法。
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