JP2009502146A - 幹細胞および歯のパッド様組織由来の幹細胞を単離するための方法 - Google Patents

幹細胞および歯のパッド様組織由来の幹細胞を単離するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、未成熟な発生中の歯または親知らずのすぐ付近にある組織より非胚性幹細胞を単離するための方法に関する。本発明はさらに、上記組織に由来する非胚性幹細胞に関する。本発明方法は、発生中の歯の根端側のすぐ付近の歯乳頭 12の下にある生きた軟組織を利用する。この組織は、歯乳頭 12または歯小嚢などの他の歯組織とは明確に区別される。パッド様組織16は根形成の初期段階における明確な、特定の発生段階においてのみ検出することができる。すなわち、パッド様組織 16の同定および分離は、骨性の歯槽底(bony alveolar fundus)の出現 〜歯根の形成終了時までにおいてのみ可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は未成熟な発生中の歯または親知らずのすぐ付近にある組織より非胚性幹細胞を単離するための方法に関する。本発明はさらに、当該組織由来の非胚性幹細胞に関する。
幹細胞は自己複製細胞であり、分裂して同一の発生能を有する細胞および/またはより限定された発生能を有する細胞を生じる。つまり、幹細胞は非対称的に分裂して、幹細胞とより分化した細胞(いくらか発生能を失っている)とを生じることができる。幹細胞は無期限に、少なくとも複数回、しばしば生物体の生涯に亘って分裂することが可能である。生物の発生において特異的なシグナルを受けると、幹細胞は当該生物を構成する多くの様々な細胞種に分化することができる。すなわち、幹細胞は特徴的形態および特化した機能を有する成熟細胞(例えば、骨細胞、筋細胞、皮膚細胞または神経細胞)に発生する能力を有する。単能性幹細胞は単一種の分化細胞を生じるのに対して、多能性幹細胞は身体のほとんどの細胞種を生じる。
胚盤胞の内部細胞塊を由来とする多能性幹細胞(胚性幹細胞 = ES細胞) は、様々な細胞種(例えば、胚の中胚葉、内胚葉および外胚葉など)を形成し得る細胞を生じ得る。そのためにこれまでES細胞が注目されていた。しかし、胚性幹細胞を使用することに関して倫理的な問題が生じていた。そのため、画期的な治療法の開発において、非胚性幹細胞、つまり体性幹細胞(成体幹細胞 = AS細胞)の重要性が増してきている。
成体(体性)幹細胞 (AS細胞)は未分化細胞であり、分化した組織中に存在するが、自己複製して分化し、当該幹細胞の由来組織を構成する全ての分化細胞およびおそらく他の分化細胞も生じることが可能である。例えば、骨髄より採取した幹細胞は、白血病、リンパ腫および他の生命に関わる疾患の治療に用いられている。近年の研究によって、骨髄由来の間葉系幹細胞が骨格筋もニューロンも生じ得ることが示されている。このように、特定の組織種に由来するAS細胞が成熟した完全に機能的な別の種類の細胞を生じ得ること、およびAS細胞を新たな環境に曝すことによって他の組織に定着することができ、他の細胞種に分化し得るといった証拠が存在する。
特許文献1には、培養した胚性幹細胞(ES細胞)を用いて歯の前駆細胞を作製する方法が開示されている。本文献中では、口腔の上皮細胞を用いてES細胞の分化を誘導することによって前駆細胞を作製している。しかし、この方法では幹細胞の供給源として胚を使用しているために、倫理的な問題に加えて、原料物質の利用能が限定されている。
特許文献2には、歯髄由来の成体幹細胞(AS細胞)を培養することによるヒト象牙質および髄質の再生方法が記載されている。しかし、髄質由来の非胚性幹細胞は既に発生が進んだ段階にあるために、多能性ではなく、それらを単離した組織における特定の細胞種にしか分化できない。さらに、歯を割って髄質を入手可能にしなければならないために、細胞を得ることが非常に困難である。
特許文献3には、歯胚の歯小嚢 (歯嚢)に由来する非胚性幹細胞を単離するための方法が開示されている。得られた幹細胞は、多能性であり、内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の分化した細胞へと分化できることが述べられている。これらの幹細胞は多くの治療法において非常に有望な母材であり得るが、歯の周辺には非常にわずかな量の歯小嚢細胞しか存在しないために、当該細胞の単離は困難である。さらに、この組織は、歯周辺の歯槽底(alveolar fundus)組織に付着している顎内に歯小嚢の一部が留まるために、一般的な外科的方法によって歯を取り出した際に部分的に破壊されてしまう。
国際公開第01/60981 号公報 国際公開第02/07676号公報 国際公開第03/066840号公報
本発明は、容易に行うことが可能でありかつ、かなりの量の細胞を得ることができる非胚性幹細胞を単離するための方法、ならびに少なくとも多能性でありかなりの量を容易に得ることができる非胚性幹細胞を提供することを目的とする。
上記目的は、以下のステップを含む非胚性幹細胞を単離するための方法によって達成される:
骨性の歯槽底(bony alveolar fundus)の出現時〜未成熟歯または親知らずの根の形成終了時までの発生段階における外科的に摘出した未成熟歯または親知らずの根端側のすぐ付近に存在する歯乳頭の下にあるパッド様組織を同定すること;
該歯乳頭および/または該根より該パッド様組織を分離すること;ならびに
該パッド様組織を分解することによって細胞を単体化すること。
本発明方法では、発生中の歯の根端側のすぐ付近に存在する歯乳頭の下にある生きた軟組織を利用する。この組織は他の歯の組織(例えば、歯乳頭または歯小嚢(蓋を含む歯嚢))とは明確に区別することができる。骨性の歯槽底の出現〜根の形成終了時までの発生段階において、歯小嚢組織が未成熟歯の根端側にあることはなく、側方に歯小嚢が観察されるのみである。すなわち、歯小嚢性細胞は、消失しセメント質、歯周靱帯および/もしくは歯槽骨を形成するか、または冠に移動する。しかし、萌出していない未成熟歯を外科的に摘出した場合、パッド様組織は発生中の歯の根端側にある歯乳頭および/または根に付着していることが観察される。この有用な組織は、白色のパッド様軟組織構造であり、発生段階に応じて、最大でもレンズマメまたはマメ様の大きさである。パッド様組織は、根形成の初期にある明確な、特定の発生段階においてのみ検出することが可能である。つまり、骨性の歯槽底の出現〜歯根の形成終了時においてのみ、パッド様組織を同定および分離することが可能となる。
当該分野においては、発生中の歯を取り囲む組織の側部および咬合部(すなわち、歯小嚢の残存部)のみが組織学的に解析されるが、根端側の軟組織構造は未成熟歯と共に廃棄されている。つまり、未成熟な、発生中の歯の根端側にある軟組織の能力はこれまでのところ未知であり、ずっと無視されてきていた。しかし、本発明方法を用いて単離した根端部のパッド様組織はその大きな潜在能力を示し、例えば、驚くべきことに少なくとも多能性幹細胞を含み、これは外胚葉性間葉幹細胞 (外胚葉系の神経堤に由来する間葉系細胞)として分化することができる。
パッド様組織の同定および単離は、適当な一般的手術用機器を用いて容易に行うことができる。パッド様組織は外科的に摘出した萌出していない歯の副産物であるために、制限されることなく容易に入手することが可能である。さらに、パッド様組織はレンズマメまたはマメ様の大きさであるために、本発明方法は有用な単体化した細胞を移植や他の医療目的に使用するのに十分な量で提供する。さらに、得られた幹細胞は少なくとも多能性であり、様々な種類の機能的細胞および組織を(歯の組織とは異なる種類までも)製造するために用いることができる。すなわち、本発明の多能性幹細胞は分化した子孫および娘細胞を生じることが可能であり、これらの細胞はあらゆる種類の神経堤派生物へと発生することが可能である。
本発明の有利な実施形態において、パッド様組織は歯乳頭および/または未成熟歯または親知らずの根より解離、特に歯乳頭とパッド様組織との間の肉眼で見える境界に沿って切除することによって分離する。このように、パッド様組織は高度な技術装置を何ら用いることなく外科的に回収することができる。歯乳頭とパッド様組織との間の境界は、肉眼で検出することができるために、パッド様組織を正確に分離することができる。しかし、外科的に摘出した歯に付着している軟組織が例えば、輸送などの間に損なわれている場合には、しばしばこの境界を正確に同定することが困難な場合もある。しかしこのような場合であっても、歯根間の架空の境界の下にある軟組織を外科的に回収することによって、少なくとも外胚葉性間葉幹細胞を濃縮することは可能である。
その後、パッド様組織を酵素消化によって分解する。例えば、細胞を無血清細胞培養倍地中にてコラゲナーゼおよび/またはディスパーゼを使用して解離する。得られた単体化した細胞は、適当な培地(例えば、ウシ胎仔血清 (FCS)を含有する標準的な細胞培養倍地)中にて培養、増殖させ得る。幹細胞は増殖能が高く、数回の周期にわたって接着細胞として培養することができる。かかる接着細胞は最初のうちは形態的に多岐にわたる。つまり、接着細胞には扁平細胞、円盤形細胞、紡錘状細胞および球状細胞が含まれる。最終的には、線維芽細胞様細胞がコンフルエントな多層構造を形成する培養において優勢となる。
本発明の好ましい実施形態において、上記未成熟歯または親知らずは哺乳動物の歯、好ましくはヒトの歯である。幹細胞の起源がヒトの歯組織である場合、本発明方法は例えば、癌や変性疾患などの命にかかわる病気に関する、ヒトのための有望な細胞療法の第一歩である。
単体化した細胞は、好ましくは少なくとも1つの目的遺伝子および/または少なくとも1つのマーカー配列を含む核酸、特にDNAを用いてトランスフェクトすることができる。得られた幹細胞を遺伝子操作して目的遺伝子を発現させることは、特定の用途において有用なアプローチであり得る。例えば、移植した幹細胞を使用した特別の治療法が、特定のタンパク質またはペプチドによってサポートされなければならない場合などである。
本発明の特定の実施形態において、単体化した細胞を刺激して、骨形成細胞へと分化させる。この場合、骨形成の刺激は上記細胞に10-7 M デキサメタゾン、50μg/ml アスコルビン酸2-フォスフェートおよび10 mMβ-グリセロールフォスフェートを与えることによって行うことができる。骨形成マトリックスは例えば、アリザリンレッドで染色することによって検出することができる。結果的に、本発明方法を用いて頭蓋の骨組織または骨格系の一部を再生または置換するための幹細胞を得ることができる。
本発明の別の特定の実施形態において、単体化した細胞を刺激して、ニューロンまたは神経組織へと分化させる。これは単体化した幹細胞を高密集度まで増殖させ、それらをB27、bFGFおよびEGFを含有する無血清培地中にて培養することによって行うことができる。
また上記目的は、骨性の歯槽底の出現〜未成熟歯または親知らずの根の形成終了時の発生段階にある未成熟歯または親知らずの根端側のすぐ付近に存在する歯乳頭の下にあるパッド様組織より単離した非胚性幹細胞によって達成される。本発明はさらに、本発明方法によって単離された非胚性幹細胞を含む。このような幹細胞は少なくとも多能性であり、そのために様々な発生経路にわたる機能的細胞および組織、さらには歯組織とは異なる組織までも製造することが可能である。適当な標準的な設備を使用してパッド様組織を容易に単離できることおよびパッド様組織がレンズマメまたはマメ様の大きさであるために、本発明の非胚性幹細胞をかなりの量得ることが可能であり、その量は移植または他の医療目的に用いるのに十分な量である。本発明の多能性幹細胞は分化した子孫細胞および娘細胞を生じることが可能であり、これらの細胞はあらゆる種類の神経堤派生物へと分化することができる。したがって、本発明の幹細胞は神経堤より派生した細胞およびそれらが分化した細胞の系統を生じる能力を有する。本発明の外胚葉性間葉幹細胞は例えば、歯髄由来の幹細胞と比べて初期発生段階の組織を由来としているために、多くの科学的および医療的用途のための前駆細胞として大きな可能性を有している。故に、本発明の幹細胞は先行技術より公知の歯由来の幹細胞とは異なっている。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の幹細胞は哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞であるために、ヒトまたは他の哺乳動物のための良好な細胞治療のための有望な原料物質である。
本発明の特に好ましい実施形態において、非胚性幹細胞は、好ましくは少なくとも1つの目的遺伝子および/または少なくとも1つのマーカー配列を含む核酸、特にDNAを用いてトランスフェクトする。つまり、本発明はまた少なくとも1つの目的遺伝子を発現する遺伝子操作した幹細胞に関する。
本発明はまた、系統がコミットされている幹細胞(本発明方法によって単離された幹細胞クローンまたは遺伝子操作した幹細胞)を含む。これらは少なくとも多能性であり、神経堤由来の系統にコミットされた細胞系を製造することができる。特に、本発明は少なくとも多能性の体性幹細胞、好ましくは外胚葉性間葉幹細胞の単離およびその単離された幹細胞に関する。
少なくとも1つの本発明の非胚性幹細胞を含む任意の細胞培養物または細胞構造物および少なくとも1つの本発明の非胚性幹細胞を含む医薬組成物もまた本発明の範囲内である。少なくとも1つの本発明の非胚性幹細胞を含む細胞培養物または細胞構造物は様々な種類の機能的組織または器官を生じることができる。本発明の医薬組成物は少なくとも本発明の多能性幹細胞をベースとしており、細胞欠損より生じる様々な疾患または障害を治療することができる。予想される治療法としては、本発明の幹細胞、細胞構造物もしくは細胞培養物またはそれらを由来とする組織もしくは分子を投与および/または移植することによって細胞、組織または器官を修復あるいは置換することを含む。細胞療法は、患者、好ましくは哺乳動物、特にヒトに、治療有効量の本発明の幹細胞を投与することによって行うことができる。一般的な助剤および/または担体以外に、本発明の医薬組成物はさらに、増殖因子および/または本発明の幹細胞に作用する系統決定因子を含むことができる。
本発明方法によって単離された幹細胞、本発明の幹細胞または上記細胞培養物、細胞構造物もしくは医薬組成物はそれぞれ、損傷または破壊した組織を in vivoにて修復または交換するために;顎間質(stromatognathic)系の細胞または組織を含む分化した頭蓋顔面の細胞または組織を得るために;分化したニューロンまたは神経組織を得るために;および/あるいは外胚葉性間葉組織を交換または修復するために、用いることができる。したがって、幹細胞は少なくとも多能性を有するために、幅広い範囲の用途が本発明の範囲内に含まれ得る。
本発明を以下の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図 1は発生中の萌出していない上歯のCTスキャン(CT = コンピューター断層撮影)を示す。横断像 a)は、発生中の歯1の咬合側を示す。すなわち、歯 1の上の粘膜および蓋(operculum)を含む冠部分である。歯小嚢 2 (側部の歯小嚢)の周辺部も、横断像 a)にて観察することができる。歯 1の正面像 b)および矢状断像 c)では、歯 1の根端側 (この図では上部)にパッド様組織 3が観察できる。咬合部の歯小嚢 2は、パッド様組織 3とは正反対の歯 1の冠4の下にある。本発明のパッド様組織 3は、歯のこの発生段階において形成され始める根5の間に仮想的に引かれた線の上に位置している。
図 2は、発生中の萌出していないヒトの歯 6の矢状断面を示す。歯 6の咬合側に、粘膜を含む蓋(operculum)7を観察することができ、歯小嚢 8は歯 6の側面を取り囲んでいる。パッド様組織 9は、歯乳頭 10と歯槽骨 11との間の、歯 6の根端側に位置している。したがって、根端側にてパッド様組織 9は歯槽骨 11の咬合面と接触している。
本発明においては、未成熟な第I段階または第II段階の歯を原料物質として使用する。この物質の利点は、子供や青年期のヒトよりかなりの数を容易に入手できることである。冠4の形成終了時〜根5の形成開始時にある発生段階を第I段階と呼び(図 1参照)、第II段階は根形成段階である。口腔細菌または歯肉縁下細菌の混入を避けるために、歯を摘出する前に口腔を、例えば、「Betaisodona」または「Chlorhexamed」溶液ですすいで殺菌しなければならない。一般的な切開術および骨切除術の後に、歯槽部の上を覆う骨を除去する。その後、歯を慎重に摘出し、そして慎重にさらに処理する。
図 3は外科的に摘出した第I段階の親知らず (第3臼歯)の写真である。この歯は歯乳頭 12および歯小嚢 13(これらはそれぞれエナメル器およびその残りの部分を含む)ならびに冠14からなる硬組織(エナメル、象牙質および場合によりセメント)を含む。無菌条件下にて、冠部(すなわち、歯の上の粘膜および蓋15)を摘出し、廃棄するかまたは組織学的解析に用いる。歯乳頭12の下にある、歯根端側に位置するパッド様組織 16を、歯乳頭 12とパッド様組織 16との間の肉眼で見える境界に沿って外科用メスで切除することによって、歯乳頭 12、場合によっては発生中の根17より正確に分離する。パッド様組織 16は白色のゼリー状組織であり、発生中の歯の発生段階にもよるが、レンズマメまたはマメ様の大きさである。この組織は未分化の外胚葉性間葉 (神経外胚葉)幹細胞を含む。
図 4は図3の親知らずの根端部軟組織の組織切片を示す。これはH.E.染色によって歯根端領域の組織学的詳細を示す。この組織学的解析によって、パッド様組織 16がコラーゲン繊維を多くは有さない結合組織であることが示された。パッド様組織 16内に脂肪組織は見受けられないが、毛細血管および神経線維は観察される。組織学的にいうと、密な結合組織または緩んだ、血管新生されている結合組織が歯乳頭 12とパッド様組織 16の咬合側との間の境界領域18に見ることができる。この境界領域18はほぼ上皮隔膜の位置に相当する。上皮隔膜とは側部から中央部へと移動し、発生段階の後期において多根歯の根形成に関係するHertwig上皮境界線の一過程である。細胞密度が高く、多数の血管および神経線維を含む歯乳頭 12と比べて、根端部のパッド様組織 16は、細胞密度が低く、マトリックス、血管および神経線維が乏しいといった特徴を有する。パッド様組織 16の細胞は、扁平および紡錘状であり、根端境界領域の組織表面に沿って並んでいる。一方、歯乳頭 12の細胞は球状の核を有する星状細胞であり、当該組織中にランダムに分布している。
図 5は本発明の単離した幹細胞の顕微鏡写真を示す。このために、分離したパッド様組織を無血清培地中、1時間、37℃にてコラゲナーゼ / ディスパーゼを用いて消化した。当該組織を分解した後、DMEM低グルコース(1 g/l)、10 %ウシ胎仔血清 (FCS)および1 %ペニシリン / ストレプトマイシン / グルタミンを含有する培地を入れたT25 細胞培養フラスコに単体化した細胞を播種し、5%CO2の湿雰囲気下37℃にて培養した。インキュベートしてから7〜14日後、線維芽細胞様細胞の単一コロニーが形成された (図 5)。これらの細胞がおよそ50〜60 %コンフルエントに達したら、新たな培養フラスコに継代し (1cm2あたり5,000個の細胞) 、そしてさらに培養した。本発明のパッド様組織の細胞は接着細胞として容易に培養することができ、高増殖性である。この接着細胞は形態学的に様々な細胞種(すなわち、扁平な円盤形細胞、紡錘状細胞および球状細胞)に分類することができる。これらの細胞は不均一な形状であるが、この形状は時が立つにつれて変化し、最終的には、コンフルエントな多層構造を形成する培養物において線維芽細胞様細胞が優位を占める。細胞集団は. Vim+ / nestin+ / PanZyto- 分類によって記載することができ、これは単層の培養物中単一の結節様構造を形成する。超微細構造分析によって、これらの結節様構造が、ほぐれた細胞外マトリックス (コラーゲン)、およびさらなるタンパク質(プロテオグリカン)を産生する多層構造を有する細胞集団(線維芽細胞 /線維芽細胞)であることが示され得る。
図 6は本発明の幹細胞についてのフローサイトメトリー解析の結果を示す。本解析において、当該細胞をCD90、CD73、CD49e、CD45、CD31およびCD13に特異的な抗体を用いて表面マーカーについて分析する。およそ60個の外科的に摘出した非病的な歯をPASおよびアルシアンブルー染色を用いて組織化学的に、また様々な抗体を用いて免疫組織化学的に分析した。これらのアッセイにおいて、間葉系、内皮および造血系の幹細胞および前駆細胞のマーカー(例えば、CD-90、CD-73、CD-49e、CD-45、CD-31およびCD-13 (図 6))、中間径フィラメント(例えば、ビメンチン、ケラチン)ならびに線維芽細胞、骨芽細胞およびセメント芽細胞の分化マーカー(例えば、BSP、オステオポンチン、コラーゲン、フィブロネクチン、ペリオスチン、CAP (図 7))を検出した。予備実験の結果は、パッド様組織が歯髄組織よりも多くのプロテオグリカンを含むこと、ならびにマーカー(CD 57、p75、CAP、オステオポンチンおよびBSP)を用いて、隣接する組織との区別が可能であることを示す。
図 8は骨形成刺激後の本発明の幹細胞の顕微鏡写真を示す。骨形成刺激は細胞に10-7 M デキサメタゾン、50μg/ml アスコルビン酸2-フォスフェートおよび10 mMβ-グリセロールフォスフェートを与えることによって行うことができる。骨形成マトリックスはアリザリンレッドで染色することによって検出できる。処理した細胞は良好な分化を示すカルシウムの顕著な蓄積を示す。この結果は、本発明の幹細胞が、分化刺激を受けることができること、および少なくとも骨芽細胞を生じることが可能であることを示す。
図 9は外科的に摘出した第I段階の親知らず (未成熟第3臼歯)の別の写真を示す。これは摘出した歯の根端側にパッド様軟組織を示している。パッド様組織は歯乳頭に隣接している歯の頂部に位置している。これは白色のゼリー状組織であり、未成熟歯の発生段階にもよるが、およそレンズマメまたはマメ様の大きさである。
図 10は本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC)の20継代後の細胞形態を示す顕微鏡写真(a)、およびEPCの倍加時間を示す増殖曲線(集団倍加数 (PD) = 35 ± 7)(b)を示す。青少年(11〜18歳)の歯に由来するパッド様組織を本方法に用いた。サンプルは2〜4時間内に処理した。コラゲナーゼ/ディスパーゼを用いて消化した後、浮遊している細胞および残留組織を培養培地(DMEMおよび10%FCS)に播種した。この細胞は線維芽細胞として増殖した。15±6日後、細胞培養物は70〜80 %コンフルエントに達した(第0継代)。細胞は培養にて、第20継代まで拡張することができる(a)。外胚葉性間葉系前駆細胞(EPC) (第3継代) は、初め2日間の遅滞期、その後の3〜5日目の指数関数的対数期を特徴とする増殖曲線を示した。EPCの集団倍加数 (PD)の平均累積時間は、約35 ± 7時間であった(b)。
図 11は、第4継代後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC)についてのフローサイトメトリー解析の結果を示し、表1はヒト骨髄幹細胞(hBMSC)とEPCとを比較したフローサイトメトリーの結果を示す。EPC (第3〜4継代)のCDマーカープロファイルを決定し、データを市販のヒトMSCと比較した。EPCは高レベルのCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49d、CD49e、CD56、CD73、CD90、CD105、CD117、CD140b、CD147、CD166、PDGFRαおよびクラスI HLAを示した。細胞はCD54およびCD106に対して中程度に陽性であった。細胞はCD14、CD31、CD34、CD51/61、CD45、STRO 1、サイトケラチン(14/15/16/19)およびクラスII HLAは発現していなかった(図 11)。MSC (およびDSPC、SHED)と比べて、EPCは特有の表現型を有する:EPC はCD56、CD10、PDGFRα、CD49bおよびCD49dを非常に高いレベルで発現する一方、CD106を非常に低いレベルで発現する。さらに、STRO-1およびCD34は検出されない(表1)。
図 12は骨形成刺激から21日後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC)と線維芽細胞とを比較した棒グラフ (a) および骨形成誘導後のEPCの遺伝子発現を示すアガロースゲル(b)を示す。EPCの骨形成能を調べるために、細胞を骨形成誘導用培地(デキサメタゾン、アスコルビン酸-2 フォスフェートおよびβ-グリセロールフォスフェート)中にて培養した。Ca2+の定量的解析によって、線維芽細胞と比べてCa2+の高い蓄積が示された(a)。遺伝子発現解析によって、アルカリホスファターゼ (ALP)は常に発現されている一方、オステオカルシン (OCN)は分化条件下にてアップレギュレーションすることが判明したことを示した (b)。
図 13は軟骨形成刺激を受けたEPC凝集体をトルイジンブルー染色した顕微鏡写真(a) および軟骨形成刺激を受けたEPCの遺伝子発現解析(GAPDH (内部基準)、軟骨オリゴマータンパク質(COMP)、II型コラーゲン(Col2A1)およびアグレカンの発現)の結果(b)を示す。EPCを、十分に確立された凝集体培養系を用いてEPCの軟骨形成能についてアッセイした。微量条件下にて培養した場合、細胞は十分に組織化されたECM-硫酸化プロテオグリカンを伴う小塊を形成した。この細胞は軟骨様組織へと再編成され、トルイジンブルーにより陽性に染色された(a)。RT-PCR解析の結果は、II型コラーゲン、アグレカンおよびCOMP (軟骨オリゴマトリックスタンパク質)などの軟骨形成特異的マーカーがアップレギュレートしていることを示す。これらのデータは分化培地で処理した場合の、軟骨形成の運命を反映していた(b)。
図 14は、神経誘導後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC)(a);ニューロフィラメント陽性細胞(b);GFAPおよびMBP 陽性細胞(c, d)の顕微鏡写真を示す。EPCはB27、bFGFおよびEGFを含有する無血清培地中にて、高い細胞密集度になるまで展開し、培養した。4〜7日後、浮遊している球体をラミニン/PDLコートしたカバースライド上に播種した。神経誘導下にて細胞は神経様形態を示した(a)。神経性培地中にてさらにインキュベートすることによって、ニューロフィラメント陽性の一部のEPC集団を検出することができる(b)。星状細胞マーカー(GFAP)およびオリゴデンドロサイトマーカー(ミエリン塩基性タンパク質(MBP))は神経誘導培地にて培養したEPCにて検出された(c,d)。
図1は発生中の上歯のCTスキャン (CT = コンピューター断層撮影)を示す。a)横断像、b)正面像、c)矢状断像 図2は萌出していない発生中のヒトの歯の矢状断面を示す。 図3は2つの外科的に摘出した発生中の親知らず(第3臼歯)の写真を示す。 図4は図3に示す親知らずの根端部軟組織の組織切片を示す。これはH.E.染色による根端領域の組織学的詳細を示す。 図5は本発明の単離した幹細胞の顕微鏡写真を示す。 図6は本発明の幹細胞のフローサイトメトリー解析の結果を示す。当該細胞は、CD90、CD73、CD49e、CD45、CD31およびCD13に特異的な抗体、FITC = フルオレセインイソチオシアネート結合体化抗体、PE = フィコエリトリン結合体化抗体、APC = アロフィコシアニン結合体化抗体を用いて表面マーカーについて分析した。 図7は摘出した発生中の歯の根端部の軟組織の組織切片をペリオスチン特異的に染色した像を示す。 図8は骨形成刺激後の本発明の幹細胞の顕微鏡写真を示す。このサンプルはアリザリンレッドで染色した。 図9は外科的に摘出した第I段階の親知らず(未成熟の第3臼歯)の別の写真を示す。 図10は20継代後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC) の顕微鏡写真(a)およびEPCの増殖曲線(b)を示す。 図11は4継代後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC)のフローサイトメトリー解析の結果を示す。また表1はEPCとヒト骨髄幹細胞(hBMSC)とを比較したフローサイトメトリーの結果を示す。 図12は骨形成刺激から21日後の Ca2+産生[μg/cm2]についてEPCと線維芽細胞とを比較した棒グラフ (a)および骨形成誘導後のEPCの遺伝子発現を示すアガロースゲル(0 = 0日目、1 =対照、2 = 骨形成刺激されたもの)(b)を示す。 図13は軟骨形成刺激を受けたEPC凝集体のトルイジンブルー染色の顕微鏡写真(a)および軟骨形成刺激を受けたEPCのGAPDH (内部基準)、軟骨オリゴマータンパク質(COMP)、II型コラーゲン (Col2A1) およびアグレカンについての遺伝子発現解析(1 =対照EPC、2 =処理したEPC)(b)を示す。 図14は神経誘導後の本発明の幹細胞/前駆細胞(EPC) (a)、ニューロフィラメント陽性細胞(b)、GFAPおよびMBP 陽性細胞 (c, d) の顕微鏡写真を示す。
符号の説明
1 歯
2 歯小嚢
3 パッド様組織
4 冠
5 根
6 歯
7 蓋
8 歯小嚢
9 パッド様組織
10 歯乳頭
11 歯槽骨
12 歯乳頭
13 歯小嚢
14 冠
15 蓋
16 パッド様組織
17 根

Claims (14)

  1. 非胚性幹細胞を単離するための方法であって、
    骨性の歯槽底(bony alveolar fundus)の出現時〜未成熟歯または親知らずの根の形成終了時までの発生段階における外科的に摘出した未成熟歯または親知らずの根端側のすぐ付近に存在する歯乳頭の下にあるパッド様組織を同定し、
    該歯乳頭および/または該根より該パッド様組織を分離し、そして
    該パッド様組織を分解することによって細胞を単体化する工程を含む、上記方法。
  2. パッド様組織を、歯乳頭および/または前記根より解離、特に歯乳頭とパッド様組織との間の肉眼で見える境界に沿って切除することによって分離することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. パッド様組織を酵素消化によって分解することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 未成熟歯または親知らずが哺乳動物の歯、好ましくはヒトの歯であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 単体化した細胞を、好ましくは少なくとも1つの目的遺伝子および/または少なくとも1つのマーカー配列を含んで成る核酸、特にDNAでトランスフェクトすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 単体化した細胞を刺激して、骨形成細胞または頭蓋顔面の細胞もしくは組織に分化させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 単体化した細胞を刺激して、ニューロンまたは神経組織に分化させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  8. 骨性の歯槽底の出現時〜未成熟歯または親知らずの根の形成終了時までの発生段階における未成熟歯または親知らずの根端側のすぐ付近に存在する歯乳頭の下にあるパッド様組織より単離した非胚性幹細胞。
  9. 哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞であることを特徴とする、請求項8記載の非胚性幹細胞。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法によって単離した非胚性幹細胞。
  11. 好ましくは少なくとも1つの目的遺伝子および/または少なくとも1つのマーカー配列を含んでなる核酸、特にDNAでトランスフェクトされている、請求項8〜10のいずれか1項記載の非胚性幹細胞。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項記載の非胚性幹細胞を少なくとも1つ含んでなる細胞培養物または細胞構造物。
  13. 請求項8〜11のいずれか1項記載の非胚性幹細胞を少なくとも1つ含んでなる医薬組成物。
  14. 損傷または破壊された組織、特に外胚葉性間葉組織をin vivoにて修復または交換するための、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法によって単離された非胚性幹細胞、請求項8〜11のいずれか1項記載の非胚性幹細胞、請求項12記載の細胞培養物もしくは細胞構造物、または請求項13記載の医薬組成物の使用。
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