JP2009501761A - マイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用 - Google Patents

マイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2009501761A
JP2009501761A JP2008521955A JP2008521955A JP2009501761A JP 2009501761 A JP2009501761 A JP 2009501761A JP 2008521955 A JP2008521955 A JP 2008521955A JP 2008521955 A JP2008521955 A JP 2008521955A JP 2009501761 A JP2009501761 A JP 2009501761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metconazole
epoxiconazole
cereal
trichothecene
mycotoxins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008521955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4938776B2 (ja
Inventor
ゼマル,マルティン
クリステン,トーマス
シェラー,マリア
スティール,ラインハルト
ストラトマン,ジーグフリード
シェーフル,ウルリッヒ
ベッドフォード,ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2009501761A publication Critical patent/JP2009501761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4938776B2 publication Critical patent/JP4938776B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/64Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • A01N43/647Triazoles; Hydrogenated triazoles
    • A01N43/6531,2,4-Triazoles; Hydrogenated 1,2,4-triazoles

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Storage Of Harvested Produce (AREA)

Abstract

本発明は、トリコテセンを産生する糸状菌類によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用に関する。

Description

本発明は、トリコテセンを産生する糸状菌類(mold fungi)によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用に関する。
コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、オートムギ、イネ及びトウモロコシなどの全ての穀類種の収穫物、並びに、他の多くの植物種の収穫物は、トリコテセン毒素及びトリコテセン産生糸状菌類に由来する別のマイコトキシン類によって汚染され得る。最も大きな影響を受けるのは、ライコムギ、オートムギ、普通系コムギ及び、特に、デュラムコムギである。これら毒素の源は、上記植物に感染する特定の菌類、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属の菌、スタキボトリス(Stachybotrys)属の菌、及び、特に、フザリウム(Fusarium)属の菌である。世界中において、そのようなフザリウム菌による病害(fusarioses)は、穀類の重要な病害であって、米国及びカナダにおける伝統的なコムギ栽培地域に加えて、オーストラリア及びヨーロッパにも影響を及ぼす。フザリウム(Fusarium)菌は、主として土壌中に存在していて、他の微生物と一緒に、植物の活力を低下させる。それは、生きている物質上にも死んだ物質上にも同様に存在可能である。穀類の病害としての発生は、多くの要因により促進されて、その頻度が高くなる:
− 土壌の上又は中におけるフザリウム(Fusarium)が感染した有機物質(接種源)(その汚染は、特に、トウモロコシの刈り株及び残されたトウモロコシのわらによって促進される(例えば、以下の文献を参照されたい:A. Meier, B. Birzele, E. Oerke, U. Steiner, J. Kramer and H. Dehne, "Significance of different inoculum source for the Fusarium infection of wheat ears.", Mycotoxin Research 1, 2001, 71-75));
− 春及び初夏における充分な湿気を含んだ温暖な天気(これによって、当該菌は胞子嚢を形成することが可能となる);
− 該胞子を拡散させるための、降水期間と日照期間の交互性;
− 該胞子が空気中を浮遊している期間中における植物(特に、穀類)の開花(例えば、以下の文献を参照されたい:A. Obst, V.H. Paul, "Krankheiten und Schadlinge des Getreides" [cereal diseases and cereal pests], Verlag Th. Mann, Gelsenkirchen-Buer, 1993)。
穀類がフザリウム(Fusarium)菌類に感染することにより、特有の穂感染が起こって、個々の穂は白化し、場合によっては、赤みを帯びた胞子による被膜が観察されることもある。殆どの場合、その穂は感染部位から上が干からびてしまい、しなびた穀粒しか形成されない。その感染部位から下では、正常な大きさの穀粒が成熟することがおそらく可能であろう。しかしながら、それらは、一般に、菌の毒素で汚染されている。従って、フザリウム(Fusarium)菌類は、収量を低減させ得るのみではなく、それらは、特に、収穫された穀類をマイコトキシン類で汚染し得る。穀粒の汚染は、穂の中でも起こり得るし、また、頻度は低いが、収穫物の貯蔵中にも起こり得る。
汚染された植物及び植物の部分、例えば、穀類又はそれから調製した製品を摂取した後、それに含まれているマイコトキシン類の量がたとえ極めて少量であったとしても、ヒト及び動物における重篤な急性疾患又は慢性疾患の原因となり得る。トリコテセン毒素及びトリコテセン産生菌類に由来する別のマイコトキシン類の健康に対する急性の悪影響は、多くの症状で、例えば、家畜における免疫不全、IgA腎症(ベルジェ病)、吐き気、腎臓損傷、拒食及び嘔吐、並びに、家禽類の飼育における産卵能力の低下などで、現れ得る。さらに、ヒト及び動物において、これらのマイコトキシン類は、エストロゲン活性及び/又は突然変異誘発活性も示す(例えば、以下の文献を参照されたい:"Mykotoxine und ihr Einfluss auf die Immunreaktionen" [Mycotoxins and their effect on the immune response], H. Kohler, Bundesinstitut fur gesundheitlichen Verbraucherschutz und Veterinarmedizin, Fachbereich 4, Jena(これは、例えば、「http://www.bgvv.de/sixcms_upload/media/98/koehler.pdf」で確認することができる))。ボーラスコムギ(bolus wheat)の場合、そのような毒素による汚染とビールの泡立ち過剰の間の関連性が疑われている(P. Gjersten, “Gushing in Beer: Its nature, cause and prevention”, Brewers Digest 42, 1967, 80-84)。
上記マイコトキシン類の摂取による健康への悪影響を回避するために、国家当局及び超国家当局(supranational authorities)は、マイコトキシン類の許容される最大量を定めた。かくして、EUの食品委員会(the Committee on Food)は、体重1kg当たり0.001mgのDON(デオキシニバレノール;トリコテセン毒素)を成人に対するTDI(許容される1日摂取量)として推奨している。マイコトキシン類の最大量に対するドイツの規則に従えば、直接消費するための穀粒及び穀類加工製品中の穀粒は、使用される穀類1kg当たり最大で0.5mgのDONを含有し得る。パン製品及びペストリーでは、DON含有量は0.35mg/kgを超えてはならず、一方で、乳児及び小児用の食物中の上限は0.1mg/kgである(例えば、以下の文献を参照されたい:"Mykotoxine und ihr Einfluss auf die Immunreaktionen", H. Kohler, Bundesinstitut fur gesundheitlichen Verbraucherschutz und Veterinarmedizin, Fachbereich 4, Jena(これは、例えば、「http://www.bgvv.de/sixcms_upload/media/98/koehler.pdf」で確認することができる);さらに、食品中のマイコトキシン類の最大量に対する規制も参照されたい:(Mykotoxin-Hochstmengenverordnung, MHmV) dated June 2, 1999, Bundesgesetzblatt, volume 1999, part 1, No. 29, page 1248)。
植物及び植物の部分並びにそれらから得られた食品及び動物飼料の中の上記マイコトキシン類の含有量を低減させるために現在用いられている手段は、本質的に、以下のものである:
− フザリウム(Fusarium)の感染に対して感受性が低い品種の栽培;
− 適切な輪作;特に、前作物としてのトウモロコシを避けること;
− 天地返し(turning pillage)、特に、前作物がトウモロコシであった場合;
− フザリウム(Fusarium)菌類の発生を防止する貯蔵条件。
しかしながら、これらの完全に予防的な手段ではまだ充分ではなく、また、特に、支配的な気象条件が糸状菌類の感染に有利である場合、確実に効果を示すわけではない。
EP-A-0769906には、植物及び植物生産物における有害な菌類を防除するためにメトコナゾールをさらなるトリアゾール系殺菌剤と組み合わせて使用することが一般的に記載されている。その組成物は、特に、木材及び木材製品における有害な菌類を防除するのに用いられ、また、織物における有害な菌類を防除するのにも用いられる。
ヒト及び動物が消費することを目的とした植物及び植物生産物(特に、穀類)のトリコテセン毒素及びトリコテセン産生菌類に由来する別の毒素による汚染をより効果的に低減させるか又は防止することが求められている。
従って、本発明の目的は、トリコテセン産生菌類によって形成された毒素による穀類の汚染を低減させるか又は防止する化合物を提供することであった。
驚くべきことに、メトコナゾールとエポキシコナゾールを併用することにより、上記毒素による穀類の汚染が低減又は防止されるということが見いだされた。
従って、上記目的は、トリコテセン産生菌類によって形成された毒素による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためにメトコナゾールをエポキシコナゾールと組み合わせて使用することにより達成された。
一方において、メトコナゾールとエポキシコナゾールの上記組合せ使用は、これら2種類の活性化合物を含んでいる組成物を使用して実施し得る。
従って、本発明は、トリコテセン産生菌類によって形成された毒素による穀類の汚染を低減させるか又は防止するための、メトコナゾールとエポキシコナゾールを含んでいる組成物の使用も提供する。
他方において、メトコナゾールとエポキシコナゾールの上記組合せ使用は、当該2種類の活性化合物を、別々にではあるが、互いに短時間内に使用することによって実施してもよい。メトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用についてのより詳細な説明は、本明細書の以下で記載されている。
トリコテセン産生菌類によって形成される該毒素は、トリコテセン類、及び、同じ糸状菌類に起源を有するトリコテセン類とは異なった毒素の両方である。
上記トリコテセン産生菌類は、好ましくは、トリコデルマ(Trichoderma)属、スタキボトリス(Stachybotrys)属、及び、特に、フザリウム(Fusarium)属に属する菌である。
マイコトキシンの産生に関連して重要な菌は、さまざまなフザリウム(Fusarium)菌、例えば、以下のものである:最も重要な種として、フザリウム・クルモルム(F.culmorum)及びフザリウム・グラミネアルム(F.graminearum) (Mauler-Machnik A. & Suty A, 2000: Aktueller Stand der internationalen Forschung zur Bekampfung von Ahrenfusariosen in Weizen [Current state of International Research on the control of ear fusarioses in wheat]. 22. Mycotoxin Workshop, Bonn, June 5-7, 2000)、並びに、さらにまた、フザリウム・アクミナツム(F.acuminatum)、フザリウム・アベナセウム(F.avenaceum)、フザリウム・クロクウェレンセ(F.crockwellense)、フザリウム・エクイセチ(F.equiseti)、フザリウム・モニリフォルメ(F.moniliforme)、フザリウム・オキシスポルム(F.oxysporum)、フザリウム・ポアエ(F.poae)、フザリウム・プロリフェランス(F.proliferans)、フザリウム・シルピ(F.scirpi)、フザリウム・スポロトリキオイデス(F.sporotrichioides)、フザリウム・スブグルチナンス(F.subglutinans)及びフザリウム・トリシンクツム(F.tricinctum) (H. Schnerr, "Quantitativer Nachweis von Deoxynivalenol und Trichothecene-bildenden Fusarium spp. mit Biosensor und PCR in Getreide" [Quantitative detection of deoxynivalenol and trichothecene-forming Fusarium spp. using a biosensor and PCR in cereal], Ph D thesis, 2002, Technische Universitat Munchen; W.F.O. Marasas, P.E. Nelson and T.A. Toussoun, Fusarium species: Identity and mycotoxicology, The Pennsylvania State University Press, 1984, University Park and London; L. Niessen and R.F. Vogel, Group-specific PCR-Detection of Potential Trichothecene-Producing Fusarium Species in Pure Cultures and Cereal Samples, System. Appl. Microbiol., 1998, 21:618-631; A. Bottalico, Fusarium diseases of cereals: Species complex and related mycotoxin profiles in Europe, J. Plant Pathol. 1998, 80:85-103)。
トリコデルマ(Trichoderma)属の場合、特に代表的な菌は、本発明に関連して重要なトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)である。スタキボトリス(Stachybotrys)属の糸状菌は、特に、スタキボトリス・チャルトラム(Stachybotrys chartarum)である。
上記トリコテセン産生菌類は、特に、フザリウム(Fusarium)属の代表的な菌である。
上記マイコトキシン類は、好ましくは、トリコテセン類又はゼアラレノンである。
ゼアラレノンは、フザリウム(Fusarium)属のさまざまな種によって形成される、エストロゲン作用を有するマイコトキシンである。ゼアラレノンを形成する菌類の好ましい基質は、トウモロコシ及びオートムギである。しかしながら、穀類の別の種も、重度に感染しうる。ゼアラレノンは、当該菌類の発生段階の非常に遅い時期に形成されるので、特に、重度に感染した穀類で見いだされる。ゼアラレノンは、急性毒性は有していない。しかしながら、ゼアラレノンは、発ガン性作用を有していると考えられている。草食動物(grazing animal)において、ゼアラレノンは、生殖能力障害(fertility disorder)、早産及び死産の原因となる(例えば、以下の文献を参照されたい:H. Schnerr, "Quantitativer Nachweis von Deoxynivalenol und Trichothecene-bildenden Fusarium spp. mit Biosensor und PCR in Getreide", PhD thesis, 2002, Technische Universitat Munchen; "Mykotoxine und ihr Einfluss auf die Immunreaktionen", H. Kohler, Bundesinstitut fur gesundheitlichen Verbraucherschutz und Veterinarmedizin, Fachbereich 4, Jena(これは、例えば、「http://www.bgvv.de/sixcms_upload/media/98koehler.pdf」で確認することができる))。
「トリコテセン」という名前は、約100類のマイコトキシンからなるグループを意味し、それらは、植物及び植物生産物において、特に、穀類及び穀類生産物において、特にフザリウム類によって形成され、また、他の糸状菌によっても形成される。トリコテセン類は、広範な生物学的作用を有する。一般に、トリコテセン類は、哺乳動物の細胞におけるタンパク質生合成を阻害し、場合により、1ngという低い濃度であっても阻害する。トリコテセン中毒になると、嘔吐、下痢、拒食、胃腸管の炎症、並びに、神経細胞、心筋、リンパ系、精巣及び胸腺に対する損傷が引き起こされ、また、組織が壊死する。動物及びヒトの中毒は、例えば、「moldy corn toxicosis」(米国)、「bean hull toxicosis」(日本)又は「食中毒性無白血球症(alimentary toxic aleukia)」(CIS)という用語で、知られている。トリコテセン類は、それらの化学構造に応じて、グループA〜グループDに分類される。
特に、以下のトリコテセン毒素が重要である:T-2トキシン、HT-2トキシン、ネオソラニオール、モノアセトキシスシルペノール、ジアセトキシスシルペノール(DAS)、15-アセトキシスシルペンジオール、デオキシニバレノール(DON=ボミトキシン)、ニバレノール、3-アセトキシニバレノール、15-アセトキシニバレノール、フザレノン、T-2テトラオール及びベルカロール。
上記マイコトキシン類は、特には、デオキシニバレノール(DON)である。
上記穀類は、例えば、コムギ、イネ、トウモロコシ、オオムギ、オートムギ、ライコムギ及びライムギなどである。本発明に関連して、用語「穀類」は、当該植物自体とその収穫された生産物(例えば、穀粒)の両方を意味し、又は、トウモロコシの場合は、トウモロコシの穂軸も意味する。
特に好ましくは、該穀類は、デュラムコムギ又は普通系コムギ(common wheat)などのコムギから選択される。
メトコナゾールとエポキシコナゾールを組合せたものは、特に、デオキシニバレノール(DON)によるコムギの汚染を低減させるか又は防止するために使用される。
メトコナゾール及びエポキシコナゾールは、トリアゾールタイプの既知コナゾール系殺菌剤であり、以下の構造式で示される((I)=メトコナゾール;(II)=エポキシコナゾール):
Figure 2009501761
これらの化合物は、該組成物中においては、遊離塩基としても、また、塩としても、使用することができる。その塩は、酸と反応させることにより遊離形態から得られる。適切な酸としては、例えば、鉱酸、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸、並びに、有機酸、例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。
上記2種類の活性化合物(I)及び(II)並びに特にそれらの塩は、それらの溶媒和物(例えば、水和物又はアルコラートなど)の形態でも、本発明にしたがって使用することができる。
さらに、化合物(I)及び化合物(II)は、純粋な立体異性体としても、また、立体異性体混合物の形態でも、使用することができる。ここで、用語「立体異性」は、Z/E異性体に関する。このZ/E異性体は、メトコナゾールの場合は、シクロペンタン環の1,5位における置換基の相対的な位置に起因し、そして、エポキシコナゾールの場合は、オキシラン環の2,3位における置換基の相対的な位置に起因する。
さらに、(I)及び/又は(II)のそれぞれのZ異性体及びE異性体の個々のエナンチオマーとエナンチオマー混合物の両方とも使用可能である。
メトコナゾールとエポキシコナゾールは、上記マイコトキシン類による穀類の汚染の低減又は防止に関連して、当該組合せが相乗効果を示すような比率で使用する。好ましくは、メトコナゾールとエポキシコナゾールの比率は、20:1〜1:20であり、特に好ましくは、10:1〜1:10であり、さらに好ましくは、5:1〜1:5であり、特に、2:1〜1:3であり、例えば、1:1〜1:2である。
上記マイコトキシン類による汚染を低減させるか又は防止するために本発明にしたがって使用されるメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せは、一般に、穀類又はその植物部分又は穀類生産物をこれら活性化合物の組合せで処理することによって使用される。穀類又は穀類生産物の当該処理は、好ましくは、穀類又はその植物部分又は穀類生産物を両方の活性化合物と接触させるか又はその2種類の活性化合物を含んでいる組成物と接触させることにより実施する。この目的のために、当該組成物又は当該個々の活性化合物を、穀類又はその植物部分又は穀類生産物に施用する。従って、その2種類の活性化合物であるメトコナゾールとエポキシコナゾールは、混合して施用することも可能であり、又、別々に施用することも可能である。別々に施用する場合、当該個々の活性物質は、同時に施用してもよく、又、(一連の処理の一部分として)時間的にずらして続けて施用してもよい。続けて施用する場合、その施用は、好ましくは、数秒間から数日間までの時間間隔内で、例えば、数秒間から14日間までの時間間隔内で、又は、数秒間から7日間までの時間間隔内で行う。ここで、個々の活性化合物や、それらを含んでいる組成物も、一般に、作物保護分野にとって典型的な製剤に含ませて用いられる。さらに詳細なことは、以下の記載する。
穀類又はその植物部分又は穀類生産物の処理は、保護的な処理と治療的な処理のいずれでもあり得る。即ち、穀類又はその植物部分又は穀類生産物の処理は、有害な菌類による感染前又は感染後であり得る。それは、好ましくは、感染イベントから時間的にできる限り近接して、即ち、感染の前又は後で、その感染にできるだけ近い時点で、実施する。
用いられる施用のタイミング、施用の回数及び施用量は、いずれの場合にも、有効な条件に適合させることが必要であり、また、個々の場合それぞれに対して当業者が決めなければならない。
該活性化合物は、散布、噴霧、散粉、ばらまき又は灌水により、そのまま施用してもよく、又は、それらの製剤の形態で施用してもよく、又は、その製剤から調製された使用形態の形態で施用してもよい。該使用形態は、専らその使用目的に依存し、特に、施用対象の穀類の種及び品種並びに穀類生産物に依存する。いずれの場合も、本発明に従って使用される活性化合物及び補助剤が可能な限り微細に分配されることが保証されるべきである。
メトコナゾール及びエポキシコナゾール並びにそれら2種類の活性化合物の組合せを含んでいる組成物は、通常、作物の保護及び材料物質の保護の分野において慣用の製剤として使用する。
慣用の製剤は、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁製剤、分散液剤、ペースト剤、粉剤、散布用製剤、粉状剤及び粒剤などである。
該製剤は、既知方法で、例えば、必用に応じて乳化剤及び分散剤を用いて、活性化合物を溶媒及び/又は担体で増量することにより調製する。この目的に適する溶媒/補助剤は、本質的に以下のものである:
・ 水、芳香族溶媒(例えば、Solvesso製品、キシレン)、パラフィン類(例えば、鉱油画分)、アルコール類(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えば、シクロヘキサノン、ガンマ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(NMP、NOP)、酢酸エステル類(グリコールジアセテート)、グリコール類、ジメチル脂肪酸アミド類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類。概ね、溶媒混合物も使用することができる。
・ 担体、例えば、粉砕した天然鉱物(例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク)、及び、粉砕した合成鉱物(例えば、微粉状シリカ、シリケート)。
・ 界面活性剤、例えば、芳香族スルホン酸(例えば、リグノスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸及びジブチルナフタレンスルホン酸など)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、さらに、脂肪酸、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪酸及び硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル類、さらに、スルホン化ナフタレン及びその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール類、イソトリデシルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル類、リグノスルファイト廃液、メチルセルロース又はシロキサン類。適するシロキサン類は、例えば、ポリエーテル/ポリメチルシロキサンコポリマー類などである。これらは、「展着剤(spreader)」又は「浸透剤(penetrant)」とも称される。
直接散布可能な溶液、エマルション、ペースト又は油性分散液を調製するのに特に適している不活性な製剤補助剤は、本質的に以下のものである:中〜高沸点の鉱油画分、例えば、灯油又はジーゼル油、さらに、コールタール油、及び、植物又は動物起源の油、脂肪族炭化水素類、環状炭化水素類及び芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン類、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン類又はそれらの誘導体、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、ケトン類、例えば、シクロヘキサノン及びイソホロン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン及び水など。
粉状剤、散布用製剤及び粉剤は、活性物質を固体担体と混合するか又は一緒に粉砕することにより調製することができる。
粒剤、例えば、被覆粒剤、含浸粒剤及び均質粒剤などは、活性化合物を固体担体に結合させることにより調製することができる。
固体担体は、例えば、鉱物土(mineral earth)、例えば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕された合成材料、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム又は尿素、及び、植物に由来する生成物、例えば、穀類粉、樹皮粉、木粉及び堅果殻粉、セルロース粉末、並びに、別の固体担体などである。
該製剤は、一般に、メトコナゾール、エポキシコナゾール又はそれらの混合物を、当該製剤の全重量に基づいて、0.01〜95重量%、好ましくは、0.1〜90重量%の総量で含んでいる。
水で希釈するための製品(製剤)は、例えば、水溶剤(water-soluble concentrates)(SL)、分散性濃厚物(dispersible concentrate)(DC)、乳剤(emulsifiable concentrates)(EC)、エマルション剤(emulsions)(EW, EO)、懸濁製剤(suspensions)(SC, OD)、顆粒水和剤(water-dispersible granules)及び水溶性粒剤(water-soluble granules)(WG, SG)、並びに、水和剤(water-dispersible powders)及び水溶剤(water-soluble powders)(WP, SP)である。直接施用するための製品(製剤)は、例えば、粉剤(dusts)(DP)、粒剤(granules)(GR, FG, GG, MG)及びULV溶液剤(ULV solutions)(UL)である。
水性の使用形態は、濃厚溶液剤(concentrated solutions)、濃厚エマルション剤(emulsion concentrates)、懸濁製剤(suspensions)、ペースト剤(pastes)、水和剤(wettable powders)(スプレーパウダー、油性分散液)又は顆粒水和剤(water-dispersible granules)などのような貯蔵安定性を有する製剤から、水を加えることにより調製することができる。それらは、例えば、噴霧によって施用することができる。
エマルション、ペースト又は油性分散液を調製するために、湿潤剤、粘着剤、分散剤又は乳化剤を用いて、メトコナゾール及びエポキシコナゾールをそのまま水中で均質化することができるか、又は、メトコナゾール及びエポキシコナゾールを油若しくは溶媒に溶解させた状態で、水中で均質化することができる。しかしながら、該活性物質と、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、及び、適切な場合には、さらに、溶媒又は油とから濃厚物を調製することも可能であり、そのような濃厚物は、水で希釈するのに適している。当然のことながら、上記使用形態には、貯蔵安定性を有する製剤で使用される補助剤を含有させる。
水で希釈された調製物中の当該活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変化し得る。一般に、それらは、0.0001〜10重量%であり、好ましくは、0.01〜1重量%である。
該活性化合物には、様々なタイプの油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、さらなる殺菌剤、殺虫剤、殺細菌剤、成長調節剤又は肥料を添加することが可能であり、適切な場合には、施用直前に添加することもできる(タンクミックス)。これらの作用物質は、本発明にしたがって使用される殺菌剤に対して、1:10〜10:1の重量比で添加することができる。
メトコナゾール及びエポキシコナゾールと作物保護において慣用の1種類以上の活性化合物との組合せ使用(例えば、さらなる殺菌剤との組合せ使用)は、これら活性化合物の混合物を用いて行ってもよく(例えば、共同製剤(joint formulation)又はタンクミックス)、又は、個々の活性化合物を連続的に施用することにより行ってもよい。
本発明に従って使用される化合物(I)及び化合物(II)と一緒に施用可能な殺菌剤の下記リストは、可能な組合せを例示することを目的とするものであって、それらを限定するものではない。
・ アシルアラニン系、例えば、ベナラキシル、メタラキシル、オフラセ、オキサジキシル;
・ アミン誘導体、例えば、アルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフ;
・ アニリノピリミジン系、例えば、ピリメタニル、メパニピリム、又は、シプロジニル;
・ 抗生物質、例えば、シクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン、又は、ストレプトマイシン;
・ アゾール系、例えば、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール(dinitroconazole)、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
・ ジカルボキシイミド系、例えば、イプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
・ ジチオカーバメート系、例えば、ファーバム、ナバム、マンネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカーバメート、チラム、ジラム、ジネブ;
・ ヘテロ環化合物、例えば、アニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモール、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモール、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート-メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリホリン;
・ 銅殺菌剤、例えば、ボルドー液、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅;
・ ニトロフェニル誘導体、例えば、ビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタル-イソプロピル;
・ フェニルピロール系、例えば、フェンピクロニル、又は、フルジオキソニル;
・ 硫黄;
・ 他の殺菌剤、例えば、アシベンゾラル-S-メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、フェンチンアセテート、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トロクロホス-メチル、キントゼン、ゾキサミド;
・ ストロビルリン系、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、又は、トリフロキシストロビン;
・ スルフェン酸誘導体、例えば、カプタホール、キャプタン、ジクロフルアニド、フォルペット、トリルフルアニド;
・ シンナミド系及び類似化合物、例えば、ジメトモルフ、フルメトベル(flumetover)、又は、フルモルフ(flumorph)。
上記さらなる殺菌剤は、好ましくは、プロクロラズ、トリチコナゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、ジモキシストロビン、ピラクロストロビン、クレソキシム-メチル、フェンプロピモルフ及びメトラフェノンからなる群から選択する。
メトコナゾールとエポキシコナゾールをさらなる殺菌剤と組み合わせて使用する場合、それらは、好ましくは、1種類又は2種類のさらなる殺菌剤と一緒に使用する。
圃場に施用するための好ましい実施形態、即ち、生きている植物又はその植物部分に施用するための好ましい実施形態では、メトコナゾール及びエポキシコナゾールは、水性散布液の形態で使用する。施用は、好ましくは、散布により行う。ここで、該散布液は、植物の地上部全体に施用するか、又は、植物の個々の部分に施用する。
該散布液を施用する植物の個々の部分の選択は、植物種に依存し、また、その成育段階に依存する。施用は、好ましくは、植物の地上部全体に対して行うか、又は、毒素による汚染に対して特に保護が必要な部分、若しくは、好ましくは、トリコテセン産生菌類に感染している部分に対して行う。
一般に、圃場での施用の場合、メトコナゾール及びエポキシコナゾールは、1回の施用当たり、10〜1000g/ha、好ましくは、10〜600g/ha、特に好ましくは、20〜450g/haの総量で使用する。
特に、圃場条件下では、1回の施用当たり下記量の活性物質を使用するのが好ましい:
・ メトコナゾール(I):好ましくは、5〜500g/ha;;特に好ましくは、5〜300g/ha;特に、10〜200g/ha;
・ エポキシコナゾール(II):好ましくは、5〜600g/ha;特に好ましくは、5〜400g/ha;特に、10〜300g/ha。
1シーズン当たり、メトコナゾール及びエポキシコナゾールは、好ましくは、1〜5回、特に好ましくは、1〜3回、特に、1回又は2回施用する。
本発明は、さらに、トリコテセン産生菌類によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止する方法も提供し、ここで、該方法においては、穀類を、エポキシコナゾールと組み合わされたメトコナゾールで処理する。最後に、本発明は、トリコテセン産生菌類によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止する方法も提供し、ここで、該方法においては、穀類を、メトコナゾールとエポキシコナゾールを含んでいる組成物で処理する。
メトコナゾールとエポキシコナゾールの使用量及び使用方法について、並びに、マイコトキシン類及びそれらを産生する菌類については、上記記載を参照されたい。
メトコナゾールとエポキシコナゾールを組合せて使用すると、トリコテセン毒素及び有害なトリコテセン産生菌類に由来する別のマイコトキシン類による穀類の汚染に対して、相乗効果を示す。「相乗作用」は、少なくとも1種類のトリコテセン毒素又は有害なトリコテセン産生菌類に由来する少なくとも1種類の別のマイコトキシン類による少なくとも1種類の穀類種の汚染に対する作用が相加効果を超えて増大することを意味する。このように、上記マイコトキシン類による汚染は、個々の活性化合物の活性に基づいて予期された効果よりも著しく高い効果で低減される。活性化合物組合せの期待される効力は、例えば、コルビーの式(S.R. Colby, Calculating Synergistic and Antagonistic Response of Herbicide Combinations, Weeds, 15, pp. 20-22)を用いて決定することができる。
下記実施例は、本発明について例証することを目的としており、本発明を限定するものではない。
実施例
1. 圃場条件下におけるメトコナゾールとエポキシコナゾールによる処理後のデオキシニバレノール(DON)によるコムギ穀粒の汚染の低減
成育段階GS 25-29(分げつ)で、屋外の冬コムギ(品種「Ritmo」)に、フザリウム属種(Fusarium sp.)が感染しているライコムギ穀粒を用いて接種した。活性化合物は、成育段階GS 63(開花初め)で施用した。メトコナゾールとエポキシコナゾールは、両方とも、完成された製剤品として用いた(メトコナゾール:商品名「Caramba」;エポキシコナゾール商品名「Opus」;メトコナゾールの形態 SL=懸濁性液剤(suspensible liquid);エポキシコナゾールの形態 SC=懸濁製剤(suspensible concentrate))。これらの製剤を水で希釈して、所望の濃度とした。それらの希釈された調製物を散布することにより上記植物を処理した。当該活性化合物は、タンクミックスとして一緒に施用した。比較のために、当該個々の殺菌剤を、それら単独のみでも用いた。施用してから3週間経過した後、フザリウム(Fusarium)菌による穂の感染を視覚的に測定した。コムギ穀粒を収穫し、抽出及びHPLC/MSによる分析を行った後、その穀粒のDON含有量を求めた。比較評価のために、未処理コムギで認められたフザリウム(Fusarium)感染及びDON値を、「100%」と定めた。感染に対する効力「0%」は、未処理対照における感染と同様の感染に相当し、効力「100%」は、感染「0%」に相当する。DON含有量の低減「0%」は、未処理対照におけるDON含有量と同様のDON含有量に相当し、低減「100%」は、DON含有量が検出限界未満であることに相当する。処理したコムギについて認められた値を、相対値として、即ち、上記「100%」に基づいた割合(%)として、表1に示す。活性化合物組合せについて期待された効力は、コルビーの式(S.R. Colby, Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations, Weeds, 15, pages 20-22, 1967)を用いて決定し、観察された効力と比較した。
Figure 2009501761
上記結果から分かるように、メトコナゾールとエポキシコナゾールを組み合わせて使用することによって、コムギのフザリウム(Fusarium)による感染と収穫された穀粒のDON含有量の両方に対して相乗効果が得られる。

Claims (10)

  1. トリコテセン産生菌類によって形成された毒素による穀類の汚染を低減させるか又は防止するための、エポキシコナゾールと組み合わされたメトコナゾールの使用。
  2. トリコテセン産生菌類によって形成された毒素による穀類の汚染を低減させるか又は防止するための、メトコナゾールとエポキシコナゾールを含んでいる組成物の使用。
  3. 前記トリコテセン産生菌類が、フザリウム(Fusarium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属又はスタキボトリス(Stachybotrys)属に属するトリコテセン産生菌類である、請求項1又は2のいずれかに記載の使用。
  4. 前記毒素が、トリコテセン類又はゼアラレノンである、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 前記トリコテセン類が、以下の物質:デオキシニバレノール、ニバレノール、3-アセトキシニバレノール、15-アセトキシニバレノール、T-2トキシン、HT-2トキシン、ネオソラニオール、モノアセトキシスシルペノール、ジアセトキシスシルペノール、15-アセトキシスシルペンジオール、フザレノン、T-2テトラオール又はベルカロール;
    のうちの少なくとも1種類を含んでいる、請求項4に記載の使用。
  6. 前記穀類が、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、オートムギ、イネ及びトウモロコシからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
  7. メトコナゾール及びエポキシコナゾールを10:1〜1:10の比率で使用する、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
  8. トリコテセン産生菌類によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止する方法であって、該穀類を、エポキシコナゾールと組み合わされたメトコナゾールで処理する、前記方法。
  9. トリコテセン産生菌類によって形成されたマイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止する方法であって、該穀類を、メトコナゾールとエポキシコナゾールを含んでいる組成物で処理する、前記方法。
  10. メトコナゾール及びエポキシコナゾールを10:1〜1:10の比率で使用する、請求項8又は9に記載の方法。
JP2008521955A 2005-07-18 2006-07-17 マイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用 Active JP4938776B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102005033433.4 2005-07-18
DE102005033433 2005-07-18
PCT/EP2006/064322 WO2007009969A2 (de) 2005-07-18 2006-07-17 Kombinierte verwendung von metconazol und epoxiconazol zur verringerung oder verhinderung der kontamination von getreide mit mykotoxinen

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009501761A true JP2009501761A (ja) 2009-01-22
JP4938776B2 JP4938776B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=37669164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008521955A Active JP4938776B2 (ja) 2005-07-18 2006-07-17 マイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用

Country Status (18)

Country Link
US (1) US20090124678A1 (ja)
EP (1) EP1906733B1 (ja)
JP (1) JP4938776B2 (ja)
CN (1) CN101222848B (ja)
AR (1) AR054561A1 (ja)
AU (1) AU2006271692B2 (ja)
BR (1) BRPI0613440A2 (ja)
CA (1) CA2615557A1 (ja)
DK (1) DK1906733T3 (ja)
EA (1) EA013746B1 (ja)
ES (1) ES2390892T3 (ja)
NZ (1) NZ564961A (ja)
PL (1) PL1906733T3 (ja)
PT (1) PT1906733E (ja)
SI (1) SI1906733T1 (ja)
UA (1) UA88549C2 (ja)
WO (1) WO2007009969A2 (ja)
ZA (1) ZA200801501B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009501763A (ja) * 2005-07-19 2009-01-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア トリコテセン産生菌の毒素による植物および植物産物の汚染を軽減または防止するための成長調整剤の使用

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2036438A1 (en) * 2007-09-12 2009-03-18 Bayer CropScience AG Post-harvest treatment
EP2064952A1 (en) 2007-11-29 2009-06-03 Bayer CropScience AG Method for reducing mycotoxin contamination in maize
WO2009071419A1 (de) * 2007-12-04 2009-06-11 Basf Se Fungizide mischungen
WO2009071450A1 (de) * 2007-12-05 2009-06-11 Basf Se Fungizide mischungen
WO2009071389A1 (de) * 2007-12-05 2009-06-11 Basf Se Fungizide mischungen
NZ587356A (en) * 2008-02-28 2012-06-29 Syngenta Participations Ag Pesticidal combinations comprising prochloraz, metconazole and optionally metalaxyl or mefenoxam
EP2245936A1 (en) 2009-04-27 2010-11-03 Bayer CropScience AG Use of 4-aza indole derivatives for the reduction of mycotoxin contamination
BRPI1011329A2 (pt) * 2009-06-04 2015-08-25 Nippon Soda Co Métodos para produzir uma bebida de malte fermentado, e para evitar o esguicho de uma bebida de malte fermentado, e , bebida de malte fermentado
US20130090360A1 (en) * 2010-06-18 2013-04-11 Basf Se Method for protecting rice from being infected by fungi
CN102037980B (zh) * 2010-12-31 2013-05-29 利尔化学股份有限公司 杀菌农药组合物
US8946121B2 (en) 2011-03-03 2015-02-03 Dsm Ip Assets B.V. Antifungal compositions
JP2014122160A (ja) * 2011-03-09 2014-07-03 Kureha Corp かび毒蓄積抑制方法およびかび毒蓄積抑制剤
WO2017060321A1 (en) * 2015-10-09 2017-04-13 Bayer Cropscience Aktiengesellschaft Use of pydiflumetofen for the reduction of mycotoxin contamination in plants
CN105707083B (zh) * 2016-01-20 2017-11-14 南京农业大学 一种增效减量农药组合物在防治麦类赤霉病中的用途
EP3273236B1 (de) * 2016-07-18 2018-10-10 R-Biopharm Aktiengesellschaft Verfahren zur extraktion von mykotoxinen aus getreiden, anderen lebensmitteln und futtermitteln

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10504811A (ja) * 1994-07-01 1998-05-12 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ メトコナゾールおよび他のトリアゾールを含有する相乗的組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4816406A (en) * 1986-07-24 1989-03-28 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture Inhibition of trichothecene toxins by ancymidol
PL218871B1 (pl) * 2002-03-07 2015-02-27 Basf Ag Mieszanina grzybobójcza zawierająca protiokonazol oraz propikonazol, sposób zwalczania szkodliwych grzybów i środek grzybobójczy

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10504811A (ja) * 1994-07-01 1998-05-12 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ メトコナゾールおよび他のトリアゾールを含有する相乗的組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010051707, N. Magan, "Relationship between growth and mycotoxin production by Fusarium species, biocides and environment", European Journal of Pant Pathology, 2002, vol.108, p.685 − 690 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009501763A (ja) * 2005-07-19 2009-01-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア トリコテセン産生菌の毒素による植物および植物産物の汚染を軽減または防止するための成長調整剤の使用
JP4769300B2 (ja) * 2005-07-19 2011-09-07 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア トリコテセン産生菌の毒素による植物および植物産物の汚染を軽減または防止するための成長調整剤の使用

Also Published As

Publication number Publication date
EA013746B1 (ru) 2010-06-30
CN101222848A (zh) 2008-07-16
PT1906733E (pt) 2012-11-06
CN101222848B (zh) 2012-03-21
DK1906733T3 (da) 2012-12-17
EP1906733A2 (de) 2008-04-09
EA200800206A1 (ru) 2008-08-29
WO2007009969A3 (de) 2007-05-10
JP4938776B2 (ja) 2012-05-23
US20090124678A1 (en) 2009-05-14
AR054561A1 (es) 2007-06-27
CA2615557A1 (en) 2007-01-25
ES2390892T3 (es) 2012-11-19
EP1906733B1 (de) 2012-09-12
WO2007009969A2 (de) 2007-01-25
UA88549C2 (ru) 2009-10-26
SI1906733T1 (sl) 2012-11-30
ZA200801501B (en) 2009-05-27
AU2006271692A1 (en) 2007-01-25
PL1906733T3 (pl) 2013-02-28
NZ564961A (en) 2010-04-30
BRPI0613440A2 (pt) 2012-11-06
AU2006271692B2 (en) 2012-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4938776B2 (ja) マイコトキシン類による穀類の汚染を低減させるか又は防止するためのメトコナゾールとエポキシコナゾールの組合せ使用
US20070066629A1 (en) Fungicidal mixtures for controlling rice pathogens
JP4769300B2 (ja) トリコテセン産生菌の毒素による植物および植物産物の汚染を軽減または防止するための成長調整剤の使用
US20070021441A1 (en) Fungicidal mixtures for fighting against rice pathogens
US20070043047A1 (en) Fungicidal mixtures for controlling rice pathogens
US20070082916A1 (en) Fungicidal mixtures for controlling rice pathogens
US20070208039A1 (en) Fungicidal Mixtures for Controlling Rice Pathogens
US20060154927A1 (en) Fungicidal mixtures for combating rice pathogens
US20060264447A1 (en) Fungicidal mixtures for controlling rice pathogens
US20080051284A1 (en) Fungicidal Mixtures for Controlling Rice Pathogens
ZA200605198B (en) Fungicidal mixtures for controlling rice pathogens
JP2007513085A (ja) イネ病原体を防除するための殺菌混合物
JP2007529448A (ja) 殺菌混合物
US20070105875A1 (en) Fungicidal mixtures
JP2007509880A (ja) 殺菌混合物
JP2007523933A (ja) 殺菌混合物
JP2007537190A (ja) 殺菌混合物
JP2007533679A (ja) 殺菌混合物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101201

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120223

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4938776

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250