JP2009500202A - プラスチックから鋳造物を製造する方法および装置 - Google Patents

プラスチックから鋳造物を製造する方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009500202A
JP2009500202A JP2008520205A JP2008520205A JP2009500202A JP 2009500202 A JP2009500202 A JP 2009500202A JP 2008520205 A JP2008520205 A JP 2008520205A JP 2008520205 A JP2008520205 A JP 2008520205A JP 2009500202 A JP2009500202 A JP 2009500202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
thin film
laminate
heating
plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008520205A
Other languages
English (en)
Inventor
エンキャン,アンリ,ポール,マリア,クゥイリアヌス
バッケル,ヤン,アドルフ,ダム
Original Assignee
クレアボ ベルジャム ナムローゼ フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クレアボ ベルジャム ナムローゼ フェンノートシャップ filed Critical クレアボ ベルジャム ナムローゼ フェンノートシャップ
Publication of JP2009500202A publication Critical patent/JP2009500202A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/26Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C51/28Component parts, details or accessories; Auxiliary operations for applying pressure through the wall of an inflated bag or diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/28Shaping operations therefor
    • B29C70/54Component parts, details or accessories; Auxiliary operations, e.g. feeding or storage of prepregs or SMC after impregnation or during ageing
    • B29C70/542Placing or positioning the reinforcement in a covering or packaging element before or during moulding, e.g. drawing in a sleeve
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2791/00Shaping characteristics in general
    • B29C2791/004Shaping under special conditions
    • B29C2791/006Using vacuum
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2791/00Shaping characteristics in general
    • B29C2791/004Shaping under special conditions
    • B29C2791/007Using fluid under pressure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/10Forming by pressure difference, e.g. vacuum
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/14Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor using multilayered preforms or sheets
    • B29C51/145Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor using multilayered preforms or sheets having at least one layer of textile or fibrous material combined with at least one plastics layer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

本発明は、プラスチック、好ましくは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法に関する。この方法は、少なくとも積層板を形成するために少なくとも1つのプラスチック層を積層する工程と、少なくとも2つの薄膜の間に積層板を配置させる工程と、このように形成した組み立て品を、少なくとも1つの薄膜を加熱することによって第1温度にする工程と、第2の温度にされた成形工具を使用することによって組み立て品を形成する工程と、を含む。また、本発明は、この方法を達成する装置、およびこの方法に適用する加熱可能な薄膜にも関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、プラスチック、好ましくは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法に関する。また本発明は、鋳造物を製造する装置に関する。最後に本発明は、本発明に係る方法および装置に適用できる加熱可能な薄膜に関する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する通常の方法において、一般にプラスチックは、容易に変形する温度である第1温度になり、次に鋳造物に安定性を与える温度である第2温度になる。熱可塑性ポリマーから鋳造物を製造することに関して、後者は、例えば最初に融解温度より高い温度で溶解して熱可塑性ポリマーとなり、成形することが可能になる。鋳造過程の後に、ポリマーは例えば室温に冷却され、鋳造物に安定性が備わる。既知の方法としては、例えば真空成形がある。真空成形において多数のプラスチック層が、互いにいわゆるスタック状、または、積層板状に配置されており、加熱によって変形が可能になる。片側を真空にすることにより、加熱された積層板が相対的に温度の低い鋳型の表面へ引かれ、熱可塑性積層板は、冷却後、変形可能な段階において形成された形を維持する。既知の方法は頻繁に改良されているにもかかわらず、例えばダイアフラム成形またはゴム加圧といった他の関連する方法と同様に、真空ポンプには改善の余地がある。良好な機械的特性を得るために、とりわけ鋳造物の中において、積層板の異なる層がお互いに十分に結びつくことが望ましい。すなわち、全体が強化されることが望ましい。一般に、成形中に加圧加温状態で異なる層を強固にすることにより、このように鋳造物の中で十分に結合することが保障される。上記は繊維強化プラスチックの場合においても適用可能であり、繊維強化プラスチックにおいては、異なる層を強固にする必要があることに加えて、強化繊維に熱可塑性ポリマーを十分充填することも重要である。ここで、プラスチックの加熱方法がとても重要であることがわかるであろう。
現在、熱可塑性ポリマーの加熱方法は、様々な方法が存在する。加熱する温度になっている接触板または接触鋳型を用いて、熱可塑性ポリマーを加熱する方法、または、加熱された空気または他のガスをオーブンの中に循環させることにより加熱する方法がとられるのが通常である。また、例えば赤外線放射物のようなエネルギーに富んだ放射源を利用することも可能である。圧力を発生させるために、例えば通常、プレス機または射出スクリューが利用される。また、多く利用される圧縮手段はオートクレーブである。オートクレーブは、おおむねオーブンと圧力容器とを組み合わせたものを備えている。成形される積層板が鋳型の上に掛けられ、その後全体が、オートクレーブの中に配置される。そして加熱した空気を充満させることにより、オートクレーブは加熱する。内部の圧力が増加するオートクレーブ内において空気を保持することにより、積層板が強化される。
上記の既知の方法は、時間が非常にかかるために大規模生産には向いていないという欠点がある。加熱、各層の接着、および、鋳造物の成形といった異なる工程に関する(非常に長い)サイクル時間は、主としてプラスチックを加熱および再冷却するために必要となる時間に依存する。
本発明は、その目的として、プラスチックから良好な機械的特性を示す鋳造物を製造するためのより効率的な方法を提供する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する本発明に係る方法は、この目的のために、次のような少なくとも複数の工程を有することを特徴としている。これらの工程は、積層板を成形するために少なくとも1つのプラスチックの層を積層する工程と、少なくとも2つの薄膜間に積層板を配置させる工程と、少なくとも1つの薄膜を加熱することにより、これらの工程に従って成形された組み立て品を第1温度にする工程と、このように形成した組み立て品を成形する工程とを含んでいる。
好ましくは多数の繊維強化プラスチックの層が積み重ねられた積層板を少なくとも2つの薄膜の間に配置し、次に統合熱によってこれらの薄膜のうち少なくとも1つを加熱することにより、既知の方法を用いた場合よりも、非常に効率的に積層板を加熱することができる。例えば既知のオートクレーブ法においてはオートクレーブの内部全体が目標とする第1温度にならなければならないが、加熱されるのは結局積層板だけである。他方、ゴム加圧を行っている間、プレスから離して配置されたオーブンの中で積層板が次第に加熱されるので、加熱した積層板をプレスに移さなければならない。本発明に係る方法にはこの欠点がない。本発明に係る方法のさらなる利点は、この方法に適した装置の部位のうち、プラスチックを変形可能にするために必要な部位だけが加熱されるので、ほとんどエネルギーを必要としないことにある。加熱可能な薄膜が比較的少量であるため、必要ならば本発明に係る方法を用いて急速に加熱することも可能になる。例えば、数秒以内に薄膜を200度以上にすることが可能である。
本発明に係る方法は、特にこのために開発された加熱可能な薄膜を利用する。本発明に係る加熱可能な薄膜は、発熱体を備えているという点に特徴があり、好ましくはこの目的に適した成形工具を用いて繊維強化プラスチックから鋳造物を製造するために、この薄膜を適用することができる。特定の実施形態は、発熱体として金属線を備えた薄膜を備えており、電流を供給することにより、後に目標とする温度に薄膜を加熱することができる。金属線に供給される電流の強さと金属線の抵抗とは、実質的に生成される熱を決定する。
加熱可能な薄膜の好ましい実施形態において、発熱体は芯線に巻かれた金属線を備えている。ここで金属線は、非常に細い、すなわち、直径の平均が0.15mm未満であることが好ましい。芯線のまわりにらせん状に金属線を巻く、または、より合わせることにより、直線にした時の長さが長い金属線を得ることができる。このようにして金属線の長さは、標準的には芯線の長さの1.5〜12倍になり、発熱体は伸縮性および弾力性を持つようになる。発熱体の中に利用される芯線は、いろいろな材料から構成されてもよい。しかし、除去することが比較的容易な材料を選択するのが都合がよい。これらに限られるわけではないが、例えば次に説明する複数の種類のポリマーから特に芯線にふさわしい材質を選択することができる。ポリビニールアルコール線は好ましくは熱湯に溶かすことにより、除去が比較的容易であるため、選択することができる。芯線を除去した後にらせん状の金属線が残り、適切なエラストマーマトリックスに金属線を組み込む、または、密閉することができ、例えば、ダウケミカルのライクラ、または、XLA弾性繊維といった弾性繊維、あるいは、弾性力のあるより糸、好ましくは非常に細い(好ましくは特性寸法が0.5mm〜3mmの間)弾性ゴムロープ、弾性ゴムコード、または、弾性ゴムホース、直径約0.7〜1.0mmのシリコンコード電流により金属線が加熱されると、溶解、または、少なくとも軟化し、これ以上伸縮に耐えることができなくなる溶解ポリマーの糸は特に適切である。そのようなポリマーの糸の適当な例としては、例えばEMS Chemieのポリアミド繊維Grilonがあり、上述したような水以外の溶剤に容易に溶ける糸であり、より合わせと、その後の編み合わせとの後、エラストマーマトリックスに密閉する前に、溶媒に溶けて除去される糸である。
本発明に係る加熱可能な薄膜の別の好ましい実施形態において、発熱体は、芯線に巻かれた金属線の編み込み繊維を備えている。編み込み繊維は、例えば、金属線を用いて芯線の周りに巻くことにより得ることができる。また、十分に信頼性をもって電流源に接触させるために、例えば銅線のような金属線が外側の両端に備えられる。
好ましくは横糸がらせん状に巻かれた金属線を有するこの編み込み繊維を、例えば天然ゴムまたはエラストマー、好ましくは、シリコンゴムといった耐熱弾性マトリックスに組み込むことにより、本発明に係る加熱可能な薄膜を得ることができる。変形状態における薄膜の予想される長さ(成形過程で薄膜を伸ばした後の長さ)よりもずっと長くなるように、縒り合せた金属線の伸長時(らせん形を伸ばした後)の長さを選択することは有利である。このようにすると、金属線および発熱体が常に影響を受けずに、加熱のための金属線として機能する。薄膜を均一に加熱することができるように、編み込み繊維は横糸の方向に1センチメートルあたり4本以上の糸を有することが望ましい。編み込み繊維の縦方向、いわゆる縦糸の方向に、弾性があり、電気的に加熱可能な金属線を配置することも可能である。目標となる鋳造物の最終的な形状のために、発熱体が例えば非常に細長く、および/または、異なる弾力性をもたなければならないので、薄膜上の電気抵抗をうまく分散できるようにするためには、これが望ましいかもしれない。
加熱可能な薄膜を製造する上述の方法に加えて、ロープ、帯、または紐に押し出された、例えば金属またはカーボンが充填されたシリコンゴムの化合物のような導電性および弾性のある芯線を、編み込み繊維および薄膜に組み込むことも可能である。決められた規定の電気抵抗を実現するために、この化合物を処理して直接、圧延箔若しくは光沢箔、および/または、圧延紙若しくは光沢紙を作ることも可能である。
上記から本発明は、決められた機械的特性を持つ加熱可能な薄膜に限定されないことは明らかであるが、加熱可能な薄膜は弾性をもつことが望ましい。この適用に関連して、弾性とは、薄膜が容易に伸縮できることを意味すると理解されている。従って本発明に係る薄膜は、好ましくは少なくとも100%、良好には少なくとも200%、最も良好には少なくとも400%の破断点伸びを持つ。上述したように、薄膜のマトリックス、および/または、それに結合される発熱体、および/または、その中に組み込まれる発電体を適切に選択することにより、このような弾性を得ることができる。
本発明に係る方法は、好ましくは少なくとも2つの薄膜を利用する。本発明に係る方法の好ましい実施形態において、薄膜の間に積層板を入れた後、少なくとも2つの薄膜の間を真空にする。少なくとも部分的に真空にすることにより、積層板とそのいずれか片側に位置する加熱可能な薄膜との接触が改善される。これにより、熱が薄膜から積層板にさらに容易に伝わる。また、積層板は真空により適切な位置に保たれる。このことは成形工具で鋳造物を変形する上で重要である。同じ理由により、積層板と薄膜との組み立て品の外側に過度の圧力をかけると有利である。
目標とする鋳造物に成形するために、金属またはゴムのオス型を利用し、スタックを圧縮してメス型の部分にすることができる。クランピングフレームを利用せずにこのような変形を行うことができる。変形中に伸縮することにより、クランピングフレーム、および/または、この目的のために備えられた鋳型の部分によって、スタックの端が少なくとも部分的に固定される。他の可能な変形工程にはダイアフラム成形がある。ダイアフラム成形では、スタックが端に沿って固定された箔の層に覆われる。これにはスタック自身が成形中に比較的容易に位置を変えることができるという利点がある。成形はスタックの片側の空気圧を減らす、または、増やすことにより行われる。空気の代わりに液体を適用してもよい。ここで箔(ダイアフラム)はプラスチックから製造することができる。薄い金属箔を用いることも可能である。本発明に係る方法は、成形工具が鋳型を備えていると同時に、第1温度に加熱した組み立て品が、適切な時間、鋳型の表面に圧縮されるという点に特徴があることが好ましい。特に有利な実施形態において、成形工具は鋳型が収納されるオートクレーブも備えており、組み立て品と鋳型の表面との間にある空気を少なくとも部分的に放出することにより、組み立て品が鋳型の表面に圧縮される。組み立て品と鋳型の表面との間の空間の位置にあるオートクレーブの壁の中にバルブを少なくともひとつ備えることにより、これを行うことができ、バルブを通して空気を外部に逃がすことができる。
本発明に係る方法は、原理的に任意の無作為のプラスチックを用いてできた鋳造物の製造に適応することができる。しかし、プラスチックの層のうち少なくとも1つの層が繊維強化熱可塑性ポリマーを有するという特徴を、上記方法が有すると有利である。本発明に係る方法に適した熱可塑性ポリマーの例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレン無水マレイン酸(SMA)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドブレンド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートといった熱可塑性ポリエステル、並びに、1つ以上の上記ポリマーの混合物及び共重合体がある。繊維強化熱可塑性ポリマーを使用する場合、上記方法において第1温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低ガラス転移温度より高くなることが望ましい。半結晶熱可塑性ポリマーを使用すると、第1温度が、熱可塑性ポリマーの融解温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低融解温度より高くなることが好ましい。上述のように第1温度を選択することにより、適切な短い時間で強化繊維を十分にプラスチックに注入することができる。さらに、積層板の層は十分に強固になる。より強固にするために、第2温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第2温度が最低ガラス転移温度より低いと都合が良い。必要ならば、プラスチック層の少なくとも1つが繊維強化熱硬化性ポリマーを含んだ積層板を作るために、本発明に係る方法を適用することもできる。その場合、第1温度は熱硬化性ポリマーの硬化温度よりも高い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第1温度は最低硬化温度より高いことが好ましい。この場合、第2温度は、熱硬化性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第2温度は最低ガラス転移温度より低いことが好ましい。
この適用において、第1温度および第2温度に言及すると、これは平均温度を意味すると理解されている。例えば、積層板を第1温度にすることについて言及すると、これは、積層板が平均して第1温度に達したが、局所的なばらつきは起こり得ることを意味すると理解されることは明らかであると思われる。同じことは成形工具が第2温度になる上記方法の工程にもあてはまる。ここで、平均的な第2温度とはあまり変わらないにせよ、局所的に異なる温度の部分が広がることも起こり得る。
適切な強化繊維には、例えば、亜麻、木材、及び、麻繊維といった天然繊維に加えて、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、例えばアラミド繊維、および、超高分子量ポリエチレン、または、ポリプロピレン繊維といった強化熱可塑性ポリマー繊維がある。別の実施形態のおいて、熱可塑性ポリマーの層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、及び/または、ポリブチレンテレフタレートといった、半延伸熱可塑性ポリマーの編み込み繊維を含んでいる。そのようなポリプロピレンの製品は、例えばCurvのブランド名でPropexから、及び、Pureのブランド名でLankhorst Indutechから商業的に入手できる。
繊維強化プラスチックの層は、最低2方向の実質的に直交する方向に伸びる実質的に連続した繊維(いわゆる等方位編み込み繊維)を含んでいることが好ましい。別の好ましい実施形態において、繊維層および/または繊維強化プラスチックの層は実質的に一方向に伸びる実質的に連続な繊維(いわゆるUD編み込み繊維)を有する。具体的にどの種類の編み込み繊維を選択するかは、様々な要素がある中で特に、編み込み繊維に必要とする機械的特性及び変形に依存する。本発明に係る方法の選択された実施形態は、この点でも重要になり得る。
また、本発明は、プラスチック、好ましくは、強化繊維プラスチックから鋳造物を製造する装置に関する。装置は少なくとも2つの薄膜の間に、少なくとも1つのプラスチック層の積層板を密閉する密閉手段と、少なくとも1つの薄膜を第1温度にする第1加熱手段と、積層板を変形する成形工具と、積層板と少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮することを可能にする圧縮手段と、を備えている。
さらに本発明に係る装置の特定の実施形態は請求項14〜18に説明されている。
代表的な実施形態において、少なくとも1つの薄膜を第1温度にする、第1の加熱手段は電流生成部を備えている。積層板を変形する成形工具は、積層板を置くことができる鋳型を備えている。積層板および少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮状態にすることを可能にする圧縮手段は、圧力容器またはオートクレーブを備えている。
例えば第1加熱手段は、薄膜の発熱体を連結することが可能であり、電流を生成することが可能な電気加熱法を含むことができる。しかし、第1加熱手段は、例えば圧力容器に収納された電子レンジのような放射線源といった他の手段を含むことができる。そのような放射線源は、内部に入れられる導電性のある充填材と共に、薄膜を加熱するようにふるまう。
好ましい実施形態において、装置は成形工具を第2温度にする第2加熱手段を備えている。第2加熱手段は、例えば水やオイルといった適切な熱交換用の液体を鋳型に誘導することができるポンプ回路を備えてもよい。装置の好ましい実施形態において、第2加熱手段は冷却手段を兼ね備えてもよい。この適用に関連して、加熱という用語が冷却という意味を含むように広く解釈しなければならない。例えば、鋳造物が繊維強化熱可塑性ポリマーから製造される場合、第2温度は一般的に低く、好ましくは室温程度、良好には室温以下になる。これにより、この方法を実施する速さが速くなると同時に、鋳造物の機械的特性が高まる。
本発明に係る方法および装置は、付随する図を参照して以下において説明されている。図1は、本発明に係る装置の概略斜視図である。図2は、装置の動作を示す断面図である。図3は、本発明に係る別の実施形態の概略図である。
図1を参照すると、本発明に係る装置は、下部2、および、カバーの役割をする上部3からなる圧力容器またはオートクレーブ1を備えている。圧力容器1は、さらに耐久性のある密閉機構を備えている(図示せず)。圧力容器は原理的にどのような内圧にも適応するように作られている。圧力容器1は、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する上で通常かかる標準的な圧力、例えば、最小10バールの内圧に耐えることができることが好ましい。下部2および上部3はお互いに連結されており、例えば、ヒンジ6によって互いに連結されている支持梁4および5によって、互いに移動可能である。圧力容器を容易に開閉できるようにカバー3にハンドル7が備わっている。さらに、この実施形態において、圧力容器1は、2つの加熱可能な弾性のある薄膜8a、8bを備えており、成形される積層板が2つの弾性膜の間に配置される。上記で詳細に説明したように、薄膜8a、8bは、伸縮可能な発熱体を組み込むことができるゴム、および/または、エラストマーを備えていることが好ましい。加熱可能な薄膜8a、および/または、8bの伸縮性(弾性)は、好ましくは100%より大きく、良好には200%より大きく、最も良好には400%より大きい。これにより複雑な形態をした鋳造物の製造が可能になる。薄膜8a、8bの内部の発熱体は、組み込まれるゴム、および/または、エラストマーの素材よりも弾力性を持っていることが好ましい。これにより、加熱回路内部または加熱回路の特定部位の破損が防がれる。薄膜8a、8bの双方は、枠体を備えることができる。必要ならば枠体は、支持梁構造を軸にお互いに回転するようにして、圧力容器に連結することができる。薄膜の枠体は圧力容器1の密閉機構の一部を形成することができる。例えば、この目的のために圧力容器の両方の部品の内側に配置した周辺部の停止端に沿って、第1の薄膜8aと第2の薄膜8bとを、それぞれ下部2と圧縮容器1のカバー3とに入れることも可能である。圧力容器1または薄膜の枠体は、さらに周辺導管9を備えている。これによって2つの薄膜8a、8bの間を真空にすることができる。この目的のために、周辺導管9は連結部10を通じて真空ポンプ(図示せず)に連結されている。周辺導管は、例えば、圧力容器1の下部2の周辺端11に配置してもよい。周辺端11は、この目的のために周辺導管9を収納することができる収納部12を備えてもよい。(スタック)を変形するための積層板は、装置の使用中に周辺導管9の内部に位置している。周辺導管9は内側に小さな導入部13を備えており、導入部13は2つの薄膜8a、8bが互いの上に置かれた時(圧力容器1が閉じた時)に2つの薄膜8a、8bの間の空間に連結される。カバー3を閉じている間、および/または、カバー3を閉じた後に、2つの薄膜8a、8bの間の空気は、導入部13を通じて吸引して排出され、ここに少なくとも部分的に真空が作り出される。薄膜8a、8bを加熱するために、さらに装置は電気的な加熱手段(図示せず)を備えている。加熱手段は、適切な方法を用いて、電流の連結手段を通して加熱可能な薄膜8a、8bに連結されている。必要ならば、上部の薄膜8b、または、下部の薄膜8aのいずれか一方だけが、加熱回路を備えてもよいし、あるいは、電気的な加熱手段に連結してもよい。圧力容器1は、例えば下部2がさらに鋳型14を備えている(図2を参照)。強固にするために、この鋳型は、例えば砂、親水性の粒子、あるいは反作用力を作り出すことができる他の支持材によってできた支持層の上に置かれていることが好ましい。支持粒子の間の空間は、鋳型と薄膜との間の空気の除去を可能にするため、及び/または、鋳型と薄膜との間の空気を逃がすために、通気性を持つことが好ましい。さらに圧力容器は、下部2またはカバー3の中に安全バルブ16を備えてもよいし、使用中に薄膜8a、8bが鋳型14に押し付けられるときに超過気圧の空気を放出するバルブを備えてもよい。好ましい実施形態において、さらに上部のカバー3は、処理を目で監視することができるように1つ以上の窓を備えてもよい。さらに圧力容器は、加熱サイクル中に熱を適切に分散することができるようにするための1つ以上のファンを備えてもよい。加熱温度や薄膜の温度に加えて、本方法を実施中にスタックの温度を計測できるように、圧力容器の中に、1つ以上の赤外線センサーまたは他の温度計測センサーを配置することも可能である。好ましくはさらに内部に反射性をもった圧力容器に、適切な熱絶縁材を備えることも有利である。
図2を参照すると動作中には、複数の繊維強化熱可塑性ポリマー層のスタック100が下部の弾性のある薄膜8bの上に置かれている。必要であれば、例えば形状が特に重要でない鋳造物の場合、複数の薄膜および鋳造物の層を同時に積み重ねることができる。カバー3は閉じられ、下部2に固定され、積層板100はカバー3の中の薄膜8aと、薄膜8bとの間に入れられる。カバー3を閉じた後に1対の薄膜8aと薄膜8bとは、電気的な加熱装置に連結され、薄膜の間の加熱回路に電流を送ることにより加熱される。ここでスタックは、目標とする第1温度、好ましくは、関連する熱可塑性物質の融解温度または軟化温度より高い温度に加熱される。これによって、必要に応じて多数の層と共に積層板の層を変形し、互いに接着することが可能になる。また、下部の薄膜8bだけを加熱し、上部の薄膜8aを用いてスタックを覆うことが可能である。ここで当業者は、種々の変型形態が可能であることが理解できると思われる。図2bに示すように、スタックは薄膜8aと薄膜8bとの間に位置し、全体がほぼ第1温度に加熱される。圧力容器1および密閉空気110の温度は、例えば室温のように低温であることが好ましい。周辺導管13を通じて、積層板100および薄膜8a、8bの組み立て品は真空下に置かれ、2つの薄膜は互いに近づいて動き、積層板100は圧縮される。真空は、原理的に、薄膜の加熱前、加熱中、または、加熱後に行うことができる。例えば、十分な真空状態が作られた後にスタックを生成することが可能である。必要ならば、空気を圧力容器1の内部空間110に空気を吹き込むことにより、加熱サイクル中に容器1の中にあるスタック100の両側の圧力を増加させることができる。これにより、積層板をさらに圧縮することが可能になり、積層板がより強固になる。バルブ17を用いて、薄膜8a、8bの対と鋳型14との間にある空気111を放出することにより、次にスタックの変形が起こる。スタック100は下方に移動し、鋳型の上部/内部に垂れ、それによって図2cで示されるような鋳型の形を呈するようになる。下部の薄膜と、鋳型(の穴)または容器の下半部全体との間を真空にすることにより、変形過程が加速する、および/または、強化される。必要に応じて、変形中にもう一方(110)の圧力を増加させることできる。成形するための鋳型は、熱可塑性ポリマーが再結晶化する温度または凝固温度よりも冷たいため、熱可塑性物質/スタックは急速に冷えて目標の形になり、製造サイクルは事実上完了する。圧力容器が任意の希望する形を取ることができるということは、明らかであると思われる。異なる形をした圧力容器を備えた装置の別の実施形態が、例えば図3に示されている。
上述の説明により明らかになったであろうが、本発明に係る装置には、多くの利点がある。さらなる利点は、既知のオートクレーブと比較して購買コストが比較的低いことに関する。後者は、結局完全に加熱可能でなければならず、高圧に耐えることができなければならない。本発明に係る装置にはこの欠点がない。本発明に係る装置によって、短い製造サイクルを実現することができる。その理由は、本発明に係る装置が高速動作する開閉機構を備えておりサイクル間の間隔を短くすることができること、および、加熱可能な薄膜を使用しているためにスタックだけが加熱され、装置全体を加熱する必要がないことにある。さらに鋳造物の統合製造も可能であり、加熱ユニットから成形工具にスタックを移す必要もない。本発明に係る装置には、同一の機械設定で同じ位置から加熱と成形を行うことができるというさらなる利点がある。
上記装置は、その単純さにより、さらなる可能性をもたらす。例えば加圧状態でスタックを加熱することが可能である(真空圧および外部の陽性空気圧の両方が可能である)。上述したいわゆる自己強化プラスチックが適用されるときに、特有の利点が得られる。鋳型よりも低温になる前に加熱および変形を行っている間に、スタックをさらに伸縮させることが装置によって可能になるためである。
本発明に係るさらなる利点は、鋳造物の形を決める鋳型を比較的単純に具体化することができることである。鋳型の表面の品質は、主に薄膜によって決定されるため、必ずしも鋳型の表面をなめらかにしたり、または、よく磨いたりする必要がない。適切な薄膜を選択することにより、望ましい表面の品質をすぐに調節することができる。
本発明に係る方法を用いて得られる鋳造物は、例えば、建造物、建物、乗り物、船などのような、工業的な応用において、軽量の骨組みとして使用することができる。本発明に係る方法および装置の大きな利点は、そのような鋳造物を単純で効率的な方法により製造することができ、鋳造物が良好な機械的特性を示すことにある。
本発明に係る装置の概略斜視図である。 装置の動作を示す断面図である。 本発明に係る別の実施形態の概略図である。
発明の詳細な説明
本発明は、プラスチック、好ましくは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法に関する。また本発明は、鋳造物を製造する装置に関する。最後に本発明は、本発明に係る方法および装置に適用できる加熱可能な薄膜に関する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する通常の方法において、一般にプラスチックは、容易に変形する温度である第1温度になり、次に鋳造物に安定性を与える温度である第2温度になる。熱可塑性ポリマーから鋳造物を製造することに関して、後者は、例えば最初に融解温度より高い温度で溶解して熱可塑性ポリマーとなり、成形することが可能になる。鋳造過程の後に、ポリマーは例えば室温に冷却され、鋳造物に安定性が備わる。既知の方法としては、例えば真空成形がある。真空成形において多数のプラスチック層が、互いにいわゆるスタック状、または、積層板状に配置されており、加熱によって変形が可能になる。片側を真空にすることにより、加熱された積層板が相対的に温度の低い鋳型の表面へ引かれ、熱可塑性積層板は、冷却後、変形可能な段階において形成された形を維持する。既知の方法は頻繁に改良されているにもかかわらず、例えばダイアフラム成形またはゴム加圧といった他の関連する方法と同様に、真空ポンプには改善の余地がある。良好な機械的特性を得るために、とりわけ鋳造物の中において、積層板の異なる層がお互いに十分に結びつくことが望ましい。すなわち、全体が強化されることが望ましい。一般に、成形中に加圧加温状態で異なる層を強固にすることにより、このように鋳造物の中で十分に結合することが保障される。上記は繊維強化プラスチックの場合においても適用可能であり、繊維強化プラスチックにおいては、異なる層を強固にする必要があることに加えて、強化繊維に熱可塑性ポリマーを十分充填することも重要である。ここで、プラスチックの加熱方法がとても重要であることがわかるであろう。
EP0410599Aは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法について記載されている。この方法は、層が積み重ねられた積層板が2枚の薄膜の間に配置されている。全体の組み立て品は、加熱され、熱形成によって下方へ圧力がかかる。良く似た方法がClerico el al.の論文(「Tecnologie di formatura di composite a matrice termoplastica」in Interplastics 16 (1993))にも記載されている。この論文は、オートクレーブ内の2枚の薄膜の間の熱可塑性混合物を成形するための熱形成について記載されている。Figure 10からオートクレーブの内部の体積は積層物を加熱するための高温ガス(窒素または空気)によって加熱されることが明らかである。両方の方法では、熱形成薄膜は、加熱手段を含んでいない。
現在、熱可塑性ポリマーの加熱方法は、様々な方法が存在する。加熱する温度になっている接触板または接触鋳型を用いて、熱可塑性ポリマーを加熱する方法、または、加熱された空気または他のガスをオーブンの中に循環させることにより加熱する方法がとられるのが通常である。また、例えば赤外線放射物のようなエネルギーに富んだ放射源を利用することも可能である。圧力を発生させるために、例えば通常、プレス機または射出スクリューが利用される。また、多く利用される圧縮手段はオートクレーブである。オートクレーブは、おおむねオーブンと圧力容器とを組み合わせたものを備えている。成形される積層板が鋳型の上に掛けられ、その後全体が、オートクレーブの中に配置される。そして加熱した空気を充満させることにより、オートクレーブは加熱する。内部の圧力が増加するオートクレーブ内において空気を保持することにより、積層板が強化される。
上記の既知の方法は、時間が非常にかかるために大規模生産には向いていないという欠点がある。加熱、各層の接着、および、鋳造物の成形といった異なる工程に関する(非常に長い)サイクル時間は、主としてプラスチックを加熱および再冷却するために必要となる時間に依存する。
本発明は、その目的として、プラスチックから良好な機械的特性を示す鋳造物を製造するためのより効率的な方法を提供する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する本発明に係る方法は、この目的のために、次のような少なくとも複数の工程を有することを特徴としている。これらの工程は、積層板を成形するために少なくとも1つのプラスチックの層を積層する工程と、少なくとも2つの薄膜間に積層板を配置させる工程と、少なくとも1つの薄膜を加熱することにより、これらの工程に従って成形された組み立て品を第1温度にする工程と、このように形成した組み立て品を成形する工程とを含んでいる。
好ましくは多数の繊維強化プラスチックの層が積み重ねられた積層板を少なくとも2つの薄膜の間に配置し、次に統合熱によってこれらの薄膜のうち少なくとも1つを加熱することにより、既知の方法を用いた場合よりも、非常に効率的に積層板を加熱することができる。例えば既知のオートクレーブ法においてはオートクレーブの内部全体が目標とする第1温度にならなければならないが、加熱されるのは結局積層板だけである。他方、ゴム加圧を行っている間、プレスから離して配置されたオーブンの中で積層板が次第に加熱されるので、加熱した積層板をプレスに移さなければならない。本発明に係る方法にはこの欠点がない。本発明に係る方法のさらなる利点は、この方法に適した装置の部位のうち、プラスチックを変形可能にするために必要な部位だけが加熱されるので、ほとんどエネルギーを必要としないことにある。加熱可能な薄膜が比較的少量であるため、必要ならば本発明に係る方法を用いて急速に加熱することも可能になる。例えば、数秒以内に薄膜を200度以上にすることが可能である。
本発明に係る方法は、特にこのために開発された加熱可能な薄膜を利用する。本発明に係る加熱可能な薄膜は、発熱体を備えているという点に特徴があり、好ましくはこの目的に適した成形工具を用いて繊維強化プラスチックから鋳造物を製造するために、この薄膜を適用することができる。特定の実施形態は、発熱体として金属線を備えた薄膜を備えており、電流を供給することにより、後に目標とする温度に薄膜を加熱することができる。金属線に供給される電流の強さと金属線の抵抗とは、実質的に生成される熱を決定する。
加熱可能な薄膜の好ましい実施形態において、発熱体は芯線に巻かれた金属線を備えている。ここで金属線は、非常に細い、すなわち、直径の平均が0.15mm未満であることが好ましい。芯線のまわりにらせん状に金属線を巻く、または、より合わせることにより、直線にした時の長さが長い金属線を得ることができる。このようにして金属線の長さは、標準的には芯線の長さの1.5〜12倍になり、発熱体は伸縮性および弾力性を持つようになる。発熱体の中に利用される芯線は、いろいろな材料から構成されてもよい。しかし、除去することが比較的容易な材料を選択するのが都合がよい。これらに限られるわけではないが、例えば次に説明する複数の種類のポリマーから特に芯線にふさわしい材質を選択することができる。ポリビニールアルコール線は好ましくは熱湯に溶かすことにより、除去が比較的容易であるため、選択することができる。芯線を除去した後にらせん状の金属線が残り、適切なエラストマーマトリックスに金属線を組み込む、または、密閉することができ、例えば、ダウケミカルのライクラ、または、XLA弾性繊維といった弾性繊維、あるいは、弾性力のあるより糸、好ましくは非常に細い(好ましくは特性寸法が0.5mm〜3mmの間)弾性ゴムロープ、弾性ゴムコード、または、弾性ゴムホース、直径約0.7〜1.0mmのシリコンコード電流により金属線が加熱されると、溶解、または、少なくとも軟化し、これ以上伸縮に耐えることができなくなる溶解ポリマーの糸は特に適切である。そのようなポリマーの糸の適当な例としては、例えばEMS Chemieのポリアミド繊維Grilonがあり、上述したような水以外の溶剤に容易に溶ける糸であり、より合わせと、その後の編み合わせとの後、エラストマーマトリックスに密閉する前に、溶媒に溶けて除去される糸である。
本発明に係る加熱可能な薄膜の別の好ましい実施形態において、発熱体は、芯線に巻かれた金属線の編み込み繊維を備えている。編み込み繊維は、例えば、金属線を用いて芯線の周りに巻くことにより得ることができる。また、十分に信頼性をもって電流源に接触させるために、例えば銅線のような金属線が外側の両端に備えられる。
好ましくは横糸がらせん状に巻かれた金属線を有するこの編み込み繊維を、例えば天然ゴムまたはエラストマー、好ましくは、シリコンゴムといった耐熱弾性マトリックスに組み込むことにより、本発明に係る加熱可能な薄膜を得ることができる。変形状態における薄膜の予想される長さ(成形過程で薄膜を伸ばした後の長さ)よりもずっと長くなるように、縒り合せた金属線の伸長時(らせん形を伸ばした後)の長さを選択することは有利である。このようにすると、金属線および発熱体が常に影響を受けずに、加熱のための金属線として機能する。薄膜を均一に加熱することができるように、編み込み繊維は横糸の方向に1センチメートルあたり4本以上の糸を有することが望ましい。編み込み繊維の縦方向、いわゆる縦糸の方向に、弾性があり、電気的に加熱可能な金属線を配置することも可能である。目標となる鋳造物の最終的な形状のために、発熱体が例えば非常に細長く、および/または、異なる弾力性をもたなければならないので、薄膜上の電気抵抗をうまく分散できるようにするためには、これが望ましいかもしれない。
加熱可能な薄膜を製造する上述の方法に加えて、ロープ、帯、または紐に押し出された、例えば金属またはカーボンが充填されたシリコンゴムの化合物のような導電性および弾性のある芯線を、編み込み繊維および薄膜に組み込むことも可能である。決められた規定の電気抵抗を実現するために、この化合物を処理して直接、圧延箔若しくは光沢箔、および/または、圧延紙若しくは光沢紙を作ることも可能である。
上記から本発明は、決められた機械的特性を持つ加熱可能な薄膜に限定されないことは明らかであるが、加熱可能な薄膜は弾性をもつことが望ましい。この適用に関連して、弾性とは、薄膜が容易に伸縮できることを意味すると理解されている。従って本発明に係る薄膜は、好ましくは少なくとも100%、良好には少なくとも200%、最も良好には少なくとも400%の破断点伸びを持つ。上述したように、薄膜のマトリックス、および/または、それに結合される発熱体、および/または、その中に組み込まれる発電体を適切に選択することにより、このような弾性を得ることができる。
本発明に係る方法は、好ましくは少なくとも2つの薄膜を利用する。本発明に係る方法の好ましい実施形態において、薄膜の間に積層板を入れた後、少なくとも2つの薄膜の間を真空にする。少なくとも部分的に真空にすることにより、積層板とそのいずれか片側に位置する加熱可能な薄膜との接触が改善される。これにより、熱が薄膜から積層板にさらに容易に伝わる。また、積層板は真空により適切な位置に保たれる。このことは成形工具で鋳造物を変形する上で重要である。同じ理由により、積層板と薄膜との組み立て品の外側に過度の圧力をかけると有利である。
目標とする鋳造物に成形するために、金属またはゴムのオス型を利用し、スタックを圧縮してメス型の部分にすることができる。クランピングフレームを利用せずにこのような変形を行うことができる。変形中に伸縮することにより、クランピングフレーム、および/または、この目的のために備えられた鋳型の部分によって、スタックの端が少なくとも部分的に固定される。他の可能な変形工程にはダイアフラム成形がある。ダイアフラム成形では、スタックが端に沿って固定された箔の層に覆われる。これにはスタック自身が成形中に比較的容易に位置を変えることができるという利点がある。成形はスタックの片側の空気圧を減らす、または、増やすことにより行われる。空気の代わりに液体を適用してもよい。ここで箔(ダイアフラム)はプラスチックから製造することができる。薄い金属箔を用いることも可能である。本発明に係る方法は、成形工具が鋳型を備えていると同時に、第1温度に加熱した組み立て品が、適切な時間、鋳型の表面に圧縮されるという点に特徴があることが好ましい。特に有利な実施形態において、成形工具は鋳型が収納されるオートクレーブも備えており、組み立て品と鋳型の表面との間にある空気を少なくとも部分的に放出することにより、組み立て品が鋳型の表面に圧縮される。組み立て品と鋳型の表面との間の空間の位置にあるオートクレーブの壁の中にバルブを少なくともひとつ備えることにより、これを行うことができ、バルブを通して空気を外部に逃がすことができる。
本発明に係る方法は、原理的に任意の無作為のプラスチックを用いてできた鋳造物の製造に適応することができる。しかし、プラスチックの層のうち少なくとも1つの層が繊維強化熱可塑性ポリマーを有するという特徴を、上記方法が有すると有利である。本発明に係る方法に適した熱可塑性ポリマーの例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレン無水マレイン酸(SMA)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドブレンド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートといった熱可塑性ポリエステル、並びに、1つ以上の上記ポリマーの混合物及び共重合体がある。繊維強化熱可塑性ポリマーを使用する場合、上記方法において第1温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低ガラス転移温度より高くなることが望ましい。半結晶熱可塑性ポリマーを使用すると、第1温度が、熱可塑性ポリマーの融解温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低融解温度より高くなることが好ましい。上述のように第1温度を選択することにより、適切な短い時間で強化繊維を十分にプラスチックに注入することができる。さらに、積層板の層は十分に強固になる。より強固にするために、第2温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第2温度が最低ガラス転移温度より低いと都合が良い。必要ならば、プラスチック層の少なくとも1つが繊維強化熱硬化性ポリマーを含んだ積層板を作るために、本発明に係る方法を適用することもできる。その場合、第1温度は熱硬化性ポリマーの硬化温度よりも高い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第1温度は最低硬化温度より高いことが好ましい。この場合、第2温度は、熱硬化性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第2温度は最低ガラス転移温度より低いことが好ましい。
この適用において、第1温度および第2温度に言及すると、これは平均温度を意味すると理解されている。例えば、積層板を第1温度にすることについて言及すると、これは、積層板が平均して第1温度に達したが、局所的なばらつきは起こり得ることを意味すると理解されることは明らかであると思われる。同じことは成形工具が第2温度になる上記方法の工程にもあてはまる。ここで、平均的な第2温度とはあまり変わらないにせよ、局所的に異なる温度の部分が広がることも起こり得る。
適切な強化繊維には、例えば、亜麻、木材、及び、麻繊維といった天然繊維に加えて、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、例えばアラミド繊維、および、超高分子量ポリエチレン、または、ポリプロピレン繊維といった強化熱可塑性ポリマー繊維がある。別の実施形態のおいて、熱可塑性ポリマーの層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、及び/または、ポリブチレンテレフタレートといった、半延伸熱可塑性ポリマーの編み込み繊維を含んでいる。そのようなポリプロピレンの製品は、例えばCurvのブランド名でPropexから、及び、Pureのブランド名でLankhorst Indutechから商業的に入手できる。
繊維強化プラスチックの層は、最低2方向の実質的に直交する方向に伸びる実質的に連続した繊維(いわゆる等方位編み込み繊維)を含んでいることが好ましい。別の好ましい実施形態において、繊維層および/または繊維強化プラスチックの層は実質的に一方向に伸びる実質的に連続な繊維(いわゆるUD編み込み繊維)を有する。具体的にどの種類の編み込み繊維を選択するかは、様々な要素がある中で特に、編み込み繊維に必要とする機械的特性及び変形に依存する。本発明に係る方法の選択された実施形態は、この点でも重要になり得る。
また、本発明は、プラスチック、好ましくは、強化繊維プラスチックから鋳造物を製造する装置に関する。装置は少なくとも2つの薄膜の間に、少なくとも1つのプラスチック層の積層板を密閉する密閉手段と、少なくとも1つの薄膜を第1温度にするために、少なくとも1つの薄膜に配置された発熱体を含む第1加熱手段と、積層板を変形する成形工具と、積層板と少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮することを可能にする圧縮手段と、を備えている。
さらに本発明に係る装置の特定の実施形態は請求項14〜18に説明されている。
代表的な実施形態において、少なくとも1つの薄膜を第1温度にする、第1の加熱手段は電流生成部を備えている。積層板を変形する成形工具は、積層板を置くことができる鋳型を備えている。積層板および少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮状態にすることを可能にする圧縮手段は、圧力容器またはオートクレーブを備えている。
例えば第1加熱手段は、薄膜の発熱体を連結することが可能であり、電流を生成することが可能な電気加熱法を含むことができる。しかし、第1加熱手段は、例えば圧力容器に収納された電子レンジのような放射線源といった他の手段を含むことができる。そのような放射線源は、内部に入れられる導電性のある充填材と共に、薄膜を加熱するようにふるまう。
好ましい実施形態において、装置は成形工具を第2温度にする第2加熱手段を備えている。第2加熱手段は、例えば水やオイルといった適切な熱交換用の液体を鋳型に誘導することができるポンプ回路を備えてもよい。装置の好ましい実施形態において、第2加熱手段は冷却手段を兼ね備えてもよい。この適用に関連して、加熱という用語が冷却という意味を含むように広く解釈しなければならない。例えば、鋳造物が繊維強化熱可塑性ポリマーから製造される場合、第2温度は一般的に低く、好ましくは室温程度、良好には室温以下になる。これにより、この方法を実施する速さが速くなると同時に、鋳造物の機械的特性が高まる。
本発明に係る方法および装置は、付随する図を参照して以下において説明されている。図1は、本発明に係る装置の概略斜視図である。図2は、装置の動作を示す断面図である。図3は、本発明に係る別の実施形態の概略図である。
図1を参照すると、本発明に係る装置は、下部2、および、カバーの役割をする上部3からなる圧力容器またはオートクレーブ1を備えている。圧力容器1は、さらに耐久性のある密閉機構を備えている(図示せず)。圧力容器は原理的にどのような内圧にも適応するように作られている。圧力容器1は、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する上で通常かかる標準的な圧力、例えば、最小10バールの内圧に耐えることができることが好ましい。下部2および上部3はお互いに連結されており、例えば、ヒンジ6によって互いに連結されている支持梁4および5によって、互いに移動可能である。圧力容器を容易に開閉できるようにカバー3にハンドル7が備わっている。さらに、この実施形態において、圧力容器1は、2つの加熱可能な弾性のある薄膜8a、8bを備えており、成形される積層板が2つの弾性膜の間に配置される。上記で詳細に説明したように、薄膜8a、8bは、伸縮可能な発熱体を組み込むことができるゴム、および/または、エラストマーを備えていることが好ましい。加熱可能な薄膜8a、および/または、8bの伸縮性(弾性)は、好ましくは100%より大きく、良好には200%より大きく、最も良好には400%より大きい。これにより複雑な形態をした鋳造物の製造が可能になる。薄膜8a、8bの内部の発熱体は、組み込まれるゴム、および/または、エラストマーの素材よりも弾力性を持っていることが好ましい。これにより、加熱回路内部または加熱回路の特定部位の破損が防がれる。薄膜8a、8bの双方は、枠体を備えることができる。必要ならば枠体は、支持梁構造を軸にお互いに回転するようにして、圧力容器に連結することができる。薄膜の枠体は圧力容器1の密閉機構の一部を形成することができる。例えば、この目的のために圧力容器の両方の部品の内側に配置した周辺部の停止端に沿って、第1の薄膜8aと第2の薄膜8bとを、それぞれ下部2と圧縮容器1のカバー3とに入れることも可能である。圧力容器1または薄膜の枠体は、さらに周辺導管9を備えている。これによって2つの薄膜8a、8bの間を真空にすることができる。この目的のために、周辺導管9は連結部10を通じて真空ポンプ(図示せず)に連結されている。周辺導管は、例えば、圧力容器1の下部2の周辺端11に配置してもよい。周辺端11は、この目的のために周辺導管9を収納することができる収納部12を備えてもよい。(スタック)を変形するための積層板は、装置の使用中に周辺導管9の内部に位置している。周辺導管9は内側に小さな導入部13を備えており、導入部13は2つの薄膜8a、8bが互いの上に置かれた時(圧力容器1が閉じた時)に2つの薄膜8a、8bの間の空間に連結される。カバー3を閉じている間、および/または、カバー3を閉じた後に、2つの薄膜8a、8bの間の空気は、導入部13を通じて吸引して排出され、ここに少なくとも部分的に真空が作り出される。薄膜8a、8bを加熱するために、さらに装置は電気的な加熱手段(図示せず)を備えている。加熱手段は、適切な方法を用いて、電流の連結手段を通して加熱可能な薄膜8a、8bに連結されている。必要ならば、上部の薄膜8b、または、下部の薄膜8aのいずれか一方だけが、加熱回路を備えてもよいし、あるいは、電気的な加熱手段に連結してもよい。圧力容器1は、例えば下部2がさらに鋳型14を備えている(図2を参照)。強固にするために、この鋳型は、例えば砂、親水性の粒子、あるいは反作用力を作り出すことができる他の支持材によってできた支持層の上に置かれていることが好ましい。支持粒子の間の空間は、鋳型と薄膜との間の空気の除去を可能にするため、及び/または、鋳型と薄膜との間の空気を逃がすために、通気性を持つことが好ましい。さらに圧力容器は、下部2またはカバー3の中に安全バルブ16を備えてもよいし、使用中に薄膜8a、8bが鋳型14に押し付けられるときに超過気圧の空気を放出するバルブを備えてもよい。好ましい実施形態において、さらに上部のカバー3は、処理を目で監視することができるように1つ以上の窓を備えてもよい。さらに圧力容器は、加熱サイクル中に熱を適切に分散することができるようにするための1つ以上のファンを備えてもよい。加熱温度や薄膜の温度に加えて、本方法を実施中にスタックの温度を計測できるように、圧力容器の中に、1つ以上の赤外線センサーまたは他の温度計測センサーを配置することも可能である。好ましくはさらに内部に反射性をもった圧力容器に、適切な熱絶縁材を備えることも有利である。
図2を参照すると動作中には、複数の繊維強化熱可塑性ポリマー層のスタック100が下部の弾性のある薄膜8bの上に置かれている。必要であれば、例えば形状が特に重要でない鋳造物の場合、複数の薄膜および鋳造物の層を同時に積み重ねることができる。カバー3は閉じられ、下部2に固定され、積層板100はカバー3の中の薄膜8aと、薄膜8bとの間に入れられる。カバー3を閉じた後に1対の薄膜8aと薄膜8bとは、電気的な加熱装置に連結され、薄膜の間の加熱回路に電流を送ることにより加熱される。ここでスタックは、目標とする第1温度、好ましくは、関連する熱可塑性物質の融解温度または軟化温度より高い温度に加熱される。これによって、必要に応じて多数の層と共に積層板の層を変形し、互いに接着することが可能になる。また、下部の薄膜8bだけを加熱し、上部の薄膜8aを用いてスタックを覆うことが可能である。ここで当業者は、種々の変型形態が可能であることが理解できると思われる。図2bに示すように、スタックは薄膜8aと薄膜8bとの間に位置し、全体がほぼ第1温度に加熱される。圧力容器1および密閉空気110の温度は、例えば室温のように低温であることが好ましい。周辺導管13を通じて、積層板100および薄膜8a、8bの組み立て品は真空下に置かれ、2つの薄膜は互いに近づいて動き、積層板100は圧縮される。真空は、原理的に、薄膜の加熱前、加熱中、または、加熱後に行うことができる。例えば、十分な真空状態が作られた後にスタックを生成することが可能である。必要ならば、空気を圧力容器1の内部空間110に空気を吹き込むことにより、加熱サイクル中に容器1の中にあるスタック100の両側の圧力を増加させることができる。これにより、積層板をさらに圧縮することが可能になり、積層板がより強固になる。バルブ17を用いて、薄膜8a、8bの対と鋳型14との間にある空気111を放出することにより、次にスタックの変形が起こる。スタック100は下方に移動し、鋳型の上部/内部に垂れ、それによって図2cで示されるような鋳型の形を呈するようになる。下部の薄膜と、鋳型(の穴)または容器の下半部全体との間を真空にすることにより、変形過程が加速する、および/または、強化される。必要に応じて、変形中にもう一方(110)の圧力を増加させることできる。成形するための鋳型は、熱可塑性ポリマーが再結晶化する温度または凝固温度よりも冷たいため、熱可塑性物質/スタックは急速に冷えて目標の形になり、製造サイクルは事実上完了する。圧力容器が任意の希望する形を取ることができるということは、明らかであると思われる。異なる形をした圧力容器を備えた装置の別の実施形態が、例えば図3に示されている。
上述の説明により明らかになったであろうが、本発明に係る装置には、多くの利点がある。さらなる利点は、既知のオートクレーブと比較して購買コストが比較的低いことに関する。後者は、結局完全に加熱可能でなければならず、高圧に耐えることができなければならない。本発明に係る装置にはこの欠点がない。本発明に係る装置によって、短い製造サイクルを実現することができる。その理由は、本発明に係る装置が高速動作する開閉機構を備えておりサイクル間の間隔を短くすることができること、および、加熱可能な薄膜を使用しているためにスタックだけが加熱され、装置全体を加熱する必要がないことにある。さらに鋳造物の統合製造も可能であり、加熱ユニットから成形工具にスタックを移す必要もない。本発明に係る装置には、同一の機械設定で同じ位置から加熱と成形を行うことができるというさらなる利点がある。
上記装置は、その単純さにより、さらなる可能性をもたらす。例えば加圧状態でスタックを加熱することが可能である(真空圧および外部の陽性空気圧の両方が可能である)。上述したいわゆる自己強化プラスチックが適用されるときに、特有の利点が得られる。鋳型よりも低温になる前に加熱および変形を行っている間に、スタックをさらに伸縮させることが装置によって可能になるためである。
本発明に係るさらなる利点は、鋳造物の形を決める鋳型を比較的単純に具体化することができることである。鋳型の表面の品質は、主に薄膜によって決定されるため、必ずしも鋳型の表面をなめらかにしたり、または、よく磨いたりする必要がない。適切な薄膜を選択することにより、望ましい表面の品質をすぐに調節することができる。
本発明に係る方法を用いて得られる鋳造物は、例えば、建造物、建物、乗り物、船などのような、工業的な応用において、軽量の骨組みとして使用することができる。本発明に係る方法および装置の大きな利点は、そのような鋳造物を単純で効率的な方法により製造することができ、鋳造物が良好な機械的特性を示すことにある。
本発明に係る装置の概略斜視図である。 装置の動作を示す断面図である。 本発明に係る別の実施形態の概略図である。
発明の詳細な説明
本発明は、プラスチック、好ましくは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法に関する。また本発明は、鋳造物を製造する装置に関する。最後に本発明は、本発明に係る方法および装置に適用できる加熱可能な薄膜に関する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する通常の方法において、一般にプラスチックは、容易に変形する温度である第1温度になり、次に鋳造物に安定性を与える温度である第2温度になる。熱可塑性ポリマーから鋳造物を製造することに関して、後者は、例えば最初に融解温度より高い温度で溶解して熱可塑性ポリマーとなり、成形することが可能になる。鋳造過程の後に、ポリマーは例えば室温に冷却され、鋳造物に安定性が備わる。既知の方法としては、例えば真空成形がある。真空成形において多数のプラスチック層が、互いにいわゆるスタック状、または、積層板状に配置されており、加熱によって変形が可能になる。片側を真空にすることにより、加熱された積層板が相対的に温度の低い鋳型の表面へ引かれ、熱可塑性積層板は、冷却後、変形可能な段階において形成された形を維持する。既知の方法は頻繁に改良されているにもかかわらず、例えばダイアフラム成形またはゴム加圧といった他の関連する方法と同様に、真空ポンプには改善の余地がある。良好な機械的特性を得るために、とりわけ鋳造物の中において、積層板の異なる層がお互いに十分に結びつくことが望ましい。すなわち、全体が強化されることが望ましい。一般に、成形中に加圧加温状態で異なる層を強固にすることにより、このように鋳造物の中で十分に結合することが保障される。上記は繊維強化プラスチックの場合においても適用可能であり、繊維強化プラスチックにおいては、異なる層を強固にする必要があることに加えて、強化繊維に熱可塑性ポリマーを十分充填することも重要である。ここで、プラスチックの加熱方法がとても重要であることがわかるであろう。
EP0410599Aは、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法について記載されている。この方法は、層が積み重ねられた積層板が2枚の薄膜の間に配置されている。全体の組み立て品は、加熱され、熱形成によって下方へ圧力がかかる。良く似た方法がClerico el al.の論文(「Tecnologie di formatura di composite a matrice termoplastica」in Interplastics 16 (1993))にも記載されている。この論文は、オートクレーブ内の2枚の薄膜の間の熱可塑性混合物を成形するための熱形成について記載されている。Figure 10からオートクレーブの内部の体積は積層物を加熱するための高温ガス(窒素または空気)によって加熱されることが明らかである。両方の方法では、熱形成薄膜は、加熱手段を含んでいない。
現在、熱可塑性ポリマーの加熱方法は、様々な方法が存在する。加熱する温度になっている接触板または接触鋳型を用いて、熱可塑性ポリマーを加熱する方法、または、加熱された空気または他のガスをオーブンの中に循環させることにより加熱する方法がとられるのが通常である。また、例えば赤外線放射物のようなエネルギーに富んだ放射源を利用することも可能である。圧力を発生させるために、例えば通常、プレス機または射出スクリューが利用される。また、多く利用される圧縮手段はオートクレーブである。オートクレーブは、おおむねオーブンと圧力容器とを組み合わせたものを備えている。成形される積層板が鋳型の上に掛けられ、その後全体が、オートクレーブの中に配置される。そして加熱した空気を充満させることにより、オートクレーブは加熱する。内部の圧力が増加するオートクレーブ内において空気を保持することにより、積層板が強化される。
上記の既知の方法は、時間が非常にかかるために大規模生産には向いていないという欠点がある。加熱、各層の接着、および、鋳造物の成形といった異なる工程に関する(非常に長い)サイクル時間は、主としてプラスチックを加熱および再冷却するために必要となる時間に依存する。
本発明は、その目的として、プラスチックから良好な機械的特性を示す鋳造物を製造するためのより効率的な方法を提供する。
プラスチック、特に、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する本発明に係る方法は、この目的のために、次のような少なくとも複数の工程を有することを特徴としている。これらの工程は、積層板を成形するために少なくとも1つのプラスチックの層を積層する工程と、少なくとも2つの薄膜間に積層板を配置させる工程とを含み、少なくとも2つの薄膜のうち少なくとも一つは統合熱を備えており、さらに、少なくとも1つの薄膜を加熱することにより、これらの工程に従って成形された組み立て品を統合熱によって第1温度にする工程と、このように形成した組み立て品を成形する工程とを含んでいる。
好ましくは多数の繊維強化プラスチックの層が積み重ねられた積層板を少なくとも2つの薄膜の間に配置し、次に統合熱によってこれらの薄膜のうち少なくとも1つを加熱することにより、既知の方法を用いた場合よりも、非常に効率的に積層板を加熱することができる。例えば既知のオートクレーブ法においてはオートクレーブの内部全体が目標とする第1温度にならなければならないが、加熱されるのは結局積層板だけである。他方、ゴム加圧を行っている間、プレスから離して配置されたオーブンの中で積層板が次第に加熱されるので、加熱した積層板をプレスに移さなければならない。本発明に係る方法にはこの欠点がない。本発明に係る方法のさらなる利点は、この方法に適した装置の部位のうち、プラスチックを変形可能にするために必要な部位だけが加熱されるので、ほとんどエネルギーを必要としないことにある。加熱可能な薄膜が比較的少量であるため、必要ならば本発明に係る方法を用いて急速に加熱することも可能になる。例えば、数秒以内に薄膜を200度以上にすることが可能である。
本発明に係る方法は、特にこのために開発された加熱可能な薄膜を利用する。本発明に係る加熱可能な薄膜は、発熱体を備えているという点に特徴があり、好ましくはこの目的に適した成形工具を用いて繊維強化プラスチックから鋳造物を製造するために、この薄膜を適用することができる。特定の実施形態は、発熱体として金属線を備えた薄膜を備えており、電流を供給することにより、後に目標とする温度に薄膜を加熱することができる。金属線に供給される電流の強さと金属線の抵抗とは、実質的に生成される熱を決定する。
加熱可能な薄膜の好ましい実施形態において、発熱体は芯線に巻かれた金属線を備えている。ここで金属線は、非常に細い、すなわち、直径の平均が0.15mm未満であることが好ましい。芯線のまわりにらせん状に金属線を巻く、または、より合わせることにより、直線にした時の長さが長い金属線を得ることができる。このようにして金属線の長さは、標準的には芯線の長さの1.5〜12倍になり、発熱体は伸縮性および弾力性を持つようになる。発熱体の中に利用される芯線は、いろいろな材料から構成されてもよい。しかし、除去することが比較的容易な材料を選択するのが都合がよい。これらに限られるわけではないが、例えば次に説明する複数の種類のポリマーから特に芯線にふさわしい材質を選択することができる。ポリビニールアルコール線は好ましくは熱湯に溶かすことにより、除去が比較的容易であるため、選択することができる。芯線を除去した後にらせん状の金属線が残り、適切なエラストマーマトリックスに金属線を組み込む、または、密閉することができ、例えば、ダウケミカルのライクラ、または、XLA弾性繊維といった弾性繊維、あるいは、弾性力のあるより糸、好ましくは非常に細い(好ましくは特性寸法が0.5mm〜3mmの間)弾性ゴムロープ、弾性ゴムコード、または、弾性ゴムホース、直径約0.7〜1.0mmのシリコンコード電流により金属線が加熱されると、溶解、または、少なくとも軟化し、これ以上伸縮に耐えることができなくなる溶解ポリマーの糸は特に適切である。そのようなポリマーの糸の適当な例としては、例えばEMS Chemieのポリアミド繊維Grilonがあり、上述したような水以外の溶剤に容易に溶ける糸であり、より合わせと、その後の編み合わせとの後、エラストマーマトリックスに密閉する前に、溶媒に溶けて除去される糸である。
本発明に係る加熱可能な薄膜の別の好ましい実施形態において、発熱体は、芯線に巻かれた金属線の編み込み繊維を備えている。編み込み繊維は、例えば、金属線を用いて芯線の周りに巻くことにより得ることができる。また、十分に信頼性をもって電流源に接触させるために、例えば銅線のような金属線が外側の両端に備えられる。
好ましくは横糸がらせん状に巻かれた金属線を有するこの編み込み繊維を、例えば天然ゴムまたはエラストマー、好ましくは、シリコンゴムといった耐熱弾性マトリックスに組み込むことにより、本発明に係る加熱可能な薄膜を得ることができる。変形状態における薄膜の予想される長さ(成形過程で薄膜を伸ばした後の長さ)よりもずっと長くなるように、縒り合せた金属線の伸長時(らせん形を伸ばした後)の長さを選択することは有利である。このようにすると、金属線および発熱体が常に影響を受けずに、加熱のための金属線として機能する。薄膜を均一に加熱することができるように、編み込み繊維は横糸の方向に1センチメートルあたり4本以上の糸を有することが望ましい。編み込み繊維の縦方向、いわゆる縦糸の方向に、弾性があり、電気的に加熱可能な金属線を配置することも可能である。目標となる鋳造物の最終的な形状のために、発熱体が例えば非常に細長く、および/または、異なる弾力性をもたなければならないので、薄膜上の電気抵抗をうまく分散できるようにするためには、これが望ましいかもしれない。
加熱可能な薄膜を製造する上述の方法に加えて、ロープ、帯、または紐に押し出された、例えば金属またはカーボンが充填されたシリコンゴムの化合物のような導電性および弾性のある芯線を、編み込み繊維および薄膜に組み込むことも可能である。決められた規定の電気抵抗を実現するために、この化合物を処理して直接、圧延箔若しくは光沢箔、および/または、圧延紙若しくは光沢紙を作ることも可能である。
上記から本発明は、決められた機械的特性を持つ加熱可能な薄膜に限定されないことは明らかであるが、加熱可能な薄膜は弾性をもつことが望ましい。この適用に関連して、弾性とは、薄膜が容易に伸縮できることを意味すると理解されている。従って本発明に係る薄膜は、好ましくは少なくとも100%、良好には少なくとも200%、最も良好には少なくとも400%の破断点伸びを持つ。上述したように、薄膜のマトリックス、および/または、それに結合される発熱体、および/または、その中に組み込まれる発電体を適切に選択することにより、このような弾性を得ることができる。
本発明に係る方法は、好ましくは少なくとも2つの薄膜を利用する。本発明に係る方法の好ましい実施形態において、薄膜の間に積層板を入れた後、少なくとも2つの薄膜の間を真空にする。少なくとも部分的に真空にすることにより、積層板とそのいずれか片側に位置する加熱可能な薄膜との接触が改善される。これにより、熱が薄膜から積層板にさらに容易に伝わる。また、積層板は真空により適切な位置に保たれる。このことは成形工具で鋳造物を変形する上で重要である。同じ理由により、積層板と薄膜との組み立て品の外側に過度の圧力をかけると有利である。
目標とする鋳造物に成形するために、金属またはゴムのオス型を利用し、スタックを圧縮してメス型の部分にすることができる。クランピングフレームを利用せずにこのような変形を行うことができる。変形中に伸縮することにより、クランピングフレーム、および/または、この目的のために備えられた鋳型の部分によって、スタックの端が少なくとも部分的に固定される。他の可能な変形工程にはダイアフラム成形がある。ダイアフラム成形では、スタックが端に沿って固定された箔の層に覆われる。これにはスタック自身が成形中に比較的容易に位置を変えることができるという利点がある。成形はスタックの片側の空気圧を減らす、または、増やすことにより行われる。空気の代わりに液体を適用してもよい。ここで箔(ダイアフラム)はプラスチックから製造することができる。薄い金属箔を用いることも可能である。本発明に係る方法は、成形工具が鋳型を備えていると同時に、第1温度に加熱した組み立て品が、適切な時間、鋳型の表面に圧縮されるという点に特徴があることが好ましい。特に有利な実施形態において、成形工具は鋳型が収納されるオートクレーブも備えており、組み立て品と鋳型の表面との間にある空気を少なくとも部分的に放出することにより、組み立て品が鋳型の表面に圧縮される。組み立て品と鋳型の表面との間の空間の位置にあるオートクレーブの壁の中にバルブを少なくともひとつ備えることにより、これを行うことができ、バルブを通して空気を外部に逃がすことができる。
本発明に係る方法は、原理的に任意の無作為のプラスチックを用いてできた鋳造物の製造に適応することができる。しかし、プラスチックの層のうち少なくとも1つの層が繊維強化熱可塑性ポリマーを有するという特徴を、上記方法が有すると有利である。本発明に係る方法に適した熱可塑性ポリマーの例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレン無水マレイン酸(SMA)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドブレンド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートといった熱可塑性ポリエステル、並びに、1つ以上の上記ポリマーの混合物及び共重合体がある。繊維強化熱可塑性ポリマーを使用する場合、上記方法において第1温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低ガラス転移温度より高くなることが望ましい。半結晶熱可塑性ポリマーを使用すると、第1温度が、熱可塑性ポリマーの融解温度より高くなる、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第1温度が最低融解温度より高くなることが好ましい。上述のように第1温度を選択することにより、適切な短い時間で強化繊維を十分にプラスチックに注入することができる。さらに、積層板の層は十分に強固になる。より強固にするために、第2温度が熱可塑性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱可塑性ポリマーを使用している場合には第2温度が最低ガラス転移温度より低いと都合が良い。必要ならば、プラスチック層の少なくとも1つが繊維強化熱硬化性ポリマーを含んだ積層板を作るために、本発明に係る方法を適用することもできる。その場合、第1温度は熱硬化性ポリマーの硬化温度よりも高い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第1温度は最低硬化温度より高いことが好ましい。この場合、第2温度は、熱硬化性ポリマーのガラス転移温度より低い、または、複数の熱硬化性ポリマーを使用する場合には第2温度は最低ガラス転移温度より低いことが好ましい。
この適用において、第1温度および第2温度に言及すると、これは平均温度を意味すると理解されている。例えば、積層板を第1温度にすることについて言及すると、これは、積層板が平均して第1温度に達したが、局所的なばらつきは起こり得ることを意味すると理解されることは明らかであると思われる。同じことは成形工具が第2温度になる上記方法の工程にもあてはまる。ここで、平均的な第2温度とはあまり変わらないにせよ、局所的に異なる温度の部分が広がることも起こり得る。
適切な強化繊維には、例えば、亜麻、木材、及び、麻繊維といった天然繊維に加えて、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、例えばアラミド繊維、および、超高分子量ポリエチレン、または、ポリプロピレン繊維といった強化熱可塑性ポリマー繊維がある。別の実施形態のおいて、熱可塑性ポリマーの層は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、及び/または、ポリブチレンテレフタレートといった、半延伸熱可塑性ポリマーの編み込み繊維を含んでいる。そのようなポリプロピレンの製品は、例えばCurvのブランド名でPropexから、及び、Pureのブランド名でLankhorst Indutechから商業的に入手できる。
繊維強化プラスチックの層は、最低2方向の実質的に直交する方向に伸びる実質的に連続した繊維(いわゆる等方位編み込み繊維)を含んでいることが好ましい。別の好ましい実施形態において、繊維層および/または繊維強化プラスチックの層は実質的に一方向に伸びる実質的に連続な繊維(いわゆるUD編み込み繊維)を有する。具体的にどの種類の編み込み繊維を選択するかは、様々な要素がある中で特に、編み込み繊維に必要とする機械的特性及び変形に依存する。本発明に係る方法の選択された実施形態は、この点でも重要になり得る。
また、本発明は、プラスチック、好ましくは、強化繊維プラスチックから鋳造物を製造する装置に関する。装置は少なくとも2つの薄膜の間に、少なくとも1つのプラスチック層の積層板を密閉する密閉手段と、少なくとも1つの薄膜を第1温度にするために、少なくとも1つの薄膜に配置された発熱体を含む第1加熱手段と、積層板を変形する成形工具と、積層板と少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮することを可能にする圧縮手段と、を備えている。
さらに本発明に係る装置の特定の実施形態は請求項14〜18に説明されている。
代表的な実施形態において、少なくとも1つの薄膜を第1温度にする、第1の加熱手段は電流生成部を備えている。積層板を変形する成形工具は、積層板を置くことができる鋳型を備えている。積層板および少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮状態にすることを可能にする圧縮手段は、圧力容器またはオートクレーブを備えている。
例えば第1加熱手段は、薄膜の発熱体を連結することが可能であり、電流を生成することが可能な電気加熱法を含むことができる。しかし、第1加熱手段は、例えば圧力容器に収納された電子レンジのような放射線源といった他の手段を含むことができる。そのような放射線源は、内部に入れられる導電性のある充填材と共に、薄膜を加熱するようにふるまう。
好ましい実施形態において、装置は成形工具を第2温度にする第2加熱手段を備えている。第2加熱手段は、例えば水やオイルといった適切な熱交換用の液体を鋳型に誘導することができるポンプ回路を備えてもよい。装置の好ましい実施形態において、第2加熱手段は冷却手段を兼ね備えてもよい。この適用に関連して、加熱という用語が冷却という意味を含むように広く解釈しなければならない。例えば、鋳造物が繊維強化熱可塑性ポリマーから製造される場合、第2温度は一般的に低く、好ましくは室温程度、良好には室温以下になる。これにより、この方法を実施する速さが速くなると同時に、鋳造物の機械的特性が高まる。
本発明に係る方法および装置は、付随する図を参照して以下において説明されている。図1は、本発明に係る装置の概略斜視図である。図2は、装置の動作を示す断面図である。図3は、本発明に係る別の実施形態の概略図である。
図1を参照すると、本発明に係る装置は、下部2、および、カバーの役割をする上部3からなる圧力容器またはオートクレーブ1を備えている。圧力容器1は、さらに耐久性のある密閉機構を備えている(図示せず)。圧力容器は原理的にどのような内圧にも適応するように作られている。圧力容器1は、繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する上で通常かかる標準的な圧力、例えば、最小10バールの内圧に耐えることができることが好ましい。下部2および上部3はお互いに連結されており、例えば、ヒンジ6によって互いに連結されている支持梁4および5によって、互いに移動可能である。圧力容器を容易に開閉できるようにカバー3にハンドル7が備わっている。さらに、この実施形態において、圧力容器1は、2つの加熱可能な弾性のある薄膜8a、8bを備えており、成形される積層板が2つの弾性膜の間に配置される。上記で詳細に説明したように、薄膜8a、8bは、伸縮可能な発熱体を組み込むことができるゴム、および/または、エラストマーを備えていることが好ましい。加熱可能な薄膜8a、および/または、8bの伸縮性(弾性)は、好ましくは100%より大きく、良好には200%より大きく、最も良好には400%より大きい。これにより複雑な形態をした鋳造物の製造が可能になる。薄膜8a、8bの内部の発熱体は、組み込まれるゴム、および/または、エラストマーの素材よりも弾力性を持っていることが好ましい。これにより、加熱回路内部または加熱回路の特定部位の破損が防がれる。薄膜8a、8bの双方は、枠体を備えることができる。必要ならば枠体は、支持梁構造を軸にお互いに回転するようにして、圧力容器に連結することができる。薄膜の枠体は圧力容器1の密閉機構の一部を形成することができる。例えば、この目的のために圧力容器の両方の部品の内側に配置した周辺部の停止端に沿って、第1の薄膜8aと第2の薄膜8bとを、それぞれ下部2と圧縮容器1のカバー3とに入れることも可能である。圧力容器1または薄膜の枠体は、さらに周辺導管9を備えている。これによって2つの薄膜8a、8bの間を真空にすることができる。この目的のために、周辺導管9は連結部10を通じて真空ポンプ(図示せず)に連結されている。周辺導管は、例えば、圧力容器1の下部2の周辺端11に配置してもよい。周辺端11は、この目的のために周辺導管9を収納することができる収納部12を備えてもよい。(スタック)を変形するための積層板は、装置の使用中に周辺導管9の内部に位置している。周辺導管9は内側に小さな導入部13を備えており、導入部13は2つの薄膜8a、8bが互いの上に置かれた時(圧力容器1が閉じた時)に2つの薄膜8a、8bの間の空間に連結される。カバー3を閉じている間、および/または、カバー3を閉じた後に、2つの薄膜8a、8bの間の空気は、導入部13を通じて吸引して排出され、ここに少なくとも部分的に真空が作り出される。薄膜8a、8bを加熱するために、さらに装置は電気的な加熱手段(図示せず)を備えている。加熱手段は、適切な方法を用いて、電流の連結手段を通して加熱可能な薄膜8a、8bに連結されている。必要ならば、上部の薄膜8b、または、下部の薄膜8aのいずれか一方だけが、加熱回路を備えてもよいし、あるいは、電気的な加熱手段に連結してもよい。圧力容器1は、例えば下部2がさらに鋳型14を備えている(図2を参照)。強固にするために、この鋳型は、例えば砂、親水性の粒子、あるいは反作用力を作り出すことができる他の支持材によってできた支持層の上に置かれていることが好ましい。支持粒子の間の空間は、鋳型と薄膜との間の空気の除去を可能にするため、及び/または、鋳型と薄膜との間の空気を逃がすために、通気性を持つことが好ましい。さらに圧力容器は、下部2またはカバー3の中に安全バルブ16を備えてもよいし、使用中に薄膜8a、8bが鋳型14に押し付けられるときに超過気圧の空気を放出するバルブを備えてもよい。好ましい実施形態において、さらに上部のカバー3は、処理を目で監視することができるように1つ以上の窓を備えてもよい。さらに圧力容器は、加熱サイクル中に熱を適切に分散することができるようにするための1つ以上のファンを備えてもよい。加熱温度や薄膜の温度に加えて、本方法を実施中にスタックの温度を計測できるように、圧力容器の中に、1つ以上の赤外線センサーまたは他の温度計測センサーを配置することも可能である。好ましくはさらに内部に反射性をもった圧力容器に、適切な熱絶縁材を備えることも有利である。
図2を参照すると動作中には、複数の繊維強化熱可塑性ポリマー層のスタック100が下部の弾性のある薄膜8bの上に置かれている。必要であれば、例えば形状が特に重要でない鋳造物の場合、複数の薄膜および鋳造物の層を同時に積み重ねることができる。カバー3は閉じられ、下部2に固定され、積層板100はカバー3の中の薄膜8aと、薄膜8bとの間に入れられる。カバー3を閉じた後に1対の薄膜8aと薄膜8bとは、電気的な加熱装置に連結され、薄膜の間の加熱回路に電流を送ることにより加熱される。ここでスタックは、目標とする第1温度、好ましくは、関連する熱可塑性物質の融解温度または軟化温度より高い温度に加熱される。これによって、必要に応じて多数の層と共に積層板の層を変形し、互いに接着することが可能になる。また、下部の薄膜8bだけを加熱し、上部の薄膜8aを用いてスタックを覆うことが可能である。ここで当業者は、種々の変型形態が可能であることが理解できると思われる。図2bに示すように、スタックは薄膜8aと薄膜8bとの間に位置し、全体がほぼ第1温度に加熱される。圧力容器1および密閉空気110の温度は、例えば室温のように低温であることが好ましい。周辺導管13を通じて、積層板100および薄膜8a、8bの組み立て品は真空下に置かれ、2つの薄膜は互いに近づいて動き、積層板100は圧縮される。真空は、原理的に、薄膜の加熱前、加熱中、または、加熱後に行うことができる。例えば、十分な真空状態が作られた後にスタックを生成することが可能である。必要ならば、空気を圧力容器1の内部空間110に空気を吹き込むことにより、加熱サイクル中に容器1の中にあるスタック100の両側の圧力を増加させることができる。これにより、積層板をさらに圧縮することが可能になり、積層板がより強固になる。バルブ17を用いて、薄膜8a、8bの対と鋳型14との間にある空気111を放出することにより、次にスタックの変形が起こる。スタック100は下方に移動し、鋳型の上部/内部に垂れ、それによって図2cで示されるような鋳型の形を呈するようになる。下部の薄膜と、鋳型(の穴)または容器の下半部全体との間を真空にすることにより、変形過程が加速する、および/または、強化される。必要に応じて、変形中にもう一方(110)の圧力を増加させることできる。成形するための鋳型は、熱可塑性ポリマーが再結晶化する温度または凝固温度よりも冷たいため、熱可塑性物質/スタックは急速に冷えて目標の形になり、製造サイクルは事実上完了する。圧力容器が任意の希望する形を取ることができるということは、明らかであると思われる。異なる形をした圧力容器を備えた装置の別の実施形態が、例えば図3に示されている。
上述の説明により明らかになったであろうが、本発明に係る装置には、多くの利点がある。さらなる利点は、既知のオートクレーブと比較して購買コストが比較的低いことに関する。後者は、結局完全に加熱可能でなければならず、高圧に耐えることができなければならない。本発明に係る装置にはこの欠点がない。本発明に係る装置によって、短い製造サイクルを実現することができる。その理由は、本発明に係る装置が高速動作する開閉機構を備えておりサイクル間の間隔を短くすることができること、および、加熱可能な薄膜を使用しているためにスタックだけが加熱され、装置全体を加熱する必要がないことにある。さらに鋳造物の統合製造も可能であり、加熱ユニットから成形工具にスタックを移す必要もない。本発明に係る装置には、同一の機械設定で同じ位置から加熱と成形を行うことができるというさらなる利点がある。
上記装置は、その単純さにより、さらなる可能性をもたらす。例えば加圧状態でスタックを加熱することが可能である(真空圧および外部の陽性空気圧の両方が可能である)。上述したいわゆる自己強化プラスチックが適用されるときに、特有の利点が得られる。鋳型よりも低温になる前に加熱および変形を行っている間に、スタックをさらに伸縮させることが装置によって可能になるためである。
本発明に係るさらなる利点は、鋳造物の形を決める鋳型を比較的単純に具体化することができることである。鋳型の表面の品質は、主に薄膜によって決定されるため、必ずしも鋳型の表面をなめらかにしたり、または、よく磨いたりする必要がない。適切な薄膜を選択することにより、望ましい表面の品質をすぐに調節することができる。
本発明に係る方法を用いて得られる鋳造物は、例えば、建造物、建物、乗り物、船などのような、工業的な応用において、軽量の骨組みとして使用することができる。本発明に係る方法および装置の大きな利点は、そのような鋳造物を単純で効率的な方法により製造することができ、鋳造物が良好な機械的特性を示すことにある。
本発明に係る装置の概略斜視図である。 装置の動作を示す断面図である。 本発明に係る別の実施形態の概略図である。

Claims (25)

  1. プラスチック、好ましくは繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する方法であって、少なくとも、
    a.積層板を形成するために少なくとも1つのプラスチック層を積層する工程と、
    b.少なくとも2つの薄膜の間に積層板を配置させる工程と、
    c.このように形成した組み立て品を、少なくとも1つの薄膜を加熱することによって第1温度にする工程と、
    d.第2の温度にされた成形工具を使用することによって組み立て品を形成する工程と、を含むことを特徴とする、方法。
  2. 少なくとも2つの薄膜の間に積層板を配置させた後に真空にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 組み立て品の外側に過度の圧力をかけることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも2つの薄膜は互いにクランピングフレームに収容され、
    クランピングフレームは、共通の側面の周りを回転可能であり、クランピングフレーム間に配置され、互いにクランピングフレームが回転して移動し、スタックの密閉が起こることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の、方法。
  5. 成形工具は、鋳型を備えており、
    第1の温度まで加熱された組み立て品は、所望の時間、鋳型の表面に対して圧縮されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 成形工具は、鋳型が収納されるオートクレーブを備えており、
    組み立て品は、組み立て品と鋳型の表面との間に少なくとも部分的に所望の空気を放出することによって鋳型の表面に対して圧縮されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. プラスチック層の少なくとも1つは、繊維強化熱可塑性ポリマーを備えていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第1温度は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度よりも高いか、または、複数の熱可塑性ポリマーを用いた場合の最低ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 第1温度は、熱可塑性ポリマーの融解温度よりも高いか、または、複数の熱可塑性ポリマーを用いた場合の最低融解温度よりも低いことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
  10. 第2温度は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度よりも低いか、または、複数の熱可塑性ポリマーを用いた場合の最低ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. プラスチック層の少なくとも1つは、繊維強化熱硬化性ポリマーであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第1温度は、熱硬化性ポリマーの硬化温度よりも高いか、または、複数の熱硬化性ポリマーを用いた場合の最低硬化温度よりも高いことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 第2温度は、熱硬化性ポリマーのガラス転移温度よりも低いか、または、複数の熱硬化性ポリマーを用いた場合の最低ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. プラスチック、好ましくは繊維強化プラスチックから鋳造物を製造する装置であって、少なくとも、
    a.少なくとも2つの薄膜の間に少なくとも1つのプラスチック層の積層板を入れる密閉手段と、
    b.少なくとも1つの薄膜を第1温度にする第1加熱手段と、
    c.積層板を変形させるための成形工具と、
    d.積層板および少なくとも2つの薄膜の組み立て品を圧縮な圧縮手段と、を備えていることを特徴とする、装置。
  15. 少なくとも2つの薄膜の間を真空にする手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
  16. 第1加熱手段は、少なくとも1つの薄膜に配された電気的に加熱可能な発熱体と、該発熱体に接続された電流生成部と、を備えていることを特徴とする、請求項14または15に記載の装置。
  17. 成形工具を第2温度にする第2加熱手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 薄膜を間に収容するクランピングフレームの組み立て品をさらに備えており、クランピングフレームは共通の側面を中心に回転可能であることを特徴とする、請求項14から17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 圧縮手段は、圧力を増加させるために空気を供給可能なオートクレーブを備えており、オートクレーブは、オートクレーブから空気を逃がすための少なくとも1つのバルブを備えていることを特徴とする、請求項14から18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 薄膜は、発熱体を備えていることを特徴とする、目的のために適した成形工具を用いて繊維強化プラスチックから鋳造物を製造するための加熱可能な薄膜。
  21. 薄膜は、伸縮することを特徴とする、請求項16に記載の加熱可能な薄膜。
  22. 発熱体は、金属線を備えていることを特徴とする、請求項20または21に記載の加熱可能な薄膜。
  23. 薄膜は、電気的に導電性のエストラマー化合物を備えていることを特徴とする、請求項20または21に記載の加熱可能な薄膜。
  24. 発熱体は、芯線の周りに巻きついた金属線を備えていることを特徴とする請求項20から23のいずれか1項に記載の加熱可能な薄膜。
  25. 芯線の周りに巻きついた金属線の編み込み繊維を備えていることを特徴とする、請求項20から24のいずれか1項に記載の加熱可能な薄膜。
JP2008520205A 2005-07-08 2006-07-05 プラスチックから鋳造物を製造する方法および装置 Pending JP2009500202A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NL1029471A NL1029471C2 (nl) 2005-07-08 2005-07-08 Werkwijze en inrichting voor het vervaardigen van een vormdeel uit een kunststof.
NL1029471 2005-07-08
PCT/NL2006/050165 WO2007043876A1 (en) 2005-07-08 2006-07-05 Method and device for manufacturing a moulding from a plastic

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009500202A true JP2009500202A (ja) 2009-01-08

Family

ID=35841445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008520205A Pending JP2009500202A (ja) 2005-07-08 2006-07-05 プラスチックから鋳造物を製造する方法および装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20090139642A1 (ja)
EP (1) EP1912778B1 (ja)
JP (1) JP2009500202A (ja)
AT (1) ATE481225T1 (ja)
CA (1) CA2614642A1 (ja)
DE (1) DE602006016959D1 (ja)
NL (1) NL1029471C2 (ja)
WO (1) WO2007043876A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508662A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 アイキュー テック スウィツァランド ゲーエムベーハー 成形された複合アセンブリ及びその製造方法
JP2018531168A (ja) * 2015-10-20 2018-10-25 ジームペルカンプ・マシーネン−ウント−アンラーゲンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 繊維複合材料から成る部品を製造するための方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITVI20060032A1 (it) * 2006-01-31 2007-08-01 Selle Royal Spa Metodo per la realizzazione di supporti elastici integrali
FR2915128B1 (fr) * 2007-04-23 2016-08-05 Cie Europeenne D'etude Et De Rech De Dispositifs Pour L'implantation Par Laparoscopie Procede de formage d'une feuille souple en elastomere ou en matiere plastique et dispositif correspondant
US8876999B2 (en) * 2007-06-12 2014-11-04 The Boeing Company Flexible shape low volume autoclave
US8910688B2 (en) 2007-06-12 2014-12-16 The Boeing Company Low volume autoclave having configurable shape
EP2321112A1 (en) * 2008-07-31 2011-05-18 Mei S.R.L. Procedure and equipment for making glass frames and glass frame obtained therewith
DE102011115049B4 (de) * 2010-11-10 2015-04-09 Piekenbrink Composite Gmbh Beheizbare Vakuumhauben-Vorrichtung
DE102015010000B4 (de) * 2015-07-31 2018-01-04 Diehl Aircabin Gmbh Werkzeugvorrichtung zur Fertigung von Bauteilen sowie Verfahren zur Fertigung der Werkzeugvorrichtung
EP3688070A1 (en) * 2017-09-26 2020-08-05 INEOS Styrolution Group GmbH Molded body and process for producing the same
CN108032535B (zh) * 2017-12-04 2020-01-14 中航复合材料有限责任公司 一种用于成型闭角结构复合材料零件的压力垫
GB2572424B (en) 2018-03-29 2021-12-29 Mclaren Automotive Ltd Fibre flattening
CN109822940B (zh) * 2019-01-17 2021-01-01 广联航空工业股份有限公司 一种利用整体成型模具制备复合材料油箱的方法
GB2586219B (en) * 2019-08-02 2022-01-05 Mclaren Automotive Ltd Preform heating
US20240300195A1 (en) * 2023-03-08 2024-09-12 Spirit Aerosystems, Inc. Method of forming composites by joule heating of enveloping metallic sheets

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5149271A (ja) * 1974-10-26 1976-04-28 Yowa Kogyo Kk Hariawasesetsuchakuseikeisochi
JPS56101830A (en) * 1980-01-04 1981-08-14 Messerschmitt Boelkow Blohm Manufacture of fiber reinforcing plastic structure
WO1989008542A1 (en) * 1988-03-18 1989-09-21 Takai International Yacht Design Incorporated Molding method and apparatus for laminated molded article
JPH01275030A (ja) * 1988-04-27 1989-11-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱可塑性樹脂系複合材料の簡易成形法
JPH0327926A (ja) * 1988-05-10 1991-02-06 Imperial Chem Ind Plc <Ici> 熱成形可能な材料のブランクを形状化するための方法
JPH03142223A (ja) * 1989-07-24 1991-06-18 Imperial Chem Ind Plc <Ici> 熱成形性複合材料の成形方法
WO1999025515A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Donald John Mccormack Vacuum press for pressing thermoplastic membrane onto an article
JP2000043047A (ja) * 1998-07-28 2000-02-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの加硫方法、加硫装置及びそれを用いて加硫されたタイヤ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1238186B (de) * 1961-03-29 1967-04-06 Ford Werke Ag Vorrichtung zum Verformen von luftdurchlaessigem, plattenfoermigem Fasermaterial
US3964958A (en) * 1973-01-24 1976-06-22 Johnston Orin B Heat bonding device
US4078962A (en) * 1976-11-05 1978-03-14 Seal Incorporated Vacuum press
US6110321A (en) * 1997-02-28 2000-08-29 General Electric Company Method for sealing an ultracapacitor, and related articles

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5149271A (ja) * 1974-10-26 1976-04-28 Yowa Kogyo Kk Hariawasesetsuchakuseikeisochi
JPS56101830A (en) * 1980-01-04 1981-08-14 Messerschmitt Boelkow Blohm Manufacture of fiber reinforcing plastic structure
WO1989008542A1 (en) * 1988-03-18 1989-09-21 Takai International Yacht Design Incorporated Molding method and apparatus for laminated molded article
JPH01275030A (ja) * 1988-04-27 1989-11-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱可塑性樹脂系複合材料の簡易成形法
JPH0327926A (ja) * 1988-05-10 1991-02-06 Imperial Chem Ind Plc <Ici> 熱成形可能な材料のブランクを形状化するための方法
JPH03142223A (ja) * 1989-07-24 1991-06-18 Imperial Chem Ind Plc <Ici> 熱成形性複合材料の成形方法
WO1999025515A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Donald John Mccormack Vacuum press for pressing thermoplastic membrane onto an article
JP2000043047A (ja) * 1998-07-28 2000-02-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの加硫方法、加硫装置及びそれを用いて加硫されたタイヤ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508662A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 アイキュー テック スウィツァランド ゲーエムベーハー 成形された複合アセンブリ及びその製造方法
JP2018531168A (ja) * 2015-10-20 2018-10-25 ジームペルカンプ・マシーネン−ウント−アンラーゲンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 繊維複合材料から成る部品を製造するための方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE481225T1 (de) 2010-10-15
CA2614642A1 (en) 2007-04-19
DE602006016959D1 (de) 2010-10-28
EP1912778A1 (en) 2008-04-23
US20090139642A1 (en) 2009-06-04
EP1912778B1 (en) 2010-09-15
NL1029471C2 (nl) 2007-01-09
WO2007043876A1 (en) 2007-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009500202A (ja) プラスチックから鋳造物を製造する方法および装置
EP2070678B1 (en) Process for the production of preforms and fiber-reinforced plastics with the mold
CN112166282B (zh) 具有增强内衬的复合材料压力容器及其制造方法
US20140374950A1 (en) Process for the rapid fabrication of composite gas cylinders and related shapes
EP0415207B1 (en) Process for producing hollow article of fiber-reinforced thermoplastic resin
US5418035A (en) Thermoplastic composite fabrics and formed article produced therefrom
EP3533580A1 (en) Method for manufacturing fiber reinforced plastic molded body
US8932421B2 (en) Method of molding fiber-reinforced plastic hollow part
JP2007118598A (ja) プリフォームの製造方法および製造装置
JP2008254425A (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法
JP2023158195A5 (ja)
JP7382117B2 (ja) プリフォーム賦形装置、プリフォーム賦形方法及び複合材成形方法
EP4007693A1 (en) Preform heating
KR102218633B1 (ko) 복합 재료 성형물 제조용 성형형 및 복합 재료 성형물의 제조 방법
KR101278528B1 (ko) 점증 압력 수지 이송 성형에 의한 중공 복합재료 구조재 및 그 제조 방법
US5851619A (en) Laminated molded article and its production method
JPWO2014115668A1 (ja) 中空成形品の成形方法および繊維強化プラスチックの製造方法
JP4370797B2 (ja) Frp製薄板の製造方法
WO2017061046A1 (ja) 繊維強化複合部材の成形装置
JPH074878B2 (ja) 繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方法
JP2008246675A (ja) Frp中空成形品の内圧成形法
WO1990009272A1 (en) Production of hollow article of fiber reinforced thermoplastic resin
JP2004346190A (ja) プリプレグ及び繊維強化樹脂複合材料
JP2979635B2 (ja) 熱可塑性コンポジット内圧成形法
WO2023182258A1 (ja) リブ補強成形体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090701

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111011

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120306