JPH074878B2 - 繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方法 - Google Patents

繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方法

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JPH074878B2
JPH074878B2 JP2503370A JP50337090A JPH074878B2 JP H074878 B2 JPH074878 B2 JP H074878B2 JP 2503370 A JP2503370 A JP 2503370A JP 50337090 A JP50337090 A JP 50337090A JP H074878 B2 JPH074878 B2 JP H074878B2
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thermoplastic resin
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレ
グを使用した繊維補強熱可塑性樹脂中空体(例えば、丸
パイプ、楕円パイプ、角パイプ等)の製造方法に関す
る。連続繊維で補強された熱可塑性樹脂による複合材料
は、高い比強度、高い比剛性ならびに高い靱性などを有
するため主として宇宙・航空分野での利用が進められて
いる。繊維補強熱可塑性樹脂中空体は、飛翔体の胴体な
どの単殻構造体などのトルクチューブ、圧力容器、パイ
プ配管、トラス構造体などへの利用が可能である。
背景技術 従来、連続繊維で補強された樹脂中空体の製造法とし
て、その連続繊維が樹脂マトリックス中に含浸された帯
状のプリプレグを金属製等のマンドレルに巻き付けるワ
インディング法がある。このワインディング法により中
空体を製造する場合、マトリックスが熱硬化性樹脂であ
るプリプレグでは、それ自体が室温においてタック性で
自己粘着性を有し、かつ可塑性を有しているので、マン
ドレルにボイドの形成を避けながら緊密に巻回すること
ができるため、生産性に大きな支障を生ずることはなか
った。
しかし、熱硬化性樹脂をマトリックスとするプリプレグ
(以下、熱可塑性樹脂プリプレグという)は、室温にお
いてタック性や可塑性がないばかりでなく、薄いシート
状の形態にしても繊維で補強された硬い板状物に変わり
はないため剛性が高い。このため、熱可塑性樹脂プリプ
レグは単にマンドレルに巻き付けただけではマンドレル
上に仮止めすることができない。そこで、熱可塑性樹脂
プリプレレグをマンドレルに巻き付ける前に、ローカル
ヒート装置により熱可塑性樹脂プリプレグを局所加熱す
る必要がある。すなわち、熱可塑性樹脂プリプレグのマ
ンドレルへの巻き付けはじめ箇所をホットスポット域と
して、このホットスポット域をローカルヒート装置で加
熱しながら巻き付けている。換言すると、ホットスポッ
ト域で熱可塑性樹脂プリプレグを可塑化してその域にタ
ック性を付与し、さらに巻き付けプライ間からボイドを
除きながら熱可塑性樹脂プリプレグをマンドレルに巻き
付ける必要があったのである。したがって、巻き付け場
所の移動と連携させてホットスポット域を移動させなく
てはならないため、ローカルヒート装置は複雑かつ高価
な装置とならざるを得なかった。
さらに、熱可塑性樹脂プリプレグの熱可塑性樹脂をその
可塑化温度まで上昇させるにはホットスポット域内部で
の熱の滞留時間をかなりかけてホットスポット域を加熱
することになるため、マンドレルへの熱可塑性樹脂プリ
プレグの巻き付けに要する時間が非常に長くなり、この
ために中空体の生産性が低下せざるを得なかった。
上述したところから明らかなように、熱可塑性樹脂プリ
プレグを使用して中空体を製造する場合は、積層プライ
間を密着させることが難しく、このため積層プライ間に
ボイドが形成され易い上に、既存の装置を使用する場合
には生産性が劣るという本質的な欠点があった。しかも
熱可塑性樹脂プリプレグを十分に引張りながらマンドレ
ルに巻回した場合でも、可塑化した後の熱可塑性樹脂プ
リプレグの補強繊維を弛みなく配向させることが難しい
ため、得られる中空体に熱可塑性樹脂プリプレグの強度
が十分に反映されず、外観も悪いものになり易いという
問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂プリプレグを使用して中空体を
製造する際の上述した欠点を解消するためになされたも
のである。したがって、本発明の目的は、熱可塑性樹脂
プリプレグの繊維配列や積層構造を設計通りに中空体に
実現した形状の自由度が高く高品質の中空体を生産性よ
く製造することができる、繊維補強熱可塑性樹脂中空体
の製造方法を提供することである。本発明は、特に高融
点熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグを使用
する場合に好適である。
発明の開示 この目的を達成するために、本発明の繊維補強熱可塑性
樹脂中空体の製造方法は、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ
アリレンケトン、ポリアリレンサルファイド、ポリアリ
ルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリイミド
スルホン、ポリスルホンから選ばれる熱可塑性樹脂をマ
トリックスとし、補強繊維を有するプリプレグを、ポリ
テトラフルオロエチレンからなる熱膨張性の中子と該中
子の外側に配された外型との間に介在させ、ついで前記
熱可塑性樹脂及び該中子の可塑化温度以上の温度に該プ
リプレグおよび該中子を加熱して該中子を膨張させた
後、該中子および該プリプレグを冷却することを特徴と
する。
このように本発明では、ポリテトラフルオロエチレンが
可塑化温度(約335℃)近傍の温度で急激かつ甚大な熱
膨張をする特性を利用して、熱可塑性樹脂およびポリテ
トラフルオロエチレンからなる中子の可塑化温度以上の
温度に加熱するとしたのであり、これによって中子が急
激に熱膨張して熱可塑性樹脂を外型の内面に強く押圧す
るため、融点(可塑化温度)が高くて加工の困難な上記
のような熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグ
から形状の自由度が高く高品質の繊維補強熱可塑性樹脂
中空体を効率よく製造することが可能となる。
図面の簡単な説明 第1図(A)は本発明で用いる中実のマンドレルを示す
説明図; 第1図(B)は本発明で用いる熱可塑性樹脂プリプレグ
の一例を示す説明図; 第2図は中実のマンドレルに熱可塑性樹脂プリプレグを
巻回する様子を示す説明図; 第3図は巻回後に得られる巻回物を示す説明図; 第4図は巻回物と共に中実のマンドレルを真空バッグで
拘束した状態を示す斜視説明図; 第5図は加熱成形工程の装置の断面説明図; 第6図は中実のマンドレルに熱可塑性樹脂プリプレグシ
ート巻きつけ、その上に金属製パイプを被せた状態の斜
視図; 第7図は第6図に示したものをマトリクスの熱可塑性樹
脂の可塑化温度以上に加熱し、その後にそれ以下の温度
に下げたときの状態の斜視図; 第8図は第7図の中実のマンドレルをより太いものに交
換して再度中実のマンドレルをマトリクスの熱可塑性樹
脂の可塑化温度以上に加熱し、その後にそれ以下の温度
に下げたときの状態の斜視図; 第9図は中空のマンドレルを用いた中空体の製造方法の
一例を示す斜視説明図; 第10図乃至第12図は本発明で用いる中空のマンドレルを
示す斜視説明図; 第13図および第14図はそれぞれ中空のマンドレルの加熱
手段の一例を示す説明図; 第15図は外型における空洞の内面に熱可塑性樹脂プリプ
レグを巻き付けて中空巻回物を形成される様子を示す斜
視説明図; 第16図は芯体と熱膨張性素子とからなる中子を中空巻回
物の中空部に挿入した様子を示す斜視説明図; 第17図は中空巻回物を加熱したときに熱膨張性素子が熱
膨張した様子を示す斜視説明図; 第18図は本発明によって得られる製品の一例を示す斜視
図; 第19図(A),(B)はそれぞれ本発明で用いる中子の
一例を示す斜視図; 第20図は本発明によって得られる製品の一例を示す斜視
図; 第21図は中子を構成する芯体の一例を示す側面視説明
図; 第22図は中子を構成する熱膨張性素子の一例を示す側面
視説明図; 第23図は外型の一例を示す側面視説明図; 第24図は本発明によって得られる製品の一例を示す斜視
図; 第25図(A)は中子を構成する芯体の一例を示す側面視
説明図; 第25図(B)はその正面視説明図; 第26図(A)は中子を構成する熱膨張性素子の一例を示
す側面視説明図; 第26図(B)はその正面視説明図; 第27図(A)は本発明によって得られる製品の一例を示
す斜視図; 第27図(B)はその正面図; 第28図は中子を構成する芯体の一例を示す側面視説明
図; 第29図(A)は中子を構成する熱膨張性素子の一例を示
す側面視説明図; 第29図(B)はその正面視説明図; 第30図は中子の一例を示す側面視説明図; 第31図は本発明によって得られる製品の一例を示す斜視
図; 第32図は中子を構成する芯体の一例を示す側面視説明
図; 第33図は中子を構成する熱膨張性素子の一例を示す側面
視説明図; 第34図は本発明によって得られる製品の一例を示す斜視
図; 第35図は中子を構成する芯体の一例を示す側面視説明
図; 第36図(A)は中子を構成する熱膨張性素子の一例を示
す側面視説明図; 第36図(B)はその熱膨張性素子を組合わせた状態を示
す平面視説明図; 第37図は中子の一例の要部を示す断面視説明図; 第38図は金属部材を成形材料に仕込んだ様子を示す断面
説明図; 第39図は金属部材を一部に有する製品の一例を示す断面
説明図; 第40図は本発明によって得られる製品(細長いテーパー
管)の一例を示す斜視図; 第41図は外型の一例を示す側面視説明図; 第42図は中子の一例を示す側面視説明図; 第43図プリフォームおよび中子を示す斜視図; 第44図は成形材料の昇温過程における温度プロファイル
を示す説明図; 第45図は成形材料を成形過程において一端から他端にウ
オッシュアウトさせる場合の温度プロファイルを示す説
明図; 第46図は加工温度にある製品の冷却過程における冷却パ
ターンを示す説明図; 第47図(A),(B),(C)は冷却過程における型締
めの様子を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明で使用する熱可塑性樹脂プリプレグは、具体的に
は、複数本の連続繊維を引き揃えて一方向に帯状に配列
した一般にトウと呼ばれる繊維束にマトリックスの熱可
塑性樹脂を含浸させたもの(一方向引き揃えのプリプレ
グ(UDプリプレグ))、コミングルドヤーンに代表され
る含浸および/又は界面の形成の完了していないヤーン
の織布や一方向引き揃えの布、組成物のマトリックスの
熱可塑性樹脂を含浸させたものなどである。この熱可塑
性樹脂プリプレグを構成する繊維束、布、組成物などに
用いる補強繊維としては、特に限定されないが、好まし
くは炭素繊維,ガラス繊維,アラミド繊維(芳香族ポリ
アミド繊維)、炭化珪素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維等の耐熱性を備えた強度の大きい連続繊維を例示する
ことができる。
マトリックスの熱可塑性樹脂は、融点が343℃のポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、融点が219℃のポリエ
ーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、
ポリアリレンケトン、ポリアリレンサルファイド、ポリ
アリルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリイ
ミドスルホン、ポリスルホンから選ばれる高融点又は高
軟化点の熱可塑性樹脂である。なかでも融点が高いポリ
エーテルエーテルケトンが好ましい。
この熱可塑性樹脂プリプレグにおける繊維の体積分率V
f)は、一般の繊維強化熱可塑性樹脂が有するVf=0.1〜
0.3に比べて高い0.4〜0.7程度であることが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性の中子(内型)は、熱可塑性
樹脂プリプレグのマトリックスである熱可塑性樹脂より
も大きな耐熱性を有する樹脂からなることが必要であ
る。すなわち、この中子は熱可塑性樹脂プリプレグの熱
可塑性樹脂が可塑化する温度で溶融流動しない耐熱性を
有することが必要である。しかも、この中子は、この中
子と外型との間に積層配置された熱可塑性樹脂プリプレ
グを内側から外側へ向けて圧縮し、その熱可塑性樹脂プ
リプレグの積層プライ間を密着させてその積層プライ間
からボイドを排除し、さらに熱可塑性樹脂プリプレグの
補強繊維を配向させるに十分な大きさの熱膨張を行う熱
膨張性であることが必要である。
この中子は、具体的には、中実のマンドレル、中空のマ
ンドレル、芯体の表面に複数個の熱膨張性素子を配置し
てなる複合体、又は複数個の熱膨張性素子だけからなる
集合体の形態にある。芯体は、鉄やアルミ合金等の金属
製のものでよい。
これらの中実のマンドレル、中空のマンドレル、熱膨張
性素子などの中子を構成する樹脂は、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE、商品名テフロン)である。この樹脂
は、使用に際して、無機繊維等の補強材料で補強しても
よい。
PTFEは、260℃程度が使用限界で、約335℃の融点可塑化
温度をもつとされるが、分子量が極めて大きいため335
℃を超えても融解することがなく、それ自体の形状を保
持している。また、体積膨張も大きく、室温から400℃
に温度を上げると約60%も体積が膨張する。熱分解温度
は420℃程度である。特に、可塑化温度近傍の温度下で
急激に体積が膨張する。
本発明では、まず、上記熱膨張性の中子の外側に外型を
配し、この中子と外型との間に熱可塑性樹脂プリプレグ
を介在させ、その熱可塑性樹脂の可塑化温度以上の温度
に該熱可塑性樹脂プリプレグおよび該中子を加熱して該
中子を膨張させるのである。
この場合の加熱は、空気中でも不活性ガス中でも真空中
でも行ってよい。マトリックス樹脂によって必要な加熱
の雰囲気を選択すればよい。加熱は一般に素早い方が、
マトリックス樹脂の劣化防止および時間の経済性の上か
ら好ましい。また、例えば、熱膨張性素子の昇温過程に
ついて述べると、それは、中子の全ての熱膨張性素子が
同時に昇温するか、片端部から他端部へ向って昇温する
か、又は中子の中央部から先に昇温し、中子の端部はそ
れよりやや遅れる方が好ましい。その理由は、パイプを
製造する場合に例をとると、パイプの中央部が先ず膨張
し、ついでその膨張がパイプの端部に進行して行くとき
にはパイプを構成する繊維の皺や弛みがその端部に向っ
て掃きだされるためである。パイプ全体が一様に昇温す
る場合には繊維の皺や弛みが発生しにくいが、両端部か
ら昇温する場合には繊維の皺や弛みがパイプの中央部に
集まり易い。
加熱のためのエネルギー供給の手段は、上記のことを考
慮しつつ具体的な製品形状に合わせて選択することがで
きる。例えば、雰囲気加熱、内型や外型へのヒーターの
装填熱誘導加熱、およびこれらの適当な組み合わせを利
用することなどが可能である。
つぎに、本発明では、このように加熱して熱可塑性樹脂
を溶融させて型締めした後、外型と共に該中子および該
熱可塑性樹脂プリプレグを冷却する。
この冷却は、マトリックスたる熱可塑性樹脂の結晶性や
残留応力の制御、および型締め圧力(少なくとも樹脂の
固化に至るまでの型締め圧力)の維持に関して重大な影
響力をもつ。
結晶性や残留応力の制御に関しては、マトリックスたる
熱可塑性樹脂の種類により非常にシビアなケースもあれ
ば、それ程でもないケースもある。型締め圧力の維持に
関しては、あらゆるマトリックスの場合に当てはまる問
題である。この問題には、主として中子の構造のデザイ
ンによって解決される。つまり、例えば、成形材料(熱
可塑性樹脂プリプレグ)と中子の熱膨張性素子との冷却
速度に差をつけるために、中子を冷えにくくするか(も
ともと中子は成形材料よりも内側にあるので冷えにくい
が、さらにそれを救けるべく中子を熱的に遮蔽する)、
又は中子の熱膨張性素子のデッドボリュームや体積弾性
の効果により、熱膨張性素子が若干収縮しても型締めを
マトリックス樹脂が固化するまで維持できる。このこと
は、あまり意識しなくても自然に解決されている場合が
多いが、製品の形状によっては、かなり困難な問題とな
ることもある。
一方、結晶性や残留応力の制御に関しては、シビアなコ
ントロールが必要な場合には、冷却手段を適宜選択すれ
ばよい。急冷には、中子、成形材料、および外型の全体
に水をかけるとか全体に水に漬けるのがよい。徐冷する
には、必要とされる冷却速度に見合った保温を行えばよ
い。
中子からの製品の脱型は、マンドレル又は熱膨張性素子
が冷却後には賦形時よりも縮んでいるために、容易に行
うことができる。成形体(製品)の形状により脱型が不
可能な場合には、中子を適当に分解して成形体より取り
出せばよい。このためには、予め分解と組立が可能な中
子を用いればよい。外型からの製品の脱型を容易とする
ためには、離型のための何らかの手立てを講じておくこ
とが好ましい。例えば、離型用フィルム、離型用フォイ
ル、離型剤などで外型の内面を覆うなどにより離型処理
を行えばよい。しかし、外型として例えば銅パイプを用
いる場合には、離型の手立てを何ら施さなくともよい。
この場合、外型自体をエッチングして化学的に溶解させ
てしまうことが可能だからである。また、銅パイプを外
型として用いる場合には、いちいち別に外型をあつらえ
らくて済むので制作する製品の数量が少ないときに便利
である。さらに、銅パイプは内面の表面精度が特に優れ
ているので、得られる製品の外面の表面精度を高めるこ
とができる。
以下、中子として、中実のマンドレル、中空のマンドレ
ル、芯体の表面に複数個の熱膨張性素子を配置してなる
複合体、および複数個の熱膨張性素子だけからなる集合
体をそれぞれ用いて、熱可塑性樹脂製中空体を製造する
方法を具体的に説明する。
(1)中実のマンドレルを用いる場合、本発明では、上
記熱可塑性樹脂プリプレグを、この中実のマンドレルに
巻回する。この巻回は、例えば、通常のワインデイング
法又はローリング法によって行えばよい。ワインデイン
グ法では幅が3〜6mmの熱可塑性樹脂プリプレグが、ロ
ーリング法では幅が70mm〜600mmの熱可塑性樹脂プリプ
レグのテープが好ましく使用される。この場合に用いる
装置としては、フィラメントワインディング法やテープ
ワインディング法におけるワインディング装置やローリ
ング法におけるローリング装置が挙げられる。
これらの装置等により熱可塑性樹脂プリプレグは中実の
マンドレルに対し張力を与えながらパイプ状に中実のマ
ンドレルに巻回される。この巻回作業をするとき、熱可
塑性樹脂プリプレグの巻きほぐれを防止し、巻回物のプ
ライ間の隙間を低減させるため、巻回途中の適当なとこ
ろでハンダコテ等を用いて熱可塑性樹脂プリプレグを加
熱してプライ間を仮止めしながら、できるだけ緊密に巻
回することが好ましい。
中実のマンドレルに対する熱可塑性樹脂プリプレグの巻
回が完了して巻回物ができると、次にその巻回物は加熱
成形工程に付される。
本発明では、この加熱成形工程に付すときの巻回物の外
形を外型で拘束状態にすることが必要である。この外形
の拘束は、巻回物のプライ間が前記のように仮止めされ
ているために巻回物の外形が一時的には一定に保たれて
いるとしても、巻回物を加熱成形工程に付すとその外形
が崩れてしまったり、中実のマンドレルが膨張する際に
巻回物中に配列した繊維の方向が乱れたり、ズレたりす
る恐れがあるため、それを防止することにある。しか
し、さらに重要なことは、この巻回物の外形拘束によ
り、はじめて中実のマンドレルの熱膨張による圧力をパ
イプ状に巻かれた巻回物の積層プライの内側から内外に
均等に加えて、その積層プライ間を密着させ、その積層
プライ間からボイドを除去すると共に、巻回物を構成す
る熱可塑性樹脂プリプレグの補強繊維を正しく配向させ
ることができることである。
上記外形拘束方法としては、例えば、真空バッグの中に
巻回物と共に中実のマンドレルを挿入してその表面に大
気圧等を作用させる方法、耐熱フィルムや金属フォイル
のようなテープ等を使用して巻回物の表面をテーピング
し、テーピングの張力を利用する方法、薄肉の金属パイ
プを巻回物の表面に被せる方法、金型を用いる方法など
がある。これらの拘束方法は成形すべき中空体の仕様に
応じて適宜選択される。また、外形を拘束するのに先立
って、外形を拘束する外型と巻回物の熱可塑性樹脂との
間の接着を防ぐために、離型剤や離型シートを巻回物と
するその外型との間に介在させることも可能である。
加熱成形工程の成形温度は、巻回物を構成する熱可塑性
樹脂プリプレグの熱可塑性樹脂の可塑化温度以上であ
る。具体的には、その熱可塑性樹脂が結晶性の熱可塑性
樹脂の場合には、その融点よりも高い温度、好ましくは
〔融点+10〜20℃〕以上の温度がよい。また、非結晶性
の熱可塑性樹脂の場合には、その軟化点より高い温度、
好ましくは〔軟化点+100℃〕以上の温度がよい。
加熱成形の際の加熱手段としては、特に限定されない
が、最も簡単な手段としては、電気オーブンを挙げるこ
とができる。加熱時間は、一般に、中実のマンドレルの
中心まで所定の成形温度となるように巻回物サイズに応
じて設定される。通常、巻回物が所定の成形温度に上昇
したと思われた時から、若干時間、たとえば30〜60分
間、その成形温度に保つのがよい。加熱により中実のマ
ンドレルが十分に膨張したときに、巻回物の積層プライ
間の密着が完了する。
最後に、このように加熱された巻回物および中実のマン
ドレルを冷却した後に巻回物から中実のマンドレルを引
き抜く。これによって、製品と中実のマンドレルが回収
される。冷却は自然放冷でもよいし、何らかの冷却手段
を使って積極的に冷却してもよい。
以下に図を参照して、この場合の中空体の製造方法の実
施例を説明する。
実施例1 第1図(A)および第1図(B)は本発明の最初のステ
ップを示す。第1図(A)において1はPTFE製の中実の
マンドレル、第1図(B)において2は斜線の方向に連
続繊維を配列させた補強繊維3を有する熱可塑性樹脂プ
リプレグである。この熱可塑性樹脂プリプレグ2は、補
強繊維3がバイアス方向にカットされてなるシートを2
枚重ね合わせて形成されている。なお、熱可塑性樹脂プ
リプレグ2としては、PEEKをマトリックスとし、直径約
7μmの炭素繊維フィラメントを補強繊維とする繊維体
積分率Vfが0.61、シート幅が305mm、厚さが0.125mmのIC
I−Fiberite社製のAPC−2/AC−4を用いた。
第1図(A)および第1図(B)の準備に次いで、第2
図のようにワインディング装置によりマンドレル1に熱
可塑性樹脂プリプレグ2を巻回していく、熱可塑性樹脂
プリプレグ2は、できるだけタルミが生じないように張
力を与えながらパイプ状に巻回され、巻回途中の所々で
ハンダゴテで加熱され、仮止めが施される。
第3図は上記巻回作業を終えてできた巻回物11を示して
いる。なお、この状態でマンドレル1の直径は30mm、熱
可塑性樹脂プリプレグ2のプライ数は30、プライ層の肉
厚は約4.8mmであった。また、この状態で層間のボイド
は合計で約1/4に相当する1.2mmであった。
次いで、巻回物11と共にマンドレル1を第4図に示すよ
うに、真空バッグ6の中に入れ、密封状態にした後、真
空ポンプに接続された排気用ホース7を介して真空バッ
グ6内の空気を吸引除去する。真空バッグ6には、ポリ
イミドフィルム(デュポン社製の“カプトン(KAPTO
N)"100H)を用いた。
真空包装後において、巻回物11およびマンドレル1の表
面の真空バッグ6のポリイミドフィルムが皺にならない
ようにすることが好ましい。真空バッグ6で真空包装す
ることに1kg/cm2の大気圧が巻回物11の外周から巻回物1
1の積層部に均等に作用し、その外形が確実に拘束され
る。
上記のように外形を拘束した巻回物11およびマンドレル
1を、第5図にように電気オーブンに入れて加熱成形す
る。電気オーブンは、上下に熱ブロック8,9を配し、断
熱ブロック10でシールすることにより内部を400℃に保
つように加熱できるようになっている。加熱開始後、30
分間経過した後に巻回物11およびマンドレル1を電気オ
ーブンから取り出して放冷し、ついで巻回物11からマン
ドレル1を引き抜いて成形体のパイプを得た。
得られたパイプは、内径36mm,肉厚3.7mmで、補強繊維が
±45°の角度で乱れの全くないように積層され、しかも
顕微鏡観察の結果、ボイドの全くない高品質のものであ
った。
実施例2 熱可塑性樹脂プリプレグの繊維配列が0°と90°になる
ように積層した以外は、実施例1と全く同じ条件でパイ
プを作製した。
得られたパイプは、補強繊維が0°と90°の角度で積層
している以外は実施例1と同様に繊維の乱れやボイドの
ない高品質のものであった。
(2)しかしながら、上述した中実のマンドレルを用い
る方法では、中実のマンドレルの熱膨張と型締めとに頼
っている為、熱膨張が型締めに対して不十分な場合、即
ち、製作しようとする中空体の肉厚が比較的厚くて中実
のマンドレルの1回の熱膨張では不足であるとか、マト
リクスの熱可塑性樹脂の融点若しくは軟化点が比較的低
い為に中実のマンドレルと熱可塑性樹脂との温度差が大
きく取れなくて1回の熱膨張では不足な場合等には、ボ
イドのない品質・外観ともに優良となる中空体を得るこ
とはできない場合がある。
そこで、本発明では、中実のマンドレルを用いる繊維補
強熱可塑性樹脂中空体の製造方法において、厚肉化の製
造限界を打破し、外径/厚さ比の小さな中空体の製造を
可能とする方法をも提供する。この方法で得られる中空
体は、特に強度を要する耐圧部品、曲げやねじり剛性を
要求される動力伝達部品に利用される。また、この方法
は、やや低融点のエンジニアリングプラスチクスをマト
リクスとする連続繊維補強のパイプ製造にも応用され
る。
この方法は、熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプ
レグを、熱膨張性が大きくて前記熱可塑性樹脂よりも耐
熱性が大きい樹脂からなる中実のマンドレルに巻回し、
得られる巻回物の外形を外型で拘束しながら前記熱可塑
性樹脂の可塑化温度以上の温度に該巻回物および前記中
実のマンドレルを加熱して該中実のマンドレルを膨張さ
せると共に巻回物の内部空隙を減少させ、次いで該巻回
物および前記中実のマンドレルを冷却した後に該巻回物
から前記中実のマンドレルを引き抜いて中空体を回収し
た後、前記中実のマンドレルと材質が同じで前記中実の
マンドレルよりも外径のやや大きい中実のマンドレルを
上記中空体に挿入し、この中空体の外径を拘束しながら
再度中実のマンドレルを熱膨張させ、中空体の層内の空
隙が実質的に排除されるまで、中実のマンドレルの外径
を順次大きくしてこの手順を繰り返すことを特徴とす
る。
すなわち、この方法では、先ず細い中実のマンドレルを
用いてこの中実のマンドレルを内側より熱膨張させて得
られる中空体の内径を拡張しておき、次いで、最初に用
いたのよりもやや太い中実のマンドレルをその中空体に
挿入して、再び内側より熱膨張させて、先よりも更に中
空体の内径を拡張させ、中空体の層内の空隙が実質的に
排除されるまで、中実のマンドレルの外径を順次多くし
て加熱をくり返すのである。
1回の中実のマンドレルの熱膨張では、中実のマンドレ
ルの膨張をより多く必要とする厚肉の中空体を製造する
に際しては、中実のマンドレルを膨張させても中空体の
内径を十分に拡張できないので、積層ボイドの残った中
空体しか得られない場合がある。しかし、この段階で
は、最初に用いた中実のマンドレルの外径よりも中空体
の内径は拡張している為に、この中実のマンドレルより
も1廻り太い中実のマンドレルを中空体に挿入すること
が出来る。
そこで、中実のマンドレルを先ず、細いものを用いて内
側より熱膨張させて仕上り中空体の内径を拡張してお
き、次いで、最初に用いたのよりもやや太い中実のマン
ドレルをその中空体に挿入して、再び内側より熱膨張さ
せる。この場合、未だ積層ボイドを有する中空体にやや
太い中実のマンドレルを挿入することは容易である。挿
入される中実のマンドレルは加熱されていない状態にあ
るが、中空体は加熱されていなくても、加温状態であっ
ても差しつかえない。そして、中実のマンドレル、中空
体ともに加工温度(可塑化温度以上)に至れば、最初の
段階に比較してより中空体の内径は拡張し、積層ボイド
も減少する。
中空体の層内の空隙が実質的に排除されるまで、中実の
マンドレルの径を順次大きくして加熱をくり返す。1回
で積層ボイドを排除することが出来る場合が多いが、そ
れが叶わぬときはより太い中実のマンドレルを順次使用
していく。これにより、最後には積層ボイドを完全にな
くすことが出来る。これはマトリクス樹脂が熱可塑性で
あり、加熱と冷却の温度操作によって可逆的に何度でも
可塑化と固化を行えるからに他ならない。
以下に図を参照して、この場合の中空体の製造方法の実
施例を説明する。
実施例3 第6図,第7図,及び第8図は、この方法の一例の手順
を示す図である。第6図及び第7図において、21はPTFE
製の中実のマンドレル、22はPEEKをマトリクスとし炭素
繊維で強化したプリプレグシート(APC−2/AS4)を出来
るだけ隙間なき様にマンドレル21に巻いた巻回物で、そ
の外形を銅パイプ23で拘束してある。
第6図の状態は、製品のパイプとなるプリプレグ材料
を、熱膨張するマンドレル21と外形拘束を行う銅パイプ
23との空間に配置したところである。因みにマンドレル
21の径は20mm、銅パイプ23の内径は32mmである。
第6図の状態の素材を、400℃にまで加熱し、マンドレ
ル21,プリプレグシート,銅パイプ23がともに400℃まで
達した後に室温まで冷却して、第7図の状態を得る。マ
ンドレル21は400℃において径が23mmまで膨張したため
に、プリプレグシートはPEEKの溶融下に銅パイプ23とマ
ンドレル21の間で均等に圧縮を受けて内径23mmのパイプ
25を形成する。
しかし、パイプ25は未だ圧縮が十分でない為に積層ボイ
ドを有する。尚、マンドレル21の冷却によってパイプ25
とマンドレル21の間には空隙27が生じている。この空隙
27には、太いマンドレル21a(直径22mm)を容易に挿入
することが出来る。
この様にして太いマンドレル21aを細いマンドレル21と
交換して、再び先と同様に400℃まで加熱し、同様に冷
却して第8図に示すパイプ26を得た。
この過程で積層ボイドを含んでいたパイプ25は内径が2
5.3mmとなって、積層ボイドを全く含まない外観・品質
ともに良好なるパイプ26を得ることが出来た。第8図に
おいて、マンドレル21aの冷却によって空隙28が生じ、
パイプ26からマンドレル21aを容易に引き抜くことが出
来る。
この様にして、±45℃の繊維配向を持つ、肉厚3.35mm、
外径32mmの(外径/肉厚9.6)積層ボイドを含まない良
好なる厚肉のパイプを得ることが出来た(尚、1回のマ
ンドレル膨張で作成できるパイプ肉厚の限界は、外径/
肉厚比=13.17である。) 比較例1 実施例3と途中までは全く同じで、1回だけ加熱を行っ
たもの。このパイプは積層ボイドのない状態の肉厚3.3m
mに対して4.5mmの肉厚を有しており、外観的にはまずま
ずだが約25%の積層ボイドを有していた(この様にボイ
ドの大きいパイプは強度的にも非常に劣る。) 中空のマンドレルを用いる場合には、第9図に示すよう
に、熱膨張性の中空筒状マンドレル31の外周面と、内径
がマンドレル31の外径よりも大きい中空筒状外型33の内
周面との間に、熱可塑性樹脂プリプレグ32を介在させ
る。中空のマンドレルは中実のマンドレルに比して熱伝
導性がよい。
中空筒状マンドレル31の外周面と中空筒状外型33の内周
面との間に成形材料(熱可塑性樹脂プリプレグ32)を介
在させるには、前述した中実のマンドレルを用いる場合
と同様に行えばよい。ついで、中実のマンドレルを用い
る場合と同様に加熱および冷却を行うことにより、繊維
補強熱可塑性樹脂中空体を得ることができる。
また、マンドレル31には、第10図に示すように、中実又
は中空の金属又はセラミックスの芯34を嵌入しておいて
もよい。
これによって、マンドレル31を支持できるのでマンドレ
ル31が薄肉の場合でもマンドレル31が変形することな
く、成形材料を均一に圧着することができる。また、中
空の金属芯を配する場合には、特に熱伝達が迅速かつ均
一となり、生産効率、品質の面で特に著しい効果があ
る。
さらに、例えば第11図に示すように、マンドレル31は軸
に対して平行(0°)な繊維35で補強されていてもよ
い。これによって、熱膨張を軸方向は抑制し、径方向を
強調することができる。
その上、第12図に示すように、マンドレル31は軸に対し
て平行(0°)の繊維35および軸に対して直角(90°)
の繊維36によって補強されていてもよい。これによっ
て、マンドレル31が径方向にいっそう均一に膨張するこ
とが可能となる。
芯34が中空の場合には、第13図に示すように電熱ヒータ
ー37を芯34内に装入するか又は第14図に示すように熱媒
体供給管42を内蔵した筒41を芯34内に装入するとよい。
これによって、雰囲気加熱によるよりも迅速かつ均一に
加工温度を得ることができるため、やはり生産時間の短
縮や品質の向上などの効果がある。特に雰囲気加熱では
全体が雰囲気温度に達するのに時間がかかる長尺パイプ
(大型成形物)においては効果が著しい。なお、第13図
中、40は電力供給部を表わす。第14図中、43は加熱炉の
壁面を、44は熱媒体入口を、45は熱媒体出口を表わす。
以下に、この場合の中空体の製造方法の実施例を示す。
実施例4 第9図に示すような中空のPTFE製マンドレル31を用い
て、PEEK製UDプリプレグ(APC−2/AS4、ICI-FIBERITE社
製)を巻いたものをマンドレル31と外型33との間に装て
んし、これら全体を400°の加熱炉に入れて30分間保
ち、次いで冷水(約20℃)を満たした水槽中に投じて急
冷した。
このようにして得られたPEEKをマトリクスとする炭素の
連続繊維強化中空体は、いたるところで繊維の乱れや積
層ボイドのない極めて均質で良好なる成形体であった。
比較例2 中実のPTFEマンドレルを用いた他は実施例4と同じ構成
でPEEKをマトリクスとする炭素の連続繊維強化の中空体
を製作した。加熱炉に入れて30分保ったが、マンドレル
の中央部が十分に加熱されておらず、中央部に積層ボイ
ドが残存しており、不具合であった。
実施例5 第10図に示したマンドレルを用いて、実施例4とほぼ同
様にして中空体を製作した。ここで用いたマンドレル
は、金属パイプ上に実施例4のものと同一寸法の無垢材
のPTFE製の中空体を設けたものである。この場合、金属
パイプの効果により熱伝達が均一かつ速やかに達成さ
れ、20分の加熱で実施例4と同様の品質的に優れた製品
を得ることができた。
実施例6 第11図に示したマンドレルを用いた他は実施例4と同じ
構成で製品を作った。マンドレルについて述べると、軸
方向にガラス繊維で補強してあり、PTFEの肉厚が実施例
5の場合の1/2である他は、マンドレルの外径等も同一
である(PTFEが薄い分だけ、金属パイプの外径が大き
い)。この場合、PTFEの肉厚がうすいもに拘らず、軸方
向の熱膨張がガラス繊維で制限されて、半径方向の熱膨
張は十分に達成される。
本例では、PTFE層がうすいため、加熱時間は10分で良好
なる製品を得ることができた。また、マンドレルの変形
も少なく、そのまま再使用が可能であった。マンドレル
の構造がやや複雑である為に、マンドレルは高価ではあ
るが、加熱時間も10分と短くてすみ、再使用のための形
状回復も不要であるなど、全体的にみれば製作コストを
低減させる効果が著しい。
実施例7 第13図に示した棒状の電熱ヒーター(カートリッジヒー
ター)を第10図に示した金属製パイプの中に挿入して、
後は他の実施例と同様の方法で製品を製作した。加熱炉
中でヒーターを加熱したところ、3分間で全体の均一な
加熱が完了し、良好なる製品を得ることができた。
実施例8 第10図に示したマンドレルに、第13図に示したヒーター
を挿入して、加熱手段を持つマンドレルとし、その周囲
にPEEKをマトリクスとするプリプレグテープ(APC−2/A
S4)を±45°の層構成になるように巻きつけ、その上に
外型を配した。
これを400℃の加熱炉中に入れ、同時にヒーターを作動
させ、雰囲気加熱およびヒーター加熱によって軸方向に
均一かつ急速に加熱し、約3分でプリプレグおよびマン
ドレル、外型を400℃に到達させた。
次いで、ヒーターを抜き取り、そのまま冷水中に投じて
急冷した。
このようにして得られた製品の中空体は、繊維の乱れや
ボイドもなく良好なるものであった。
(4)つぎに、芯体の表面に複数個の熱膨張性素子を配
置してなる複合体、および複数個の熱膨張性素子だけか
らなる集合体を中子として用いる場合について説明す
る。
芯体の機能は、型締めのときに中子の熱膨張によって生
じた型締めの力を支えると共に、個々の熱膨張性素子の
位置を規定することである。したがって、芯体に必要と
されるのは、使用される温度における強度、剛性などの
機械的性質と、熱膨張性素子を拘束する仕切り、凹凸、
或いはその他の適当な手立てを有することである(熱膨
張性素子の形状によっては、これらの手立てを要しない
場合もある)。さらに、加熱を促進したり、冷却を制御
するための適当な手段を併せ持っていることが好まし
い。芯体の内部は、中空又は中実のいずれでもよい。ま
た、芯体は、必要に応じて分解可能なように構成される
のが好ましい。
中子の構成要素に関する例外としては、中子が複数個の
熱膨張性素子だけから構成されることである。比較的小
さい製品又は比較的細い製品を成形する場合には、熱伝
導に起因して製品の品質が不均一となるという問題が無
視し得るので、熱膨張性素子だけから構成される中子を
用いても良好な製品を得ることができる。したがって、
この場合には、敢えて芯体のある中子を用いる必要はな
い。
芯体のある中子としては、熱膨張性素子の個数や形状に
は特に制限はないが、例を挙げると第19図(A),
(B)に示すように輪切り状のものを1個〜数個並べた
ものがある。第19図(A)は、芯体70に輪切り状の熱膨
張性素子71を3個嵌め込んだ場合を示す。第19図(B)
は、芯体70に1個の輪切り状の熱膨張性素子71を嵌め込
んだ場合を示す。熱膨張性素子が1個の場合には、中実
又は中空のマンドレルに相当する。
ここで、各々の輪切り状の熱膨張性素子は、製品の形状
に応じて径や大きさを変化させることができる。輪切り
状の熱膨張性素子を利用する場合の熱膨張性素子と芯体
との結合手段としては、例えば、芯体上に設けた仕切り
部の凸部、芯体上に設けた表面の凹凸、外型の一部の機
構、芯体・外型とは独立した機構の何れでもよい。
輪切り状ではない板状や棒状、レンガ状やタイル状の熱
膨張性素子を利用する場合には、結合手段としては輪切
り状の場合よりも確実に結合し得るものを用いるのがよ
い。この場合の結合はタイトである必要はないが、脱落
しないことが肝要である。
熱膨張性素子は相互に密着していなくてもよいが、成形
材料のマトリックスが流動を開始するまでには膨張して
中子表面上で密着するように、予め設計しておく。熱膨
張性素子をジクソーパズルの如く相互に嵌合させて連結
しておいてもよい。
熱膨張性素子は、個々にはX,Y,Z方向に一般に熱膨張す
るが、本発明におけるように高い圧縮応力下に置かれる
と、適当に弾性変形又は塑性変形して空隙を埋めるよう
に膨張する。このため、必ずしも加熱変形時の熱膨張性
素子の形状を基準として、等方的な熱膨張を仮定して熱
膨張性素子を設計しなくともよい。
逆に、熱膨張性素子を繊維強化しておき、これにより熱
膨張性に著しい異方性を与えて(極端な場合にはX方向
のみに膨張して、Y、Z方向には膨張しないようにする
ことができる)、膨張の有効な方向のみを利用すること
もできる(この場合、X方向を製品の法線に一致させ
る)。また、熱伝導をよくするために、熱伝導率の高い
フィラーを含有する熱膨張性素子を用いてもよい。
芯体の表面に複数個の熱膨張性素子を配置してなる複合
体を中子として用いる場合には、例えば、第15図に示す
ように、横断面円形又は楕円形の空洞62が一端から他端
に貫通した外型61のの該空洞62の内面に、熱可塑性樹脂
プリプレグを所望の層構成となるように巻き付けて横断
面円形又は楕円形の中空巻回物63とする。
外型61は、その材質としては特に限定されるものではな
いが、加工温度において変形や変質が生じることがな
く、かつ熱膨張性素子の膨張による圧力に耐えることが
必要であるため、鉄やアルミ合金等の金属製であること
が好ましい。また、この外型61は、一体型のものでもよ
いが、上下2つに割れてボルト等で型締めできるような
割り型であるのが製品の取り出しなどが容易となるので
好ましい。
本発明では、外型61の空洞62の内面に、熱可塑性樹脂プ
リプレグを所望の層構成となるように巻き付ける。この
場合、熱可塑性樹脂プリプレグは硬化した例えばシート
状のものであるため、これを渦巻状に巻いて空洞62内に
入れればよい。また、渦巻状に巻くに際して、ハンダゴ
テ等にてプリプレグにスポット溶接を施して仮止めをし
ておいてもよい。なお、空洞62の内面には、離型剤等を
前以って塗布してもよい。
ついで、第16図に示すように、芯体64とこの芯体64の周
囲に配置された複数個の熱膨張性素子65からなる横断面
楕円形の中子66を中空巻回物63の中空部に挿入する。
芯体64は、外型61と同様に加工温度において変形や変質
が生じることがなく、かつ熱膨張性素子の膨張による圧
力に耐えることが必要であるため、その材質としては特
に限定されるものではないが、鉄やアルミ合金等の金属
製であるのがよい。また、中実でなくともよく、中空又
は空洞化してもよい。中空又は空洞化していると、芯体
64自体が軽くなると共に熱伝導性も良くなるので好まし
い。
熱膨張性エレメント65は、等方的な熱膨張を示す(成形
条件等に起因して若干の異方性が残る場合もあるが、巨
視的には等方的であると見做される)。このため、熱膨
張性素子65は、第16図に示されるように、相互に隙間を
開けて配置される。また、必要に応じて、熱膨張性素子
65の相互間に金属箔等を配してエレメント同士の熔着を
防ぐことも行える。
このようにして中子66が挿入された中空巻回物63を加熱
する。
加熱は、外型61と加熱炉(熱風炉、脱脂炉などが好まし
い)に入れて行えばよい。この場合、加熱温度は、プリ
プレグのマトリックス樹脂の融点よりも30℃〜100℃高
くするとよい。加熱時間は全体が雰囲気温度に達する時
間でよい。この加熱により、熱膨張性素子65が縦・横・
高さのX・Y・Z方向に熱膨張して、第17図に示すよう
に、熱膨張性素子同士が密着し、中空巻回物63を内側よ
り外型61方向へ押圧して中空巻回物63を全周に亘って均
等に型締めする。
ついで冷却することにより、熱膨張性素子65は元の大き
さに戻る(第16図参照)。したがって、冷却後に中空巻
回物63を外型61から取り出すことにより、第18図に示さ
れるような外観的にも繊維の乱れや厚みムラのない機能
的特性にも優れた製品(楕円バネ)67が得られる。
以下、この場合の中空体の製造方法の実施例を示す。
実施例9 第15図に示すような鉄製の外型61の空洞62内に、PEEKを
マトリックスとするUDプリプレグシート(APC−2/AS4、
ICI-Fiberite社製)を±45°の積層構成となるように各
12プライの合計24プライで丁度3.0mmの厚さとなるよう
に装填し、さらにその内部PTFE製の熱膨張性素子65を配
し、その内部にさらにアルミニウム製の芯体64を装填し
た。
これを400℃に保った熱風オーブン中に入れ、60分間保
持し、第17図に示すように熱膨張性素子65が相互に密着
し、しかも中空巻回物63の層間の隙間がなくなっている
のを確かめた上で、全体をオーブンから出して冷却した
ところ、第18図に示されるようなボイドもなく繊維の乱
れもない外観的にも特性的にも優れた楕円バネが得られ
た。この楕円形バネは、リング幅50mm、短径77mm、長径
154mm、肉厚3mm、VF0.61であった。
実施例10 積層構成が周方向に対し0°、90°の交互積層(最外層
0°)となるようにした以外は、実施例9におけると同
様に行った。同様の楕円バネが得られた。
ここで若干補足的に述べると、連続繊維補強の熱可塑性
樹脂をマトリックスとする複合材料で成形を行う場合、
繊維配向が設計通りに乱れなく実現しているか、積
層ボイドが消滅しているか、繊維の分散に粗密が生
じ、その上肝要となる。繊維の乱れがなく、積層ボイド
がなく、繊維と樹脂の分離がないことが製品の高性能を
保証するからである。逆に、これらの点を満足しない箇
所がある場合、その箇所が弱くてそこから破壊が進むと
いう性能的に劣ったケースに至ってしまう。そこで、実
施例9および実施例10で得られた製品について、これら
の点を見るために試験片を多く切り出して曲げ試験を行
ったところ、十分な機械的強度を有し、品質のバラツキ
の非常に少ない均質で優れたこれらの点を満足する性能
を示すことが判った。
比較例3 310℃に加熱した鉄製マンドレルを回転させながらこれ
にPPS/炭素繊維のプリプレグシートを巻き付け、これに
2組のロールを圧着させて脱泡を行い、楕円パイプを製
造した。
この場合、310℃に加熱した鉄製マンドレルにプリプレ
グシートを正確な繊維角度で巻き付けるのは困難である
ので、品質の安定した製品が得られなかった。
実施例11 ベンチュリー管(回転軸に対して±45°の層構成): 第20図に示す製品72(ベンチュリー管、直径10cm)を、
第23図に示す外型73(2つ割り型で、内面には離型のた
めにテフロン加工が施されている)と、第21図に示す芯
体80および第22図に示すPTFE製の熱膨張性素子81とから
なる中子82を用いて制作した(この中子82は分解可能な
構造となっており、製品ができ上がった後に分解して中
子82から製品を取り出すことができる)。
先ず、PEEKをマトリックスとするプリプレグのトウ(幅
約3mm、厚さ約0.13mm、APC−2/AS4、ICI社製)をブレー
ダにて編み上げ、±45°の織組角の合計16のプリフォー
ムを成形した。このベンチュリー管のプリフォームの肉
厚は、約5mmであり、仕上がり品の肉厚2mmの約2.5倍で
あった。プリフォームは、ばらばらになるのを防ぐため
に、必要と思われる箇所をスポット止めしておいた。
ついで、このプリフォーム中に、第21図に示す芯体80を
一部分解して通入し、この芯体80に熱膨張性素子81を配
して中子を組み立てた。この場合、熱膨張性素子81の相
互間には少しの隙間があったが、加工温度に至ったとき
にその隙間がなくなり、熱膨張性素子81がプリフォーム
を外型73に圧着し、型締めするように配慮されていた。
つぎに、このプリフォームおよび中子の全体を第23図に
示す外型73に収め、外型73が開くのを防いだ上で、これ
ら全体をつぎの工程に送った。なお、外型73としては、
製品を取り出す必要から割り型を用いると共に、離型の
ためにテフロンコーティングを内面に施してある。
つぎの工程では、外型73の太い部分の外面に断熱材を巻
き付けて、外型73の細い部分から先に加熱されるように
して、これら全体を400℃の加熱炉中に入れた。全体が
殆ど400℃に達した後、先に巻き付けた断熱材を除い
て、全体を水槽の中に投じて冷却を行った。このように
して、APC-2について推奨されている急冷プロセスが実
現された。
ここで、第21図中のフランジ83の効果について触れてお
く。このフランジ83は、ナット85で芯体80の軸の外方向
への移動が防止されているため、熱膨張性素子81の芯体
80の軸方向への膨張を食い止めて、芯体80の半径方向へ
の熱膨張を効果的に生じさせる。また、このフランジ83
は、冷却時に熱膨張性素子81が触れて急冷されるのを防
止し、その結果として製品のマトリックスが凝固する以
前に熱膨張性素子81が収縮しすぎて製品から剥がれた
り、或いは型締めが不十分となって層間ボイドが生じる
のを防止する。84はテーパ部付きスリーブである。
つぎに、中子および外型を分解し、離型して製品を得
た。ナット85を外すことにより中子の分解が可能であ
る。得られた製品は、先ず外観的に極めて均整がとれて
おり、織組角の乱れ、皺、ボイド、内面および外面の凹
凸がなく、寸法精度も極めて良好なものであった。ま
た、この製品から一部を試験サンプルとして採取して、
これを静的な力学試験に供した。この結果、この製品
は、期待される強度、剛性を示しており、機械的特性も
十分で、熱可塑性樹脂マトリックスの性能を十分に発揮
することが明らかとなった。
実施例12 角パイプ(第24図に示す。軸に対して0°、±45°の層
構成、断面は約4cm×6cm、角は10mmR、肉厚3mm): PEEKをマトリックスとする一方向引き揃えプリプレグテ
ープ(幅約30cm、厚さ約0.13mm、APC−2/AS4、ICI社
製)を所定の層構成となるように裁断し、さらにバット
スプライスして帯状とした。この帯状物を外周長が一致
する円筒状に巻き重ね、ほぐれるのを防止するために必
要と思われる所を何箇所がスポット止めした。
このようにして得られたプリフォームを、実施例11と同
様に離型処理した外型に変形させながら収めた。外型が
開くのを防いだ上で、プリフォームの中で中子を組み立
てた。
芯体91は、第25図(A),(B)に示すように、金属の
角パイプ92とフランジ94から構成され(芯体91の軸方向
への熱膨張性素子の移動がフランジ94で防止されてい
る)、PTFE製の熱膨張性素子と接する面には溝93が彫っ
てある。溝93は、第26図(A),(B)に示す熱膨張性
素子95が過度に芯体91の軸方向に膨張しないための手立
てである。
ついで、これら全体を400℃の加熱炉中に入れた。本実
施例12では、実施例11におけるように外型の端部外面へ
の断熱材の巻き付けは行わない。何故ならば、実施例12
では芯体91が中空の角パイプであり、このため製品90の
中央部からも十分に速く昇温し、実質的に不具合が生じ
ないからである。しかし、同じ構造の中子でも、製品が
もっと長くなる場合には、実施例11におけると同様に断
熱材の巻き付けを行う方がよい。
つぎに、全体が殆ど400℃に達した後に、全体を水槽の
中に投じて冷却を行った。このようにしてAPC-2につい
て推奨されている急冷プロセスが実現された。
中子および外型を分解し、脱型して製品を得た。得られ
た製品は、実施例11と同じく外観的に極めて均整がとれ
ており、構成角の乱れ、皺、ボイド、内面および外面の
凹凸がなく、寸法精度も極めて良好なものであった。ま
た、この製品から一部を試験サンプルとして採取して、
これを静的な力学試験に供した。この結果、この製品
は、実施例11と同じく期待される強度、剛性を示してお
り、機械的特性も十分で、熱可塑性樹脂マトリックスの
性能を十分に発揮することが明らかとなった。
実施例13 リブ付き円管(±45°、直径10cm、肉厚3mmのパイプ内
に、第27図(A),(B)に示すような径方向の長さ約
3cmのリブ111を有する): 予め成形してうるリブを、第30図の中子112にある2本
の溝113の中に収めた。その上に、PEEK糸と炭素繊維か
らなるコミングルドヤーンの平織布を斜め45°に裁断し
たものを所定量だけ緊密に巻き付けた。さらに、その上
に、離型用フォイルとして厚さ35μmの銅箔を1周巻い
た。これら全体を外型(一体型であり、割り型ではな
い)に挿入し、中子112のフランジ114で外型の両端部を
塞いだ。外型の内部を窒素ガス(N2)で置換した後、隙
間が生じないように中子112の両端にあるナット115を締
めた。
中子112は、第28図に示される芯体116の上に、第29図
(A),(B)に示すようなPTFE製の熱膨張性素子117
を配置してなる。芯体116は、鉄製の部品からなり、端
部のナット115を外すことで分解可能である。
ついで、外型の両端部の外表面に断熱材を巻き付けて、
成形材料が中央部から加熱されるようにして、全体を40
0℃のN2雰囲気下に加熱炉に入れた。全体が殆ど400℃に
達した後、約20分間その状態を保持し、先に巻き付けた
断熱材を除いて、全体を水槽の中に投じて冷却を行っ
た。このようにして、PEEK/炭素繊維について推奨され
ている急冷プロセスが実現された。
ここで、外型の両端部の外表面を断熱材で巻いたのは、
実施例11などと同じ目的のためである。また、成形材料
をN2雰囲気下に加熱したのは、炭素繊維の表面が酸化等
の影響を受けてPEEKとの界面形成に問題が生じるのを防
ぐためである。これは、界面が形成されていないプリプ
レグを用いるときの常套手段である。全体が殆ど400℃
に達した後に約20分間の保持時間をとったのは、炭素繊
維への樹脂の含浸・分散が十分に達成されるようにする
ためである。これもまた、成形時に含浸を行う成形材料
を用いるときの常套手段である。
つぎに、中子112を分解し、銅箔の付着した製品110を外
型から抜き取った。銅箔は簡単に製品110から剥がすこ
とができるが、別法として、銅を溶解する薬液(例え
ば、塩化第二鉄溶液)に銅箔の付着した製品110を浸漬
して銅箔を取り除いてもよい。
得られた製品110は、外観的に極めて均整がとれてお
り、構成角の乱れ、皺、ボイド、内面および外面の凹凸
がなく、寸法精度も極めて良好なもので、内面のリブ11
1の取付部も滑らかに溶融一体化していた。また、この
製品110から一部を試験サンプルとして採取して、これ
を静的な力学試験に供した。この結果、この製品100
は、他の実施例と同じく期待される強度、剛性を示して
おり、機械的特性も十分で、熱可塑性樹脂マトリックス
の性能を十分に発揮することが明らかとなった。
実施例14 長尺パイプ(第31図に示す。軸に対して0°、90°、±
45°の層構成。直径5cm、長さ2m、肉厚2.5mm): 実施例12と同じ材料であるPEEKをマトリックスとするプ
リプレグテープを用い、実施例12と同様にして、外型に
丁度挿入できる外径のプリフォームを成形した。これ
を、肉厚1.0mmのシームレス銅管の外型に挿入した。第3
2図に示すネジ山を切った棒121とナット122からなる芯
体123に、第33図に示すPTFE製パイプの熱膨張性素子124
を必要個数貫通配置してなる中子を、さらにプリフォー
ムの中に挿入した。熱膨張性素子124は、中子の両端部
に位置する部分の角が削り落としてある。
ついで、管状炉を5台横につなげて準備し、これら管状
炉の温度を第44図に示した温度プロファイルとなるよう
に制御した。
第44図は、成形材料の昇温過程の温度プロファイルを示
す。昇温に際しては、成形材料129の内部にある中子
を、その中心部より端部に向けて順次熱膨張させ、矢印
128の方向にウォッシュアウト(washout)させ、シワや
たるみの発生、ボイドの残留を防止する。
初期温度(t0)においては室温と同じ温度で一様である
が、t1,t2,t3,t4という温度変化で時間の経過中は中
子の中央部を端部に先行して昇温させ、最終温度(t
∞)では全体が一様に加工温度になるようにする。
ついで、全体が殆ど400℃に達した後に、外型の表面に
水シャワーを浴びせて、外型の内部へ水が浸入しない状
態で冷却した。このようにすれば、APC-2について推奨
されている急冷が実現できる。
中子を抜き取った後、外型を銅を溶解する薬液(ここで
は、硫酸・過酸化水素溶液を用いたが、塩化第二鉄溶液
なども使用できる)で除去し、製品120を得た。
芯体123について説明を加えると、棒121のネジ山はナッ
ト122を止める機能(両端部)と熱膨張性素子124が芯体
123の軸方向へ動き過ぎるのを防止する凹凸としての機
能を併せもっている。このため、既存のネジ棒を棒121
として使用できるので経済的である。ナット122は、熱
膨張性素子124がやはり軸方向の外に向って過度膨張す
るのを防ぐ。また、ナット122により、製品120の端部に
おいて十分に芯体123の径方向に熱膨張が生じて型締め
が十分に実現する。さらに、冷却過程においてもナット
122でせき止められた熱膨張性素子124の端部近傍のデッ
ドボリュウムの機能で、第47図(A),(B),(C)
に示したのと同様の冷却過程における型締めも実現され
る。なお、第33図の左端のパイプの角がデッドボリュウ
ムとして働く。
第47図(A),(B),(C)は、冷却過程における型
締めを確実にするデッドボリュウムの効果を説明してい
る。製品134と芯体131の間にある熱膨張性素子130は、
第46図に示す冷却パターンに沿って時刻a0では十分な型
締めを達成しており、(第47図(A))、熱膨張性素子
130のやや過剰な膨張はデッドボリュウムをつぶすよう
に湾曲部132を形成して張り出している。時刻a1では、
熱膨張性素子130は若干温度が低下するので型締めは維
持しながら、デッドボリュウムへの張り出しは消滅し、
湾曲部132が屈曲部133に変化する(第47図(B))。さ
らに冷却が進んだ時刻a2では、部分的に中子が脱型して
いる(第47図(C))。
第46図は、加工温度にある製品の冷却過程における冷却
パターンを示す。加工温度にある製品を冷却していく
と、やがて時刻a1にはマトリックスの融点に達する。こ
のときに熱膨張性素子は、僅かしか温度が低下しないよ
うにする。このようにすれば、型締め不足によるボイド
発生や製品固化前の中子の脱型が生じない。
熱膨張性素子124は、パイプ状の既成品を用いたために
短いものを数多く連ねているが、長いものを用いても一
向に差支えない。これら熱膨張性素子を合わせた全長
は、芯体のナット間距離の85%となるようにする。
外型は、他の実施例とは異なり、再使用のきかない銅の
シームレスパイプを用いている。この場合、外型を別
あつらえとしないですむのでイニシャルコストが安い。
外型が薄肉であるために熱のまわりが速い、シーム
レスパイプのためその内面が平滑となり、これにより製
品の外観が特に優れるという利点が生じてくる。反面、
既成品の中から選べない場合に銅のシームレスパイプを
作るための型代が高くつくとか、銅のシームレスパイプ
の溶解設備を要するなどの欠点がある。しかし、これら
利点および欠点は、トレードオフの関係にあるため、用
途に応じた使い分けを行えば却って効率的にパイプの製
造を実施できる。
得られた製品120は、割り型の合わせ目の線や離型フォ
イルの重なりの線などが全くないため全ての実施例の中
で最も美しい外表面をもち、構成角の乱れ、シワ、ボイ
ド、内面および外面の凹凸がなく、寸法精度も極めて良
好であった。また、製品120からその一部を試験サンプ
ルとして採取して、それを静的な力学試験に供した。こ
の結果、他の実施例と同じく期待される強度・剛性を示
し、機械的性質も熱可塑性樹脂マトリックスの性能を十
分に発揮していた。
実施例15 大型異形管(外径約30cm、長さ約1m、第34図): 第35図に示したような分割可能で表面に仕切り板のある
芯体141上に、第36図(A)に示したPTFE製の熱膨張性
素子142aおよび142b(それぞれ厚さ約2cm)を、第36図
(B)に示すように相互に連結して敷き詰めて中子とし
た。この中子上に、ブレーダーにて実施例14と同じ材料
を用いてプリフォームを成形した。なお、第35図は、分
割可能な鉄製中空体で構成される芯体を示す。この芯体
141の表面には、熱膨張性素子の動きを拘束するための
仕切り板143が立ててある。
ついで、これらを内面に離型剤を塗布した外型(割り
型)に収め、全体を300℃の加熱炉内に置き、さらに中
子の中心部へ熱風吹き出し口を挿入し、400℃に加熱し
た空気を中子の中心部に送風した。このように、中子の
中心部からさきに昇温するようにして、全体が殆ど400
℃に達した後に、外型の周囲から外型に一様に水シャワ
ーを浴びせた。このようにすれば、APC-2について推奨
されている急冷が実現される。
つぎに、中子と外型とを分解して取り除き、製品140を
得た。得られた製品140の外表面は、離型剤のために部
分的に変色していたが、この変色を除けば外観的に極め
て均整がとれていた。また、製品140は、構成角の乱
れ、シワ、ボイド、内面および外面の凹凸がなく、寸法
精度も極めて良好であった。この製品120からその一部
を試験サンプルとして採取して、それを静的な力学試験
に供した。この結果、他の実施例と同じく優れたもので
あった。
なお、第37図は、中子の一部の断面を示したもので、芯
体141の仕切り板143で熱膨張性素子142が仕切られてい
る。この中子が加工温度まで上昇するときは、個々の熱
膨張性素子142は点線で示した大きさまで膨らんで拡大
素子144となり、これが一つに連なって中子の表面を形
成する。
実施例16 金属部材の中空体への挿入: 第38図に金属部材を中空体に挿入した箇所を示す。
外型151と中子の熱膨張性素子152との空間に、成形材料
153、金属部品154、および予め成形した補強用リング15
5(擬似等方積層板)を仕込み、ついで他の実施例と同
様にして製品156を得た。
製品156の金属部材インサート部は、第39図に示した通
りであり、初期の性能が得られる構造が実現している。
実施例17 細長いテーパー管(第40図): PEEKをマトリックスとするプリプレグのトウを用いて、
第42図に示すテーパー付きの中子160の上に、ブレーダ
ーにてプリフォームを編み上げた。
ついで、これを第41図に示す外型161に、その外型161の
内面に離型のためのポリイミドフィルム(デュポン社の
KAPTON 100H)を1周巻いた後、収めた。外型161のフタ
162を筒部163に対してしっかりと固定し、中子160が熱
膨張の最中に脱落しないようにした上で、全体を管状炉
を3台連ねた炉の中に入れた。
つぎに、第45図に示した昇温プロファイルとなるように
成形材料129をその太い端から順次昇温し、全体が殆ど4
00℃に達した後に実施例18と同様にシャワーを用いて冷
却し、脱型して製品を得た。なお、第45図は、中子の一
端より他端にウォッシュアウトさせる場合の温度プロフ
ァイルを示す。ポリイミドフィルムは、製品に付着して
いるが、アルカリ溶液に浸漬すれば容易に除去できる。
得られた製品164は、他の実施例と同様に、外観、機械
的性能共に十分に優れたものであった。なお、ここで用
いた中子160は、芯体を用いずに熱膨張性素子だけで構
成されている。比較的細い製品や小さい製品を得るのに
用いる中子は、このように芯体を省略しても構わない。
何故ならば、この場合、伝熱に時間がかかり過ぎるとか
高価な熱膨張性素子を大量に必要とすることもなく、製
品の性能も問題がないからである。
実施例18 PEEKをマトリックスとするUDプリプレグテープ(APC−2
/AS4、ICI社製)を用いて、実施例12と同様にして、第4
3図に示すように熱膨張性素子の丸棒からなる中子170の
上にプリフォーム171を成形した。
ついで、外型として二枚のポリイミドフィルムを用いて
真空パックを行った。つぎに、これら全体を400℃の炉
に入れ、全体が殆ど400℃に達した後、全体を水槽中に
投じて冷却した。
得られた製品は、真空パックのしわを拾っていた他は、
外観的にほぼ均一であり、ボイドや構成角の乱れもなか
った。
また、製品の一部を試験サンプルとして採取して、それ
を静的な力学試験に供した。この結果、他の実施例と同
じく満足のいくものであった。
以上説明したように本発明によれば、特定の熱可塑性樹
脂からなるプリプレグを、ポリテトラフルオロエチレン
からなる熱膨張性の中子と該中子の外側に配された外型
との間に介在させ、前記熱可塑性樹脂および該中子の可
塑化温度以上の温度に加熱し、冷却を行うために、加熱
に際して該中子が可塑化温度以上に熱せられて急激に膨
張して前記熱可塑性樹脂を前記外型の内面に押圧するの
で、形状の自由度が高く高品質の繊維補強熱可塑性樹脂
中空体を効率よく製造することができる。
産業上の利用可能性 以上説明したように本発明によれば、繊維補強熱可塑性
樹脂中空体を効率よく製造することができる。また、本
発明によって得られる中空体は、熱可塑性樹脂マトリッ
クスの特性を生かして厳しい使用環境下で軽量・高強度
部材として利用されるばかりでなく、飛翔体の胴体など
の単殻構造体やトルクチューブ、圧力容器、宇宙空間に
おけるトラス構造体などへの利用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1 −293932 (32)優先日 平1(1989)11月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) 審判番号 平5−21050 (56)参考文献 特開 昭54−22470(JP,A) 特開 昭62−198448(JP,A) 特開 昭50−87170(JP,A) 特開 昭54−161676(JP,A) 特開 昭55−91628(JP,A) 特公 昭61−59230(JP,B2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
    ルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアリレンケト
    ン、ポリアリレンサルファイド、ポリアリルイミド、ポ
    リアミドイミド、ポリイミド、ポリイミドスルホン、ポ
    リスルホンから選ばれる熱可塑性樹脂をマトリックスと
    し、補強繊維を有するプリプレグを、ポリテトラフルオ
    ロエチレンからなる熱膨張性の中子と該中子の外側に配
    された外型との間に介在させ、ついで前記熱可塑性樹脂
    および該中子の可塑化温度以上の温度に該プリプレグお
    よび該中子を加熱して該中子を膨張させた後、該中子お
    よび該プリプレグを冷却することを特徴とする繊維補強
    熱可塑性樹脂中空体の製造方法。
  2. 【請求項2】プリプレグを構成する補強繊維が炭素繊
    維、ガラス繊維、又は芳香族ポリアミド繊維、炭化珪素
    繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維である特許請求の範囲
    第1項記載の繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方法。
  3. 【請求項3】中子が中実のマンドレル、中空のマンドレ
    ル、芯体の表面に複数個の熱膨張性素子を配置してなる
    複合体、又は複数個の熱膨張性素子だけからなる集合体
    である特許請求の範囲第1項記載の繊維補強熱可塑性樹
    脂中空体の製造方法。
  4. 【請求項4】プリプレグおよび中子を加熱するに際し、
    一部を他部よりも先行して加熱昇温させる特許請求の範
    囲第1項記載の繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】プリプレグおよび中子を冷却するに際し、
    プリプレグを中子よりも先行して冷却する特許請求の範
    囲第1項記載の繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】中子のデッドボリウムを利用して、冷却過
    程の型締めを維持する特許請求の範囲第1項記載の繊維
    補強熱可塑性樹脂中空体の製造方法。
  7. 【請求項7】得られる中空体が突起、仕切り、又は金属
    部材を一部に有する特許請求の範囲第1項記載の繊維補
    強熱可塑性樹脂中空体の製造方法。
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