JP2009500157A - 微量成分の吸着除去方法 - Google Patents

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Abstract

2容量%未満の濃度で存在する少なくとも1種の成分(微量成分)をそれ以外の少なくとも2種の成分(主成分)を含有するガス混合物から吸着により除去する方法。この方法は、a)原ガスを吸着圧力で吸着塔に供給し、吸着塔内の吸着媒に前記微量成分を吸着させて製品ガスを取り出す工程と、b)吸着工程で吸着塔に供給される原ガスよりも高い温度の再生ガスを再生ガス源で準備し、この再生ガスを吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置に導くことにより前記微量成分を吸着した吸着媒を再生ガスで加熱する工程と、c)30分以上に亘り原ガス又は製品ガス或いはその双方を断続的又は連続的に吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置に導き、その際に吸着塔を貫流するガス流の質量流量を工程a)における原ガスの供給流量又は製品ガスの取り出し流量の7%以下とする工程とを備えている。

Description

本発明は、並列に配置された2基以上の吸着塔を用い、2容量%未満の濃度で存在する少なくとも1種の成分(微量成分)を、それ以外の少なくとも2種の成分(主成分)を含有するガス混合物から吸着によって除去する方法に関する。
ここで「吸着塔」とは、1種或いは複数種の吸着媒(混合ベッドなど)を装填したあらゆる形式の吸着器を意味する。
複数種の主成分を含有するガス混合物の場合、それら主成分は基本的に吸着媒に対して種々の異なる吸着特性を示す。更に、このようなガス混合物の全ての成分は、温度が高くなるに従って吸着媒に吸着保持される量が低下する。
この種の吸着プロセスで運用されるサイクルは2つの主要な段階を備えている。即ち、第1段階は吸着段階であり、本来の分離すべき微量成分の除去はこの段階中に行われる。この段階の特徴は、分離対象の微量成分を除去されて吸着塔から取り出される製品ガス混合物(単に「製品ガス」と呼ぶ)の組成が、各主成分に関しては該吸着塔に供給された原ガス混合物(単に「原ガス」と呼ぶ)の組成と実質的に同一である点にある。
第2段階は、分離すべき微量成分を吸着保持している吸着媒が昇温と再生ガスによるパージ処理で再生され、従って吸着されている微量成分が脱着される段階である。通常、この第2段階は加熱段階又は単に加熱とも呼ばれる。
原理上、再生ガス、即ちパージ用のガスの組成は、吸着塔に供給される原ガスの組成と同一でも良く、また異なっていても良い。
分離すべき微量成分を吸着保持している吸着媒の再生が主に昇温(場合によっては更に吸着媒の再生を支援する他の付加的処置を伴う)によって行われる吸着プロセスは、TSA(温度スイング吸着法)と呼ばれる。
吸着の物理的原理に基づいて、加熱段階の終了時と吸着段階の終了時とでは吸着媒に吸着される1種又は複数種の原ガス主成分の量には大きな差がある。この吸着量の差は、吸着媒の空容量に占める各主成分毎のガス吸着量が加熱段階終了時と吸着段階終了時で異なるため更に増大する余地がある。
従って、上述の理由からTSAプロセスは原ガス中に含まれる1種又は複数種の主成分の貯蔵機能だけでなく、供給機能も果たすことになる。以下、このような加熱段階の終了時と吸着段階の終了時との吸着量の差を貯蔵量と呼ぶ。吸着と再生の1サイクル中に、この貯蔵量に相当するガスが主に加熱段階の始めに放出され、その後、改めて貯蔵量に相当するガスが再度吸着される。例えば、再生ガス中の特定成分の含有量が原ガス中の同一成分の含有量を上回る場合には、1サイクル中に主成分を何度も貯蔵し、放出することもできる。
TSAプロセスは、例えばH2/COコールドボックスの上流側で水蒸気とCO2を除去する場合のように、連続プロセスに組み込まれることが多い。このため、前述の貯蔵・供給機能の挙動が連続プロセスに妨害的な影響を及ぼしかねない。その理由は、コールドボックスへ導入されるガス流が先行してTSAプロセスで処理されると、ガス流の主成分に関する組成が貯蔵・供給機能の影響で時には大きく変動し、その結果、後続のコールドボックス内におけるガス分離プロセスが妨害される可能性があるからである。
以下、図1及び図2を参照して従来技術に属するTSAプロセスを詳しく説明するが、この例では、2基の並列配置された吸着塔(TSA)でTSAプロセスが行われる。以下の説明は、原理上は3基以上の並列配置された吸着塔を使用するTSAプロセスにも同様に当てはまることである。
図1中に示す「再生ガス供給源」並びに以下の説明で使用している用語「再生ガス源」は同義であり、いずれも再生に使用されるガスの任意の供給源と解釈すべきである。この場合、再生ガスとしては原ガス供給装置からの原ガス又は吸着塔から得られる製品ガス或いはその双方を利用することができる。勿論、プロセスとは無関係の(即ち「外部の」)ガス源に由来するガスであっても良い。
図1並びに以下の説明で使用している用語「再生ガス受取装置」には、TSA用の吸着媒の再生に使用されたガスの任意の受取機器が全て包含される。これは、例えばフレア燃焼筒、バーナ、もしくはその他の燃焼装置であっても良い。
図2に示す例示的な工程模式図は、次のような工程或いは段階を有する。尚、図2では第1吸着塔を表す符号1は第1吸着塔の入口側に、第2吸着塔を表す符号2は第2吸着塔の出口側(いずれも原ガスの流れ方向に関して)に付されている。
A 吸着:原ガスの流れ方向1→2又はA→B
Pa_A/B 並列運転(随意):吸着塔2基に原ガス同時供給、流れ方向1→2又はA→B
DA_A/B 吸着塔圧力の調整
H 加熱:流れ方向1→2又は2→1(好適には2→1)、但し常にC→D
K 冷却(随意):流れ方向1→2又は2→1(好適には2→1)、但し常にC→D
段階H及びKで使用されるガス又はガス混合物は、互いに同一或いは異なるガス又はガス混合物であって良い。ガス又はガス混合物が互いに同一であるか否かには関係なく、以下では単に「再生ガス」と呼ぶ。
ここで説明を簡単にするために、吸着塔はDA_A/B工程中は貯蔵手段としては問題にするほどの機能を果たさないものと仮定する。
吸着塔は加熱工程を実行する場合には原ガス主成分の供給源として機能する。この理由から、図1に示すD点における再生ガス組成はC点におけるガス組成とは異なる可能性がある。即ち、D点における再生ガスは、吸着塔TSAで放出された原ガスの主成分並びに微量成分を余計に含むからである。再生ガス中の原ガス主成分の量が多くなることは、この再生ガスが導入される後続プロセスの如何によっては特に望ましくない場合がある。
再生ガスが吸着媒に対する吸着特性の異なる2種以上の成分から成るガス混合物である場合、基本的に別の(第2の)貯蔵・供給挙動に至る可能性がある。その結果、冷却段階Kでは吸着塔TSAが再生ガスの各成分の貯蔵器として機能するので、D点における再生ガス主成分の濃度が時間的に変動することがある。
再生ガスが原ガスの諸成分を含有している場合、加熱段階で吸着媒から脱着放出される貯蔵量の一部は、加熱段階に比べて冷却段階における温度が低いことから冷却段階Kで調整され得るのであり、これは原理上望ましい場合が多い。しかしながら、それによってD点における原ガス中の1種以上の成分の枯渇、延いてはD点における再生ガス組成の変動も引き起こされ、これは多くのプロセスでは望ましくない。例えば、製品ガスの一部を再生ガスとして加熱及び冷却段階に使用し、再生ガスを原ガス供給源(例えばCO2洗浄付水蒸気改質器)に再び戻して混合すると、再生ガス中の個々の主成分の含有量が加熱段階では増加し、冷却段階では逆に減少し、その結果、吸着塔TSAに供給される原ガス、従って結局は製品ガス中の個々の主成分の含有量にも影響が及ぶことになる。
上述の第1次の貯蔵・供給挙動の最終的な調整は、DA_B、Pa_B及び/又はAの各工程中に行われる。それにより、A点では原ガス主成分の質量流量がB点における流量とは多少とも異なり、その結果、B点における製品ガスの濃度の変動が起る。自明のことながら、この濃度の変動も通常は望ましくない挙動である。
貯蔵量が吸着媒の空容量を満たすまでは吸着熱は殆ど発生しない。これに対して吸着貯蔵量が上限に達すると結果として顕著な吸着熱が発生し、このため一時的に工程Pa_A/B及び/又はAにおいてB点で温度上昇が起こる。
再生ガスが原ガスよりもやや高温であると、吸着塔、即ち、それに装填された吸着媒が冷却段階で充分に冷却されない虞があり、そのため、吸着塔の並列運転中、或いは吸着段階の開始時にも、B点における製品ガスの温度上昇が起きる。
本発明が解決すべき課題は、2容量%未満の濃度で存在する少なくとも1種の成分(微量成分)を、それ以外の少なくとも2種の成分(主成分)を含有するガス混合物から吸着によって除去する方法であって、前記諸欠点を回避することのできる方法を提供することである。特に本発明は、前述のB点及びD点におけるガス主成分の濃度並びに含有量の変動とB点における温度変動とを最小化可能とする方法を提供しようとするものである。
この課題を解決するため、本発明の方法は、以下の各工程、即ち、
a)原ガスを吸着圧力で吸着塔に供給し、吸着塔内の吸着媒に前記微量成分を吸着させて製品ガスを取り出す工程と、
b)吸着工程で吸着塔に供給される原ガスよりも高い温度の再生ガスを再生ガス源で準備し、この再生ガスを吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置に導くことにより前記微量成分を吸着した吸着媒を前記再生ガスにより加熱する工程と、
c)30分以上に亘り原ガス又は製品ガス或いはその双方を断続的又は連続的に吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置に導き、その際に吸着塔を貫流するガス流の質量流量を、前記工程a)における原ガスの供給流量又は製品ガスの取り出し流量の7%以下とする工程とを備えたことを特徴とする。
吸着塔への断続的な貫流は、例えば吸着塔の動作圧力を交互に加圧及び降圧させることによって行われる。それによってガス流は吸着塔に交互に流入し、吸着塔から交互に流出する。その場合、流入量の時間平均値は、加圧に費やされた合計ガス量を加圧と降圧の双方に費やされた合計時間で除した商によって算出される。同様に流出量の時間平均値も、降圧ガスの合計量を加圧と降圧の双方に費やされた合計時間で除することによって算出される。連続的な貫流の場合は、ガス流の吸着塔への流入と吸着塔からの流出は同時的に進行する。
前述したような原ガス又は製品ガス或いはその双方による吸着塔の連続的貫流は、以下では吸着量調整工程BEと称する。この工程BEの特徴は、原ガス又は製品ガスが原ガス圧力と再生ガス圧力との間の任意の圧力で吸着塔に供給され、該原ガス又は製品ガスがB点側の製品ガス受取装置ではなく、D点側の再生ガス受取装置に供給されることである。この場合、C点に供給されるガス流の質量流量と温度は、再生ガス受取装置側のD点における許容変動範囲内に保持されるように時間に依存して変化される。
原ガス又は製品ガス又はその双方を使用することにより、貯蔵量が0〜100%、好ましくは50%超(吸着媒の空容量又は飽和容量のいずれの吸着容量に関しても)となるように調整することができる。更に、吸着塔の動作温度(好ましくは摂氏数度以下)を充分なガス量と時間をかけることにより後続の吸着工程の温度レベルにまで下げることもできる。これは、単に1段階の冷却段階Kを使用するだけでは不可能なことであることは明かである。
従って、並列運転段階、即ち吸着段階Aが後続するであっても、B点における製品ガス中の成分濃度の変動は皆無又は極小となる。
本発明の方法による場合、吸着量調整段階中に発生する吸着熱は、従来技術によるプロセスの場合のようにPa_A/B又はA段階(工程)中に製品ガス受取装置側のB点方向に運び出されるのではなく、再生ガス受取装置側のD点方向に運び出される。D点では、吸着塔の加熱運転のために不可避の温度変動が現れるが、B点における不所望の温度変動は本発明の方法により回避することができる。
本発明によるプロセス方式は、再生ガスの圧力が吸着圧力よりも低い場合に好適に利用される。
本発明の上述以外の好ましい実施形態の特徴を列記すれば以下の通りである。
1基の吸着塔における吸着段階の終了直後で且つ該吸着塔又は他の1基の吸着塔における吸着段階の開始直前に、2基の吸着塔に同時に原ガスを供給する。
吸着塔の動作圧力を吸着圧力又は再生ガス圧力へ調整する工程を更に備え、この圧力調整工程を、前記工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間に実行する。
前記微量成分を吸着した吸着媒の加熱(工程b)の開始前に、該加熱工程中に吸着塔に貫流される再生ガスよりも少ない質量流量の再生ガスで吸着塔内をパージ処理する。
吸着媒の加熱(工程b)の後、原ガス又は製品ガス或いはその双方による貫流(工程c)の開始前に、前記加熱工程中に吸着塔に貫流される再生ガスの温度よりも低温の再生ガスを貫流させて吸着塔内を冷却する。
工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間において再生ガス受取装置側へ向かって吸着塔内の圧力を低下させる。
工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間において原ガス又は製品ガス或いはその双方によって吸着塔内を加圧し、且つガス流を吸着工程中とは逆向きに通流させる。
吸着塔内の加圧と再生ガス受取装置側へ向かう降圧とを反復して実行する。
原ガスと同等の組成を有する再生ガスを用いる。
本発明による方法の好適な一実施形態を図3に示す工程模式図と共に詳述すれば以下の通りである。
図3において用いられている工程記号の意味は次の通りである。
A 吸着:原ガスの流れ方向1→2又はA→B
Pa_A/B 並列運転:吸着塔2基に原ガス同時供給、流れ方向1→2又はA→B
DA_A/B 吸着塔圧力の調整
H 加熱:タイプ1の再生ガス、流れ方向1→2又は2→1(好適には2→1)、
但し常にC→D
K 冷却:タイプ1又は2の再生ガス、流れ方向1→2又は2→1(好適には2
→1)、但し常にC→D
SP パージ処理:タイプ1又は2の再生ガス、流れ方向1→2又は2→1(好適
には2→1)、但し常にC→D
K1 冷却1、部分:タイプ1又は2の再生ガス、流れ方向1→2又は2→1(好
適には2→1)、但し常にC→D
K2 冷却2、部分:タイプ1又は2の再生ガス、流れ方向1→2又は2→1(好
適には2→1)、但し常にC→D
BE 吸着量調整段階:原ガス及び/又は製品ガス、流れ方向A→D及び/又はB
→D
パージ処理工程SPの主な役割は、吸着媒に中間吸着量又は飽和吸着量でいずれにせよ吸着されている原ガス主成分を徐々に且つ目的通りに放出させることである。従ってこの工程では、吸着塔は原ガス供給源として機能する。またこの工程においては、再生されるべき吸着塔に流入する再生ガスの質量流量並びに温度はD点における成分濃度並びに含有量の変動が予め定められた範囲から逸脱しないように最適化される。余剰の再生ガスは、図1に示されているように、バイパス管路を介して再生対象の吸着塔を迂回させることができる。
冷却工程K1は、再生されるべき吸着塔の冷却段階の第1部分である。冷却されると吸着塔は必然的に貯蔵器として機能する。この理由から、再生ガスの質量流量と入口温度はD点における成分濃度並びに含有量の変動が予め定められた範囲から逸脱しないように設定される。冷却工程K1中にも、余剰の再生ガスはバイパス導管を介して再生対象の吸着塔を迂回させることができる。
冷却工程K2中は、D点で問題になるような再生ガス組成の変動は起らず、従って再生ガスの流量は最大にすることができる。再生ガスの組成が1種以上の主成分の含有量に関して原ガス組成と異なる場合は、冷却中に貯蔵量が完全に満たされない可能性がある。同様の作用は、再生ガスの組成が原ガス又は製品ガスの組成と実質的に同一であっても、再生ガスの入口温度が原ガスのそれよりも高い場合には現れることがある。
この場合は、特に吸着量調整段階を備えることが意味を持つ。それによって吸着塔の貯蔵量及び/又は温度を調整できるからである。
吸着圧力が再生ガス圧力よりも高ければ、本発明の方法の好ましい一形態に従って工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間のタイミングで原ガス又は製品ガスの一部を用いて吸収等内の再生ガス圧力を加圧する。その場合、この加圧操作は1回又は複数回に亘って実行することができ、複数回の加圧を行う場合には、1回又は複数回の降圧操作を好ましくは時間をあけることなく交互に続けて繰り返すとよい。
この場合、加圧に用いる原ガス又は製品ガスは、吸着段階における流れ方向とは逆向きに通流させることが好ましい。
この場合の本発明による実施形態を図4に示す工程模式図と共に詳述すれば以下の通りである。
図4に示す工程模式図では、既に図3に同じ工程記号で示した各段階又は工程の他に、以下の2つの工程が更に存在する。即ち、
D D点側の接続管路を介して吸着塔内を降圧する工程、及び
R 原ガス又は製品ガス或いはその双方を用い、好ましくは向流(吸着段階にお
ける流れ方向に対して)で吸着塔内を加圧する工程
再生ガス圧力が原ガス圧力よりも低い場合には、原ガス又は製品ガスによる加圧及び降圧操作は図1に示されている通りの接続管路を介して行うことができる。
原ガスや製品ガスによる加圧工程Rは好ましくは吸着段階における流れ方向に対して向流となる向きのガス流で行われ、この場合、吸着媒に対する貯蔵量の部分的調整が可能である。再生ガス受取装置側のD点に向って低圧となる吸着塔の降圧レベルが適切な範囲内に維持される限り、D点側の圧力は必ずしも再生ガス圧力まで低下させる必要はなく、そのように抑制した降圧操作は、過剰な脱着、従って既に吸着されている主成分の損失を回避するのに有効である。実際の運転プロセスでは、降圧工程において実質的に吸着媒の或る中間的な吸着容量を超える分のガスのみが放出されるようにする。このような加圧及び降圧工程では、原ガス又は製品ガスが断続的に吸着塔を貫流することになる。
降圧工程D及び加圧工程Rを組み合わせた交互圧力昇降操作は、貯蔵量(中間吸着量と飽和吸着量)がほぼ完全に回復するまで任意回数に亘って繰り返すことが好ましい。この圧力昇降操作に後続する両吸収塔の並列運転による吸着工程Pa_A/B又は単独の吸着工程Aでは、場合によって貯蔵量をほんの僅かだけ補充する必要があるだけであり、従ってB点における製品ガスには実用上問題となるほどの成分濃度の変動は生じない。
再生ガスの加熱に際して装置内で再生ガスに化学反応が生じる可能性がある場合(特に滞留時間が長い場合)、上述の標準的な工程プロセスパターンを更に付加的に変更しても良い。即ち、通常は加熱工程Hに先立って対象となる吸着塔内が工程SPで再生ガスによりパージ処理され、余剰の再生ガスはバイパス管路によって吸着塔TSAを迂回する。この処置を時間的に圧力調整工程DAの後に続いて実行する場合、そのために固有の工程SE(加熱系のパージ処理)を導入することができる。図4の工程模式図には示していないが、圧力調整工程DAの前に加熱系をパージ処理することが許容されるなら、加熱系のパージ処理を両吸着塔の並列運転中に行うことも可能である。
2基の並列吸着塔でTSAプロセスを行う基本的システム構成を示す系統図である。 従来技術による吸着プロセスの一例を示す工程模式図である。 本発明の一実施形態による吸着プロセスを示す工程模式図である。 本発明の別の実施形態による吸着プロセスを示す工程模式図である。

Claims (10)

  1. 並列に配置された2基以上の吸着塔を用い、2容量%未満の濃度で存在する少なくとも1種の成分(微量成分)を、それ以外の少なくとも2種の成分(主成分)を含有するガス混合物から吸着によって除去する方法であって、
    a)原ガス(A)を吸着圧力で吸着塔に供給し、吸着塔内の吸着媒に前記微量成分を吸着させて製品ガス(B)を取り出す工程と、
    b)吸着工程で吸着塔に供給される原ガスよりも高い温度の再生ガスを再生ガス源(C)で準備し、この再生ガスを吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置(D)に導くことにより前記微量成分を吸着した吸着媒を前記再生ガスにより加熱する工程と、
    c)30分以上に亘り原ガス又は製品ガス或いはその双方を断続的又は連続的に吸着塔に貫流させて再生ガス受取装置(D)に導き、その際に吸着塔を貫流するガス流の質量流量を、前記工程a)における原ガスの供給流量又は製品ガスの取り出し流量の7%以下とする工程とを備えたことを特徴とする微量成分の吸着除去方法。
  2. 1基の吸着塔における吸着段階の終了直後で且つ該吸着塔又は他の1基の吸着塔における吸着段階の開始直前に、2基の吸着塔に同時に原ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 吸着塔の動作圧力を吸着圧力又は再生ガス圧力へ調整する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 吸着塔の動作圧力を吸着圧力又は再生ガス圧力又は吸着圧力と再生ガス圧力との間の任意の圧力へ調整する工程を、前記工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間に実行することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記微量成分を吸着した吸着媒の加熱(工程b)の開始前に、該加熱工程中に吸着塔に貫流される再生ガスよりも少ない質量流量の再生ガスで吸着塔内をパージ処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 吸着媒の加熱(工程b)の後、原ガス又は製品ガス或いはその双方による貫流(工程c)の開始前に、前記加熱工程中に吸着塔に貫流される再生ガスの温度よりも低温の再生ガスで吸着塔内を冷却することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間において再生ガス受取装置(D)側へ向かって吸着塔内の圧力を低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程a)と工程c)の間、又は工程c)と工程a)の間において原ガス又は製品ガス或いはその双方によって吸着塔内を加圧し、且つガス流を吸着工程中とは逆向きに通流させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 吸着塔内の加圧と再生ガス受取装置側へ向かう降圧とを反復して実行することを特徴とする請求項7又は8記載の方法。
  10. 原ガスと同等の組成を有する再生ガスを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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