JP2009301862A - 非水電解質二次電池用負極、それを備えた非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極、それを備えた非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用負極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電体と合剤層との密着強度が高く、非水電解質二次電池の高容量化が可能な非水電解質二次電池用負極、その製造方法及びその負極を備える非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の非水電解質二次電池用負極は、集電体と、集電体の上に形成された合剤層とを備える非水電解質二次電池用負極であって、合剤層は、下記式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるポリビニルピロリドンと、カルボキシメチルセルロースと、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、カルボキシメチルセルロースがポリビニルピロリドンよりも重量比で多く含有されていることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極、それを備えた非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用負極の製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA(Personal Data Assistant)などの移動情報端末の小型・軽量化の急速な進展に伴い、駆動源として用いられる電池に対する高容量化の要求が高まってきている。また、HEV(Hybrid Electric Vehicle)や電動工具などの高出力が要求される用途への非水電解質二次電池の適用も進んでおり、非水電解質二次電池の開発の方向性は、高容量化と高出力化とに2極化しつつある。
電池の高容量化に関しては、コバルト酸リチウムに代わる高容量正極材料の開発や、黒鉛に代わる高容量負極材料の開発が行われている。しかしながら、現在のリチウム二次電池の主流材料であるコバルト酸リチウム及び黒鉛を用いた正極及び負極は、性能バランスに優れ、また、各種携帯機器の動作がこれらの材料を用いた電池の特性にあわせて設計されてきたため、コバルト酸リチウムや黒鉛に代わる高容量電極材料の開発はあまり進んでいない現状にある。特に負極材料については、負極材料を変更すると充放電カーブが大きく変化し、電池の作動電圧が大きく変化するため、黒鉛から他の高容量負極材料への置き換えは進みにくい状況にある。
しかしながら、携帯機器などの消費電力は年々増加の一途をたどっており、電池に対する高容量化が強く求められていることから、現状では、黒鉛を用いた負極の高充電密度化や、負極合剤層の厚さ増大などにより高容量化の要望に対応せざるを得ない状況にある。
ところで、近年、非水電解質二次電池の製造時の環境負荷を軽減する観点などから、負極の作製に水系スラリーを用いることが提案されている。負極の作製に使用される水系スラリーとしてはスチレンブタジエンゴム(SBR)などのラテックス系結着剤を用いた水系スラリーが知られている。しかしながら、ラテックス系結着剤を用いた水系スラリーでは、厚膜塗工が困難であるため、例えば下記特許文献1に開示されているように、ラテックス系結着剤を用いた水系スラリーには、通常、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの増粘剤が添加される。
CMC及びラテックス系結着剤を用いた水系スラリーは、塗工性に優れており、この水系スラリーを用いることにより、厚膜塗工が容易となる。このため、一度の塗工により厚い合剤層形成することが可能となる。
しかしながら、CMC及びラテックス系結着剤を用いた水系スラリーを用いた場合、集電体と合剤層との間の高い密着強度が得難いという問題がある。
なお、後述のように、本発明の非水電解質二次電池用負極では、合剤層が、特定の種類のポリビニルピロリドン(PVP)と、CMCと、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、CMCがPVPよりも重量比で多く合剤層に含有されているが、下記の特許文献1〜5には、合剤層にPVPとCMCとの両方を含有させること及びその効果、さらには合剤層に含有させるPVPの好ましい種類や合剤層におけるCMCとPVPとの好ましい含有量は何ら開示されていない。
特開2002−175807号公報 特開平6−275279号公報 特開平10−106542号公報 特開平9−213306号公報 特開2005−228679号公報
本発明の目的は、集電体と合剤層との間の密着強度が高く、非水電解質二次電池の高容量化が可能な非水電解質二次電池用負極、その製造方法及びその負極を備える非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、集電体と、集電体の上に形成された合剤層とを備える非水電解質二次電池用負極であって、合剤層は、下記式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるポリビニルピロリドン(PVP)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)と、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、CMCがPVPよりも重量比で多く含有されていることを特徴としている。
K=(1.5logη−1)/(0.15+0.003c)+{300clogη+(c+1.5clogη)1/2/(0.15c+0.003c) ……(1)
但し、
η:25℃におけるPVP水溶液の水に対する相対粘度、
c:PVP水溶液中のPVPの重量濃度、
である。
ここで、上記式(1)は、一般的にフィーケンチャー(Fikentscher)式と呼ばれる式であり、上記式(1)のK値は、重合度を表し、分子量と相関する値である。
上記のように、本発明に従い、合剤層にCMCとPVPとの両方を含有させ、合剤層におけるCMCの含有量をPVPの含有量よりも多くし、かつPVPの上記式(1)で表されるK値(以下、単に「K値」という場合がある。)を34〜112の範囲に限定することによって集電体と合剤層との間の高い密着強度と合剤層における負極活物質の高い分散安定性との両方を実現することができる。
また、上記式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるPVPと、CMCと、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、CMCがPVPよりも重量比で多く含有されている水系スラリー(以下、「CMCリッチのCMC−PVP水系スラリー」という場合がある。)を集電体上に塗布し、乾燥させることにより本発明の負極合剤層を形成する場合、CMCリッチのCMC−PVP水系スラリーは塗工性に優れ、かつ厚膜塗工が可能であるため、一度の塗工で厚い合剤層を形成することができる。従って、非水電解質二次電池の高容量化が可能となる。
本発明では、PVPとCMCとの両方が分散剤として用いられているが、例えば、PVPを用いずにCMCのみを分散剤として用いた場合は、合剤層における負極活物質の高い分散安定性を得ることができるものの、集電体と合剤層との間の密着強度を十分に高くすることが困難である。これは、CMCの負極活物質に対する吸着力が低いため、負極活物質粒子の表面にCMCが吸着していない部分が残存する傾向にあるからであると推測される。
また、CMCを用いずにPVPのみを分散剤として用いた場合は、集電体と合剤層との間の高い密着強度が得られないばかりか、合剤層における負極活物質の高い分散安定性も得難くなる。これは、PVPが負極活物質に対して高い吸着力を有するため、PVP1分子が複数の負極活物質粒子に対して吸着するのではなく、ひとつの負極活物質粒子にのみ吸着する傾向が強いからであると推測される。
本発明では合剤層におけるCMCの含有量がPVPの含有量よりも多いが、合剤層におけるCMCの含有量がPVPの含有量以下である場合は、集電体と合剤層との間の密着強度を高めることが困難となる傾向にある。
また、CMCの含有量がPVPの含有量よりも少ないCMC−PVP水系スラリーを用いた場合、塗工性が低下すると共に、厚膜塗工が困難となる傾向にある。
集電体と合剤層との間の密着強度の向上及び高容量化の観点からは、合剤層におけるCMCに対するPVPの重量比(PVP/CMC)が、0/10<PVP/CMC≦4/6の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明では、合剤層に含まれるPVPのK値が34以上であるが、合剤層に含まれるPVPのK値が34未満である場合は、合剤層における負極活物質の高い分散安定性が得難くなる。
また、K値が34未満のPVPを含有する水系スラリーは塗工性が低く、また、厚膜塗工が困難であるため、K値が34未満のPVPを含有する水系スラリーを集電体上に塗布し、乾燥させることにより合剤層を形成する場合、一度の塗工により厚い合剤層が得難く、高容量化が困難となる。
負極活物質の分散安定性をより高くする観点及び高容量化の観点からは、合剤層に含まれるPVPのK値は34以上であることが好ましく、47以上であることがさらに好ましい。
本発明ではPVPのK値が112以下であるが、CMC−PVP水系スラリーに含まれるPVPのK値が112を超える場合は、CMC−PVP水系スラリーの粘度が高くなり過ぎ、CMC−PVP水系スラリーの塗工が困難となる傾向にある。CMC−PVP水系スラリーの高い塗工性を得る観点から、PVPのK値は、103以下であることがより好ましい。
なお、K値が34〜112のPVPとしては、例えば、BASF社製Luviskol K−60(K値:52〜62)、BASF社製Luviskol K−80(K値:74〜82)、BASF社製Luviskol K−85(K値:83〜88)、BASF社製Luviskol K−90パウダー(K値:88〜96)、BASF社製Luviskol K−90 約20%水溶液(K値:90〜103)、日本触媒社製ポリビニルピロリドンK−85(粉体のK値:84〜88、水溶液のK値:86〜90)、日本触媒社製ポリビニルピロリドンK−90(粉体のK値:88〜96、水溶液のK値:90〜103)等が挙げられる。
本発明において、合剤層におけるCMCの含有量とPVPの含有量との合計が0.2〜2.0重量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜1.5重量%の範囲内であることがより好ましい。CMCの含有量とPVPの含有量との合計が多くなるほど合剤層における負極活物質の分散安定性が高くなる傾向にあるものの、CMCの含有量とPVPの含有量との合計が2.0重量%を超えると、負極活物質へのイオンの脱挿入効率が低下する傾向にある。一方、CMCの含有量とPVPの含有量との合計が0.2未満であると、合剤層における負極活物質の十分な分散安定性が得難くなる傾向にある。
また、本発明において、合剤層におけるラテックス系結着剤の含有量は0.5〜2.0重量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜1.5重量%の範囲内であることがより好ましい。ラテックス系結着剤の含有量が2.0重量%を超えると、負極活物質へのイオンの脱挿入効率が低下する傾向にある。一方、ラテックス系結着剤の含有量が0.5重量%未満であると、十分な結着性が得難くなる傾向にある。
本発明において、負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵・放出できるものである限りにおいて特に限定されず、例えば、炭素材料、酸化スズ、金属リチウム、ケイ素及びそれらのうちの2種以上の混合物などが挙げられる。なかでも、電極特性及びコストの観点から負極活物質は炭素材料であることが好ましい。
炭素材料の具体例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズピッチ系炭素繊維(MCF)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス、ハードカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でも、リチウムの挿入脱離に伴う電位変化が小さいことから、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛が特に好ましく用いられる。
本発明において、ラテックス系結着剤は、特に限定されず、具体例としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテックス、及びこれらのカルボキシ変性体などが挙げられる。これらの中でも、Liイオン伝導性が高いSBRをラテックス系結着剤として用いることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、上記本発明の非水電解質二次電池用負極と、正極と、非水電解質とを備えている。従って、本発明の非水電解質二次電池では、負極における集電体と合剤層との間の密着強度を高くすることができ、かつ高容量化が可能となる。
本発明において、正極は、特に限定されるものではなく、リチウム二次電池の正極活物質として一般に用いることができるものを使用できる。正極は、一般的には、集電体と、集電体の上に形成され、正極活物質を含む合剤層とを備えている。正極に用いられる集電体は、特に限定されず、例えば、アルミニウム箔などにより構成される。
正極活物質も特に限定されず、その具体例としては、コバルト酸リチウム、ニッケル含有リチウム複合酸化物、スピネル型マンガン酸リチウム及びオリビン型燐酸鉄リチウムなどが挙げられる。ニッケル含有リチウム複合酸化物の具体例としては、Ni−Co−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物などが挙げられる。これらの正極活物質は単独で用いられてもよいし、これらの正極活物質のうちの2つ以上を併用してもよい。
非水電解質は、通常、支持塩と溶媒とを含有している。支持塩は、リチウムを含有するものであってもよいし、リチウムを含有しないものであってもよい。リチウムを含有する支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiPF(5−x)(C(2n+1)〔但し、1<x<6、n=1または2〕などが挙げられる。これらの支持塩は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
非水電解質に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチレンカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのカーボネート系溶媒が挙げられる。上記カーボネート系溶媒は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合して用いられてもよく、例えば、環状カーボネート系溶媒と鎖状カーボネート系溶媒との混合溶媒を使用することが好ましい。
なお、非水電解質における支持塩の濃度は、特に限定されないが、例えば1.0〜1.8mol/L程度であることが好ましい。
本発明の電池の充電終止電圧は特に限定されず、充電終止電圧は、例えば、4.2V程度以上に設定される。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極の製造方法は、上記本発明に係る非水電解質二次電池用負極の製造方法であって、式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるPVPと、CMCと、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、CMCがPVPよりも重量比で多く含有されている水系スラリーを調整する工程と、水系スラリーを集電体の上に塗布し、乾燥させることにより合剤層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
上述の通り、本発明において用いられるCMCリッチのCMC−PVP水系スラリーは、塗工性に優れ、このCMCリッチのCMC−PVP水系スラリーを用いることにより一度の塗工で厚い合剤層の形成が可能であるため、本発明の製造方法に従い製造された非水電解質二次電池用負極を用いることによって非水電解質二次電池の高容量化が可能となる。また、このCMCリッチのCMC−PVP水系スラリーを用いることにより、負極における集電体と合剤層との間の密着強度を高くすることができる。
水系スラリーを調製する工程において、負極活物質に対してCMCを添加した後に、PVPを添加することが好ましい。そうすることにより、水系スラリーの塗工性が高くなり、一度の塗工により、より厚い合剤層を形成することが可能となる。
本発明によれば、集電体と合剤層との間の密着強度が高く、非水電解質二次電池の高容量化が可能な非水電解質二次電池用負極、その製造方法及びその負極を備える非水電解質二次電池が提供される。本発明の非水電解質二次電池は、例えば、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末用駆動電源や、HEVや電動工具といった高出力機器用駆動電源などに好適である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(予備実験)
本予備実験では、CMCのみを分散剤として含む負極形成用水系スラリーにおいて、負極形成用水系スラリーの混練時における固形分濃度と、CMCの吸着率との関係、及び、CMCの吸着率と、集電体と合剤層との間の密着強度との関係について検討した。
水を希釈溶媒として、人造黒鉛(平均粒径:21μm、表面積:4.0m/g)、CMC(ダイセル化学工業(株)社製 品番:1380(エーテル化度:1.0〜1.5))及びSBRを98:1:1の重量比で混練機(プライミクス社製ハイビスミックス)を用いて混練し、固形分濃度が異なる複数種類の負極形成用スラリーを作製した。具体的には、まず、混練機(プライミクス社製ロボミックス)を用いてCMCを脱イオン水に溶解させることによりCMC水溶液を得た。次いで、固形分重量比で黒鉛:CMC=98:1となるように黒鉛とCMC溶液とを混練機(プライミクス社製ハイビスミックス)を用いて、90rpmで60分間混合した。次いで、固形分重量比で黒鉛:CMC:SBR=98:1:1となるようにSBRを混練機(プライミクス社製ハイビスミックス)に添加し、その後、さらに40rpmで45分間混練し、所定の固形分濃度の負極形成用スラリーを得た。
この負極形成用スラリーを銅箔の上に204mg/10cmを目標塗工量として塗工し、乾燥させた後、圧延することにより、合剤層を形成し、予備実験負極1〜4とした。下記表1に示すように、予備実験負極1〜4の混練時における固形分濃度は、それぞれ、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%とした。
次に、予備実験負極1〜4について、90度剥離試験法により集電体と合剤層との密着強度を測定した。具体的には、まず、70mm×20mmサイズの両面テープ(ニチバン株式会社社製「ナイスタック NW−20」)を用いて予備実験負極1〜4を120mm×30mmサイズのアクリル板に貼付し、貼り付けられた負極の端部を日本電産シンポ株式会社社製小型卓上試験機(「FGS−TV」及び「FGP−5」)で負極合剤層表面に対して90度の方向に、一定速度(50mm/min)で上方に55mm引っ張り、剥離時の強度を測定した。この剥離強度測定を3回行い、3回の測定結果を平均した値を90度剥離強度とした。
また、SBR添加前のスラリーを取り出し、遠心分離処理して得られる上澄み液の粘度を、粘度測定器(AND社製VIBRO VISCOMETER(品番:SV−10))を用いて測定した。それと共に、各種濃度のCMC水溶液の粘度を上記粘度測定器を用いて別途測定し、各種濃度のCMC水溶液の粘度と上澄み液の粘度とを比較することにより、黒鉛に吸着されずにスラリー中に浮遊しているCMCの、CMCの添加量に対する割合を求め、その結果から黒鉛に対するCMCの吸着率を求めた。この結果を、上記90度剥離強度結果と共に下記表1に示す。
Figure 2009301862
上記表1に示す結果から、混練時の固形分濃度が高くなるほどCMCの吸着率が高くなり、それと共に、90度剥離強度が高くなることがわかる。従って、集電体と合剤層との間の高い密着強度を得るためには、スラリー混練時の固形分濃度を高くすることが好ましいことがわかる。
但し、スラリーの固形分濃度が比較的低い場合は、固形分濃度が高くなるにつれてCMCの吸着率が高くなる傾向にあるが、スラリーの固形分濃度が高い場合は、固形分濃度が高くなってもCMCの吸着率はそれほど高くならなかった。この原因としては、スラリーに含まれる水の影響もさることながら、CMCの吸着力の低さにあるものと考えられる。CMCの吸着力の低さ故、黒鉛粒子の表面全体にCMCが吸着せず、CMCが吸着していない領域が黒鉛粒子の表面に存在するものと推測される。本発明に従い、CMCとPVPとを併用することにより、黒鉛粒子の表面のCMCが吸着していない領域にPVPを吸着させることができるため、集電体と合剤層との間の密着強度をより高くすることができるものと推測される。
なお、負極形成用スラリーの作製時において、CMCとPVPの添加タイミングは特に限定されず、例えば、CMCとPVPとを同時に添加してもよいし、いずれか一方を先に添加し、負極活物質と混練した後に他方を添加してもよい。但し、PVPはCMCよりも負極活物質に対する吸着力が高いため、負極活物質にCMCを効果的に吸着させ、合剤層における負極活物質の分散安定性を高める観点からは、PVPの添加と同時またはPVPを添加する前にCMCを添加することが好ましく、PVPを添加する前にCMCを添加することがより好ましい。
(実施例1)
[正極の作製]
希釈溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を用いて、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、炭素導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるPVDFとを、重量比でコバルト酸リチウム:アセチレンブラック:PVDF=95:2.5:2.5となるように混練機(プライミクス製ハイビスミックス)を用いて混練し、正極形成用スラリーを得た。その正極形成用スラリーをアルミニウム箔の両面に塗工し、乾燥させた後に、充電密度が3.60g/ccとなるように圧延し正極を完成させた。
[負極の作製]
混練機(プライミクス社製ロボミックス)を用いてCMC(ダイセル化学工業(株)社製、品番1380(エーテル化度:1.0〜1.5))を脱イオン水に溶解させ濃度1.0重量%のCMC水溶液を得た。
混練機(プライミクス社製ロボミックス)を用いてPVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」)を脱イオン水に溶解させ濃度1.0重量%のPVP水溶液を得た。なお、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」)のK値(カタログ値)は88〜103であるが、実施例に実際に用いたPVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」)のK値は、測定した結果、95であった。
人造黒鉛(平均粒径:21μm、表面積:4.0m/g)に対して活物質濃度が60重量%となるように上記CMC水溶液を加え、混練機(プライミクス社製ハイビスミックス)を用いて、回転速度90rpmで60分間混練した。その後、重量比で人造黒鉛:CMC=98:0.8となるように上記CMC水溶液をさらに加えた後、回転速度90rpmで20分間混練した。次いで、重量比で人造黒鉛:CMC:PVP=98:0.8:0.2となるように上記PVP水溶液を加えた後、回転速度90rpmで20分間混練した。次いで、重量比で人造黒鉛:(CMC+PVP):SBR=98:1:1となるようにSBR(固形分濃度:50重量%)を上記混練機中に添加した後、40rpmの回転速度で45分間混合し、スラリーの粘度が1.0Pa・s(25℃)となるように脱イオン水をさらに添加し、負極形成用スラリーを作製した。
次に、負極形成用スラリーを銅箔の両面に、目標塗工量を204mg/10cmとして塗工し、乾燥させた後、充填密度が1.60g/ccとなるように圧延し、本発明負極t1を得た。なお、正極と負極との対向容量比は、1.10で負極リッチとなるように調整した。
また、本発明負極t1について、50mm×20mmサイズに切り出した電極の重量を上皿天秤を用いて測定すると共に、50mm×20mmサイズの本発明負極t1の作製に用いたものと同様の銅箔の重量を上皿天秤を用いて測定し、測定された負極の重量から銅箔の重量を減算することにより、負極合剤層の塗布量を測定した。
また、塗工性は、以下の評価基準で目視観察により評価した。
○:塗工面に塗工されていない部分やスジが観察されない。
△:塗工面に塗工されていない部分は観察されないものの、スジが観察される。
×:塗工面に塗工されていない部分が観察される。
塗布量の測定結果と、塗工性の評価とを、下記の表2〜4に示す。
〔非水電解質の調製〕
ECとDECとを容量比でEC:DEC=3:7の割合で混合した混合溶液に、六フッ化燐酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lとなるように溶解させ、混合することにより、非水電解質を得た。
〔電池の組み立て〕
上記正極と負極とのそれぞれにリード端子を取り付け、ポリエチレン製のセパレータを介して渦巻き状に巻き取ったものを扁平状にプレスして電極体を作製した。この電極体をアルミニウムラミネート製の電池外装体に挿入し、さらに電池外装体内に上記非水電解質を注液し、封止して本発明電池T1を得た。
なお、電池の組み立てに際して、4.2Vの充電終止電圧を基準とし、設定容量を650mAhとした。
(実施例2)
負極形成用スラリーにおけるCMCとPVPとの重量比(PVP/CMC)を4/6としたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、本発明負極t2とした。その本発明負極t2を用いて、実施例1と同様にして電池を作製し、本発明電池T2とした。
(実施例3)
実施例1と同様に調製した濃度1.0重量%のCMC水溶液とPVP水溶液とを、重量比でCMC:PVP=8:2となるように予め混合し、(CMC+PVP)混合水溶液を調製した。
次に、人造黒鉛(平均粒径:21μm、表面積:4.0m/g)に対して活物質濃度が60重量%となるように上記(CMC+PVP)混合水溶液を加え、混練機(プライミクス社製ハイビスミックス)を用いて、回転速度90rpmで60分間混練した。その後、重量比で人造黒鉛:(CMC+PVP)=98:1となるように上記(CMC+PVP)混合水溶液をさらに加えた後、回転速度90rpmで20分間混練した。次いで、重量比で人造黒鉛:(CMC+PVP):SBR=98:1:1となるようにSBR(固形分濃度:50重量%)を上記混練機中に添加した後、40rpmの回転速度で45分間混合し、スラリーの粘度が1.0Pa・s(25℃)となるように脱イオン水をさらに添加し、負極形成用スラリーを作製した。
その負極形成用スラリーを用いて、上記実施例1と同様の手順で負極を作製し、本発明負極t3とした。
(実施例4)
負極形成用スラリーにおけるCMCとPVPとの重量比(PVP/CMC)を1/9としたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、本発明負極t4とした。
(実施例5)
負極形成用スラリーにおけるCMCとPVPとの重量比(PVP/CMC)を3/7としたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、本発明負極t5とした。
(実施例6)
PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」、K値:88〜103(カタログ値)、95(測定値))に替えて、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−80」K値:76〜86(カタログ値)、85(測定値))を用いたこと以外は、上記比較例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、本発明負極t6とした。
(実施例7)
PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」、K値:88〜103(カタログ値)、95(測定値))に替えて、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−50」K値:47〜55(カタログ値)、50(測定値))を用いたこと以外は、上記比較例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、本発明負極t7とした。
(比較例1)
負極形成用スラリーにPVPを添加せず、負極形成用スラリーにおける人造黒鉛とCMCとSBRとの重量比を人造黒鉛:CMC:SBR=98:1:1としたこと以外は上記実施例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r1とした。また、比較負極r1を用いて実施例1と同様の手順で電池を作製し、比較電池R1とした。
(比較例2)
負極形成用スラリーにCMCを添加せず、負極形成用スラリーにおける人造黒鉛とPVPとSBRとの重量比を人造黒鉛:PVP:SBR=98:1:1としたこと以外は上記実施例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r2とした。
(比較例3)
PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」、K値:88〜103(カタログ値)、95(測定値))に替えて、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−30」K値:27〜33(カタログ値)、29(測定値))を用いたこと以外は、上記比較例2と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r3とした。
(比較例4)
PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」、K値:88〜103(カタログ値)、95(測定値))に替えて、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−30」、K値:27〜33(カタログ値)、29(測定値))を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r4とした。
(比較例5)
負極形成用スラリーにおけるCMCとPVPとの重量比をCMC:PVP=4:6としたこと以外は上記実施例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r5とした。
(比較例6)
PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−90」、K値:88〜103(カタログ値)、95(測定値))に替えて、PVP(第一工業製薬(株)製、商品名「ピッツコール K−120L」K値:113〜126(カタログ値)、116(測定値))を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の手順で負極形成用スラリーを作製した。その負極形成用スラリーを用いて実施例1と同様の手順で負極を作製し、比較負極r6とした。
〔負極における集電体と合剤層との間の密着強度の評価〕
本発明負極t1〜t3及び比較負極r1〜r5のそれぞれにおける集電体と合剤層との間の密着強度を、90度剥離試験法によって評価した。具体的には、まず、70mm×20mmサイズの両面テープ(ニチバン株式会社社製「ナイスタック NW−20」)を用いて120mm×30mmサイズのアクリル板に負極を貼付し、貼り付けられた負極の端部を日本電産シンポ株式会社社製小型卓上試験機(「FGS−TV」及び「FGP−5」)で負極合剤層表面に対して90度の方向に、一定速度(50mm/min)で上方に55mm引っ張り、剥離時の強度を測定した。この剥離強度測定を3回行い、3回の測定結果を平均した値を90度剥離強度とした。結果を下記の表2〜4に示す。なお、下記表3は、PVPとCMCの重量比(PVP/CMC)のみが異なる本発明負極t4、t1、t5、t2及び比較負極r5、r1の結果を表している。表4は、使用したPVPの種類のみが異なる本発明負極t1、t6、t7及び比較負極r6、r4の結果を表している。
Figure 2009301862
Figure 2009301862
Figure 2009301862
表2〜4に示すように、K値が50〜95であるPVPを用い、CMCの含有量がPVPの含有量よりも多い負極形成用スラリーを使用した本発明負極t1〜t7では、塗布量が200mg/10cm以上と多く、塗工性に優れ、かつ90度剥離強度が130mN以上と高かった。
それに対して、CMCを用いずにPVPのみを分散剤として用いた比較負極r2,r3では、負極形成用スラリーの粘度が低いため塗布量が100mg/10cm程度と少なく、塗工性が悪く、かつ90度剥離強度も50以下と低かった。なお、PVP水溶液のPVP重量濃度を変更して塗工性を評価する追加実験も行ったが、比較負極r2,r3の結果と同様に、CMCを用いずにPVPのみを分散剤として用いた場合は、本発明負極t1〜t3ほどの塗布量及び高い塗工性は得られなかった。この結果は、上述のように、黒鉛に対するPVPの吸着力が高いことに起因するものと考えられる。
また、PVPを用いずにCMCのみを分散剤として用いた比較負極r1では、塗布量が204mg/10cmと高かったものの、90度剥離強度は122mNと低かった。
上記表3に示すように、CMCに対するPVPの重量比(PVP/CMC)が1/2未満の範囲で大きくなるほど高い90度剥離強度が得られた。CMCに対するPVPの重量比(PVP/CMC)が1/2以上である比較負極r5と比較負極r1とでは、低い90度剥離強度しか得られなかった。この結果から、CMCに対するPVPの重量比(PVP/CMC)を1/9以上、1/2未満にすることによって、200mN以上という高い90度剥離強度が得られることがわかる。
また、上記表4に示すように、PVPのK値が50〜95である本発明負極t1、t6、t7では、塗工性が良好で、塗布量が多く、かつ90度剥離強度も高かったのに対して、PVPのK値が116である比較負極r6では、塗工性が悪く、180mg/10cmと塗布量が少なかった。この結果から、PVPのK値が112より高い場合は、塗工性が悪化し、塗布量が少なくなることがわかる。
また、PVPのK値が29である比較負極r4では、塗工性が悪く、160mg/10cmと塗布量が少なく、かつ90度剥離強度も95mNと小さかった。この結果から、PVPのK値が34より低い場合は、塗工性が悪化し、塗布量が少なくなり、かつ密着強度も低くなることがわかる。
また、上記表2に示すように、黒鉛とCMCとを混合した後に、PVPを混合した本発明負極t1,t2における集電体と合剤層との間の密着強度が、黒鉛に対してCMCとPVPとを同時に混合した本発明負極t3における集電体と合剤層との間の密着強度よりも高かったことから、黒鉛とCMCとを混合した後に、PVPを混合することが好ましいことがわかる。
〔電池性能評価〕
本発明電池T1,T2及び比較電池R1について、25℃において、以下の電池性能評価を行った。なお、以下の充電試験と放電試験との間には、10分間の休止時間を設けた。
・充電試験
1C(650mA)の電流で電池電圧4.2Vまで定電流充電を行った後、4.2V定電圧で電流が1/20C(32.5mA)となるまで充電を行った。
・放電試験
1C(650mA)の電流で電池電圧2.75Vまで1C及び3Cで定電流放電を行った。
以上の充放電試験で測定された3Cでの放電容量及び1Cでの放電容量から、(3Cでの放電容量)/(1Cでの放電容量)を求めた。結果を下記表5に示す。
Figure 2009301862
上記表5に示すように、本発明電池T1,T2は、負極形成用スラリーに分散剤としてCMCのみを分散剤として用いた比較負極R1と同等の充放電性能を示した。この結果から、負極形成用スラリーの分散剤としてCMCとPVPとを併用した場合であっても、高い充放電性能が得られることが確認された。

Claims (11)

  1. 集電体と、前記集電体の上に形成された合剤層とを備える非水電解質二次電池用負極であって、
    前記合剤層は、下記式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるポリビニルピロリドンと、カルボキシメチルセルロースと、ラテックス系結着剤と、負極活物質とを含有し、前記カルボキシメチルセルロースが前記ポリビニルピロリドンよりも重量比で多く含有されていることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
    K=(1.5logη−1)/(0.15+0.003c)+{300clogη+(c+1.5clogη)1/2/(0.15c+0.003c) ……(1)
    但し、
    η:25℃におけるポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度、
    c:ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドンの重量濃度、
    である。
  2. 前記合剤層における前記カルボキシメチルセルロースに対する前記ポリビニルピロリドンの重量比(ポリビニルピロリドン/カルボキシメチルセルロース)が0/10より大きく4/6以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 前記ポリビニルピロリドンのK値が47〜103の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4. 前記負極活物質が炭素材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  5. 前記炭素材料が黒鉛であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池用負極。
  6. 前記ラテックス系結着剤がスチレンブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  7. 前記合剤層における前記カルボキシメチルセルロースの含有量と前記ポリビニルピロリドンの含有量との合計が0.2〜2.0重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  8. 前記合剤層における前記ラテックス系結着剤の含有量が0.5〜2.0重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極と、正極と、非水電解質とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法であって、
    前記式(1)で表されるK値が34〜112の範囲内にあるポリビニルピロリドンと、前記カルボキシメチルセルロースと、前記ラテックス系結着剤と、前記負極活物質とを含有し、前記カルボキシメチルセルロースが前記ポリビニルピロリドンよりも重量比で多く含有されている水系スラリーを調製する工程と、
    前記水系スラリーを前記集電体の上に塗布し、乾燥させることにより前記合剤層を形成する工程とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  11. 前記水系スラリーを調製する工程において、前記負極活物質に対して前記カルボキシメチルセルロースを添加した後に、前記ポリビニルピロリドンを添加することを特徴とする請求項10に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
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