JP2009301820A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱に弱い処理対象管を破損させることなく確実に処理する。
【解決手段】高周波信号を生成する高周波電源(高周波信号生成部)と、高周波信号を入力して放射する放射器と、プラズマ放電用ガスを供給するガス供給部と、高周波電源およびガス供給部を制御する制御部とを備え、制御部が、ガス供給部を制御して処理対象体の処理部位に向けてプラズマ放電用ガスを供給させると共に高周波電源を制御して高周波信号を生成させて放射器から高周波信号を放射させることにより、放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、制御部の制御に従って放射器に向けての放電を行う着火機構を備え、制御部は、高周波電源による高周波信号の生成開始に先立って着火機構を制御して放電を開始させ(ステップ42)、その後に高周波電源を制御して高周波信号を生成させる(ステップ43)。
【選択図】図2

Description

本発明は、処理対象体をプラズマで処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関するものである。
この種のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法として、出願人は、特願2007−175691において、各種プラズマ処理装置を開示している。この出願人が開示しているプラズマ処理装置では、まず、筐体の閉塞板に形成された貫通孔に処理対象管を貫通させた後に、処理対象管内にプラズマ放電用ガスを供給する。次いで、処理対象管の搬送を開始すると共に、高周波電源による高周波信号の生成を開始する。この際には、高周波電源によって生成された高周波信号がカップリングループを経由して筐体に流れる。この結果、カップリングループの一端側部位の周囲に磁界が発生し、この磁界によって放射器が共振する。これにより、放射器の先端側近傍で電界強度が最大となり、プラズマ放電用ガスが供給されている処理対象管内(放射器の先端側近傍)においてプラズマが発生する。この状態において、処理対象管が一定速度で搬送されることにより、放射器の先端側近傍において発生しているプラズマによって処理対象管内の内部が順次処理される。
先行出願1
特願2007−175691
ところが、出願人が開示しているプラズマ処理装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示しているプラズマ処理装置では、処理対象管内にプラズマ放電用ガスを供給した状態において、高周波電源によって生成した高周波信号をカップリングループの一端側部位に出力することにより、カップリングループの周囲に発生する磁界によって放射器を共振させて処理対象管内にプラズマを発生させ、そのプラズマによって処理対象管内を処理する構成が採用されている。この場合、上記の先行出願において出願人が開示しているように、この種のプラズマ処理装置では、高周波電源によって生成した高周波信号の電力が大きいほど、プラズマが発生している部位におけるプラズマ放電用ガスの温度(つまりプラズマの温度)が高くなる傾向がある。したがって、処理対象管が樹脂材料などで形成されている場合には、プラズマ処理時においてプラズマが過剰に高温となって破損する事態を回避するために、高周波信号の電力を十分に小さくする必要がある。
一方、この種のプラズマ処理装置では、高周波電源によって生成する高周波信号の電力が小さいほど、処理開始時において処理対象管内でプラズマが発生し難くなる傾向がある。また、処理対象管内においてプラズマが正常に発生しない(着火しない)状態では、生成された高周波信号が処理対象管に放射されて処理対象管が発熱し、これに起因して処理対象管が熱変形(破損)するおそれがある。したがって、上記したように、プラズマが高温となることに起因する処理対象管の破損を回避するために高周波信号の電力を小さくしたいとの要請があるにも拘わらず、プラズマの発生不良(着火不良)に起因する処理対象管の破損を回避するためには、処理対象管内においてプラズマを確実に発生させ得る十分に高い電力の高周波信号を生成する必要がある。このため、出願人が開示しているプラズマ処理装置では、ナイロン等の熱に弱い処理対象管を処理する際に、プラズマの発生不良を回避し得る高い電力の高周波信号を使用することに起因して、プラズマの温度が高くなり、このプラズマの熱による処理対象管の破損を確実に回避するのが困難となるおそれがある。
この場合、高周波信号の電力を小さくした状態におけるプラズマの発生不良(着火不良)を回避するために、上記の先行出願において出願人が開示しているように、着火機構を使用して、プラズマを確実に発生させる構成(方法)が存在する。しかしながら、そのような構成(方法)を採用した場合であっても、着火機構を作動させる以前(プラズマが発生する以前)に生成された高周波信号によって処理対象管が発熱して破損するおそれがある。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、熱に弱い処理対象管を破損させることなく確実に処理し得るプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のプラズマ処理装置は、高周波信号を生成する高周波信号生成部と、前記高周波信号を入力して放射する放射器と、プラズマ放電用ガスを供給するガス供給部と、前記高周波信号生成部および前記ガス供給部を制御する制御部とを備え、当該制御部が、前記ガス供給部を制御して処理対象体の処理部位に向けて前記プラズマ放電用ガスを供給させると共に前記高周波信号生成部を制御して前記高周波信号を生成させて前記放射器から当該高周波信号を放射させることにより、当該放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、前記制御部の制御に従って前記放射器に向けての放電を行う着火機構を備え、前記制御部は、前記高周波信号生成部による前記高周波信号の生成開始に先立って前記着火機構を制御して放電を開始させ、その後に当該高周波信号生成部を制御して当該高周波信号を生成させる。
また、請求項2記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、筒体と、前記処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に前記筒体の一端側を閉塞する閉塞板とを有する筐体を備え、前記放射器は、前記筐体の内側において前記貫通孔に対する前記処理対象体の貫通方向に沿って前記閉塞板における当該貫通孔の口縁部に立設され、前記着火機構は、前記放電の開始時に、放電用の導体が前記筐体の外側において前記放射器に対して前記貫通方向に位置するように配設されている。
さらに、請求項3記載のプラズマ処理装置は、請求項2記載のプラズマ処理装置において、前記制御部の制御に従って前記着火機構を移動させる移動機構を備え、前記制御部は、前記移動機構を制御して、前記放電の開始時において前記導体を管状の前記処理対象体の筒先に位置させると共に前記高周波信号生成部による前記高周波信号の生成開始によって前記プラズマが発生した後に当該導体を当該筒先から待避させる。
また、請求項4記載のプラズマ処理方法は、処理対象体の処理部位に向けてプラズマ放電用ガスを供給すると共に高周波信号を生成して放射器から放射させることにより、当該処理対象体の内部における当該放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理方法であって、前記高周波信号の生成開始に先立って着火機構に対して放電させ、その後に当該高周波信号の生成を開始する。
請求項1記載のプラズマ処理装置および請求項4記載のプラズマ処理方法によれば、高周波信号の生成開始に先立って着火機構に対して放電させ、その後に高周波信号の生成を開始することにより、高周波信号生成部によって生成する高周波信号の電力が小さくても着火機構に対して放電させることで処理部位(一例として、処理対象体の内部)にプラズマを確実に発生させることができるため、熱による破損が生じ易い例えば樹脂製の処理対象体を処理する際に、高周波信号生成部によって生成する高周波信号の電力を十分に小さく設定して処理することができる。また、このプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法によれば、高周波信号生成部による高周波信号の生成に先立って着火機構に対して放電を開始させるため、高周波信号の出力とほぼ同時に処理対象体の処理部位にプラズマが発生する結果、プラズマが発生していない状態で高周波信号が出力されることに起因して処理対象体が発熱して破損する事態を確実に回避することができる。
請求項2記載のプラズマ処理装置によれば、着火機構における放電用の導体を筐体の外側において放射器に対して処理対象体の貫通方向に位置するように配設したことにより、例えば、筐体(筒体)の側面に導体を挿通させるための孔を設けて導体を挿通させた状態において放電を行わせる構成とは異なり、導体から筐体(筒体)に向けての放電を回避して、導体から放射器に向けて確実に放電させることができる。これにより、高周波信号生成部による高周波信号の生成が開始されたときには、処理対象体内にプラズマを一層確実に発生させることができる。
請求項3記載のプラズマ処理装置によれば、制御部が、移動機構を制御して、放電の開始時において着火機構の導体を管状の処理対象体の筒先に位置させると共に、高周波信号生成部による高周波信号の生成開始によってプラズマが発生した後に移動機構を制御して導体を筒先から待避させることにより、例えば処理対象体の筒先(プラズマ放電用ガスが噴出する部位)から遠く離れた位置に導体を位置させて放電させる構成と比較して、プラズマを発生させるべき部位(処理対象体内であって放射器の先端部近傍)において放電を確実に行わせることができるため、処理対象体内にプラズマを一層確実に発生させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法の最良の形態について説明する。
図1に示すプラズマ処理装置1は、プラズマ処理室2、ガス供給部3、高周波電源4、着火機構5および制御部6を備えている。また、このプラズマ処理装置1は、高周波電源4において生成された高周波信号Sをプラズマ処理室2に同軸ケーブル4aを介して供給することによってプラズマ処理室2内にプラズマを発生させて、プラズマ処理室2内において管状の処理対象体の処理部位(この例では、処理対象体の一例である処理対象管Zの内面)をプラズマ処理可能に構成されている。具体的には、このプラズマ処理装置1は、プラズマ処理として、フッ素系樹脂などのプラスチックチューブ等の内部にプラズマを発生させて、その内面の殺菌、洗浄および親水性の向上を行ったり、機能性材料のコーティングを行ったりする。
プラズマ処理室2は、一例として、図1に示すように、筐体11、同軸コネクタ12、カップリングループ13および放射器(アンテナ)14を備えている。筐体11は、一例として、導電性の筒体21と、筒体21の一端側(同図中の上端側)を閉塞する導電性の閉塞板22とを備え、筒体21の他端側(同図中の下端側)が開口するトーチ型筐体に構成されている。なお、筐体11を構成する筒体21は、中心軸と直交する平面に沿った内周面の断面形状が円形であるため、外形は四角筒体であるが、実質的には円筒体として機能する。また、本例では、筒体21には、筐体11内に高周波信号Sを導入するための貫通孔21aが形成されている。また、閉塞板22には、筐体11内に処理対象管Zを導入すると共に、導入された処理対象管Zを筒状の放射器14内を通過させるための貫通孔22aがその中央部に形成されている。また、筒体21は、放射器14よりも長く形成されている。
同軸コネクタ12は、図1に示すように、高周波電源4に接続された同軸ケーブル4aの先端に装着された状態で、筒体21の外周面に、貫通孔21aを閉塞するようにして取り付けられている。カップリングループ13は、同図に示すように、導電性を有する棒状体がL字状に折曲(本例では直角に折曲)されて構成されている。また、カップリングループ13は、一端が筐体11の閉塞板22に接続されると共に、他端が同軸コネクタ12の芯線(不図示)に接続されている。この状態において、カップリングループ13の一端側部位(折曲部位を基準として一端側に位置する部位)13aは、閉塞板22から直角に起立した状態(筒体21の中心軸と平行な状態)となっており、かつ高周波信号Sの波長をλとしたときに、その長さがλ/4の半分以下の長さ(本例では、一例としてλ/10)に規定されている。一方、カップリングループ13の他端側部位(折曲部位を基準として他端側に位置する部位)13bは、貫通孔21aの中心軸上に位置した状態で貫通孔21aに挿通されている。
放射器14は、その長さが((1/4+n/2)×λ)に規定された1本の導電性の筒状体(本例では円筒体)で構成されている。ここで、nは、0以上の整数であり、本例では一例としてn=0に設定されて、放射器14の長さは(λ/4)に規定されている。なお、放射器14は、筒状体に限定されず、柱状体(円筒体や直方体)や樋状体(ハーフパイプ状体)などの板状体で構成することもできる。また、放射器14は、図1に示すように、筒体21の中心軸上に位置した状態で、一端側(同図中の上端側)が閉塞板22に接続されている。この構成により、放射器14は、カップリングループ13における一端側部位13aに対して所定の距離を隔てて近接した状態で立設された状態となっている。一例として、本例では、放射器14と貫通孔22aとが連通した構成となっているが、貫通孔22aは、例えば柱状の放射器14を採用する場合においては、貫通孔22aは放射器14の近傍であれば、任意の位置に設定することができる。
ガス供給部3は、後述するようにして、制御部6の制御に従って処理対象管Z内にプラズマ放電用ガスG(以下、「放電用ガスG」ともいう)を供給する。この場合、放電用ガスGとしては、電離電圧が低くプラズマが発生し易いガス(例えば、アルゴンガスやヘリウムガスなど)を使用する。
高周波電源4は、本発明における高周波信号生成部であって、高周波信号(一例として、2.45GHz程度の準マイクロ波)Sを生成して、プラズマ処理室2に出力する。また、高周波電源4は、不図示の操作部を備え、操作部に対する操作によって選択された変調周波数およびデューティー比でパルス変調された高周波信号Sを出力可能に構成されている。このように高周波信号Sのデューティー比を変更可能に構成されているため、高周波電源4は、高周波信号Sの電力(出力電力)を制御可能となっている。また、高周波電源4は、デューティー比を100%とする選択がなされたときには、高周波信号Sを連続波(CW)として出力する。この場合には、高周波電源4は、操作部に対する操作によって選択された振幅に高周波信号Sの振幅を設定することにより、高周波信号Sの電力(出力電力)を制御する。なお、本例では、高周波電源4が、準マイクロ波(1GHz〜3GHz)を高周波信号Sとして出力する構成を採用しているが、マイクロ波(3GHz〜30GHz)を高周波信号Sとして出力する構成を採用することもできる。また、高周波電源4からプラズマ処理室2に対する高周波信号Sの供給効率を高めるため、高周波電源4とプラズマ処理室2との間に整合器を配設することもできる。
着火機構5は、図1に示すように、導体棒31、電圧生成装置32および移動機構33を備えている。導体棒31は、本発明における放電用の導体に相当し、その一端側(同図における左端側)が移動機構33に取り付けられると共に、着火処理時には、実線で示すように、その他端側(同図における右端側)が処理対象管Zの筒先(着火処理位置)に位置させられると共に、着火処理の完了後には、破線で示すように、処理対象管Zの搬送を妨げることのない待避位置に待避させられる。電圧生成装置32は、制御部6の制御に従い、一例として、10kV程度の直流電圧Vを生成して導体棒31に印加する。移動機構33は、制御部6の制御に従い、上記したように、導体棒31を着火処理位置および待避位置のいずれかに移動させる。制御部6は、プラズマ処理装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部6は、ガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を開始または停止させる。また、制御部6は、高周波電源4を制御して、高周波信号Sの生成を開始または停止させる。さらに、制御部6は、着火機構5の移動機構33を制御して導体棒31を上記の着火処理位置または待避位置のいずれかに移動させる。また、制御部6は、着火機構5の電圧生成装置32を制御して直流電圧Vの生成を開始または停止させる。さらに、制御部6は、図示しない移動機構を制御して処理対象管Zを所定の移動速度で移動させる。
次に、本発明に係るプラズマ処理方法について、プラズマ処理装置1の処理対象管Zに対する処理動作(表面処理動作)と共に説明する。なお、筐体11は予めグランドに接続されて、グランド電位が付与されているものとする。
まず、図1に示すように、処理対象管Zを筐体11に挿通させる。具体的には、閉塞板22に形成された貫通孔22aを通して、筒体21に処理対象管Zを挿通させる。この際に、貫通孔22aが放射器14に連通させられているため、貫通孔22aに挿通させた処理対象管Zが放射器14内を貫通して、筐体11の筒体21における下方開口部位から突出させられる。この状態において、図示しない操作部を操作して、図2に示すプラズマ処理40を開始する。このプラズマ処理40では、まず、制御部6がガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を開始させる(ステップ41)。この際に、ガス供給部3は、図1において矢印で示すように、処理対象管Z内に放電用ガスGを連続的に供給すると共に、処理対象管Zから排出される放電用ガスGを図外のガス回収部によって回収する。
次いで、制御部6は、着火機構5を制御して着火処理を開始させる(着火機構5の動作開始:ステップ42)。具体的には、制御部6は、まず、移動機構33を制御して、図1に破線で示すように待避位置に位置させられている導体棒31を実線で示すように処理対象管Zの筒先(着火処理位置)に移動させる。次いで、制御部6は、電圧生成装置32を制御して直流電圧Vを生成させる。この際には、直流電圧Vが前述したように非常に高電圧のため、この直流電圧Vによって導体棒31から放射器14の先端部に向けての放電が行われる(放電が開始される)。
続いて、制御部6は、高周波電源4を制御して高周波信号Sの生成を開始させる(ステップ43)。この際には、高周波電源4によって生成された高周波信号Sが、同軸ケーブル4aを介して、同軸コネクタ12、さらにはカップリングループ13の他端に達し、カップリングループ13を経由して筐体11(閉塞板22)に流れる。この場合、カップリングループ13が高周波信号Sに流れることにより、一端側部位13aの周囲に磁界が発生し、高周波信号Sの波長λに対して((1/4+n/2)×λ)の長さに規定されている放射器14がこの磁界によって共振する。共振状態の放射器14は共振モノポールとして作動して、放射器14の他端側(同図中の下端側)で電圧が最大となる。このため、プラズマ処理室2内における放射器14の他端側近傍(付近)で電界強度が最大なり、プラズマ処理室2内(すなわち筐体11内)では、この他端側近傍においてプラズマが発生し易い状態となる。
一方、筐体11の内部(プラズマ処理室2の内部)では、処理対象管Zの内部にのみプラズマの発生し易い放電用ガスGが存在し、他の部位は大気が存在している状態となっている。また、プラズマ処理室2の内部では、貫通孔22aから導入された処理対象管Zが放射器14内を貫通させられて放射器14の他端側(同図における下端部側)近傍を通過する状態となっている。この結果、放射器14の他端側近傍での強電界の発生と、着火機構5の導体棒31からの放電とによって、図1に示すように、放電用ガスGが供給されている処理対象管Zの内部における放射器14の他端側近傍においてのみプラズマPが連続して発生する(着火の完了)。この場合、上記したように、着火機構5の導体棒31から放射器14に向かう放電が行われているため、高周波電源4によって生成される高周波信号Sの電力を十分に小さくした(抑えた)状態においても、処理対象管Z内においてプラズマPが確実に発生する。これにより、プラズマPが発生していない状態において高周波信号Sが出力される時間が極く短時間(一瞬)となる。
次いで、制御部6は、高周波電源4による高周波信号Sの生成開始後、プラズマPが発生した時点において(ステップ44)、着火機構5の動作を停止させる(ステップ45)。この場合、プラズマPの光を検知して検知信号を出力する照度センサ(図示せず)や、高周波電源4の出力側でのインピーダンスの変化を検知して検知信号を出力するインピーダンス検知装置(図示せず)を設けるのが好ましい。この構成を採用することで、制御部6は、照度センサまたはインピーダンス検知装置から検知信号が出力されたときに、プラズマPが発生した(所定の条件を満たした)として、着火機構5の動作を停止させる。具体的には、制御部6は、まず、電圧生成装置32を制御して、直流電圧Vの生成を停止させる。これにより、導体棒31から放射器14に向かっての放電が停止する。次いで、制御部6は、移動機構33を制御して、図1に実線で示すように着火処理位置(処理対象管Zの筒先)に位置させられている導体棒31を破線で示すように待避位置に移動させる。
次いで、制御部6は、図示しない搬送機構を制御して、処理対象管Zの搬送を開始させる。この際には、処理対象管Zが搬送機構における供給装置(図示せず)から一定速度で筐体11内に導入されると共に、筐体11から送り出される処理対象管Zが回収装置(図示せず)によって回収される。この結果、放射器14の他端側近傍に達した処理対象管Zの内部(内面)がプラズマPによって順次表面処理されるため、結果として、処理対象管Zの内面が連続してプラズマ処理される。続いて、制御部6は、処理すべき処理対象管Zが残っているか否かを監視し(ステップ46)、上記の供給装置から処理対象管Zのすべてを供給したとき(処理すべき処理対象管Zが存在しなくなったとき)に、高周波電源4を制御して高周波信号Sの生成を停止させる(ステップ47)。これにより、処理対象管ZにおけるプラズマPの発生が停止する。この後、制御部6は、ガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を停止させて(ステップ48)、このプラズマ処理40を終了する。
このように、このプラズマ処理装置1、およびプラズマ処理装置1によるプラズマ処理方法によれば、高周波信号Sの生成開始に先立って着火機構5に対して直流電圧Vによる放電を開始させ、その後に高周波信号Sの生成を開始することにより、高周波電源4によって生成する高周波信号Sの電力が小さくても着火機構5によって直流電圧Vによる放電を開始させることで処理部位(この例では、処理対象管Zの内部)にプラズマPを確実に発生させることができるため、熱による破損が生じ易い例えば樹脂製の処理対象管Zを処理する際に、高周波電源4によって生成する高周波信号Sの電力を十分に小さく設定して処理することができる。また、このプラズマ処理装置1、およびプラズマ処理装置1によるプラズマ処理方法によれば、高周波電源4による高周波信号Sの生成に先立って着火機構5が直流電圧Vによる放電を開始するため、高周波信号Sの出力とほぼ同時に処理部位(処理対象管Zの内部)にプラズマPが発生する結果、プラズマPが発生していない状態で高周波信号Sが出力されることに起因して処理対象管Zが発熱して破損する事態を確実に回避することができる。
また、このプラズマ処理装置1、およびプラズマ処理装置1によるプラズマ処理方法によれば、着火機構5における放電用の導体棒31を筐体11の外側において放射器14に対して処理対象管Zの貫通方向に位置するように配設したことにより、例えば、筐体11(筒体21)の側面に導体棒31を挿通させるための孔を設けて導体棒31を挿通させた状態において直流電圧Vによる放電を行わせる構成とは異なり、導体棒31から筐体11(筒体21)に向けての直流電圧Vによる放電を回避して、導体棒31から放射器14に向けて確実に放電させることができる。これにより、高周波電源4による高周波信号Sの生成が開始されたときには、処理対象管Z内にプラズマPを一層確実に発生させることができる。
さらに、このプラズマ処理装置1、およびプラズマ処理装置1によるプラズマ処理方法によれば、制御部6が、移動機構33を制御して、直流電圧Vによる放電の開始時において着火機構5の導体棒31を管状の処理対象管Zの筒先に位置させると共に高周波電源4による高周波信号Sの生成開始によってプラズマPが発生した後に導体棒31を筒先から待避させることにより、例えば処理対象管Zの筒先(放電用ガスGが噴出する部位)から遠く離れた位置に導体棒31を位置させて直流電圧Vによる放電を行わせる構成と比較して、プラズマPを発生させるべき部位(処理対象管Z内であって放射器14の先端部近傍)において直流電圧Vによる放電を確実に行わせることができるため、処理対象管Z内にプラズマPを一層確実に発生させることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に示した構成および方法に限定されない。例えば、管状の処理対象管Zの内面を本発明における処理部としてプラズマ処理する例について説明したが、管状または棒状の処理対象体の外面を本発明における処理部としてプラズマ処理する際にも、高周波信号Sの生成開始に先立って着火機構5に対して放電させることで、高周波信号Sの電力を十分に小さくすることができるため、処理対象体の破損を確実に回避することができる。また、本発明における処理対象体(上記の例における処理対象管Z)の搬送方向は任意である。さらに、本発明におけるプラズマ放電用ガスの供給方向も同様に任意である。また、上記したプラズマ処理装置1では、筐体11内において、処理対象管Zを放射器14と平行に搬送する構成を採用したが、搬送方法はこれに限定されない。具体的には、処理対象管Zが放射器14の他端側の近傍を通過する構成であればよく、この構成である限り、処理対象管Zの搬送方向を放射器14と非平行(例えば、垂直方向)とすることもできる。
プラズマ処理装置1の構成図である。 プラズマ処理40のフローチャートである。
符号の説明
1 プラズマ処理装置
2 プラズマ処理室
3 ガス供給部
4 高周波電源
5 着火機構
6 制御部
11 筐体
13 カップリングループ
14 放射器
21 筒体
22 閉塞板
31 導体棒
32 電圧生成装置
33 移動機構
40 プラズマ処理
G プラズマ放電用ガス
P プラズマ
S 高周波信号
V 直流電圧
Z 処理対象管

Claims (4)

  1. 高周波信号を生成する高周波信号生成部と、前記高周波信号を入力して放射する放射器と、プラズマ放電用ガスを供給するガス供給部と、前記高周波信号生成部および前記ガス供給部を制御する制御部とを備え、当該制御部が、前記ガス供給部を制御して処理対象体の処理部位に向けて前記プラズマ放電用ガスを供給させると共に前記高周波信号生成部を制御して前記高周波信号を生成させて前記放射器から当該高周波信号を放射させることにより、当該放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、
    前記制御部の制御に従って前記放射器に向けての放電を行う着火機構を備え、
    前記制御部は、前記高周波信号生成部による前記高周波信号の生成開始に先立って前記着火機構を制御して放電を開始させ、その後に当該高周波信号生成部を制御して当該高周波信号を生成させるプラズマ処理装置。
  2. 筒体と、前記処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に前記筒体の一端側を閉塞する閉塞板とを有する筐体を備え、
    前記放射器は、前記筐体の内側において前記貫通孔に対する前記処理対象体の貫通方向に沿って前記閉塞板における当該貫通孔の口縁部に立設され、
    前記着火機構は、前記放電の開始時に、放電用の導体が前記筐体の外側において前記放射器に対して前記貫通方向に位置するように配設されている請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記制御部の制御に従って前記着火機構を移動させる移動機構を備え、
    前記制御部は、前記移動機構を制御して、前記放電の開始時において前記導体を管状の前記処理対象体の筒先に位置させると共に前記高周波信号生成部による前記高周波信号の生成開始によって前記プラズマが発生した後に当該導体を当該筒先から待避させる請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 処理対象体の処理部位に向けてプラズマ放電用ガスを供給すると共に高周波信号を生成して放射器から放射させることにより、当該処理対象体の内部における当該放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理方法であって、
    前記高周波信号の生成開始に先立って着火機構に対して放電させ、その後に当該高周波信号の生成を開始するプラズマ処理方法。
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