JP5297098B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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本発明は、処理対象体をプラズマで処理するプラズマ処理装置に関するものである。
この種のプラズマ処理装置として、出願人は、特願2007−175691において、各種プラズマ処理装置を開示している。この出願人が開示しているプラズマ処理装置では、まず、筐体の閉塞板に形成された貫通孔に処理対象管を貫通させた後に、処理対象管内にプラズマ放電用ガスを供給する。次いで、処理対象管の搬送を開始すると共に、高周波電源による高周波信号の生成を開始する。この際には、高周波電源によって生成された高周波信号がカップリングループを経由して筐体に流れる。この結果、カップリングループの一端側部位の周囲に磁界が発生し、この磁界によって放射器が共振する。これにより、放射器の先端側近傍で電界強度が最大となり、プラズマ放電用ガスが供給されている処理対象管内(放射器の先端側近傍)においてプラズマが発生する。この状態において、処理対象管が一定速度で搬送されることにより、放射器の先端側近傍において発生しているプラズマによって処理対象管の内面が順次処理される。
先行出願1
特願2007−175691
ところが、出願人が開示しているプラズマ処理装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示しているプラズマ処理装置では、筐体の閉塞板に形成された貫通孔に処理対象管を貫通させた状態において放射器の先端側近傍(処理対象管内)においてプラズマを発生させて処理対象管の内面を処理する構成が採用されている。この場合、この種のプラズマ処理装置によってプラズマ処理する処理対象管(処理対象体)は、各種の直径のものが存在する。このため、出願人が開示しているプラズマ処理装置では、各種処理対象管のうちの最大径の処理対象管を貫通可能に上記の閉塞板に貫通孔が形成されている。
したがって、その外径が閉塞板における貫通孔の内径よりも小径の処理対象管をプラズマ処理するときには、例えば、貫通孔の中心に位置するように処理対象管が貫通した状態と、貫通孔の端部に位置するように処理対象管が貫通した状態とで、処理対象体と放射器の先端部との間の距離が相違することとなる。また、処理対象管が放射器の延在方向と平行となっている状態と、処理対象管が放射器の延在方向と交差している状態(処理対象管に傾きが生じている状態)とでも、処理対象体と放射器の先端部との間の距離が相違することとなる。さらに、例えば樹脂材料等で形成された弾性を有する処理対象管をプラズマ処理するときには、処理対象管の外径が貫通孔の内径とほぼ等しい場合であっても、処理対象管の筐体内での曲がりの状態に応じて、処理対象体と放射器の先端部との間の距離が相違することとなる。
この場合、処理対象体と放射器の先端部とが接近している状態では、処理対象管内で発生するプラズマのパワーが大きくなり、処理対象体と放射器の先端部とが離間している状態では、処理対象管内で発生するプラズマのパワーが小さくなる。したがって、上記のように、処理対象管の外径や材質に起因して処理対象体と放射器の先端部との間の距離が相違する状態となり得る場合には、1本の処理対象管に対するプラズマ処理に際して、上記の距離がその時々で変化することに起因して、処理対象管の長さ方向の各部においてプラズマ処理の処理状態に差異が生じることとなる。このため、出願人が開示しているプラズマ処理装置には、処理対象管の全体(処理開始部位から処理完了部位まで)を均一にプラズマ処理するのが困難となるおそれがあり、この点を改善するのが好ましい。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、各種の処理対象体を均一にプラズマ処理し得るプラズマ処理装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のプラズマ処理装置は、筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成され、前記位置決め部材における中心孔の断面形状および当該中心孔の最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の前記位置決め部材を備えて、当該複数種類の位置決め部材のうちから前記処理対象体の断面形状および当該処理対象体の最大の外径に応じた1つの当該位置決め部材を取り付け可能に構成されている。
また、請求項2記載のプラズマ処理装置は、筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成されると共に、中心孔の内径が前記貫通孔に対して前記処理対象体を挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部が当該処理対象体を挿通させる向きの手前側における口縁部に形成されて構成され、前記位置決め部材における前記中心孔の断面形状および当該中心孔の最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の前記位置決め部材を備えて、当該複数種類の位置決め部材のうちから前記処理対象体の断面形状および当該処理対象体の最大の外径に応じた1つの当該位置決め部材を取り付け可能に構成されている。
なお、本発明における「最小の内径」とは、「中心孔の中心と中心孔の内面との間の長さのうちの最小の長さの2倍の長さ」を意味する。したがって、例えば、中心孔の断面形状が正円の場合には、その中心孔の最小の内径は、その中心孔の直径と同じ長さを意味し、中心孔の断面形状が正方形の場合には、その中心孔の最小の内径は、その中心孔の一辺の長さと同じ長さを意味する。また、本発明における「最大の外径」とは、「処理対象体の中心と処理対象体の外面との間の長さのうちの最大の長さの2倍の長さ」を意味する。したがって、例えば、処理対象体の断面形状が正円の場合には、その処理対象体の最大の外径は、その処理対象体の直径と同じ長さを意味し、処理対象遺体の断面形状が正方形の場合には、その処理対象体の最大の外径は、その処理対象体の対角線の長さと同じ長さを意味する。
また、請求項3記載のプラズマ処理装置は、筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成されると共に、中心孔の内径が前記貫通孔に対して前記処理対象体を挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部が当該処理対象体を挿通させる向きの手前側における口縁部に形成されて構成されている。
さらに、請求項4記載のプラズマ処理装置は、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記位置決め部材が、前記貫通孔に貫通可能な本体部と、当該本体部の一端側に設けられた鍔部とを備え、前記筐体が、前記筒体および前記閉塞板を有する筐体本体と、前記貫通孔に対する前記本体部の貫通方向に沿って前記鍔部を前記筐体本体の前記閉塞板に押し付けて前記位置決め部材を当該筐体本体に取り外し可能に取り付ける取付け板とを備えている。
請求項1記載のプラズマ処理装置によれば、貫通孔に貫通させた状態において閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、筒体の内面に対する接離方向への処理対象体の移動を規制しつつ、貫通孔の貫通方向に沿っての処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備えたことにより、例えば、その外径が貫通孔の内径よりも小径で、かつ筐体内において曲がりが生じ易い樹脂製の処理対象体をプラズマ処理する際に、貫通孔に対して処理対象体を貫通させる位置が変化したり、処理対象体に傾きが生じたり、処理対象体に曲がりが生じたりして放射器の他端部と処理対象体の周面との間の距離が変化する事態を回避することができる。これにより、このプラズマ処理装置によれば、処理対象体内に一定のパワーでプラズマを発生させる(処理対象体の内面に一定のパワーでプラズマを加える)ことができるため、処理対象体の全体(処理開始部位から処理完了部位まで)を均一にプラズマ処理することができる。
また、このプラズマ処理装置によれば、処理対象体を貫通孔の貫通方向に沿って案内可能な筒状に位置決め部材を形成したことにより、処理対象体を確実に位置決めすることができる。これにより、このプラズマ処理装置によれば、処理対象体の全体(処理開始部位から処理完了部位まで)を一層均一にプラズマ処理することができる。
また、このプラズマ処理装置によれば、中心孔の断面形状および中心孔の最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の位置決め部材を備えると共に、複数種類の位置決め部材のうちから処理対象体の断面形状および処理対象体の最大の外径に応じた1つの位置決め部材を取り付け可能に構成したことにより、比較的簡易な構成の各位置決め部材のうちから処理対象体の種類に適した位置決め部材を選択することで、各種の処理対象体を確実に位置決めすることができる。
請求項2,3記載のプラズマ処理装置によれば、中心孔の内径が貫通孔に対して測定対象体を挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部を位置決め部材の処理対象体を挿通させる向きの手前側における口縁部に形成したことにより、位置決め部材内に処理対象体を貫通させる際に、処理対象体の端部が位置決め部材における中心孔の口縁部に引っ掛かる事態を招くことなく、スムーズに貫通させることができる。
請求項4記載のプラズマ処理装置によれば、貫通孔に対して貫通可能な本体部と、本体部の一端側に設けられた鍔部とを備えて位置決め部材を構成すると共に、筒体および閉塞板を有する筐体本体と、貫通孔に対する本体部の貫通方向に沿って鍔部を筐体本体の閉塞板に押し付けて位置決め部材を筐体本体に取り外し可能に取り付ける取付け板とを備えて筐体を構成したことにより、筐体本体に対する取り付けによって本体部が締め付けられてその中心孔が小径化する事態を確実に回避することができる。これにより、このプラズマ処理装置によれば、処理対象体を貫通方向に沿ってスムーズに移動させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るプラズマ処理装置の最良の形態について説明する。
図1に示すプラズマ処理装置1は、プラズマ処理室2、ガス供給部3、高周波電源(高周波信号生成部)4および制御部5を備えている。また、このプラズマ処理装置1は、高周波電源4において生成された高周波信号Sをプラズマ処理室2に同軸ケーブル4aを介して供給することによってプラズマ処理室2内にプラズマを発生させて、プラズマ処理室2内において管状(筒状)の処理対象体の処理部位(この例では、処理対象体の一例である処理対象管Za〜Zcの内面:図1〜7参照:以下、区別しないときには、「処理対象管Z」ともいう)をプラズマ処理可能に構成されている。具体的には、このプラズマ処理装置1は、プラズマ処理として、フッ素系樹脂などのプラスチックチューブ等の内部にプラズマを発生させて、その内面の殺菌、洗浄および親水性の向上を行ったり、機能性材料のコーティングを行ったりする。プラズマ処理室2は、一例として、図1に示すように、筐体11、同軸コネクタ12、カップリングループ13、放射器(アンテナ)14および位置決め部材15a〜15g(図2〜8参照:以下、区別しないときには「位置決め部材15」ともいう)を備えている。
筐体11は、一例として、導電性の筒体21と、筒体21の一端側(同図中の上端側)を閉塞する導電性の閉塞板22と、位置決め部材15を筐体11に取り付けるための取付け板23とを備え、筒体21の他端側(同図中の下端側)が開口するトーチ型筐体に構成されている。なお、筐体11を構成する筒体21は、中心軸と直交する平面に沿った内周面の断面形状が円形であるため、外形は四角筒体であるが、実質的には円筒体として機能する。また、本例では、上記の筒体21および閉塞板22によって本発明における筐体本体が構成されている。この場合、筒体本体は、別個独立して形成された筒体21および閉塞板22を一体化したものに限定されず、筒体21および閉塞板22に相当する部位を一体形成したものがこれに含まれる。さらに、本例では、筒体21には、筐体11内に高周波信号Sを導入するための貫通孔21aが形成されている。この場合、筒体21は、放射器14よりも長く形成されている。また、閉塞板22には、筐体11内に処理対象管Zを導入すると共に、導入された処理対象管Zを筒状の放射器14内に進入させるための貫通孔22aがその中央部に形成されている。この貫通孔22aは、各処理対象管Zのうちの最大径の処理対象管Zを位置決めしつつ(支持しつつ)所定の案内方向(この例では、本発明における貫通方向に相当する紙面上下方向)に案内する位置決め部材(支持部材:案内部材)15を貫通可能に、その内径L1(図2,3参照)が規定されて形成されている。
この場合、位置決め部材15は、本発明における位置決め部材に相当し、摩擦係数が十分に小さく耐熱性に優れた樹脂材料(一例として、テフロン(登録商標))、ガラス材料若しくはセラミック材料などによって、中心孔31aを有する筒状の本体部31と鍔部32とが一体成形されている。また、例えば図2に示す位置決め部材15aは、円筒状に形成された本体部31の外径L3が閉塞板22における貫通孔22aの内径L1および後述する放射器14の内径L2のうちのいずれか小さい一方(この例では、互いに等しい内径L1,L2の双方)とほぼ同径(僅かに小径)となり、中心孔31aの内径L5aが円筒状の処理対象管Zaの外径L4aとほぼ同径(僅かに大径)となるように形成されている。この場合、位置決め部材15aの鍔部32は、一例として円板状に形成されると共に、中心孔31aの内径が貫通方向(筐体11における閉塞板22の貫通孔22aに対して処理対象体を挿通させる向き:この例では、下向き)に向かうに従って徐々に小径となるようにテーパ部32aが形成されている。
また、例えば図3に示す位置決め部材15bは、円筒状に形成された本体部31の外径L3が上記の位置決め部材15aと同様にして閉塞板22における貫通孔22aの内径L1および後述する放射器14の内径L2のうちのいずれか小さい一方(この例では、互いに等しい内径L1,L2の双方)とほぼ同径(僅かに小径)となり、中心孔31aの内径L5bが円筒状の処理対象管Zbの外径L4bとほぼ同径(僅かに大径)となるように形成されている。この場合、位置決め部材15bの鍔部32は、上記の位置決め部材15aの鍔部32と同様にして、一例として円板状に形成されると共に、中心孔31aにおける貫通方向手前側(同図における上側)の口縁部にテーパ部32aが設けられて、中心孔31aの内径が貫通方向に向かうに従って(同図において下側に向かうに従って)徐々に小径となるように形成されている。なお、このプラズマ処理装置1では、上記の位置決め部材15a,15bの他にも、本体部31の内径が相違する複数種類の位置決め部材15を備えているが、本発明についての理解を容易とするために、これらの位置決め部材15についての説明を省略する。
一方、取付け板23は、上記の位置決め部材15の本体部31を閉塞板22の貫通孔22aに貫通させた状態において、その位置決め部材15の鍔部32を閉塞板22の上面における貫通孔22aの周囲に貫通方向に沿って押し付けて位置決め部材15を閉塞板22に対して取り外し可能に取り付ける構成が採用されている。この取付け板23は、全体として円板状に形成されると共に、その中央部には、処理対象管Zを貫通させるための貫通孔23aが形成されると共に、位置決め部材15の鍔部32を進入させるための凹部23bが形成されている。この場合、貫通孔23aは、各処理対象管Za,Zb・・のうちの最大径の処理対象管Zを貫通可能にその内径L6(図2,3参照)が規定されて形成されている。また、凹部23bは、その内径が各位置決め部材15の鍔部32の外径よりも大径で、その深さが鍔部32の厚みとほぼ同等となるように形成されている。なお、取付け板23は、一例として、図示しないボルトによって閉塞板22に固定されている。
同軸コネクタ12は、図1に示すように、高周波電源4に接続された同軸ケーブル4aの先端に装着された状態で、筒体21の外周面に、貫通孔21aを閉塞するようにして取り付けられている。カップリングループ13は、同図に示すように、導電性を有する棒状体がL字状に折曲(本例では直角に折曲)されて構成されている。また、カップリングループ13は、一端が筐体11の閉塞板22に接続されると共に、他端が同軸コネクタ12の芯線(不図示)に接続されている。この状態において、カップリングループ13の一端側部位(折曲部位を基準として一端側に位置する部位)13aは、閉塞板22から直角に起立した状態(筒体21の中心軸と平行な状態)となっており、かつ高周波信号Sの波長をλとしたときに、その長さがλ/4の半分以下の長さ(本例では、一例としてλ/10)に規定されている。一方、カップリングループ13の他端側部位(折曲部位を基準として他端側に位置する部位)13bは、貫通孔21aの中心軸上に位置した状態で貫通孔21aに挿通されている。
放射器14は、その長さが((1/4+n/2)×λ)に規定された1本の導電性の筒状体(本例では円筒体)で構成されている。ここで、nは、0以上の整数であり、本例では一例としてn=0に設定されて、放射器14の長さは(λ/4)に規定されている。なお、放射器14は、筒状体に限定されず、柱状体(円筒体や直方体)や樋状体(ハーフパイプ状体)などの板状体で構成することもできる。また、放射器14は、図1に示すように、筒体21の中心軸上に位置した状態で、一端側(同図中の上端側)が閉塞板22に接続されている。この構成により、放射器14は、カップリングループ13における一端側部位13aに対して所定の距離を隔てて近接した状態で立設された状態となっている。一例として、本例では、放射器14と貫通孔22aとが連通した構成となっているが、貫通孔22aは、例えば柱状の放射器14を採用する場合においては、貫通孔22aは放射器14の近傍であれば、任意の位置に設定することができる。なお、このプラズマ処理装置1では、前述したように、放射器14の内径L2と筐体11の閉塞板22における貫通孔22aの内径L1とが互いに等しい内径となっている。
ガス供給部3は、後述するようにして、制御部5の制御に従って処理対象管Z内にプラズマ放電用ガスG(以下、「放電用ガスG」ともいう)を供給する。この場合、放電用ガスGとしては、電離電圧が低くプラズマが発生し易いガス(例えば、アルゴンガスやヘリウムガスなど)を使用する。
高周波電源4は、高周波信号(一例として、2.45GHz程度の準マイクロ波)Sを生成して、プラズマ処理室2に出力する。また、高周波電源4は、不図示の操作部を備え、操作部に対する操作によって選択された変調周波数およびデューティー比でパルス変調された高周波信号Sを出力可能に構成されている。このように高周波信号Sのデューティー比を変更可能に構成されているため、高周波電源4は、高周波信号Sの電力(出力電力)を制御可能となっている。また、高周波電源4は、デューティー比を100%とする選択がなされたときには、高周波信号Sを連続波(CW)として出力する。この場合には、高周波電源4は、操作部に対する操作によって選択された振幅に高周波信号Sの振幅を設定することにより、高周波信号Sの電力(出力電力)を制御する。なお、本例では、高周波電源4が、準マイクロ波(1GHz〜3GHz)を高周波信号Sとして出力する構成を採用しているが、マイクロ波(3GHz〜30GHz)を高周波信号Sとして出力する構成を採用することもできる。また、高周波電源4からプラズマ処理室2に対する高周波信号Sの供給効率を高めるため、高周波電源4とプラズマ処理室2との間に整合器を配設することもできる。
制御部5は、プラズマ処理装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部5は、ガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を開始または停止させる。また、制御部5は、高周波電源4を制御して、高周波信号Sの生成を開始または停止させる。さらに、制御部5は、図示しない移動機構を制御して処理対象管Zを所定の移動速度で移動させる。
次に、本発明に係るプラズマ処理装置の使用方法について、プラズマ処理装置1の処理対象管Zに対する処理動作(表面処理動作)と共に説明する。なお、筐体11は予めグランドに接続されて、グランド電位が付与されているものとする。
まず、プラズマ処理する処理対象管Zの種類に応じて、各位置決め部材15a,15b・・のうちから適当な位置決め部材15を選択して筐体11に取り付ける。具体的には、図2に示すように、処理対象管Zaをプラズマ処理するときには、中心孔31aの内径L5aが処理対象管Zaの外径L4aとほぼ同径(僅かに大径)の位置決め部材15aを選択する。次いで、閉塞板22から取付け板23を取り外した状態において、位置決め部材15aの本体部31を閉塞板22の貫通孔22aに上方から貫通させる。この際に、位置決め部材15aの外径L3が貫通孔22aの内径L1や放射器14の内径L2よりも僅かに小径となっているため、貫通孔22aに貫通させた位置決め部材15aの本体部31における周面が貫通孔22aや放射器14の内壁面に当接して閉塞板22や放射器14によって本体部31が締め付けられる事態が回避される。続いて、閉塞板22から突出している鍔部32を凹部23b内に進入させるようにして閉塞板22の上に取付け板23を被せて、その状態で取付け板23を閉塞板22に固定する。この場合、上記したように、閉塞板22によって位置決め部材15の本体部31が締め付けられる事態が回避されているため、この状態において取付け板23によって鍔部32を閉塞板22の厚み方向に沿って閉塞板22の表面に押し付けるようにして位置決め部材15aを閉塞板22に取り付けることにより、位置決め部材15aの中心孔31aが非装着状態における内径L5aを維持した状態で位置決め部材15aが閉塞板22に取り付けられる。
次いで、図2に示すように、処理対象管Zaを筐体11に挿通させる。具体的には、閉塞板22の貫通孔22aに本体部31を貫通させられている位置決め部材15aの中心孔31aを通して、位置決め部材15a(つまり筒体21)に処理対象管Zaを挿通させる。この際に、鍔部32における中心孔31aの口縁部にテーパ部32aが設けられているため、処理対象管Zaが中心孔31a内にスムーズに進入させられる。また、位置決め部材15の本体部31(中心孔31a)が閉塞板22の貫通孔22aおよび放射器14を貫通しているため、中心孔31aに挿通させた処理対象管Zaが放射器14内を貫通して、筐体11の筒体21における下方開口部位から突出させられる。さらに、前述したように、位置決め部材15aの内径L5aが処理対象管Zaの外径L4aとほぼ同径(僅かに大径)となっているため、この位置決め部材15aによって処理対象管Zaが位置決めされて、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における左右方向)への処理対象管Zaの移動が規制されつつ、貫通方向(同図における下向き方向)に沿っての処理対象管Zaの移動が許容される。これにより、処理対象管Zaの外周面と放射器14の内面とが位置決め部材15aにおける本体部31の厚みとほぼ等しい距離L7aだけ離間した状態が維持される。
この状態において、図示しない操作部を操作して、プラズマ処理を開始する。このプラズマ処理では、まず、制御部5がガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を開始させる。この際に、ガス供給部3は、図1において矢印で示すように、処理対象管Za内に放電用ガスGを連続的に供給すると共に、処理対象管Zaから排出される放電用ガスGを図外のガス回収部によって回収する。次いで、制御部5は、高周波電源4を制御して高周波信号Sの生成を開始させる。この際には、高周波電源4によって生成された高周波信号Sが、同軸ケーブル4aを介して、同軸コネクタ12、さらにはカップリングループ13の他端に達し、カップリングループ13を経由して筐体11(閉塞板22)に流れる。この場合、カップリングループ13が高周波信号Sに流れることにより、一端側部位13aの周囲に磁界が発生し、高周波信号Sの波長λに対して((1/4+n/2)×λ)の長さに規定されている放射器14がこの磁界によって共振する。共振状態の放射器14は共振モノポールとして作動して、放射器14の他端側(同図中の下端側)で電圧が最大となる。このため、プラズマ処理室2内における放射器14の他端側近傍(付近)で電界強度が最大なり、プラズマ処理室2内(すなわち筐体11内)では、この他端側近傍においてプラズマが発生し易い状態となる。
一方、筐体11の内部(プラズマ処理室2の内部)では、処理対象管Zaの内部にのみプラズマの発生し易い放電用ガスGが存在し、他の部位は大気が存在している状態となっている。また、プラズマ処理室2の内部では、位置決め部材15における中心孔31aに挿入されることによって貫通孔22aから導入された処理対象管Zaが放射器14内を貫通させられて放射器14の他端側(同図における下端部側)近傍を通過する状態となっている。この結果、放射器14の他端側近傍での強電界の発生によって、図1に示すように、放電用ガスGが供給されている処理対象管Zaの内部における放射器14の他端側近傍においてのみプラズマPが連続して発生する。次いで、制御部5は、図示しない搬送機構を制御して、処理対象管Zaの搬送を開始させる。この際には、処理対象管Zaが搬送機構における供給装置(図示せず)から一定速度で筐体11内(中心孔31a内)に導入されると共に、筐体11から送り出される処理対象管Zaが回収装置(図示せず)によって回収される。この結果、放射器14の他端側近傍に達した処理対象管Zaの内部(内面)がプラズマPによって順次表面処理されるため、結果として、処理対象管Zaの内面が連続してプラズマ処理される。
この場合、上記したように、処理対象管Zaが位置決め部材15aによって位置決めされて処理対象管Zaと放射器14の内面とが距離L7aだけ離間した状態が維持されているため、処理対象管Zaが放射器14の他端部側の内面に対して接近したり離間したりする(放射器14の他端部側の内面に対する処理対象管Zaの内面の位置が変化する)事態が回避される。したがって、処理対象管Zaの内部では、カップリングループ13に対して出力される高周波信号Sの電力が一定に維持されている限り(放射器14の他端側近傍に発生する強電界の強度が一定である限り)、一定パワーのプラズマPが連続して発生することとなる。このため、処理対象管Zaの全体(処理開始部位から処理完了部位まで)において、処理対象管Zaの内面が均一にプラズマ処理されることとなる。続いて、制御部5は、処理すべき処理対象管Zaが残っているか否かを監視し、上記の供給装置から処理対象管Zaのすべてを供給したとき(処理すべき処理対象管Zaが存在しなくなったとき)に、高周波電源4を制御して高周波信号Sの生成を停止させる。これにより、処理対象管ZaにおけるプラズマPの発生が停止する。この後、制御部5は、ガス供給部3を制御して放電用ガスGの供給を停止させて、このプラズマ処理を終了する。
一方、上記の処理対象管Zaに代えて、処理対象管Zaよりも大径の処理対象管Zbをプラズマ処理する際には、閉塞板22に取り付けた位置決め部材15aに代えて、図3に示す位置決め部材15bを閉塞板22に取り付ける。具体的には、まず、閉塞板22から取付け板23を取り外して位置決め部材15aを閉塞板22から取り外した状態において、位置決め部材15bの本体部31を閉塞板22の貫通孔22aに上方から貫通させる。この際に、位置決め部材15bの外径L3が貫通孔22aの内径L1や放射器14の内径L2よりも僅かに小径となっているため、上記の位置決め部材15aを取り付けたときと同様にして、貫通孔22aに貫通させた位置決め部材15bの本体部31における周面が貫通孔22aや放射器14の内壁面に当接して閉塞板22や放射器14によって本体部31が締め付けられる事態が回避される。続いて、閉塞板22から突出している鍔部32を凹部23b内に進入させるようにして閉塞板22の上に取付け板23を被せて、その状態で取付け板23を閉塞板22に固定する。この場合、上記したように、閉塞板22によって位置決め部材15の本体部31が締め付けられる事態が回避されているため、この状態において取付け板23によって鍔部32を閉塞板22の厚み方向に沿って閉塞板22の表面に押し付けるようにして位置決め部材15bを閉塞板22に取り付けることにより、位置決め部材15aを取り付けたときと同様にして、位置決め部材15bの中心孔31aが非装着状態における内径L5bを維持した状態で位置決め部材15bが閉塞板22に取り付けられる。
次いで、図3に示すように、処理対象管Zbを筐体11に挿通させる。具体的には、閉塞板22の貫通孔22aに本体部31を貫通させられている位置決め部材15bの中心孔31aを通して、位置決め部材15b(つまり筒体21)に処理対象管Zbを挿通させる。この際に、鍔部32における中心孔31aの口縁部にテーパ部32aが設けられているため、処理対象管Zbが中心孔31a内にスムーズに進入させられる。また、位置決め部材15の本体部31(中心孔31a)が閉塞板22の貫通孔22aおよび放射器14を貫通しているため、中心孔31aに挿通させた処理対象管Zbが放射器14内を貫通して、筐体11の筒体21における下方開口部位から突出させられる。さらに、前述したように、位置決め部材15bの内径L5bが処理対象管Zbの外径L4bとほぼ同径(僅かに大径)となっているため、この位置決め部材15bによって処理対象管Zbが位置決めされて、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における左右方向)への処理対象管Zbの移動が規制されつつ、貫通方向(同図における下向き方向)に沿っての処理対象管Zbの移動が許容される。これにより、処理対象管Zbと放射器14の内面とが位置決め部材15bにおける本体部31の厚みとほぼ等しい距離L7bだけ離間した状態が維持される。
この状態において、前述した処理対象管Zaに対するプラズマ処理時と同様の手順に従って処理対象管Zbに対するプラズマ処理を実行する。この場合、上記したように、処理対象管Zbが位置決め部材15bによって位置決めされて処理対象管Zbと放射器14の内面とが距離L7bだけ離間した状態が維持されているため、処理対象管Zbが放射器14の他端部側の内面に対して接近したり離間したりする(放射器14の他端部側の内面に対する処理対象管Zbの内面の位置が変化する)事態が回避される。したがって、処理対象管Zbの内部では、カップリングループ13に対して出力される高周波信号Sの電力が一定に維持されている限り(放射器14の他端側近傍に発生する強電界の強度が一定である限り)、一定パワーのプラズマPが発生し、これにより、処理対象管Zbの内面に対して一定パワーのプラズマPが加わることとなる。このため、処理対象管Zbの全体(処理開始部位から処理完了部位まで)において、処理対象管Zbの内面が均一にプラズマ処理されることとなる。続いて、制御部5は、処理すべき処理対象管Zbが残っているか否かを監視し、上記の供給装置から処理対象管Zbのすべてを供給したとき(処理すべき処理対象管Zbが存在しなくなったとき)に、このプラズマ処理を終了する。
このように、このプラズマ処理装置1によれば、貫通孔22aに貫通させた状態において閉塞板22に取り外し可能に取り付けられると共に、筐体11の内面(この例では、筒体21の内面)に対する接離方向への処理対象管Zの移動を規制しつつ、貫通孔22aの貫通方向に沿っての処理対象管Zの移動を許容する位置決め部材15を備えたことにより、例えば、その外径L4aが貫通孔22aの内径L1よりも小径で、かつ筐体11内において曲がりが生じ易い樹脂製の処理対象管Zをプラズマ処理する際に、貫通孔22aに対して処理対象管Zを貫通させる位置が変化したり、処理対象管Zに傾きが生じたり、処理対象管Zに曲がりが生じたりして放射器14の他端部と処理対象管Zの周面との間の距離が変化する事態を回避することができる。これにより、このプラズマ処理装置1によれば、処理対象管Z内に一定のパワーでプラズマPを発生させる(処理対象管Zの内面に一定のパワーでプラズマPを加える)ことができるため、処理対象管Zの全体(処理開始部位から処理完了部位まで)を均一にプラズマ処理することができる。
また、このプラズマ処理装置1によれば、処理対象管Zを貫通孔22aの貫通方向に沿って案内可能な筒状に位置決め部材15を形成したことにより、処理対象管Zを確実に位置決めすることができる。これにより、このプラズマ処理装置1によれば、処理対象管Zの全体(処理開始部位から処理完了部位まで)を一層均一にプラズマ処理することができる。
さらに、このプラズマ処理装置1によれば、中心孔31aの断面形状および中心孔31aの最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の位置決め部材15を備えると共に、複数種類の位置決め部材15のうちから処理対象管Zの断面形状および処理対象管Zの最大の外径に応じた1つの位置決め部材15を取り付け可能に構成したことにより、比較的簡易な構成の各位置決め部材15のうちから処理対象管Zの種類に適した位置決め部材15を選択することで、各種の処理対象管Zを確実に位置決めすることができる。
また、このプラズマ処理装置1によれば、中心孔31aの内径が貫通孔22aに対して処理対象管Zを挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部32aを位置決め部材15の処理対象管Zを挿通させる向きの手前側における口縁部に形成したことにより、位置決め部材15内に処理対象管Zを貫通させる際に、処理対象管Zの端部が位置決め部材15における中心孔31aの口縁部に引っ掛かる事態を招くことなく、スムーズに貫通させることができる。
さらに、このプラズマ処理装置1によれば、貫通孔22aに対して貫通可能な本体部31と、本体部31の一端側に設けられた鍔部32とを備えて位置決め部材15を構成すると共に、筒体21および閉塞板22を有する筐体本体と、貫通孔22aに対する本体部31の貫通方向に沿って鍔部32を閉塞板22に押し付けて位置決め部材15を筐体本体に取り外し可能に取り付ける取付け板23とを備えて筐体11を構成したことにより、筐体本体(閉塞板22)に対する取り付けによって本体部31が締め付けられてその中心孔31aが小径化する事態を確実に回避することができる。これにより、このプラズマ処理装置1によれば、処理対象管Zを貫通方向に沿ってスムーズに移動させることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に示した構成および方法に限定されない。例えば、円筒状の処理対象管Zaや処理対象管Zbを円筒状の位置決め部材15aや位置決め部材15bで支持するようにして位置決めしてプラズマ処理する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。
具体的には、図4に示すように、角筒状(この例では、四角筒状)の処理対象管Zc(本発明における処理対象体の他の一例)をプラズマ処理する際に、一例として、断面形状が処理対象管Zcの外形と相似形(この例では、四角形)の中心孔31aが本体部31に形成された位置決め部材15c(本発明における位置決め部材の他の一例)によって位置決めする構成を採用することもできる。この場合、同図に示す位置決め部材15cは、その中心孔31aの断面における一辺の長さL9aが、処理対象管Zcの断面における一辺の長さL8aとほぼ同径(僅かに大径)となっている。したがって、この位置決め部材15cによって処理対象管Zcを位置決めすることにより、前述したように位置決め部材15a,15bによって処理対象管Za,Zbを位置決めするときと同様にして、プラズマ処理時において、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における上下左右方向)への処理対象管Zcの移動を規制しつつ、貫通方向(同図における紙面奥手前方向)に沿っての処理対象管Zcの移動を許容することができるだけでなく、筐体11内(位置決め部材15c内)における処理対象管Zcの回転を回避することができる。これにより、処理対象管Zcの全体(処理開始部位から処理完了部位まで)に亘って均一にプラズマ処理することができる。
また、図5に示すように、円筒状の処理対象管Za等をプラズマ処理する際に、上記の位置決め部材15cと同様にして断面形状が多角形(この例では、四角形)の中心孔31aが本体部31に形成された位置決め部材15d(本発明における位置決め部材のさらに他の一例)によって位置決めする構成を採用することもできる。この場合、同図に示す位置決め部材15dは、その中心孔31aの断面における一辺の長さL9bが、処理対象管Zaの最大の外径L4a(この例では、直径)とほぼ同径(僅かに大径)となっている。したがって、この位置決め部材15dによって処理対象管Zaを位置決めすることにより、前述したように位置決め部材15a,15bによって処理対象管Za,Zbを位置決めするときと同様にして、プラズマ処理時において、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における上下左右方向)への処理対象管Zaの移動を規制しつつ、貫通方向(同図における紙面奥手前方向)に沿っての処理対象管Zcの移動を許容することができる。
さらに、図6に示すように、四角筒状の処理対象管Zc等をプラズマ処理する際に、上記の位置決め部材15a,15bと同様にして断面形状が円形の中心孔31aが本体部31に形成された位置決め部材15e(本発明における位置決め部材のさらに他の一例)によって位置決めする構成を採用することもできる。この場合、同図に示す位置決め部材15eは、その中心孔31aの断面における最小の内径L5c(この例では、直径)が、処理対象管Zcの断面における最大の外径である長さL8c(この例では、断面の対角線の長さ)とほぼ同径(僅かに大径)となっている。したがって、この位置決め部材15eによって処理対象管Zcを位置決めすることにより、前述したように位置決め部材15a〜15dによって処理対象管Za〜Zcを位置決めするときと同様にして、プラズマ処理時において、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における上下左右方向)への処理対象管Zcの移動を規制しつつ、貫通方向(同図における紙面奥手前方向)に沿っての処理対象管Zcの移動を許容することができる。
また、本発明における位置決め部材の断面形状は、円形または多角形(例えば四角形)の中心孔31aが形成されたものに限定されず、図7に示す位置決め部材15fのように、処理対象管Z(この例では、円筒状の処理対象管Za)の周面に対してその周方向の一部分に対して接触するようにして処理対象管Zを位置決め可能な中心孔31aが形成されたものがこれに含まれる。この場合、同図に示す位置決め部材15fは、その中心孔31aの断面における最小の内径L5aが、処理対象管Zaの断面における最大の外径L4a(この例では、直径)とほぼ同径(僅かに大径)となっている。したがって、この位置決め部材15fによって処理対象管Zaを位置決めすることにより、前述したように位置決め部材15aによって処理対象管Zaを位置決めするときと同様にして、プラズマ処理時において、筐体11における筒体21の内面に対する接離方向(同図における上下左右方向)への処理対象管Zaの移動が規制されつつ、貫通方向(同図における紙面奥手前方向)に沿っての処理対象管Zaの移動が許容される。
さらに、上記の位置決め部材15a,15b・・は、本体部31および鍔部32を樹脂材料等で(射出成形または切削加工によって)一体成形した構成を採用しているが、本発明における位置決め部材の構成はこれに限定されない。例えば、図8に示す位置決め部材15gのように、管状の部材における一端部(同図における上側の端部)に切り込みを形成し、この切り込みの部位において管状の部材を割り裂くようにして、鍔部32として機能する部位を形成することができる。この構成を採用することにより、本体部31および鍔部32が所定形状となるように成形するための金型の製作や切削加工用の処理データの生成を行うことなく、その外径や内径が貫通孔22aの内径や処理対象管Zの外径に合致する既存の管状の部材を用いて位置決め部材15gを安価に製作することができる。
また、筒状の放射器14を備えたプラズマ処理装置1について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図9に示すプラズマ処理装置1Aのように、棒状の放射器14aを筐体11(詳しくは閉塞板22における貫通孔22aの口縁部)に立設して、この放射器14aによって処理対象管Zaの内部にプラズマを発生させる構成を採用することができる。このような構成においても、上記の各位置決め部材15によって処理対象管Zを位置決めする構成を採用する限り、放射器14aの他端部と処理対象管Z(詳しくは処理対象管Zの内面)との間の距離が変化する事態を回避することができるため、処理対象管Zの全体を均一にプラズマ処理することができる。さらに、本発明における放射器を立設する位置は、閉塞板に限定されない。具体的には、上記の例における筒体の内面に放射器を立設する構成を採用することができる。
さらに、その内径等が相違する各種の位置決め部材15を用意しておき、処理対象管Zの外径や断面形状に応じて適当な位置決め部材15を選択して閉塞板22に取り付ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、一例として、本発明における中心孔の内面に板バネ等を配設し、この板バネによって処理対象管Zを位置決め部材15の中心部に位置させるように押さえ込むことで、各種外径の処理対象管Zを位置決め可能に構成した位置決め部材15(図示せず)を使用することができる。このような構成を採用することで、複数種類の位置決め部材15を製作することなく、各種の処理対象管Zを位置決めしてプラズマ処理することができるため、位置決め部材15の製作コストの分だけ処理対象管Zの処理コストを低減することができるだけでなく、位置決め部材15を交換する煩雑な作業を不要とすることができる。
また、本発明における処理対象体(上記の例における処理対象管Z)の搬送方向は任意であり、一例として、上記の例の逆向き(図1,9において上向き)に搬送する構成を採用することができる。さらに、本発明におけるプラズマ放電用ガスの供給方向も同様に任意であり、一例として、上記の例の逆向き(図1,9において上向き)に供給する構成を採用することができる。また、上記したプラズマ処理装置1では、筐体11内において、処理対象管Zを放射器14と平行に搬送する構成を採用したが、搬送方法はこれに限定されない。例えば、処理対象管Zが放射器14の他端側の近傍を通過する構成であればよく、この構成である限り、処理対象管Zの搬送方向を放射器14と非平行(例えば、垂直方向)とすることもできる。具体的には、筒体21の一端部を閉塞する閉塞板22に放射器14を配設した場合において、筒体21に位置決め部材15や処理対象管Zを貫通させる貫通孔を設け(図示せず)、閉塞板22と平行に(すなわち、放射器14と非平行に)処理対象管Zを搬送しつつ処理する構成を採用することができる。
プラズマ処理装置1の構成図である。 閉塞板22の貫通孔22aに位置決め部材15aを装着した状態の筐体11の断面図である。 閉塞板22の貫通孔22aに位置決め部材15bを装着した状態の筐体11の断面図である。 処理対象管Zcおよび位置決め部材15cの断面図である。 処理対象管Zaおよび位置決め部材15dの断面図である。 処理対象管Zcおよび位置決め部材15eの断面図である。 処理対象管Zaおよび位置決め部材15fの断面図である。 位置決め部材15gの外観斜視図である。 プラズマ処理装置1Aの構成図である。
符号の説明
1,1A プラズマ処理装置
2 プラズマ処理室
3 ガス供給部
4 高周波電源
11 筐体
13 カップリングループ
14,14a 放射器
15a〜15g 位置決め部材
21 筒体
21a〜23a 貫通孔
22 閉塞板
23 取付け板
23b 凹部
31 本体部
31a 中心孔
32 鍔部
32a テーパ部
G プラズマ放電用ガス
L1,L2,L5a〜L5c,L6 内径
L3,L4a,L4b 外径
L7a,L7b 距離
L8a,L8c,L9a,L9b 長さ
P プラズマ
S 高周波信号
Za〜Zc 処理対象管

Claims (4)

  1. 筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、
    前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、
    前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成され、
    前記位置決め部材における中心孔の断面形状および当該中心孔の最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の前記位置決め部材を備えて、当該複数種類の位置決め部材のうちから前記処理対象体の断面形状および当該処理対象体の最大の外径に応じた1つの当該位置決め部材を取り付け可能に構成されているプラズマ処理装置。
  2. 筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、
    前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、
    前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成されると共に、中心孔の内径が前記貫通孔に対して前記処理対象体を挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部が当該処理対象体を挿通させる向きの手前側における口縁部に形成されて構成され、
    前記位置決め部材における前記中心孔の断面形状および当該中心孔の最小の内径の少なくとも一方が相違する複数種類の前記位置決め部材を備えて、当該複数種類の位置決め部材のうちから前記処理対象体の断面形状および当該処理対象体の最大の外径に応じた1つの当該位置決め部材を取り付け可能に構成されているプラズマ処理装置。
  3. 筒体、および処理対象体を貫通させる貫通孔が形成されると共に当該筒体の一端側を閉塞する閉塞板を有する筐体と、前記筐体に立設されると共に高周波信号を入力して放射する放射器とを備えて、前記高周波信号の放射によって前記放射器の近傍にプラズマを発生させるプラズマ処理装置であって、
    前記貫通孔に貫通させた状態で前記閉塞板に取り外し可能に取り付けられると共に、前記筒体の内面に対する接離方向への前記処理対象体の移動を規制しつつ、当該貫通孔の貫通方向に沿っての当該処理対象体の移動を許容する位置決め部材を備え、
    前記位置決め部材は、前記処理対象体を前記貫通方向に沿って案内可能な筒状に形成されると共に、中心孔の内径が前記貫通孔に対して前記処理対象体を挿通させる向きに向かうに従って徐々に小径となるテーパ部が当該処理対象体を挿通させる向きの手前側における口縁部に形成されて構成されているプラズマ処理装置。
  4. 前記位置決め部材は、前記貫通孔に貫通可能な本体部と、当該本体部の一端側に設けられた鍔部とを備え、
    前記筐体は、前記筒体および前記閉塞板を有する筐体本体と、前記貫通孔に対する前記本体部の貫通方向に沿って前記鍔部を前記筐体本体の前記閉塞板に押し付けて前記位置決め部材を当該筐体本体に取り外し可能に取り付ける取付け板とを備えている請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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