JP2009301247A - 自律移動ロボットの仮想壁システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は自律移動ロボットに関わり、特に部屋の中を自走して掃除を行う自走式掃除機の進入禁止領域への移動を制限する仮想壁システムに関するものである。
【解決手段】
信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、第1の受信手段の信号の変化を検出する状態検出手段と、自律移動ロボットに信号を送信する第2の送信手段と、状態検出手段が検出した信号に基づいて送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁システムと、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第2の受信手段が受信した信号に基づいて移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された移動ロボットの移動量や方向に基づき移動手段を制御する制御手段とを備えた自立移動ロボットを有している。
【選択図】図1
本発明は自律移動ロボットに関わり、特に部屋の中を自走して掃除を行う自走式掃除機の進入禁止領域への移動を制限する仮想壁システムに関するものである。
【解決手段】
信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、第1の受信手段の信号の変化を検出する状態検出手段と、自律移動ロボットに信号を送信する第2の送信手段と、状態検出手段が検出した信号に基づいて送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁システムと、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第2の受信手段が受信した信号に基づいて移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された移動ロボットの移動量や方向に基づき移動手段を制御する制御手段とを備えた自立移動ロボットを有している。
【選択図】図1
Description
本発明は自律移動ロボットに関わり、特に部屋の中を自走して掃除を行う自走式掃除機の移動領域を制限する仮想壁システムに関するものである。
自律的に移動する自律移動ロボットの移動可能領域を制限し、効率的に仕事をさせるシステムが必要とされている。自走式掃除機を例に挙げる。自走式掃除機は部屋を自律的に移動しながら掃除を行うものであるが、ユーザが掃除をさせたい領域から自走式掃除機が離脱してしまう恐れや進入して欲しくない領域に進入する恐れがある。
例えば、ある部屋を掃除させたいために自走式掃除機を運転させたが、隣接した部屋間に物理的な仕切りがない場合、その部屋の掃除が終わる前に別の部屋に移動してしまう恐れがある。解決策としては、部屋と部屋との間のドアを閉めて物理的に移動できないようにする方法が考えられるが、ドアが存在しない状況も想定される。物理的に障害物を設置する方法も考えられるが、ユーザにとっては自身が移動するときの障害になるため、掃除をするたびに設置と撤収を繰り返すことになり、煩雑である。
部屋同士の移動に関する課題だけではなく、1つの部屋内においても、ある空間に閉じ込めておきたいという要望もある。また、逆に部屋の中のある領域には進入して欲しくないという要望もある。そう言った場合は物理的な障害物を設置することは現実的ではない。以上のように、特定の領域内に移動を制限したり、特定の領域に進入しないようにする技術は自律移動ロボットにとって有益であると考えられる。
自律移動ロボットの移動可能領域を制限するために、ある種の境界を生成しその境界を移動ロボットが越えないように運用するシステムが考えられている。物理的な障害とならず、ヒトの目には見えないためユーザの邪魔にならないという利点によって、境界の生成に光線や音波が利用されたシステムが提案されている。これは、境界信号を用いて、仮想的な壁を生成し、自律移動ロボットがその仮想的な壁を検出することでそれ以上進行できないようにするシステムである。
特許文献1では、境界信号(仮想壁)として赤外線ビームを利用し、境界信号発生装置が境界を規定する赤外線ビームを送信し、その信号をロボットが検出することで、赤外線ビームを越えないようにロボットを制御する方法が記載されている。赤外線は照明条件等に影響を受けやすいので、特許文献2では、境界信号に超音波を利用する方法が記載されている。
特許文献1および特許文献2では、自律移動ロボットが境界信号発生装置から送信された境界信号を受信し、その境界信号が作った境界を越えないように自律移動ロボット自身が判断し、行動するものである。当該文献らに記載の領域制限方法では、赤外線も超音波も人の目には見えないものであるため、使用するユーザはどの領域に境界を生成できているのか、つまりどの範囲に境界信号が送信されているのかを確認できない。よって、ユーザが境界を生成したと判断した領域が、実際は生成できておらず、ユーザが進入を制限したい領域に自律移動ロボットが進入してしまう恐れがある。
また、当該文献らに記載の方法において、境界信号はある一定の幅を持った信号として明記されている。よって、ユーザが設定したい境界線よりも内側で自律移動ロボットが境界線を認識してしまう恐れがある。自走式掃除機を対象とした場合、境界線ぎりぎりまで進入できなければ、その部分の際の掃除ができない恐れがある。
本発明の目的は前記課題を解決し、ユーザにとって境界信号の生成を確認でき、境界ぎりぎりまで自律移動ロボットが進入できる仮想壁システムを提供することである。
前記課題を解決するために本発明の仮想壁システムは、仮想壁発生装置と自律移動ロボットとを備えている。
請求項1に記載の発明では、仮想壁システムは、信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、第1の受信手段の信号を検出する状態検出手段と、状態検出手段が検出した信号に基づいて自律移動ロボットに信号を送信する第2の送信手段と、第2の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第2の受信手段が受信した信号に基づいて自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された移動ロボットの移動量や方向に基づいて移動手段を制御する第2の制御手段とを備えた自律移動ロボットを有している。
または、請求項2に記載の発明では、仮想壁システムは、信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、第1の受信手段の信号を検出する状態検出手段と、状態検出手段が検出した信号に基づいて自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された自律移動ロボットの移動量や方向などの情報を自律移動ロボットに送信する第2の送信手段と、第2の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第2の受信手段が受信した信号に基づいて移動手段を制御する第2の制御手段とを備えた自律移動ロボットを有している。
また、仮想壁発生装置は、状態検出手段の検出結果を表示することができる状態表示手段を有している。
さらに、仮想壁発生装置は、第1の送信手段と受信手段と状態検出手段を組み合わせて、第1の送信手段の送信方向における物体までの距離を検出する距離検出手段を備えている。
そして、請求項5に記載の発明では、仮想壁システムは、信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、信号を送信する第2の送信手段と、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、第1の受信手段が受信した信号を検出する第1の状態検出手段と、第2の受信手段が受信した信号を検出する第2の状態検出手段と、第1の状態検出手段が検出した信号および第2の状態検出手段が検出した信号のいずれか、または両方に基づき前記自律移動ロボットに信号を送信する第3の送信手段と、第3の送信手段を制御する第1制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、第3の送信手段からの信号を受信する第3の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第3の受信手段が受信した信号に基づいて自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された自律移動ロボットの移動量や方向に基づいて移動手段を制御する第2の制御手段とを備えた自律移動ロボットを有している。
そして、請求項6に記載の発明では、仮想壁システムは、信号を送信する第1の送信手段と、第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、信号を送信する第2の送信手段と、第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、第1の受信手段が受信した信号を検出する第1の状態検出手段と、第2の受信手段が受信した信号を検出する第2の状態検出手段と、第1の状態検出手段が検出した信号および第2の状態検出手段が検出した信号のいずれか、または両方に基づいて前記自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、演算手段により演算された自律移動ロボットの移動量や方向などの情報を自律移動ロボットに送信する第3の送信手段と、第3の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、第3の送信手段からの信号を受信する第3の受信手段と、自律移動ロボットを移動させる移動手段と、第3の受信手段により受信された信号に基づいて自律移動ロボットを制御する第2の制御手段とを備えた自律移動ロボットを有している。
また、第1の送信手段と第2の送信手段の送信方向は水平方向に平行な同一平面内でお互い平行な関係を持つ。
さらに、第1の送信手段と第1の受信手段と第1状態検出手段との組み合わせで、第1の送信手段の送信方向に存在する物体までの距離を検出することができる第1の距離検出手段を構成し、第2の送信手段と第2の受信手段と第2状態検出手段との組み合わせで、第2の送信手段の送信方向に存在する物体までの距離を検出することができる第2の距離検出手段を構成している。
以上の装置を利用することで、自律移動ロボットが境界線を確実に越えることが無く、また境界線が生成されている場所をユーザが確認することができる仮想壁システムを実現することができる。
本発明によれば、仮想壁発生装置は境界の生成と物体が進入したことの検出を行うことができる。さらに、仮想壁発生装置は状態表示手段を持っており、物体が境界へ進入したことをユーザに提示することができる。これにより、例えばユーザが仮想壁発生装置の生成している境界線を手で遮れば、仮想壁発生装置は境界への物体の進入を検出し、状態表示装置によってそのことを表示することができる。これにより、ユーザは境界領域を確認することができる。
以下、図面を用いて本発明における最良の実施形態を説明する。図1は自走式掃除機1と仮想壁発生装置100の模式図である。図2は自走式掃除機1と仮想壁発生装置100の構成を表すブロック図である。
自走式掃除機1は円筒形状をしており、前面にバンパ部15を備えている。円筒形状をしていることでその場回転をしても周りの障害物に接触する恐れが無い。バンパ部15は弾性体(図示せず)で支持されている。バンパ部15は前後に揺動するよう構成されており、前方からの圧力により後方に揺動する。圧力から開放されると弾性体の力により元の位置に戻る。また、バンパ部15は複数の障害物検出センサ(図示せず)を備えている。
自走式掃除機1は前後方向中央左右対称に2つの独立した左駆動輪35,右駆動輪45を備えている。そして、左駆動輪35,右駆動輪45に指令を出すことで自走式掃除機1を走行させることができる走行駆動装置60を有している。2つの左駆動輪35,右駆動輪45をそれぞれ独立に駆動することによって、自走式掃除機1は直進,後退、その場回転などを行うことが可能となっている。
自走式掃除機1は障害物検出センサの情報や仮想壁発生装置100から受信した情報などを基に、自走式掃除機1の動作計画を生成する制御装置40を有しており、制御装置40が走行駆動装置60に指令することで自走式掃除機1は動作を行う。また、センサ情報や走行情報など各種情報を記憶しておく記憶装置50を有している。
自走式掃除機1は仮想壁発生装置100の通信装置130から送信された情報を受信することができる通信装置20を有している。これは仮想壁発生装置100との通信にのみ使用する限定的なものである必要は無い。自走式掃除機1は、ユーザが自走式掃除機1に動作を指令するときに用いるリモートコントローラ(図示せず)などを有しているのが一般的である。リモートコントローラから自走式掃除機1に対して情報を送信する際に用いる通信装置と、仮想壁発生装置100との通信に用いる通信装置は共用してもかまわない。さらに、リモートコントローラだけでなくその他通信の必要がある機器はすべてその通信装置を共用してもよく、共用せずそれぞれ独立していても良い。
仮想壁発生装置100は、前方の物体までの距離を測定することができる距離センサ110を有している。この距離センサ110は例えば指向性の強い赤外線ビームを用いた赤外線距離センサである。
赤外線距離センサでは赤外線ビームが当たり反射した物体までの距離が検出できる。赤外線距離センサは赤外線ビームを発光する素子と物体に反射して帰ってきた赤外線ビームを受光する素子を有しているのが一般的である。そして受光した赤外線ビームの信号の強度や赤外線ビームの受光素子上での照射位置などの情報から、前方の物体まで距離を計測する。図1および図2では赤外線ビーム240が指す方向の物体までの距離を計測する様子を示している。距離センサ110は赤外線を利用したものに限らず、超音波を用いたものでも実現可能であるが、指向性が強いほうが望ましい。
仮想壁発生装置100は、状態を表示することができる状態表示装置120を有している。これはLEDを点けたり消したりする程度の簡単なものでも良いし、ディスプレイ状のもので複雑は情報が提示可能なものでも良い。
仮想壁発生装置100は、自走式掃除機1に設置された通信装置20と情報のやり取りができる通信装置130を有している。
仮想壁発生装置100は、制御装置140と記憶装置150を有している。制御装置140は前記した距離センサ110の値を基に、自走式掃除機1の通信装置20に情報を送信したり、状態表示装置120を制御したりするために搭載されている。記憶装置150は検出した距離などの各種情報を記憶するために搭載されている。
仮想壁発生装置100は距離センサ110や通信装置130,状態表示装置120などを駆動するためのバッテリ(図示せず)を有している。AC電源から電源ケーブルを用いた給電でも良いが、自身にバッテリを有することで、持ち運びが容易で、設置場所の制限も少なくできる。
仮想壁発生装置100は電源スイッチ170を有しており、ユーザは仮想壁を生成したい場所に仮想壁発生装置100を設置した後、その電源を投入することで仮想壁発生装置100を駆動させることができる。
仮想壁発生装置100は距離センサ110により前方にある物体までの距離を検出することができる。図1では壁250までの距離を検出することができる。図1において、壁250までの間に物体が出現すると、赤外線ビーム240はその物体に反射する。そして距離センサ110はその物体までの距離を検出する。つまり、仮想壁発生装置100の前方に自走式掃除機1が移動してくると、仮想壁発生装置100に搭載されている距離センサ110の検出距離が変化する。これにより、仮想壁発生装置100は前方に自走式掃除機1が存在することを検出することができる。このときに仮想壁発生装置100の制御装置140は状態表示装置120を制御し物体の検出を表示することができる。また、通信装置130を用いて自走式掃除機1の通信装置20に対して情報を送信することができる。
この構成により、例えばユーザが仮想壁発生装置100の距離センサ110が送信している赤外線ビーム240を手で遮れば、距離センサ110の検出距離が変化し仮想壁発生装置100は境界への物体の進入を検出する。そして、状態表示装置120によってそのことを表示することができる。これにより、ユーザは境界領域を確認することができる。
図3は仮想壁システムの概要を表す模式図である。図3には部屋R1と部屋R2が描かれている。その部屋R1およびR2には、机200,椅子201,ソファ202,テレビ203,タンス204などが設置されている。また、仮想壁発生装置100と自走式掃除機1も設置されており、ユーザは部屋R1を自走式掃除機1によって掃除をしたいと考えている。部屋R1と部屋R2の間は戸口が無く、または戸口が開かれており、空間的に連続な状態となっている。
自走式掃除機1は空間的に連続しているところは、乗り越えられない段差などが無い限り、自由に移動することができる。図3のような環境では、部屋R1と部屋R2の間を自由に行き来することが可能である。ユーザは部屋R1のみを掃除したい。しかし、部屋R1と部屋R2と空間的に連続であるため、自走式掃除機1は部屋R1から部屋R2に移動する可能性がある。部屋R2に進入している時間は部屋R1の掃除ができないので、部屋R1の掃除の完了により多くの時間がかかる恐れがある。よって、ユーザは部屋R2に自走式掃除機1が進入することを防ぎたい、という要望を持つことが考えられる。つまり、部屋R2は自走式掃除機1にとっては進入禁止領域となる。このような場合、ユーザは図3のように仮想壁発生装置100を設置することで、進入禁止領域を設定することができる。
仮想壁発生装置100は赤外線ビームを利用した距離センサ110を有している。赤外線を用いた距離センサは指向性が強く、センサが向いている方向の物体までの距離を検出できる。仮想壁発生装置100の距離センサ110が送信している赤外線ビームは境界線Aを生成する。このとき、距離センサ110は壁Aまでの距離を検出している。仮想壁発生装置100は、それらの電源スイッチ170が投入されたときの距離センサ110の検出距離を記憶装置150に記憶しておく。
次の図4が境界線Aに自走式掃除機1が接近した状態を表している。自走式掃除機1が境界線A上に来ると、仮想壁発生装置100の距離センサ110の検出している距離が変化する。つまり、記憶装置150に記憶していた電源投入時の検出距離と差が生じる。これにより、仮想壁発生装置100は壁Aと自身との間に物体が出現したことを検知できる。このとき、仮想壁発生装置100はその物体を自走式掃除機1と判断し、通信装置130を用いて、自走式掃除機1の通信装置20に境界線A上であるという情報と検出距離データを送信する。これにより、自走式掃除機1は自身が境界線Aを越えようとしていることと、仮想壁発生装置100からの距離を知る。この情報を基に自走式掃除機1の制御装置40は走行駆動装置60に対して指令を出し、自走式掃除機1の停止や回転の処理を行う。これにより、自走式掃除機1は境界線Aから離れて元の部屋R1に戻り、掃除を続けることができる。
次に仮想壁システムによる自走式掃除機1の進入禁止領域への進入防止アルゴリズムについて、図5〜図12を用いて具体的に説明する。図5は進入禁止領域への進入防止アルゴリズムの各ステップの流れを示したフローチャートである。図6〜図12は自走式掃除機1の進入禁止領域への進入防止アルゴリズムの各ステップを表した模式図である。
(S401):図6は自走式掃除機1が仮想壁発生装置100の生成している境界に接近しつつある様子を示している。仮想壁発生装置100は壁Cから壁Dの間に境界線Pを生成している。境界線Pは仮想壁発生装置100に搭載されている赤外線距離センサ110の赤外線ビームにより生成される。このとき、仮想壁発生装置100の距離センサ110は壁Dまでの距離を検出しており、仮想壁発生装置100の記憶装置150には壁Dまでの距離が記憶されている。
(S402):図7が境界線P上に自走式掃除機1が来たときの様子を示している。このとき、仮想壁発生装置100の距離センサ110は自走式掃除機1までの距離を検出する。記憶装置150に記憶されている距離と差が生じることで、仮想壁発生装置100の制御装置140は壁Dと仮想壁発生装置100との間に物体が出現したことを検知する。また、このとき仮想壁発生装置100の制御装置140は状態表示装置120を駆動させ、前方に物体が存在するということを表示する。仮想壁発生装置100の制御装置140はその物体を自走式掃除機1とみなす。そして、制御装置140は仮想壁発生装置100の通信装置130を用いて自走式掃除機1の通信装置20に対して境界線P上に来たという情報と検出距離データを送信する。
(S403):それを受けた自走式掃除機1の制御装置40は走行駆動装置60に指令し、自走式掃除機1を後退させる。なお、ここでは自走式掃除機1は後退することで境界線P上から退避しているが、180度その場回転してから直進しても同様の効果が得られる。
(S404):後退することで図8のように、自走式掃除機1は境界線P上から退避し、再度仮想壁発生装置100の距離センサ110は壁Dまでの距離を検出する。このとき、仮想壁発生装置100の制御装置140は通信装置130を用いて自走式掃除機1の通信装置20に境界線P上から退避したことを通知する。また状態表示装置120に指令し、前方に物体がない(電源投入時の環境と同じ)ということを表示する。
(S405):そして、図9に示すように自走式掃除機1の制御装置40は走行駆動装置60に指令を出し、自走式掃除機1をその場回転させる。回転角度は予め決められた角度でも良いし、ランダムに選択されたものでも良い。
(S406):その後、図10に示すように自走式掃除機1の制御装置40は走行駆動装置60に指令し、自走式掃除機1を直進させる。
以上の手順により、自走式掃除機1は境界線P上を超えることができず、禁止領域への進入を防止することができる。ただし、その場回転を行い、直進をしたとき、場合によってはまた直ぐに境界線P上に来てしまう恐れもある。このような場合、直前の回避運動(その場回転の角度など)を記憶装置50に記憶しておき、それを利用することで再度境界線P上に来ないような回避運動を生成することが可能である。
逆に、境界線上に戻る方向へ回転することを利用して仮想壁の際の掃除を実現することが可能である。上記の手順により、自走式掃除機1は図10のように掃除領域に戻れたとする。
(S407):このとき、図11に示すように、一定量前進したあと、先ほど境界線Pから離脱したときの回転角度を利用して、また境界線P上に戻る方向に回転する。
(S408):その方向へ直進すると、再度境界線P上に自走式掃除機1が来ることになる。
ここで先ほど回避したときと同様の動作を行うことで同じように境界線P上から退避することができる。
これを繰り返すと図12に示すようなジグザグの動作を行うことができる。この動作によって、仮想壁の際の掃除を実現することができる。
また、指向性が強い赤外線を利用することで、境界線は幅が小さい細いものが生成される。これにより、ユーザが生成した境界線ぎりぎりまで自走式掃除機は進入することができるため、掃除ができない領域を小さくすることが可能となる。
さらに、次のような手順を採用することもできる。図7に示すように自走式掃除機1が境界線P上に来たとする。ここで、自走式掃除機1はある角度でその場回転を行う。回転角度は予め決められているものでも良いし、ランダムに選択されても良い。次に自走式掃除機1はある一定量前進する。この一定量は自走式掃除機1の直径よりも小さい値とする。このとき、自走式掃除機1が進入禁止領域の方向を向いている場合、仮想壁発生装置100の距離センサ110は自走式掃除機1が前進しても自走式掃除機1までの距離を検出している。このことから、今自走式掃除機1が進行した方向は進入禁止領域の方向であると判断することができる。このとき、先ほど前進した移動量分後退することでその場回転を行った位置に戻る。そして、またある角度その場回転を行い、一定量直進する。これを繰り返す。そして、自走式掃除機1が一定量直進している間に仮想壁発生装置100の距離センサ110が壁Dまでの距離を検出すると、自走式掃除機1は境界線P上から掃除領域へ戻ったと判断することができる。
次に仮想壁発生装置が距離センサを2つ持つ場合の実施形態を説明する。距離センサを2つ設置することで以下のようなメリットがある。
・適切な退避動作を設定できる
・進入禁止領域への進入に対してより安全に制限できる
・適切な退避動作を設定できる
・進入禁止領域への進入に対してより安全に制限できる
図13に2つの赤外線を利用した距離センサ310A,310Bを持った仮想壁発生装置300を示す。距離センサ310A,310Bが仮想壁発生装置300の前面の左右にある間隔Sで同じ高さの位置に取り付けられている。仮想壁発生装置300は前記仮想壁発生装置100と同様、制御装置(図示せず),記憶装置(図示せず),電源スイッチ370,通信装置330,状態表示装置320を有している。
図14〜図18を用いて2つの距離センサ310A,310Bを持った仮想壁発生装置300を用いたときの、自走式掃除機1の進入禁止領域への進入防止アルゴリズムを説明する。図14は各ステップの流れを示したフローチャートである。図15〜図18は各ステップを表した模式図である。
(S501):図15は仮想壁発生装置300が生成している境界に自走式掃除機1が接近しつつある様子を示している。仮想壁発生装置300は壁Eから壁Fの間にそれぞれの距離センサ310A,310Bに対応した境界線Q1と境界線Q2を生成している。このとき、仮想壁発生装置300に設置された距離センサ310Aと310Bは両方とも壁Fまでの距離を検出している。
(S502):図16が境界線Q1上に自走式掃除機1が来たときの様子を示している。このとき、仮想壁発生装置300の距離センサ310Aは自走式掃除機1までの距離を検出する。これにより、仮想壁発生装置300の制御装置は壁Eと仮想壁発生装置300との間に自走式掃除機1が出現したことを認識する。このとき、制御装置は状態表示装置320を制御し、自走式掃除機1が出現したことを表示する。また、このときの検出距離、つまり、距離センサ310Aが始めて自走式掃除機1を検出したときの検出値L1を記憶装置に記憶しておく。そして、制御装置は仮想壁発生装置300の通信装置330を用いて自走式掃除機1に境界線Q1上に来たという情報と検出距離がL1であるという情報を送信する。
(S503):それを受けた自走式掃除機1の制御装置は走行駆動装置60に指令を出し、直ぐに停止できる速度に自走式掃除機1の走行速度を落とし直進を続ける。
(S504):図17が境界線Q2上に自走式掃除機1が来たときの様子を示している。このとき、仮想壁発生装置300の距離センサ310Bは自走式掃除機1までの距離を検出する。このとき、記憶していた距離センサ310Aで自走式掃除機1をはじめに検出したときの検出距離L1と距離センサ310Bで検出した検出距離L2を比較する。
(S505):図18に示すように、これらの値を用いて以下の式(1)のような演算することにより、仮想壁発生装置300が生成している境界線に対して自走式掃除機1がどのような進入角度θで進入してきたかが推定できる。
推定された進入角度θから進入禁止領域から退避する方向へ回転するような回転角度を演算することができる。最も単純に考えると、例えば、図15〜図18に示すような場合、距離センサ310Aが始めて自走式掃除機1を検出した時の検出値L1より距離センサ310Bが始めて自走式掃除機1を検出した時の検出値L2の方が小さい。この場合は、自走式掃除機1は右に旋回すれば、制限領域から離れる方向を向くことができる。逆に、距離センサ310Aが始めて自走式掃除機1を検出したとき検出値L1より距離センサ310Bが始めて自走式掃除機1を検出したときの検出値L2が大きければ、自走式掃除機1は左に旋回することで制限領域から離れる方向を向くことができる。旋回角度は進入角度θなどを利用して進みたい方向を向くように決定すれば良い。また、例えば、境界線沿いに走行したければ、それに見合った回転角度を進入角度θから演算することができる。
(S506):演算された進入角度から演算された角度分その場回転を行う。
(S507):直進することで掃除領域に戻り掃除を継続する。
以上のように、2つの距離センサ310Aおよび310Bの検出距離L1およびL2を用いることで境界線への自走式掃除機1の進入角度を知ることができ、その角度を利用することで進入禁止領域からの退避動作を適切に設定することが可能となる。
これらの演算は仮想壁発生装置300に設置した制御装置で行い、その情報を自走式掃除機1に通信しても良いし、仮想壁発生装置300からは距離センサ310A,310Bの値のみを自走式掃除機1に送信し、それらの値を用いて自走式掃除機1の制御装置が進入角度θおよび回転角度を演算しても良い。
境界線Q1上で自走式掃除機1は走行速度を落とすので、境界線Q2に差し掛かり、仮想壁発生装置300から自走式掃除機1に境界線Q2上に来たという情報を受け取ったら、即座に停止することができる。よって、境界線Q2より先に進入する距離を小さくすることができるので、より安全性の高い境界線を生成することができる。
仮想壁発生装置が2つの距離センサを持つ場合は、進入禁止領域に近い方の距離センサにより生成される境界線、図15の場合は境界線Q2が進入禁止領域との境界を生成する。これは、距離センサ310Bが生成している境界線Q2を進入禁止領域に近くなるように、ユーザに設置位置を制限するものではない。仮想壁発生装置300の2つの距離センサ310Aおよび310Bのうち、後に検出距離の変化があった方の側に進入禁止領域があると判断すれば良く、ユーザに設置の制限を与えるものではない。
自走式掃除機1と仮想壁発生装置100または300はお互いが通信を行っている。これにより、自走式掃除機1の電源が入っていないときは、仮想壁発生装置100または300も省電力モードとし、通信装置130または330のみが稼働している状態とし、自走式掃除機1の電源が入ったときに、仮想壁発生装置100または300との通信が始まることでそれをトリガにして距離センサ110または310A,310Bなどを駆動する、という方式をとることができる。これにより、仮想壁発生装置100または300のバッテリ消費を抑えることができる。また、お互いの通信装置の電波強度などを検出することで、通信装置間の距離を検出すれば、自走式掃除機1が仮想壁発生装置100または300から離れた位置にいる場合は仮想壁発生装置を省電力モードとして運転する、という方式をとることもできる。
1 自走式掃除機
15 バンパ部
20,130,330 通信装置
35 左駆動輪
40,140 制御装置
45 右駆動輪
50,150 記憶装置
60 走行駆動装置
100 仮想壁発生装置
110,310A,310B 距離センサ
120,320 状態表示装置
170,370 電源スイッチ
200 机
201 椅子
202 ソファ
203 テレビ
204 タンス
240 赤外線ビーム
250 壁
300 2つの距離センサを有した仮想壁発生装置
15 バンパ部
20,130,330 通信装置
35 左駆動輪
40,140 制御装置
45 右駆動輪
50,150 記憶装置
60 走行駆動装置
100 仮想壁発生装置
110,310A,310B 距離センサ
120,320 状態表示装置
170,370 電源スイッチ
200 机
201 椅子
202 ソファ
203 テレビ
204 タンス
240 赤外線ビーム
250 壁
300 2つの距離センサを有した仮想壁発生装置
Claims (11)
- 自律移動ロボットの移動領域を制限する仮想壁システムにおいて、
信号を送信する第1の送信手段と、該第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、該第1の受信手段の信号を検出する状態検出手段と、該状態検出手段が検出した信号に基づいて前記自律移動ロボットに信号を送信する第2の送信手段と、該第2の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、
前記自律移動ロボットは、前記第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、前記自律移動ロボットを移動させる移動手段と、前記第2の受信手段が受信した信号に基づいて前記自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、該演算手段により演算された前記移動ロボットの移動量や方向に基づいて前記移動手段を制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。 - 自律移動ロボットの移動領域を制限する仮想壁システムにおいて、
信号を送信する第1の送信手段と、該第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、該第1の受信手段の信号を検出する状態検出手段と、該状態検出手段が検出した信号に基づいて前記自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、該演算手段により演算された前記自律移動ロボットの移動量や方向などの情報を前記自律移動ロボットに送信する第2の送信手段と、該第2の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、
前記自律移動ロボットは、前記第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、前記自律移動ロボットを移動させる移動手段と、前記第2の受信手段が受信した信号に基づいて前記移動手段を制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。 - 請求項1または2において、前記仮想壁発生装置は、前記状態検出手段の検出結果を表示する状態表示手段を備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 請求項1から3のいずれかにおいて、前記仮想壁発生装置は、前記第1の送信手段と前記第1の受信手段と前記状態検出手段との組み合わせで、前記第1の送信手段の送信方向に存在する物体までの距離を検出することができる距離検出手段を構成していることを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 自律移動ロボットの移動領域を制限する仮想壁システムにおいて、
信号を送信する第1の送信手段と、該第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、信号を送信する第2の送信手段と、該第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、前記第1の受信手段が受信した信号を検出する第1の状態検出手段と、前記第2の受信手段が受信した信号を検出する第2の状態検出手段と、前記第1の状態検出手段が検出した信号および第2の状態検出手段が検出した信号のいずれか、または両方に基づき前記自律移動ロボットに信号を送信する第3の送信手段と、該第3の送信手段を制御する第1制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、
前記自律移動ロボットは、前記第3の送信手段からの信号を受信する第3の受信手段と、前記自律移動ロボットを移動させる移動手段と、前記第3の受信手段が受信した信号に基づいて前記自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、該演算手段により演算された前記自律移動ロボットの移動量や方向に基づいて前記移動手段を制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。 - 自律移動ロボットの移動領域を制限する仮想壁システムにおいて、
信号を送信する第1の送信手段と、該第1の送信手段からの信号を受信する第1の受信手段と、信号を送信する第2の送信手段と、該第2の送信手段からの信号を受信する第2の受信手段と、前記第1の受信手段が受信した信号を検出する第1の状態検出手段と、前記第2の受信手段が受信した信号を検出する第2の状態検出手段と、前記第1の状態検出手段が検出した信号および前記第2の状態検出手段が検出した信号のいずれか、または両方に基づいて前記自律移動ロボットの移動量や方向を演算する演算手段と、該演算手段により演算された前記自律移動ロボットの移動量や方向などの情報を前記自律移動ロボットに送信する第3の送信手段と、該第3の送信手段を制御する第1の制御手段とを備えた仮想壁発生装置と、
前記自律移動ロボットは、前記第3の送信手段からの信号を受信する第3の受信手段と、前記自律移動ロボットを移動させる移動手段と、前記第3の受信手段により受信された信号に基づいて前記自律移動ロボットを制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。 - 請求項5または6において、前記仮想壁発生装置の前記第1の送信手段と前記第2の送信手段の送信方向は、水平面と平行な同一平面内であり、また、お互いが平行であることを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 請求項5から7のいずれかおいて、前記仮想壁発生装置は、前記状態検出手段の検出結果を表示する状態表示手段を備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 請求項5または6において、前記仮想壁発生装置は、前記第1の送信手段と前記第1の受信手段と前記第1状態検出手段との組み合わせで、前記第1の送信手段の送信方向に存在する物体までの距離を検出することができる第1の距離検出手段を構成し、第2の送信手段と第2の受信手段と第2状態検出手段との組み合わせで、前記第2の送信手段の送信方向に存在する物体までの距離を検出することができる第2の距離検出手段を構成していることを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 請求項9において、前記仮想壁発生装置の前記第1の送信手段と前記第2の送信手段の送信方向は、水平面に平行な同一平面内であり、また、お互いが平行であることを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
- 請求項9または10において、前記仮想壁発生装置は、前記状態検出手段の検出結果を表示する状態表示手段を備えたことを特徴とする自律移動ロボットの仮想壁システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008153660A JP2009301247A (ja) | 2008-06-12 | 2008-06-12 | 自律移動ロボットの仮想壁システム |
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- 2008-06-12 JP JP2008153660A patent/JP2009301247A/ja not_active Withdrawn
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