JP2009300430A - 接触燃焼式ガスセンサ - Google Patents

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尚武 佐久本
Kazuhiro Toyoda
和弘 豊田
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竜男 砂山
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Abstract

【課題】通常の接触燃焼式ガスセンサでは、イソブタン、メタン、一酸化炭素、水素などの無極性または低有極性のガス種を識別検出しようとしても、これらの無極性または低有極性のガス種は感応素子部に吸着されないため、吸着燃焼によるピーク波形が得られずガス種の識別ができない。無極性もしくは低有極性を有するガス種の識別を簡単な構成で容易に行えるガスセンサを提供する。
【解決手段】センサ抵抗が、特定のガス種の分子径に応じて選択的に前記ガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆われた感応素子部と、リファレンス抵抗を、前記連続多孔質体で覆われた補償素子部と、を備えることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサに於いて、感応素子部6,補償素子部7と、を備えており、感応素子部6の多孔質体触媒層9はPd/ゼオライトでなり、補償素子部7の多孔質体層11はゼオライトでなる。
【選択図】図1

Description

本発明はガスセンサに関し、特に無極性もしくは極性の低いガス種の識別検出ができる接触燃焼式ガスセンサに関する。
従来、ガスセンサとしては、シリコン基板上に薄膜ダイヤフラムを形成し、その薄膜ダイヤフラムの上に、感応素子部としての白金(Pt)ヒータとPd/γAl触媒層と、補償素子部としてのPtヒータとγAl層とを設けた接触燃焼式ガスセンサが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。なお、特許文献1および2では、接触燃焼式ガスセンサをパルスで駆動したものであり、吸着燃焼式ガスセンサと称しているが、接触燃焼式ガスセンサと構成は変わらない。この接触燃焼式ガスセンサでは、通電オフ期間と通電オン期間を含む所定周期のパルスで駆動すると、揮発性有機化合物などの有極性ガスは吸着作用があるため、通電オン期間の開始直後に、吸着により蓄積されたガス量分だけ吸着燃焼による大きなピーク波形を有するセンサ出力が得られる。このピークを有する応答波形を微分処理することで、ガス種の識別が可能である。
特開2004−69465号公報 特開2005−83949号公報 特開平11−6811号公報
しかしながら、上記接触燃焼式ガスセンサでは、イソブタン(C10)、メタン(CH)、一酸化炭素(CO)、水素(H)などの無極性または低有極性のガス種を識別検出しようとしても、これらの無極性または低有極性のガス種は感応素子部に吸着されないため、吸着燃焼によるピーク波形が得られずガス種の識別ができない。したがって、上記接触燃焼式ガスセンサでは、極性の高いガス種しか識別できないものであった。また、従来の接触燃焼式ガスセンサ(例えば、特許文献3参照)でも、無極性ガスもしくは低有極性ガスを識別できないものであった。
また、上記接触燃焼式ガスセンサでは、γAl層に大気中の水分が吸着することにより、センサ出力が湿度特性を有し、安定かつ高感度な検出を行うことができないものであった。
さらに、上記接触燃焼式ガスセンサでは、ピークを有する応答波形を微分処理などの解析を行う必要があるため、演算装置の大型化やコスト高を招くものであった。
そこで、本発明の目的は、無極性もしくは低有極性を有するガス種の識別を簡単な構成で容易に行える接触燃焼式ガスセンサを提供することにある。
本発明の第1の特徴は、センサ抵抗が、特定のガス種の分子径(Kinetic Diameter)に応じて選択的に前記ガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆われた感応素子部と、リファレンス抵抗を、前記連続多孔質体で覆われた補償素子部と、を備えることを要旨とする。
連続多孔質体としては、ゼオライト、メソポーラスマテリアル、陽極酸化アルミナから選ぶことができる。
また、連続多孔質体は、細孔の径寸法が、ヘリコンスパッタもしくは原子層堆積法により制御されていることにより、特定のガス種を選択的に物理吸着させることができる。
本発明の第2の特徴は、センサ抵抗が、特定のガス種の分子径に応じて選択的に前記ガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆われた感応素子部と、リファレンス抵抗を、触媒が担持されると共に、特定のガス種を物理吸着しない担体で覆われた補償素子部と、を備えることを要旨とする。
本発明によれば、無極性もしくは低有極性を有するガス種の識別を簡単な構成で容易に行えるガスセンサを実現することができる。
(A)は本発明の実施の形態に係るガスセンサの断面図、(B)はガスセンサの平面図、(C)はガスセンサの底面図である。 本実施の形態のガスセンサを備えたガス検出装置を示すブロック図である。 Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20を用いて、イソブタン,メタン,一酸化炭素,水素から得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/γAlを用いたガスセンサを用いて、イソブタン,メタン,一酸化炭素,水素から得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20を用いて、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、ペンタンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/γAlを用いたガスセンサを用いて、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、ペンタンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20を用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o―キシレン、m−キシレン、p−キシレンから得られるセンサ出力電圧の測定結果を示す図である。 Pd/γAlを用いたガスセンサを用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o―キシレン、m−キシレン、p−キシレンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/ZSM−5を用いたガスセンサ20を用いて、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、ペンタンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/ZSM−5を用いたガスセンサ20を用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o―キシレン、m−キシレン、p−キシレンから得られセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/Y型ゼオライトを用いたガスセンサ20を用いて、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、イソブタン、ペンタンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/Y型ゼオライトを用いたガスセンサ20を用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o―キシレン、m−キシレン、p−キシレンから得られるセンサ出力電圧の測定の結果を示す図である。 Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20の出力からPd/γAlのセンサ出力を減じた応答波形を示す図である。
以下、本発明の各実施の形態に係るガスセンサを図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施の形態に係るガスセンサを示している。図1(A)はガスセンサ20の断面図、図1(B)はガスセンサ20の平面図、図1(C)はガスセンサ20の底面図である。なお、図1(A)は図1(B)のA−A断面図である。但し、図面は模式的なものであり、各材料層の厚みやその比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(ガスセンサの構成)
図1(A)〜(C)に示すガスセンサ20は、接触燃焼式ガスセンサであり、半導体製造プロセス技術を用いて製造された超小型センサである。
本実施の形態のガスセンサ20は、シリコン基板1と、このシリコン基板1上に順次、形成された酸化シリコン(SiO)膜2,窒化シリコン(SiN)膜3,酸化ハフニウム(HfO)膜4の積層構造でなる絶縁膜5と、この絶縁膜5上の互いに離れた領域に設けられた感応素子部6,補償素子部7と、を備えて構成されている。
図1(A)および(B)に示すように、感応素子部6は、絶縁膜5上にジグザグ状に屈曲した形状に形成されセンサ抵抗8Rsと、センサ抵抗8Rsの両端に一体に形成された接続用パッド部8a,8bと、センサ抵抗8Rsを覆うように形成された多孔質体触媒層9と、を備えてなる。
感応素子部6では、多孔質体触媒層9が、触媒としてのパラジウム(Pd)を担持したゼオライト(Pd/ゼオライト)で形成されている。なお、担体であるゼオライトへPdを担持させる方法は、含浸法などの蒸発乾固法、またはイオン交換法などがある。
図1(A)および(B)に示すように、補償素子部7は、多孔質体層11の構成を除いて感応素子部6とほぼ同様の構成である。この補償素子部7は、絶縁膜5上に形成されたリファレンス抵抗10Rrと、リファレンス抵抗10Rrの両端に一体に形成された接続用パッド部10a,10bと、リファレンス抵抗10Rrを覆うように形成されたゼオライトでなる多孔質体層11と、を備えなる。
リファレンス抵抗10Rrは、上記感応素子部6のセンサ抵抗8Rsと同一形状に形成されている。接続用パッド部10a,10bは、上記感応素子部6の接続用パッド部8a,8bと同一形状に形成されている。また、多孔質体層11は、上記感応素子部6の多孔質体触媒層9と同一形状に形成されている。
感応素子部6におけるセンサ抵抗8Rsと接続用パッド部8a,8bでなる一体のパターンや、補償素子部7におけるリファレンス抵抗10Rrと接続用パッド部10a,10bでなる一体のパターンは、例えば、印刷法やフォトリソグラフィー技術などを用いて形成することができる。
図1(A)に示すように、シリコン基板1には、多孔質体触媒層9と多孔質体層11とにそれぞれ対応する領域に、下面側から酸化シリコン膜2を露呈させるような開口部1a,1bが形成されている。このガスセンサ20では、これら開口部1a,1bを形成することにより熱容量を小さくしている。
本実施の形態の各材料層の厚さの例としては、シリコン基板1が400μm、酸化シリコン膜2が600nm、窒化シリコン膜3が250nm、酸化ハフニウム膜4が30nm、センサ抵抗8Rsおよびリファレンス抵抗10Rrは250nm、多孔質体触媒層9および多孔質体層11は10μmである。なお、これら材料層の厚さは、変更可能であることは云うまでもない。
このような構成のガスセンサ20によれば、ゼオライトの細孔内に進入でき、且つこの細孔の大きさに近似する分子径をもつ無極性ガスもしくは低有極性ガスを物理吸着することができる。このため、多孔質体触媒層9にゼオライトを担体として用いることで、従来、検出できなかった無極性もしくは低有極性ガスを選択的に物理吸着させ、ピーク出力として検出できる。
因みに、本実施で用いているゼオライトは、β型、ZSM-5、およびY型であり、例えば、細孔径が5.6Åのβ型ゼオライトでは、分子径が5.0Åのイソブタンでピーク出力が得られ、イソブタンの分子径よりも小さい4.3Åの分子径を持つプロパンでは、イソブタンよりも小さいピーク出力を得ることができる。
ここで、担体に用いる連続多孔質体の細孔径X(Å)に対して、ピーク出力の得られる範囲は、0.77X≦(検出ガスの分子径)≦1.07Xと定義することができる。したがって、ゼオライト以外の連続多孔質体を用いることで様々な分子径を持つ無極性もしくは低有極性ガスも選択的に検出可能となる。また、ゼオライトの細孔の径を制御することにより、分子径の小さい無極性もしくは低有極性ガスも検出可能となる。
(ガス検出装置)
次に、本実施の形態に係るガスセンサ20を備えたガス検出装置の一例を図2を用いて説明する。このガス検出装置100は、センサ出力をもとにガス種を検出するものであって、制御部30と、センサ部40と、駆動電源50と、出力手段60と、を備えている。ここでガス種とは、例えばβ型ゼオライトを用いてイソブタンを検出する場合を例とすると、β型ゼオライトへ選択的に物理吸着するイソブタンである。また、このガス検出装置100は、上記ガスセンサ20に代えて、多孔質体触媒層を構成する多孔質体として例えばZSM−5やY型ゼオライトなどを用いたガスセンサ20を適用することも可能であり、ガス種としてプロパン、ベンゼンなどのガス検出も可能である。
制御部30は、ガスセンサ20の駆動制御、およびガス種の検出を行うものであって、例えばマイクロプロセッサユニットにより構成されている。図2に示すように、この制御部30は、センサ駆動制御部31、センサ出力取得部32、計時手段33、比較手段34、記憶部35を有している。
センサ駆動制御部31は、ガスセンサ20を駆動制御するものであって、計時手段33で作成されたタイミングで燃焼制御と非燃焼制御とを繰り返し行うものである。ここで、燃焼制御とは、ガスが物理吸着したガスセンサ20を高温駆動(所定温度で駆動)させて吸着したガスを燃焼させる制御である。非燃焼制御とは、ガスセンサ20を低温駆動(所定温度よりも低い温度で駆動)させてガスセンサ20にガスを物理吸着させる制御である。
センサ出力取得部32は、センサ駆動制御部31により燃焼制御されたガスセンサ20の出力電圧の情報を取得するものである。このセンサ出力取得部32は、比較手段34に接続されており、取得した出力電圧の情報が、記憶部35の記憶情報と比較手段34にて比較され、検出結果として出力手段60へ出力されるようになっている。
記憶部35は、ガス種を検出する際に必要となる情報を記憶している。このガス検出装置100では、イソブタンの出力電圧の値に相応する情報が記憶されており、センサ部40から取得した出力電圧の情報が記憶情報と同一と認められるかを判断することにより、イソブタンの有無を検出可能としている。
センサ部40は、図2に示すように、ガスセンサ20に加えて、各種抵抗Rb,R3,ブリッジ電流制御部41,計装アンプ42,A/D変換器43を備えている。
図2に示すように、ガスセンサ20を含めて、4つの抵抗10Rr,8Rs,R1,R2からなるブリッジ回路を構成している。リファレンス抵抗10Rr(補償素子部7)は、一端が電源電圧(Vcc)側に接続され、他端が接続点Aに接続されている。センサ抵抗8Rs(感応素子部6)は、リファレンス抵抗10Rrと直列接続され、一端が接続点Aに接続され、他端がブリッジ電流制御部41に接続されている。
抵抗R1は、リファレンス抵抗10Rrと並列接続され、一端が電源電圧(Vcc)側に接続され、他端が接続点Bに接続されている。抵抗R2は、抵抗R1と直列接続され、一端が接続点Bに接続され、他端がブリッジ電流制御部41に接続されている。
以上、本実施の形態に係るガス検出装置100の構成について説明したが、このガス検出装置100ではガスセンサ20自体がガス種を選択的に物理吸着する機能を有するため、センサ出力取得部32に出力されたセンサ部40からの情報が、無極性もしくは低有極性ガスであるイソブタンの情報と同じであると判定できるか否かを見るだけでよい。このため、本実施の形態に係るガスセンサ20によれば、従来の吸着式ガス検出装置のように、微分処理などの解析に要する制御機能が不要であり、制御部の構成を簡略化することができる。
また、本実施の形態のガスセンサ20によれば、SiO/Al比の高いハイシリカゼオライトを担体として用いているため、従来の担体であるγAlのように大気中の水分を吸着することによりセンサ出力が湿度特性を有するという問題がなく、安定且つ高感度に検出を行うことが可能となる。
(実施例1)
上記多孔質体触媒層9と多孔質槽11を構成する連続多孔質体がβ型ゼオライトであるガスセンサ20を用いて得られるセンサ出力電圧の測定を行った。この測定では、イソブタン,メタン,一酸化炭素,水素の無極性もしくは低有極性ガスでの試験を行った。センサ部40を周知のパルス駆動させることにより、図3に示すようなセンサ出力電圧波形を得ることができた。図3に示すように、イソブタン,メタン,一酸化炭素,水素のうち、イソブタンのみピークを検出できた。すなわち、図4に示す従来のPd/γAlを用いた吸着式ガスセンサの検出試験では見られなかったイソブタンのピークを検出することができた。このピークは、図3に示すように、センサ部40の通電オン期間の開始直後に見られる。このピークを検出することで、無極性もしくは低有極性ガスのうち、イソブタンのみを識別できる。上記ガス検出装置100は、このピークに相応する情報を記憶部35に備えていればよい。
図5は、Pd/β型ゼオライトを用いて、メタン(CH),エタン(C),プロパン(C),イソブタン(i-C10),ペンタン(C12),エチレン(C),プロピレン(C)の無極性もしくは低有極性ガスのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。図6は、従来のγAlを担体として用いたガスセンサで、メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ペンタン,エチレン,プロピレンのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。この結果より、従来のPd/γAlを用いたガスセンサでは、ペンタン,プロピレンで顕著なピーク出力が出ている。また、Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20では、イソブタン,ペンタン,プロピレンで、顕著なピーク出力が出ている。
図7は、Pd/β型ゼオライトを用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、および、オルト(o)―キシレン、メタ(m)−キシレン、パラ(p)−キシレンなどの芳香族ガスのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。図7に示すように、これらの芳香族ガスに関しては、図8に示すように、従来のPd/γAlを用いた吸着式ガスセンサと同様に、通電オン期間の開始直後にピークが見られた。
(実施例2)
図9は、Pd/ZSM−5を用いて、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ペンタン、およびイソブタンの無極性もしくは低有極性ガスのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。図9に示すように、プロパン、イソブタン、およびペンタンで顕著なピーク出力が得られ、エタンでは弱いピーク出力が得られた。
また、図10は、Pd/ZSM−5を用いて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、およびp−キシレンなどの芳香族ガスのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。図10に示すように、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、およびp−キシレンでは顕著なピーク出力が得られ、o−キシレン、およびm−キシレンでは弱いピーク出力が得られた。
(実施例3)
図11は、Pd/Y型ゼオライトを用いて、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ペンタン、およびイソブタンの無極性もしくは低有極性ガスのセンサ出力電圧を測定した結果を示す。図11に示すように、ペンタンでのみ顕著なピーク出力が得られた。
本実施例1、2、3の内容を下表1にまとめて示す。
Figure 2009300430
上記各ガスの分子径(Kinetic Diameter)は、水素=2.9Å、一酸化炭素=3.8Å、メタン=3.8Å、エタン=4.0Å、プロパン=4.3Å、イソブタン=5.0Å、ペンタン4.3Å、ベンゼン5.8Å、トルエン5.8Å、エチルベンゼン6.0Å、o,m−キシレン6.8Å、p−キシレン5.8Åである。炭素数の比較的多いペンタンやプロピレンは、担持金属に吸着するために、Pd/ゼオライトを用いたガスセンサ20だけでなく、Pd/γAlを用いたガスセンサでもピーク出力が現れる。
表1に示したように、従来のPd/γAlを用いたガスセンサと比べて差が生じているガスが、ゼオライトの細孔に物理吸着したガスである。したがって、Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20では、プロパン以上の分子径を持つ無極性もしくは低有極性ガスを選択的に物理吸着している。
Pd/ZSM−5を用いたガスセンサ20では、エタン以上エチルベンゼン以下の分子径を持つ無極性もしくは低有極性ガスを細孔内に選択的に物理吸着している。
Pd/Y型ゼオライトを用いたガスセンサ20では、ベンゼン以上の分子径を持つ無極性もしくは低有極性ガスを細孔内に選択的に物理吸着している。
以上より、担体に用いるゼオライトの細孔径X(Å)に対して、ピーク出力の得られる範囲は、0.77X≦(検出ガスの分子径)≦1.07Xと定義することができる。
(第2の実施の形態)
図13は、Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20の出力からPd/γAlのセンサ出力を減じた応答波形を示す。このように、Pd/β型ゼオライトを用いたガスセンサ20の出力とPd/γAlO3を用いたガスセンサのセンサ出力の差をとることで、イソブタンの出力ピークのみを検出できる。つまり、図1に示したガスセンサ20において、感応素子部6にPd/β型ゼオライトを用い、補償素子部7にPd/γAl2O3を用いることで、複数のセンサを用いることなく、イソブタンのみが検出可能である。
したがって、ガスセンサとして、センサ抵抗を、特定のガス種の分子径に応じて選択的にガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆った感応素子部と、リファレンス抵抗を、触媒が担持され、かつ特定のガス種を物理吸着しない担体で覆った補償素子部と、の組み合わせで構成してもよい。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記実施の形態では、連続多孔質体(担体)としてゼオライトを用いたが、この他に細孔が均一なゼオライト、メソポーラスマテリアル,陽極酸化アルミナなどを用いることができる。このように細孔の直径がゼオライトと異なる連続多孔質体を用いることで、上述した以外の無極性もしくは低有極性ガスを選択的に検出することが可能となる。
また、上記実施の形態では、ゼオライトの細孔径を制御せずに用いたが、エタンよりも分子径の小さい無極性もしくは低有極性ガスを検出する場合には、ゼオライトの細孔径を制御してもよい。この場合、ゼオライトに対して、ヘリコンスパッタや原子層堆積法(atomic layer deposition)、自己組織化単分子膜(SAM;self-assembled monolayer)により細孔に成膜して細孔径を制御することができる。また、ゼオライトの金属カチオンを他の原子に置き換えることで、ゼオライトの細孔径の制御が可能である。これらの細孔径の制御法によれば、0.1Åオーダで制御することが可能であるため、エタンよりも分子径の小さい無極性もしくは低有極性ガスのガス種の分子径に応じて、選択的に物理吸着される連続多孔質体を作製することができる。
さらに、ゼオライトにおいて、SiO/Al比の高いハイシリカゼオライトを用いることで、触媒層への水の吸着を減らして、測定環境中の湿度の影響を受けることなく、安定かつ高感度に検出可能なガスセンサとしてもよい。
また、上記実施の形態では、感応素子部6の多孔質体触媒層9に担持させる触媒金属として、パラジウム(Pd)を適用して説明したが、この他に、ルテニウム、ロジウム、白金などを適用することも勿論可能である。
さらに、その他の実施の形態としては、Pd/ゼオライトセンサとPd/Alセンサとの一対を用いて、両者の波形を比較することで、有極性ガスとイソブタンの識別ができるようにしてもよい。
6…感応素子部
7…補償素子部
8Rs…センサ抵抗
8a,8b…接続用パッド部
9…多孔質体触媒層
10Rr…リファレンス抵抗
10a,10b…接続用パッド部
11…多孔質体層
20…ガスセンサ

Claims (4)

  1. センサ抵抗が、特定のガス種の分子径に応じて選択的に前記ガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆われた感応素子部と、
    リファレンス抵抗を、前記連続多孔質体で覆われた補償素子部と、
    を備えることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
  2. 前記連続多孔質体は、ゼオライト、メソポーラスマテリアル、陽極酸化アルミナから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  3. 前記連続多孔質体は、細孔の径寸法が、ヘリコンスパッタもしくは原子層堆積法により制御されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  4. センサ抵抗が、特定のガス種の分子径に応じて選択的に前記ガス種を物理吸着する連続多孔質体に触媒を担持させた多孔質体触媒層で覆われた感応素子部と、
    リファレンス抵抗を、前記触媒が担持されると共に、前記特定のガス種を物理吸着しない担体で覆われた補償素子部と、
    を備えることを特徴とする接触燃焼式ガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107915200A (zh) * 2016-10-10 2018-04-17 普因特工程有限公司 微传感器封装

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CN107915200A (zh) * 2016-10-10 2018-04-17 普因特工程有限公司 微传感器封装

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