JP2009299718A - 車両用差動制限装置の制御装置 - Google Patents

車両用差動制限装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】他車両とのすれ違い時における車両挙動の安定性を向上させる車両用差動制限装置の制御装置を提供する。
【解決手段】左右一対の後輪30と、それらの後輪30それぞれに対応して設けられた左右一対の後輪車軸28とを、備えた車両において、それら左右一対の後輪車軸28の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる駆動力配分制御装置26の制御装置であって、他の車両とのすれ違いを検出するすれ違い検出手段40と、そのすれ違い検出手段40によりすれ違いが検出された場合には差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御手段44とを、含むものであることから、他車両とのすれ違い時に左右輪の差動制限力を上昇させることで、車両の直進安定性を保証することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両における左右一対の車軸の差動回転を制限する車両用差動制限装置の制御装置に関し、特に、車両挙動の安定性を向上させるための改良に関する。
左右一対の車輪と、それらの車輪それぞれに対応して設けられた左右一対の車軸(ドライブシャフト)とを、備えた車両において、例えば油圧アクチュエータ等の装置によりそれら左右一対の車軸の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置が知られている。また、運転操作等に応じて斯かる差動制限装置の作動を制御する制御装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載された車両用差動制限制御装置がそれである。
特開平6−171388号公報 特開2002−316546号公報
ところで、車両が対向車線を走行している他車両とすれ違う場合、その他車両の大きさや相対速度等によっては比較的大きな横方向の力が発生し、車両の直進安定性が悪化するおそれがあった。しかし、前述したような従来の技術では、専ら自車両の運転操作や走行状態等に応じて前記差動制限装置の作動を制御するものであったため、斯かる他車両とのすれ違い時における直進安定性を向上させることができなかった。すなわち、他車両とのすれ違い時における車両挙動の安定性を向上させる車両用差動制限装置の制御装置は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、他車両とのすれ違い時における車両挙動の安定性を向上させる車両用差動制限装置の制御装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、左右一対の車輪と、それらの車輪それぞれに対応して設けられた左右一対の車軸とを、備えた車両において、それら左右一対の車軸の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置の制御装置であって、他の車両とのすれ違いを検出するすれ違い検出手段と、そのすれ違い検出手段によりすれ違いが検出された場合には前記差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御手段とを、含むことを特徴とするものである。
このようにすれば、左右一対の車輪と、それらの車輪それぞれに対応して設けられた左右一対の車軸とを、備えた車両において、それら左右一対の車軸の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置の制御装置であって、他の車両とのすれ違いを検出するすれ違い検出手段と、そのすれ違い検出手段によりすれ違いが検出された場合には前記差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御手段とを、含むものであることから、他車両とのすれ違い時に左右輪の差動制限力を上昇させることで、車両の直進安定性を保証することができる。すなわち、他車両とのすれ違い時における車両挙動の安定性を向上させる車両用差動制限装置の制御装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記すれ違い検出手段は、前記他の車両との相対速度を検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段は、そのすれ違い検出手段により検出される相対速度が大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものである。このようにすれば、すれ違い車両との相対速度に応じて必要十分な差動制限力を付与することで、車両挙動の安定性を更に好適に向上させることができる。
また、好適には、前記すれ違い検出手段は、前記他の車両の大きさを検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段は、そのすれ違い検出手段により検出される車両の大きさが大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものである。このようにすれば、すれ違い車両の大きさに応じて必要十分な差動制限力を付与することで、車両挙動の安定性を更に好適に向上させることができる。
また、好適には、前記すれ違い検出手段は、前記他の車両との相対距離及び相対速度を検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段は、所定の関係から、そのすれ違い検出手段により検出される相対距離及び相対速度に基づいて、前記差動制限力の補正開始タイミングを決定するものである。このようにすれば、対象となる他車両とすれ違うタイミングに合わせて差動制限力を上昇させることで、実用的な態様で車両挙動の安定性を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される駆動力配分制御装置26を備えた前置エンジン前輪駆動(FF)を基本とする前後輪駆動車両の駆動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この図1に示す車両において、駆動力源であるエンジン12により発生させられた駆動力(トルク)は、自動変速機14、前輪用差動歯車装置16、及び左右一対の前輪車軸18l、18r(以下、特に区別しない場合には単に前輪車軸18という)を介して左右一対の前輪20l、20r(以下、特に区別しない場合には単に前輪20という)へ伝達される一方、中央差動歯車装置(センターデフ)22、駆動力伝達軸であるプロペラシャフト24、駆動力配分制御装置26、及び左右一対の後輪車軸28l、28r(以下、特に区別しない場合には単に後輪車軸28という)を介して駆動輪である左右一対の後輪30l、30r(以下、特に区別しない場合には単に後輪30という)へ伝達される。ここで、図1に示すように、斯かる駆動力伝達装置10では、上記駆動力配分制御装置26による駆動力の配分に係る駆動輪としての後輪30の回転軸と上記プロペラシャフト24の回転軸とが相互に直交するように配設されている。また、上記駆動力伝達装置10には、上記駆動力配分制御装置26に備えられた油圧式係合装置の係合状態を制御するための油圧等を制御する油圧回路32と、その油圧回路32に備えられた図示しない電磁制御弁等を介してその油圧回路32から駆動力配分制御装置26内に供給される油圧等を制御する制御装置としての駆動力配分コントローラ34とが、設けられている。なお、図1では、前記油圧回路32から出力される油圧を細い破線矢印で、上記駆動力配分コントローラ34から出力される制御信号(制御指令)及び各種センサからの入力信号を細線矢印でそれぞれ示している。
上記エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。また、上記自動変速機14は、例えば、上記エンジン12から入力される回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力する有段式の自動変速機(オートマチックトランスミッション)であり、前進変速段、後進変速段、及びニュートラルのうち何れかが選択的に成立させられ、それぞれの変速比γに応じた速度変換が成される。なお、この自動変速機14の入力軸は、図示しないトルクコンバータ等を介して上記エンジン12の出力軸に連結されている。
前記駆動力配分コントローラ34は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、例えば、前記油圧回路32に備えられた電磁制御弁に供給される電流の指令値を制御することにより前記駆動力配分制御装置26に備えられた係合要素へ供給される油圧を制御することで、後述する差動制限制御及びヨーコントロール(yaw control)制御等の各種制御を実行する。斯かる制御を実行するために、車速判定手段36、旋回判定手段38、すれ違い検出手段40、及び係合制御手段42等を機能的に備えている。これら制御機能については、図3乃至図12等を用いて後述する。また、前記動力伝達装置10には、前記左右一対の後輪30l、30rそれぞれの実際の回転速度を検出する車輪速センサ50、図示しないハンドルの操舵角を検出する操舵角センサ52、及び図示しないアクセルペダルの踏込量に対応するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ54、車両前方の物体を検出するレーダーセンサ56、及びカーナビゲーションシステム58等の機器が設けられており、それぞれの機器から車速を表す信号、ハンドルの操舵角を表す信号、アクセル開度を表す信号、車両前方の物体を表す信号、及びカーナビゲーションシステムに関する各種信号等が前記駆動力配分コントローラ34へ入力されるようになっている。
図2は、前記駆動力配分制御装置26の構成を例示する骨子図である。この図2に示すように、前記駆動力配分制御装置26は、例えば、前記エンジン12により中央差動歯車装置22を介して回転駆動されるプロペラシャフト24の端部に接続された傘歯車60と、その傘歯車60と噛み合う傘歯車62とを、備えており、それら1組の傘歯車60、62を介して駆動力が入力されるように構成されている。また、前記プロペラシャフト24から傘歯車60、62を介して伝達される駆動力を前記左右の後輪30l、30rに配分するための差動装置64と、その差動装置64に隣接して設けられ、前記後輪車軸28l、28rと同軸に配設された変速装置66と、その変速装置66の出力を上記差動装置64に選択的に伝達するための係合要素である第1クラッチC1及び第2クラッチC2とを、備えて構成されている。
上記差動装置64は、第1回転要素RE1である第1リングギヤR1、互いに噛み合う複数対の第1ピニオンギアP1、それら第1ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第2回転要素RE2である第1キャリアCA1、及び上記複数対の第1ピニオンギヤP1を介して第1リングギヤR1と噛み合う第3回転要素RE3である第1サンギヤS1を備えたダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、そのギヤ比ρ(=第1サンギヤS1の歯数/第1リングギヤR1の歯数)はたとえば0.5に設定されている。上記第1リングギヤR1は、上記差動装置64のケース68内にそのケース68と一体的に設けられており、前記プロペラシャフト24の回転が傘歯車60、62により減速されてその第1リングギヤR1に伝達されるようになっている。すなわち、本実施例においては上記ケース68が入力部材として機能する。また、上記第1キャリアCA1は、前記左後輪車軸28lを介して左後輪30lに接続されている。また、上記第1サンギヤS1は、前記右後輪車軸28rを介して右後輪30rに連結されている。なお、上記第2回転要素RE2及び第3回転要素RE3は置換可能であり、以下の説明についていも同じである。
前記変速装置66は、第5回転要素RE5である第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第6回転要素RE6である第2キャリアCA2、及び上記第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第4回転要素RE4である第2リングギヤR2を備えたシングルピニオン型の遊星歯車装置を備えて構成されている。上記第5回転要素RE5は、上記第1回転要素RE1に連結されており、上記ケース68と同様に前記変速装置66の入力部材として機能する。また、上記第6回転要素RE6は、トルク移動切換用の係合要素であるブレーキBに連結されており、そのブレーキBを介して非回転部材70に選択的に連結されるようになっている。また、上記第4回転要素RE4は、前記変速装置66の出力部材として機能させられる。この第4回転要素RE4は、上記第1クラッチC1を介して第2回転要素RE2である差動装置64の第1キャリアCA1及び左後輪車軸28lに選択的にスリップ係合乃至完全係合されると共に、上記第2クラッチC2を介して第3回転要素RE3である差動装置64の第1サンギヤS1及び右後輪車軸28rに選択的にスリップ係合乃至完全係合される。なお、上記ブレーキB、第1クラッチC1、及び第2クラッチC2は、好適には、それぞれスリップ係合可能な多板式の油圧式摩擦係合装置であり、前記駆動力配分コントローラ34からの制御指令に応じて制御される前記油圧回路32から出力される油圧により係合或いは解放されると共に、必要に応じて油圧制御が行われることによりスリップ係合時の伝達トルクが制御される。
図1に戻って、前記駆動力配分コントローラ34に備えられた係合制御手段42は、前記油圧回路32を介して係合要素としての前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキBそれぞれの係合状態を制御することにより、前記エンジン12により発生させられる駆動力の左右の後輪30l、30rへの伝達を制御する駆動力制御を実行する。前記エンジン12により発生させられた駆動力は、前記自動変速機14、中央差動歯車装置22、及びプロペラシャフト24等を介して前記差動装置64のケース68を回転駆動する駆動力として入力される。その差動装置64の第1リングギヤR1は、斯かるケース68と一体的に設けられているため、前記プロペラシャフト24からの駆動力は第1リングギヤR1から入力部材としてのケース68を介して前記差動装置64に入力される。前記係合制御手段42は、前記油圧回路32に備えられた電磁制御弁等を介してその油圧回路32から前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキBそれぞれに供給される油圧を制御することで、それら係合要素を係合、スリップ係合、或いは解放状態とするように制御する。そのようにして前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキBそれぞれの係合状態が制御されることで、前記差動装置64に入力された駆動力の左右の後輪30l、30rへの配分が制御される。以下、前記駆動力配分制御装置26による左右の後輪30l、30rへの駆動力の配分について詳述する。
図3乃至図6は、前記駆動力配分制御装置26の差動装置62における複数の回転要素の回転数を示す共線図である。これらの共線図において、左側の縦軸は前記左後輪30lに連結された第2回転要素RE2である第1キャリアCA1の回転数Nlを、右側の縦軸は前記右後輪30rに連結された第3回転要素RE3の回転数Nrを、中央の縦軸は前記ケース68と一体的に回転させられる第1回転要素RE1である第1リングギヤR1の回転数Ni及び第4回転要素RE4の回転数Ncをそれぞれ示している。また、図の右側に示される表は、前記ブレーキB、第1クラッチC1、及び第2クラッチC2の状態を示しており、「○」が係合状態、「×」が解放状態を示している。なお、回転数NlとNcとの間の直線は前記第1クラッチC1の状態を示しており、実線がスリップ係合状態、破線が解放状態を示している。また、回転数Ncと回転数Nrとの間の直線は前記第2クラッチC2の状態を示しており、実線がスリップ係合、破線が解放状態を示している。
図3は、前記駆動力配分制御装置26の非制御時の共線図である。非制御時においては、係合要素である前記ブレーキB、第1クラッチC1、及び第2クラッチC2はそれぞれ解放状態となっている。この状態では、前記差動装置64のみが機能し、前記変速装置66は空転状態とされることで、前記左右の後輪30l、30rに均等に駆動力が配分される。これにより、前記駆動力配分制御装置26においてトルク移動及び差動制限は行われず、通常のオープンデフとして機能する。また、直進時においては、図3に示されるように差動装置64が一体的に回転させられ、前記左右の後輪30l、30rの回転数Nl、Nrは略同回転となる。
図4は、ヨーコントロール制御すなわち左右輪トルク配分制御(左右輪トルク差制御)時の共線図の一例であり、例えば左旋回中等において前記右後輪30rの駆動力を増大させてアンダーステアを抑制させている状態の共線図である。この図4に示す態様では、前記ブレーキBが係合されると共に、前記第1クラッチC1がスリップ係合され、前記第2クラッチC2が解放されている。このように、前記ブレーキBが係合されると、前記変速装置66の第2キャリアCA2がロックされ、前記第4回転要素RE4の回転数Ncが逆回転方向に減速されて出力される。また、前記第1クラッチC1がスリップ係合されることで、前記第4回転要素RE4の出力が第2回転要素RE2に伝達される。ここで、前記第4回転要素RE4の回転数Ncは逆回転方向に減速されているため、前記第1クラッチC1のスリップ係合により前記左後輪30lの駆動力が減少させられる一方、前記右後輪30rの駆動力が相対的に増大させられる。また、前記左後輪30lの回転数Nlがスリップ係合により減速されるため、前記差動装置64によって前記右後輪30rは増速させられる。
また、例えば右旋回中等においては、図5に示されるように前記左後輪30lの駆動力を増大させてアンダーステアを抑制させることができる。この図5に示す態様では、前記ブレーキBが係合されると共に、前記第2クラッチC2がスリップ係合され、前記第1クラッチC1が解放されている。図4と同様に、前記ブレーキBが係合されると、前記変速装置66の第2キャリアCA2がロックされ、前記第4回転要素RE4の回転数Ncが逆方向に減速されて出力される。また、前記第2クラッチC2がスリップ係合されることで、前記第4回転要素RE4の出力が第3回転要素RE3に伝達される。ここで、前記第4回転要素RE4の回転数は逆回転方向に減速されているため、前記第2クラッチC2がスリップ係合されることで、前記右後輪30rの駆動力が減少させられる一方、前記左後輪30lの駆動力が相対的に増大させられる。また、前記右後輪30rの回転数Nrがスリップ係合により減速されるため、前記差動装置64によって前記左後輪30lは増速させられる。
図6は、左右輪差動制限制御時の共線図である。前記一対の後輪車軸28(乃至後輪30)の差動回転を制限するための差動制限制御時においては、前記ブレーキBが解放されると共に、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2が共に係合させられる。このように、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2が共に係合させられることで、前記左右の後輪車軸28l、28rの相対回転が制限され、それにより前記左右の後輪30l、30rの差動制限が行われる。すなわち、前記駆動力配分制御装置26は、前記一対の後輪30に対応する後輪車軸28の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置として機能する。ここで、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2が共に完全係合されると、ノンスリップデフとして機能し、前記左右の後輪30l、30rが同回転となる。なお、差動制限力は、クラッチ制御トルクに比例し任意に設定することができる。
図1に戻って、前記係合制御手段42は、予め定められた所定基準から、前記駆動力制御すなわち左右の後輪30l、30rへの駆動力の伝達制御の制御要求が行われる可能性を判断し、その制御要求が行われる可能性があると判断される場合には、係合要素である前記ブレーキB、第1クラッチC1、及び第2クラッチC2の係合状態を、前記駆動力制御を実行する前段階まで制御する予備制御を実行する。前記車速判定手段36及び旋回判定手段38は、斯かる予備制御のために前記制御要求が行われる可能性があるか否かを判定する制御要求判定手段として機能する。この車速判定手段36は、前記車輪速センサ50から供給される車速を表す信号に基づいて、車速が予め定められた所定車速以下であるか否かを判定する。また、前記旋回判定手段38は、前記操舵角センサ52から供給される操舵角を表す信号に基づいて、車両が旋回を行っているか否かを判定する。
前記係合制御手段42は、前記左右の後輪30l、30rの差動制御を制限する差動制限制御に対応する駆動力制御の制御要求が行われる可能性があると判定される場合、すなわち前記車速判定手段36の判定が肯定される場合には、前記駆動力配分制御装置26に備えられた係合要素の係合状態を、前記差動制限制御を実行する前段階まで制御する予備制御を実行する。具体的には、前記差動制限制御におけるトルク伝達容量よりも弱いトルク伝達容量となるように、その差動制限制御に関与する係合要素である第1クラッチC1及び第2クラッチC2それぞれの係合状態を制御する。この予備制御時のトルク伝達容量は、好適には、各係合要素を係合させるためのピストンが摩擦板を押圧する状態となるまで前進させられる所謂ガタ詰めが完了する程度の締結力に相当するものであり、前記左右の後輪30l、30rの差動状態への影響が無視できる限度において可及的に強いトルク伝達容量となるように前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2の油圧アクチュエータへ供給される油圧が制御される。また、斯かる差動制限制御の予備制御において、前記ブレーキBの制御は行われずに解放されたままとされる。
図7は、前記係合制御手段42による予備制御における各係合要素の係合状態をまとめた表である。この図7の表に示すように、前記係合制御手段42による予備制御では、車両の発進乃至低速走行時において、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2が比較的弱い係合状態すなわち所謂ガタ詰めが完了した程度の係合状態とされる。車両の発進時乃至低速走行時等の直進走行時においては、トラクション性能が要求される走行場面が多く、差動制限制御の制御要求が出力される場面が多いが、このように前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2のガタ詰めを予め完了させておくことで、実際の制御要求が出力されてから各係合要素の実質的な係合制御が開始されるまでの時間を短縮することができ、差動制限制御の応答性を向上させることができる。また、車両の中速乃至高速走行時において、前記ブレーキBが完全係合される。車両の中速乃至高速走行時においては、操舵追従性が要求される走行場面が多く、左右輪トルク差制御(ヨーコントロール制御)の制御要求が出力される場面が多いが、このように前記ブレーキBを完全係合させておくことで、実際の制御要求が出力されてから各係合要素の実質的な係合が完了するまでに要する時間を短縮することができ、左右輪トルク差制御の応答性を向上させることができる。
図1に戻って、前記すれ違い検出手段40は、自車両と他車両とのすれ違いを検出する。好適には、前記レーダーセンサ56から供給される情報に基づいて、対向車線を走行する、自車両との相対距離が接近しつつある他車両とのすれ違いを検出する。このレーダーセンサ56は、例えば、レーザー発信器・受光部・発光部、マイクロコンピュータ等から構成されており、レーザー発信器から出力されたレーザー光を前方乃至対向車線方向に照射し、他車両のリフレクタ等に反射したレーザー光が受光部に戻ってくるまでの時間及び入射角度を演算することで、自車走行車線上の前方車両の有無、前方車両との距離、前方車両との相対速度、前方車両の大きさ、乃至対向車線上の対向車両の有無、対向車両との距離、対向車両との相対速度、対向車両の大きさ等を演算して、その演算結果を前記駆動力配分コントローラ34に供給するものである。また、前記レーダーセンサ56は、ミリ波(extremely high frequency:EHF)により他車両の検出を行うミリ波レーダーであってもよく、更には、撮影される映像に基づいて他車両の存在を解析する映像解析装置であってもよい。
また、前記すれ違い検出手段40は、前記カーナビゲーションシステム58から供給される情報に基づいて、対向車線を走行する、自車両との相対距離が接近しつつある他車両とのすれ違いを検出するものであってもよい。このカーナビゲーションシステム58は、例えば、所謂GPS(Global Positioning System)衛星から送られてくる電波を用いて自車の走行位置を検出するシステムであり、また、他車両との間で電波による通信を行うことにより、その車両の位置、速度、及び車種等を検知できるようになっている。前記すれ違い検出手段40は、好適には、斯かるカーナビゲーションシステム58による他車両との通信結果に基づいて、対向車線を走行する、自車両との相対距離が接近しつつある他車両とのすれ違いを検出する。
また、前記すれ違い検出手段40は、前記レーダーセンサ56やカーナビゲーションシステム58等から供給される信号に基づいて、前記他車両との相対距離、その他車両との相対速度、及びその他車両の大きさを検出し得るものである。この大きさの検出に関して、例えば前記カーナビゲーションシステム58による通信結果として取得された前記他車両の車種から、予め記憶されたその車両の大きさを導出するものであってもよいし、前記レーダーセンサ56の検出結果に基づいて前記他車両の車高等を解析し、その解析結果に対応する車両の大きさを算出するものであってもよい。なお、このすれ違い検出手段40による相対距離、相対速度、及び車両大きさ等の検出は、前記レーダーセンサ56やカーナビゲーションシステム58側で実行されてその検出結果が前記駆動力配分コントローラ34に供給されるものであってもよい。
また、前記係合制御手段42は、前記すれ違い検出手段40により他車両とのすれ違いが検出された場合には、前記駆動力配分制御装置26により発生させられる差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御を実行する。斯かる制御を行うための機能として、図1に示すように、差動制限力制御手段44、補正ゲイン算出手段46、及び差動制限開始時間算出手段48等の機能を含んでいる。以下、これらの制御機能について、図8乃至図12を用いて詳述する。
図8は、車両における車速Vとヨーレイトγとの関係を示すグラフである。この図8のグラフは、車両諸元に応じて下記(1)式により求められた複数の関係を例示している。この(1)式において、Kfは前輪のコーナーリングパワーを、Krは後輪のコーナーリングパワーを、Ifは前輪車軸から重心までの距離を、Irは後輪車軸から重心までの距離を、lはホイールベースを、Aはスタビリティファクタを、Vは車速を、Mは外乱モーメントを、Yは外乱横力をそれぞれ示している。すなわち(1)式において、車速V以外の値は車両諸元乃至差動制限装置の設計値であり、定数であることから、発生ヨーレイトγは下記(2)式に変換することができる。この(2)式における定数Gyは下記(3)式で表される値である。(2)式から明らかなように、発生ヨーレイトγはV/(1+A・V2)に比例する。斯かる関係を前提として、上記差動制限力制御手段44は、所定の基準速度Vbに対応するモーメントを下記(4)式で決定することにより、V/(1+A・V2)で車両に合った差動制限力を車速Vにより補正し、適切な差動制限力を与えることを可能とする。換言すれば、上記差動制限力制御手段44は、基準速度Vbに対応する差動制限力Mvと、車速Vに応じた補正係数V/(1+A・V2)との積としての指令差動制限力Moを算出し、その指令差動制限力Moに基づく差動制限力(拘束力)が発生させられるように前記駆動力配分制御装置26における第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合力(係合圧)を制御する。なお、この(4)式における定数Mvは下記(5)式で表される値であり、Moは指令差動制限力を、Mvは基準速度での差動制限力を、Mbは基準差動制限力をそれぞれ示している。
Figure 2009299718
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また、前記補正ゲイン算出手段46は、予め定められた関係から前記すれ違い検出手段40による検出結果に基づいて前記駆動力配分制御装置26における差動制限力を補正するための補正ゲインXを算出する。好適には、前記すれ違い検出手段40により他車両とのすれ違いが検出された場合には、通常時すなわち斯かるすれ違いが検出されない場合に比べて前記駆動力配分制御装置26における差動制限力を増大させるように補正ゲインXを算出する。前記差動制限力制御手段44は、この補正ゲイン算出手段46により算出される補正ゲインXに基づいて前記指令差動制限力Moを補正し(例えばその補正ゲインXを指令差動制限力Moに乗算し)、その補正後の指令差動制限力Moに基づいて前記駆動力配分制御装置26における第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合力(係合圧)を制御する。
また、前記補正ゲイン算出手段46は、予め定められた関係から前記すれ違い検出手段40により検出される前記他車両との相対速度に基づいて前記補正ゲインXを算出する。好適には、図9に示すように、前記すれ違い検出手段40により検出される前記他車両との相対速度Cが大きいほど前記駆動力配分制御装置26における差動制限力を増大させるように補正ゲインXを算出する。この算出は、予め実験的に求められて記憶された図9に示すような関係(マップ)に基づいて導出されるものであってもよいし、所定の計算式に基づいて逐一算出されるものであってもよい。
また、前記補正ゲイン算出手段46は、予め定められた関係から前記すれ違い検出手段40により検出される前記他車両の大きさに基づいて前記補正ゲインXを算出する。好適には、図10に示すように、前記すれ違い検出手段40により検出される前記他車両の大きさDが大きいほど前記駆動力配分制御装置26における差動制限力を増大させるように補正ゲインXを算出する。この算出は、予め実験的に求められて記憶された図10に示すような関係(マップ)に基づいて導出されるものであってもよいし、所定の計算式に基づいて逐一算出されるものであってもよい。
また、前記差動制限力制御手段44は、所定の関係から、前記すれ違い検出手段40により検出される前記他車両との相対距離及び相対速度に基づいて、前記駆動力配分制御装置26における差動制限力の補正開始タイミングを決定する。例えば、その時点における前記他車両との相対距離Y、相対速度C、及び差動制限力を上昇させるために要する時間T1から、それらの値に応じた差動制限開始時間(その時点から開始までの時間)T=Y/C−T1を算出する。ここで、上記差動制限力上昇必要時間T1は、ユニットの応答性例えば前記駆動力配分制御装置26における作動油温等に応じて算出される値である。すなわち、前記差動制限力制御手段44は、予め実験的に求められた、前記他車両の相対距離Y及び相対速度Cとその他車両とのすれ違いタイミング(そのすれ違いにより横方向の力が発生するタイミング)に際して前記駆動力配分制御装置26において必要十分な差動制限力が発生させられるように、その駆動力配分制御装置26における差動制限制御の開始タイミングを制御する。
図11は、前記他車両とのすれ違い時における前記差動制限力制御手段44による差動制限制御を説明するタイムチャートである。この図11に示す制御では、先ず、時点t0において、対向車線から接近する他車両が検出され、その時点におけるその他車両との相対距離Y及び相対速度C等が算出される。そして、それら相対距離Y、相対速度C、及び差動制限力上昇必要時間T1等から、差動制限制御開始までの時間Tが算出される。なお、この図11に示す制御において、差動制限力上昇必要時間T1は時点t1からt2までの時間に相当し、時点t0において算出される差動制限制御開始までの時間Tは、その時点t0からt1までの時間に相当する。時点t0からその時間Tが経過した時点t1において、前記駆動力配分制御装置26における差動制限力の上昇が開始され、時点t2において指令値であるMoに達するまで単調に増加させられる。そして、その時点t2からt3までその差動制限力が維持された後、時点t4まで前記駆動力配分制御装置26における差動制限力が低下させられて0とされる。この時点t2からt3までの時間は、前記他車両の相対速度Cに応じてその他車両とのすれ違いによって受ける横方向の力がなくなるのに十分な時間が算出されるものであってもよいし、予め定められた所定時間であってもよい。
図12は、前記駆動力配分コントローラ34による差動制限制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前述した(1)〜(5)式等に従いその時点の車速Vに基づいて前記駆動力配分制御装置26における差動制限力の指令値Moが算出される。次に、S2において、前記レーダーセンサ56やカーナビゲーションシステム60等から供給される情報に基づいて対向車線を走行するすれ違い車両(他車両)との相対距離Yが算出される。次に、S3において、対向車線にすれ違い車両が存在するか否かが判断される。すなわち、S2にてn回目に算出されたすれ違い車両との相対距離Ynに関してYn<Yn-1がn回成立し且つYnが所定のすれ違い判定距離Yhより小さいか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S3の判断が肯定される場合には、S4において、前記レーダーセンサ56やカーナビゲーションシステム60等から供給される情報に基づいてすれ違い車両の大きさDが識別されると共にその車両の速度Bが検出される。次に、S5において、その時点における自車両の車速VとS4にて検出されたすれ違い車両の速度Bとからそのすれ違い車両との相対速度Cが算出される。次に、前記補正ゲイン算出手段46の動作に対応するS6において、予め定められた関係から、S4にて識別されたすれ違い車両の大きさD及びS5にて算出されたすれ違い車両との相対速度Cに基づいて、前記駆動力配分制御装置26の差動制限力指令値Moを補正するための補正ゲインXが算出される。次に、S7において、S6にて算出された補正ゲインXに基づいて前記駆動力配分制御装置26の差動制限力指令値Moが補正される。次に、前記差動制限開始時間算出手段48の動作に対応するS8において、S2にて算出されたすれ違い車両との相対距離Y及びS5にて算出されたすれ違い車両との相対速度Cに基づいて前記駆動力配分制御装置26における差動制限力の上昇開始までの時間T(=Y/C−T1)が算出される。次に、S9において、前記駆動力配分制御装置26における差動制限力上昇開始タイミングであるか否か、すなわちS8にて算出された時間Tが経過したか否かが判断される。このS9の判断が否定される場合には、そのS9の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S9の判断が肯定される場合には、S10において、S7にて補正された差動制限力指令値Moに基づいて前記駆動力配分制御装置26における差動制限力の上昇制御が行われた後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S2乃至S5が前記すれ違い検出手段40の動作に、S1、S7、及びS10が前記差動制限力制御手段44の動作にそれぞれ対応する。
このように、本実施例によれば、左右一対の後輪30と、それらの後輪30それぞれに対応して設けられた左右一対の後輪車軸28とを、備えた車両において、それら左右一対の後輪車軸28の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置としての駆動力配分制御装置26の制御装置であって、他の車両とのすれ違いを検出するすれ違い検出手段40(S2乃至S5)と、そのすれ違い検出手段40によりすれ違いが検出された場合には前記差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御手段44(S1、S7、及びS10)とを、含むものであることから、他車両とのすれ違い時に左右輪の差動制限力を上昇させることで、車両の直進安定性を保証することができる。すなわち、他車両とのすれ違い時における車両挙動の安定性を向上させる駆動力配分制御装置26の制御装置を提供することができる。
また、前記すれ違い検出手段40は、前記他の車両との相対速度Cを検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段44は、そのすれ違い検出手段40により検出される相対速度Cが大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものであるため、すれ違い車両との相対速度Cに応じて必要十分な差動制限力を付与することで、車両挙動の安定性を更に好適に向上させることができる。
また、前記すれ違い検出手段40は、前記他の車両の大きさDを検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段44は、そのすれ違い検出手段40により検出される車両の大きさDが大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものであるため、すれ違い車両の大きさDに応じて必要十分な差動制限力を付与することで、車両挙動の安定性を更に好適に向上させることができる。
また、前記すれ違い検出手段40は、前記他の車両との相対距離Y及び相対速度Cを検出し得るものであり、前記差動制限力制御手段44は、所定の関係から、そのすれ違い検出手段40により検出される相対距離Y及び相対速度Cに基づいて、前記差動制限力の補正開始タイミングを決定するものであるため、対象となる他車両とすれ違うタイミングに合わせて差動制限力を上昇させることで、実用的な態様で車両挙動の安定性を向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、前記一対の後輪30l、30rの差動回転を制限するための差動制限力を発生させる駆動力配分制御装置26に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前述した後輪用の構成の代替として或いはそれに加えて前輪用の差動制限装置に適用されるものであってもよい。
また、前述の実施例では、左右一対の車輪の差動回転を制限する差動制限制御を行うと共に、それら一対の車輪相互間におけるトルク移動制御を行い得る駆動力配分制御装置26について説明したが、本発明の適用対象は、少なくとも左右一対の車輪の差動回転を制限する差動制限制御を行い得る差動制限装置であればよく、必ずしもそれら一対の車輪相互間におけるトルク移動制御は実行できなくともよいことは言うまでもない。
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記すれ違い検出手段40により他の車両とのすれ違いが検出された場合、必ずしも一律に前記駆動力配分制御装置26において差動制限力を発生させるものでなくともよく、例えば、前記すれ違い検出手段40により検出されるすれ違い車両の大きさDが予め定められた所定値以上である場合にのみ前記駆動力配分制御装置26において差動制限力を発生させるものであってもよい。すなわち、本発明による制御は、自車両の仕様に応じて種々の形態が適宜選択されて実行され得る。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される駆動力配分制御装置を備えた前置エンジン前輪駆動を基本とする前後輪駆動車両の駆動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分制御装置の構成を例示する骨子図である。 図2の駆動力配分制御装置の非制御時における各回転要素の回転数を示す共線図である。 図2の駆動力配分制御装置の左右輪トルク制御時における各回転要素の回転数を示す共線図である。 図2の駆動力配分制御装置の左右輪トルク制御時における各回転要素の回転数を示す共線図である。 図2の駆動力配分制御装置の差動制限制御時における各回転要素の回転数を示す共線図である。 図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分コントローラによる駆動力制御の予備制御における各係合要素の係合状態をまとめた表である。 車両における車速とヨーレイトとの関係を示すグラフである。 図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分コントローラによる差動制限力の補正制御に用いられる、すれ違い車両の相対速度と補正ゲインとの関係を定めた制御マップである。 図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分コントローラによる差動制限力の補正制御に用いられる、すれ違い車両の大きさと補正ゲインとの関係を定めた制御マップである。 他車両とのすれ違い時における図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分コントローラによる差動制限制御を説明するタイムチャートである。 図1の駆動力伝達装置に備えられた駆動力配分コントローラによる差動制限制御の要部を説明するフローチャートである。
符号の説明
26:駆動力配分制御装置(車両用差動制限装置)
28:後輪車軸
30:後輪
40:すれ違い検出手段
44:差動制限力制御手段

Claims (4)

  1. 左右一対の車輪と、それらの車輪それぞれに対応して設けられた左右一対の車軸とを、備えた車両において、それら左右一対の車軸の差動回転を制限するための差動制限力を発生させる車両用差動制限装置の制御装置であって、
    他の車両とのすれ違いを検出するすれ違い検出手段と、
    該すれ違い検出手段によりすれ違いが検出された場合には前記差動制限力を増大させるように補正する差動制限力制御手段と
    を、含むものであることを特徴とする車両用差動制限装置の制御装置。
  2. 前記すれ違い検出手段は、前記他の車両との相対速度を検出し得るものであり、
    前記差動制限力制御手段は、該すれ違い検出手段により検出される相対速度が大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものである請求項1に記載の車両用差動制限装置の制御装置。
  3. 前記すれ違い検出手段は、前記他の車両の大きさを検出し得るものであり、
    前記差動制限力制御手段は、該すれ違い検出手段により検出される車両の大きさが大きいほど前記差動制限力を増大させるように補正するものである請求項1又は2に記載の車両用差動制限装置の制御装置。
  4. 前記すれ違い検出手段は、前記他の車両との相対距離及び相対速度を検出し得るものであり、
    前記差動制限力制御手段は、所定の関係から、該すれ違い検出手段により検出される相対距離及び相対速度に基づいて、前記差動制限力の補正開始タイミングを決定するものである請求項1から3の何れか1項に記載の車両用差動制限装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103895491A (zh) * 2012-12-25 2014-07-02 丰田自动车株式会社 车辆

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