JP2009298788A - 化粧剤としてのリムノフィラ(Limnophila)抽出物の使用、及びそれを含有する化粧品組成物 - Google Patents

化粧剤としてのリムノフィラ(Limnophila)抽出物の使用、及びそれを含有する化粧品組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧剤として又は化粧品組成物中の活性剤としての、リムノフィラ属の植物抽出物の提供。
【解決手段】リムノフィラ属特にリムノフィラ・コンフェルタの抽出物の使用に関する。当該植物、特に茎、葉、花、種子若しくは花芽から選択される部位を極性溶媒又は極性溶媒の混合物と接触させることによって得られる抽出物であり、皮膚加齢の徴候の予防若しくは遅延又はその効果の減速のための、表皮若しくはその角質層のケアのための、毛周期の機能を回復するための、脱毛を予防若しくは減速するための、毛髪の再成長を加速若しくは促進する、又は脆弱毛を強化するための、爪の成長を促進する、若しくはその強度を強化するためのケアから選択される美容ケアのための化粧品組成物に用いる。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、化粧剤としての、リムノフィラ属に属する植物の抽出物の使用、及びそれを含有する化粧品組成物に関する。
より具体的には、本発明の主題は、化粧剤としての植物種リムノフィラ・コンフェルタ(Limnophila conferta)の抽出物の使用、及び化粧品組成物中の活性剤としてのその使用であり、また、前記組成物を用いる美容ケアの方法でもある。
[技術的背景]
アポトーシスは、断片化による、生物の特定の細胞の除去の能動的な生物学的過程である。
それは、遺伝的制御下の、生物学的組織レベルでの細胞のプログラムされた除去からなる。除去は自然なものである場合も(組織における余剰な細胞)、又は種々の形態のストレスによって誘導される場合もある。
アポトーシスの生物学的カスケードは、公知であり、カスパーゼ、特に、アポトーシスプログラムを実行するエフェクターカスパーゼ3又は7並びにそれを誘発する開始カスパーゼ8及び/又は9などのいくつかのエフェクターを用いる。
特定の数のアポトーシス阻害剤も知られており(Deverauxら、Genes Dev、13(1999)、239〜252頁)、その中にサバイビンがある。したがって、これらの阻害剤は、細胞生存を調節し、ひいては、生物学的組織における細胞ホメオスタシスに関与する。
IAP(アポトーシスタンパク質の阻害剤)ファミリーの唯一のメンバーであるサバイビンは、細胞のアポトーシスのバランスをとることもでき、その細胞周期を調節することもできる二機能性タンパク質である。
サバイビンは、特に、特定のカスパーゼ、特に、カスパーゼ3、7及び9の活性化を阻害する。
このタンパク質は、強力に増殖する胚組織において発現されるが、成体の分化した組織では、生理学的細胞再生を有する組織及び/又は修復プロセスに関与する組織において以外は発現されない。したがって、皮膚レベルでは、このタンパク質は、表皮の基底層のケラチノサイトにおいて最も著しく発現され、後者の形成及び再生を提供する。
表皮幹ケラチノサイトが見られるのは、この基底層においてであり、これらは、この組織の新生に対して高い可能性を有する細胞であり、完全な表皮の形成において最も有効であると実証されている(JL Xieら、J Plast Reconstr.Aesthet.Surg.2007年、60(9)、983〜90頁)。
今では、サバイビンは、表皮の幹細胞において主に発現されることがわかっている(Marconi A、Dallaglio K、Lotti R、Vaschieri C、Truzzi F、Fantini F、Pincelli C、Stem Cells 2007年、25、149〜155頁)。
逆に、サバイビンの過剰発現は、紫外照射に対する曝露後の表皮におけるアポトーシス細胞数の顕著な減少を示す(Grossmanら、2001年、J Clin Invest 108、991〜999頁)。
β−1インテグリンの不活性化は、サバイビンの細胞内発現を完全に無効にし(Marconi Aら、Stem cells 2007年、25、149〜155頁)、細胞をアポトーシスへと導くことも実証されている。
β−1インテグリンは、それを介して、表皮基底層のケラチノサイトが、皮膚−表皮接合部のタンパク質と接着する接着タンパク質である。
β−1インテグリンは、表皮の幹細胞によってより強力に発現され(P.Jones、Cell 1993年、73、713〜724頁、Kaur J Invest Dermatol 2006年、126、1450〜1458頁)、このことは、これらの細胞におけるサバイビンの強力な発現の観察結果を裏付けるものである。
今では、加齢の間に、ケラチノサイトにおける(B Le Varletら、J Investig Dermatol Symp Proc.1998年、3、172〜179頁)及び光に曝露されたしわの多い皮膚領域における(S Bossetら、British J Dermatol 2003年、148、7770〜778頁)β−1インテグリンの発現の低下が観察されている。
したがって、表皮の基底細胞におけるサバイビンの維持を確実にするタンパク質が、加齢に伴って減少し、並行して、アポトーシスに対する細胞の感受性の増大及び循環細胞の減少が観察され(Zulianiら、J.Invest.Dermatol.2004年、123:2、A50、302)、これらの観察結果が、加齢した皮膚におけるサバイビン欠乏の可能性を示すように収束している。
サバイビンは、そのアポトーシス調節の役割のほかにも、有糸分裂の際に染色体を細胞骨格と協調させる「染色体パッセンジャー複合体」の成分として同定されており(Vaderら、EMBO reports、2006年、7、1、85〜92頁)、したがって、サバイビンは、正常な細胞分裂において必須の役割を果たし、この分裂は、加齢の間に損なわれ、結果として、表皮の再生が少なくなり、薄くなり、しわが発生する。
したがって、サバイビンは、生存の、及びケラチノサイトの抵抗性のレギュレーターであり、幹細胞を含む、表皮の基底層に位置するケラチノサイトのアポトーシスの感受性を調節することによって作用する。また、サバイビンは、表皮の再生及び新生能力も調節する。
したがって、サバイビンは、表皮の細胞ストックを残し、効率的な表皮細胞再生を維持することが可能である。
[先行技術]
文書国際公開第2006/069192号パンフレット(GILLETTE Co)は、毛髪及び体毛増殖減少効果のための、サバイビン阻害剤の化粧品における使用を開示している。
今日までに、皮膚科又は化粧品において使用するための、サバイビン発現刺激剤として作用する化合物は記載されていない。
ラットに経口投与されたシソクサ(Limnophila aromatica)の水性抽出物の抗酸化及びフリーラジカル捕捉効果が記載されている(Kukongviriyapanら、Biol.Pharm Bull.2007年30(4)661〜666頁)。
ラットに経口投与したリムノフィラ・コンフェルタ及びリムノフィラ・ヘテロフィラ(Limnophila heterophylla)のアルコール抽出物が研究され、それから、これらのアルコール抽出物は、創傷治癒の点で有利な活性を有するが、急性炎症のモデルでは顕著な活性はないと結論付けられた(Reddyら、Int.J.Pharmacognosy(1991年)、29、2 145〜153頁)。
しかし、今日まで、化粧品組成物又は皮膚科用組成物における活性剤としての、リムノフィラ属に属する植物種、より具体的には、種リムノフィラ・コンフェルタの、任意の抽出方法の生成物の形態での使用に関するデータは存在しない。
本発明者らは、それらの研究の間に、リムノフィラ属の少なくとも1種の植物、特に、植物種リムノフィラ・コンフェルタを含む、又はそれらから形成される植物材料から得られた抽出物が、表皮の基底層のケラチノサイトにおける、より具体的には、前記基底層の幹細胞におけるサバイビンタンパク質の発現を活性化する、又は刺激することを実証した。したがって、前記抽出物は、ヒト表皮の新生細胞、最も具体的には、表皮の基底層の幹細胞に関して保護的役割を果たす。
したがって、これらの抽出物は、特に、皮膚加齢の徴候の出現の予防若しくは遅延又はその効果の減少を目的として、又は細胞若しくは組織寿命を促進することを目的として、損傷を受けた、特に、紫外線照射によって損傷を受けた表皮の再構築並びにまた、正常皮膚における皮膚創傷及び治癒しにくい潰瘍性創傷の治癒の促進を目的として、脱毛の予防若しくは遅延を目的として、毛髪の再成長若しくは毛髪強化の加速若しくは促進を目的として、爪の成長の促進及び/若しくはその強度の強化を目的として、化粧品組成物における活性剤として、治療目的のための、例えば、移植における、培養表皮(再構築された表皮)製造を目的としたin vitro細胞培養の延長のための、又は治療若しくは研究目的のためのin vitroでの表皮の幹細胞若しくは毛嚢の精製集団の維持においてアジュバントとして使用できる。
[発明の目的]
本発明の主目的は、化粧剤としての、植物から得られた、化粧品上許容される植物抽出物の使用を提案することである。
本発明のもう1つの目的は、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延する、又はその効果を減速するため、及び/又は、
b)とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮若しくはその角質層のケアのため、又は再構築するため、及び/又は、
c)脱毛を予防若しくは減速するために、又は、特に、脱毛症の場合において、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させるため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための、
前記抽出物の、化粧剤としての、又は化粧品組成物中の活性剤としての使用、及び前記組成物を用いる美容ケアの方法である。
本発明のさらなる主目的は、特に、上記に示される美容ケアの種類を実施するための、化粧品上許容される植物抽出物を用いる美容ケアの方法を提供することである。
最後に、本発明のさらなる主目的は、基礎的研究の目的のため、又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のin vitro培養法を提供することであり、これは、植物から得られた前記細胞培養物に関して許容される植物抽出物の使用を含む。
[発明の説明]
本発明の第1の態様は、少なくとも1種の植物、リムノフィラ属に属する種によって形成される、又は含む植物材料から得られた植物抽出物、特に、植物種、リムノフィラ・コンフェルタの少なくとも1種の植物によって形成される、又は含む植物材料から得られた抽出物を含む化粧剤に関する。
用いられる植物材料は、全植物体であってもよく、植物体の一部、例えば、根、根茎又は地上部、特に、茎、葉、花、種子若しくは花芽であってもよい。
抽出物は、植物の地上部、特に、茎及び葉から得られることが好ましい。
抽出ステップ自体に先立って、植物材料を乾燥及び/又は粉末にしてもよい。
抽出の1つの好ましい実施形態によれば、植物材料は、乾燥及び粉末にされた状態である。
リムノフィラ属の、特に、植物種リムノフィラ・コンフェルタの植物に加え、本発明の抽出物が調製される植物材料は、全植物体の、又は植物体の一部の形を問わず、1種又は複数のその他の植物を含むものであってもよい。
これらの植物は、リムノフィラ属の植物について実証されるものと同様の、又は補完的な特性を有するとわかっているリムノフィラ属以外の属のもの、又は別の科の植物であってもよい。
抽出物が、種々の機序によって、例えば、皮膚構造の完全性又はしわに対する作用を維持することによって皮膚加齢の効果を減速又は予防することがわかっている植物を、特に選択してもよい。
抽出物は、当業者に公知の種々の抽出法によって調製してよい。
しかし、抽出は、具体的には、選択された植物材料を極性溶媒又は極性溶媒の混合物と接触させることによって、実施される。
本発明によれば、表現「極性溶媒」は、溶媒が4の値以上の極性指数値P’を有することを示す。
極性指数は、(可溶性及び状態の変化の)熱力学的値に基づいて算出された値であり、多かれ少なかれ分子の極性性質を実証する。
溶媒の極性指数については、参照により本願に含まれる、L.R.SNYDERによる論文、Classification of the solvent properties of common liquids、Journal of Chromatography、92(1974年)、223〜230が参照される。
抽出ステップに使用できる極性溶媒又は極性溶媒の混合物として、水、好ましくはエタノール又はブタノールから選択されるC〜Cアルコール、好ましくはグリセロール、ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選択されるグリコール並びにそれらの混合物から選択される溶媒又は溶媒の混合物が選択されることが有利である。
好ましい混合物は、少なくとも10% v/vのアルコール又はグリコールを含み、残部が水で構成されている、少なくとも1種のアルコール及び水の混合物、又は少なくとも1種のグリコール及び水の混合物である。
これらの溶媒混合物の中でも、50/50 v/v比の水及びエタノールの混合物、又は50/50 v/v比の水及びブチレングリコールの混合物が好ましい。
抽出ステップ自体は、熱還流によって少なくとも30分間実施されることが好ましい。
本発明の別の変法によれば、抽出はまた、極性溶媒を未臨界状態で用いる方法によって実施してもよく、前記溶媒は、未臨界状態の水であることが有利である。
抽出はまた、部分若しくは完全変色すること又は精製することを目的とした、植物材料又は植物抽出物の処理を含むさらなるステップを場合により含んでもよい。
この変色ステップは、例えば、抽出自体に先立つ植物材料の、又は抽出物の、無極性溶媒若しくは無極性溶媒の混合物の溶液での処理、好ましくは、C〜Cアルカン、例えば、ヘプタンでの処理、又は抽出物を活性炭の粒子と接触させることを含む処理、或いは、COを未臨界状態で用いる処理を含む場合もある。
抽出は、抽出溶媒の部分又は全排除のステップによって完了してもよい。
第1の場合では、抽出物は、通常、相当な量の有機溶媒を欠く水性濃縮物が得られるまで濃縮され、第2の場合では、乾燥残渣が得られる。
或いは、得られた抽出物は、上記の溶媒又は溶媒混合物中での抽出ステップの生成物を凍結乾燥又は微粒化(atomization)した後の粉末の形態であってもよい。
粉末は、本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物中でそのままに使用してもよく、又は溶媒若しくは溶媒混合物中に再分散してもよい。
通常、抽出ステップの生成物は、本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物中で活性剤として使用されるよう、溶媒又は溶媒混合物中に溶解又は分散してもよい。
抽出物が溶解又は分散される溶媒又は溶媒混合物は、抽出に使用されたものと同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明の抽出物はまた、多孔性又は無孔性ナイロン粉末及びマイカ又は任意の層状鉱物から選択されることが有利である支持体に吸着されてもよい。
この場合には、用いられる抽出物は、水性抽出物であることが好ましい。
本発明のさらなる態様は、リムノフィラ属に属する種の植物の植物抽出物、好ましくは、植物種リムノフィラ・コンフェルタの抽出物の、化粧品組成物中での化粧剤としての使用である。
本発明は、特に、上記の美容ケアの種類を実施するための、又は以下の説明における、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延又はその効果を減速するための、及び/又は、とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮若しくはその角質層のケアのための、又は再構築するための、及び/又は、毛周期の機能を回復するために、脱毛を予防若しくは減速するために、特に、脱毛症の場合において、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、及び/又は、爪の成長を促進する、及び/若しくはその強度を強化するための、化粧品組成物中での、化粧剤の1種としての、又は活性剤の1種としての抽出物の使用に関する。本発明によれば、化粧剤又は活性剤は、より具体的には、その活性剤の1種としてそれを含有する化粧品組成物の形態で、特に、前記組成物の身体の皮膚又は顔面の皮膚への塗布に適した少なくとも1種の化粧品上許容される担体中の溶液で、又は分散物で、局所的に送達される。
したがって、化粧品組成物は、上記の所望の美容効果を得るために、植物リムノフィラの抽出物を含む少なくとも1種の上記で定義される化粧剤の有効量を含む。
本発明の別の態様は、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延する、又はその効果を減少するための美容ケアの方法であり、前記方法は、身体の又は顔面の皮膚に関与する少なくとも1領域への、上記で定義されるような、又は実施例から得られるようなリムノフィラ属の植物の少なくとも1種の抽出物を含む少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
本発明の第1の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、特に、表皮の、及びしわのくぼみにおける細胞の再高密度化という現象によって、及びその再生の加速又は維持によって抗しわ効果を得ることを目的とした、皮膚加齢の徴候を示しているか、又は示す傾向がある顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、その活性剤の1種として、植物リムノフィラの少なくとも1種の抽出物を含む化粧品組成物、例えば、クリーム又は美容液の塗布を含む。表皮の細胞の再高密度化という現象は、年齢とともにより細かくなり、一方で、表皮の細胞再生は年齢とともに減少することがわかっている。
本発明の別の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、基底層での日光に対する曝露に起因する細胞喪失を低減するような形で、アポトーシスに対する、表皮の基底層のケラチノサイトの抵抗性を強化し、このようにして、紫外線による老化を抑えるための、日光に曝露された皮膚の領域への、その活性剤の1種として植物リムノフィラの少なくとも1種の抽出物を含む組成物の塗布を含む。アポトーシスは、太陽放射線のUVB線によって誘導されることがわかっている。
本発明のさらに別の態様は、とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた表皮若しくはその角質層のケアのための、又は再構築するための美容ケアの方法に関し、前記方法は、顔面の又は身体の皮膚の少なくとも一部への、上記のリムノフィラ属に属する植物の少なくとも1種の抽出物、特に、植物種リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含む化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
本発明の別の態様は、脱毛を予防若しくは減速するために、特に、脱毛症の場合において、毛髪の再成長を促進若しくは加速するために、又は脆弱毛、毛球のケラチノサイトの増殖に起因する毛幹の成長を強化するために、毛周期の機能を回復させることを目的とした美容ケアの方法に関し、頭皮の少なくとも一部への、上記のリムノフィラ属に属する植物の抽出物、特に、植物種リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含む化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は、爪の成長の促進及び/又はその強度の強化のための美容ケアの方法に関し、爪又は周囲の領域の少なくとも一部への、リムノフィラ属の植物、特に、種リムノフィラ・コンフェルタの植物の少なくとも1種の抽出物を含む少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
本発明者らによって実施された試験によって、本発明の抽出物の特性は、また抽出物が、本発明の抽出物と同様の及び/又は補完的な美容効果を有するその他の活性剤と組み合わされている化粧品組成物において、得られる又は改善され得るということが示された。
特に、リムノフィラ抽出物は、皮膚の構造の維持に、及び完全性に寄与する少なくとも1種のその他の活性剤とともに使用してよい。
第1の実施形態によれば、本発明の抽出物を含む組成物はまた、特に、皮膚におけるサバイビンの発現を活性化又は刺激する、少なくとも1種のその他の化粧品上許容される作用剤を含んでもよく、前記作用剤は、抽出法の単離分子又は生成物である可能性があり、フォルスコリン又はそれを含有する抽出物、例えば、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物又はレペチニア(Lepechinia)属の植物、特に、植物種レペチニア・カウレセンス(Lepechinia caulescens)の、又はイシクラゲ(Nostoc commune)、スセネデスムス・ジモルファス(Scenedesmus dimorphus)、ウコン(Curcuma longa)、サフラン(Crocus sativus)及びダニエリア・オリベリ(Daniellia oliveri)の中の植物種の1種に属するものの抽出物から選択されることが有利である。
本発明の化粧品活性剤の有効性は、表皮ケラチノサイトのβ−1インテグリンなどの接着タンパク質の発現を、及びこれらの細胞の接着自体を刺激できる分子又は抽出物(アスパラギン酸マグネシウム、マンガン塩及び誘導体、インテグリンによって認識される特定のペプチド、例えば、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸配列、KGFなどの特定の増殖因子)によって改善されることが有利である。
本発明の化粧品活性剤の活性化有効性はまた、cAMPを分解するホスホジエステラーゼを阻害できる分子又は抽出物、例えば、メチルキサンチン、特に、カフェインによって改善されることが有利であり得、これによって細胞内サイクリックAMPレベルの増大がもたらされる。
上記の化粧剤を含む組成物はまた、皮膚美白活性を有する物質、減量活性を有する物質、水分を補給する活性を有する物質、鎮静、鎮痛又は弛緩活性を有する物質、皮膚の微小循環を刺激して、肌の色の、特に、顔の輝きを改善する活性を有する物質、脂性の皮膚のケアのための皮脂調節活性を有する物質、皮膚を洗浄又は浄化する物質、フリーラジカル捕捉活性を有する物質、皮膚構造の維持を促進すること及び/若しくは真皮の表層の、及び表皮の細胞外マトリックスの分解を制限することを目的とした、及び/又は皮膚保護、矯正又は再構築効果を得ることを目的とした活性によって、皮膚加齢の効果、特に、しわの形成を低減又は遅延する物質、抗炎症活性を有する物質から選択され得る1種又は複数のその他の活性剤を含む場合もある。
前記化粧品組成物は、本発明の抽出物に加え、顔料、色素、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤、芳香、電解質、pH調整剤、抗酸化物質及び保存料並びにこれらの混合物から選択され得る少なくとも1種の化粧品上許容される賦形剤を含む。
本発明の化粧品組成物は、例えば、美容液、ローション、エマルジョン、例えば、クリーム若しくはヒドロゲル、好ましくは、マスクであってもよく、又は、スティック若しくはパッチ若しくは頭皮用の衛生製品、例えば、シャンプー若しくはコンディショナー若しくはメイクアップ製品、特に、爪に塗布することを意図する組成物、例えば、マニキュア液の形態であってもよい。
リムノフィラ植物抽出物、特に、種リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を得るための処理条件は、上記のもの又は実施例1若しくは2においてと同一であってもよい。
特定の一実施形態によれば、本発明は、上記で定義される本発明の少なくとも1種の抽出物を、単独又はその他の抽出物と組み合わせて、皮膚又は爪への局所塗布に適合する化粧品上許容される担体中の溶液中に、又は分散物中に含有する化粧品組成物に関する。
本発明の任意の一主題によれば、本発明の化粧剤は、その活性剤の1種として前記化粧剤を含み、また、少なくとも1種の化粧品上許容される賦形剤も含む化粧品組成物の形態で、関与する身体の部分へのこの組成物の塗布によって局所的に送達され得る。
最後に、本発明の別の主題は、基礎的研究又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のin vitro培養のための方法に関し、培養において、前記の幹細胞及び/又は前記の高いクローン形成能を有する細胞を維持するために、又は表皮を製造するために、培養培地に、有効量のリムノフィラ属の植物、特に、種リムノフィラ・コンフェルタの植物の少なくとも1種の抽出物を含む活性剤を添加することを含むことを特徴とする。
1つの変法によれば、活性剤(複数可)又は抽出物の濃度は、培養培地の0.001重量%〜5重量%の間である。
さらに、本発明の任意の態様について、用語「有効量」は、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延する、又はその効果を減速するため、
b)特に紫外線照射によって損傷を受けた場合に、表皮若しくはその角質層を再構築するため、及び/又は
c)脱毛を予防若しくは減速するために、特に、脱毛症の場合において、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させるため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するため、
e)幹細胞及び/又は高クローン形成能を有する細胞を、培養で維持し、これらの培養を、良好な条件下での培養を実施するのに、また、必要な場合には表皮の製造を実施するのにも十分な一定期間保存するのを可能にするために
必要な量と少なくとも同等である量を意味するよう意図される。
実際、この有効量は、当業者によって容易に決定できる。通常、本発明の抽出物を含む化粧剤の、又は抽出物の有効濃度は、組成物の、又は培養培地の0.001重量%〜5重量%の間、特に、0.01〜3重量%の間となる。
抽出物に関しては、いずれの態様についても、濃度は、組成物の重量に対する乾燥抽出物の重量で表される。
実施例1及び2において実施され、報告された具体的な試験によって実証されるように、本発明の化粧剤は、特に、予期しないことに、真皮の、又は表皮の基底層の幹細胞におけるサバイビンの発現を刺激することによって有効である。
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の、本発明のいくつかの例示的実施形態に関してなされており、例示として簡単になされており、決して本発明の範囲を制限するものではない説明的な記載から明確に明らかになる。実施例では、特に断りのない限り、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧であり、量又はパーセンテージは重量で与えられている。
[実施例]
材料及び方法
1.野生型(WT)サバイビン遺伝子の発現に対するリムノフィラ・コンフェルタの抽出物の活性(実施例2)
これらの試験の目的は、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物で処理された正常ヒトケラチノサイト(NHKs)における野生型(WT)サバイビン遺伝子の発現の調節を調べることである。WTサバイビン遺伝子は、サバイビン遺伝子の5種の既知アイソフォームのうちの1種である。
用いられるケラチノサイトは、31歳の白色人種の女性の皮膚から得られている。
1.1細胞処理
NHKsを、ペトリディッシュ直径100mmに、培地1中、ディッシュあたり1500000個細胞の割合で播種する。播種の48時間後、細胞を、DMSOで希釈したリムノフィラ・コンフェルタの抽出物(12.5μg/ml)で処理する。処理の8時間後、細胞を回収し、それから全RNAを抽出する。
1.2 EZ1 extractor(Qiagen)を用いて全RNAを得ること
細胞培養培地を除去し、500μlのQiazol(キット中に提供されている)を加える。細胞溶解物を、1.5mlチューブに回収する。供給業者のプロトコールに従って全RNAを抽出する。
12ウェルマイクロプレート(RNA6000NanoChips)及び試薬キット(RNA6000Nano Reagents&Supplies)を用いて、得られた全RNA溶液をアッセイし、その質を確認する。
抽出物中に存在する可能性のあるゲノムDNAを排除するために、全RNAを、酵素、DNAseと接触させる。
0.5μgの全RNAを、1μlの10×バッファー及び1μlのDNAseRQ1(1U/μl)及び7μlの滅菌水と、37℃で30分間接触させる(10μlの最終容積の反応)。DNAseを不活化するために、停止溶液を65℃で10分間添加することによって反応を停止する。
1.3逆転写
1.3.1 RT−PCR試薬
供給業者
EZ1 RNA 組織ミニキット Qiagen
RQ1 Rnase不含Dnase Promega
Pd(N) Amersham Pharmacia
dNTP AmershamPharmacia
RNase阻害剤 Promega
スーパースクリプトII Invitrogen
キットHyprobe RocheDiagnostics
プライマー Eurogentec
β−2−mキット RocheDiagnostics
Brilliant SybrGreenキット Stratagene
1.3.2 プロトコール
反応は、0.1μgのDNAse処理RNA(2.2μl)に、0.5μlの20mM dNTP及び1μlのpd(N)を添加し、8.3μlの水で容積を完成することによって始まる。これに、65℃で、5分のインキュベーションを続け、その間に、RNA二次構造が排除される。次いで、混合物を再度、氷上に置き、7μlの以下を含有する反応混合物を加える:
−終濃度1×であるべき、5×バッファー、すなわち、4μl
−100mM DTT、終濃度10mM、すなわち、2μl
−RNAsin、すなわち、1μl。
ランダムヘキサヌクレオチドであるpd(N)は、25℃で10分のハイブリダイゼーションステップの間にすべてのRNAと特異的に結合する。1μlの逆転写酵素を添加した後、サンプルを42℃で1時間インキュベートし、これによって酵素がcDNA鎖を合成することが可能となる。このステップに、70℃で15分間の変性を続けるが、これは、RNA−cDNA二本鎖を分離するのに必要である。
1.4 リアルタイム定量的PCR
リムノフィラ・コンフェルタの抽出物の効果を、Brillant SybrGreenキットを用い、Stratagene製のMx3000Pシステムを用いるリアルタイム定量的PCRによって評価する。
反応混合物の組成は以下のとおりである:
Figure 2009298788
従来PCRとリアルタイム定量的PCRの間の主な相違は、伸長ステップの間のSYBR Greenの組み込みに関連している。二本鎖DNA中に組み込まれている場合に、この化合物によって発光される蛍光は、各サイクルの最後に、増幅され、測定される生成物の量と比例する。
各サンプルについて、シグナルが現れるサイクル数を、ソフトウェアによって、較正線に基づいて調べ、転写物のコピー数の点から濃度を算出する。
一試験について、得られたWTサバイビン転写物の発現のレベルを、β−2−mハウスキーピング遺伝子について得られた値に対して標準化する。この遺伝子は、その発現が常時発現的であり、変わることがなく、これによって、試験間の量のあらゆる変動、特に、種々のRT効率によるものを取り除くことが可能となる。β−2−m PCRは、LightCycler−h−β2mハウスキーピング遺伝子セットキットを用いて実施する。
2.サバイビンタンパク質の発現に対する、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物の活性の研究(実施例3)
本研究の目的は、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物による正常ヒトケラチノサイト(NHKs)におけるサバイビンタンパク質の発現の調節を検討することである。
2.1 細胞培養
NHKsを、EGF(表皮増殖因子)及びBPE(ウシ下垂体抽出物)(KSFMc)(Gibco ref:17005−034+37000−015)を補給した血清不含ケラチノサイト培地で、5%COを含有する加湿雰囲気下、37℃のインキュベーター中で、75cmフラスコで培養する。細胞を、ウェルあたり500μlの培地中50000個細胞の割合で48ウェルマイクロプレートに播種する(D0日)。
24時間インキュベートした後(D1日)、細胞が接着し、次いで、処理ステップを実施する。次いで、播種培地を除去し、各々、種々の濃度で溶媒(例えば、DMSO)中の溶液のリムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含有する処理培地を、各培養ウェルに添加する。対照もまた、この同じ溶媒を用い、同じ割合で調製する。
16時間処理した後、細胞によるサバイビン発現のピークを観察する。次いで、ウェルをPBSですすぐ。マイクロプレートのウェルの半分を用いて、ケラチノサイトを溶解し、細胞内サバイビンをアッセイする。マイクロプレートのウェルのその他の半分を用いて、BCA法によって総タンパク質をアッセイし、それによって、アッセイされるサバイビンの量を、タンパク質の単位量のもとへと関連付けることが可能となる。
非細胞傷害性用量での抽出物の効果を続いて評価することができるよう、試験した各植物抽出物の細胞傷害性を測定する相は、事前に必要である。
この目的を達成するために、抽出物の細胞傷害性用量を、XTT試験によって調べる(参照、Cell Proliferation Kit II、Roche Diagnostic)。テトラゾリウム塩(XTT試薬)は、ミトコンドリアの呼吸鎖に位置するデヒドロゲナーゼによってホルマザンに変換される。生細胞のみが、その呼吸鎖が機能的であり、ホルマザンを生成することができ、450nmで橙色の化合物が検出される。
試験した各抽出物を希釈し、マイクロプレート上に2倍希釈範囲を調製し、試験サンプルの抽出物の濃度は、50mg/ml〜0.195mg/mlの範囲とする。予め調製した希釈液の各々を、最後にKSFM−C培地で1/1000に希釈し、次いで、ケラチノサイトと48時間接触させ、その時点で、細胞傷害性試験が実施される。
2.2サバイビンタンパク質のアッセイ
植物種リムノフィラ・コンフェルタの植物の植物抽出物の活性を、サバイビン発現に関して評価する。サバイビンを、正常ヒトケラチノサイトの培養物で、ELISA酵素免疫測定法(参照、Duoset Survivin ELISA from R&D Systems)によってアッセイする。
総タンパク質を、BCA比色試験(参照、BC Assay Kit、Uptima Interchim)によって、570nmの吸光度を測定することによってアッセイする。
16時間処理した後、サバイビンのELISAアッセイのために、ウェルをPBSですすぎ、次いで、100μl/ウェルの溶解バッファーを加え、続いて、穏やかに撹拌しながら10分間インキュベートする。このバッファーは、アンチプロテアーゼを含み、これが、細胞溶解の間のサバイビンを含めたタンパク質の分解を防ぐ。
ELISAマイクロプレート(参照Clear Microplate R&D systems DY992)を調製する。ヒトサバイビンを用いた標準範囲を、細胞溶解物を用いたものと同条件下で0〜2000pg/mlで調製する。酵素反応を硫酸で遮断した後、450nmの吸光度を測定することによってサバイビンを定量する。
実施例1:リムノフィラ・コンフェルタの地上部の抽出物の調製
乾燥状態の、リムノフィラ・コンフェルタの茎及び葉を含む地上部から形成される、供給業者IDVP Franceから市販されている植物材料を、ラボラトリー ミル−ミキサーを用いて、0.1〜1mmオーダーの平均粒径に即座に粉末にする。
10gの粉末にした植物材料を、250mlの丸底フラスコに入れ、それに、150mlのエタノール/水混合物(90/10 v/v)を加える。
バルブコンデンサーを載せた丸底フラスコを、恒温槽中で磁気的に撹拌し、次いで、溶媒還流に加熱する。
還流を撹拌しながら30分間維持する。
加熱を停止すると、丸底フラスコを、槽の外で周囲温度に放冷させる。
次いで、混合物を、Whatman70μm GF/Fフィルターを備えたブフナー漏斗及び風袋計量された(tared)フラスコを通して真空濾過し、このようにして濾液1が得られる。ブフナー漏斗上のケーキを、50mlの抽出溶媒で洗浄し、濾液2が得られる。
2種の濾液を合わせ、秤量する。
得られた濾液を、予め風袋計量した丸底フラスコに入れ、次いで、最高温度50℃の水浴中真空下で、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固する。
乾燥残渣を定量し、乾燥粉末化状態の100gの出発植物材料あたりの得られた乾燥抽出物の質量として表される、質量による抽出率を得る。
抽出率は21%である。
実施例2:WTサバイビンをコードする遺伝子の発現に対するリムノフィラ・コンフェルタの抽出物の活性
100mmのペトリディッシュにデュプリケートで播種された正常ヒトケラチノサイトを、サブコンフルエンスで8時間、実施例1に従って調製され、DMSOで12.5μg/mlの濃度に希釈されたリムノフィラ・コンフェルタの抽出物を用いて処理する。対照(処理なし)も調製する。サンプルについて測定された、WTサバイビン遺伝子をコードする転写物の量を、不変のβ−2−m遺伝子をコードする転写物の量のもとへと関連付ける。
結果は以下の表Iに示されている:
Figure 2009298788
結論:12.5μg/mlのリムノフィラ抽出物での処理は、8時間後に、WTサバイビン遺伝子転写物の量を40%増大させる。したがって、対照(非処理細胞)と比較した統計的有意差(p<0.05)があり、これは、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物が、WTサバイビン遺伝子の発現に対して調節作用を有することを実証する。
実施例3:サバイビンタンパク質の発現に対するリムノフィラ・コンフェルタの抽出物の活性
実施例1において調製された乾燥抽出物を、12.5mg/mlの濃度に、又は25mg/mlの濃度にDMSOで希釈する。
細胞に対する処理の際に、0.1% v/v、すなわち、第1の溶液について12.5μg/ml及び第2の溶液について25μg/mlの終濃度が得られるよう、培養培地に抽出物を添加する。この同じ溶媒を用いて対照もまた調製し、0.1% v/vの終濃度とする。
以下の表IIは、100%を構成する、溶媒対照によって表される、発現の基礎レベルと比較した、サバイビンに対する実施例1の抽出物の活性を示す。
得られた結果は、以下の表IIに示されている:
Figure 2009298788
結論:リムノフィラ・コンフェルタの抽出物は、タンパク質の発現の基礎レベル(対照)と比較して、ケラノサイトによるサバイビンの発現を顕著に増大させる。
実施例2及び3の結論:
リムノフィラ・コンフェルタの抽出物は、WTサバイビン転写物の発現及びまた、サバイビンタンパク質自体の発現を刺激する。したがって試験された抽出物は、転写レベル(RNA)で、及び翻訳レベル(タンパク質)の両方で正に作用する。
実施例4:リムノフィラ・コンフェルタの地上部の抽出物を含む化粧品組成物
実施例1で得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−リムノフィラ・コンフェルタの植物抽出物 0.1%
−界面活性剤(Arlacel(登録商標)165VP) 5%
−95%セチルアルコール 1%
−ステアリルアルコール 1%
−蜜蝋 1.5%
−オイル(Perleam(登録商標) ) 8.5%
−トリカプレート/カプリレートグリセリド 3%
−シリコーンオイル(ジメチコン100CS) 1%
−ポリマー(Keltrol(登録商標) ) 0.35%
−水酸化ナトリウム 0.04%
−EDTA四ナトリウム粉末 0.1%
−保存料 0.5%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
この組成物は、皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、上記の美容効果を得ることができる。
実施例5:リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含む抗しわトニックローション
実施例1から得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−リムノフィラ・コンフェルタの植物抽出物 2%
−ブチレングリコール 3%
−EDTA 0.1%
−可溶化剤 1%
−香料濃縮物 0.3%
−エタノール 5%
−UVスクリーン(ベンゾフェノン−4) 0.13%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
この組成物は、しわを含む皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、前記しわの減少又は完全な消失の効果を得ることができる。
実施例6:リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含むエマルジョンの形態の抗しわデイクリーム
実施例1から得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−リムノフィラ・コンフェルタの植物抽出物 2%
−Steareth−21(Brij721) 2.5%
−ステアリン酸グリセリル(Tegrin) 1.1%
−ステアリルアルコール 5%
−グリセロールトリカプレート/カプリレート 12.5%
−ブチレングリコール 3%
−グリセロール 2%
−保存料 0.5%
−香料濃縮物 0.5%
−UVスクリーン(オクチルメトキシシンナメート) 7.5%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
この組成物は、しわを含む皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、前記しわの減少又は完全な消失の効果を得ることができる。

Claims (16)

  1. リムノフィラ属に属する種の植物の植物抽出物を含む化粧剤。
  2. 前記植物がリムノフィラ・コンフェルタである、請求項1に記載の化粧剤。
  3. 前記抽出物が、植物全体の抽出物、又は根、根茎、茎、葉、花、種子若しくは花芽から選択される前記植物の一部の抽出物である、請求項1又は2に記載の化粧剤。
  4. 前記抽出物が、葉から得られる、請求項1、2又は3に記載の化粧剤。
  5. 前記抽出物が、植物材料を極性溶媒又は極性溶媒の混合物と接触させることによって得られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧剤。
  6. 抽出に用いられる前記極性溶媒又は極性溶媒の混合物が、水、C〜Cアルコール、グリコール又はそれらの混合物から選択される、請求項5に記載の化粧剤。
  7. 前記アルコールが、エタノール又はブタノールから選択される;前記グリコールが、グリセロール、ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選択される;又はそれらの混合物である、請求項6に記載の化粧剤。
  8. 前記溶媒混合物が、少なくとも10% v/vのアルコール又はグリコールを含み、残部が水で構成されている、少なくとも1種のアルコール及び水の混合物、又は少なくとも1種のグリコール及び水の混合物である、請求項6又は7に記載の化粧剤。
  9. 前記溶媒混合物が、50/50 v/v比の水及びエタノールの混合物又は50/50 v/v比の水及びブチレングリコールの混合物を含む、請求項8に記載の化粧剤。
  10. 前記抽出物が、前記溶媒又は溶媒混合物中での抽出ステップの生成物を凍結乾燥又は微粒化した後の粉末の形態である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の化粧剤。
  11. 前記植物の前記抽出物が、多孔性又は無孔性のナイロン(nylon)(登録商標)粉末及びマイカ又は任意の層状鉱物から選択されることが有利である支持体に吸収されていてもよい、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧剤。
  12. 皮膚加齢の徴候の予防若しくは遅延又はその効果の減速のための、表皮若しくはその角質層のケアのための、毛周期の機能を回復するための、脱毛を予防若しくは減速するための、毛髪の再成長を加速若しくは促進する、又は脆弱毛を強化するための、爪の成長を促進する、若しくはその強度を強化するためのケアから選択される美容ケアのための化粧品組成物であって、とりわけ、皮膚、頭皮又は爪への局所塗布に適合する化粧品上許容される担体中の溶液中又は分散物中に、リムノフィラ属の植物種の植物の抽出物を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化粧剤を含む化粧品組成物。
  13. 前記リムノフィラ抽出物が、皮膚の構造の維持及び完全性に寄与する少なくとも1種のその他の活性剤と組み合わせて用いられる、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記抽出物が、前記組成物に対して、前記抽出物の乾燥重量で0.001%〜5%の間の濃度で前記組成物中に含まれる、請求項12又は13に記載の組成物。
  15. 前記抽出物が、前記組成物に対して、前記抽出物の乾燥重量で0.01〜3%の濃度で前記組成物中に含有している、請求項12〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 美容液、ローション、エマルジョン、クリーム、ヒドロゲル、マスク、スティック、パッチ、頭皮用の衛生製品、シャンプー、コンディショナー、メイクアップ製品、爪に塗布することを意図する組成物、マニキュア液として処方される、請求項12〜15のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
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