JP2009298319A - エアバッグシステム、エアバッグ制御装置、及びその制御回路の集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグの動作時に、制御回路の動作温度が定格温度を超えて高温になった場合でも、電源を保護してマイコンの動作が停止しないようにする。
【解決手段】衝撃による加速度センサ3,4の出力をマイコン1,2によって検出した時に、制御回路10を通じてスクイブ5に電流を流してエアバッグを展開させるエアバッグ制御装置において、制御回路内に車両に搭載されたバッテリからの電圧を降圧してマイコンに供給する降圧電源15と、制御回路の過熱を検出した時に降圧電源の動作を停止させる過熱検出回路16が設けられている場合に、制御回路内でスクイブ5への通電動作を検出し、検出時に過熱検出回路16の動作を無効にする、或いは過熱検出回路16が過熱判定する閾値を変更することによって、降圧電源15の動作を停止させないようにしたものである。
【選択図】図2
【解決手段】衝撃による加速度センサ3,4の出力をマイコン1,2によって検出した時に、制御回路10を通じてスクイブ5に電流を流してエアバッグを展開させるエアバッグ制御装置において、制御回路内に車両に搭載されたバッテリからの電圧を降圧してマイコンに供給する降圧電源15と、制御回路の過熱を検出した時に降圧電源の動作を停止させる過熱検出回路16が設けられている場合に、制御回路内でスクイブ5への通電動作を検出し、検出時に過熱検出回路16の動作を無効にする、或いは過熱検出回路16が過熱判定する閾値を変更することによって、降圧電源15の動作を停止させないようにしたものである。
【選択図】図2
Description
本発明はエアバッグシステム、エアバッグ制御装置、及びその制御回路の集積回路に関し、特に、エアバッグ制御装置の点火作動時にエアバッグ作動回路で発生する熱によって他の電子装置が影響を受けないようにすることが出来るエアバッグシステム、エアバッグ制御装置、及びその制御回路を内蔵する集積回路に関する。
従来、自動車の衝突時に乗員の安全を守る乗員保護装置としては、シートベルトが一般的であったが、近年、これに加えて乗員保護補助装置(SRS)としてのエアバッグが装備されている。これまでのSRSエアバッグ(以後単にエアバッグという)は運転席並びに助手席の前方のみに設置されることが多かったが、自動車のシートに内蔵されたサイドエアバッグや、左右の窓の上方の車体に内蔵されたカーテンシールドエアバッグなども注文装備されるようになってきている。
エアバッグは、エアバッグを膨張させるインフレータに点火装置(スクイブ)とガス発生剤を内蔵させたものであり、自動車の衝突等による衝撃が車両に加わったことを加速度センサが検出した場合に、スクイブに電流を流すことによってインフレータ内のガス発生剤を加熱し、窒素ガスをエアバッグに送り込んでエアバッグを膨らませる仕組みである。
図1は、自動車などの車両に搭載された従来のエアバッグシステムAQの構成の一例を示すものである。従来のエアバッグシステムAQは、バッテリ8にイグニッションスイッチ(図にはIG/SWと記載)9を通じて接続された制御IC10を備えている。この制御IC10には、ダイオード7、バックアップコンデンサ6、スクイブ5、及び加速度センサ3,4からの信号がそれぞれ入力される2組のマイクロコンピュータ1,2が接続されてエアバッグ制御装置が構成されている。マイクロコンピュータ1,2は以後図示のようにマイコン1,2と記載する。C1,C2は平滑用のコンデンサである。
この例の制御IC10には、5つの入力端子N1〜N5と、4つの出力端子S1〜S4がある。入力端子N1にはIG/SW9が接続しており、入力端子N2,N3にはそれぞれマイコン1,2からの信号が入力されるようになっている。出力端子S1は5Vの電源端子であり、マイコン1,2や加速度センサ3,4などに電源を供給する。出力端子S2は、25Vの電源端子であり、入力端子N4との間には逆流防止用のダイオード7が接続されている。また、ダイオード7のアノードにはバックアンプコンデンサ6が接続されている。スクイブ5は出力端子S3と入力端子N5の間に接続されており、出力端子S4は接地されている。
制御IC10の内部には、点火制御回路11、点火許可回路12、定電流制御回路13、昇圧電源回路14、降圧電源回路15、降圧電源回路15の過熱検出回路16、抵抗17、2つのAND回路18,19、ダイオードD、スイッチSW、及びスクイブ5を駆動するための2つのスイッチング素子であるトランジスタTr1,Tr2がある。点火制御回路11、点火許可回路12には、入力端子N2、N3を通じてマイコン1,2からの信号が入力される。点火制御回路11、点火許可回路12の一方の出力はAND回路18で論理積をとられて定電流制御回路13に入力される。点火制御回路11、点火許可回路12の他方の出力はAND回路19で論理積をとられ、入力端子N5と出力端子S4に接続されたトランジスタTr2の駆動出力となる。定電流制御回路13の残りの入力端子の一方は入力端子N4に直接接続されており、他方は抵抗17を介して入力端子N4に接続されている。そして、定電流制御回路13の出力端子からの信号で、抵抗17の一端と出力端子S3に接続するトランジスタTr1が駆動される。
昇圧電源回路14は、入力端子N1にバッテリ8から供給された12Vの電圧を、25Vに昇圧して出力端子S2に供給する。逆に、降圧電源回路15は、入力端子N1にバッテリ8から供給された12Vの電圧をダイオードDを通じて取り込み、5Vに降圧して出力端子S1に供給する。スイッチSWはダイオードDのカソードと出力端子S2の間に接続されており、オンされると昇圧電源回路14がバイパスされる。過熱検出回路16は降圧電源回路15に接続しており、降圧電源回路15の周囲温度が所定の閾値を超えたかどうかを検出する。
以上のように構成された従来のエアバッグシステムAQでは、加速度センサ3,4の出力信号によってマイコン1,2が車両の衝突を検出すると、マイコン1が点火制御回路11へ制御信号を出力し、マイコン2が点火許可制御回路12に制御信号を出力する。点火制御回路11は制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に点火信号を出力し、点火許可制御回路12は制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に許可信号を出力する。点火信号と許可信号の両方が入力されると、AND回路18とAND回路19から共に点火許可信号が出力され、トランジスタTr1は定電流制御回路13によってオンし、トランジスタTr2はAND回路19の出力でオンする。
このようにスクイブ5への電流通電は、昇圧電源回路14によって昇圧された電圧を、トランジスタTr1,Tr2をオンさせることによって行われる。電流値はトランジスタTr1を定電流制御回路13によって定電流制御し、必要以上の電流が昇圧電源回路14から消費されないようにしている。スクイブ5を2系統の衝突検出系によって制御しているのは、一方が誤動作しても、他方が動作しないことによってエアバッグの誤動作を防ぐためである。一般的に、点火制御回路11とトランジスタTr1,Tr2はIC化されることが多いが、この例のように、加速度センサ3,4やマイコン1,2に電源を供給する降圧電源回路15やスクイブ5に電流を供給する昇圧電源回路14を同一の制御IC10に内蔵させることも行われている。このようなエアバッグシステムは、例えば特許文献1に記載されている。
トランジスタTr1は、前述のようにスクイブ5への通電を定電流制御するため、非常に大きな電力損失、発熱が発生してしまう。例えば、昇圧電源回路14の出力電圧を25V,定電流制御値を1.2A、トランジスタTr1の両端発生電圧を20Vとすると、トランジスタTr1の電力損失は24Wにも達する。スクイブ5の通電時間は1〜2msと短いが、その発熱量はかなり大きく、前述のように電源回路も内蔵されている場合はトランジスタTr1の動作温度が高いので、点火時の発熱が定格温度を超えてしまうこともある。
ところで、エアバッグは一度作動すると制御回路を含めて交換するため、トランジスタTr1,Tr2が点火作動して定格温度を超えるのは一度だけである。そこで、点火動作時にトランジスタTr1が定格温度を超えることがあっても、他の部材が破壊されないような範囲の温度であれば、一度だけの点火動作を性能保証するようになっている。即ち、例えば、通常の制御であれば、トランジスタTr1の動作温度は150°C以内に抑える必要があるが、トランジスタTr1の動作が一度だけであるので、トランジスタTr1の動作温度が150°Cを超えても動作保証する設計になっている。
ところが、トランジスタTr1をその動作温度が150°Cを超えても動作保証する設計にすると、スクイブ5の動作時にトランジスタTr1の動作温度が150°Cを超えるために、降圧電源回路15の周囲温度が過熱検出回路16の閾値を超えてしまい、過熱検出回路16が動作して降圧電源回路15の動作を停止させてしまう。すると、降圧電源回路15からの供給電圧で動作するマイコン1,2や加速度センサ3,4の動作が停止し、マイコン1,2に接続する他の制御部材の制御が不能になってしまうという問題点があった。
そこで、本出願人は、スクイブ5の動作時に、トランジスタTr1の動作温度が定格温度を超えて高温になった場合でも、降圧電源回路15の動作が停止せず、降圧電源回路15からの供給電圧で動作するマイコン1,2の動作が停止せず、マイコン1,2に接続する他の制御部材の制御が不能になる虞のないエアバッグシステム、エアバッグ装置、及びその制御回路の集積回路を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明のエアバッグシステムは、通電されるとガス発生剤に点火してガスを発生させてエアバッグを展開させる少なくとも1つのスクイブと、このスクイブへの通電を制御する制御装置とを備えたエアバッグシステムにおいて、制御装置に、スクイブに流す電流を制御する第1の制御回路と、内蔵された少なくとも1つの加速度センサからの信号に応じて、第1の制御回路に制御信号を出力する第2の制御回路とが設けられ、第1の制御回路内に、スクイブへの通電動作を検出するスクイブ動作検出手段と、このスクイブ動作検出手段がスクイブへの通電動作を検出した時に、少なくとも第2の制御回路への第1の制御回路からの電源供給を確保する電源保持手段とが設けられていることを特徴とするエアバッグシステムである。
前記目的を達成する本発明のエアバッグ制御装置は、加速度センサからの信号に応じてスクイブに電流を流してエアバッグを展開させるエアバッグ制御装置において、制御回路と、制御回路内に、スクイブへの通電動作を検出するスクイブ動作検出手段と、このスクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、少なくともマイコンへの前記制御回路からの電源供給を確保する電源保持手段とが設けられていることを特徴とするエアバッグ制御装置である。
前記目的を達成する本発明のエアバッグ制御装置の制御回路の集積回路は、加速度センサからの信号に応じてスクイブに電流を流してエアバッグを展開させるエアバッグ制御装置において、制御回路と、制御回路内に、スクイブへの通電動作を検出するスクイブ動作検出手段と、このスクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、少なくともマイコンへの前記制御回路からの電源供給を確保する電源保持手段とが設けられていることを特徴とするものである。
制御回路内に、車両に搭載されたバッテリからの電圧を降圧してマイコンに供給する降圧電源手段と、制御回路の過熱を検出した時に降圧電源手段の動作を停止させる過熱検出手段が設けられている場合には、電源保持手段に、スクイブ動作検出手段がスクイブへの通電動作を検出した時に、過熱検出手段の動作を無効にする阻止手段を設けても良く、また、過熱検出手段が制御回路の過熱を判定する閾値を引き上げる閾値切替手段を設けても良い。
本発明のエアバッグシステム、エアバッグ制御装置、及びその制御回路の集積回路によれば、スクイブの動作時に、第1の制御回路であるエアバッグ制御回路の動作温度が定格温度を超えて高温になった場合でも、第1の制御回路内の降圧電源回路の動作が停止せず、この降圧電源回路からの供給電圧で動作する第2の制御回路であるマイコンの動作が停止しない。この結果、第2の制御回路に接続する他の制御部材の制御が不能になることがないという効果がある。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、図1で説明した従来のエアバッグシステムAQにおいて使用されている部材で、本発明の実施例においても使用される同じ部材には、同じ番号を付して説明する。
図2は、本発明のエアバッグシステムAの原理構成を示す実施例である。エアバッグシステムAは、バッテリ8にIG/SW9を通じて接続された制御回路(第1の制御回路)10を備えており、この制御回路10は集積化されて制御IC10となっている。この制御IC10には、ダイオード7、バックアップコンデンサ6、スクイブ5、及び加速度センサ3,4からの信号がそれぞれ入力される2組のマイコン(第2の制御回路)1,2が接続されている。C1,C2は平滑用のコンデンサである。
この実施例の制御IC10には、5つの入力端子N1〜N5と、4つの出力端子S1〜S4がある。入力端子N1にはIG/SW9が接続しており、入力端子N2,N3にはそれぞれマイコン1,2からの信号が入力される。出力端子S1は5Vの電源端子であり、マイコン1,2や加速度センサ3,4などに電源を供給する。出力端子S2は、25Vの電源端子であり、出力端子S2と入力端子N4との間には逆流防止用のダイオード7が、出力端子S2とグランドの間にはバックアンプコンデンサ6が接続されている。スクイブ5は出力端子S3と入力端子N5の間に接続され、出力端子S4は接地されている。
制御IC10の内部には、点火制御回路11、点火許可回路12、定電流制御回路13、昇圧電源回路14、降圧電源回路15、降圧電源回路の過熱検出回路16、抵抗17、2つのAND回路18,19、電源保持回路35、ダイオードD、スイッチSW、及びスクイブ5を駆動するためのトランジスタTr1,Tr2(MOSFET)がある。点火制御回路11、点火許可回路12には、入力端子N2、N3を通じてマイコン1,2からの信号が入力される。点火制御回路11、点火許可回路12の一方の出力はAND回路18で論理積をとられて定電流制御回路13に入力される。点火制御回路11、点火許可回路12の他方の出力はAND回路19で論理積をとられ、ドレインが入力端子N5に接続され、ソースが出力端子S4に接続されたトランジスタTr2のゲートに駆動信号を出力する。
定電流制御回路13の残りの入力端子の一方は入力端子N4に直接接続され、他方は抵抗17を介して入力端子N4に接続されると共に、トランジスタTr1のドレインに接続されている。そして、定電流制御回路13の出力端子はトランジスタTr1のゲートに接続され、トランジスタTr1のソースが出力端子S3に接続されている。定電流制御回路13の出力端子からの信号でトランジスタTr1が駆動される。
昇圧電源回路14は、入力端子N1にバッテリ8から供給された12Vの電圧を25Vに昇圧して出力端子S2に供給する。逆に、降圧電源回路15は、入力端子N1にバッテリ8から供給された12Vの電圧をダイオードDを通じて取り込み、5Vに降圧して出力端子S1に供給する。スイッチSWはダイオードDのカソードと出力端子S2の間に接続されており、オンされると昇圧電源回路14がバイパスされる。このスイッチSWは、車両衝突時等の衝撃でバッテリ8が断線した時にオンになり、バックアップコンデンサ6から降圧電源回路15への電力を供給し、マイコン1,2等を作動させるものである。
過熱検出回路16の出力は、図1で説明した従来構成では直接降圧電源回路15に接続されており、降圧電源回路15の周囲温度が所定の閾値を超えた場合に降圧電源回路15の動作を停止させていた。一方、この実施例では、過熱検出回路16の出力は電源保持回路35の入力に接続されており、電源保持回路35の出力が過熱検出回路16の出力として降圧電源回路15に入力されるようになっている。そして、電源保持回路35のもう1つの入力には、AND回路18の出力が分岐されて入力されるようになっている。
以上のように構成された実施例のエアバッグシステムA1では、加速度センサ3,4の出力信号によってマイコン1,2が車両の衝突を検出すると、マイコン1が点火制御回路11へ制御信号を出力し、マイコン2が点火許可制御回路12に制御信号を出力する。点火制御回路11は制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に点火信号を出力し、点火許可制御回路12は制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に許可信号を出力する。点火信号と許可信号の両方が入力されると、AND回路18とAND回路19から共に点火許可信号が出力され、トランジスタTr1は定電流制御回路13によってオンし、トランジスタTr2はAND回路19の出力でオンする。
この結果、スクイブ5に通電が行われてエアバッグが展開し、トランジスタTr1が発熱して降圧電源回路15の周囲温度が、過熱検出回路16の閾値を超えて上昇し、過熱検出回路16から降圧電源回路15の動作を停止させるための制御信号が出力される。ところがこの場合、エアバッグシステムAでは、点火制御回路11からの点火信号と点火許可回路12からの許可信号の両方の入力によってAND回路18から出力される信号が、電源保持回路35の1つの入力端子に入力されると共に、過熱検出回路16の出力が他の入力端子に入力される。電源保持回路35は、過熱検出回路16の出力とAND回路18から出力される信号の両方が入力された場合は出力が変化しない。このため、過熱検出回路16から降圧電源回路15の動作を停止させるための制御信号が出力されても、これが降圧電源回路15に届かず降圧電源回路15の動作が停止しない。即ち、エアバッグシステムAでは、スクイブ5に通電が行われる時には、過熱検出回路16の出力が電源保持回路35で無効になり、降圧電源回路15の動作が停止しない。
このように、エアバッグシステムAでは、スクイブ5の点火動作によってトランジスタTr1が発熱しても、降圧電源電源回路15が過熱保護されることなく動作を続けるので、高温環境まで確実にエアバッグの動作制御、及びマイコンの動作が可能となり、かつ通常時は定格温度以下で降圧電源回路15の保護が可能となる。
図3は、図2で説明したエアバッグシステムAの電源保持回路35の構成を具体的な回路で実現した、本発明の第1の実施例のエアバッグシステムA1の全体構成を示すものである。第1の実施例のエアバッグシステムA1の構成は、電源保持回路35の構成が図2で説明したエアバッグシステムAの構成と異なるだけであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第1の実施例のエアバッグシステムA1では、電源保持回路35が非反転入力端子と反転入力端子を備えたAND回路21から構成されている。非反転入力端子には過熱検出回路16の出力が入力され、反転入力端子にはAND回路18の出力が分岐されて入力されている。そして、AND回路21の出力が降圧電源回路15に入力されている。
以上のように構成された第1の実施例のエアバッグシステムA1では、加速度センサ3,4の出力信号によってマイコン1,2が車両の衝突を検出すると、点火制御回路11はマイコン1からの制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に点火信号を出力し、点火許可制御回路12はマイコン2からの制御信号を受けてAND回路18とAND回路19に許可信号を出力する。この結果、AND回路18とAND回路19から共に点火許可信号が出力され、トランジスタTr1は定電流制御回路13によってオンし、トランジスタTr2はAND回路19の出力でオンする。
これにより、スクイブ5に通電が行われてエアバッグが展開し、トランジスタTr1が発熱して降圧電源回路15の周囲温度が、過熱検出回路16の閾値を超えて上昇し、過熱検出回路16から降圧電源回路15の動作を停止させるための制御信号が出力される。この場合、第1の実施例のエアバッグシステムA1では、AND回路18から出力される信号がAND回路21の反転入力に入る。このため、過熱検出回路16の出力がAND回路21の非反転入力に入力されても、過熱検出回路16から降圧電源回路15の動作を停止させるための制御信号が出力されず降圧電源回路15の動作が停止しない。即ち、第1の実施例のエアバッグシステムA1では、スクイブ5に通電が行われる時には、過熱検出回路16の出力がAND回路21で無効になり、降圧電源回路15の動作が停止しない。
このように、第1の実施例のエアバッグシステムA1では、スクイブ5の点火動作によってトランジスタTr1が発熱しても、降圧電源電源回路15が過熱保護されることなく動作を続けるので、高温環境まで確実にエアバッグの動作制御、及びマイコンの動作が可能となり、かつ通常時は定格温度以下で降圧電源回路15の保護が可能となる。
図4(a)は、本発明の第2の実施例のエアバッグシステムA2の構成を示すものである。第2の実施例のエアバッグシステムA2が、第1の実施例のエアバッグシステムA1と異なる点は制御IC10の内部構成のみであるので、図4(a)では、制御IC10に接続する構成部材の図示は省略してある。また、第2の実施例のエアバッグシステムA2の構成が、第1の実施例のエアバッグシステムA1と異なる点は、AND回路18の出力信号の処理回路の構成のみであり、その他の構成は第1の実施例のエアバッグシステムA1と同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
第1の実施例のエアバッグシステムA1では、AND回路18の出力がAND回路21の反転入力に接続され、過熱検出回路16の出力がAND回路21の非反転入力に接続されており、AND回路21の出力が降圧電源回路15に制御出力として入力されるようになっていた。一方、第2の実施例のエアバッグシステムA2では、AND回路21の代わりに、過熱検出回路16が過熱状態を判定する閾値を変更するための閾値切替回路20が設けられている。そして、AND回路18の出力が閾値切替回路20に入力され、閾値切替回路20の出力が過熱検出回路16に入力されて、過熱検出回路16の閾値が変更される。閾値切替回路20によって過熱検出回路16の閾値は高温側に切り替えられる。
図4(b)は、図4(a)に示される過熱検出回路16と閾値切替回路20の具体的な構成の一例を示す回路図である。過熱検出回路16には比較器22があり、この比較器22の出力が降圧電源回路15への制御信号となっている。比較器22の温度検出端子Xには、直列接続されたダイオードD1,D2のダイオードD1のアノードが接続されている。ダイオードD1のアノードの電圧は周囲温度によって変化し、周囲温度が高くなれば入力電圧が小さくなるようになっている。一方、比較器22の閾値入力端子Yには、電源とグランドの間に直列接続された抵抗23,24,25の抵抗23,24の接続点が接続されている。また、抵抗25には並列にトランジスタTr3が接続されており、このトランジスタTr3はベースに抵抗26を通じて閾値切替信号が入力されていない状態ではオフしてる。
従って、比較器22の閾値入力端子Yには、抵抗23,24の接続点の電圧が閾値電圧として入力されており、この閾値電圧は、周囲温度がTjmaxになった時のダイオードD1のアノードの電圧に等しくなっている。よって、通常は、周囲温度がTjmaxを超えると、比較器22から制御信号が出力される。一方、AND回路18の出力が閾値切替信号となってトランジスタTr3のベースに印加されると、トランジスタTr3がオンするので、抵抗25が短絡された状態となる。この結果、比較器22の閾値入力端子Yに入力される閾値電圧が下がり、この閾値電圧は、周囲温度がTjmax+α(αは正の数)になった時のダイオードD1のアノードの電圧に等しくなる。この結果、図4(c)に示すように、周囲温度がTjmax+αにならない限り、比較器22から制御信号が出力されない。
温度Tjmax+αの値は、スクイブ5の点火動作によってトランジスタTr1が発熱し、この発熱によって上昇する降圧電源回路15の周囲温度よりも高い温度である。よって、第2の実施例のエアバッグシステムA2では、スクイブ5に通電が行われる時には、過熱検出回路16の閾値が大きくなり、過熱検出回路16から制御信号が出力されないので、降圧電源回路15の動作が停止しない。
このように、第2の実施例のエアバッグシステムA1では、スクイブ5の点火動作によってトランジスタTr1が発熱しても、降圧電源電源回路15が過熱保護されることなく動作を続けるので、高温環境まで確実にエアバッグの動作制御、及びマイコンの動作が可能となり、かつ通常時は定格温度以下で降圧電源回路15の保護が可能となる。
図5(a)は本発明の第3の実施例のエアバッグシステムA3の構成を示すものである。第3の実施例のエアバッグシステムA3は、第2の実施例のエアバッグシステムA2と制御IC10の内部構成のみが異なるので、図5(a)では、制御IC10に接続する構成部材の図示は省略してある。また、第3の実施例のエアバッグシステムA3の構成が、第2の実施例のエアバッグシステムA2と異なる点は、閾値切替信号の取り出し方のみであり、その他の構成は第2の実施例のエアバッグシステムA2と同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
第2の実施例のエアバッグシステムA2では、過熱検出回路16が過熱状態を判定する閾値を変更するための閾値切替回路20に、AND回路18の出力が分岐されて入力されており、閾値切替回路20の出力が過熱検出回路16に入力されて、過熱検出回路16の閾値が変更されていた。一方、第3の実施例のエアバッグシステムA3では、点火制御回路11からAND回路18に入力される点火信号と、点火許可回路12からAND回路18に入力される許可信号がそれぞれ分岐されてOR回路27に入力され、このOR回路27の出力が閾値切替回路20に入力されている。閾値切替回路20の構成は第2の実施例と同じであり、閾値切替回路20によって過熱検出回路16の閾値が高温側に切り替えられる。
図5(b)は、図5(a)の許可信号、点火信号、トランジスタ動作、及び閾値切替回路によって変更された過熱検出温度の変化の様子を示す波形図である。車両が衝突した場合、一般に許可信号が先に出力され、点火信号が遅れて出力される。また、スクイブ点火用のトランジスタは、許可信号と点火信号の両方の信号が揃わないとオンしない。しかし、この実施例では、許可信号のみが出力された時点で過熱検出温度の閾値が、TjmaxからTjmax+αに切り替えられる。
このように、第3の実施例のエアバッグシステムA3では、点火許可制御回路12からAND回路18に入力される許可信号が出力された時点で過熱検出回路の閾値が引き上げられるので、スクイブ5の点火動作直前で降圧電源電源回路15が過熱保護されることなく動作を続けるので、この後にトランジスタTr1が発熱しても、高温環境まで確実にエアバッグの動作制御、及びマイコンの動作が可能となり、かつ通常時は定格温度以下で降圧電源回路15の保護が可能となる。
図5(c)は本発明の第4の実施例のエアバッグシステムA4の構成を示すものである。第4の実施例のエアバッグシステムA4は、既に説明した第1の実施例のエアバッグシステムA1とAND回路21の反転入力への信号の入力の仕方が異なるだけであるので、図5(c)では、制御IC10内の回路の異なる部分のみを図示してあり、その他の構成部材の図示は省略してある。また、図示した構成についても、第1の実施例のエアバッグシステムA1の構成と同じ部分については同じ符号を付してその説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
第1の実施例のエアバッグシステムA1では、AND回路18の出力が分岐されてAND回路21の反転入力に接続され、過熱検出回路16の出力がAND回路21の非反転入力に接続されており、AND回路21の出力が降圧電源回路15に制御出力として入力されていた。一方、第4の実施例のエアバッグシステムA4では、点火制御回路11からAND回路18に入力される点火信号と、点火許可回路12からAND回路18に入力される許可信号がそれぞれ分岐されてOR回路27に入力され、このOR回路27の出力がAND回路21の反転入力に接続されている点が異なる。過熱検出回路16の出力は、第1の実施例と同様にAND回路21の非反転入力に接続されており、AND回路21の出力が降圧電源回路15に制御出力として入力される。
第4の実施例のエアバッグシステムA4では、点火許可制御回路12からAND回路18に入力される許可信号が出力された時点で過熱検出回路の出力がAND回路21によって無効になるので、スクイブ5の点火動作直前で降圧電源電源回路15が過熱保護されることなく動作を続ける。この結果、この後にトランジスタTr1が発熱しても、高温環境まで確実にエアバッグの動作制御、及びマイコンの動作が可能となり、かつ通常時は定格温度以下で降圧電源回路15の保護が可能となる。
図6(a)は、本発明の第5の実施例のエアバッグシステムA5の構成を示すものである。第5の実施例のエアバッグシステムA5は、既に説明した第2の実施例のエアバッグシステムA2と閾値切替回路20への閾値切替信号の入力の仕方が異なるだけであるので、図6(a)では、制御IC10内の回路の構成のみを図示してあり、その他の構成部材の図示は省略してある。また、図示した構成についても、第2の実施例のエアバッグシステムA2の構成と同じ部分については同じ符号を付してその説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
第2の実施例のエアバッグシステムA2では、AND回路18の出力が分岐されて直接閾値切替回路20に入力されていた。一方、第5の実施例のエアバッグシステムA5では、AND回路18の出力が更に2分岐され、一方はOR回路27の入力に直接入力され、他方は遅延回路28を介してOR回路27の他方の入力に入力されている。そして、OR回路27の出力が閾値切替回路20に入力されている。
図6(b)は、図6(a)の制御信号、トランジスタTr1の動作、遅延回路28の出力、閾値切替回路20の動作、及び閾値切替回路20によって変更された過熱検出温度の変化の様子を示すものである。第5の実施例のエアバッグシステムA5では、車両の衝突によってAND回路18から定電流制御回路13に制御信号が出力されると、トランジスタTr1がオンし、制御信号が分岐されてできた閾値切替信号がOR回路27を通じて閾値切替回路20に入力される。この結果、閾値切替回路20の過熱判定の閾値が高くなり、閾値切替回路20が過熱と判定する検出温度Tjmaxが検出温度Tjmax+αに変更になる。
一方、分岐されて遅延回路28に入力された閾値切替信号は、所定時間tdだけ遅延されて遅延回路28から出力されてOR回路27に入力される。従って、AND回路18から出力された制御信号がなくなっても、遅延回路28からは閾値切替信号が引き続き所定時間tdだけ出力されてOR回路27に入力される。この結果、閾値切替信号の継続時間が所定時間tdだけ延長され、この間、閾値切替回路20が過熱と判定する検出温度Tjmaxが検出温度Tjmax+αに変更された状態が継続する。
このように、第5の実施例のエアバッグシステムA5では、スクイブの点火動作が終了した後も、トランジスタTr1の発熱による熱が残っている場合でも、閾値切替回路20が過熱と判定する閾値が所定時間だけ高く保たれるため、熱によってマイコンが停止するおそれがなくなる。このため、エアバッグ作動後のマイコンによる処理、例えばEEPROMに衝突判定結果やエアバッグ制御実施結果などを記録する処理、を確実に行うことが可能となる。遅延回路28に設定する遅延時間tdは、エアバッグ作動後に過熱検出回路16の周囲の温度が通常の過熱検出温度Tjmax未満に下がるまでの時間とすれば良い。
図7(a)は、本発明の第6の実施例のエアバッグシステムA6の構成を示すものである。第1から第5の実施例のエアバッグシステムA1〜A5では、スクイブ5が1つの場合の構成を説明した。しかし、実際の自動車にはエアバッグが、運転席以外にも助手席や窓際などのように複数設けられる場合がある。本発明では、複数のエアバッグが点火作動、もしくは点火許可状態にある場合には、全てのエアバッグが点火作動を終了するまで、過熱検出回路16の過熱保護機能を無効にするか、或いは過熱検出回路16の過熱判定の閾値を引き上げるかを行う。図7(a)に示す第6の実施例のエアバッグシステムA6は、全てのエアバッグが点火作動を終了するまで、過熱検出回路16の過熱判定の閾値を引き上げる構成を示すものである。
図7(a)に示す第6の実施例のエアバッグシステムA6は、3つのエアバッグがある場合の構成を示しており、3つのスクイブ5A,5B、5Cが示されている。スクイブ5Aは端子S3AとN5Aを介して第1の基板KAに接続されており、スクイブ5Bは端子S3BとN5Bを介して第2の基板KBに接続されており、スクイブ5Cは端子S3CとN5Cを介して第3の基板KCに接続されている。各基板KA,KB,KCの構成は全て同じであり、各基板KA,KB,KCには第3の実施例のエアバッグシステムA3と同様の構成で定電流制御回路13、抵抗17、AND回路18,19、OR回路27、及びトランジスタTr1,Tr2が配置されている。各基板KA,KB,KCはそれぞれ制御IC10の入力端子N4と出力端子S4に接続されている。
各基板KA,KB,KCのOR回路27の出力は、基板KA,KB,KCの外部にあるOR回路29に入力され、このOR回路29の出力が閾値切替回路20に入力される。図7(b)は図7(a)の3つのOR回路29から出力される制御信号(例えば、基板KA,KB,KCからの制御信号を制御信号1〜3とする)、OR回路29の出力、及び閾値切替回路20によって変更された過熱検出温度の変化の様子を示す波形図である。この図から分かるように、エアバッグ制御装置に3つのスクイブ5A,5B、5Cがある場合は、OR回路29の動作により、全てのエアバッグへの制御信号がなくなるまで、過熱検出回路16の過熱検出回路16の過熱判定の閾値が引き上げられる。
図8(a)は、本発明の第7の実施例のエアバッグシステムA7の構成を示すものである。第7の実施例は、エアバッグシステムA7の動作時に、降圧電源回路15以外の構成に対して過熱保護を行うものである。降圧電源回路15の過熱保護に対しては、図4で説明した第2の実施例のエアバッグシステムA2と同じ構成であるので、同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
第7の実施例のエアバッグシステムA7には、制御IC10内に過熱検出回路31によって動作保護された車載ネットワーク用のCANトランシーバ30が設けられている。CANトランシーバ30は、例えばドアロック制御ユニットと通信して、衝突時にドアロックを開錠する機能や、エンジン制御ユニットと通信して、衝突時にガソリン供給ポンプを停止させる重要な通信を行っている。また、CANトランシーバ30以外にも、自動で救助を要請する制御ユニットと通信する仕様のものもある。
第7の実施例のエアバッグシステムA7では、このCANトランシーバ30の過熱検出回路31に対しても、閾値切替回路40を設け、この閾値切替回路40にAND回路18からの閾値切替信号が入力された時には、過熱検出回路31の過熱判定の閾値を、過熱検出回路16が過熱判定の閾値を引き上げるのと同様に引き上げるようにしている。この構成により、エアバッグが作動する車両の衝突時でも、重要な通信回路が通信不能になることなく、通信を継続することができる。
図9(a)は本発明の第8の実施例のエアバッグシステムA8の構成を示すものであり、図9(b)過熱検出回路16とは閾値切替回路20の構成の一例を示すものである。第8の実施例のエアバッグシステムA8では、自己診断時にマイコン1が自己診断信号を点火制御回路11を通じて閾値切替回路20に入力する。自己診断信号は、図9(b)に示すように、抵抗26を通じてトランジスタTr3に与え、トランジスタTr3をオンすれば良い。
閾値切替回路20は自己診断信号が入力されると、過熱検出回路16の過熱判定の閾値を引き下げる。図9(b)の回路では、トランジスタTr3のオンにより抵抗25が短絡され、比較器22の閾値入力端子Yに印加される閾値電圧が低下する。この引き下げられた過熱検出回路16の過熱判定の閾値は、自己診断結果信号として制御IC10の出力端子S5を通じてマイコン1にフィードバックされる。この自己診断結果信号により、マイコン1は閾値切替回路20の過熱保護切替機能が正常に動作することを確認できる。よって、通常動作時に、回路の誤動作や故障によって、正常な保護が出来なくなる状態を自ら検査し、異常がある場合にはこれをユーザに通知することが可能となる。
図10は、本発明の第9の実施例のエアバッグシステムA9の構成を示すものである。第9の実施例のエアバッグシステムA9は、これまでの実施例のAND回路19の位置に制御回路32が設けられている点が異なる。また、自己診断時にはマイコン1が自己診断信号を点火制御回路11を通じて定電流制御回路13と制御回路32に入力する点が異なる。その他の構成は図3で説明した第2の実施例のエアバッグシステムA2と同様である。
第9の実施例では、自己診断時に自己診断信号を定電流制御回路13に送ってトランジスタTr1を流れる定電流制御値を切り替え、通常の制御時の定電流値1.2Aを50mA程度に切り替える。また、制御回路32によってトランジスタTr2を流れる電流値も50mA程度に切り替えてスクイブが点火動作を行わない状態にする。この状態で点火制御回路11から正常な点火信号を出力し、点火許可制御回路12から正常な許可信号を出力し、AND回路18の出力から得られた閾値切替信号によって閾値切替回路20が正常に閾値を切り替えるかどうかを診断する。
閾値切替回路20が正常に閾値を切り替えた場合は、第8の実施例と同様に、閾値切替回路20から引き上げられた過熱検出回路16の過熱判定の閾値が、自己診断結果信号として制御IC10の出力端子S5を通じてマイコン1にフィードバックされる。この自己診断結果信号により、マイコン1は閾値切替回路20の過熱保護切替機能が正常に動作することを確認できる。よって、通常動作時に、回路の誤動作や故障によって、正常な保護が出来なくなる状態を自ら検査し、異常がある場合にはこれをユーザに通知することが可能となる。
図11は、本発明の第10の実施例のエアバッグシステムA10の構成を示すものである。第10の実施例では、これまで説明した第1から第9の実施例における主要な回路構成部材を、全て集積して1つの制御IC10にしたものを示している。すなわち、本発明では、エアバッグ点火回路(点火制御回路11、点火許可回路12、定電流制御回路13、抵抗17、AND回路18、自己診断用の制御回路32、トランジスタTr1,Tr2)、マイコンと加速度センサ用の降圧電源回路15、及び降圧電源過熱保護機能の切替機能(過熱検出回路16、OR回路27、33、遅延回路28)を全て集積して1つの制御IC10とすることができる。この結果、集積化による小型化と回路の故障や誤動作の低減を図ることができる。
図12は、図11に示した制御IC10を使用して構成したエアバッグ制御装置50の構成を示すものである。エアバッグ制御装置50には、バッテリ8、IG/SW9、スクイブ5以外の全てのエアバッグ制御システムの構成部品を組み込むことができる。よって、このエアバッグ制御装置50は、入力端子U1をIG/SW9に接続し、端子U2,U3にスクイブ5を接続し、アース端子U4を接地するだけでエアバッグ制御システムを構成することができる。エアバッグ制御装置50の入力端子U1と制御ICの入力端子N1の間に設けられたコンデンサC1,C3は電源平滑用の部材、それ以外はノイズ対策部材、ダイオードD3はバッテリ8を誤って逆に接続した場合の逆流防止用である。この実施例によれば、高温環境下でも確実、かつ安全にエアバッグの作動が可能なエアバッグ制御装置が提供できる。
なお、加速度センサを含まない構成のエアバッグ制御装置もあるが、図12では加速度センサを含む構成を説明している。何れの構成であっても本発明は適用可能である。
1,2 マイコン(マイクロコンピュータ:第2の制御回路)
3,4 加速度センサ
5 スクイブ
6 バックアップコンデンサ
8 バッテリ
10 制御IC(第1の制御回路)
11 点火制御回路
12 点火許可回路
15 降圧電源回路
16、31 過熱検出回路
20、40 閾値切替回路
32 制御回路
50 エアバッグ制御装置
3,4 加速度センサ
5 スクイブ
6 バックアップコンデンサ
8 バッテリ
10 制御IC(第1の制御回路)
11 点火制御回路
12 点火許可回路
15 降圧電源回路
16、31 過熱検出回路
20、40 閾値切替回路
32 制御回路
50 エアバッグ制御装置
Claims (10)
- 通電されるとガス発生剤に点火してガスを発生させてエアバッグを展開させる少なくとも1つのスクイブと、このスクイブへの通電を制御する制御装置とを備えたエアバッグシステムにおいて、前記制御装置に、
前記スクイブに流す電流を制御する第1の制御回路と、
内蔵された少なくとも1つの加速度センサからの信号に応じて、前記第1の制御回路に制御信号を出力する第2の制御回路とが設けられ、
前記第1の制御回路内に、前記スクイブへの通電動作を検出するスクイブ動作検出手段と、このスクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、少なくとも前記第2の制御回路への前記第1の制御回路からの電源供給を確保する電源保持手段とが設けられていることを特徴とするエアバッグシステム。 - スクイブに電流を流してエアバッグを展開させる第1の制御回路と、加速センサからの所定出力で前記第1の制御回路に制御信号を出力する第2の制御回路を備えたエアバッグ制御装置において、
前記第1の制御回路内に、前記スクイブへの通電動作を検出するスクイブ動作検出手段と、このスクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、少なくとも前記第2の制御回路へのこの第1の制御回路からの電源供給を確保する電源保持手段とが設けられていることを特徴とするエアバッグ制御装置。 - 前記第1の制御回路内に、車両に搭載されたバッテリからの電圧を降圧して前記第2の制御回路に供給する降圧電源手段と、前記第1の制御回路の過熱を検出した時に前記降圧電源手段の動作を停止させる過熱検出手段が設けられており、
前記電源保持手段は、前記スクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、前記過熱検出手段の動作を無効にする阻止手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ制御装置。 - 前記第1の制御回路内に、車両に搭載されたバッテリからの電圧を降圧して前記第2の制御回路に供給する降圧電源手段と、前記第1の制御回路の過熱を検出した時に前記降圧電源手段の動作を停止させる過熱検出手段が設けられており、
前記電源保持手段は、前記スクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、前記過熱検出手段が前記第1の制御回路の過熱を判定する閾値を切り替える閾値切替手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ制御装置。 - 前記閾値切替手段は、前記スクイブ動作検出手段が前記スクイブへの通電動作を検出した時に、前記過熱検出手段に設けられた比較器の基準電圧を引き下げることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ制御装置。
- 前記加速度センサと前記第2の制御回路の組が複数組設けられており、何れかの組の加速度センサからの信号に応じて前記制御回路を通じてスクイブに電流を流すようになっている場合に、
前記電源保持手段は、前記スクイブ動作検出手段が前記加速度センサと前記第2の制御回路の組の何れかの組の前記スクイブへの通電動作を検出した時に、少なくとも前記第2の制御回路への前記第1の制御回路からの電源供給を確保する動作を行うことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のエアバッグ制御装置。 - 前記電源保持手段には、前記スクイブ動作検出手段による前記スクイブへの通電動作の検出が終了した後も、前記第1の制御回路からの電源供給を確保する動作を継続して行わせる動作終了遅延手段が設けられていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のエアバッグ制御装置。
- 前記車両に、前記第1の制御回路によって展開される複数のエアバッグが設けられている場合に、
前記電源保持手段には、前記全てのエアバッグのスクイブへの通電動作の検出が終了するまで、前記第1の制御回路からの電源供給を確保する動作を継続して行わせる動作継続手段が設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のエアバッグ制御装置。 - 前記エアバッグ制御装置に、前記エアバッグの非展開状態において自己診断信号を出力し、前記エアバッグ制御装置の構成部材の正常動作を確認する自己診断手段が設けられている場合に、
前記第1の制御回路内に、前記自己診断信号を検出する自己診断信号検出手段と、この自己診断信号検出手段が前記自己診断手段の動作を検出した時に、前記電源保持手段の動作が正常か否かを診断する電源保持手段の診断手段とが設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のエアバッグ制御装置。 - 請求項1から9の何れか1項に記載の第1の制御回路を内蔵する集積回路。
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JP2008155838A JP2009298319A (ja) | 2008-06-13 | 2008-06-13 | エアバッグシステム、エアバッグ制御装置、及びその制御回路の集積回路 |
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KR20200020120A (ko) * | 2018-08-16 | 2020-02-26 | 현대모비스 주식회사 | 에어백의 점화전압 인가 장치 |
WO2020246100A1 (ja) | 2019-06-06 | 2020-12-10 | マツダ株式会社 | 車載ネットワークシステム |
-
2008
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Cited By (3)
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KR20200020120A (ko) * | 2018-08-16 | 2020-02-26 | 현대모비스 주식회사 | 에어백의 점화전압 인가 장치 |
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