JP2009298072A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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裕司 今野
Jiro Moriyama
次郎 森山
Masa Hayashi
雅 林
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Hitoaki Murayama
仁昭 村山
Takeshi Yazawa
剛 矢澤
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Abstract

【課題】記録媒体を静電気によって搬送ベルトに吸着させて搬送するインクジェット記録装置において、搬送ベルトへのインクの付着を軽減する。
【解決手段】記録ヘッド101のインク吐出部nとの対向位置には、記録媒体Pの非記録面を支持する支持部102aと、インク吐出部101から吐出されるインク滴を受けるインク受け部102bとを有するプラテン102が設けられている。また、支持部102aには、搬送ベルト108によって記録媒体が搬送される。この搬送ベルト108は、インク吐出部nとの対向位置においてプラテン102の底面側を通過する。搬送ベルト108には第1の電位付与手段202によって第1の電位差が付与され、インク受け部102bには第2の電位付与手段401によってインクミストを吸引するための第1の電位差が付与される。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録ヘッドから吐出されるインク滴を、ベルトによって搬送された記録媒体上に着弾させて画像を記録するインクジェット記録装置およびその制御方法に関する。
インクジェット記録装置では、記録ヘッドに形成されたインクの吐出口との対向位置に、記録媒体を搬送する搬送手段を備えたもの一般に用いられている。現在、この記録媒体の搬送手段としては、搬送ローラとそれに従動するピンチローラによって、用紙を挟みこんで搬送を行う方式、ベルトに記録媒体を吸着させてベルトごと搬送を行うベルト搬送方式等がある。また、ベルト搬送方式において、記録媒体をベルトに吸着させる方法としては、ベルトに形成した多数の孔から吸気機構によって空気を吸引し、記録媒体をベルト表面に吸着させるエア吸引方式がある。また、ベルトに静電気を発生させ、その静電気によってベルトに記録媒体を吸着させる静電吸着方式がある。この静電吸着方式は、エア吸引方式に比べて小型に構成でき、記録媒体をベルト上に均一に吸着させることができるという優位性を有している。
また、高品位な写真画像の形成を可能とする近年のインクジェット記録装置では、銀塩写真と同様に、記録媒体の端部に余白を設けず、記録媒体の全面に画像を記録する所謂余白なし記録(ふちなし記録ともいう)を可能とするものがある。この余白なし記録では、記録媒体へのインクの着弾誤差を考慮して、記録媒体の端部から外側へとはみ出して記録を行う。このため、記録媒体を支持するプラテンに、記録媒体より外側に吐出されたインク滴を吸収する吸収体を設け、プラテンに支持された記録媒体にインクが付着するのを回避する工夫もなされている。
一方、前述のベルト搬送方式のインクジェット記録装置では、余白なし記録時に記録媒体の外側に吐出されたインク滴によってベルト表面が汚染されるという問題が生じている。このような問題に対し、特許文献1には、搬送ベルト表面に付着したインク滴をクリーニングする機構を備えたインクジェット記録装置が開示されている。しかしながら、この特許文献1に開示の構成では、クリーニング装置を設けることによってインクジェット記録装置の大型化やコストアップが生じる。また、ベルト表面に付着した微小なインク滴が残留する可能性があり、その残留インクの乾燥、固着によってベルトの搬送性能や吸着性能が劣化するという懸念もある。
特許文献2には、ベルト搬送機構における上記問題点を解消するためのベルト搬送手段が開示されている。図8は、このベルト搬送手段の概略構成を示す図である。図示のベルト搬送手段では、記録ヘッド101のインク吐出口の形成面と対向可能な位置に記録媒体のプラテン102が設けられ、このプラテン102は記録ヘッドのノズルnから吐出されるインクを受けるインクリザーバとしても機能するようになっている。また、搬送ベルトは、2個のプーリに掛け渡されており、その一部がプラテン102の下側の経路を通過するようになっている。
特開平8−324067号公報 特開2005−022319号公報
上記のように特許文献2においては、搬送ベルトがプラテンの下側を通過するため、記録ヘッドから吐出されたインク滴が搬送ベルトに付着するのを回避することは可能である。しかし、記録ヘッドのインク吐出時には、プラテン上に搬送された記録媒体に着弾する主滴やサテライト滴以外に、記録媒体に着弾せずに機内を浮遊するインクミストが発生する。そして、このインクミストが搬送ベルトに付着することにより、記録媒体の汚染や、搬送ベルトの搬送性能の低下を招いている。
また、ベルト搬送方式において、前述の静電吸着方式を用いた場合には、インクミストによる弊害はさらに顕著になる。図9は、図8に示すインクジェット記録装置のベルト搬送手段に静電吸着方式を採用した構成を示すものである。この静電吸着方式では、給電ローラ201によって搬送ベルト108に静電気を発生させ、その静電気によって記録媒体を搬送ベルト108に吸着させるものとなっている。このため、搬送ベルト108の表面に発生させた静電気によって浮遊ミスト化した微小なインク滴が搬送ベルト108の表面に引き寄せられて付着することとなり、搬送ベルト108の汚染はより顕著になる。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、記録媒体を静電気によって搬送ベルトに吸着させて搬送するインクジェット記録装置において、搬送ベルトへのインクの付着を軽減することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の形態は、記録ヘッドに形成されたインク吐出部との対向位置において記録媒体を支持する支持部と前記吐出部から吐出されるインク滴を受けるインク受け部とを有するプラテンと、前記支持部へと前記記録媒体を搬送しつつ前記インク受け部の底面側を通過する搬送ベルトと、を備えたインクジェット記録装置において、前記記録媒体を前記搬送ベルトに吸着させるために、所定の基準電位に対して第1の電位差を前記搬送ベルトに与える第1の電位差発生手段と、前記インク吐出部のインク滴の吐出に伴って発生するインクミストをインク受け部へと吸引するために、前記所定の基準電位に対して第2の電位差を前記インク受け部に与える第2の電位差発生手段と、を備える。
本発明の第2の形態は、記録ヘッドのインク吐出部との対向位置において記録媒体を支持する支持部と前記吐出部から吐出されるインク滴を受けるインク受け部とを有するプラテンと、前記支持部へと前記記録媒体を搬送しつつ前記インク受け部の底面側を通過する搬送ベルトと、を備えたインクジェット記録装置の制御方法であって、前記記録媒体を前記搬送ベルトへと静電気力によって吸着させるための第1の電位差を前記搬送ベルトに与える工程と、実行すべき記録動作が、該記録媒体の端部を超えてインク滴を吐出する余白なし記録動作であるか否かを判断する工程と、余白なし記録動作を行う場合にのみ、前記インク受け部へとインクミストを吸引するための第2の電位差を前記インク受け部に与える工程と、を備える。
本発明によれば、プラテンに設けた吸収体にインクミストを効率よく吸着することが可能となり、搬送ベルトにインクミストが付着して、搬送ベルトが汚染されるのを軽減することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態におけるインクジェット記録装置は、記録媒体を間欠的に搬送すると共に、記録媒体の搬送方向と直交する方向に記録ヘッドを移動させつつインクを吐出して記録を行う、所謂シリアル型のインクジェット記録装置となっている。また、記録媒体の搬送手段としては、無端の搬送ベルトに静電気によって記録媒体を吸着させ、搬送ベルトと共に記録媒体を移動させる、静電吸着方式のベルト搬送機構を用いている。以下、図面と共に本実施形態におけるインクジェット記録装置を詳細に説明する。
まず、本実施形態で用いる記録ヘッドを図3に基づいて説明する。なお、図3は本実施形態で使用する記録ヘッドをインク吐出部としてのノズルnの形成面側から見た模式図である。ここに示す記録ヘッド101は、インク滴を吐出する複数のノズルnを配列した複数のノズルn群101Y,101M,101C,101Bkを有している。101Yはイエロー(Yellow)のインクを吐出するノズル群、101Mはマゼンタ(Magenta)のインクを吐出するノズル群、101Cはシアン(Cyan)インクを吐出するノズル群である。また、101Bkはブラック(Black)インクを吐出するノズル群である。各ノズル群は256ノズルnを600dpiの間隔で配列したノズルn列を2列有している。各ノズル群における2列のノズル列は互いに1200dpiずらして配列されている。すなわち、各ノズル群にはノズルnが千鳥状に配列されている。また、記録ヘッド101の各ノズルn列におけるノズルnの配列方向は、記録媒体の搬送方向である副走査方向(Y方向)と一致している。また、この記録ヘッドは、副走査方向と交差する主走査方向(本実施形態では副走査方向と直交する方向(X方向))に沿って、往復動作動作を行う。
また、図1及び図2は本実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す図であり、図1は縦断側面図、図2は図1の平面図である。
図1及び図2において、記録ヘッド101のノズルnの吐出口が形成される面(以下、吐出口面ともいう)は、図1の下部に配置されており、インク滴が下方に向けて吐出される。また、記録ヘッド101は不図示のキャリッジに搭載されている。キャリッジは、図1においては図1の紙面と直交する方向(図2においてはX方向)に配置されたガイドシャフト(図示せず)に沿って往復移動可能である。また、記録ヘッド101の吐出口面との対向位置には、プラテン102が設けられている。このプラテン102には、上方に向けて突出する複数本のプラテンリブ(支持部)102aが所定間隔を介して平行に配置されている。そして、このプラテンリブ102aは、不図示の給紙部から後述の搬送ベルト106によって記録ヘッド101の直下に搬送されてきた記録媒体Pを、その裏面側から支持する。プラテンリブ102aの周囲にはプラテン102へ吐出されたインク滴を吸収するためのスポンジ状のインク吸収体(インク受け部)102bが充填されている。
また、プラテン102のインク吸収体102bには第1の直流電圧(第1の電位差)を発生させる電位差発生装置401(第1の電位発生手段)が接続されている。なお、本明細書では、インクジェット記録装置の機枠(シャーシ)の電位を基準電位(0電位)とし、その基準電位との電位の差を電位差あるいは電圧として記載している。この電位差発生装置401は図2に示すように導電性部材501と接続されている。この導電性部材501はプラテン102に充填されているインク吸収体102の表面(図1では上面)に配置されている。但し、この導電性部材501はプラテンリブ102bよりも低い位置に配置されているため、記録媒体Pの裏面(図1における下面)と接触することはない。この電位差発生装置401および導電性部材501によって、プラテン102の表面側に一定の電位を与え、インクミストを静電気力で吸着させるための電界を発生させる。
本実施形態においてプラテン102に設けられたインク吸収体は、導電性材料を含む部材によって形成されている。例えば、ポリウレタンにカーボン等の導電性材料を混入させて、発泡形成した部材によってインク吸収体とすることにより、インク吸収体に導電性を与えることが可能となる。また、Na+、K+、Cl−、HCO3−等のイオンを有する電解質液体を含浸させたポリウレタンの発泡材によりインク吸収体102bを形成することも可能である。
次に、本実施形態におけるベルト搬送機構について図1及び図2を用いて説明する。本実施形態のベルト搬送機構は、駆動ローラ105と従動ローラ106とに掛け回された、無端の搬送ベルト108を備える。駆動ローラ105は駆動モータ(ここでは図示せず)によって一定量毎に間欠的に回転し、その回転に追従して搬送ベルト108の移動及び従動ローラ106の回転が行われる。
また、無端の搬送ベルト108のうち、記録媒体Pを支持する部分(上側部分)108aは、図1に示すように記録ヘッド101の直下において、プラテン102の下側(底面側)の経路に沿って移動し、その他の部分はプラテン102と略同一の面を移動する。本実施形態では、この搬送ベルト108の上側部分108aの移動経路を形成する手段を、プラテンの前後に配置したガイドローラ103、104と、ガイド部材104a,103bとにより構成している。すなわち、搬送ベルト108の上側部分108aは、プラテン102より搬送方向上流に配置されたガイド部材104aにおいて下側へと導かれた後、ガイドローラ104と105との間でプラテン102の底面より下方を略水平に移動する。その後、ガイド部材104aへ向けて上昇し、ガイド部材104aと駆動ローラ105の間は、プラテン102の表面と略同一の面に沿って移動する。
また、搬送ベルト108には、その表面に記録媒体Pを吸着させるための静電気力を発生させるための給電ローラ201が接触している。この給電ローラ201には、電位差発生装置202(第2の電位発生手段)が接続されており、ここから供給される電荷が給電ローラ108を介して搬送ベルト108の表面(外面)に供給される。これにより、搬送ベルト108の表面は帯電する。
この搬送ベルト104とプラテン102のそれぞれの帯電量は次のように制御されている。すなわち、搬送ベルト上に発生する電界の電界強度をE1(V/m)とし、プラテン102のインク受け部上(インク吸収体102b上)に発生する電界の電界強度をE2(V/m)としたとき、両者の関係が、E2>E1となるように制御されている。このように電界強度E1,E2の関係を定めることによって、プラテン102に設けられたインク吸収体102bの表面は、搬送ベルト108の上面部108aの表面よりも、インクの吐出に伴って発生するインクミストをより強い力で吸引することとなる。このため、インクミストは、より確実にインク吸収体102bに吸引され、インクミストによる搬送ベルト108の汚染は軽減される。
なお、搬送ベルト104の上側部分108aに対向する下側部分108bには、除電ブラシ203が接触しており、この除電ブラシ203によって搬送ベルト104の下側部分104bにおける電荷が除去される。これにより、搬送ベルト104への紙紛等の付着を回避することができる。
ここで、図4のブロック図に基づき、本実施形態におけるインクジェット記録装置の制御系300の概略構成を説明する。
図において、300はマイクロプロセッサ形態からなる制御手段としてのCPUである。このCPU300はシステムバス301及びインターフェース27を介してホストコンピュータ400に接続されている。そして、CPU301は、ROM303内に格納されたプログラムやRAM形態のプリントバッファ304に格納されたホストコンピュータからの記録データ等の出力信号に基づき各部の動作を制御する。305は不揮発性メモリーであるSD−RAM、306はユーザの各種操作を受け付ける操作パネルである。
CPU300は、キャリッジを往復移動させるキャリッジモータ306の駆動をキャリッジモータドライバ307を介して制御すると共に、駆動ローラ105を回転させる搬送モータ309の駆動を搬送モータドライバ311を介して制御する。また、CPU300は、給紙部に積層された記録媒体の中から1枚の記録媒体を搬送ベルト108上へと供給する不図示の給紙ローラを回転させる給紙モータ311の駆動を、給紙モータドライバ312を介して制御する。さらにCPU300は、RAM304に格納された記録情報に基づきヘッドドライバ313を介して記録ヘッド101におけるインク吐出動作を制御する。またCPU300は、電位差発生装置401によってプラテン102に印加する電圧、及び電位差発生装置202によって給電ローラ201に印加する電圧の制御を行う。
次に、本実施形態における記録動作時にCPU301などによって実行される制御動作を、図5のフローチャートに従って説明する。記録動作の開始指令が入力されると(S601)、電位差発生装置202が駆動され、給電ローラ201に対して予め設定した電圧が印加される。次に、給紙モータ311が駆動され、給紙部に積層された記録媒体の中の1枚の記録媒体Pが搬送ベルト108の上側部分103aへと供給される。またこれと同時に、搬送モータ309の駆動によって駆動ローラ105の回転が開始され、搬送ベルト108の移動が開始される。搬送ベルト108の回転によって、搬送ベルト108の表面には、所定の電荷が帯電する。搬送ベルト108の表面が帯電することによって搬送ベルト108と記録媒体Pとの間には静電気力が働き、記録媒体Pが搬送ベルト108の表面に吸着される(S603)。
ここでCPU300は、実行すべき記録動作が余白なし記録であるか否かを判断する(S604)。そして、実行すべき記録動作が余白なし記録である場合には、S605のステップに移行し、電位差発生装置202が駆動される。これにより、プラテン108には予め設定した電圧(第1の電位)が印加される。この時の第1の電位差発生装置202と第2の電位発生装置401の各電圧は、前述のように、搬送ベルト108上の電界強度E1とプラテン102のインク吸収体102bの上部の電界強度E2との関係がE2>E1となるように制御される。次に搬送ベルト108によってY方向へと搬送された記録媒体Pが、記録ヘッド101直下のインク吐出領域に達した時点で、記録ヘッド101による余白なし記録動作が行われる(S606)。この余白なし記録動作では、記録媒体Pの端部の内側から外側へとはみ出す位置までインク滴が吐出される。この際、搬送ベルト108はプラテンの下側を通過するため、記録媒体の外側に吐出されたインク滴(主滴及びサテライト滴)が搬送ベルト108の表面に付着するとはなく、プラテン102のインク吸収体102bに着弾して吸収される。また、はみ出し記録動作時には、記録媒体Pの内側にのみにインクが吐出される場合に比べて、機内に浮遊するインクミストがより多く発生する。このため、搬送ベルト108へのインクミストの付着が懸念されるが、本実施形態ではインク吸収体102bには、搬送ベルト108よりも大きな電界強度が発生しているため、インクミストは搬送ベルトに付着せずにインク吸収体102bへと吸引される。これにより、搬送ベルト108へのインクミストの付着量は低減される。
一方、ステップS604で判断された記録動作が余白なし記録ではなく、記録媒体内にのみインク滴が吐出される場合にはインクミストの発生量が少ないため、電位差発生装置401による電圧をインク吸収体102bに印加せずに記録を行う。この後、画像の記録が完了した記録媒体Pは、搬送ベルト108によって不図示の排紙部へと排出され(S608)、記録動作が完了する(S609)。
以上のように、本実施形態によれば、搬送ベルト108がプラテン102の底面側を通過するためインク滴(主滴及びサテライト滴)が搬送ベルトに着弾するのを回避できると共に、搬送送ベルト108へのインクミストの付着量を低減することも可能になる。このため、搬送ベルト108の汚損は大幅に低減され、搬送ベルト108の搬送性能の維持、寿命の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態を、図6及び図7を参照しつつ説明する。
この第2の実施形態では、搬送ベルト108に記録媒体Pを吸着させるために、搬送ベルトに対し、正負の電圧を一定の周期で交互に印加するようにしたものである。この第2の実施形態では、給電ローラ201に電圧を印加する電位差発生装置710(第1の電位差発生手段)が、正の電圧を発生する電源702(第1の正電圧発生手段)と、負の電圧を発生する電源703(第1の負電圧発生手段)とを備える。さらに電位差発生装置710は、両電源を給電ローラ201に選択的に接続させる接続部701を有する。この接続部701は、図4に示す制御系のCPU300によって制御され、給電ローラ201に対して交番電圧を印加するようになっている。
また、搬送ベルト108に対して交番電圧を印加することに伴い、プラテン102に電圧を印加する電位差発生装置711(第2の電位差発生手段)においても、正負の電圧を切換えてプラテン102に印加する構成を備える。すなわち、電位差発生装置711には、正の電圧を発生する電源705(第2の正電圧発生手段)と、負の電圧を発生する電源705(第2の負電圧発生手段)と、これら電源をインク吸収体102bに対して選択的に接続する接続部704とを備える。この接続部704は、CPU300によって制御される。なお、その他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
以上の構成において、CPU300は、接続部701を一定の周期で切換えることにより、搬送ベルト108に対して交番電圧を印加する。この際、搬送ベルト108の表面には、図8に示すように、不平等電界が発生する。この不平等電界によって、記録媒体801が誘電体とみなされ、その誘電体の単位体積に働く力のx,y,z方向の成分fx、fy、fzはMaxwellの応力テンソルを用いて、以下のように表される。(xは記録媒体に直角方向、yは搬送方向、zは搬送方向に直角方向)
Figure 2009298072
上記の力の成分fx、fy、fzのうち、記録媒体Pに対して直角方向に作用する成分fxによって、記録媒体は搬送ベルト802に静電的に吸着される。
一方、記録媒体Pの表面(記録ヘッドの吐出口面と対向する面(記録面))には、正負の真電荷が発生する。しかし、この真電荷は不安定な状態にあるため時間の経過と共に隣接する正負の真電荷が互いに引き合って移動し中和されていく。このため、記録媒体Pの表面と記録ヘッド101の吐出口面との間の電界は抑制される。従って、記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録ヘッドと記録媒体との間の電界によって影響されることはなく、より高い着弾精度を得ることが可能になる。
さらに、本実施形態においては、搬送ベルトの表面に与える電界強度より大きな電界強度をプラテンのインク吸収体に与えることによって、インクミストの搬送ベルトへの付着を軽減することも可能になっている。すなわち、搬送ベルト108に与える電圧を交番させるこの第2の実施形態においては、上述の接続部704によってプラテン102のインク吸収体102bに印加する電圧の切換えタイミングを、接続部701の切換えタイミングに合わせるよう定めている。具体的には、プラテン102の下方へと搬送ベルト108を導くガイドローラ103、104の近傍において、搬送ベルト108に印加される電圧と、インク吸収体102bに印加される電圧とで、正負の位相が合うようにしている。これは各接続部701及び704の切換えのタイミングを制御することによって行う。
例えば、図6に示すように、ガイドローラ104の近傍に位置する搬送ベルト108の表面に負の電荷が帯電しているとする。この場合、プラテン102のインク吸収体102bに、より多くのインクミストを吸引させるためには、搬送ベルト108の表面の電界強度よりも強い電界強度をインク吸収体102bに発生させる必要がある。このため、接続部704ではインク吸収体102bに電源706を接続し、インク吸収体102bに負の電圧を印加する。また逆に、ガイドローラ104の近傍における搬送ベルト108の表面に正の電荷が帯電している場合には、接続部704によってインク吸収体102bと電源705とを接続し、インク吸収体102bに正の電圧を印加する。
以上のように、搬送ベルト108に交番電圧をかける構成においても、搬送ベルト108の表面に対してインクミストが付着する量を低減することが可能となる。
なお、上記各実施形態ではシリアル型のインクジェット記録装置を例に採り説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、記録媒体の幅以上の長さを有する長尺な記録ヘッドを用い、記録媒体と記録ヘッドとの相対移動を一方向にのみ制限して記録を行うフルライン型のインクジェット記録装置にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の全体構成を示す縦断側面図である。 図1に示したものの平面図である。 本実施形態で用いる記録ヘッドをノズルnの形成面側から見た模式図である。 本実施形態におけるインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態の記録動作時に実行される制御動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるインクジェット記録装置の全体構成を示す縦断側面図である。 本発明の第2の実施形態において搬送ベルトに交番電圧を印加した際に生じる電界と、それに伴って発生する静電気力を示す説明側面図である。 従来のインクジェット記録装置におけるベルト搬送手段の概略構成を示す縦断側面図である。 図8に示すインクジェット記録装置のベルト搬送手段に静電吸着方式を採用した構成を示す縦断側面図である。
符号の説明
101 記録ヘッド
102 プラテン
102a プラテンリブ
102b インク吸収体
103,104 ガイドローラ
103a,104a ガイド部材
108 搬送ベルト
201 給電ローラ
202 電位差発生装置
401 電位差発生装置
701 接続部
702 正の電圧を発生させる電源
703 負の電圧を発生させる電源
704 接続部
705 正の電圧を発生させる電源
706 負の電圧を発生させる電源
710 電位差発生装置
711 電位差発生装置

Claims (10)

  1. 記録ヘッドに形成されたインク吐出部との対向位置において記録媒体を支持する支持部と前記吐出部から吐出されるインク滴を受けるインク受け部とを有するプラテンと、前記支持部へと前記記録媒体を搬送しつつ前記インク受け部の底面側を通過する搬送ベルトと、を備えたインクジェット記録装置において、
    前記記録媒体を前記搬送ベルトに吸着させるために、所定の基準電位に対して第1の電位差を前記搬送ベルトに与える第1の電位差発生手段と、
    前記インク吐出部のインク滴の吐出に伴って発生するインクミストをインク受け部へと吸引するために、前記所定の基準電位に対して第2の電位差を前記インク受け部に与える第2の電位差発生手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1の電位差発生手段にて与えられた前記第1の電位差によって前記搬送ベルト上に発生する電界強度は、前記第2の電位差発生手段にて与えられた前記第2の電位差によって前記インク受け部上に発生する電界強度よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置
  3. 前記第1の電位差発生手段はは、前記搬送ベルトに直流電圧を印加し、
    前記第2の電位差発生手段は、前記インク受け部に直流電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第2の電位差発生手段は、前記記録媒体の端部を超えてインク滴を吐出することにより記録媒体の端部に余白を形成せずに記録を行う余白なし記録時にのみ前記インク受け部に前記第2の電位を与えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置
  5. 前記第1の電位差発生手段は、前記搬送ベルトに交番する電圧を印加し、
    前記第2の電位差発生手段は、前記インク受け部に交番する電圧を印加すると共に、前記インク受け部に印加する電圧を交番させるタイミングが、前記第1の電位差発生手段によって前記搬送ベルトに印加される電圧を交番させるタイミングに応じて定められていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の電位差発生手段は、正の電圧を発生する第1の正電圧発生手段と、負の電圧を発生する第1の負電圧発生手段と、前記第1の正電圧発生手段と前記第1の負電圧発生手段のいずれか一方を前記搬送ベルトに選択的に接続させる接続手段と、を備え、
    前記第2の電位差発生手段は、正の電圧を発生する第2の正電圧発生手段と、負の電圧を発生する第2の負電圧発生手段と、前記第2の正電圧発生手段と前記第2の負電圧発生手段のいずれか一方を前記搬送ベルトと選択的に接続させる接続手段と、を備えることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク受け部は、インク吸収体を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インク受け部は、前記記録媒体を支持する支持部としての複数本のリブと、前記リブの周囲に設けられたインク受け部としてのインク吸収体と、を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って走査しつつ、インクを吐出させることによって記録媒体上に画像を記録することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 記録ヘッドのインク吐出部との対向位置において記録媒体を支持する支持部と前記吐出部から吐出されるインク滴を受けるインク受け部とを有するプラテンと、前記支持部へと前記記録媒体を搬送しつつ前記インク受け部の底面側を通過する搬送ベルトと、を備えたインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記記録媒体を前記搬送ベルトへと静電気力によって吸着させるための第1の電位差を前記搬送ベルトに与える工程と、
    実行すべき記録動作が、該記録媒体の端部を超えてインク滴を吐出する余白なし記録動作であるか否かを判断する工程と、
    余白なし記録動作を行う場合にのみ、前記インク受け部へとインクミストを吸引するための第2の電位差を前記インク受け部に与える工程と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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