JP2009298001A - 装飾用シート材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】装飾用シート材11は、天然木製シート12の裏面にセルロース系シート13が積層されて構成されている。天然木製シート12の表面には撥水加工が施されている。装飾用シート材11は、例えば自動販売機に貼着して使用される。
【選択図】図1
Description
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装飾用シート材において、前記撥水加工がアルコキシシラン化合物により前記天然木製シートを表面処理する加工であることを要旨とする。
間伐は、森林資源を良好な状態に保つ上で重要であり、そうした間伐に伴って発生する木材、すなわち間伐材の有効利用が間伐を推進する上で重要な役割を果たす。上記天然木製シートを間伐材から形成することで、間伐材の利用を促進することができる。
杉材は、例えば檜材よりも、柔軟な性質を有することから、柔軟な装飾用シートが得られるようになる。このため、装飾用シートを被装飾物品の形状に沿って湾曲させて貼着することが容易となる。
例えば自動販売機に木片を取着することにより、自動販売機に天然木の質感を付与することも可能である。ところが、木片を取着した場合では、木片によって重量が増すことで、外扉の開閉に支障を来すおそれがある。また例えば、木枠内に自動販売機を設置することにより、自動販売機を周囲の景観と調和させることができる。ところが、そうした木枠は、自動販売機に商品を補充する作業等において支障を来すおそれがある。なお、木目調の印刷シートを貼着することで、上記重量増は抑制できるものの、天然木の質感よりも劣ることになる。この点、上記装飾用シート材によれば、天然木の質感が得られることに加えて、貼着による重量増は僅かであるため、外扉の開閉操作への影響は極力抑制される。
図1に示されるように、本実施形態の装飾用シート材11は、天然木製シート12の裏面にセルロース系シート13が積層されて構成されている。天然木製シート12の表面には撥水加工が施されている。図1には、撥水加工が施された部分を撥水層14として模式的に示している。装飾用シート材11は、図2に示されるように自動販売機に貼着して使用される。こうした自動販売機は、天然木製シート12の木目により装飾される。
また、天然木製シート12の表面における撥水性をより高めるとともに、天然木製シート12の柔軟性を維持するという観点から、撥水加工において、一般式(1)に示されるアルコキシシラン化合物と下記一般式(2)に示されるアルコキシシラン化合物を併用することが好ましい。
また、下記一般式(3)に示されるアルコキシシラン化合物を併用することにより、天然木製シート12の表面における耐摩耗性を高めることができるようになる。
R9は、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。R9は、同一又は異なってもよい。なお、一般式(3)に示されるアルコキシシラン化合物はオリゴマーとして使用してもよい。
撥水加工には、上述したアルコキシシラン化合物の反応を促進する触媒として、金属アルコキシドを用いることが好ましい。金属アルコキシドの金属としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等が挙げられる。金属アルコキシドの具体例としては、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、トリプロポキシアルミネート、アルミニウムアセチルアセトナート等が挙げられる。
自動販売機は、内部に商品収納室を有する本体21と、その前面に開閉可能に装着される外扉22とを備えている。本体21の左右両側面及び外扉22の外面には、装飾用シートが貼着されている。詳述すると、本体21の左右両側面は、各一枚の装飾用シート材11が貼着されることで装飾されている。外扉22は、一枚の装飾用シート材11が貼着されることで装飾されている。
(1)自動販売機に貼着された装飾用シート材11において、例えば雨水、飲料等の水分が天然木製シート12の表面に付着することがある。本実施形態の天然木製シート12の表面には撥水加工が施されているため、同天然木製シート12の吸水が抑制される。これにより、天然木製シート12の膨張を抑制することができる。このように天然木製シート12に水分が付着したとしても、同天然木製シート12がセルロース系シート13に対して過剰に膨張することが抑制されるため、自動販売機から装飾用シート材11が剥離するといった不具合を抑制することができる。
・天然木製シート12は、杉材以外の木材から形成してもよい。天然木製シート12は、例えば、松材、檜材、桐材、ウォールナット材、チーク材、サベリ材、メープル材、シナ材、アユース材、バーチ材、タモ材、オーク材、スプルース材、モアビ材等が挙げられる。
・撥水加工は、アルコキシシラン化合物により天然木製シート12を表面処理しているが、合成樹脂塗料、天然樹脂塗料等の塗料を塗布することにより、撥水加工を施してもよい。また、合成樹脂フィルムを天然木製シート12の表面にラミネートすることにより、撥水加工を施してもよい。但し、このように変更する場合、天然木製シート12の木目が視認可能となるように塗料及び合成樹脂フィルムを適宜選択する。
・前記装飾用シート材11は、自動販売機を装飾に適用しているが、例えば家具、家電製品、建造物(壁、床等)、自動車等を被装飾物品として適用することもできる。また、被装飾物品の素材としては、特に限定されず、自動販売機といった金属材料以外に、例えば合成樹脂、ガラス、コンクリート、モルタル、石膏等であってもよい。
(実施例1)
杉の間伐材から形成した天然木製シートの裏面に和紙を積層した積層シート(ジェイファンネット社製、間伐シート(和紙張り))を準備した。この積層シートにおいて、天然木製シートの厚さは0.3mmであり、和紙の坪量は約4.23g/m2である。次に、天然木製シートの表面に木材表面塗工液(株式会社飾一製、商品名:超越W−1200UV)を3回に分けて塗布することで撥水加工を施した。この撥水加工は、アルコキシシラン化合物により、天然木製シートを表面処理する加工である。得られた装飾用シートを幅10mm×長さ51mmの寸法に裁断することで試験片を作製した。
比較例1においては、撥水加工を省略した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
各例の試験片を天然木製シートが上方となるようにして平坦な試験台上に静置した。各試験片は、いずれも平板状をなしていた。次に、各試験片について、天然木製シートの表面上に水滴を1滴、滴下した後に1分間放置した。各試験片の形状について観察した。実施例1の試験片では、形状の変化は確認されなかった。これに対して比較例1の試験片は、天然木製シートが上方に向けて凸となるように湾曲した。こうした比較例1の試験片においては、その湾曲した部分について、試験台の表面を基準とした試験片との高さが1.2cmに達していた。
実施例2においては、上記実施例1と同じ積層シートを準備した。その積層シートを石膏ボードにゴム系接着剤を用いて貼付した。その後、天然木製シートの表面に木材表面塗工液(株式会社飾一製、商品名:超越W−1200UV)を5回に分けて塗布することで撥水加工を施した。このように装飾された石膏ボードを立設した後、天然木製シートの表面に水を掛け流したところ、その表面の撥水性は良好であり、天然木製シートへの吸水は確認されなかった。この結果より、装飾用シート材は、例えば外壁の装飾用として有効であることがわかる。次に、このように装飾された石膏ボードを、その端面が視認できないようにして設置した。この石膏ボードにおいて装飾用シート材で覆われている面から、装飾用シート材の使用について告げていないモニター10名に確認させたところ、木の香りがすること、木目が自然であること、及び、天然木の触感が得られるといった感想が述べられた。さらに6名は、石膏ボードが装飾された壁体とは認識せずに、天然木のみから壁体が構成されていると認識していたことがわかった。この結果から、装飾用シート材は、天然木以外の素材を装飾する効果に優れることがわかった。
実施例3においては、実施例1と同様に製造した装飾用シート材を床材として使用した。このように構成した床材では、上述した木材表面塗工液により、汚れが付着し難く、しかもその床材上に水をこぼした後に、その水を布で拭き取ることで、水を容易に吸収させることができた。この結果から、装飾用シート材は床材としても極めて有効であることがわかった。
Claims (5)
- 天然木製シートの裏面にセルロース系シートが積層されてなり、同セルロース系シートを被装飾物品に貼着して使用される装飾用シート材であって、
前記天然木製シートの表面に撥水加工を施したことを特徴とする装飾用シート材。 - 前記撥水加工がアルコキシシラン化合物により前記天然木製シートを表面処理する加工であることを特徴とする請求項1に記載の装飾用シート材。
- 前記天然木製シートが間伐材から形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装飾用シート材。
- 前記天然木製シートが杉材から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装飾用シート材。
- 前記被装飾物品が自動販売機であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装飾用シート材。
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JP2007145896A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Kazariichi:Kk | 木材表面塗工液及び木材表面の処理方法 |
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