JP2009298001A - 装飾用シート材 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然木製シートの膨張を抑制することのできる装飾用シート材を提供する。
【解決手段】装飾用シート材11は、天然木製シート12の裏面にセルロース系シート13が積層されて構成されている。天然木製シート12の表面には撥水加工が施されている。装飾用シート材11は、例えば自動販売機に貼着して使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然木製シートを有する装飾用シート材に関する。
従来、この種の装飾用シート材としては、天然木製シートの裏面に補強シートを積層したものが知られている(特許文献1及び2参照)。この補強シートは、複数の天然木製シートを連結した状態で維持することで、広幅かつ長尺な装飾用シート材を形成している。
特開2004−209829号公報 特開2006−187926号公報
ところで、天然木製シートは、例えば合成樹脂製シートに比して、使用環境の湿度に応じて伸縮し易い傾向にある。このため、天然木製シートの裏面に積層される補強シートが天然木製シートの伸縮に追従し難い場合、装飾用シート材が過剰に湾曲するおそれがある。そこで、補強シートとしてセルロース系シートを採用した場合では、同じくセルロースを主成分とする天然木製シートに伸縮の度合いを近づけることができるため、装飾用シート材の湾曲が抑制される。その結果、被装飾物品に貼着する作業を円滑に行うことができるようになる。一方、上述した装飾用シート材を被装飾物品に貼着した状態においては、天然木製シートは露出しているため、水分が付着することがある。このとき、天然木製シートが吸水することで、天然木製シートの急速な膨張を招いてしまう。こうした水の吸収による膨張に対しては、セルロース系シートであっても追従することが困難であるため、装飾用シート材を湾曲する力が働くことになる。その結果、場合によっては被装飾物品から装飾用シート材が剥離するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、天然木製シートの膨張を抑制することのできる装飾用シート材を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、天然木製シートの裏面にセルロース系シートが積層されてなり、同セルロース系シートを被装飾物品に貼着して使用される装飾用シート材であって、前記天然木製シートの表面に撥水加工を施したことを要旨とする。
この発明では、天然木製シートの表面に撥水加工を施しているため、天然木製シートの吸水が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装飾用シート材において、前記撥水加工がアルコキシシラン化合物により前記天然木製シートを表面処理する加工であることを要旨とする。
この構成によれば、上記アルコキシシラン化合物と、天然木製シートを構成するセルロース繊維の水酸基とによりシロキサン結合が形成されることで、優れた撥水性を長期にわたって維持することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の装飾用シート材において、前記天然木製シートが間伐材から形成されていることを要旨とする。
間伐は、森林資源を良好な状態に保つ上で重要であり、そうした間伐に伴って発生する木材、すなわち間伐材の有効利用が間伐を推進する上で重要な役割を果たす。上記天然木製シートを間伐材から形成することで、間伐材の利用を促進することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装飾用シート材において、前記天然木製シートが杉材から形成されていることを要旨とする。
杉材は、例えば檜材よりも、柔軟な性質を有することから、柔軟な装飾用シートが得られるようになる。このため、装飾用シートを被装飾物品の形状に沿って湾曲させて貼着することが容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装飾用シート材において、前記被装飾物品が自動販売機であることを要旨とする。
例えば自動販売機に木片を取着することにより、自動販売機に天然木の質感を付与することも可能である。ところが、木片を取着した場合では、木片によって重量が増すことで、外扉の開閉に支障を来すおそれがある。また例えば、木枠内に自動販売機を設置することにより、自動販売機を周囲の景観と調和させることができる。ところが、そうした木枠は、自動販売機に商品を補充する作業等において支障を来すおそれがある。なお、木目調の印刷シートを貼着することで、上記重量増は抑制できるものの、天然木の質感よりも劣ることになる。この点、上記装飾用シート材によれば、天然木の質感が得られることに加えて、貼着による重量増は僅かであるため、外扉の開閉操作への影響は極力抑制される。
本発明によれば、天然木製シートの膨張を抑制することができる。
以下、本発明に係る装飾用シート材を自動販売機に適用した一実施形態について図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の装飾用シート材11は、天然木製シート12の裏面にセルロース系シート13が積層されて構成されている。天然木製シート12の表面には撥水加工が施されている。図1には、撥水加工が施された部分を撥水層14として模式的に示している。装飾用シート材11は、図2に示されるように自動販売機に貼着して使用される。こうした自動販売機は、天然木製シート12の木目により装飾される。
本実施形態の天然木製シート12は、杉の間伐材を集成した集成材を所定の厚さにスライス加工した突き板である。これにより、天然木製シート12の外形寸法は自動販売機の外面に応じた外形寸法となるように形成されている。天然木製シート12の厚さは、好ましくは0.1mm〜1mm、より好ましくは0.1mm〜0.5mmである。天然木製シート12の厚さが0.1mm未満の場合、同シートの強度が不足するおそれがある。一方、天然木製シート12の厚さが1mmを超える場合、装飾用シート材11を自動販売機の曲面に沿わせて貼着することが困難となるおそれがある。
セルロース系シート13は、複数の天然木製シート12を連結した状態に維持するとともにそれら天然木製シート12を補強することで、広幅かつ長尺な装飾用シート材11を形成している。天然木製シート12の厚さを例えば1mm以下に形成することで、天然木製シート12の柔軟性を高めた場合であっても、セルロース系シート13で補強されているため、天然木製シート12の割れが発生し難い。ここで、上記天然木製シート12は、セルロースを主成分としているため、例えば合成樹脂製シートに比して、使用環境の湿度に応じて伸縮し易い傾向にある。この点、天然木製シート12にセルロース系シート13を積層した場合、同じくセルロースを主成分とする天然木製シート12に伸縮の度合いを近づけることができる。セルロース系シート13の原料としては、例えば木材パルプ、非木材パルプ、綿、再生セルロース等が挙げられる。セルロース系シート13の形態としては、例えば紙(洋紙又は和紙)、不織布、フィルム等が挙げられる。こうしたセルロース系シート13の中でも、厚さを薄く形成した場合であっても、柔軟性、強度、伸縮性が得られ易いという観点から、紙であることが好ましい。本実施形態においては、セルロース系シート13として和紙を使用している。セルロース系シート13の坪量は、例えば10〜100g/mであることが好ましい。セルロース系シート13の坪量が10g/m未満の場合、強度が不足するおそれがある。一方、セルロース系シート13の坪量が100g/mを超えると、柔軟性が不足するおそれがある。
なお、天然木製シート12とセルロース系シート13とは、接着剤により接着することができる。本実施形態の和紙は、酢酸ビニル系接着剤(例えば、アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイボンAX−220MK)による接着層(図示省略)を介して天然木製シート12に接着されている。
天然木製シート12の表面は、撥水加工が施されている。本実施形態の撥水加工は、アルコキシシラン化合物により前記天然木製シート12を表面処理する加工である。この撥水加工に用いられる塗工液は、例えば特開2007−145896号公報に記載されている木材表面塗工液が好適である。この木材表面塗工液に含まれるアルコキシシラン化合物は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2009298001
一般式(1)において、R、R及びRは、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。Rは、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基又はフェニル基である。nは、2〜10である。なお、R、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。また、Rで示される上記アルキル基、アルケニル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はエポキシ基を含んでいてもよい。
一般式(1)に示されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、例えば2〜10の単量体が縮合した縮合体であってもよい。なお、アルコキシシラン化合物の縮合体としては、単量体の一種類のみからなる縮合体であってもよいし、二種以上の単量体からなる縮合体であってもよい。また、上述したアルコキシシラン化合物は、単独で使用してもよいし、二種以上の混合物として使用してもよい。
木材表面塗工液中における一般式(1)に示されるアルコキシシラン化合物の含有量は、好ましくは20〜75質量%、より好ましくは25〜60質量%である。
また、天然木製シート12の表面における撥水性をより高めるとともに、天然木製シート12の柔軟性を維持するという観点から、撥水加工において、一般式(1)に示されるアルコキシシラン化合物と下記一般式(2)に示されるアルコキシシラン化合物を併用することが好ましい。
Figure 2009298001
及びRは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアルケニル基である。RO及びROと、Siとの結合はシロキサン結合である。また、R及びRは、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基又はフェニル基である。なお、R及びRは、それぞれ同一又は異なっていてもよい。また、R及びRに示される上記アルキル基、アルケニル基又はフェニル基は、エポキシ基又はグリシジル基を含んでいてもよい。
一般式(2)に示されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、2〜10の単量体が縮合した縮合体であってもよい。なお、アルコキシシラン化合物の縮合体としては、単量体の一種類のみからなる縮合体であってもよいし、二種以上の単量体からなる縮合体であってもよい。また、上述したアルコキシシラン化合物は、単独で使用してもよいし、二種以上の混合物として使用してもよい。
木材表面塗工液中における一般式(2)に示されるアルコキシシラン化合物の含有量は、好ましくは5〜20質量%である。
また、下記一般式(3)に示されるアルコキシシラン化合物を併用することにより、天然木製シート12の表面における耐摩耗性を高めることができるようになる。
Si(OR ・・・(3)
は、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。Rは、同一又は異なってもよい。なお、一般式(3)に示されるアルコキシシラン化合物はオリゴマーとして使用してもよい。
木材表面塗工液中における一般式(3)に示されるアルコキシシラン化合物の含有量は、好ましくは5〜20質量%である。
撥水加工には、上述したアルコキシシラン化合物の反応を促進する触媒として、金属アルコキシドを用いることが好ましい。金属アルコキシドの金属としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等が挙げられる。金属アルコキシドの具体例としては、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、トリプロポキシアルミネート、アルミニウムアセチルアセトナート等が挙げられる。
木材表面塗工液中における金属アルコキシドの含有量は、アルコキシシラン化合物のケイ素原子(Si)と金属アルコキシド中の金属原子(M)とのモル比(M/Si)で好ましくは0.001〜0.1、より好ましくは0.005〜0.05である。
木材表面塗工液には、有機溶剤を溶媒又は分散媒として含有される。また、木材表面塗工液には、必要に応じて紫外線吸収剤、抗菌剤等を含有させることもできる。なお、天然木製シート12の木目が鮮明に視認されるとともに天然木の外観を維持するという観点から、木材表面塗工液は着色剤を含有しないことが好ましい。
木材表面塗工液は、例えば刷毛、ローラー等を用いて天然木製シート12に塗工される。こうして塗工された木材表面塗工液が常温又は加熱乾燥されることで、撥水層14が形成される。こうした塗工の回数を例えば2〜3回等の複数回とすることで、天然木製シート12の表面において撥水性のムラを低減することができるようになる。塗工の回数は、天然木製シート12の天然木としての質感と天然木の香りを確保するという観点から、5回以下であることが好ましい。なお、こうした撥水加工は、天然木製シート12にセルロース系シート13を積層する前に行ってもよいし、セルロース系シート13を積層した後に行ってもよい。
次に、装飾用シート材11を貼着した自動販売機について説明する。
自動販売機は、内部に商品収納室を有する本体21と、その前面に開閉可能に装着される外扉22とを備えている。本体21の左右両側面及び外扉22の外面には、装飾用シートが貼着されている。詳述すると、本体21の左右両側面は、各一枚の装飾用シート材11が貼着されることで装飾されている。外扉22は、一枚の装飾用シート材11が貼着されることで装飾されている。
外扉22の前面には、商品サンプル展示部、金銭投入部、商品取出部等の機能部が形成されている。外扉22に貼着された装飾用シート材11には、それら機能部に対応して切り抜いた複数の窓部11aが形成されることで、機能部が露出されるようになっている。また、外扉22の前面から側面にわたるコーナ部は、曲面状に形成されており、装飾用シート材11はそうしたコーナ部に沿って湾曲した状態で貼着されている。
なお、装飾用シート材11を貼着する際には、予め窓部11aを形成した装飾用シート材11を貼着してもよいし、装飾用シート材11を貼着した後に窓部11aを形成してもよい。装飾用シート材11の貼着は、粘着又は接着を利用することができる。本実施形態の装飾用シート材11は、ゴム系粘着剤(例えば、横浜ゴム社製、商品名:ハマタイト)により貼着されている。
こうした自動販売機は、例えば自然な景観が求められる屋外に設置されることで、その景観に自動販売機を調和させることができる。また例えば、休憩所等の屋内に設置されることで、木の香りのする落ち着いた雰囲気の環境を提供することができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)自動販売機に貼着された装飾用シート材11において、例えば雨水、飲料等の水分が天然木製シート12の表面に付着することがある。本実施形態の天然木製シート12の表面には撥水加工が施されているため、同天然木製シート12の吸水が抑制される。これにより、天然木製シート12の膨張を抑制することができる。このように天然木製シート12に水分が付着したとしても、同天然木製シート12がセルロース系シート13に対して過剰に膨張することが抑制されるため、自動販売機から装飾用シート材11が剥離するといった不具合を抑制することができる。
(2)前記撥水加工は、アルコキシシラン化合物により天然木製シート12を表面処理する加工である。この構成によれば、アルコキシシラン化合物と、天然木製シート12を構成するセルロース繊維の水酸基とによりシロキサン結合が形成されることで、優れた撥水性を長期にわたって維持することができるようになる。
(3)例えば天然木製シート12の表面を耐水性のコーティング膜で覆う加工では、例えば天然木製シート12の微細な凹凸が埋まってしまうことにより、天然木としての質感が損なわれるおそれがある。この点、アルコキシシラン化合物による表面処理では、上記シロキサン結合により撥水性が付与されるため、天然木製シート12の表面が天然木本来の凹凸状に維持することが可能となるため、天然木製シート12の質感を十分に発揮させることができるようになる。また、アルコキシシラン化合物を選択することで、天然木製シート12の柔軟性を維持した状態で撥水性を付与することが容易である。
(4)アルコキシシラン化合物による表面処理では、表面に汚れが付着し難いため、天然木製シート12の美観が維持され易い。また、仮に天然木製シート12の表面に汚れが付着したとしても水拭きすることで、その汚れを速やかに落とすことができる。
(5)天然木製シート12を間伐材から形成することで、間伐材の利用を促進することができる。また、天然木製シート12を杉材から形成することで、柔軟な装飾用シートが得られるようになる。このため、装飾用シートを外扉22の形状に沿って湾曲させて貼着することが容易となる。また、杉材に特有な木目及び節により、自動販売機の美観を向上させることができるようになる。
(6)装飾用シート材11によれば、その貼着による重量増は僅かであるため、外扉22の開閉操作への影響は極力抑制される。従って、外扉22の外面において、例えば商品サンプル展示部等の露出を必要とされる部位を除き、可能な限り広い面を装飾したとしても、外扉22の開閉操作への影響を極力抑制することができる。このように装飾用シート材11を自動販売機の装飾に用いることで、自動販売機に天然木の質感が得られることに加えて、外扉22の開閉操作への影響を抑制することができる。
(7)天然木製シート12の厚さが1mm以下、かつ、セルロース系シート13の坪量が100g/m以下であることにより、自動販売機の外形に合わせて装飾用シート材11を裁断し、窓部11aを形成することが容易である。このため、装飾用シート材11を自動販売機に貼着する施工を円滑に行うことができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
・天然木製シート12は、杉材以外の木材から形成してもよい。天然木製シート12は、例えば、松材、檜材、桐材、ウォールナット材、チーク材、サベリ材、メープル材、シナ材、アユース材、バーチ材、タモ材、オーク材、スプルース材、モアビ材等が挙げられる。
・天然木製シート12は、間伐材に限らず、通常の木材から形成してもよい。また、例えば建築物等からの廃棄物である廃材から形成してもよい。
・撥水加工は、アルコキシシラン化合物により天然木製シート12を表面処理しているが、合成樹脂塗料、天然樹脂塗料等の塗料を塗布することにより、撥水加工を施してもよい。また、合成樹脂フィルムを天然木製シート12の表面にラミネートすることにより、撥水加工を施してもよい。但し、このように変更する場合、天然木製シート12の木目が視認可能となるように塗料及び合成樹脂フィルムを適宜選択する。
・自動販売機に装飾用シート材11を貼着するに際して、装飾用シート材11の寸法、形状及び数、並びに貼着する位置は、特に限定されない。例えば四角枠状の装飾用シート材11により、外扉22の周縁部のみを装飾してもよい。また例えば、装飾用シート材11を本体21の上面に貼着してもよい。
・装飾用シート材11は、両面テープを用いて自動販売機に貼着させることもできる。
・前記装飾用シート材11は、自動販売機を装飾に適用しているが、例えば家具、家電製品、建造物(壁、床等)、自動車等を被装飾物品として適用することもできる。また、被装飾物品の素材としては、特に限定されず、自動販売機といった金属材料以外に、例えば合成樹脂、ガラス、コンクリート、モルタル、石膏等であってもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
杉の間伐材から形成した天然木製シートの裏面に和紙を積層した積層シート(ジェイファンネット社製、間伐シート(和紙張り))を準備した。この積層シートにおいて、天然木製シートの厚さは0.3mmであり、和紙の坪量は約4.23g/mである。次に、天然木製シートの表面に木材表面塗工液(株式会社飾一製、商品名:超越W−1200UV)を3回に分けて塗布することで撥水加工を施した。この撥水加工は、アルコキシシラン化合物により、天然木製シートを表面処理する加工である。得られた装飾用シートを幅10mm×長さ51mmの寸法に裁断することで試験片を作製した。
(比較例1)
比較例1においては、撥水加工を省略した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(評価試験)
各例の試験片を天然木製シートが上方となるようにして平坦な試験台上に静置した。各試験片は、いずれも平板状をなしていた。次に、各試験片について、天然木製シートの表面上に水滴を1滴、滴下した後に1分間放置した。各試験片の形状について観察した。実施例1の試験片では、形状の変化は確認されなかった。これに対して比較例1の試験片は、天然木製シートが上方に向けて凸となるように湾曲した。こうした比較例1の試験片においては、その湾曲した部分について、試験台の表面を基準とした試験片との高さが1.2cmに達していた。
続いて、実施例1の試験片を傾斜させると、天然木製シートの表面上を水滴が移動したことから、天然木製シートの吸水が抑制されたことがわかる。これに対して、比較例1の試験片では、天然木製シートに水が吸収されているため、水滴の形状について視認できなかった。こうした比較例1の試験片においては、和紙の形状は維持される一方で、天然木製シートが吸水により膨張することで、上述した湾曲が発生したと考えられる。
(実施例2)
実施例2においては、上記実施例1と同じ積層シートを準備した。その積層シートを石膏ボードにゴム系接着剤を用いて貼付した。その後、天然木製シートの表面に木材表面塗工液(株式会社飾一製、商品名:超越W−1200UV)を5回に分けて塗布することで撥水加工を施した。このように装飾された石膏ボードを立設した後、天然木製シートの表面に水を掛け流したところ、その表面の撥水性は良好であり、天然木製シートへの吸水は確認されなかった。この結果より、装飾用シート材は、例えば外壁の装飾用として有効であることがわかる。次に、このように装飾された石膏ボードを、その端面が視認できないようにして設置した。この石膏ボードにおいて装飾用シート材で覆われている面から、装飾用シート材の使用について告げていないモニター10名に確認させたところ、木の香りがすること、木目が自然であること、及び、天然木の触感が得られるといった感想が述べられた。さらに6名は、石膏ボードが装飾された壁体とは認識せずに、天然木のみから壁体が構成されていると認識していたことがわかった。この結果から、装飾用シート材は、天然木以外の素材を装飾する効果に優れることがわかった。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1と同様に製造した装飾用シート材を床材として使用した。このように構成した床材では、上述した木材表面塗工液により、汚れが付着し難く、しかもその床材上に水をこぼした後に、その水を布で拭き取ることで、水を容易に吸収させることができた。この結果から、装飾用シート材は床材としても極めて有効であることがわかった。
本実施形態の装飾用シート材の一部を示す斜視図。 装飾用シート材を貼着した自動販売機を示す概略斜視図。
符号の説明
11…装飾用シート材、12…天然木製シート、13…セルロース系シート。

Claims (5)

  1. 天然木製シートの裏面にセルロース系シートが積層されてなり、同セルロース系シートを被装飾物品に貼着して使用される装飾用シート材であって、
    前記天然木製シートの表面に撥水加工を施したことを特徴とする装飾用シート材。
  2. 前記撥水加工がアルコキシシラン化合物により前記天然木製シートを表面処理する加工であることを特徴とする請求項1に記載の装飾用シート材。
  3. 前記天然木製シートが間伐材から形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装飾用シート材。
  4. 前記天然木製シートが杉材から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装飾用シート材。
  5. 前記被装飾物品が自動販売機であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装飾用シート材。
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