JP2009297840A - 工作機械および工作機械における変位補正方法 - Google Patents

工作機械および工作機械における変位補正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009297840A
JP2009297840A JP2008155426A JP2008155426A JP2009297840A JP 2009297840 A JP2009297840 A JP 2009297840A JP 2008155426 A JP2008155426 A JP 2008155426A JP 2008155426 A JP2008155426 A JP 2008155426A JP 2009297840 A JP2009297840 A JP 2009297840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
tool
data
displacement amount
machine tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008155426A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4879225B2 (ja
Inventor
Toshio Matsubara
俊夫 松原
Masatomo Ito
正頼 伊東
Yoshinori Nishiyama
好則 西山
Yoshikazu Sugihara
芳和 杉原
Yutaka Ogawa
裕 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sodick Co Ltd filed Critical Sodick Co Ltd
Priority to JP2008155426A priority Critical patent/JP4879225B2/ja
Publication of JP2009297840A publication Critical patent/JP2009297840A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4879225B2 publication Critical patent/JP4879225B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Control Of Machine Tools (AREA)
  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Abstract

【課題】 精度よく工具の変位補正を行うことができる工作機械を提供する。
【解決手段】 回転軸12に取り付けられワークWを加工する工具9の変位量データと該工具9の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて工具9の変位量を求めて該工具9の変位補正を行う工作機械1において、所定の因子データに、工作機械1における適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸12の回転数データおよび回転軸12の変位量データを含めて相関関係を示す工具9の変位補正を行うための演算式を得る変位量演算式生成装置30と、変位量演算式生成装置30により得られた演算式に基づいて工具9の変位量を演算する変位量演算部42aおよび変位量演算部42aにより演算された工具9の変位量に基づいて該工具9の変位補正を行う変位補正部42bを有するNC制御装置40と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械および工作機械における変位補正方法に関し、特に工具の変位補正を行う工作機械および工作機械における変位補正方法に関する。
近年、工作機械によるワークの加工においてはμmオーダーの超高精度の加工を要求される場合が多くなっているが、周囲環境の温度変化により生じる工作機械の熱変位(熱変位を以下単に変位とする)はμmオーダーを超える場合が多く、この変位を抑えることなしに超高精度の加工を実現することは不可能となっている。
このため従来より、変位に影響を与える因子データとなる工作機械の適所の温度データおよび工具の変位量データを検出して該温度データと工具の変位量データとの相関関係を示す演算式を生成し工具の変位補正を行う試みがなされており、例えば、特許文献1にはこのような工作機械の変位補正方法が開示されている。
特開2008−030127号公報
ところで、図10に示すように、ハウジング101内にベアリング102を介して回転自在に支持された回転軸103に工具104を取り付けてワークを切削加工する場合には、工作機械100の適所の温度データを因子データとして演算式を生成し工具104の変位補正を行うことが必要になるとともに、ハウジング101の内部で回転軸103とベアリング102との摩擦による摩擦熱や回転軸103の回転遠心力による変位が工具104の変位に大きな影響を与えるため、回転軸103に関する工具104の変位に影響を与える何らかの因子データを更に考慮する必要がある。
このような回転軸103に関する因子データとして例えば回転軸103そのものの温度データを得ることも考えられるが、例えば、接触式の温度検出器では回転する回転軸103の温度を検出することは困難であり、従来は回転軸103に関する因子データを何ら考慮せずに工具104の変位補正を行っていた。
しかしながら、上述の如く近年はμmオーダーの超高精度の加工を要求される場合も多く、このように回転軸103に関し何ら因子データを考慮せずに工具104の変位補正を行ったのでは、近年の高い加工精度の要求を満足することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、精度よく工具の変位補正を行うことができる工作機械および工作機械における変位補正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、工作機械に係る請求項1の発明は、回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械において、所定の因子データに、回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて前記相関関係を示す工具の変位補正を行うための演算式を得る変位量演算式生成手段と、変位量演算式生成手段により得られた演算式に基づいて工具の変位量を演算する変位量演算手段と、変位量演算手段により演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行う変位補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、工具の変位に影響を与える因子データに、回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて工具の変位補正を行うための演算式を得ることとしたので、回転軸が回転する際に摩擦熱や回転遠心力により変位が生ずる場合にあっても、精度よく工具の変位補正を行うことができる。
工作機械に係る請求項2の発明は、回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械において、所定の因子データに、工作機械の適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて、工具の変位量データと所定の因子データとの相関関係を示す工具の変位補正を行うための演算式を多変量解析により得る変位量演算式生成手段と、変位量演算式生成手段により得られた演算式に基づいて工具の変位量を演算する変位量演算手段と、変位量演算手段により演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行う変位補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、工具の変位に影響を与える因子データに、工作機械における適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて工具の変位補正を行うための演算式を得ることとしたので、回転軸が回転する際に摩擦熱や回転遠心力により変位が生ずる場合にあっても、精度よく工具の変位補正を行うことができる。
工作機械における変位補正方法に係る請求項3の発明は、回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械における変位補正方法において、所定の因子データに、回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めることを特徴とする。
本発明によれば、工具の変位に影響を与える因子データに、回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて工具の変位補正を行うこととしたので、回転軸が回転する際に摩擦熱や回転遠心力により変位が生ずる場合にあっても、精度よく工具の変位補正を行うことができる。
工作機械における変位補正方法に係る請求項4の発明は、回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械における変位補正方法において、工作機械の適所の温度データを検出するステップと、回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を検出するステップと、工具の変位量データを検出するステップと、所定の因子データに、工作機械の適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて、工具の変位量データと所定の因子データとの相関関係を多変量解析により演算式として得るステップと、得られた演算式に基づいて工具の変位量を演算するステップと、演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行うステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、工具の変位に影響を与える因子データに、工作機械における適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸の回転数データおよび回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて工具の変位補正を行うための演算式を得ることとしたので、回転軸が回転する際に摩擦熱や回転遠心力により変位が生ずる場合にあっても、精度よく工具の変位補正を行うことができる。
本発明によれば、精度よく工具の変位補正を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る工作機械の概略を示す構成図である。なお、以下においては、工作機械1の正面側から見て左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向として説明するものとする。
同図を参照して工作機械の概要を説明すると、工作機械1は、該工作機械1の基部をなすベッド2、ベッド2の後部上面から立設するコラム3、コラム3の上面に設けられX軸駆動機構20xを含むサドル4、サドル4の前面に設けられる加工ヘッド5、加工ヘッド5の内部に設けられZ軸駆動機構20zを含みつつ加工ヘッド5の下端から出没可能に構成されたクイル6、クイル6に装着されたスピンドルユニット7、およびベッド2の上面前部に設けられY軸駆動機構20yを含むワークテーブル8等の各構造体を有しており、各軸の駆動機構20の駆動量を所要に制御してスピンドルユニット7に取り付けた工具9とワークテーブル8に載置したワークWとの相対位置関係を適宜変更しつつワークWの切削加工を行う構成となっている。
すなわち、図2にスピンドルユニット7の周辺構造を示すように、スピンドルユニット7は、ハウジング10内にベアリング11等を介して回転自在に支持された回転軸12を有しており、該回転軸12の下端に工具ホルダ13を介して工具9を取り付けて、スピンドルモータ14により回転軸12を所要に回転させつつワークWの切削加工を行う。
この工作機械1には、同じく図2に示すように、工具9の変位補正を行うべく工具9の変位に影響を与える因子データ等を検出する検出器として、工作機械1の適所の温度データを検出する温度データ検出器15a乃至15dが備えられるとともに、所定の回転数データ検出器17および変位量データ検出器16a,16bが備えられている。なお、以下においては工具9のZ軸方向の変位補正を行う場合について説明するものとする。
温度データ検出器15a乃至15dは、ベッド2に設けられるとともに、クイル6、ハウジング10、およびハウジング10とクイル6との間に備えられるスペーサ6a等の回転軸周辺部にも設けられており、これら温度データ検出器15a乃至15dには例えば接触式の熱電対が採用される。
回転数データ検出器17は、回転軸12の回転数データを検出する機能を有しており、より詳しくはスピンドルモータ14の回転数を検出するエンコーダが回転数データ検出器17としての機能を果たす。
変位量データ検出器16は、回転軸変位量データ検出器16aおよび工具変位量データ検出器16bを含んでいる。
すなわち、回転軸変位量データ検出器16aは、ハウジング10の内部下部側(回転軸12の下端近傍)に設けられており、この回転軸変位量データ検出器16aにより、回転軸12の側周面に設けられ下部側のベアリング11の近傍位置に配置された検出座12aを介して回転軸12のZ軸方向の変位量データを検出することができる。
工具変位量データ検出器16bは、ワークテーブル8上に支持部材8aを介して取り付けられており、工具変位量データ検出器16bにより工具9のZ軸方向の変位量データを検出することができる。この工具変位量データ検出器16bは、後述の如く工具9の変位量の演算式を生成する際にのみ取り付けられ、ワークWの切削加工を行う際には支持部材8aとともにワークテーブル8から取り外される。また、工具9の変位量データの検出は、工具9に代えて工具9を模擬したテストバーを工具ホルダ13に取り付けて行う。
なお、変位量データ検出器16a,16bには例えば非接触式の渦電流式変位センサが採用される。変位量データ検出器16a,16bにより検出される変位量データは、より詳しくは所定の基準温度でかつ回転軸12の回転数が0のときの回転軸12および工具9のZ軸方向の位置(以下、このZ軸方向の位置を基準位置とする)に対する変位量を示す。
ここで、本実施形態においては、工具9の変位補正を行うに際し、工具9の変位に影響を与える因子データに工作機械1の適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸12の回転数データおよび回転軸12の変位量データを含めることとしている。このように回転軸12の回転数データおよび回転軸12の変位量データを更に含めることとした理由は以下の通りである。
すなわち、図3に示すように、回転軸12が回転する際にはベアリング11との摩擦熱によって変位を生じ(図3(a))、更には回転遠心力によっても変位を生じる(図3(b))等、摩擦熱や回転遠心力により複合的に変位を生じるが、これらいずれの変位に対しても回転軸12の回転数が大きく影響するものと考えられる。
そこで、本発明者らは回転軸12の回転数データを工具9の変位に影響を与える因子データに含めて変位補正を行ったところ、図4に示すように、工作機械1の適所の温度データのみを因子データとする変位補正に対し変位量が大幅に減少することを確認するに至り、因子データに回転軸12の回転数データを含めることとした。
更に、図4に示すように、工作機械1の起動時等において回転軸12の回転数を急激に変化させた場合には、上述した回転軸12の複合的な変位が更に複雑に変化して変位が安定するまでに所定の時間を要するところ、本発明者らは複雑に変化する回転軸12の変位量データそのものを因子データに含めることにより、変位が安定するまでに要する時間が短縮されることを確認するに至り、因子データに更に回転軸12の変位量データを含めることとした。なお、因子データに回転軸12の変位量データを含めることで、変位量のばらつきが小さくなり変位補正の精度も向上する。
工作機械1には変位量演算式生成装置30およびNC制御装置40が併設されており、変位量演算式生成装置30は上述した因子データおよび工具9の変位量データに基づいて工具9の変位補正を行うための演算式を得る機能を有するとともに、NC制御装置40は変位量演算式生成装置30により得られた演算式に基づいてワークWの切削加工において工具9の変位補正を行う機能を有している。
変位量演算式生成装置30は、図5に示すように、第1入力手段31、第1処理手段32、および第1記憶手段33を有している。
第1入力手段31は、例えば、キーボード、マウス、或いはタッチパネル等で構成されており、この第1入力手段31より、第1処理手段32における所要の処理に必要な情報が入力される。
第1処理手段32は、第1入力手段31から入力された情報に基づいて所要の検出データを取得しつつ上述した演算式の生成を行うべく、変位量演算式生成部32aとして機能する。
すなわち、変位量演算式生成部32aには上述した各検出器により検出された因子データおよび工具9の変位量データが入力され、該入力された因子データおよび工具9の変位量データに基づいて多変量解析により工具9の変位補正を行うための演算式を生成する機能を有している。なお、多変量解析とは、ある変数(目的変数)とこの変数に影響する変数(説明変数)との相関関係式を求める解析手法であり、特に説明変数が2つ以上の場合をいう。本実施形態にあっては、目的変数を工具9の変位量、説明変数を因子データつまり工作機械1の適所の温度、回転軸12の回転数、および回転軸12の変位量としている。
変位量演算式生成部32aにより生成される演算式は以下の数1の如く示され、検出された因子データおよび工具9の変位量データに基づいて多変量解析を行うことによって定数Iおよび補正係数C1乃至C6を求めることができる。なお、変位量演算式生成部32aにおいて各検出器から検出データを入力する際には、該検出データは所要にアナログ信号からデジタル信号に変換される。なお、第1処理手段32はCPUがその機能を果たしている。
[数1]
Z=I+C1×T1+C2×T2+C3×T3+C4×T4+C5×N
+C6×d
ここで、
Z:工具9の変位量
T1:クイル6の温度
T2:スペーサ6aの温度
T3:ハウジング10の温度
T4:ベッド2の温度
N:回転軸12の回転数
d:回転軸12の変位量
I:定数
C1乃至C6:補正係数
第1記憶手段33は、メモリ、ハードディスク等で構成されており、多変量解析を行うためのプログラム等を記憶する。なお、各検出器により検出された因子データおよび工具9の変位量データを記憶手段33に一旦記憶させることとし、演算式を生成する際に記憶された因子データ等を変位量演算式生成部32aが読み出すこととしてもよい。
NC制御装置40は、図6に示すように、第2入力手段41、第2処理手段42、および第2記憶手段43を有している。
第2入力手段41は、例えば、キーボード、マウス、或いはタッチパネル等で構成されており、この第2入力手段41より、第2処理手段42における所要の処理に必要な情報が入力される。
第2処理手段42は、第2入力手段41から入力された情報に基づいて各検出器により検出データを取得しつつ工具9の変位補正を行うべく、変位量演算部42aおよび変位補正部42bとして機能する。
すなわち、変位量演算部42aには、ワークWの切削加工中において上述した各検出器により検出された因子データが入力され、該入力された因子データと変位量演算式生成部32aにより生成された数1の如き演算式に基づいて工具9の変位量を演算する機能を有している。なお、変位量演算部42aにおいて検出データを入力する際には、該検出データは所要にアナログ信号からデジタル信号に変換される。
変位補正部42bは、変位量演算部42aにより演算された工具9の変位量に基づいて工具9のZ軸方向の位置を補正すべく所要の制御信号を出力してZ軸駆動機構20zの駆動量を制御する機能を有している。なお、第2処理手段42はCPUがその機能を果している。
第2記憶手段43は、メモリ、ハードディスク等で構成されており、変位量演算式生成装置30により生成された工具9の変位補正を行うための演算式を記憶する。
次に変位量演算式生成装置30による工具9の変位補正に必要な演算式の生成方法について図7のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、まずステップS10において、ワークテーブル8に支持部材8aを介して工具変位量データ検出器16bを取り付けかつ工具ホルダ13にテストバーを取り付けるとともに、オペレータが変位量演算式生成装置30の第1入力手段31から所要の情報を入力して因子データおよび工具9の変位量データの検出を開始する。この因子データおよび工具9の変位量データの検出は、例えば、回転軸12の回転数を0〜40000min−1の範囲でランダムに変化させながら行い、回転数が変化している過程および回転数を一定に保持した状態のいずれにおいても温度データ、回転数データ、および変位量データを検出する。
次いで、ステップS20において、ステップS10で変位量演算式生成部32aが第1記憶手段33から多変量解析を行うためのプログラムを読み出しつつ検出した因子データ等に基づいて多変量解析を行い工具9の変位量データを目的変数とし因子データを説明変数として演算式を生成する。この演算式は例えば以下の数2の如く示される。なお、生成した変位量演算式はNC制御装置40の第2記憶手段43に記憶させておく。
[数2]
Z=−451.1+8.7752×T1+17.5846×T2
+5.5711×T3−10.8275×T4+0.03801×N
+0.7736×d
次にNC制御装置40による工具9の変位補正方法について図8のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、まずステップS30において、ワークテーブル8上の支持部材8a、工具変位量データ検出器16b、および工具ホルダ13のテストバーを取り外し、続いて、ワークテーブル8にワークWを載置しかつ工具ホルダ13に工具9を取り付ける。そして、オペレータが第2入力手段41から所要の情報を入力してワークWの切削加工を開始するとともに、この切削加工の開始に並行して各検出器により因子データの検出を開始する。
次いで、ステップS40において、変位量演算部42aが上述のステップS20で第2記憶手段43に記憶された数2に示す演算式を読み出すとともに、該数2とステップS30で検出した因子データに基づいて工具9の変位量を演算する。
続いて、ステップS50において、変位補正部42bがステップS40で演算した工具9の変位量に基づいて所要の制御信号を出力してZ軸駆動機構20zの駆動量を制御して工具9のZ軸位置を補正する。この工具9の変位補正は回転数を変化させた過程および回転数を一定に保持した状態のいずれにおいても温度データ、回転数データ、および変位量データを検出しつつ行う。
このように本実施形態にあっては、工具9の変位に影響を与える因子データに、工作機械1における適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸12の回転数データおよび回転軸12の変位量データを含めて工具9の変位補正を行うための演算式を生成することとしたので、回転軸12が回転する際に摩擦熱や回転遠心力により変位が生ずる場合にあっても、精度よく工具9の変位補正を行うことができるとともに、回転軸12の回転数変化時における変位が安定するまでに要する時間も短縮することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の応用実施または変形実施が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施形態では、因子データとして更に回転軸12の回転数データおよび変位量データのいずれも含めることとしているが、工作機械1の適所の温度データとともに、回転軸12の回転数データおよび変位量データのうちいずれか一方のみを含めることとしてよい。この場合においても従来の回転軸12に関する因子データを何ら含まない場合に対して精度よく工具9の変位補正を行うことができる。
また、上述の実施形態では因子データとしての工作機械1の適所の温度データを、クイル6、スペーサ6a、ハウジング10、およびベッド2の各温度データとすることとしているが、図9および数3の如くコラム3の温度(数3のT7)や加工室内の温度(数3のT8)、更にはその他の箇所の温度を含めて演算式を生成して工具9の変位補正を行うこととしてもよい。
[数3]
Z=I+C1×T1+C2×T2+C3×T3+C4×T4+C5×N
+C6×d+C7×T7+C8×T8+…+CnTn
更に、因子データとしての回転軸12の回転数Nは演算式において1乗項のみとしているが数4の如く回転数Nの2乗項を更に含めることとしてもよい。
[数4]
Z=I+C1×T1+C2×T2+C3×T3+C4×T4+C5×N
+C6×d+C7×N
また更に上述した本実施形態にあっては、工具9のZ軸方向の変位補正を行う場合について説明しているが、工具9のX軸方向やY軸方向についても、因子データに、工作機械1の適所の温度データを含めるとともに、更に回転軸12の回転数データおよび回転軸12の変位量データ(より詳しくはX軸方向またはY軸方向の変位量データ)のうち少なくともいずれか一方を含めて所要の演算式を生成しつつ変位補正を行うこととしてもよい。
更にまた、上述した実施形態にあっては、回転軸12の回転数データは回転数データ検出器17による検出データとしているが、NC制御装置30から所要に出力されるスピンドルモータ14の回転数指令値を用いることとしてもよい。
本発明は、工作機械において工具の変位補正を行う場合に役立つ。
本発明の実施形態に係る工作機械の全体構成の概略を示す構成図である。 スピンドルユニットの周辺構造の詳細および各検出器の検出位置等を示す一部断面図を含む側面図である。 回転軸が変位した状態を示す図で、(a)は回転軸が摩擦熱により変位した状態を示す図、(b)は更に回転軸において回転遠心力による変位が複合して生じた状態を示す図である。 因子データに回転軸の回転数データおよび変位量データを含めることにより工具の変位が改善した状態を説明するための図である。 変位量演算式生成装置の構成を示すブロック図である。 NC制御装置の構成を示すブロック図である。 変位量演算式生成装置による工具の変位補正を行うための演算式の生成方法を説明するためのフローチャートである。 NC制御装置による工具の変位補正方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の変形例に係る温度検出位置を示す一部断面図を含む側面図である。 従来のスピンドルユニットの周辺構造の詳細を示す一部断面図を含む側面図である。
符号の説明
W:ワーク
1:工作機械
2:ベッド
3:コラム
4:サドル
5:加工ヘッド
6:クイル
7:スピンドルユニット
8:ワークテーブル
8a:支持部材
9:工具
10:ハウジング
11:ベアリング
12:回転軸
13:工具ホルダ
14:スピンドルモータ
15a:温度検出器(ベッド用)
15b:温度検出器(クイル用)
15c:温度検出器(ハウジング用)
15d:温度検出器(スペーサ用)
15e:温度検出器(コラム用)
15f:温度検出器(加工室用)
16a:回転軸変位量データ検出器
16b:工具変位量データ検出器
17:回転数データ検出器(エンコーダ)
20:各軸の駆動機構
20x:X軸駆動機構
20y:Y軸駆動機構
20z:Z軸駆動機構
30:変位量演算式生成装置
31:第1入力手段
32:第1処理手段
32a:変位量演算式生成部
33:第1記憶手段
40:NC制御装置
41:第2入力手段
42:第2処理手段
42a:変位量演算部
42b:変位補正部
43:第2記憶手段
100:工作機械
101:ハウジング
102:ベアリング
103:回転軸
104:工具

Claims (4)

  1. 回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて前記工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械において、
    前記所定の因子データに、前記回転軸の回転数データおよび前記回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて前記相関関係を示す前記工具の変位補正を行うための演算式を得る変位量演算式生成手段と、
    前記変位量演算式生成手段により得られた演算式に基づいて前記工具の変位量を演算する変位量演算手段と、
    前記変位量演算手段により演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行う変位補正手段と、
    を有することを特徴とする工作機械。
  2. 回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて前記工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械において、
    前記所定の因子データに、前記工作機械の適所の温度データを含めるとともに、更に前記回転軸の回転数データおよび前記回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて、前記工具の変位量データと前記所定の因子データとの相関関係を示す前記工具の変位補正を行うための演算式を多変量解析により得る変位量演算式生成手段と、
    前記変位量演算式生成手段により得られた演算式に基づいて前記工具の変位量を演算する変位量演算手段と、
    前記変位量演算手段により演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行う変位補正手段と、
    を有することを特徴とする工作機械。
  3. 回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて前記工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械における変位補正方法において、
    前記所定の因子データに、前記回転軸の回転数データおよび前記回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めることを特徴とする工作機械における変位補正方法。
  4. 回転軸に取り付けられワークを加工する工具の変位量データと該工具の変位に影響を与える所定の因子データとの相関関係に基づいて前記工具の変位量を求めて該工具の変位補正を行う工作機械における変位補正方法において、
    工作機械の適所の温度データを検出するステップと、
    前記回転軸の回転数データおよび前記回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を検出するステップと、
    前記工具の変位量データを検出するステップと、
    前記所定の因子データに、前記工作機械の適所の温度データを含めるとともに、更に前記回転軸の回転数データおよび前記回転軸の変位量データのうち少なくともいずれか一方を含めて、前記工具の変位量データと前記所定の因子データとの相関関係を多変量解析により演算式として得るステップと、
    前記得られた演算式に基づいて前記工具の変位量を演算するステップと、
    前記演算された工具の変位量に基づいて該工具の変位補正を行うステップと、
    を有することを特徴とする工作機械における変位補正方法。
JP2008155426A 2008-06-13 2008-06-13 工作機械および工作機械における変位補正方法 Active JP4879225B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155426A JP4879225B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 工作機械および工作機械における変位補正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155426A JP4879225B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 工作機械および工作機械における変位補正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009297840A true JP2009297840A (ja) 2009-12-24
JP4879225B2 JP4879225B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=41545271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008155426A Active JP4879225B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 工作機械および工作機械における変位補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4879225B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013255978A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Jtekt Corp 熱変位補正装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08267342A (ja) * 1995-04-03 1996-10-15 Makino Milling Mach Co Ltd 工作機械の制御方法および装置
JP2000061780A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Nagoya Industrial Science Research Inst 工作機械の熱変位量推定方法
JP2005088126A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Matsuura Machinery Corp 回転主軸の変位補正方法
JP2007007752A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Okuma Corp 主軸工具先端の変位補正方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08267342A (ja) * 1995-04-03 1996-10-15 Makino Milling Mach Co Ltd 工作機械の制御方法および装置
JP2000061780A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Nagoya Industrial Science Research Inst 工作機械の熱変位量推定方法
JP2005088126A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Matsuura Machinery Corp 回転主軸の変位補正方法
JP2007007752A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Okuma Corp 主軸工具先端の変位補正方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013255978A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Jtekt Corp 熱変位補正装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4879225B2 (ja) 2012-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3887197B2 (ja) Nc工作機械の補正装置
US7245983B2 (en) Method and apparatus for correcting thermal displacement of machine tool
WO2011052442A1 (ja) 工作機械
JP5698798B2 (ja) 熱変位量補正機能を有する工作機械
JP5418272B2 (ja) 工作機械の熱変位補正方法および熱変位補正装置
JP5936178B2 (ja) 工作機械の加工制御方法
JP2006272539A (ja) 工作機械及び工作機械の変位補正方法
JPWO2013073436A1 (ja) 工作機械の切削力検出装置、切削力検出方法、加工異常検出方法、および加工条件制御システム
JPWO2014167636A1 (ja) 数値制御装置
JP2019152936A (ja) 工作機械の加工シミュレーション装置
JP2010120150A (ja) 工作機械の熱変形補正のための推定方法
JPWO2013073317A1 (ja) 工作機械
WO2012035883A1 (ja) 加工方法
WO2011052441A1 (ja) 工作機械および変位計測器
US20210331261A1 (en) Gear machining apparatus
JP6842146B2 (ja) 工作機械の加工誤差の補正方法
JP4879225B2 (ja) 工作機械および工作機械における変位補正方法
JP2008246620A (ja) 工作機械、熱膨張補正用制御プログラム及び記憶媒体
JP2019096219A (ja) 工作機械の制御装置
JP2020009191A (ja) 工作機械の数値制御装置
JP2006116654A (ja) Nc工作機械の熱変形補正方法及び熱変形補正装置
JP2006272538A (ja) 工作機械及び工作機械の変位補正方法
JP2011093065A (ja) 工作機械
JP2007007752A (ja) 主軸工具先端の変位補正方法
JP5019544B2 (ja) 工作機械における変位補正式の生成装置および工作機械における変位補正式の生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110418

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20110418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20110913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4879225

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250