JP2009297690A - 乳化分散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理流体に混入される混入物として、例えば油性の物質の乳化を良好に行えるのは無論のこと、比較的硬い粒状固形物を混入物とするものであっても、その乳化・分散を安定して行うことができる乳化分散装置を提供する。
【解決手段】乳化処理路15に面するディスクバルブ12の表面に、軸心周りにリング状を成す複数のリング状突起20を備え、シート11の表面に、リング状突起20に補完的に組み合う複数のスリット21を設け、ディスクバルブ12及びシート11の母材がステンレスから構成されるとともに、乳化処理路15に面するディスクバルブ12の表面及びシート11の表面に、熱間等方圧加圧法により形成されるステライトHIP層30を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディスクバルブと、このディスクバルブに対向して設けられるシートとを備え、ディスクバルブとシートとの間に径方向に形成される乳化処理路に、被処理流体を通過させて前記被処理流体を乳化する乳化分散装置に関する。
一般に、乳化分散装置は、被処理流体を一定圧力に昇圧する3連又は5連式プランジャーポンプ機構と、均質ディスク機構を備えて構成されており、プランジャーポンプ機構で加圧された被処理流体を均質ディスク機構に導入し、当該均質ディスク機構において、粒体分子間にせん断・激突等の相乗作用を瞬間的に発生させ、均質的な乳化状態を作り、液分離(浮遊・沈殿)を防ぐ装置である。均質ディスク機構は、ディスクバルブと、当該ディスクバルブに対向して設けられるシートとを備えて構成され、ディスクバルブとシートとの間に径方向に形成される乳化処理路に、被処理流体を通過させて被処理流体を乳化する。
このような乳化分散装置では、乳化処理路に面するディスクバルブとシートとの表面に、被処理流体の衝突による摩耗が発生する。摩耗が発生すると、乳化処理能が低下するとともに、得られる乳化物の品質が影響を受けるため、摩耗の程度が所定範囲内に収まっているうちに、ディスクバルブ及びシートを交換する必要がある。また、摩耗により発生する摩耗粉は機械の故障及び製品に害を与えるため、この摩耗を改善しなければならない。
従来、ディスクバルブとシートの材料としては、乳化分散装置が食品を取り扱う場合もありステンレス鋼(例えばSUS316)や、チタン、ハステロイが使用されていた。又、タングステンカーバイドを使用しているものもあった。
特開平8−141378号公報(〔0012〕段落)
しかしながら、被処理流体に混入される混入物によっては、物体自体が硬く、従来型の材質としていたのでは、変形・破損等で実効的に使用継続できなかったり、十分な耐摩耗性を確保することができない場合も発生する。このような混入物としては、粒状固形物であるココアパウダー等を挙げることができる。一方、耐摩耗性がある材料を選択した場合、その材料を使用して、ディスクバルブ、シートの全てを製造すると、これら部材のコストが異常に高くなる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被処理流体に混入される混入物として、例えば油性物質の乳化を良好に行えるのは無論のこと、比較的硬い粒状固形物を混入物とする場合も、その乳化・分散を安定して行うことができる乳化分散装置を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る、ディスクバルブと、前記ディスクバルブに対向して設けられるシートとを備え、前記ディスクバルブと前記シートとの間に径方向に形成される乳化処理路に、被処理流体を通過させて前記被処理流体を乳化する乳化分散装置の第1特徴構成は、前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面が、軸心周りにリング状を成す複数のリング状突起を備えた多段リング状に構成されるとともに、
前記乳化処理路に面する前記シートの表面が、前記ディスクバルブのリング状突起に補完的に組み合う複数のスリットが設けられた多段リング状に構成され、
前記ディスクバルブ及び前記シートの母材がステンレスから構成されるとともに、前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面及び前記シートの表面に、熱間等方圧加圧法により形成されるステライトHIP層を備えた点にある。
上記第1特徴構成によれば、シートに設けられたスリットとディスクバルブのリング状突起との間に乳化処理路を形成することで、経路を屈曲経路として乳化処理路長をある程度確保しながら径方向の短い距離で乳化処理を行うことができる。図6に、乳化処理路を様々な形状とした場合の、ディスクバルブの寿命(障害を伴わずに実効的な使用が可能な時間)及び摩耗による質量減少を検討した結果を示した。
図6(a)から(e)は、検討の対象とした乳化処理路の形状を模式的に示したものである。
発明者が「フラット」と呼ぶ形状は、(a)に示すように、シートのディスクバルブ側端の内径部位に流路を下流側で絞る傾斜が設けられており、ディスクバルブのシート側面が平坦面とされているものである。
発明者が「シャープ」と呼ぶ形状は、(b)に示すように、シートのディスクバルブ側端の内径部位から外径部位に亘って流路を下流側で絞る傾斜が設けられており、ディスクバルブのシート側面が平坦面とされているものである。
発明者が「多段」と呼ぶ形状は、(c)(d)(e)に示すように、シートのディスクバルブ側端面に、断面三角形状のスリットが設けられており、ディスクバルブのシート側端面に、断面三角形状の突起が設けられているものである。(c)(d)(e)は、それぞれ、段数が1段、2段、3段のものを示している。
図6(f)は、乳化処理路を様々な形状とした場合の、ディスクバルブの寿命及び摩耗による質量減少を検討した結果を示したものである。
ディスクバルブの寿命は各線の終端点の位置で示している。例えば、フラットの場合は1Hrであり、3段の場合は7Hr以上である。
ディスクバルブの質量減少は各線の傾きで示されている。例えば、フラットの場合は摩耗に伴う質量減少は小さい。これに対して、3段の場合は摩耗に伴う質量減少は大きい。
図6に示す結果から、乳化処理路を、多段とすることで、フラット或いはシャープとする場合より、摩耗量を所定量に抑えながら、実効的な使用時間を延ばすことができる。
一方、図5は、ステライトHIP層の有無に伴う質量減少を調べたものである。この例では、乳化処理路を、図6(d)に示す本願実施形態が採用する形状としている。図5の記載形式は、図6(f)の記載形式に従った。同図右上に材料種の差異を示した。同記載において、SUS316は、シート及びディスクバルブの全体がSUS316からなるものを、ステライトは、シート及びディスクバルブの全体がステライトからなるものを示している。
一方、HIPと記載するものは、本願が対象とするものであり、ステンレス母材の必要部位にステライトHIP層を設けて、乳化処理路をステライトHIP層で挟むようにしたものである。
図5に示す結果から判明するように、乳化処理路に面する表面側に熱間等方圧加圧法で形成されたステライトHIP層を設けることで、微細な組織が実現され内部欠陥も除去されているため機械的特性が改善しており、寿命を延ばし、摩耗量を低減することができる。
さらに、母材をステンレスとし、その乳化処理路側に耐摩耗性の高いステライトHIP層を設けることで、母材を摩耗負荷に対する吸収層とすることができ、シート若しくはディスクバルブの全体をHIP材から構成する場合より、耐摩耗性を向上することができる。
このような乳化分散装置のディスクバルブを製造するには、
ステンレスからなるディスクバルブ母材を準備する準備工程と、
前記ディスクバルブ母材の前記リング状突起を形成する面側に、熱間等方圧加圧法により一定厚みのHIP材料層を形成するHIP材料層形成工程と、
前記HIP材料層形成工程で形成された前記HIP材料層に、前記リング状突起を形成する突起形成工程とを経て、前記ディスクバルブを製造することができる。
一方、乳化分散装置のシートを製造する製造するには、
ステンレスからなるシート母材を準備する準備工程と、
前記シート母材の前記スリットを形成する面側に、熱間等方圧加圧法により一定厚みのステライトHIP材料層を形成するHIP材料層形成工程と、
前記HIP材料層形成工程で形成された前記ステライトHIP材料層に、前記スリットを形成するスリット形成工程とを経て、前記シートを製造することができる。
本発明に係る乳化分散装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、ステライトHIP層が、乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面について、複数のリング状突起の底部まで形成され、乳化処理路に面する前記シートの表面について、複数のスリットの底部周辺まで形成されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、乳化処理路に接する全面をステライトHIP層とする構成を簡単に実現でき、ステンレス母材にステライトHIP材料層を接合して、その後、所定の形状に加工する等の方法で、容易に、比較的複雑な形状のシート及びディスクバルブをも製造することができる。
本発明に係る乳化分散装置の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面に、軸心周りにリング状を成す2段のリング状突起を備えるとともに、
前記乳化処理路に面する前記シートの表面に、前記ディスクバルブのリング状突起に補完的に組み合う2段のスリットが設けられ、
前記リング状突起が断面形状が三角の突起であり、前記スリットが断面形状が逆三角形状のスリットである点にある。
上記第3特徴構成によれば、このように2段形状とすることで、図6に示すように、3段とする等、複雑な加工をすることなく、摩耗量を許容できる範囲に抑えることができる。さらに、スリット及び突起を、断面視、三角形状のものとすることで、例えば、単段のもので、断面形状を方形四角状とする場合より、摩耗を少なくできる。発明者らの検討では、この三角形状としては、軸心方向に対象軸を有する三角が好ましい。
結果、複数・最小のリング状突起とスリットとの組み合わせで、乳化を行える。
本発明に係る乳化分散装置の第4特徴構成は、上記第1から第3の何れかの特徴構成に加えて、前記シートが軸方向に伸びる被処理流体導入路を備え、
前記ディスクバルブの軸心を中心軸とし、前記被処理流体導入路側に伸びる円錐状突起が設けられている点にある。
上記第4特徴構成によれば、円錐状突起のシート側面と、シートの内径側部位とで間に狭い流路 を形成し、被処理流体導入路を実質的な乳化処理路として構成することで、有効に乳化処理を実行できる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本願に係る乳化分散装置100の構成を示す概略構成図である。同図に示すように、乳化分散装置100は、被処理流体Lを受け入れる入口101から、乳化分散処理後の被処理流体を送出する出口102に向けて、プランジャーポンプ機構103、第1均質ディスク部104、第2均質ディスク部105を、記載順に備えて構成されている。
プランジャーポンプ機構103は、同図に示す例では、3連式プランジャーポンプ機構とされており、吸入ブロック1から順次、被処理流体Lを吸入圧縮し、高圧状態として第1均質ディスク部104に送りだす。
図2に示すように、第1均質ディスク部104は、シート11、ディスクバルブ12、インパクトリング13を主要な構成部品とする均質ディスク機構10から構成されている。
均質ディスク機構10は、プランジャーポンプ機構103に接続される導入流路形成部材14の先端に装着されるシート11と、このシート11に対向して設けられるディスクバルブ12と、シート11とディスクバルブ12との間に径方向に延びて形成される乳化処理路15の出口側(外径側)に設けられるインパクトリング13を備え、インパクトリング13とディスクバルブ12との間に狭隘路16を形成し、さらにその下流側に吐出流路形成部材17を設けて、径方向に延びる吐出路18としている。この吐出路18は、第2均質ディスク部105への導入路となっている。
図2にも示すように、この均質ディスク機構10に加圧導入される被処理流体Lは、水等の流体内に比較的大粒径の粒子(ココアパウダーだまり等の固体粒子の集合体、油・牛乳等の液体で比較的粒径の大きなもの)が不均一に混合した混合流体である。均質ディスク機構10を通過させることで、この被処理流体Lは、粒径が小径化した粒子が流体内に、処理前の状態よりも均一に分散した状態とされる。第2均質ディスク部105は、第1均質ディスク部104で乳化分散された被処理流体Lを、さらに乳化分散する、もしくは、乳化分散状態を調える機能を果たす。
前記シート11は、前記導入流路形成部材14に嵌込される連結部11aと、導入流路形成部材14の軸方向端面14aに当接されて、シート11が位置決めされるシート本体部11bと、導入流路形成部材14とは反対側の軸方向端面である乳化処理路形成面11cとを備えて構成されている。
前記ディスクバルブ12は、図2に示すように概略円筒状部材として構成されている。このディスクバルブ12は、シート11に対向するシート側の軸方向端面が、乳化処理路形成面12aとされている。そして、このディスクバルブ12は、シート11とは反対側の端面側を位置決め機構19により保持されており、この位置決め機構19を調整することで、シート側の乳化処理路形成面11cとディスクバルブ側の乳化処理路形成面12aとの間の隙間(乳化処理路15の幅)を調整可能に構成されている。
前記インパクトリング13は、当該乳化処理路15の出口側(外径側)に配設されている。このインパクトリング13には、乳化処理路15を通過した被処理流体が衝突することで、この点からも、さらに乳化・分散が進む。このインパクトリング13は、軸を、導入流路形成部材14、シート11、ディスクバルブ12と同じくする概略円環状の部材である。吐出流路形成部材17もまた、導入流路形成部材14、シート11、ディスクバルブ12、インパクトリング13と同軸の部材であり、当該インパクトリング13を外径側及び軸方向で位置決め支持する。
前記吐出流路形成部材17には、前記インパクトリング12の軸方向下流側(図2において右側)に、径方向(図2において上側)の吐出口17aが設けられており、この吐出口17aに第2均質ディスク部105が接続される。
以上の構成を採用することで、ディスクバルブ12とシート11間に設けられる乳化処理路15に、被処理流体Lを通過させ被処理流体Lを乳化することができる。
以上が均質ディスク機構10の概略構成であるが、以下、本願の特徴構成に関して説明する。
図2に示すように、乳化処理路15に面するディスクバルブ12の表面(乳化処理路形成面)が、軸心周りにリング状を成す複数のリング状突起20を備えた多段リング状に構成されるとともに、乳化処理路15に面するシート11の表面(乳化処理路形成面)が、前記ディスクバルブ12のリング状突起20に補完的に組み合う複数のスリット21が設けられた多段リング状に構成されている。図示する例では、乳化処理路15に面するディスクバルブ12の表面(乳化処理路形成面)に、軸心周りにリング状を成す2のリング状突起20を備え、乳化処理路15に面するシート11の表面(乳化処理路形成面)に、ディスクバルブ12のリング状突起20に補完的に組み合う2段のスリット21が設けられている。さらに、シート11が軸方向に伸びる被処理流体導入路22には、ディスクバルブ12の軸心を中心軸とし、前記リング状突起21より高さが高く形成され、被処理流体導入路22側に伸びる円錐状突起23(中心突起)が設けられている。この円錐状突起23は、事実上は、図面に示すように断面円錐台状とされている。従って、乳化処理路15は、ディスクバルブ12側に設けられる2重のリング状突起20と、シート11側に設けられる2重のスリット21との間に、径方向で軸方向にジグザグ状となる乳化処理路15が形成されている。
次に、シート11、ディスクバルブ12及びインパクトリング13に関して、その素材を説明する。図3は、後に詳細に説明する本願におけるシート11、ディスクバルブ12の製造工程を示す図である。
この図から判明するように、シート11及びディスクバルブ12の母材はステンレス(具体的にはSUS316)とされている。さらに、乳化処理路15に面するシート11の表面(乳化処理路形成面)、及びディスクバルブ12の表面(乳化処理路形成面)は、熱間等方圧加圧法により形成されるステライトのHIP層とされている。一方、インパクトリング13は、ステンレス(SUS316)を母材として、表面にステライト層を設けたものとされている。
以下、図3に基づいて、シート11及びディスクバルブ12との製造工程に関して説明する。
両部材は、ステンレス母材に対して、その所定部位にステライトHIP材料層30を熱間等方圧加圧法により形成・接合し、このステライトHIP材料層30を、切削及び研削加工により所定形状に形成することで、得ることができる。具体的には、ステライトとして、ステライト#1或いはステライト#6を使用する。
図3は、シート11及びディスクバルブ12の製造工程を示す図面である。
1.準備工程
シート11及びディスクバルブ12の製造に際しては、それぞれの素材を準備し(図3(a))、素材を概略円筒状に、且つ表面粗さをHIP材料層30の接合に適切な表面粗さまで調整する(図3(b))。
2.HIP材料層形成工程
シート11及びディスクバルブ12の素材の乳化処理路形成面側に所定厚みのステライトHIP材料層30を形成する。このステライトHIP材料層30の厚みは、シート11では、スリット21の深さの3〜4倍程度の厚みとし、ディスクバルブ12では、リング状突起20の高さの3〜4倍程度の厚みに加え、円錐状突起23の突出高さを加えた高さとされている。
ステライトHIP材料層30の形成に際しては、素材の所定面にステライト粉体31を配設し、両者を処理容器40内に収納し(図3(c))、容器40内を真空引きした状態で、図4に示すような処理炉300内で加圧状態で熱処理を施す(図3(d))。図4において301はヒータを示しており、炉300内はポンプ等の加圧装置により加圧されることを示している。この加圧状態は、容器40を介して、内部に収納されているステライト粉末31にも及ぶ。このとき、圧力は100MPa以上(具体的には100MPa)とされ、雰囲気温度は1000℃以上(具体的には1150℃)とされる。このようにして、両者11、12の素材の乳化処理路形成面側に所定厚みのHIP材料層30を形成することができる(図3(e))。
3 突起形成工程・スリット形成工程
上記のようにして得られたステライトHIP材料層30に対して、シート11の場合はスリット21を、ディスクバルブ12に関しては、円錐状突起23及びリング状突起20を形成する。形成にあたっては、切削及び研削加工を施す。このようにして、所定形状のシート11及びディスクバルブ12を得ることができる(図3(f))。
本願に関連して、発明者らが行ったディスク摩耗試験結果を、先に説明した図5に基づいて紹介する。この摩耗試験は、ディスクバルブ12に使用されていた従来材料(SUS316とステライト:これらはシート11とディスクバルブ12との全体をそれぞれ従来材料で形成した)と、本願のようなHIP処理品とを、夫々製造し、通常運転条件(単位時間当たりの処理量70リットル/Hr、被処理流体(ベース水に、ココアパウダーを、質量比水:ココア=10:1で混合したもの))で乳化分散処理した。
試験結果を図5に示した。同図の横軸は試験時間を、縦軸はディスクバルブの質量変化を示している。結果、HIP処理品の質量変化が最も小さく、良好な結果を示した。
被処理流体に混入される混入物として、例えば油性の物質の乳化を良好に行えるのは無論のこと、比較的硬い粒状固形物を混入物とするものであっても、その乳化・分散を安定して行うことができる乳化分散装置を提供することができた。
乳化分散装置の概略構成を示す図 均質ディスク機構の構成を示す説明図 ディスクバルブ及びシートの製造工程を示す図 熱間等方圧加圧法の説明図 材料種に従った質量減少状態を示す図 乳化処理路の形状に従った質量減少状態を示す図
符号の説明
10: 均質ディスク機構
11: シート
12: ディスクバルブ
13: インパクトリング
14: 導入流路形成部材
15: 乳化処理路
16: 狭隘路
17: 吐出流路形成部材
18: 吐出路
20: リング状突起
21: スリット
23: 円錐状突起
30: ステライトHIP材料層

Claims (6)

  1. ディスクバルブと、前記ディスクバルブに対向して設けられるシートとを備え、前記ディスクバルブと前記シートとの間に径方向に形成される乳化処理路に、被処理流体を通過させて前記被処理流体を乳化する乳化分散装置であって、
    前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面が、軸心周りにリング状を成す複数のリング状突起を備えた多段リング状に構成されるとともに、
    前記乳化処理路に面する前記シートの表面が、前記ディスクバルブのリング状突起に補完的に組み合う複数のスリットが設けられた多段リング状に構成され、
    前記ディスクバルブ及び前記シートの母材がステンレスから構成されるとともに、前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面及び前記シートの表面に、熱間等方圧加圧法により形成されるステライトHIP層を備えた乳化分散装置。
  2. 前記ステライトHIP層が、前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面について、前記複数のリング状突起の底部まで形成され、前記乳化処理路に面する前記シートの表面について、前記複数のスリットの底部周辺まで形成されている請求項1記載の乳化分散装置。
  3. 前記乳化処理路に面する前記ディスクバルブの表面に、軸心周りにリング状を成す2段のリング状突起を備えるとともに、
    前記乳化処理路に面する前記シートの表面に、前記ディスクバルブのリング状突起に補完的に組み合う2段のスリットが設けられ、
    前記リング状突起が断面形状が三角の突起であり、前記スリットが断面形状が逆三角形状のスリットである請求項1又は2記載の乳化分散装置。
  4. 前記シートが軸方向に伸びる被処理流体導入路を備え、
    前記ディスクバルブの軸心を中心軸とし、前記被処理流体導入路側に伸びる円錐状突起が設けられている請求項1〜3の何れか一項記載の乳化分散装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の乳化分散装置のディスクバルブを製造する製造方法であって、
    ステンレスからなるディスクバルブ母材を準備する準備工程と、
    前記ディスクバルブ母材の前記リング状突起を形成する面側に、熱間等方圧加圧法により一定厚みのステライトHIP材料層を形成するHIP材料層形成工程と、
    前記HIP材料層形成工程で形成された前記ステライトHIP材料層に、前記リング状突起を形成する突起形成工程とを実行して、前記ディスクバルブを製造する製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の乳化分散装置のシートを製造する製造方法であって、
    ステンレスからなるシート母材を準備する準備工程と、
    前記シート母材の前記スリットを形成する面側に、熱間等方圧加圧法により一定厚みのステライトHIP材料層を形成するHIP材料層形成工程と、
    前記HIP材料層形成工程で形成された前記ステライトHIP材料層に、前記スリットを形成するスリット形成工程とを実行して、前記シートを製造する製造方法。
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TWI611832B (zh) * 2017-06-09 2018-01-21 淡江大學 旋轉式乳化裝置結構

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