JP2008284524A - 微粒化装置 - Google Patents

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正雄 中谷
Atsushi Takagi
淳 高木
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泰正 松本
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純枝 樽本
Hidetaka Iwai
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Abstract


【課題】原料液導入時の圧力損失と速度損失を抑え、部材内部に引張り応力による割れが生じないノズル手段を備えた微粒化装置の提供。
【解決手段】高圧流体同士を衝突させるノズル手段が、互いに対面状態で同軸に重ね合わされた円盤状の第1プレートと第2プレートとを備え、第2プレートは中心軸に沿って貫通孔が形成され、第1と第2のプレートのいずれかにこれら両プレート同士の当接状態で前記貫通孔と連通するように当接面上の半径方向に沿って形成された複数の溝部を有し、高圧流体をプレート外周からそれぞれ直径上の2箇所で開口する各溝部へ導入する微粒化装置であって、第1プレートと第2プレートとの間で前記溝部によって形成される衝突用流路の長さを0.1mm以上、1.5mm以下とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧流体同士を衝突させる微粒化装置に関し、詳しくは、衝突部を構成するノズル手段に関するものである。
従来から、様々な分野の製品製造において、原料液の分散、乳化等を含む微粒化処理には、処理対象である原料液を高圧で噴射させ、その噴流同士をノズル手段を介して衝突させることによる衝撃を利用した微粒化装置が用いられている。
このような微粒化装置のなかでも、微粒化に効果的な剪断力を得るために、ノズル手段として狭くて長い流路を備えたものを用い、高圧原料液をその狭くて長い流路内を通過させて衝突させる方式のものがある。この方式では、例えば図2に示すように、軸方向に二つ設けられた貫通孔からなる原料液導入流路21と両導入流路21同士を軸方向と直交する方向で連通する溝22とが設けられた焼結ダイヤ製のディスクプレート20に、溝なしディスクプレート23を前記溝22を塞いで衝突用流路22xを形成するように当接させ、衝突用流路22xを経て衝突した衝突後原料液をその衝突部22yから溝なしディスクプレート23の中心軸に沿って形成された貫通孔(導出流路24)を通じて導出するノズル構成を備えたものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
また、対面配置された溝のないプレート間の間隙を導入流路として外周方向から中心部で衝突させ、一方のプレートの中心軸に沿って形成された導出流路から衝突後原料液を導出するノズル構成を備えたものもある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平9−201522号公報 特開平2−261525号公報 特開2005−144329号公報
しかしながら、上記のようなディスクプレート(20,23)に形成された貫通孔や溝によって原料液の導入流路や衝突用流路、衝突部が構成される場合、ディスクプレート20に貫通孔を形成するために、プレートとして比較的大きな外形のものが必要となるが、焼結ダイヤモンドを用いても、圧縮応力に対しては強いものの引っ張り応力には弱い性質がある。
一方、上記のような導入通路21及び屈曲部では、原料液は直交方向に曲げられてから圧力を流速に変えるために微小断面積の溝22からなる衝突用流路内を進んでから衝突する構成となっているため、圧力損失が生じてしまっている。そこで導入流路21の口径D4を大きくして圧力損失を無くすことが考えられるが、この場合、導入流路21内に係る圧力はディスクプレート20に引っ張り応力を与えるため、口径D4を大きくするとこの引張り応力も大きくなって破断が生じる危険があり、むやみに口径D4を大きくすることはできなかった。
また、溝22からなる衝突用流路22xの長さを小さくすることで抵抗を減少させ、圧力損失を小さくしようとする場合には、導入流路21の口径D4を大きくすることで衝突用流路22xは短くなるが前述のとおり導入流路21が内圧で割れる危険がある。そこで溝なしディスクプレート23の導出流路24の口径D5を大きくすることで衝突用流路22xを短くすることが考えられるが、この場合、衝突用流路22xを出てから衝突位置22yまで、即ち導出流路24の口径の半径である衝突距離22Lが長くなって衝突までに高圧の原料液が減速し、十分な衝突力が得られなくなってしまう。また、衝突用流路22xを途中まで拡げても、その拡げた通路に引っ張り応力が発生し、やはり破断しやすくなってしまう。
さらに、ディスクプレート(20,23)同士の当接は、溝22から原料液が外部に漏れないように接触面同士を強く押し付けてシールする必要があるが、押し付け力は通常ネジの締め付けによって行われているため、確実なシール力を得るために強く締め付けるとプレートは割れ、これを避けるために締め付け力が不充分となると導入流路21に発生する圧力よりプレート接触面の面圧が低くなるため原料液が漏れてしまうことになる。このように、ネジ締め付けの加減は難しく、熟練を要するものであった。
また、互いに対面配置された溝なしプレート同士間の間隙を導入流路とする構成のものでは、原料液の導入までの圧力損失はなく外周全体に圧がかかるのでプレートには引っ張り応力がかからないが、高圧液は狭い隙間面を通るため、その壁面での速度損失が大きいという問題がある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、簡便な構成でありながら、従来よりも原料液の導入における圧力損失および速度損失を抑えつつ十分な衝突力が確保できると共に部材内部に引張り応力による割れが生じることのないノズル手段を備えた微粒化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る微粒化装置では、高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段と、該ノズル手段へ前記高圧流体を導入するための導入流路とを備えた微粒化装置において、前記ノズル手段は、互いに対面状態で同軸に重ね合わされた円盤状の第1プレートと第2プレートとを備え、第2プレートは、中心軸に沿って形成された貫通孔を有し、第1プレートと第2プレートのいずれかに、これら両プレート同士の当接状態で前記貫通孔と連通するように当接面上の半径方向に沿って形成された複数の溝部を有し、前記導入流路に導かれた高圧流体を、プレート外周からそれぞれ半径上で開口する各溝部へ導入するようにしたものであり、前記第1プレートと第2プレートとの間で前記溝部によって形成される衝突用流路の長さが0.1mm以上、1.5mm以下であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る微粒化装置では、請求項1に記載の微粒化装置において、前記溝部の断面積の個数分の合計Aと、前記貫通孔の断面積Aとが、2≦A/A≦50を満たすことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係る微粒化装置では、請求項1又は2に記載の微粒化装置において、前記高硬質材料がダイヤモンドであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係る微粒化装置では、請求項1〜3の何れか1項に記載の微粒化装置において、前記第1プレートと第2プレートに対して、バネによる付勢力と高圧流体が前記導入流路へ導入される際の発生圧とによって押圧するシール手段を備えているものである。
請求項5に記載の発明に係る微粒化装置では、請求項1〜4の何れか1項に記載の微粒化装置において、前記高圧流体がエマルジョンであることを特徴とするものである。
本発明の微粒化装置においては、中心軸に沿って貫通孔が形成された円盤状の第2プレートとこれに当接する円盤状の第1プレートとが互いに対面状態で同軸上に重ね合わされてなる高圧流体衝突用ノズル手段を備えており、第1プレートと第2プレートとのいずれかの当接端面上の半径方向に沿って前記貫通孔に連通するように形成された複数の溝部が他方のプレートで塞がれることによって高圧流体の衝突用流路が形成され、プレートの外周から各溝部へ高圧流体が導入されるものであるため、高圧流体が部材を貫通して形成された曲がる流路を進むことなく導入できるため、圧力損失がなく良好に流速が増大されて充分な衝突力をもって衝突処理を行うことができ、それと共にプレート内部に引っ張り応力を生じるような流路もないためプレート割れが生じないという効果を有し、さらに本発明のノズル手段においては衝突用流路長さを特定の範囲内に設定することによって、高圧流体同士の衝突処理において第1プレートと第2プレートの当接面からの流体の漏れ出しがなく、且つ衝突用流路内での流体と流路内壁面との間の摩擦損失を高めることなく、高い微粒化性能を発揮させることができる。
本発明による微粒化装置においては、高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段として、主に円盤状の第1プレートと第2プレートとを互いに対面させた状態で同軸上に重ね合わせてなるものを備えたものであり、第1プレートと第2プレートのいずれかの当接端面上に半径方向に沿って二つ以上の溝部が形成され、高圧流体の導入流路によって高圧流体がプレートの外周からそれぞれ半径上で開口する各溝部へその開口から導入されるものである。
即ち、本発明の微粒化装置においては、第1プレートまたは第2プレートに形成された溝部が他方のプレートによって上面が塞がれることによって、衝突用流路が形成される。衝突用流路とはノズル手段において高圧流体が流れる最も断面積の狭い流路であり、高圧流体がここを流れる際に圧力エネルギーが速度エネルギーに変換される流路である。この流路出口で流体は高速ジェット流を形成するため、別の衝突流路を出た高速ジェット流と直ちに衝突させることによって微粒化処理が行われる。本発明においては、各溝部の半径上の外周側開口から中心軸方向へ向かって導入された高圧流体同士がこの衝突用流路を進んでプレートの中心軸位置で衝突され、衝突後に第2プレートの中心軸に沿って形成された貫通孔から衝突済み流体として導出されるものである。
従って、本発明のノズル手段においては、高圧流体が部材を貫通して形成された曲がる流路を進むことが無いため、圧力損失をほとんど発生することなく衝突処理を行うことができ、それと共にプレート内部に引っ張り応力を生じるような流路もないためプレートに割れが生じることもない。
さらに、本発明においては、溝部から形成される衝突用流路の長さ等の設計寸法を、特定の条件範囲内に規定することによって、高圧流体の衝突用流路での流体と流路内壁面での摩擦による速度損失を極力低下させて、高速ジェット流の速度をより高めて微粒化性能をより向上させることができる。
この特定の範囲とは、具体的には、高圧流体の操作圧力100〜300MPa、流量0.1〜15L/minの処理条件において、溝部が他方のプレート表面で覆われた領域に形成される実質的な衝突用流路の長さXを0.1mm以上、1.5mm以下、より好ましくは0.3mm以上、1.3mm以下、さらに望ましくは0.5mm以上、1.5mm以下とするものである。本発明のノズル手段においては衝突用流路長さXをこのような範囲内に設定することによって、第1プレートと第2プレートの当接面からの流体の漏れ出しがなく、且つ衝突用流路内での流体と流路内壁面との間の摩擦による速度損失を高めることなく、高い微粒化性能を発揮させることができる。
さらに、衝突用流路を形成する溝部の断面積の個数分合計をA、第2プレートに形成された貫通孔の断面積をAとするとき、2≦A/Aとなるように設定することによって衝突空間が形成される貫通孔内に衝突を妨げない十分な空間が確保されると共に衝突後の流体の貫通孔からの流出をスムーズにでき、またA/A≦50、より好ましくはA/A≦32.7となるように設定することによって衝突用流路端から衝突位置、即ち貫通孔の口径の1/2である高速ジェット流同士の衝突距離が必要以上に長くなることなく、高速ジェット流同士の衝突による流体の乱れ場で発生する流体同士のせん断力を最大限高めることにより、高い微粒化性能が得られる。
なお、溝部の断面形状は特に限定されるものではないが、衝突用流路での流体と流路内壁面との摩擦による速度損失を極力低下させる目的から、矩形や台形、あるいは半円形状とするのが望ましい。
また、本発明のノズル手段は、第1プレートと第2プレートという別体の部材同士により構成されるものであるため、両者を互いに異なる外径のものとすることができる。従って、溝部が形成された一方のプレートに対して他方のプレートを外径の小さいものとするだけで、衝突距離を大きくして過大な引っ張り応力をかけることなく小さいままで、溝部の上面が覆われて形成される衝突用流路を短くして容易に上記範囲内に設定することができる。また、この衝突用流路は、小さくする方の他方プレートの外径を適宜変更することによって任意の長さに調節できる。
また、上記のように一方のプレートより他方のプレートの外径を小さいものとした場合、一方のプレートには高圧流体導入時にプレート外周全体と前記露呈面に対して流体圧がかかり、その後面には反力が生じるためプレートにはほぼ外面全体から圧縮方向の力が作用し引張り応力が生じない。さらに第2プレートに対して第1プレートを押圧するシール手段として、高圧流体を導入流路へ導入する際の発生圧を利用することによって、これにバネによる付勢力を加えるという簡便な構成で、従来のネジ止めのような締め加減が困難で熟練を要するような強固な手段を必要とせずに、充分に第1と第2のプレート当接面における原料漏れを防止することができる。
また、衝突用流路及び導出流路内では急激な圧力降下によりキャビテーションを発生する場合があり、従来のプレート同士を強固にネジ止め固定していたノズル手段ではキャビテーションによる圧力変動に伴う振動の影響を受けたネジの緩みやネジ自身の振動によるネジ穴部分での損傷が発生する恐れがあったが、上記の如くバネを利用した本発明においては振動による悪影響を受けるネジの存在がなく、ネジ緩みによるプレート同士の当接位置ずれやネジ穴部での損傷の心配はない。むしろ、バネのみによる押圧固定状態であってもそのバネによる振動の吸収緩和作用により、ノズル手段のハウジング側の導出流路との軸ズレ防止効果が期待できる。
なお、本発明におけるノズル手段を構成する第1および第2プレートは、従来のものと同様の材質で形成してもよいが、人工単結晶ダイヤモンドや焼結ダイヤモンドなど、加工可能なものでより強度の高いものが望まれる。
以上、本発明について詳述したノズル手段は特に処理原料を特定することなく微粒化に用いることができるが、流体と流路内壁面との摩擦による損失を極力抑えつつ、高速な流体同士を近距離で衝突させることができるため、流体内で乱流による強力な液体同士のせん断力を発生することができる。このため、連続相と分散相とが共に液体である分散系すなわちエマルジョンの微粒化に特に優れた性能を発揮する。
本発明の実施例による微粒化装置として、第2プレートに貫通孔と断面半円形状の溝部とを備えてなる場合を図1に示す。図1(a)は本微粒化装置の概略構成を示す側断面図であり、(b)はノズル手段の部分拡大図であり、(c)は(b)のA−A矢視図である。
本実施例の微粒化装置1は、略カップ状のハウジング2にプラグ部材6を嵌合して内部に形成されるチャンバ9内に、プラグ部材6側の押さえ部材7とハウジング2側からバネ5により付勢されるノズル押さえ3との間でノズル手段10が保持されるものである。
ノズル手段10は、押さえ部材7側に配置される円盤状の第2プレート12と、該第2プレート12に対してノズル押さえ3に対して押圧される円盤状の第1プレート11とから構成されており、これら第1と第2のプレート(11,12)との間に高圧流体の衝突部が形成されるものである。従って、ノズル手段10へ高圧流体を導入するための導入流路15は、ノズル押さえ3とプラグ側の押さえ部材7との間のノズル手段10の外側空間で形成されている。
従って、衝突処理対象原料である高圧流体は、ハウジング2の端部からチャンバ9およびノズル押さえ3に形成された供給流路4を経て導入流路15へ供給され、該導入流路15よりノズル手段10へその外周方向からノズル手段10内部の衝突部へ導入される。
本実施例においては、第2プレート12には、その中心軸に沿って貫通孔13が形成されており、押さえ部材7およびプラグ部材6に配設されている衝突済み流体の導出流路8に連通されている。また第2プレート12は、第1プレート11と当接する側の端面上にその半径方向に沿って貫通孔13と連通するよう互いに等角度間隔で2つの溝部14が形成されている。
従って、この2つの溝部14は同一直径上にならび、第1プレート11に覆われて高圧流体を衝突させるための衝突用流路14xとなる。このとき、溝部14は第1プレート11の外周端縁部で前記直径上の両端側(各半径上の外周端側)でそれぞれ開口し、衝突用流路14xの導入口となる。よって導入流路15よりプレート外周方向から導入される原料である高圧流体は、溝部14の直径方向両側の2箇所の開口部からそれぞれ対向方向に導入され、衝突用流路14xを経て進み、溝部14の中心位置、即ち第2プレート12および貫通孔13の中心軸位置14yへ向かい該衝突位置14yで互いに衝突する。
以上のような構成のノズル手段10を備えた微粒化装置1では、高圧流体がプレート部材内で曲がる流路を進むことなく衝突用流路14xへ導入できるため、圧力損失をほとんど発生することなく衝突処理を行うことができ、それと共にプレート内部に引っ張り応力を生じるような貫通流路もないため第2プレート12に割れが生じることもない。
さらに、本実施例においては、第1プレート11の外径D1を第2プレート12の外径D2より小さいものとした。これによって第2プレート12と第1プレート11との当接により溝部14の上面が覆われて形成される衝突用流路14xは、衝突距離14L(衝突用流路14x端から衝突位置14yまでの導出流路口径D3の半径に相当)を大きくして過大な引っ張り応力をかけることなく小さいままで、簡単に短くすることができ、衝突力の向上が図れる。このように本実施例のノズル手段10は、第1プレート11と第2プレート12という別体の部材同士により構成されるものであるため、両者を互いに異なる外径のものとすることができ、衝突用流路14xを、第1プレート11の外径を適宜変更することによって任意の長さに調節できる。
また、このように第1プレート11の外径D1を第2プレート12の外径D2より小さいものとすることによって、第2プレート12の溝部14は第1プレート11との当接面の外周面領域において露呈された状態となり、高圧流体導入の際には、第2プレート12の外周および前記露呈部に圧力がかかり、プレート12の後面で反力が発生する。このため、第2プレート12にはほぼ外周面全体から圧縮方向への力が作用することとなり、さらに引張り応力がかからなくなる。
また本実施例においては、第2プレート12に対して第1プレート11を押圧するシール手段として、ノズル押さえ3において高圧流体供給流路4からの高圧流体導入の際に発生する圧力を利用している。即ち、第1プレート11には非高圧流体導入時においてノズル押さえ3のバネ5による付勢力のみが作用しているのに対して、高圧流体導入時には上記の発生力がさらに作用する。従って、本実施例においては、微粒化処理工程時に生じる高圧流体導入による発生力を利用することによって、ノズル押さえ3にバネ5を設けるという簡便な構成で、従来のネジ止めのような締め加減が困難で熟練を要するような強固な手段を必要とすることなく、第1プレート11と第2のプレート12との当接面における原料漏れを充分に防止することができる。
このような本実施例における微粒化装置1においてエマルジョンの高圧流体衝突実験を行ったところ、第1プレート11が第2プレート12と同一外径のものの場合であっても、図2の従来タイプのノズル手段を用いた場合では割れが生じてしまうような処理時間を経ても、より高い微粒化性能が問題なく維持され、また従来の溝無しディスクプレート対面配置によるノズル手段を用いた場合よりも速度損失がない分、良好な微粒化が行われる。
さらに、第1プレート11の外径D1を例えば第2プレート12の外径D2の1/2まで小さくしていった場合、両プレートが同一外径の場合よりも微粒化できる。
なお上記実施例においては、第2プレートに溝部を設け、第1プレートの外径D1を第2プレートの外径D2より小さいものとすることによって衝突用流路長さXを実質的に短くした構成としたが、溝部を第1プレートに形成し、第2プレートの外径D2を第1プレートの外径D1より小さくした構成としても、同様に衝突用流路長さXを短くして衝突効果を向上させることができる。
本発明のより具体的な実施態様として、第1プレートの外径D1と第2プレートの外径D2とを変更して互いに衝突用流路長さXが異なるノズル手段をそれぞれ組み込んで図1に示すように構成した微粒化装置においてエマルジョン高圧流体の繰り返し衝突処理テストを行い、衝突用流路長さXおよび微粒化性能への影響を検討した結果を以下に示す。
本テストでは、プレート半径上に形成される溝部(衝突用流路)個数n=2として、第2プレートの外径D2を6mm、貫通孔口径D3を1mmの共通寸法としたのに対して第1プレートの外径D1を2mm,3mm,4mm,6mmと各種寸法のものを組み合わせた場合(ノズルNo1〜8:表1)と、第1プレートの外径D1を4mmの共通寸法としたのに対して第2プレートの外径D2と貫通孔口径D3とを各種寸法のものを組み合わせた場合(ノズルNo11〜20:表2)とについて検討した。
本実施例における衝突処理テストの具体的工程は以下の通りである。即ち、流動パラフィン250g、セチルトリメチルアンモニウムクロリド20g、精製水730gを混合し、80℃に加熱混合し、ホモジナイザーで撹拌して得た粗乳化液1000gを原料として用いた。即ち、この粗乳化液を収容した原料タンクから高圧ポンプを介して操作圧力150MPa又は250MPaで微粒化装置へ送り、微粒化装置の導出流路から排出される衝突済み処理液を背圧調整バルブ(背圧0〜15MPa)を介して冷却機(冷却水入口温度15℃)へ送り、冷却後に再び原料タンクへ回収し、次の衝突処理工程を繰り返す。
本テストでは、衝突処理を5回繰り返し、回収した液体を室温まで冷却して水中油型乳化組成物を得た。該組成物を水で5倍に稀釈して、粒径測定試料とし、微粒化性能を評価した。微粒化性能は外観透明性により評価できるため、本テストにおける評価方法としては、各試料を透過率測定セルに2mL入れ、紫外線可視吸光光度計(UV−160,株式会社島津製作所製)にて波長550nmの光の透過率を測定し、純水の透過率を100%とした時の比透過率(%)で示した。比透過率の値が大きいほど乳化組成物の透明性が高く、油滴がより微細に分散されていることを示す。結果は、以下の表1,表2に示した。
Figure 2008284524
Figure 2008284524
表1及び表2の結果からわかるように、第1プレートと第2プレートのいずれに溝部を設けても、衝突用流路長さXおよび衝突用流路総面積Aと貫通孔面積Aとの比A/Aが同じであれば、微粒化性能に差はなく、また両者とも衝突用流路長さXが短いほど微粒化性能が高い。具体的には、本実施例の衝突処理テストにおいてノズルNo4に対するノズルNo1〜3とNo8に対するノズルNo5〜7の結果及びノズルNo14とNo15に対するノズルNo11〜13、さらにノズルNo19とNo20に対するノズルNo16〜18の結果から、高圧流体の操作圧力150〜250MPaにおいて、ノズル手段の設計条件を、2≦A/A≦32.7としたとき、衝突用流路の長さXを0.5mm以上、1.5mm以下とすることによって、本微粒化装置による高圧流体衝突処理における高い微粒化性能が発揮される。
上記実施例では、ノズル手段として、衝突用流路を構成するための溝部14を第2プレート12の半径方向に沿って二つ設けた場合を示したが、本発明においては、これに限定するものではない。例えば、図3、図4に示すように、第2プレート12の半径方向に沿って3本以上という多数の溝部14を設けた構成とすることによって微粒化処理の効率化を図ることができる。このように多くの溝部を設ける場合、放射状に、さらには互いに等角度間隔で形成すればより効率的で均一な衝突状態が得られる。
また、あらかじめそれぞれ異なる溝部本数のものを複数用意しておき、実際の原料液に応じて望ましい衝突処理効率が得られるものを適宜選択して用いてもよい。さらに、図5、図6に示すように、第2プレート32は貫通孔33のみを形成し、第1プレート31の方に適した本数の溝部34を設けたノズル手段としてもよく、第2プレート12に設けた場合と効果は変わりない。
なお、溝部の断面形状は、上記実施例に示す半円形に限るものではなく、半楕円形、角形状など、種々のものが使用可能であるが、原料液が抵抗無くよりスムーズに流通できる形状のものが望ましい。
本発明の一実施例による微粒化装置の概略構成図であり、(a)は本微粒化装置の概略構成を示す側断面図であり、(b)はノズル手段の部分拡大図であり、(c)は(b)のA−A矢視図である。 従来の微粒化装置のノズル手段の一例を示す概略構成図である。 本発明の他のノズル手段の構成を示す概略斜視図である。 本発明の他のノズル手段の構成を示す概略斜視図である。 本発明の他のノズル手段の構成を示す概略斜視図である。 本発明の他のノズル手段の構成を示す概略斜視図である。
符号の説明
1:微粒化装置
2:ハウジング
3:ノズル押さえ
4:高圧流体供給流路
5:バネ
6:プラグ部材
7:押さえ部材
8:導出流路
9:チャンバ
10:ノズル手段
11,31:第1プレート
12,32:第2プレート
13,33:貫通孔
14,34:溝部
14x:衝突用流路
14y:衝突位置
14L:衝突距離
15:高圧流体導入流路
20:ディスクプレート
21:導入流路
22:溝
22x:衝突用流路
22y:衝突位置
22L:衝突距離
23:溝なしディスクプレート
24:導出流路

Claims (5)

  1. 高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段と、該ノズル手段へ前記高圧流体を導入するための導入流路とを備えた微粒化装置において、
    前記ノズル手段は、高硬質材料からなる互いに対面状態で同軸に重ね合わされた円盤状の第1プレートと第2プレートとを備え、
    第2プレートは、中心軸に沿って形成された貫通孔を有し、
    第1プレートと第2プレートのいずれかに、これら両プレート同士の当接状態で前記貫通孔と連通するように当接面上の半径方向に沿って形成された複数の溝部を有し、
    前記導入流路に導かれた高圧流体を、プレート外周からそれぞれ半径上で開口する各溝部へ導入するようにしたものであり、
    前記第1プレートと第2プレートとの間で前記溝部によって形成される衝突用流路の長さが0.1mm以上、1.5mm以下であることを特徴とする微粒化装置。
  2. 前記溝部の断面積の個数分の合計Aと、前記貫通孔の断面積Aとが、2≦A/A≦50を満たすことを特徴とする請求項1に記載の微粒化装置。
  3. 前記高硬質材料がダイヤモンドであることを特徴とする請求項1又2に記載の微粒化装置。
  4. 前記第1プレートと第2プレートに対して、バネによる付勢力と高圧流体が前記導入流路へ導入される際の発生圧とによって押圧するシール手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の微粒化装置。
  5. 前記高圧流体がエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の微粒化装置。
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