JP2009297061A - ボタン供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別することのできるボタン供給装置を提供する。
【解決手段】ボタン保持台14に、ボタン保持ピン17が立設された複数の可動体44を可動体移動用アクチュエータ46の駆動力をもってピン間隔Gが拡縮するように移動させる可動体用移動手段71と、ボタン保持ピン17の移動量Mを検出する移動量検出手段81とを設け、制御手段41により、糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17が移動限界までピン間隔Gが拡縮するように可動体用移動手段71を動作させるとともに、ボタン保持ピン17が移動限界に到達したときのボタン保持ピン17の移動量Mを移動量検出手段81により検出し、移動量Mを予め記憶部92に記憶された閾値αと比較することによりボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別するように形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ボタン付けミシンに好適なボタン供給装置に関する。
従来から、工業用ミシンの1種として、縫製対象物としての布地にボタンを縫い付けることのできるボタン付けミシンが知られている。このようなボタン付けミシンには、縫製効率の向上などの理由により、ボタンを自動的に供給するボタン供給装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、ボタン供給装置としては、糸通し孔のピッチの異なる複数種のボタンに対応させるために、段取り作業時においてボタン保持台に設けられたボタン保持ピンの間隔を調節することができるものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−90187号公報(第1−3図) 特開2006−314438号公報
しかしながら、従来のボタン供給装置においては、段取り作業時においてボタン保持ピンの間隔を調節する機能を備えたものはあるものの、糸通し孔の位置精度の良否を判別する機能がないことに起因して不具合が発生する危険性が高いという問題点があった。
すなわち、布地に縫い付けられるボタンは、その糸通し孔のサイズや位置などの精度がメーカーや工場などにより異なっているのが実状である。すなわち、糸通し孔の位置精度のバラツキが大きいものである。
ここで、ボタン供給装置においては、ボタンを保持するためのボタンの糸通し孔に挿入されるボタン保持ピンのサイズが糸通し孔のサイズより小さく形成されているので、糸通し孔の位置精度が非常に悪いボタンでない場合は、ボタン保持ピンにボタンがセットされて布地に縫着されることになる。
この時、糸通し孔の位置精度の悪いボタンを布地に縫い付けると、縫い針や糸が糸通し孔と干渉して、針折れや糸切れなどの不具合が発生する危険性が高くなる。
また、ボタン付け作業は、連続高速で行う作業であるので、従来のボタン付けミシンにおいては、糸通し孔の位置精度の悪いボタンを縫い付けたり、針折れや糸切れが発生すると、オペレータによる復帰のための針交換や糸通しなどの復帰作業が必要となり生産性が低下する。
なお、ボタン保持ピンのサイズが糸通し孔のサイズより小さく形成されているのは、ボタン保持ピンのサイズを糸通し孔のサイズとぴったりにすると、当然ながらボタン保持ピンにボタンをセットするときにセットしずらい(ボタン保持ピンに糸通し孔を挿入しずらい)、または、セットすることができない(ボタン保持ピンに糸通し孔を挿入できない)からである。
そこで、ボタンの糸通し孔の位置精度の良否、ひいてはボタンの異常の有無を判別することのできるボタン供給装置が求められている。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別することのできるボタン供給装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、上面にボタンが載置されるとともに、上面にボタンの複数の糸通し孔に挿入される複数のボタン保持ピンが立設され、前記ボタン保持ピンを介してボタンを保持するボタン保持台と、保持台移動用アクチュエータの駆動力をもって前記ボタン保持台を、前記ボタン保持台にボタンが保持される際の前記ボタンセット位置と、ボタン付けミシンのボタン把持装置がボタンを把持するボタン供給位置との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させる保持台用移動手段と、各部の動作の制御を司るための記憶部および演算部を具備する制御手段とを有しており、前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台にボタンが保持された後、前記保持台移動用アクチュエータを駆動させることにより前記ボタン保持台を前記ボタン供給位置まで移動させるように形成されているボタン供給装置において、前記ボタン保持台は、上面に少なくとも1つの前記ボタン保持ピンが立設された複数の可動体と、可動体移動用アクチュエータの駆動力をもって前記複数の可動体を、前記複数の可動体のうちの隣位の2つの可動体に立設された前記ボタン保持ピンの相互間のピン間隔が拡縮するように移動させる可動体用移動手段と、前記ピン間隔が拡縮したときの前記ボタン保持ピンの移動量を検出する移動量検出手段とを有しており、前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台に保持されたボタンが前記ボタン供給位置で前記ボタン把持装置により把持されるまでの間に、前記糸通し孔に挿入された前記ボタン保持ピンが前記糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで前記ピン間隔が拡縮するように前記可動体用移動手段を動作させるとともに、前記ボタン保持ピンが前記移動限界に到達したときの前記ボタン保持ピンの移動量を前記移動量検出手段により検出し、この検出した移動量を予め記憶部に記憶された閾値と比較することにより前記ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、可動体用アクチュエータの駆動力をもって可動体用移動手段を駆動させることにより、隣位の2つの可動体に立設されたボタン保持ピンの相互間のピン間隔を拡縮させることができる。そして、糸通し孔に挿入されたボタン保持ピンが糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで複数の可動体を拡縮させ、このときの可動体の移動量を移動量検出手段により検出することができる。さらに、移動量検出手段により検出された移動量を予め設定された閾値と比較することでボタンの糸通し孔の位置精度の良否、ひいてはボタンの異常の有無を容易かつ確実に判別することができる。
また、請求項2に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、上面に2つの糸通し孔を具備するボタンが載置されるとともに、上面にボタンの糸通し孔に挿入される2つのボタン保持ピンが立設され、前記ボタン保持ピンを介してボタンを保持するボタン保持台と、保持台移動用アクチュエータの駆動力をもって前記ボタン保持台を、前記ボタン保持台にボタンが保持される際の前記ボタンセット位置と、ボタン付けミシンのボタン把持装置がボタンを把持するボタン供給位置との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させる保持台用移動手段と、各部の動作の制御を司るための記憶部および演算部を具備する制御手段とを有しており、前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台にボタンが保持された後、前記保持台移動用アクチュエータを駆動させることにより前記ボタン保持台を前記ボタン供給位置まで移動させるように形成されているボタン供給装置において、前記ボタン保持台は、上面に少なくとも1つの前記ボタン保持ピンが立設された2つの可動体と、可動体移動用アクチュエータの駆動力をもって前記2つの可動体を、それぞれ可動体に立設された前記ボタン保持ピンの相互間のピン間隔が拡縮するように移動させる可動体用移動手段と、前記可動体が移動したときの移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを検出する移動位置検出手段とを有しており、前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台に保持されたボタンが前記ボタン供給位置で前記ボタン把持装置により把持されるまでの間に、前記糸通し孔に挿入された前記ボタン保持ピンが前記糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで前記ピン間隔が拡縮するように前記可動体用移動手段を動作させるとともに、前記ボタン保持ピンが前記移動限界に到達したときの移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを前記移動位置検出手段からの検出信号に基づいて判別することにより、前記ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、可動体用アクチュエータの駆動力をもって可動体用移動手段を駆動させることにより、2つの可動体に立設されたボタン保持ピンの相互間のピン間隔を拡縮させることができる。そして、糸通し孔に挿入されたボタン保持ピンが糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで2つの可動体を拡縮させ、このときの可動体の移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを移動位置検出手段からの検出信号に基づいて判別することにより、ボタンの糸通し孔の位置精度の良否、ひいてはボタンの異常の有無を容易かつ確実に判別することができる。
また、請求項3に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、請求項1または請求項2において、前記可動体用移動手段は、前記複数の可動体のそれぞれを同期させて一括動作する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ボタン保持ピンのピン間隔を拡縮させる際の動作を円滑かつ短時間で行うことができる。
また、請求項4に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記制御手段が、前記ボタンの糸通し孔の位置精度を悪いと判別した場合、ボタンが異常であることを報知する報知手段が設けられている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ボタンの異常をオペレータに容易に認識させることができる。
また、請求項5に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、請求項4において、前記報知手段が、前記ボタン把持装置がボタンを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、糸通し孔の位置精度の悪いボタンが布地に縫い付けられるのを確実に防止することができる。
また、請求項6に記載の本発明のボタン供給装置の特徴は、請求項4において、前記ボタン保持台に保持されたボタンを、前記ボタン保持台から強制的に排除するためのボタン排除手段が配設されており、前記報知手段が、前記ボタン排出手段を駆動して前記ボタン保持台に保持されたボタンを排除する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、糸通し孔の位置精度の悪いボタンが布地に縫い付けられるのをより確実に防止することができる。
本発明に係るボタン供給装置によれば、ボタンの糸通し孔の位置精度の良否の判別、ひいてはボタンの異常の有無を容易かつ確実に判別することができるなどの優れた効果を奏する。
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
なお、説明の便宜上、本実施形態のボタン供給装置を備えたボタン付けミシンについて図1から図3により先に説明する。
図1から図3は本発明に係るボタン供給装置の実施形態を備えたボタン付けミシンを示すものであり、図1は要部の外観斜視図、図2は要部の平面図、図3はボタン供給装置近傍の正面図である。
本実施形態のボタン付けミシンは、従来公知のボタンを自動的に供給して、ボタンを縫製対象物としての布地に縫い付け、その後、縫い目に連なる糸を切断することのできる基本構成を備えているものである。
図1に示すように、本実施形態のボタン付けミシン1は、ミシン本体2、ボタン供給装置3、ボタン搬送装置4、および、ミシンテーブル5を有している。
ここで、ボタン付け用ミシン1は、図1下方に示す下側が、オペレータが縫製動作を実行する際に、各種の操作および作業を行うために対峙する操作側となる前側FSとされており、図1上側が前側FSに対して反対側に位置する後側BSとされている。また、図1の右方を右側RS、図1の左方を左側LSとして以下に説明する。
本実施形態のボタン付けミシン1は、ミシン本体2、ボタン供給装置3、ボタン搬送装置4のそれぞれが上面がほぼ平坦に形成されたミシンテーブル5の上面において左側LSから右側RSに向かってこの順に配置されている。
前記ミシン本体2は、ボタンBを図示しない縫製対象物としての布地に縫い付けるためのものであり、少なくとも単環縫いを実行することのできる電子式サイクルミシンなどが用いられている。このミシン本体2は、ミシンテーブル5の上面の所定の位置に取着されるベッド部7と、ベッド部7の上方にベッド部7と平行に延在するアーム部8と、ベッド部7とアーム部8とを後側BSで接続する連結縦胴部9とを有する全体としてコ字状をなす一般的なフレーム構造を有している。そして、アーム部8の自由端側である前側FSのベッド部3と対向する下面の所望の位置には、縫い針Nがその長手方向を上下方向に向けて配設されている。この縫い針Nは、図示しない針棒の下端部にその基端部が取着されており、先端がベッド部3に向かって配置されている。また、針棒は、アーム部8の内部に回転自在に配設され、ミシンモータによって回転駆動されるミシン主軸(上軸)の回転に連動する針棒駆動機構(共に図示せず)によって上下方向に所定のストロークをもって往復動可能にされている。
前記ミシン本体2には、ボタン把持装置11が配設されている。このボタン把持装置11は、相互に対向するように配置された左右1対のボタンクランプアーム12を備えている。そして、1対のボタンクランプアーム12は、図示しない駆動機構により開閉自在かつ上下方向に沿って昇降自在に形成されている。
前記1対のボタンクランプアーム12は、少なくともベッド部7の上方に設けられたボタン供給位置P2にボタンBが供給されるときにはベッド部7の上方で1対のボタンクランプアーム12が開いた開状態(図1)に保持されており、ベッド部7の上方に設けられたボタン供給位置P2にボタンBが供給されると、1対のボタンクランプアーム12が閉動作することにより、ボタンBの周縁を径方向外側から挟持してボタンBをベッド部7の上方で水平に保持することができるように構成されている。
すなわち、1対のボタンクランプアーム12は、ボタン供給位置P2においてボタンBを保持・開放することができるように形成されている。
なお、本実施形態の1対のボタンクランプアーム12は、縫製時においてボタンBを保持した状態で下降され、ベッド部7に載置された布地を上方から押さえる布押えとしての機能を兼ね備えている。
前記ミシン本体2には、布地を送るための送り装置およびボタン縫着後に送り装置によりボタンBが縫い付けられた布地を移動させて最適な糸残り長さになるように縫い目に連なる糸を切断するための糸切り装置(共に図示せず)なども備えられている。
前記ミシン本体2およびボタン把持装置11のその他の構成については、従来公知のものと同一の構成とされているので、その詳しい説明については省略する。
なお、ミシン本体2としては、従来公知のボタン付けミシン1に用いられている各種のものから選択使用することができる。
前記ボタン供給装置3は、図2に示すボタンセット位置P1においてセットされたボタンBを、ボタン供給位置P2まで移送することにより、ボタンBをボタン把持装置11に供給するためのものであり、本実施形態においては、図1に示すように、ミシン本体2の側方、詳しくは、ミシン本体2の右側RSに隣位するように配置されている。このボタン供給装置3は、ボタン保持台14(図3)と、このボタン保持台14が上面に取り付けられ、保持台移動用アクチュエータとしての移動用モータ15の駆動力をもってボタン保持台14を、ボタン保持台14にボタンBが保持される際のボタンセット位置P1と、ボタン付けミシン1のボタン把持装置11がボタンBを把持するボタン供給位置P2との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させる保持台用移動手段としてのボタンキャリア16とを有している。そして、ボタン保持台14には、ボタンBの糸通し孔Ba(図2)に挿入される複数のボタン保持ピン17(図3)が相互に平行に延在するようにして立設されている。なお、ボタン供給装置3の構成については、後に詳しく説明する。
ここで、ボタンセット位置P2とは、つぎの縫製に備えてボタンBを予めボタン保持台14にセットするための位置であり、縫製中にボタンBを把持するボタン把持装置11から離れた位置に設定されている。また、ボタン供給位置P2とは、ボタンBを布地に縫い付けるために、ボタン把持装置11の1対のボタンクランプアーム12によりボタンBを把持する位置であり、ベッド部7の上方で、かつ、縫い針Nの針下に設定されている。
前記ボタン搬送装置4は、多数のボタンBを1つずつボタンセット位置P2に整列搬送するためのものであり、図2に示すように、ミシン本体2から最も離れた図2の右側RSにボタン供給部21が配設されている。このボタン供給部21としては、振動式自動部品整列供給装置としての振動式パーツフィーダーが用いられている。そして、ボタン供給部21のミシン本体側には、ボタンBの送出口22が設けられている。そして、ボタン供給部21の左側LSには、パルスモータなどからなる第1回転板駆動モータ23の駆動力によって90度毎に間欠回転運動を行う円板状の第1回転板24が配設されており、この第1回転板24の下方には、固定配置された第1支持板25が配設されている。そして、第1回転板24の外周部には、4つの切欠部24aが形成されている。これら4つの切欠部24aは、第1回転板24の中心位置から等距離位置に隣位する2つの切欠部24aの中心間距離が等しくなるように等角度配置されている。そして、送出口22から送出されて落下するボタンBを、第1回転板24に形成された切欠部24a内に1個ずつ嵌入してその下面を第1支持板25によって支持するとともに、第1回転板24の回転によって、切欠部24a内に嵌入したボタンBを第1水平弧状経路26に沿って移動できるように構成されている。
なお、切欠部24aの代わりに、厚さ方向に貫通するボタン挿入孔を用いてもよい。
前記第1支持板25のミシン本体側の位置には、第1水平弧状経路26上を移動するボタンBを下方に排出する第1排出口25aが設けられており、第1支持板25上を第1水平弧状経路26に沿って移動するボタンBは、第1水平弧状経路26の途中、詳しくはボタンBが送出口22から180度回転したミシン本体側に移動した時点で、第1支持板25の第1排出口25aから下方へ落下するように構成されている。
前記第1支持板25の左側LSには、第1回転板駆動モータ23の駆動力が図示しない歯車列あるいはベルトなどにより伝達されて第1回転板24に連動して回転運動を行う円板状の第2回転板27が配設されており、この第2回転板27の下方には、図3に示すように、固定配置された第2支持板28が配設されている。そして、第2回転板27の外周部近傍には、図2に示すように、第2回転板27の中心位置から等距離位置に隣位する2つのボタン挿入孔27aの中心間距離が等しくなるように等角度配置された複数、本実施形態においては8つのボタン挿入孔27aが形成されている。そして、第1排出口25aから落下するボタンBを、第1回転板24に連動して45度毎に間欠回転運動する第2回転板27に形成されたボタン挿入孔27a内に1個ずつ嵌入してその下面を第2支持板28によって支持するとともに、第2回転板27の回転によって、ボタン挿入孔27a内に嵌入したボタンBを第2水平弧状経路29に沿って移動できるように構成されている。
前記第2支持板28のミシン本体側の位置には、第2水平弧状経路29上を移動するボタンBを下方に排出する第2排出口28aが設けられており、第2支持板28上を第2水平弧状経路29に沿って移動するボタンBは、第2水平弧状経路29の途中、詳しくはボタンBが第1排出口25aから180度回転したミシン本体側に移動した時点で、第2支持板28の第2排出口28aから下方へ落下するように構成されている。この第2排出口28aの配設位置は、ボタン供給装置3によるボタンセット位置P1とされている。なお、第2回転板27は、第1回転板駆動モータ23とは個別に配設された第1回転板駆動モータ23と同様の駆動モータによって回転を制御してもよい。
前記第2排出口28aの下方には、図3に示すように、第2排出口28aから落下するように排出されるボタンBが載置される開閉可能な1対のシャッタ板31が配設されており、このシャッタ板31の上方(第2支持板28より下方)には、中心に対して拡縮可能な3つ爪などからなる調心機構32が配設されている。また、調心機構32の中心の上方(第2回転板27の第2排出口28aの上方)には、ワークアタッチメントとしてのスリモミロッド33が配設されている。このスリモミロッド33は、その軸線方向を上下方向に向けて配置されているとともに、図1に示す回転用モータ34および昇降用エアシリンダ35の駆動力をもって回転自在かつ昇降自在に配置されている。
前記1対のシャッタ板31は、常時は閉状態とされて第2排出口28aの下方に位置しており、第2排出口28aから落下するボタンBは、閉状態のシャッタ板31上に落下し、その後、調心機構32によって、ボタンBはシャッタ板31上において保持されるとともに、ボタンBの中心とシャッタ板31の開閉部の中心とが一致されるようになっている。これにより、ボタンBの中心B1(図10)は、ボタンセット位置P2においてシャッタ板31の下方で待機しているボタン保持台14に立設された複数のボタン保持ピン17の配置中心とも一致するようになっている。なお、複数のボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1(図10)から等距離位置に隣位する2つのボタン保持ピン17の中心間距離が等しくなるように等角度配置されており、ボタン保持台14の中心C1は、複数のボタン保持ピン17の配置中心と一致するように形成されている。
前記ボタンBの中心とシャッタ板31の開閉部の中心とが一致すると、シャッタ板31が開き、回転用モータ34および昇降用エアシリンダ35の作動により、第2排出口28aの上方に待機しているスリモミロッド33が回転しつつ下降し、スリモミロッド33の下端面がボタンBの上面に当接して、ボタンBを押し下げながら回転させるようになっている。これにより、シャッタ板31の下方で待機しているボタン保持台14に立設された複数のボタン保持ピン17にボタンBの糸通し孔Baが挿入されるように形成されている。
前記ボタンBの糸通し孔Baがボタン保持ピン17に挿入されると、ボタンBが調心機構32の図示しない3つ爪より下方に位置する(3つ爪からボタンBが下方に抜ける)ため、ボタンBの外周縁を中心に向かって付勢している3つ爪は閉じてボタンBの糸通し孔Baがボタン保持ピン17に挿入されたことを図示しないセンサで検知し、この検知信号に基づいてシャッタ板31の閉動作およびスリモミロッド33の上昇動作を行うように構成されている。その後、ボタンBは、ボタン供給装置3により、ボタンセット位置P1からボタン供給位置P2に移送され、ボタン供給位置P2においてボタン把持装置11のボタンクランプアーム12によって保持されるようになっている。そして、ボタンBがボタンクランプアーム12によって保持されると、ボタンキャリア16は、ボタンセット位置P1に復帰し、ミシン本体2の動作によりボタンBを布地に縫い付ける縫製動作であるボタン付けが実行されるようになっている。
前記ボタン搬送装置4の一部を構成するスリモミロッド33、回転用モータ34および昇降用エアシリンダ35は、ミシンテーブル5の上面においてミシン本体2の右側RSに配置された取付台36に取り付けられている。
なお、ボタン搬送装置4としては、従来公知のボタン付けミシン1に用いられている各種のものから選択使用することができる。例えば、ボタン供給部21の送出口22から落下するボタンBを第2回転板27に形成されたボタン挿入孔27aで受け取るように、第1回転板24および第1支持板25を設けない構成としてもよい。
つぎに、本発明に係るボタン供給装置の実施形態について、図1から図8により詳しく説明する。
図4は本発明に係るボタン供給装置の第1実施形態のボタン保持台の拡大平面図、図5は図4の蓋部材を取り除いた状態を示す平面図、図6は図4の右側断面図、図7は図4の左側断面図、図8は要部の構成を示すブロック図である。
本実施形態のボタン供給装置3は、4つの糸通し孔Baを具備するボタンBに用いるものを例示している。
本実施形態のボタン供給装置3は、図1に示すように、保持台移動用アクチュエータとしてのパルスモータなどからなる移動用モータ15を有している。この移動用モータ15は、その出力軸15aの軸線方向を上下方向に向けてボタン搬送装置4の一部を構成する取付台36の左側面の前側FSに取り付けられている。また、移動用モータ15の出力軸15aは、その先端がミシンテーブル5の上面に向かって配置されており、この出力軸15aの先端部には、保持台用移動手段としての平面ほぼ平板のアーム状に形成されたボタンキャリア16の基端部がその厚さ方向を上下方向に向けて取り付けられている。このボタンキャリア16の上面の自由端側には、図3に示すように、ボタン保持ピン17が立設されたボタン保持台14が取り付けられている。そして、移動用モータ15を駆動させることにより、ボタンキャリア16は、移動用モータ15の出力軸15aを回転中心として図2の両矢印にて示すように、ボタン保持台14がボタンセット位置P1からボタン供給位置P2に至る移送経路をミシンテーブルTの上面に沿ってほぼ90度の角度をもって往復移動させることができるように形成されている。
なお、保持台用移動手段としては、ボタン保持台14を、ボタン保持台14にボタンBが保持される際のボタンセット位置P1と、ボタン把持装置11がボタンBを把持するボタン供給位置P2との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させるものであればよく、特に、本実施形態のボタン保持台14のボタン保持ピン17がボタンセット位置P1からボタン供給位置P2に至る移送経路を往復移動させる構成に限定されるものではない。
例えば、ボタンキャリア16を一方向に回転させる構成としたり、ボタンセット位置P1をボタン供給装置3の右側に対向配置して、ボタンキャリア16を平行移動させる構成としたりすることができる。このボタンキャリア16を平行移動させる構成としては、例えば、平行4節リンク(平行クランク)を用いた構成(特開2003−205189号公報参照)を挙げることができる。
なお、移動用モータ15は、ボタン搬送装置4の一部を構成する取付台36ではなく、個別に設けられたボタン供給用支持台に取り付ける構成としてもよい。この場合、ボタン供給用支持台をミシン本体2の側面に取り付けるようにしてもよい。すなわち、ボタン供給装置3をユニットとするように構成してもよい。
前記移動用モータ15は、後述する制御手段41に電気的に接続されており、制御手段41から送出される制御指令に基づいて、駆動および停止のタイミング、出力軸15aの回転方向、駆動量などが制御されるようになっている。
前記ボタン保持台14は、図4から図7に示すように、ケース本体42と、蓋部材43と、ケース本体42と蓋部材43との間に移動自在に配置された複数の可動体としての4つの可動板44を有している。そして、本実施形態における各可動板44は、それぞれが同一形状に形成されている。また、ボタン保持台14は、ボタンセット位置P1に位置決めされた状態において、図4の下方が前側FS、図4の上方が後側BS、図4の右方が右側、図4の左方が左側となるように配置されている。
前記ケース本体42は、平面四角の平板状に形成された底板部46と、この底板部46の周縁から上方に延出された4つの本体用側板部47とにより、全体として上部が開口の有底四角筒状に形成されている。また、ケース本体42の上面、すなわち各本体用側板部47の上面の内周縁には、全体として平面正方形の枠状をなすように、断面横長矩形状の下凹溝48が周方向に亘って形成されている。そして、下凹溝48の各本体用側板部47に形成されたそれぞれの底面は、4つの可動板44のそれぞれの外側下面を下方から摺動自在に支持する下支持面48aとされており、下凹溝48の各本体用側板部47に形成された図6の上下方向に示す内端面は、4つの可動板44のそれぞれの外側端面の下半分を外側から摺動自在に支持する下支持側面48bとされている。なお、ケース本体42としては、底板部46と枠状の本体用側板部47とを個別に形成して、ねじ止め、溶着、接着などにより一体化するようにしてもよい。
前記蓋部材43は、平面四角の平板状に形成された天板部51と、この天板部51の周縁から下方に延出された4つの蓋用側板部52とにより、全体として下部が開口の有底四角筒状に形成されている。また、天板部51の中央部には、円形の蓋貫通孔53が形成されている。この蓋貫通孔53は、ボタンBの外径より大径に形成されている。さらに、蓋部材43の4つの蓋用側板部52により形成される下面は、4つの本体用側板部47により形成されるケース本体42の上面(下凹溝48を除く)と同一の全体として平面正方形の枠状をなすように形成されている。そして、天板部51の下面は、4つの可動板44のそれぞれの外側上面を上方から摺動自在に支持する上支持面51aとされており、各蓋用側板部52の内面は、4つの可動板44のそれぞれの外側端面の上半分を外側から摺動自在に支持する上支持側面52aとされている。また、蓋部材43は、図示しない取付ねじによってケース本体42の上面に取り付けられている。さらに、蓋部材43としては、天板部51と枠状の蓋用側板部52とを個別に形成して、ねじ止め、溶着、接着などにより一体化するようにしてもよい。
前記下支持面48aおよび上支持面51aにより、本実施形態の各可動板44の上面および下面を移動自在に上下方向から支持する支持面55が構成されている。
前記下支持側面48bおよび上支持側面52aにより、本実施形態の各可動板44の外側端面を移動自在に外方から支持する支持側面56が構成されている。
前記4つの可動板44は、それぞれが同一形状に形成されているとともに、全体として平面正方形をなすように形成されている。また、4つの可動板44は、1つが図5の下側に配置される前可動板44Fとされ、残りの3つのうちの1つが図5の右側に配置される右可動板44Rとされ、残りの2つのうちの1つが、図5の上側に配置される後可動板44Bとされ、最後に残った1つが図5の左側に配置される左可動板44Lとされている。
ここで、4つの可動板44の形状について、前可動板44Fを例示して説明する。
図5に示すように、前可動板44Fは、支持側面56により摺動自在に支持される外側端面61を有している。この外側端面61の右端には、外側端面61に対して直交する方向に沿って図5の上方に向かって延在する右側面62が設けられており、この右側面62の上端には、45度の傾斜角をもって図5の左斜め上方に向かって延在する右傾斜面63が設けられている。この右傾斜面63のボタン保持台14の中心側に位置する内端は、その延長線がボタンBの中心B1と一致するボタン保持台14の中心C1の右方を通過するように形成されている。
前記外側端面61の左端には、外側端面61に対して直交する方向に沿って図5の上方に向かって延在する左側面64が設けられており、この左側面64の上端には、45度の傾斜角をもって図5の右斜め上方に向かって延在する左傾斜面65が設けられている。この左傾斜面65のボタン保持台14の中心側に位置する内端は、その延長線がボタン保持台14の中心C1の下方を通過するように形成されている。
前記左傾斜面65の内端には、左傾斜面65に対して直交する方向、すなわち、右傾斜面63に沿って延出されたピン取付部66が形成されている。このピン取付部66の右側面66Rは右傾斜面63から延出されている。また、ピン取付部66の左側面66Lは、ボタン保持台14の中心C1を左斜め上から右斜め下に向かって45度の傾斜角をもって形成される第1仮想線Iaを右斜め上方側に越えた位置に配置されている。さらに、ピン取付部66の先端は、円弧状に形成されているとともに、ボタン保持台14の中心C1を右斜め上から左斜め下に向かって45度の傾斜角をもって形成される第2仮想線Ibの手前に配置されている。そして、ピン取付部66の上面には、ボタンBの糸通し孔Baに挿入されるボタン保持ピン17が立設されている。このボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1の右側RSに配置されている。
したがって、前可動板44Fに立設されたボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1の右側RSにおいて前可動板44Fとともに図5の左右方向に示す横方向に沿って移動可能に配置されており、後可動板44Bに立設されたボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1の左側LSにおいて、後可動板44Bとともに図5の左右方向に示す横方向に沿って移動可能に配置されている。また、右可動板44Rに立設されたボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1の後側BSにおいて、右可動板44Rとともに図5の上下方向に示す縦方向に沿って移動可能に配置されており、左可動板44Lに立設されたボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1の前側FSにおいて左可動板44Lとともに図5の上下方向に示す縦方向に沿って移動可能に配置されている。
すなわち、後可動板44Bおよび前可動板44Fは、横方向に沿って相互に逆方向に移動するように形成されており、左可動板44Lおよび右可動板44Rは、縦方向に沿って相互に逆方向に移動するように形成されている。
また、各可動板44の右傾斜面63は、その右方に隣位する可動板44の左傾斜面65と対向するように配置されており、各可動板44の左傾斜面65は、その左方に隣位する可動板44の右傾斜面63と対向するように配置されている。
なお、各可動板44を円滑に移動させるために、各可動板44の相互に対向する右傾斜面63と左傾斜面65との相互間、各可動板44の上面とこれに対向する上支持面51aとの相互間、各可動板44の下面とこれに対向する下支持面48aとの相互間、各可動板44の外側端面61とこれに対向する下支持側面48bおよび上支持側面52aのいずれか一方との相互間のうちの少なくとも1つの相互間に図示しない複数のボール体やふっ素樹脂などの低摩擦係数の滑り部材を配置したりするとよい。勿論、各可動板44の相互に隣位する摺動面の一方、各可動板44とケース本体42との摺動面の一方、この各可動板44と蓋部材43との摺動面の一方のすくなくとも一箇所を、図示しない低摩擦係数の滑り部材により被覆するようにしてもよい。
前記4つの可動板44は、図5に示すように、全体として平面ほぼ正方形をなすように配置された状態において、各可動板44の厚さは、ケース本体42の支持面55の間隔より若干小さく形成されている。また、図5の左右方向に示す左可動板44Lの外側端面61と右可動板44Rの外側端面61との間のサイズは、図5の左右方向に対向する2つの支持側面56の相互間の間隔より若干小さく形成されており、図5の上下方向に示す前可動板44Fの外側端面61と後可動板44Bの外側端面61との間のサイズは、図5の上下方向に示す2つの支持側面56の相互間の間隔より若干小さく形成されている。このような構成とすることにより、各可動板44が下凹溝48の延在方向に沿って移動自在に配置されている。
なお、ケース本体42の下凹溝48の深さを可動板44の厚みより若干深くし、蓋部材43に蓋用側板部53を形成せずに天板部51のみにより、蓋部材43を平坦な板状に形成する構成としてもよい。
前記ボタン保持ピン17の位置は、ボタンBの種類に応じて予め設定された位置に配置されている。また、ボタン保持ピン17のサイズは、従来と同様に、糸通し孔Baのサイズより小さく形成されている。
例えば、ボタンBの糸通し孔Baのサイズ(内径)が1.8mmの場合には、ボタン保持ピン17のサイズ(外径)は、1.0mm程度とされている。
なお、各可動板44のピン取付部66は、各可動板44が移動した際に、相互に干渉しないように形成されていればよい。例えば、ピン取付部66の先端と、これに対向する隣位の可動板44のピン取付部66の左側面66Lとの間隔を、各可動板44の最大の移動量よりも大きくするとよい。
また、ボタンBの糸通し孔Baのサイズが大きい場合などにおいては、1つの可動板44に形成されたピン取付部66に、複数のボタン保持ピン17を立設させたピン集合体とし、このピン集合体が1つの糸通し孔Baに挿入されるように構成してもよい。
さらに、ボタン保持ピン17には、ボタンBの可動板44と対向する下面の高さ位置が蓋部材43の上面より上方に位置させるための円環状などに形成されたスペーサを配置する構成としてもよい。これにより、ボタン供給位置P2においてボタン把持装置11がボタンBを把持する際に、ボタン把持装置11がボタン保持台14と干渉するのをより確実に防止することができる。
なお、ボタン保持ピン17にボタンBの糸通し孔Baを挿入させると、ボタンBの下面は、各可動板44の蓋貫通孔53の内部において外部に露出している部分に載置されることになる。
また、4つの可動板44のうちの前可動板44Fを除く、右可動板44R、後可動板44Bおよび左可動板44Lには、図5において要部のみに詳細に符号を付してある。
さらに、ボタン保持ピン17を4つの可動板44のうちの相互に対向する2つの可動板44、例えば、後可動板44Bおよび前可動板44F、あるいは、左可動板44Lおよび右可動板44Rに立設させることにより、2つの糸通し孔Baを具備するボタンBに用いることができる。
図4から図6に示すように、右可動板44Rの下面には、可動体用移動手段としてのボールねじ71が配設されている。このボールねじ71は、右可動板44Rの下面に取り付けられたブラケット72と、このブラケット72に取り付けられたナット73と、このナット73に螺合されたねじ軸74とを有しており、ねじ軸74の軸線方向が右可動板44Rの移動方向、すなわち、図5の上下方向に示す縦方向に沿って配置されている。
前記ねじ軸74の図5の下側に示す一端は、継ぎ手75を介して可動体移動用アクチュエータとしてのサーボモータあるはパルスモータなどからなる可動板用モータ76の出力軸76aと接続されている。この可動板用モータ76は、ケース本体42の図5の下方に示す本体用側板部47の外側面の右側RSに取り付けられており、その出力軸76aは、図5の下方に示す本体用側板部47を厚さ方向に貫通するように形成された軸用挿通孔77に挿通されてケース本体42の内部においてねじ軸74の一端と対向するように配置されている。この可動板用モータ76は、後述する制御手段41に電気的に接続されており、制御手段41から送出される制御指令に基づいて、駆動および停止のタイミング、出力軸76aの回転方向、駆動量などが制御されるようになっている。そして、可動板用モータ76を駆動させることにより、4つの可動板44は、それぞれが同期して一括動作、すなわち、下凹溝48の延在方向に沿って直線的に移動するように形成されている。勿論、各可動板44のそれぞれの移動量が同一になるように形成されている。
例えば、右可動板44Rを前側FSに移動させると、前可動板44F、左可動板44Lおよび後可動板44Bのそれぞれは、右可動板44Rの前側FSへの移動に連動して、前可動板44Fは左側LS、左可動板44Lは後側BS、後可動板44Bは右側RSにそれぞれ移動する。また、右可動板44Lを後側BSに移動させると、前可動板44F、左可動板44Lおよび後可動板44Bのそれぞれは、右可動板44Rを前側FSに移動させたときの移動方向に対して逆方向に移動するように構成されている。その結果、各可動板44のそれぞれに設けられたボタン保持ピン17のボタンBの中心B1と一致するボタン保持台14の中心C1からの角度位置を変えることなく、すなわち、各ボタン保持ピン17がボタン保持台14の中心C1を回転中心として回転することなく、4つの可動板44のうちの隣位の2つの可動板44に立設された2つのボタン保持ピン17の相互間のピン間隔G(以下、単にピン間隔Gと記す。)を拡縮、詳しくは、ボタン保持ピン17の軸線方向に対して直交する方向に沿って拡縮することができるように形成されている。
すなわち、図5の上下方向に配置されている前可動板44Fおよび後可動板44Bに立設されたそれぞれのボタン保持ピン17は、前可動板44Fおよび後可動板44Bの移動方向に沿って相互に接離するように図5の左右方向に示す横方向に沿って移動され、図5の左右方向に配置されている左可動板44Lおよび右可動板44Rに立設されたそれぞれのボタン保持ピン17は、左可動板44Lおよび右可動板44Rの移動方向に沿って相互に接離するように図5の上下方向に示す縦方向に沿って移動されるように形成されている。
前記可動体用移動手段としては、ボールねじ71に限らず、可動体移動用アクチュエータの駆動力を直線運動に変換して可動体に伝達することのできる構成であればよい。例えば、可動板44の下面に取付ステーを取り付け、この取付ステーを歯付きベルトの一部に取り付け、この歯付きベルトが掛け回される1対の歯付きベルト用プーリの少なくとも一方を可動体移動用アクチュエータにより回転駆動させる構成を挙げることができる。
なお、ボールねじ71を、複数、例えば、左可動板44Lの下面に配置する構成としてもよい。
なお、ねじ軸74の両端部を図示しない軸受により支持するように形成してもよい。この場合、軸受は、右可動板44Rの下面に取り付けてもよいし、底板部46の内面に取り付けてもよい。
また、ボールねじ71としては、ねじ軸74が可動板用モータ76の出力軸76aと一体に形成されたものを用いてもよい。
前記ケース本体42の図5の下方に示す本体用側板部47の外側面の左側LSには、ピン間隔Gが拡縮したときのボタン保持ピン17の移動量を検出するための移動量検出手段としての機械的直線変位量を電気信号に直接変換する変位センサであるリニアセンサ81(差動変圧器)が取り付けられており、そのプローブ81aは、図5の下方に示す本体用側板部47を厚さ方向に貫通するように形成されたプローブ用挿通孔82に挿通されており、その先端は、ケース本体42の内部において左可動板44Lの下方に位置するように配置されている。そして、プローブ81aの先端部は、取付ステー83を介して左可動板44Lの下面に取り付けられている。このリニアセンサ81は、後述する制御手段41に電気的に接続されており、左可動板44Lの移動量、ひいてはピン間隔Gが拡縮したときのボタン保持ピン17の移動量を検出して制御手段41に送出することができるようになっている。
なお、リニアセンサ81は、4つの可動板44のうちの任意の1つに取り付けられていればよく、本実施形態の左可動板44Lに限定されるものではない。
前記ボタン保持台14は、ボタン保持ピン17の先端を上方に向けて図示しない取付ねじによってボタンキャリア16の上面の自由端側の所定位置に取り付けられている。
前記制御手段41は、ボタン供給装置3の各部の動作の制御を司るためのものであり、図8に示すように、マイクロコンピュータと同様に、少なくとも演算部として機能するCPU91(MPUであってもよい)、プログラムやデータを記憶する記憶部として機能するメモリ92および図示しないシステム・コントローラなどを有している。
本実施形態の制御手段41には、少なくとも移動用モータ15、可動板用モータ76、リニアセンサ81が電気的に接続されており、制御手段41、詳しくはCPU91から送出される制御指令により、少なくとも移動用モータ15、可動板用モータ76、リニアセンサ81の動作制御が行われるようになっている。
なお、移動用モータ15、可動板用モータ76、リニアセンサ81などの外部デバイスは、I/Oポートを介して制御手段41、詳しくはCPU91と電気的に接続されるようになっている。
勿論、移動用モータ15および可動板用モータ76は、図示しない駆動回路(駆動ドライバ)を介してCPU91と電気的に接続されている。
前記CPU91は、従来公知の如く、ALUやアキュムレータなどから構成された演算部、命令レジスタや命令デコーダや制御信号発信回路などから構成された制御部、プログラム・カウンタやスタック・ポインタや汎用レジスタ(内部レジスタ)などから構成されたレジスタ部を有するものであり、その詳しい説明については省略する。
前記メモリ92は、少なくともそれぞれ適宜な容量のROM93およびRAM94を有している。
前記ROM93には、少なくとも初期設定動作を行うプログラムおよびそのデータや、ボタン供給装置3の動作制御を行うためのプログラムおよびそのデータが記憶されている。
なお、データを書き換えて保存する必要がある場合などには、データの消去と書き込みとを行うことのできるEEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが用いられるようになっている。なお、不揮発性メモリとしては、着脱自在なメモリカードあるいはフラッシュメモリであってもよい。
前記RAM94は、少なくともCPU91による演算データおよび中間データなどを記憶するワークエリアとして用いられており、CPU91が処理動作を行う際には、必要なプログラムやデータをROM93から読み込んで記憶するようになっている。
前記ROM93には、ボタン供給装置3の動作制御を行うために、少なくともボタン移動部95と、ボタン判別部96と、報知手段としての異常報知部97とが設けられている。なお、異常報知部97をボタン判別部96に併合してもよい。
前記ボタン移動部95には、ボタン保持台14をボタンセット位置P1とボタン供給位置P2との間で往復移動させるプログラムおよびデータが記憶されている。このようなプログラムおよびデータは、従来と同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
前記ボタン判別部96には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否、ひいてはボタンBの異常の有無を判別するためのプログラムおよびデータが記憶されている。このようなプログラムおよびデータとしては、ボタンセット位置P1でボタン保持台14に保持されたボタンBがボタン供給位置P2でボタン把持装置11により把持されるまでの間に、糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17が糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界までピン間隔Gが拡縮するように可動体用移動手段としてのボールねじ71を動作させるとともに、ボタン保持ピン17が移動限界に到達したときのボタン保持ピン17の移動量Mを移動量検出手段としてのリニアセンサ81により検出し、この検出した移動量を予め記憶した閾値α(許容範囲の場合もある)と比較することによりボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否、ひいてはボタンBの異常の有無を判別するものを挙げることができる。このボタン判別部96によるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作については、後に詳しく述べる。なお、ボタン判別部96に記憶されるデータには、少なくともボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別するのに用いる閾値αが含まれる。
前記異常報知部97には、ボタン判別部96がボタンBの糸通し孔Baの位置精度を悪い(ボタン異常)と判別した場合、ボタンBが異常であることを報知するためのプログラムおよびデータが記憶されている。このようなプログラムおよびデータとしては、ボタン把持装置11がボタンBを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力するものを挙げることができる。
具体的には、1対のボタンクランプアーム12を開閉動作させる図示しない駆動機構の駆動源に対して、閉動作を禁止する制御指令を送出するものを挙げることができる。
なお、異常報知部97により、把持禁止信号が出力された場合、ボタンBの異常をオペレータに認識させるためのエラー表示および/または警告を同時に行うことが好ましい。このようなエラー表示および/または警告としては、ボタン付けミシン1に設けられた図示しない操作パネルの表示画面への表示だけでなく、ブザー、あるいは、回転したり点滅したりする安全灯などを付加する構成としてもよい。このようなブザー、あるいは安全灯は、オペレータが表示画面へのメッセージの表示を見落とすのを確実に防止することができるとともに、オペレータ以外の周囲の人々への警告を行うことができる。
前記メモリ92には、オペレーティングシステム、移動用モータ15、可動板用モータ76、リニアセンサ81のそれぞれのデバイスドライバなども記憶されている。
なお、ボタン付けミシン1においては、ボタン付けミシン1の全体の動作の制御を司る制御手段に、ボタン供給装置3の動作制御機能を併せ持たせる構成とされているのが一般的である。
このため、ROM93には、少なくともボタンBを布地に縫い付けるための縫製データをはじめ、ミシン本体2およびボタン搬送装置4の各部の動作制御を行うためのプログラムおよびデータも記憶されている。
また、制御手段41には、移動用モータ15、可動板用モータ76、リニアセンサ81に加えて、ミシンモータ、第1回転板駆動モータ23、回転用モータ34、昇降用エアシリンダ35、操作パネル63、縫製開始スイッチとしての起動ペダル、電源スイッチなどの各種の操作スイッチ、各種の動作の検出や位置の検出などに用いる各種のセンサなども電気的に接続されている。
勿論、ボタン供給装置3の各部の動作制御を行う機能をボタン付けミシン1の全体の動作制御を行う制御手段から独立させて個別に設ける構成としてもよい。
例えば、ボタン供給装置3をユニットとした場合には、ボタン供給装置3の動作の制御を司る制御手段を個別に設けるとよい。
このように、ボタン供給装置3の制御手段41は、ボタン付けミシン1の全体の動作制御を行う制御手段の機能の一部を借りて実現してもよいし、独立した制御手段により実現させてもよい。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態のボタン供給装置の作用について説明する。
本実施形態のボタン供給装置3における保持台用移動手段としての移動用モータ15の動作については、従来と同様とされているので、その詳しい説明については省略し、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作について詳しく説明する。
図9は本発明に係るボタン供給装置の第1実施形態におけるボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する動作を説明するフローチャート、図10は糸通し孔の位置精度が良いボタンをボタン保持ピンの初期位置とともに説明する説明図、図11は糸通し孔の位置精度が悪いボタンの一例をボタン保持ピンの初期位置とともに示す説明図、図12は図11のボタンにおけるボタン保持ピンが拡大方向に移動して移動限界に到達したときの状態を説明する説明図、図13は図11のボタンにおけるボタン保持ピンが縮小方向に移動して移動限界に到達したときの状態を説明する説明図である。
本実施形態のボタン供給装置3におけるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否、ひいてはボタンBの異常の有無を判別する動作制御は、ボタンセット位置P1でボタン保持台14に保持されたボタンBがボタン供給位置P2でボタン把持装置11により把持されるまでの間に行われる。
なお、各可動板44、ひいては各ボタン保持ピン17は、図10に示すように、常時は各ボタン保持ピン17のそれぞれの中心C2とそれぞれのボタン保持ピン17が挿入される糸通し孔Baの中心B2とが理論的に一致する初期位置に位置決めされている。
また、メモリ92、詳しくはROM93には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別するのに用いる閾値αが予め記憶されている。
本実施形態のボタン供給装置3におけるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作は、ボタンセット位置P1でボタン保持台14にボタンBが保持されることにより開始される。
すなわち、本実施形態においては、ボタンセット位置P1でボタン保持台14に保持されたボタンBがボタン供給位置P2に移動する前、つまり、ボタン移動部95に記憶されているプログラムおよびデータに基づいてボタンキャリア16を移動させる移動用モータ15に対する駆動指令が制御手段41から送出される前に、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別が行われる。
なお、ボタンセット位置P1でボタン保持台14にボタンBが保持されたこと、詳しくは、ボタンBの糸通し孔Baがボタン保持ピン17に挿入されたことは、前述したように、図示しないセンサで検知されるので、このセンサからの検出信号を制御手段41が受けると、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作が行われる。
そして、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作が開始されると、図9に示すように、ステップST01において、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、ピン間隔Gが拡大するように可動板用モータ76を駆動し、つぎのステップST02に進行する。
具体的には、可動板用モータ76を正回転方向あるいは逆回転方向に駆動する。この可動板用モータ76の駆動により、ボールねじ71のねじ軸74が正回転方向あるいは逆回転方向に回転駆動する。このねじ軸74の回転により、ねじ軸74に螺合されているナット73が右可動板44Rとともに、図5の上方に向かって移動する。
この時、右可動板44Rの図5の上方に向かう移動に同期して、前可動板44Fは図5の右方に向かって移動し、左可動板44Lは図5の下方に向かって移動し、後可動板44Bは図5の左方に向かって移動する。
すなわち、4つの可動板44のそれぞれが同期して一括動作して、各可動板44に立設されているそれぞれのボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1、ひいてはボタンBの中心B1からの角度位置を変えることなく、縦方向および横方向のそれぞれにおいて相互に対向する2つのボタン保持ピン17が相互に離間するように拡大方向へ移動してピン間隔Gが拡大する。
ついで、ステップST02において、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、可動板44の拡大方向への移動が停止したか否かを判断する。
すなわち、各可動板44の移動は、4つのボタン保持ピン17が挿通された糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界に到達するまで行われる。そして、ボタン保持ピン17が拡大方向への移動限界である最大移動限界に到達すると、ピン間隔Gが最大の最大ピン間隔Gmaxとなり、可動板用モータ76が停止される。
ここで、ボタン保持ピン17が移動限界に到達したことは、可動板用モータ76に供給している電流値の増加などの変化を検出したり、ねじ軸74の回転の有無をエンコーダにより検出したりすることにより実現できる。
前記ステップST02の判断がNO(可動板44が移動している)の場合には、ステップST01に戻り、ステップST02の判断がYES(可動板44が停止している)になるまで可動板用モータ76の駆動を継続する。
前記ステップST02の判断がYESの場合には、つぎのステップST03に進行し、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、可動板44、ひいてはボタン保持ピン17の初期位置からの移動量M「+」(符号「+」は拡大方向を示す。以下同じ。)をリニアセンサ81により検出し、つぎのステップST04に進行する。
ついで、ステップST04において、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を行うために、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、リニアセンサ81により検出した可動板44、ひいてはボタン保持ピン17の初期位置からの移動量M「+」が閾値αより小さいか否かを判別する。
ここで、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別について詳しく説明する。
図10に示すように、ボタンBの4つの糸通し孔Baのそれぞれの位置精度が理想的な設計上の位置にある場合には、それぞれの糸通し孔Baの中心B2の位置と、この糸通し孔Baに挿入されるボタン保持ピン17の中心C2の位置とが一致するとともに、ボタンBの中心B1とボタン保持台14の中心C1とが一致する状態となる。
ここで、ボタン保持ピン17が拡大方向(ボタンBの中心B1から離間する方向)に移動して移動限界である最大移動限界に到達し、ピン間隔Gが最大の最大ピン間隔Gmaxとなった状態(可動板44の停止状態)においては、各糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17のボタンBの中心B1から径方向外側に位置する外面が糸通し孔Baの内壁により拘束された状態となる。このボタン保持ピン17が最大移動限界となった状態を図10の左上から右下に向かう斜線領域にて示す。
この場合、リニアセンサ81により検出されるボタン保持ピン17(可動板44)の初期位置に対する拡大方向への移動量M「+」は、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値(M「+」=R−r)となる。
例えば、糸通し孔Baの直径を1.8mm、ボタン保持ピン17の直径を1.0mmとした場合、移動量M「+」は、0.4mm(M「+」=R−r=0.9−0.5=0.4)となる。
また、ボタン保持ピン17が縮小方向(ボタンBの中心B1に接近する方向)に移動して移動限界である最小移動限界に到達し、ピン間隔Gが最小の最小ピン間隔Gminとなった状態(可動板44の停止状態)においては、各糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17のボタンBの中心B1から径方向内側に位置する外面が糸通し孔Baの内壁により拘束された状態となる。このボタン保持ピン17が最小移動限界となった状態を図10の右上から左下に向かう斜線領域にて示す。
この場合、リニアセンサ81により検出されるボタン保持ピン17の初期位置に対する縮小方向への移動量M「−」(符号「−」は縮小方向を示す。以下同じ。)は、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値(M「−」=R−r)となる。
すなわち、拡大方向および縮小方向のそれぞれの移動量M(符号Mは、移動量M「+」、移動量M「−」を総称する。)は、ともに同一となる(M=M「+」=M「−」=R−r)。
ここで、糸通し孔Baの位置精度が悪い場合の移動量Mについて図11から図13により説明する。
例えば、図11に示すように、4つの糸通し孔Baのうちの図11の上方、左方および右方に示す3つの糸通し孔Baが、糸通し孔Baの中心B2とボタン保持ピン17の中心C1とが一致する正常孔GHとされ、図11の下方に示す糸通し孔Baが、糸通し孔Baの中心B2とボタン保持ピン17の中心C1と一致せずに、径方向外側にズレ量βをもってずれている異常孔NHとする。
この場合、ボタン保持ピン17が拡大方向に移動したときのボタン保持ピン17の移動限界である最大移動限界は、図12に示すように、異常孔NHを除く他の位置精度の良い糸通し孔Baである正常孔GHに挿入されたボタン保持ピン17の外面が糸通し孔Baの内壁により拘束された状態となる。また、異常孔NHに挿入されたボタン保持ピン17は、異常孔NHの内壁から離間した状態になる。
この時、リニアセンサ81により検出されるボタン保持ピン17の初期位置に対する拡大方向への移動量M「+」は、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値(M「+」=R−r)となる。
このようなボタン保持ピン17の拡大方向への移動に対して、ボタン保持ピン17が縮小方向に移動したときのボタン保持ピン17の移動限界である最小移動限界は、図13に示すように、異常孔NHに挿入されたボタン保持ピン17の外面が異常孔NHの内壁により拘束されるとともに、異常孔NHと対向する図11の上方に示す正常孔GHに挿入されたボタン保持ピン17の外面が正常孔GHの内壁により拘束された状態となる。また、図13の左右に示す正常孔GHに挿入されたボタン保持ピン17は、正常孔GHの内壁から離間した状態になる。さらに、ボタンBの中心B1は、ボタン保持台14の中心C1から異常孔NHの方向にずれることになる。なお、図13においては、要部にのみ符号を付してある。
この時、リニアセンサ81により検出されるボタン保持ピン17の初期位置に対する縮小方向への移動量M「−」は、図11に示すように、図11の上方に示す正常孔GHにおける移動可能距離a(a=R−r)と、異常孔NHにおける移動可能距離bとを加算した値の1/2の値(M「−」=(a+b)/2=(R−r+b)/2となる。但し、b=a−β=R−r−βである。この移動量M「−」は、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値より小さくなる(M「−」=(a+b)/2)。
なお、図11の下側に示す糸通し孔Baの中心B2の位置がボタンBの外周側にずれている場合には、初期位置に対する拡大方向および縮小方向へ移動したときの移動限界における移動量M「+」、M「−」はそれぞれ逆になる。
このように、ボタンBの4つの糸通し孔Baのうちの少なくとも1つの位置がずれている場合には、ピン間隔Gが拡縮するようにボタン保持ピン17が移動して移動限界に到達したときの移動量Mは、拡大方向および縮小方向の一方が糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値より小さくなる。
そこで、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値を、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を行う際の閾値α(α=R−r)とし、移動量Mと閾値αとを比較することにより、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否、ひいてはボタンBの異常の有無を判別することができる。
すなわち、ピン間隔Gが拡縮するように可動板44を移動させて移動限界になったときの拡大方向および縮小方向の一方の移動量Mが閾値αより小さい場合(M<α)に、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度を悪いと判別することができる。
勿論、拡大方向および縮小方向の移動量Mが、ともに閾値αと同一の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が良いと判別する。
なお、閾値αとしては、必ずしも糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17の半径rを減算した値を用いる必要はなく、設計コンセプトやボタンBおよびボタン保持台14の加工精度などに基づく糸通し孔Baおよびボタン保持ピン17の設計上の許容範囲を勘案して設定するとよい。
例えば、閾値αに上限αmaxと下限αminを設け、この範囲に移動量Mがあるか否かを判別するようにしてもよい。
具体的には、ピン間隔Gを拡縮させて移動限界に到達したときに、リニアセンサ81により検出した移動量Mを閾値αと比較して、拡大方向および縮小方向の移動量Mがともに閾値αの範囲内である場合(αmax≧M「+」≧αmin、αmax≧M「−」≧αmin)には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度を良いと判別し、拡大方向および縮小方向の移動量Mの少なくとも一方が閾値αの範囲を超える場合(αmax<M「+」、または、αmin>M「+」、または、αmax<M「−」、または、αmin>M「−」)には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度を悪いと判別するように構成するとよい。
したがって、本実施形態のステップST04においては、拡大方向への移動量M「+」と閾値αとを比較して、拡大方向への移動量M「+」が閾値αより小さい(M「+」<α)場合、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が悪いボタン異常と判別する。
図9に戻って、前記ステップST04の判断がYES(M「+」<α)の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が悪いボタン異常と判別してつぎのステップST05に進行し、つぎのステップST05において異常報知部97に記憶されたプログラムに基づいて、ボタンBが異常であることを報知する異常報知処理、本実施形態においては、ボタン把持装置11がボタンBを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力する処理を行ってから、後述するステップST10に進行する。
前記ステップST04の判断がNO(M「+」=α:拡大方向への移動量M「+」が閾値αより小さくない)の場合には、つぎのステップST06に進行し、つぎのステップST06において、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、ピン間隔Gが縮小するように可動板用モータ76を駆動し、つぎのステップST07に進行する。
具体的には、可動板用モータ76をステップST01における可動板用モータ76の回転方向に対して逆方向に駆動する。この可動板用モータ76の駆動により、ボールねじ71のねじ軸74がステップST01におけるねじ軸74の回転方向に対して逆方向に回転駆動する。このねじ軸74の回転により、ねじ軸74に螺合されているナット73が右可動板44Rとともに、図5の下方に向かって移動する。
この時、右可動板44Rの図5の下方に向かう移動に同期して、前可動板44Fは図5の左方に向かって移動し、左可動板44Lは図5の上方に向かって移動し、後可動板44Bは図5の右方に向かって移動する。
すなわち、4つの可動体のそれぞれが同期して一括動作して、各可動板44に立設されているそれぞれのボタン保持ピン17は、ボタン保持台14の中心C1、ひいてはボタンBの中心B1からの角度位置を変えることなく、縦方向および横方向のそれぞれにおいて相互に対向する2つのボタン保持ピン17が相互に接近するように縮小方向へ移動してピン間隔Gが縮小する。
ついで、ステップST07において、前述したステップST02と同様に、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、可動板44の移動が停止したか否かを判断する。
前記ステップST07の判断がNO(可動板44が移動している)の場合には、ステップST06に戻り、ステップST07の判断がYES(可動板44が停止している)になるまで可動板用モータ76の駆動を継続する。
前記ステップST07の判断がYESの場合には、つぎのステップST08に進行し、前述したステップST03と同様に、ボタン判別部96に記憶されたプログラムに基づいて、可動板44、ひいてはボタン保持ピン17の初期位置からの移動量M「−」をリニアセンサ81により検出し、つぎのステップST09に進行する。
ついで、ステップST09において、前述したステップST04と同様に、リニアセンサ81により検出したボタン保持ピン17の初期位置からの移動量M「−」、すなわち、縮小方向への移動量M「−」が閾値αより小さい(A「−」<α)か否かを判別する。
前記ステップST09の判断がYES(M「−」<α)の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が悪いボタン異常と判別して、ステップST05に進行して終了する。
前記ステップST09の判断がNO(M「−」=α:縮小方向への移動量M「−」が閾値αより小さくない)場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が良いボタン正常と判別して、つぎのステップST10に進行し、可動板用モータ76を駆動して可動板44、ひいてはボタン保持ピン17の位置を初期位置に復帰させて終了する。
なお、本実施形態のボタン供給装置3においては、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作が終了すると、ボタン移動部95に記憶されたプログラムおよびデータに基づいて、ボタン保持台14をボタンセット位置P1からボタン供給位置P2へ移動させ、その後、ボタン供給位置P2でボタン把持装置11がボタンを把持した後に、ボタン保持台14をボタン供給位置P2からボタンセット位置P1に復帰させる搬送動作が行われるようになっている。
また、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作は、ボタンセット位置P1でボタン保持台14に保持されたボタンがボタン供給位置P2でボタン把持装置11により把持されるまでの間に行われればよい。
例えば、ボタン保持台14がボタンセット位置P1からボタン供給位置P2へ移動する途中に行ってもよいし、ボタン保持台14がボタン供給位置P2に到達した後でボタン把持装置11がボタンBを把持する前に行ってもよい。
さらに、可動板44の拡大方向への移動と、縮小方向への移動との順序を逆、すなわち、ステップST01〜ステップST04と、ステップST06〜ステップST09とを入れ換える構成としてもよい。
このように、本実施形態のボタン供給装置3によれば、可動体用アクチュエータとしての可動板用モータ76の駆動力をもって可動体用移動手段としてのボールねじ71を駆動させることにより、ピン間隔Gを拡縮させることができる。そして、糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17が糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで4つの可動板44を拡大方向および縮小方向に移動させ、このときの可動板44の移動量Mを移動量検出手段としてのリニアセンサ81により検出することができる。さらに、リニアセンサ81により検出された移動量Mを予め設定された閾値αと比較することでボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否、ひいてはボタンBの異常の有無を容易かつ確実に判別することができる。
すなわち、本実施形態のボタン供給装置3によれば、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態のボタン供給装置3によれば、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を行うことができるので、糸通し孔Baの位置精度の悪いボタンBを供給しないで排除することが可能になる。
その結果、本実施形態のボタン供給装置3を備えたボタン付けミシン1においては、糸通し孔Baの位置精度の悪いボタンBを布地に縫い付けたり、縫い針Nや糸が糸通し孔Baと干渉して、針折れや糸切れなどの不具合が発生するのを確実かつ容易に防止することができるし、不具合の発生による生産性の低下を防止することができる。
また、本実施形態のボタン供給装置3によれば、ボールねじ71が4つの可動板44のそれぞれを同期させて一括動作するように形成されているから、糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17が糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで隣位の2つのボタン保持ピン17の相互間の間隔が拡縮させる際の動作を円滑かつ短時間で容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態のボタン供給装置3によれば、制御手段41が、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度を悪いと判別した場合、ボタンBが異常であることを報知する報知手段としての異常報知部97が設けられているから、ボタンBの異常をオペレータに容易に認識させることができる。
また、本実施形態のボタン供給装置3によれば、異常報知部97が、ボタン把持装置11がボタンBを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力するように形成されているから、糸通し孔Baの位置精度の悪いボタンBが布地に縫い付けられるのを確実に防止することができる。
図14から図16は、本発明に係るボタン供給装置の第2実施形態を示すものであり、図14は要部の平面図、図15は図14の断面図、図16は要部の構成を示すブロック図である。なお、前述した第1実施形態のボタン供給装置と同一ないし相当する構成については要部にのみ図面中に同一の符号を付してある。
本実施形態のボタン供給装置3Aはボタン保持台14Aに保持されたボタンBを、ボタン保持台14Aから強制的に排除するためのボタン排除手段を設けたものである。
すなわち、図14および図15に示すように、本実施形態のボタン供給装置3Aのボタン保持台14Aは、ボタン排除手段としての排出用シリンダ101を有している。この排出用シリンダ101は、ケース本体42の底板部46の内面の中央部において、排出用シリンダ101の軸線がボタン保持台14Aの中心C1とほぼ一致するように配置されている。そして、排出用シリンダ101の出力軸101aは、その先端を上方に向けて取り付けられている。この排出用シリンダ101は、常時は図示しない付勢ばねの付勢力により出力軸101aが縮んだ待機状態を保持することができる単動式シリンダとされている。
前記出力軸101aの先端面は、常時はボタン保持台14にボタン保持ピン17を介してボタンBが保持されたときにボタンBの下面のほぼ中央部分と対向するように配置されている。勿論、出力軸101aは、各可動板44が移動したときにそれぞれのピン取付部66と干渉しないように形成されている。また、出力軸101aの先端面は、出力軸101aが伸長したときには、ボタンBの下面に当接しつつボタンBを上方に移動させてボタン保持ピン17からボタンBを離脱させることができるように形成されている。
すなわち、排出用シリンダ101は、その出力軸101aが伸長した伸長状態において、出力軸101aの先端が各ボタン保持ピン17の先端を含む仮想水平面を上方に超えるように形成されている。
前記排出用シリンダ101は、図16に示す制御手段41Aに電気的に接続されており、制御手段41Aから送出される制御指令に基づいて、所定のタイミングで、付勢ばねの付勢力に抗して出力軸101aを伸長させることができるようになっている。
なお、排出用シリンダ101としては、電気駆動および空気圧駆動のいずれでもよい。
また、ボタン排除手段としては、ボタン保持台14に保持されたボタンBを強制的に排除することのできるものであればよい。但し、制御手段41Aからの制御指令に基づいて動作制御できることが、ボタン保持台14からボタンBを自動的に排除することができるという意味で好ましい。
例えば、圧縮空気などの加圧気体によりボタン保持台14に保持されたボタンBを吹き飛ばす構成を挙げることができる。このような構成としては、ボタン保持台14にボタン保持ピン17を介してボタンBが保持されたときに、ボタン保持台14の内部におけるボタンBの下面のほぼ中央部分と対向する位置に、ノズルの先端を配置し、このノズルの基端部と圧縮空気などの加圧気体の供給源とをチューブなどの配管部材により接続するとともに、配管部材の途中に制御手段41からの制御指令により開閉する電磁弁などのバルブを配置し、制御手段41からの制御指令によりバルブを駆動させることにより、所定のタイミングでノズルからボタンBの下面に向かって加圧気体を噴射する構成を例示することができる。
図16に示すように、本実施形態の制御手段41Aの異常報知部97Aには、ボタン判別部96がボタンBの糸通し孔Baの位置精度を悪いと判別した場合、排出用シリンダ101を駆動してボタン保持台14に保持されたボタンBを排除するためのプログラムおよびデータが記憶されている。
なお、本実施形態の異常報知部97Aには、前述した第1実施形態のボタン供給装置3における異常報知部97のプログラムおよびデータを付加するようにしてもよい。
また、本実施形態の異常報知部97Aには、前述した第1実施形態のボタン供給装置3における異常報知部97と同様に、異常報知部97Aをボタン判別部96に併合してもよい。
その他の構成については、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
このような構成からなる本実施形態のボタン供給装置3Aによれば、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様の効果を奏することができるとともに、糸通し孔Baの位置精度の悪いボタンBをボタン保持台14から強制的に確実かつ容易に排除することができる。その結果、糸通し孔Baの位置精度の悪いボタンBが布地に縫い付けられるのをより確実に防止することができる。
図17から図19は本発明に係るボタン供給装置の第3実施形態を示すものであり、図17は要部の分解斜視図、図18は要部の概略平面図、図19は要部の構成を示すブロック図である。なお、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同一ないし相当する構成については要部にのみ図面中に同一の符号を付してある。
本実施形態のボタン供給装置3Bは、2つの糸通し孔Baを具備するボタンBに用いるものを例示している。また、本実施形態のボタン供給装置3Bは、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別について前述した第1実施形態のボタン供給装置3と異なる構成としたものである。
すなわち、図17に示すように、本実施形態のボタン供給装置3Bのボタン保持台14Bは、前後方向に長い平板状に形成された保持用支持板111を有している。この保持用支持板111のほぼ中央部には、ピニオン軸112が挿通されるピニオン用挿通孔113が形成されている。そして、ピニオン軸112の上端部は、保持用支持板111の上面の上方に突出するように配置されており、下端部は、保持用支持板111の下面の下方に突出するように配置されている。また、ピニオン軸112の上端部には、ピニオン114が取り付けられており、下端部には、従動用歯付きベルトプーリ115が取り付けられている。
前記保持用支持板111の上面には、その長手方向に沿って延在する複数、本実施形態においては2つの可動体としての左腕116Lおよび右腕116Rからなる1対のボタン載置腕116が配置されている。また、保持用支持板111の上面には、ボタン載置腕116を外側から挟み込むように保持用支持板111の左右の側縁のそれぞれにガイド部117L、117Rが形成されている。この2つのガイド部117L、117Rにより挟まれた空間は、ボタン載置腕116の前後方向に沿った移動を案内する案内溝として機能する。この案内溝は、ボタン載置腕116が保持用支持板111の上面で左右方向にずれてピニオン114から外れることを防止する機能を備えている。
前記保持用支持板111は、図示しない取付フレームを介して保持台用移動手段としてのボタンキャリア16(図3参照)の上面の自由端側に着脱自在に取り付けられている。
なお、ボタンキャリア16の上面の自由端側を保持用支持板111とするようにしてもよい。
図17および図18に示すように、左腕116Lは、ピニオン114の歯に噛み合うラック部118Lが前後方向に沿って延在する右側面に形成された左駆動部121と、この左駆動部121の後側BSの端縁から右側RSに向かって平面ほぼ直角に延出された段部122と、この段部122の後側BSの端縁からラック部118Lの長手方向に沿って延出された左載置部123とを有している。そして、左載置部123の上面の先端側には、ボタンBの2つの糸通し孔Baの一方が挿入されるボタン保持ピン17Bが立設されている。
前記右腕116Rは、ピニオン114の歯に噛み合うラック部118Rが前後方向に沿って延在する左側面に形成された右駆動部124と、この右駆動部124の後側BSの端縁から左側LSに向かって平面ほぼ直角に延出された右載置部125とを有している。そして、右載置部125の前面は、左載置部123の後面と対向するように配置されており、右載置部125の上面の先端側には、ボタンBの2つの糸通し孔Baの他方が挿入されるボタン保持ピン17Bが立設されている。
前記左載置部123に立設されたボタン保持ピン17Bと、右載置部125に立設されたボタン保持ピン17Bとは、対をなすものであり、両ボタン保持ピン17Bのそれぞれの中心C2は、ピニオン114の回転中心G1を通る直線上に配置されている。また、1対のボタン載置腕116、ひいては両ボタン保持ピン17Bは、常時は図17に示すように、両ボタン保持ピン17Bのそれぞれの中心B1と、それぞれのボタン保持ピン17Bが挿入される糸通し孔Baのそれぞれの中心B2とが理論的に一致する初期位置に位置決めされている。
前記両ガイド部117L、117Rの前側FSのそれぞれには、センサ取付板126が2つの取付ねじ127(図17に一方のみ図示)により取り付けられている。そして、各センサ取付板126の下面には、可動体としての1対のボタン載置腕116、ひいては各ボタン保持ピン17Bが移動したときの移動位置が予め設定された許容範囲にあるか否かを検出する移動位置検出手段としての磁気センサからなる近接スイッチ128が図示しない固定ねじにより取り付けられている。そして、図17の左側LSに示す一方の近接スイッチ128は、2つのボタン保持ピン17Bの相互間のピン間隔Gが拡大するようにボタン載置腕116を移動させたときに、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する拡大方向用位置センサ131とされており、図17の右側RSに示す他方の近接スイッチ128は、2つのボタン保持ピン17Bの相互間のピン間隔Gが縮小するようにボタン載置腕116を移動させたときに、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する縮小方向用位置センサ132とされている。これらの近接スイッチ128は、後述する制御手段41Bと電気的に接続されており、それぞれの検出信号を制御手段41Bに送出することができるようになっている。
本実施形態の拡大方向用位置センサ131は、常時は遮蔽物なしの状態をOFF状態とし、拡大方向用位置センサ131に対して左腕116Lの前端部が予め設定された距離Lまで接近するとスイッチが働き、遮蔽物有りの状態をON状態とし、各状態が識別可能な信号、例えば、OFF状態を示すOFF信号およびON状態を示すON信号を制御手段41Bに出力するようになっている。
前記縮小方向用位置センサ132は、常時は遮蔽物なしの状態をOFF状態とし、縮小方向用位置センサ132に対して右腕116Rの前端部が予め設定された距離Lまで接近するとスイッチが働き、遮蔽物有りの状態をON状態とし、各状態が識別可能な信号、例えば、OFF状態を示すOFF信号およびON状態を示すON信号を制御手段41Bに出力するようになっている。
そこで、近接スイッチ128のそれぞれがON状態となるための距離Lが、ボタン載置116の移動量Mとなるように設定されており、この移動量Mとしては、前述した第1実施形態における閾値αと同様に、糸通し孔Baの半径Rからボタン保持ピン17Bの半径rを減算した値(L=M=R−r)が用いられている。
すなわち、2つのボタン保持ピン17Bが相互に離間する拡大方向に移動すると、左腕116Lの前端部116Laが拡大方向用位置センサ131に接近する。そして、ボタン保持ピン17Bが拡大方向への移動限界である最大移動限界に到達したときに、左腕116Lの前端部116Laの移動量M「+」が距離Lと同一の場合には、左腕116Lの前端部116Laが図18において斜線領域にて示す拡大方向用位置センサ131のスイッチング動作域に到達し、拡大方向用位置センサ131のスイッチが動作してON信号を制御手段41Bに送出することができるように形成されている。また、移動量M「+」が距離Lより少ないときには、スイッチが動作せずにOFF信号を制御手段41Bに送出する状態を保持するように形成されている。
また、2つのボタン保持ピン17Bが相互に接近する縮小方向に移動すると、右腕116Rの前端部116Raが縮小方向用位置センサ132に接近する。そして、ボタン保持ピン17Bが縮小方向への移動限界である最小移動限界に到達したときに、右腕116Rの前端部116Raの移動量M「−」が距離Lと同一の場合には、右腕116Rの前端部116Raが図18において斜線領域にて示す縮小方向用位置センサ132のスイッチング動作域に到達し、縮小方向用位置センサ132のスイッチが動作してON信号を制御手段41Bに送出することができるように形成されている。また、移動量M「−」が距離Lより少ないときには、スイッチが動作せずにOFF信号を制御手段41Bに送出する状態を保持するように形成されている。
ここで、移動量Mが距離Lより少ないときとは、前述したように、2つの糸通し孔Baのいずれかの位置精度が移動方向に沿ってずれている場合である。
したがって、2つのボタン保持ピン17Bが相互に離間する拡大方向に2つの可動体としてのボタン載置腕116である左腕116Lおよび右腕116Rが移動して移動限界に到達したときに、拡大方向用位置センサ131からの出力信号がOFF信号の場合に、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を悪い(ボタン異常)と判別することができる。
また、2つのボタン保持ピン17Bが相互に接近する縮小方向に2つの可動体としてのボタン載置腕116である左腕116Lおよび右腕116Rが移動して移動限界に到達したときに、縮小方向用位置センサ132からの出力信号がOFF信号の場合に、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を悪い(ボタン異常)と判別することができる。
すなわち、2つのボタン保持ピン17Bの相互間の間隔を移動限界まで拡縮させたときに、最大移動限界および最小移動限界のいずれかにおいて、2つの近接スイッチ128からの信号がともにOFF信号のときにはボタン異常と判別することができるように形成されている。
勿論、最大移動限界および最小移動限界のいずれにおいても、2つの近接スイッチ128からの信号がOFF信号とON信号との組合せのときには、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否が良い(ボタン正常)と判別することとなる。
前記保持用支持板111の上面の前側FSには、可動体移動用アクチュエータとしてのサーボモータあるはパルスモータなどからなる可動板用モータ76Bがその出力軸76Baを下方に向けて2つの取付ねじ133(図17に一方のみ図示)により取り付けられている。この出力軸76Baは、保持用支持板111の前側FSに形成された出力軸挿通孔134に挿通されており、出力軸76Baの先端部は、保持用支持板111の下面の下方に突設されている。また、出力軸76Baの先端部(下端部)には、駆動用歯付きベルトプーリ136が取り付けられている。
前記駆動用歯付きベルトプーリ136と従動用歯付きベルトプーリ115との外周には、1本の歯付きベルト137が掛け回されており、可動板用モータ76Bの駆動力によりピニオン114を正方向あるいは逆方向に回転駆動させることで、2つのボタン保持ピン17Bの相互間の間隔であるピン間隔Gが拡縮するように1対のボタン載置腕116を移動させることができるように形成されている。
すなわち、可動板用モータ76の駆動力により、1対のボタン載置腕116は、それぞれのラック部118L、118Rがピニオン114と噛合して1対のボタン載置腕116が案内溝に沿って相対移動するように対向配置されている。
例えば、ピニオン114を図18の反時計方向に回転させることにより、左腕116Lは前側FSに移動し、右腕116Rは後側BSに同じ距離だけ移動するように形成されている。すなわち、一方のボタン載置腕116の移動にともない、他方のボタン載置腕116を同時に同じ距離だけ逆方向に移動させることができるように形成されている。
したがって、可動体用移動手段としての可動板用モータ76Bは、複数の可動体としての1対のボタン載置腕116のそれぞれを同期させて一括動作するように形成されている。
前記駆動用歯付きベルトプーリ136、従動用歯付きベルトプーリ115、歯付きベルト137、ピニオン軸112、ピニオン114およびラック部118L、118Rにより、本実施形態の2つの可動体としての1対のボタン載置腕116を、それぞれボタン載置腕116に立設されたボタン保持ピン17Bの相互間の間隔が拡縮するように移動させる可動体用移動手段139が構成されている。
なお、ピニオン114としては、シザースギアなどのバックラッシュ防止ギアを用いることがラック部118L、118Rとの噛合部におけるバックラッシュを防止して、ボタン載置腕116の移動位置を正確に制御することができるという意味で好ましい。
本実施形態の制御手段41Bは、ボタン供給装置3Bの各部の動作の制御を司るためのものであり、前述した第1実施形態のボタン供給装置3における制御手段41とほぼ同様に構成されている。
すなわち、図19に示すように、本実施形態の制御手段41Bは、少なくとも演算部として機能するCPU91(MPUであってもよい)、プログラムやデータを記憶する記憶部として機能するメモリ92および図示しないシステム・コントローラなどを有している。
本実施形態の制御手段41Bには、少なくとも移動用モータ15、可動板用モータ76B、拡大方向用位置センサ131および縮小方向用位置センサ132からなる2つ近接スイッチ128が電気的に接続されており、制御手段41B、詳しくはCPU91から送出される制御指令により、少なくとも可動板用モータ76Bの動作制御が行われるようになっている。
前記メモリ92のROM93には、前述した第1実施形態の制御手段41と同様に、少なくともボタン移動部95と、ボタン判別部96Bと、報知手段としての異常報知部97とが設けられている。
前記ボタン移動部95および異常報知部97については、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様とされているのでその詳しい説明については省略し、ボタン判別部96Bについてのみ以下に説明する。
前記ボタン判別部96Bには、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別するためのプログラムおよびデータが記憶されている。このようなプログラムおよびデータとしては、ボタンセット位置P1でボタン保持台14Bに保持されたボタンBがボタン供給位置P2でボタン把持装置11により把持されるまでの間に、糸通し孔Baに挿入されたボタン保持ピン17Bが糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界までピン間隔Gが拡縮するように可動体用移動手段139を動作させるとともに、ボタン保持ピン17Bが移動限界に到達したときの移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを移動位置検出手段としての2つの近接スイッチ128、詳しくは拡大方向用位置センサ131および縮小方向用位置センサ132からの検出信号に基づいて判別することにより、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別するものを挙げることができる。このボタン判別部96BによるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別は、前述したように、2つの近接スイッチ128からの信号に基づいて実行される。
なお、前述した第2実施形態のボタン供給装置3Aと同様に、排出用シリンダ101などからなるボタン排除手段を設けてもよい。この場合、異常報知部97としては、前述した第2実施形態のボタン供給装置3Aにおける異常報知部97Aが用いられることになる。
また、近接スイッチ128の代わりに、リニアセンサ81を用いてもよい。この場合、ボタン判別部96Bとしては、前述した第1実施形態のボタン供給装置3におけるボタン判別部96が用いられることになる。
言い替えると、前述した第1実施形態のボタン供給装置3におけるリニアセンサ81を近接スイッチ128とする構成も可能である。この場合、いずれか1つの可動板44の下面に突起を設け、この突起の可動板44の移動方向に沿った両側に近接スイッチ128を配置すればよい。
その他の構成については、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様とされているのでその詳しい説明については省略する。
つぎに、本実施形態におけるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別について説明する。
図20は本発明に係るボタン供給装置の実施形態におけるボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する動作を説明するフローチャートである。
本実施形態のボタン供給装置3BにおけるボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作は、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様に、ボタンセット位置P1でボタン保持台14BにボタンBが保持されることにより開始する。
そして、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否を判別する動作が開始されると、図20示すように、ステップST21において、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、ピン間隔Gが拡大するように可動板用モータ76Bを駆動し、つぎのステップST22に進行する。
具体的には、可動板用モータ76Bを駆動してピニオン114を図18の反時計方向に回転駆動する。このピニオン114の回転により、左腕116Lは前側FS、すなわち、拡大方向用位置センサ131に向かって接近するように移動する。この時、左腕116Lの前側FSに向かう移動に同期して、右腕116Rは後側BS、すなわち、縮小方向用位置センサ132から離れる方向に向かって移動する。
すなわち、2つのボタン載置腕116のそれぞれが同期して一括動作して、各ボタン載置腕116に立設されているそれぞれのボタン保持ピン17Bは、ボタン保持台14Aの中心C1、ひいてはボタンBの中心B1からの角度位置を変えることなく、相互に対向する2つのボタン保持ピン17Bが相互に離間するように拡大方向へ移動してピン間隔Gが拡大する。
なお、ボタン保持ピン17Bの初期位置においては、図18に示すように、拡大方向用位置センサ131に対する左腕116Lの前端部116La、および、縮小方向用位置センサ132に対する右腕116Rの前端部116Raのそれぞれが、近接スイッチ128のスイッチング動作域から距離Lだけ離れて設定されており、拡大方向用位置センサ131および縮小方向用位置センサ132は、ともに拡大方向用位置センサ131および縮小方向用位置センサ132のスイッチが働かないOFF状態を保持しており、拡大方向用位置センサ131および縮小方向用位置センサ132は、ともにOFF状態の信号(OFF信号)を制御手段41Bに出力している。
ついで、ステップST22において、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、ボタン載置腕116、ひいては2つのボタン保持ピン17Bの拡大方向への移動が停止したか否かを判断する。
すなわち、左腕116Lおよび右腕116Rの移動は、2つのボタン保持ピン17Aが挿入された糸通し孔Baの内壁により拘束されて移動不能となる移動限界に到達するまで行われる。そして、2つのボタン保持ピン17Bが移動限界である最大移動限界に到達すると、可動板用モータ76Bが停止される。
ここで、2つのボタン保持ピン17Bが移動限界に到達したことは、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様に、可動板用モータ76Bに供給している電流値の増加などの変化を検出したり、ピニオン軸112の回転の有無をエンコーダにより検出したりすることにより実現できる。
前記ステップST22の判断がNO(ボタン載置腕116が移動している)の場合には、ステップST21に戻り、ステップST22の判断がYES(ボタン載置腕116が停止している)になるまで可動板用モータ76Bの駆動を継続する。
前記ステップST22の判断がYESの場合には、つぎのステップST23に進行し、つぎのステップST23において、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、拡大方向に移動して移動限界に到達したときの拡大方向用位置センサ131からの信号がOFF信号であるか否かを判別する。
前記ステップST23の判断がYES(拡大方向用位置センサ131からの信号がOFF信号:M「+」<L=R−r)の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が悪いボタン異常と判別してつぎのステップST24に進行し、つぎのステップST24において異常報知部97に記憶されたプログラムに基づいて、ボタンBが異常であることを報知する異常報知処理、本実施形態においては、ボタン把持装置11がボタンBを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力する処理を行ってから、後述するステップST28に進行する。
前記ステップST23の判断がNO(拡大方向用位置センサ131からの信号がON信号)の場合には、つぎのステップST25に進行し、つぎのステップST25において、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、ピン間隔Gが縮小するように可動板用モータ76Bを駆動し、つぎのステップST26に進行する。
具体的には、可動板用モータ76BをステップST21における可動板用モータ76Bの回転方向に対して逆方向に駆動する。
すなわち、可動板用モータ76Bを駆動してピニオン114を図18の時計方向に回転駆動する。このピニオン114の回転により、左腕116Lは後側BS、すなわち、拡大方向用位置センサ131から離れる方向に向かって移動する。この時、左腕116Lの後側BSに向かう移動に同期して、右腕116Rは前側FS、すなわち、縮小方向用位置センサ132に向かって接近する方向に移動する。
すなわち、2つのボタン載置腕116のそれぞれが同期して一括動作して、各ボタン載置腕116に立設されているそれぞれのボタン保持ピン17Bは、ボタン保持台14Aの中心C1、ひいてはボタンBの中心B1からの角度位置を変えることなく、相互に対向する2つのボタン保持ピン17が相互に離間するように縮小方向へ移動してピン間隔Gが縮小する。
ついで、ステップST26において、前述したステップST22と同様に、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、ボタン載置腕116の移動が停止したか否かを判断する。
前記ステップST26の判断がNO(ボタン載置腕116が移動している)の場合には、ステップST25に戻り、ステップST26の判断がYES(ボタン載置腕116が停止している)になるまで可動板用モータ76Bの駆動を継続する。
前記ステップST26の判断がYESの場合には、つぎのステップST27に進行し、ボタン判別部96Bに記憶されたプログラムに基づいて、縮小方向に移動して移動限界に到達したときの縮小方向用位置センサ132からの信号がOFF信号であるか否かを判別する。
前記ステップST27の判断がYES(縮小拡大方向用位置センサ132からの信号がOFF信号:M「−」<L=R−r)の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が悪いボタン異常と判別し、前記ステップST24に進行する。
前記ステップST27の判断がNO(縮小方向用位置センサ132からの信号がON信号)の場合には、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度が良いボタン正常と判別して、つぎのステップST28に進行し、つぎのステップST28において可動板用モータ76Bを駆動してボタン載置腕116、ひいてはボタン保持ピン17Bの位置を初期位置に復帰させて終了する。
なお、ボタン載置腕116の拡大方向への移動と、縮小方向への移動との順序を逆、すなわち、ステップST21〜ステップST23と、ステップST25〜ステップST27とを入れ換える構成としてもよい。
このような構成からなる本実施形態のボタン供給装置3Bによれば、前述した第1実施形態のボタン供給装置3と同様に、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態のボタン供給装置3Bによれば、近接スイッチ128からの検出信号に基づいて、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を行うことができるので、前述した第1実施形態のボタン供給装置3に比べて、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別を行うためのプログラムおよびデータの構成を簡単にすることができるとともに、ボタンBの糸通し孔Baの位置精度の良否の判別に必要な処理時間を短くすることができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
本発明に係るボタン供給装置の実施形態を備えたボタン付けミシンの要部を示す外観斜視図 図1の要部の平面図 図1のボタン供給装置近傍の正面図 本発明に係るボタン供給装置の第1実施形態のボタン保持台の拡大平面図 図4の蓋部材を取り除いた状態を示す平面図 図4の右側断面図 図4の左側断面図 本発明に係るボタン供給装置の第1実施形態の要部の構成を示すブロック図 本発明に係るボタン供給装置の第1実施形態におけるボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する動作を説明するフローチャート 糸通し孔の位置精度が良いボタンをボタン保持ピンの初期位置とともに説明する説明図 糸通し孔の位置精度が悪いボタンの一例をボタン保持ピンの初期位置とともに示す説明図 図11のボタンにおけるボタン保持ピンが拡大方向に移動して移動限界に到達したときの状態を説明する説明図 図11のボタンにおけるボタン保持ピンが縮小方向に移動して移動限界に到達したときの状態を説明する説明図 本発明に係るボタン供給装置の第2実施形態の要部を示す平面図 図14の断面図 本発明に係るボタン供給装置の第2実施形態の要部の構成を示すブロック図 本発明に係るボタン供給装置の第3実施形態の要部を示す分解斜視図 図17の要部を示す概略平面図 本発明に係るボタン供給装置の第3実施形態の要部の構成を示すブロック図 本発明に係るボタン供給装置の第2実施形態におけるボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別する動作を説明するフローチャート
符号の説明
1 ボタン付けミシン
2 ミシン本体
3、3A、3B ボタン供給装置
11 ボタン把持装置
12 ボタンクランプアーム
14、14A、14B ボタン保持台
15 移動用モータ
16 ボタンキャリア
17、17B ボタン保持ピン
41、41A、41B 制御手段
42 ケース本体
43 蓋部材
44 可動板
71 ボールねじ
76、76B 可動板用モータ
76a、76Ba 出力軸
81 リニアセンサ
81a プローブ
91 CPU
92 メモリ
95 ボタン移動部
96、96B ボタン判別部
97、97A 異常報知部
101 排出用シリンダ
111 保持用支持板
116 ボタン載置腕
128 近接スイッチ
131 拡大方向用位置センサ
132 縮小方向用位置センサ
139 可動体用移動手段
B ボタン
Ba 糸通し孔
GH 正常孔
NH 異常孔
P1 ボタンセット位置
P2 ボタン供給位置
G ピン間隔
Gmax 最大ピン間隔
Gmin 最小ピン間隔
B1 (ボタンの)中心
B2 (糸通し孔の)中心
C1 (ボタン保持台の)中心
C2 (ボタン保持ピンの)中心
R (糸通し孔の)半径
r (ボタン保持ピンの)半径
M、M「+」、M「−」 移動量
α 閾値
β ズレ量
L 距離

Claims (6)

  1. 上面にボタンが載置されるとともに、上面にボタンの複数の糸通し孔に挿入される複数のボタン保持ピンが立設され、前記ボタン保持ピンを介してボタンを保持するボタン保持台と、
    保持台移動用アクチュエータの駆動力をもって前記ボタン保持台を、前記ボタン保持台にボタンが保持される際の前記ボタンセット位置と、ボタン付けミシンのボタン把持装置がボタンを把持するボタン供給位置との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させる保持台用移動手段と、
    各部の動作の制御を司るための記憶部および演算部を具備する制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台にボタンが保持された後、前記保持台移動用アクチュエータを駆動させることにより前記ボタン保持台を前記ボタン供給位置まで移動させるように形成されているボタン供給装置において、
    前記ボタン保持台は、
    上面に少なくとも1つの前記ボタン保持ピンが立設された複数の可動体と、
    可動体移動用アクチュエータの駆動力をもって前記複数の可動体を、前記複数の可動体のうちの隣位の2つの可動体に立設された前記ボタン保持ピンの相互間のピン間隔が拡縮するように移動させる可動体用移動手段と、
    前記ピン間隔が拡縮したときの前記ボタン保持ピンの移動量を検出する移動量検出手段とを有しており、
    前記制御手段は、
    前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台に保持されたボタンが前記ボタン供給位置で前記ボタン把持装置により把持されるまでの間に、前記糸通し孔に挿入された前記ボタン保持ピンが前記糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで前記ピン間隔が拡縮するように前記可動体用移動手段を動作させるとともに、前記ボタン保持ピンが前記移動限界に到達したときの前記ボタン保持ピンの移動量を前記移動量検出手段により検出し、この検出した移動量を予め記憶部に記憶された閾値と比較することにより前記ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別することを特徴とするボタン供給装置。
  2. 上面に2つの糸通し孔を具備するボタンが載置されるとともに、上面にボタンの糸通し孔に挿入される2つのボタン保持ピンが立設され、前記ボタン保持ピンを介してボタンを保持するボタン保持台と、
    保持台移動用アクチュエータの駆動力をもって前記ボタン保持台を、前記ボタン保持台にボタンが保持される際の前記ボタンセット位置と、ボタン付けミシンのボタン把持装置がボタンを把持するボタン供給位置との2位置を少なくとも選択的に取り得るように移動させる保持台用移動手段と、
    各部の動作の制御を司るための記憶部および演算部を具備する制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台にボタンが保持された後、前記保持台移動用アクチュエータを駆動させることにより前記ボタン保持台を前記ボタン供給位置まで移動させるように形成されているボタン供給装置において、
    前記ボタン保持台は、
    上面に少なくとも1つの前記ボタン保持ピンが立設された2つの可動体と、
    可動体移動用アクチュエータの駆動力をもって前記2つの可動体を、それぞれ可動体に立設された前記ボタン保持ピンの相互間のピン間隔が拡縮するように移動させる可動体用移動手段と、
    前記可動体が移動したときの移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを検出する移動位置検出手段とを有しており、
    前記制御手段は、
    前記ボタンセット位置で前記ボタン保持台に保持されたボタンが前記ボタン供給位置で前記ボタン把持装置により把持されるまでの間に、前記糸通し孔に挿入された前記ボタン保持ピンが前記糸通し孔の内壁により拘束されて移動不能となる移動限界まで前記ピン間隔が拡縮小するように前記可動体用移動手段を動作させるとともに、
    前記ボタン保持ピンが前記移動限界に到達したときの移動位置が予め設定された移動位置にあるか否かを前記移動位置検出手段からの検出信号に基づいて判別することにより、前記ボタンの糸通し孔の位置精度の良否を判別することを特徴とするボタン供給装置。
  3. 前記可動体用移動手段は、前記複数の可動体のそれぞれを同期させて一括動作することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボタン供給装置。
  4. 前記制御手段が、前記ボタンの糸通し孔の位置精度を悪いと判別した場合、ボタンが異常であることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のボタン供給装置。
  5. 前記報知手段が、前記ボタン把持装置がボタンを把持する動作を行わない把持禁止信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のボタン供給装置。
  6. 前記ボタン保持台に保持されたボタンを、前記ボタン保持台から強制的に排除するためのボタン排除手段が配設されており、
    前記報知手段が、前記ボタン排出手段を駆動して前記ボタン保持台に保持されたボタンを排除することを特徴とする請求項4に記載のボタン供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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