JP2009295779A - 光学特性の算出方法、光学特性の算出装置、光学特性の管理方法、光学特性の管理装置、光学系、露光装置及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

光学特性の算出方法、光学特性の算出装置、光学特性の管理方法、光学特性の管理装置、光学系、露光装置及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学系の光学特性を容易に算出するための光学特性の算出方法を提供する。
【解決手段】 複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出方法において、前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開工程と、前記展開工程により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士を演算する演算工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば半導体素子または液晶表示素子等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するために用いられる光学系の光学特性を算出するための光学特性の算出方法、光学特性の算出装置、光学特性の管理方法、光学特性の管理装置、該算出方法により光学特性を算出された光学系、該光学系を備える露光装置及び該露光装置を用いる電子デバイスの製造方法に関するものである。
従来、例えば半導体素子または液晶表示素子等を製造する際に、マスク(レチクル、フォトマスク等)に形成されているパターンを投影光学系(結像光学系)を介してレジストが塗布された基板(ガラスプレートまたは半導体ウエハ等)上に露光する露光装置が使用されている。この露光装置に搭載されている投影光学系は、マスクに形成されているパターンを基板上に高解像度で投影するために諸収差が十分に補正された良好な光学特性を有する必要がある。
また、近年、投影光学系の解像度を向上させるために投影光学系の開口数(NA)が大きくなっており、投影光学系のNAが大きくなるに従い、露光光の偏光状態が投影光学系の光学特性へ与える影響が大きくなっている。従って、マスクに形成されているパターンを基板上に高解像度で投影するために、投影光学系の偏光変調作用(偏光収差)を補正する必要が生じている。そこで、投影光学系の偏光収差は、投影光学系を構成する個々の光学部材の設計値、複屈折値及び反射防止膜等の薄膜の偏光特性の設計値などから算出したジョーンズ行列を用いて表現されていた(例えば、非特許文献1参照)。
HECHT,EUGENE,OPTICS Second Edition,ADDISON−WESLEY PUBLISHING COMPANY, 1990
しかしながら、個々の光学部材の各種偏光特性と、投影光学系全体の偏光変調作用との関係は複雑で定性的な解釈が難しいという問題が有った。即ち、所定の偏光状態の光線が投影光学系内を進む際の伝播工程は、各光学部位(各光学部材または各光学部材の光学面)に対応するジョーンズ行列同士の積によって数式表現することができるが、このような数式を求める演算は非常に複雑で効率が悪く、また求められた数式は難解で定性的な理解が困難であった。
本発明の課題は、光学系の光学特性を効率的に算出するための光学特性の算出方法、該光学系の光学特性を効率的に算出するための光学特性の算出装置、光学系の光学特性を容易に管理するための光学特性の管理方法および光学特性の管理装置、該算出方法により光学特性を算出された光学系、該光学系を備える露光装置及び該露光装置を用いる電子デバイスの製造方法を提供することである。
本発明の光学特性の評価方法は、複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出方法において、前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開工程と、前記展開工程により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士を演算する演算工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の光学特性の算出方法は、複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出方法において、前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開工程と、前記展開工程により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士の線形和を演算する演算工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の光学特性の管理方法は、第1の光学部位と第2の光学部位とを有する光学系の偏光収差を含む光学特性を管理する光学特性の管理方法において、本発明の光学特性の算出方法と予め用意される光学特性に関する情報とを用いて前記光学系のパウリ係数分布を算出する算出工程と、前記算出工程で算出された前記パウリ係数分布をツェルニケ展開する変換工程と、前記変換工程で得られたツェルニケ係数を用いて前記光学系の光学特性を表現する表現工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の光学特性の算出装置は、複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出装置において、前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開部と、前記展開部により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士を演算する演算部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の光学特性の算出装置は、複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出装置において、前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開部と、前記展開部により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士の線形和を演算する演算部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の光学特性の管理装置は、第1の光学部位と第2の光学部位とを有する光学系の偏光収差を含む光学特性を管理する光学特性の管理装置において、本発明の光学特性の算出装置と予め用意される光学特性に関する情報とを用いて前記光学系のパウリ係数分布を算出する算出部と、前記算出部で算出された前記パウリ係数分布をツェルニケ展開する変換部と、前記変換部で得られたツェルニケ係数を用いて前記光学系の光学特性を表現する表現部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の光学系は、本発明の光学特性の管理方法により光学特性を管理されたことを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、第1面を照明する照明光学系と、前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系が、本発明の光学系であることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、第1面を照明する照明光学系と、前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、本発明の光学特性の算出装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の露光装置は、第1面を照明する照明光学系と、前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、本発明の光学特性の管理装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の電子デバイスの製造方法は、リソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程に本発明の露光装置を用いることを特徴とする。
本発明の光学特性の算出方法及び算出装置によれば、光学系の光学特性又は光学系の複数の光学部位の光学特性を容易に算出することができる。
また、本発明の光学特性の管理方法及び管理装置によれば、光学系の光学特性又は光学系の複数の光学部位の光学特性を効率的に管理することができる。
また、本発明の光学系は、本発明の光学特性の管理方法により光学特性を管理された光学系であるため、所望の光学特性を有するものとすることができる。
また、本発明の露光装置によれば、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系として本発明の光学系を備えるため、所望の光学特性を有する投影光学系によって良好な露光を行うことができる。
また、本発明の露光装置によれば、本発明の光学特性の算出装置を備えるため、所望の光学系の光学特性を容易に算出することができる。
また、本発明の露光装置によれば、本発明の光学特性の管理装置を備えるため、所望の光学系の光学特性を効率的に管理することができる。
また、本発明の電子デバイスの製造方法によれば、本発明の露光装置を用いるため、高解像度で良好な電子デバイスの製造を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る光学特性の算出装置について説明する。光学特性の算出装置は、被検光学系の光学特性を算出する装置である。この実施の形態においては、被検光学系として、例えば半導体素子または液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するための露光装置に搭載され、物体面(第1面)に配置されるマスクのパターンの像を像面(第2面)に形成する投影光学系(結像光学系)を例に挙げて説明する。また、この実施の形態においては、被検光学系の光学特性とは、投影光学系に入射する光の偏光変調作用(偏光収差)を含むものである。さらに、本実施形態において、偏光収差とは、光学部位(レンズなどの光学部材又はその光学面)のリターデーション(光束の偏光方向による屈折率差)などを起因として発生する収差である。
図1はこの実施の形態に係る光学特性の算出装置のブロック構成図である。図1に示すように、光学特性算出装置2は、光学特性算出装置2の動作を制御する制御部4を備えている。制御部4には、投影光学系を構成する各光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数(ジョーンズ行列の指数関数)等を入力するための入力部6が接続されている。ここで、投影光学系を構成する光学部位とは、投影光学系を構成する光学部材、または該光学部材の光学面のことである。
また、制御部4には、入力部6から入力された上述のようなジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数等を記憶するための記憶部8、記憶部8に記憶されている該ジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数の指数部の行列をパウリ行列を含む複数の行列に展開する展開工程を行うことを含む展開部10、展開工程によってパウリ行列の線形結合に展開された複数の行列のパウリ係数同士を逐次的に演算する演算工程を行うことを含む演算部12、演算工程によって得られた演算結果より各光学部位から構成される光学系の光学特性を表現するジョーンズ行列を導出する導出工程を行うことを含む導出部14、演算工程によって得られた演算結果又は導出工程によって導出されたジョーンズ行列を出力することを含む出力部16が接続されている。展開工程、演算工程及び導出工程についての詳細は後述する。
制御部4は、入力部6により入力された被検光学系の複数の光学部位の光学特性を表現した各ジョーンズ行列を指数関数表現したそれぞれの指数関数等を記憶部8に記憶させる。そして、制御部4は、展開部10に対して制御信号を出力し、展開部10は記憶部8に記憶されている上述の指数関数の指数部の行列(例えば第1の行列、又は第3の行列)を、パウリ行列を含む複数の行列(例えば第2の行列、又は第4の行列)に展開する。そして、制御部4は、演算部12に対して制御信号を出力し、演算部12は上述の複数の行列のパウリ係数同士(例えば第2の行列と第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士)を逐次的に演算する。また、制御部4は、導出部14に対して制御信号を出力し、導出部14は演算部12によって得られた演算結果より各光学部位から構成される光学系の光学特性を表現するジョーンズ行列(第7の行列)を導出する。そして、制御部4は、出力部16に対して制御信号を出力し、出力部16は演算部12によって得られた演算結果、又は光学系の光学特性を表現するジョーンズ行列を出力する。なお、記憶部8に記憶される被検光学系の複数の光学部位の各ジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数等は、予め記憶部8に記憶しておくことが望ましい。
次に、図2のフローチャートを参照して、この実施の形態に係る投影光学系の光学特性の算出方法について説明する。
まず、制御部4は、記憶部8に記憶されている投影光学系を構成する各光学部位のジョーンズ行列を指数関数表現したそれぞれの指数関数から、第1の光学部位Aのジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数の指数部の行列(第1の行列)を取得する(ステップS10)。
ここで、ジョーンズ行列とは、所定の光学部位(または光学系)の偏光収差を表現する2×2の複素行列であり、ジョーンズ行列をJ、当該光学部位に入射する入射光のジョーンズベクトルを(E,E)、当該光学部位から射出する射出光のジョーンズベクトルを(E´,E´)としたとき、(1)式が成立する。
Figure 2009295779
そして、ジョーンズ行列の指数関数とは、所定の光学系内のn番目の光学部位(例えば、レンズ1個あるいはレンズの1面)上の座標(ξ,η)で表される偏光収差を表現するジョーンズ行列の瞳座標関数(Jones Pupil)をJ(ξ,η)としたとき、複素行列であるJ(ξ,η)を、複素行列Z(ξ,η)を用いて(2)式のような行列の指数関数として表現したものである。
Figure 2009295779
従って、ステップS10において制御部4により取得された光学部位Aのジョーンズ行列の指数関数は、光学部位Aのジョーンズ行列をJ(ξ,η)とすると、(2)式より、
Figure 2009295779
で表されるexp[Z(ξ,η)]となる。さらに、Z(ξ,η)が光学部位Aのジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数の指数部の行列(第1の行列)となる。
次に、制御部4は、展開部10を用いて、ステップS10において取得した第1の行列をパウリ行列を含む第2の行列に展開する展開工程を実行する(ステップS11)。ここで、パウリ行列とは2×2の単位行列も含めた次に挙げる4つの2×2の複素行列σ,σ,σ,σの組みのことである。
Figure 2009295779
一般に、任意の2×2の複素行列はパウリ行列の線形結合に展開することができ、このときの各係数(パウリ係数)は複素数になる。従って、展開部10が行う展開工程とは、複素行列Z(ξ,η)を次の(3)式で表現される式に展開することである。
Figure 2009295779
(3)式で求められたパウリ係数pは、実部が偏光子効果、虚部が位相子効果という関係に分かれている。また、この4つのパウリ係数p,p,p,pは、ストークスパラメータと同じような物理的意味を持つと共に、リターデーション等の偏光素子物理量との関係を明確に表現するものである。そして、パウリ係数のpは偏光していない光(非偏光)の収差成分、即ち非偏光の透過率及び位相、pは光の進行方向に対して0度方向と90度方向の直線偏光の収差成分の相対値、即ち光の進行方向に対して0度方向と90度方向の直線偏光の透過率差及び位相差、pは光の進行方向に対して+45度方向と−45度方向の直線偏光の収差成分の相対値、即ち光の進行方向に対して+45度方向と−45度方向の直線偏光の透過率差及び位相差、pは光の進行方向に対して右回りと左回りの円偏光の収差成分の相対値、即ち光の進行方向に対して右回りと左回りの円偏光の透過率差及び位相差、をそれぞれ表わしている。ここで、偏光子効果とは、例えば、光の偏光状態による透過率、又は該透過率の変化(透過率差)をいう。さらに、位相子効果とは、例えば、光の偏光状態による位相、又は該位相の変化(位相差)をいう。
従って、上記のステップS10において光学部位Aの第1の行列が取得された場合には、ステップS11において、展開部10により次の展開が行われて光学部位Aの第2の行列が求められる。
Figure 2009295779
ここで、上式の係数a,a,a,aが第2の行列のパウリ係数になる。
次に、制御部4は、記憶部8に記憶されている各光学部位のジョーンズ行列の指数関数から、上述の光学部位Aとは異なる第2の光学部位である光学部位Bのジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数の指数部の行列(第3の行列)を取得する(ステップS12)。即ち、光学部位Bのジョーンズ行列をJ(ξ,η)とすると、(2)式より、
Figure 2009295779
で表されるexp[Z(ξ,η)]のZ(ξ,η)が、ステップS12において取得される光学部位Bの第3の行列となる。
次に、制御部4は、展開部10を用いて、ステップS12において取得した第3の行列を、次のようなパウリ行列を含む第4の行列に展開する(ステップS13)。
Figure 2009295779
ここで、上式の係数b,b,b,bが第4の行列のパウリ係数になる。
次に、制御部4は、演算部12を用いて、ステップS11で展開された第2の行列のパウリ係数a,a,a,a及びステップS13で展開された第4の行列のパウリ係数b,b,b,bを用いて(4)式の演算を行ってc,c,c,cを求める(ステップS14)。
Figure 2009295779
このように、例えば第1の光学部位A及び第2の光学部位Bで構成される光学系の光学特性を、パウリ係数同士の演算によって容易に算出することができる。
次に、制御部4は、投影光学系を構成する全ての光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現した指数関数がS12において取得されたか否かを判断する(ステップS15)。例えば今回のように、第1の光学部位A及び第2の光学部位Bのジョーンズ行列の指数関数しか取得されていない場合には、制御部4により全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得されていないと判断されて、ステップS16へ進む。ステップS16では、ステップS14で求めたc,c,c,cがパウリ係数a,a,a,aに置き換えられて、ステップS12へ進む。
次に、ステップS12では、制御部4が、記憶部8に記憶されている各光学部位のジョーンズ行列の指数関数から、まだジョーンズ行列の指数関数が取得されていない光学部位のジョーンズ行列の指数関数を新たに第3の行列(或いは、第5の行列)として取得する。ここで、既に第m番目の光学部位までジョーンズ行列の指数関数が取得されている場合には、例えば第m+1番目の光学部位のジョーンズ行列の指数関数が第3の行列として取得される。そして、このようにして取得された第3の行列をパウリ行列を含む第4の行列(或いは第6の行列)として新たに展開し(ステップS13)、新たにパウリ係数b,b,b,b(或いは、d,d,d,d)を求める。
そして、ステップS16で置換されたパウリ係数a,a,a,a及びステップS13で新たに展開された第4の行列のパウリ係数b,b,b,bを用いて上述の(4)式の演算を行って新たなc,c,c,cを求める(ステップS14)。
次に、ステップS15に進み、制御部4は、投影光学系を構成する全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得されたかどうかを再び判断する。制御部4により、全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得されていないと再び判断された場合には、上述のステップS16、S12、S13、S14の順で上述のステップ処理が再び実行される。
ステップS15において、制御部4により、投影光学系を構成する全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得されたと判断された場合には、ステップS17へ進み、制御部4は、ステップS14で最終的に求めたc,c,c,cを出力部16から出力する(ステップS18)。
また、ステップS17において、上述のように算出された光学系の光学特性又は光学系の複数の光学部位の光学特性をジョーンズ行列で表現する必要があると判断された場合には、ステップS14で求めたc,c,c,cを用いて、投影光学系の光学特性を表現するジョーンズ行列(第7の行列)を導出する導出工程が実行される(ステップS19)。即ち、当該導出工程においては、まず、c,c,c,cから次の式で求められるZ(ξ,η)を求める。
Figure 2009295779
このようにして求められたZ(ξ,η)から、第7の行列J(ξ,η)を次の式より導出する。
Figure 2009295779
そして、制御部4は、上述のように導出された第7の行列を出力部16から出力する(ステップS20)。
なお、上述のステップS15において、投影光学系を構成する全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得される必要がない場合には、ステップS17へ進むようにしてもよい。さらに、上述のステップS15において、投影光学系を構成する光学部位のうち必要な光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得されている場合には、ステップS17へ進むようにしてもよい。
本発明の光学特性の算出方法及び光学特性の算出装置によれば、光学系の光学特性又は光学系の複数の光学部位の光学特性を効率的で容易に算出することができる。
即ち、従来は、例えばn個の光学部位から構成される投影光学系の光学特性を表現するジョーンズ行列J(ξ,η)は、
Figure 2009295779
という複雑な行列演算で求めていたために非効率であったが、本実施の形態に係る光学特性の算出方法及び算出装置によれば、パウリ係数同士の演算で求めることができるため、効率よく複数の光学部位の光学特性を算出することができる。
また、本実施の形態によれば、光学系の各光学部位がその光学系全体の光学特性にそれぞれどの程度影響を与えるかを容易に算出することができる。
なお、本実施の形態においては、投影光学系を構成する各光学部位のジョーンズ行列の指数関数の指数部の行列をパウリ展開した際に得られるパウリ係数をデータベース化しておけば、例えば任意の硝材歪み量を持ったレンズの組み合わせによる光学系全体のパウリ係数やジョーンズ行列も簡単に算出することが可能になる。
次に、上述の本実施形態の光学特性の算出方法及び算出装置における変形例について説明する。なお、この変形例の構成においては、上述の実施形態における制御部4、記憶部8、展開部10(展開工程)、演算部12(演算工程)、及び出力部16の構成と概ね同様である。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同じ符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本変形例においても、上述の実施形態と同様に、制御部4は、演算部12を用いて、ステップS11で展開された第2の行列のパウリ係数a,a,a,a及びステップS13で展開された第4の行列のパウリ係数b,b,b,bを用いて(4)式の演算を行ってc,c,c,cを求める(ステップS14)。
ここで、ステップS14で演算される上述の式(4)において、パウリ係数a及びb、即ち円偏光の透過率差及び位相差について着目する。製造上、一般的な硝材(例えば、石英や蛍石など)において、円偏光における円2色性および旋光性については、無視できるほど小さく、ほぼゼロに等しいと考えることができる。従って、上述のように、aは円偏光の透過率差及び位相差を表わすパウリ係数であり、同様にbは円偏光の透過率差及び位相差を表わすパウリ係数であるので、式(4)は以下の式(5)と表わすことができる。
Figure 2009295779
さらに、式(5)におけるi(a−a)の部分は、光学系の光学部位の直線偏光子効果や直線位相子効果同士のクロスタームによる円2色性や旋光性を表わし、該光学部位の進相軸角度の相対関係に依存する。しかしながら、一般的な光学部位の硝材においては、その進相軸は放射状に形成されており、光軸中心から発する光束の場合、1つの光束は概ね同じ方向の進相軸を透過するので、円2色性や旋光性は概ねゼロと考えることができる。また、光軸外から発する光束においても、円2色性や旋光性は概ねゼロと考えることができる。なぜなら、物体面(像面)と瞳面とで進相軸の方向とみると90度異なることになるが、さらに、例えば複数の光学部位で構成される投影光学系のような光学系の場合では、隣り同士の光学部位で進相軸角度の相対関係を考えていくと、大きな進相軸角度の違いはなく、円2色性や旋光性は概ねゼロと考えることができる。つまり、光学系の光路内にて各光学部位の進相軸角度は少しずつ変化していくものであり、隣り同士の光学部位で変化する進相軸角度は10度程度であるため、光軸外から発する光束においても円2色性や旋光性は概ねゼロと考えることができる。従って、式(5)におけるcはゼロと近似でき又はゼロと等しくなり、式(5)は以下の式(6)と表わすことができる。
Figure 2009295779
このように、本実施形態の変形例に係る光学特性の算出方法及び算出装置によれば、パウリ係数同士の線形和のみで光学特性を求めることができるので、より簡単に又はより効率よく複数の光学部位の光学特性を算出することができる。
なお、上述の光学特性の算出方法と同様に、投影光学系を構成する全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得される必要がある場合には、上述の図2のステップS16へ進むようにしてもよい。さらに、上述の光学特性の算出方法と同様に、投影光学系を構成する全ての光学部位のジョーンズ行列の指数関数が取得される必要がない場合には、算出された結果を出力部16から出力してもよいし、上述の図2のステップS19へ進むようにしてもよい。
また、本実施形態の変形例によれば、光学系の各光学部位がその光学系全体の光学特性にそれぞれどの程度影響を与えるかを容易に算出することができる。
なお、本実施形態の変形例においては、投影光学系を構成する各光学部位のジョーンズ行列の指数関数の指数部の行列をパウリ展開した際に得られるパウリ係数をデータベース化しておけば、例えば任意の硝材歪み量を持ったレンズの組み合わせによる光学系全体のパウリ係数も簡単に算出することが可能になる。
なお、本実施形態及び変形例に係る光学特性の算出装置においては、該算出装置を構成する制御部4、記憶部8、展開部10や演算部12などは、1つのユニット部(不図示)としてその機能や作用を有するように構成してもよいし、一部のみをユニット部として構成してもよい。
次に、本発明の実施形態に係る光学系の光学特性の管理方法及び管理装置について説明する。図3はこの実施の形態に係る光学特性の管理装置のブロック構成図である。図3に示すように、光学特性管理装置3の構成は、上述の実施形態及び変形例の算出装置における制御部4、記憶部8、展開部10、演算部12、及び出力部16などの構成に、算出部18、変換部20及び表現部22を加えた構成である。以降の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同じ符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
制御部4は、上述の実施形態に記載の光学特性の算出方法と予め用意された投影光学系の光学特性に関する情報とを用いて該光学系のパウリ係数分布を算出する算出工程を行うことを含む算出部18、算出工程によって算出されたパウリ係数分布をツェルニケ展開する変換工程を行うことを含む変換部20、変換工程で得られたツェルニケ係数を用いて該光学系の光学特性を表現する表現工程を行うことを含む表現部22、などが接続されている。算出工程、変換工程及び表現工程についての詳細は後述する。また、パウリ係数分布については後述する。
制御部4は、算出部18に対して制御信号を出力し、算出部18は予め記憶部8に記憶されている該光学系の光学特性に関する情報と上述の展開部10及び演算部12とから該光学系のパウリ係数分布を算出する。そして、制御部4は、変換部20に対して制御信号を出力し、変換部20は上述のパウリ係数分布をツェルニケ展開する。さらに、制御部4は表現部22に対して制御信号を出力し、表現部22は上述の変換部20で得られたツェルニケ係数を用いて該光学系の光学特性を表現する。また、制御部4は、出力部16に対して制御信号を出力し、出力部16は表現部22によって得られた結果を出力する。なお、記憶部8に記憶されている上述の光学特性に関する情報は、予め記憶部8に記憶されているが、必要に応じて入力部6により入力されて記憶部8に記憶されるようにしてもよい。なお、本発明の実施形態における光学特性に関する情報については、後述する。
次に、図4を参照して、この実施形態に係る投影光学系の光学特性の管理方法について説明する。図4は本実施形態における光学特性の管理方法のフローチャートを示す図である。以下、本実施形態においては、説明を簡略化するため、第1の光学部位Aと第2の光学部位Bとからなる光学系を用いて説明する。
まず、制御部4は、算出部18を用いて、記憶部8に記憶されている該光学系の光学特性に関する情報を取得する(ステップSS10)。
ここで、本実施形態における光学特性に関する情報について説明する。例えば、複数の光学部位を備える光学系において、光学特性に関する情報とは、所定の光学部位にのみ規定のリターデーションを与えて偏光光線追跡をして得られる光学系又は各光学部位の偏光収差の特性を含むものである。具体的な一例として、n番目の光学部位(例えば、光学部位A)にのみ回転対称かつ2次的に増加するリターデーションを持った硝材を使った場合を考える。この時、その硝材に与えるリターデーション量としては、その硝材の有効径ぎりぎりの所で1nm/cmのような値にするのが望ましい。このようなモデルで偏光光線追跡を行うと、n番目の光学部位のみに関わるジョーンズ行列の瞳座標関数が得られる。ここで得られるジョーンズ行列の瞳座標関数は、上述の(2)式のように表わすことができる。
つまり、本実施形態における光学特性に関する情報とは、n番目の光学部位のみに1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点(例えば、光軸や光軸外)から発する複数の光束に対して偏光光線追跡して得られる該光学系の偏光収差(第nの情報)を含むものであって、例えば、光学部位Aにのみ1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する複数の光束に対して偏光光線追跡して得られる該光学系の偏光収差(第1の情報)や光学部位Bにのみ1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する複数の光束に対して偏光光線追跡して得られる該光学系の偏光収差(第2の情報)を含むものである。また、n番目の光学部位のみに1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点(例えば、光軸や光軸外)から発する光束に対して偏光光線追跡して得られる該光学部位の偏光収差は、上述の(2)式のような行列の指数関数として表わすことができる。
したがって、光学部位Aにのみ1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する光束に対して得られるパウリ係数は、(6)式から以下の(7)式と表わせる。
Figure 2009295779
同様に、光学部位Bにのみ1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する光束に対して得られるパウリ係数は、(6)式から以下の(8)式と表わせる。
Figure 2009295779
次に、制御部4は、算出部18を用いて、該光学系のパウリ係数分布を算出する算出工程を実行する(ステップSS11)。ステップSS11において、算出部18は、まず、予め記憶部8に記憶されている第1の情報と上述の光学特性の算出方法における展開部10及び演算部12とから光学部位Aに関する該光学系の所定面上(例えば、瞳面上)におけるパウリ係数の分布(第1のパウリ係数分布)を算出する。そして、算出部18は、予め記憶部8に記憶されている第2の情報と上述の光学特性の算出方法における展開部10及び演算部12とから光学部位Bに関する該光学系の所定面上(例えば、瞳面上)におけるパウリ係数の分布(第2のパウリ係数分布)を算出する。
ここで、本実施形態におけるパウリ係数分布とは、n番目の光学部位のみに所定のリターデーションを与えて所定の1点から発する複数の光束に対してそれぞれ算出したパウリ係数の光学系の所定面上における分布である。したがって、本実施形態における第1のパウリ係数分布とは、光学部位Aのみに1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する複数の光束に対してそれぞれ算出したパウリ係数の光学系の所定面上における分布である。また、本実施形態における第2のパウリ係数分布は、光学部位Bのみに1nm/cmのリターデーションを与えて所定の1点から発する複数の光束に対してそれぞれ算出したパウリ係数の光学系の所定面上における分布である。
さらに、上述の(6)、(7)式から、本実施形態における光学系の光学特性について、例えば光学部位Aにおける各パウリ係数のうちa及びaの偏光収差に着目し、Rを位相子効果とすると、第1のパウリ係数分布は、(9)式と表わせる。
Figure 2009295779
同様に、上述の(6)、(8)式から、第2のパウリ係数分布は、(10)式と表わせる。
Figure 2009295779
次に、制御部4は、変換部20を用いて、上述のパウリ係数分布をツェルニケ展開(ツェルニケフィッティング)する変換工程を実行する(ステップSS12)。ステップSS12において、変換部20は、ステップSS11で算出された第1のパウリ係数分布を(11)式のようにツェルニケ展開する。ここで、(11)式において、Cm,A,R1及びCm,A,R2はツェルニケ係数(ツェルニケ多項式の各項の係数:m=1〜37)、Z(γ,φ)はツェルニケ多項式、である。つまり、パウリ係数を瞳関数化したもの(パウリ係数分布)は、(11)式のようにツェルニケ係数を利用して表現することが可能となる。
Figure 2009295779
同様に、ステップSS12において、変換部20は、ステップSS11で算出された第2のパウリ係数分布を(12)式のようにツェルニケ展開する。
Figure 2009295779
次に、制御部4は、表現部22を用いて、変換工程で得られたツェルニケ係数を用いて該光学系の光学特性を表現する表現工程を実行する(ステップSS13)。ステップSS13において、表現部22は、(11)式及び(12)式のように表わされたツェルニケ係数同士の線形和を演算する。ここで、上述の(6)式のように光学系の光学特性は、各パウリ係数同士の線形和で算出できることから、該光学特性は、(11)式及び(12)式におけるツェルニケ係数同士の線形和で代替表現できることになる。例えば、(11)式及び(12)式におけるツェルニケ係数を用い、対象となる光学部位のトータル個数をTとすると、該光学特性は、(13)式のように表現できる。
Figure 2009295779
なお、本実施形態においては、便宜上、Cm,A,R1やCm,A,R2は第1のツェルニケ係数で、Cm,B,R1はCm,B,R2は第2のツェルニケ係数となる。
したがって、ステップSS13において、表現部22は、第1のツェルニケ係数(例えば、Cm,A,R1やCm,A,R2)と第2のツェルニケ係数(例えば、Cm,B,R1はCm,B,R2)との線形和を演算して光学系の光学特性を表現する。
また、レンズなどの光学部位に使用される硝材のリターデーション量が係数倍されたとしても、その光学部位の実効的なリターデーション分布関数も同じだけ係数倍されることになるので、本実施形態においては、上述の各ツェルニケ係数を係数倍すること同等である。そして、硝材のリターデーション量に応じて係数倍した各ツェルニケ係数の線形和を演算することで光学系の光学特性を容易に管理することができる。つまり、例えば、光学部位Aの硝材のリターデーション量をS倍、光学部位Bの硝材のリターデーション量をS倍すると、上述の(13)式は以下の(14)式と表わせる。ここで、S及びSは、リターデーションスケール係数である。
Figure 2009295779
したがって、予め各光学部位における上述で求めたツェルニケ係数のような偏光特性情報をデータベース化しておけば、光学系全体の光学特性を簡単なツェルニケ係数同士の線形和で算出され管理できることになる。
さらに、上述の本実施形態における光学特性の管理装置及び管理方法は、光学系の光学特性、例えば偏光収差、が低減されるような所望の光学系を、所定の光学部位を用いて構成する場合などにも、有効である。一般的に、所望の光学系を構成するための各光学部位に使用する硝材の選択は、硝材のもつリターデーションに応じて選択する硝材を決定しているが、硝材の変更ごとに毎回複雑な計算工程(例えば、各像高、各瞳面内全ての光線追跡など)を経て行われてきたため、計算が複雑であったり計算に時間がかかったりしていた。しかしながら、本実施形態によれば、所望の光学系の光学特性を決めれば、本実施形態における光学特性の管理装置や管理方法によって各光学部位に使用する硝材の選択が逆算的にできることになる。つまりは、所望の光学系を得るために行う各光学部位に使用する硝材の選択が容易又は効率的にできることになる。さらには、各光学部位に使用する硝材の選択の最適化にもつながる。
また、本実施形態においては、説明を簡略化するために、光学系の構成を2つの光学部位としたが、3つの光学部位であっても複数の光学部位であっても本実施形態における光学特性の管理方法を適用することができる。例えば光学系が3つの光学部位で構成される場合には、上述と同様に、本実施形態の展開工程によって得られた3つのツェルニケ係数の線形和によって光学特性を表現し管理することができる。
なお、光学系をn個の光学部位で構成した場合、n番目の光学部位について、例えば、上述の(11)式は以下の(15)式、と表わすことができる。
Figure 2009295779
なお、本実施形態では、回転対称かつ2次的に増加するリターデーションを持った硝材を考えたが、より詳細な硝材のリターデーション分布モデルを考慮する必要がある場合には、4次など、より高次な分布係数をさらに追加すればよい。
また、本実施形態に係る光学特性の管理装置においては、該管理装置を構成する制御部4、記憶部8、算出部18、変換部20、及び表現部22などは、1つのユニット部(不図示)としてその機能や作用を有するように構成してもよいし、一部のみをユニット部として構成してもよい。
なお、上述のようなレンズのような光学部位同士の偏光特性が近似的に線形的な関係として扱えるという本発明は、例えば以下のようなものにも有用である。一つは、各光学部位に許容される偏光収差量を仕様化する際の公差解析に複雑で面倒な偏光光線追跡を行わなくても可能になる。例えば、光学系全体で許容される偏光収差量を所定値として、その所定値を各光学部位に公差として振り分ける場合には、光学部位の厚さに比例した量で単純に振り分けるというような線形結合的に振り分けることが可能である。もし上述のような線形性が成立しない場合には、各光学部位に割り当てた許容量を線形和する以上の偏光収差が光学系全体で発生する可能性があるわけである。もう一つは、光学系全体で発生する偏光収差をうまく補償させるような補償板を設計し製造するような場合にも適用できる。具体的には、残存してしまう光学系の偏光収差を相殺させるように逆の偏光収差を発生させるような補償板を設計する場合などにも適用できる。
なお、本実施形態における光学特性の算出方法、算出装置、管理方法及び管理装置は、露光装置に備えられる投影光学系や照明光学系に限定されず、顕微鏡の光学系、静止用又は動画用カメラの光学系、入射光に偏光を使うような光学系、などにも用いることができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態に係る露光装置について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。例えば、この実施の形態に係る露光装置100は、所定のパターンが形成されたマスクMが配置される第1面を不図示の光源から射出された照明光(露光光)で照明する照明光学系IL及び感光性基板であるウエハWが配置される第2面上にマスクMのパターンを結像する投影光学系PLを備えている。
照明光学系ILは、例えば、不図示の光源から射出された照明光(露光光)を所望の光分布に形成する回折光学素子(DOE)やアフォーカルレンズ、二次光源を形成するマイクロレンズアレイ、照明視野絞りとしてのマスクブラインドなどを備えており、所望の光強度分布を有する照明光によりマスクMを重畳的に照明する。
マスクMを透過した光束は、本発明の光学特性の管理方法によって光学特性が管理された投影光学系PLを介して、第2面上に配置される感光性基板であるウエハW上にマスクMのパターン像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面内においてウエハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウエハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
本発明の露光装置によれば、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系として本発明の光学系を備えるため、所望の光学特性を有する投影光学系を介して良好な露光を行うことができる。なお、本発明の露光装置は、本発明の光学特性の算出装置又は管理装置を備えていてもよい。
次に、上述の実施形態に係る露光装置を用いたリソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法について説明する。図6は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図6に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウエハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。続いて、本実施形態の露光装置を用い、レチクル(マスクM)に形成されたパターンの投影像をウエハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程(照明工程、投影工程))、この転写が終了したウエハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウエハW表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウエハW表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
ここで、レジストパターンとは、本実施形態の露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウエハW表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウエハW表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、本実施形態の露光装置は、フォトレジストが塗布されたウエハWを感光性基板としてパターンの転写を行う。
図7は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図7に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。
ステップS50のパターン形成工程では、プレートとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、本実施形態の露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、本実施形態の露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリクス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。
ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。
ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
本発明の電子デバイスの製造方法によれば、本発明の露光装置を用いるため、高解像度で良好な電子デバイスの製造を行うことができる。
実施の形態に係る光学特性の算出装置のブロック構成図である。 実施の形態に係る光学特性の算出方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態に係る光学特性の管理装置のブロック構成図である。 実施の形態に係る光学特性の管理方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 実施の形態に係るマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態に係るマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
2…光学特性算出装置、3…光学特性管理装置、4…制御部、6…入力部、8…記憶部、10…展開部、12…演算部、14…導出部、16…出力部、18…算出部、20…変換部、22…表現部、100…露光装置、IL…照明光学系、M…マスク、PL…投影光学系、W…ウエハ

Claims (38)

  1. 複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出方法において、
    前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開工程と、
    前記展開工程により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士を演算する演算工程と、
    を有することを特徴とする光学特性の算出方法。
  2. 前記演算工程は、前記展開工程により前記第2の行列から得られた前記パウリ係数をa,a,a,a
    前記展開工程により前記第4の行列から得られた前記パウリ係数をb,b,b,bとしたときに、虚数単位iを用いて、
    Figure 2009295779
    で表されるc,c,c,cを求める演算を含むことを特徴とする請求項1記載の光学特性の算出方法。
  3. 前記展開工程は、前記複数の光学部位のうち前記第1及び前記第3の行列に相当する各々の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第5の行列を、パウリ行列を含む第6の行列に展開する工程を含み、
    前記演算工程は、前記演算のa,a,a,aを、前記演算で求められたc,c,c,cと置き換え、前記演算のb,b,b,bを、前記第6の行列のパウリ係数であるd,d,d,dと置き換えて、新たにc,c,c,cを求めるという演算を逐次的に行う工程を含むことを特徴とする請求項2記載の光学特性の算出方法。
  4. 前記演算工程により得られたc,c,c,cからジョーンズ行列である第7の行列を導出する導出工程をさらに有することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の光学特性の算出方法。
  5. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の光学特性の算出方法。
  6. 複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出方法において、
    前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開工程と、
    前記展開工程により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士の線形和を演算する演算工程と、
    を有することを特徴とする光学特性の算出方法。
  7. 前記演算工程における線形和は、前記展開工程により前記第2の行列から得られた前記パウリ係数のa,a,a,と、前記展開工程により前記第4の行列から得られた前記パウリ係数のb,b,b,とを用いて、
    Figure 2009295779
    で表されることを特徴とする請求項6記載の光学特性の算出方法。
  8. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の光学特性の算出方法。
  9. 第1の光学部位と第2の光学部位とを有する光学系の偏光収差を含む光学特性を管理する光学特性の管理方法において、
    請求項6〜請求項8の何れか一項に記載の光学特性の算出方法と予め用意される光学特性に関する情報とを用いて前記光学系のパウリ係数分布を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出された前記パウリ係数分布をツェルニケ展開する変換工程と、
    前記変換工程で得られたツェルニケ係数を用いて前記光学系の光学特性を表現する表現工程と、
    を有することを特徴とする光学特性の管理方法。
  10. 前記算出工程は、前記光学特性の算出方法と前記光学特性に関する情報とを用いて少なくとも2つのパウリ係数分布を算出することを特徴とする請求項9記載の光学特性の管理方法。
  11. 前記表現工程は、前記変換工程で得られたそれぞれのツェルニケ係数同士の線形和を演算することを含むことを特徴とする請求項10記載の光学特性の管理方法。
  12. 前記光学特性に関する情報は、前記第1の光学部位のみに所定の偏光収差を与えて得られる前記光学系の光学特性を表す第1の情報と、前記第2の光学部位のみに所定の偏光収差を与えて得られる前記光学系の光学特性を表す第2の情報と、を含むことを特徴とする請求項9〜請求項11のうち何れか一項に記載の光学特性の管理方法。
  13. 前記算出工程は、前記光学特性の算出方法と前記第1の情報とを用いて第1のパウリ係数分布を算出することと、前記光学特性の算出方法と前記第2の情報とを用いて第2のパウリ係数分布を算出することとを含むことを特徴とする請求項12記載の光学特性の管理方法。
  14. 前記表現工程は、前記第1のパウリ係数分布を前記変換工程によってツェルニケ展開されて得られた第1のツェルニケ係数と、前記第2のパウリ係数分布を前記変換工程によってツェルニケ展開されて得られた第2のツェルニケ係数とのそれぞれのツェルニケ係数同士の線形和を演算すること含むことを特徴とする請求項13記載の光学特性の管理方法。
  15. 前記パウリ係数分布は、物体面の所定点から発する複数の光束に対して前記光学特性の算出方法を用いて算出された複数のパウリ係数の前記光学系の所定面上における分布であることを特徴とする請求項9〜請求項14の何れか一項に記載の光学特性の管理方法。
  16. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項9〜請求項15の何れか一項に記載の光学特性の管理方法。
  17. 複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出装置において、
    前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開部と、
    前記展開部により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士を演算する演算部と、
    を備えることを特徴とする光学特性の算出装置。
  18. 前記演算部は、前記展開部により前記第2の行列から得られた前記パウリ係数をa,a,a,a
    前記展開部により前記第4の行列から得られた前記パウリ係数をb,b,b,bとしたときに、虚数単位iを用いて、
    Figure 2009295779
    で表されるc,c,c,cを求める演算を含むことを特徴とする請求項17記載の光学特性の算出装置。
  19. 前記展開部は、前記複数の光学部位のうち前記第1及び前記第3の行列に相当する各々の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第5の行列を、パウリ行列を含む第6の行列に展開することを含み、
    前記演算部は、前記演算のa,a,a,aを、前記演算で求められたc,c,c,cと置き換え、前記演算のb,b,b,bを、前記第6の行列のパウリ係数であるd,d,d,dと置き換えて、新たにc,c,c,cを求めるという演算を逐次的に行うことを含むことを特徴とする請求項18記載の光学特性の算出装置。
  20. 前記演算部により得られたc,c,c,cからジョーンズ行列である第7の行列を導出する導出部をさらに備えることを特徴とする請求項18又は請求項19記載の光学特性の算出装置。
  21. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項17〜請求項20の何れか一項に記載の光学特性の算出装置。
  22. 複数の光学部位を有する光学系の偏光収差を含む光学特性の算出装置において、
    前記複数の光学部位のうち所定の光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第1の行列を、パウリ行列を含む第2の行列に展開し、前記複数の光学部位のうち前記所定の光学部位とは異なる光学部位の光学特性を表現したジョーンズ行列を指数関数表現したうちの指数部の第3の行列を、パウリ行列を含む第4の行列に展開する展開部と、
    前記展開部により展開された前記第2の行列と前記第4の行列とのそれぞれのパウリ係数同士の線形和を演算する演算部と、
    を備えることを特徴とする光学特性の算出装置。
  23. 前記演算部における線形和は、前記展開部により前記第2の行列から得られた前記パウリ係数のa,a,a,と、前記展開部により前記第4の行列から得られた前記パウリ係数のb,b,b,とを用いて、
    Figure 2009295779
    で表されることを特徴とする請求項22記載の光学特性の算出装置。
  24. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項22又は請求項23記載の光学特性の算出装置。
  25. 第1の光学部位と第2の光学部位とを有する光学系の偏光収差を含む光学特性を管理する光学特性の管理装置において、
    請求項22〜請求項24の何れか一項に記載の光学特性の算出装置と予め用意される光学特性に関する情報とを用いて前記光学系のパウリ係数分布を算出する算出部と、
    前記算出部で算出された前記パウリ係数分布をツェルニケ展開する変換部と、
    前記変換部で得られたツェルニケ係数を用いて前記光学系の光学特性を表現する表現部と、
    を備えることを特徴とする光学特性の管理装置。
  26. 前記算出部は、前記光学特性の算出装置と前記光学特性に関する情報とを用いて少なくとも2つのパウリ係数分布を算出することを特徴とする請求項25記載の光学特性の管理装置。
  27. 前記表現部は、前記変換部で得られたそれぞれのツェルニケ係数同士の線形和を演算することを含むことを特徴とする請求項26記載の光学特性の管理装置。
  28. 前記光学特性に関する情報は、前記第1の光学部位のみに所定の偏光収差を与えて得られる前記光学系の光学特性を表す第1の情報と、前記第2の光学部位のみに所定の偏光収差を与えて得られる前記光学系の光学特性を表す第2の情報と、を含むことを特徴とする請求項25〜請求項27のうち何れか一項に記載の光学特性の管理装置。
  29. 前記算出部は、前記光学特性の算出装置と前記第1の情報とを用いて第1のパウリ係数分布を算出することと、前記光学特性の算出装置と前記第2の情報とを用いて第2のパウリ係数分布を算出することとを含むことを特徴とする請求項28記載の光学特性の管理装置。
  30. 前記表現部は、前記第1のパウリ係数分布を前記変換部によってツェルニケ展開されて得られた第1のツェルニケ係数と、前記第2のパウリ係数分布を前記変換部によってツェルニケ展開されて得られた第2のツェルニケ係数とのそれぞれのツェルニケ係数同士の線形和を演算すること含むことを特徴とする請求項29記載の光学特性の管理装置。
  31. 前記パウリ係数分布は、物体面の所定点から発する複数の光束に対して前記光学特性の算出装置を用いて算出された複数のパウリ係数の前記光学系の所定面上における分布であることを特徴とする請求項25〜請求項30の何れか一項に記載の光学特性の管理装置。
  32. 前記光学部位は、前記光学系を構成する光学部材または該光学部材の光学面であることを特徴とする請求項25〜請求項31の何れか一項に記載の光学特性の管理装置。
  33. 請求項9〜請求項16の何れか一項に記載の光学特性の管理方法により光学特性を管理されたことを特徴とする光学系。
  34. 前記光学系は、第1面の像を第2面上に形成する結像光学系であることを特徴とする請求項33記載の光学系。
  35. 第1面を照明する照明光学系と、
    前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、を備え、
    前記投影光学系は、請求項33又は請求項34記載の光学系であることを特徴とする露光装置。
  36. 第1面を照明する照明光学系と、
    前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、
    請求項17〜請求項24の何れか一項に記載の光学特性の算出装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  37. 第1面を照明する照明光学系と、
    前記第1面の像を第2面上に投影する投影光学系と、
    請求項25〜請求項32の何れか一項に記載の光学特性の管理装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  38. リソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程に請求項35〜請求項37のうち何れか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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