JP2009295454A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ファン装置により加熱コイルの上面側に流す風路の通風抵抗を小さし、効率よく加熱コイルを冷却する誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】
コイルベース21に放射状に複数本配設したフェライト24を、加熱コイル22の下方から加熱コイル22の内周側に突出して加熱コイル22を囲うようなコ字形状に構成し、加熱コイル22の内周面と加熱コイル22の内周側に突出したフェライト24の間隙を、加熱コイル22の上面に冷却空気を導くコイル冷却風路2bとし、加熱コイル22の上面側への冷却空気の通風経路であるコイル冷却風路2a,2bの風路断面積を広く構成できるようにし、コイル上面側に流す風路の通風抵抗を小さし、効率よく加熱コイル22を冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱調理器において、本体上面のトッププレート上に載置された被調理鍋を加熱する加熱コイルの冷却構造に関するものである。
誘導加熱調理器は、加熱コイルに高周波電流を流した時に発生する磁力線によってトッププレート上に載置された金属製の鍋(被調理鍋)底に渦電流を発生させ、その渦電流によるジュール加熱を利用して鍋底を加熱し、加熱調理を行う装置である。
該装置は、加熱時には鍋だけでなく、加熱コイルや加熱コイルを制御する制御基板などからも発熱が生じるため、ファン装置を用いて送風冷却することが行われている。
該冷却構造として、従来の誘導加熱調理器は、軸流ファンや遠心ファンなどを用いて、例えば本体上面の後部に開口した吸気口から吸気した空気を複数の制御基板に送風し、さらに加熱コイルに送風して制御基板や加熱コイルを冷却するものである。つまり、誘導加熱を行う加熱コイルは、供給される高周波電流によって渦電流損やジュール損により発熱が生じ、また、加熱コイルを制御する制御基板では、高周波電流を発生させるスイッチング素子などが発熱するので、これらの冷却が必要となる。
特に、加熱コイルの渦電流損は、トッププレート上に載置した被調理鍋に対する磁力線がその要因であるため、トップレート側である加熱コイルの上面側で発熱密度が高くなる。そのため、加熱コイルを効率よく冷却するには、加熱コイルの上面と下面の両方に冷却空気を供給する構成が必要である。
一方、調理に使用される鍋は、高効率で加熱できる鉄鍋だけでなく、鉄鍋よりも加熱効率が低い非磁性ステンレス鍋も使用されるようになっている。また、近年では、多種の鍋に対応できるように鉄,非磁性ステンレス製の鍋に加えてアルミ製,銅製鍋でも使用できるオールメタル鍋対応機種が製品化されているが、アルミ鍋などの加熱効率は非磁性ステンレス鍋よりもさらに低い。
また、アルミ鍋など透磁率の低い材質からなる金属鍋では、鍋底に生じた渦電流で発熱し難く、加熱コイルは渦電流損やジュール損による発熱が大きくなるので、加熱コイルの冷却がさらに重要となる。
また、これらの被調理鍋を効率よく加熱するには、加熱コイルで発生する磁力線を外部に逃がさず、被調理鍋に向けて渦電流を効率よく生じさせる必要があり、そのために加熱コイルの周りにフェライトや金属板(シールド板)などを配置し、磁気漏洩を遮蔽する必要がある。
誘導加熱効率の高い磁性金属鍋の誘導加熱を目的とした調理器では、直方体の棒状フェライトを加熱コイルの下方のみに放射状に配置した構成が一般的であるが、誘導加熱し難い非磁性金属鍋の加熱まで考慮した調理器では、加熱コイル内外周を囲うように、多本数の上に開いたコ字形状のフェライトを加熱コイルの下面に放射状に配置した構成が採られており、より加熱コイルで生じた磁力線を被調理鍋に向ける構造となっている。
フェライトを加熱コイルの側面に配置すれば、被調理鍋の種類によらず、誘導加熱効率を高めることができ、加熱コイルで生じる発熱を抑えることになる。つまり、フェライトの配置は、被調理鍋の加熱効率と加熱コイルの発熱に起因するものであり、さらに加熱コイルの冷却構造の容易さに影響するものである。
加熱コイルを冷却する構造としては、加熱コイルの中央に通風穴を設け、さらに加熱コイルと本体上面のトッププレートとの間に間隙を設けて、ファンからの冷却風を加熱コイルの上下に分散させ、加熱コイル中央の通風穴から放射状に冷却風を放散する例が特許文献1に開示されている。
また、加熱コイルを半径方向に複数に分割して設け、分割したコイルの隙間から加熱コイルの上面に通気させ、加熱コイルとトッププレートの間隙に放射状の冷却風の流れを構成した例が特許文献2に開示されている。
さらに、加熱コイルの冷却構造として、加熱コイルの中央や側方から加熱コイルとトッププレートの間隙に冷却風を流す構成が特許文献3に示されている。
特開2004−171926号公報 特開2004−362945号公報 特開2005−302735号公報
近年、誘導加熱調理器は、調理時間の短縮などの要請から加熱コイルはより高出力化される傾向にあり、ロースターは大型の調理品に対応できるように内容積が大型化される傾向にある。
また、被調理鍋は鉄鍋などの磁性金属鍋とともにアルミ鍋などの非磁性金属鍋が誘導加熱できるようになってきている。つまり、加熱効率が低い非磁性金属鍋の誘導加熱を行うために加熱コイルで生じる発熱が増加している。
また、加熱コイルを制御する制御基板は、加熱コイルの下部にあり、ヒータで加熱調理を行うロースターの隣の余剰空間に配置されているが、加熱コイルの高出力化、対応鍋の多様化に伴い加熱コイルの制御部品は増加し、電子制御基板の実装密度が高く、通風抵抗が大きくなるとともに熱損失も増大する傾向にある。そのため、冷却が必要とされる制御基板、該制御基板と離れて配置される加熱コイルへの冷却空気の導風経路が複雑化し、空冷設計が難しくなっている。
また、加熱コイルは、被調理鍋と近づけて配置するほど加熱効率が良好であるが、冷却風路となる加熱コイル上面の空間が狭まり、通風抵抗が増加して冷却風を流すのが難くなる。
さらに、ロースターの内容積の大型化により、制御基板の配置空間は縮小してしまい、また、制御基板の実装密度が高くなる傾向にあるため、冷却ファンの搭載容積が小さくなり、スイッチング素子などの高発熱素子や加熱コイル、その他の電子部品の冷却が困難になっている。
そのため、これらに必要十分な冷却空気量を流すには冷却ファンを高速回転化しなければならず、大きなファン動力が必要となるとともに、ファン装置のモータ音や部品の風切り音(流体音)が増加し、騒音によりキッチン環境が悪化するなどの課題が生じていた。
また、上記した特許文献1では、加熱コイルの中央に設けた通風穴のみが加熱コイルとトッププレートの間隙に冷却風を導く風路であるため、通風穴の風路面積を広く取るのが難しく、通風抵抗が大きくなって加熱コイル上面に大風量の冷却風を供給しにくい。
また、同文献の実施例1に記載されているように、加熱コイルに上に開いたコ字状フェライトを設けた構成では、通風穴の風路面積が加熱コイルの内径よりさらに小さくなり、加熱コイルの上面を冷却し難くなる。そして、通風穴の直径を大きくして風路面積を広くすると、加熱コイルの内径が増大してしまい、トッププレート上の載置する被調理鍋の誘導加熱に加熱ムラが生じ易くなる。つまり、同文献におけるコイル冷却構造は、通風穴に熱拡散部材等を設けて熱拡散しないと、加熱ムラが大きく加熱調理に適さない。
また、特許文献2に示すものは、加熱コイルを複数に分割する構成であり、加熱コイルの固定が困難であるとともに、部品数と作業手間が増えてコスト高になり易い。
また、同文献の実施例中に記載されているように、加熱コイルの厚さを変えて配置する構成では、加熱コイル毎に被調理鍋との間隙が異なり、被調理鍋の種類や載置位置に十分に適応できず、磁力線に乱れが生じ易く、加熱性能が安定しない。
また、加熱コイルの熱伝達を向上させるために、加熱コイルとトッププレートの間隙に乱流促進体などを設けた構成では、加熱コイルの上面側の通風路が縮小してしまい、通風抵抗が増大して冷却風量が低下する。
また、分割した加熱コイルの間隙から加熱コイルとトッププレートの間隙に冷却風を流入するために複雑なダクトを必要としており、加工組立性が良好でない。さらに、フェライトの形状や配置に関する記述がない。
さらに、特許文献3に示すものは、加熱コイルへの冷却風の送風構成を記したものであり、加熱コイルの中央を冷却通風路としたものと、加熱コイルとトッププレートの間隙に水平方向から冷却空気を流入するものであり、フェライトの配置を考慮しない、いずれも通風抵抗が大きな風路に冷却風を流す構成である。
本発明は、上記の課題のうち少なくとも1つを解決するために為されたものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、請求項1では、本体と、該本体の上面に設けられ被調理鍋を載置するトッププレートと、該トッププレート下方の前記本体内に設けられ放射状に複数本のフェライトを配設したコイルベースと、該コイルベース上に載置した加熱コイルと、該加熱コイルの駆動を制御する制御基板と、前記加熱コイルと前記制御基板を冷却するファン装置とを備え、前記フェライトは、前記加熱コイルの下面から該加熱コイルの内周側と外周側の両方に突出して該加熱コイルを囲うように上方に開いたコ字形状に構成され、前記加熱コイルの内周面と該加熱コイルの内周側に突出した前記フェライトの間隙を前記トッププレート側の前記加熱コイル上面に冷却空気を導くコイル冷却風路としたものである。
請求項2では、本体と、該本体の上面に設けられ被調理鍋を載置するトッププレートと、該トッププレート下方の前記本体内に設けられ、放射状に複数本のフェライトを配設したコイルベースと、該コイルベース上に載置した加熱コイルと、該加熱コイルの駆動を制御する制御基板と、前記加熱コイルと前記制御基板を冷却するファン装置とを備え、前記フェライトは、前記加熱コイルの下方から該加熱コイルの内周側に突出して該加熱コイル囲うようなL字形状に構成され、前記加熱コイルの内周面と該加熱コイルの内周側に突出した前記フェライトの間隙を前記トッププレート側の前記加熱コイル上面に冷却空気を導くコイル冷却風路としたものである。
請求項3では、前記フェライトを、少なくとも前記加熱コイルの下方と、該加熱コイルの内周側及び該加熱コイルの外周側に分割して配置するものである。
請求項4では、前記加熱コイルの内周側に配置するフェライトを、前記加熱コイルの内径より小さいリング形状で構成したものである。
請求項5では、前記ファン装置から前記コイル冷却風路に直接空気を供給する通風経路を設けたものである。
請求項6では、前記ファン装置を、前記加熱コイルの駆動を制御する制御基板よりも本体後方に設けたものである。
請求項7では、前記ファン装置で前記制御基板を冷却した空気を前記加熱コイルの下方に導風し、該空気で前記加熱コイルの下面と、前記コイル冷却風路を通して前記加熱コイルの上面の両方を冷却するものである。
請求項8では、前記ファン装置で前記制御基板を冷却した後の空気を前記加熱コイルの下方に導風して該加熱コイルの下面を冷却し、該冷却後の空気を前記コイル冷却風路を通して前記加熱コイルの上面に導風し、該加熱コイルの上面を冷却するものである。
上記した請求項1によれば、加熱コイルの上面側への冷却空気の通風経路であるコイル冷却風路の風路断面積を広く構成できるので、加熱コイルの上面側に流す風路の通風抵抗を小さくできる。
また、ファン装置から加熱コイルの上面まで冷却空気を導くダクトやコイルベースの接続部等の隙間などで生じる空気漏れを抑え、効率よく冷却空気をコイル上面側に供給し、冷却効率を高めることができる。
請求項2によれば、請求項1の効果とともに、加熱コイルを囲むようにフェライトを配置できるので、加熱コイルの磁束損失を抑え、被調理鍋を効率よく加熱することができる。
請求項3によれば、加熱コイルの内周側に配置するフェライトの形状を任意に調整することにより、加熱コイルの冷却に必要なコイル冷却風路の風路断面の大きさと加熱コイルの磁束損失を抑えるフェライトの配置を選択することができ、加熱コイルの冷却と被調理鍋の高効率加熱の最適化を図ることができる。
請求項4によれば、加熱コイルの内側に配置するフェライトを一体化できるとともに、フェライトを搭載するコイルベースに組み込み易い構成が実現できる。
請求項5によれば、最も発熱の大きい加熱コイルにファン装置から直接空気を供給することにより、本体内の他の発熱部品の熱漏洩や熱交換の影響をあまり受けずに、効率よく温度の低い周囲空気を加熱コイルの近傍に送風して効率よく加熱コイルの温度を下げることができる。
また、渦電流損により生じるコイル発熱が大きい加熱コイルの上面側にファン装置から直接温度の低い周囲空気を送風することができるので、効率よく加熱コイルを冷却することができる。
請求項6によれば、本体内で冷却を必要とする加熱コイルと制御基板に並列に空気を流し易く、システム抵抗を抑えた空冷構造が実現できる。
また、ファン装置を本体後方に配置すれば、誘導加熱調理器の使用者とファン装置を最も離して配置でき、ファン装置から生じる騒音を抑えることができる。
請求項7によれば、加熱コイルの上面側に流れる空気の通風抵抗が小さいので、加熱コイルの下方から供給された空気で加熱コイルの上下両面に並列の流れで導風して効率よく加熱コイルを冷却できる。
また、加熱コイルの冷却経路を簡素化できるため、低コスト化とともにファン装置の負荷を減らして大風量化や低騒音化を実現できる。
請求項8によれば、加熱コイルの上面側に流れる空気の通風抵抗が小さいので、加熱コイルの下面を冷却した後の空気を容易に加熱コイルの上面側に流すことができ、加熱コイルの下方から供給された空気でまず加熱コイルの下面側を冷却し、次いで加熱コイルの上面側冷却するというような直列の風路構成により効率よく冷却できる。
以下、本発明の実施例を加熱コイルやインバータ回路などで構成される電磁誘導加熱手段を有する誘導加熱調理器を例にとって説明する。
図1から図7は、実施例1の誘導加熱調理器を説明するための図であり、図1はコイル冷却部の側面断面図、図2はコイル冷却部の斜視断面組立図、図3は加熱コイル22とフェライト24をコイルベース21の下面から見た配置図、図4は誘導加熱調理器本体の内部構造を示す分解斜視図、図5は図4の右側の加熱コイル22a側から見た側面断面図である。
また、図6は図5のコイル冷却部を拡大した側面断面図、図7は図1から図6に示した上方に開いたコ字形状のフェライト24の配置図である。
尚、本実施例は、ロースター1とともに加熱コイル22(22a,22b)に高周波電流を供給して被調理鍋(図示せず)を誘導加熱する鍋載置部90a,90bを左右に、電熱ヒータ(ラジエントヒータ)29の輻射熱で加熱する鍋載置部90cを中央奥に配置した構成であるが、少なくとも加熱コイル22により誘導加熱する鍋載置部90を一つ設けた加熱調理器であればよい。また、キッチンに組め込むビルトイン型の誘導加熱調理器に限らず、キッチンに載置する据置型の誘導加熱調理器であっても差し支えない。
図において、誘導加熱調理器本体の上面にはトッププレート9が設けられ、上面後部に本体内部の空気を出入れさせる吸気口9a,排気口9bが設けられ、前面上部に被調理鍋の火加減などを操作する操作部69が設けられている。
また、前記トッププレート9の前面側の右と左には鍋載置部90a,90b、後部側の中央には鍋載置部90cが描かれており、鍋載置部90a,90bの略下側位置に加熱コイル22a,22bが設けられ、鍋載置部90cの略下側位置に電熱ヒータ29がそれぞれ設けられており、誘導加熱できる金属鍋を鍋載置部90a,90bで、誘導加熱できない例えば土鍋などを鍋載置部90cに載置して加熱調理ができる。
また、本体の正面左側には魚などを焼くロースター1の投入口が設けられ、正面右側には被調理鍋の火加減やロースター1の加熱具合を操作する操作パネル60が設けられており、その火力調整量をトッププレート9の表示部65に表示する。操作パネル60には、操作ボタン60a,電源スイッチ60bが設けられている。
また、加熱コイル22に高周波電流を供給する電子部品などが実装された三段の制御基板51(51a,51b,51c)や、該制御基板51の電子部品52(52a,52b,52c)などを冷却するファン装置4などが搭載される基板収納ケース5は、操作パネル60の後方でロースター1の側面に配置される。つまり、図5に示したファン装置4は、基板収納ケース5の内部で配置される制御基板51よりも本体後方に設けられ、本体後方の吸気口9aにケーシング41の吸気部5aが連通するように配置される。
図5に示した構造では、基板収納ケース5に制御基板51が上下方向に三段(51a,51b,51c)積層され、該制御基板51に設けられる高発熱素子59(59a,59c)や該高発熱素子59に設置したヒートシンク55(55a,55c)、その他の電子部品52などが実装される。
尚、基板収納ケース5に制御基板51を搭載せず、直にロースター1と操作パネル60で囲まれた空間に制御基板51を搭載した構成であっても差し支えないし、制御基板51の枚数、電子部品52などの個数や配置などに関係なく本実施例は適用できる。
また、図示したように、正面の操作パネル60やトッププレート9側の操作部69のいずれか片方のみが配置された誘導加熱調理器の構成であってもよいし、ロースター1を装備しない調理器であってもよい。
右側の加熱コイル22a下方の基板収納ケース5に収納される制御基板51は、ロースター1の容積や電子部品52及び高発熱素子59の個数、それらの配線量などにより制御基板枚数などが決められるため、それらの電子部品52,59が多いほどロースター1側方の空間に容積形状に合わせて複数枚の制御基板51が高密度に配置される。
本実施例におけるファン装置4は、ターボファンなどの遠心ファン40,遠心ファン40を収納するケーシング41,モータ支持台35,ファンモータ39とで構成され、誘導加熱調理器本体の前後水平方向にファンモータ39の回転軸をもつように配置している。
また、ケーシング41の制御基板51側の壁面となるモータ支持台35には複数の吹出し口20を配するとともに、モータ支持台35と対向するケーシング41の壁面を遠心ファン40の吸気側としている。
尚、モータ支持台35に設けた吹出し口20の個数は、冷却対象とする制御基板51や電子部品52の配置や個数により誘導加熱調理器毎に設定される設計パラメータであり、本実施例ではその個数や大きさなどを制限しない。
このように、本実施例では、ロースター1側方の空間に基板収納ケース5を設けており、制御基板51やファン装置4などを基板収納ケース5に組み込んだ後、本体に収納できるので組立作業性が良好になっている。
また、本実施例では、図5に示すように、制御基板51を基板収納ケース5の高さ方向に三段積層した構成であるが、上記したように配置構成には特にこだわらない。また、制御基板51をファン装置4から吹出る冷却空気の流れ方向と並行に配置すれば、より通風抵抗を抑えた風路を構成できることは言うまでもない。
よって、本実施例では、ファン装置4により制御基板51に吹出された空気が基板収納ケース5の上面から開口部70a,70bを介して左右の加熱コイル22a,22bの下面を冷却する流れを構成する。ここで、該開口部70a,70bが小径でればあるほど、高風速の空気を加熱コイル22a,22bに衝突させて冷却できるとともに、開口部70a,70bの配置により冷却性能を調整することができる。また、加熱コイル22a,22bの上面を冷却する空気は、配風ダクト71aを介してファン装置4から直接コイルベース21(加熱コイル)の中央まで導かれる。
尚、図1から図3に示すように、加熱コイル22は、コイルベース21上に載置され、例えばバネなどを用いた弾力性のある3ヶ所のコイル保持部27で支持されて、被調理鍋が載置されるトッププレート9の下面と密着するように押し付けられ、安定した誘導加熱ができるように被調理鍋と加熱コイル22の距離を一定に保持している。
コイルベース21の中央付近にはトッププレート9の温度から間接的に被調理鍋の温度を検知する例えばサーミスタなどの接触式の温度センサ23(23a,23b)が配置されている。また、コイルベース21には磁性体であるフェライト24が放射状に配置又は埋め込まれており、その上方に加熱コイル22が載置されて接着固定されている。
つまり、フェライト24により加熱量などを制御する制御基板51から供給される高周波電流によって加熱コイル22が生じる磁束をトッププレート9上の被調理鍋に向かうような構造となっている。
本実施例では、加熱コイル22の内外周にフェライト24のフェライト内周突起部26とフェライト外周突起部25が突出する配置となっている。つまり、加熱コイル22が図7に示すように放射状に複数並び、上方に開いたコ字形状のフェライト24により囲われた構成となっている。また、加熱コイル22は、その内径dcがフェライト内周突起部26の外径dfより大きい構成で配置されており、本実施例では、その間隙dc−dfをコイル冷却風路2bとして用いる。
つまり、本実施例では、加熱コイル22の上面を冷却する空気の流路がコイルベース中央のコイル冷却風路2aと、フェライト内周突起部26と加熱コイル22内周との間隙であるコイル冷却風路2bの二つの経路で構成される。
また、これらのコイル冷却風路2a,2bに流れる空気は、コイルベール21(フェライト24)の下方から通風ダクト8を介して供給され、トッププレート9と加熱コイル22の間隙Hdを通って排気される。また、通風ダクト8の外径Ddは、加熱コイル22の内径dcと略同一サイズ又はそれ以上の大きさであれば、コイル冷却風路2bに導風する際に風路が狭小されずスムーズに冷却空気を流すことができる。
ここで、加熱コイル22は、トッププレート9上に載置する被調理鍋の加熱ムラを抑制するため、その内径dcは小さい方が良く、約φ50mmから80mm程度の大きさに設定されており、また、外径Dcはよく使われる被調理鍋の鍋底外径に合わせて約φ150から200mm程度の大きさに設定されている。
また、トッププレート9に載置された被調理鍋を加熱コイル22で誘導加熱する場合、その被調理鍋と加熱コイル22の間隙は狭いほど効率よく誘導加熱しやすいが、加熱コイル22の冷却のし易さとトレードオフの関係から、実用上トッププレート9と加熱コイル22の間隙Hdは1mmから5mmが一般的である。
尚、非磁性金属鍋を加熱する等の理由のために、加熱コイル22に高周波電流を供給する誘導加熱調理器においては、加熱コイル22とトッププレート9の間隙に例えば金属プレートなどの導電性材料を配置した構成が採られている。
本実施例では、加熱コイル22に空気を流す加熱コイル上面の空間Hdをトッププレート9と加熱コイル22の間隙としたが、上記の構成であれば加熱コイル22の上面の空間Hdを導電性材料と加熱コイル22の間隙としてもよい。
このように、本実施例では、コイルベース21の通風ダクト8から供給された空気がコイル冷却風路2a,2bを介して加熱コイル22の上面、つまりトッププレート9と加熱コイル22の間隙に流れ、加熱コイル22を冷却する構成である。
従って、その冷却空気の流しやすさは、これらの通風抵抗によって左右され、ファン装置4から通風ダクト8までの通風経路による損失に加え、通風ダクト8からコイル冷却風路2a,2bへの流入による損失、さらにコイル冷却風路から加熱コイル22上面への流入による損失が主な通風抵抗である。
ここで、ファン装置4から通風ダクト8までの通風経路による損失は、ファン装置4の構成や種類,配置などで決められるシステム上の設計値であり、容易に変更できないため、本実施例では、その下流の通風抵抗の低減を対象としている。
まず、通風ダクト8からコイル冷却風路2a,2bへの流入による損失は、加熱コイル22の内径dcが大きく、フェライト内周突起26の外径dfが小さいほど、見かけ上の風路面積が大きくなる。また、加熱コイル22とフェライト内周突起26を近接させると、フェライト24内に生じる自己磁界が原因で誘導加熱効率が悪化することから、コイル冷却風路2bの間隙dc−fcを3mm以上設けることが望ましい。さらに、上記に示した被調理鍋の加熱ムラを考慮すれば、dc−fcは最大でも20mm以下が適正値となる。
次に、コイル冷却風路2aから加熱コイル22の上面への流入による損失は、加熱コイル22の内径dcが大きく、加熱コイル22の上面の間隙Hdが広いほど通風抵抗が小さくなる。ここで、通風抵抗は風速の二乗に比例して増大するので、風路面積を広げて風速を低く抑えて冷却空気量を供給すれば、低損失で空気を流すことができる。
また、上記したように、間隙Hdは誘導加熱性能に直接起因する値で容易に広くして性能低下させることはできないので、加熱コイル22の内径dcを利用して通風抵抗を下げる本実施例の構造は有効となる。間隙Hdに空気を供給する入口側の風路面積は、加熱コイル22の内周(=dc×π)に間隙Hdを乗じた値であるから、風量が一定であれば通風抵抗はdcの二乗分の一に比例して小さくなる。
つまり、従来の構成では、加熱コイル22の上面を冷却する風路は、コイルベース21の中央(フェライト内周突起26の内径)のみのコイル冷却風路2aであったのに対し、本実施例では、加熱コイル22とフェライト内周突起26の間隙も加えて新たにコイル冷却風路2bを構成することにより、通風抵抗を小さく抑えた風路に空気を供給して効率よく加熱コイル22を冷却することができる。
さらに、本実施例では、コイル冷却風路2bから流れる空気が加熱コイル22の上面を放射状に噴き出すので、コイル冷却風路2bの風路と同数の噴流を形成できる。つまり、コイル冷却風路2aのみの従来構成では、加熱コイル22の上面の流れが加熱コイル22の外周側になるほど風路面積が増加して風速が低下し、加熱コイル22の外周側ほど冷却性能の悪化が生じてしまうが、本実施例では上記の放射状の噴流により、通風ダクト8から流入する空気を加熱コイル22の外周側まで強い流れで運ぶことにより、加熱コイル22の全体を効率よく冷却できる。
また、本実施例では、発熱が大きい加熱コイル22の上面にファン装置4から直接空気を供給する構成であり、本体内の他の発熱部品の熱漏洩や熱交換の影響を受けずに、温度の低い周囲空気を加熱コイル22の上面に導風して、効率よく加熱コイル22の温度を下げることができる。
また、ファン装置4を加熱コイル22の駆動を制御する制御基板51より後方に設けており、本体背面側の吸気口9aから吸い込んだ空気を制御基板51と加熱コイル22の両方に並列に送風できる配置となっている。そのため、冷却空気量を各制御基板51a,51b,51cや各加熱コイル22a,22bの発熱量に応じて適量に分配し易く、各部品を効率よく冷却できる。
ここで、本実施例の加熱コイル22の冷却構造を構成するフェライト24は、コイルベース21に放射状に設けた一本ずつが図7に示すように上方に開いたコ字形状に一体成形されたものでなくともよく、図8に示すように、フェライト内周突起部26aとフェライト外周突起部25aを分割し、フェライト平板24aとそれぞれ別個にコイルベース21に設けてもよい。このように分割した構成であれば、フェライト平板24a,フェライト外周突起部25a,フェライト内周突起部26aは単純形状である直方体であるため、フェライト24としての成形が容易となる。
また、図9に示すように、図8のフェライト内周突起部26aに代えて、成形し易いドーナツ形状のフェライト内周リング26bを用い、該フェライト内周リング26bとフェライトL字形状板24bで加熱コイルを囲ってもよいし、さらに図10に示すように、外周側もフェライト外周リング25cで構成してもよい。
このように、成形の容易な形状のフェライト24を用いることにより、加熱コイル22の側方にコスト増加を抑えて配置することができる。
尚、本実施例では、加熱コイル22の内外周ともフェライト24を配置したが、誘導加熱の影響を受け難い外周側を誘導加熱し難い例えばアルミ板などのシールド板で構成し、内周側のみL字形状のフェライト24を用いて加熱コイル22を囲う構成であっても何等差し支えない。
ここで、加熱コイル22は、鉄鍋などの磁性鍋を例えば20kHz程度の高周波電流で誘導加熱する場合と、アルミ鍋などの非磁性鍋を例えば60kHz以上の高周波電流で誘導加熱する場合などがあり、後者の方が制御基板51や電子部品52の個数や容積が大きくなり、基板収納ケース5の実装密度が高くなり、空冷が困難になるとともに、加熱コイル22への通風経路が狭く、通風抵抗が大きくなり、加熱コイル22の冷却が困難になってしまう。
そこで、本実施例に示す構成では、特に後者のような部品実装が複雑である場合であっても、加熱コイル22への通風抵抗を抑えて空気を流し易くし、加熱コイル22に供給する冷却空気量を保ち易くなるので、回路の配置や構成によらず冷却構造上優位となる。
尚、本構成では、吸気口9aに連通する基板収納ケース5の吸気部5aから吸い込んだ空気が、ファン装置4の吹出し口20から制御基板51に向かって吹出される流れとなり、一段目の吹出し口20aから供給される空気が一段目の制御基板51a(電子部品52aや高発熱素子59a)を冷却し、二段目の吹出し口20bから供給される空気が二段目の制御基板51b(電子部品52bや高発熱素子59b)を冷却し、三段目の吹出し口20cから供給される空気が三段目の制御基板51c(電子部品52c)をそれぞれ冷却することになる(図12参照)。
ここで、制御基板51に配置される電子部品のうち、高発熱素子59はヒートシンク55に固定され、ヒートシンク55と高発熱素子59の間には、例えば熱伝導グリースや熱伝導シートなどの伝熱部材を挟んで固定することにより、高発熱素子59の熱を効率よくヒートシンク55に熱伝導させ、部品温度を下げることができる。ここで、高発熱素子59としては、例えばIGBT,インバータやダイオードブリッジなどがある。
また、基板収納ケース5の制御基板51を冷却した空気は、基板収納ケース5の上部、つまり左右の加熱コイル22a,22bの下側に設けられた通気口5bを通して開口70aから加熱コイル22aの下面に向かう流れを構成する。
つまり、本実施例では図5及び図6に示すようにファン装置4から供給された空気が、配風ダクト71aを介してコイルベース21の通風ダクト8から、コイル冷却風路2a,2bを通って加熱コイル22a,22bの上面に向かう流れと、基板収納ケース5の制御基板51を冷却してから加熱コイル22a,22bの下面に向かう流れを構成する。
そして、左右の加熱コイル22a,22bを冷却した空気はトッププレート9下方の加熱コイル22が配置された空間を本体背面方向に向かって流れ、排気口9bから排気される。
以上の構成より、図1から図7に示した第一実施例の誘導加熱調理器の動作について、被調理鍋がトッププレート9上の右側の鍋載置部90aに載置された場合を例に説明する。
トッププレート9上の鍋載置部90aに載置した、例えば水等の液体の入った被調理鍋の加熱は、本体前方に備えた操作パネル60の電源スイッチ60bを入れ、操作パネル60の操作ボタン60a又はトッププレート9正面側の操作部69を操作することで開始される。それらの操作状態は表示部65に表示され、火力調整量に応じた加熱制御が行われる。
つまり、被調理鍋の下方に位置する加熱コイル22aには操作状態に合わせて調整された火力に応じた高周波電流の供給量が制御され、火力調整しながら被調理鍋の誘導加熱を行うことができる。
加熱コイル22aは、上方に開いたコ字形状のフェライト24を備えたコイルベース21上に載置されており、該フェライト24により加熱コイル22aで生じる磁力線が加熱コイル22aの側方や下方など外部に逃げにくく構造となっており、該磁力線を効率よく被調理鍋に向けて導くことで該被調理鍋を高い加熱効率で加熱する。
また、加熱コイル22aに電流が流れると同時に、ファン装置4が稼動して吸気口9aの下方に位置する基板収納ケース5の吸気部5aから冷却空気を吸い込み、基板収納ケース5内部に配置されたファン装置4にその空気が吸い込まれる。
加熱コイル20aで被調理鍋を誘導加熱する場合、加熱効率が被調理鍋の材質によって左右され、熱損失分が右側の加熱コイル20aと一段目の制御基板51a上の高発熱素子59aやその他の電子部品52a,三段目の制御基板51c上の電子部品52cの発熱となって各部品温度を上昇させることになる。
従って、発熱の大きな加熱コイル22aは、加熱コイル22aの上下両面に空気を流す冷却構成が採られている。
本実施例では、加熱コイル22aの上面に、直にファン装置4から冷却空気を供給する配風ダクト71aを設けており、該配風ダクト71aを通してコイルベース21の中央の通風ダクト8から加熱コイル22aとフェライト内周突起部26の間隙であるコイル冷却風路2bと、フェライト内周突起部26内側のコイル冷却風路2aの二つの風路から加熱コイル22aとトッププレート9の間隙に空気が流れ、該加熱コイル22aを冷却する。
尚、コイル冷却風路2aにはコイルベース21に設けた温度センサ23が載置されるセンサ台23bがトッププレート9に接触して設けられるため、コイル冷却風路2bに比べ通風抵抗が大きく冷却空気の大部分は通風抵抗の小さいコイル冷却風路2bを通って加熱コイル22aの上面に流れることになる。
ここで、本実施例では、コイル冷却風路2aがなくとも加熱コイル22aの冷却性能はコイル冷却風路2aのみで構成される従来の冷却構造に比べて良好であるが、より通風抵抗を抑えて空気を加熱コイル22a上面に流れ易くするためにコイル冷却風路2a,2bの両方を備えた構成である方がよい。
加熱コイル22aとトッププレート9の間隙に入った空気は、コイル内周側にフェライト24を挟んで複数構成されるコイル冷却風路2bが吹出し口となって、加熱コイル22aの内側から外側に向かって勢い良く放射状に空気が噴き出す流れを構成する。
このため、コイル冷却風路2a,2bを通った冷却空気が加熱コイル22aの外周側まで小さい温度上昇のまま運ばれることになり、加熱コイル22a上面全体を効率よく冷却できる。
また、基板収納ケース5内部の電子部品のうち、発熱の大きな高発熱部品59aは、放熱面積の大きなヒートシンク55に固定され、発生した熱量をファン装置4から吹出される空気で冷却する。つまり、ファン装置4から吹出す空気は、本体の高さ方向に三段配置された制御基板51に向かって流れ、該制御基板51上の電子部品52a,高発熱素子59aを冷却するようにそれぞれの間隙を本体背面側から正面側に向かって流れる。
ここで、ファン装置4は、段階的に又は無段階で風量制御してもよいし、加熱コイル22a及び高発熱素子59aの温度を計測してON/OFF制御や間欠運転により風量調整を行う構成にしてもよい。
制御基板51を冷却した空気は、基板収納ケース5上方に設けた通気口5bを通してコイルベース21下方の開口70aから左右の加熱コイル22a,22bに冷却空気を供給し、加熱コイル22aの下面を冷却する。
そして加熱コイル22a,22bを冷却した空気はコイルベース21の周りを流れ、排気口9bから外部に排気される。
ここで、本実施例はファン装置4を加熱コイル22aの駆動を制御する基板51よりも本体後方に設けており、ファン装置4を介して外気を最短距離で、つまり他の部品発熱や温度上昇の影響を受けずに加熱コイル22aの上面に温度上昇の少ない低温空気を供給できる風路構成である。
さらに、ファン装置4から吹出される空気の通風経路を加熱コイル22a,22bや制御基板51に並列に配置させ、ファン装置4の負荷を小さくして大風量で稼動しやすい空冷構造である。
このように、本実施例では吸気口9aから排気口9bまでの通風経路に基板収納ケース5を設け、基板収納ケース5の内部に直接冷却が必要である制御基板51(電子部品52や高発熱素子59)とファン装置4を配置させ、ファン装置4の複数の吹出し口20から部品配置やそれらの必要冷却能力に合わせて効率よく冷却空気を供給するとともに、配風ダクト71aを介して加熱コイル22の上面に冷却空気を供給することができる。よって、電子部品の冷却に必要十分な冷却空気量を流すためのファン装置4が小型化、或いは低速回転化することができる。さらに、ファン動力も小さくなるとともに、ファン装置4のモータ音や部品の風切り音が減少して騒音が小さくなり、快適なキッチン環境を提供できる。
図11は、本発明の第二実施例の誘導加熱調理器の側面断面図、図12は同斜視分解図である。
ここで、本実施例は、基板収納ケース5内の風路構成や部品配置、及びファン装置4の吹出し口20の個数以外は、前記実施例と同様であり説明を省略する。つまり、本実施例は、制御基板51の配置や制御基板51の冷却風路などによらない、加熱コイル22の冷却を対象とするものである。
本実施例では、加熱コイル22を冷却する空気が、全て基板収納ケース5を介して加熱コイル22の上下両面に供給されるものである。
よって、本実施例は図13に示すように、基板収納ケース5の上方の通気口5bを介して配風ダクト7aに入り、例えば右側の加熱コイル22aに冷却空気が供給される。
ここで、加熱コイル22aは、実施例1に示したように上に開いたコ字形状のフェライト24で囲まれた構成となっており、加熱コイル22aの内周側とフェライト内周突起部26の外周側に隙間を設けた配置であるため、フェライト内周突起部26の内周側のコイル冷却風路2aと、加熱コイル22aの内周側とフェライト内周突起26の間隙であるコイル冷却風路2bの二つの通風経路から加熱コイル22aの上面側、つまり加熱コイル22aとトッププレート9の間隙に配風ダクト7aから供給される空気の一部が流れ込み、加熱コイル22aの上面を冷却する。
また、配風ダクト7aから加熱コイル22aに供給される他の一部の空気は加熱コイル22aの下面側に衝突し、加熱コイル22aの下面に沿って放射状に外周方向に流れるので、配風ダクト7aから吹出す空気で加熱コイル22aの上下両面を冷却できる。
ここで、加熱コイル22aとトッププレート9の狭い間隙に空気を流す場合、通風抵抗が大きくなりがちであるが、加熱コイル22aとフェライト24及びこれらを配置したコイルベース21から構成される本実施例であれば、通風抵抗を小さく抑えて比較的容易に加熱コイル22aの上面にも冷却空気を導くことができる。
従って、ファン装置4が制御基板51を冷却した空気を加熱コイル22aの下方に導風し、該空気で加熱コイル22aの下面と、コイル冷却風路2a,2bを通して加熱コイル22aの上面を効率よく冷却することができる。
また、加熱コイル22aへの導風経路を簡易化して低コスト化とともに通風抵抗を抑え、ファン装置4への負荷を減らして大風量による冷却の高効率化及びファン装置4の低騒音化を実現できる。
また、図14に示すように、加熱コイル22aをフェライト24と例えばアルミなど透磁率の低い金属製のシールド板28で囲む構成であっても、フェライト内周突起部26を設けた構成であれば、容易にコイル冷却風路2bを構成し、効率よく加熱コイル22aを冷却することができる。
また、図示した構成であれば、コ字形状のフェライト24から成型が容易なL字形状のフェライトにすることで低コスト化を図ることができる。つまり、低コスト化のために図13に示すフェライト外周突起25の替わりに、図14のシールド板28に変えても本実施例は何ら差し支えない。ここで、シールド板28は、アルミ板により加熱コイル22aの外周を覆う形状であれば、平板状であっても、曲げ加工を設けた構造であってもよい。
図15は、加熱コイル22の冷却部を示す他の実施例である。本実施例は、基板収納ケース5の上方の通気口5bから加熱コイル22aに供給される空気を、加熱コイル22aの下面に導風し、次にコイル冷却風路2a,2bを通して加熱コイル22aの上面に導風し、加熱コイルの両面を冷却するものである。
よって、加熱コイル22aを載置したコイルベース21と基板収納ケース5の隙間からの空気漏れが生じ難いように、嵌合部8aを設けた構成となっている。
本構成であれば、通気口5bから吹出す空気の全てを加熱コイル22aの上面と下面の両面を直列の通風経路で連結させることにより、大風量且つ高速の空気を無駄なく用い、加熱コイル22aの上下両面を効率よく冷却できる。
本発明の第一実施例におけるコイル冷却部の側面断面図である。 同コイル冷却部の斜視断面組立図である。 同加熱コイルとフェライトをコイルベースの下方から見た配置図である。 同誘導加熱調理器の内部構造を示す分解斜視断面図である。 図4の誘導加熱調理器の側面断面図である。 図5におけるコイル冷却部を拡大した側面断面図である。 図1から図6に示した実施例中のコ字形状のフェライトの配置図である。 同フェライトをL字形状と直方体形状に分割して配置した斜視図である。 同フェライトをL字形状とリング形状に分割して配置した斜視図である。 同フェライトを直方体形状と二つのリング形状に分割して配置した斜視図である。 本発明の第二実施例における誘導加熱調理器の側面断面図である。 同誘導加熱調理器の内部構造を示す分解斜視断面図である。 同誘導加熱調理器のコイル冷却部を拡大した側面断面図である。 同コイル冷却部の他の実施例の側面断面図である。 本発明の第三実施例のコイル冷却部の側面断面図である。
符号の説明
2a,2b コイル冷却風路
4 ファン装置
5 基板収納ケース
8 通風ダクト
9 トッププレート
10 排気ダクト
21 コイルベース
22 加熱コイル
23 温度センサ
24 フェライト
27 コイル保持部
40 遠心ファン
51 制御基板
52 電子部品
55 ヒートシンク
59 高発熱素子

Claims (8)

  1. 本体と、該本体の上面に設けられ被調理鍋を載置するトッププレートと、該トッププレート下方の前記本体内に設けられ放射状に複数本のフェライトを配設したコイルベースと、該コイルベース上に載置した加熱コイルと、該加熱コイルの駆動を制御する制御基板と、前記加熱コイルと前記制御基板を冷却するファン装置とを備え、
    前記フェライトは、前記加熱コイルの下面から該加熱コイルの内周側と外周側の両方に突出して該加熱コイルを囲うように上方に開いたコ字形状に構成され、前記加熱コイルの内周面と該加熱コイルの内周側に突出した前記フェライトの間隙を前記トッププレート側の前記加熱コイル上面に冷却空気を導くコイル冷却風路としたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 本体と、該本体の上面に設けられ被調理鍋を載置するトッププレートと、該トッププレート下方の前記本体内に設けられ、放射状に複数本のフェライトを配設したコイルベースと、該コイルベース上に載置した加熱コイルと、該加熱コイルの駆動を制御する制御基板と、前記加熱コイルと前記制御基板を冷却するファン装置とを備え、
    前記フェライトは、前記加熱コイルの下方から該加熱コイルの内周側に突出して該加熱コイル囲うようなL字形状に構成され、前記加熱コイルの内周面と該加熱コイルの内周側に突出した前記フェライトの間隙を前記トッププレート側の前記加熱コイル上面に冷却空気を導くコイル冷却風路としたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記フェライトは、少なくとも前記加熱コイルの下方と、該加熱コイルの内周側及び該加熱コイルの外周側に分割して配置されることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記加熱コイルの内周側に配置するフェライトを、前記加熱コイルの内径より小さいリング形状で構成したことを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記ファン装置から前記コイル冷却風路に直接空気を供給する通風経路を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記ファン装置を、前記加熱コイルの駆動を制御する制御基板よりも本体後方に設けたことを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記ファン装置で前記制御基板を冷却した空気を前記加熱コイルの下方に導風し、該空気で前記加熱コイルの下面と、前記コイル冷却風路を通して前記加熱コイルの上面の両方を冷却することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記ファン装置で前記制御基板を冷却した後の空気を前記加熱コイルの下方に導風して該加熱コイルの下面を冷却し、該冷却後の空気を前記コイル冷却風路を通して前記加熱コイルの上面に導風し、該加熱コイルの上面を冷却することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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