JP2009294049A - 気密判定装置及び気密判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉容器の気密状態を簡易に、かつ、精度よく判定する。
【解決手段】気中開閉器1の内部の浸水を判定するための気密判定装置21の構成として、気中開閉器1の本体2と同じ厚さのSUS板を水平に設置する。次に、気中開閉器1の内表面側に水を貯めることが可能な貯水枠を設ける。そして、外表面側にALシェード付きのランプヒータH1及び熱電対温度計M1〜M6(No.1〜6)を設け、内表面側のランプヒータH1の位置に熱電対温度計M7(No.7)を設ける。熱電対温度計M1〜M6は、ランプヒータH1の近くから離れる方向に1cmずつ間隔を空けて直線上に並べる。なお、図示しないが、ランプヒータH1に電圧を印加するスライダック、熱電対温度計M1〜M7から温度データを逐次入力し、記憶するデータロガー、データロガーから温度データを入力し、温度の時間的変化を表示するノートPC等も備えられているものとする。
【選択図】図4

Description

本発明は、密閉容器の気密状態を判定する気密判定装置及び気密判定方法に関する。
これまでの調査の結果によれば、電力回路・電力機器の電路を開閉する開閉器の気密保持ができている場合には、発錆や部分放電等の不具合に至ることは極めて少ないということが分かっている。このため、初期の気密破壊を検知することによって、開閉器の電気事故抑制や初期修理による延命化を図ることが可能になる。そこで、打音によるAE(Acoustic Emission)手法で開閉器内部の浸水状態を検知可能な装置が開発され、検証されつつある。AE手法は、水がたまると音の周波数が変わることを利用し、AEの周波数変化に基づいて浸水を検知するものである。また、超音波を利用して開閉器内部の浸水を検査する装置がある。特許文献1には、超音波式の浸水検出装置について開示されている。
なお、特許文献2には、開閉器内の低圧回路の絶縁抵抗を測定し、その測定値に応じて開閉器内部の浸水状態を判定する方法が開示されている。
特許第3233858号公報 特開2000−46894号公報
しかしながら、AE手法による装置は、少量の水分を検知し難いことや、複雑で高価格であることにより、開閉器の活線時において簡易に、かつ、精度よく初期の気密破壊状態を検知することができないという問題がある。また、超音波式の浸水検出装置は、3mm程度以上の浸水量がなければ検出が難しく、霧吹き状態(水分付着)は検出できないという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、密閉容器の気密状態を簡易に、かつ、精度よく判定することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定装置であって、前記密閉容器の外面を加熱する手段と、前記密閉容器の内部が浸水していない状態において、予め前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知し、記憶する手段と、浸水の有無を判定すべき前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知する手段と、前記検知した温度変化と、前記密閉容器の内部が浸水していない状態における温度変化とに基づいて浸水の有無を判定する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、密閉容器の浸水状態を簡易に、かつ、精度よく判定することができる。
また、本発明は、密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定装置であって、前記密閉容器の外面を加熱する手段と、前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知する手段と、前記加熱の開始後に前記検知した温度変化が低下の場合に、水分ありと判定する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、加熱を開始した後に外面の温度が低下するのは、水分の蒸発による気化熱が原因であるので、水分の存在を示すものである。これによれば、密閉容器の浸水状態を簡易に、かつ、精度よく判定することができる。
また、本発明は、気密判定装置であって、前記検知した温度変化に基づいて、前記加熱の開始から前記温度変化が上昇に転じるまでの時間を特定する手段と、前記特定した時間に基づいて、前記密閉容器の内部の水分量の程度を判定する手段と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、前記密閉容器の内部の水分量の程度を簡易に把握することができる。
また、本発明は、気密判定装置であって、前記密閉容器の外面を加熱した場合に、前記密閉容器の内部から漏れる空気を外部に出す空気放出管と、前記空気放出管から空気が出ていることを通知する手段と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、密閉容器の内部への浸水の有無を判定する前に、密閉容器の気密状態が保持されているか否かが分かるので、気密なしの場合に限り、浸水の有無を判定すればよいことになる。
また、本発明は、気密判定装置であって、前記空気放出管から空気が出ていることを通知する手段が、気体流量計、シャボン液又は水中泡確認器具であることを特徴とする。
なお、本発明は、気密判定方法を含む。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、密閉容器の気密状態を簡易に、かつ、精度よく判定することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。本発明の実施の形態に係る気密判定装置及び気密判定方法は、予め内部が浸水していない密閉容器の外面を加熱し、その際の温度変化を検知し、記憶し、次に浸水の有無を判定すべき密閉容器の外面を加熱し、その際の温度変化を検知し、さらに両方の温度変化に基づいて対象密閉容器内部における浸水の有無を判定するものである。これによれば、密閉容器の気密状態を簡易に、かつ、精度よく判定することができる。
≪気中開閉器の構造と概要≫
本実施の形態では、密閉容器の一例として気中開閉器を取り上げる。気中開閉器は、電力回路・電力機器の正常動作時の電路を開閉する大型の機器であり、特に、開閉器内部に空気が密封されて格納されている。気中開閉器の構造の一例が、特開平10−334775号公報に開示されている。
図1は、気中開閉器の外観を示す図である。図1(a)は、電柱に設置した例を示す。図1(b)は、上面蓋の開閉器の例を示す。図1(c)は、下面蓋の開閉器の例を示す。
図2は、気中開閉器1からの空気の放出の有無及び程度を診断するための気密判定装置20の構成を示す図である。気中開閉器1の断面図において、本体2と、蓋3との間にはパッキン4が設けられていて、パッキン4によって気中開閉器1が密閉され、換言すれば、器内側と器外側との間における空気の流れが遮断される。パッキン4は、シリコンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム等の様々な材料をゴム加工したものである。次に、本体2と、蓋3との間で、パッキン4からみて器外側にあたる部分に空気通路5が設けられ、さらに空気通路5の器外側にシール6が付着されて密封される。空気通路5は、パッキン4の劣化等により漏れ出てくる空気の通路を確保するための管であり、例えば、バネや細孔チューブ等が用いられる。シール6には、粘土やテープが用いられる。
そして、空気放出管7の一端が空気通路5に貫通しており、空気放出管7の他端には気体流量計8、シャボン液9及び水中泡確認器具10が設置される。気体流量計8は、正逆カウンタが付いていて、空気の流れる方向及び流量が分かるようになっており、さらに空気の温度や湿度が測定できるものであってもよい。シャボン液9は、空気放出管7の他端に充填され、空気通路5から空気放出管7に空気が出てきた場合にはシャボン泡となることで、空気漏れ(気密なし)を通知する。水中泡確認器具10は、空気放出管7の他端を水中に沈めたものであり、空気通路5から空気放出管7に空気が出てきた場合には水中の泡となることで、空気漏れ(気密なし)を通知する。なお、気体流量計8は無論であるが、シャボン液9及び水中泡確認器具10を使っても、目視により空気の流量を確認することができる。
なお、気中開閉器1の一例として、本体2は材質としてSUS304Lを使っていて、厚さが2.0mmである。器内圧力は、0.00kg/cmG(G:ゲージ圧力=絶対圧力−大気圧)である。内容積の想定概算値は、0.3m(D)×0.3m(H)×0.5m(L)≒0.05mである。以下に、物質の熱的性質を示す。
Figure 2009294049
気中開閉器1の気密破壊は、ほぼ全数が本体2と蓋3との間のシール6の面から発生しており、次の2つが主な原因になっている。1つは、本体2の溶接部(残留応力により塗装の付着力が弱い)で湿気が逃げ難いシール6の面の下部(特に4つのコーナー)が最も腐食しやすく、この腐食が進行して気密機能が喪失するものである。ただし、気中開閉器1の本体2が軟鋼製だった場合に点検対象にする必要があったが、SUS材に変わってきているため、このような気密破壊は発生しないと考えられる。もう1つは、パッキン4(特に4つのコーナー)の経年弾力劣化による圧縮永久歪(10〜20%の歪でリークすると言われている)を発生して、気密機能を喪失するものである。
図3は、気中開閉器1内の気密状態及び浸水状態の診断方法を示すフローチャートである。この診断方法は、オペレータが各機器を用いて行ってもよいし、ノートPC等のコンピュータが各機器からデータを取得して行ってもよい。
まず、気中開閉器1内の気密状態を診断する(S301)。気密状態の診断には、気中開閉器1内の空気温度を上げた場合、気密が保持されていれば器内圧力が上昇するが、気密破壊が起こっていれば、圧力上昇分の空気が器外に漏れること、又は、器内の空気温度が上昇し難いことを利用する。気中開閉器1内の空気温度を上げるには、気中開閉器1の外側表面をヒータW調節器Hで加熱する(図1(c)参照)。その他に、夏季における朝昼の温度差による自然計測、夏季におけるクーリングによる負圧計測、温風と冷風の吹き付けによる計測等も考えられる。
器外に漏れる空気を検出するには、図2に示す機器構成を用いる。この場合、気体流量計8、シャボン液9又は水中泡確認器具10を用いて、気密状態の有無だけでなく、気密なしの場合に空気漏れの程度を段階的に(例えば、3段階に分けて)目視診断することもできる。器内の空気温度の測定は、熱電対温度計Mを気中開閉器1の外側表面に付けて行う(図1(c)参照)。
そして、気密診断結果が気密になっていることを示した場合(S302の「気密あり」)、正常であると判定し(S303)、診断を終了する。
一方、気密診断結果が気密になっていないことを示した場合(S302の「気密なし」)、器内が浸水しているおそれがあるので、器内の浸水状態を診断する(S304)。浸水状態の診断を行うために、少量の水分(器内表面に付着する程度)に対しては、少量の加熱を行っても蒸発しやすい点に着目し、そのときの気化熱(伝熱面の温度低下現象)発生の有無を検出する。また、水分付着の程度を超えた浸水に対しては、伝熱面が温度低下を経て温度上昇に至るまでの時間によって浸水分量の程度(例えば、数mmか、それより多いか等)を判定することができる。
具体的には、図1(c)に示すように、まず、ヒータW調節器Hを気中開閉器1の底部(下面蓋)に設置し、熱電対温度計Mを気中開閉器1の外側表面の各箇所に設置する。次に、ヒータW調節器Hによって加熱し、その際、熱電対温度計Mによって各箇所の時間的な温度変化を測定する。そして、その測定結果から水分の有無や浸水の程度を判定する。判定方法には、測定結果のデータそのものをチェックする方法や、測定結果のデータと、予め測定した水分がない場合のデータとを比較する方法がある。なお、浸水診断の模擬実験とその結果について後記する。
そして、浸水診断結果が水分なしを示した場合(S305の「水分なし」)、初期の気密破壊であると判定し(S306)、蓋3の増締めを行い(S307)、再度気密状態を診断する(S301)。蓋3の増締めでは、蓋3の締付け力を調整したり、パッキン4の厚さを10〜20%増しにしたりする。
次に、浸水診断結果が付着水分ありを示した場合(S305の「付着水分あり」)、1シーズン程度経過の気密破壊であると判定し(S308)、まずは、器内を乾燥させた(S309)後、蓋の増締めを行い(S307)、再度気密状態を診断する(S301)。
また、浸水診断結果が浸水数mmを示した場合(S305の「浸水数mm」)、早期に補修要であると判定し(S310)、補修した後、再度気密状態を診断する(S301)。
さらに、浸水診断結果が浸水数mmより大を示した場合(S305の「浸水数mmより大」)、緊急に補修要であると判定し(S311)、補修した後、再度気密状態を診断する(S301)。
≪模擬実験及びその結果≫
図4は、気中開閉器1の底部を模擬した実験の機器構成を示す図(断面図)である。気中開閉器1の本体2と同じ厚さ(約2mm)のSUS板を水平に設置する。次に、気中開閉器1でいうところの内表面側に水を貯めることが可能な貯水枠を設ける。そして、外表面側にALシェード付きのランプヒータH1及び熱電対温度計M1〜M6(No.1〜6)を設け、内表面側のランプヒータH1の真上の位置に熱電対温度計M7(No.7)を設ける。熱電対温度計M1〜M6は、ランプヒータH1の近くから離れる方向に1cmずつ間隔を空けて直線上に並べる。なお、図示しないが、ランプヒータH1に電圧(例えば、30V)を印加するスライダック、熱電対温度計M1〜M7から温度データを逐次入力し、記憶するデータロガー(データ記録装置)、データロガーから温度データを入力し、温度の時間的変化(トレンド)を表示するノートPC(Personal Computer)等も備えられているものとする。また、これらの機器構成は、気中開閉器1の内部の浸水を判定するための気密判定装置21の構成を示すものである。
図5は、模擬実験の結果、すなわち、気中開閉器1の外表面温度の時間的変化を示すグラフであり、器内表面の水分量に応じて4つの場合の温度変化を示す。各グラフの横軸に加熱開始からの経過時間(分)をとり、縦軸に気中開閉器1の外表面温度(℃)をとっている。各図の中央から下部にかけて、熱電対温度計M1〜7(No.1〜7)で測定された温度の変化が示されている。左上側から右下側に向かって、No.7、1、2、3、4、5、6の順である。そして、各図の上部には、加熱開始直後の温度変化の様子が顕著に分かるように縦軸を拡大したグラフが示されている。
図5(a)は、内表面が乾燥空気である場合の温度変化を示す。この場合、内表面に水分がないので、温度低下は起こらず、例えば、No.6のグラフは加熱直後しばらく温度が一定に推移し、2分後ぐらいから温度が上昇している。各グラフを比較すると、ランプヒータH1と、熱電対温度計Mとの間の距離が長いほど、温度が上昇し始めるまでの時間が長くなることが分かる。これによれば、図3の浸水診断結果(S305)が「水分なし」の判定は、加熱開始直後の温度変化の傾きがゼロ又は正の場合に行うものとする。
図5(b)は、内表面が水分付着である場合の温度変化を示す。この場合、加熱によって水分が蒸発することによって表面が気化熱を奪われるため、表面温度が一時的に低下する。そして、内表面がランプヒータH1に近い方から順次乾燥状態になった後は、図5(a)の乾燥空気の場合と同様の傾きで温度が上昇する。これによれば、加熱開始直後の温度変化のグラフの傾きが負であるか否かを判定することにより、わずかな水分付着の有無を診断することができる。
図5(c)は、内表面が1〜2mmの浸水である場合の温度変化を示す。この場合、図5(b)の水分付着と同様に、表面温度が一時的に低下し、やがて上昇に転じる。ただし、浸水分量の程度に応じて加熱開始から温度上昇に至るまでの時間が異なってくる。換言すれば、温度上昇までの所要時間によって浸水分量の程度を診断することができる。なお、図4に示すランプヒータH1の真上にあたる熱電対温度計M7(No.7)の測定箇所に水はないが、貯水枠の中が浸水していると水温の影響を受けることになる。
図5(d)は、内表面が4〜5mmの浸水である場合の温度変化を示す。この場合、図5(c)の1〜2mmの浸水と比較すると、浸水の深さが増すので、外表面温度が上昇するまでに時間がかかることになる。そして、浸水量の増加に伴って、上昇する温度自体が低く抑えられる。
図5(b)〜(d)のグラフによれば、図3の浸水診断結果(S305)が「付着」又は「浸水」の判定に際しては、加熱開始直後の温度変化の傾きが負であって、例えば、No.6の加熱開始から温度上昇に至るまでの時間が2分以内であれば「水分付着」と判定し、当該時間が2〜3分であれば「浸水数mm」と判定し、当該時間が3分以上であれば「浸水数mmより大」と判定する。この場合、加熱開始から温度上昇に至るまでの時間は、ノートPCのディスプレイに表示された温度変化を見てオペレータが決めてもよいし、ノートPCが熱電対温度計Mから温度データを逐次取得し、HDDに記憶するとともに、温度の時間的変化の傾きが正になるタイミングを特定するようなプログラムを、ノートPCのメモリ上で動作させるようにしてもよい。
なお、炭素鋼で行った別の実験の結果によると、一様な霧吹き状態の場合、一様でなく部分的に浸水した状態に比べると、加熱開始時に温度が下がりやすいことが分かった。また、炭素鋼の場合、SUS板に比べると、熱伝導率が大きいので、加熱開始時に温度の低下が小さいことが分かった。
以上のようにグラフごとに判定する方法とは別に、予め測定した図5(a)の乾燥空気のグラフ(浸水していない状態における温度変化)と、診断対象のグラフ(温度変化)とを比較して判定するようにしてもよい。予めデータを測定する際には、気中開閉器1の製造メーカ、機種別、材質別及び測定位置等の測定条件に分けて、それぞれについて外気温度の下で詳細に温度変化のデータを取得し、例えば、ノートPCのHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に記憶させておくことが有用である。この場合、ノートPCが熱電対温度計Mから温度データを逐次取得し、HDDに記憶するようなプログラムを、ノートPCのメモリ上で動作させるものとする。そして、診断対象の温度変化と、同じ測定条件で浸水していない状態における温度変化とを比較し、例えば、気中開閉器1の外面における同一位置、同一時刻(加熱開始からの経過時間)における温度の差から判定する。すなわち、温度の差が所定値以上であれば、浸水状態であると判定する。さらに、基準となる複数の所定値を設定して、浸水量を段階的な数値範囲(例えば、水分付着、浸水1〜2mm、浸水3〜4mm等)として判定してもよい。
図6は、気密判定装置22の構成例を示す図である。気密判定装置22は、長さ15cm×幅10cm×深さ3cmの容器の底面に面状ヒータH2及び複数の熱電対温度計Mをバネ(スプリング)により固定したものである。容器の縁にはゴムが施され、容器の内部にはシリカウールが満たされている。本体2がSUS材であれば容器の内部は真空引きされるが、本体2が軟鋼であれば磁石で可である。なお、面状ヒータH2の電源には、例えば、100V電源やリチウム電池(約30〜40W出力)が用いられる。また、熱電対温度計Mには、データロガー及びノートPCが接続され、温度データの記憶、浸水判定結果の表示等が行われる。浸水判定結果は、例えば、正常(気密あり[乾燥空気])、注意レベル1(付着水分あり[少])、注意レベル2(付着水分あり[多])、異常レベル1(浸水[1〜2mm])、異常レベル2(浸水[2〜4mm])、異常レベル3(浸水[4mmより大])等に分けて表示される。
以上本発明の実施の形態について説明したが、図6に示すデータロガー及びノートPCを機能させるために、処理部(CPU)で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る気密判定装置22が実現されるものとする。なお、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、現場の診断ツールとして取扱いが簡易で低価格な気密判定装置を実現することができるので、気中開閉器1の内部の気密判定に係るコストを低減することができる。次に、気密判定装置を用いて随時気中開閉器1の内部の気密判定を実施することによって、気中開閉器1の信頼性を確保することができる。特に、初期の気密破壊(少量の水分)を検知することが可能になるので、気中開閉器1の延命化を図ることができ、非常に有用である。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)上記実施の形態では、気中開閉器1の外表面温度を測定するのに、模擬実験で熱電対温度計Mを直線状に並べて配置したが、気中開閉器1の外表面(例えば、No.6の位置の底部)に1個の熱電対温度計Mを配置して、温度変化を測定するようにしてもよい。これによれば、効率よく温度変化を測定して浸水状態を診断することができる
(2)上記実施の形態では、気中開閉器1の外表面温度を測定するのに、模擬実験で熱電対温度計Mを直線状に並べて配置したが、気中開閉器1の外表面全体を万遍なく覆うように熱電対温度計Mを分散配置して、温度変化を測定するようにしてもよい。これによれば、気中開閉器1内面全体における水分の分布を把握することができる。その場合、内表面に水滴のある箇所の下にある熱電対温度計が、水分の蒸発を感知して一旦低下し、その後上昇するという特異な温度変化を示すことになる。
(3)上記実施の形態では、密閉容器の例として気中開閉器1を示して説明したが、他の開閉器、例えば、ガス開閉器や真空開閉器であってもよい。
(4)上記実施の形態では、浸水していない状態における温度変化と、診断対象の温度変化とを比較する方法について言及したが、別の比較を行ってもよい。例えば、気中開閉器1の側面及び底部を検出器2基でそれぞれ同時に加熱し、温度を計測して比較して判定したり、検出器1基で気中開閉器1の側面及び底部を順次計測して判定したりする方法が考えられる。これによれば、外界の環境条件が同じ状態での比較を行うことができる。
気中開閉器の外観を示す図であり、(a)は電柱に設置した例を示し、(b)は上面蓋の開閉器の例を示し、(c)は下面蓋の開閉器の例を示す。 気中開閉器1からの空気の放出の有無及び程度を診断するための気密判定装置20の構成を示す図である。 気中開閉器1内の気密状態及び浸水状態の診断方法を示すフローチャートである。 気中開閉器1の底部を模擬した実験の機器構成(気密判定装置21の構成)を示す図(断面図)である。 気中開閉器1の外表面温度の時間的変化を示すグラフであり、(a)は内表面が乾燥空気である場合の温度変化を示し、(b)は内表面が水分付着である場合の温度変化を示し、(c)は内表面が1〜2mmの浸水である場合の温度変化を示し、(d)は内表面が4〜5mmの浸水である場合の温度変化を示す。 気密判定装置22の構成例を示す図である。
符号の説明
1 気中開閉器
2 本体
3 蓋
4 パッキン
5 空気通路
6 シール
7 空気放出管
8 気体流量計
9 シャボン液
10 水中泡確認器具
20、21、22 気密判定装置
M、M1〜7 熱電対温度計
H ヒータW調節器
H1 ランプヒータ
H2 面状ヒータ

Claims (10)

  1. 密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定装置であって、
    前記密閉容器の外面を加熱する手段と、
    前記密閉容器の内部が浸水していない状態において、予め前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知し、記憶する手段と、
    浸水の有無を判定すべき前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知する手段と、
    前記検知した温度変化と、前記密閉容器の内部が浸水していない状態における温度変化とに基づいて浸水の有無を判定する手段と、
    を備えることを特徴とする気密判定装置。
  2. 密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定装置であって、
    前記密閉容器の外面を加熱する手段と、
    前記密閉容器の外面の前記加熱に応じた温度変化を検知する手段と、
    前記加熱の開始後に前記検知した温度変化が低下の場合に、水分ありと判定する手段と、
    を備えることを特徴とする気密判定装置。
  3. 請求項2に記載の気密判定装置であって、
    前記検知した温度変化に基づいて、前記加熱の開始から前記温度変化が上昇に転じるまでの時間を特定する手段と、
    前記特定した時間に基づいて、前記密閉容器の内部の水分量の程度を判定する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする気密判定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の気密判定装置であって、
    前記密閉容器の外面を加熱した場合に、前記密閉容器の内部から漏れる空気を外部に出す空気放出管と、
    前記空気放出管から空気が出ていることを通知する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする気密判定装置。
  5. 請求項4に記載の気密判定装置であって、
    前記空気放出管から空気が出ていることを通知する手段は、
    気体流量計、シャボン液又は水中泡確認器具である
    ことを特徴とする気密判定装置。
  6. 密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定方法であって、
    前記密閉容器の内部が浸水していない状態において、予め前記密閉容器の外面を加熱し、その加熱に応じた温度変化を検知するステップと、
    浸水の有無を判定すべき前記密閉容器の外面を加熱し、その加熱に応じた温度変化を検知するステップと、
    前記検知した温度変化と、前記密閉容器の内部が浸水していない状態における温度変化とに基づいて浸水の有無を判定するステップと、
    を実行することを特徴とする気密判定方法。
  7. 密閉容器の内部への浸水の有無を判定する気密判定方法であって、
    前記密閉容器の外面を加熱し、その加熱に応じた温度変化を検知するステップと、
    前記加熱の開始後に前記検知した温度変化が低下の場合に、水分ありと判定するステップと、
    を備えることを特徴とする気密判定方法。
  8. 請求項7に記載の気密判定方法であって、
    前記検知した温度変化に基づいて、前記加熱の開始から前記温度変化が上昇に転じるまでの時間を特定するステップと、
    前記特定した時間に基づいて、前記密閉容器の内部の水分量の程度を判定するステップと、
    をさらに実行することを特徴とする気密判定方法。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の気密判定方法であって、
    前記密閉容器の外面を加熱し、その加熱に応じて前記密閉容器の内部から外部へ空気が出ているか否かを判定するステップと、
    前記密閉容器の内部から外部へ空気が出ている場合に、前記温度変化を検知するステップと、
    を実行することを特徴とする気密判定方法。
  10. 請求項9に記載の気密判定方法であって、
    前記密閉容器の内部から外部へ空気が出ているか否かを判定するステップでは、
    気体流量計、シャボン液又は水中泡確認器具を用いる
    ことを特徴とする気密判定方法。
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