JP2009294034A - マイクロメータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定圧機構40を、スピンドル20の基端にスピンドル20の中心軸と同軸に設けられ、かつ操作部30のラチェットリング部33を挿通する軸部411および軸部411の基端に設けられるとともに軸部411より径が大きい頭部412を有する支軸41と、頭部412に保持される軸432を中心に回動可能に設けられるとともに、ラチェットリング部33内に配置され、側面に第1突起332と係合する鋸歯状の第2突起434が形成されたラチェット爪43と、ラチェット爪43を第1突起332側に付勢する付勢手段44とを含んで構成する。スピンドル20の軸方向に対して直交するラチェットリング部33内の空間に前記部材41,43,44が配置されるので、定圧機構40のスピンドル20の軸方向に沿った長さを短くでき、その分、マイクロメータを小型化できる。
【選択図】図3
Description
このマイクロメータ1は、略U字状に形成され、一端にアンビル11を有するとともに、他端に、外方に突出し、内部に雌ねじ51が形成された突出部50を有する本体10と、突出部50内部の雌ねじ51に螺合し、螺合回転に伴って軸方向かつアンビル11に対して進退するスピンドル20と、突出部50に回転可能に嵌合されたシンブル30と、シンブル30内部に設けられ、シンブル30の回転をスピンドル20に伝達するとともに、スピンドル20に一定以上の負荷が作用した際にはスピンドル20に対してシンブル30を空転させることで測定圧を一定にする定圧機構40とを備えている。シンブル30の内周面には、スピンドル20の軸方向に沿ってガイド溝34が形成されている。
定圧機構40は、軸方向に沿った溝41Aが外周面に形成されているとともにスピンドル20の基端に螺合される支軸41と、ガイド溝34に係合する係合ピン421を有するとともに支軸41に回転可能に嵌め込まれた第1回転伝達リング42と、溝41Aに差し込まれるピン432を有するとともに支軸41に回転不能かつ軸方向に進退可能に嵌め込まれた第2回転伝達リング43と、第2回転伝達リング43を第1回転伝達リング42に対して付勢するコイルばね44とを備えている。第1,第2回転伝達リング42,43の対向面には、それぞれ、互いが係合する鋸歯状突起422,434が形成されている。
このような構成によれば、ラチェット爪が支軸を挟んで一対設けられているので、ラチェットリング部の回転を安定して支軸に伝達することができ、ひいてはスピンドルに伝達することができる。
このような構成によれば、支軸に設けられたばね用孔を挿通する1つのコイルばねにより、一対のラチェット爪を共にラチェットリング部側に付勢することができるので、各ラチェット爪ごとにコイルばねを設ける場合と比べて、部品点数を削減でき、製造コストを低減できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るマイクロメータ1を示す全体図である。なお、以下では、前述した図7、図8に対応する要素に同一の符号を付して説明する。
マイクロメータ1は、略U字状に形成され一端にアンビル11を有する本体10と、本体10に保持され、前記アンビル11に対して進退するスピンドル20と、スピンドル20を進退させる操作部としてのシンブル30と、シンブル30とスピンドル20との間に設けられ、スピンドル20に一定以上の負荷が作用した際にはスピンドル20に対してシンブル30を空転させる定圧機構40(図2参照)とを備えている。
本体10は、U字状のフレーム12と、フレーム12の他端における内端側開口端に嵌合されてスピンドル20を摺動自在に保持するステム13と、フレーム12の他端内部に設けられてスピンドル20の移動量を検出する検出手段14と、フレーム12の表面に設けられて検出手段14により検出されたスピンドル20の移動量を表示する表示手段15と、フレーム12の他端から外方に突出し、内部に雌ねじ51を有する突出部50とを備えている。また、スピンドル20において、中央部には、後述する検出手段14の係合ピン141と係合する係合溝21が中心軸に沿って形成され、基端部には、前記雌ねじ51に螺合する雄ねじ22が形成され、基端部の端面には、後述する定圧機構40の支軸41が螺合するねじ穴23が形成されている。
ステータ142は、スピンドル20に挿通されている。このステータ142は、スピンドル20を中心とした周方向への回転が規制されているとともに、ばね16により本体10の一端側に付勢されている。
ロータブッシュ143は、スピンドル20に挿通されている。このロータブッシュ143は、スピンドル20の係合溝21に係合する係合ピン141を備えており、これによりスピンドル20と一体に回転する。
図示しない演算手段は、ロータ144から出力された相対角度信号からスピンドル20の回転量を算出し、当該スピンドル20の回転量と、雄ねじ22のピッチとからスピンドル20の移動量を算出する。演算手段により算出されたスピンドル20の移動量は、前述したように、表示手段15に表示される。
インナースリーブ53の一端側は、フレーム12の他端における外端側開口端に連結されている。また、インナースリーブ53の一端側の外周には、押さえナット57が螺合している。このようなインナースリーブ53の他端側には、すり割り加工されたスリワリ部58が形成されている。スリワリ部58の内周面には、スピンドル20が螺合する雌ねじ51が形成され、外周面には調整ナット54が螺合する図示しない雌ねじが形成されている。
ガイド筒55は、インナースリーブ53に嵌合されている。
アウタースリーブ56の一端には鍔部561が形成されている。このアウタースリーブ56は、ガイド筒55の外側に回転可能に嵌められており、鍔部561が押さえナット57に被嵌されることで、スピンドル20の軸方向定位置で回転可能に保持されている。このアウタースリーブ56には、シンブル30が外側から嵌められ、接合されている。これにより、シンブル30は、スピンドル20の軸方向定位置で、かつスピンドル20の中心軸を中心として回転可能に保持されている。
ラチェットリング33は、リング状に形成されており、外周面には、スピンドル20の軸方向に沿って溝331が形成されている。この溝331がガイドキー34と係合することで、ラチェットリング33は、シンブル30と一体に回転するとともに、スピンドル20の進退に合わせて、シンブル30に対してスライド移動する。このようなラチェットリング33の内周面には、鋸歯状の第1突起332が形成されている。
頭部412には、一対のねじ穴415が形成されている。このねじ穴415には、後述するねじ432が螺合する。
測定の際に、筒体31をA方向(送り方向)に回転させると、その回転は、ガイドキー34および溝331を介してラチェットリング33に伝達され、ラチェットリング33が筒体31と一体にA方向に回転する。この際、ラチェット爪43の第2突起434が、コイルばね44によりラチェットリング33の第1突起332側に付勢され、第1突起332と係合するので、ラチェットリング33の回転は、ラチェット爪43、およびラチェット爪43を挿通するねじ432を介して支軸41に伝達され、支軸41からスピンドル20に伝達される。これにより、スピンドル20は、突出部50内部の雌ねじ51との螺合により、螺合回転しながら被測定物に近接する方向に移動する。
スピンドル20の軸方向に対して直交するラチェットリング33内の空間に、当該ラチェットリング33の回転を支軸414に伝えるラチェット爪43、およびラチェット爪43をラチェットリング33内周面側に付勢するコイルばね44が設けられているので、スピンドル20の軸方向に、コイルばね44および第2回転伝達リング43が設けられていた従来に比べ、これらラチェット爪43およびコイルばね44がラチェットリング33内部に設けられている分、定圧機構40のスピンドル20の軸方向に沿った長さを短くすることができる。従って、定圧機構40を短くできる分、定圧機構40を収納するシンブル30の長さを短くすることができ、マイクロメータ1を小型化できる。
支軸41に設けられたばね用孔413を挿通する1つのコイルばね44により、一対のラチェット爪43を共にラチェットリング33側に付勢するので、各ラチェット爪43ごとにコイルばね44を設ける場合と比べて、部品点数を削減でき、製造コストを低減できる。
図5は、本発明の第2実施形態に係るマイクロメータ1の要部を示す断面図である。なお、前記実施形態と同一機能部位には同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態のマイクロメータ1は、前記実施形態と同様の構成を備えるが、前記実施形態では、シンブル30が固定式となっていたが、本実施形態では、シンブル30が移動式となっている点が前記実施形態と異なる第1の点である。また、前記実施形態では、キャップ32と筒体31(シンブル30)とが一体に形成されていたが、本実施形態では、キャップ32とシンブル30とが別体とされている点が前記実施形態と異なる第2の点である。
ラチェットリング33は、前記実施形態と同様、内周面に鋸歯状の第1突起332が形成されている。本実施形態では、このようなラチェットリング33の一端側には、前記内周の径より大きい径を有する第1凹部333が形成され、他端側には、前記内周の径より大きい径を有する第2凹部334が形成されている。第1凹部333には、ストッパ59と当接する板状部材45が収納されている。
本実施形態では、測定の際には、シンブル30がまず回転し、スピンドル20をアンビルに対して前進させ、被測定物に当接させる。そして、スピンドル20が被測定物に当接するまでシンブル30が回転した後に、キャップ32が回転することで、一定測定圧での測定が可能となる。
図6は、本発明の第3実施形態に係るマイクロメータ1の要部を示す斜視図である。
本実施形態のマイクロメータ1は、前記第2実施形態と同様の構成を備えるが、本実施形態では、キャップ32が設けられず、ラチェットリング33の外周に筋目のローレット加工が施され、ラチェットリング33がラチェットリング部および操作部としての役割を果たす点が特徴である。すなわち、本実施形態では、スピンドル20が被測定物に当接するまでシンブル30が回転した後に、ラチェットリング33が回転することで、一定測定圧での測定が可能となる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、ラチェット爪43は、支軸41を挟んで一対設けられていたが、ラチェット爪43は、支軸41の片側に1つのみ設けられていてもよい。
また、定圧機構40の適用例は、前記各実施形態に限定されず、定圧機構は、キャップやシンブルの構成が前記各実施形態から変更された固定シンブルや移動シンブル(ラチェットシンブルタイプ、ラチェットストップタイプ)のマイクロメータにも適用することができる。例えば、移動シンブル30の前記第2実施形態のマイクロメータ1において、シンブル30の基端部の外周面に周状の溝が形成されるとともに、キャップ32のシンブル30に被せられる部分内側に周状の突起が形成され、この突起がシンブル30側の溝に嵌め込まれることで、キャップ32のシンブル30からの抜け止めがされるとともに、このキャップ32内の空間に定圧機構40が設けられていてもよい。
Claims (3)
- 略U字状に形成され、一端にアンビルを有するとともに他端内部に雌ねじが形成された本体と、
前記雌ねじに螺合し、螺合回転に伴って軸方向へかつ前記アンビルに対して進退するスピンドルと、
前記スピンドルを回転させて前記スピンドルを前記アンビルに対して進退させる操作部と、
前記操作部と前記スピンドルとの間に設けられ、前記操作部の回転を前記スピンドルに伝達するとともに、前記スピンドルに一定以上の負荷が作用した際に、前記スピンドルに対して前記操作部を空転させる定圧機構とを備え、
前記操作部は、リング状に形成されて内周面に鋸歯状の第1突起を有するラチェットリング部を備え、
前記定圧機構は、
前記スピンドルの基端に前記スピンドルの中心軸と同軸に設けられ、かつ前記ラチェットリング部を挿通する軸部、および前記軸部の基端に設けられるとともに前記軸部より径が大きい頭部を有する支軸と、
前記頭部に保持される軸を中心に回動可能に、かつ前記ラチェットリング部内に設けられ、側面に前記第1突起と係合する第2突起が形成されたラチェット爪と、
前記ラチェット爪を前記第1突起側に付勢する付勢手段とを備えている
ことを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項1に記載のマイクロメータにおいて、
前記ラチェット爪は、前記軸部を挟んで一対設けられている
ことを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項2に記載のマイクロメータにおいて、
前記軸部には、前記軸部の中心軸に直交し、前記軸部を貫通するばね用孔が形成され、
前記付勢手段は、コイルばねであり、前記ばね用孔を挿通し、前記一対の前記ラチェット爪を前記第1突起側に付勢する
ことを特徴とするマイクロメータ。
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