JP2009293634A - チェーンテンショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】プランジャの背部のオイルがハウジングとプランジャとの隙間より漏出しても、その後、内燃機関始動時に、プランジャの背部に迅速にオイルを充満させることを可能としたチェーンテンショナを提供する。
【解決手段】プランジャ31と、プランジャ31が出没自在に嵌挿されたプランジャ収容孔32aおよびプランジャの背部31aに連通可能に形成されたオイル供給口32bを有するハウジング32と、プランジャの背部31aを当該プランジャ31が突出する側へ押圧するプランジャ押圧ばね33と、チェックボール37によってオイル供給口32b側から圧送されるオイルをプランジャの背部31a側へ流通させ、その逆流を阻止する逆止弁34と、を備え、チェックボール37を没入可能なオイル溜りWを形成するように、プランジャの背部31aと逆止弁34との間に堰部35aが設けられたことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】プランジャ31と、プランジャ31が出没自在に嵌挿されたプランジャ収容孔32aおよびプランジャの背部31aに連通可能に形成されたオイル供給口32bを有するハウジング32と、プランジャの背部31aを当該プランジャ31が突出する側へ押圧するプランジャ押圧ばね33と、チェックボール37によってオイル供給口32b側から圧送されるオイルをプランジャの背部31a側へ流通させ、その逆流を阻止する逆止弁34と、を備え、チェックボール37を没入可能なオイル溜りWを形成するように、プランジャの背部31aと逆止弁34との間に堰部35aが設けられたことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、エンジン等の内燃機関に用いられるチェーンに適正な張力を付与するためのチェーンテンショナに関する。
車両のエンジンにおいては、クランクシャフトとカムシャフトとの間で回転を伝達するためにタイミングチェーンが用いられる。このタイミングチェーンに適正な張力を付与するとともに、駆動時に生じる振動を抑制するために、従来よりチェーンテンショナが広く採用されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
チェーンテンショナによる適正な張力の付与は、チェーンテンショナのハウジング内に設けられたプランジャをスプリングの付勢力によってハウジング内からタイミングチェーン側へ突出させ、タイミングチェーンを押圧することによって行われる。一方、タイミングチェーンの振動等によって、プランジャがハウジング内に押し返されると、プランジャの背部とハウジング内との間に密閉されるオイルがハウジングとプランジャとの僅かな隙間よりリークすることで、プランジャのハウジング内への後退速度を緩衝し、タイミングチェーンの振動を減衰する。
特許文献1に開示されているチェーンテンショナでは、図6に示すように、逆止弁54が設けられている。プランジャ52は、タイミングチェーンの振動による変動荷重を受けて出没動作を行うが、この出没動作によって、プランジャ52、逆止弁54等は、オイル供給口53側からプランジャ52の背部へオイルを送給する一種のポンプとして機能する。すなわち、この出没動作において、プランジャ52がスプリング55の付勢力によってハウジング51より突出するときは、プランジャ52の背部側の圧力が負圧となり、逆止弁54が開放してオイル供給口53側からプランジャ52の背部側へオイルが吸い込まれる。また、プランジャ52がタイミングチェーン側からの押圧力によってハウジング51内へ後退するとき、プランジャ52の背部側の圧力が上昇し、逆止弁54が直ちに閉鎖してオイルの逆流が防止される。この逆止弁54の閉動作によって、プランジャ52のハウジング51内への後退体積分に相当するオイルの全てが上記隙間よりリークすることとなりタイミングチェーンの減衰効果が高められるようになっている。
特開2003−206999号公報
特開2006−112469号公報
ところで、特許文献1に開示されているようなチェーンテンショナでは、ハウジング51内でプランジャ52を出没自在とするとともに、オイルのリーク隙間を確保するために、ハウジング51とプランジャ52との嵌め合いが隙間嵌めとされている。このため、図6(a)に示すように、当初プランジャ52の背部に満たされていたオイルXは、エンジンの運転停止状態が長期間続くと、図6(b)に示すように、ハウジング51とプランジャ52との隙間より、外に漏出して大幅に減少し又は空になってしまう。
図6(b)に示すような状態で、エンジンを始動し、プランジャ52がタイミングチェーンの振動を受けて出没動作を開始すると、既述したプランジャ52の出没動作によるポンプ機能が正常に働かない。すなわち、プランジャ52の背部のオイルが少量であり逆止弁54のチェックボール54aがオイルXに十分に没入していないと、プランジャ52がタイミングチェーン側からの押圧力によってハウジング51内へ後退する際に、逆止弁54の閉動作に応答遅れが生じ、逆止弁54が閉鎖するまでの間に空気がオイル供給口53側へ流れ込んでしまう(空気の噛み込み現象)。その後、プランジャ52がハウジング51から突出して逆止弁54が開放する際には、オイル供給口53側から流れ抵抗の少ない空気(逆止弁54からオイル供給口53側に流れ込んだ空気)がオイルより先にプランジャ52の背部に再び戻される。その後、暫くの間、上記空気の噛み込み現象が繰り返されるため、その間、プランジャ52の出没動作によるポンプ機能が低下する。この結果、プランジャ52の背部にオイルが満たされるまでに比較的多くの時間を要することとなる。
プランジャ52の背部にオイルが充満していない間は、プランジャ52の反発力が低下してプランジャ52によるタイミングチェーンの振動の減衰効果が得られ難くなるため、タイミングチェーンの振動の増幅等によって打音が発生し、運転者に不快感を与えることもある。
特許文献2に開示されているチェーンテンショナでは、ハウジングとプランジャとの隙間からのオイルの漏出を防止するために、プランジャの外径面とハウジングの内径面との間にシール部材を設けている。
しかし、この特許文献2に開示されているチェーンテンショナでは、シール部材がプランジャの円滑な摺動動作を阻害したり、プランジャとハウジングとの間にリーク隙間を確保できないことから、タイミングチェーンの振動の減衰効果の低下を招くおそれがある。このため、プランジャとハウジングとの間にシール部材を設けることは望ましくない。
本発明は、上記問題点に鑑みて創案されたものであり、プランジャとオイル供給口との間のオイル流路に逆止弁を有するチェーンテンショナにおいて、内燃機関を停止したまま長期間放置するなどして、プランジャの背部のオイルがハウジングとプランジャとの隙間より漏出しても、その後、プランジャの背部に迅速にオイルを充満させることを可能としたチェーンテンショナを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための手段として、本発明のチェーンテンショナは、以下のように構成されている。すなわち、本発明のチェーンテンショナは、プランジャと、前記プランジャが出没自在に嵌挿されたプランジャ収容孔および前記プランジャの背部に連通可能に形成されたオイル供給口を有するハウジングと、前記プランジャの背部を当該プランジャが突出する側へ押圧する押圧部材と、流体力により動作する可動弁体によって前記オイル供給口側から圧送されるオイルを前記プランジャの背部側へ流通させ、その逆流を阻止する逆止弁と、を備えるものにおいて、前記可動弁体を没入可能なオイル溜りを形成するように、前記プランジャの背部と前記逆止弁との間に堰部が設けられたものである。
かかる構成を備えるチェーンテンショナを内燃機関に搭載する際に、前記堰部が前記可動弁体を没入するオイル溜りを形成するように、その搭載角度を設定する。そうすることで、内燃機関の運転停止状態が長期間続き、プランジャの背部のオイルがハウジングとプランジャとの隙間より外に漏出して大幅に減少し又は空になってしまっても、堰部によって形成されるオイル溜りに可動弁体が没入した状態を維持することができる。その結果、オイル供給口側への空気の噛み込みが抑制され、内燃機関の運転開始後は、プランジャの出没動作によるポンプ機能が十分に発揮され、従来より短時間でプランジャの背部へオイルを充満させることが可能となる。なお、上記搭載角度は、例えば、水平方向に対してプランジャの軸線がなす角度である。
また、本発明のチェーンテンショナは、次のように構成されていてもよい。すなわち、本発明のチェーンテンショナは、上記構成を備えるチェーンテンショナにおいて、前記プランジャ収容孔から奥方に連続して形成された連孔部と、前記連孔部に、底部をプランジャ側に向けて締まり嵌め状態で嵌入された底付筒体と、を更に備えるものである。そして、前記底付筒体の底部には、前記プランジャの背部と前記逆止弁との間のオイル流路となる連通孔が形成されており、前記底付筒体の底部の前記連通孔より下側部分によって前記堰部が構成されているものである。
かかる構成を備えるチェーンテンショナによれば、底付筒体をハウジング内に嵌めこむだけで、ハウジング内に前記堰部を設けることができるので、チェーンテンショナの製造コストの低減が図られる。
また、本発明のチェーンテンショナは、車両の内燃機関に搭載された既述のチェーンテンショナであって、前記可動弁体を没入するオイル溜りを形成するように、搭載角度および前記堰部の高さが設定されているものであってもよい。
本発明のチェーンテンショナによれば、内燃機関を停止したまま長期間放置するなどして、プランジャの背部のオイルがハウジングとプランジャとの隙間より漏出しても、その後、プランジャの背部に迅速にオイルを充満させることが可能である。
以下、本発明の実施の形態に係るチェーンテンショナについて図面を参照して説明する。本実施の形態においては、チェーンテンショナとしてラチェット機構を有するチェーンテンショナを例に挙げて説明する。
図1に、チェーンテンショナを搭載したDOHC型の直列型内燃機関を示す。符号1は直列型内燃機関のシリンダブロックであり、その上にシリンダヘッド11がその下にオイルパン12が取り付けられている。
シリンダヘッド11には、吸気用カムシャフト13および排気用カムシャフト14が配設されている。シリンダブロック1の下部には、クランクシャフト15が配設されている。
クランクシャフト15、吸気用カムシャフト13および排気用カムシャフト14の一方軸端には、クランクスプロケット21、吸気用カムスプロケット22、排気用カムスプロケット23がそれぞれ固設されており、これらにタイミングチェーン24が巻き掛けられている。したがって、クランクシャフト15が回転駆動することで吸気用カムシャフト13および排気用カムシャフト14が従動回転するようになっている。なお、これらのクランクスプロケット21、吸気用カムスプロケット22、排気用カムスプロケット23、タイミングチェーン24等からなるカムシャフト駆動機構は、シリンダブロック1およびシリンダヘッド11の前面に取り付けられた図示しないカバーによって外方から覆われている。
クランクシャフト15およびクランクスプロケット21が図1の矢印Aで示す方向(時計回り)に回転駆動すると、タイミングチェーン24も矢印Bで示す方向(時計回り)に回転駆動する。このとき、クランクスプロケット21と吸気用カムスプロケット22との間の張架部分24aは比較的弛みを生じ易く、排気用カムスプロケット23とクランクスプロケット21との間の張架部分24bは比較的張りを生じ易い。
タイミングチェーン24には、タイミングチェーン24の比較的弛みを生じ易い張架部分24aにおいて適正な張力を付与するとともに、当該張架部分24aにおいてタイミングチェーン24の振動を減衰させるために、チェーンテンショナ3および可動ガイド25が設けられている。
なお、タイミングチェーン24には、カムスプロケット22,23間に架け渡されたタイミングチェーン24の張架部分24cでの振動を抑制するトップダンパー27と、タイミングチェーン24の張架部分24bにおいてタイミングチェーン24をガイドするチェーンガイド26とが設けられている。
チェーンテンショナ3は、可動ガイド25を介してタイミングチェーン24を押圧可能に配置されている。可動ガイド25は、クランクスプロケット21側の端部(図1では下側の端部)がシリンダブロック1に回転自在に支持され、吸気用カムスプロケット22側の端部(図1では上側の端部)が自由端となっている。チェーンテンショナ3は、可動ガイド25の自由端部を外方から押し付けることで、タイミングチェーン24の張架部分24aに対して適度の張力を付与する。
以下、本発明の特徴的部分であるチェーンテンショナ3について更に詳細に説明する。図2に、チェーンテンショナ3の断面図を示す。この図に示すように、チェーンテンショナ3は、プランジャ31、ハウジング32、プランジャ押圧ばね33、逆止弁34、堰部35a、ラチェット機構36等を備えている。
プランジャ31は、タイミングチェーン24側(図1参照)に出没自在となるようハウジング32内に嵌挿されている。このプランジャ31は、タイミングチェーン24の振動を抑制するとともにタイミングチェーン24に対して適正な張力を付与するために、シリンダブロック1に対して固定されたハウジング32内で出没動作を行う。このプランジャ31として、例えば図2に示すように、先端側が閉塞した円筒体が用いられている。
ハウジング32は、プランジャ収容孔32a、オイル供給口32b、取付具用孔32c等を備えている。プランジャ収容孔32aには、プランジャ31が出没自在に嵌挿されている。すなわち、プランジャ収容孔32aの内径とプランジャ31の外径とは、リーク隙間を確保し、且つ、プランジャ31が出没自在となるような嵌め合い状態となっている。オイル供給口32bは、図示しない内燃機関のオイルポンプ等から圧送されるオイル(潤滑油)を供給するためのものであり、プランジャ31の背部31aに連通可能に形成されている。取付具用孔32cは、エンジンのシリンダブロック1にこのチェーンテンショナ3をボルト等の固定具により固定するための取付孔である。
プランジャ押圧ばね33は、プランジャ31の背部31aをプランジャ31がタイミングチェーン24へ向かってハウジング32から突出する側へ押圧する押圧部材であり、例えばコイルスプリングが採用されている。本実施の形態では、プランジャ押圧ばね33は、プランジャ31の中空部に挿入されており、一端側がプランジャの背部31aを押圧し、他端側が後述するオイル溜り形成部材35を介してハウジング32内に係止されるように配置されている。なお、本実施の形態では、オイル溜り形成部材35として底付筒体が使用されている。
逆止弁34は、オイルの流体力により動作する可動弁体としてのチェックボール37によってオイル供給口32b側から圧送されるオイルをプランジャ31の背部側へ流通させ、その逆流を阻止する。この逆止弁34は、チェックボール37、ボールシート38、リテーナ39、ボール用スプリング40等で構成されている。チェックボール37は、後述するボールシート38の下流側開口部を開閉自在となるように配置されている。ボールシート38は、例えば円筒状のものからなり、オイル供給口32bから供給されるオイルを案内するように、ハウジング32内のプランジャ31の奥方に圧入固定されている。リテーナ39は、チェックボール37がボールシート38の近傍から離脱しないように保持するものであり、例えば図示するようにチェックボール37の可動領域を確保しつつ、チェックボール37を覆った状態でボールシート38の下流側に外嵌固定されている。なお、リテーナ39には、オイル供給口32bとプランジャ31の背部31aとの間でオイルを通過させるためのスリット39aが形成されている。ボール用スプリング40は、チェックボール37とリテーナ39との間に介装されて、チェックボール37をボールシート38の下流側開口部に向けて付勢している。
堰部35aは、チェーンテンショナ3が所定の搭載角度(水平方向に対するプランジャ31の軸線の成す角度)でエンジンに搭載されたときに、可動弁体であるチェックボール37を没入するオイル溜りを形成するように設けられている。例えば、図1に示すようにチェーンテンショナ3がエンジンに搭載されたとき、図3に示すようにチェックボール37を没入するオイル溜りWが形成されるように、エンジンへの搭載角度(角度α)に応じて堰部35aの高さが設定されている。この堰部35aは、プランジャ31の背部31aと逆止弁34との間に設けられている。本実施の形態では、この堰部35aは、底付筒体からなるオイル溜り形成部材35の底部の一部で構成されている。すなわち、オイル溜り形成部材35は、プランジャ収容孔32aから奥方に連続して形成された連孔部32dに、底部をプランジャ31側に向けて締まり嵌め状態で嵌入されており、その底部の一部(後述する連通孔35bより下側部分)によって堰部35aが構成されている。
また、オイル溜り形成部材35の底部には、プランジャ35の背部31aと逆止弁34との間のオイル流路となる連通孔35bが形成されている。
ラチェット機構36は、図2に示すように、ラチェット爪体41、ラチェット歯31b、ラチェット爪体用軸42、ラチェット爪体用ばね43等で構成されている。
ラチェット爪体41は、ハウジング32に固設されたラチェット爪体用軸42に揺動自在に軸支されている。ラチェット爪体41は、ラチェット爪41a,41aをプランジャ31の外周一側面に刻設されたラチェット歯31bに係合させてプランジャ31の大幅な後退変位を阻止するようになっている。ラチェット爪体用ばね43は、その一方が、ハウジング32に形成されたスプリング収容孔に圧縮嵌入されており、その他方によってラチェット爪体41をラチェット爪41aがラチェット歯31bに係合する方向へ付勢している。
このようにしてチェーンテンショナ3は、ラチェット歯31bとラチェット爪41aとの間にバックラッシュを持たせ、プランジャ31の背部31aに逆止弁34を介してエンジン用オイルポンプ等からオイルを導入する。そして、プランジャ31が可動ガイド25を介してタイミングチェーン24から変動荷重による押圧力を受けたときに、ラチェット歯31bとラチェット爪41aとが係合した状態で、前記バックラッシュの範囲内でプランジャ31がプランジャ押圧ばね33の付勢力に抗して後退する。この際、逆止弁34が閉鎖してプランジャ31の背部31aと逆止弁34との間に密封されたオイルがプランジャ31の外周面とハウジング32のプランジャ収容孔32aの内周面との間からリークすることで、プランジャ31のハウジング32内への後退速度を緩衝し、タイミングチェーン24の振動を減衰するようになっている。そして、タイミングチェーン24の振動やタイミングチェーン24の弛みの発生などにより、プランジャ31がプランジャ押圧ばね33の付勢力によって突出される際には、ラチェット歯31bとラチェット爪41aとの係合が1歯分ずれて常にプランジャ31がタイミングチェーン24の張り状態に追随するようになっている。
図3は、エンジンを長期間停止したまま放置したときのチェーンテンショナ3内のオイルの状態を示している。この図に示すように、チェーンテンショナ3のエンジンへの搭載角度αが小さい場合、プランジャ31の外周面とハウジング32のプランジャ収容孔32aの内周面との隙間からプランジャ31の背部31aにあったオイルが漏出する。
しかし、本実施の形態に係るチェーンテンショナ3では、堰部35aが設けられており、この堰部35aによって、チェックボール37全体を没入するオイル溜りWが形成される。このため、チェックボール37よりオイル供給口32b側への空気の噛み込み(以下単に「空気の噛み込み」ともいう。)が発生し難くなる。
図3に示すような状態でエンジンを始動してタイミングチェーン24が回転駆動を開始し、プランジャ31がタイミングチェーン24の振動によって変動荷重を受けて出没動作を開始すると、プランジャ31がハウジング32から突出するときは、空気の噛み込みが生じていなければ、プランジャ31の背部31a側が即座に負圧となり、チェックボール37が開側へ移動して逆止弁34は開放され、プランジャ31の突出量に応じた多量のオイルがオイル供給口32b側からプランジャ31の背部31a側へ流れ込む。一方、プランジャ31がタイミングチェーン24側からの押圧力によってハウジング32内へ後退(ラチェット機構36の許容限度内での後退)するときは、チェックボール37はオイル溜りWに没入しているために、さほど応答遅れを生じることなく閉動作を行って逆止弁34が閉鎖される。
このように、本発明の実施の形態に係るチェーンテンショナ3によれば、常に、チェックボール37は、オイル溜りWに没入されているので、空気のオイル供給口32b側への噛み込みが抑制される。その結果、エンジンの始動後、プランジャ31の出没動作によるポンプ機能が正常に働いて比較的短い時間でプランジャ31の背部31aへオイルを充満させることが可能となる。また、オイルの流体力によってチェックボール37は大きな応答遅れを生じることなく開閉動作を行うため、オイルの逆流が迅速に阻止される。このことも上記オイルの充満時間の短縮に寄与し得る。なお、プランジャ31の背部31aへオイルを迅速に充満させることができれば、短時間で、プランジャ31の反発力を回復させるとともに、タイミングチェーンの振動を抑制することができるようになる。
以上に説明した実施の形態では、チェーンテンショナ3のエンジンへの搭載角度が小角度αを有する場合を例に挙げて説明しているが、堰部35aの高さは、チェックボール37が常にオイル溜りWに没入するよう、搭載角度に応じて決定される。例えば、図4に示すように、チェーンテンショナ3のエンジンへの搭載角度が0°の場合は、堰部35aの高さをチェックボール37より高くなるようにすることが望ましい。また、図5に示すように、チェーンテンショナ3のエンジンへの搭載角度がマイナス(−α)の場合は、さらに堰部35aの高さを高く設定することが望ましい。
なお、既述した実施の形態では、チェーンテンショナ3としてラチェット機構36を有するチェーンテンショナ3を例に挙げて説明したが、勿論、ラチェット機構36を有しないチェーンテンショナに本発明を適用することは可能である。
本発明は、例えばエンジンのタイミングチェーンに適正な張力を付与するためのチェーンテンショナに適用することができる。
W オイル溜り
1 シリンダブロック(内燃機関)
31 プランジャ
31a プランジャの背部
32 ハウジング
32a プランジャ収容孔
32b オイル供給口
32d 連孔部
33 プランジャ押圧ばね(押圧部材)
34 逆止弁
35 オイル溜り形成部材(底付筒体)
35a 堰部
35b 連通孔
37 チェックボール(可動弁体)
1 シリンダブロック(内燃機関)
31 プランジャ
31a プランジャの背部
32 ハウジング
32a プランジャ収容孔
32b オイル供給口
32d 連孔部
33 プランジャ押圧ばね(押圧部材)
34 逆止弁
35 オイル溜り形成部材(底付筒体)
35a 堰部
35b 連通孔
37 チェックボール(可動弁体)
Claims (3)
- プランジャと、
前記プランジャが出没自在に嵌挿されたプランジャ収容孔および前記プランジャの背部に連通可能に形成されたオイル供給口を有するハウジングと、
前記プランジャの背部を当該プランジャが突出する側へ押圧する押圧部材と、
流体力により動作する可動弁体によって前記オイル供給口側から圧送されるオイルを前記プランジャの背部側へ流通させ、その逆流を阻止する逆止弁と、
を備えるチェーンテンショナにおいて、
前記可動弁体を没入可能なオイル溜りを形成するように、前記プランジャの背部と前記逆止弁との間に堰部が設けられたことを特徴とするチェーンテンショナ。 - 請求項1に記載のチェーンテンショナにおいて、
前記プランジャ収容孔から奥方に連続して形成された連孔部と、
前記連孔部に、底部をプランジャ側に向けて締まり嵌め状態で嵌入された底付筒体と、
を更に備え、
前記底付筒体の底部には、前記プランジャの背部と前記逆止弁との間のオイル流路となる連通孔が形成されており、
前記底付筒体の底部の前記連通孔より下側部分によって前記堰部が構成されていることを特徴とするチェーンテンショナ。 - 車両の内燃機関に搭載された請求項1又は2に記載のチェーンテンショナであって、
前記可動弁体を没入するオイル溜りを形成するように、搭載角度および前記堰部の高さが設定されていることを特徴とするチェーンテンショナ。
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Cited By (2)
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KR20170057129A (ko) * | 2015-11-16 | 2017-05-24 | 가부시기가이샤쯔바기모도체인 | 체인 텐셔너 |
-
2008
- 2008-06-02 JP JP2008144518A patent/JP2009293634A/ja not_active Withdrawn
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KR101883563B1 (ko) | 2015-11-16 | 2018-07-30 | 가부시기가이샤쯔바기모도체인 | 체인 텐셔너 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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