JP2009292718A - Iii−v族化合物結晶含有体、およびiii−v族化合物結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なIII−V族化合物結晶を有するIII−V族化合物結晶含有体、および良好なIII−V族化合物結晶を簡便に低コストで製造するIII−V族化合物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板1上に、蒸着法またはスパッタ法などの方法を用いてチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜2を堆積する。次に、金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより、金属膜2が不定形にパターニングされて、虫食い状の穴または溝12が形成され、穴または溝12の底部には基板1が露出する。次いで、前記熱処理後の虫食い状の穴または溝12が形成された金属膜2上に、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相エピタキシャル成長)法などを用いてIII−V族化合物結晶4を成長させる。
【選択図】図1
【解決手段】シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板1上に、蒸着法またはスパッタ法などの方法を用いてチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜2を堆積する。次に、金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより、金属膜2が不定形にパターニングされて、虫食い状の穴または溝12が形成され、穴または溝12の底部には基板1が露出する。次いで、前記熱処理後の虫食い状の穴または溝12が形成された金属膜2上に、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相エピタキシャル成長)法などを用いてIII−V族化合物結晶4を成長させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、III−V族化合物結晶含有体、およびIII−V族化合物結晶の製造方法に関する。また、III−V族化合物含有体は、種々の基板を用いてもクラックを発生することなく良好なIII−V族化合物結晶を製造する方法においても得られる。
GaN結晶などのIII−V族化合物結晶を、結晶材料と異種の基板であるサファイア基板、シリコン(Si)基板などの上に成長させると、結晶の格子定数、熱膨張率などの違いにより結晶と基板の間に応力が発生し、反りやクラックが発生し、良好なIII−V族化合物結晶を得ることができない。
そこで、サファイア基板の上に酸化シリコン(SiO2など)膜を堆積させてフォトリソグラフィ法などにより酸化シリコン膜をパターニングした後、III−V族化合物結晶を成長させることにより、結晶と基板との間の応力を緩和する方法が行なわれている。しかし、かかる方法では、酸化シリコン膜のパターニングが必要で、製造コストが高いという問題があった。
また、サファイア基板などの上にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法によってGaN層を成長させ、その上に金属膜を堆積させた後、熱処理を行ない、前記GaN層に空隙部を形成させた後、GaN結晶を成長させる方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。しかし、かかる方法では、MOCDV法によるGaN層の成長が必須であり、製造コストが極めて高いという問題があった。
さらに、サファイア基板などの上に金属膜を堆積させた後に、GaN結晶を成長させる方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。しかし、かかる方法では、GaN結晶と格子定数が異なる金属膜の上にGaN結晶を成長させているために、得られるGaN結晶の特性が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するため、良好なIII−V族化合物結晶を有するIII−V族化合物結晶含有体、および良好なIII−V族化合物結晶を簡便に低コストで製造するIII−V族化合物結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板と、基板上に堆積されかつ穴または溝が形成されたチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜と、金属膜上に形成されたIII−V族化合物結晶と、を備えるIII−V族化合物結晶含有体である。
また、本発明は、シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板と、基板上に堆積されかつ穴または溝が形成されたチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜と、金属膜上に形成されたIII−V族化合物バッファ膜と、II−V族化合物バッファ膜上に形成されたIII−V族化合物結晶と、を備えるIII−V族化合物結晶含有体である。
また、本発明は、シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板上にチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜を堆積する工程と、金属膜に穴または溝を形成する工程と、穴または溝が形成された金属膜上にIII−V族化合物結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とするIII−V族化合物結晶の製造方法である。
また、本名発明は、シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板上にチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜を堆積する工程と、金属膜に穴または溝を形成する工程と、穴または溝が形成された金属膜上にIII−V族化合物バッファ膜を成長させる工程と、III−V族化合物バッファ膜上にIII−V族化合物結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とするIII−V族化合物結晶の製造方法である。
本発明によれば、良好なIII−V族化合物結晶を有するIII−V族化合物結晶含有体、および良好なIII−V族化合物結晶を簡便に低コストで製造するIII−V族化合物結晶の製造方法を提供することができる。
(実施形態1)
本発明にかかるIII−V族化合物結晶の一の製造方法は、図1を参照して、図1(a)に示すように基板1上に金属膜2を堆積する工程と、図1(b)に示すように前記金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理する工程と、図1(c)に示すように前記熱処理後の金属膜2上にIII−V族化合物結晶4を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
本発明にかかるIII−V族化合物結晶の一の製造方法は、図1を参照して、図1(a)に示すように基板1上に金属膜2を堆積する工程と、図1(b)に示すように前記金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理する工程と、図1(c)に示すように前記熱処理後の金属膜2上にIII−V族化合物結晶4を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
すなわち、図1および図3を参照して、本発明にかかるIII−V族化合物結晶の一の製造方法は、以下の工程により行なわれる。まず、図1(a)に示すように、基板1上に、蒸着法またはスパッタ法などの方法を用いて金属膜2を堆積する。次に、金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより、図1(b)に示すように金属膜2が不定形にパターニングされて、図3(a)または図3(b)に示すような虫食い状の穴または溝12が形成され、穴または溝12の底部には基板1が露出する。次いで、図1(c)に示すように、前記熱処理後の虫食い状の穴または溝12が形成された金属膜2上に、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相エピタキシャル成長)法などを用いてIII−V族化合物結晶4を成長させる。
ここで、図3(a)および図3(b)は、いずれも金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより金属膜2に形成される虫食い状の穴または溝の代表的な形態を模式的に示したものである。なお、穴または溝が少ない場合には図3(a)の形態が多く、穴または溝が多くなるにつれて図3(b)の形態をとる傾向がある。
かかる製造方法によると、図1を参照して、III−V族化合物結晶4は、基板1の結晶の格子定数などの情報を拾うことができるので、良好なIII−V族化合物結晶4が成長する。また、金属膜に虫食い状の穴または溝12のパターンが形成されることにより、III−V族化合物結晶4と金属膜2の間の応力が緩和され、III−V族化合物結晶4にクラックは発生しなくなる。また、III−V族化合物結晶は、高コストであるMOCVD法ではなく、上記HVPE法などのVPE(Vapor Phase Epitaxy:気相エピタキシャル成長)法により製造できるため、製造コストも低減できる。
本発明にかかるIII−V族化合物結晶の製造方法においては、図1および図3を参照して、金属膜をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより金属膜に形成される穴または溝の平均幅Wが2nm〜5000nmであり、基板全面積に対する穴または溝の領域面積の百分率である開口率が5%〜80%とすることが好ましい。穴または溝の平均幅Wが2nm未満であると基板まで達する穴または溝とならず基板の情報を読み取ることが困難となり、5000nmを越えるとIII−V族化合物結晶と基板の応力を緩和することが困難となる。かかる観点から、穴または溝の平均幅Wは、5nm〜1000nmであることがより好ましい。また、開口率が5%未満であるとIII−V族化合物結晶が基板と接触する面積が小さく基板の情報を読み取ることが難しくなり、80%を越えると金属膜のない部分が大きくなりすぎIII−V族化合物結晶と基板の応力を緩和することが難しくなる。かかる観点から、開口率は、10%〜50%であることがより好ましい。ここで、開口率とは、上記のように基板全面積に対する穴または溝の領域面積の百分率として、次式(1)
開口率(%)=(穴または溝の領域面積)/(基板全面積)×100 (1)
によって定義される。
開口率(%)=(穴または溝の領域面積)/(基板全面積)×100 (1)
によって定義される。
ここで、基板は、本発明の目的に反さない限り、成長させるIII−V族化合物結晶と同種、異種とを問わず広く用いることができる。たとえば、シリコン、サファイア、SiC、ZrB2またはIII−V族化合物が好ましい。前記列挙した化合物の結晶の格子定数は、III−V族化合物結晶の格子定数に近く、良質な結晶を得やすい。なお、基板とするIII−V化合物とその上に成長させるIII−V族化合物結晶とは、同一の化合物でなくともよい。
また、金属膜は、特に制限はないが、パターニングを行ないやすいという観点から、チタン(Ti)またはバナジウム(V)を含有するものが好ましい。好ましいものとしてTi、Ti−Al、VまたはV−Alなどの金属または合金が挙げられる。
金属膜の厚さは、特に制限はないが、10nm〜1000nmとすることが好ましい。10nm未満であるとパターニングの際に金属膜を残すことが難しくなり、1000nmを越えるとパターニングの際に基板を露出させることが難しくなる。かかる観点から、金属膜の厚さは、30nm〜500nmであることがより好ましい。
金属膜をパターニングする化合物とは、この化合物の存在雰囲気下に金属膜を熱処理すると、金属膜に虫食い状の穴または溝を不定形にパターニングする化合物をいい、アンモニア(NH3)、窒素(N2)などが好ましいものとして挙げられる。
金属膜をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理する際の熱処理条件は、800℃〜1200℃で0.5分間〜20分間行なうことが好ましい。熱処理温度が800℃未満または熱処理時間が0.5分間未満であると金属膜のパターニングが不十分となり、熱処理温度が1200℃を越える場合または熱処理時間が20分間を越える場合には金属膜のパターニングが過剰となる。上記観点から、熱処理温度は900℃〜1100℃であることがより好ましく、熱処理時間は0.5分間〜10分間であることがより好ましい。
上記の簡便でコストの低い製造方法により、良質なIII−V族化合物結晶が得られる。また、上記においてIII−V族化合物結晶がGaxAlyIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)である場合には、これらの結晶については、現在のところ他に特に有用な製造方法がないことから、極めて有用な製造方法となる。
(実施形態2)
本発明にかかるIII−V族化合物結晶の別の製造方法は、図2を参照して、図2(a)に示すように基板1上に金属膜2を堆積する工程と、図2(b)に示すように前記金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理する工程と、図2(c)に示すように前記熱処理後の金属膜2上にIII−V族化合物バッファ膜3を成長させる工程と、図2(d)に示すように前記III−V族化合物バッファ膜3上にIII−V族化合物結晶4を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
本発明にかかるIII−V族化合物結晶の別の製造方法は、図2を参照して、図2(a)に示すように基板1上に金属膜2を堆積する工程と、図2(b)に示すように前記金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理する工程と、図2(c)に示すように前記熱処理後の金属膜2上にIII−V族化合物バッファ膜3を成長させる工程と、図2(d)に示すように前記III−V族化合物バッファ膜3上にIII−V族化合物結晶4を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
すなわち、図2および図3を参照して、本発明にかかるIII−V族化合物結晶の別の製造方法は、以下の工程により行なわれる。まず、図2(a)に示すように、基板1上に、蒸着法またはスパッタ法などの方法を用いて金属膜2を堆積する。次に、金属膜2をパターニングする化合物の存在雰囲気下で熱処理することにより、図2(b)に示すように金属膜2が不定形にパターニングされて、図3(a)または図3(b)に示すような虫食い状の穴または溝12が形成され、穴または溝12の底部には基板1が露出する。
次いで、図2(c)に示すように、前記熱処理後の虫食い状の穴または溝12が形成された金属膜2上に、たとえばHVPE法などを用いてIII−V族化合物バッファ膜3を成長させる。ここで、III−V族化合物バッファ膜3とは、結晶を成長させる場合に比べて低温で成長させたIII−V族化合物のアモルファス膜をいう。また、バッファ膜を形成するIII−V族化合物と、結晶を形成するIII−V族化合物とは、必ずしも同一の化学組成でなくともよいが、同一の化学組成を有することが、成長させる結晶の質を向上させる観点から好ましい。次いで、図2(d)に示すように、III−V族化合物バッファ膜3上に、たとえばHVPE法などを用いてIII−V族化合物結晶4を成長させる。
上記実施形態2においては、虫食い状の穴または溝が形成された金属膜2上に形成されることによって、後にIII−V族化合物バッファ膜3上に形成されるIII−V族化合物結晶4と基板1の間の応力をより緩和することができる。また、III−V族化合物結晶4の成長の際には、基板1ではなく、III−V族化合物のアモルファス膜の情報を拾うため、不要な結晶情報が入らずより良質なIII−V族化合物結晶が得られる。
さらに、上記実施形態1および実施形態2について、具体的な実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
実施形態1に基づいて、図1を参照して、図1(a)に示すように、基板1としてサファイア基板を用い、基板1上に蒸着法により金属膜2として金属Ti膜を30nm堆積した。次に、図1(b)に示すように、金属膜2をNH3雰囲気中1000℃で0.5分間熱処理した。降温後、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で金属膜2の表面を観察すると、図3(a)に示すような虫食い状の穴または溝が見られ、穴または溝の平均幅Wは8nm、開口率は12%であった。さらに、図1(c)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、1000℃で5時間かけてIII−V族化合物結晶4を成長させたところクラックのない結晶が得られた。得られた結晶は、XRD測定によりGaN結晶であり、XRDにおけるFWHM(Full Width Half Maximum;半値幅)は120arsecの良好な結晶であることがわかった。結果を表1に示す。
実施形態1に基づいて、図1を参照して、図1(a)に示すように、基板1としてサファイア基板を用い、基板1上に蒸着法により金属膜2として金属Ti膜を30nm堆積した。次に、図1(b)に示すように、金属膜2をNH3雰囲気中1000℃で0.5分間熱処理した。降温後、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で金属膜2の表面を観察すると、図3(a)に示すような虫食い状の穴または溝が見られ、穴または溝の平均幅Wは8nm、開口率は12%であった。さらに、図1(c)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、1000℃で5時間かけてIII−V族化合物結晶4を成長させたところクラックのない結晶が得られた。得られた結晶は、XRD測定によりGaN結晶であり、XRDにおけるFWHM(Full Width Half Maximum;半値幅)は120arsecの良好な結晶であることがわかった。結果を表1に示す。
(実施例2〜実施例9、参考例1〜参考例3)
表1に示す試験条件において、実施例1と同様の手順でIII−V族化合物結晶を成長させた。結果を表1にまとめた。
表1に示す試験条件において、実施例1と同様の手順でIII−V族化合物結晶を成長させた。結果を表1にまとめた。
(実施例10)
実施形態2に基づいて、図2を参照して、図2(a)に示すように、基板1としてサファイア基板を用い、基板1上に蒸着法により金属膜2として金属Ti膜を200nm堆積した。次に、図2(b)に示すように、金属膜2をNH3雰囲気中1000℃で3分間熱処理した。降温後、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で金属膜2の表面を観察すると、図3(a)に示すような虫食い状の穴または溝が見られ、穴または溝の平均幅Wは31nm、開口率は22%であった。次に、図2(c)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、500℃で0.5時間かけてIII−V族化合物バッファ膜3を成長させた。さらに、図2(d)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、1000℃で5時間かけてIII−V族化合物結晶4を成長させたところクラックのない結晶が得られた。得られた結晶は、XRD測定によりGaN結晶であり、XRDにおけるFWHM(Full Width Half Maximum;半値幅)は80arsecの良好な結晶であることがわかった。結果を表2に示す。
実施形態2に基づいて、図2を参照して、図2(a)に示すように、基板1としてサファイア基板を用い、基板1上に蒸着法により金属膜2として金属Ti膜を200nm堆積した。次に、図2(b)に示すように、金属膜2をNH3雰囲気中1000℃で3分間熱処理した。降温後、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で金属膜2の表面を観察すると、図3(a)に示すような虫食い状の穴または溝が見られ、穴または溝の平均幅Wは31nm、開口率は22%であった。次に、図2(c)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、500℃で0.5時間かけてIII−V族化合物バッファ膜3を成長させた。さらに、図2(d)に示すように、原料にGaおよびNH3を用いたHVPE法により、1000℃で5時間かけてIII−V族化合物結晶4を成長させたところクラックのない結晶が得られた。得られた結晶は、XRD測定によりGaN結晶であり、XRDにおけるFWHM(Full Width Half Maximum;半値幅)は80arsecの良好な結晶であることがわかった。結果を表2に示す。
(実施例11〜実施例14、参考例4〜参考例6)
表2に示す試験条件において、実施例10と同様の手順でIII−V族化合物結晶を成長させた。結果を表2にまとめた。
表2に示す試験条件において、実施例10と同様の手順でIII−V族化合物結晶を成長させた。結果を表2にまとめた。
表1および表2から明らかなように、いずれの実施例においてもクラックの発生のない良質のIII−V族化合物結晶が得られた。また、たとえば、実施例3と実施例10または実施例8と実施例13を対比すると、結晶のXRD回折におけるFWHMが、それぞれ110arsecから80arsec、115arsecから90arsecと減少し、III−V族化合物結晶の結晶成長の前にバッファ膜成長を行なうことにより、結晶の質がさらに向上していることがわかる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2 金属膜、3 III−V族化合物バッファ膜、4 III−V族化合物結晶、12 穴または溝。
Claims (4)
- シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板と、前記基板上に堆積されかつ穴または溝が形成されたチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜と、前記金属膜上に形成されたIII−V族化合物結晶と、を備えるIII−V族化合物結晶含有体。
- シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板と、前記基板上に堆積されかつ穴または溝が形成されたチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜と、前記金属膜上に形成されたIII−V族化合物バッファ膜と、前記II−V族化合物バッファ膜上に形成されたIII−V族化合物結晶と、を備えるIII−V族化合物結晶含有体。
- シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板上にチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜を堆積する工程と、前記金属膜に穴または溝を形成する工程と、前記穴または溝が形成された金属膜上にIII−V族化合物結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とするIII−V族化合物結晶の製造方法。
- シリコン、サファイア、SiCまたはZrB2の基板上にチタンまたはバナジウムを含有する厚さ10nm〜1000nmの金属膜を堆積する工程と、前記金属膜に穴または溝を形成する工程と、前記穴または溝が形成された金属膜上にIII−V族化合物バッファ膜を成長させる工程と、前記III−V族化合物バッファ膜上にIII−V族化合物結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とするIII−V族化合物結晶の製造方法。
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A761 | Written withdrawal of application |
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