JP2009292606A - シートの搬出方向切換装置、及び画像形成装置 - Google Patents

シートの搬出方向切換装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートが案内通路に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材が回転するおそれを低減することができるシートの搬出方向切換装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の搬送先へ案内通路320によって用紙Pをそれぞれ案内するための起立姿勢S2、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3、及び逆送搬送路向け姿勢S4を取り得るロータリーガイド部材30と、ステッピングモータ51を回転させて、ロータリーガイド部材30を、姿勢S2〜S4のいずれかに位置決めするモータ制御部202と、コイルLa,Lbの両端を短絡するスイッチング素子SW1,SW2と、ロータリーガイド部材30が、姿勢S2〜S4のいずれかに位置決めされたとき、スイッチング素子SW1,SW2をオンさせる保持トルク制御部203とを備えた。
【選択図】図9

Description

本発明は、搬送されつつあるシートの搬送方向を切り換えるシートの搬出方向切換装置、及びこの搬出方向切換装置を備える画像形成装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているような、画像形成装置のシート搬送系統において使用されるシートの搬出方向切換装置(特許文献1ではシートの搬出処理装置)が知られている。このシートの搬出方向切換装置は、画像形成装置において画像形成が行われ、表面にトナー画像が形成されたシートの搬出先を、排出トレイと両面印刷処理のためのスイッチバック搬送路との間で切り換えるものであり、排出先の分岐点に設けられたロータリーガイド部材(特許文献1では切換ゲート)を備えている。
このロータリーガイド部材は、シート幅寸法より若干長めに離間されて対向配置された一対の円形側板間に4枚のガイド板が架設されるとともに、各円形側板に中心位置から互いに反対方向へ向けて突設された回転軸が設けられることによって形成されている。
各ガイド板間にはそれぞれ異なった案内通路(中央部の直進案内通路、その両側の反転案内通路)が設けられている。そして、ロータリーガイド部材の基準位相からの回転量に応じて当該ロータリーガイド部材へ向けて搬送されてきたシートがいずれの案内通路を通るかが決められ、これによってシートは予め設定された搬出先へ向けて排出されることになる。
かかるロータリーガイド部材は、パルス信号のパルス数に応じて駆動回転するステッピングモータにより回転軸回りに一体回転するようにされている。これによって当該ロータリーガイド部材の位置設定(すなわち、搬送されてきたシートの搬出先の設定)を行うようになっている。
特開平9−86759号公報
ところで、ステッピングモータは、コイルに流れる電流をゼロにして無励磁状態にすると、回転位置を固定するように働く保持トルクとして、いわゆるディテントトルクが発生する。従って、上述のようにステッピングモータによりロータリーガイド部材の位置を設定した後、ステッピングモータを無励磁状態にすれば、ディテントトルクによってロータリーガイド部材が固定される。
しかしながら、ロータリーガイド部材は、搬送されてきたシートの先端が、ロータリーガイドの入り口で案内通路のガイド板に衝突することで、シートの搬送方向を曲げるため、シートが案内通路に衝突したときにディテントトルクを超える大きな回転トルクが発生し、ロータリーガイド部材が回転してシートを正しく搬送できなくなるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、シートが案内通路に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材が回転するおそれを低減することができるシートの搬出方向切換装置、及びこの搬出方向切換装置が適用された画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシートの搬出方向切換装置は、搬送されてきたシートを通過させ得る案内通路を備え、搬送方向と直交するシートの幅方向に延びた支持軸回りに回動することにより、複数の搬送先へ前記案内通路によって前記シートをそれぞれ案内するための複数の姿勢を取り得るロータリーガイド部材と、前記ロータリーガイド部材を姿勢変更させるステッピングモータと、前記ステッピングモータにコイルの励磁電流を供給することにより、当該ステッピングモータを回転させて、前記ロータリーガイド部材を、前記複数の姿勢のうちいずれかに位置決めするモータ制御部と、前記コイルの両端を短絡するスイッチング素子と、前記ロータリーガイド部材が、前記複数の姿勢のうちいずれかに位置決めされたとき、前記スイッチング素子をオンさせ、前記モータ制御部が、前記ステッピングモータを回転させるとき、前記スイッチング素子をオフさせる保持トルク制御部とを備える。
この構成によれば、ステッピングモータの回転に応じてロータリーガイド部材が回動し、ロータリーガイド部材が案内通路によって所望の搬送先へシートを案内するための姿勢に位置決めされる。このようにロータリーガイド部材が位置決めされると、保持トルク制御部によってスイッチング素子がオンされることにより、ステッピングモータのコイルが短絡される。そうすると、ロータリーガイド部材の案内通路に搬送されてきたシートが衝突し、ステッピングモータに外部から回転トルクが加えられて回転子が動くとコイルに磁界の変化を妨げる方向の逆起電力が発生する。そして、この逆起電力によって、磁界の変化を妨げる方向の電流、すなわち回転子の回転を妨げる方向の電流がコイルに流れる。その結果、コイルが短絡されない場合よりも、ステッピングモータの保持トルクが増大する結果、シートが案内通路に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材が回転するおそれを低減することができる。
その一方、モータ制御部がステッピングモータを回転させるときは、保持トルク制御部によって、スイッチング素子がオフされて、ステッピングモータが動作可能な状態にされるので、ステッピングモータによるロータリーガイド部材の姿勢変更には支障がない。
また、本発明に係る画像形成装置は、所定の画像情報に基づき装置本体に内装された画像形成部により画像を形成してシートに画像を形成させる画像形成装置であって、前記装置本体には、搬送されつつあるシートを予め設定された複数の排出先のいずれかに切り換える搬出方向切換部が設けられ、前記搬出方向切換部には、上述のシートの搬送方向切換装置が適用されていることが好ましい。
この構成によれば、画像形成装置内でシートの搬出先を目的に応じて切り換える必要があるとき、搬出方向切換部に上述のシートの搬出方向切換装置を適用することにより、シートが案内通路に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材が回転するおそれを低減することができる。
また、前記シートの排出先は、前記装置本体内に形成された胴内排紙トレイ、前記装置本体の外部に形成された外部トレイおよび前記装置本体内に設けられたシートの搬送方向を逆転させるべく一時的に排出させるスイッチバックトレイのいずれかであることが好ましい。
この構成によれば、シートは、目的に応じて当該シートの搬出方向切換装置の作用により装置本体内の胴内排紙トレイ、装置本体外の外部トレイおよび装置本体内のスイッチバックトレイのいずれかに向けて排出される。
また、前記胴内排紙トレイは、前記スイッチバックトレイを兼用するものであることが好ましい。
この構成によれば、専用のスイッチバックトレイを設けなくてもよい分、部品点数の削減、ひいては画像形成装置の製造コストの低減化に貢献する。
また、前記スイッチバックトレイへ前記シートを搬送する往復搬送路と、前記往復搬送路から排出されたシートを前記画像形成部に搬送する逆送搬送路とをさらに備え、前記逆送搬送路の入り口は、前記往復搬送路の出口と対向して設けられ、前記ロータリーガイド部材は、さらに、前記案内通路の外側に、外に向かって凸の円弧状に形成されたガイドフィンを備えると共に、前記支持軸回りに回動することにより、前記ガイドフィンを前記往復搬送路の出口と前記逆送搬送路の入り口との間を架け渡す位置に配置する姿勢を、前記複数の姿勢の一つとして取り得ることが好ましい。
この構成によれば、ロータリーガイド部材を回動させて所定の姿勢に位置決めすることにより、往復搬送路と逆送搬送路との間をガイドフィンで架け渡すことができる。その結果、往復搬送路から排出されたシートをガイドフィンで逆送搬送路へ案内し、逆送搬送路によってシートを画像形成部へ搬送することで、シートのスイッチバックを行うことが可能となる。この場合、ロータリーガイド部材を回動させるだけでシートをスイッチバックさせることができるので、スイッチバックが容易である。
このような構成のシートの搬出方向切換装置、及び画像形成装置は、ステッピングモータの回転に応じてロータリーガイド部材が回動し、ロータリーガイド部材が案内通路によって所望の搬送先へシートを案内するための姿勢に位置決めされる。このようにロータリーガイド部材が位置決めされると、保持トルク制御部によってスイッチング素子がオンされることにより、ステッピングモータのコイルが短絡される。そうすると、ロータリーガイド部材の案内通路に搬送されてきたシートが衝突し、ステッピングモータに外部から回転トルクが加えられて回転子が動くとコイルに磁界の変化を妨げる方向の逆起電力が発生する。そして、この逆起電力によって、磁界の変化を妨げる方向の電流、すなわち回転子の回転を妨げる方向の電流がコイルに流れる。その結果、コイルが短絡されない場合よりも、ステッピングモータの保持トルクが増大する結果、シートが案内通路に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材が回転するおそれを低減することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る、シートの搬出方向切換装置20を備える画像形成装置10の構成の概要を説明するための正面断面視の説明図である。また、図2は、図1に示す搬出方向切換装置20の機構部分である搬出方向切換部109周辺の拡大説明図である。搬出方向切換部109は、画像形成装置10の装置本体11内に形成されている。なお、図1および図2においてX−X方向を左右方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方という。
図1に示す画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に画像形成部12と、定着部13と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とがそれぞれ設けられている。そして、排紙部15の一部(後述の胴内排紙トレイ151)は、画像読取部16の下部で装置本体11の一部が凹没されることによって形成され、これにより当該画像形成装置10が胴内排紙型と称されている。
装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に排紙部15の胴内排紙トレイ151を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物である。
そして、下部本体111には、画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14が内装されているとともに、上部本体112には画像読取部16が装着されている。操作部17は、上部本体112の前縁部に設けられている。
かかる操作部17は、画像形成処理に関する操作入力を受け付けるものであり、用紙Pの処理枚数等を入力するためのテンキーやその他の各種の操作キー171、さらにはタッチ入力を行うためのLCD(Liquid crystal display)を備えたタッチパネル172等が設けられている。
用紙貯留部14は、下部本体111内における画像形成部12の直下方位置に設けられた挿脱可能な用紙カセット141と、この用紙カセット141のさらに下方位置に設けられた挿脱可能な大量の用紙(シート)Pを貯留することができる大容量デッキ142とを有している。本実施形態においては、用紙カセット141は2段で設けられ、大容量デッキ142は2列で設けられている。
そして、画像形成処理が行われるに際し、用紙カセット141または大容量デッキ142に貯留されている用紙束P1から用紙Pが1枚ずつ繰り出され、画像形成部12へ送り込まれて当該用紙Pに対して画像形成処理(印刷処理)が実行される。
排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成された胴内排紙トレイ(スイッチバックトレイ)151と、装置本体11の外部に形成された胴外排紙トレイ(外部トレイ)152と、胴内排紙トレイ151の直上位置に設けられた胴内フィニッシャー153とを有している。画像形成部12から送り込まれたトナー画像転写済みの用紙Pは、連結部113内に設けられた搬出方向切換部109を介し、予め排出先が設定された胴内排紙トレイ151、胴外排紙トレイ152および胴内フィニッシャー153のいずれかに向けて排出される。胴内フィニッシャー153は、排出された用紙Pに対してパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施すものである。
胴内排紙トレイ151は、単純に用紙Pの排出用に使用される他、用紙Pに対して両面印刷処理を施すに際し、表面側の印刷処理が完了した用紙Pに対して裏面側に印刷処理を施すべく、当該用紙Pを表裏反転させるためのスイッチバックトレイとしても利用される。すなわち、表面側の印刷処理が完了した用紙Pは、この胴内排紙トレイ151に一旦排出された後、今までの最後尾が最先端になった状態でスイッチバックされ、画像形成部12へ戻される。そして、片面印刷が完了している用紙Pは、画像形成部12で裏面側に印刷処理が施され、胴内排紙トレイ151または胴外排紙トレイ152へ排出される。
画像読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、この原稿押さえカバー162に装着された原稿自動読取部163と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査する走査機構164とを備えている。
そして、コンタクトガラス161上に載置され、あるいは原稿自動読取部163によってコンタクトガラス161上へ供給された原稿の画像は、走査機構164によってアナログ情報として読み取られたのちデジタル信号に変換されて後述する露光ユニット123へ向けて出力され、画像形成処理に供される。
また、下部本体111の右面における用紙貯留部14の直上位置には手差しトレイ18が設けられている。この手差しトレイ18は、下部が支軸181回りに回動可能に軸支され、手差しの給紙口を閉止するべく起立した閉止姿勢と、右方へ向かって突出した開放姿勢との間で姿勢変更可能とされている。かかる手差しトレイ18は、開放姿勢に姿勢設定された状態で1枚ずつの用紙Pの手差しに供される。このような手差しトレイ18から手差しで給紙された用紙Pは、用紙縦搬送路101を介して後述の感光体ドラム121と転写ローラ125との間のニップ部へ向けて送り出される。
また、下部本体111の左面には、開閉可能なメンテナンス用のメンテナンスドアー19が設けられている。胴外排紙トレイ152は、このメンテナンスドアー19の上部位置に設けられている。画像形成部12で印刷処理が完了した用紙Pは、この胴外排紙トレイ152および胴内排紙トレイ151のいずれかに選択的に排出される。
画像形成部12には、上下方向の略中央部であって左寄りの位置に感光体ドラム121が設けられている。この感光体ドラム121は、ドラム心回りに時計方向に向けて回転しながらその直ぐ右方位置に設けられた帯電ユニット122により周面が一様に帯電処理される。
感光体ドラム121の右側位置には、画像読取部16で読み取られた原稿画像の画像情報に基づくレーザービームを感光体ドラム121の周面に照射する露光ユニット123が設けられている。そして、この露光ユニット123からのレーザービームの照射によって感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。この静電潜像に向けて感光体ドラム121の下方に設けられた現像ユニット124からトナーが供給され、これによって感光体ドラム121の周面に静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
トナー像が形成された感光体ドラム121には、用紙カセット141または大容量デッキ142から搬送されてきた用紙Pが、上下方向に延びた用紙縦搬送路101を上昇し、タイミングを取るためのレジストローラ対143を介して送り込まれる。そして、感光体ドラム121へ到達した用紙Pには、左方で当該感光体ドラム121と対向配置された転写ローラ125の作用で感光体ドラム121の周面のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム121から分離されて定着部13へ送り込まれる。
用紙Pに対するトナー像の転写処理が完了した感光体ドラム121は、時計方向へ向かう回転が継続されることにより、その直上位置に設けられたクリーニング装置126によってその周面が清浄にされ、つぎの画像形成処理のために帯電ユニット122へ向かうことになる。
定着部13は、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、左方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、左側でこの定着ベルト133の表面と対向配置された加圧ローラ134とを有している。そして、画像形成部12から送り込まれた用紙Pは、これら定着ベルト133と加圧ローラ134との間のニップ部を通過しながら加熱ローラ131の熱を定着ベルト133を介して受熱し、これによってトナー像の用紙Pに対する定着処理が実行される。
定着処理後の用紙Pは、当該用紙Pが片面印刷用のものである場合には、定着部13の上方の搬出方向切換部109を介し、排紙搬送路102を通って胴外排紙トレイ152へ排出されたり、往復搬送路103を通って胴内排紙トレイ151へ排出されたり、さらには両面印刷のために往復搬送路103を通ってスイッチバックトレイとして兼用される胴内排紙トレイ151へ一時的に排出されたりする。
そして、両面印刷の場合、往復搬送路103を介して前半部分が胴内排紙トレイ151に排紙された片面印刷処理済みの用紙Pは、メンテナンスドアー19内に設けられた上下方向に延びる逆送搬送路104を介して逆送され、表裏が反転した状態で再度画像形成部12に供給されて裏面側に印刷処理が施される。両面印刷が完了した用紙Pは、胴内排紙トレイ151または胴外排紙トレイ152へ排出される。
メンテナンスドアー19には、逆送搬送路104の直ぐ右側に、右面が画像形成部12の左面に対向されるカバー部材191が設けられている。このカバー部材191は、メンテナンスドアー19の右面側に包持されている。そして、メンテナンスドアー19が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、カバー部材191の右面と画像形成部12の左面との間に用紙カセット141や大容量デッキ142さらには手差しトレイ18から給紙された用紙Pを搬送するための用紙縦搬送路101の一部が形成されている。
搬出方向切換部109は、図2に示すように、定着部13の筐体135の直上位置であって胴内排紙トレイ151の左側壁151aの左方の空間に設定されている。搬出方向切換部109の右上方には、胴内排紙トレイ151の左側壁151aの上縁部を越えて胴内排紙トレイ151内へと延設された下に凹の第1円弧ガイド板108aが設けられているとともに、搬出方向切換部109の左上方には、用紙Pを定着部13の左側を通って下方の逆送搬送路104へ向かわせるように下へ凹の円弧状に形成された第2円弧ガイド板108bが設けられている。
そして、第1円弧ガイド板108aの左端部と第2円弧ガイド板108bの右端部との間には定着部13から上方へ向けて排出された用紙Pを受け入れるように隙間が形成され、この隙間の上部には、上方へ延びる用紙縦搬送路101の一部としての上端搬送路101aが形成されている。
この上端搬送路101aの直上位置には、略二等辺三角形状を呈した切換ガイド部材107が設けられている。この切換ガイド部材107は、上端搬送路101aから送り出された用紙Pの排出先を胴内フィニッシャー153と胴外排紙トレイ152との間で切り換えるものであり、二等辺三角形の頂点に当たる部分が下方に向くように姿勢設定されている。
そして、かかる切換ガイド部材107は、その略重心位置を軸支したガイド軸107a回りに時計方向へ向けて回動することにより用紙Pを右面に沿わせて胴内フィニッシャー153へ案内するフィニッシャー向け姿勢と、ガイド軸107a回りに反時計方向へ回動することにより用紙Pを左面に沿わせて胴外排紙トレイ152は案内する胴外排紙トレイ向け姿勢との間で姿勢変更可能とされている。
すなわち、画像形成部12での画像形成処理が完了し、定着部13において定着処理が施された用紙は、一旦搬出方向切換部109へ導出された後に、目的に応じて各所へ排出されるのである。そして、搬出方向切換部109は、従来の三角形状の切換ガイドに代えてロータリーガイド部材30を備えている。
そして、このロータリーガイド部材30の周りには、複数の搬送ローラが設けられ、これらの搬送ローラによりロータリーガイド部材30に対する用紙Pの入出が円滑に行われる。かかる搬送ローラとしては、定着部13の出口位置であって、ロータリーガイド部材30の直前位置(直下位置)に設けられた定着部出口ローラ106aと、第1円弧ガイド板108a下方位置(すなわち往復搬送路103上)であって胴内排紙トレイ151の直前に設けられて用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出に荷担する第1排出ローラ106b、第2円弧ガイド板108bの下方位置に設けられて用紙Pの逆送搬送路104へ向かう搬送に荷担する逆送搬送路向け搬送ローラ106cと、上端搬送路101aの下流端で切換ガイド部材107の直下位置に設けられて切換ガイド部材107へ向かう用紙Pに搬送に荷担する切換ガイド部材向け搬送ローラ106dと、胴外排紙トレイ152の上流端に設けられた第2排出ローラ106eと、胴内フィニッシャー153の入口側に設けられた第3排出ローラ106fとが採用されている。
また、ロータリーガイド部材30を介した用紙Pの搬送状態を検出するべく、ロータリーガイド部材30の周りには、各種の用紙センサが設けられている。かかる用紙センサとしては、定着部13の下流端(定着部13の筐体の上部)に設けられた定着上センサ105a(先端入タイミング取得部、後端出タイミング取得部)と、胴内排紙トレイ151の入口部分に設けられた第1排出センサ105bと、逆送搬送路104の上流端位置に設けられた逆送センサ105cと、胴外排紙トレイ152の上流端における第2排出ローラ106eの近傍に設けられた第2排出センサ105dと、胴内フィニッシャー153の入口側における第3排出ローラ106fの近傍に設けられた第3排出センサ105eとが採用されている。
これらのセンサによる用紙Pの検出と、この検出結果に基づく搬出方向切換部109および切換ガイド部材107の予め設定された動作とによって定着部13から送り出された用紙Pは、所定の位置へ向けて搬出されることになる。
以下、図3〜図5に基づき搬出方向切換部109について説明する。図3および図4は、搬出方向切換部109の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、図3は、斜め上から見た状態、図4は、斜め下から見た状態をそれぞれ示している。また、図5は、図3に示す搬出方向切換部109のV−V線断面図であり、二点差線でロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、実線でロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図3〜図5において、X方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
まず、図3に示すように、搬出方向切換部109は、定着部13(図2)から定着部出口ローラ106a介して送り出された用紙Pを受け、予め設定された所定の位置に向けて当該用紙Pの排出を案内するロータリーガイド部材30と、このロータリーガイド部材30に付設され用紙Pに形成されたトナー画像に悪影響を与えないように案内する案内プーリー40と、ロータリーガイド部材30を所定のガイド軸(支持軸)34回りに正逆回転させることによって当該ロータリーガイド部材30の姿勢を変更させる姿勢変更手段50と、この姿勢変更手段50によって姿勢変更されるロータリーガイド部材30の基準回転位置を検出するための基準位置検出部60とを備えている。
ロータリーガイド部材30は、前後方向一対の側板31と、各側板31間に架設された左右方向一対の円弧ガイド板32と、前後方向に並設された状態で左側の円弧ガイド板32に固定された複数枚のガイドフィン33と、前後の側板31の略重心位置から同心で互いに反対方向に向けて突設された前後一対のガイド軸34と、一対の側板31の上縁部間に架設されたカバー体35とを備えている。
各側板31は、正面視での基本形状が略正方形に設定された上で正方形状の各所が変形させられることによって形成されている。これら一対の側板31間に左右の円弧ガイド板32が架設されることにより、これら一対の円弧ガイド板32が構造材の役割を果たし、ロータリーガイド部材30が構造的に強固に形成されている。
一対の円弧ガイド板32は、正面視で互いに対向面が対向方向に向けて円弧状に膨出されて形成されている。かかる一対の円弧ガイド板32は、下縁部間の左右方向の距離が、上方に向かうに従い漸減するように設定されている。かかる一対の円弧ガイド板32間に、定着部13から送り込まれた用紙Pを案内する案内通路320が形成されている。
そして、かかる一対の円弧ガイド板32における下縁部間に定着部13から導出された用紙Pを受け入れるための受入開口321が形成され、同上縁部間に用紙Pを排出する排出開口322が形成されている。そして、定着部13から導出された用紙Pは、定着上センサ105aを介して受入開口321から一対の円弧ガイド板32間に導入され、排出開口322およびカバー体35に設けられた後述の排出口351を通って上方に向けて排出される。ロータリーガイド部材30の案内通路320を通って排出口351から排出された用紙Pがその後どこへ向かわされるかについては、ロータリーガイド部材30の姿勢に応じて予め決められているが、これについては後に詳述する。
ガイドフィン33は、ロータリーガイド部材30が後述する逆送搬送路向け姿勢S4(図7(B)参照)に姿勢設定された状態で、一時貯留されていた胴内排紙トレイ151から逆送搬送路104へ向かう、裏面側に印刷処理を施すべき両面印刷用の用紙Pを受けて案内するためのものである。かかるガイドフィン33は、逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定された状態(図7(B))において、上縁面が側板31の上縁面と同様に上に凸の円弧状に形成され、これによって下に凹の円弧状に形成された前記第2円弧ガイド板108bとの間に逆送搬送路104の上流端の部分が形成される。
また、一対の側板31から互いに反対方向に向けて同心で突設された一対のガイド軸34は、装置本体11の図略のフレームに支持され、姿勢変更手段50の駆動により軸心回りにロータリーガイド部材30と正逆一体回動が可能とされている。
カバー体35は、粉塵等の異物のロータリーガイド部材30内への進入を防止するためのものであり、図3に示すように、ロータリーガイド部材30の上部を覆うものであって、一対の側板31の図3における上縁部間に架設されている。かかるカバー体35の頂部には、一対の円弧ガイド板32の排出開口322に対向した位置に、用紙Pを排出するための前後方向へ延びた排出口351が設けられている。
案内プーリー40は、左右一対の円弧ガイド板32を挟んで前後に複数対で設けられている。かかる複数対の案内プーリー40は、左右一対の円弧ガイド板32の左右の外側の位置において各ガイドフィン33を貫通した状態で一対の側板31間に架設された左右一対のプーリー軸41回りに回転自在に軸支されている。
一方、左右の円弧ガイド板32には、各案内プーリー40に対応した位置に、図4に示すような貫通窓323がそれぞれ設けられている。そして、各一対の案内プーリー40は、それぞれの一部がこれらの貫通窓323を潜って一対の円弧ガイド板32間の案内通路320内に入り込み、これによって各案内プーリー40の周面が案内通路320内で互いに対向した状態になっている。
従って、定着部13から導出された用紙Pは、受入開口321を通って一対の円弧ガイド板32間に導入された状態で、用紙Pの画像形成面がこれら一対の円弧ガイド板32に当接することなく左右の案内プーリー40の周面間を通過することになる。そしてこのとき、たとえ用紙Pの画像形成面が案内プーリー40の周面に接触しても、この接触によって案内プーリー40がプーリー軸41回りに回転するため、用紙Pの原稿形成面が円弧ガイド板32の内面と摺接するようなことが起こらない。従って、用紙Pの原稿形成面が摺接されることによって画像が乱れるような不都合の発生を有効に防止することができる。
姿勢変更手段50は、後述の制御部200からの制御信号に基づき、ロータリーガイド部材30の姿勢を設定するためのものである。かかる姿勢変更手段50は、ステッピングモータ51と、このステッピングモータ51の駆動軸511に同心で一体回転可能に外嵌された駆動ギヤ52と、後方のガイド軸34に一体回動可能に固定され、かつ、駆動ギヤ52に噛合するセクトギヤ53とを備えている。
ステッピングモータ51は、パルス信号のパルス数に応じて回転角度が設定されるように構成されているため、目的に応じて予め設定されたパルス数の信号をステッピングモータ51に供給することにより当該ステッピングモータ51の回転角度、すなわちロータリーガイド部材30の姿勢が極めて精密に制御される。
従って、ステッピングモータ51を使用した場合には、従来のように、例えばソレノイドへの電力供給のオン・オフによって所定の案内部材に姿勢変更させて案内先を変えるようにしたものを採用した場合に比べて極めて精度よく姿勢を変更させることができるばかりか、異音が発生するような不都合が生じることがない。
かかるステッピングモータ51は、その駆動軸511が前方に向くように横置きでロータリーガイド部材30の後方上部に据え付けられている。そして、ステッピングモータ51の駆動力は、駆動ギヤ52およびセクトギヤ53を介してロータリーガイド部材30に伝達される。従って、ステッピングモータ51が正逆駆動されることにより、ロータリーガイド部材30は、ガイド軸34回りに正逆回動して姿勢変更されることになる。
基準位置検出部60は、セクトギヤ53から径方向の外方に向けて突設された遮光片61と、ロータリーガイド部材30がホームポジションである基準姿勢S1(図6(A))に姿勢設定された状態で遮光片61と対向するように当該遮光片61のガイド軸34回りの回動軌跡上に配設された光センサ62とを備えている。
光センサ62は、一対の素子支持アーム622を備えた二股状の支持ケース621にそれぞれ発光素子623と受光素子624とが対向配置されることによって構成された、いわゆるフォトインタラプタである。
支持ケース621は、各素子支持アーム622が遮光片61の回動軌跡を挟み込み、かつ、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に設定された状態で遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置するように設置位置が設定されている。そして、発光素子623は、一方の素子支持アーム622に設けられているとともに、受光素子624は、他方の素子支持アーム622に設けられて発光素子623と対向配置されている。
従って、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないときには、発光素子623から照射された光が受光素子624によって受光され、これによってロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないことを検出することができる。
これに対し、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されているときには、遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623からの光が遮光片61によって遮光された状態になるため、受光素子624がオフする。これによってロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることを検出することができる。
また、受光素子624がオフしたときのステッピングモータ51の回転位置を基準位置として、この基準位置からステッピングモータ51に励磁パルスを供給することにより、当該励磁パルスの数に応じて所望の回転角度だけステッピングモータ51を回転させて、ロータリーガイド部材30を所望の姿勢にさせることができる。
以下、図6および図7を基にロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢について説明する。図6および図7は、ロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢を説明するためのロータリーガイド部材30の正面断面視の説明図である。図6(A)は、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、図6(B)は、ロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
また、図7(A)は、ロータリーガイド部材30が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定された状態、図7(B)は、ロータリーガイド部材30が逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図6および図7におけるXによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方)である。
まず、図6(A)に示すように、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されたときには、当該ロータリーガイド部材30は、一対の円弧ガイド板32間の案内通路320が垂直位置からガイド軸34回りに略30°程度反時計方向に向けて回動し、これによって左方へ向けて傾倒した状態になっている。
そしてこの状態でセクトギヤ53に固定された遮光片61が光センサ62の一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623(図3)からの光が遮光されて受光素子624へ入光されなくなっている。これによって、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることが検出されると共に、ステッピングモータの基準位置が検出される。
また、図6(B)に示すように、ロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定されたときには、排出口351が、上端搬送路101aに向く位置に位置決めされる。起立姿勢S2では、定着部13から導出された用紙Pは、定着上センサ105aを介して受入開口321からロータリーガイド部材30の案内通路320内へ導入され、一対の案内プーリー40間を通り、排出口351から上方の上端搬送路101aへ向けて排出される。
その後、用紙Pは、胴外排紙トレイ152へ直接排出されたり、一旦胴内フィニッシャー153へ排出されてステイプル処理等の後処理が施された後、用紙束として胴外排紙トレイ152へ排出されたりする。
また、図7(A)に示すように、ロータリーガイド部材30が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定されたときには、排出口351が、排出ローラ106bに向く位置に位置決めされる。胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3では、定着部13から導出された用紙Pは、ロータリーガイド部材30の案内通路320を通り、排出口351を抜け出たのち第1円弧ガイド板108aに案内されつつ胴内排紙トレイ151へ排出されることになる。
そして、図7(B)に示すように、ロータリーガイド部材30が逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定されたときには、第1排出ローラ106bと逆送搬送路104との間をガイドフィン33が架け渡すように配置される。これにより、両面印刷を行う際のスイッチバックにおいて、胴内排紙トレイ151側から第1排出ローラ106bによって逆送されてきた用紙Pが、ガイドフィン33によりガイドされて逆送搬送路104へ搬送可能にされている。
これにより、用紙Pに対して両面印刷を行うときは、ロータリーガイド部材30が一旦胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定され、これによって片面印刷の完了している用紙Pが胴内排紙トレイ151へ排出される。そして、第1排出センサ105bが用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出を検出した後、ロータリーガイド部材30は、逆送搬送路向け姿勢S4へ姿勢変更される。この姿勢変更が行われた後も、用紙Pは、その下流端がロータリーガイド部材30の案内通路320から抜け出るまで第1排出ローラ106bの駆動で胴内排紙トレイ151へ向けて排出され、用紙Pの下流端が案内通路320から抜け出て第1排出ローラ106bに到達するまでの間に当該第1排出ローラ106bが逆駆動される。
かかる第1排出ローラ106bの逆駆動によって胴内排紙トレイ151へ排出されてしまう直前の用紙Pは逆送され、ロータリーガイド部材30のガイドフィン33によって逆送搬送路104へ案内される。そして、用紙Pは、逆送搬送路104を通って画像形成部12へ戻され、裏面側の印刷処理に供される。
図8は、図1に示す画像形成装置10の電気的構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置10は、上述の機構部に加えて、制御部200と、モータ制御回路400とを備えている。図8では、用紙を搬送する各種ローラや切替ガイド等を、まとめて搬送機構120として記載している。
制御部200は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。制御部200には、画像読取部16、画像形成部12、定着部13、搬送機構120、及び操作部17が接続されている。
また、制御部200には、光センサ62等の各種センサが接続されている。さらに、制御部200には、モータ制御回路400を介してステッピングモータ51が接続されている。そして、制御部200は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、複写制御部201、モータ制御部202、及び保持トルク制御部203として機能する。この場合、搬出方向切換部109、モータ制御回路400、モータ制御部202、及び保持トルク制御部203によって、搬出方向切換装置20の一例が構成されている。
複写制御部201は、装置内の各部の動作を制御して、原稿画像の複写を実行する。具体的には、複写制御部201は、搬送機構120によって用紙Pを搬送させると共に、画像読取部16によって原稿から読み取られた画像データを画像形成部12へ送信し、画像形成部12によって、用紙Pへの画像形成を実行させる。
また、複写制御部201は、搬送機構120によって用紙Pを搬送させるにあたって、用紙Pの搬送先に応じてロータリーガイド部材30の姿勢を切り替えるべく、モータ制御部202へ、ロータリーガイド部材30の姿勢設定指示を出力する。
図9は、図8に示すステッピングモータ51とモータ制御回路400との一例を示す回路図である。図9に示すステッピングモータ51は、ユニポーラ駆動の結線例を示しており、中間タップを備えたコイルLaと、コイルLbとを備えている。そして、コイルLaの一端がA相端子、他端がA’相端子にされている。また、コイルLbの一端がB相端子、他端がB’相端子にされている。コイルLa,Lbの中間タップには、電源電圧が供給されている。
図9に示すモータ制御回路400は、モータドライバ401と、スイッチング素子SW1,SW2とを備えている。
モータドライバ401は、例えばステッピングモータ駆動用の汎用ドライバIC(Integrated Circuit)であり、制御部200から出力されたパルス制御信号SA,SBに応じて、ステッピングモータ51におけるA,B,A’,B’の各相の励磁電流をパルス状に出力することで、パルス制御信号SA,SBのパルス数に応じた回転角度だけ、ステッピングモータ51を回転させる。
具体的には、モータドライバ401は、パルス制御信号SAに応じて、ステッピングモータ51におけるA相、及びA相の反転相であるA’相の励磁電流を出力する。また、モータドライバ401は、パルス制御信号SBに応じて、ステッピングモータ51におけるB相、及びB相の反転相であるB’相の励磁電流を出力する。
なお、ステッピングモータ51は、ユニポーラ駆動される例に限られず、例えばバイポーラ駆動されてもよい。図10は、ステッピングモータ51をバイポーラ駆動する場合の結線例を示している。図10に示すように、ステッピングモータ51をバイポーラ駆動する場合には、コイルLa,Lbの中間タップを用いず、反転相の励磁電流を流すときは、モータドライバ401が電流方向を切り替えるようになっている。
スイッチング素子SW1,SW2は、保持トルク制御部203からの制御信号に応じてオン、オフするようになっている。スイッチング素子SW1,SW2としては、双方向に電流のスイッチングを行うことができるスイッチング素子が用いられ、例えば、FET(Field Effect Transistor)やリレースイッチを用いることができる。
スイッチング素子SW1は、コイルLaのA相端子とA’相端子との間に接続されている。そして、スイッチング素子SW1がオンすると、コイルLaが短絡されるようになっている。スイッチング素子SW2は、コイルLbのB相端子とB’相端子との間に接続されている。そして、スイッチング素子SW2がオンすると、コイルLbが短絡されるようになっている。
図8に戻ってモータ制御部202は、複写制御部201からの姿勢設定指示に応じた姿勢をロータリーガイド部材30にとらせるために必要な回転角に応じたパルス数のパルス制御信号SA,SBを、モータ制御回路400へ出力する。そうすると、モータ制御回路400によって、パルス制御信号SA,SBに応じてステッピングモータ51が駆動され、ロータリーガイド部材30の姿勢が、複写制御部201からの姿勢設定指示に応じた姿勢に設定される。
保持トルク制御部203は、モータ制御部202によって、ロータリーガイド部材30が、起立姿勢S2、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3、及び逆送搬送路向け姿勢S4のいずれかに位置決めされたとき、スイッチング素子SW1,SW2をオンさせる。また、保持トルク制御部203は、モータ制御部202によって、ロータリーガイド部材30の姿勢が変更されるとき、すなわちモータ制御部202がステッピングモータ51を回転させるとき、スイッチング素子SW1,SW2をオフさせる。
次に、上述のように構成された画像形成装置10の動作について説明する。図11は、図1に示す画像形成装置10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、例えばユーザが原稿を複写するべく操作キー171を押下すると、複写制御部201によって、画像読取部16、画像形成部12、定着部13、及び搬送機構120の動作が制御されて、画像形成が開始される(ステップST1)。
また、ステップST1で開始された画像形成動作と並行して、定着部13から用紙Pが排出される前に、保持トルク制御部203によって、スイッチング素子SW1,SW2がオフされる(ステップST2)。これにより、ステッピングモータ51が駆動可能な状態になる。
次に、複写制御部201によって、搬出方向切換部109を、用紙Pの排出先や、片面印刷であるか両面印刷であるかといったジョブの設定内容に応じた姿勢にさせる姿勢設定指示が出力される。具体的には、複写制御部201は、用紙Pを、胴外排紙トレイ152又は胴内フィニッシャー153へ搬送する際には、ロータリーガイド部材30を起立姿勢S2に設定させる姿勢設定指示を出力する。
また、複写制御部201は、用紙Pを、胴内排紙トレイ151へ搬送する際には、ロータリーガイド部材30を胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に設定させる姿勢設定指示を出力する。そして、複写制御部201は、両面印刷を行うために用紙Pを、胴内排紙トレイ151から逆送搬送路104へ逆送する際には、ロータリーガイド部材30を逆送搬送路向け姿勢S4に設定させる姿勢設定指示を出力する。
そうすると、モータ制御部202及びモータ制御回路400によって、ステッピングモータ51が駆動され、ロータリーガイド部材30の姿勢が、複写制御部201からの姿勢設定指示に応じた姿勢に設定され、ステッピングモータ51が停止状態でディテントトルクで保持される(ステップST3)。
次に、保持トルク制御部203によって、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3、及び逆送搬送路向け姿勢S4のいずれか、すなわち用紙Pを搬送するための姿勢に設定されたか否かが確認される(ステップST4)。
そして、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3、及び逆送搬送路向け姿勢S4のいずれでもなければ(ステップST4でNO)処理を終了する。一方、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3、及び逆送搬送路向け姿勢S4のいずれかであれば(ステップST4でYES)、保持トルク制御部203によって、スイッチング素子SW1,SW2がオンされる(ステップST5)。
スイッチング素子SW1,SW2がオンすると、コイルLa,Lbが短絡される。ここで、コイルLa,Lbが短絡された状態で、ステッピングモータ51に外部から回転トルクが加えられ、回転子が動くとコイルLa,Lbに加えられる磁界が変化し、コイルLa,Lbに磁界の変化を妨げる方向の逆起電力が発生する。そして、コイルLa,Lbは、スイッチング素子SW1,SW2によって短絡されているので、コイルLa,Lbに生じた逆起電力によって、磁界の変化を妨げる方向の電流、すなわち回転子の回転を妨げる方向の電流がコイルLa,Lbに流れる。その結果、コイルLa,Lbが短絡されない場合よりも、ステッピングモータ51の保持トルクが増大する。
このようにして、ステッピングモータ51の保持トルク、すなわちロータリーガイド部材30の保持トルクが増大された状態で、定着部出口ローラ106aによって用紙Pが定着部13から排出され、用紙Pの先端が円弧ガイド板32に当たって方向が変えられることで、案内通路320を通って所望の排出先へ搬送される(ステップST6)。
このとき、用紙Pの先端が円弧ガイド板32に当たると、用紙Pによってロータリーガイド部材30に回転トルクが加えられるが、ステップST7において、ステッピングモータ51の保持トルクが増大されているため、用紙Pが案内通路320に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減することができる。
なお、搬出方向切換装置20を画像形成装置10に適用する例を示したが、搬出方向切換装置20は、シートを取り扱う各種の装置(例えば、画像形成装置10の下流側に連設されて排出されたシートにステイプル処理等の後処理を施す後処理装置など)に適用することができる。
また、画像形成装置10として複写機が採用されているが、画像形成装置は、複写機に限定されるものではなく、プリンタであってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。
本発明に係るシートの搬出方向切換装置が適用された画像形成装置の一実施形態の概要を説明するための正面断面視の説明図である。 図1に示す画像形成装置の装置本体内に形成された搬出方向切換装置の機構部分を示す拡大説明図である。 図2に示す搬出方向切換部の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、斜め上から見た状態を示している。 図3に示す搬出方向切換部を斜め下から見た状態を示す斜視図である。 図3に示す搬出方向切換部のV−V線断面図である。 ロータリーガイド部材の用紙ガイド姿勢を説明するための正面断面視の説明図であり、(A)は、ロータリーガイド部材が基準姿勢に姿勢設定された状態、(B)は、ロータリーガイド部材が起立姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。 ロータリーガイド部材の用紙ガイド姿勢を説明するための正面断面視の説明図であり、(A)は、ロータリーガイド部材が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢に姿勢設定された状態、(B)は、ロータリーガイド部材が逆送搬送路向け姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。 図1に示す画像形成装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。 図8に示すモータ制御回路の一例を示す回路図である。 図9に示すモータ制御回路の変形例を示す回路図である。 図1に示す画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 画像形成装置
11 装置本体
12 画像形成部
13 定着部
15 排紙部
20 搬出方向切換装置
30 ロータリーガイド部材
32 円弧ガイド板
33 ガイドフィン
34 ガイド軸
51 ステッピングモータ
101a 上端搬送路
103 往復搬送路
104 逆送搬送路
109 搬出方向切換部
120 搬送機構
151 胴内排紙トレイ
152 胴外排紙トレイ
153 胴内フィニッシャー
200 制御部
201 複写制御部
202 モータ制御部
203 保持トルク制御部
320 案内通路
321 受入開口
322 排出開口
351 排出口
400 モータ制御回路
401 モータドライバ
La,Lb コイル
P 用紙
S1 基準姿勢
S2 起立姿勢
S3 胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢
S4 逆送搬送路向け姿勢
SW1,SW2 スイッチング素子

Claims (5)

  1. 搬送されてきたシートを通過させ得る案内通路を備え、搬送方向と直交するシートの幅方向に延びた支持軸回りに回動することにより、複数の搬送先へ前記案内通路によって前記シートをそれぞれ案内するための複数の姿勢を取り得るロータリーガイド部材と、
    前記ロータリーガイド部材を姿勢変更させるステッピングモータと、
    前記ステッピングモータにコイルの励磁電流を供給することにより、当該ステッピングモータを回転させて、前記ロータリーガイド部材を、前記複数の姿勢のうちいずれかに位置決めするモータ制御部と、
    前記コイルの両端を短絡するスイッチング素子と、
    前記ロータリーガイド部材が、前記複数の姿勢のうちいずれかに位置決めされたとき、前記スイッチング素子をオンさせ、前記モータ制御部が、前記ステッピングモータを回転させるとき、前記スイッチング素子をオフさせる保持トルク制御部と
    を備えることを特徴とするシートの搬出方向切換装置。
  2. 所定の画像情報に基づき装置本体に内装された画像形成部により画像を形成してシートに画像を形成させる画像形成装置であって、
    前記装置本体には、搬送されつつあるシートを予め設定された複数の排出先のいずれかに切り換える搬出方向切換部が設けられ、
    前記搬出方向切換部には、請求項1記載のシートの搬送方向切換装置が適用されていること
    を特徴とする画像形成装置。
  3. 前記シートの排出先は、前記装置本体内に形成された胴内排紙トレイ、前記装置本体の外部に形成された外部トレイおよび前記装置本体内に設けられたシートの搬送方向を逆転させるべく一時的に排出させるスイッチバックトレイのいずれかであること
    を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記胴内排紙トレイは、前記スイッチバックトレイを兼用するものであること
    を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記スイッチバックトレイへ前記シートを搬送する往復搬送路と、
    前記往復搬送路から排出されたシートを前記画像形成部に搬送する逆送搬送路とをさらに備え、
    前記逆送搬送路の入り口は、前記往復搬送路の出口と対向して設けられ、
    前記ロータリーガイド部材は、さらに、
    前記案内通路の外側に、外に向かって凸の円弧状に形成されたガイドフィンを備えると共に、前記支持軸回りに回動することにより、前記ガイドフィンを前記往復搬送路の出口と前記逆送搬送路の入り口との間を架け渡す位置に配置する姿勢を、前記複数の姿勢の一つとして取り得ること
    を特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
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