以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る、シートの搬出方向切換装置20を備える画像形成装置10の構成の概要を説明するための正面断面視の説明図である。また、図2は、図1に示す搬出方向切換装置20の機構部分である搬出方向切換部109周辺の拡大説明図である。搬出方向切換部109は、画像形成装置10の装置本体11内に形成されている。なお、図1および図2においてX−X方向を左右方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方という。
図1に示す画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に画像形成部12と、定着部13と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とがそれぞれ設けられている。そして、排紙部15の一部(後述の胴内排紙トレイ151)は、画像読取部16の下部で装置本体11の一部が凹没されることによって形成され、これにより当該画像形成装置10が胴内排紙型と称されている。
装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に排紙部15の胴内排紙トレイ151を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物である。
そして、下部本体111には、画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14が内装されているとともに、上部本体112には画像読取部16が装着されている。操作部17は、上部本体112の前縁部に設けられている。
かかる操作部17は、画像形成処理に関する操作入力を受け付けるものであり、用紙Pの処理枚数等を入力するためのテンキーやその他の各種の操作キー171、さらにはタッチ入力を行うためのLCD(Liquid crystal display)を備えたタッチパネル172等が設けられている。
また、操作部17は、用紙貯留部14や手差しトレイ18等の用紙収容部に収容されている用紙P(シート)が普通紙であるか、厚紙であるか、あるいはOHP(OverHead Projector)用の透明樹脂シートであるか、といった用紙P(シート)の弾力に関わるシートの種別情報を、弾力情報として受け付ける。この場合、操作部17は、弾力情報取得部の一例に相当している。なお、以下の説明においては、OHPシートのような紙以外のシート部材についても、用紙Pとして記載する。
用紙貯留部14は、下部本体111内における画像形成部12の直下方位置に設けられた挿脱可能な用紙カセット141と、この用紙カセット141のさらに下方位置に設けられた挿脱可能な大量の用紙(シート)Pを貯留することができる大容量デッキ142とを有している。本実施形態においては、用紙カセット141は2段で設けられ、大容量デッキ142は2列で設けられている。
そして、画像形成処理が行われるに際し、用紙カセット141または大容量デッキ142に貯留されている用紙束P1から用紙Pが1枚ずつ繰り出され、画像形成部12へ送り込まれて当該用紙Pに対して画像形成処理(印刷処理)が実行される。
排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成された胴内排紙トレイ(スイッチバックトレイ)151と、装置本体11の外部に形成された胴外排紙トレイ(外部トレイ)152と、胴内排紙トレイ151の直上位置に設けられた胴内フィニッシャー153とを有している。画像形成部12から送り込まれたトナー画像転写済みの用紙Pは、連結部113内に設けられた搬出方向切換部109を介し、予め排出先が設定された胴内排紙トレイ151、胴外排紙トレイ152および胴内フィニッシャー153のいずれかに向けて排出される。胴内フィニッシャー153は、排出された用紙Pに対してパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施すものである。
胴内排紙トレイ151は、単純に用紙Pの排出用に使用される他、用紙Pに対して両面印刷処理を施すに際し、表面側の印刷処理が完了した用紙Pに対して裏面側に印刷処理を施すべく、当該用紙Pを表裏反転させるためのスイッチバックトレイとしても利用される。すなわち、表面側の印刷処理が完了した用紙Pは、この胴内排紙トレイ151に一旦排出された後、今までの最後尾が最先端になった状態でスイッチバックされ、画像形成部12へ戻される。そして、片面印刷が完了している用紙Pは、画像形成部12で裏面側に印刷処理が施され、胴内排紙トレイ151または胴外排紙トレイ152へ排出される。
画像読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、この原稿押さえカバー162に装着された原稿自動読取部163と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査する走査機構164とを備えている。
そして、コンタクトガラス161上に載置され、あるいは原稿自動読取部163によってコンタクトガラス161上へ供給された原稿の画像は、走査機構164によってアナログ情報として読み取られたのちデジタル信号に変換されて後述する露光ユニット123へ向けて出力され、画像形成処理に供される。
また、下部本体111の右面における用紙貯留部14の直上位置には手差しトレイ18が設けられている。この手差しトレイ18は、下部が支軸181回りに回動可能に軸支され、手差しの給紙口を閉止するべく起立した閉止姿勢と、右方へ向かって突出した開放姿勢との間で姿勢変更可能とされている。かかる手差しトレイ18は、開放姿勢に姿勢設定された状態で1枚ずつの用紙Pの手差しに供される。このような手差しトレイ18から手差しで給紙された用紙Pは、用紙縦搬送路101を介して後述の感光体ドラム121と転写ローラ125との間のニップ部へ向けて送り出される。
また、下部本体111の左面には、開閉可能なメンテナンス用のメンテナンスドアー19が設けられている。胴外排紙トレイ152は、このメンテナンスドアー19の上部位置に設けられている。画像形成部12で印刷処理が完了した用紙Pは、この胴外排紙トレイ152および胴内排紙トレイ151のいずれかに選択的に排出される。
画像形成部12には、上下方向の略中央部であって左寄りの位置に感光体ドラム121が設けられている。この感光体ドラム121は、ドラム心回りに時計方向に向けて回転しながらその直ぐ右方位置に設けられた帯電ユニット122により周面が一様に帯電処理される。
感光体ドラム121の右側位置には、画像読取部16で読み取られた原稿画像の画像情報に基づくレーザービームを感光体ドラム121の周面に照射する露光ユニット123が設けられている。そして、この露光ユニット123からのレーザービームの照射によって感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。この静電潜像に向けて感光体ドラム121の下方に設けられた現像ユニット124からトナーが供給され、これによって感光体ドラム121の周面に静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
トナー像が形成された感光体ドラム121には、用紙カセット141または大容量デッキ142から搬送されてきた用紙Pが、上下方向に延びた用紙縦搬送路101を上昇し、タイミングを取るためのレジストローラ対143を介して送り込まれる。そして、感光体ドラム121へ到達した用紙Pには、左方で当該感光体ドラム121と対向配置された転写ローラ125の作用で感光体ドラム121の周面のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム121から分離されて定着部13へ送り込まれる。
用紙Pに対するトナー像の転写処理が完了した感光体ドラム121は、時計方向へ向かう回転が継続されることにより、その直上位置に設けられたクリーニング装置126によってその周面が清浄にされ、つぎの画像形成処理のために帯電ユニット122へ向かうことになる。
定着部13は、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、左方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、左側でこの定着ベルト133の表面と対向配置された加圧ローラ134とを有している。そして、画像形成部12から送り込まれた用紙Pは、これら定着ベルト133と加圧ローラ134との間のニップ部を通過しながら加熱ローラ131の熱を定着ベルト133を介して受熱し、これによってトナー像の用紙Pに対する定着処理が実行される。
定着処理後の用紙Pは、当該用紙Pが片面印刷用のものである場合には、定着部13の上方の搬出方向切換部109を介し、排紙搬送路102を通って胴外排紙トレイ152へ排出されたり、往復搬送路103を通って胴内排紙トレイ151へ排出されたり、さらには両面印刷のために往復搬送路103を通ってスイッチバックトレイとして兼用される胴内排紙トレイ151へ一時的に排出されたりする。
そして、両面印刷の場合、往復搬送路103を介して前半部分が胴内排紙トレイ151に排紙された片面印刷処理済みの用紙Pは、メンテナンスドアー19内に設けられた上下方向に延びる逆送搬送路104を介して逆送され、表裏が反転した状態で再度画像形成部12に供給されて裏面側に印刷処理が施される。両面印刷が完了した用紙Pは、胴内排紙トレイ151または胴外排紙トレイ152へ排出される。
メンテナンスドアー19には、逆送搬送路104の直ぐ右側に、右面が画像形成部12の左面に対向されるカバー部材191が設けられている。このカバー部材191は、メンテナンスドアー19の右面側に包持されている。そして、メンテナンスドアー19が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、カバー部材191の右面と画像形成部12の左面との間に用紙カセット141や大容量デッキ142さらには手差しトレイ18から給紙された用紙Pを搬送するための用紙縦搬送路101の一部が形成されている。
搬出方向切換部109は、図2に示すように、定着部13の筐体135の直上位置であって胴内排紙トレイ151の左側壁151aの左方の空間に設定されている。搬出方向切換部109の右上方には、胴内排紙トレイ151の左側壁151aの上縁部を越えて胴内排紙トレイ151内へと延設された下に凹の第1円弧ガイド板108aが設けられているとともに、搬出方向切換部109の左上方には、用紙Pを定着部13の左側を通って下方の逆送搬送路104へ向かわせるように下へ凹の円弧状に形成された第2円弧ガイド板108bが設けられている。
そして、第1円弧ガイド板108aの左端部と第2円弧ガイド板108bの右端部との間には定着部13から上方へ向けて排出された用紙Pを受け入れるように隙間が形成され、この隙間の上部には、上方へ延びる用紙縦搬送路101の一部としての上端搬送路101aが形成されている。
この上端搬送路101aの直上位置には、略二等辺三角形状を呈した切換ガイド部材107が設けられている。この切換ガイド部材107は、上端搬送路101aから送り出された用紙Pの排出先を胴内フィニッシャー153と胴外排紙トレイ152との間で切り換えるものであり、二等辺三角形の頂点に当たる部分が下方に向くように姿勢設定されている。
そして、かかる切換ガイド部材107は、その略重心位置を軸支したガイド軸107a回りに時計方向へ向けて回動することにより用紙Pを右面に沿わせて胴内フィニッシャー153へ案内するフィニッシャー向け姿勢と、ガイド軸107a回りに反時計方向へ回動することにより用紙Pを左面に沿わせて胴外排紙トレイ152は案内する胴外排紙トレイ向け姿勢との間で姿勢変更可能とされている。
すなわち、画像形成部12での画像形成処理が完了し、定着部13において定着処理が施された用紙は、一旦搬出方向切換部109へ導出された後に、目的に応じて各所へ排出されるのである。そして、搬出方向切換部109は、従来の三角形状の切換ガイドに代えてロータリーガイド部材30を備えている。
そして、このロータリーガイド部材30の周りには、複数の搬送ローラが設けられ、これらの搬送ローラによりロータリーガイド部材30に対する用紙Pの入出が円滑に行われる。かかる搬送ローラとしては、定着部13の出口位置であって、ロータリーガイド部材30の直前位置(直下位置)に設けられた定着部出口ローラ106aと、第1円弧ガイド板108a下方位置(すなわち往復搬送路103上)であって胴内排紙トレイ151の直前に設けられて用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出に荷担する第1排出ローラ106b、第2円弧ガイド板108bの下方位置に設けられて用紙Pの逆送搬送路104へ向かう搬送に荷担する逆送搬送路向け搬送ローラ106cと、上端搬送路101aの下流端で切換ガイド部材107の直下位置に設けられて切換ガイド部材107へ向かう用紙Pに搬送に荷担する切換ガイド部材向け搬送ローラ106dと、胴外排紙トレイ152の上流端に設けられた第2排出ローラ106eと、胴内フィニッシャー153の入口側に設けられた第3排出ローラ106fとが採用されている。
また、ロータリーガイド部材30を介した用紙Pの搬送状態を検出するべく、ロータリーガイド部材30の周りには、各種の用紙センサが設けられている。かかる用紙センサとしては、定着部13の下流端(定着部13の筐体の上部)に設けられた定着上センサ105a(先端入タイミング取得部、後端出タイミング取得部)と、胴内排紙トレイ151の入口部分に設けられた第1排出センサ105bと、逆送搬送路104の上流端位置に設けられた逆送センサ105cと、胴外排紙トレイ152の上流端における第2排出ローラ106eの近傍に設けられた第2排出センサ105dと、胴内フィニッシャー153の入口側における第3排出ローラ106fの近傍に設けられた第3排出センサ105eとが採用されている。
これらのセンサによる用紙Pの検出と、この検出結果に基づく搬出方向切換部109および切換ガイド部材107の予め設定された動作とによって定着部13から送り出された用紙Pは、所定の位置へ向けて搬出されることになる。
以下、図3〜図5に基づき搬出方向切換部109について説明する。図3および図4は、搬出方向切換部109の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、図3は、斜め上から見た状態、図4は、斜め下から見た状態をそれぞれ示している。また、図5は、図3に示す搬出方向切換部109のV−V線断面図であり、二点差線でロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、実線でロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図3〜図5において、X方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
まず、図3に示すように、搬出方向切換部109は、定着部13(図2)から定着部出口ローラ106a介して送り出された用紙Pを受け、予め設定された所定の位置に向けて当該用紙Pの排出を案内するロータリーガイド部材30と、このロータリーガイド部材30に付設され用紙Pに形成されたトナー画像に悪影響を与えないように案内する案内プーリー40と、ロータリーガイド部材30を所定のガイド軸(支持軸)34回りに正逆回転させることによって当該ロータリーガイド部材30の姿勢を変更させる姿勢変更手段50と、この姿勢変更手段50によって姿勢変更されるロータリーガイド部材30の基準回転位置を検出するための基準位置検出部60とを備えている。
ロータリーガイド部材30は、前後方向一対の側板31と、各側板31間に架設された左右方向一対の円弧ガイド板32と、前後方向に並設された状態で左側の円弧ガイド板32に固定された複数枚のガイドフィン33と、前後の側板31の略重心位置から同心で互いに反対方向に向けて突設された前後一対のガイド軸34と、一対の側板31の上縁部間に架設されたカバー体35とを備えている。
各側板31は、正面視での基本形状が略正方形に設定された上で正方形状の各所が変形させられることによって形成されている。これら一対の側板31間に左右の円弧ガイド板32が架設されることにより、これら一対の円弧ガイド板32が構造材の役割を果たし、ロータリーガイド部材30が構造的に強固に形成されている。
一対の円弧ガイド板32は、正面視で互いに対向面が対向方向に向けて円弧状に膨出されて形成されている。かかる一対の円弧ガイド板32は、下縁部間の左右方向の距離が、上方に向かうに従い漸減するように設定されている。かかる一対の円弧ガイド板32間に、定着部13から送り込まれた用紙Pを案内する案内通路320が形成されている。
そして、かかる一対の円弧ガイド板32における下縁部間に定着部13から導出された用紙Pを受け入れるための受入開口321(入口)が形成され、同上縁部間に用紙Pを排出する排出開口322(出口)が形成されている。そして、定着部13から導出された用紙Pは、定着上センサ105aを介して受入開口321から一対の円弧ガイド板32間に導入され、排出開口322およびカバー体35に設けられた後述の排出口351(出口)を通って上方に向けて排出される。ロータリーガイド部材30の案内通路320を通って排出口351から排出された用紙Pがその後どこへ向かわされるかについては、ロータリーガイド部材30の姿勢に応じて予め決められているが、これについては後に詳述する。
ガイドフィン33は、ロータリーガイド部材30が後述する逆送搬送路向け姿勢S4(図7(B)参照)に姿勢設定された状態で、一時貯留されていた胴内排紙トレイ151から逆送搬送路104へ向かう、裏面側に印刷処理を施すべき両面印刷用の用紙Pを受けて案内するためのものである。かかるガイドフィン33は、逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定された状態(図7(B))において、上縁面が側板31の上縁面と同様に上に凸の円弧状に形成され、これによって下に凹の円弧状に形成された前記第2円弧ガイド板108bとの間に逆送搬送路104の上流端の部分が形成される。
また、一対の側板31から互いに反対方向に向けて同心で突設された一対のガイド軸34は、装置本体11の図略のフレームに支持され、姿勢変更手段50の駆動により軸心回りにロータリーガイド部材30と正逆一体回動が可能とされている。
カバー体35は、粉塵等の異物のロータリーガイド部材30内への進入を防止するためのものであり、図3に示すように、ロータリーガイド部材30の上部を覆うものであって、一対の側板31の図3における上縁部間に架設されている。かかるカバー体35の頂部には、一対の円弧ガイド板32の排出開口322に対向した位置に、用紙Pを排出するための前後方向へ延びた排出口351(出口)が設けられている。
案内プーリー40は、左右一対の円弧ガイド板32を挟んで前後に複数対で設けられている。かかる複数対の案内プーリー40は、左右一対の円弧ガイド板32の左右の外側の位置において各ガイドフィン33を貫通した状態で一対の側板31間に架設された左右一対のプーリー軸41回りに回転自在に軸支されている。
一方、左右の円弧ガイド板32には、各案内プーリー40に対応した位置に、図4に示すような貫通窓323がそれぞれ設けられている。そして、各一対の案内プーリー40は、それぞれの一部がこれらの貫通窓323を潜って一対の円弧ガイド板32間の案内通路320内に入り込み、これによって各案内プーリー40の周面が案内通路320内で互いに対向した状態になっている。
従って、定着部13から導出された用紙Pは、受入開口321を通って一対の円弧ガイド板32間に導入された状態で、用紙Pの画像形成面がこれら一対の円弧ガイド板32に当接することなく左右の案内プーリー40の周面間を通過することになる。そしてこのとき、たとえ用紙Pの画像形成面が案内プーリー40の周面に接触しても、この接触によって案内プーリー40がプーリー軸41回りに回転するため、用紙Pの原稿形成面が円弧ガイド板32の内面と摺接するようなことが起こらない。従って、用紙Pの原稿形成面が摺接されることによって画像が乱れるような不都合の発生を有効に防止することができる。
姿勢変更手段50は、後述の制御部200からの制御信号に基づき、ロータリーガイド部材30の姿勢を設定するためのものである。かかる姿勢変更手段50は、ステッピングモータ51と、このステッピングモータ51の駆動軸511に同心で一体回転可能に外嵌された駆動ギヤ52と、後方のガイド軸34に一体回動可能に固定され、かつ、駆動ギヤ52に噛合するセクトギヤ53とを備えている。
ステッピングモータ51は、パルス信号のパルス数に応じて回転角度が設定されるように構成されているため、目的に応じて予め設定されたパルス数の信号をステッピングモータ51に供給することにより当該ステッピングモータ51の回転角度、すなわちロータリーガイド部材30の姿勢が極めて精密に制御される。
従って、ステッピングモータ51を使用した場合には、従来のように、例えばソレノイドへの電力供給のオン・オフによって所定の案内部材に姿勢変更させて案内先を変えるようにしたものを採用した場合に比べて極めて精度よく姿勢を変更させることができるばかりか、異音が発生するような不都合が生じることがない。
かかるステッピングモータ51は、その駆動軸511が前方に向くように横置きでロータリーガイド部材30の後方上部に据え付けられている。そして、ステッピングモータ51の駆動力は、駆動ギヤ52およびセクトギヤ53を介してロータリーガイド部材30に伝達される。従って、ステッピングモータ51が正逆駆動されることにより、ロータリーガイド部材30は、ガイド軸34回りに正逆回動して姿勢変更されることになる。
基準位置検出部60は、セクトギヤ53から径方向の外方に向けて突設された遮光片61と、ロータリーガイド部材30がホームポジションである基準姿勢S1(図6(A))に姿勢設定された状態で遮光片61と対向するように当該遮光片61のガイド軸34回りの回動軌跡上に配設された光センサ62とを備えている。
光センサ62は、一対の素子支持アーム622を備えた二股状の支持ケース621にそれぞれ発光素子623と受光素子624とが対向配置されることによって構成された、いわゆるフォトインタラプタである。
支持ケース621は、各素子支持アーム622が遮光片61の回動軌跡を挟み込み、かつ、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に設定された状態で遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置するように設置位置が設定されている。そして、発光素子623は、一方の素子支持アーム622に設けられているとともに、受光素子624は、他方の素子支持アーム622に設けられて発光素子623と対向配置されている。
従って、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないときには、発光素子623から照射された光が受光素子624によって受光され、これによってロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないことを検出することができる。
これに対し、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されているときには、遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623からの光が遮光片61によって遮光された状態になるため、受光素子624がオフする。これによってロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることを検出することができる。
また、受光素子624がオフしたときのステッピングモータ51の回転位置を基準位置として、この基準位置からステッピングモータ51に励磁パルスを供給することにより、当該励磁パルスの数に応じて所望の回転角度だけステッピングモータ51を回転させて、ロータリーガイド部材30を所望の姿勢にさせることができる。
以下、図6および図7を基にロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢について説明する。図6および図7は、ロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢を説明するためのロータリーガイド部材30の正面断面視の説明図である。図6(A)は、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、図6(B)は、ロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
また、図7(A)は、ロータリーガイド部材30が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定された状態、図7(B)は、ロータリーガイド部材30が逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図6および図7におけるXによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方)である。
まず、図6(A)に示すように、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されたときには、当該ロータリーガイド部材30は、一対の円弧ガイド板32間の案内通路320が垂直位置からガイド軸34回りに略30°程度反時計方向に向けて回動し、これによって左方へ向けて傾倒した状態になっている。
そしてこの状態でセクトギヤ53に固定された遮光片61が光センサ62の一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623(図3)からの光が遮光されて受光素子624へ入光されなくなっている。これによって、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることが検出されると共に、ステッピングモータの基準位置が検出される。
また、図6(B)に示すように、ロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定されたときには、排出口351が、上端搬送路101aに向く位置に位置決めされる。起立姿勢S2では、定着部13から導出された用紙Pは、定着上センサ105aを介して受入開口321からロータリーガイド部材30の案内通路320内へ導入され、一対の案内プーリー40間を通り、排出口351から上方の上端搬送路101aへ向けて排出される。
その後、用紙Pは、胴外排紙トレイ152へ直接排出されたり、一旦胴内フィニッシャー153へ排出されてステイプル処理等の後処理が施された後、用紙束として胴外排紙トレイ152へ排出されたりする。
また、図7(A)に示すように、ロータリーガイド部材30が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定されたときには、排出口351が、排出ローラ106bに向く位置に位置決めされる。胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3では、定着部13から導出された用紙Pは、ロータリーガイド部材30の案内通路320を通り、排出口351を抜け出たのち第1円弧ガイド板108aに案内されつつ胴内排紙トレイ151へ排出されることになる。胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3は、用紙Pに対して両面印刷を行う場合に、用紙Pを表裏反転させるためのスイッチバックを行う際にも用いられる。
そして、図7(B)に示すように、ロータリーガイド部材30が逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定されたときには、第1排出ローラ106bと逆送搬送路104との間をガイドフィン33が架け渡すように配置される。これにより、両面印刷を行う際のスイッチバックにおいて、胴内排紙トレイ151側から第1排出ローラ106bによって逆送されてきた用紙Pが、ガイドフィン33によりガイドされて逆送搬送路104へ搬送可能にされている。
図8は、図1に示す画像形成装置10の電気的構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置10は、上述の機構部に加えて、制御部200と、励磁電流切替回路400とを備えている。図8では、用紙を搬送する各種ローラや切替ガイド等を、まとめて搬送機構120として記載している。
制御部200は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、タイマ回路と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。制御部200には、画像読取部16、画像形成部12、定着部13、搬送機構120、及び操作部17が接続されている。
また、制御部200には、光センサ62、定着上センサ105a等の各種センサが接続されている。さらに、制御部200には、励磁電流切替回路400を介してステッピングモータ51が接続されている。そして、制御部200は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、複写制御部201、モータ制御部202、励磁電流設定部203、及びシート種別記憶部204として機能する。
この場合、搬出方向切換部109、励磁電流切替回路400、操作部17、定着上センサ105a、モータ制御部202、励磁電流設定部203、及びシート種別記憶部204によって、搬出方向切換装置20の一例が構成されている。なお、モータ制御部202は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて構成されていてもよい。
定着上センサ105aは、レバー形状にされている。そして、用紙Pが、定着部13から定着部出口ローラ106aによって排出されてくると、用紙Pによって定着上センサ105aが押し上げられて、定着上センサ105aがオンし、用紙Pが検出される。また、用紙Pが搬送されて、用紙Pの後端が定着上センサ105aの位置を越えると、定着上センサ105aが元の位置に戻ってオフする。
これにより、用紙Pが定着上センサ105aの位置、すなわち定着部13から出た用紙Pが案内通路320の受入開口321に入る位置を通過する間、定着上センサ105aがオンすることとなる。従って、定着上センサ105aがオフからオンに変化したタイミングは、用紙Pの先端が受入開口321に入るタイミングを示し、定着上センサ105aがオンからオフに変化したタイミングは、用紙Pの後端が受入開口321に入るタイミングを示す。
なお、定着上センサ105aは、必ずしもレバー式のセンサに限らず、例えば光センサや静電センサ等を用いた用紙センサであってもよい。
複写制御部201は、装置内の各部の動作を制御して、原稿画像の複写を実行する。具体的には、複写制御部201は、搬送機構120によって用紙Pを搬送させると共に、画像読取部16によって原稿から読み取られた画像データを画像形成部12へ送信し、画像形成部12によって、用紙Pへの画像形成を実行させる。
シート種別記憶部204は、例えばRAMを用いて構成されている。そして、ユーザが操作部17を用いて、手差しトレイ18や、各用紙カセット141、及び各大容量デッキ142に収容されている用紙Pの種類、例えば用紙Pが普通紙であるか、厚紙であるか、あるいはOHP(OverHead Projector)用の透明樹脂シート(以下、OHPシートと称する)であるか、といった用紙P(シート)の弾力に関わるシートの種別情報を入力すると、この種別情報がシート種別記憶部204に弾力情報として記憶される。
この場合、OHPシートの弾力が第1弾力の一例に相当し、厚紙の弾力が第2弾力の一例に相当している。
励磁電流設定部203は、ステッピングモータのコイルを励磁させるための励磁電流値I1(第1電流値)、励磁電流値I2(第2電流値)、及び励磁電流値I3(第3電流値)を、シート種別記憶部204に記憶された弾力情報に基づいて設定する。具体的には、励磁電流設定部203は、印刷に使用しようとしている用紙収容部に収容されている用紙Pが、透明樹脂シートである場合、励磁電流値I1,I3,I2をそれぞれ最も大きな電流値に設定する。
以下、励磁電流設定部203によって、厚紙、普通紙の順に段階的に電流値が小さくなって、普通紙で最も電流値が小さくなるように、励磁電流値I1,I3,I2が設定される。また、励磁電流値I1,I3,I2は、励磁電流設定部203によって、I1>I3>I2となるように、電流値が設定される。なお、励磁電流値I2は、ゼロに設定されてもよい。
この場合、透明樹脂シートが最も弾力が強く(堅く)、その次に厚紙の弾力が強く、普通紙の弾力が最も弱い(柔らかい)ので、シート種別記憶部204に記憶された弾力情報が、用紙Pの弾力が強いことを示すほど、励磁電流設定部203によって、励磁電流値I1,I3,I2が増大されることとなる。
図9は、図8に示す励磁電流切替回路400の一例を示す回路図である。図9に示す励磁電流切替回路400は、モータドライバ401と、アナログデジタル(A/D)コンバータ402とを備えている。
モータドライバ401は、例えばステッピングモータ駆動用の汎用ドライバIC(Integrated Circuit)であり、制御部200から出力されたパルス制御信号SA,SBに応じて、ステッピングモータ51におけるA,B,A’,B’の各相の励磁電流をパルス状に出力することで、パルス制御信号SA,SBのパルス数に応じた回転角度だけ、ステッピングモータ51を回転させる。
具体的には、モータドライバ401は、パルス制御信号SAに応じて、ステッピングモータ51におけるA相、及びA相の反転相であるA’相の励磁電流を出力する。また、モータドライバ401は、パルス制御信号SBに応じて、ステッピングモータ51におけるB相、及びB相の反転相であるB’相の励磁電流を出力する。また、モータドライバ401は、Vref端子403に入力された基準電圧Vrefに応じて、例えば基準電圧Vrefに比例するように、A相,B相,A’相,B’相の励磁電流値を設定する。
アナログデジタルコンバータ402は、モータ制御部202によって出力された制御信号に応じた電圧を、基準電圧Vrefとしてモータドライバ401のVref端子403へ出力する。
図8に戻ってモータ制御部202は、用紙Pの弾力に応じて、用紙Pの先端がロータリーガイド部材30の受入開口321に入るタイミングで励磁電流を増大させてステッピングモータ51の保持力を高める入タイミング保持処理と、用紙Pの先端が案内通路320を通過する間、励磁電流を減少させる通過タイミング保持処理と、用紙Pの後端がロータリーガイド部材30の排出口351から排出されるタイミングで励磁電流を増大させてステッピングモータ51の保持力を高める出タイミング保持処理とを実行する。
具体的には、モータ制御部202は、入タイミング保持処理において、定着上センサ105aがオフからオンに変化すると、用紙Pの先端が受入開口321に入るタイミングと判断して、ステッピングモータ51を停止させたまま、予め設定された入保持時間t1だけ、アナログデジタルコンバータ402から励磁電流値I1に対応する基準電圧Vrefを出力させることで、励磁電流値I1の励磁電流をステッピングモータ51に供給する。そうすると、ステッピングモータ51の保持力が増大する。
入保持時間t1は、例えば定着上センサ105aがオンしてから、用紙Pの先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たって、案内通路320に案内されるまでにかかる時間として、例えば0.1秒が予め設定されている。
また、モータ制御部202は、通過タイミング保持処理において、入タイミング保持処理における入保持時間t1が経過してから定着上センサ105aがオフするまで、用紙Pの先端が案内通路320を通過中であると判断して、アナログデジタルコンバータ402から励磁電流値I2に対応する基準電圧Vrefを出力させることで、励磁電流値I2の励磁電流をステッピングモータ51に供給する。そうすると、ステッピングモータ51のコイルに流れる励磁電流が減少し、ステッピングモータの発熱が低減する。
そして、モータ制御部202は、出タイミング保持処理において、定着上センサ105aがオンからオフに変化すると、用紙Pの後端が排出口351から排出される直前のタイミングであると判断し、ステッピングモータ51を停止させたまま、予め設定された出保持時間t2だけ、アナログデジタルコンバータ402から励磁電流値I3に対応する基準電圧Vrefを出力させることで、励磁電流値I3の励磁電流をステッピングモータ51に供給する。そうすると、ステッピングモータ51の保持力が増大する。この場合、出保持時間t2は、用紙Pの後端が定着上センサ105aの位置から搬送されて排出口351を出るのにかかる時間よりわずかに大きく、多少の余裕を持たせた時間として、例えば0.3秒が、予め設定されている。
なお、図10に示す励磁電流切替回路400aのように、アナログデジタルコンバータ402の代わりに、基準電圧生成回路404を備えてもよい。励磁電流切替回路400aは、制御部200aが励磁電流設定部203を備えておらず、従って、励磁電流値I1,I3,I2が固定的に設定される例を示している。
図10に示す基準電圧生成回路404は、抵抗R1〜R8と、トランジスタQ1,Q2とを備えている。そして、直流5V電圧が、抵抗R1と抵抗R2との直列回路によって分圧され、その分圧電圧が、基準電圧VrefとしてVref端子403に入力される。また、Vref端子403は、抵抗R3とトランジスタQ1とを介してグラウンドに接続されている。トランジスタQ1のベース−エミッタ間は、抵抗R6によって接続され、トランジスタQ1のベースが、抵抗R5を介して制御部200aに接続されている。そして、モータ制御部202がパルス制御信号K1をハイレベルにすると、トランジスタQ1がオンするようになっている。
また、Vref端子403は、抵抗R4とトランジスタQ2とを介してグラウンドに接続されている。トランジスタQ2のベース−エミッタ間は、抵抗R8によって接続され、トランジスタQ1のベースが、抵抗R7を介して制御部200に接続されている。そして、モータ制御部202がパルス制御信号K2をハイレベルにすると、トランジスタQ2がオンするようになっている。
そして、例えば、抵抗R1は1kΩ、抵抗R2〜R4は4kΩにされている。この場合、モータ制御部202がパルス制御信号K1,K2をローレベルにすると、トランジスタQ1,Q2がオフして、5Vが1kΩと4kΩとで分圧される結果、基準電圧Vrefは、4Vとなる。同様に、モータ制御部202がパルス制御信号K1をハイレベル、パルス制御信号K2をローレベルにすると、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフして、5Vが1kΩと2kΩとで分圧される結果、基準電圧Vrefは、3.3Vとなる。また、モータ制御部202がパルス制御信号K1,K2をハイレベルにすると、トランジスタQ1,Q2がオンして、5Vが1kΩと4/3kΩとで分圧される結果、基準電圧Vrefは、2.9Vとなる。
この場合、トランジスタQ1,Q2をオフしたときにモータドライバ401から出力されるステッピングモータ51の励磁電流が励磁電流値I1にされ、トランジスタQ1,Q2のうち一つをオンしたときにモータドライバ401から出力されるステッピングモータ51の励磁電流が励磁電流値I3にされ、トランジスタQ1,Q2をオンしたときにモータドライバ401から出力されるステッピングモータ51の励磁電流が励磁電流値I2になるように、抵抗R1〜R4の抵抗値が設定されている。
これにより、アナログデジタルコンバータ402を備えることなく、抵抗やトランジスタを用いた基準電圧生成回路404によって、基準電圧Vrefを生成することができるので、コストを低減することができる。
次に、上述のように構成された画像形成装置10の動作について説明する。図11、図12、図13は、図1に示す画像形成装置10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、例えばユーザが原稿を複写するべく操作キー171を押下すると、複写制御部201によって、画像読取部16、画像形成部12、定着部13、及び搬送機構120の動作が制御されて、画像形成が開始される(ステップST1)。
次に、モータ制御部202によって、用紙Pの排出先や、片面印刷であるか両面印刷であるかといったジョブの設定内容に応じた姿勢に、ロータリーガイド部材30を位置決めするために必要なパルス数のパルス制御信号SA,SBがモータドライバ401へ出力される。そうすると、パルス制御信号SA,SBに応じてモータドライバ401からステッピングモータ51の各相の励磁電流が出力されて、ステッピングモータ51が駆動される結果、ロータリーガイド部材30がジョブの設定内容に応じた姿勢に位置決めされる(ステップST2)。
次に、モータ制御部202によって、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2及び胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3のうちいずれかに設定されたか否か、すなわち排出口351が、上端搬送路101a及び往復搬送路103のいずれかに向いているか否かが確認される(ステップST3)。
そして、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2及び胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3のいずれでもなければ(ステップST3でNO)処理を終了する。一方、ロータリーガイド部材30の姿勢が、起立姿勢S2及び胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3のいずれかであれば(ステップST3でYES)、モータ制御部202によって、シート種別記憶部204に記憶されているシートの種別情報が確認される(ステップST4,ST5)。
そして、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが、OHPシートであれば(ステップS4でYES)、最も弾力の強いシートに応じた保持力で、ステッピングモータ51を保持するべくステップST21へ移行し、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが、厚紙であれば(ステップST4でNO,ステップST5でYES)、中程度の弾力を有するシートに応じた保持力で、ステッピングモータ51を保持するべくステップST31へ移行する。また、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが普通紙であれば(ステップST4でNO,ステップST5でNO)、最も弾力の小さいシートに応じた保持力で、ステッピングモータ51を保持するべくステップST6へ移行する。
まず、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが、OHPシートであった場合(ステップS4でYES)、ステップST21において、励磁電流設定部203によって、励磁電流値I1、I3、I2が、電流値I1max、I3max、I2maxにそれぞれ設定される。
電流値I1maxは、弾力の強いOHPシートが、定着部13から定着部出口ローラ106aによって排出されて、OHPシートの先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合であっても、OHPシートで押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
電流値I3maxは、以下のように設定される。すなわち、用紙Pは、ロータリーガイド部材30によって、搬送方向を変更するべく曲げられるため、用紙Pの後端が排出口351から出ると、その弾力によって元に戻ろうとして、用紙Pの後端がはね返る。電流値I3maxは、弾力の強いOHPシートの後端が、排出口351から出てまっすぐに戻ろうとする力で排出口351を押した場合であっても、OHPシートで押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、OHPシートの先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合にロータリーガイド部材30に生じる回転トルクの方が、OHPシートがまっすぐに戻ろうとしてロータリーガイド部材30に生じる回転トルクより大きいため、電流値I1maxの方が、電流値I3maxより大きい電流値に設定されている。
電流値I2maxは、弾力の強いOHPシートが、案内通路320を通過する際に案内プーリー40を回転させたり、シートが円弧ガイド板32に接触したりすることで、ロータリーガイド部材30に加えられる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、案内通路320を通過する際に生じる回転トルクは、シートが受入開口321に入る際や排出口351から出る際に生じるトルクより小さいので、電流値I2maxは、電流値I1max及び電流値I3maxより小さい電流値が設定されている。
次に、モータ制御部202によって、定着上センサ105aがオンしたか否かが確認される(ステップST22)。そして、定着上センサ105aがオンすると(ステップST22でYES)、用紙Pの先端が定着上センサ105aの位置、すなわち受入開口321における円弧ガイド板32に当たる寸前のタイミングを意味するから、モータ制御部202によって、ステッピングモータ51を現状の位置で保持できる相の励磁電流を流すべくパルス制御信号SA,SBが出力されると共に、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I1に設定するべく励磁電流切替回路400へ指示信号が出力される。
そうすると、励磁電流切替回路400によって、ステッピングモータ51を停止状態で保持するようにA,B,A’,B’相の励磁電流が出力されると共に、電流が流れる相の励磁電流値が、励磁電流値I1に設定される(ステップST23)。
これにより、用紙Pの先端が円弧ガイド板32に当たってロータリーガイド部材30に回転トルクが加えられるタイミングで、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I1に増大させて、保持トルクを増大することができるので、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減することができる。
次に、モータ制御部202によって、定着上センサ105aがオンしてから入保持時間t1経過後に、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I2に低下させるべく励磁電流切替回路400へ指示信号が出力される(ステップST24)。そうすると、励磁電流切替回路400によって、電流が流れる相の励磁電流値が、励磁電流値I2に低下される。
定着上センサ105aがオンしてから入保持時間t1経過すると、用紙Pは円弧ガイド板32で案内されて案内通路320を通過している。そうすると、ロータリーガイド部材30に働く回転トルクが低下するので、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I2に低下させることにより、ロータリーガイド部材30の姿勢を保持しつつ、ステッピングモータ51の発熱を低減することができる。
次に、モータ制御部202によって、定着上センサ105aがオフしたか否かが確認される(ステップST25)。そして、定着上センサ105aがオフすると(ステップST25でYES)、用紙Pの後端が定着上センサ105aの位置、すなわち受入開口321の直前にあって、案内通路320を通過する僅かな時間の経過後に、用紙Pの後端が排出口351を出ることを意味する。
そこで、モータ制御部202によって、ステッピングモータ51を現状の位置で保持できる相の励磁電流を流すべくパルス制御信号SA,SBが出力されると共に、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I3に増大させるべく励磁電流切替回路400へ指示信号が出力される。そうすると、励磁電流切替回路400によって、電流が流れる相の励磁電流値が、励磁電流値I3に増大される(ステップST26)。
これにより、弾力の強いOHPシートの後端が、排出口351から出てまっすぐに戻ろうとする力で排出口351を押すタイミングで、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I3に増大させて、保持トルクを増大することができるので、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減することができる。
次に、定着上センサ105aがオフしてから出保持時間t2経過後、すなわち用紙Pが排出口351から出て用紙Pの後端がロータリーガイド部材30を押すおそれが無くなったタイミングで、モータ制御部202によって、パルス制御信号SA,SBがローレベルにされる。そうすると、モータドライバ401によって、ステッピングモータ51の各相の励磁電流がゼロにされて、ステッピングモータ51は、ディテントトルクで保持される(ステップST27)。
この場合、用紙Pが搬送されることによる回転トルクがロータリーガイド部材30に働くおそれがなくなったときは、励磁電流がゼロにされてステッピングモータ51がディテントトルクで保持されるので、ロータリーガイド部材30の姿勢を保持しつつ、ステッピングモータ51の発熱を低減することができる。
次に、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが厚紙であったときの動作について説明する。この場合、ステップST31において、励磁電流設定部203によって、励磁電流値I1、I3、I2が、電流値I1mid、I3mid、I2midにそれぞれ設定される。
電流値I1midは、弾力が中程度に強い厚紙が、定着部13から定着部出口ローラ106aによって排出されて、厚紙の先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合であっても、厚紙で押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
電流値I3midは、弾力が中程度に強い厚紙の後端が、排出口351から出てまっすぐに戻ろうとする力で排出口351を押した場合であっても、厚紙で押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、厚紙の先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合にロータリーガイド部材30に生じる回転トルクの方が、厚紙がまっすぐに戻ろうとしてロータリーガイド部材30に生じる回転トルクより大きいため、電流値I1midの方が、電流値I3midより大きい電流値に設定されている。
電流値I2midは、弾力が中程度に強い厚紙が、案内通路320を通過する際に案内プーリー40を回転させたり、シートが円弧ガイド板32に接触したりすることで、ロータリーガイド部材30に加えられる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、案内通路320を通過する際に生じる回転トルクは、シートが受入開口321に入る際や排出口351から出る際に生じるトルクより小さいので、電流値I2midは、電流値I1mid及び電流値I3midより小さい電流値が設定されている。
また、厚紙の弾力はOHPシートより小さいので、電流値I1midは電流値I1maxより小さく、電流値I3midは電流値I3maxより小さく、電流値I2midは電流値I2maxより小さくなるように、電流値I1mid、I3mid、I2midが設定されている。
以下、ステップST32〜ST34は、ステップST22〜ST24と同様であるのでその説明を省略する。ここで、電流値I1mid、I3mid、I2midは、電流値I1max、I3max、I2maxより小さな電流値に設定されているので、ステップST32〜ST34における励磁電流値I1、I3、I2は、ステップST22〜ST24における励磁電流値I1、I3、I2より小さくなる。従って、用紙Pの弾力に応じて、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減しつつ、励磁電流を低減することができる。
次に、ステップST25,ST27と同様のステップST35,ST36が実行される。
ここで、用紙Pが排出口351から出るタイミングでロータリーガイド部材30に働く回転トルクは、用紙Pが受入開口321に入るタイミングでロータリーガイド部材30に働く回転トルクより小さい。そして、用紙Pが厚紙の場合、用紙PがOHPシートである場合より、ロータリーガイド部材30に働く回転トルクは小さい。そのため、用紙Pが厚紙の場合には、用紙Pが排出口351から出るタイミングで励磁電流を増大させる出タイミング保持処理を実行せず、励磁電流を励磁電流値I2のまま維持しても、ロータリーガイド部材30が回転するおそれがない場合がある。
このような場合、ステップST26に相当する出タイミング保持処理を実行することなく、ステップST35,ST36を実行することで、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減しつつ、励磁電流を低減することができる。
なお、ステップST35の次にステップST26と同様の処理を実行してもむろんよい。ステップST26と同様の処理を実行した場合であっても、この場合の励磁電流値I3は、ステップST26における励磁電流値I3より小さくなる。従って、用紙Pの弾力に応じて、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減しつつ、励磁電流を低減することができる。
次に、画像形成に用いられる用紙収容部に収容されている用紙Pが普通紙であったときの動作について説明する。この場合、ステップST6において、励磁電流設定部203によって、励磁電流値I1、I3、I2が、電流値I1min、I3min、I2minにそれぞれ設定される。
電流値I1minは、弾力が弱い普通紙が、定着部13から定着部出口ローラ106aによって排出されて、普通紙の先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合であっても、普通紙で押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
電流値I3minは、弾力が弱い普通紙の後端が、排出口351から出てまっすぐに戻ろうとする力で排出口351を押した場合であっても、普通紙で押されることによる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、普通紙の先端が受入開口321における円弧ガイド板32に当たった場合にロータリーガイド部材30に生じる回転トルクの方が、普通紙がまっすぐに戻ろうとしてロータリーガイド部材30に生じる回転トルクより大きいため、電流値I1minの方が、電流値I3minより大きい電流値に設定されている。
電流値I2minは、弾力が弱い普通紙が、案内通路320を通過する際に案内プーリー40を回転させたり、シートが円弧ガイド板32に接触したりすることで、ロータリーガイド部材30に加えられる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転することを防止できる程度の保持力を、ステッピングモータ51に生じさせることができる励磁電流値が設定されている。
この場合、案内通路320を通過する際に生じる回転トルクは、シートが受入開口321に入る際や排出口351から出る際に生じるトルクより小さいので、電流値I2minは、電流値I1min及び電流値I3minより小さい電流値が設定されている。
また、普通紙の弾力はOHPシートや厚紙より小さいので、電流値I1minは電流値I1max、I1midより小さく、電流値I3minは電流値I3max、I3midより小さく、電流値I2minは電流値I2max、I2midより小さくなるように、電流値I1min、I3min、I2minが設定されている。
次に、ステップST22と同様のステップST7が実行される。ここで、用紙Pが普通紙の場合、用紙PがOHPシートや厚紙である場合より、ロータリーガイド部材30に働く回転トルクは小さい。そのため、用紙Pが普通紙の場合には、用紙Pの先端が受入開口321に入るタイミングで励磁電流を増大させる入タイミング保持処理、及び用紙Pが排出口351から出るタイミングで励磁電流を増大させる出タイミング保持処理のいずれも実行せず、励磁電流を励磁電流値I2のまま維持しても、ロータリーガイド部材30が回転するおそれがない場合がある。
このような場合、モータ制御部202は、ステッピングモータ51を現状の位置で保持できる相の励磁電流を流すべくパルス制御信号SA,SBを出力すると共に、ステッピングモータ51の励磁電流を励磁電流値I1に設定するべく励磁電流切替回路400へ指示信号を出力することで、励磁電流切替回路400によって、ステッピングモータ51を停止状態で保持するようにA,B,A’,B’相の励磁電流を出力させると共に、電流が流れる相の励磁電流値を励磁電流値I2に設定させるようにしてもよい(ステップST8)。
以下、ステップST24,ST26に相当する処理を実行することなく、ステップST25,ST27に相当するステップST9,ST10を実行することで、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減しつつ、励磁電流を低減することができる。
なお、ステップST7の次にステップST23,ST24と同様の処理を実行し、ステップST9の次にステップST26と同様の処理を実行してもむろんよい。ステップST23,ST24,ST26と同様の処理を実行した場合であっても、この場合の励磁電流値I1,I3は、ステップST23,ST6における励磁電流値I1,I3より小さくなる。従って、用紙Pの弾力に応じて、ロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減しつつ、励磁電流を低減することができる。
上述のように、搬出方向切換装置20は、ステッピングモータ51の励磁電流を制御することで、ステッピングモータ51の発熱を低減しつつ、用紙Pが案内通路320に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減することができるので、別途ロータリーガイド部材30のブレーキ機構を設ける必要がなく、コストを低減することが容易である。
また、もし仮にステッピングモータ51に励磁電流を流し続けたまま保持力を発生させた場合には、コイルが発熱してステッピングモータ51を損傷するおそれがあるが、図8に示す搬出方向切換装置20は、用紙Pの搬送に伴う回転トルクの増大が予想されるタイミングにおいてのみ、励磁電流を増大させてステッピングモータ51の保持力を増大させるので、コイルの発熱を低減してステッピングモータ51が損傷するおそれを低減することができる。
また、もし仮に、用紙Pを搬送する際に、ステッピングモータ51のディテントトルクのみによってロータリーガイド部材30の姿勢を保持した場合には、ロータリーガイド部材30で用紙Pを1枚案内する都度、ロータリーガイド部材30の回転位置がずれるおそれがあるため、用紙Pを1枚案内する都度、ロータリーガイド部材30の姿勢を位置決めし直す必要が生じる。
このとき、ステッピングモータ51は、回転角度を絶対値で制御することができず、基準位置からの相対的な回転角度で制御する必要があるので、用紙Pを1枚案内する都度、基準姿勢S1に戻して基準位置検出部60で基準位置を検出してから再度位置決めするか、あるいは各姿勢位置に対応して基準位置検出部60と同様の位置検出センサを備えて位置決めする必要がある。
しかしながら、用紙Pを1枚案内する都度、基準姿勢S1に戻した場合には、位置決め処理に時間がかかるので、複数枚画像形成する場合に印刷時間が増大してしまう。また、各姿勢位置に対応して複数の位置検出センサを備えた場合には、センサのコストが増大してしまう。
一方、搬出方向切換装置20は、用紙Pが案内通路320に衝突したときに生じる回転トルクでロータリーガイド部材30が回転するおそれを低減することができるので、用紙Pを1枚案内する都度、位置決めをやり直す必要がないので印刷時間の増大をまねくおそれがない。また、搬出方向切換装置20は、ステッピングモータ51の位置決めセンサを複数備える必要もないので、位置決めセンサのコストが増大するおそれもない。
なお、用紙Pの種別情報を、弾力情報として用いる例を示したが、弾力情報は用紙Pの種別情報に限られず、例えば用紙Pの厚さや、用紙Pの弾力の強さを数値化したデータを、弾力情報として用いるようにしてもよい。また、弾力情報である用紙Pの種別情報の入力を、操作部17によって取得する例を示したが、弾力情報取得部は、例えば自動的に用紙Pの厚さを計測したり、弾力の強さを測定したりすることで、弾力情報を取得するようにしてもよい。
また、弾力情報は、OHPシート、厚紙、普通紙の3段階である例を示したが、弾力情報は、弾力を2段階で示してもよく、4段階以上であってもよい。また、弾力情報を用いず、励磁電流設定部203やシート種別記憶部204を備えない構成であってもよく、モータ制御部202が弾力情報に関わらず、ステップST22〜ST27、及びST32〜ST36のいずれかを実行する構成であってもよい。
また、定着上センサ105aを、先端入タイミング取得部、及び後端出タイミング取得部として用いる例を示したが、定着上センサ105aとは別に、例えば案内通路320における排出開口322の手前付近に後端出タイミング取得部としてセンサを設けるようにしてもよい。
また、先端入タイミング取得部、及び後端出タイミング取得部は、必ずしもセンサを用いる例に限らない。例えば、用紙Pに画像形成を行ってからの経過時間に基づいて、用紙Pの先端が受入開口321に入るタイミングや、用紙Pの後端が排出口351から排出されるタイミングを算出するようにしてもよい。
また、搬出方向切換装置20を画像形成装置10に適用する例を示したが、搬出方向切換装置20は、シートを取り扱う各種の装置(例えば、画像形成装置10の下流側に連設されて排出されたシートにステイプル処理等の後処理を施す後処理装置など)に適用することができる。
また、画像形成装置10として複写機が採用されているが、画像形成装置は、複写機に限定されるものではなく、プリンタであってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。