JP2009291117A - 果実皮剥き機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転する果実に当てがう表皮剥き刃を、肩部から頂部へと略180度回動する一連の工程で、大きさにバラツキがあってもへた部周囲から頂部に至るまできれいに取り残すことなく表皮を連続削取できる画期的な果実皮剥き機を提供すること。
【解決手段】果実1のへた部2に当接して果実1を着脱自在に保持し且つ回転させる果実保持回転装置3と、この果実保持回転装置3により保持されて回転する果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取する表皮剥き刃7を有する表皮削取装置8とから成り、前記回動軸部11の回動により前記刃本体部10を回動して前記表皮剥き刃7を回動することで、この回動軸部11及び前記刃本体部10を突出動させて前記表皮剥き刃7を突出動させるカム装置12を備えた構成とした果実皮剥き機。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば柿の実などの果実の表皮を表皮剥き刃で削取する果実皮剥き機に関するものである。
果実のへた部に保持針を突き刺したり、吸引部を当接するなどして、果実供給部から取り出した果実のへた部に保持部を当接して果実を保持すると共に、この保持部を回転させて果実を回転させ、この果実に表皮剥き刃を当てがってこの表皮剥き刃を果実の肩部から頂部へと回動することで果実の表皮を削取する構成としている。
例えば柿の実などの果実は、へた部があり、またへた部周囲の肩部の表面の湾曲度とこの肩部から頂部にかけての湾曲度がこの肩部付近で急激に変化する形状であることから、一般には先ずへた部から肩部にかけての表皮を削取し、この前処理後このへた部を前述のように吸着するなどして保持し、更に例えば図11に示すように更に別の表皮剥き刃を表皮に当てがってへた部周囲の肩部から頂部にかけて180度回動させて、頂部まで取り残しのないように削取する構成としている。
しかし、この肩部では保持部との干渉の問題や前記曲率半径の変化位置であるなどの関係で、表皮剥き刃をへた部に近づけることは難しく、また近づけてもこのへた部周囲近傍から頂部までこの表皮剥き刃で一挙に連続削取することは難しい。
即ち、前記前処理されていない肩部の最も出っ張ったところから頂部までの表皮を削取すれば良いことになるが、処理する果実の大きさは均一でなく多少なりとも大きさにバラツキがあるため、大きさが異なる毎にその果実の大きさに応じて回動軸部の傾斜角を調整しなければならず、複雑な回動軸傾動調整機構や表皮剥き刃の角度調整機構などを要し、またその調整も容易にはいかない。
そこで、逐次この大きさのバラツキに応じて調整することはやっかいなため、調整せず多少バラツキがあっても表皮の取り残しなく削取できるようにするためには、表皮剥き刃を保持部に十分に近づけてへた部周囲に当てがい、この表皮剥き刃を180度下方へ回動すると頂部を超える位置にまでこの刃が達するように設定しておく必要がある。このように設定しておけば小さい果実の場合でも取り残しなく削取できることとなる。
しかしながら、このような果実が小さい場合も想定し、出っ張った肩部から頂部へと180度回動するのでなく、必要以上に表皮剥き刃をへた部へ近づけたり、180度回動時に頂部を超える位置にまで達するように設定すると、肩部で曲率が大きく変化するような柿の実などの果実の場合には表皮剥き刃をスプリングによって弾圧当接させてもきれいに取り残しなく削取できない場合がある。特に大きい果実で肩の出っ張り度が大きいときれいに表皮を削取できない場合がある。
言い換えると、前述のように柿の実の大きさや保持部の大きさに応じて例えば図12に示すように回動軸部の傾斜角を調整することは難しいし、調整せずに大きさにバラツキのある果実の表皮を次々と削取する場合には、へた部周囲から頂部まで一工程できれいに削取することは難しい。
特許第3349561号公報
本発明はこのような問題を打破し、回転する果実に当てがう表皮剥き刃を、肩部から頂部へと略180度回動する一連の工程で、大きさにバラツキがあってもへた部周囲から頂部に至るまできれいに取り残すことなく表皮を連続削取でき、極めて作業性に優れ、また量産性に優れた極めて画期的な果実皮剥き機を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
果実1のへた部2若しくはへた部2近傍に当接して果実1を着脱自在に保持し且つ回転させる果実保持回転装置3と、この果実保持回転装置3により保持されて回転する果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取する表皮剥き刃7を有する表皮削取装置8とから成り、前記果実1に対して接離自在に可動する接離可動部9に前記表皮剥き刃7を設けた刃本体部10に、前記果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5に向う方向に前記表皮剥き刃7を回動する回動軸部11を設けて、前記果実保持回転装置3により回転する前記果実1の表皮6に前記表皮剥き刃7を当接させ、且つ前記回動軸部11を回動駆動源13により回動させて、前記表皮剥き刃7により前記果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取するように前記表皮削取装置8を構成し、前記回動軸部11の回動により前記刃本体部10を回動して前記表皮剥き刃7を回動することで、この回動軸部11及び前記刃本体部10を突出動させて前記表皮剥き刃7を突出動させるカム装置12を備えた構成とし、前記果実1のへた部2周囲の肩部4に前記表皮剥き刃7を当接した状態からこの表皮剥き刃7を頂部5に向う方向に前記回動軸部11により回動させることで表皮剥き刃7が前記カム装置12によって突出前進して頂部5若しくは頂部5近傍に達しへた部2周囲の肩部4から頂部5若しくは頂部5近傍に至るまでの表皮6を削取するように前記表皮削取装置8を構成したことを特徴とする果実皮剥き機に係るものである。
また、前記回動軸部11を回動させて前記刃本体部10を回動させ前記表皮剥き刃7を回動させる回動機構14を設けた前記表皮削取装置8の表皮削取装置本体部8Aを基台部15に対して突出動自在に設け、この表皮削取装置本体部8Aに前記回動軸部11若しくはこの回動軸部11の回動により連動回動する連動回動部24にカム部16を設け、前記基台部15に前記カム部16にカム当接するカム受部17を設けて、前記カム部16の回動に伴って前記基台部15に対して前記表皮削取装置本体部8Aを突出動させて表皮剥き刃7を回動しながら突出動させるように前記カム装置12を構成したことを特徴とする請求項1記載の果実皮剥き機に係るものである。
また、前記接離可動部9を果実1への接近方向に付勢する付勢体18を設けて接離可動部9に設けた前記表皮剥き刃7を前記果実1の前記表皮6に弾圧当接するように前記刃本体部10を構成し、前記へた部2と前記頂部5を上下方向にして前記果実保持回転装置3により前記果実1を保持し、前記回動軸部11は水平方向に配設して前記表皮剥き刃7を前記へた部2の周囲の肩部4に弾圧当接するように構成し、この刃本体部10を前記回動軸部11により180度前記頂部5方向に向って回動するように構成し、この回動軸部11による表皮剥き刃7の180度回動に際して前記カム装置12による回動軸部11方向への突出前進によって前記表皮剥き刃7が頂部5若しくは頂部5近傍に達するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の果実皮剥き機に係るものである。
また、前記刃本体部10及び表皮剥き刃7を果実1に向って進退調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の果実皮剥き機に係るものである。
また、前記刃本体部10を前記果実1に向って進退調整することで前記回動軸部11の前記回動により前記刃本体部10を突出動させる前記カム装置12の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置12の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃7は前記頂部5若しくは頂部5の近傍位置に達するように構成したことを特徴とする請求項4記載の果実皮剥き機に係るものである。
また、前記基台部15に対して前記表皮削取装置本体部8Aを進退させることで刃本体部10を前記果実1に向って進退させて前記表皮剥き刃7の前記果実1のへた部2周囲の肩部4に当接させる位置を調整自在に構成し、この基台部15に対する前記表皮削取装置本体部8Aの進退調整に伴って前記カム部16が前記基台部15に設けた前記カム受部17に対して進退調整され、このカム受部17に対するカム部16の位置調整によって、前記表皮剥き刃7を突出動させる前記カム装置12の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置12の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃7は前記頂部5若しくは頂部5の近傍位置に達するように構成したことを特徴とする請求項5記載の果実皮剥き機に係るものである。
また、前記へた部2と前記頂部5を上下方向として前記果実1を保持した場合、この上下方向に前記刃本体部10を高さ調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の果実皮剥き機に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、回転する果実に当てがう表皮剥き刃を、肩部から頂部へと略180度回動する一連の工程で、大きさにバラツキがあってもへた部周囲から頂部に至るまできれいに取り残すことなく表皮を連続削取でき、極めて作業性に優れ、また量産性に優れた極めて画期的な果実皮剥き機となる。
即ち、回転する果実に対して当てがう表皮剥き刃を回動させながらカム前進させることで、へた部に近づけた位置から頂部までをきれいに削取できるため、果実の大きさにバラツキがあっても常にきれいに取り残しなく削取できる画期的な果実皮剥き機となる。
また、請求項2,3記載の発明においては、一層本発明の効果が良好に発揮され、一層簡易な構成で実現できる極めて優れた果実皮剥き機となる。
また、請求項4,5,6記載の発明においては、果実の種類や大きさが異なる場合でも、また保持部の大きさが異なる場合でもこれに応じて表皮剥き刃のへた部周囲の肩部当接位置を容易に調整でき、本発明の作用・効果が良好に発揮される極めて優れた果実皮剥き機となる。
しかも特に請求項5,6記載の発明においては、前記調整において調整後も表皮剥き刃の終点位置(逆に動作させる場合は始点位置)は果実の頂部に位置するから、複雑な調整操作は不要で例えば果実の大きさに応じて始点位置(逆に動作させる場合は終点位置)をへた部に近づけるようにカム装置を介して表皮剥き刃を進退設定する進退調整を行うだけで、自動的にカム突出動の移動始点位置が調整されると共に移動終点は変更がなく簡単に調整でき、常にほとんど取り残しなくへた部周囲から頂部まで一工程で表皮をきれいに連続削取できる極めて優れた果実皮剥き機となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
例えばへた部2若しくはへた部2近傍から周囲肩部4まで表皮6を削取する前処理を施した果実1のこのへた部2に保持針を突き刺したり、あるいは吸引部を接触させて吸着するなどして、果実1のへた部2にこのような保持部19を当接して果実1を保持し、この保持部19に設けた回転軸20を回転駆動して果実1を回転させる。
即ち、例えばこのように構成した果実保持回転装置3により果実1を保持し果実1を回転させ、表皮削取装置8に設けた表皮剥き刃7をまだ削取していない表皮6を削取すべくこの果実1に当てがって、この表皮剥き刃7を肩部4から頂部5に向う方向に略180度回動させて表皮6を連続削取する。
このように例えば、果実1のへた部2を上部にし頂部5を下部にして果実1を果実保持回転装置3により吊り下げ保持し、これに表皮削取装置8の表皮剥き刃7を当てがって表皮剥き刃7を回動させて表皮6を削取するが、この際例えば先ず果実1のへた部2の周囲でこのへた部2に近づけて表皮剥き刃7を当接する(もちろん逆に頂部5から当接してへた部を連続削取しても良い。)。
また、例えばこのへた部2に近づけてセットした表皮剥き刃7を回動させる回動軸部11を水平配設して、この表皮剥き刃7を肩部4の上方から押し付け当接させるように構成することで、へた部2の近傍、即ち、へた部2に当接して果実1を保持している保持部19に十分近接させて表皮剥き刃7を配設できることとなり、できるだけへた部2に近い位置から表皮6を削取することができる。このようにたとえ前処理がすでにされていて表皮6がなくても保持部19に近づけてへた部2に近づけることで、果実1の大きさにバラツキがあっても、即ち小さな果実1の場合も取り残しなく表皮6を削取できる。
しかし、このまま単に180度下方へ回動したのでは頂部5まで削取できないし、また従来のように単に回転軸20を傾斜させて頂部5に達するように傾けたのでは保持部19に表皮剥き刃7を近づけられない。無理に表皮剥き刃7を保持部19に近づけ大きさのバラツキに対応するようにし、更に大きさにバラツキがあっても常に頂部5まで表皮6を削取するように180度頂部5に向けて回動したときに頂部5を超える位置にまで達するように設定すると、前述したように表面形状の曲率が肩部4で大きく変化することもあり回動軸をそのように傾けると、きれいに削取することができない場合がある。即ち、大きさにバラツキがあっても表皮6を削取できるように表皮剥き刃7を保持部19に近づけて当てがい、且つ頂部5まで常に削取しようとすることは構造上難しいだけでなく、これを実現しようとすると、きれいに表皮6を削取できないおそれがある。
この点本発明は、前記回動軸部11の回動により前記刃本体部10を回動して前記表皮剥き刃7を回動することで、この回動軸部11及び前記刃本体部10を突出動させて前記表皮剥き刃7を突出動させるカム装置12を備えた構成であるから、前記果実1のへた部2周囲に(保持部19に近づけた位置に)前記表皮剥き刃7を当接した状態からこの表皮剥き刃7を頂部5に向う方向に前記回動軸部11を回動させて回動すると、この回動する表皮剥き刃7が前記カム装置12によって回動しながら突出前進して頂部5若しくは頂部5近傍に達し、へた部2周囲の肩部4から頂部5若しくは頂部5近傍に至るまでの表皮6を、果実1の大きさが多少大小しても取り残しがなく、また大小しても常にきれいに連続削取することができる。
しかも本発明は、あくまで回動軸部11をへた部2に対して傾斜配設して肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取するのでなく、果実1に対して傾斜せずとも良く例えば果実1を上下方向に吊り下げ保持した場合は、回動軸部11を水平配設し、この回動軸部11により回動する刃本体部10に設けた表皮剥き刃7をへた部2の近傍に当接できるため、へた部2(保持部19)に近づけてセットすることが簡単な構成となり、この回動軸部11により刃本体部10(表皮剥き刃7)を回動すると共に、カム装置12によって刃本体部10をこの回動軸部11方向に(回動しながら)突出前進するから、たとえへた部2近傍(保持部19に十分に近づけたとしても)この保持部19近傍から頂部5に至るまで大きさにバラツキがあっても取り残しなく且つきれいに表皮6を連続削取できる。即ち、図9に示す回動軸部11による回動(図の左列)とカム装置12による突出動(図の右列)との二つの動きが複合した一動作で、たとえ果実1の大きさにバラツキがあっても取り残しなく(極めて少なく)前処理と合わせて肩部4から頂部5までを簡単な構成できれいに連続削取できることとなる。
このように本発明は、回動軸部11を傾動配設する構成としなくても良いため、へた部2の近傍に表皮剥き刃7をセットでき、この調整も必要に応じて簡易な構成で容易に調整できる構成であり、またこの調整も例えばカム装置12を介して進退調整すれば、更に簡易な構成であって簡易な調整操作でへた部2近傍へのセットと頂部5への位置調整も極めて簡単に実現できることとなる。
即ち、表皮剥き刃7を簡単にへた部2近傍(保持部19近傍)に調整セットすることができ、またしかもこのセットによって自動的に常に表皮剥き刃7を180度回動すると頂部5に達するようにセットすることも簡易な構成で実現でき、これにより果実1の大きさのバラツキがあっても常に取り残しなくきれいに剥取できる画期的な果実皮剥き機となるものです。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、柿の実のへた部2及びその周囲の表皮6を削取する前処理を行った柿の実(果実1)を供給部21に供給し、この供給部21の柿の実1を取り出して保持部19に保持して残りの表皮6を表皮剥き刃7によって一挙に削取する装置であり、本実施例では後述する保持部19を移動制御して逐次供給部21から柿の実1を吸着保持して取り出し、表皮剥き刃7による削取を終えると供給部21に戻したり排出位置へ搬送したりする構成としている。
以下、本実施例について更に説明する。
本実施例では、前処理した果実1のへた部2近傍に当接して果実1を着脱自在に吸着機構により吸着保持し且つ回転させる果実保持回転装置3と、この果実保持回転装置3により保持されて回転する果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取する表皮剥き刃7を有する表皮削取装置8とから成る。
本実施例の果実保持回転装置3は、前述のように回転機構により回転する回転軸20の下端部に保持部19を設け、この保持部19を柿の実1のへた部2に当接して吸引機構により柿の実1を吸い上げ柿の実1を吸着して頂部5を下に吊り下げ保持して自転回転するように構成し、この保持部19を移動制御すると共に吸着力をON・OFF制御するなどして柿の実1の搬送・搬出も行うように構成している。
また前記表皮削取装置8は、取付台座としての刃本体部10に、果実1に対して接離自在に可動する接離可動部9を設け、この接離可動部9の先端部に前記表皮剥き刃7を設けた構成としている。この表皮剥き刃7は取付枠に横長刃を可動自在に架設したものである。この表皮剥き刃7を有する体部10に前記果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5に向う方向に前記表皮剥き刃7を回動することになる回動軸部11を設けて、前記果実保持回転装置3により回転する前記果実1の表皮6に前記表皮剥き刃7を当接させ、且つ前記回動軸部11を回動駆動源13により回動させて、表皮剥き刃7により果実1のへた部2周囲の肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取するように前記表皮削取装置8を構成している。
具体的には、前記取付台座となる刃本体部10に前記接離可動部9を可動自在に設けると共に、この接離可動部9と刃本体部10とに接離可動部9を果実1への接近方向に付勢する付勢体18を設けて、接離可動部9に設けた前記表皮剥き刃7を果実1の表皮6に弾圧当接するように刃本体部10を構成し、前記へた部2と前記頂部5を上下方向にして前記果実保持回転装置3の保持部19により前記果実1を保持し、前記回動軸部11は水平方向に配設して前記表皮剥き刃7を前記へた部2の周囲の肩部4に上方から下方へ押さえ込むように軽く弾圧当接する構成としている。
また本実施例では、前記回動軸部11の回動により前記刃本体部10を回動して前記表皮剥き刃7を回動するが、前述のように回動駆動源13に回動により回動伝達機構を介して回動軸部11を回動駆動するように構成すると共にこの回動軸部11に更に回動伝達機構を設けて、回動軸部11に対して下方に並設配設したカム回転軸23を伝達回動するように構成し、これら回動機構14を介して回動軸部11を回動して表皮剥き刃7を180度下方へ回動することでカム回転軸23も伝達回動し、このカム回転軸23に設けたカム装置12によりこの回動軸部11及び前記刃本体部10を果実1の中心に向かう回動軸部11の軸方向に突出動させて前記表皮剥き刃7を突出動させる構成としている。
即ち、果実1のへた部2周囲の肩部4に前記表皮剥き刃7を当接した状態からこの表皮剥き刃7を頂部5に向う方向(下方)に前記回動軸部11により回動させることで、表皮剥き刃7が前記カム装置12によって突出前進して頂部5に達しへた部2周囲の肩部4から頂部5若しくは頂部5に至るまでの表皮6を削取するように前記表皮削取装置8を構成している。
更に説明すると、前記回動軸部11により前記刃本体部10を回動させる回動機構14(回動駆動源13や回動伝達機構)を設けた表皮削取装置8をユニット化した表皮削取装置本体部8Aを基台部15に対して突出動自在に設け、この表皮削取装置本体部8Aには、前述のように前記回動軸部11とこの回動軸部11の回動により連動回動する前記カム回転軸23を設け、そしてこのカム回転軸23に連動回動部24を設け、この連動回動部24にカム部16を設け、前記基台部15にはこのカム部16にカム当接するカム受部17を設けて、前記カム部16の連動回動に伴ってカム部16とカム受部17とがカム付勢体22により付勢されつつカム当接しこのカム部16やカム受部17に設定したカム形状によってスライド力を生じさせて前記基台部15に対して前記表皮削取装置本体部8Aを突出動させ表皮剥き刃7を突出動させるように前記カム装置12を構成している。
具体的には、前記基台部15に表皮削取装置8のユニットベース、即ち、表皮削取装置本体部8Aの取付ベースとしてのケース体25を基台部15にスライドガイド機構28(ガイドピンとガイド孔)を介してスライド自在に設け、固定側となる基台部15にはピン状のカム受部17を設け、これに当接するカム部16をカム回転軸23に設けた連動回動部24に設けている。即ち、表皮削取装置本体部8Aはケース体25に回動軸部11とカム回転軸23とを上下に並設すると共に、回動駆動源13により双方を連動回動する伝達機構をも組み込んでユニット化とし、この表皮削取装置8を構成する表皮削取装置本体部8Aを基台部15に対して前記スライドガイド機構28を介してスライド自在に設けている。
前記カム部16は、連動回動部24の端縁をカップ状に形成し、回動軸部11と共にカム回転軸23を回動してこの連動回動部24を回動することでこのカップ状のカム部16を回動させて、本実施例では回動途中からカム受部17が当接していることでこのカム形状の設定によってスライド力が生じて表皮削取装置本体部8Aを基台部15に対して前進させて表皮剥き刃7を果実1に突出前進させ、このカムによる突出前進と回動軸部11による180度回動を終えると表皮剥き刃7が丁度頂部5に達するように構成している。
従って、図2〜図9及び図10(a)に示すように、あくまで回動軸部11をへた部2に対して傾斜配設して肩部4から頂部5にかけての表皮6を削取するのでなく、果実1に対して傾斜せずとも良く例えば果実1を上下方向に吊り下げ保持し、回動軸部11を水平配設し、この回動軸部11により回動する刃本体部10に設けた表皮剥き刃7をへた部2の近傍に当接できるため、へた部2(保持部19)に近づけてセットすることが簡単な構成となり、この回動軸部11により刃本体部10(表皮剥き刃7)を回動すると共に、カム装置12によって刃本体部10をこの回動軸部11方向に(回動しながら)突出前進するから、たとえへた部2近傍(保持部19に十分に近づけたとしても)この保持部19近傍から頂部5に至るまで取り残しなくきれいに表皮6を連続削取できる。
即ち、図9に示す回動軸部11による回動(図の左列)とカム装置12による突出動(図の右列)との二つの動きが複合した一動作で、たとえ果実1の大きさにバラツキがあっても取り残しなく(極めて少なく)前処理と合わせて肩部4から頂部5までを簡単な構成できれいに連続削取できることとなる。
また本実施例では、前記刃本体部10及び表皮剥き刃7を果実1に向って進退調整自在に構成しているが、前記刃本体部10を前記果実1に向って進退調整することで前記回動軸部11の前記回動により前記刃本体部10を突出動させる前記カム装置12の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置12の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃7は前記頂部5に達するように構成している。
即ち、本実施例では、前記基台部15に対して前記表皮削取装置本体部8Aを進退させることで刃本体部10を前記果実1に向って進退させて前記表皮剥き刃7の前記果実1のへた部2周囲の肩部4に当接させる位置を調整自在に構成し、この基台部15に対する前記表皮削取装置本体部8Aの進退調整に伴って前記カム部16が前記基台部15に設けた前記カム受部17に対して進退調整され、このカム受部17に対するカム部16の位置調整によって、前記表皮剥き刃7を突出動させる前記カム装置12の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置12の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃7は前記頂部5に達するように構成している。
カム部16のカム形状の設定によって、例えば図10(a)から(b)に調整することで、(a)に示すように途中から(本実施例では略90度回動位置から)カム部16とカム受部17との当接によるスライド力が生じて所定ストローク突出前進して移動終点では頂部5に達するが、(b)に示すように表皮削取装置本体部8Aをスライドさせて表皮剥き刃7を保持部19に接近させたりへた部2に接近させると、この調整によってカム部16に対してカム受部17が離れることになり、回動するとカム部16とカム受部17とが当接してスライド力を生む開始位置が遅れることとなる。即ち、カム部16が途中からカム受部17に当接することになるが最終のスライド位置には変わりがなく、常に移動終点位置は頂部5となることには換わりがない。
この調整機構は、カム付勢体22により戻り付勢されている表皮削取装置本体部8A(ケース体25)を受けるストッパー26を基台部15に設け、このストッパー26を長窓27を介して突出動方向に移動調整自在に構成することで表皮削取装置本体部8Aの位置、即ち表皮剥き刃7のセット位置をこの突出動方向に移動調整自在に構成している。
即ち、本実施例では、基台部15に対して表皮削取装置8(表皮削取装置本体部8A)をスライド自在に設けて、これにカム装置12を設けて表皮削取装置8(表皮削取装置本体部8A)を突出動させるが、この表皮削取装置8をカム装置12のカム部16とカム受部17を当接付勢するカム付勢体22に抗して表皮削取装置8を予めスライド調整して(調整する)ストッパー26に係止させることで前述のような調整が行えるように構成している。
従って、回動軸部11を傾動配設する構成としなくても良いため、へた部2の近傍に表皮剥き刃7をセットでき、この調整も必要に応じて簡易な構成で容易に調整できる構成であり、またこの調整も前述のようにカム装置12を介して進退調整すれば、更に簡易な構成で簡易な調整操作でへた部2近傍へのセットと頂部5への位置調整も極めて簡単に実現できることとなる。
即ち、表皮剥き刃7を簡単にへた部2近傍(保持部19近傍)にセットすることができ、またしかもこのセットによって自動的に常に表皮剥き刃7を180度回動すると頂部5に達するようにセットすることも簡易な構成で実現でき、これにより果実1の大きさのバラツキがあっても常に取り残しなくきれいに剥取できる画期的な果実皮剥き機となる。
また本実施例では、前記へた部2と前記頂部5を上下方向として前記果実1を保持した場合、この上下方向に前記刃本体部10を高さ調整自在に構成している。
具体的には基台部15を長窓27と止着具を用いて上下調整自在に取付台にセットできるように構成している。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の概略構成斜視図である。 本実施例の動作開始位置での説明側断面図である。 本実施例の動作途中での説明側断面図である。 本実施例の動作終了時の説明側断面図である。 本実施例の大きさの異なる果実や大きさの異なる保持部に対して調整設定した後での動作開始位置での説明側断面図である。 本実施例の要部の説明側断面図である。 本実施例の要部の説明分解斜視図である。 本実施例のカム装置の要部の説明斜視図である。 本実施例の回動動作と突出動作とが複合した動作となることを示す説明図である。 本実施例のカム装置によって突出動することとカム部とカム受部との位置が変化することで前記突出動の移動始点が変化するが移動終点は変化しないことを示す説明図である。 従来例の動作説明図である。 従来例での果実の大きさに応じて傾斜度を変更することを示す動作説明図である。
符号の説明
1 果実
2 へた部
3 果実保持回転装置
4 肩部
5 頂部
6 表皮
7 表皮剥き刃
8 表皮削取装置
8A 表皮削取装置本体部
9 接離可動部
10 刃本体部
11 回動軸部
12 カム装置
13 回動駆動源
14 回動機構
15 基台部
16 カム部
17 カム受部
18 付勢体
24 連動回動部

Claims (7)

  1. 果実のへた部若しくはへた部近傍に当接して果実を着脱自在に保持し且つ回転させる果実保持回転装置と、この果実保持回転装置により保持されて回転する果実のへた部周囲の肩部から頂部にかけての表皮を削取する表皮剥き刃を有する表皮削取装置とから成り、前記果実に対して接離自在に可動する接離可動部に前記表皮剥き刃を設けた刃本体部に、前記果実のへた部周囲の肩部から頂部に向う方向に前記表皮剥き刃を回動する回動軸部を設けて、前記果実保持回転装置により回転する前記果実の表皮に前記表皮剥き刃を当接させ、且つ前記回動軸部を回動駆動源により回動させて、前記表皮剥き刃により前記果実のへた部周囲の肩部から頂部にかけての表皮を削取するように前記表皮削取装置を構成し、前記回動軸部の回動により前記刃本体部を回動して前記表皮剥き刃を回動することで、この回動軸部及び前記刃本体部を突出動させて前記表皮剥き刃を突出動させるカム装置を備えた構成とし、前記果実のへた部周囲の肩部に前記表皮剥き刃を当接した状態からこの表皮剥き刃を頂部に向う方向に前記回動軸部により回動させることで表皮剥き刃が前記カム装置によって突出前進して頂部若しくは頂部近傍に達しへた部周囲の肩部から頂部若しくは頂部近傍に至るまでの表皮を削取するように前記表皮削取装置を構成したことを特徴とする果実皮剥き機。
  2. 前記回動軸部を回動させて前記刃本体部を回動させ前記表皮剥き刃を回動させる回動機構を設けた前記表皮削取装置の表皮削取装置本体部を基台部に対して突出動自在に設け、この表皮削取装置本体部に前記回動軸部若しくはこの回動軸部の回動により連動回動する連動回動部にカム部を設け、前記基台部に前記カム部にカム当接するカム受部を設けて、前記カム部の回動に伴って前記基台部に対して前記表皮削取装置本体部を突出動させて表皮剥き刃を回動しながら突出動させるように前記カム装置を構成したことを特徴とする請求項1記載の果実皮剥き機。
  3. 前記接離可動部を果実への接近方向に付勢する付勢体を設けて接離可動部に設けた前記表皮剥き刃を前記果実の前記表皮に弾圧当接するように前記刃本体部を構成し、前記へた部と前記頂部を上下方向にして前記果実保持回転装置により前記果実を保持し、前記回動軸部は水平方向に配設して前記表皮剥き刃を前記へた部の周囲の肩部に弾圧当接するように構成し、この刃本体部を前記回動軸部により180度前記頂部方向に向って回動するように構成し、この回動軸部による表皮剥き刃の180度回動に際して前記カム装置による回動軸部方向への突出前進によって前記表皮剥き刃が頂部若しくは頂部近傍に達するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の果実皮剥き機。
  4. 前記刃本体部及び表皮剥き刃を果実に向って進退調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の果実皮剥き機。
  5. 前記刃本体部を前記果実に向って進退調整することで前記回動軸部の前記回動により前記刃本体部を突出動させる前記カム装置の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃は前記頂部若しくは頂部の近傍位置に達するように構成したことを特徴とする請求項4記載の果実皮剥き機。
  6. 前記基台部に対して前記表皮削取装置本体部を進退させることで刃本体部を前記果実に向って進退させて前記表皮剥き刃の前記果実のへた部周囲の肩部に当接させる位置を調整自在に構成し、この基台部に対する前記表皮削取装置本体部の進退調整に伴って前記カム部が前記基台部に設けた前記カム受部に対して進退調整され、このカム受部に対するカム部の位置調整によって、前記表皮剥き刃を突出動させる前記カム装置の移動始点が連動調整され、且つこのカム装置の移動終点は調整されず調整後も移動終点では前記表皮剥き刃は前記頂部若しくは頂部の近傍位置に達するように構成したことを特徴とする請求項5記載の果実皮剥き機。
  7. 前記へた部と前記頂部を上下方向として前記果実を保持した場合、この上下方向に前記刃本体部を高さ調整自在に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の果実皮剥き機。
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