JP2009291014A - 電源装置 - Google Patents

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Hiroyasu Ose
弘泰 尾世
Seiji Ago
誠二 吾郷
Yasuo Kumagai
靖夫 熊谷
Sumio Hachitani
澄夫 蜂谷
Tomohiro Usui
知博 薄井
Tomozo Sakaguchi
知三 坂口
Kazuo Hirota
一雄 広田
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Abstract

【課題】静電誘導により生じた電力を用いて負荷を効率良く駆動する。
【解決手段】静電誘導により所定電位を基準として発生する誘導電圧に応じた電力を負荷に供給する電源装置であって、誘導電圧が1次側電圧として印加される1次巻線と、2次側電圧に応じた電力が取り出される2次巻線と、を有した複数の電源変圧器と、複数の前電源変圧器それぞれの2次巻線から取り出される電力を全波整流する複数の整流回路と、を備え、複数の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して負荷に供給する。若しくは、電源変圧器の1次巻線から取り出される電力を全波整流する第1の整流回路と、電源変圧器の2次巻線から取り出される電力を全波整流する第2の整流回路と、を備え、第1の整流回路と第2の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して負荷に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線による静電誘導作用を利用した電源装置に関する。
高所に架線されている送電線の存在を、夜間に付近を飛行する航空機やヘリコプター、若しくは送電線の下方を通過する車両や船舶等に認識せしめ、不足の事故が発生するのを未然に防止するために、架空送電線用標識灯を設けることが必要とされている。
ところで、鉄塔に架空送電線用障害灯を設置する場合、現地には電源がない場合が多く、最も近い所にある配電線から給電用の低圧線を鉄塔まで施設する必要があるが、この手法では、給電のための配電設備の設置コストが高くつくことになる。
そこで、例えば、特許文献1では、避雷用に架空地線(GW:Ground Wire)が送電鉄塔や電柱の最上端に架けられているが、その架空地線を鉄塔と絶縁状態にし、架空地線と送電線との間の漂遊静電容量に誘起される電圧を利用して航空障害灯を点灯させる手法が提案されている。
特許文献2では、コイルと発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を有する標識灯を送電線の外周部に取り付け、送電線を流れる電流によりコイルに発生した誘導電流を用いて発光ダイオードを点灯させる手法が提案されている。
特許文献3では、太陽電池と、太陽電池から得られる起電力を蓄電する蓄電池と、蓄電池からの電力により発光すべく送電線に取り付けられる発光標識体と、外部が暗くなったことを検知して発光標識体を作動させる光センサスイッチとを備えた夜間標識灯が提案されている。
特開平6−225483号公報 特開平8−126177号公報 特開平6−269118号公報
特許文献1、2の手法では送電線から誘導された電力をそのまま用いて点灯する手法であり、特許文献3の手法では太陽電池自体の電力変換効率の低さより、特許文献1〜3のいずれの手法も、微小な電力しか取得することができない。このため、架空送電線用標識灯として要求される所定輝度が得られない場合には、所定輝度に応じて発光ダイオード等の発光素子の個数を増やしていく必要があるが、その結果、架空送電線用標識灯の規模が大きくなってしまうという問題がある。そして、製作コスト、設置コスト、所定輝度が得られるまでの測定に費やされる測定コスト、設置後の風損等によるメンテナンスコスト等といった各種コストが増大するという問題が生じてくる。
以上のような問題によって、特許文献1〜3のいずれの手法を、鉄塔周辺の架空送電線への適用や架空送電線用標識等以外の負荷への適用を図ったとしても、現実的には実施することが困難である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、静電誘導により発生した電力を用いて負荷を効率良く駆動することである。
上記課題を解決するための主たる本発明は、静電誘導により所定電位を基準として発生する誘導電圧に応じた電力を負荷に供給する電源装置であって、前記誘導電圧が1次側電圧として印加される1次巻線と、2次側電圧に応じた前記電力が取り出される2次巻線と、を有した複数の電源変圧器と、複数の前記電源変圧器それぞれの前記2次巻線から取り出される電力を全波整流する複数の整流回路と、を備え、前記複数の整流回路を前記負荷に対して並列に配設して、前記複数の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して前記負荷に供給する電源装置である。
上記課題を解決するためのその他の本発明は、静電誘導により所定電位を基準として発生する誘導電圧に応じた電力を負荷に供給する電源装置であって、前記誘導電圧が1次側電圧として印加される1次巻線と、2次側電圧に応じた電力が取り出される2次巻線と、を有し、2次側を接地させる電源変圧器と、前記電源変圧器の前記1次巻線から取り出される電力を全波整流する第1の整流回路と、前記電源変圧器の前記2次巻線から取り出される電力を全波整流する第2の整流回路と、を備え、前記第1の整流回路と前記第2の整流回路とを前記負荷に対して並列に配設して、前記第1の整流回路と前記第2の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して前記負荷に供給する、電源装置である。
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、静電誘導により発生した電力を用いて負荷を効率良く駆動することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
<<<第1実施形態に係る電源装置>>>
===電源装置の全体構成===
以下、図1を用いて第1実施形態に係る静電誘導作用を利用した電源装置100の全体的な構成を説明する。
電源装置100は、電線Lに対して、2組の電極板1a、1bと、2組の電極板1a、1bそれぞれに対応して配設される電力供給器3a、3bと、を具備する。
2組の電極板1a、1bは、電線Lと大地(アース)Eとの間に、電線Lに略平行になるように並列に配置される。このような配置により、電線Lに電圧を印加することに伴う静電誘導作用によって、電線Lと2組の電極板1a、1b(第1電位となる第1導電体)との間には相互静電容量がそれぞれ存在し、電極板1a、1bと大地E(第2電位となる第2導電体)との間には静電容量がそれぞれ存在することになる。
2組の電力供給器3a、3bは、電極板1a、1bと大地E(所定電位)との間の静電容量に応じた誘導電圧(電位差)が印加され、負荷40に対して電力を供給する。即ち、負荷40は、2組の電力供給器3a、3bからの電力を合成して駆動される。尚、2組の電力供給器3a、3bは、電源変圧器32a、32bと、整流回路34a、34bと、を具備する。電源変圧器32a、32bと整流回路34a、34bの詳細に関しては後述する。
尚、電線Lと並列に配置する電極板は、電極板1a、1bのように2組である必要はない。負荷40の仕様に応じた必要な電力と電源装置100の規模とのバランスで電極板の必要な組数が定められる。電力供給器の個数についても同様である。また、電極板1a、1bとそれぞれペアを成す電極は、大地Eそのものである必要はなく、大地Eと略同じ電位を有する導電体(第2電位となる第2導電体。例えば、鉄塔やアークホーン等)であってもよいし、いずれにしても電極板1a、1bより低い電位を有する導電体であればよい。また、詳細は後述するが、電極板1a、1bは、平板ではなく湾曲な板でもよいし、その他に、穴空き板、メッシュ板等の形状であってもよい。
また、電源装置100の駆動対象の負荷40としては、後述のとおり、LED4等の非線形発光素子で構成される架空送電線用標識灯10の他に、モータ、通信機器、照明装置、表示装置等であってもよい。
===電源装置の詳細構成===
以下、図2を用いて電源装置100の詳細な構成例を説明する。尚、図2では、図1に示される負荷40を、LED(Light Emitting Diode)4に置き換えた場合である。LED4は、入力電圧が高くなるに従って出力電流が非線形に増加する非線形特性、さらに付言すると指数関数的に増加する非線形特性(ダイオードの静特性)を持った非線形素子である。
電源変圧器32aは、複巻変圧器であり、1次巻線321aと2次巻線322aとが電気的に絶縁されている。電源変圧器32aを理想変圧器とすると、電極板1aと大地Eとの間の誘導電圧が一次電圧V1aとして1次巻線321に印加されると、1次巻線321との間の相互誘導によって、1次巻数に対する2次巻数の比として表される変圧比(=2次巻数/1次巻数)によって変圧された2次側電圧V2aが2次巻線322aから取り出される。換言すると、1次側電圧V1aが印加されて1次巻線321に1次電流I1aが流れると、上記の変圧比の逆数で表される変流比(=1次巻数/2次巻数)によって変流された2次側電流I2aが2次巻線322aに流れる。
電源変圧器32aは、1次巻数と2次巻数の比を1対1とすることで、変圧比並びに変流比を1に設定している。しかし、現実的には、漏れ磁束や巻線の銅損等によって理想変圧器の場合の変圧比並びに変流比が略成立する。
整流回路34aは、電源変圧器32aの2次巻線322aより出力される2次側電圧V2を全波整流した整流電圧V3aをLED4に印加する。尚、電圧を電力に置き換えても同様のことが言える。即ち、整流回路34aは、電源変圧器32aの2次巻線322aより取り出される電力を全波整流してLED4に供給する。
整流回路34aは、4つのダイオード素子341a〜341dを用いたブリッジ整流回路として構成される。電源変圧器32aの2次側電圧V2aが大地Eを基準として正となる場合にはダイオード素子341a、344aを介してLED4に印加される。一方、電源変圧器32aの2次側電圧V2aが大地Eを基準として負となる場合にはダイオード素子342a、343aを介してLED4に印加される。即ち、整流回路34aよりLED4に印加される電圧は、電源変圧器32aの2次巻線322aから取り出される電圧V2を全波整流した整流電圧V3となる。
電力供給器3bは、電力供給器3aと同一の構成である。即ち、電源変圧器32bは、電極板1bと大地Eとの間の誘導電圧が1次側電圧V1bとして印加される1次巻線321bと、誘起された2次側電圧V2bに応じた電力が取り出される2次巻線322bと、を有する。1次巻線321bと2次巻線322bの比は1対1であり、変圧比並びに変流比は1としている。整流回路34bは、4つのダイオード素子341b〜344bを組み合わせたダイオードブリッジ型の全波整流回路であり、電源変圧器32bの2次巻線322bから取り出される電力を全波整流してLED4に供給する。
尚、電源変圧器32aの1次巻線321a、2次巻線322a、電源変圧器32bの1次巻線321b、2次巻線322bは全て同極性としており、電源変圧器32bの2次側電圧V2bは、電源変圧器32aの2次側電圧V2aと同位相であり、整流回路34bの整流電圧V3bは、整流回路34aの整流電圧V3aと同位相である。即ち、整流回路34a、34bそれぞれからLED4に供給される全波整流された電力は同位相となっている。尚、電力が同位相とは、電力Pが「P=E×sin(ωt+φ);Eは振幅、ωは角速度周波数、φは位相」で表現される場合に「φ」が同じになることである。
また、整流回路34aのブリッジ頂点a1、a3との間には電源変圧器32aの2次巻線322aが接続され、整流回路34bのブリッジ頂点b1、b3との間には電源変圧器32bの2次巻線322bが接続される。さらに、整流回路34aのブリッジ頂点a2と整流回路34bのブリッジ頂点b2がLED4のアノード側に共通接続され、整流回路34aのブリッジ頂点a4と整流回路34bのブリッジ頂点b4がLED4のカソード側に共通接続される。このような接続によって、電力供給器34a、34bの整流回路34a、34bは、負荷であるLED4に対して並列に配設される。
===電源装置の実験結果===
電源装置100の電気的性能を検証する実験として、電線Lと電極板のペアを1組とした場合(電極1組の場合)と2組とした場合(電極2組の場合)それぞれで各種項目の測定を行った結果をまとめたものが図3である。尚、電極1組の場合の電源装置とは、図2に示される電源装置100の中で電極板1bと電力供給器3bとを省略したような構成である。
上記実験の条件として、LED4としては高輝度白色LEDを使用し、電極板1a、1bとしては「0.5m×2m」のものを使用し、電線Lと電極板1a、1bの距離としては「0.9m」とした。図3に示す測定結果では、電線Lへの印加電圧Vを「38kV」、「50kV」、「64kV」、「100kV」と変えていった場合に、電極1組の場合と電極2組の場合それぞれにおいて、LED4の動作電圧(以下、LED電圧という)V4(V)、LED4の動作電流(以下、LED電流という)I4(mA)、電源変圧器32の1次側電流I1(mA)、2次側電流I2(mA)、発光輝度(cd/m2)を測定項目としている。
図4(a)は、図3に示した実験結果の中から電線Lへの印加電圧Vに対応したLED電流I4の計測値を、電極1組の場合と電極2組の場合とでまとめた表である。図4(b)は、図4(a)に示す表をグラフ化したものである。図4(a)、(b)により、電極2組の場合の方が電極1組の場合よりもLED電流I4が大きくなることが分かる。
図5(a)は、図4に示す実験結果の中から電線Lへの印加電圧Vに対応したLED4の発光輝度の計測値を、電極1組の場合と電極2組の場合とでまとめた表である。図5(b)は、図5(a)に示す表をグラフ化したものである。図5(a)、(b)により、電極2組の場合の方が電極1組の場合よりもLED4の発光輝度が高くなることが分かる。
上記のとおり、第1実施形態では、複数の電極板(1a、1b等)それぞれに対応した複数の電力供給器(3a、3b等)を備え、複数の電力供給器(3a、3b等)が備える複数の整流回路(34a、34b等)を負荷40に対して並列に配設し、複数の整流回路(34a、34b等)それぞれにおいて全波整流された電力を合成して負荷40に供給するようにした。この結果、負荷40を効率良く駆動することが可能となった。例えば、負荷40をLED4とした場合には、LED電流が大きくなりLED4の発光輝度が高くなることが、上記の実験結果により確認された。
また、第1実施形態では、複数の整流回路(34a、34b等)それぞれから負荷40に供給される全波整流された電力は全てにおいて同位相とした。この結果、合成される電力間において位相差がなくなり、電力合成の際の脈動(リップル)が抑えられ、負荷40を安定的に駆動することができる。また、複数の整流回路(34a、34b等)からの各電力のいずれかが逆位相であった場合等と対比して、合成後の電力を大きくすることができ、負荷40をより効率良く駆動することが可能となる。
さらに、第1実施形態では、複数の電源変圧器(32a、32b等)それぞれの変流比を同一の変流比に揃えるようにした。上記の例では、同一の変流比を1とした場合を説明している。この結果、合成される電力間において振幅の違いがなくなり、各電力の電力合成の際の脈動(リップル)が抑えられ、負荷40を安定的に駆動することができる。
また、同一の変流比を1よりも大きく設定した場合、さらに負荷40を効率良く駆動することが可能となる。詳述すると、電線Lと大地Eとの間の静電容量Cを絶縁抵抗Rに置き換え、電線Lと対地Eとの間の電圧(電線Lへの印加電圧)をVとし、同一の変流比をn(>1)とし、LED電圧とLED電流をそれぞれvとiで表現したとき、LED4の負荷線は、つぎの式(1)のような近似式で表すことができる。
i = n*(V/R) ・・・(1)
入力電圧が高くなるに従って出力電流が非線形に増加するLED4の出力特性のグラフに対して式(1)の負荷線のグラフを重ね合わせると、その交点がLED4の動作点となり、この動作点によりLED4の動作電圧並びに動作電流が求められる。
すると、式(1)によれば、変流比nが大きくなるに従って、動作点が変化し、LED4の動作電圧v並びに動作電流iが高くなり、LED4の個数当たりの発光輝度を高め、LED4の駆動効率を向上できることが分かる。この結果、LED4等の非線形素子で構成される負荷40を効率良く駆動し、その規模を抑えることができ、負荷40を安価に構成することが可能となる。
<<<第2実施形態に係る電源装置>>>
===電源装置の構成===
以下、図6を用いて第2実施形態に係る静電誘導作用を利用した電源装置200の全体的な構成を説明する。尚、図6では、図1に示した電源装置100と同じ構成については同一の符号を付している。
電源装置200は、電線Lに対して、1組の電極板1と、1組の電極板1に対応して配設される1組の電力供給器5と、を具備する。即ち、1組の電極板1を用いる点と、電力供給器5の構成とが、図1に示す電源装置100と相違している。
電力供給器5は、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧が1次側電圧V1として印加される1次巻線521と、1次巻線521との間の相互誘導によって2次側電圧V2に応じた電力が取り出される2次巻線522と、を具備した電源変圧器52を備える。尚、1次巻線521の1次巻数に対する2次巻線522の2次巻数の比は1対1としており、変圧比並びに変流比を1に設定している。また、電源変圧器52は、2次側を接地している。
さらに、電力供給器5は、1次巻線521と負荷40との間に設けられ、1次巻線521から取り出される電力を全波整流して負荷40に供給する1次側整流回路54と、2次巻線522と負荷40との間に設けられ、2次巻線522から取り出される電力を全波整流して負荷40に供給する2次側整流回路56と、を備える。
1次側整流回路54と2次側整流回路56は、図2に示した整流回路34a、34bと同様に、4つのダイオード素子(561〜564、541〜544)を組み合わせたダイオードブリッジを採用しており、負荷40に対して並列に配設される。このような配置によって、1次側整流回路54と2次側整流回路56それぞれにおいて全波整流された電力が合成されて負荷40に供給される。
===電源装置の実験結果===
図7は、1次側整流回路54と2次側整流回路56それぞれにおいて全波整流された電力が同位相(位相差が0°)となる場合の電源装置200の構成を示した図である。尚、負荷40をLED4に置き換え、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧を交流電源10として表現している。
1次側整流回路54と2次側整流回路56それぞれにおいて全波整流された電力を同位相とするために、図11に示すように、1次巻線521と2次巻線522を同極性としている。このため、1次巻線521の1次側電圧V1(T1’の電位を基準としたT1−T1’間の電位差)と2次巻線522の2次側電圧V2(T2’の電位を基準としたT2−T2’間の電位差)とは同位相である。
図7中において、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544、2次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564、それぞれにおいて○印で囲まれているが、この○印は、交流電源10の1サイクルの間に通電状態となることを表している。
1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合には、1次側整流回路54のダイオード素子541、544が通電するとともに、2次側整流回路56のダイオード素子561、564が通電する。一方、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合には1次側整流回路54のダイオード素子543、542が通電するとともに、2次側整流回路56のダイオード素子563、562が通電する。
従って、同位相の場合、交流電源10の1サイクルの間に、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544、2次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564の全てが通電する。
尚、同位相の場合の電源装置200の電気的性能を検証する実験として、各種項目の測定を行った結果をまとめたものが図8(a)、図8(b)である。図8(a)に示す測定結果では、電源変圧器52の1次側電圧V1を「2.54V」、「2.79V」、「2.94V」と変えていった場合に、電源変圧器52の2次側電流I2(mA)、電源変圧器52の1次側電流I1(mA)、AC電流計とDC電流計でそれぞれ測ったLED電流I4(mA)、LED輝度(cd/m2)を測定項目としている。図8(b)は、図8(a)に示した実験結果の中から、2次側電流I2に対するLED電流I4(AC電流計の場合)の変化をグラフ化したものである。
図9は、1次側整流回路54と2次側整流回路56それぞれにおいて全波整流された電力が逆位相(位相差が180°)となる場合の電源装置200の構成を示した図である。尚、負荷40をLED4に置き換え、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧を交流電源10として表現している。
1次側整流回路54と2次側整流回路56それぞれにおいて全波整流された電力を逆位相とするために、図12に示すように、1次巻線521と2次巻線522を逆極性としている。このため、1次巻線521の1次側電圧V1(T1’の電位を基準としたT1−T1’間の電位差)と2次巻線522の2次側電圧V2(T2’の電位を基準としたT2−T2’間の電位差)とは逆位相である。
図9中において、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544、2次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564のうち、1次側整流回路54のダイオード素子541〜542、2次側整流回路56のダイオード素子563〜564、それぞれにおいて○印で囲まれているが、この○印は、交流電源10の1サイクルの間に通電状態となることを表している。
まず、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544の1サイクル間の通電状況に関して、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合と、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合と、に分けて説明する。
1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合、1次側電圧V1が正のためにブリッジ頂点b1の電位がブリッジ頂点b3の電位を基準として正となる。すると、ブリッジ頂点b2−b1間の電圧は、ダイオード素子541の順方向電圧となるので、ダイオード素子541は通電する。
また、この場合、ブリッジ頂点b1の電位が正となるため、ブリッジ頂点b4−b1間の電圧は、ダイオード素子542の逆方向電圧となり、ダイオード素子542は通電しない。
さらに、この場合、ブリッジ頂点b3の電位はGNDであり、ブリッジ頂点b2−b3間の電圧は、ダイオード素子543の逆方向電圧となるので、ダイオード素子543は通電しない。
ところで、2次側整流回路56側では、2次側電圧V2が負となる半サイクルであるため、ブリッジ頂点a3の電位はブリッジ頂点a1の電位(GND)を基準として負となる。すると、ブリッジ頂点a2−a3間の電圧は2次側整流回路56のダイオード素子564の順方向電圧となり、ダイオード素子564は通電している。
従って、ブリッジ頂点b4の電位は、ブリッジ頂点a3の電位(負)からダイオード素子564の順方向電圧分を加えたブリッジ頂点a4の電位となるので、ブリッジ頂点b3−b4間の電圧は、ダイオード素子544の逆方向電圧となり、ダイオード素子544は通電しない。
以上のとおり、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544のうちダイオード素子541のみが通電することになる。
つぎに、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合、ブリッジ頂点b1の電位がブリッジ頂点b3の電位を基準として負となる。すると、ブリッジ頂点b2−b1間の電圧はダイオード素子541の逆方向電圧となるため、ダイオード素子541は通電しない。
また、この場合、ブリッジ頂点b1の電位が負となるので、ブリッジ頂点b1−b4間の電圧はダイオード素子542の順方向電圧となり、ダイオード素子542は通電する。
さらに、この場合、ブリッジ頂点b3の電位はGNDであり、ブリッジ頂点b3−b4間の電圧はダイオード素子543の逆方向電圧となるため、ダイオード素子543は通電しない。
ところで、2次側整流回路56側では、2次側電圧V2が正となる半サイクルであるため、ブリッジ頂点a3の電位はブリッジ頂点a1の電位(GND)を基準として正となる。つまり、ブリッジ頂点a2−a3間の電圧は2次側整流回路56のダイオード素子563の順方向電圧となっており、ダイオード素子563は通電している。
従って、ブリッジ頂点b4の電位は、ブリッジ頂点a3の電位(正)からダイオード素子563、LED4それぞれの順方向電圧を減じた電位となるので、ブリッジ頂点b3−b4間の電圧はダイオード素子544の逆方向電圧となり、ダイオード素子544は通電しない。
以上のとおり、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合、1次側整流回路54を構成するダイオード素子541〜544のうちダイオード素子542のみが通電することになる。
つぎに、2次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564の1サイクル間の通電状況に関して、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合と、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合と、に分けて説明する。
1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合、まず、ブリッジ頂点a1の電位はGNDであるため、ブリッジ頂点a2−a1間の電圧はダイオード素子561の逆方向電圧となり、ダイオード素子561は通電しない。
また、この場合、2次側電圧V2が負となる半サイクルのためにブリッジ頂点a3の電位がブリッジ頂点a1の電位を基準として負となるため、ブリッジ頂点a2−a3間の電圧は、ダイオード素子563の逆方向電圧となるので、ダイオード素子563は通電しない。
さらに、この場合、ブリッジ頂点a3の電位が負のため、ブリッジ頂点a3−a4間の電圧は、ダイオード素子564の順方向電圧となるので、ダイオード素子564は通電する。
さらに、この場合、ブリッジ頂点a4の電位は、ダイオード素子564が通電することによって、ブリッジ頂点a3の電位(負)からダイオード素子564の順方向電圧を加えた電位となる。従って、ブリッジ頂点a1−a4間の電圧は、ダイオード素子562の逆方向電圧となるため、ダイオード素子562は通電しない。
以上のとおり、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合、2次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564のうちダイオード素子564のみが通電することになる。
つぎに、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合、まず、ブリッジ頂点a1の電位はGNDであるため、ブリッジ頂点a2−a1間の電圧はダイオード素子561の逆方向電圧となり、ダイオード素子561は通電しない。
また、この場合、2次側電圧V2が正となる半サイクルのためにブリッジ頂点a3の電位がブリッジ頂点a1の電位を基準として正となるため、ブリッジ頂点a2−a3間の電圧は、ダイオード素子563の順方向電圧となるので、ダイオード素子563は通電する。
さらに、この場合、ブリッジ頂点a3の電位が正のため、ブリッジ頂点a3−a4間の電圧は、ダイオード素子564の逆方向電圧となるので、ダイオード素子564は通電しない。
さらに、この場合、ブリッジ頂点a4の電位は、ダイオード素子563が通電することによって、ブリッジ頂点a3の電位(正)からダイオード素子563、LED4それぞれの順方向電圧を減じた電位となる。従って、ブリッジ頂点a1−a4間の電圧は、ダイオード素子562の逆方向電圧となるため、ダイオード素子562は通電しない。
以上のとおり、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合、1次側整流回路56を構成するダイオード素子561〜564のうちダイオード素子563のみが通電する。
尚、逆位相の場合の電源装置200の電気的性能を検証する実験として、各種項目の測定を行った結果をまとめたものが図10(a)、図10(b)である。図10(a)に示す測定結果では、電源変圧器52の1次側電圧V1を「1.26V」、「1.37V」、「1.44V」と変えていった場合に、電源変圧器52の2次側電流I2(mA)、電源変圧器52の1次側電流I1(mA)、AC電流計とDC電流計でそれぞれ測ったLED電流I4(mA)、LED輝度(cd/m2)を測定項目としている。図10(b)は、図10(a)に示した実験結果の中から、2次側電流I2に対するLED電流I4(AC電流計の場合)の変化をグラフ化したものである。
上記のとおり、第2実施形態では、1組の電極板1に対して2次側を接地させた1組の電源変圧器52を備え、電源変圧器52の1次巻線521と2次巻線522それぞれより取り出された電力を全波整流する1次側、2次側整流回路54、56を負荷40に対して並列に配設し、1次側、2次側整流回路54、56それぞれにおいて全波整流された電力を合成して負荷40に供給するようにした。この結果、負荷40を効率良く駆動することが可能となる。
また、第2実施形態では、同位相の場合と逆位相の場合それぞれの実験結果を対比すれば、1次側整流回路54、2次側整流回路56において通電するダイオード素子の個数に関して、同位相の場合の方が逆位相の場合の方と比べて2倍となることが分かる。つまり、同位相の場合の方が、逆位相の場合と比べて、負荷40へ供給される電力を2倍とすることができ、負荷40を効率良く駆動することができる。
さらに、第2実施形態では、電源変圧器52の変流比を1に設定しているため、1次側整流回路54から取り出される電力と2次側整流回路56から取り出される電力との間に振幅の違いがなくなり、電力合成の際の脈動(リップル)が抑えられ、負荷40を安定的に駆動することができる。
<<<第3実施形態に係る電源装置>>>
===電源装置の全体構成例===
以下、図13を用いて第3実施形態に係る静電誘導作用を利用した電源装置300の全体的な構成を説明する。尚、図13では、図1に示した電源装置100や図6に示した電源装置200と同じ構成については同一の符号を付している。
電源装置300は、電線Lに対して、1組の電極板1と、1組の電極板に対応して配設される電力供給器6と、を具備する。
電力供給器6は、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧が1次側電圧V1として印加される1次巻線621と、1次巻線621との間の相互誘導によって2次側電圧V2に応じた電力が取り出される2次巻線522と、を具備した電源変圧器62を備える。尚、1次巻線621の1次巻数に対する2次巻線622の2次巻数の比は1対1としており、変圧比並びに変流比を1に設定している。また、電源変圧器62は、2次側を接地している。
また、電力供給器6は、電源変圧器62の1次巻線621と1次巻線が接続される1次側補助変圧器64と、電源変圧器62の2次巻線622と1次巻線が接続される2次側補助変圧器66と、を具備する。尚、1次側補助変圧器64、2次側補助変圧器66ともに2次側は非接地とする。
さらに、電力供給器6は、1次側補助変圧器64の2次巻線から取り出される電力を全波整流して負荷40に供給する1次側整流回路65と、2次側補助変圧器66の2次巻線から取り出される電力を全波整流して負荷40に供給する2次側整流回路67と、を備える。
1次側整流回路65と2次側整流回路67は、図2に示した整流回路34a、34bと同様に、4つのダイオード素子(671〜674、651〜654)を組み合わせたダイオードブリッジを採用しており、負荷40に対して並列に配設される。このような配置によって、1次側整流回路65と2次側整流回路67それぞれにおいて全波整流された電力が合成されて負荷40に供給される。
===電源装置の実験結果===
図14は、1次側整流回路65と2次側整流回路67それぞれにおいて全波整流された電力が同位相(位相差が0°)となる場合の電源装置300の構成を示した図である。尚、負荷40をLED4に置き換え、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧を交流電源10として表現している。
1次側整流回路65と2次側整流回路67それぞれにおいて全波整流された電力を同位相とするために、電源変圧器62の1次巻線621と2次巻線622、1次側補助変圧器64の1次巻線641と2次巻線642、2次側補助変圧器66の1次巻線661と2次巻線662を全て同極性としている。このため、1次側整流回路65の整流電圧V4bと、2次側整流回路67の整流電圧V4aとは同位相となる。
図14中において、1次側整流回路65を構成するダイオード素子651〜654、2次側整流回路67を構成するダイオード素子671〜674、それぞれにおいて○印で囲まれているが、この○印は、交流電源10の1サイクルの間に通電状態となることを表している。
具体的には、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合には、1次側整流回路65のダイオード素子651、654が通電するとともに、2次側整流回路67のダイオード素子671、674が通電する。一方、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合にはダイオード素子652、653が通電するとともに、2次側整流回路67のダイオード素子672、673が通電する。従って、交流電源10の1サイクルの間に、1次側整流回路65を構成するダイオード素子651〜654、2次側整流回路67を構成するダイオード素子671〜674の全てが通電する。
尚、同位相の場合の電源装置300の電気的性能を検証する実験として、各種項目の測定を行った結果をまとめたものが図15(a)、図15(b)である。図15(a)に示す測定結果では、電源変圧器62の1次側電圧V1を「4.50V」、「11.10V」、「14.50V」、「17.40V」と変えていった場合に、電源変圧器62の2次側電流I2(mA)、電源変圧器62の1次側電流I1(mA)、AC電流計とDC電流計でそれぞれ測ったLED電流I5(mA)、LED輝度(cd/m2)を測定項目としている。図15(b)は、図15(a)に示した実験結果の中から、2次側電流I2に対するLED電流I5(AC電流計の場合)の変化をグラフ化したものである。
図16は、1次側整流回路67と2次側整流回路65それぞれにおいて全波整流された電力が逆位相(位相差が180°)となる場合の電源装置300の構成を示した図である。尚、負荷40をLED4に置き換え、電極板1と大地Eとの間の静電誘導に応じた誘導電圧を交流電源10として表現している。
1次側整流回路67と2次側整流回路65それぞれにおいて全波整流された電力を逆位相とするために、図16に示すように、電源変圧器62の1次巻線621と2次巻線622を逆位相とし、1次側補助変圧器64の1次巻線641と2次巻線642、2次側補助変圧器66の1次巻線661と2次巻線662を、電源変圧器62の1次巻線621と同極性としている。このため、1次側整流回路65の整流電圧V4bと、2次側整流回路67の整流電圧V4aとは逆位相となる。
図16中において、1次側整流回路67のダイオード素子671〜674、2次側整流回路65のダイオード素子651〜654、それぞれにおいて○印で囲まれているが、この○印は、交流電源10の1サイクルの間に通電状態となることを表している。
具体的には、1次側電圧V1が正となる半サイクルの場合には、1次側整流回路65のダイオード素子651、654が通電するとともに、2次側電圧V2が負となるため2次側整流回路67のダイオード素子672、673が通電する。一方、1次側電圧V1が負となる半サイクルの場合にはダイオード素子652、653が通電するとともに、2次側電圧V2が正となるため2次側整流回路67のダイオード素子671、674が通電する。従って、交流電源10の1サイクルの間に、1次側整流回路65を構成するダイオード素子651〜654、2次側整流回路67を構成するダイオード素子671〜674の全てが通電する。
尚、逆位相の場合の電源装置200の電気的性能を検証する実験として、各種項目の測定を行った結果をまとめたものが図17(a)、図17(b)である。図17(a)に示す測定結果では、電源変圧器52の1次側電圧V1を「4.50V」、「11.10V」、「14.50V」、「17.40V」と変えていった場合に、電源変圧器62の2次側電流I2(mA)、電源変圧器62の1次側電流I1(mA)、AC電流計とDC電流計でそれぞれ測ったLED電流I5(mA)、LED輝度(cd/m2)を測定項目としている。図17(b)は、図17(a)に示した実験結果の中から、2次側電流I2に対するLED電流I5(AC電流計の場合)の変化をグラフ化したものである。
上記のとおり、第3実施形態では、第2実施形態の構成に加えて、電源変圧器62の1次巻線621と1次側整流回路65の間に2次側を非接地とした1次側補助変圧器64を、電源変圧器62の2次巻線622と2次側整流回路67の間に2次側を非接地とした2次側補助変圧器66を配設した。この構成により、1次側整流回路65と2次側整流回路67は、電源変圧器62の2次側を接地したことによる影響を受けずに済む。具体的には、同位相の場合と逆位相の場合それぞれの実験結果を対比すれば、1次側整流回路54、2次側整流回路56において通電するダイオード素子の個数に関して、第2実施形態の場合と異なり、同位相の場合と逆位相の場合いずれも同じになることが分かる。従って、第2実施形態の場合の効果に加えて、逆位相の場合であっても、負荷40を効率良く駆動することが可能となる。
また、第3実施形態では、電源変圧器62の変流比を1とし、1次側補助変圧器64と2次側補助変圧器66それぞれの変流比を同一の変流比にしたことによって、1次側整流回路65から取り出される電力と2次側整流回路67から取り出される電力との間に振幅の違いがなくなり、電力合成の際の脈動(リップル)が抑えられ、負荷40を安定的に駆動することができる。
<<<電源装置の応用例>>>
上記の電源装置100、200、300の応用例として、LED4により構成された架空送電線用標識灯の電源として電源装置100、200、300を使用する場合を以下例に挙げて説明する。尚、架空送電線用標識灯は、架空送電線用標識灯の一実施形態である。
図18は、架空送電線用標識灯の外面及び内部構造を示す。
図18に示す架空送電線用標識灯10は、LED4と、外層(カバー)7と、支持部9とを備える。LED4は、白色灯等の高輝度発光ダイオードが用いられる。外層7は、所定の厚さを持つ強化プラスチック等であり、LED4が差し込まれて固定されるような構造である。換言すれば、外層7は、LED4を覆うような構成になっている。尚、外層7の表面には、LED4が差し込まれる位置に対応してレンズ8が設けられていてもよい。これによれば、レンズ8による発光出力の集光又は拡散の効果を利用することによって、LED4の光度を効率的に向上することができる。支持部9は、LED4及び外層7からなる発光部分を支持するものである。
図19は、例えば、第1実施形態の場合の電源装置100を取り付けた電線Lを支持する鉄塔400を示した図である。尚、図1との対応付けを行うと、電極板1としてアルミ板があり、大地Eとして同じ電位を有する鉄塔400がある。
鉄塔400は、アーム210からがいし220を下げてその先に電線Lを支持する懸垂型の場合である。鉄塔400の頂点には架空送電線用標識灯10が取り付けられている。尚、鉄塔400は、懸垂型以外に、ジャンパー線を使って電線Lを繋いでいく耐張型を採用してもよい。
架空送電線用標識灯10は、2つの端子を持ち、一方の端子が鉄塔400を通じて大地Eに接続され、他方の端子が電源装置100の電力供給器3に接続される。なお、架空送電線用標識灯10の外層7と支持部9とが一体化されて、鉄塔400に取り付けられてもよい。
電源装置100は、電線Lが揺れても一定の距離(少なくとも所定の絶縁間隔以上の距離)を保つように湾曲したアルミ板が用いられ、がいし220によって固定された電線Lにアルミ板の凹面が向くとともに、鉄塔400に向かい合うアルミ板の凸面側が電力供給器3を介して鉄塔400に固定された構成になっている。これは、アルミ板を電線Lが揺れる軌跡と平行になるように湾曲させることによって実現できる。この構成により、電線Lが揺れたとしても、電線Lと電極板1との間を一定の距離に保つことができ、電極板1の電位を一定にすることができる。
なお、湾曲したアルミ板ではなく、図1に示すように、平らなアルミ板を電線Lに平行に設ける構成も考えられる。この構成により、電極板1全体として一様に電線Lによる静電誘導作用を受けることができる。
以上によれば、静電誘導による電源装置100を鉄塔側200に設置することによって、給電用の配電設備を配置する等といった電源工事をすることなく、その電源装置100を使用して短期間かつ安価に架空送電線用標識灯10を設置することが可能となる。
また、電源装置100や架空送電線用標識灯10を鉄塔400側に設置することになるので、設備のメンテナンス作業が容易になる。
また、架空送電線用標識灯10のLED4に電力を効率良く供給する電力供給器3が備わっているため、架空送電線用標識灯10の発光輝度を所望の発光輝度に高める必要がある場合に、架空送電線用標識灯10として必要なLED4の個数を抑えることができる。
この結果、LED4の材料費と組み立て工数が抑えられ、架空送電線用標識灯10の製造コストを抑えることができる。また、LED4の接続箇所が結果的に減少して断線の危険が減少するので、設置後のメンテナンスコストが抑えられる。
さらに、架空送電線用標識灯10として必要なLED4の個数を抑えた結果、架空送電線用標識灯10の規模を抑えることができる。このため、架空送電線用標識灯10として必要な発光輝度を得るための測定が容易となり、その測定に必要なコストを抑えることができる。また、風による損傷が減少するので、設置後のメンテナンスコストが抑えられる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明の第1実施形態に係る電源装置の全体的な構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電源装置の詳細な構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電源装置の電気的性能の測定結果を示す図である。 図4(a)は電極1組の場合と電極2組の場合それぞれのLED電流の測定結果を示した表であり、図4(b)は図4(a)の測定結果を示したグラフである。 図5(a)は電極1組の場合と電極2組の場合それぞれのLED発光輝度の測定結果を示した表であり、図5(b)は図5(a)の測定結果を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る電源装置の全体的な構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電源装置の詳細な構成例(合成される電力が同位相の場合)を示す図である。 図8(a)は図7に示した電源装置の電気的性能の測定結果を示した表であり、図8(b)は図8(a)に示した結果のうち電源変圧器の2次側電流に対するLED電流の変化を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る電源装置の詳細な構成例(合成される電力が逆位相の場合)を示す図である。 図10(a)は図9に示した電源装置の電気的性能の測定結果を示した表であり、図10(b)は図10(a)に示した結果のうち電源変圧器の2次側電流に対するLED電流の変化を示したグラフである。 電源変圧器の1次側と2次側が同位相となる状態を説明する図である。 電源変圧器の1次側と2次側が逆位相となる状態を説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る電源装置の全体的な構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電源装置の詳細な構成例(合成される電力が同位相の場合)を示す図である。 図15(a)は図14に示した電源装置の電気的性能の測定結果を示した表であり、図15(b)は図15(a)に示した結果のうち電源変圧器の2次側電流に対するLED電流の変化を示したグラフである。 本発明の第3実施形態に係る電源装置の詳細な構成例(合成される電力が逆位相の場合)を示す図である。 図17(a)は図16に示した電源装置の電気的性能の測定結果を示した表であり、図17(b)は図17(a)に示した結果のうち電源変圧器の2次側電流に対するLED電流の変化を示したグラフである。 架空送電線用標識灯の外面並びに内部構造の一例を示した図である。 架空送電線用標識灯及び電源装置を取り付けた電線を支持する鉄塔を示した図である。
符号の説明
1a、1b、1 電極板
32a、32b、52、62 電源変圧器
321a、321b、521、621 1次巻線
322a、322b、522、622 2次巻線
34a、34b 整流回路
54、65 1次側整流回路
56、67 2次側整流回路
64 1次側補助変圧器
66 2次側補助変圧器
40 負荷
10 架空送電線用標識灯
100、200、300 電源装置
400 鉄塔
E 大地
L 電線

Claims (13)

  1. 静電誘導により所定電位を基準として発生する誘導電圧に応じた電力を負荷に供給する電源装置であって、
    前記誘導電圧が1次側電圧として印加される1次巻線と、2次側電圧に応じた前記電力が取り出される2次巻線と、を有した複数の電源変圧器と、
    複数の前記電源変圧器それぞれの前記2次巻線から取り出される電力を全波整流する複数の整流回路と、
    を備え、前記複数の整流回路を前記負荷に対して並列に配設して、前記複数の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して前記負荷に供給すること、を特徴とする電源装置。
  2. 請求項1に記載の電源装置において、
    前記複数の整流回路それぞれから前記負荷に供給される全波整流された電力は同位相であること、を特徴とする電源装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電源装置において、
    複数の前記電源変圧器それぞれの変流比を同一の変流比にしたこと、を特徴とする電源装置。
  4. 請求項3に記載の電源装置において、
    前記負荷は、入力電圧に応じて出力電流が非線形に増加する非線形素子であり、
    前記同一の変流比を1よりも大きくしたこと、を特徴とする電源装置。
  5. 静電誘導により所定電位を基準として発生する誘導電圧に応じた電力を負荷に供給する電源装置であって、
    前記誘導電圧が1次側電圧として印加される1次巻線と、2次側電圧に応じた電力が取り出される2次巻線と、を有し、2次側を接地させる電源変圧器と、
    前記電源変圧器の前記1次巻線から取り出される電力を全波整流する第1の整流回路と、
    前記電源変圧器の前記2次巻線から取り出される電力を全波整流する第2の整流回路と、
    を備え、前記第1の整流回路と前記第2の整流回路とを前記負荷に対して並列に配設して、前記第1の整流回路と前記第2の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力を合成して前記負荷に供給すること、を特徴とする電源装置。
  6. 請求項5に記載の電源装置において、前記第1の整流回路と前記第2の整流回路それぞれにおいて全波整流された電力は同位相であること、を特徴とする電源装置。
  7. 請求項5又は6に記載の電源装置において、前記電源変圧器の変流比を1としたこと、を特徴とする電源装置。
  8. 請求項5に記載の電源装置であって、
    前記電源変圧器の前記1次巻線と前記第1の整流回路との間に配設し、2次側を非接地とする第1の補助変圧器と、
    前記電源変圧器の前記2次巻線と前記第2の整流回路との間に配設し、2次側を非接地とする第2の補助変圧器と、
    を有することを特徴とする電源装置。
  9. 請求項8に記載の電源装置において、
    前記電源変圧器の変流比を1とし、
    前記第1の補助変圧器と前記第2の補助変圧器それぞれの変流比を同一の変流比にしたこと、を特徴とする電源装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の電源装置において、
    前記誘導電圧は、電線に電圧を印加することに伴う静電誘導によって当該電線と平行に配設した平板状の導電体に生じた電位と前記所定電位との間の電位差であること、を特徴とする電源装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の電源装置において、
    前記誘導電圧は、電線に電圧を印加することに伴う静電誘導によって当該電線と平行に設けられるとともに当該電線と向かい合う側の面が凹面となる湾曲板状の導電体に生じた電位と前記所定電位との間の電位差であること、を特徴とする電源装置。
  12. 請求項10又は11に記載の電源装置において、
    前記負荷は、発光素子を具備した架空送電線用標識灯であること、
    を特徴とする電源装置。
  13. 請求項12に記載の電源装置において、
    前記架空送電線用標識灯は、前記発光素子を覆うとともに前記鉄塔に取り付けられるカバーを備え、
    前記カバーは、前記発光素子の発光出力を集光又は拡散するためのレンズを有すること、
    を特徴とする電源装置。
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JP (1) JP2009291014A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5348322B2 (ja) * 2010-05-28 2013-11-20 株式会社村田製作所 電力伝送システム
CN103475260A (zh) * 2013-09-18 2013-12-25 国家电网公司 基于变电站电场能量的电容式集能转换装置
WO2016159313A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 株式会社ExH 電力伝送システム
CN109638981A (zh) * 2019-01-09 2019-04-16 武汉理工大学 天线式感应取电装置

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